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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-01
(45)【発行日】2022-03-09
(54)【発明の名称】検索装置、検索方法及び検索プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 16/338 20190101AFI20220302BHJP
   G06Q 50/18 20120101ALI20220302BHJP
   G06F 16/36 20190101ALI20220302BHJP
【FI】
G06F16/338
G06Q50/18 310
G06F16/36
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2021119727
(22)【出願日】2021-07-20
【審査請求日】2021-07-21
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】517274039
【氏名又は名称】株式会社Toreru
(74)【代理人】
【識別番号】110002701
【氏名又は名称】特許業務法人Toreru
(74)【代理人】
【識別番号】100188525
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 超史
(74)【代理人】
【識別番号】100090527
【弁理士】
【氏名又は名称】舘野 千惠子
(74)【代理人】
【識別番号】100198661
【弁理士】
【氏名又は名称】久保寺 利光
(72)【発明者】
【氏名】宮崎 超史
【審査官】松尾 真人
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-034671(JP,A)
【文献】特開2018-190016(JP,A)
【文献】特開2011-227727(JP,A)
【文献】特開2018-166302(JP,A)
【文献】特開2018-113002(JP,A)
【文献】特開2005-251157(JP,A)
【文献】特開平11-085786(JP,A)
【文献】特開2002-259534(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 16/00-16/958
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザーからテキストを受け付ける受付部と、
前記テキストを用いて記憶手段を検索する検索部と、
前記検索部の検索結果を出力する出力部と、を有し、
前記記憶手段は、商品名及び/又は役務名と、該商品名及び/又は役務名を格納商品役務名としたとき、該格納商品役務名に紐づく商品役務群名と、を有し、
前記商品役務群名は、少なくとも一つ以上の名詞を含み、ユーザーが作成、変更又は削除可能であり、
一の前記商品役務群名に複数の前記格納商品役務名が紐づいており、
前記検索部は、前記格納商品役務名及び/又は前記商品役務群名に対して前記テキストと同一又は類似のものがあるかを調べ、前記テキストと同一もしくは類似の前記商品役務群名、又は、前記テキストと同一もしくは類似の前記格納商品役務名に紐づく前記商品役務群名を取得し、
前記出力部は、前記検索部が取得した前記商品役務群名を前記検索結果として出力することを特徴とする検索装置。
【請求項2】
前記検索部は、前記格納商品役務名及び前記商品役務群名に対して前記テキストと同一又は類似のものがあるかを調べる際、完全に一致するものを取得する方法、又は、一部が一致するものを取得する方法を用いることを特徴とする請求項1に記載の検索装置。
【請求項3】
前記検索部は、前記格納商品役務名及び前記商品役務群名に対して前記テキストと同一又は類似のものがあるかを調べる際、機械学習によって得られた学習済みモデルを使用する方法を用いることを特徴とする請求項1に記載の検索装置。
【請求項4】
前記機械学習は、前記テキストを入力したときに、前記テキストと同じ文字である前記格納商品役務名又は前記商品役務群名を出力するとともに、前記テキストと異なる文字であるが同じ意味である前記格納商品役務名又は前記商品役務群名を出力するように学習することを特徴とする請求項3に記載の検索装置。
【請求項5】
前記検索結果として出力された前記商品役務群名は、ユーザーによって一以上選択されることが可能であり、
前記受付部は、ユーザーによって選択された前記商品役務群名を選択商品役務群名として受け付けることを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載の検索装置。
【請求項6】
前記受付部は、テキスト形式の商標又は画像形式の商標を受け付け、
前記選択商品役務群名と前記受け付けた商標を用いて、商標登録出願の願書を作成する、又は、商標調査を行うことを特徴とする請求項5に記載の検索装置。
【請求項7】
記商品役務群名と前記格納商品役務名とが紐づく関係はユーザーが作成、変更又は削除可能であることを特徴とする請求項1~6のいずれかに記載の検索装置。
【請求項8】
前記記憶手段は、前記格納商品役務名に対応する区分番号を更に有し、
前記出力部は、前記商品役務群名とともに、該商品役務群名に紐づく前記格納商品役務名及び該格納商品役務名に対応する前記区分番号のうちの少なくとも一方を前記検索結果として出力することを特徴とする請求項1~7のいずれかに記載の検索装置。
【請求項9】
前記記憶手段は、前記商品役務群名を説明する商品役務群名説明文を更に有し、
前記検索部は、前記格納商品役務名、前記商品役務群名及び前記商品役務群名説明文から選ばれる一つ以上に対して前記テキストと同一又は類似のものがあるかを調べることを特徴とする請求項1~8のいずれかに記載の検索装置。
【請求項10】
前記検索部は、前記テキストから名詞を抽出し、前記格納商品役務名及び/又は前記商品役務群名に対して前記抽出した名詞と同一又は類似のものがあるかを調べることを特徴とする請求項1~9のいずれかに記載の検索装置。
【請求項11】
コンピュータにより行う検索方法であって、
ユーザーからテキストを受け付ける受付工程と、
前記テキストを用いて記憶手段を検索する検索工程と、
前記検索工程の検索結果を出力する出力工程と、を有し、
前記記憶手段は、商品名及び/又は役務名と、該商品名及び/又は役務名を格納商品役務名としたとき、該格納商品役務名に紐づく商品役務群名と、を有し、
前記商品役務群名は、少なくとも一つ以上の名詞を含み、ユーザーが作成、変更又は削除可能であり、
一の前記商品役務群名に複数の前記格納商品役務名が紐づいており、
前記検索工程は、前記格納商品役務名及び/又は前記商品役務群名に対して前記テキストと同一又は類似のものがあるかを調べ、前記テキストと同一もしくは類似の前記商品役務群名、又は、前記テキストと同一もしくは類似の前記格納商品役務名に紐づく前記商品役務群名を取得し、
前記出力工程は、前記検索工程で取得した前記商品役務群名を前記検索結果として出力することを特徴とする検索方法。
【請求項12】
コンピュータに実行させる検索プログラムであって、
ユーザーからテキストを受け付ける受付処理と、
前記テキストを用いて記憶手段を検索する検索処理と、
前記検索処理の検索結果を出力する出力処理と、を実行させ、
前記記憶手段は、商品名及び/又は役務名と、該商品名及び/又は役務名を格納商品役務名としたとき、該格納商品役務名に紐づく商品役務群名と、を有し、
前記商品役務群名は、少なくとも一つ以上の名詞を含み、ユーザーが作成、変更又は削除可能であり、
一の前記商品役務群名に複数の前記格納商品役務名が紐づいており、
前記検索処理は、前記格納商品役務名及び/又は前記商品役務群名に対して前記テキストと同一又は類似のものがあるかを調べ、前記テキストと同一もしくは類似の前記商品役務群名、又は、前記テキストと同一もしくは類似の前記格納商品役務名に紐づく前記商品役務群名を取得し、
前記出力処理は、前記検索処理で取得した前記商品役務群名を前記検索結果として出力することを特徴とする検索プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検索装置、検索方法及び検索プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、知的財産の重要度がますます高まっており、例えば商標については、ブランド戦略等の観点から重要度がますます高まっている。ブランド戦略を実現していくためには、商標登録出願を適時行って商標権を取得していく必要がある。最近ではユーザー自身が省庁登録出願の願書を作成できるシステムやサービスが提供され始めている。
【0003】
一方、商標権を取得するための商標登録出願が増えるにつれ、それに伴う出願願書の作成にかかる労力が増えている。特に、商標登録出願をする際に、どのような区分を記載するか、またどのような商品や役務を指定するかを検討する必要があり、願書作成に手間がかかることに加え、経験や専門知識が必要とされる。商品や役務の指定漏れがないかを検討することが必要であるし、また将来の事業拡大等に伴って派生する新たな事業を想定してどのような商品や役務を指定するかについても検討が必要になる。
【0004】
特許文献1では、過去の出願について指定商品や指定役務の統計情報を取得し、ユーザーに入力された商品や役務と一緒に出願された回数の多い商品や役務を表示することが開示されている。特許文献1によれば、現在の業務から派生する業務に係る商品又は役務を指定商品又は指定役務の候補として検討することができるとしている。また、特許文献1では、入力された商品や役務とともに出願された指定商品や指定役務が属するグループ(例えば類似群コード)と一緒に出願されたグループを過去の出願の回数(統計情報)に基づいて出力することが開示されている。
【0005】
特許文献2では、機外学習によりモデルを学習し、商品・役務に関するグループを推定し、推定したグループに対応する商品・役務情報を抽出することが開示されている。特許文献2によれば、商標権の取得や調査の際に、簡易に素早くかつ精度よく、指定商品・役務、または商品・役務の区分を含む商品・役務情報を特定できるとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特許第5246459号公報
【文献】特開2018-113002号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
商標登録出願を行う際、知識や経験のないユーザーはどのような商品、役務、区分を指定すればよいかわからないことが多い。それ以前に、どのような区分があるのか、区分に属する商品や役務は何かわからないことが多い。更に、請求する権利の広げ方、すなわち出願時に指定する区分や商品、役務をどこまで増やすのかわからず、指定漏れが生じ、権利の取得漏れが生じていた。この観点からすると、特許文献1では、過去の出願の統計情報に基づいて、入力した商品や役務以外の商品や役務を出力ないし提案することができるとも考えられる。
【0008】
しかしながら、特許文献1のように出現回数に基づいて商品や役務の出力を行ったとしても、出願時に指定する商品や役務の参考にはなるものの、結局ユーザーはどの商品、役務、区分を指定すればよいかわからない。また、特許文献1では、入力された商品や役務とともに出願された指定商品や指定役務が属するグループと一緒に出願されたグループを過去の出願の回数(統計情報)に基づいて出力することが提案されているが、グループとして類似群コードが例示されており、類似群コードの場合、実際の業務に沿った分類がなされていない場合がある。例えば商標登録出願の際に類似群コードをそのまま指定することは難しい。
【0009】
特許文献2においても、グループとして例えば商標法施行令別表に基づいたグループ分けがなされているが、例えば商標登録出願の際に、区分内の商品や役務をそのまま指定することは難しい。また、商標権の調査の際に、区分内の商品や役務をそのまま用いて調査を行おうとすると、実際の業務に係る商品や役務以外の商品や役務も対象になってしまい、不必要に調査対象が広がってしまう。
【0010】
また先行技術では、商標登録出願、商標調査等において商品や役務、区分を検索する際に、検索結果が出力されても、その検索結果を見たユーザー、特に商標の専門知識を有していないユーザーは検索結果の意味するところを十分に理解できず、検索結果を活かしきれないという問題があった。これにより、検索結果を用いて後の操作をどのようにすればよいかわからないユーザーが多くいるという問題があった。また、専門知識を有するユーザーであっても区分や類似群によっては、対応する商品や役務が非常に多いものがあり、検索結果として出力された区分や類似群に対応する商品や役務を調べる必要が生じる場合がある。
【0011】
そこで、本発明は、商標登録出願、商標調査等において商品や役務、区分を検索する際に、簡単に検索を行うことができ、検索結果を後の操作で活かせる検索装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するために、本発明の検索装置は、ユーザーからテキストを受け付ける受付部と、前記テキストを用いて記憶手段を検索する検索部と、前記検索部の検索結果を出力する出力部と、を有し、前記記憶手段は、商品名及び/又は役務名と、該商品名及び/又は役務名を格納商品役務名としたとき、該格納商品役務名に紐づく商品役務群名と、を有し、前記商品役務群名は、少なくとも一つ以上の名詞を含み、ユーザーが作成、変更又は削除可能であり、一の前記商品役務群名に複数の前記格納商品役務名が紐づいており、前記検索部は、前記格納商品役務名及び/又は前記商品役務群名に対して前記テキストと同一又は類似のものがあるかを調べ、前記テキストと同一もしくは類似の前記商品役務群名、又は、前記テキストと同一もしくは類似の前記格納商品役務名に紐づく前記商品役務群名を取得し、前記出力部は、前記検索部が取得した前記商品役務群名を前記検索結果として出力することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、商標登録出願、商標調査等において商品や役務、区分を検索する際に、簡単に検索を行うことができ、検索結果を後の操作で活かせる検索装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の検索装置の一例を示す図である。
図2】入力画面の一例を示す図である。
図3】検索結果画面の一例を示す図である。
図4】検索結果画面の一例においてグループ名が選択された場合の例を示す図である。
図5】検索結果画面の他の例を示す図である。
図6A】入力の具体例を示す図である。
図6B】入力の具体例を示す図である。
図7A図6Aにおける検索結果の具体例を示す図である。
図7B図6Bにおける検索結果の具体例を示す図である。
図8図6Aにおける検索結果の具体例を示す他の図である。
図9】検索結果画面の他の例を示す図である。
図10】商標入力画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明に係る検索装置、検索方法及び検索プログラムについて図面を参照しながら説明する。なお、本発明は以下に示す実施形態に限定されるものではなく、他の実施形態、追加、修正、削除など、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用・効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。
【0016】
本発明の検索装置は、ユーザーからテキストを受け付ける受付部と、前記テキストを用いて記憶手段を検索する検索部と、前記検索部の検索結果を出力する出力部と、を有し、前記記憶手段は、商品名及び/又は役務名と、該商品名及び/又は役務名を格納商品役務名としたとき、該格納商品役務名に紐づく商品役務群名と、を有し、前記商品役務群名は、少なくとも一つ以上の名詞を含み、一の前記商品役務群名に複数の前記格納商品役務名が紐づいており、前記検索部は、前記格納商品役務名及び/又は前記商品役務群名に対して前記テキストと同一又は類似のものがあるかを調べ、前記テキストと同一もしくは類似の前記商品役務群名、又は、前記テキストと同一もしくは類似の前記格納商品役務名に紐づく前記商品役務群名を取得し、前記出力部は、前記検索部が取得した前記商品役務群名を前記検索結果として出力することを特徴とする。
【0017】
本発明の一実施形態について説明する。
図1は、本実施形態の区分検索装置を説明するための図である。図中、検索装置10、記憶手段31、ユーザー40、端末41が図示されている。なお、図中の矢印はデータの流れや指示等を模式的に示している。
【0018】
ユーザー40としては、特に制限されるものではなく、例えば法人、個人、団体など適宜使用が可能であり、国、企業、特許事務所、その他の事務所等が挙げられる。ユーザーとしているが、使用者、管理者、利用者、対象者などと称してもよい。また、端末41としては、PC、スマートフォン、タブレット等が挙げられる。
【0019】
本実施形態の検索装置10は、受付部11、検索部12、出力部13を有している。本実施形態の検索装置10は、このような構成に限られるものではなく、適宜変更することができるものであり、ここでは他の実施形態を含む構成として説明している。
【0020】
受付部11は、ユーザーからテキストを受け付ける。本実施形態では、ユーザー40が操作する端末41からテキストを受け付けているが、これに限られるものではない。検索装置10が入力手段などを有することにより、ユーザー40が検索装置10に対して直接、テキストを入力するようにしてもよい。また、端末41と検索装置10との間にその他の装置を設けるようにし、その他の装置を介してテキストを受け付けるようにしてもよい。また、検索装置10が起因となってテキストを取得した場合も商品名又は役務名を受け付けることに該当する。
【0021】
ユーザーから受け付けるテキストとしては、例えば、商品名、役務名等が挙げられる。後述の商品役務群名(グループ名)であってもよい。前記テキストとしては、名詞を含むことが好ましく、複数の名詞であってもよい。複数の名詞である場合、記号等によって区分けされていてもよいし、複数の名詞が連結していてもよい。また、前記テキストとしては、複数の単語を含んでいてもよく、文章であってもよい。前記テキストが文章である場合、テキストの中から名詞を抽出し、抽出した名詞を用いて検索を行うことが好ましい。文章中の単語の中から名詞を抽出する方法としては、例えば機械学習により得られた学習済みモデルを用いる。
【0022】
端末41と検索装置10との通信方法は、特に制限されるものではなく、適宜変更することができる。インターネット等を介して通信してもよいし、有線や無線で通信してもよい。
【0023】
前記テキストとして受け付ける商品名や役務名は、例えば特許庁で規定されている審査基準等に記載されているものに限られない。商標登録を検討している商品名や役務名であってもよいし、商標調査を行う予定の商品名や役務名であってもよいし、自己又は他社の業務に係る商品名や役務名であってもよい。
【0024】
図2に、入力画面の一例を示す。ユーザー40は、入力欄61にテキスト、例えば商品名や役務名を入力する。次いで、検索実行ボタン62を押下する。これにより、受付部11はユーザー40によって入力されたテキストを受け付ける。
【0025】
検索部12は、テキストを用いて記憶手段31を検索する。
【0026】
記憶手段31は、商品名及び/又は役務名と、該商品名及び/又は役務名を格納商品役務名としたとき、該格納商品役務名に紐づく商品役務群名と、を有している。記憶手段31は、必要に応じてその他の項目を有し、例えば前記格納商品役務名に対応する区分番号を更に有していてもよい。
【0027】
「格納商品役務名に対応する区分番号」とあるのは、例えば商標法施行規則別表や審査基準に基づく区分である。例えば商品「洋服」には「25類」が対応している。
【0028】
記憶手段31は、検索装置10が有していてもよいし、検索装置10の外部に設けられていてもよい。例えばクラウド上に設けられていてもよい。検索装置10と記憶手段31との通信手段は、特に制限されるものではなく、適宜変更することができる。インターネット等を介して通信してもよいし、有線や無線で通信してもよい。また、記憶手段31は1つであってもよいし、複数からなるものであってもよい。
【0029】
本実施形態において、商品役務群名(以下、商品役務群名をグループ名とも称する)は、少なくとも一つ以上の名詞を含み、一の前記商品役務群名に複数の前記格納商品役務名が紐づいている。グループ名が名詞を含むことで、ユーザーがグループ名を理解しやすくなり、検索結果を理解しやすくなる。そのため、検索結果を用いてユーザーが後の操作を行いやすくなる。後の操作としては、特に制限されるものではなく、適宜選択することができるが、例えば商標登録出願の願書作成、商標調査等が挙げられる。
【0030】
グループ名に含まれる名詞としては、辞書に掲載されているものが好ましいが、これに限られるものではない。複数の名詞を組み合わせた造語などであってもよい。特定の業界において新たに使用されるようになった名詞などでもよいし、慣用的に用いられている名詞であってもよい。日本語に限られず、アルファベット等で表記された外国の名詞であってもよい。グループ名に含まれる名詞の数は、一つであってもよいし、複数であってもよい。グループ名は少なくとも名詞を含んでいればよく、その他の品詞を含んでいてもよい。例えば、「〇〇」といったように一つの名詞であってもよいし、「〇〇、〇〇」といったように複数の名詞を含んでいてもよいし、「〇〇の〇〇」といったように助詞等を含んでいてもよいし、「〇〇(〇〇を除く)」といったように動詞等を含んでいてもよい。また、役務については、「〇〇の提供」などの場合、この「〇〇」が名詞に該当する。
【0031】
一方、グループ名が名詞を含んでいない場合、例えば区分や類似群コードをグループ名として考えた場合、区分や類似群コードは英数字の羅列であり、名詞を含んでいない。従来技術のように、区分や類似群コードを検索結果として出力する場合、特に商標についての専門知識を有していないユーザーにとって、出力された区分や類似群コードを理解するのが困難であり、検索結果を十分に活かせない。区分や類似群コードを検索結果として出力すると、その検索結果をユーザー、特に商標の専門知識を有していないユーザーが検索結果を受け取ったとしても、その後、どのような操作を行えばよいかわからない状態が生じ得る。例えば、商標登録出願をしようとする場合、区分や類似群コードを願書にそのまま指定するわけにもいかない。また、商標調査をする場合、区分や類似群コードをそのまま用いようとすると、調査対象の商品や役務が非常に多くなってしまい、現実的な調査を行うことができない。
【0032】
グループ名としては、例えば、「アパレル」、「化粧用具」、「せっけん」、「金属材料」、「洗浄装置」、「楽器」、「空気清浄」、「糸」等が挙げられる。これらは1つ又は複数の名詞からなるものである。グループ名は、複数の単語、複数の品詞、読点、カンマ、ピリオド、中点を含んでいてもよく、例えば、「貴金属、宝飾品、アクセサリー、時計」、「かばん類、袋物、皮革」、「家具、クッション、枕」、「調味料、香辛料」、「歌と楽器」、「機械要素(陸上の乗物用のものを除く)」、「サプリメントや栄養補助食品」、「小売・卸売サービス」、「デザインの考案」、「はさみ・刃物などの手動利器」等であってもよい。また、複数の名詞からなる場合、例えば、「電子書籍・電子出版物」や「電子書籍、電子出版物」のように記号などで名詞同士を分けてもよいし、「電子書籍電子出版物」などのように連結して表記してもよい。また、グループ名には英数字が含まれていてもよく、例えば、「アパレル(25類)」、「アパレル(25類、18類)」等であってもよい。グループ名としては、中でも「アパレル(25類)」等のように、名詞と区分を含むことが好ましく、この場合、グループ名からグループの意味を推定しやすくなる。グループ名は、格納商品役務名と基本的に異なるが、同じものがあってもよい。
【0033】
本実施形態におけるグループ名としては、区分や類似群コード、その他、英数字の羅列を除くことが好ましい。これらのものについては、ユーザーが検索結果を受け取ったとしても、受け取った区分や類似群コード自体に意味を見出すことは難しい。しかし、区分については、例えば「25類」、「第25類」等のように表記される場合があり、この場合、「類」が名詞であると考えられ、「名詞を含む」ことに該当するとも考えられるが、このように表記される区分は本実施形態におけるグループ名に該当しないと考えて除かれる。すなわち、区分のみのグループ名は本実施形態におけるグループ名に該当しないと考えて除かれる。「類」の他にも、例えば数字とともに用いられる「番」、「区」、「種」については、区分と同じものであるため、グループ名に該当しないと考えて除かれる。例えば、「25類」、「25番」、「25区」、「25種」等は、区分と同一であり、区分のみのグループ名として本実施形態におけるグループ名に該当しないと考えて除かれる。
【0034】
本実施形態において、「格納商品役務名が紐づいている」とあるのは、一つの商品役務群名に複数の格納商品役務名が属しているなどと称してもよい。例えば、グループ名「アパレル」に商品「洋服」、「かばん」等が属している例が挙げられ、記憶手段31はこのような紐づく関係(紐づき関係などと称することがある)について記憶している。グループ名に紐づく複数の格納商品役務名のまとまりをグループと称することがある。
【0035】
本実施形態において、前記商品役務群名は、管理者又はユーザーが作成、変更又は削除可能であり、前記商品役務群名と前記格納商品役務名とが紐づく関係は、管理者又はユーザーが作成、変更又は削除可能である。このようにすることで、より実際の業務に適したグループを作成することができる。例えば、商標登録出願の際に、出力されたグループ名を指定し、指定されたグループ名に紐づく格納商品役務名をそのまま願書に記載することで、非常に簡便に商標登録出願の願書を作成することができる。また、商標調査を行う際に、出力されたグループ名を指定し、指定されたグループ名に紐づく格納商品役務名を用いて調査を行うことで、実際の業務に近い商品や役務に絞って調査を行うことができる。
【0036】
一方、区分や類似群コード、外国特許庁が設定した分類等に基づいてグループ名や、グループ名と格納商品役務名とが紐づく関係を規定する場合、非常に良く体系付けて整理された分類となるが、ユーザーの要望等に基づいて変更することができない。実際の業務や調査内容などに応じてグループを変更することに向いていない。
【0037】
管理者やユーザーがどのような観点からグループ名を作成、変更又は削除するかについては、特に制限されるものではなく、適宜選択することができる。例えば、過去にユーザーにヒアリングを行って出願した過去の出願を考慮して作成される。その他にも、ユーザーの要望に基づくものであってもよい。最近の世間一般の状況を鑑みて適宜作成、変更又は削除してもよい。
【0038】
管理者やユーザーがどのような観点からグループ名と格納商品役務名とが紐づく関係を作成、変更又は削除するかについては、特に制限されるものではなく、適宜選択することができる。例えば、過去にユーザーにヒアリングを行って出願した過去の出願を考慮して作成される。その他にも、ユーザーの要望に基づくものであってもよい。最近の世間一般の状況を鑑みて適宜作成、変更又は削除してもよい。
【0039】
また、過去に出願(先願)した後、同じ商標について他の商品や役務を指定して出願(後願)したケースがある場合、後願に係る商品や役務をグループに追加することが好ましい。これにより、商品や役務の指定漏れを更に抑制することができる。
【0040】
記憶手段31にグループを作成する方法としては、適宜選択することができる。例えば、ブラウザからフォームで入力してもよいし、直接SQL等を用いて入力してもよい。また、検索装置10が登録部(名称は任意である)を有していてもよく、受付部11が管理者やユーザーから、グループ名やグループを作成等するための情報を受け付け、これに基づいて登録部が記憶手段31に登録するようにしてもよい。
【0041】
記憶手段31が有する格納商品役務名の用途としては、特に制限されるものではなく、例えば商標登録出願の願書作成時に願書に記載するために用いられる。その他にも、商標調査時に用いることができる。商標調査については後述する。
【0042】
記憶手段31は、その他にも願書作成用の情報を有していてもよい。願書作成用の情報としては、例えば、出願人の氏名や名称、住所や居所、識別番号等が挙げられる。
【0043】
検索部12は、前記格納商品役務名及び/又は前記商品役務群名に対して前記テキストと同一又は類似のものがあるかを調べる。そして、検索部12は、前記テキストと同一もしくは類似の前記商品役務群名、又は、前記テキストと同一もしくは類似の前記格納商品役務名に紐づく前記商品役務群名を前記検索結果として取得する。
【0044】
検索部12は、前記格納商品役務名及び前記商品役務群名に対して前記テキストと同一又は類似のものがあるかを調べる際、用いる方法としては適宜選択することができる。例えば、完全に一致するものを取得する方法、一部が一致するものを取得する方法を用いることができる。これらは、いわゆるテキスト検索などとも称され、実装が比較的容易であるという利点がある。
【0045】
一部が一致するものを取得する方法としては、例えば、「アクセ」と入力された場合に、グループ名「アクセサリー」を取得する場合が挙げられる。また、「アパレル」と入力された場合に、グループ名「アパレル(25類)」を取得する場合が挙げられる。
【0046】
上記の他にも、前記格納商品役務名及び前記商品役務群名に対して前記テキストと同一又は類似のものがあるかを調べる際、機械学習によって得られた学習済みモデルを使用する方法を用いることができる。学習済みモデルを用いることで、文字は異なるが、同じ意味であるものを取得することができ、取得漏れを防ぐことができる。これにより、検索精度を向上させることができる。
【0047】
前記機械学習は、例えば、前記テキストを入力したときに、前記テキストと同じ文字である前記格納商品役務名又は前記商品役務群名を出力するとともに、前記テキストと異なる文字であるが同じ意味である前記格納商品役務名又は前記商品役務群名を出力するように学習するものである。
【0048】
機械学習の方法としては、特に制限されるものではなく、例えば、ニューラルネットワーク、SVM(サポートベクターマシン)等を用いることができる。機械学習は、検索装置10が行うようにしてもよいし、他の装置が行うようにしてもよく、他の装置によって学習されたモデルを検索部12が用いるようにしてもよい。
【0049】
記憶手段31は、商品役務群名(グループ名)を説明する商品役務群名説明文を更に有していてもよい。商品役務群名は、グループ説明文などと称され、この他にも、単に説明文などと称されてもよく、この他にも、備考、説明などと称されてもよい。
この場合、検索部12は、前記格納商品役務名、前記商品役務群名及び前記商品役務群名説明文から選ばれる一つ以上に対して前記テキストと同一又は類似のものがあるかを調べることが可能である。グループ説明文に対しても検索を行うことで、グループ名の取得漏れが更に抑制できる。
【0050】
また、検索部12は、前記テキストから名詞を抽出し、前記格納商品役務名及び/又は前記商品役務群名に対して前記抽出した名詞と同一又は類似のものがあるかを調べるようにしてもよい。この場合、ユーザーから受け付けたテキストが例えば文章であっても、検索を行うことができる。
【0051】
出力部13は、検索部12の検索結果を出力する。
出力部13の出力方法としては、適宜選択することができる。例えば、ユーザー40の端末41に検索結果が表示されるようにしてもよい。その他にも、ユーザー40の端末41にメッセージを送信するようにしてもよいし、API(アプリケーションインターフェース)に送信してもよい。例えば、端末41の画面に表示するようにしてもよいし、push通知を行うようにしてもよい。
【0052】
また、検索装置10が他の装置に出力を行い、他の装置を介してユーザー40が検索結果を取得するようにしてもよい。この場合、他の装置から端末41にデータを送信する場合に限られず、端末41が起因となって他の装置からデータを取得するようにしてもよい。なお、本実施形態において、他の装置に検索結果を送信することは、出力部13が検索結果を出力することに含まれる。
【0053】
検索結果として出力されたグループ名は、ユーザーによって一以上選択されることが可能であることが好ましく、受付部11は、ユーザーによって選択されたグループ名を選択商品役務群名(選択グループ名などとも称する)として受け付けることが好ましい。この場合、選択グループ名を用いてユーザーは後の操作を行うことができる。例えば、商標登録出願の願書の作成や商標調査で選択グループ名を用いて操作を行うことができる。なお、ここではグループ名を選択すると記載しているが、グループを選択すると称してもよい。
【0054】
また、受付部11は、テキスト形式の商標又は画像形式の商標を受け付け、検索装置10が前記選択商品役務群名と前記受け付けた商標を用いて、商標登録出願の願書を作成する、又は、商標調査を行うようにしてもよい。この場合、検索装置10は、商標登録出願の願書を作成する作成部(名称は任意である)を有していてもよい。例えば、商標登録出願の願書を作成する際に、選択グループ名に紐づく格納商品役務名を願書に記載する。また、記載された格納商品役務名に対応する区分を願書に記載する。また、受付部11が受け付けた商標を願書に記載することで、ユーザーは非常に簡便に商標登録出願の願書を作成することができる。
【0055】
商標調査を行う際には、例えば検索装置10は商標の調査を行う処理部(名称は任意である)を有していてもよい。例えば、受け付けた商標と、選択グループ名に紐づく格納商品役務名を用いて、商標登録出願がすでになされているか、商標登録がすでになされているか等を非常に簡便に調査することができる。調査対象としては、特に制限されるものではないが、例えばweb上を調査してもよいし、web上の情報をストレージにダウンロードしてストレージを調査してもよい。
【0056】
記憶手段31が格納商品役務名に対応する区分番号を有している場合、出力部13は、商品役務群名とともに、該商品役務群名に紐づく格納商品役務名及び該格納商品役務名に対応する区分番号のうちの少なくとも一方を検索結果として出力することが好ましい。この場合、グループ名と合わせて商品や役務、区分を出力でき、ユーザーが検索結果をより理解しやすくなり、後の操作の判断についての一助となる。
【0057】
本発明の用途としては、特に制限されるものではなく、適宜選択することができる。例えば、商標登録出願の願書作成の際にどのような商品や役務、区分を記載するかを調べるために本発明を用いることができる。この場合、商品や役務、区分を簡単に見つけることができ、また商品や役務の指定漏れを抑制することができる。その他にも、商標調査の際に本発明を用いることができる。商標調査としては、例えば、商標登録出願を検討している商標について、その商標が自己の業務に係る商品や役務で既に商標登録出願がされているかを調べる場合が挙げられる。
【0058】
図3に、検索結果画面の一例を示す。本例では、グループ名表示欄63a~63cにグループ名(1)~(3)が表示されており、グループの説明表示欄64a~64cにグループ名(1)~(3)に対応する説明文が表示されている。また、本例ではグループ名表示欄63a~63cにグループ(1)~(3)に対応する区分をあわせて表示している。
【0059】
図2及び図3に示すように、ユーザーはテキスト、例えば商品や役務を入力して検索実行ボタンを押すだけで検索を行うことができ、非常に簡単な操作で検索を行うことができる。
【0060】
出力部13が検索結果として出力する商品役務群名(グループ名)は、1つであってもよいし、複数であってもよい。図3に示す例では、複数のグループ名を出力している。ここで示す例では、グループ名(1)~(3)の3つを表示しているが、これに限られるものではない。
【0061】
なお、図3に示す例では3つのグループを表示しており、グループ名表示欄63a~63cが図示されているが、これに限られるものではない。該当するすべてのグループを一覧形式で表示してもよい。また、図示するように、「もっと表示する」を押下して、該当するその他のグループを表示するようにしてもよい。また、図示するように、「入力画面に戻る」といったボタンを有していてもよく、入力画面50に移動できるようにしてもよい。
【0062】
図3に示す例では、グループ名とあわせてグループの説明を表示している。記憶手段31はグループ名に対応するグループの説明を有していてもよく、グループ名とあわせてグループの説明を検索結果として出力してもよい。グループ名を表示することで、ユーザーがグループを選択する際に選択しやすくなる。
【0063】
本実施形態において、検索結果として出力された商品役務群名(グループ名)は、ユーザーによって一以上選択されることが可能であり、前記受付部は、ユーザーによって選択された前記商品役務群名を選択商品役務群名として受け付ける。
【0064】
図4に、検索結果画面においてグループ名が選択された場合の例を説明するための図を示す。
図4は、図3に示す例においてグループ名(1)を選択した場合の例である。ユーザーによって選択されたグループの表示を変えるなどして、選択されたグループが判別できるようにすることが好ましい。また、選択中のグループの個数を表示するようにしてもよい。
グループ名は1つ選択してもよいし、複数選択してもよい。
【0065】
次に、記憶手段31が有する情報の一例について説明する。
以下の例は、記憶手段31が第1のテーブル、第2のテーブル及び第3のテーブルを有する場合の例である。
【0066】
【表1】
【0067】
【表2】
【0068】
【表3】
【0069】
テーブル1(商品・役務テーブル、第1のテーブルなどとも称する)は、少なくとも第1のIDと、格納商品役務名と、区分番号とを有している。
テーブル2(グループテーブル、第2のテーブルなどとも称する)は、少なくとも第2のIDと、商品役務群名とを有している。
テーブル3(グループ関連テーブル、第3のテーブルなどとも称する)は、少なくとも第3のIDと、互いに紐づく前記第1のID及び前記第2のIDとを有している。
【0070】
次に、上記テーブルを用いた場合における検索部12の処理の一例を以下に説明する。
検索部12は、テキストと第1のテーブルの格納商品役務名とが同一又は類似であるかを調べる工程(1)、及び、テキストと第2のテーブルの商品役務群名とが同一又は類似であるかを調べる工程(2)を行う。このとき、工程(2)において同一又は類似の商品役務群名がなく、かつ、工程(1)において同一又は類似の格納商品役務名があった場合に、該格納商品役務名を用いて第3のテーブルから該格納商品役務名に紐づく商品役務群名を取得する。このようにすることで、テキストと同一もしくは類似の商品役務群名、又は、テキストと同一もしくは類似の格納商品役務名に紐づく商品役務群名を検索結果として取得することができる。
【0071】
テーブル1~3を用いて検索する処理としては、上記に限られず、適宜変更することができる。上記の他にも、工程(1)において同一又は類似の格納商品役務名がなく、かつ、工程(2)において同一又は類似の商品役務群名があった場合に、該格納商品役務名を用いて第3のテーブルから該格納商品役務名に紐づく商品役務群名を取得するようにしてもよい。
【0072】
また、上記の例では、工程(1)と工程(2)を共に行っているが、工程(1)と工程(2)のどちらか一方のみを行うようにしてもよい。
【0073】
図5に、検索結果画面の他の例を示す。
上記の例では、グループ名表示欄63a~63cにグループ名と区分を表示していたが、これに限られずものではなく、適宜変更することができる。図5に示すように、グループ名表示欄65a~65cにグループ名(1)~(3)とグループの説明を表示するようにしてもよい。また、グループ(1)~(3)に紐づく商品や役務を商品役務表示欄66a~66cに表示するようにしてもよい。
【0074】
以下、検索の具体例を説明する。
図6A及び図6Bに、本例の入力画面を示す。図6Aは入力欄61に「被服」と入力した場合の例であり、図6Bは入力欄61に「アパレル」と入力した場合の例である。図示するように入力し、検索実行ボタン62を押下する。
【0075】
図7Aに、図6Aの検索結果画面を示す。図示するように、グループ名(1)として「アパレル(25類)」がグループ名表示欄63aに表示され、グループ名(2)として「アパレル(25類、18類)」がグループ名表示欄63bに表示される。また、グループの説明表示欄64a、64bにグループの説明が表示されている。
【0076】
図7Aに示すように、このように検索結果が出力されることで、ユーザーが入力した「被服」はグループ「アパレル」に属していることが簡単に理解することができる。これは、出力されたグループ名に名詞である「アパレル」が含まれること等によるものであり、専門知識のないユーザーであっても検索結果の意味を理解しやすくなる。一方、区分番号や類似群コードが出力される従来技術では、ユーザーは検索結果を理解しにくい。
【0077】
そして、ユーザーが検索結果の意味を理解しやすくなることにより、ユーザーが後の操作を行いやすくなる。例えば、商標登録出願の願書を作成する場合、グループ「アパレル」を選択することで、グループ「アパレル」に紐づく商品や役務を願書で指定する等の操作を行うことができる。これに限られず、出力されたグループ名「アパレル」が自己の業務とは関係ない場合、ユーザーはそのことを直ちに理解することができ、再度、商品や役務を入力し直すことができる。このように、グループ名が意味のある表示名であることで、専門知識のないユーザーであっても検索結果の意味を理解しやすくなり、後の操作を行いやすくなる。
【0078】
図7Bに、図6Bの検索結果画面を示す。図7Aと同様に、グループ名(1)として「アパレル(25類)」がグループ名表示欄63aに表示され、グループ名(2)として「アパレル(25類、18類)」がグループ名表示欄63bに表示される。また、グループの説明表示欄64a、64bにグループの説明が表示されている。
【0079】
図8に、図7Aにおける検索結果画面の他の例を示す。図8は、図7Aと異なり、グループ(1)、(2)に紐づく商品や役務を商品役務表示欄66a、66bに表示している。
【0080】
上記に示す例において、上記表1~表3に示すテーブル1~3を用いた場合の処理の一例を説明する。
図6Aに示すように、「被服」を入力して検索を実行すると、表1に示すテーブル1の商品・役務名をテキスト検索する。その結果、ID1の「被服」が該当し、表3のテーブル3から「被服」が紐づくグループ名を取得する。テーブル3をサーチすると、表1のID1(商品・役務ID)が「1」のグループは、グループIDが「1」の「アパレル(25類)」と、グループIDが「2」の「アパレル(25類、18類)」が該当する。これにより、例えば図7Aに示すように、グループ名(1)として「アパレル(25類)」がグループ名表示欄63aに表示され、グループ名(2)として「アパレル(25類、18類)」がグループ名表示欄63bに表示される。
【0081】
一方、図6Bに示すように、「アパレル」を入力して検索を実行すると、表1に示すテーブル1の商品・役務名をテキスト検索しても該当する商品・役務名がない(ただし、これはあくまでも例である)。この場合、表2のテーブル2をテキスト検索する。その結果、グループ名として、「アパレル(25類)」と「アパレル(25類、18類)」が該当する。なお、この場合、一部一致による該当であるといえる。これにより、例えば図7Bに示すように、グループ名(1)として「アパレル(25類)」がグループ名表示欄63aに表示され、グループ名(2)として「アパレル(25類、18類)」がグループ名表示欄63bに表示される。
【0082】
次に、本発明に係る他の実施形態について説明する。上記実施形態と同様の事項については説明を省略する。
【0083】
本実施形態では、ユーザーによって選択された選択商品役務群名を用いる処理について説明する。本実施形態では、例えば、選択商品役務群名と別途受け付けた商標を用いて、商標登録出願の願書の作成や商標調査を行う。本実施形態によれば、実際の業務に沿った商品や役務、区分を指定した商標登録出願の願書を簡単に作成することができる。また、実際の業務に沿った商品や役務、区分を用いて商標調査を行うことができる。
【0084】
本実施形態を説明するための画面の一例を図9に示す。
図9は、検索結果の一例であり、グループ名(1)が選択されている場合の例である。図示するように、「選択したグループで願書を作成する」作成ボタン67が設けられており、これを押下することで、グループ(1)に紐づく商品、役務、区分を指定した願書を作成することができる。
【0085】
願書作成に用いられる商標は、例えば別途受け付ける。
図10に、商標を受け付ける場合の画面の一例を説明するための図を示す。例えば、入力欄69に商標の読み方を入力し、実行ボタン71を押下する。その他にも、「画像を読み込む」読み込みボタン70を押下して画像を入力してもよい。
【0086】
なお、願書作成の際には、例えば記憶手段31やその他の記憶手段に出願人の情報を記憶させておき、適宜これを読み込むことで非常に簡便に願書を作成することができる。
【0087】
本実施形態では、上記の他にも商標検索をする際に選択商品役務群名を用いてもよい。例えば、図9に示す「選択したグループで商標を調査する」調査ボタン68を押下することで、選択商品役務群名を用いた商標調査を行うことができる。本例では、例えば図10のようにして受け付けた商標が選択商品役務群名に紐づく商品や役務において出願や登録がなされているかを調査することができる。
【0088】
本発明によれば、上述のように、コンピュータにより行う検索方法が提供される。
本発明の検索方法は、コンピュータにより行う検索方法であって、
ユーザーからテキストを受け付ける受付工程と、
前記テキストを用いて記憶手段を検索する検索工程と、
前記検索工程の検索結果を出力する出力工程と、を有し、
前記記憶手段は、商品名及び/又は役務名と、該商品名及び/又は役務名を格納商品役務名としたとき、該格納商品役務名に紐づく商品役務群名と、を有し、
前記商品役務群名は、少なくとも一つ以上の名詞を含み、
一の前記商品役務群名に複数の前記格納商品役務名が紐づいており、
前記検索工程は、前記格納商品役務名及び/又は前記商品役務群名に対して前記テキストと同一又は類似のものがあるかを調べ、前記テキストと同一もしくは類似の前記商品役務群名、又は、前記テキストと同一もしくは類似の前記格納商品役務名に紐づく前記商品役務群名を取得し、
前記出力工程は、前記検索工程で取得した前記商品役務群名を前記検索結果として出力することを特徴とする。
【0089】
本発明によれば、上述のように、検索プログラムが提供される。
本発明の検索プログラムは、コンピュータに実行させる検索プログラムであって、
ユーザーからテキストを受け付ける受付処理と、
前記テキストを用いて記憶手段を検索する検索処理と、
前記検索処理の検索結果を出力する出力処理と、を実行させ、
前記記憶手段は、商品名及び/又は役務名と、該商品名及び/又は役務名を格納商品役務名としたとき、該格納商品役務名に紐づく商品役務群名と、を有し、
前記商品役務群名は、少なくとも一つ以上の名詞を含み、
一の前記商品役務群名に複数の前記格納商品役務名が紐づいており、
前記検索処理は、前記格納商品役務名及び/又は前記商品役務群名に対して前記テキストと同一又は類似のものがあるかを調べ、前記テキストと同一もしくは類似の前記商品役務群名、又は、前記テキストと同一もしくは類似の前記格納商品役務名に紐づく前記商品役務群名を取得し、
前記出力処理は、前記検索処理で取得した前記商品役務群名を前記検索結果として出力することを特徴とする。
【符号の説明】
【0090】
10 検索装置
11 受付部
12 検索部
13 出力部
31 記憶手段
40 ユーザー
41 端末
50 入力画面
51 検索結果画面
61 入力欄
62 検索実行ボタン
63 グループ名表示欄
64 グループの説明表示欄
【要約】
【課題】商標登録出願、商標調査等において商品や役務、区分を検索する際に、簡単に検索を行うことができ、検索結果を後の操作で活かせる検索装置。
【解決手段】ユーザーからテキストを受け付ける受付部11と、前記テキストを用いて記憶手段31を検索する検索部12と、前記検索部の検索結果を出力する出力部13と、を有し、前記記憶手段は、格納商品役務名と、該格納商品役務名に紐づく商品役務群名と、を有し、前記商品役務群名は、少なくとも一つ以上の名詞を含み、一の前記商品役務群名に複数の前記格納商品役務名が紐づいており、前記検索部は、前記格納商品役務名及び/又は前記商品役務群名に対して前記テキストと同一又は類似のものがあるかを調べ、前記テキストと同一もしくは類似の前記商品役務群名、又は、前記テキストと同一もしくは類似の前記格納商品役務名に紐づく前記商品役務群名を取得し、前記出力部は、前記検索部が取得した前記商品役務群名を前記検索結果として出力する。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図7A
図7B
図8
図9
図10