(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-01
(45)【発行日】2022-03-09
(54)【発明の名称】モジュール式光ファイバトレイ
(51)【国際特許分類】
G02B 6/46 20060101AFI20220302BHJP
【FI】
G02B6/46
(21)【出願番号】P 2018567801
(86)(22)【出願日】2017-06-22
(86)【国際出願番号】 US2017038720
(87)【国際公開番号】W WO2018005222
(87)【国際公開日】2018-01-04
【審査請求日】2020-06-01
(32)【優先日】2016-06-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2017-06-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】507202736
【氏名又は名称】パンドウィット・コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】トーマス・エム・セドール
(72)【発明者】
【氏名】ジェリー・エー・ウィルトジャー
(72)【発明者】
【氏名】ロバート・エー・リード
(72)【発明者】
【氏名】ジョセフ・イー・サンダース
(72)【発明者】
【氏名】ジョエル・ディー・クワズニー
(72)【発明者】
【氏名】ボン・ビー・スレドジンスキー
【審査官】井部 紗代子
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/033580(WO,A1)
【文献】特表2012-530955(JP,A)
【文献】特開2004-118091(JP,A)
【文献】特開2000-287345(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0268435(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 6/00 - 6/02
G02B 6/245- 6/25
G02B 6/46 - 6/54
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光ファイバ機器を支持するためのトレイであって、
第1の側の端部、第2の側の端部、前側端部、後側端部及び中間部を有するトレイ本体であって、前記トレイ本体の前記中間部が複数の切り抜き形状を有する、前記トレイ本体を備え、
前記第1の側の端部は第1のレールに固定されるように構成され、
前記第2の側の端部は第2のレールに固定されるように構成され、
前記複数の切り抜き形状は、第3のレールの装着形状と係合して、前記第3のレールが複数の位置において前記トレイ本体に着脱可能に固定されるように構成される、前記トレイ。
【請求項2】
前記複数の切り抜き形状が、前記トレイ本体の前記中間部における第1の少なくとも2つの切り抜きの組として構成される、請求項1に記載のトレイ。
【請求項3】
前記トレイ本体の前記中間部における前記第1の少なくとも2つの切り抜きの組が、前記第1の側の端部と平行な線上に配置される、請求項2に記載のトレイ。
【請求項4】
前記第1の少なくとも2つの切り抜きの組が前記第1の側の端部及び前記第2の側の端部の間の中線に沿って配置される、請求項3に記載のトレイ。
【請求項5】
前記トレイ本体の前記第1の側の端部と、前記中線に沿って配置される前記第1の少なくとも2つの切り抜きの組との間に配置される第2の切り抜き形状の組をさらに備える、請求項4に記載のトレイ。
【請求項6】
前記第2の切り抜き形状の組が、前記第1の側の端部と平行な線上の、前記トレイ本体の前記中間部における少なくとも2つの切り抜きの組として構成される、請求項5に記載のトレイ。
【請求項7】
前記トレイ本体の前記第2の側の端部と、前記中線に沿って配置される前記第1の少なくとも2つの切り抜きの組との間に配置される第3の切り抜き形状の組をさらに備える、請求項5に記載のトレイ。
【請求項8】
前記第3の切り抜き形状の組が、前記第2の側の端部と平行な線上の、前記トレイ本体の前記中間部における少なくとも2つの切り抜きの組として構成される、請求項7に記載のトレイ。
【請求項9】
光ファイバ機器を支持するためのシステムであって、
第1の側の端部、第2の側の端部、前側端部、後側端部及び中間部を有するトレイ本体であって、前記トレイ本体の前記中間部が第1の切り抜き形状の組及び第2の切り抜き形状の組を有する、前記トレイ本体と、
前記第1の側の端部に固定された第1のレールと、
前記第2の側の端部に固定された第2のレールと、
前記第1の切り抜き形状の組または前記第2の切り抜き形状の組に着脱可能に固定されるように構成される装着形状を有する第3のレールと、
を備える、前記システム。
【請求項10】
24本-光ファイバモジュールが前記第1のレール及び前記第2のレールによってトレイに固定されるように、前記第3のレールが前記第1の切り抜き形状の組にも前記第2の切り抜き形状の組にも固定されない、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記第1の切り抜き形状の組が、トレイの前記第1の側の端部と平行に配置され、前記第1の側の端部及び前記第2の側の端部の間の中線に沿って配置される少なくとも2つの切り抜きの組として構成される、請求項9に記載のシステム。
【請求項12】
前記第3のレールが前記第1の切り抜き形状の組に着脱可能に固定される、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
第1の12本-光ファイバモジュールが前記第1のレール及び前記第3のレールによって前記トレイに固定され得、第2の12本-光ファイバモジュールが前記第2のレール及び前記第3のレールによって前記トレイに固定され得る、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記第2の切り抜き形状の組が、トレイの前記第1の側の端部と平行に配置され、前記第1の側の端部及び前記第2の側の端部の間の中線と、前記トレイの前記第1の側の端部との間に配置される少なくとも2つの切り抜きの組として構成される、請求項9に記載のシステム。
【請求項15】
前記トレイの前記第2の側の端部と平行に配置され、前記中線と前記トレイの前記第2の側の端部との間に配置される少なくとも2つの切り抜きの組として構成される第3の切り抜き形状の組をさらに備える、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記第3のレールが前記第2の切り抜き形状の組に着脱可能に固定される、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記第3のレールが前記第3の切り抜き形状の組に着脱可能に固定される、請求項15に記載のシステム。
【請求項18】
前記第3のレールが前記第2の切り抜き形状の組に着脱可能に固定され、前記第3の切り抜き形状の組に着脱可能に固定される第4のレールをさらに備える、請求項15に記載のシステム。
【請求項19】
第1の8本-光ファイバモジュールが前記第1のレール及び前記第3のレールによって前記トレイに固定され得、第2の8本-光ファイバモジュールが前記第3のレール及び前記第4のレールによって前記トレイに固定され得、第3の8本-光ファイバモジュールが前記第4のレール及び前記第2のレールによって前記トレイに固定され得る、請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
上部、底部、第1の側面及び第2の側面を有する筐体をさらに備え、前記筐体の前記底部の一部が前記切り抜き形状と平行に隆起して、前記トレイ本体と、隆起していない前記筐体の前記底部の部分との間に隙間を作りやすくする、請求項9に記載のシステム。
【請求項21】
前記トレイ本体の前記第1の側の端部が、第2のトレイ本体の第1の側の端部に装着されるように構成され、前記トレイ本体の前記第2の側の端部が、第2のトレイ本体の第2の側の端部に装着されるように構成される、請求項9に記載のシステム。
【請求項22】
複数のサイズの光ファイバモジュールに対応する方法であって、
レールの装着形状をトレイ本体の第1の切り抜き形状の組に挿入することと、
前記レールの前記装着形状を前記トレイ本体の前記第1の切り抜き形状の組から取り外すことと、
前記レールの前記装着形状を前記トレイ本体の第2の切り抜き形状の組に挿入することと、
を含む、前記方法。
【請求項23】
第2のレールの装着形状を前記トレイ本体の第3の切り抜き形状の組に挿入するステップをさらに含む、請求項22に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願は2016年6月30日に出願された米国仮出願第62/356,662号に対する優先権を主張し、その主題は全体が本明細書に引用により組み込まれている。
【背景技術】
【0002】
本発明はデータセンター管理に関し、より詳細には、高速データ転送ファイバケーブルシステム用の筐体に関する。光ファイバによって、電線よりも長距離かつ高帯域幅の通信の伝送が可能になる。光ファイバは信号が電線よりも損失しにくく、電磁干渉に影響されないので通信システムにも有利である。そのため、光ファイバは高帯域幅かつ長距離の用途に使用されることが多い。データセンターの主な機能の一つは、入力及び出力の光ファイバ接続部間の接続を提供することである。
【0003】
ユーザは光ファイバ接続部を収容する異なるサイズの光ファイバモジュールを使用することを望む場合がある。トレイは現在1つのサイズの光ファイバモジュールにしか対応しないように設計されているので、そのようなユーザは現在、異なるサイズの光ファイバモジュールを収容するために、パッチパネルのバンクまたはトレイ全体の設置及び取り外しを行っている。したがって、トレイ自体の交換も取り外しもせずに、異なるサイズの光ファイバモジュールをトレイ内に設置できるようにするトレイを提供することは有益であろう。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は光ファイバ機器を支持するためのトレイを対象とする。トレイは、第1の側の端部、第2の側の端部、前側端部、後側端部及び中間部を有するトレイ本体を含む。トレイ本体の中間部は複数の切り抜き形状(feature)を有する。第1の側の端部は第1のレールに固定されるように構成される。第2の側の端部は第2のレールに固定されるように構成される。切り抜き形状は、第3のレールの装着形状と係合して、第3のレールが複数の位置においてトレイ本体に着脱可能に固定されるように構成される。
【0005】
本発明の他の実施形態は光ファイバ機器を支持するためのシステムを対象とする。システムは、第1の側の端部、第2の側の端部、前側端部、後側端部及び中間部を有するトレイ本体を含む。トレイ本体の中間部は第1の切り抜き形状の組及び第2の切り抜き形状の組を有する。システムは、第1の側の端部に固定された第1のレールと、第2の側の端部に固定された第2のレールと、第1の切り抜き形状の組または第2の切り抜き形状の組に着脱可能に固定されるように構成される装着形状を有する第3のレールとをさらに含む。
【0006】
本発明の他の実施形態は複数のサイズの光ファイバモジュールに対応する方法を対象とする。方法は、レールの装着形状をトレイ本体の第1の切り抜き形状の組に挿入することを含む。方法は、レールの装着形状をトレイ本体の第1の切り抜き形状の組から取り外すことをさらに含む。方法は、レールの装着形状をトレイ本体の第2の切り抜き形状の組に挿入することをさらに含む。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図4】
図4A及び
図4Bはそれぞれ、中央支持ブラケットの斜視図及び側面図である。
【
図5】パッチパネルのモジュール式トレイの斜視図である。
【
図6】
図6A、
図6B、及び
図6Cはそれぞれ、パッチパネルの左レール、着脱可能レール、及び右レールの斜視図である。
図6D及び
図6Eはそれぞれ、パッチパネルの右レール及び左レールの斜視図である。
【
図7】トレイ内に2つのモジュールが設置されたモジュール式トレイの上面図である。
【
図8】トレイ内に2つのモジュールが設置されたモジュール式トレイの斜視図である。
【
図9】トレイ内に3つのモジュールが設置されたモジュール式トレイの上面図である。
【
図10】トレイ内に3つのモジュールが設置されたモジュール式トレイの斜視図である。
【
図11】トレイ内に1つのモジュールが設置されたモジュール式トレイの上面図である。
【
図12】トレイ内に1つのモジュールが設置されたモジュール式トレイの斜視図である。
【
図15】トレイ内に3つの着脱可能レールが設置されたモジュール式トレイの上面図である。
【
図16】右レール及び左レールを有するモジュール式トレイの一部の上面図である。
【
図17】トレイ内に3つの着脱可能レールが設置されたモジュール式トレイの斜視図である。
【
図18】トレイ内に3つの着脱可能レールが設置されたモジュール式トレイの一部の斜視図である。
【
図19】トレイ内に3つの着脱可能レールが設置されたモジュール式トレイの一部の底部の斜視図である。
【
図20】パッチパネルの左レール及び右レールならびに3つの着脱可能レールの斜視図である。
【
図30】高密度ファイバ筐体(「HDFE:High Density Fiber Enclosure」)の後部の斜視図である。
【
図31】HDFEの他の実施形態の後部の斜視図である。
【
図32】HDFEの他の実施形態の後部の斜視図である。
【
図33】トレイ内に着脱可能レールが設置されたHDFEトレイの斜視図である。
【
図36】トレイ内に2つの着脱可能レールが設置されたHDFEトレイの斜視図である。
【
図37】右レール及び左レールを含むHDFEトレイの本体の斜視図である。
【
図39】HDFE着脱可能レールの分解斜視図である。
【
図40】HDFEトレイの一部及びHDFE着脱可能レールの底面斜視図である。
【
図41】トレイ内にHDFE着脱可能レールが部分的に設置されたHDFEトレイの一部の底面斜視図である。
【
図42】トレイ内にHDFE着脱可能レールが完全に設置されたHDFEトレイの一部の底面斜視図である。
【
図43】HDFEトレイ内に設置されたHDFE着脱可能レールの一部の底面斜視図である。
【
図47】着脱可能上蓋を含むHDFE筐体の後部の分解斜視図である。
【
図48】着脱可能上蓋を含むHDFE筐体の後部の分解斜視図である。
【
図49】着脱可能上蓋が設置されたHDFE筐体の後部の斜視図である。
【
図50】HDFE着脱可能レールが部分的に設置されたHDFE筐体の斜視図である。
【
図51】HDFE着脱可能レールが部分的に設置されたHDFEモジュール式トレイの側面図である。
【
図52】トレイ内にHDFE着脱可能レールが設置されたHDFEモジュール式トレイの本体の底面斜視図である。
【
図53】トレイ内に3つのモジュールが設置されたHDFEモジュール式トレイの上面図である。
【
図54】トレイ内に3つのモジュールが設置されたHDFEモジュール式トレイの斜視図である。
【
図55】トレイ内に2つのモジュールが設置されたHDFEモジュール式トレイの上面図である。
【
図56】トレイ内に2つのモジュールが設置されたHDFEモジュール式トレイの斜視図である。
【
図57】トレイ内に1つのモジュールが設置されたHDFEモジュール式トレイの上面図である。
【
図58】トレイ内に1つのモジュールが設置されたHDFEモジュール式トレイの斜視図である。
【
図59】光ファイバ筐体の機器レールの前面に設置されたモジュール式パッチパネルの斜視図である。
【
図60】光ファイバ筐体の機器レールの側面に設置されたモジュール式パッチパネルの他の斜視図である。
【
図61】光ファイバ筐体の機器レールの背面に設置されたモジュール式パッチパネルの斜視図である。
【
図62】
図61のモジュール式パッチパネルの分解斜視図である。
【
図63】モジュール式パッチパネルの斜視図である。
【
図64】
図63のモジュール式パッチパネルの分解斜視図である。
【
図65】追加ユニットを設置する前のモジュール式パッチパネルの断面図である。
【
図66】
図65に示された全てのユニットが設置されたモジュール式パッチパネルの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1A及び
図1Bに示されるように、パッチパネル50は、フレーム100、モジュール式トレイ120、及び中央支持ブラケット170からなる。異なる数の光ファイバに対応する異なるサイズの光ファイバモジュール10に対応するために、
図6Bに示された複数の着脱可能レール180がモジュール式トレイ120に追加され、または取り外され得る。
図5を参照すると、好ましい実施形態では、1つの24本-光ファイバモジュール20、2つの12本-光ファイバモジュール30、または3つの8本-光ファイバモジュール40に対応するために、着脱可能レールが追加され、または取り外され得る。本出願の全ての図(たとえば、
図7)に示された光ファイバモジュールは、モジュールの前部にデュプレックスLCアダプタを含み、これらはモジュールの後部の1つのMPOアダプタにつながっている。図示された24本-光ファイバモジュール20は12個のLCアダプタを含み、図示された12本-光ファイバモジュール30は6個のLCアダプタを含み、図示された8本-光ファイバモジュール40は4個のLCアダプタを含む。当業者であれば、異なる数の光ファイバならびに異なる数及びタイプのアダプタが、本発明内で設置され得る光ファイバモジュールにおいて使用され得ることを理解するであろう。
【0009】
ここで
図2A、
図2B、及び
図2Cを参照すると、フレーム100は、上蓋102、右側面104、左側面106、及び底面フランジ112を含む。底面フランジ112はモジュール式トレイ120を支持するように構成される。フレームの右側面104及び左側面106はそれぞれ、底面フランジ112の上方に配置された2つのブリッジランス(bridge lance)形状110を含む。ブリッジランス形状110は、追加のモジュール式トレイ120をフレーム100内に支持するための、フレーム100の右側面104及び左側面106に形成される溝である。好ましい実施形態では、2つのブリッジランス形状110を各側に配置して、フレーム100が底面フランジ112によって支持されるモジュール式トレイ120の上方に2つの追加のモジュール式トレイ120を支持できるようにする。当業者であれば、ブリッジランス形状110及び中央支持ブラケット170(後述)が、モジュール式トレイ120を支持するより多いまたは少ない溝を有し得ることを理解するであろう。フレームは、光ファイバ筐体2内の光ファイバ筐体レール4にフレーム100を装着するための穴108と、
図3に示されるケーブル余長管理トレイ8用の装着具114とをさらに含み得る。
【0010】
ここで
図4A及び
図4Bを参照すると、中央支持ブラケット170は、ブラケット本体172と、ブラケットをフレーム100及び最下トレイ120に取り付けるための穴174と、フレーム100内に配置される追加のモジュール式トレイ120を支持するための切り欠き176とから構成される。好ましい実施形態では、中央支持ブラケット170は、2つの追加のモジュール式トレイ120を支持するための2つの切り欠き176を含む。
【0011】
ここで
図5を参照すると、モジュール式トレイ120は、少なくとも1つのトレイ本体132と、トレイ本体132に配置された少なくとも1組の切り抜き形状140と、トレイ本体132の左端122及び右端124に位置する位置合わせ溝134と、左レール150(
図6A及び
図6E参照)と、右レール160(
図6C及び
図6D参照)とを含む。
図5に示されるように、2つのトレイ本体132が1つのモジュール式トレイ120を構成してもよい。位置合わせ溝134はそれぞれ、左レール150の底部154及び右レール160の底部164に位置する位置合わせ形状156、166を受けるように構成される。
図6Eに示されるように、位置合わせ形状156に加えて、左レール150は後部ラッチ保持形状152及び光ファイバモジュール接触突起158をさらに含む。後部ラッチ保持形状152は、光ファイバモジュール10の後部光ファイバモジュール保持ラッチ12を受けるように構成される。光ファイバモジュール接触突起158は、光ファイバモジュール10の設置最中だけでなく光ファイバモジュール10の設置後も、光ファイバモジュール10に当接するように構成される。
図6Dに示されるように、位置合わせ形状166に加えて、右レールは後部ラッチ保持形状162及び前部係止ラッチ168をさらに含む。前部係止ラッチ168は、光ファイバモジュール10がモジュール式トレイ120内に完全に設置された場合に、光ファイバモジュール保持形状12を保持するように構成される。左レール150及び右レール160の両方は、それぞれモジュール式トレイ本体132の左端122及び右端124にリベット止めされるか、ねじで固定されるか、または別の方法で永久に設置される。
【0012】
図5に戻ると、モジュール式トレイ120の切り抜き形状140は、着脱可能レール180がモジュール式トレイ120に固定及び取り外しされるように、着脱可能レール180を受けるよう構成される。好ましい実施形態では、1つの切り抜き形状140は、トレイ120の本体における2つ以上の切り抜きの組であって、それぞれが着脱可能レール180の一部を受けるように成形されたものである。切り抜き形状140は、モジュール式トレイ120の前部に最も近い切り抜きの部分においてより大きい矩形として成形され、切り抜きの後部がスリットを形成することが好ましい。1組の切り抜き形状140は、左レール150及び右レール160と平行な線上に配置される。3組の切り抜き形状140がモジュール式トレイ上に配置されることが好ましい。中間の1組の切り抜き形状146は左レール150及び右レール160の間の中線に沿って配置され、それによって、着脱可能レール180が中間の切り抜き形状の組146内に設置された場合に、
図7~
図8に示されるように2つの12本-光ファイバモジュール30が着脱可能レール180の両側に設置され得る。追加の2組の切り抜き形状、すなわち、左の切り抜き形状の組144及び右の切り抜き形状の組142が、中間の切り抜き形状の組146の各側に配置され、それによって、着脱可能レール180が左の切り抜き形状の組144及び右の切り抜き形状の組142の両方に設置された場合に、
図9~
図10に示されるように3つの8本-光ファイバモジュール40がモジュール式トレイ120内に設置され得る。最後に、着脱可能レール180がモジュール式トレイ120内に設置されない場合、
図11~
図12に示されるように1つの24本-光ファイバモジュールが左レール150及び右レール160の間に設置され得る。
【0013】
ここで
図13A、
図13B、及び
図13Cを参照すると、着脱可能レール180は、2つの後部ラッチ保持形状188、モジュール接触突起190、前部係止ラッチ192、前部保持ボス194、及び少なくとも1つのT型装着形状196を含む。1つの後部ラッチ保持形状188が着脱可能レール180の左側面182及び右側面184に配置される。後部ラッチ保持形状188、モジュール接触突起190、及び前部係止ラッチ192は、左レール150及び右レール160と同様である。着脱可能レール180がモジュール式トレイ120内に完全に設置された場合、前部保持ボス194は最前方切り抜き形状140aの最前部内に配置される。T型装着形状196は着脱可能レール180の底部に位置し、テーパ状前部198を含む。T型装着形状は、モジュール式トレイ120の前部に最も近い切り抜き形状140のより大きい矩形部に挿入され、次いでモジュール式トレイ120の後方へスライドされ得るように成形され、それによってT型装着形状196は、スリットを形成する切り抜き形状140の後部に強固に係合する。
【0014】
図14~
図24に示されるように、異なる切り抜き形状の組140がトレイ120上に配置される場合、それらの組のうちの1つまたは複数はわずかに異なっていてもよく、すなわち、
図17~
図19に示されるように、切り抜き形状は異なるサイズまたは形のものでもよく、または他の切り抜き形状の組の切り抜き形状よりもトレイ120の前部に近くても遠くてもよい。この場合、切り抜き形状内に配置されるように構成される着脱可能レール180もわずかに異なるものとなり、それによって特定の切り抜き形状の組140内に設置されるように設計された着脱可能レール180のみがその切り抜き形状の組140内に設置され得る。そのような異なるサイズまたは形によって、異なるレールを異なる位置で使用することが可能になり得る。加えて、これらの異なるサイズまたは形のレールを色分けまたは別の方法によって識別して、適切な着脱可能レール180を1組の切り抜き形状140に対応させてもよい。
【0015】
図21~
図24に、
図15に示されたモジュール式トレイ120に設置された着脱可能レール180の断面図を与える。
図21から分かるように、中央の着脱可能レール180の後部のT型装着形状198のテーパ状前部は、外側の着脱可能レール180より大きい。同様に、
図22に示されるように、中央の着脱可能レール180の断面は、外側の着脱可能レール180の断面より大きい。したがって、中央の着脱可能レール180は中間の切り抜き形状の組146のみに収まることになり、外側の着脱可能レール180は左右の切り抜き形状の組142、144のみに収まることになる。
図23及び
図24が示すように、着脱可能レール180の第2のT型形状は同様のサイズの断面を有し、すなわち、中央の着脱可能レール180のT型装着形状196のテーパ状前部198及び断面は、外側の着脱可能レール180のT型装着形状196のテーパ状前部198及び断面より大きい。当業者であれば、この形状が他の多くの方法で実現され得、たとえば、中間の切り抜きの組146及び中央の着脱可能レール180のT型装着形状196が、左右の切り抜きの組242、244及び左右の着脱可能レール180のT型装着形状196よりも、モジュール式トレイ120の前部にわずかに近くに配置され得ることを理解するであろう。
【0016】
図25A及び
図25Bに示されるように、それらのうち
図25Aでは着脱可能レール180が完全に設置されているが、着脱可能レール180をモジュール式トレイ120内に設置するために、着脱可能レール180のT型装着形状(複数可)196が、1組の切り抜き形状の切り抜き形状140の大きい方の部分に挿入される。次いで着脱可能レール180は、T型装着形状196が切り抜き形状140の狭い方の部分に固定されるまで、モジュール式トレイ120の後方へスライドされる。T型装着形状196が切り抜き形状140の最後部に到達するとき、前部保持ボス194は最前方切り抜き140aの前部へスライドして当接する。このようにして、前部保持ボス194は着脱可能レール180をモジュール式トレイ120内に固定する。着脱可能レール180を取り外すために、ユーザはまず手または他の工具を使用して、前部保持ボス194を最前方切り抜き140aの前部を越えて押し上げる。前部保持ボス194が最前方切り抜き140aを通過すると、着脱可能レール180のT型形状196が切り抜き形状140の大きい方の部分に位置するまで、着脱可能レール180がモジュール式トレイ120の前方にスライドされ得る。そして、着脱可能レール180はモジュール式トレイ120に固定されなくなり、取り外され得る。
【0017】
図26A及び
図26Bに示されるように、着脱可能レール180が設置されると、光ファイバモジュール10はトレイ120上に従来のように設置され得る。具体的には、光ファイバモジュール10を光ファイバ筐体2の前方から設置するために、ユーザは光ファイバモジュール10を筐体の前方から、モジュール式トレイ120上に設置されたレールのうちの2つによって形成されるトレイ上の空間に押し込む。ユーザは、光ファイバモジュール10の前部保持形状14が前部係止ラッチ168または192に着座するまで、光ファイバモジュール10をその空間に押し込み続ける。
図27A及び
図27Bに示されるように、筐体2の前方から光ファイバモジュール10を撤去するために、ユーザは前部係止ラッチ168または192を右側へ押して光ファイバモジュール10を解放する。次いでユーザは光ファイバ筐体2の前方に光ファイバモジュール10を引き出す。
【0018】
ここで
図28A及び
図28Bを参照すると、光ファイバ筐体2の後方から光ファイバモジュール10を設置するために、ユーザは光ファイバモジュール10を筐体2の後方から、モジュール式トレイ120上に設置されたレールのうちの2つによって形成されるトレイ120上の空間に押し込む。ユーザは光ファイバモジュール10の後部モジュール保持ラッチ12がレールの後部ラッチ保持形状152、162、または188に着座するまで押し込み続ける。
図29A及び
図29Bに示されるように、光ファイバモジュール10を撤去するために、ユーザは光ファイバモジュール10が後部ラッチ保持形状152、162、または188から解放されるまで、モジュールの後部モジュール保持ラッチ12同士を絞る。次いでユーザは光ファイバ筐体2の後方へ光ファイバモジュール10を引き出し続ける。
【0019】
本発明の他の実施形態である、モジュール式トレイ及び着脱可能レールの設計を含む高密度ファイバ筐体(HDFE)200が以下に説明される。
図30~
図32に示されるように、高密度ファイバ筐体200は、上蓋202、底部212、及びケーブル余長管理用の装着具214を含む。
図33にさらに示されるように、HDFE200は、少なくとも1つのトレイ本体232、HDFE切り抜き形状240、位置合わせピン234、位置合わせ穴230、金属タブ236、HDFE左レール250、HDFE右レール260、及び2つのラベル16(
図36~
図37に図示)を含むHDFEモジュール式トレイ220をさらに含む。1本の位置合わせピン234がHDFEモジュール式トレイ220の左端222及び右端224にそれぞれ配置され、位置合わせ穴230を通過する。位置合わせピン234はセルフクリンチ式(self-clinching)であり、それぞれHDFE左レール250及び右レール260の穴と係合して、HDFE左レール250及び右レール260をHDFEモジュール式トレイ220の左端222及び右端224と位置合わせするように構成される。位置合わせピン234はセルフタッピンねじ、または他の知られている適切な締結具でもよい。金属タブ236はHDFEモジュール式トレイ220の左端222及び右端224の最前部に位置している。金属タブ236はHDFEモジュール式トレイ220に対して90度で上方に延伸し、HDFE左レール250及び右レール260の前部を固定する。ラベル16はHDFEトレイ220の前部226に配置される。
【0020】
HDFE左レール250及びHDFE右レール260の両方は、それぞれHDFEモジュール式トレイ220の左端222及び右端224に永久に固定される。また、HDFE左レール250及びHDFE右レール260の両方は、光ファイバモジュール10を保持するための金属ばねクリップ252、262を含む。金属ばねクリップ252はHDFE左レール250の右側面256に配置され、金属ばねクリップ262はHDFE右レール260の左側面266に配置されて、金属ばねクリップ252、262が向かい合う。
【0021】
HDFE切り抜き形状240はHDFE着脱可能レール280を着脱可能に受けるように形成される。
図33~
図37に示されるように、HDFE切り抜き形状240は、トレイ220の本体における2つ以上の切り抜きの組であって、それぞれがHDFE着脱可能レール280の一部を受けるように成形されたものである。切り抜き形状の組240は、左レール250及び右レール260と平行な線上に配置される。好ましい実施形態では、4つの切り抜きが1組の切り抜き形状240を構成する。最後方切り抜き240aは三角形に成形され、その三角形がHDFEモジュール式トレイ220の後部228を指すようになされている。中間切り抜き240bは重なった大小の矩形の形であり、小さい方の矩形はHDFE着脱可能レール280の一部を強固に保持するように構成される。最後の2つの切り抜きは、HDFEモジュール式トレイ220の前部226付近に、互いに近接して配置される。最前方切り抜き240dは、HDFEモジュール式トレイ220から切り抜かれた2つの楕円の形である。楕円の一方は他方より大きく、楕円は重なっており、それによって着脱可能レール280のセルフクリンチングキーホールファスナ284が最前方切り抜き240dの大きい方の楕円部分に挿入され、次いでスライドされて、最前方切り抜き240dの小さい方の楕円部分に固定され得る。最後の切り抜き、すなわち、ラッチ収容切り抜き240cは、最前方切り抜き240dの直後に位置し、HDFE着脱可能レール280上に位置するラッチ290cを受けるように構成される。ラッチ収容切り抜き240cの一実施形態は矩形の切り抜きである。
【0022】
ここで
図38及び
図39を参照すると、HDFE着脱可能レール280は、金属ブラケット282、2つの金属ばねクリップ286、カセットガイド290、及びHDFEモジュール式トレイ220上の切り抜き形状と係合するための突起を含む。金属ブラケット282はカセットガイド290の底部296に沿って延伸し、HDFEモジュール式トレイ220の最前方切り抜き240dと係合するためのセルフクリンチングキーホールファスナ284を含む。2つの金属ばねクリップ286はHDFE着脱可能レール280の各側に配置される。カセットガイド290は金属ブラケット282の上に配置され、後述のようにHDFEモジュール式トレイ220上の切り抜き形状と係合するためのいくつかの突起を含む。当業者であれば、HDFE着脱可能レール280がただ1つの部品から形成され得、及び/または1つの材料のみで形成され得ることを理解すると思われ、これは本発明によって企図されている。また、HDFE着脱可能レール280は、ユーザが識別しやすいように色分けされ得る。
【0023】
図40~
図43に示されるように、HDFEモジュール式トレイ220上の切り抜き形状と係合するための突起は、前部ラッチ290c、中間突起290b、及び後部突起290aを含む。前部ラッチ290cは、HDFE着脱可能レール280がHDFEトレイ220内に設置されるときのHDFEモジュール式トレイ220の方向に延伸するラッチ部分を含み、HDFE着脱可能レール280がHDFE着脱可能トレイ220上で左右に移動しないようにする。前部ラッチ290cはカセットガイド290の前部292に配置される。前部ラッチ290cのラッチ部分は、HDFE着脱可能レール280をHDFEモジュール式トレイ220にロックするために、ラッチ収容切り抜き240c内に延伸している。中間突起290bは中間切り抜き240bと係合するように形成され、カセットガイド290の前部292及び後部294の間に配置される。中間突起290bは好ましくはT型またはI型であり、HDFE着脱可能レール280がHDFEモジュール式トレイ220内に設置された場合に、中間突起290bのTまたはIの頂部が中間切り抜き240bを貫通して配置される。後部突起290aは最後方切り抜き240aと係合するように形成され、カセットガイド290の後部294に配置される。後部突起290aは、後部突起290aの後部が三角形の最後方切り抜き240aと係合して、HDFE着脱可能レール280がHDFEモジュール式トレイ220と平行な平面で旋回できるように形成される。
【0024】
図44~
図46に示されるように、HDFE筐体200の底部212の一部は隆起し得る。当業者であれば、典型的にはこれらの隆起したまたはビード(bead)状の部分が筐体を強化するために筐体に含まれることを理解するであろう。しかしながら、レール250、260、及び280と平行に走るビード212aはまた、HDFEトレイ220及びHDFE筐体200の底部212の間に隙間を与える。これによって、HDFE着脱可能レール280がHDFEトレイ220内に設置されるときに、HDFE着脱可能レール280の突起290a、290b、及び290cが内部で移動するための空間が与えられる。本開示では、他の形及びタイプのビード212aが企図されている。
【0025】
図46~
図47に示されるように、HDFE筐体200の上蓋202はケーブル余長管理用の装着具214の上方で切除されている。開示された発明の一実施形態では、この切除された部分は、
図47~
図49に示されるように着脱可能上蓋202aによって覆われ得る。
【0026】
HDFEモジュール式トレイ220内の切り抜き形状の組240及びHDFE着脱可能レール280上の突起はわずかに異なってもよく、それによって、パッチパネルの実施形態に関して先に述べたように、特定のHDFE着脱可能レール280のみが1組の切り抜き形状240内に固定され得る。たとえば、中間の切り抜きの組246が、左右の切り抜きの組242、244よりもHDFEモジュール式トレイ220の前部のわずかに近くに配置されてもよく、HDFE着脱可能レール280上の突起はHDFE着脱可能レール280の前部の近くに配置されてもよい。
【0027】
ここで
図50~
図52を参照すると、HDFE着脱可能レール280をHDFEモジュール式トレイ220に挿入するために、ユーザはまず、突起290a、290b、290c及びセルフクリンチングキーホールファスナ284の全てが1組の切り抜き形状240内に配置されるようにHDFE着脱可能レール280を位置決めする。ユーザは次いでHDFEトレイ220の後方へ着脱可能レール280を押し込んで、最後部突起290aを最後方切り抜き240aの後部に着座させる。突起290a、290b、290c及びセルフクリンチングキーホールファスナ284を対応する切り抜き240a、240b、240c、及び240d内に維持しながら、ユーザは次いでHDFE着脱可能レール280を回転させて、中間突起290bが中間切り抜き240bの小さい方の部分に入るようにする。これが発生すると、前部ラッチ290cはラッチ収容切り抜き240c内に着座して、HDFE着脱可能レール280がHDFEモジュール式トレイ内に固定される。このとき、セルフクリンチングキーホールファスナ284も切り抜き240d内に着座する。HDFE着脱可能レールを取り外すために、ユーザは前部ラッチ290cを押下して解放し、HDFE着脱可能レール280をわずかに回転させて、前部ラッチ290c、中間突起290b、及びセルフクリンチングキーホールファスナ284が、ラッチ収容切り抜き240c、中間切り抜き240bの小さい方の部分、及び最前方切り抜き形状240dの小さい方の部分に着座しなくなるようにする。ユーザは次いでHDFE着脱可能レール280をわずかに前に引き出し、持ち上げ、HDFE着脱可能レール280をHDFEモジュール式トレイ220から取り外す。
【0028】
3組の切り抜き形状240がHDFEトレイに配置されることが好ましい。中間の1組の切り抜き形状246が左レール250及び右レール260の間の中線に沿って配置され、それによって、着脱可能レール280が中間の切り抜き形状の組246内に設置された場合に、
図55~
図56に示されるように2つの12本-光ファイバモジュール30が着脱可能レール280の両側に設置され得る。さらなる2組の切り抜き形状、すなわち、左の切り抜き形状の組244及び右の切り抜き形状の組242が中間の切り抜き形状の組246の各側に配置され、それによって、着脱可能レール280が左の切り抜き形状の組244及び右の切り抜き形状の組242の両方に設置された場合に、
図53~
図54に示されるように3つの8本-光ファイバモジュール40がHDFEトレイ220内に設置され得る。最後に、着脱可能レール280がHDFEトレイ220に設置されない場合、
図57~
図58に示されるように1つの24本-光ファイバモジュール20が左レール250及び右レール260の間に設置され得る。
【0029】
当業者であれば、パッチパネル50に関して説明された切り抜き形状140及び着脱可能レール180が高密度ファイバ筐体200内で使用され得、HDFE切り抜き形状240及びHDFE着脱可能レール280がパッチパネル50と共に使用され得ることを理解するであろう。また、当業者であれば、異なる形の切り抜き及び着脱可能レール装着具の形が、パッチパネル50または高密度ファイバ筐体200のいずれにおいても使用され得ることを理解するであろう。これらのさらなるモジュール式トレイ及び着脱可能レールの設計は本明細書において企図されており、含まれている。
【0030】
最後に、上述の着脱可能レールを含み得るモジュール式パッチパネルも開示される。ここで
図59~
図63を参照すると、モジュール式パッチパネル500は、光ファイバ筐体機器レール4または他のユニット600に取り付けられ得る少なくとも1つのユニット600と、支柱装着ブラケット700と、装着板800とを含む。ユニット600は4つのフック610、4つの開口612、カンチレバーラッチ614、嵌合孔616、及び切り抜き618を含む。4つのフック610はユニット600の上部602に配置される。フック610のうち2つは、フックが同一の方向を向くように、ユニット600の左端606に配置される。フック610のうち2つは、フック610がユニット600の左端606に配置されたフック610と同一の方向を向くように、ユニット600の右端608に配置される。4つの穴612はユニット600の底部604を貫通して配置される。穴612は、異なるユニット600の4つのフック610をスライド可能に受けてユニット600を互いに固定するように構成される。当業者であれば、異なる形のフック610、さらには支柱または他の突起が、穴612と係合するために使用され得ることを理解すると思われ、これは本発明において企図されている。
【0031】
カンチレバーラッチ614は、ユニット600の右端608にあるフック610のうちの2つの間に配置され、カンチレバー部620を含む。カンチレバー部620はフック610と反対方向を向いており、他のユニット600の嵌合孔616と係合してフック610が穴612内に完全に設置された場合に、ユニット600同士をロックするように構成される。嵌合孔616は各ユニット600の底部604に配置され、カンチレバーラッチ614は各ユニット600の上部602に配置される。各ユニット600内の切り抜き618によって、ユーザはユニット600の間に届き、カンチレバーラッチ614を押下し解放することが可能になる。以下で論じられるようにユニット600を積み重ねて互いに固定することによって、光ファイバ筐体2の外側に光ファイバトレイ及びモジュール用のさらなる装着具を追加し得る。
【0032】
支柱装着ブラケット700及び装着板800を使用して、最下ユニット600を光ファイバ機器筐体レール4に取り付けることができる。支柱装着ブラケット700は、筐体レール4に既に存在する装着穴を使用して光ファイバ機器筐体レール4に固定されるように設計される。装着板800は支柱装着ブラケット700に固定され、4つのフック810及びカンチレバーラッチ814を含む。フック810及びカンチレバーラッチ814は全て、フック610及びカンチレバーラッチ614と同様に構成される。ユニット600は、特定のユニット600を識別するためのラベルカード902及びラベルカードホルダ900をさらに含んでもよい。
【0033】
ここで
図64~
図66を参照すると、光ファイバ筐体2の機器レール4の前面または後面に1組のユニット600を設置するために、ユーザはまず、
図62に示されるように、光ファイバ機器筐体レール2上の既存の装着穴と、支柱装着ブラケット700上の対応する穴と、支柱装着ブラケット700をレール4に固定するためのボルトまたはねじとを使用して、支柱装着ブラケット700を設置する。ユーザは次いでボルトまたはねじを使用して装着板800を支柱装着ブラケット700上に設置する。支柱装着ブラケット700及び装着板800が固定されると、ユーザはユニット600の装着穴612を装着板800のフック810上に位置決めして、最初のユニット600を装着板800に取り付けることができる。ユーザは次いでユニット600を装着板800に対してスライドさせて、各装着穴612の縁が各フック810の屈曲部内に位置するようにする。装着穴612の縁がフック810の後部に接触すると、装着板800のカンチレバーラッチ814はユニット600の嵌合孔616内に位置し、カンチレバー部820は嵌合孔616の縁に当接してユニット600を装着板800に固定する。最初のユニット600は製造者によって支柱装着ブラケット700及び装着板800に事前に設置されていてもよく、それによってユーザは最初のユニット600、装着ブラケット700、及び装着板800を同時に設置し得る。2番目のユニット600は、上記で論じられたように、最初のユニットのフック610を2番目のユニット600の装着穴612内に位置決めし、フック610及びカンチレバーラッチ614が対応する穴に位置するまで2番目のユニット600を最初のユニット600に対してスライドさせることによって、最初のユニット600上に設置され得る。
【0034】
一緒に設置されたユニット600の積み重ねからユニット600を取り外すために、ユーザは手または工具を使用してカンチレバーラッチ614を押下し、最上ユニット600を解放する。ユーザは次いでフック610が装着穴612に係合しなくなるまでユニット600をスライドさせる。そして、ユニット600はユニット600の積み重ねから取り外され得る。
【0035】
さらに、本発明の特定の好ましい実施形態が示され説明されたが、本発明の教示から逸脱することなく変更及び修正がなされ得ることは当業者には明らかであろう。上記説明及び添付図面において示された事項は限定ではなく例示として与えられているにすぎない。
【符号の説明】
【0036】
2 光ファイバ筐体
10、20、30、40 光ファイバモジュール
120、220 モジュール式トレイ
132、232 トレイ本体
180、280 着脱可能レール