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特許7032590情報提供システム、情報提供方法及びコンピュータプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-28
(45)【発行日】2022-03-08
(54)【発明の名称】情報提供システム、情報提供方法及びコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/02 20120101AFI20220301BHJP
   G01C 21/26 20060101ALI20220301BHJP
【FI】
G06Q30/02 332
G06Q30/02 398
G01C21/26 C
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2021040390
(22)【出願日】2021-03-12
(62)【分割の表示】P 2018123597の分割
【原出願日】2018-06-28
(65)【公開番号】P2021103539
(43)【公開日】2021-07-15
【審査請求日】2021-03-12
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000208891
【氏名又は名称】KDDI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【弁理士】
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100114937
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 裕幸
(72)【発明者】
【氏名】竹森 敬祐
(72)【発明者】
【氏名】溝口 誠一郎
(72)【発明者】
【氏名】本間 輝彰
(72)【発明者】
【氏名】石塚 浩
(72)【発明者】
【氏名】戸塚 明典
【審査官】稲葉 大紀
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-213975(JP,A)
【文献】特開2011-238262(JP,A)
【文献】国際公開第2014/174641(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01C 21/00-21/36
23/00-25/00
G06Q 10/00-10/10
30/00-30/08
50/00-50/20
50/26-99/00
G16Z 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両をナビゲーションする目的地である送客先の位置を示す送客先位置情報を含む提供情報を送信する提供情報送信部と、
前記提供情報の送信先に関するユーザ登録情報を記録するユーザ登録部と、
前記提供情報の広告主が前記提供情報による送客実績に応じて支払う成果報酬を所定の成果処理方法に従って分配する処理を実行する成果処理部と、を備える情報配信装置と、
前記情報配信装置から送信された前記提供情報を受信する端末装置と、を備え、
前記端末装置は、
前記車両に搭載された情報処理装置との間の通信路が確立しているか否かを判断し、
前記通信路が確立している場合には前記提供情報に基づいたナビゲーション情報を前記情報処理装置へ送信し、
一方、前記通信路が確立していない場合には前記提供情報に基づいたナビゲーション情報を前記端末装置の表示画面に表示させる、
情報提供システム。
【請求項2】
前記ユーザ登録部は、ユーザ登録済みのユーザの趣向を示す趣向情報を当該ユーザのユーザ登録情報に含めて記録する、
請求項1に記載の情報提供システム
【請求項3】
前記ユーザ登録部は、ユーザ登録済みのユーザの車両の走行ログを当該ユーザのユーザ登録情報に含めて記録する、
請求項1又は2のいずれか1項に記載の情報提供システム
【請求項4】
前記情報配信装置は、ユーザへの提供情報の提示を制御する情報提供制御部をさらに備える、
請求項1から3のいずれか1項に記載の情報提供システム
【請求項5】
提供情報は、送客先の広告又は送客先で利用可能な特典を示すクーポンを含む、
請求項1から4のいずれか1項に記載の情報提供システム
【請求項6】
前記情報配信装置は、広告主から提供情報を収集し、収集した提供情報を蓄積する提供情報取得部をさらに備える、
請求項1から5のいずれか1項に記載の情報提供システム
【請求項7】
前記情報配信装置は、前記提供情報取得部に蓄積された提供情報の中から、ユーザ登録済みのユーザへ提供する提供情報を選択する提供情報選択部をさらに備え、
前記提供情報選択部は、ユーザ登録済みのユーザへ提供する提供情報を選択する際に、
ユーザ登録済みのユーザの車両に関する連続走行時間と、運転ログと、燃料残量と、ECUエラーメッセージと、ユーザ登録済みのユーザの趣向を示す端末情報であるアプリケーションの利用頻度又は利用時間と、アプリケーションにより提示された広告のうちユーザの操作によって閲覧された広告閲覧履歴と、端末装置の移動履歴から取得されるユーザの行動を示す行動履歴と、のうち少なくともいずれかの情報を利用する、
請求項6に記載の情報提供システム
【請求項8】
情報配信装置が、車両をナビゲーションする目的地である送客先の位置を示す送客先位置情報を含む提供情報の送信先に関するユーザ登録情報を記録するユーザ登録ステップと、
前記情報配信装置が、前記提供情報を送信する提供情報送信ステップと、
前記情報配信装置が、前記提供情報の広告主が前記提供情報による送客実績に応じて支払う成果報酬を所定の成果処理方法に従って分配する処理を実行する成果処理ステップと、を含む情報提供方法であって、
端末装置が、前記情報配信装置から送信された前記提供情報を受信するステップと、
前記端末装置が、前記車両に搭載された情報処理装置との間の通信路が確立しているか否かを判断し、前記通信路が確立している場合には前記提供情報に基づいたナビゲーション情報を前記情報処理装置へ送信し、一方、前記通信路が確立していない場合には前記提供情報に基づいたナビゲーション情報を前記端末装置の表示画面に表示させるステップと、
をさらに含む情報提供方法。
【請求項9】
情報配信装置のコンピュータに、
車両をナビゲーションする目的地である送客先の位置を示す送客先位置情報を含む提供情報を送信する提供情報送信機能と、
前記提供情報の送信先に関するユーザ登録情報を記録するユーザ登録機能と、
前記提供情報の広告主が前記提供情報による送客実績に応じて支払う成果報酬を所定の成果処理方法に従って分配する処理を実行する成果処理機能と、を実現させ、
端末装置のコンピュータに、
前記情報配信装置から送信された前記提供情報を受信する機能と、
前記車両に搭載された情報処理装置との間の通信路が確立しているか否かを判断し、前記通信路が確立している場合には前記提供情報に基づいたナビゲーション情報を前記情報処理装置へ送信し、一方、前記通信路が確立していない場合には前記提供情報に基づいたナビゲーション情報を前記端末装置の表示画面に表示させる機能と、を実現させる
ためのコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報提供システム、情報提供方法及びコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、自動車の運転者に対して、店舗で利用できる割引等のクーポンを自動車のユーザインタフェースの表示装置に表示して提示する情報提供技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特表2012-503468号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上述した従来の装置では、クーポンを利用できる店舗への送客を図ることまでは考慮されていない。
【0005】
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、その目的は、クーポン等の提供情報によって送客に寄与することを図ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本発明の一態様は、車両をナビゲーションする目的地である送客先の位置を示す送客先位置情報を含む提供情報を送信する提供情報送信部と、前記提供情報の送信先に関するユーザ登録情報を記録するユーザ登録部と、前記提供情報の広告主が前記提供情報による送客実績に応じて支払う成果報酬を所定の成果処理方法に従って分配する処理を実行する成果処理部と、を備える情報配信装置と、前記情報配信装置から送信された前記提供情報を受信する端末装置と、を備え、前記端末装置は、前記車両に搭載された情報処理装置との間の通信路が確立しているか否かを判断し、前記通信路が確立している場合には前記提供情報に基づいたナビゲーション情報を前記情報処理装置へ送信し、一方、前記通信路が確立していない場合には前記提供情報に基づいたナビゲーション情報を前記端末装置の表示画面に表示させる、情報提供システムである。
【0007】
(2)本発明の一態様は、前記ユーザ登録部は、ユーザ登録済みのユーザの趣向を示す趣向情報を当該ユーザのユーザ登録情報に含めて記録する、上記(1)の情報提供システムである。
(3)本発明の一態様は、前記ユーザ登録部は、ユーザ登録済みのユーザの車両の走行ログを当該ユーザのユーザ登録情報に含めて記録する、上記(1)又は(2)のいずれかの情報提供システムである。
(4)本発明の一態様は、前記情報配信装置は、ユーザへの提供情報の提示を制御する情報提供制御部をさらに備える、上記(1)から(3)のいずれかの情報提供システムである。
(5)本発明の一態様は、提供情報は、送客先の広告又は送客先で利用可能な特典を示すクーポンを含む、上記(1)から(4)のいずれかの情報提供システムである。
【0008】
(6)本発明の一態様は、前記情報配信装置は、広告主から提供情報を収集し、収集した提供情報を蓄積する提供情報取得部をさらに備える、上記(1)から(5)のいずれかの情報提供システムである。
(7)本発明の一態様は、前記情報配信装置は、前記提供情報取得部に蓄積された提供情報の中から、ユーザ登録済みのユーザへ提供する提供情報を選択する提供情報選択部をさらに備え、前記提供情報選択部は、ユーザ登録済みのユーザへ提供する提供情報を選択する際に、ユーザ登録済みのユーザの車両に関する連続走行時間と、運転ログと、燃料残量と、ECUエラーメッセージと、ユーザ登録済みのユーザの趣向を示す端末情報であるアプリケーションの利用頻度又は利用時間と、アプリケーションにより提示された広告のうちユーザの操作によって閲覧された広告閲覧履歴と、端末装置の移動履歴から取得されるユーザの行動を示す行動履歴と、のうち少なくともいずれかの情報を利用する、上記(6)の情報提供システムである。
【0009】
(8)本発明の一態様は、情報配信装置が、車両をナビゲーションする目的地である送客先の位置を示す送客先位置情報を含む提供情報の送信先に関するユーザ登録情報を記録するユーザ登録ステップと、前記情報配信装置が、前記提供情報を送信する提供情報送信ステップと、前記情報配信装置が、前記提供情報の広告主が前記提供情報による送客実績に応じて支払う成果報酬を所定の成果処理方法に従って分配する処理を実行する成果処理ステップと、を含む情報提供方法であって、端末装置が、前記情報配信装置から送信された前記提供情報を受信するステップと、前記端末装置が、前記車両に搭載された情報処理装置との間の通信路が確立しているか否かを判断し、前記通信路が確立している場合には前記提供情報に基づいたナビゲーション情報を前記情報処理装置へ送信し、一方、前記通信路が確立していない場合には前記提供情報に基づいたナビゲーション情報を前記端末装置の表示画面に表示させるステップと、をさらに含む情報提供方法である。
【0010】
(9)本発明の一態様は、情報配信装置のコンピュータに、車両をナビゲーションする目的地である送客先の位置を示す送客先位置情報を含む提供情報を送信する提供情報送信機能と、前記提供情報の送信先に関するユーザ登録情報を記録するユーザ登録機能と、前記提供情報の広告主が前記提供情報による送客実績に応じて支払う成果報酬を所定の成果処理方法に従って分配する処理を実行する成果処理機能と、を実現させ、端末装置のコンピュータに、前記情報配信装置から送信された前記提供情報を受信する機能と、前記車両に搭載された情報処理装置との間の通信路が確立しているか否かを判断し、前記通信路が確立している場合には前記提供情報に基づいたナビゲーション情報を前記情報処理装置へ送信し、一方、前記通信路が確立していない場合には前記提供情報に基づいたナビゲーション情報を前記端末装置の表示画面に表示させる機能と、を実現させるためのコンピュータプログラムである。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、クーポン等の提供情報によって送客に寄与することを図ることができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】一実施形態に係る情報提供システムの概略構成図である。
図2】一実施形態に係る情報配信装置の機能構成例を示すブロック図である。
図3】一実施形態に係る端末装置の機能構成例を示すブロック図である。
図4】一実施形態に係るIVI機器の機能構成例を示すブロック図である。
図5】一実施形態に係るナビゲーション方法の手順の例を示すフローチャートである。
図6】一実施形態に係るナビゲーション方法の例を説明する。
図7】一実施形態に係る情報提供システムの概略構成図である。
図8】一実施形態に係る端末装置の機能構成例を示すブロック図である。
図9】一実施形態に係るIVI機器の機能構成例を示すブロック図である。
図10】一実施形態に係るナビゲーション方法の手順の例を示すフローチャートである。
図11】一実施形態に係る情報提供システムの適用例の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照し、本発明の実施形態について説明する。なお、以下に示す実施形態では、車両として自動車を例に挙げて説明する。
【0014】
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態に係る情報提供システムの概略構成図である。図1において、情報提供システム1aは、情報配信装置30と、端末装置40aと、自動車50と、を備える。端末装置40aは、自動車50の車内に存在してもよく、又は、自動車50の車外に存在してもよい。
【0015】
自動車50は、TCU(Tele Communication Unit)51と、車載インフォテイメント(In-Vehicle Infotainment:IVI)機器52aと、ゲートウェイ(GW)装置53と、通信ネットワーク54と、複数のECU(Electronic Control Unit:電子制御装置)55とを備える。IVI機器52aは情報処理装置の例である。
【0016】
ECU55は、自動車50に備わる車載コンピュータである。ECU55は、自動車50のエンジン制御等の制御機能を有する。ECU55として、例えば、エンジン制御機能を有するECU、トランスミッション制御機能を有するECU、ハンドル制御機能を有するECU、ブレーキ制御機能を有するECUなどがある。GW装置53は、自動車50に搭載されたECU55に適用されるデータのセキュリティ(保安)の機能を有する。
【0017】
GW装置53と複数のECU55は、自動車50に備わる通信ネットワーク(以下、車載ネットワークと称する)54に接続される。車載ネットワーク54は、例えば、CAN(Controller Area Network)であってもよい。CANは車両に搭載される通信ネットワークの一例として知られている。GW装置53は、車載ネットワーク54を介して、各ECU55との間でデータを交換する。ECU55は、車載ネットワーク54を介して、他のECU55との間でデータを交換する。
【0018】
なお、車載ネットワーク54として、CAN以外の通信ネットワークを自動車50に備え、CAN以外の通信ネットワークを介して、GW装置53とECU55との間のデータの交換、及び、ECU55同士の間のデータの交換が行われてもよい。例えば、LIN(Local Interconnect Network)を自動車50に備えてもよい。また、CANとLINとを自動車50に備えてもよい。
【0019】
TCU51は、IVI機器52aとGW装置53とに接続されている。TCU51は通信装置である。本実施形態では、TCU51は、無線通信ネットワークを利用して通信を行う。例えば、TCU51は、無線通信ネットワークを介して、情報配信装置30と通信を行ってもよい。例えば、TCU51は、無線通信ネットワークを介して、自動車50の車内又は車外に存在する端末装置40aと通信を行ってもよい。
【0020】
IVI機器52aは、例えば、ナビゲーション機能、位置情報サービス機能、音楽や動画などのマルチメディア再生機能、音声通信機能、データ通信機能、インターネット接続機能などを備える。IVI機器52aは、ユーザの操作に応じたデータ入力を行うための、キーボード、テンキー、マウス等の入力デバイスと、データ表示を行うための液晶表示装置等の表示デバイスとを備える。IVI機器52aは、データ入力とデータ表示の両方が可能なタッチパネルを備えてもよい。
【0021】
IVI機器52aは、TCU51とGW装置53とに接続されている。IVI機器52aは、GW装置53を介してECU55と通信を行う。また、IVI機器52aは、GW装置53を介して、車載ネットワーク54を流れる自動車50の車両情報を取得する。
【0022】
また、IVI機器52aは、近距離無線通信機能を備える。近距離無線通信は、例えば、「Wi-Fi(登録商標)」等の無線LAN(Local Area Network)の無線通信であってもよく、又は、BLE等の「Bluetooth(登録商標)」の無線通信であってもよい。IVI機器52aは、近距離無線通信により端末装置40aと通信を行ってもよい。また、IVI機器52aは、TCU51を介して、端末装置40aや情報配信装置30と通信を行ってもよい。
【0023】
また、IVI機器52aは、端末装置40aとの連携を行うための端末インタフェースを備える。端末インタフェースは、端末装置40aのアプリケーションが生成した画面をIVI機器52aの表示デバイスにより表示する機能や、自動車50の車両情報を端末装置40aへ送信する機能などを有する。端末インタフェースによって、例えば、自動車50の車両情報の一例であるギア情報を端末装置40aへ送信することができる。ギア情報は、自動車50のトランスミッションのギアの状態を示す車両情報である。端末装置40aは、自動車50から受信したギア情報によって、自動車50のトランスミッションのギアが「パーキング(駐車)」状態になっているのか否かを認識することができる。
【0024】
端末装置40aは、自動車50の車内に存在してもよく、又は、自動車50の車外に存在してもよい。端末装置40aは、通信路106を介して自動車50のIVI機器52aと通信を行う。通信路106は、端末装置40aとIVI機器52a間の近距離無線通信の通信路であってもよい。通信路106は、TCU51経由の通信路であってもよい。通信路106は、例えば、TCU51が利用する無線通信ネットワークと、インターネットとを含む通信路であってもよい。通信路106は、通信ケーブルにより構成されてもよい。例えば、端末装置40aとIVI機器52aとを通信ケーブルで接続し、端末装置40aとIVI機器52aとは当該通信ケーブルを介してデータを送受してもよい。例えば、端末装置40aとIVI機器52aとをUSB(universal serial bus)ケーブルで接続し、端末装置40aとIVI機器52aとはUSBケーブルを介してUSB通信を行ってもよい。
【0025】
情報配信装置30と端末装置40aとは、通信路104を介して通信を行う。通信路104は、無線通信路であってもよく、又は、有線通信路であってもよく、又は、無線通信路と有線通信路とから構成されてもよい。通信路104は、例えば、端末装置40aが利用する無線通信ネットワークと、インターネットとを含む通信路であってもよい。端末装置40aが利用する無線通信ネットワークは、携帯電話ネットワークであってもよく、又は、無線LANであってもよい。
【0026】
情報配信装置30は、提供情報を配信する装置である。本実施形態の一例として、情報配信装置30は、通信路104を介して提供情報を端末装置40aへ送信する。提供情報は、例えば、店舗で利用できる割引等の特典が付いた電子クーポンや広告、給油所や自動車整備工場等のサービス施設の紹介やサービス施設までの道案内などの情報である。
【0027】
図2は、本実施形態に係る情報配信装置の機能構成例を示すブロック図である。図2において、情報配信装置30は、情報提供制御部10と、提供情報送信部31と、提供情報取得部32と、ユーザ登録部33と、成果処理部34と、を備える。
【0028】
情報提供制御部10は、提供情報の配信を制御する。提供情報送信部31は、情報提供制御部10による送信タイミングの制御に基づいて提供情報を送信する。本実施形態の一例として、提供情報送信部31は、通信路104を介して提供情報を端末装置40aへ送信する。提供情報取得部32は、配信する提供情報を取得し、取得した提供情報を保持する。ユーザ登録部33は、端末装置40aのユーザ(以下、端末ユーザと称する)のユーザ登録情報を記録する。成果処理部34は、端末装置40aへ提供情報を配信した結果として得られる成果を処理するための成果処理を実行する。
【0029】
情報配信装置30の機能は、情報配信装置30がCPU(Central Processing Unit:中央演算処理装置)及びメモリ等のコンピュータハードウェアを備え、CPUがメモリに格納されたコンピュータプログラムを実行することにより実現される。なお、情報配信装置30として、汎用のコンピュータ装置を使用して構成してもよく、又は、専用のハードウェア装置として構成してもよい。
【0030】
図3は、本実施形態に係る端末装置の機能構成例を示すブロック図である。図3には、端末装置40aの情報提供に係る機能構成が示される。図3において、端末装置40aは、車両インタフェース41と、車両情報取得部42と、提供情報受信部44と、表示部45と、操作部46と、端末制御部47とを備える。
【0031】
車両インタフェース41は、通信路106を介する通信により、IVI機器52aの端末インタフェースと連携を行う。車両インタフェース41は、端末装置40aのアプリケーションが生成した端末アプリケーション画面をIVI機器52aへ送信し、IVI機器52aの端末インタフェースにより当該端末アプリケーション画面をIVI機器52aの表示デバイスにより表示させる機能や、自動車50の車両情報をIVI機器52aの端末インタフェースから受信する機能などを有する。車両情報取得部42は、自動車50の車両情報を車両インタフェース41により取得する。
【0032】
提供情報受信部44は、情報配信装置30から配信された提供情報を受信する。本実施形態の一例として、提供情報受信部44は、情報配信装置30から通信路104を介して提供情報を受信する。
【0033】
表示部45は、データ表示を行うための表示デバイスを備える。表示部45は、提供情報を表示する。本実施形態の一例として、表示部45は、提供情報受信部44が情報配信装置30から受信した提供情報を表示する。操作部46は、ユーザの操作に応じたデータ入力を行うための入力デバイスを備える。表示部45及び操作部46は、データ入力とデータ表示の両方が可能なタッチパネルであってもよい。
【0034】
端末制御部47は、端末装置40aの制御を行う。端末制御部47は、情報配信装置30から端末装置40aへ配信された提供情報を選択するユーザ操作を受け付けた場合に、当該提供情報に基づいたナビゲーション情報を自動車50へ車両インタフェース41により送信する。ナビゲーション情報は、提供情報に含まれる位置情報で特定される目的地を含む情報であってもよく、又は、当該目的地へのナビゲーション画面であってもよい。
【0035】
端末装置40aの機能は、端末装置40aがCPU及びメモリ等のコンピュータハードウェアを備え、CPUがメモリに格納されたコンピュータプログラムを実行することにより実現される。なお、端末装置40aとして、汎用のコンピュータ装置を使用して構成してもよく、又は、専用のハードウェア装置として構成してもよい。また、端末装置40aとして、スマートフォン等の携帯通信端末装置、タブレット型のコンピュータ装置(タブレットPC)などを利用してもよい。
【0036】
図4は、本実施形態に係るIVI機器の機能構成例を示すブロック図である。図4には、IVI機器52aの情報提供に係る機能構成が示される。図4において、IVI機器52aは、端末インタフェース521と、車両情報提供部522と、表示部523と、操作部524と、ナビゲーション制御部525とを備える。
【0037】
端末インタフェース521は、通信路106を介する通信により、端末装置40aの車両インタフェース41と連携を行う。端末インタフェース521は、端末装置40aのアプリケーションが生成した端末アプリケーション画面を車両インタフェース41から受信し、受信した端末アプリケーション画面を表示部523に表示する機能や、自動車50の車両情報を車両インタフェース41へ送信する機能などを有する。
【0038】
車両情報提供部522は、GW装置53を介して、車載ネットワーク54を流れる自動車50の車両情報を取得する。車両情報提供部522は、GW装置53を介して取得した自動車50の車両情報を端末インタフェース521により端末装置40aへ提供する。
【0039】
表示部523は、データ表示を行うための表示デバイスを備える。操作部524は、ユーザの操作に応じたデータ入力を行うための入力デバイスを備える。表示部523及び操作部524は、データ入力とデータ表示の両方が可能なタッチパネルであってもよい。
【0040】
ナビゲーション制御部525は、IVI機器52aのナビゲーション機能の制御を行う。ナビゲーション制御部525は、端末装置40aから端末インタフェース521により受信したナビゲーション情報に基づいてナビゲーションを実行する。端末装置40aから受信したナビゲーション情報が目的地を示す目的地情報である場合、ナビゲーション制御部525は、当該目的地情報で示される目的地へのナビゲーションを実行する。端末装置40aから受信したナビゲーション情報が目的地へのナビゲーション画面である場合、ナビゲーション制御部525は、当該ナビゲーション画面を使用して目的地へのナビゲーションを実行する。
【0041】
IVI機器52aの機能は、IVI機器52aがCPU及びメモリ等のコンピュータハードウェアを備え、CPUがメモリに格納されたコンピュータプログラムを実行することにより実現される。
【0042】
次に本実施形態に係るナビゲーション方法の例を説明する。
【0043】
<ナビゲーション方法の例A-1>
図5を参照して、本実施形態に係るナビゲーション方法の例A-1を説明する。図5は、本実施形態に係るナビゲーション方法の手順の例A-1を示すフローチャートである。
【0044】
端末ユーザは、事前に、情報配信装置30にユーザ登録を行う。情報配信装置30のユーザ登録部33は、端末ユーザのユーザ登録により取得した端末ユーザのユーザ登録情報を記録する。ユーザ登録情報は、氏名、住所、端末装置40aの端末識別情報(端末ID;例えば携帯電話番号など)、自動車50の車両識別番号(Vehicle Identification Number:VIN)、IVI機器52aのナビゲーションのアプリケーション識別情報(ナビID)などを含む情報である。情報配信装置30のユーザ登録部33は、ウェブ(Web)サイトによりユーザ登録を受け付けてもよい。
【0045】
(ステップS1a) 情報配信装置30は、通信路104を介して端末装置40aへ提供情報を送信する。提供情報は、送客の目的地を示す位置情報を含む情報である。位置情報は、例えば、目的地の住所又は「緯度および経度」である。提供情報は、例えば、店舗の広告であって当該店舗の位置情報を含む情報である。また、提供情報は、店舗で利用できる割引等の特典が付いた電子クーポンを含む情報であってもよい。図5の例では、提供情報Aは、店舗Bの広告であって、当該店舗Bの位置情報と、店舗Bで利用できる千円分の割引の特典が付いた電子クーポンCとを含む情報である。端末装置40aは、情報配信装置30から受信した提供情報Aをメモリに格納する。
【0046】
(ステップS2a) 端末装置40aの端末制御部47は、提供情報Aを表示部45に表示し、提供情報Aの選択を促す。例えば、端末制御部47は、表示部45に、提供情報Aを表示すると共にメッセージ「ここへ行きますか?」並びに選択ボタン「はい」及び「いいえ」を表示する。端末ユーザは、選択ボタン「はい」又は「いいえ」を選択する操作を行う。端末制御部47は、選択ボタン「はい」が選択されるユーザ操作を受け付けた場合、ステップS3aに進む。一方、端末制御部47は、選択ボタン「いいえ」が選択されるユーザ操作を受け付けた場合、図5の処理を終了する。
【0047】
(ステップS3a) 端末装置40aの端末制御部47は、端末装置40aと自動車50のIVI機器52aとの間の通信路106を確立させる。なお、端末装置40aと自動車50のIVI機器52aとの間の通信路106は、予め確立されていてもよい。通信路106が予め確立されている場合、ステップS3aを省略してステップS4aに進む。
【0048】
(ステップS4a) 端末装置40aの端末制御部47は、提供情報Aに基づいたナビゲーション情報を自動車50へ車両インタフェース41により送信する。自動車50のIVI機器52aのナビゲーション制御部525は、端末装置40aから端末インタフェース521により受信したナビゲーション情報に基づいてナビゲーションを実行する。これにより、自動車50のIVI機器52aにおいて、提供情報Aに係る店舗Bへのナビゲーションを自動的に実行することができる。
【0049】
(ナビゲーションの例1)
ナビゲーション情報が提供情報Aに含まれる店舗Bの位置情報である場合、ナビゲーション制御部525は、店舗Bの位置情報で示される店舗Bの位置を目的地に設定し、店舗Bの位置(目的地)へのナビゲーションを実行する。
【0050】
(ナビゲーションの例2)
ナビゲーション情報が提供情報Aに含まれる店舗Bの位置情報で示される店舗Bの位置を目的地にしたナビゲーション画面である場合、ナビゲーション制御部525は、当該ナビゲーション画面を表示部523に表示し、当該ナビゲーション画面により目的地へのナビゲーションを実行する。
【0051】
なお、提供情報は、端末ユーザにお勧めする店舗や施設等の複数のお勧めスポットの情報を含む情報誌の形態(以下、提供情報誌と称する)であってもよい。端末ユーザは、端末装置40aにより、提供情報誌を閲覧し、提供情報誌の中から所望のお勧めスポットを選択するクリック操作を行う。端末制御部47は、当該クリック操作を受け付けると、当該クリック操作により選択されたお勧めスポットのナビゲーション情報を自動車50へ車両インタフェース41により送信する。
【0052】
又は、端末制御部47は、提供情報誌の中から所望のお勧めスポットを選択するクリック操作を受け付けると、表示部45に、当該クリック操作により選択されたお勧めスポットを示す地図画面を表示すると共にメッセージ「ここへ行きますか?」並びに選択ボタン「はい」及び「いいえ」を表示する。端末制御部47は、選択ボタン「はい」が選択されるユーザ操作を受け付けた場合に、当該クリック操作により選択されたお勧めスポットのナビゲーション情報を自動車50へ車両インタフェース41により送信する。一方、端末制御部47は、選択ボタン「いいえ」が選択されるユーザ操作を受け付けた場合には、当該クリック操作により選択されたお勧めスポットのナビゲーション情報を自動車50へ送信しない。
【0053】
上述した提供情報誌によれば、複数のお勧めスポットの中から所望のお勧めスポットを閲覧したり、目的地に設定したりすることをユーザが容易に行うことができる。これにより、お勧めスポットへの送客率を向上させる効果が得られる。
【0054】
<ナビゲーション方法の例A-2>
図6を参照して、本実施形態に係るナビゲーション方法の例A-2を説明する。図6は、本実施形態に係るナビゲーション方法の手順の例A-2を示すフローチャートである。
【0055】
上述した情報提供方法の例A-1と同様に、端末ユーザは、事前に、情報配信装置30にユーザ登録を行う。ステップS1a及びステップS2aは、上述した情報提供方法の例A-1と同じである。提供情報Aを選択するユーザ操作を受け付けた場合に、ステップS3aへ進む。
【0056】
(ステップS3a) 端末装置40aの端末制御部47は、端末装置40aと自動車50のIVI機器52aとの間の通信路106を確立させる。次いで、端末制御部47は、通信路106が確立しているか否かを判断する。通信路106が確立している(端末装置40aが自動車50と通信接続している)場合にはステップS4aに進む。一方、通信路106が確立していない(端末装置40aが自動車50と通信接続していない)場合にはステップS5に進む。なお、端末装置40aと自動車50のIVI機器52aとの間の通信路106は、予め確立されていてもよい。通信路106が予め確立されている場合、ステップS4aに進む。
【0057】
ステップS4aは、上述した情報提供方法の例A-1と同じである。
【0058】
(ステップS5) 端末制御部47は、提供情報Aに基づいたナビゲーション情報を表示部45に表示させる。例えば、端末制御部47は、提供情報Aに含まれる店舗Bの位置情報で示される店舗Bの位置を目的地にして、鉄道やバス等の公共交通機関を利用する経路のナビゲーションを実行する。公共交通機関を利用する経路のナビゲーションによれば、端末装置40aが自動車50に通信接続していないので、端末ユーザが自動車50を利用しないで公共交通機関を利用する可能性があることから、端末ユーザにとって使い勝手がよいという効果が得られる。
【0059】
なお、端末制御部47は、自動車50を利用する経路のナビゲーションと公共交通機関を利用する経路のナビゲーションとのいずれかを選択するためのナビゲーション選択画面を表示し、選択された方のナビゲーションを実行してもよい。
【0060】
上述した第1実施形態によれば、端末装置40aは、情報配信装置30から端末装置40aへ配信された提供情報を選択するユーザ操作を受け付けた場合に、当該提供情報に基づいたナビゲーション情報を自動車50へ車両インタフェース41により送信する。これにより、自動車50において提供情報に基づいたナビゲーション情報により自動的にナビゲーションを実行することができるので、提供情報によって送客に寄与することができるという効果が得られる。
【0061】
また、端末装置40aは、車両インタフェース41により自動車50と通信接続されていない場合、端末装置40aの表示画面にナビゲーション情報を表示させる。これにより、端末装置40aと自動車50とが通信接続されている場合には自動車50のIVI機器52aにより自動車50を利用する経路のナビゲーションを行い、一方、端末装置40aと自動車50とが通信接続されていない場合には端末装置40aにより公共交通機関を利用する経路のナビゲーションを行うことを選択的に実行することができる。
【0062】
例えば、端末ユーザが自動車50に乗車するまでは、端末装置40aと自動車50とが通信接続されておらず、端末装置40aが提供情報に基づいて公共交通機関を利用する経路のナビゲーションを行う。その後、端末ユーザが自動車50に乗車すると、端末装置40aと自動車50とが通信接続されて、IVI機器52aが提供情報に基づいて自動車50を利用する経路のナビゲーションを行う。これにより、端末ユーザが自動車50に乗車する前の公共交通機関を利用する経路のナビゲーションから、端末ユーザが自動車50に乗車した後の自動車50を利用する経路のナビゲーションへ、自動的に切り替えることができる。
【0063】
[第2実施形態]
図7は、第2実施形態に係る情報提供システムの概略構成図である。図7において、図1の各部に対応する部分には同一の符号を付け、その説明を省略する。図7において、情報提供システム1bは、情報配信装置30と、端末装置40bと、自動車50と、を備える。自動車50において、上述した図1に示す構成と異なる点は、IVI機器52bのみである。IVI機器52bは情報処理装置の例である。端末装置40bは、自動車50の車内に存在してもよく、又は、自動車50の車外に存在してもよい。
【0064】
情報配信装置30は、通信路102を介して自動車50のTCU51と通信を行う。情報配信装置30は、自動車50のTCU51を介して、自動車50に搭載された装置例と通信を行う。情報配信装置30は、自動車50のTCU51を介して、自動車50に搭載されたIVI機器52bと通信を行う。通信路102は、TCU51が利用する無線通信ネットワークの無線通信路を含む通信路である。通信路102は、無線通信路と有線通信路とから構成されてもよい。通信路102は、例えば、TCU51が利用する無線通信ネットワークと、インターネットとを含む通信路であってもよい。
【0065】
情報配信装置30は、提供情報を配信する装置である。本実施形態の一例として、情報配信装置30は、通信路102を介して提供情報を自動車50へ送信する。提供情報は、上述した第1実施形態と同様である。
【0066】
図8は、本実施形態に係る端末装置の機能構成例を示すブロック図である。図8において、図3の各部に対応する部分には同一の符号を付け、その説明を省略する。図8には、端末装置40bの情報提供に係る機能構成が示される。図8において、端末装置40bは、車両インタフェース41と、車両情報取得部42と、表示部45と、操作部46と、端末制御部47とを備える。本実施形態では、端末装置40bは、提供情報受信部44を備えない。
【0067】
図9は、本実施形態に係るIVI機器の機能構成例を示すブロック図である。図9において、図4の各部に対応する部分には同一の符号を付け、その説明を省略する。図9には、IVI機器52bの情報提供に係る機能構成が示される。図9において、IVI機器52aは、端末インタフェース521と、車両情報提供部522と、表示部523と、操作部524と、ナビゲーション制御部525と、提供情報受信部526とを備える。
【0068】
提供情報受信部526は、情報配信装置30から配信された提供情報を受信する。本実施形態の一例として、提供情報受信部526は、情報配信装置30から通信路102を介して提供情報を受信する。
【0069】
ナビゲーション制御部525は、情報配信装置30からIVI機器52bへ配信された提供情報を選択するユーザ操作を受け付けた場合に、当該提供情報に基づいたナビゲーション情報をIVI機器52bの表示部523の表示画面に表示させる。ナビゲーション制御部525は、当該提供情報に含まれる位置情報で特定される目的地へのナビゲーションを実行する。また、ナビゲーション制御部525は、自動車50が当該目的地に到着するタイミングで、当該提供情報を端末装置40bへ端末インタフェース521により送信してもよい。
【0070】
次に本実施形態に係るナビゲーション方法の例を説明する。
【0071】
<ナビゲーション方法の例>
図10を参照して、本実施形態に係るナビゲーション方法の例を説明する。図10は、本実施形態に係るナビゲーション方法の手順の例を示すフローチャートである。
【0072】
端末装置40bのユーザ(以下、端末ユーザと称する)は、事前に、情報配信装置30にユーザ登録を行う。情報配信装置30のユーザ登録部33は、端末ユーザのユーザ登録により取得した端末ユーザのユーザ登録情報を記録する。ユーザ登録情報は、氏名、住所、端末装置40bの端末識別情報(端末ID;例えば携帯電話番号など)、自動車50の車両識別番号(VIN)、IVI機器52bのナビゲーションのアプリケーション識別情報(ナビID)などを含む情報である。情報配信装置30のユーザ登録部33は、ウェブ(Web)サイトによりユーザ登録を受け付けてもよい。
【0073】
(ステップS1b) 情報配信装置30は、通信路102を介して自動車50へ提供情報を送信する。提供情報は、上述した第1実施形態と同様に、送客の目的地を示す位置情報を含む情報である。図10の例では、提供情報Aは、店舗Bの広告であって、当該店舗Bの位置情報と、店舗Bで利用できる千円分の割引の特典が付いた電子クーポンCとを含む情報である。自動車50のIVI機器52bは、情報配信装置30から受信した提供情報Aをメモリに格納する。
【0074】
(ステップS2b) 自動車50のIVI機器52bのナビゲーション制御部525は、提供情報Aを表示部523に表示し、提供情報Aの選択を促す。例えば、ナビゲーション制御部525は、表示部523に、提供情報Aを表示すると共にメッセージ「ここへ行きますか?」並びに選択ボタン「はい」及び「いいえ」を表示する。端末ユーザは、選択ボタン「はい」又は「いいえ」を選択する操作を行う。ナビゲーション制御部525は、選択ボタン「はい」が選択されるユーザ操作を受け付けた場合、ステップS3bに進む。一方、ナビゲーション制御部525は、選択ボタン「いいえ」が選択されるユーザ操作を受け付けた場合、図10の処理を終了する。
【0075】
(ステップS3b) ナビゲーション制御部525は、IVI機器52bと端末装置40bとの間の通信路106を確立させる。なお、IVI機器52bと端末装置40bとの間の通信路106は、予め確立されていてもよい。通信路106が予め確立されている場合、ステップS3bを省略してステップS4bに進む。
【0076】
(ステップS4b) ナビゲーション制御部525は、提供情報Aに基づいたナビゲーション情報をIVI機器52bの表示部523の表示画面に表示させる。ナビゲーション制御部525は、提供情報Aに含まれる店舗Bの位置情報で示される店舗Bの位置を目的地に設定し、店舗Bの位置(目的地)へのナビゲーションを実行する。これにより、自動車50のIVI機器52bにおいて、提供情報Aに係る店舗Bへのナビゲーションを自動的に実行することができる。
【0077】
次いで、ナビゲーション制御部525は、自動車50が店舗Bの位置(目的地)に到着するタイミングで、提供情報Aを端末装置40bへ送信する。本実施形態の一例として、提供情報Aに含まれる電子クーポンCが端末装置40bへ送信される。端末装置40bは、自動車50から受信した電子クーポンCをメモリに格納する。端末装置40bの端末制御部47は、電子クーポンCを表示部45に表示する。これにより、端末ユーザは、ナビゲーションにより到着した店舗Bで電子クーポンCを提示することにより、千円分の割引の特典を受けることができる。なお、自動車50から端末装置40bへ提供情報A(例えば電子クーポンC)を送信する通信経路は、端末インタフェース521による端末装置40bとの直接的な通信経路であってもよく、又は、電子メール等によるインターネット経由の通信経路であってもよい。
【0078】
なお、提供情報は、上述した第1実施形態と同様に、端末ユーザにお勧めする店舗や施設等の複数のお勧めスポットの情報を含む提供情報誌であってもよい。端末ユーザは、IVI機器52bにより、提供情報誌を閲覧し、提供情報誌の中から所望のお勧めスポットを選択するクリック操作を行う。ナビゲーション制御部525は、当該クリック操作を受け付けると、当該クリック操作により選択されたお勧めスポットのナビゲーション情報を表示部523の表示画面に表示させる。
【0079】
又は、ナビゲーション制御部525は、提供情報誌の中から所望のお勧めスポットを選択するクリック操作を受け付けると、表示部523に、当該クリック操作により選択されたお勧めスポットを示す地図画面を表示すると共にメッセージ「ここへ行きますか?」並びに選択ボタン「はい」及び「いいえ」を表示する。ナビゲーション制御部525は、選択ボタン「はい」が選択されるユーザ操作を受け付けた場合に、当該クリック操作により選択されたお勧めスポットのナビゲーション情報を表示部523の表示画面に表示させる。一方、ナビゲーション制御部525は、選択ボタン「いいえ」が選択されるユーザ操作を受け付けた場合には、当該クリック操作により選択されたお勧めスポットのナビゲーション情報を表示部523に表示しない。
【0080】
上述した提供情報誌によれば、複数のお勧めスポットの中から所望のお勧めスポットを閲覧したり、目的地に設定したりすることをユーザが容易に行うことができる。これにより、お勧めスポットへの送客率を向上させる効果が得られる。
【0081】
なお、ナビゲーション制御部525は、自動車50の車両情報の一例であるギア情報に基づいて自動車50のトランスミッションのギアが「パーキング(駐車)」状態になっている場合にのみ、提供情報を表示部523に表示してもよい。これにより、自動車50の運転者が運転している最中には提供情報が提示されないので、提供情報の提示が運転の妨げになることを未然に防止できる。
【0082】
上述した第2実施形態によれば、自動車50のIVI機器52bは、情報配信装置30からIVI機器52bへ配信された提供情報を選択するユーザ操作を受け付けた場合に、当該提供情報に基づいたナビゲーション情報をIVI機器52bの表示画面に表示し、当該提供情報に含まれる位置情報で特定される目的地へのナビゲーションを実行する。これにより、自動車50において提供情報に基づいたナビゲーション情報により自動的にナビゲーションを実行することができるので、提供情報によって送客に寄与することができるという効果が得られる。
【0083】
また、IVI機器52bは、自動車50が提供情報Aに基づいた目的地(店舗B)に到着するタイミングで、提供情報(例えば電子クーポンC)を端末装置40bへ送信する。これにより、端末ユーザは、ナビゲーションにより到着した店舗Bで電子クーポンCを提示することにより、千円分の割引の特典を受けることができる。このように、ナビゲーションと提供情報(例えば電子クーポンC)の端末装置40bへの送信とを連動させることにより、送客効果の増大が可能である。
【0084】
[第3実施形態]
第3実施形態は、上述した情報提供システム1a、1bの一適用例である送客ビジネスモデルを実現するものである。図11は、本実施形態に係る情報提供システムの適用例の説明図である。図11の適用例では、上述した情報提供システム1aを適用している。なお、上述した情報提供システム1bについても同様に適用できる。
【0085】
以下、図11を参照して、本実施形態に係る情報提供方法の例を説明する。
【0086】
本実施形態では、提供情報を利用して、レストラン等の店舗や給油所等のサービス施設などの広告主への送客を図る。自動車50は、送客に利用される送客ツールである。端末装置40aのユーザ(以下、端末ユーザと称する)は端末装置40aを所持して送客ツール(自動車)50に乗車している。端末ユーザは、送客ツール(自動車)50の運転者であってもよく、運転者ではない送客ツール(自動車)50の同乗者であってもよい。
【0087】
(ステップS101) 情報配信装置30は、ユーザ登録済みの端末ユーザの端末IDの端末装置40aから、端末ユーザの趣向を示す趣向情報を受信する。情報配信装置30のユーザ登録部33は、受信した趣向情報を端末ユーザのユーザ登録情報に含めて記録する。
【0088】
情報配信装置30は、ユーザ登録済みの端末ユーザのVINの自動車50から、自動車50の走行ログを受信する。情報配信装置30のユーザ登録部33は、受信した走行ログを端末ユーザのユーザ登録情報に含めて記録する。
【0089】
(ステップS102) 情報配信装置30の提供情報取得部32は、広告主から、広告やクーポンなどの提供情報を収集する。提供情報取得部32は、収集した提供情報を蓄積する。
【0090】
(ステップS103) 情報配信装置30は、提供情報送信部31により端末装置40aへ提供情報を配信する。但し、端末ユーザへの提供情報の提示は、情報提供制御部10の制御に従って行われる。図11の例では、送客ツール(自動車)50がパーキング(駐車)している時に、広告やクーポンなどの提供情報が端末装置40aへ配信されて端末装置40aに表示される。端末装置40aにより端末ユーザに提示された広告やクーポンなどの提供情報は、広告主の店舗やサービス施設へ、送客ツール(自動車)50に乗車している人(客)を誘導する送客効果を生む。
【0091】
(ステップS104) 端末装置40aの車両インタフェース41は、送客ツール(自動車)50へ、広告やクーポンなどの提供情報に含まれる広告主の店舗やサービス施設の住所を送信する。送客ツール(自動車)50のIVI機器52aは、端末インタフェース521により広告主の店舗やサービス施設の住所を受信すると、IVI機器52aのナビゲーション機能により、広告主の店舗やサービス施設の住所に至る道案内を行う。これにより、送客ツール(自動車)50により客が広告主の店舗やサービス施設に訪れる。客は、広告主の店舗やサービス施設で提供情報の広告やクーポンを提示することにより、割引等の特典を受けることができる。
【0092】
(ステップS105) 広告主は、提供情報の広告やクーポンによる送客実績に応じた成果報酬を情報提供システムの運用者へ支払う。成果報酬の支払情報は、情報配信装置30の成果処理部34へ通知される。
【0093】
(ステップS106) 成果処理部34は、成果報酬の支払情報が示す成果報酬を、所定の成果処理方法に従って分配する処理を実行する。図11の例では、送客ツールである自動車50の車両メーカに対して、成果報酬が分配される。
【0094】
[提供情報の選択方法]
次に端末ユーザへ提供する提供情報の選択方法を説明する。ここでの説明において、端末装置40及びIVI機器52は、第1実施形態に係る情報提供システム1aの端末装置40a及びIVI機器52aであってもよく、又は、第2実施形態に係る情報提供システム1bの端末装置40b及びIVI機器52bであってもよい。
提供情報は広告主から収集されて情報配信装置30に蓄積される。情報配信装置30は、蓄積された提供情報の中から、端末ユーザへ提供する提供情報を選択する。提供情報の選択の際には、ユーザ登録済みの端末ユーザのVINの自動車50の車両情報と、ユーザ登録済みの端末ユーザの端末IDの端末装置40の端末情報とを利用することができる。情報配信装置30は、端末ユーザに係る車両情報若しくは端末情報、又は、端末ユーザに係る車両情報及び端末情報の両方、に基づいて、蓄積された提供情報の中から端末ユーザへ提供する提供情報を選択してもよい。以下、提供情報の選択の際に利用できる車両情報及び端末情報について説明する。
【0095】
(車両情報)
提供情報の選択の際に利用できる車両情報の例を以下に示す。
(1)自動車50の車両識別番号(VIN)
(2)自動車50の購入時などに収集される、氏名、住所、年齢などの個人情報である。
(3)自動車50のIVI機器52のナビゲーション機能にセットされる目的地情報である。例えば、目的地までの経路上にあるレストランなど、立ち寄りに適した店舗の広告やクーポンなどの提供情報を選択することにより、当該店舗への送客効果が期待できる。
(4)走行ログ
(4-1)連続走行時間である。例えば、長時間運転している自動車50の端末ユーザに対して、休憩スポットの施設の紹介や道案内などの提供情報を選択することにより、当該休憩スポットの施設への送客効果が期待できる。
(4-2)運転ログである。例えば、自動車50の位置、車速、ブレーキ、舵角などの運転情報から端末ユーザの疲れ度合いを推測し、推測結果に応じて休憩スポットの施設の紹介や道案内などの提供情報を選択することにより、当該休憩スポットの施設への送客効果が期待できる。
(5)CAN等の車載ネットワーク54から取得された情報のログ
(5-1)燃料残量である。例えば、燃料残量が残り少ない自動車50の端末ユーザに対して、給油所の紹介や道案内などの提供情報を選択することにより、当該給油所への送客効果が期待できる。
(5-2)ECUエラーメッセージである。自動車50のECU55に生じるエラーメッセージに基づいて、自動車50の正規ディーラや自動車整備工場の紹介や道案内などの提供情報を選択することにより、当該正規ディーラや自動車整備工場への送客効果が期待できる。
【0096】
(端末情報)
提供情報の選択の際に利用できる端末情報の例を以下に示す。
(1)端末装置40の購入時などに収集される、氏名、住所、年齢などの個人情報である。
(2)端末IDである。端末IDとして、例えば、携帯電話番号、IMEI(International Mobile Equipment Identity)、IMSI(International Mobile Subscriber Identity)、電子メールアドレスなどが挙げられる。
(3)趣向情報
(3-1)端末装置40のアプリケーションの利用頻度や利用時間である。
(3-2)端末装置40のアプリケーションにより提示された広告のうち、端末ユーザの操作によって閲覧された広告を示す広告閲覧履歴である。
(3-3)端末装置40の位置などの端末装置40の移動履歴から取得される端末ユーザの行動を示す行動履歴である。
【0097】
上述した各実施形態によれば、自動車50のIVI機器52において、提供情報に基づいたナビゲーションを自動的に実行することができる。これにより、提供情報によって送客に寄与することができるという効果が得られる。また、自動車50のナビゲーションが実行されることにより、自動車50によって、通常は徒歩で行けないような遠方の店舗などへ送客することができる。
【0098】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
【0099】
上述した実施形態では、車両として自動車を例に挙げたが、原動機付自転車や鉄道車両等の自動車以外の他の車両にも適用可能である。
【0100】
また、上述した各装置の機能を実現するためのコンピュータプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行するようにしてもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものであってもよい。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、フラッシュメモリ等の書き込み可能な不揮発性メモリ、DVD(Digital Versatile Disc)等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。
【0101】
さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory))のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
【符号の説明】
【0102】
1a,1b…情報提供システム、10…情報提供制御部、30…情報配信装置、31…提供情報送信部、32…提供情報取得部、33…ユーザ登録部、34…成果処理部、40a,40b…端末装置、41…車両インタフェース、42…車両情報取得部、44,526…提供情報受信部、45,523…表示部、46,524…操作部、47…端末制御部、50…自動車、51…TCU、52a,52b…IVI機器、53…GW装置、54…車載ネットワーク、55…ECU、521…端末インタフェース、522…車両情報提供部、525…ナビゲーション制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11