(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-01
(45)【発行日】2022-03-09
(54)【発明の名称】組み立て式コンテナ用基底部の構造
(51)【国際特許分類】
B65F 1/14 20060101AFI20220302BHJP
【FI】
B65F1/14 A
(21)【出願番号】P 2019112746
(22)【出願日】2019-06-18
【審査請求日】2020-01-20
【審判番号】
【審判請求日】2020-12-08
(31)【優先権主張番号】P 2018117981
(32)【優先日】2018-06-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】508105326
【氏名又は名称】株式会社協伸製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100079049
【氏名又は名称】中島 淳
(74)【代理人】
【識別番号】100084995
【氏名又は名称】加藤 和詳
(74)【代理人】
【識別番号】100099025
【氏名又は名称】福田 浩志
(72)【発明者】
【氏名】福原 久
(72)【発明者】
【氏名】長嶺 裕
【合議体】
【審判長】小川 恭司
【審判官】柿崎 拓
【審判官】窪田 治彦
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3175444(JP,U)
【文献】特許第5721024(JP,B2)
【文献】実開平6-80702(JP,U)
【文献】特開平9-315501(JP,A)
【文献】実開平3-15688(JP,U)
【文献】実開昭64-18007(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65F1/00-1/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
平面視で略正八角形の板状体の裏面に複数の車輪が備えられた基底部と、
前記基底部の各辺に溶接された略正八角形の金属帯の一つ置きの辺に溶接された上下に垂直に伸びる4つの支承部と、
下端部が前記支承部に着脱自在に嵌着される垂直支柱と、
隣り合う前記垂直支柱の頂部に跨って両端が着脱自在に嵌着される横桟と、
全体として十字状をなし、前記基底部の裏面に溶接される長尺の駒材と、
を備え、
前記基底部、前記垂直支柱及び前記横桟にて区画される空域内に収集袋が収められる組み立て式コンテナにおいて、
4つの前記支承部
を結んだ仮想の線が平面視で正方形をなし、前記正方形の一辺が前記略正八角形の一辺と対向するように配置されており、
前記支承部から前記垂直支柱が取り外されたときに、前記コンテナの前記支承部と他のコンテナの前記支承部とは着脱自在に嵌着可能であり、
前記正方形の対角上に位置する2つの前記支承部である第1支承部がそれぞれ溶接された前記金属帯の2つの辺が第1辺であり、
前記正方形の対角上に位置する前記第1支承部とは異なる2つの前記支承部である第2支承部がそれぞれ溶接された前記金属帯の2つの辺が第2辺であり、
前記駒材が、
2つの前記第1辺にそれぞれ溶接された2つの端部と、
2つの前記第2辺にそれぞれ溶接された、前記端部とは異なる2つの端部と、
を有することを特徴とする、
組み立て式コンテナ。
【請求項2】
前記長尺の駒材の断面形状がコ字状である請求項1に記載の
組み立て式コンテナ。
【請求項3】
前記長尺の駒材の断面形状がL字状である請求項1に記載の
組み立て式コンテナ。
【請求項4】
前記長尺の駒材の断面形状がロ字状である請求項1に記載の
組み立て式コンテナ。
【請求項5】
前記長尺の駒材が前記基底部の裏面に溶接された請求項1に記載の
組み立て式コンテナ。
【請求項6】
前記基底部に排水用穴が備えられた請求項1に記載の
組み立て式コンテナ。
【請求項7】
前記基底部の裏面に備えられた前記複数の車輪間に、前記長尺の駒材
とは異なり且つ前記基底部の裏面に溶接される長尺の駒材を備えた請求項1に記載の
組み立て式コンテナ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は産業廃棄物などのゴミ収集用或いは各種製品などの収集運搬用コンテナに関するもので、詳しくは略円筒状の収集袋を内包できる組み立て式コンテナの特に基底部の改良に係るものである。
【背景技術】
【0002】
以下、本発明を建築現場や工場から出るいわゆる産業廃棄物などのゴミの収集を代表して説明するが、一旦ゴミの発生場所で集められ、処分場(焼却炉や埋立地)へ運ぶことにより処理されている。具体的には、ゴミの発生現場近くに置かれたコンテナ内のゴミ収集袋に産業廃棄物などのゴミを詰め込み、コンテナごと車にて処分場に運び、ゴミを廃棄した後、空になったコンテナを再びゴミ発生場所に戻すことを繰り返すことが行なわれている(特許文献1)。
【0003】
特に組み立て式コンテナとして、特許文献2に記載された技術が知られている。しかしながら、同文献に記載のコンテナは、基底部、周壁を形成する側板、支柱及び蓋からなる組み立て式コンテナであり、各部材をプラスチック製とし、コンテナ自体の廃棄の際の利便性を考慮したものとされている。そして、このコンテナは、フォークリフトにて移動可能なパレット上に設置され、ゴミの収集にそのまま利用され、フォークリフトなどでそのまま車に積載・移動するためのものである。
【0004】
従って、特許文献2に記載されたコンテナは、本発明のコンテナが目的とするゴミ収集袋を内装するためのコンテナとは基本的に異なっている。更に、同文献におけるコンテナは、組み立てを解除した後に最も嵩張る基底部を積層して運搬したり収納し、コンテナの収納スペースを少なくするという技術思想は存在しない。
【0005】
即ち、この従来のコンテナにあっては、ゴミを処分場へ搬入した後は運搬車両は空になったコンテナをそのまま運ぶため、いわば、荷台に空気を積んでいるようなものであり、経済的に大きな無駄が生じていた。更に、コンテナの不使用時には、そのまま、或いは、一段程度積み上げた状態でコンテナが収納されることとなるため、コンテナ収納のための空きのスペースを広く確保しておく必要があった。
【0006】
本出願人は、組み立て式コンテナの組み立てを解除した後に生ずる前項記載の課題を解決するために既に優れたコンテナの提案をしている。特許文献3がそれであり、略方形の基底部を有し、該基底部の表面(上面)の四隅に支承部が備えられ、かつ、該基底部の裏面(下面)に他の組み立て式コンテナの支承部の先端と嵌め合わせ可能な嵌合部及び複数の車輪が備えられる。そして、前記支承部に垂直支柱が着脱自在に嵌着されるとともに、隣り合う該垂直支柱の頂部には、これに跨って両端が着脱自在に嵌着された横桟が備えられ、基底部、垂直支柱及び横桟にて区画される部位にはゴミ収集袋が収められる組み立て式コンテナである。
【0007】
かかる組み立て式コンテナにあっては、ゴミ収集袋をコンテナの内部より回収した後は、組み立てたコンテナのままとしておくのではなく、これを分解できるようにしたものであり、その置き場所を十分確保しなくてはならないという従来からの課題を解決したものである。そして、本発明にて提供するコンテナは収納に最も嵩張る基底部を積み重ね可能とする構造を有するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】特開2002-337596号
【文献】特開2007-191162号
【文献】実用新案登録第3175444号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本出願人が提供した組み立て式コンテナは、その目的を完全に達成する極めて優れた構造であるが、使用中に基底部を積み上げることができなくなると言う問題が生じることもある。その原因を追究し、かかる問題点を解決使用とするのが本発明の目的課題である。
【0010】
即ち、基底部の上面に備えられる四隅の支承部と、基底部の下面に備えられる前記支承部に嵌め合わせられる嵌合部は、常に同一の位置・向きが確保されねばならないが、コンテナの各部に外部からの力が加わることにより、特に支承部の位置・向きが変わってしまうことが起こり得る。たとえば、基底部は板状体で構成されているケースが多いが、外圧によりこの板状体が曲がってしまい、これに伴い支承部が垂直でなくなるケースがある。このような場合には、積層に供される2つの基底部の支承部の先端と嵌合部とは嵌め合わせることができなくなり、基底部を積層する目的は果たせなくなる。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明はかかる点を考慮して更に基底部の改良をしたものであり、その要旨は、前記基底部の各辺に溶接された略正八角形の金属帯の一つ置きの辺に溶接された上下に垂直に伸びる4つの支承部と、下端部が前記支承部に着脱自在に嵌着される垂直支柱と、隣り合う前記垂直支柱の頂部に跨って両端が着脱自在に嵌着される横桟と、全体として十字状をなし、前記基底部の裏面に溶接される長尺の駒材と、を備え、前記基底部、前記垂直支柱及び前記横桟にて区画される空域内に収集袋が収められる組み立て式コンテナにおいて、4つの前記支承部を結んだ仮想の線が平面視で正方形をなし、前記正方形の一辺が前記略正八角形の一辺と対向するように配置されており、前記支承部から前記垂直支柱が取り外されたときに、前記コンテナの前記支承部と他のコンテナの前記支承部とは着脱自在に嵌着可能であり、前記正方形の対角上に位置する2つの前記支承部である第1支承部がそれぞれ溶接された前記金属帯の2つの辺が第1辺であり、前記正方形の対角上に位置する前記第1支承部とは異なる2つの前記支承部である第2支承部がそれぞれ溶接された前記金属帯の2つの辺が第2辺であり、前記駒材が、2つの前記第1辺にそれぞれ溶接された2つの端部と、2つの前記第2辺にそれぞれ溶接された、前記端部とは異なる2つの端部と、を有することを特徴とする、組み立て式コンテナにかかるものである。
【0012】
通常は、前記長尺の駒材の断面形状がコ字状或いはL字状であり、この駒材は基底部の好ましくは裏側に、そして支承部に溶接されるものである。特に好ましくは、基底部の裏側に備えた車輪間に、駒材10Aを溶接等によって配置したものである。したがって、かかる構造によれば、駒材10と10Aとによって、基底部材の変形を更に抑えることができるようになった。
【発明の効果】
【0013】
以上の通り、長尺の駒材を支承部間に溶接することによって支承部の変形・傾き等を阻止せしめたものである。実際の作業工程は、コンテナ内に設置された産業廃棄物などのゴミが入れられたゴミ収集袋をクレーンでコンテナより引き出し、ゴミ収集袋を車に積載し処分場へ運び廃棄する。そして、コンテナの必要がないときは、横桟、垂直支柱を順次取り外す。そして、最も嵩張るコンテナの基底部は、各コンテナの支承部と嵌合部とを順次確実に嵌め合わせて何枚も積層できるようにしたものである。このため、保管スペースは極めて少なくてすむという大きな効果がある。勿論、処分場へかかるコンテナをそのまま運びこんだ場合には、コンテナをそのままの形で引き返すことは要せず、コンテナを分解して小さくし、これを積層した状態で運ぶことが可能である。
勿論、前記したように諸々工場から生産される種々の製品などの収集運搬用コンテナとしても用いられることは言うまでもない。
【0014】
そして、最大の特徴はコンテナに対して予期しない外力が加わった場合でも、基底部及び支承部に長尺の駒材が溶接されているために支承部に傾きをもたらすことがなくなり、基底部の積層が確実にできるようになったものである。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図2】
図2は本発明のコンテナの基底部1の表面図である。
【
図5(A)】
図5(A)は支承部の嵌着時の状態を示す図である。
【
図5(B)】
図5(B)は支承部の嵌着時の状態を示す図である。
【
図6】
図6は長尺の駒材10の別例を示す斜視図である。
【
図7】
図7は本発明の基底部1の別例を示す裏面図である。
【
図8】
図8は本発明の基底部1の更に別例を示す裏面図である。
【
図9】
図9は支承部2及び垂直支柱5の一例を示す断面図である。
【
図12】
図12はコンテナの基底部1を積み重ねた際の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明は上記した課題を解決するためになされたものであり、コンテナの基底部の所定位置に長尺の駒材(10、10A)を配置・溶接したものであり、これによってコンテナの基底部の積層が常に正確にできるようになったものである。かかる駒材の配置は外力による基底部や支承部の変形・傾きを防止し、重ねあう支承部の上下端を予定通り嵌め込むことができることとなったものである。
【0017】
このため、本発明で使用される駒材の形状は特に限定されることはないが、基底部の周囲に向かい合って溶接される支承部において、基底部の中央部に伸び、断面形状がコ字状またはL字状の構造であるのがよい。この駒材は基底部の裏面に溶接されるのが一般的であるが、表面に溶接されるものであってもよい。そして駒材は支承部に直接或いは間接に溶接されることとなる。なお、駒材をボルト等によって支承部に固定してもよい。
【0018】
なお、基底部に立設される4つの支承部は、平面視で正方形が形成されるもので、こうすることによって基底部の積層時に基底部の方向性がなくなるという効果がある。また、基底部の表面には雨水等が溜まってしまうことがあることを考えると、基底部の任意の個所に複数の排水用穴を形成しておくのが良い。
【実施例】
【0019】
図1は本発明のコンテナの側面図、
図2はこのコンテナの基底部の表面図であり、
図3はその裏面図である。図中、1は略八角形の板材で金属製の基底部であり、その周囲に金属帯1aを溶接してある。基底部1の裏側には四つの車輪4が備えられている。符号2は支承部であり、先の車輪4と交互に八角形の辺1c、1dに溶接された金属帯1aに溶接され、更にこの支承部2を外囲いして外周補強帯3が溶接されている。この支承部2は四本で平面視で正方形を形成している。
4つの支承部2の中で正方形の対角上に位置する2つの支承部2が第1支承部である。また、正方形の対角上に位置する第1支承部とは異なる2つの支承部2が第2支承部である。さらに、2つの第1支承部がそれぞれ溶接された、金属帯1aの2つの辺が第1辺である。さらに、2つの第2支承部がそれぞれ溶接された、金属帯1aの2つの辺が第2辺である。
【0020】
図4は支承部2の一例を示す断面図であり、基底部1の表側に突出する部位(上支承部2A)と、基底部1の裏側に突出する部位(下支承部2B)とを構成している。下支承部2Bの先端は突出部2bをなし、後述するように、基底部1を積み重ねた際、上支承部2Aの上端の穴2aに嵌着する構成となっている。この下支承部2Bは車輪4の背丈(垂直方向の高さ)よりも低い背丈(突出高さ)としたもので、車輪4の動きを阻止しない。
【0021】
しかるに、コンテナに外力が加わった場合、基底部1が曲がってしまう場合があり、これに伴い
図5(A)の中央部の基底部に示すように支承部2が傾いた状態になることがある。こうなると重ね合わす上下の基底部1の支承部2、2が嵌着させることが出来なくなり、基底部1、1を積み重ねすることができなくなる。
【0022】
本発明はかかる欠点を解決したものであり、対向する支承部2、2に渡って基底部1に長尺の駒材を溶接してこれを解決したものである。
【0023】
符号10は本発明でいう長尺の駒材10であり、対向する支承部2、2に達し基底部1の裏側及び金属帯1aに溶接されたものであり、十字状を構成して溶接されたものである。この例では断面コ字状をなし、溝部10aが基底部1に、そして先端が支承部2に対応した金属帯1aの部位に溶接されたものである。
【0024】
このように本発明の駒材10は対向する支承部2、2間に基底部1に配置されるものであり、コンテナに予期しない外力を受けたとしても
図5(B)に示すように基底部1や支承部2の変形や傾きが阻止され、後述の
図10に示すように基底部の支承部2、2、2・・は完全に嵌着できる。この点、駒材10の存在がない基底部1にあって、これに外力が加わると、この外力に抗する強度が弱いため、
図5(A)のように基底部1が変形しやすく、この場合にはそのまま支承部2の向き・傾き等が生じ、基底部1の積み重ねができなくなってしまうものである。
【0025】
なお、本発明に用いられる駒材10は上記の構造以外にも使用可能であり、
図6にはその別例(断面L字状、ロ字状)を示した。かかる駒材10は基底部1の裏面に溶接した例を示したが、表面に溶接することも可能である。
【0026】
図7は本発明の別例を示す基底部1の裏面図であり、対向する車輪4、4に対しても長尺の駒材10Aを配置したものである。即ち、十字状をなした駒材(10、10A)によって基底部1を補強したものであり、外圧に抗する力がより大きくなったものである。なお、符号7は排水用穴であり、基底部1上にたまる水の排水穴である。なお、図例では駒材10が十字状をなしているが、この逆で駒材10Aが十字状をなしている場合もある。
【0027】
図8は更に好ましい例を示す基底部1の裏面図である。この例ではまず車輪間に延びる駒材10Aを十字状に溶接等によって配置し、これに対して支承部2、2間に駒材10を配置している。
図7の場合と比較すると、
図8では駒材10Aを連続長尺材とし、駒材10を4分割して配置している。
【0028】
図9は支承部2及び垂直支柱5の一例を示す断面図であり、上支承部2Aの上端の穴2aに嵌着した際の断面図を示すものである。垂直支柱5はこの例では角パイプ5aをもって構成され、この下端に中実の突起5bを備えたものである。勿論、突起5bは角パイプであっても良い。そして、上支承部2Aの穴2a内に嵌めるものである。尚、この両者の嵌め合わせは特に限定されるものではなく、例えば垂直支柱5は中実材であっても良く、上支承部2Aの穴2a内に嵌め込みが可能であれば良く、更には、垂直支柱5として角パイプを用い、その下端の穴内に上支承部2Aを嵌めるものであっても良い。
【0029】
図10は横桟6の一例を示す平面図であり、
図11はその側面図である。横桟6の中央部6aは基底部の八角形の1辺と略同じ長さを持ち、その両端に備えた折り曲げ部6b、6cは他の辺1dの略半分の長さを有する。そして、折り曲げ部の先端には、垂直支柱5の上端の孔部5cに着脱自在に嵌め込まれるフランジ6d、6eが備えられている。この例ではフランジ6d、6eは折り曲げ部6b、6cと溶接されている例である。
【0030】
横桟6のフランジ6d、6eは垂直支柱5の上端の孔部5cに差し込まれてなるもので、差し込みやすいようにフランジ6d、6eは互いに反対の向きをもって溶接されている。尚、フランジ6d、6eは金属製でなくともよく、例えば、耐摩耗性に優れたナイロン製のフランジを折り曲げ部6b、6cに差し込んだものでも良いことは言うまでもない。又、両者の着脱機構もかかる例に限定されることはなく、例えば、横桟6の折り曲げ部6b、6cの両端に穴を形成し、或いはリング状部材を取り付け、これを垂直支柱5の頂部に形成した例えば突起等と嵌着させる形態を含むものである。
【0031】
本発明のコンテナは以上の部材の組み合わせによってなるもので、基底部1に溶接された各上支承部2Aに同一長さの垂直支柱5の下端が嵌着され、更に、この垂直支柱5の頂部を跨ぎ、両端が垂直支柱5の頂部に嵌着された横桟6を備えることにより、平面視で略八角形状のコンテナが完成する。
【0032】
以上のように、本発明のコンテナにあっては、基底部1、4本の垂直支柱5、4本の横桟6を組み立てることによって平面視で略八角形状の一定の容積が確保でき、この内部に図示しないが円筒状のゴミ収集袋がセットされる。そして、車などに積載する際には、クレーンにてゴミ収集袋のハンドル部をもって当該コンテナ内よりこれを引き上げ、車に積載することとなる。
【0033】
一方、このコンテナの分解収納にあっては、先ず横桟6を外し、次いで垂直支柱5を支承部2より抜き去って各部材の組み立てが解除されるものである。
【0034】
そして、横桟6及び垂直支柱5が取り除かれた基底部1は、基底部1、1、1、・・・の表側に上支承部2A、裏側に下支承部2Bが、同一位置に形成されたものであり、基底部1の収納の際には、上支承部2Aと下支承部2Bの先端の突出部2bを順次嵌め合わせて
図12に示すように積層が可能となり、極めて狭いスペースでも基底部1、1、1、・・・の収納ができるようになったものである。尚、この両者の嵌め合わせにあっても、特にこの構造に限定されないことは勿論である。
【産業上の利用可能性】
【0035】
本発明のコンテナは以上の通りであり、内部に円筒状の収集袋をセットして使用に供され、予期しない外力が基底部等に加わっても支承部が変形・傾き等を生じることなく、保管時には確実に積み重ねることができるという特徴を有し、保管のためのスペースはほとんど不要となる優れた構造である。勿論、前記したように諸々工場から生産される種々の製品などの収集運搬用コンテナとしても用いられることは言うまでもなく、従って、産業廃棄物、工場や事務所からの廃棄物などのゴミの収集、あるいは製品の収集運搬などに広く使用できるもので、その工業的価値は大きい。
【符号の説明】
【0036】
1・・基底部
1a・・金属帯
1c、1d・・八角形の辺
2・・支承部
2A・・上支承部
2B・・下支承部
2a・・上支承部の上端の穴
2b・・下支承部の先端の突出部
3・・外周補強帯
4・・車輪
5・・垂直支柱
5a・・角パイプ
5b・・中空の突起
5c・・垂直支柱の上端の孔部
6・・横桟
6a・・横桟の中央部
6b、6c・・横桟の折り曲げ部
6d、6e・・横桟のフランジ
7・・排水用穴
10、10A・・長尺の駒材
10a・・駒材の溝部