(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-01
(45)【発行日】2022-03-09
(54)【発明の名称】戦術分析装置
(51)【国際特許分類】
A63B 69/00 20060101AFI20220302BHJP
【FI】
A63B69/00 Z
(21)【出願番号】P 2018023983
(22)【出願日】2018-02-14
【審査請求日】2021-02-09
(73)【特許権者】
【識別番号】500063228
【氏名又は名称】田中 成典
(73)【特許権者】
【識別番号】502235692
【氏名又は名称】中村 健二
(73)【特許権者】
【識別番号】519113745
【氏名又は名称】Intelligent Style株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092956
【氏名又は名称】古谷 栄男
(74)【代理人】
【識別番号】100101018
【氏名又は名称】松下 正
(72)【発明者】
【氏名】田中 成典
(72)【発明者】
【氏名】中村 健二
(72)【発明者】
【氏名】山本 雄平
(72)【発明者】
【氏名】姜 文渊
(72)【発明者】
【氏名】窪田 諭
(72)【発明者】
【氏名】今井 龍一
(72)【発明者】
【氏名】神谷 大介
(72)【発明者】
【氏名】塚田 義典
(72)【発明者】
【氏名】井上 晴可
(72)【発明者】
【氏名】中島 伸介
(72)【発明者】
【氏名】上田 真由美
(72)【発明者】
【氏名】蔭山 雅洋
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 俊秀
(72)【発明者】
【氏名】辻 光宏
(72)【発明者】
【氏名】新井 彩
(72)【発明者】
【氏名】五藤 佳奈
(72)【発明者】
【氏名】田中 ちひろ
(72)【発明者】
【氏名】入江 恭広
(72)【発明者】
【氏名】林 将寛
(72)【発明者】
【氏名】政木 英一
(72)【発明者】
【氏名】山田 貴之
(72)【発明者】
【氏名】大月 庄治
(72)【発明者】
【氏名】平野 順俊
(72)【発明者】
【氏名】藤原 利弘
(72)【発明者】
【氏名】仲条 仁
(72)【発明者】
【氏名】藤井 琢哉
(72)【発明者】
【氏名】三浦 泰夫
(72)【発明者】
【氏名】尾碕 哲郎
(72)【発明者】
【氏名】長岡 正美
(72)【発明者】
【氏名】坂元 昭人
(72)【発明者】
【氏名】春日 隆行
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 恭男
(72)【発明者】
【氏名】鳴尾 丈司
(72)【発明者】
【氏名】平尾 公孝
(72)【発明者】
【氏名】西村 修
【審査官】槙 俊秋
(56)【参考文献】
【文献】特表2011-505202(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0135243(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0120132(US,A1)
【文献】特開2008-279148(JP,A)
【文献】特開2016-208516(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0151484(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63B 69/00
G09F 17/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
競技対象物を用いて行う競技において、競技対象物を放出する第1プレイヤの位置と、放出された競技対象物をキャッチまたは放出しようとする第2プレイヤの位置とを少なくとも含む各プレイヤの位置を取得する基礎情報取得手段と、
基礎情報取得手段によって取得した各プレイヤの位置に基づいて、前記第2プレイヤの意図するキャッチまたは放出が成功するかどうかまたは成功確率を推定する推定手段と、
前記推定手段の推定結果を出力する出力手段と、
を備えた戦術分析装置であって、
前記各プレイヤの位置は、前記第1プレイヤが前記競技対象物を放出しようとする時点近傍における各プレイヤの位置を少なくとも含み、
前記基礎情報取得手段は、実際にプレイした各プレイヤの位置情報に基づいて、ユーザの入力によって修正された位置情報を取得し、
前記推定手段は、前記修正された位置情報に基づいて、成功確率をシミュレーションすることを特徴とする戦術分析装置。
【請求項2】
戦術分析装置をコンピュータによって実現するための戦術分析プログラムであって、コンピュータを、
競技対象物を用いて行う競技において、競技対象物を放出する第1プレイヤの位置と、放出された競技対象物をキャッチまたは放出しようとする第2プレイヤの位置とを少なくとも含む各プレイヤの位置を取得する基礎情報取得手段と、
基礎情報取得手段によって取得した各プレイヤの位置に基づいて、前記第2プレイヤの意図するキャッチまたは放出が成功するかどうかまたは成功確率を推定する推定手段と、
前記推定手段の推定結果を出力する出力手段として機能させるための戦術分析プログラムにおいて、
前記各プレイヤの位置は、前記第1プレイヤが前記競技対象物を放出しようとする時点近傍における各プレイヤの位置を少なくとも含み、
前記基礎情報取得手段は、実際にプレイした各プレイヤの位置情報に基づいて、ユーザの入力によって修正された位置情報を取得し、
前記推定手段は、前記修正された位置情報に基づいて、成功確率をシミュレーションすることを特徴とする戦術分析プログラム。
【請求項3】
請求項1の装置または請求項2のプログラムにおいて、
前記推定手段は、競技対象物の放出時点も含めて推定を行うことを特徴とする装置またはプログラム。
【請求項4】
請求項3の装置またはプログラムにおいて、
前記基礎情報取得手段は、実際にプレイした競技対象物の放出時点に基づいて、ユーザの入力によって修正された放出時点を取得し、
前記推定手段は、前記修正された放出時点も含めて、成功確率をシミュレーションすることを特徴とする装置またはプログラム。
【請求項5】
請求項1~4のいずれかの装置またはプログラムにおいて、
前記推定手段は、競技対象物を放出する目的位置ごとに成功確率または成否を推定することを特徴とする装置またはプログラム。
【請求項6】
競技対象物を用いて行う競技において、競技対象物を放出する第1プレイヤの位置と、放出された競技対象物をキャッチまたは放出しようとする第2プレイヤの位置とを少なくとも含む各プレイヤの位置を取得する基礎情報取得手段と、
基礎情報取得手段によって取得した各プレイヤの位置に基づいて、前記第2プレイヤの意図するキャッチまたは放出が成功するかどうかまたは成功確率を推定する推定手段と、
前記推定手段の推定結果を出力する出力手段と、
を備えた戦術分析装置であって、
前記各プレイヤの位置は、前記第1プレイヤが前記競技対象物を放出しようとする時点近傍における各プレイヤの位置を少なくとも含み、
前記推定手段は、競技対象物の放出時点も含めて推定を行うことを特徴とする戦術分析装置。
【請求項7】
戦術分析装置をコンピュータによって実現するための戦術分析プログラムであって、コンピュータを、
競技対象物を用いて行う競技において、競技対象物を放出する第1プレイヤの位置と、放出された競技対象物をキャッチまたは放出しようとする第2プレイヤの位置とを少なくとも含む各プレイヤの位置を取得する基礎情報取得手段と、
基礎情報取得手段によって取得した各プレイヤの位置に基づいて、前記第2プレイヤの意図するキャッチまたは放出が成功するかどうかまたは成功確率を推定する推定手段と、
前記推定手段の推定結果を出力する出力手段として機能させるための戦術分析プログラムにおいて、
前記各プレイヤの位置は、前記第1プレイヤが前記競技対象物を放出しようとする時点近傍における各プレイヤの位置を少なくとも含み、
前記推定手段は、競技対象物の放出時点も含めて推定を行うことを特徴とする戦術分析プログラム。
【請求項8】
請求項6の装置または請求項7のプログラムにおいて、
前記基礎情報取得手段は、実際にプレイした競技対象物の放出時点に基づいて、ユーザの入力によって修正された放出時点を取得し、
前記推定手段は、前記修正された放出時点も含めて、成功確率をシミュレーションすることを特徴とする装置またはプログラム。
【請求項9】
請求項6~8のいずれかの装置またはプログラムにおいて、
前記推定手段は、競技対象物を放出する目的位置ごとに成功確率または成否を推定することを特徴とする装置またはプログラム。
【請求項10】
競技対象物を用いて行う競技において、競技対象物を放出する第1プレイヤの位置と、放出された競技対象物をキャッチまたは放出しようとする第2プレイヤの位置とを少なくとも含む各プレイヤの位置を取得する基礎情報取得手段と、
基礎情報取得手段によって取得した各プレイヤの位置に基づいて、前記第2プレイヤの意図するキャッチまたは放出が成功するかどうかまたは成功確率を推定する推定手段と、
前記推定手段の推定結果を出力する出力手段と、
を備えた戦術分析装置であって、
前記各プレイヤの位置は、前記第1プレイヤが前記競技対象物を放出しようとする時点近傍における各プレイヤの位置を少なくとも含み、
前記推定手段は、競技対象物を放出する目的位置ごとに成功確率または成否を推定することを特徴とする戦術分析装置。
【請求項11】
戦術分析装置をコンピュータによって実現するための戦術分析プログラムであって、コンピュータを、
競技対象物を用いて行う競技において、競技対象物を放出する第1プレイヤの位置と、放出された競技対象物をキャッチまたは放出しようとする第2プレイヤの位置とを少なくとも含む各プレイヤの位置を取得する基礎情報取得手段と、
基礎情報取得手段によって取得した各プレイヤの位置に基づいて、前記第2プレイヤの意図するキャッチまたは放出が成功するかどうかまたは成功確率を推定する推定手段と、
前記推定手段の推定結果を出力する出力手段として機能させるための戦術分析プログラムにおいて、
前記各プレイヤの位置は、前記第1プレイヤが前記競技対象物を放出しようとする時点近傍における各プレイヤの位置を少なくとも含み、
前記推定手段は、競技対象物を放出する目的位置ごとに成功確率または成否を推定することを特徴とする戦術分析プログラム。
【請求項12】
請求項1~11のいずれかの装置またはプログラムにおいて、
前記競技対象物を用いて行う競技は、プレイが一時中断した後、開始されることのある競技であることを特徴とする装置またはプログラム。
【請求項13】
請求項1~12のいずれかの装置またはプログラムにおいて、
前記各プレイヤの位置は、プレイの開始時点を少なくとも含むことを特徴とする装置またはプログラム。
【請求項14】
請求項1~13のいずれかの装置またはプログラムにおいて、
前記各プレイヤの位置は、前記第1プレイヤが前記競技対象物を放出しようとする時点近傍における位置を少なくとも含む、各プレイヤの時間的連続位置であることを特徴とする装置またはプログラム。
【請求項15】
請求項1~14のいずれかの装置またはプログラムにおいて、
前記基礎情報取得手段は、第1プレイヤと第2プレイヤの組み合わせによる成功確率を取得し、
前記推定手段は、前記成功確率も含めて推定を行うことを特徴とする装置またはプログラム。
【請求項16】
請求項1~15のいずれかの装置またはプログラムにおいて、
前記基礎情報取得手段は、各プレイヤが味方チームであるか敵チームであるかの敵味方情報、各プレイヤの役割を示す役割情報またはプレーの種類名を少なくとも取得し、
前記推定手段は、前記敵味方情報、役割情報またはプレーの種類名も含めて推定を行うことを特徴とする装置またはプログラム。
【請求項17】
請求項1~16のいずれかの装置またはプログラムにおいて、
前記基礎情報取得手段は、前記各プレイヤの位置に基づいて、プレイヤ間の距離または各プレイヤの速度を少なくとも算出し、
前記推定手段は、前記プレイヤ間の距離または各プレイヤの速度も含めて推定を行うことを特徴とする装置またはプログラム。
【請求項18】
請求項1~17のいずれかの装置またはプログラムにおいて、
前記推定手段は、実際にプレイを行っている各プレイヤの位置情報とプレイの成功の有無に基づいて学習した深層学習手段を備えることを特徴とする装置またはプログラム。
【請求項19】
請求項1~18のいずれかの装置またはプログラムにおいて、
前記基礎情報取得手段は、実際にプレイした各プレイヤの位置情報を取得することを特徴とする装置またはプログラム。
【請求項20】
請求項1~19のいずれかの装置またはプログラムにおいて、
前記推定手段は、前記第1プレイヤが前記競技対象物を放出しようとする前の第1時点から前記第2プレイヤの意図するキャッチまたは放出の成否が確定した第2時点までの間の各プレイヤの位置を、第1時点を起点として第2時点に向かう段階的に長くなる複数の検討区間を設定し、各検討区間について成功確率を算出することを特徴とする装置またはプログラム。
【請求項21】
請求項1~20のいずれかの装置またはプログラムにおいて、
前記推定手段は、前記第1プレイヤが前記競技対象物を放出しようとする前の第1時点から前記第2プレイヤの意図するキャッチまたは放出の成否が確定した第2時点までの間の各プレイヤの位置を、第2時点を起点として第1時点に向かう段階的に長くなる複数の検討区間を設定し、各検討区間について成功確率を算出することを特徴とする装置またはプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、アメリカンフットボールなどの競技における戦術を分析するための装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
チーム競技におけるプレイヤのパフォーマンスを分析する装置として、特許文献1に示すようなものが提案されている。この装置は、プレイヤを撮像した画像に基づいて当該プレイヤがボールを保持しているかどうかを判断し、プレイヤのパフォーマンスを分析するものである。
【0003】
これにより、試合中、練習中のプレイヤのパフォーマンスを客観的に得ることができ、各プレイヤの能力向上につなげることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1のような装置では、各プレイヤ個々のパフォーマンスを分析することができるものの、各プレイヤがどのように連携すれば競技を有利に進行できるか等の戦術を分析することはできなかった。
【0006】
この発明は、上記のような問題点に鑑みて、競技における戦術を分析することのできる装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明のいくつかの独立して適用可能な特徴を以下に示す。
【0008】
(1)(2)この発明に係る戦術分析装置は、競技対象物を用いて行う競技において、競技対象物を放出する第1プレイヤの位置と、放出された競技対象物をキャッチまたは放出しようとする第2プレイヤの位置とを少なくとも含む各プレイヤの位置を取得する基礎情報取得手段と、基礎情報取得手段によって取得した各プレイヤの位置に基づいて、前記第2プレイヤの意図するキャッチまたは放出が成功するかどうかまたは成功確率を推定する推定手段と、前記推定結果を出力する出力手段とを備えた戦術分析装置であって、前記各プレイヤの位置は、前記第1プレイヤが前記競技対象物を放出しようとする時点近傍における各プレイヤの位置を少なくとも含むことを特徴としている。
【0009】
したがって、第1プレイヤが前記競技対象物を放出しようとする時点近傍の状況に基づいて成否を判断することができる。
【0010】
(3)この発明に係る戦術分析装置は、競技対象物を用いて行う競技が、プレイが一時中断した後、開始されることのある競技であることを特徴としている。
【0011】
したがって、アメリカンフットボールにおけるパスの成否を推定することができる。
【0012】
(4)この発明に係る戦術分析装置は、各プレイヤの位置が、プレイの開始時点を少なくとも含むことを特徴としている。
【0013】
したがって、プレイの開始時点の状況に基づいて成否を推定することができる。
【0014】
(5)この発明に係る戦術分析装置は、各プレイヤの位置が、前記第1プレイヤが前記競技対象物を放出しようとする時点近傍における位置を少なくとも含む、各プレイヤの時間的連続位置であることを特徴としている。
【0015】
したがって、各プレイヤの時間的連続位置に基づいてより正確に推定を行うことができる。
【0016】
(6)この発明に係る戦術分析装置は、基礎情報取得手段が、第1プレイヤと第2プレイヤの組み合わせによる成功確率を取得し、推定手段が、前記成功確率も含めて推定を行うことを特徴としている。
【0017】
したがって、第1プレイヤと第2プレイヤとの相性も考慮して推定を行うことができる。
【0018】
(7)この発明に係る戦術分析装置は、基礎情報取得手段が、各プレイヤが味方チームであるか敵チームであるかの敵味方情報、各プレイヤの役割を示す役割情報またはプレーの種類名を少なくとも取得し、推定手段が、前記敵味方情報、役割情報またはプレーの種類名も含めて推定を行うことを特徴としている。
【0019】
したがって、味方か否かまたはプレー名を考慮して推定を行うことができる。
【0020】
(8)この発明に係る戦術分析装置は、基礎情報取得手段が、前記各プレイヤの位置に基づいて、プレイヤ間の距離または各プレイヤの速度を少なくとも算出し、推定手段が、前記プレイヤ間の距離または各プレイヤの速度も含めて推定を行うことを特徴としている。
【0021】
したがって、より正確な推定を行うことができる。
【0022】
(9)この発明に係る戦術分析装置は、推定手段が、実際にプレイを行っている各プレイヤの位置情報とプレイの成功の有無に基づいて学習した深層学習手段を備えることを特徴としている。
【0023】
したがって、より正確な推定を行うことができる。
【0024】
(10)この発明に係る戦術分析装置は、基礎情報取得手段が、実際にプレイした各プレイヤの位置情報を取得することを特徴としている。
【0025】
したがって、実際のプレイを参照して戦術の分析を行うことができる。
【0026】
(11)この発明に係る戦術分析装置は、推定手段が、前記第1プレイヤが前記競技対象物を放出しようとする前の第1時点から前記第2プレイヤの意図するキャッチまたは放出の成否が確定した第2時点までの間の各プレイヤの位置を、第1時点を起点として第2時点に向かう段階的に長くなる複数の検討区間を設定し、各検討区間について成功確率を算出することを特徴としている。
【0027】
したがって、各時点における成功確率を得ることができる。
【0028】
(12)この発明に係る戦術分析装置は、推定手段が、前記第1プレイヤが前記競技対象物を放出しようとする前の第1時点から前記第2プレイヤの意図するキャッチまたは放出の成否が確定した第2時点までの間の各プレイヤの位置を、第2時点を起点として第1時点に向かう段階的に長くなる複数の検討区間を設定し、各検討区間について成功確率を算出することを特徴としている。
【0029】
したがって、パスの成否が確定した時点から遡って各時点における成功確率を得ることができる。これにより、どのタイミングの動きが成否に影響したのかを分析できる。
【0030】
(13)この発明に係る戦術分析装置は、基礎情報取得手段が、実際にプレイした各プレイヤの位置情報に基づいて、ユーザの入力によって修正された位置情報を取得し、推定手段が、前記修正された位置情報に基づいて、成功確率をシミュレーションすることを特徴としている。
【0031】
したがって、実際のプレイに基づいて、プレイヤ位置の変更が成功確率に与える影響をシミュレーションすることができる。
【0032】
(14)この発明に係る戦術分析装置は、推定手段が、競技対象物の放出時点も含めて推定を行うことを特徴としている。
【0033】
したがって、より正確に推定を行うことができる。
【0034】
(15)この発明に係る戦術分析装置は、基礎情報取得手段が、実際にプレイした競技対象物の放出時点に基づいて、ユーザの入力によって修正された放出時点を取得し、推定手段が、前記修正された放出時点も含めて、成功確率をシミュレーションすることを特徴としている。
【0035】
したがって、実際のプレイに基づいて、放出時点の変更が成功確率に与える影響をシミュレーションすることができる。
【0036】
(16)この発明に係る戦術分析装置は、推定手段が、競技対象物を放出する目的位置ごとに成功確率または成否を推定することを特徴としている。
【0037】
したがって、いずれの場所に競技対象物を放出すればよいか否かをシミュレーションすることができる。
【0038】
(17)(18)この発明に係る戦術分析装置は、競技対象物を用いて行う競技において、競技対象物を放出する第1プレイヤの位置と、放出された競技対象物をキャッチまたは放出しようとする第2プレイヤの位置とを少なくとも含む各プレイヤの位置を記録した記録部から各プレイヤの位置を取得する基礎情報取得手段と、前記各プレイヤの位置に基づいて、所定のプレイヤからみた立体画像を生成して表示部に表示する立体画像表示手段と、前記立体画像を見たユーザが前記第1プレイヤの放出タイミングを入力する放出タイミング入力手段と、基礎情報取得手段によって取得した各プレイヤの位置および入力された放出タイミングに基づいて、前記第2プレイヤの意図するキャッチまたは放出が成功するかどうかまたは成功確率を推定する推定手段と前記推定結果を出力する出力手段とを備えている。
【0039】
したがって、プレイヤ視点での画像に基づいてシミュレーションを行うことができる。
【0040】
「基礎情報取得手段」は、実施形態においては、ステップS1、S3やS11、S12がこれに対応する。
【0041】
「推定手段」は、実施形態においては、ステップS4やS14がこれに対応する。
【0042】
「出力手段」は、実施形態においては、ステップS6やS16がこれに対応する。
【0043】
「プログラム」とは、CPUにより直接実行可能なプログラムだけでなく、ソース形式のプログラム、圧縮処理がされたプログラム、暗号化されたプログラム等を含む概念である。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【
図1】この発明に一実施形態による戦術分析装置の機能ブロック図である。
【
図3】戦術分析プログラムのフローチャートである。
【
図5】推定に用いる時間間隔を模式的に示す図である。
【
図10】第2の実施形態による戦術分析装置の機能ブロック図である。
【
図11】戦術分析プログラムのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0045】
1.第1の実施形態
1.1全体構成
図1にこの発明の一実施形態による戦術分析装置の機能ブロック図を示す。基礎情報取得手段2は、競技を行うプレイヤの位置を取得する。プレイヤの位置は、記録されたものを取得しても良いし、リアルタイムに検出した位置を取得しても良い。この実施形態では、ボールなどの競技対象物を投げたり打ったり(放出)するプレイヤを第1プレイヤとし、第1プレイヤからの競技対象物をキャッチまたは打ったりしようとするプレイヤを第2プレイヤとしている。この当該第1プレイヤが競技対象物を放出しようとする時点近傍における各プレイヤの位置を少なくとも取得するようにしている。
【0046】
推定手段4は、基礎情報取得手段2によって取得された各プレイヤの位置に基づいて、第2プレイヤの意図するキャッチまたは放出が成功するかどうかまたは成功確率を算出する。なお、この実施形態では、推定手段4は、実際に行われたプレイにおける各プレイヤの位置と上記キャッチまたは放出が成功したか否かの情報に基づいて深層学習した結果に基づいて、推定を行うようにしている。出力手段6は、算出された結果を出力部に表示する。
【0047】
1.2ハードウエア構成
図2に、戦術分析装置のハードウエア構成を示す。CPU10には、メモリ12、ディスプレイ14、通信回路16、ハードディスク18、DVD-ROMドライブ20、アダプタ22、キーボード/マウス24が接続されている。
【0048】
通信回路16はインターネットに接続するための回路である。ハードディスク18には、オペレーティングシステム26、戦術分析プログラム28が記録されている。戦術分析プログラム28は、オペレーティングシステム26と協働してその機能を発揮するものである。これらプログラムは、DVD-ROM30に記録されていたものを、DVD-ROMドライブ20を介して、ハードディスク18にインストールしたものである。
【0049】
アダプタ22は、USBメモリ32を受け入れてその内容を取り込むためのものである。この実施形態では、アメリカンフットボールのプレイ中の各プレイヤの位置情報がUSBメモリ32に記録されて、取り込まれる。
【0050】
なお、プレイ中の各プレイヤの位置は、この実施形態では、各プレイヤに装着したGPS受信機からの位置計測情報をUSBメモリ32に記録している。撮像画像に基づいて各プレイヤの位置情報を抽出するなど、その他の方法によって、各プレイヤの位置情報を取得しても良い。また、GPS受信機からの各プレイヤの位置情報を無線通信などによってリアルタイムに、戦術分析装置に取り込むようにしても良い。
【0051】
1.3戦術分析処理
図3に、戦術分析プログラム28のフローチャートを示す。CPU10は、アダプタ22を介して、USBメモリ32に記録された各選手の位置データを取得し、ハードディスク18に記録する(ステップS1)。
【0052】
位置データの例を、
図4に示す。図においては、選手ID=01のプレイヤのデータのみを示しているが、他のプレイヤについても同様である。また、各プレイヤにはIDが付与されており、IDに対応づけてチーム名、ポジション(QB、WR、DBなど)などを記述したテーブルが記録されている(図示せず)。
図4において、位置データは、競技フィールドの四隅のうちの一点を原点とする座標にて示されている。
【0053】
次に、CPU10は、プレイ開始(プレイ中断後にプレイが再開された時点)を起点として所定時間経過後(たとえば5秒後)までの各プレイヤの位置データを取得する(ステップS3)。CPU10は、取得した各プレイヤの位置データに基づいて、クオータバック(QB)からワイドレシーバ(WR)へのパスが成功するかどうかの確率を算出する。
【0054】
CPU10は、この成功確率の算出のために、予め、実際の多数のプレー時に取得した各プレイヤの時系列での位置(プレイ開始からの位置変化)、パスの成否情報を教師データとして、多層のニューラルネットワークによる深層学習を行っている。
【0055】
この実施形態では、プレイ開始からパスの成否が確定するまでの間の時間経過に応じて、学習を行うようにしている。また、各プレイヤの位置情報のみに基づいてパスの成否を推定しているので、QBがパスを投げる前の時点(たとえばプレイ開始から5秒後)におけるパスの成功確率も算出することができる。
【0056】
なお、この実施形態では、少なくともパスを出すQBと受けるWR(複数の可能性あり)の位置データを用いて学習を行って推定するようにしている。
【0057】
上記のようにして最初の所定時間範囲での推定を終了すると、次に、所定時間範囲を長くして推定を行う。すなわち、
図5に示すように、プレイ開始からの時間を段階的に長くし、期間D1、D2・・・Dnについて推定を行うことを繰り返す。これにより、
図6に示すように、プレイ開始からの経過時間に応じたプレイヤの位置に基づいたパス成功率が算出される。
【0058】
なお、この実施形態では、複数のWRがいる場合、それぞれのWRに対するパスの成功確率を算出するようにしている。
図6においては、WR1とWR2についての成功確率が示されている。
【0059】
CPU10は、上記の推定を、プレイ開始からパスの成否が確定するまでの期間Dnまで行うと(ステップS2、S5)、
図6の算出結果を、ディスプレイ14に表示する(ステップS6)。
図7に、表示例を示す。
【0060】
CPU10は、まず、
図7Aに示すようにプレイ開始時点の各プレイヤの位置を表示する。白丸が一方のチームのプレイヤ、黒丸が他方のチームのプレイヤである。次に、CPU10は、
図7Bに示すように、5秒後、10秒後、15秒後のプレイヤの位置をその移動軌跡とともに順次表示する。さらに、
図6の算出結果に基づいて、当該時間におけるパス成功率を表示する。
【0061】
したがって、ユーザは、各プレイヤの動きを確かめながら、その時点におけるパス成功率を順次見ることができる。したがって、プレイ開始からの各プレイヤの動きに応じて、どの段階までがパス成功になり得る動きであったかを判定することができる。
【0062】
1.4その他
(1)上記実施形態では、複数時点の各プレイヤの位置に基づいてパス成功率を推定している。しかし、特定時点の各プレイヤの位置に基づいてパス成功率を推定するようにしてもよい。
【0063】
(2)上記実施形態では、パス成功率を推定するようにしている。しかし、パスの成否を推定するようにしてもよい。
【0064】
(3)上記実施形態では、パスを投げた時点をパス成否のための基礎情報として用いていない。しかしこれも基礎情報として含めて判断するようにしてもよい。
【0065】
(4)上記実施形態では、各プレイヤの位置を基礎情報として用いて推定を行うようにしている。しかし、QBとWRが誰と誰であるかの組み合わせも含めて推定を行うようにしてもよい。
【0066】
また、各プレイヤが味方チームであるか敵チームであるかの敵味方情報、プレイヤの役割を示す役割情報(QB、WRなど)や、プレーの種類名を基礎情報として用いて推定を行うようにしてもよい。
【0067】
さらに、前記各プレイヤの位置に基づいて、プレイヤ間の距離または各プレイヤの速度を少なくとも算出し、これらも含めて基礎情報として推定を行うようにしてもよい。
【0068】
(5)上記実施形態では、プレー開始から所定時間経過後までの期間の各プレイヤの位置に基づいてパス成功率を推定している。しかし、パスの成否が確定した時点を起点として、所定時間前までの期間の各プレイヤの位置に基づいてパス成功率を推定するようにしてもよい。これにより、たとえば、パスが成功した場合、どの時点でパス成功の確率が高くなったかを知ることができる。
【0069】
(6)上記実施形態では、実際に行われたプレイにおけるプレイヤ位置に基づいて、各時点におけるパス成功率を表示するようにしている。しかし、実際に行われたプレイにおけるプレイヤ位置をユーザが修正し、修正したい位置に基づいてパス成功率を算出して表示するようにしてもよい。
【0070】
たとえば、
図7の結果を連続的表示している画面において、
図8に示すように、一時停止ボタン50をクリックすると画面を停止するようにする。ユーザが、マウス24を用いて、この時点におけるWRの位置を52から54に移動させる(ドラッグにより移動する)。これを受けて、CPU10は、修正された位置に基づいてパス成功率を再計算し、画面に表示する。
【0071】
このようにすれば、今後の戦術の立案や各プレイヤの改善すべき能力や行動動作などを的確に把握することができる。
【0072】
(7)上記実施形態では、実際に行われたプレイにおけるプレイヤ位置に基づいて、各時点におけるパス成功率を表示するようにしている。しかし、QBがパスを行った時点も基礎情報として用いてパスの成功率を推定してもよい。
【0073】
この場合、さらに、実際にパスが出された時点ではなく、ユーザが修正した時点にパスが出されたものとして成功率を推定するようにしてもよい。たとえば、
図9に示すような結果表示画面が示されたとする。この例では、QBが位置60においてパスを出して、パスが成功したものとする。ここで、ユーザがマウス24を操作し、パス放出の時点を位置62に変更する(位置62をクリックすることにより変更がなされる)。CPU10は、これを受けて、位置62においてQBがパスを投じた場合のパス成功率を算出して表示する。このようにして、パスを出す適切なタイミングを知ることができる。
【0074】
さらに、
図9のような俯瞰図では実際のプレーにおけるパスを出すタイミングを間隔としてとらえることは難しい。そこで、QBから見た立体画像(QBからWRとDBの双方が視野に入る方向の画像)を、WR、DBなどのプレイヤの位置に基づいて合成して生成し、これを動画として時間順に表示するようにしてもよい。ユーザは、再生された動画(QB視点の動画)をみながら、パスを出すべきタイミングにてパスボタン(図示せず)をクリックする。CPU10は、このタイミングにてパスを出したものとしてパス成功率を算出する。これにより、より実戦に近い形で練習を行うことができる。
【0075】
(8)上記実施形態では、アメリカンフットボールについて説明したが、チームによる競技であるサッカー、バレーボール、ラグビー、アイスホッケー、バトミントン、テニスなどに同様に適用することができる。また、チーム競技ではない、1対1で行う競技であるバトミントン、テニスなどにも同様に適用できる。この場合、第1のプレイヤに対して、第2のプレイヤは対戦相手のプレイヤとなる。
【0076】
また、上記実施形態では、ボールを競技対象物としているが、競技の種類により、パックやシャトルなどを競技対象物とすることができる。また、競技対象物を直接キャッチしたり放出したりする場合だけでなく、ラケットなどで間接的にキャッチしたり放出したり場合も同様に適用できる。
【0077】
(9)上記実施形態では、アメリカンフットボールのプレイ開始からの各プレイヤのポジションに基づいて推定を行っている。しかし、サッカーのコーナーキックやフリーキックなど、一時中断後にプレイが開始される競技全般に適用することができる。
【0078】
また、一時中断のない、サッカーやテニスなどにも適用することができる。
【0079】
(10)上記実施形態では、スタンドアローンのPCによって戦術分析装置を構成している。しかし、インターネットなどに接続されたサーバ装置によって戦術分析装置を構成してもよい。この場合、端末装置から各プレイヤの位置データをサーバ装置に送信し、サーバ装置からの推定結果を端末装置にて表示するようにすればよい。
【0080】
(11)上記実施形態ではプレイヤの位置情報に基づいて推定を行っているが、プレイヤの移動した軌跡画像に基づいて推定を行うようにしてもよい。また、各位置を結ぶベクトルデータに基づいて推定を行うようにしてもよい。
【0081】
(12)上記実施形態では、競技に参加しているプレイヤのうちの一部のプレイヤの位置データに基づいて推定を行っている。しかし、全てのプレイヤの位置データに基づいて推定を行うようにしてもよい。
【0082】
(13)上記実施形態および変形例は、その本質に反しない限り、他の実施形態にも適用することができる。
【0083】
2.第2の実施形態
2.1全体構成
図10にこの発明の第2の実施形態による戦術分析装置の機能ブロック図を示す。基礎情報取得手段2は、競技を行うプレイヤの位置を取得する。プレイヤの位置は、記録されたものを取得しても良いし、リアルタイムに検出した位置を取得しても良い。この実施形態では、ボールなどの競技対象物を投げたり打ったり(放出)するプレイヤを第1プレイヤとし、第1プレイヤからの競技対象物をキャッチまたは打ったりしようとするプレイヤを第2プレイヤとしている。この当該第1プレイヤが競技対象物を放出する時点における各プレイヤの位置を取得するようにしている。
【0084】
推定手段4は、基礎情報取得手段2によって取得された各プレイヤの位置に基づいて、第1プレイヤが競技対象物を放出しようとする目的位置について、第2プレイヤの意図するキャッチまたは放出が成功するかどうかまたは成功確率を算出する。なお、この実施形態では、推定手段4は、実際に行われたプレイにおける各プレイヤの位置および放出する目的位置と上記キャッチまたは放出が成功したか否かの情報に基づいて深層学習した結果に基づいて、推定を行うようにしている。なお、この実施形態では、競技対象物を放出しようとする目的位置を複数設定し、それぞれの位置について成功確率を表示するようにしている。
【0085】
出力手段6は、算出された結果を出力部に表示する。
【0086】
2.2ハードウエア構成
ハードウエア構成は、第1の実施形態において示した
図2のものと同様である。
【0087】
2.3戦術分析処理
図11に、戦術分析プログラム28のフローチャートを示す。CPU10は、アダプタ22を介して、USBメモリ32に記録された各選手の位置データを取得し、ハードディスク18に記録する(ステップS11)。
【0088】
位置データの例を、
図4に示す。図においては、選手ID=01のプレイヤのデータのみを示しているが、他のプレイヤについても同様である。また、各プレイヤにはIDが付与されており、IDに対応づけてチーム名、ポジション(QB、WR、DBなど)などを記述したテーブルが記録されている(図示せず)。
図4において、位置データは、競技フィールドの四隅のうちの一点を原点とする座標にて示されている。なお、QBの位置を原点とするなど、他の座標を用いてもよい。
【0089】
また、位置データには、QBがパスを出したときの時刻情報も含まれている。なお、この実施形態においては、パスを出したときの時刻情報は、操作者が手作業により入力してUSBメモリ23に記録するようにしている。ボールにGPS受信機を内蔵し、その位置変化によりパスを出したときの時刻を自動的に記録するようにしてもよい。
【0090】
次に、CPU10は、パスを出したときの各プレイヤの位置データを取得する(ステップS12)。次に、CPU10は、パスを出す目的位置(QBがボールをWRに受け取らせようとする位置)を決定する。
【0091】
CPU10は、取得した各プレイヤの位置データおよびパスの目的位置に基づいて、クオータバック(QB)からワイドレシーバ(WR)へのパスが成功するかどうかの確率を算出する。
【0092】
CPU10は、この成功確率の算出のために、予め、実際の多数のプレー時に取得した、パスを出したときの各プレイヤの位置とパスの目的位置、パスの成否情報を教師データとして、多層のニューラルネットワークによる深層学習を行っている。
【0093】
なお、この実施形態では、少なくともパスを出すQBと受けるWR(複数の可能性あり)の位置データを用いて学習を行って推定するようにしている。
【0094】
上記のようにして最初に決定したパスの目的位置についての推定を終了すると、次に、所定位置ずれた位置を目的位置として推定を行う。CPU10は、この推定を、所定の範囲内についてくまなく行う(ステップS13、S15)。
【0095】
CPU10は、各目的位置について推定したパス成功率をディスプレイ14に表示する(ステップS16)。表示例を
図12に示す。この例では、パスを出すときの各プレイヤの位置と、算出した各目的位置の成功確率をヒートマップにして示している。色の最も濃いエリアが成功確率70%以上、中間の濃さのエリアが成功確率40%~69%、最も薄いエリアが成功確率1%~39%を示している。それ以外の白いエリアは成功確率が0%であることを示している。
【0096】
これにより、QBはどの位置にパスを出せばよいかを検討することができる。なお、各エリアの確率と広さに基づいて、各WRに向けたパスの成功確率を算出して表示するようにしてもよい。
【0097】
2.4その他
(1)上記実施形態では、パスを出した時の各プレイヤの位置に基づいて、目的位置の成功確率を算出するようにしている。しかし、第1の実施形態のように、パスを出す前の各プレイヤの位置も考慮して成功確率を算出するようにしてもよい。
【0098】
(2)上記実施形態では、実際のプレイにおいてパスが出された時点を用いている。しかし、その前あるいは後にパスを出すものとして成功率を推定するようにしてもよい。
【0099】
(3)上記実施形態および変形例は、その本質に反しない限り、他の実施形態にも適用することができる。