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  • 特許-吊足場用枠部材 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-01
(45)【発行日】2022-03-09
(54)【発明の名称】吊足場用枠部材
(51)【国際特許分類】
   E04G 3/00 20060101AFI20220302BHJP
【FI】
E04G3/00 Z
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2018130807
(22)【出願日】2018-07-10
(65)【公開番号】P2020007818
(43)【公開日】2020-01-16
【審査請求日】2019-08-06
(73)【特許権者】
【識別番号】000154565
【氏名又は名称】株式会社福田組
(73)【特許権者】
【識別番号】390019688
【氏名又は名称】株式会社シンニッタン
(74)【代理人】
【識別番号】100102761
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 元也
(72)【発明者】
【氏名】八鍬 耕一
(72)【発明者】
【氏名】藤井 伸之
(72)【発明者】
【氏名】小嶋 篤志
(72)【発明者】
【氏名】西脇 健志
(72)【発明者】
【氏名】橋本 諭
(72)【発明者】
【氏名】近藤 祥生
(72)【発明者】
【氏名】江原 収
(72)【発明者】
【氏名】早瀬 信一
【審査官】山口 敦司
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-324312(JP,A)
【文献】特開2015-209741(JP,A)
【文献】特開2018-025060(JP,A)
【文献】特開2014-156719(JP,A)
【文献】特開2003-314054(JP,A)
【文献】実公昭32-003544(JP,Y1)
【文献】特開平11-022187(JP,A)
【文献】登録実用新案第3095170(JP,U)
【文献】特開平08-074415(JP,A)
【文献】特開2000-297528(JP,A)
【文献】特開平08-021081(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04G 3/00
E04G 3/24
E04G 7/20
E04G 7/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
足場踏板を敷設することにより床面を構築する吊足場用枠部材において、枠部材は長辺部を形成する先端フレーム及び円筒状を呈するパイプフレームと、短辺部を形成する2本のサイドフレームと、当該先端フレームと当該パイプフレーム間に架設される根太フレームを備え、当該先端フレームは、断面視縦長矩形状孔が設けられる角筒体が採用され、当該先端フレーム側面には、一定幅を有する溝面が長手方向に沿って連続的に形成され、当該先端フレーム上面には、長手方向に沿って所定の深さのT溝を連続的に設けられると共に、当該サイドフレームには、当該先端フレームとの結合部において円筒部材を突設され、 当該根太フレームには、当該パイプフレームの結合部において円筒部材が配され、各種フレームを結合し全体形状矩形状を呈する枠部材が連結組合せ可能となることを特徴とする吊足場用枠部材。
【請求項2】
前記根太フレームは架設箇所が調節自在となることを特徴とする請求項1に記載された吊足場用枠部材。
【請求項3】
各種フレームが独立した部材として構成されることを特徴とする請求項1乃至請求項2の何れかに記載された吊足場用枠部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、枠部材を連結し所定範囲の足場とし、各枠部材に足場板を敷設することにより床面を構築する吊足場用枠部材に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、吊足場の床面を構築するための枠部材は各種提供されており、例えば、出願人は、実用性に優れた吊足形成部材及び補助具を出願した。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2008-25060公報
【0004】
上記技術は、従来の問題点を解決したものであるが、例えば、吊下部材の吊下げ箇所を決定するに際しては、あらかじめ複数設けられた枠部材長辺部の螺合部材の位置を適宜選択することになる。
【0005】
また、構築された足場に台車走行用のレールなどを配するに際しても、あらかじめ設けられた枠部材長辺部の固定部材を介することになる。
【0006】
また、枠部材の両長辺部間に架設される桟部は長辺部に対し一体的に設けられている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記問題点に鑑みなされたものであって、枠部材にT溝を連続的に設けたフレームを備えることにより、吊下げ部材の吊下げ箇所や台車走行用レールの配置の自由度を高め、かつ、根太フレームの架設箇所を自在とすることにより必要に応じ開口を形成させることが可能となる足場用枠部材を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、請求項1に記載のように、足場踏板を敷設することにより床面を構築する吊足場用枠部材において、枠部材は長辺部を形成する先端フレーム及び円筒状を呈するパイプフレームと、短辺部を形成する2本のサイドフレームと、当該先端フレームと当該パイプフレーム間に架設される根太フレームを備え、当該先端フレームは、断面視縦長矩形状孔が設けられる角筒体が採用され、当該先端フレーム側面には、一定幅を有する溝面が長手方向に沿って連続的に形成され、当該先端フレーム上面には、長手方向に沿って所定の深さのT溝を連続的に設けられると共に、当該サイドフレームには、当該先端フレームとの結合部において円筒部材を突設され、 当該根太フレームには、当該パイプフレームの結合部において円筒部材が配され、各種フレームを結合し全体形状矩形状を呈する枠部材が連結組合せ可能となることを特徴とするものである。
【0009】
【0010】
本発明は、請求項2に記載のように、請求項1に記載される吊足場用枠部材において、前記根太フレームは架設箇所が調節自在となることを特徴とするものである。
【0011】
本発明は、請求項3に記載のように、請求項1乃至請求項2の何れかに記載された吊足場用枠部材において、各種フレームが独立した部材として構成されることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明は請求項1に記載のような構成を採用したことから、吊下げ箇所や台車走行用レールの配置箇所など、いわゆる各種役物が現場の状況に応じ任意に配置することができる吊足場用枠部材を提供することが可能となるものである。
【0013】
本発明は請求項2に記載のような構成を採用したから、敷設する足場踏板を適宜選択することにより足場床面に開口部を設けることができる吊足場用枠部材を提供することが可能となるものである。
【0014】
本発明は請求項3に記載のような構成を採用したから、各種フレームが分離可能な独立部品として構成されるため、一部箇所の破損などに際しても該当フレームの交換や補修により対処可能となり、経済的に資する吊足場用枠部材を提供することが可能となるものである。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の吊足場用枠部材の一実施例を示す斜視図である。
図2】本発明の吊足場用枠部材の一実施例を示す斜視図である。
図3】本発明の吊足場用枠部材の一実施例の分解状態を示す斜視図である。
図4】本発明の吊足場用枠部材を用いた吊足場の一実施例を示す斜視図である。
図5】本発明の吊足場用枠部材を用いた吊足場の一実施例を示す斜視図である。
図6】本発明の吊足場用枠部材における先端フレームの先端面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明に係る吊足場用枠部材に関して図面に基づき詳細に説明する。
【0017】
本発明に係る吊足場用枠部材は、図示のとおり各種フレームを結合し全体形状矩形状を呈し、その基本的構成は、一方の長辺部の先端フレーム1と、他方の長辺部のパイプフレーム2と、両長辺部の両端に架設される2本のサイドフレーム3と、両長辺部間に架設される複数本の根太フレーム4とからなるものである。
【0018】
なお、スタート時やカーブ等で縁を切った時において使用される枠部材は、4点吊りをする必要などから、両長辺部に先端フレームを採用するため、図2に示すとおり、その基本的構成(請求項2)は、両長辺部を形成する2本の先端フレーム1と、両長辺部の両端に架設される2本のサイドフレーム3と、両長辺部間に架設される複数本の根太フレーム4とからなるものである。
【0019】
図1~2の実施例においては、4mの足場踏板を3枚敷設するユニット(4mユニット)であるが、そのほか3mの足場踏板を3枚敷設するユニット(3mユニット)など、枠部材のサイズは適宜設定されるものである。
【0020】
上述のとおり、本発明に係る吊足場用枠部材は、枠部材を連結し作業現場に応じた所定範囲の足場とし、各枠部材に足場踏板Xを敷設することにより床面を構築するものであり、図4に示された態様が本発明を用いた吊足場全体の一実施例となる。
【0021】
かかる実施例においては、4mユニットと3mユニットと4mユニットの各枠部材を使用し、全体の足場幅(長方形状枠部材においては長手方向)10mに構築した吊足場が構築されている。
【0022】
先端フレーム1は、実施例においては、長手方向に一定の断面形状を有する長尺のアルミニウム押出し型材を構成材とし、例えば、断面視縦長矩形状孔が設けられる略角筒体が採用される。
【0023】
先端フレーム1の上面には、長手方向に沿って開口突条部から底部に向かってナット挿通可能な幅広部を有するT溝1Aが連続的に設けられている。
【0024】
吊足場枠部材は上述のとおり、各枠部材を連設させ必要に応じた足場が構築されるものであるため、T溝1Aの利用態様は、単一のフレーム上にとどまらず、複数のフレーム間においても実現可能となる。
【0025】
したがって、本発明における吊足場枠部材は、構成フレームにT溝を連続的に設けたことにより、Tボトルを用いることをもって、単一のフレーム上においては吊足場における吊下げ箇所の自由度などが飛躍的に高まり、また、複数のフレーム間においては各枠部材に亘る台車走行用レールや端部養生のための連結パイプなど各種の役物も現場の状況に応じ自由に配置することが可能となる。
すなわち、図4に示すとおり、T溝1Aを介して、単一の先端フレームの長手方向に沿って複数の吊下げチェーンSが任意の箇所に取り付けられており、複数の先端フレーム(幅方向)には台車走行用レールRが任意の箇所に取り付けられている。
【0026】
先端フレーム1には、各枠部材を連設するために他方の長辺部を形成するパイプフレーム2を固定する単管クランプ1Cが突設されている。
【0027】
また、先端フレーム側面には、各種部材の結合に対応するため、一定幅を有する溝面1Bが長手方向に沿って連続的に形成される。
【0028】
パイプフレーム2は、実施例においては、断面視円形孔が設けられる円筒状を呈している。
【0029】
サイドフレーム3は、先端フレーム1とパイプフレーム2(請求項2においては、両先端フレーム1)の両端に架設されており、枠部材の短辺部を形成する。
【0030】
サイドフレーム3と両長辺部の結合は、ボルト・ナットを介するなど適宜公知の結合方法が採用されるが、先端フレーム1との結合部には、他の枠部材を連設するための円筒状ジョイントピースJが挿入可能となる円筒部材3Aを突設することが想定される。
ジョイントピースJは、円筒体形状を呈しており、左右何れからも挿入可能となるように構成される。
【0031】
根太フレーム4は、先端フレーム1とパイプフレーム2間においてサイドフレーム3と並列的に架設されている。
【0032】
根太フレーム4と両長辺部の結合は、ボルト・ナットを介するなど適宜公知の結合方法が採用されるが、パイプフレーム2との結合部には、円筒状パイプフレームに摺動自在とし架設箇所を容易に選択可能とする円筒部材4Aが配されることが想定される。
【0033】
【0034】
本発明に係る吊足場用枠部材においては、根太フレームを分離可能な構成部材とすることにより架設箇所の自由度が高まることとなる。
【0035】
このように、自在根太フレームを適宜箇所に架設し、併せ枠部材に敷設する各種長さの足場踏板Xを組み合わせることにより、図5に示すような足場床面の任意の位置に開口部Hを設けることが可能となる。図示の実施例においては、4mユニットの枠部材に対し、4mの足場踏板1枚と3mの足場踏板2枚を敷設することにより、長辺1mの開口部を設けることが可能となる。
【0036】
枠部材の組合せにより、構築足場全体の任意箇所にも開口部を設けることが可能となり、図4に示すように構築足場内の障害物Yにも対応可能となる。
【0037】
本発明に係る枠部材は、先端フレーム1、パイプフレーム2、サイドフレーム3、根太フレーム4がそれぞれ独立した部材として構成され、これらのフレームをジョイントピースJなどの結合部材を用いて結合している。したがって、一部箇所の破損などに際しても該当フレームの交換や補修により対処可能となり、経済的に資する吊足場用枠部材を提供することが可能となるものである。
【符号の説明】
【0038】
1 先端フレーム
1A T溝
2 パイプフレーム
3 サイドフレーム
4 根太フレーム
X 足場踏板
H 開口部
図1
図2
図3
図4
図5
図6