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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-01
(45)【発行日】2022-03-09
(54)【発明の名称】化粧品用コンテナ
(51)【国際特許分類】
   A45D 34/04 20060101AFI20220302BHJP
   A46B 7/06 20060101ALI20220302BHJP
   B65D 83/00 20060101ALI20220302BHJP
【FI】
A45D34/04 530
A45D34/04 510C
A45D34/04 555
A45D34/04 520Z
A46B7/06
B65D83/00 J
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2018502397
(86)(22)【出願日】2016-07-20
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2018-08-09
(86)【国際出願番号】 FR2016051871
(87)【国際公開番号】W WO2017013357
(87)【国際公開日】2017-01-26
【審査請求日】2019-07-09
(31)【優先権主張番号】1556913
(32)【優先日】2015-07-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】513021615
【氏名又は名称】シャネル パフューム ボーテ
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100187702
【弁理士】
【氏名又は名称】福地 律生
(74)【代理人】
【識別番号】100162204
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 学
(74)【代理人】
【識別番号】100165995
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 寿人
(72)【発明者】
【氏名】ニコラ カステクス
(72)【発明者】
【氏名】マルク ラシュス
【審査官】新井 浩士
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-198516(JP,A)
【文献】特開2000-166643(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2009-0090022(KR,A)
【文献】米国特許出願公開第2004/0112398(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0037360(US,A1)
【文献】米国特許第2025591(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0143101(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A45D 34/04
A46B 7/06
B65D 83/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
化粧品コンテナ(21)において、
- 外部壁(58)と、
- 前記外部壁と前記化粧品コンテナの主軸(51)の間に延在する内部壁(59)と、
- 前記内部壁(59)と前記外部壁(58)との間に存在している化粧品(43)と、を含んでおり、
前記化粧品コンテナは、その一方の端部に少なくとも1つの開口部(28)を有し、かつ、前記化粧品コンテナの1つ又は複数の開口部(28)を閉鎖するためのバルブ(18)をさらに備えており、前記バルブは、前記バルブを閉鎖位置へ戻すための前記主軸(51)の1つ又は複数の螺旋状バネ板(46)を備えており、
前記バルブは、全体的に円筒形状を有しており、
前記バルブは、ブラシをケースから退出させるための前記ブラシの運動の作用下での摩擦によって前記閉鎖位置から開放位置まで摺動し、
前記螺旋状バネ板は、前記バルブ本体の遠位面に締結された近位端部と、オリフィスの縁部に対して軸方向に押圧する自由遠位端部と、を有することを特徴とする、化粧品コンテナ。
【請求項2】
前記主軸に沿った方向の一方の端部に少なくとも1つの開口部(28)を有する、請求項1に記載の化粧品コンテナ。
【請求項3】
前記主軸へ向けて半径方向に方向づけられており、互いに面する少なくとも2つの開口部(28)を有する、請求項1ないし2の少なくともいずれか1項に記載の化粧品コンテナ。
【請求項4】
前記主軸(51)に向って延在する少なくとも1つの開口部(28)を有する、請求項1ないし3の少なくともいずれか1項に記載の化粧品コンテナ。
【請求項5】
前記化粧品コンテナの開口部(28)に向って化粧品を押すための手段(22、23)を含む、請求項1ないし4の少なくともいずれか1項に記載の化粧品コンテナ。
【請求項6】
前記手段がピストン(22)およびバネ(23)を含む、請求項5に記載の化粧品コンテナ。
【請求項7】
前記バルブが、前記バルブを前記閉鎖位置に戻すための手段(46)を含む、請求項1ないし6の少なくともいずれか1項に記載の化粧品コンテナ。
【請求項8】
請求項1ないし7のいずれか1項に記載の化粧品コンテナを含む化粧品用物品(50;150)。
【請求項9】
前記化粧品コンテナの半径方向外側に配置されたケース(47、48)および、格納位置とこの格納位置の場合よりもアプリケータが前記ケースからさらに外向きに延在している伸長位置との間で前記ケースとの関係において可動でありながら前記ケースに締結されているアプリケータ(11;111)を含み、好ましくは、前記アプリケータが前記主軸(51)に平行な経路に沿って前記格納位置から前記伸長位置まで移動するように配設されている、請求項8に記載の化粧品用物品(50;150)。
【請求項10】
前記ケースの内部で前記アプリケータ(11;111)上に化粧品を送出するための手段(28、45、30)を含む、請求項9に記載の化粧品用物品(50;150)。
【請求項11】
前記アプリケータが、前記格納位置から前記伸長位置まで移動するときに前記アプリケータ(11;111)上に化粧品を送出するように配設された、請求項9または10の少なくともいずれか1項に記載の化粧品用物品(50;150)。
【請求項12】
前記アプリケータ(11;111)は、前記格納位置から前記伸長位置まで移動するときに、前記化粧品コンテナを開放し、この結果、前記化粧品コンテナ(21)の開口部(28)は、前記バルブ(18)の開口部(45)と整列するように、配設された、請求項9ないし11の少なくともいずれか1項に記載の化粧品用物品(50;150)。
【請求項13】
前記アプリケータ(11;111)が、前記伸長位置に到達したときに前記化粧品コンテナが閉鎖されるように配設された、請求項9ないし12の少なくともいずれか1項に記載の化粧品用物品(50;150)。
【請求項14】
前記アプリケータ(11;111)上に既定量の化粧品を送出することのできる、請求項9ないし13の少なくともいずれか1項に記載の化粧品用物品(50;150)。
【請求項15】
前記アプリケータ(11;111)が突起(3)を含み、前記アプリケータが前記格納位置から前記伸長位置へ移動するときに、前記突起の一端部が前記化粧品コンテナ(21)の開口部(28)を通過し、前記突起の1つの端部上に専ら化粧品を送出することのできる、請求項9ないし14の少なくともいずれか1項に記載の化粧品用物品(50;150)。
【請求項16】
前記アプリケータが前記格納位置から前記伸長位置へ移動し、前記突起の一部分だけが前記化粧品コンテナ(21)の開口部(28)を通過するときに、前記突起のいくつかのみに対面してまたは前記突起のいくつかのみの上で前記アプリケータ(11;111)上に化粧品を送出するように配設された、請求項15に記載の化粧品用物品(50;150)。
【請求項17】
前記アプリケータが、前記化粧品コンテナの半径方向内側に配置された、本体(1、2)および、前記格納位置と前記格納位置の場合よりも突起が前記本体からさらに外向きに延在している前記伸長位置との間で前記本体との関係において可動的に組付けられている突起(3)を含み、前記アプリケータは好ましくは、前記突起の自由端部が、前記格納位置から前記伸長位置まで前記主軸(51)に対して横断方向の経路をたどるように配設されている、請求項9ないし16の少なくともいずれか1項に記載の化粧品用物品(50)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化粧品用物品に関する。
【背景技術】
【0002】
米国特許出願第2010/0065080号は、ペンタイプ構成をもつマスカラ塗布用の物品を開示している。したがって、この物品は、細長いケースおよび、マスカラコンテナ内に浸漬されている格納位置とメイクアップを可能にする伸長位置を占有するために該ケースとの関係において摺動的に組付けられたアプリケータを含む。
【0003】
この構成の利点は、ブラシがキャップ上に組付けられこのキャップがコンテナ上にネジ込まれていてユーザがキャップのネジを緩めブラシにアクセスするのに両手を用いなければならない従来の物品と比べ、メイクアップを行うのに片手だけでこの物品を使用できるという点にある。
【0004】
しかしながら、アプリケータは格納位置においてコンテナの内部で製品中に浸漬されているため、アプリケータは大量の製品がロードされた状態でケースから退出し、この製品の大部分、特にアプリケータの中心近くの製品はメイクアップのために使用されない。
【0005】
さらに、この製品は空気と接触状態にあるため、より急速に乾燥する傾向があり、このことが物品の寿命を短縮させる。
【0006】
コンテナ内での浸漬は別の問題、すなわち、同様に製品をより急速に乾燥させる傾向をもちコンテナ内部の製品の寿命を短縮させる、コンテナ内への空気の進入の問題を提起する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、化粧品用物品を改良することにある。
【0008】
したがって本発明は、化粧品用コンテナにおいて、
- 外部壁と、
- 外部壁とコンテナの主軸の間に延在する内部壁と、
- 外部壁に面する内部壁の表面の側に専ら存在している化粧品と、
を含む化粧品用コンテナに関する。
【0009】
こうして、このコンテナが化粧品用物品中で使用される場合、コンテナ内部の製品は、物品アプリケータと接触状態にない。詳細には、製品とアプリケータは、物品が使用されていない場合、接触していない。したがって、アプリケータは製品の中に浸漬されておらず、したがって、使用されるときに過剰に製品がロードされていることはない。さらに、アプリケータに製品を供給するためにコンテナが使用される場合を除いて、コンテナを外気から隔離するのは極めて容易である。
【0010】
本発明は、ペンタイプの化粧品用物品に特に有利であるが、このような構成に限定されない。したがって、本発明のコンテナは、コンテナを含むケースの主要な部分を閉鎖するために使用されるキャップに対してロッドを用いてアプリケータが剛性締結されている従来の構成を有する物品のためにも使用可能であると考えられる。
【0011】
有利には、コンテナは一方の端部に少なくとも1つの開口部を有する。
【0012】
この開口部は、製品がコンテナから退出し、この開口部の反対側にあると考えられるアプリケータにロードすることを可能にする。
【0013】
好ましくは、コンテナは、互いに面する少なくとも2つの開口部を有する。
【0014】
こうして、アプリケータの少なくとも2つの相対する側に製品をロードすることが可能である。
【0015】
より好ましくは、コンテナは、軸の方向に延在する少なくとも1つの開口部を有する。
【0016】
この構成は、アプリケータがこの軸によりキャッチされる中央配設にある場合に、このアプリケータ上に製品を送出するために特に有利である。
【0017】
コンテナは、コンテナの開口部に向って製品を押すための手段を含むことができると考えられる。
【0018】
これらの手段は、製品がコンテナから退出できるようにする。
【0019】
有利には、これらの手段は、ピストンおよび好ましくはバネを含む。
【0020】
このピストンは、少なくとも1つの開口部が開放している場合に製品がコンテナから退出するのに充分な圧力を製品に対し加えることを可能にする。
【0021】
好ましくは、コンテナはさらに、コンテナの1つ以上の開口部を閉鎖するためのバルブを含む。
【0022】
こうして、このバルブは、コンテナを閉鎖する位置にある場合、製品が退出するのを妨げ、コンテナの中味を外気から隔離し、こうして特に乾燥を制限することでその物性を維持する。
【0023】
バルブは、バルブを閉鎖位置に戻すための手段を含むことができると考えられる。
【0024】
特に、こうしてバルブは、ロードすべきアプリケータがひとたび開口部の前を通過した時点でコンテナの開口部を自動的に再び閉じることができるようになる。例えば、これらの戻し手段は1つ以上の戻しバネ板を含んでいてよい。
【0025】
本発明は、同様に、本発明に係るコンテナを含む化粧品用物品にも関する。
【0026】
物品は、ケースおよび、格納位置とこの格納位置の場合よりもアプリケータがケースからさらに外向きに延在している伸長位置との間でケースとの関係において可動でありながらケースに締結されているアプリケータを含むことができると考えられる。
【0027】
好ましくは、この物品は、アプリケータが軸に平行な経路に沿って格納位置から伸長位置まで移動するように配設されている。
【0028】
有利には、該物品は、ケースの内部でアプリケータ上に製品を送出するための手段を含む。
【0029】
こうして、コンテナの開放が関与するこの送出は、その中身を周囲環境に過度に曝露することなく発生し、これらによってさらに製品の物性が維持されることになる。
【0030】
該物品は、アプリケータが格納位置から伸長位置まで移動する場合にアプリケータ上に製品を送出するように配設され得ると考えられる。
【0031】
一実施形態において、該物品は、アプリケータが、格納位置から伸長位置まで移動するときにコンテナを開放するように配設されている。
【0032】
有利には、該物品は、アプリケータが伸長位置に到達したときにコンテナが閉鎖されるように配設されている。
【0033】
この特徴は同様に、外気に対するコンテナの中身の曝露を制限し、製品の物性を維持する。
【0034】
好ましくは、該物品は、アプリケータ上に既定量の製品を送出することができる。
【0035】
アプリケータは、突起(3)を含み得ると考えられ、該物品は、突起の1つの端部上に専ら製品を送出することができる。
【0036】
したがって、目的は、メイクアップの成果を得るために必要とされる精確な量に、送出される製品の量を制限することにある。
【0037】
一実施形態において、該物品は、突起のいくつかのみに対面してまたは突起のいくつかのみの上でアプリケータ上に製品を送出するように配設されている。
【0038】
これらの条件の下で、最初の突起の上に存在する製品は、メイクアップのためにアプリケータが使用されるときに、他の突起に対して部分的に移送される。これらの特徴も同様に、特に塊の無い優れたメイクアップの成果を得るのに必要とされる精確な量の使用に有利に作用する。
【0039】
好ましくは、コンテナは物品内に取外し可能な形で組付けられている。
【0040】
こうして、コンテナが空であるかまたはもはや満足のいく形で使用され得ない場合、このコンテナを容易に新しいコンテナと交換することができる。別の解決法は、同じコンテナに製品を再装填することからなる。
【0041】
有利には、アプリケータは、本体および、格納位置とこの格納位置の場合よりも突起が本体からさらに外向きに延在している伸長位置との間で本体との関係において可動的に組付けられている突起を含み、アプリケータは好ましくは、突起の自由端部が格納位置から伸長位置まで軸に対して横断方向の経路をたどるように配設されている。
【0042】
各々の自由端部は、アプリケータの長手方向軸に実質的に直交する経路をたどることができると考えられる。
【0043】
経路と長手方向軸によって形成される角度は同様に、60°~120°であることができると考えられる。
【0044】
コンテナは、例えば突起が格納位置にあるときにアプリケータを製品でコーティングすることができるようにするため、このタイプのアプリケータに極めて好適である。
【0045】
本発明の他の特徴および利点は、非限定的な例として示されている2つの実施形態についての以下の説明を読み、図面を参照した時点で明確になるものである。
【図面の簡単な説明】
【0046】
図1】本発明の一実施形態に係る化粧品用物品の斜視図である。
図2A】毛がアプリケータ本体内に格納された状態にある構成における図1の物品のアプリケータの斜視図である。
図2B】毛が本体から外向きに突出した状態にある構成における図1の物品のアプリケータの斜視図である。
図3A図2Aのアプリケータの軸方向断面図である。
図3B図2Bのアプリケータの軸方向断面図である。
図4A】アプリケータの一段階の分解組立図である。
図4B】毛がアプリケータ本体から外向きに突出した状態にある形態におけるこの段階の図である。
図4C】毛が本体内に格納された状態にある形態におけるこの段階の図である。
図5A】アプリケータの分解組立図である。
図5B】アプリケータおよび物品の内部部品の斜視図である。
図5C】アプリケータおよび物品の内部部品の斜視図である。
図6】物品の内部チューブおよびバルブならびに出口ノズルを示す。
図7】バルブの立面図である。
図8】ケースに進入するおよびケースから離れるアプリケータの運動ならびにアプリケータに進入するおよびアプリケータから離れる毛の運動を制御するためのサブアセンブリの分解組立図である。
図9】物品の内部チューブの軸方向断面図を示す。
図10】制御サブアセンブリが中に位置付けされるチューブの軸方向断面図である。
図11A】アプリケータがケース内に完全に延在し毛が格納されている位置にある物品を示す。
図11B】アプリケータがケースから外向きに延在し毛が格納されている位置にある物品を示す。
図11C】アプリケータがケースから外向きに延在し毛のいくつかがアプリケータ本体から外向きに突出している位置にある物品を示す。
図12A】先の図のアプリケータをより大きい縮尺で示す。
図12B】先の図のアプリケータをより大きい縮尺で示す。
図12C】先の図のアプリケータをより大きい縮尺で示す。
図13】本発明の第2の実施形態に係る化粧品用物品の断面図である。
図14】この物品のブラシの図である。
【発明を実施するための形態】
【0047】
ここで、図1~12Cを参照しながら、本発明に係る物品50の一実施形態について説明する。化粧品はこの場合、まつげのメイクアップ用マスカラである。
【0048】
物品50は、「ペンタイプの」ケースを含む。この物品は、軸51を有しこの軸を中心にして対称である全体として細長い形状を有する。ケースは、軸51に直交する平面内で円形の横断面を有する全体として円筒形状の外部面52を有する。
【0049】
ケースは、外側に、軸51を中心として同軸的に互いとの関係において回転可動的に組付けられている。本書の残りの部分においては、便宜上、部品48を固定部品と呼び部品47を可動部品と呼ぶ。
【0050】
ブラシ
図2A~2Dは、該物品のマスカラアプリケータ11を示す。この場合、このアプリケータはブラシである。
【0051】
ブラシは、軸51に対し直交する平面内で円形の横断面を伴う円筒形状の外部面を有する本体1を含む。本体は、細長い支持体1および、互いに同一で支持体と同軸的に積み重ねられて支持体をその一方の端部において伸長させるディスク2を含む。この場合、ディスク2は26個存在し、当然のことながら、この数は限定されない。本体は同様に、支持体の反対側のその一方の端部においてディスクのスタックを終結するキャップ5を含む。したがって本体の外部面は、支持体1、ディスク2およびキャップ5の外部面によって形成される。
【0052】
ブラシは、この場合柔軟な毛3である突起を含む。ただし、比較的剛性の歯またはピンも使用可能である。
【0053】
ブラシは、毛3が本体1の外部面から突出することなく完全に本体1の内部に延在している構成および、毛がこの面から突出している構成を有する。
【0054】
図4A~4Cは、連続する任意の2つのディスク2におけるアプリケータの一区分を詳細に示す。
【0055】
ディスク2は互いに嵌合される。したがって、各ディスクはその面の1つの上にスタッド14、この場合には4本のスタッドを含み、その反対側の面には、一連のディスク内の後続する隣接ディスクのそれぞれのスタッドを収容するための同数のキャビティを含む。こうして、ディスクは互いとの関係において精確に位置付けされ固定され、軸を中心にして互いとの関係において旋回することまたはこの軸と直交する方向で互いとの関係において摺動することが妨げられている。積み重ねられたディスクは、さまざまな手段によってリンクされてよい。この場合、ディスクは、接触状態にあるそれらの面によって互いに接着されている。同じことは、接触状態にある面によって互いに接着されているキャップ5についておよびスタックの最初のディスクに接着されている支持体1についてもあてはまる。したがって、これにより、本体を形成する剛性アセンブリが作り出される。
【0056】
ディスク2は、2つの隣接するディスクがその界面において、この場合8個であるセル37を画定するように構成される。各セルは、この場合、主軸51に直交して配向された軸53を有する円錐台形状を有する。円錐台のより幅広の横断面は、本体の外部面に位置する。各セル37は、その軸53に直交する平面内で円形の横断面を有する。セルは、軸51を中心にして半径方向に配設され、この軸を中心にして規則的に分布させられる。各セルの半分はディスクの1つによって形成され、もう一方の半分はもう一方のディスクにより形成される。したがって、ディスクのうちの1つのディスクの各面は、半径方向の半錐台形の陥凹を有する。
【0057】
ディスクの脆弱化を回避するため、各ディスクの一方の面の陥凹は、他方の面の陥凹との関係において軸51を中心にして角度的にオフセットされている。そうでなければ、実際、ディスクの厚みは、陥凹の底面において極めて小さくなると考えられる。「クラウン」なる用語は、軸51に直交する所与の平面内に延在するセル群を表わす。各ディスクの陥凹の角度的オフセットは、2つの連続するセルクラウン内のセルの角度的オフセットを決定する。各クラウン内のセルの数を考慮すると、このオフセットはこの場合、16分の1回転である。
【0058】
ディスクは、セル37が内部に向って開放する陥凹をその中心に有する。
【0059】
この実施形態においては、各セル37が1本のみの毛3を収容し、こうして等しい数の毛およびセルが存在するようなっている。こうしてセル37と同様に、毛3は、軸51に直交する所与の平面と結び付けられた8本の毛を含むクラウンを形成する。
【0060】
毛は軸51の周り全体に延在し、いくつかは軸の両側で直径方向に相対していることが分かる。毛は、軸に対し平行な行を形成する。行は、軸を中心にして規則的に分布させられ、毛は各行内で規則的に離隔されている。
【0061】
この実施形態において、各毛の隆起部は、特に図4Aに示されているように、ビード13の形を有する。この場合、ビードは、毛の自由端部の方に向けられたビードの側に平担な面を有する。ビードは、毛の中間部分に延在し、したがって、その各々の端部から一定の距離を置いたところにある。
【0062】
この例においては、各クラウンの毛3は1つの群を形成し、この群中で毛は、この場合毛の内側端部によって互いに付着されている。したがって、この群には、特に図4Aに示された星形構成が付与される。図4A~4Cに示されているように、毛がそれぞれのセル内に収納されるように、このタイプの毛の群が2つの連続するディスクの間に介在させられる。
【0063】
毛は、マスカラアプリケータブラシを製造するために一般に使用される任意の材料で作製され得る。所与の突起群の毛は、異なる材料で作製され得る。さらに、異なる段に位置する毛は、必ずしも同じ組成を有するわけではない。
【0064】
各々の毛群は、毛が取付けられる中央リング12を含む。この物品は、アクチュエータを形成する直線ロッド4を含む。リング12はその中心に開口部15を有し、こうしてアクチュエータ4が各リング内を進むことができるようにしている。全てのリングはこうして、アクチュエータ上を通り抜け、軸の方向に沿って互いに対し当接した状態にある。こうして、アプリケータの所与の段の毛の群10の中央部分12は、より上位および/またはより下位の段の毛の群の中央部分と接触状態にあり、こうして、以下で見て行くように、格納位置または突出位置に来ることになる。アクチュエータ4はその自由端部に、アクチュエータ上でリングを軸方向にブロックするための部材40を含む。
【0065】
アクチュエータ4は、アプリケータの毛が格納位置から伸長位置までおよびその逆に移動できるように、軸の方向に沿って本体1内に摺動的に組付けられている。アクチュエータ4は、余剰厚み部分8を含み、支持体1は、格納位置と結び付けられた本体内のアクチュエータの運動行程の限界を決定するためにこの余剰厚み部分と協働するように適応された肩部41を含む。他方の方向へのアクチュエータの行程を限定するための配設が、さらに提供される。
【0066】
特に図2Aおよび3Aに示されている格納位置において、毛は完全に本体1内に延在する。特に図2Bおよび3Bに示された伸長位置においては、毛3は、各毛の長さの大部分にわたり、軸51に対する半径方向を基準として本体から外向きに突出する。したがって、ここでは、毛の各々の自由端部が格納位置から伸長位置までアプリケータの長手方向軸51を横断する横方向の経路をたどるような形でアプリケータが配設されることが分かる。
【0067】
毛を格納位置から伸長位置まで移動させるためには、アクチュエータ4は、その長手方向軸に沿って、図1に示された方向Tで、線形並進運動を受ける。反対の変更を行なうためには、アクチュエータは、方向Sでその長手方向軸に沿って線形並進運動を受ける。
【0068】
格納位置で、ビード13は、本体内において本体の外部面から明らかにセットバックした状態にある。この実施形態において、毛の自由端部は、この面と同一平面内にある。したがって全体としてスリーブ形状の自由容積が、ビードの上方かつ毛の周りでセル内に創出される。この自由容積は、以下で見て行くように、メイクアップ製品がロードされるように意図されている。
【0069】
例えば図4Bに例示された伸長位置において、ビードは本体の面から突出する。したがって、ビードの上方のセルの容積を満たしていたメイクアップ製品体積は、全体的に除去され、今や完全に本体の外側にある。伸長位置で、各群の毛は、図4Aに例示されているように、その全てが軸51に直交する同一の平面内に存在する。こうして、アクチュエータの端部は、キャップの中央陥凹38内に収納される。
【0070】
格納位置では、毛は、2つの屈曲を伴う「S字形」を有する。このことは、毛が格納位置にある場合そのセルから退出している必要がなく、ケース内にアプリケータを保管するために必要とされる空間が削減されるという利点を提供する。この目的で、ディスクの中央空間は、軸51に対して平行である毛の内部端部部分を収容するのに充分な大きさを有するように設計される。
【0071】
機構
ここで、ブラシ11の本体1からの毛3の退出およびケースからのブラシの退出を制御するための機構について説明する。この機構は、制御サブアセンブリ36を含む。制御サブアセンブリは、特に、ガイド20、プッシャ25、バネ27、ブラシ出し入れ用バレル26およびニードル9を含む。
【0072】
アクチュエータ4の遠位端部区分が毛に剛性連結されていることを見てきた。アクチュエータのもう一方の近位端部は、特に図5Cに例示されているように、制御サブアセンブリ36の中央直線ニードル9の遠位端部に剛性締結されている。
【0073】
ニードル9は、図10に示されている通り、その近位端部により中空円筒形プッシャ25の遠位端部に剛性連結されている。この連結は、例えば螺合によって行なうことができる。
【0074】
したがって、こうして共に剛性連結され全てケースとの関係において軸51に沿って摺動する複数の部品、すなわちプッシャ25、ニードル9およびアクチュエータ4の集合体が形成される。
【0075】
サブアセンブリはさらに、第1にケースとの関係において、第2に、螺入されるニードル9との関係において、軸51に沿って摺動する形で組付けられた中空で全体的に円筒形の部品によって形成されたバレル26を含む。
【0076】
バレル26とプッシャ25の間で軸方向にバネ27が挿入され、ニードル9に螺入される。このバネは、その遠位端部でバレル26の近位端部の肩部に対して、そしてその近位端部でプッシャ25の遠位端部に対して当接している。
【0077】
機構は、同様に全体的に円筒形状の中空部品によって形成されたガイド20も含んでいる。この部品はその遠位端部で開放している。この部品は同様に、軸51に対して平行で互いに対面して延在する2つの細長い側方スロット54を有するように開放している。この部品は、ケースの可動部分47に対し、剛性締結される。その結果、部分47が操作された場合、ガイド20も操作される。
【0078】
プッシャ25は、その近位端部に、ガイドのスロット54内に収容されスロット内で摺動してガイドとの関係においてプッシャを誘導するように適応された2つの隆起部35を含む。
【0079】
この制御サブアセンブリは、図9および図10に示されているように、チューブ19の内部に配設される。図9に示されているチューブは、ガイド20に位置する近位端部を有し、ケースの遠位端部にあるその遠位端部がアプリケータの退出用のオリフィス17を有している円筒形のチューブである。
【0080】
ガイドの近くに位置するチューブの一部分の内側において、チューブは、チューブの内部に溝を形成する2重らせんネジ山33を有する。ネジ山は、2つの異なるピッチで軸51に沿って2つの連続する区分55、56を有する。こうして、チューブの近位端部から出発する第1の区分は、第1のピッチを有し、第2の区分は、第1のピッチよりも小さい第2のピッチを有する。プッシャの隆起部35は、その表面から突出するスタッド42を有する。これらのスタッドは、チューブ19の2重ネジ山33の2つの連続する区分55、56を通過するように適応されている。
【0081】
チューブ19は、バレル26の近位端部38のためのストッパを形成する内部環状隆起部29を、チューブの中間部分内に有する。
【0082】
チューブ19は、少なくとも1つの開口部、好ましくは、退出オリフィス17の近くのその遠位端部に位置する2つの半径方向開口部30を有する。2つの開口部は、軸のいずれの側でも互いに直径方向に相対している。
【0083】
チューブの遠位端部部分は、チューブの残りの部分の中の横断面に比べて大きい漏斗状の横断面を有する。このより大きな横断面によって、バルブ18の位置付けが可能になる。
【0084】
図11A~12Cに示されているように、チューブ19は、ケース内に配設されている。チューブの周りに残っている環状周辺空間は、マスカラコンテナ21により占有されている。
【0085】
コンテナ
したがって、マスカラコンテナ21またはカートリッジは、円形環状横断面を伴う円筒形のスリーブの形状を有する。このコンテナは、同軸である外部壁58と内部壁59とを含む。マスカラ43は、これら2つの壁と内部壁の外部面60の側の間に専ら位置している。この側は、コンテナ内に全く製品が存在しない場合、外部壁の内部面と対面している。コンテナは、ケースの固定部分48に、剛性締結されている。
【0086】
以下で見て行くように、ブラシ11は、コンテナ内の製品43と接触状態になく、ブラシが使用されない場合には製品内に延在していない。
【0087】
この場合、コンテナ21は、退出オリフィス17に近いコンテナの遠位端部に位置する2つの開口部28を有する。これらの開口部は、内部チューブの2つの類似の開口部30と整列させられる。これらの開口部は、半径方向で軸51の方を向いている。
【0088】
マスカラは、複数の方法でコンテナから退出することができる。この場合、マスカラは、コンテナの少なくとも1つの開口部が開放された場合に圧力によりこの開口部を通ってマスカラが退出させられるように、コンテナの内部で加圧下に保たれる。
【0089】
この場合、図11A~13に示されているように、マスカラは、ピストン22およびバネ33機構によってコンテナ内で加圧下に保たれる。バネおよびピストンは、それらを収納するコンテナの形状と類似の環状形状を有する。ピストン22は、コンテナの壁と接触状態にある。ピストンは軸51の方向に沿ってコンテナの内部を摺動することができる。バネ23は、その遠位端部でピストンに対し、そしてその近位端部でコンテナの近位端部に対し押圧する。コンテナのマスカラが排出されるにつれて、ピストンはバネの作用下でコンテナの遠位端部に向って移動する。
【0090】
装置はさらに、特に図7で示されているバルブ18を含む。このバルブは、全体的に円筒形の形状を有し、その側壁に位置する少なくとも1つ、好ましくは複数の半径方向開口部45を有する。このバルブはチューブ19との関係において摺動的に組付けられ、その漏斗状の区分の中に収納されている。バルブは、その中央に、ブラシ11が横断するように適応された軸51の円筒形ハウジングを有する。
【0091】
バルブは、近位位置から遠位位置まで移動することができる。バルブ18の近位位置は、バルブ開口部45がコンテナ21およびチューブ19の開口部と整列していない閉鎖位置である。遠位位置は、バルブ開口部がコンテナおよびチューブの開口部と整列している開放位置である。
【0092】
バルブは、バルブを近位位置に戻すための軸51の1つ以上の螺旋状バネ板46を有する。バネ板は、バルブ本体の遠位面に締結された近位端部と、オリフィス17の縁部に対し軸方向に押圧する自由遠位端部とを有する。したがって、これらのバネ板は、ひとたびマスカラアプリケータがケースから外に出た時点で、コンテナからのマスカラの分配を停止させる。
【0093】
バルブは、ブラシをケースから退出させるためのブラシの運動の作用下で摩擦により、閉鎖位置から開放位置まで摺動する。反対方向への摺動は、戻りバネ板の作用下で発生する。
【0094】
動作
アプリケータは以下のように動作する。
【0095】
物品が図1および11Aの構成にあり、ブラシ11が完全にケースの内部に存在し、格納位置にあり、その毛3は、完全に本体1の内部にある、したがって格納位置にある、ということが仮定される。
【0096】
可動部分47、ひいてはガイド20は、軸51を中心にして固定部分48との関係において回転させられる。
【0097】
このとき、プッシャを誘導するための隆起部35のスタッド42は、チューブ19のネジ山33の第1の近位区分内を走行する。これらの隆起部は、ガイド20のスロット54内で回転がブロックされていることから、プッシャ25は、方向Tで軸51の方向に沿って摺動する。
【0098】
プッシャ25は、摺動するにつれて、バネ27の作用下で、バネ27、バレル26、ニードル9、アクチュエータ4およびブラシ11を同伴する。図11Bに示されているように、この摺動によってアプリケータは、ケース本体から退出させられる。今や全てのブラシディスクがケースの外にある。摺動は、バレル26の近位端部38がチューブ19の肩部29に対し軸方向に当接するまで続く。
【0099】
アプリケータが退出するまでの運動中、ブラシ11は、摩擦によって、バルブの中を進むブラシの本体と接触状態にあるバルブ18の摺動をひき起こし、こうしてバルブは、閉鎖位置から開放位置まで移動する。したがってこれにより、コンテナ21、チューブ19およびバルブ18の開口部28、30、45は整列する。
【0100】
バネ・ピストン機構により及ぼされた圧力の作用下で、マスカラは、2つの開口部28を通ってコンテナから退出し、チューブおよびバルブの中を進み、ブラシのセル37のいくつかの自由容積内に展延する。これらのセルは、ブラシが開口部の前を移動するときに製品の流れに曝露されるセルである。他のセルには、製品は装填されない。
【0101】
当接後、ユーザがケースの可動部分を回転させ続けることが分かっているため、プッシャ25は、チューブ19のネジ山の第2の遠位区分を通って現在走行しているプッシャを誘導するため、隆起部35のスタッドをT方向に摺動させ続ける。したがって、この摺動は、バネ27を圧縮しながら発生する。プッシャは軸に沿ってニードル9およびアクチュエータ4を駆動し、こうして毛3を、アプリケータ本体の内部の格納位置から、図11Cに示されているようにアプリケータ本体から外向きに突出する伸長位置まで移動させる。
【0102】
この動作中、バネ27は運動の第1の部分の間、すなわちバレル26がチューブの肩部29に対し当接するまでは圧縮されない、という点に留意されたい。運動のこの第1の部分は、隆起部のスタッドがチューブのネジ山33の第1の部分(より大きなピッチを伴う部分)を通って走行している部分に対応する。運動のこの第1の部分は、アプリケータ本体からのブラシの退出に対応する。
【0103】
次に、バネ27は、隆起部のスタッドがチューブのネジ山33の第2の区分内を走行するにつれて発生する運動の第2の部分において圧縮され、こうしてアプリケータの毛はアプリケータの本体から退出できるようになる。
【0104】
毛が退出するにつれて、製品がロードされたセルと結び付けられた毛は、そのビードと共に、当初セル内に装填されたマスカラを運ぶ。したがって、マスカラがロードされるのは、毛の全長ではなく毛の自由端部部分である。特に、ビードとブラシ本体の間に延在するブラシの部分は、マスカラがロードされていないか、または非常に少量しかロードされていない。したがって、ブラシには、メイクアップに必要とされる精確な量のマスカラがロードされる。
【0105】
この実施形態において、チューブ19の開口部およびコンテナの開口部は、それらの周囲の一部分のみの周りに延在する。このことはすなわち、ブラシが通過するにつれて、セル37のいくつかだけにマスカラが装填され、この時点で一部のセルは装填されない、ということを意味している。これは、本発明の好ましい実施形態を表わす。したがって、マスカラがロードされていない毛は、マスカラがロードされた毛によりまつげ上に被着されたマスカラを展延させることができる。当初マスカラがロードされなかった毛は、まつ毛に沿ってより効率良くマスカラを展延させる。まつげをメイクアップする場合、マスカラは当初ロードされた毛からまつげへと移送されると同時に、当初ロードされていない毛へも移送され次にこれらの毛からまつげへと移送される。通常、メイクアップ後には最少量のマスカラしかブラシに残留しない。
【0106】
詳細には、ブラシには、ケースから完全に退出する前と同様、毛がブラシ本体から退出する前に、マスカラがロードされるということが分かる。これらの特徴の各々が、独自の利点を有する。ケースから退出する前にブラシにロードすることによって、コンテナ内の製品が直接外気と接触することが防がれ、こうして乾燥のリスクは削減される。毛が退出する前にセル内でブラシにロードすることで、ブラシ上に被着されるべき製品の量は減少する。
【0107】
ブラシ上にロードされるマスカラの量は、セルの自由容積ひいてはブラシおよび毛の構成に大幅に依存している。
【0108】
図13および14に例示されている第2の実施形態において、物品150は、従来のマスカラアプリケータ、例えば毛が格納可能でないアプリケータを含む。この場合、アプリケータは、2本の金属撚線の間に捕捉された毛3を含む綿棒タイプのブラシ111である。このようなアプリケータは、それがケースの内部に完全に延在する位置を占有してよく、その場合、その中央部分においてケース内部で利用可能な直径は、毛が伸長された状態のアプリケータの直径よりも小さいことから、毛は自らの上に屈曲させられる。このようなアプリケータは、このとき、先に示された通り、主軸に沿って長手方向でT方向に摺動することができる。
【0109】
アプリケータは、バルブを通って移行するにつれて、バルブを開放位置に移動させ、こうしてブラシにマスカラをロードできるようにする。
【0110】
したがって、ブラシ本体から外向きに毛を伸長させる運動が発生せず、機構の対応する部品が欠如しているという点を除いて、動作は先の実施形態について説明したものと同一である。
【0111】
代替的には、使用されるバルブ18は、先に説明したものと異なっていてよい。したがって、近位端部の一部分にわたるバルブの直径は、バルブの公称直径よりも小さい。アプリケータの直径は、バルブの公称直径以下であり、バルブの縮小直径よりも大きい。こうして、アプリケータの突起はバルブの縮小部分に粘着し、アプリケータの本体が物品から退出するにつれてこの本体に沿って横たわり、こうしてバルブを退出オリフィス17に向って駆動し、こうしてバルブ18のオリフィス45は管19および化粧品用コンテナ21のオリフィス30および28と整列することになる。これらのオリフィスを整列させることで、コンテナ内に保管された製品43は退出することができるようになる。突起がひとたび小径を有するバルブの部分を通過したならば、これらの突起は起立し、そのうちいくつかはバルブのオリフィスの反対側に来て、その端部に製品がロードされる。アプリケータがひとたび物品本体から外向きに伸長したならば、バルブの戻りバネ板46はバルブを軸51に沿ってS方向に駆動し、こうしてバルブ、管およびコンテナのオリフィスはもはや整列しなくなり、このため、化粧品の分配を終了する。
【0112】
当然のことながら、本発明の範囲から逸脱することなく、多くの修正を加えることが可能である。
【0113】
例えば、ケースの構成を修正することが可能であると考えられる。例えば、取外し可能なキャップを含むケースを用いて本発明を実施することができると考えられる。この場合、アプリケータはキャップに対し永続的に締結され得ると考えられる。
【0114】
セルの各リングは、上述のものと異なる数のセルを含むことができると考えられる。同じことは、各々の毛群にもあてはまる可能性がある。
【0115】
アプリケータは必ずしもブラシであるとは限らない。アプリケータは、フロック加工されたアプリケータまたは櫛であってもよい。
【0116】
突起は毛ではなく、むしろ歯またはピンで形成され得ると考えられる。
【0117】
物品の多くの特徴を互いに独立して実施することができる。詳細には:
- 格納位置と、この格納位置の場合よりもアプリケータの突起がアプリケータの本体からさらに外向きに延在している伸長位置との間での、アプリケータの突起の可動な組立、
- 製品が、外部壁に面する内部壁の表面の側に専ら存在している、外部壁および内部壁を伴うコンテナの構成、および
- 格納位置と、この格納位置の場合よりもアプリケータがケースからさらに外向きに延在している伸長位置との間での、ケースとの関係におけるアプリケータの可動な組立、
という3つの態様を互いに独立して実施することが可能であると考えられる。
【0118】
ピストンをコンテナ内に戻すためのバネ23を、別の戻し部材で置換することができる。
【0119】
コンテナは、バルブ以外の閉鎖部材により閉鎖され得る。例えば、コンテナの口に取外し可能な栓を備えることができる。
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図4A
図4B
図4C
図5A
図5B
図5C
図6
図7
図8
図9-10】
図11A
図11B
図11C
図12A
図12B
図12C
図13
図14