(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-01
(45)【発行日】2022-03-09
(54)【発明の名称】マルチチャンバ圧力感知装置
(51)【国際特許分類】
G01L 19/14 20060101AFI20220302BHJP
【FI】
G01L19/14
(21)【出願番号】P 2018064646
(22)【出願日】2018-03-29
【審査請求日】2021-03-22
(32)【優先日】2017-04-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】506154029
【氏名又は名称】センサータ テクノロジーズ インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100098497
【氏名又は名称】片寄 恭三
(72)【発明者】
【氏名】テイラー エス ハンナ
(72)【発明者】
【氏名】ニコラス パパディース
(72)【発明者】
【氏名】クリストファー ジェー フォンタナ
【審査官】岡田 卓弥
(56)【参考文献】
【文献】欧州特許出願公開第3205995(EP,A1)
【文献】国際公開第2016/102863(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2007/0209441(US,A1)
【文献】米国特許第6564642(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01L 7/00-23/32
G01L27/00-27/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
感知装置であって、
複数のセクションを規定するベースカバーであって、前記セクションのそれぞれが、それぞれのベースカバー開口を有する、前記ベースカバーと、
複数のセンサであって、各センサがそれぞれのベースカバーセクションに置かれ、各センサの一部が前記それぞれのベースカバー開口に位置される、前記複数のセンサと、
フランジ部を含み、前記ベースカバーに連結され、複数のチャンバを規定するように構成されるベースであって、各チャンバがそれぞれのベースカバー開口に対応する、前記ベースと、
壁部と底面を含むハウジングであって、
前記底面が当該底面に規定された複数のインレットを有し、前記壁部が上方部分を含む、前記ハウジングとを有し、
前記ベースが前記ハウジング
の前記壁部よって規定される開口を通って延在するように、前記ベースおよびベースカバーが前記ハウジング内に置かれ、
各インレットが、それぞれのベースカバー開口と流体接続し、
前記ハウジング
が第1の粒子の方向を有する粒子を持つ材料を含み、当該第1の粒子の方向が前記底面を横切り、
前記ハウジングの上方部分が前記ベースの前記フランジ部に連結するように圧着され、
前記ハウジングの前記上方部分が圧着された後、圧着された前記上方部分は、前記ハウジングの圧着されていない部分の前記第1の粒子の方向に対して或る角度にある第2の粒子の方向を有する、感知装置。
【請求項2】
請求項1に記載の感知装置であって、前記ハウジング、ベース、およびベースカバーのそれぞれが長円の形状を含む、感知装置。
【請求項3】
請求項1に記載の感知装置であって、各センサが圧力センサを含む、感知装置。
【請求項4】
請求項1に記載の感知装置であって、各センサが処理回路を含む、感知装置。
【請求項5】
請求項1に記載の感知装置であって、
前記ハウジングがアルミニウムを含む、感知装置。
【請求項6】
請求項1に記載の感知装置であって、各センサが容量感知素子アセンブリを含む、感知装置。
【請求項7】
圧力感知装置であって、
第1および第2のベースカバーセクションを含む長円のベースカバー部であって、前記第1および第2のベースカバーセクションのそれぞれが、そこに規定される開口を有する、前記長円のベースカバー部と、
前記第1および第2のベースカバーセクションにそれぞれ置かれる第1および第2のセンサであって、各センサの一部が、前記それぞれの開口に置かれる、前記第1および第2のセンサと、
フランジ部を含む長円のベースであって、前記ベースが、前記第1および第2のベースカバー開口と対応する第1および第2の別個のチャンバをそれぞれ規定するように、前記ベースカバー部と連結される、前記長円のベースと、
前記ベースカバー部およびベースについて配置される長円のハウジングであって、前記ハウジングが、それぞれの第1および第2のベース開口と流体接続する第1および第2のインレットを有し、当該第1および第2のインレットが底面に規定され、前記ハウジングが、前記ベースが延在する長円の開口を規定し、さらに前記ハウジングが
上方部分を含む壁部を有する、前記長円のハウジングとを含み、
前記壁部は、
第1の粒子の方向を有する粒子を持つ材料を含み、当該第1の粒子の方向が前記底面を横切り、
前記ハウジングの上方部分が、前記ベースの前記フランジ部に連結するように圧着され、
前記ハウジングの前記上方部分が圧着された後、圧着された前記上方部分は、前記ハウジングの圧着されていない部分の前記第1の粒子の方向に対して或る角度にある第2の粒子の方向を有する、圧力感知装置。
【請求項8】
請求項7に記載の圧力感知装置であって、各センサが圧力センサを含む、圧力感知装置。
【請求項9】
請求項7に記載の圧力感知装置はさらに、前記第1および第2のセンサにそれぞれ連結される第1および第2の処理回路を含む、圧力感知装置。
【請求項10】
請求項7に記載の圧力感知装置であって、前記ベースカバー部の前記第1および第2のセクションのそれぞれが、前記それぞれのセンサを受け取り、且つ適所に維持するように構成される、圧力感知装置。
【請求項11】
請求項7に記載の圧力感知装置であって、前記ハウジングがアルミニウムを含む、圧力感知装置。
【請求項12】
請求項7に記載の圧力感知装置であって、各センサが容量性感知素子アセンブリを含む、圧力感知装置。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
自動車用途におけるセンサおよび制御の使用は、近年、非常に増加している。これは、小さな限られた領域内に収容される必要のある多数のトランスデューサまたはセンサに対する需要を創出している。一例では、自動車用途おいて圧力排気口同士が至近距離にあることが、そのような構成に対する解決策を提供するため、トランスデューサ供給者にとって課題となっている。
【0002】
必要とされるのは、必要なレベルの性能を提供しつつ、産業の構成要件に合致する圧力センサである。
【発明の概要】
【0003】
本開示の1つの態様において、感知装置は、複数のセクションを規定するベースカバーであって、セクションのそれぞれがそれぞれのベースカバー開口を有する、ベースカバーと、複数のセンサであって、各センサが、それぞれのベースカバーセクションに置かれる、複数のセンサと、を含み、各センサの一部は、それぞれのベースカバー開口において露出される。ベースは、ベースカバーに連結され、且つ、複数のチャンバを規定するように構成され、各チャンバは、それぞれのベースカバーセクションに対応する。底面を有し、複数のインレットが当該底面において規定されるハウジングが提供される。ベースが、ハウジングにおいて規定される開口を通って延在するように、ベースおよびベースカバーがハウジングの中に置かれる。各インレットは、それぞれのベースカバー開口と流体接続し、ハウジングの縁は、ベースの一部に連結するように構成される。
【0004】
本開示の別の態様において、圧力感知装置は、第1および第2のベースカバーセクションを含む長円のベースカバー部を含み、第1および第2のベースカバーセクションのそれぞれは、その中に規定された開口を有し、第1および第2のセンサが、それぞれ、第1および第2のベースカバーセクションに配置され、各センサの一部はそれぞれの開口において明示される(evidenced)。フランジ部を含む長円のベースが、それぞれ、第1および第2のベースカバーセクションと対応する第1および第2の別個のチャンバを規定するように、ベースカバー部に連結され、長円のハウジングが、ベースカバー部およびベースの付近に配置され、ハウジングは、それぞれの第1および第2のベース開口と流体接続する第1および第2のインレットを有し、ハウジングは、ベースが延在する長円の開口を規定し、ハウジングの長円の開口の縁が、ベースのフランジ部に連結するようにかしめられる。
【図面の簡単な説明】
【0005】
本開示の少なくとも1つの実施形態の種々の態様は、添付の図面を参照して以下で説明される。図面を簡潔および明確にするために、図面に示される要素は、必ずしも正確にまたは一定の縮尺で描かれていない。例えば、要素のうちのいくつかの寸法は、明確にするために、他の要素に対して誇張されることがあり、または、いくつかの物理的な構成要素は、1つの機能ブロックまたは要素に含まれることがある。さらに、適切と考えられる場合には、参照番号は、対応または類似の要素を示すため、図中で繰り返されることがある。明確にする目的で、全ての構成要素が、全ての図面において標識されるわけではない。図は、図示および説明を目的として提供されており、本発明の限定の定義であることを意図しない。
【0006】
【
図1】本開示の態様に従った、圧力感知装置の斜視図である。
【0007】
【0008】
【
図3A】
図1の圧力感知装置のハウジング部の図である。
【
図3B】
図1の圧力感知装置のハウジング部の図である
【0009】
【
図4】
図1の圧力感知装置のベースカバー部の斜視図である。
【0010】
【
図5A】
図1の圧力感知装置において提供される圧力センサアッセンブリの斜視図である。
【
図5B】
図1の圧力感知装置において提供される圧力センサアッセンブリの斜視図である。
【
図5C】
図1の圧力感知装置において提供される圧力センサアッセンブリの斜視図である。
【0011】
【0012】
【
図8】
図3Aおよび
図3Bのハウジング部への、ベースおよびベースカバー部の配置の斜視図である。
【0013】
【
図9】ベース付近のハウジングのかしめ外形のクローズアップ図である。
【0014】
【
図10】
図1の圧力感知装置の部分的な透視図である。
【0015】
【0016】
【
図12A】圧力感知装置の代替的な実施形態の斜視図である。
【
図12B】圧力感知装置の代替的な実施形態の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下の詳細な説明において、本開示の実施形態の十分な理解を提供するため、数々の具体的な詳細が述べられる。これらの実施形態が、これらの具体的な詳細のうちのいくつかを伴わずに実施され得ることが、当業者によって理解される。他の例において、よく知られた方法、手順、構成要素、および、構造は、説明される実施形態を不明瞭にしないように詳細に説明されていないことがある。
【0018】
少なくとも1つの実施形態を詳細に説明する前に、これらが、それらの用途において、以下の説明において述べられ、または、図面において図示される構成要素の構造および構成の詳細に限定されないことを理解すべきである。また、本願において用いられる用語または術語は単に説明目的のためのものであり、限定的なものと見なされるべきでないことを理解すべきである。
【0019】
図1に示すように、圧力感知装置100は、長円(oblong)のハウジング102、および、関連のベース104を含む。1つの実施形態において、ベース104は、例えば、装置100の自動車用途において配線インターフェースに結合するための、プラグ部105を含む。1つの実施形態において、ハウジング102は、1つまたは複数の取付けアイレット106を含んでよい。1つの実施形態において、ハウジング102はアルミニウムから作られ、ベース104はプラスチックから作られる。
【0020】
図2を参照すると、ハウジング102は、ハウジング102の内部空間302(
図3A参照)と流体的に連結するように規定される2つのインレット(入口)204を備える底面202を含む。外部シール206、例えば、ゴムのOリングが、各インレット204周囲の底面202上に配置される。
【0021】
ハウジング102は、内部空間302を規定し、内部空間302は、垂直のへり(vertical lip)306として規定される上部セクションを有する壁部304によって境界をつけられる。インレット204の空間は、
図3Bに示すように、感知装置100が置かれる場所の外形によって決定される。
【0022】
長円のベースカバー部402は、
図4に示すように、ベース104への連結および空間302内の配置のために提供および構成される。ベースカバー部402は、2つのセクション404‐1、404‐2を規定し、それぞれが、それぞれの開口406‐1、406‐2を有する。ベースカバー部402は、ベース104におけるそれぞれの開口にベースカバー部402を連結するために使用される2つのフィンガー407‐1、407‐2を含む。ベースカバー部402がハウジング102内に提供されたとき、インレット204がそれぞれの開口406において視覚可能であるように、ベースカバー部402が構成される。
【0023】
図5A~5Cに示すように、2つの圧力感知アッセンブリ502‐1、502‐2が提供される。各圧力感知アセンブリ502は、感知素子504、例えば、平行板コンデンサ、フレキシブル回路506、フレキシブル回路506上に搭載されるサポート回路要素および構成要素508、ならびに、内部シール510を含む。各フレキシブル回路506は2つの接地クリップまたはテール512を含み、2つの接地クリップまたはテール512はハウジング102に連結されて、接地接続を、そうした特徴を必要とするこれらのアプリケーションに提供する。圧力感知アセンブリは、「圧力センサ装置」という表題の米国特許第6,487,911号において説明されるものと類似するものであってよく、当該米国特許の全体の内容が、実際上、参照により本明細書に組み込まれる。
【0024】
ベースカバー部402における各開口406は、
図6および
図7に示すように、それぞれの感知アセンブリ502を受けるように、および、感知アセンブリ502を適所に保つように構成される。ベースカバー部402は、内部シール510がベースカバー部402の底から十分に延在して、ハウジング102のチャンバ302の底と連結するように構成される。
【0025】
図8に示すように、ベース104は、フランジ902、および、ベースカバー部402と連結するように構成される下部構造部904を含む。ベース104は、フィンガー407-1、407-2の動作、および、下部構造部904における対応する開口によって、ベースカバー部402の上に置かれ、すなわち、ベースカバー部402上にスナップされる。組み合わされたベースカバー部402およびベース104は、その後、ハウジング102の中に置かれる。各感知アセンブリ502は封止され、他方から隔離される。その結果、各感知アセンブリ502は、それぞれのインレット204に流体的に連結され、他方のインレット204から隔離される。
【0026】
図9に示すように、ベース104は適所に設けられ、隔離された感知アッセンブリ502の一体は、楕円形開口の外縁全体のために、フランジ902の上に上部リップ306を圧着またはかしめる(crimp)ことによって、維持される。いったん圧着されると、各感知アセンブリ502は、
図10に示すように、それぞれのインレット204に流体的に連結される。有利に、ベースカバー部402およびベース104は、圧着されたハウジング102によって適所に保たれる場合、それぞれの感知アセンブリ502が、それぞれのインレット204を通る流体の圧力を測定するのを可能にする。さらに、接地クリップ512は、圧着動作の間、ハウジング102に連結される。
【0027】
1つの実施形態において、ハウジング102は、押出しアルミニウムから作られる。最も強い圧着を提供するため、押出しアルミニウムの粒子(グレイン)は、
図8に示すように、方向Gに配置されるべきである。
【0028】
各感知アセンブリ502は、それぞれの圧力測定を出力するため、力を受け取り、また、或る機構を有する必要がある。1つの実施形態において、
図11を参照すると、ベース104(図示せず)は、共通の電力および感知アッセンブリ502への接地を提供するため、ならびに、中央システムに、例えば、自動車の制御システムに測定信号を送るため、フレックス回路506に連結する複数のリード1202を含む。
【0029】
あるいは、
図12Aおよび12Bに示すように、例えば、バッテリおよび無線通信構成要素(図示せず)を含むキャップ1302が提供されてもよい。キャップ1302は、上述したものと同様のベースカバー部402のフィンガー407-1、407-2(図示せず)に連結するように構成される。
【0030】
有利に、本開示の圧力感知装置は、サポート回路要素において提供される機能性に応じて、差動、冗長、あるいは、独立の流体圧力測定を提供するために実装されてよい。さらに、2つのセンサの例示的な実施形態が提示されたが、当業者は、必要以上の実験を伴わずに、2つ以上のセンサがどのように装置に提供され得るかを理解する。
【0031】
本発明の一定の特徴が、明確にするために、別個の実施形態の文脈において説明されたが、単一の実施形態において組合せて提供されてもよいことが理解される。逆に、本発明の種々の特徴が、簡潔さのために、単一の実施形態の文脈において説明されたが、別個に、または、任意の適切な副次的な組合せ(sub-combination)で提供されてもよい。
【0032】
前述の説明を読んだ上で、本開示の多くの変更および修正が、疑いなく、当業者に明らかになるが、実例として示されおよび説明された特定の実施形態が、決して、限定的であると解釈されることを意図しないことを理解すべきである。さらに、主題が特定の実施形態に関して説明されたが、本開示の精神および範囲内の変形形態が、当業者に生じるであろう。前述の例は、単に説明目的のために提供されたものであり、決して、本開示の限定であると解釈されるべきでないことに留意されたい。
【0033】
本開示は、特定の実施形態に関して本明細書において説明されたが、本開示は、本明細書において開示された特定のものに限定されることを意図しない。むしろ、本開示は、全ての機能的に均等の構造、方法および使用に拡大され、それらは特許請求の範囲内にある。