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<図1>
  • 特許-洗浄装置及び洗浄方法 図1
  • 特許-洗浄装置及び洗浄方法 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-01
(45)【発行日】2022-03-09
(54)【発明の名称】洗浄装置及び洗浄方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/304 20060101AFI20220302BHJP
   B08B 3/02 20060101ALI20220302BHJP
【FI】
H01L21/304 643A
B08B3/02 A
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2017197416
(22)【出願日】2017-10-11
(65)【公開番号】P2019071374
(43)【公開日】2019-05-09
【審査請求日】2020-09-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000117009
【氏名又は名称】旭サナック株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000245531
【氏名又は名称】野村マイクロ・サイエンス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001036
【氏名又は名称】特許業務法人暁合同特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】加藤 幹大
(72)【発明者】
【氏名】宮地 計二
(72)【発明者】
【氏名】甘利 昌彦
(72)【発明者】
【氏名】自在丸 隆行
【審査官】堀江 義隆
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-021672(JP,A)
【文献】特開2000-277480(JP,A)
【文献】特開2012-004331(JP,A)
【文献】特開2011-134864(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/304
B08B 3/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
飽和状態の90%以上の範囲で気体を溶解させた溶解水である洗浄水を噴射して洗浄対象物を洗浄する洗浄工程と、
前記洗浄工程の後、前記溶解水を、前記洗浄工程で前記洗浄水が噴射される圧力より低圧で前記洗浄対象物に供給して前記洗浄対象物をリンスするリンス工程と、
を含む洗浄方法。
【請求項2】
請求項1に記載の洗浄方法であって、
前記洗浄工程において、3MPa以上30MPa以下の圧力で前記洗浄水を噴射し、前記リンス工程において、0.1MPaより大きく1MPa以下の圧力で前記溶解水を供給する、洗浄方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書で開示する技術は、洗浄水を噴射して洗浄対象物を洗浄した後にリンス水によって洗浄対象物をリンスする技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、洗浄水を噴射して洗浄対象物を洗浄する洗浄装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。また、このような洗浄装置において、洗浄水を噴射して洗浄対象物に付着している付着物を物理的に除去した後、リンス水として純水を供給して洗浄対象物の表面に残っている洗浄水を洗い流す(所謂リンスする)ことにより、洗浄水の中に浮遊している付着物が洗浄対象物に再付着することを抑制するものも知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2011-35300号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、純水によってリンスしても必ずしも付着物の再付着を完全に防止できるわけではなく、リンス効果(すなわち洗浄対象物の表面に残っている洗浄水の中に浮遊している付着物が洗浄対象物に再付着することを抑制しつつ洗浄水を洗い流す効果)を向上させる別の手法が望まれている。
本明細書では、洗浄水を噴射して洗浄対象物を洗浄した後にリンス水を供給して洗浄対象物をリンスする場合に、純水によってリンスする場合に比べてリンス効果を向上させることができる技術を開示する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書で開示する洗浄装置は、洗浄水を噴射して洗浄対象物を洗浄する洗浄部と、飽和状態の90%以上の範囲で気体を溶解させた水である溶解水を、前記洗浄部が前記洗浄水を噴射する圧力より低圧で前記洗浄対象物に供給する供給部と、を備え、前記洗浄部によって前記洗浄対象物を洗浄した後、前記供給部によって前記溶解水を供給して前記洗浄対象物をリンスする。
【0006】
本願発明者は、洗浄水によって洗浄対象物を洗浄した後、溶解水によって洗浄対象物をリンスすると、純水によってリンスする場合に比べてリンス効果が向上するという知見を得た。上記の洗浄装置によると、洗浄部によって洗浄対象物を洗浄した後、供給部によって溶解水を供給して洗浄対象物をリンスするので、純水によってリンスする場合に比べてリンス効果を向上させることができる。
【0007】
また、前記洗浄部は3MPa以上30MPa以下の圧力で前記洗浄水を噴射し、前記供給部は0.1MPaより大きく1MPa以下の圧力で前記溶解水を供給してもよい。
【0008】
一般に好ましい洗浄効果を得るためには洗浄水を3MPa以上30MPa以下の圧力で噴射することが望ましい。上記の洗浄装置によると、洗浄水を3MPa以上30MPa以下の圧力で噴射するので好ましい洗浄効果を得ることができる。また、本願発明者は、適切なコストでリンス効果を得るためには溶解水を0.1MPaより大きく1MPa以下の圧力で供給することが望ましいという知見を得た。上記の洗浄装置によると、溶解水を0.1MPaより大きく1MPa以下の圧力で供給するのでリンス効果を適切なコストで得ることができる。
【0009】
また、前記洗浄水は前記溶解水であってもよい。
【0010】
本願発明者は、リンス水として溶解水を用いる場合は洗浄水としても溶解水を用いると、洗浄水として純水を用いる場合に比べて洗浄効果が向上するという知見を得た。上記の洗浄装置によると、リンス水として溶解水を用いる場合に、洗浄水としても溶解水を用いるので、洗浄水として純水を用いる場合に比べて洗浄効果を向上させることができる
【0011】
また、前記洗浄対象物は半導体ウェハであってもよい。
【0012】
半導体ウェハはスラリーと呼ばれる研磨剤を用いて研磨された後、半導体ウェハに付着しているスラリーを除去するために洗浄される。しかしながら、半導体ウェハを洗浄しても、洗浄後の半導体ウェハの表面に残っている洗浄水の中に浮遊しているスラリーが半導体ウェハに再付着してしまうという問題がある。本願発明者は、洗浄水によって半導体ウェハを洗浄した後、溶解水によって半導体ウェハをリンスすると、純水によってリンスする場合に比べてスラリーが半導体ウェハに再付着することを抑制することができるという知見を得た。上記の洗浄装置によると、洗浄部によって半導体ウェハを洗浄した後、供給部によって溶解水を供給して半導体ウェハをリンスするので、純水によってリンスする場合に比べてスラリーが半導体ウェハに再付着することを抑制することができる。
【0013】
また、純水が貯められているタンク内に圧縮した気体を供給して前記溶解水を製造する製造装置を備え、前記供給部は前記気体の圧力を利用して前記溶解水を供給してもよい。
【0014】
上記の洗浄装置によると、溶解水をリンス水として供給するためのポンプが不要である上、ポンプ内の摺動部材の摩擦によって生じた不純物を除去するためのフィルタも不要になるので、洗浄装置のコストを抑制できる。
【0015】
また、本明細書で開示する洗浄方法は、洗浄水を噴射して洗浄対象物を洗浄する洗浄工程と、前記洗浄工程の後、飽和状態の90%以上の範囲で気体を溶解させた水である溶解水を、前記洗浄工程で前記洗浄水が噴射される圧力より低圧で前記洗浄対象物に供給して前記洗浄対象物をリンスするリンス工程と、を含む。
【0016】
上記の洗浄方法によると、純水によってリンスする場合に比べてリンス効果を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】実施形態1に係る洗浄装置の全体構成を示す模式図
図2】洗浄効果を比較する実験の実験結果を示すグラフ
【発明を実施するための形態】
【0018】
<実施形態1>
実施形態1を図1ないし図2によって説明する。
【0019】
(1)洗浄装置の構成
図1を参照して、本実施形態に係る洗浄装置1の構成について説明する。洗浄装置1は洗浄水を高圧で噴射して洗浄対象物Wを洗浄し、その後に洗浄対象物Wにリンス水を供給して洗浄対象物Wをリンスするものである。
ここで、本実施形態では洗浄対象物Wとして半導体ウェハ(以下、「半導体ウェハW」という)を例に説明する。半導体ウェハWはスラリーと呼ばれる研磨剤を用いて研磨された後、付着しているスラリーを除去するために洗浄装置1によって洗浄される。図1では省略しているが、半導体ウェハWはターンテーブルの上に載置されており、回転している状態で洗浄される。
【0020】
洗浄装置1は、飽和状態の90%以上の範囲で空気(気体の一例)を溶解させた水である溶解水を製造する製造装置10、洗浄部11、供給部12、及び、図示しない制御部を備えている。
製造装置10は超純水(比抵抗値が15MΩ・cm以上の純水)を貯めるタンク、及び、空気を圧縮してタンク内に供給する圧縮ポンプなどを備えている。溶解水の製造では、タンクに超純水が貯められた後、圧縮ポンプによって圧縮された空気がタンク内に供給される。圧縮された空気がタンク内に供給されるとタンク内の気圧が高くなり、タンク内の空気の一部が溶解によって超純水に溶ける。これにより溶解水が製造される。
【0021】
なお、溶解水を製造する方法はこれに限られるものではなく、適宜の方法で製造することができる。例えば空気と超純水との間に浸透膜を介在させ、浸透膜を用いて溶解水を製造する方法であってもよい。また、溶解水に用いる純水は超純水に限られるものではなく、適宜に決定することができる。
【0022】
洗浄部11は溶解水を洗浄水として噴射して半導体ウェハWを洗浄するものであり、高圧ポンプ13、高圧フィルタ14、洗浄用ノズル15、配管16、及び、開閉弁17を備えている。前述した製造装置10、高圧ポンプ13、高圧フィルタ14及び洗浄用ノズル15は配管16を介してこの順で接続されている。
【0023】
高圧ポンプ13はタンクから供給される溶解水を加圧して洗浄用ノズル15に供給するものである。具体的には、高圧ポンプ13は洗浄用ノズル15から洗浄水として噴射される溶解水の噴射圧力が3MPa(メガパスカル)以上30MPa以下となるように溶解水を加圧する。噴射圧力は洗浄対象物Wに応じて適宜に決定することができるが、3MPa未満であると洗浄効果が減少し、30MPaを超えると洗浄対象物へのダメージや搬送系に異常が発生する可能性があるので、好ましい洗浄効果を得るためには洗浄水が3MPa以上30MPa以下の範囲で噴射されるように加圧することが望ましい。
高圧フィルタ14は高圧ポンプ13から供給される溶解水中の微小粒子を除去するものである。
【0024】
洗浄用ノズル15は高圧ポンプ13から供給された溶解水を洗浄水として噴射する1流体ノズルであり、半導体ウェハWの上方となる位置に配されている。洗浄用ノズル15によって噴射された溶解水は飛行中に平均径25~50μmの液滴に微粒化し、その平均速度は30~90m/secとなる。なお、これらは一例であり、平均径や平均速度はこれらに限定されるものではない。
開閉弁17は配管16において高圧フィルタ14と洗浄用ノズル15との間に設けられている。開閉弁17はエアオペレートバルブや電磁弁などであり、制御部によって開閉が制御される。
【0025】
供給部12は溶解水をリンス水として半導体ウェハWに供給するものであり、配管18及び開閉弁19を備えている。配管18は例えば樹脂製のホースである。配管18は一端が製造装置10に接続されており、他端が半導体ウェハWの上方となる位置に配されている。
【0026】
開閉弁19は配管18に設けられている。開閉弁19はエアオペレートバルブや電磁弁などであり、制御部によって開閉が制御される。前述したように製造装置10のタンク内は圧縮ポンプによって圧縮された空気によって加圧されているので、開閉弁19を開くとその圧力によってタンク内の溶解水が配管18の他端から半導体ウェハWに供給される。
【0027】
なお、配管18の他端には溶解水をリンス水として噴射するリンス用ノズルが設けられていてもよい。リンス用ノズルは噴射口の口径が配管18の内径と同程度のものであってもよいし、リンス水をシャワーのように噴射するものであってもよい。
【0028】
また、ここでは製造装置10の圧縮ポンプによって圧縮された空気の圧力を利用して溶解水をリンス水として供給する場合を例に説明するが、溶解水をリンス水として供給する方法はこれに限られない。例えば溶解水をリンス水として供給するためのポンプ(以下「リンス水供給用ポンプ」という)を別途備え、そのポンプを用いて供給してもよいし、製造装置10のタンクを高い位置に設置して重力によって供給してもよい。
【0029】
ただし、リンス水供給用ポンプを別途備えると洗浄装置1のコストが高くなる。また、リンス水供給用ポンプを別途備えるとリンス水供給用ポンプ内の摺動部材の摩擦によって生じた不純物が溶解水に混入することを防止するために下流側に不純物を除去するフィルタを設ける必要があり、それによってもコストが高くなる。これに対し、圧縮ポンプによって圧縮された空気の圧力を利用する場合はリンス水供給用ポンプや上述したフィルタが不要であるので洗浄装置1のコストを抑制できる。
【0030】
(2)洗浄装置の作動
洗浄装置1は製造装置10から供給される溶解水を洗浄部11によって洗浄水として高圧で噴射する(洗浄工程)。溶解水は加圧されている状態から解放されると溶解していた空気が気体に戻ることによってファインバブル(直径100μm以下の気泡)が発生し、ファインバブルが含まれる超純水によって半導体ウェハWが洗浄される。
【0031】
そして、洗浄装置1は洗浄水として噴射した溶解水が半導体ウェハWの表面に残っている状態で、製造装置10から供給される溶解水を供給部12によってリンス水として半導体ウェハWに供給する(リンス工程)。
【0032】
製造装置10のタンク内の空気の圧力は例えば1.2気圧(≒0.1MPa)であり、高圧ポンプ13によって加圧される圧力より大幅に低圧であるので、タンク内の空気の圧力を利用して供給されるリンス水の圧力は1MPa未満となる。このためリンス水として供給される溶解水は洗浄用ノズル15から噴射された溶解水よりも流速が遅くなり、半導体ウェハWの表面を低速で流れる。また、前述したように溶解水は加圧されている状態から解放されるとファインバブルが発生する。このため、ファインバブルが含まれる超純水が半導体ウェハWの表面を低速で流れることによって半導体ウェハWがリンスされる。
【0033】
なお、リンス水の圧力が1MPaを超えるとリンス水量の増加や専用の加圧装置の設置などによってコストが増加するので、リンス水の圧力は0.1MPaより大きく1MPa以下の範囲が望ましい。
【0034】
(3)実験結果
図2に示すように、本願発明者は洗浄水/リンス水の組み合わせとして超純水/溶解水、溶解水/超純水、及び、溶解水/溶解水の3つについて洗浄効果を比較する実験を行った。図2(a)と図2(b)とでは溶解水/溶解水の実験結果を示すグラフの高さが異なっているが、これは実験結果を明確に示すために図2(a)と図2(b)とで縦軸の縮尺を異ならせているからであり、これらは同じ実験結果を示している。
【0035】
この実験では半導体ウェハWにスラリーを付着させ、その半導体ウェハWを洗浄及びリンスした後、市販のパーティクルカウンタを用いてスラリー(パーティクル)の残数を計測した。パーティクルカウンタは対象物にレーザーを照射して微小なパーティクル(小片、粒子)をカウントするものである。
また、この実験では上述した各組み合せについて洗浄水やリンス水の噴射圧力や噴射時間などの条件を互いに同じとし、スラリーについては本願発明者が目視で同程度となるように手作業で付着させた。なお、付着させたスラリーの量のばらつきが実験結果に与える影響は小さいといえる。
【0036】
図2(a)に示すように、超純水/溶解水と溶解水/溶解水とを比較した場合、リンス水はいずれも溶解水であることから、洗浄効果の違いが生じた原因は洗浄水の違いであるといえる。この比較では僅かではあるが洗浄水として溶解水を用いた方が洗浄効果が高いという結果になった。
また、図2(b)に示すように、溶解水/超純水と溶解水/溶解水とを比較した場合、洗浄水はいずれも溶解水であることから、洗浄効果の違いが生じた原因はリンス水の違いであるといえる。この比較ではリンス水として溶解水を用いた方が洗浄効果が高いという結果になった。
【0037】
これらの結果から、リンス効果については溶解水の方が超純水より高いと考えられる。また、リンス水として溶解水を用いる場合は、洗浄水としても溶解水を用いた方が超純水を用いるよりも洗浄効果が高いと考えられる。
溶解水が超純水に比べてリンス効果が高い理由としては、溶解水に含まれているファインバブルの効果が考えられる。具体的には、洗浄後の半導体ウェハWの表面に残っている洗浄水の中に浮遊しているスラリーが、リンス水として供給された溶解水に含まれているファインバブルによって半導体ウェハWに再付着し難くなったからであると考えられる。
【0038】
(4)実施形態の効果
以上説明した実施形態1に係る洗浄装置1によると、洗浄部11によって半導体ウェハWを洗浄した後、供給部12によって溶解水を供給して半導体ウェハWをリンスするので、ファインバブルの効果により、超純水によってリンスする場合に比べてリンス効果を向上させることができる。
【0039】
また、洗浄装置1によると、溶解水を洗浄水として噴射する場合に3MPa以上30MPa以下の高圧で噴射するので好ましい洗浄効果を得ることができるとともに、溶解水をリンス水として供給する場合に0.1MPaより大きく1MPa以下の低圧で供給するのでリンス効果を適切なコストで得ることができる。
【0040】
また、洗浄装置1によると、リンス水として溶解水を用いる場合に、洗浄水としても溶解水を用いるので、洗浄水として超純水を用いる場合に比べて洗浄効果を向上させることができる。
【0041】
また、洗浄装置1によると、洗浄部11によって半導体ウェハWを洗浄した後、供給部12によって溶解水を供給して半導体ウェハWをリンスするので、純水によってリンスする場合に比べてスラリーが半導体ウェハWに再付着することを抑制することができる。
【0042】
また、洗浄装置1によると、リンス水供給用ポンプが不要である上、リンス水供給用ポンプ内の摺動部材の摩擦によって生じた不純物を除去するためのフィルタも不要になるので、洗浄装置1のコストを抑制できる。
【0043】
<他の実施形態>
本明細書で開示する技術は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本明細書で開示する技術的範囲に含まれる。
【0044】
(1)上記実施形態では超純水に空気を溶解させた溶解水を例に説明したが、溶解させる気体は空気に限られるものではなく、適宜に選択することができる。例えば気体は窒素、酸素、水素、二酸化炭素などであってもよいし、他の気体であってもよい。
【0045】
(2)上記実施形態では洗浄水として溶解水を用いる場合を例に説明したが、洗浄水は超純水であってもよいし、超純水を改質した所謂機能水(CO2水、アンモニア水素水、オゾン水など)であってもよい。また、溶解水は純水あるいは超純水に塩酸、硫酸などの酸性の溶質、アンモニア、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)などのアルカリ性の溶質などを溶解させたものでもよい。
【0046】
(3)上記実施形態では洗浄対象物Wとして半導体ウェハを例に説明したが、洗浄対象部物Wは半導体ウェハに限られるものではなく、例えば液晶ディスプレイのガラス基板などであってもよい。
【符号の説明】
【0047】
1…洗浄装置、10…製造装置、11…洗浄部、12…供給部、W…半導体ウェハ(洗浄対象物の一例)
図1
図2