IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ SMK株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-コネクタ 図1
  • 特許-コネクタ 図2
  • 特許-コネクタ 図3
  • 特許-コネクタ 図4
  • 特許-コネクタ 図5
  • 特許-コネクタ 図6
  • 特許-コネクタ 図7
  • 特許-コネクタ 図8
  • 特許-コネクタ 図9
  • 特許-コネクタ 図10
  • 特許-コネクタ 図11
  • 特許-コネクタ 図12
  • 特許-コネクタ 図13
  • 特許-コネクタ 図14
  • 特許-コネクタ 図15
  • 特許-コネクタ 図16
  • 特許-コネクタ 図17
  • 特許-コネクタ 図18
  • 特許-コネクタ 図19
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-01
(45)【発行日】2022-03-09
(54)【発明の名称】コネクタ
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/6591 20110101AFI20220302BHJP
   H01R 12/71 20110101ALI20220302BHJP
【FI】
H01R13/6591
H01R12/71
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2019204387
(22)【出願日】2019-11-12
(65)【公開番号】P2021077549
(43)【公開日】2021-05-20
【審査請求日】2020-01-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000102500
【氏名又は名称】SMK株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100172096
【弁理士】
【氏名又は名称】石井 理太
(72)【発明者】
【氏名】石田 能康
(72)【発明者】
【氏名】加藤 俊彦
【審査官】高橋 裕一
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-033439(JP,A)
【文献】特開2000-353557(JP,A)
【文献】特開2017-050235(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 13/6591
H01R 12/71
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
底板部より突出した突条状の嵌合凸体を有するプラグハウジングと、前記嵌合凸体に配設された1又は複数のプラグ側信号端子とを備えてなるプラグと、
前記嵌合凸体が嵌入される嵌合溝を有するソケットハウジングと、前記嵌合溝内に配設された1又は複数のソケット側接続端子と、前記ソケットハウジングに保持され、前記嵌合溝の側方に配置された縦向きの導電性金属製のグランドプレートとを備えてなるソケットとを備え、
前記嵌合凸体と前記嵌合溝とを嵌合させることにより前記プラグ側信号端子と前記ソケット側信号端子とが接触するようにしたコネクタにおいて、
前記プラグは、前記底板部に組み込まれて前記プラグ側信号端子の側方に配置され、前記グランドプレートの上端面と表面が対向する平板状の導電性板材からなるシールドプレートを備え、
前記グランドプレートは、前記ソケットハウジングに上端面の一部又は全部が露出した状態で保持され、
前記シールドプレートは、露出した前記グランドプレートの上端面と接触するプレート接触部を備え、該プレート接触部が前記シールドプレートの板厚方向に貫通した窓部の内縁に一端が支持されたバネ状に形成されていることを特徴とするコネクタ。
【請求項2】
前記シールドプレートは、前記プラグハウジングの側端面に露出するプラグ側接合金具を備え、該プラグ側接合金具がソケット側シールド部材と接続されるようにした請求項1に記載のコネクタ。
【請求項3】
前記シールドプレートは、前記プラグハウジングの基板実装側に露出した表面実装用端子部を備えている請求項1又は2に記載のコネクタ。
【請求項4】
前記グランドプレートは、前記プラグハウジングの底板部に露出した前記シールドプレートと弾性接触するバネ状のプレート接続部を備えている請求項3に記載のコネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主に基板対基板や基板対ケーブル等を電気的に接続するコネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、基板対基板の接続に使用されるコネクタは、1又は複数のプラグ側信号端子が配設された突条状の嵌合凸体を有するプラグと、嵌合凸体が挿入される嵌合溝内に1又は複数のソケット側信号端子が配設されたソケットとを備え、嵌合凸体と嵌合溝とを嵌合させることにより両信号端子が接触して電気的に接続するようになっている。
【0003】
この種のコネクタでは、嵌合凸体にプラグ側信号端子と並列にグランド接続されるプラグ側グランド端子が配設され、各プラグ側グランド端子と対応するように嵌合溝内にソケット側グランド端子が配設されたものが知られている。
【0004】
また、この種のコネクタでは、プラグに複数の嵌合凸体を有する場合があり、各嵌合凸体が絶縁樹脂からなる壁体を挟んで並列された嵌合溝に嵌合され、各嵌合凸体に配設されたプラグ側信号端子が対応する嵌合溝に配設されたソケット側信号端子と接触するようになっている。
【0005】
しかしながら、壁体を挟んだ反対側にも信号端子が配置されるコネクタでは、壁体を挟んで配置された各信号端子間でクロストーク等の信号の干渉が生じるおそれがあった。
【0006】
そこで、従来では、壁体内に導電性金属からなるグランドプレートを配置し、このグランドプレートをグランド接続させることによって、壁体内のグランドプレートを挟んで配置された各信号端子間でクロストーク等の信号の干渉を抑制したものが知られている(例えば、特許文献1を参照)。
【0007】
また、この種のコネクタでは、シールド性能を高めるため、プラグ及びソケットの双方の端子列間に縦向きにした板状のグランプレートを配置したもの(例えば、特許文献2を参照)や、プラグの端子列間にソケット側に配置されたグランドプレートと接続するシールド用端子を配置したもの(例えば、特許文献3を参照)が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】特開2011-146210号公報
【文献】特開2017-050235号公報
【文献】特開2018-116925号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上述の先行技術文献2に示す従来の技術では、プラグ及びソケットの双方に縦向きにしたグランドプレートを配置するため、プラグ及びソケットの双方に縦向きのグランドプレートを保持できる高さが必要となり、その分、コネクタの全高が大きくならざるを得ないという問題があった。
【0010】
また、この従来技術では、プラグ側のグランドプレートとソケット側のグランドプレートとの接続状態が確立されておらず、コネクタが振動等を受けた場合、プラグ側のグランドプレートとソケット側のグランドプレートとが離間し、ノイズの遮断能力が低下する虞があった。
【0011】
一方、上述の先行技術3に示す従来の技術では、プラグ側のシールド用端子とグランドプレートとの接続構造を設けることによって、シールド用端子の形状が立体的な構造を有するため、端子列間の遮断に隙間が生じ、信号端子間に生じるノイズを完全に遮断することが困難であるという問題があった。
【0012】
さらに、シールド用端子とソケット側のグランドプレートとの接続構造を有するため、シールド端子の形状及びグランドプレートの形状が複雑なものとなるため、その分、コストが嵩むという問題もあった。
【0013】
そこで、本発明は、このような従来の問題に鑑み、信号端子間のおける信号干渉の抑制及びシールド性を強化したコネクタの提供を目的としてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上述の如き従来の問題を解決するための請求項1に記載の発明の特徴は、底板部より突出した突条状の嵌合凸体を有するプラグハウジングと、前記嵌合凸体に配設された1又は複数のプラグ側信号端子とを備えてなるプラグと、前記嵌合凸体が嵌入される嵌合溝を有するソケットハウジングと、前記嵌合溝内に配設された1又は複数のソケット側接続端子と、前記ソケットハウジングに保持され、前記嵌合溝の側方に配置された縦向きの導電性金属製のグランドプレートとを備えてなるソケットとを備え、前記嵌合凸体と前記嵌合溝とを嵌合させることにより前記プラグ側信号端子と前記ソケット側信号端子とが接触するようにしたコネクタにおいて、前記プラグは、前記底板部に組み込まれて前記プラグ側信号端子の側方に配置され、前記グランドプレートの上端面と表面が対向する平板状の導電性板材からなるシールドプレートを備え、前記グランドプレートは、前記ソケットハウジングに上端面の一部又は全部が露出した状態で保持され、前記シールドプレートは、露出した前記グランドプレートの上端面と接触するプレート接触部を備え、該プレート接触部が前記シールドプレートの板厚方向に貫通した窓部の内縁に一端が支持されたバネ状に形成されていることにある。
【0015】
請求項2に記載の発明の特徴は、請求項1の構成に加え、前記シールドプレートは、前記プラグハウジングの側端面に露出するプラグ側接合金具を備え、該プラグ側接合金具がソケット側シールド部材と接続されるようにしたことにある。
【0016】
請求項3に記載の発明の特徴は、請求項1又は2の構成に加え、前記シールドプレートは、前記プラグハウジングの基板実装側に露出した表面実装用端子部を備えている。
【0017】
請求項4に記載の発明の特徴は、請求項3の構成に加え、前記グランドプレートは、前記プラグハウジングの底板部に露出した前記シールドプレートと弾性接触するプレート接続部を備えている請求項3に記載のコネクタ。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係るコネクタは、請求項1に記載の構成を具備することによって、シールドプレートが底板部の骨格を形成することで、嵌合凸体に保持されたプラグ側信号端子間を遮断するシールドプレートを保有しつつ、コネクタ全体の低背化を実現することができる。
【0019】
また、本発明において、請求項2に記載の構成を具備することによって、部品点数及び部品作成工数の低減を図ることができるとともに、シールドプレートとプラグ側接合金具とを同時にプラグハウジングに組み込むことができる。また、グランドプレートとソケット側シールド部材とが接続されていれば、プラグとソケットとを接合することによって、ソケット側シールド部材を介してシールドプレートとグランドプレートとが接続され、シールド性能において両者の連携を確保することができる。
【0020】
また、本発明において、請求項3に記載の構成を具備することによって、シールドプレートを表面実装によって直接グランド接続することができる。
【0021】
さらに、本発明において、請求項4に記載の構成を具備することによって、シールドプレートとグランドプレートとを接続することができ、高いシールド性を発揮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明に係るコネクタの一例を示す分解斜視図である。
図2】同上のコネクタの接続状態を示す断面図である。
図3】同上のA-A線矢視断面図である。
図4】(a)は同上のソケットを示す平面図、(b)は同縦断面図、(c)は同B-B線矢視拡大断面図である。
図5】同上のグランドプレートを示す斜視図である。
図6】同上のソケット側シールド部材を示す斜視図である。
図7】(a)(b)はそれぞれ異なる方向から見たソケット側信号端子及びソケットグランド端子を示す斜視図である。
図8】(a)は同上のプラグを示す正面図、(b)は同底面図、(c)は同縦断面図、(d)は同拡大断面図である。
図9図8中のシールドプレートの一例を示す斜視図である。
図10】同上のシールドプレートの他の態様を示す斜視図である。
図11図9に示すシールドプレートを使用した場合のプラグとソケットとの接続状態を示す分解部分拡大断面図である。
図12】シールドプレートのさらに他の態様を示す斜視図である。
図13】同上のシールドプレートを使用したプラグを示す斜視図である。
図14】シールドプレートのさらに他の態様を示す斜視図である。
図15】同上のシールドプレートを使用したプラグを示す斜視図である。
図16】同上のシールドプレートを使用した場合のプラグとソケットとの接続状態を示す部分拡大断面図である。
図17】シールドプレートのさらに他の態様を示す図であって、(a)は正面図、(b)は平面図、(c)は底面図、(d)は断面図である。
図18】同上のシールドプレートを使用した場合のプラグとソケットとの接続状態を示す部分拡大断面図である。
図19】更に他のシールドプレートの態様を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
次に、本発明に係るコネクタの実施態様を図1図19に示した実施例に基づいて説明する。尚、図中符号Aはコネクタである。
【0024】
コネクタAは、図1に示すように、複数のプラグ側信号端子1,1が配設された突条状の嵌合凸体2,2を有するプラグ3と、嵌合凸体2,2が挿入される嵌合溝4,4内に複数のソケット側信号端子5,5が配設されたソケット6とを備え、嵌合凸体2,2と嵌合溝4,4とを嵌合させることにより両信号端子1,5が接触して電気的に接続するようになっている。
【0025】
また、このコネクタAには、嵌合凸体2,2にプラグ側信号端子1,1と並列にグランド接続されるプラグ側グランド端子7,7が配設され、各プラグ側グランド端子7,7と対応するように嵌合溝4,4内にソケット側グランド端子8,8が配設されている。
【0026】
ソケット6は、図4に示すように、絶縁性樹脂からなるソケットハウジング20と、嵌合溝4,4内に配設された1又は複数のソケット側信号端子5,5と、嵌合溝4,4内に配設された1又は複数のソケット側グランド端子8,8とを備え、ソケットハウジング20にソケット側信号端子5,5及びソケット側グランド端子8,8を組み込むことにより形成されている。
【0027】
ソケットハウジング20は、平板状の底板部21の外側縁より立ち上げた形状の周壁22~25と、底板部11中央部に配置されたプレート保持壁部26とを備え、周壁22~25とプレート保持壁部26との間に、嵌合凸体2,2が挿入される嵌合溝4,4が並列に形成されている。
【0028】
このソケットハウジング20は、導電性金属材からなるソケット側シールド部材31によって周壁22~25の外面が覆われている。
【0029】
また、ソケットハウジング20には、周壁22~25とプレート保持壁部26に跨って下面に開口した凹穴状の端子挿入部27,27が形成されている。
【0030】
プレート保持壁部26には、導電性金属板製のグランドプレート29が保持され、嵌合溝4,4の側方にグランドプレート29が配置されるようになっている。
【0031】
このプレート保持壁部26には、上面に開口したプレート露出窓28,28が形成され、グランドプレート29の上端面の一部又は全部が露出するようになっている。
【0032】
グランドプレート29は、図5に示すように、導電性金属板材により形成され、ソケット側シールド部材31と接続される接続部32と、接続部32に支持されたプレート本体33とを備え、プレート本体33が板厚方向を水平方向に向けて立ち上げた状態でプレート保持壁部26内に配置されるようにソケットハウジング20に組み込まれている。
【0033】
接続部32は、平板状の支持板部32aと、支持板部32aの両側部及び一方の端縁に支持されたカバー接触片32bとを備え、他方の端縁にプレート本体33が一体に支持されている。
【0034】
各カバー接触片32bは、それぞれ周壁22~25の上面から周壁22~25の側面に亘って露出し、ソケット側シールド部材31をソケットハウジング20に組み込むことによって、各カバー接触片32bがソケット側シールド部材31の内側に嵌合され、ソケット側シールド部材31と互いに接触するようになっている。
【0035】
ソケット側シールド部材31は、図6に示すように、導電性金属板材を打抜き・折り曲げ加工することにより形成され、ソケットハウジング20の外周を覆う周壁部50~53と、ソケットハウジング両端部の周壁24、25の上面を覆う上面被覆部54,54と、上面被覆部54,54に支持された板状のソケット側接合金具55,55とを備え、ソケット側シールド部材31をソケットハウジング20に組み込むことによって、ソケット側接合金具55,55が周壁24、25の内側に挿し込まれるとともに、カバー接触片32bと嵌合するようになっている。
【0036】
ソケット側接合金具55,55は、表面に突出した係合凸片55aを備え、後述するプラグハウジング10の側端面に配置されたプラグ側接合金具60,60に形成された係合凹部61aと互いに係合することによってプラグ3とソケット6とが固定されるようになっている。
【0037】
ソケット側信号端子5及びソケット側グランド端子8は、同一形状に形成され、図7に示すように、導電性金属板材を所定の形状に打ち抜いて打ち抜き部材を形成し、それを板厚方向に曲げ加工することにより一体に形成され、ソケットハウジング20に固定される端子基部片40と、端子基部片40の一端(下端)より鉛直外向きに折り曲げた形状の基板接続端子片41と、端子基部片40の他端より円弧状に折り返した連結片42と、連結片42の他端に揺動可能に支持されたソケット側係合部43と、ソケット側係合部43の下端に支持された弾性接触片44とを備えている。
【0038】
ソケット側信号端子5及びソケット側グランド端子8は、それぞれ所定の位置のソケットハウジング20の端子挿入部27,27…に下面側より組み込むことにより、端子基部片14が周壁22~24に固定され、ソケット側係合部43が周壁22~25の内周面側に露出するとともに、弾性接触片44がプレート保持壁部26の外側面より突出するようになっている。
【0039】
端子基部片40は、矩形状に形成され、その両側縁部に固定用突片40a,40aが突設されている。そして、端子基部片40をソケットハウジング20に形成された端子挿入部27に形成された貫入溝に貫入することによって、この固定用突片40a,40aが貫入溝の内縁に食い込み端子基部片40が周壁22~25に固定されるようになっている。
【0040】
各ソケット側係合部43には、打ち抜き部材を板厚方向に曲げ加工することによって、プラグ挿抜方向と交差する方向に連続した保持突条部(以下、ソケット側保持突条部45という)が形成され、プラグ側保持突条部17と係合するようになっている。
【0041】
弾性接触片44は、ソケット側係合部43の下端から斜め方向に延出した弾性基部44aと、弾性基部44aの先端より斜め上向きに折り返した形状の弾性接触部44bとからなり、弾性接触部44bの先端側が円弧状に折り曲げられ、弾性接触部44bの先端部に接点44cが形成されている。
【0042】
この弾性接触片44は、弾性基部44aが嵌合溝4,4の下側を横切るように配置され、その先端から斜め上向きに折り返された弾性接触44bの先端側がプレート保持壁部26の外側面から嵌合溝4,4内に突出し、プラグ3の接点部片13と接触するようになっている。
【0043】
プラグ3は、図8に示すように、突条状の嵌合凸体2,2を有するプラグハウジング10と、嵌合凸体2,2に配設された1又は複数のプラグ側信号端子1,1と、嵌合凸体2,2に配設された1又は複数のプラグ側グランド端子7,7とを備え、プラグ側信号端子1,1及びプラグ側グランド端子7,7がインサート成形によってプラグハウジング10に組み込まれている。
【0044】
プラグハウジング10は、底板部11より突出した互いに平行な突条状の一対の嵌合凸体2,2と、両嵌合凸体2,2の端部間を連結する端壁部12,12とを備え、嵌合凸体2,2及び端壁部12,12が平面視矩形枠状を成し、各嵌合凸体2,2にプラグ側信号端子1,1及びプラグ側グランド端子7,7が組み込まれている。
【0045】
また、プラグハウジング10の両端部には、導電性金属材からなるプラグ側接合金具60,60を備え、プラグ3とソケット6とを接合する際、プラグ側接合金具60,60とソケット側シールド部材31のソケット側接合金具55,55とが係合するようになっている。
【0046】
プラグ側接合金具60,60は、プラグハウジング10の両端面に露出する係合板部61を備え、係合板部61の中央部に係合凸片55aと係合する係合凹部61aが形成されている。
【0047】
また、プラグハウジング10の底面部11には、導電性板材からなるシールドプレート62が組み込まれ、グランドプレート29の上端面と表面が対向するシールドプレート62がプラグ側信号端子1の側方に配置されている。
【0048】
プラグハウジング10の底板部11には、少なくともソケット側の面に開口したプレート露出部63が形成され、プレート露出部63を通してシールドプレート62がソケット側に露出している。
【0049】
シールドプレート62は、図9に示すように、導電性金属板材によって平板状に形成され、インサート成形によってプラグハウジング10の底板部11に組み込まれ、各嵌合凸体2,2に保持された信号端子間を遮断するとともに、底板部11の骨格を成すようになっている。
【0050】
尚、シールドプレート62の態様は、図に示すものに限定されず、図10図12図14図17及び図19に示す多様な形態を有することによって、シールド性能の向上やその他の作用効果を付加できる。尚、上述の実施例と同様の構成には、同一符号を付して説明する。
【0051】
図10に示すシールドプレート62は、平板状のシールドプレート62の両端部にプラグ側接合金具60,60を備え、プラグ側接合金具60,60がシールドプレート62と一体化されている。
【0052】
このシールドプレート62は、シールドプレート62とプラグ側接合金具60,60とを一体形成することができ、部品点数及び部品作成工数の低減を図ることができるとともに、シールドプレート62とプラグ側接合金具60,60とを同時にプラグハウジング10に組み込むことができる。
【0053】
また、グランドプレート29とソケット側シールド部材31とが接続されているので、図11に示すように、プラグ3とソケット6とを接合することによって、ソケット側シールド部材31を介してシールドプレート62とグランドプレート29とが接続され、シールド性能の向上を図ることができる。
【0054】
また、シールドプレート62は、図12に示すように、両端部に表面実装用端子64,64を備えたものであってもよい。
【0055】
表面実装用端子64,64は、板厚方向外側に向けて斜めに延出した接続片65を介してシールドプレート62の端縁に支持され、プラグハウジング10にシールドプレート62を組み込むことによって、図13に示すように、プラグ3の基板側面に露出される。
【0056】
よって、このシールドプレート62を使用したものは、表面実装用端子64,64が基板のグランドパターンに実装されることによって、シールドプレート62がグランド接続できるようになっている。
【0057】
尚、表面実装用端子64,64の位置を変えることによって、シールドプレート62に表面実装用端子64,64とプラグ側接合金具60,60とを併用することもできる。
【0058】
さらに、シールドプレート62は、図14に示すように、露出したグランドプレート29の上端面と接触するプレート接触部66を備えているものであってもよい。尚、プレート接触部66を設ける場合、ソケットハウジング20のプレート保持壁部26には、その上面にプレート露出窓28,28が形成され、グランドプレート29の上端面の一部又は全部が露出した状態になっている。
【0059】
図14図16に示すプレート接触部66は、シールドプレート62の一部を切り起こしすることによって形成され、シールドプレート62の板厚方向に貫通した窓部67の内縁に一端が支持され、板厚方向に変位する片持ちバネ状に形成されている。
【0060】
このプレート接触部66は、一端が窓部67の縁に支持された弾性接触片66aと、弾性接触片66aの先端部に形成された接点部66bとを備え、プレート露出部63を通して接点部66bが底板部21のソケット側に突出している。
そして、プラグ3とソケット6とを接合することによって、図16に示すように、接点部66bがプレート露出窓28,28内に挿入され、適正な接触圧によって接点部66bがプレート露出窓28,28を通して露出したグランドプレート29のプレート本体33の上端面と接触し、シールドプレート62とグランドプレート29との導通が確保されることによって、漏れのない高いシールド性が実現されている。
【0061】
尚、プレート接触部は、上述の片持ちバネ状のものに限定されず、図17に示すように、シールドプレート62のグランドプレート29側の面に突出した突条状に形成されたプレート接触部68であってもよい。
【0062】
このシールドプレート62は、平板状のシールドプレート本体62aと、シールドプレート本体62aの側縁より垂直方向に突出したプレート接触片68aとを有する一対のシールドプレート部材69,69により構成され、互いに突き合わされたシールドプレート本体62a,62aによって一枚の平板状のシールドプレート62が形成されるとともに、互いに重ね合わされたプレート接触片68a,68aが突条状のプレート接触部68を成している。
【0063】
尚、一対のシールドプレート部材69,69は、図17に示すように、プレート接触片68a,68aのグランドプレート29側の端部が互いに連結部70により連結されているものであってもよく、図19に示すように互いに独立したものであってもよい。
【0064】
このように突条状に形成されたプレート接触部68は、図18に示すように、プラグ3とソケット6とを接合すると、溝状に形成されたプレート露出窓28に挿入され、下端がグランドプレート29のプレート本体33の上端に接触する。
【0065】
プラグ側信号端子1,1及びプラグ側グランド端子7,7は、設計に基づいてプラグ側信号端子1,1を任意の位置に配置し、信号端子間の信号干渉抑制及びシールド特性を踏まえ、各プラグ側信号端子1,1の位置に対応して各プラグ側グランド端子7,7が配置されている。
【0066】
プラグ側信号端子1,1及びプラグ側グランド端子7,7は、同一形状に形成され、導電性金属板材を所定の形状に打ち抜いて打ち抜き部材を形成し、それを板厚方向に曲げ加工することで一体に形成されている。
【0067】
このプラグ側信号端子1,1及びプラグ側グランド端子7,7は、図8(d)に示すように、嵌合凸体2,2の片面側に露出した状態に保持される平板状の接点部片13と、接点部片13の一端より垂直外向きに折り曲げた形状の基板接続端子片14と、接点部片13と互いに対向配置されたプラグ側係合部15と、接点部片13とプラグ側係合部15の端部間を連結する連結片16とを備えている。
【0068】
プラグ側係合部15には、打ち抜き部材を板厚方向に曲げ加工することによって、プラグ挿抜方向と交差する方向に連続した保持突条部(以下、プラグ側保持突条部という)17が形成されている。
【0069】
このように構成されたコネクタAは、プラグハウジング10の底板部にシールドプレート62を備えたことによって、シールドプレート62が底板部11の骨格を形成することで、嵌合凸体に保持されたプラグ側信号端子1間を遮断するシールドプレート62を保有しつつ、コネクタ全体の低背化を実現することができる。
【0070】
また、コネクタAでは、シールドプレート62にプレート接触部66、68を有することによって、プラグ3とソケット6とが嵌合した際、シールドプレート62とグランドプレート29とが接続されるので、シールドプレート62とグランドプレート29との間のグランド性能の連携が図られ、信号端子間の信号干渉を漏れなく抑制できるとともにコネクタ全体のシールド性の機能向上を図ることができる。
【0071】
尚、上述の実施例では、シールドプレート側にバネ状及び突条状のプレート接触部を設けた場合について説明したが、グランドプレートにプラグハウジングの底板部に露出したシールドプレートと弾性接触するバネ状のプレート接続部を備えてもよい。
【符号の説明】
【0072】
A コネクタ
1 プラグ側信号端子
2 嵌合凸体
3 プラグ
4 嵌合溝
5 ソケット側信号端子
6 ソケット
7 プラグ側グランド端子
8 ソケット側グランド端子
10 プラグハウジング
11 底板部
12 端壁部
13 接点部片
14 基板接続端子片
15 プラグ側係合部
16 連結片
17 プラグ側保持突条部
20 ソケットハウジング
21 底板部
22~25 周壁
26 プレート保持壁部
27 信号端子挿入部
28 プレート露出窓
29 グランドプレート
31 ソケット側シールド部材
32 接続部
33 プレート本体
40 端子基部片
41 基板接続端子片
42 連結片
43 ソケット側係合部
44 弾性接触片
50~53 周壁部
54 上面被覆部
55 ソケット側接合金具
60 プラグ側接合金具
61 係合板部
62 シールドプレート
63 プレート露出部
64 表面実装用端子
65 接続片
66 プレート接触部
67 窓部
68 プレート接触部
69 シールドプレート部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19