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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-01
(45)【発行日】2022-03-09
(54)【発明の名称】座席装置
(51)【国際特許分類】
   B60N 2/22 20060101AFI20220302BHJP
【FI】
B60N2/22
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2017024206
(22)【出願日】2017-02-13
(65)【公開番号】P2018130989
(43)【公開日】2018-08-23
【審査請求日】2020-02-05
(73)【特許権者】
【識別番号】390010054
【氏名又は名称】コイト電工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100134832
【弁理士】
【氏名又は名称】瀧野 文雄
(74)【代理人】
【識別番号】100165308
【弁理士】
【氏名又は名称】津田 俊明
(74)【代理人】
【識別番号】100115048
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 康弘
(72)【発明者】
【氏名】長尾 裕
(72)【発明者】
【氏名】中根 正伸
(72)【発明者】
【氏名】中山 務
【審査官】細川 翔多
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第02288775(US,A)
【文献】特開2014-028539(JP,A)
【文献】実開平04-074133(JP,U)
【文献】実開平04-016937(JP,U)
【文献】特開2016-104616(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60N 2/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
台枠と、該台枠に対して前後方向に移動自在に設けられた座枠と、前記座枠に対して傾動自在に取り付けられ、前記座枠の前方への移動に連動して倒れ、前記座枠の後方への移動に連動して起きる背枠と、を備えた座席装置において、
前記台枠の上方に固定された前後方向に沿ったレールを備え、
前記座枠には、前記レールの上方を走行する走行軸が設けられており、
前記台枠は、左右方向に対向する側板を有し、
前記側板には、ガイド溝が設けられ、
前記背枠には、前記ガイド溝に挿入されるガイドピンが設けられ、
前記ガイドピンが前記ガイド溝に沿って移動することより、前記背枠が、前記座枠の前方への移動に連動して倒れ、前記座枠の後方への移動に連動して起き、
前記座枠の前端を持ち上げる、当該座枠は前記ガイドピンを中心に前記背枠に対して回転し、前記座枠の前端を上方に持ち上げ可能となり、かつ、前記ガイドピンは前記ガイド溝に沿って移動しない
ことを特徴とする座席装置。
【請求項2】
前記台枠は、前後方向に沿い、左右方向に対向する一対の台枠側部と、前記一対の台枠側部を連結する台枠連結部と、を有し、
前記レールが、前記台枠連結部の上方に固定されていることを特徴とする請求項1に記載の座席装置。
【請求項3】
前記ガイドピンは、前記背枠及び前記ガイド溝を貫通する第1軸部及び前記第1軸部の一端部に設けられ、前記背枠に重ねられて固定される第1フランジ部を有する第1ピン部と、前記第1軸部を貫通する第2軸部及び前記第2軸部の他端に設けられ、前記第1軸部の他端に重ねられる第2フランジ部を有する第2ピン部と、前記第2ピン部の一端に設けられ、前記第2軸部が前記第1軸部より抜けることを防止する付着部と、を有し、
前記第1軸部は、前記背枠が貫通される背枠軸部と、前記ガイド溝に挿入される台枠軸部と、に分割されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の座席装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、乗り物の旅客用シートなどの座席装置に関する。
【背景技術】
【0002】
リクライニング機構を備えた座席装置は、背凭れが倒れたリクライニング位置から背凭れが起きるアップライト位置に移動自在に設けられている。また、背凭れが倒れるのに連動して座部を前方にスライドさせる座席装置も考えられている。
【0003】
上述したように座部をスライドさせるため、以下のような構成が考えられている(特許文献1)。背凭れ及び座部の左右を挟むように台枠側部を配置する。台枠側部には、前後方向に沿ったガイド溝が形成され、ガイド溝には座部から突出したガイドピンが挿入されている。これにより、ガイドピンがガイド溝に沿って移動することで、座部が、台枠側部に対して前後方向に移動自在となる。
【0004】
ところで、メンテナンスのために、座部の前端を上方に持ち上げる必要がある。しかしながら、上述した構成では、座部を持ち上げるには、座部からガイドピンを取り外す必要があり、メンテナンス作業が煩雑になる、という問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特許第5934600号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、以上の背景に鑑みてなされたものであり、簡単に座部を持ち上げることができる座席装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の態様である座席装置は、台枠と、該台枠に対して前後方向に移動自在に設けられた座枠と、前記座枠に対して傾動自在に取り付けられ、前記座枠の前方への移動に連動して倒れ、前記座枠の後方への移動に連動して起きる背枠と、を備えた座席装置において、前記台枠の上方に固定された前後方向に沿ったレールを備え、前記座枠には、前記レールの上方を走行する走行軸が設けられており、前記台枠は、左右方向に対向する側板を有し、前記側板には、ガイド溝が設けられ、前記背枠には、前記ガイド溝に挿入されるガイドピンが設けられ、前記ガイドピンが前記ガイド溝に沿って移動することより、前記背枠が、前記座枠の前方への移動に連動して倒れ、前記座枠の後方への移動に連動して起き、前記座枠の前端を持ち上げる、当該座枠は前記ガイドピンを中心に前記背枠に対して回転し、前記座枠の前端を上方に持ち上げ可能となり、かつ、前記ガイドピンは前記ガイド溝に沿って移動しないことを特徴とする。
【0008】
本発明の第2の態様である座席装置は、第1の態様において、前記台枠は、前後方向に沿い、左右方向に対向する一対の台枠側部と、前記一対の台枠側部を連結する台枠連結部と、を有し、前記レールが、前記台枠連結部の上方に固定されていることを特徴とする。
【0010】
本発明の第の態様である座席装置は、第1又は第2の態様において、前記ガイドピンは、前記背枠及び前記ガイド溝を貫通する第1軸部及び前記第1軸部の一端部に設けられ、前記背枠に重ねられて固定される第1フランジ部を有する第1ピン部と、前記第1軸部を貫通する第2軸部及び前記第2軸部の他端に設けられ、前記第1軸部の他端に重ねられる第2フランジ部を有する第2ピン部と、前記第2ピン部の一端に設けられ、前記第2軸部が前記第1軸部より抜けることを防止する付着部と、を有し、前記第1軸部は、前記背枠が貫通される背枠軸部と、前記ガイド溝に挿入される台枠軸部と、に分割されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
以上説明したように第1の態様によれば、座枠に設けた走行軸がレールの上方を走行することにより、前後方向に移動自在となっているため、簡単に座枠を持ち上げることができる。また、座枠の前後方向の移動に連動して、背枠を傾動自在に取り付けることができる。
【0012】
第2の態様によれば、台枠前方連結部の上方にレールが支持されている。これにより、安定して座枠を前後方向に移動自在に支持することができる。
【0014】
の態様によれば、ガイドピンを軸方向の一方からでも、他方からでも取り外すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の座席装置の一実施形態を示す側面図であり、(A)は座部及び背凭れがアップライト位置にあるときの座席装置を示し、(B)は座部及び背凭れがリクライニング位置にあるときの座席装置を示す。
図2】クッションを取り外した図1(A)に示す座席装置を左前から見た斜視図である。
図3図1に示す座席装置を構成する台枠及び座枠の斜視図である。
図4図1に示す座席装置を構成する台枠及び背枠の一部の斜視図である。
図5図2のA-A線断面図である。
図6図1に示す座席装置の座部を上方に持ち上げたときの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の座席装置について図1図6を参照して説明する。なお、以下の説明で用いられる上下左右前後は、座席装置に着座する着座者からみた上下左右前後である。
【0017】
本実施形態の座席装置1は、鉄道車両等の乗物の客室内に装備される旅客用シートである。図1などに示すように、座席装置1は、台枠2と、座部3及び背凭れ4と、レッグレスト5と、を備えている。
【0018】
台枠2は、ターンテーブル上に固定され、座部3及び背凭れ4を支持する。本実施形態では、1つの台枠2に対して、2つの座部3及び背凭れ4を左右方向に2つ並べて支持している。左右に並べられた座部3及び背凭れ4などは、ほぼ同じであるので、1つを代表して説明する。
【0019】
座部3及び背凭れ4は、図1(A)に示すアップライト位置と、図1(B)に示すリクライニング位置と、の間で移動自在になるように、台枠2に取り付けられている。レッグレストは、図1(A)に示す収納位置と、図1(B)に示す展開位置と、の間で移動自在になるように、座部3に取り付けられている。
【0020】
台枠2は、図1図3などに示すように、一対の台枠側部としての台枠側管21と、台枠連結部としての台枠前方バー22と、台枠後方バー23と、1つの座部3及び背凭れ4に対して一対ずつ設けられた側板としてのガイド板24と、1つの座部3及び背凭れ4に対して一対ずつ設けられたガイドレール25と、を備えている。
【0021】
図2及び図3に示すように、一対の台枠側管21は、長尺の角管状に形成され、長手方向が前後方向に沿って配置される。一対の台枠側管21は、二人の着座者の左右方向に対向配置されている。台枠前方バー22は、一対の台枠側管21の前端同士を連結して、台枠側管21を支持している。台枠後方バー23は、一対の台枠側管21の後端同士を連結して、台枠側管21を支持している。
【0022】
一対対のガイド板24は、その下端部が台枠後方バー23に取り付けられている。一対のガイド板24にはそれぞれ、後述する背凭れ4や座部3から左右方向外側に突出するガイドピン6が挿入される一対のガイド溝24Aが設けられている。このガイド溝24Aに沿ってガイドピン6が移動することにより、座部3及び背凭れ4がアップライト位置及びリクライニング位置の間で移動自在となるように、一対のガイド板24に支持される。アップライト位置においては、座部3が後方に位置し、背凭れ4が起立している。リクライニング位置においては、座部3が前側に位置し、背凭れ4が倒れている。
【0023】
一対のガイドレール25は、図3に示すように、台枠前方バー22の上方に左右方向に並べて設けられている。一対のガイドレール25はそれぞれ、長尺の板状に設けられ、板厚方向が左右方向に沿い、長尺方向が前後方向に沿うように、台枠前方バー22に取り付けられている。一対のガイドレール25は、後端が台枠前方バー22より大きく後方に突出し、前端が台枠前方バー22より僅かに前方に突出するように、台枠前方バー22に取り付けられている。
【0024】
座部3に設けた走行軸33が、このガイドレール25を走行することにより、座部3が前後方向に移動自在に台枠2に支持される。また、ガイドレール25の前端には、上方に突出する凸部25Aが設けられている。座部3の走行軸33は、この凸部25Aを超えて前方を走行できないようになっている。
【0025】
座部3は、台枠2に対して前後方向に移動自在に設けられた座枠31と、座枠31に取り付けられたクッション材32(図1)と、からなる。座枠31は、図2に示すように、一対の座枠側板311と、一対の座枠側板311の後端部同士を連結する座枠後方バー312と、一対の座枠側板311の前端部同士を連結する座枠前方バー313と、を有する。一対の座枠側板311は、一対のガイド板24よりも左右方向内側に配置されると共に、左右方向に対向配置される。また、一対の座枠側板311は、図2に示すように、長手方向が前後方向に沿って配置された側板本体部311Aと、側板本体部311Aの後端から後方に向かうに従って上方に近づく斜め方向に延在し、後述する背枠41を支持する背枠支持部311Bと、側板本体部311Aの前端の上側から前方に向かって延在し、後述するレッグレスト5を支持するレッグレスト支持部311Cと、を有する。
【0026】
図3に示すように、上述したガイドレール25上をそれぞれ走行する一対の走行軸33は、一対の側板本体部311Aから左右方向内側に向かってそれぞれ突出して設けられている。走行軸33は、略円柱状に設けられ、径が大きい一対の大径部33Aと、一対の大径部33A間に設けられた小径部33Bと、を有している。一対の大径部33Aの間にガイドレール25が挟まれ、小径部33Bがガイドレール25上を走行する。
【0027】
背枠支持部311Bには、背枠41から左右方向外側に向けて突出したガイドピン6が挿入される貫通孔H1が設けられている。この貫通孔H1にガイドピン6が挿入されることにより、背枠41はガイドピン6を中心に座枠31に対して傾動自在に支持される。
【0028】
背凭れ4は、座枠31に対して傾動自在に取り付けられた背枠41と、背枠41に取り付けられたクッション材42(図1)と、から成る。図2に示すように、背枠41は、一対のガイド板24間に配置された一対の側方板部411と、上方板部412と、中央板部413と、を有する。一対の側方板部411は、一対のガイド板24と同方向に対向配置されると共に長手方向が上下方向に沿うように配置される。一対の側方板部411は、その下端が上述した背枠支持部311Bの内側に重ねられる。これら側方板部411には、上述したガイドピン6が左右方向外側に突出するように取り付けられている。
【0029】
上方板部412は、一対の側方板部411の上端同士を連結し、その長手方向が左右方向に沿うように配置される。中央板部413は、一対の側方板部411の中央同士を連結し、その長手方向が左右方向に沿うように配置される。本実施形態では、中央板部413は、上下方向に沿って3つ並べて設けられている。
【0030】
レッグレスト5は、図1(A)に示すように、座枠31の前端から下垂する収容位置と、図1(B)に示すように、座枠31の前端よりも前方に延びる展開位置と、の間で回転自在となるように、座枠31に取り付けられている。
【0031】
次に、上述したガイドピン6の詳細な構成について説明する。図2に示すように、ガイドピン6は、一対の側方板部411のそれぞれに対して上下に2つずつ取り付けられている。即ち、本実施形態では、一対の側方板部411に4つのガイドピン6が取り付けられている。上方のガイドピン6は、ガイド板24に設けた一対のガイド溝24Aのうち上方に挿入される。下方のガイドピン6は、座枠31に設けた貫通孔H1(図3)を貫通すると共に、ガイド板24に設けた一対のガイド溝24Aのうち下方に挿入される。
【0032】
図5に示すように、ガイドピン6は、第1ピン部61と、第2ピン部62と、スペーサ63と、を備えている。第1ピン部61は、背枠41及びガイド溝24Aを貫通する第1軸部61Aと、第1軸部61Aの左右方向内側の端部(一端)に設けられ、背枠41に重ねられて固定される第1フランジ部61Bと、を有している。第1軸部61Aは、背枠41が貫通される背枠軸部61Cと、ガイド溝24Aに挿入される台枠軸部61Dと、に軸方向(左右方向)に2分割されている。
【0033】
背枠軸部61C及び台枠軸部61Dには、左右方向に貫通する貫通孔H2、H3が設けられ、この貫通孔H2、H3に後述する第2軸部62Aが挿入される。本実施形態では、互いに接触する背枠軸部61Cの左右方向外側の端面と台枠軸部61Dの左右方向内側の端面と、がガイド板24の左右方向内側の内面とほぼ同一平面上になるように、背枠軸部61C及び台枠軸部61Dが分割されている。
【0034】
第1フランジ部61Bは、背枠軸部61Cの左右方向内側の端部から径方向に突出し、背枠41の内側に重ねられる。第1フランジ部61Bは、背枠軸部61Cに一体に設けられている。第1フランジ部61Bには、ガイドピン6を背枠41に固定するためのネジN1が貫通される貫通孔H4が形成されている。背枠41には、ネジN1と螺合するネジ孔H5が設けられている。第1フランジ部61Bの貫通孔H4にネジN1を挿入した状態で、ネジN1を背枠41に設けたネジ孔H5に螺合することにより、ガイドピン6を背枠41に固定することができる。第1フランジ部61Bは、長尺状に設けられ、貫通孔H2から離れた側に、貫通孔H4が形成されている。
【0035】
第2ピン部62は、第1軸部61Aの貫通孔H2、H3を貫通する第2軸部62Aと、第2軸部62Aの左右方向外側の端部(他端)に設けられ、第1軸部61Aの左右方向外側の端部(台枠軸部61Dの端部)に重ねられる第2フランジ部62Bと、を有している。第2軸部62Aの外径は、貫通孔H2、H3の径とほぼ同じに設けられている。第2軸部62Aを左右方向外側から第1軸部62Aの貫通孔H2、H3に通すと、第2フランジ部62Bが台枠軸部61Dの端面に当接して、第2軸部62Aが第1軸部61Aの左右方向内側から抜けることがない。第2フランジ部62Bは、円板状に設けられていて、その径は第1軸部62Aの外径より小さく設けられている。
【0036】
また、第2フランジ部62Bと台枠軸部61Dとが当接した位置で、第2軸部62Aの先端が第1軸部61Aよりも左右方向内側に突出して設けられている。第2軸部62Aの第1軸部61Aよりも突出している部分には、付着部としての係止ピン7(図4)が挿入されるピン挿入孔H6が形成されている。ピン挿入孔H6は、第2軸部62Aの径方向に貫通して設けられて、係止ピン7はピン挿入孔H6の貫通方向両端から突出している。これにより、係止ピンが第1ピン部61の端面に当接して、第2軸部62Aが第1ピン部61の左右方向外側から抜けることがない。
【0037】
下方に設けられ、座枠31に挿入されるガイドピン6のスペーサ63は、図5に示すように、座枠31とガイド板24との間に配置され、第1軸部61Aを貫通する貫通孔H7が設けられている。下方に設けられ、座枠31に挿入されるガイドピン6のスペーサ63は、左右方向に2つ並べて設けられている。一方、上方に設けられ、座枠31に挿入されないガイドピン6のスペーサ63は、図4に示すように、座枠31とガイド板24との間に1つ配置されている。
【0038】
次に、上述した構成の座席装置1のメンテナンスについて説明する。上記座席装置1は、座枠31に設けた走行軸33がガイドレール25の上方を走行することにより、前後方向に移動自在となっている。図6に示すように、座枠31と台枠2とは上下方向に係止されていないため、座枠31の前端を持ち上げると、座枠31はガイドピン6を中心に背枠41に対して回転し、簡単に座枠31の前端を上方に持ち上げることができる。これにより、座枠31の下側の清掃やメンテナンスが行いやすくなる。
【0039】
また、4本のガイドピン6を外せば、座枠31及び背枠41を台枠2から取り外して、メンテナンスを行うことができる。ガイドピン6は、左右方向の両側からも取り外すことができる。
【0040】
まず、ガイドピン6を左右方向内側から取り外す手順について説明する。ネジN1を取り外して、第1ピン部61を左右方向内側に向けて引っ張れば、第1ピン部61及び第2ピン部62をガイド溝24Aや背枠41の貫通孔H2から引き抜くことができる。これにより、座枠31及び背枠41を上方に持ち上げれば、台枠2から取り外すことができる。
【0041】
次に、ガイドピン6を左右方向外側から取り外す手順について説明する。係止ピン7を第1軸部61Aのピン挿入孔H6から抜く。これにより、第2ピン部62を左右方向外側に向けて引っ張れば、第2ピン部62を第1ピン部61から引き抜くことができる。第1軸部61Aは、背枠軸部61C及び台枠軸部61Dに2分割され、背枠軸部61Cは、背枠41には貫通されているが、ガイド溝24Aには挿入されていない。台枠軸部61Dは、ガイド溝24Aには挿入されているが、背枠41には挿入されていない。これにより、座枠31及び背枠41を上方に持ち上げれば、台枠2から取り外すことができる。
【0042】
上述した実施形態によれば、座枠31に設けた走行軸33がガイドレール25の上方を走行することにより、前後方向に移動自在となっているため、簡単に座枠31を持ち上げることができる。
【0043】
上述した実施形態によれば、台枠前方バー22の上方にガイドレール25が支持されている。これにより、安定して座枠31を前後方向に移動自在に支持することができる。
【0044】
上述した実施形態によれば、台枠2は、左右方向に対向するガイド板24を有し、ガイド板24には、ガイド溝24Aが設けられ、背枠41には、ガイド溝24Aに挿入されるガイドピン6が設けられている。そして、ガイドピン6がガイド溝24Aに沿って移動することより、背枠41が、座枠31の前方への移動に連動して倒れ、座枠31の後方への移動に連動して起きる。これにより、座枠31の前後方向の移動に連動して、背枠41を傾動自在に取り付けることができる。
【0045】
上述した実施形態によれば、ガイドピン6は、背枠41及びガイド溝24Aを貫通する第1軸部61A及び第1軸部61Aの一端部に設けられ、背枠41に重ねられて固定される第1フランジ部61Bを有する第1ピン部61と、第1軸部61Aを貫通する第2軸部62A及び第2軸部62Aの他端に設けられ、第1軸部61Aの他端に重ねられる第2フランジ部62Bを有する第2ピン部62と、第2ピン部62の一端に設けられ、第2軸部62Aが第1軸部61Aより抜けることを防止する係止ピン7と、を有し、第1軸部61Aは、背枠41が貫通される背枠軸部61Cと、ガイド溝24Aに挿入される台枠軸部61Dと、に分割されている。これにより、ガイドピン6を左右方向(軸方向)の一方からでも、他方からでも取り外すことができる。
【0046】
なお、上述した実施形態によれば、ガイドレール25は台枠前方バー22に固定されていたが、これに限ったものではない。ガイドレール25は、座枠31を支持する台枠2の上方に固定されていればよく、台枠前方バー22でなくてもよい。例えば、台枠前方バーと台枠後方バーとの間に台枠中央バーを設け、その台枠中央バーの上方に設けてもよいし、台枠側管に設けてもよい。
【0047】
また、上述した実施形態は、左右方向の両方から取り外すことができるガイドピン6を用いていたが、これに限ったものではない。左右方向の一方側からしか取り外すことができない通常のガイドピンを用いてもよい。
【0048】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【符号の説明】
【0049】
1 座席装置
2 台枠
6 ガイドピン
7 係止ピン(付着部)
21 台枠側管(台枠側部)
22 台枠前方バー(台枠連結部)
24 ガイド板(側板)
24A ガイド溝
25 ガイドレール(レール)
31 座枠
33 走行軸
41 背枠
61 第1ピン部
61A 第1軸部
61B 第1フランジ部
61C 背枠軸部
61D 台枠軸部
62 第2ピン部
62A 第2軸部
62B 第2フランジ部
図1
図2
図3
図4
図5
図6