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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-01
(45)【発行日】2022-03-09
(54)【発明の名称】対象物移動装置
(51)【国際特許分類】
   E05F 11/48 20060101AFI20220302BHJP
   E05F 11/38 20060101ALI20220302BHJP
   E05F 15/689 20150101ALI20220302BHJP
   B60J 1/17 20060101ALI20220302BHJP
【FI】
E05F11/48 D
E05F11/48 C
E05F11/38 G
E05F15/689
B60J1/17 A
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2019084953
(22)【出願日】2019-04-26
(65)【公開番号】P2020180502
(43)【公開日】2020-11-05
【審査請求日】2021-03-29
(73)【特許権者】
【識別番号】390000996
【氏名又は名称】株式会社ハイレックスコーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100121382
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 託嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100129012
【弁理士】
【氏名又は名称】元山 雅史
(74)【代理人】
【識別番号】100149009
【弁理士】
【氏名又は名称】古賀 稔久
(72)【発明者】
【氏名】毛利 太一
【審査官】藤脇 昌也
(56)【参考文献】
【文献】特許第4213458(JP,B2)
【文献】特開2003-214028(JP,A)
【文献】特開2011-144627(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05F 1/00 - 13/04,17/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動対象物に取り付けられる移動部材と、
前記移動部材を案内するガイド部材と、
前記移動部材に接続されるケーブルと、
前記ケーブルが接続され、前記ケーブルの巻取りと繰り出しを行う駆動部と、
前記駆動部を前記ガイド部材に保持する保持構造と、を備え、
前記保持構造は、前記ガイド部材に対する前記駆動部の相対的移動が前記ガイド部材の厚み方向に沿った所定範囲内で可能な状態で、前記駆動部を保持する、
対象物移動装置。
【請求項2】
前記保持構造は、前記ガイド部材に沿った方向における所定範囲内での前記ガイド部材に対する前記駆動部の相対移動が可能な状態で、前記駆動部の前記ガイド部材の幅方向への移動を規制する、
請求項1に記載の対象物移動装置。
【請求項3】
前記移動部材は、互いに離間して2つ設けられており、
前記ガイド部材は、互いに相対位置を変更可能なように離間して2つ設けられており、
前記駆動部は、2つの前記ガイド部材のいずれか一方に前記保持構造によって保持されている、
請求項1または2に記載の対象物移動装置。
【請求項4】
前記ガイド部材には、前記駆動部が取り付けられる保持部材が固定され、
前記保持部材には、前記保持構造の一方を構成する保持部材側保持要素を有し、
前記駆動部には、前記保持構造の他方を構成する駆動部側保持要素を有し、
前記保持部材側保持要素と前記駆動部側保持要素とのいずれか一方に、貫通孔が設けられ、
前記保持部材側保持要素と前記駆動部側保持要素とのいずれか他方に、前記貫通孔に挿入される挿入部が設けられ、
前記挿入部は、先端部に設けられた前記貫通孔に挿入可能な係止部と、前記先端部よりも後端側に設けられた中間部とを有し、
前記係止部が前記貫通孔の縁部と係合することによって前記保持部材側保持要素と前記駆動部側保持要素とが離脱するのを抑制され、
前記駆動部は、前記中間部と前記貫通孔とが摺動することにより、前記保持部材に対して相対移動が可能な状態で仮保持された、
請求項1から3のいずれかに記載の対象物移動装置。
【請求項5】
前記挿入部が複数設けられ、
前記挿入部のうちの1の挿入部が前記貫通孔の縁部と摺動する方向と、前記挿入部のうちの他の1の挿入部が前記貫通孔の縁部と摺動する方向が異なることにより、
前記駆動部が前記ガイド部材に対して相対移動が抑制された、
請求項4に記載の対象物移動装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、対象物移動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車両の窓を開閉するために、窓ガラスを昇降させるウインドレギュレータが用いられている(例えば、特許文献1参照。)。
特許文献1に示すウインドレギュレータは、1組のキャリアプレートと、一組のガイドレールと、ケーブルと、方向転換部材と、駆動源と、を備えている。駆動源の駆動力によってケーブルの巻取りと繰り出しを行うことで、ケーブルを介して一組のキャリアプレートが移動し、キャリアプレートに固定されている窓が昇降する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-71235号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の構成ではガイドレールに駆動源が固定されているため、上記ウインドレギュレータを車体に取り付ける際に、ガイドレールと駆動源の位置調整を行い難しい。
【0005】
本発明は、取り付け位置の調整を行い易い対象物移動装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以下に、課題を解決するための手段として複数の態様を説明する。これら態様は、必要に応じて任意に組み合わせることができる。
本発明の一見地にかかる対象物移動装置は、移動部材と、ガイド部材と、ケーブルと、駆動部と、保持構造と、を備える。移動部材は、移動対象物に取り付けられる。ガイド部材は、移動部材を案内する。ケーブルは、移動部材に接続される。駆動部は、ケーブルが接続され、ケーブルの巻取りと繰り出しを行う。保持構造は、駆動部をガイド部材に保持する。保持構造は、ガイド部材に対する駆動部の相対的移動がガイド部材の厚み方向に沿った所定範囲内での可能な状態で、駆動部を保持する。
【0007】
このように、ガイド部材の厚み方向に沿った所定範囲内でガイド部材に対して相対移動可能に駆動部がガイド部材に仮固定される。これによって、仮に駆動部を固定した状態でもガイド部材の位置を厚み方向に調整することができるため、取り付け位置の調整を容易に行うことができる。
【0008】
例えば車両の窓の昇降に用いるために対象物移動装置を車体に取り付ける際に、駆動部を車体に固定した状態でガイド部材を、その厚み方向に移動させることができる。このため、移動部材に取り付けられる窓の位置をウェザーストリップとのシールが十分確保される位置に調整することが可能となる。
以上のように、取り付け位置を調整し易くすることができる。
【0009】
また、保持構造は、ガイド部材に沿った方向における所定範囲内でのガイド部材に対する駆動部の相対移動が可能な状態で、駆動部のガイド部材の幅方向への移動を規制してもよい。
これにより、駆動部のガイド部材に対する相対的な位置のうち幅方向の位置が概ね固定されるが、ガイド部材に沿った方向に対しては所定範囲内で調整することができる。そのため、より位置調整を行い易くできる。
【0010】
また、移動部材は、互いに離間して2つ設けられていてもよい。ガイド部材は、互いに相対位置を変更可能なように離間して2つ設けられていてもよい。駆動部は、2つのガイド部材のいずれか一方に保持構造によって保持されてもよい。
これにより、対象物移動装置をサッシュレスの車両に対するウインドレギュレータとして適用することができる。
【0011】
また、ガイド部材には、駆動部が取り付けられる保持部材が固定されてもよい。保持部材には、保持構造の一方を構成する保持部材側保持要素を有し、駆動部には、保持構造の他方を構成する駆動部側保持要素を有してもよい。保持部材側保持要素と駆動部側保持要素とのいずれか一方に、貫通孔が設けられてもよい。保持部材側保持要素と駆動部側保持要素とのいずれか他方に、貫通孔に挿入される挿入部が設けられてもよい。挿入部は、先端部に設けられた貫通孔に挿入可能な係止部と、先端部よりも後端側に設けられた中間部とを有してもよい。係止部が貫通孔の縁部と係合することによって保持部材側保持要素と駆動部側保持要素とが離脱するのを抑制されてもよい。駆動部は、中間部と貫通孔とが摺動することにより、保持部材に対して相対移動が可能な状態で仮保持されてもよい。
これにより、係止部を貫通孔に挿入するだけで、駆動部をガイド部材に仮固定することができるため、駆動部をガイド部材に容易に保持することができる。更に、中間部と貫通孔の摺動によって駆動部が保持部材に対して相対的に移動できるため、駆動部とガイド部材の位置調整を行い易くすることができる。
【0012】
また、挿入部が複数設けられてもよく、挿入部のうちの1の挿入部が貫通孔の縁部と摺動する方向と、挿入部のうちの他の1の挿入部が貫通孔の縁部と摺動する方向が異なることにより、駆動部がガイド部材に対して相対移動が抑制されてもよい。
これにより、駆動部のガイド部材に対する幅方向への相対移動が抑制されるため、対象物移動装置を車両などに取り付ける際に幅方向への相対位置を固定することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、取り付け位置の調整を行い易い対象物移動装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明にかかる実施の形態1のウインドレギュレータを示す正面図。
図2図1のウインドレギュレータのモータハウジングの第2部材を示す斜視図。
図3図1のウインドレギュレータの支持部材を示す斜視図。
図4図2の第2部材のS部拡大図。
図5図1のウインドレギュレータについてのT部拡大図。
図6図1の保持構造についての貫通孔への挿入部の挿入を説明するための斜視図。
図7】(a)~(c)図6の貫通孔への挿入部の挿入を説明するための断面図。
図8】(a)、(b)図1のウインドレギュレータの車両のドアパネルへの取り付けの際の調整を説明するための図。
図9】本発明にかかる実施の形態2のウインドレギュレータを示す正面図。
図10図9のウインドレギュレータのモータハウジングの第2部材を示す斜視図。
図11図9のウインドレギュレータの支持部材を示す斜視図。
図12図9のウインドレギュレータのV部拡大図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に、本発明にかかる実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0016】
(実施の形態1)
以下に、本発明にかかる実施の形態1について説明する。
(対象物移動装置の概要)
本実施の形態1にかかる対象物移動装置10は、駆動力によりケーブルの巻取りと繰り出しを行うことでケーブルを介して駆動力を移動部材に伝達し、移動部材に取り付けられる移動対象物を移動させる。
【0017】
本実施の形態の対象物移動装置10は、例えば、車両のドアに取り付けられるウインドレギュレータであり、この場合、移動対象物100は一例として窓である。なお、対象物移動装置は、ウインドレギュレータに限られるものではなく、昇降移動するリフトなどであってもよい。
【0018】
図1は、対象物移動装置10の構成を示す図である。図1は、車両などのフロントドアに設置されたウインドレギュレータを示す図であり、便宜上紙面左方向を前方、右方向を後方、紙面上下方向を上下方向として対応させる。また、紙面手前側が、車両の内側方向とし、紙面奥行き側が、車両の外側方向とする。なお、方向については限定されるものではない。
本実施の形態の対象物移動装置10は、移動部材20と、ガイド部材30と、ケーブル40と、駆動部60と、保持構造70と、を備える。
【0019】
(移動部材20)
移動部材20は、移動対象物100に取り付けられる。移動部材20は、ケーブル40を介して伝達された駆動部60の駆動力によって移動する。移動部材20は、ガイド部材30に沿って移動する。ここで、ガイド部材30の長さ方向G(ガイド部材30に沿った方向ともいえる)が示されている。また、長さ方向Gのうち上方向がG1で示され、下方向がG2で示されている。
【0020】
移動部材20は、互いに離間して2つ設けられてもよい。移動部材20の配置方向は、移動対象物100の移動方向に対して略垂直な方向に設けられている。移動対象物100を移動方向と略垂直な方向に配置された2つの移動部材で固定することによって、移動対象物を安定して移動させることができる。
【0021】
本実施の形態の移動部材20は、移動対象物100が固定されるキャリアプレートである。図1に示す対象物移動装置10は、サッシュレスタイプのウインドレギュレータであるため、移動部材20は、前後方向に並列に2つ所定間隔を空けて設けられているが、これに限らず、例えば1つしか設けられていなくてもよい。なお、2つの移動部材20を区別して説明する必要があるときには、図1に示す前側の移動部材20を20aとして示し、後ろ側の移動部材20を20bとして示す。
【0022】
移動部材20は、摺動部21と、固定部22と、を有している。摺動部21は、ガイド部材30の幅方向(図1に示す前後方向を概ね一致する)においてガイド部材30と係合してガイド部材に沿った方向(方向G)に摺動する。摺動部21は、例えば、ガイドレールの突条と嵌合する溝とすることができる。固定部22は、移動対象物100を固定する。移動対象物100(点線で示す)が窓の場合、固定部22は、ガラスホルダを介して移動対象物100を締結する。なお、移動部材20の構成については、本実施の形態の構成に限られるものではなく、移動対象物100によって形状が異なっても良い。
【0023】
(ガイド部材)
ガイド部材30は、移動部材20を移動方向に案内する。ガイド部材30は、移動対象物100を移動させる方向に概ね沿って配置される。
ガイド部材30は、互いに相対位置を変更可能なように離間して2つ設けられていてもよい。2つのガイド部材30は、幅方向(図1での左右方向)に離間して設けられている。2つのガイド部材30の相対位置を変更可能とすることにより、取り付け対象物(例えば、車両)への取り付けの際にガイド部材30の位置を調整することができる。ガイド部材30は、取り付け対象物にボルト等の締結部材などで固定することができ、その際に、互いの相対位置が調整される。なお、図1における内外方向は、ガイド部材30の厚み方向に対応する。
【0024】
ガイド部材30は、図1に示すウインドレギュレータでは、ガイドレールである。
ガイド部材30は、移動部材20をガイド部材30の長さ方向Gに沿って案内する。また、ガイド部材30は、図1に示す例では、サッシュレスタイプのウインドレギュレータであるため、前後方向に並列に2つ所定間隔を空けて設けられているが、これに限らず、例えば1つしか設けられていなくてもよい。なお、2つのガイド部材30を区別して説明する必要があるときには、図1に示す前側のガイド部材30を30aとして示し、後ろ側のガイド部材30を30bとして示す。
2つのガイド部材30は、取り付け対象物の一例である車両のドアに固定され、互いに離間して配置されている。ガイド部材30は、移動部材20の摺動部21と係合する被係止部を有しており、被係止部の一例は、ガイド部材に沿った方向(方向G)に延びる突条である。
【0025】
(ケーブル)
ケーブル40は、移動部材20に接続される。ケーブル40は、移動部材20と、ケーブル40の巻取りと繰り出しを行う駆動部60に接続される。駆動部60が駆動し、ケーブル40の巻取りと繰り出しを行うことによって、ケーブル40が接続されている移動部材20がガイド部材30に沿って移動する。ケーブル40の少なくとも一部は、ガイド部材30に沿って配索されている。ケーブル40のガイド部材30に沿った部分が、移動部材20に接続されている。
【0026】
ケーブル40は、方向転換部50によってその伸びる方向が換えられて、駆動部60と移動部材20に接続されている。方向転換部50は、ケーブル40の方向を転換することができれば特に限定されるものではない。
ケーブル40は、例えば金属の線材などからなる索状体である。
ケーブル40は、駆動部60の駆動力が伝達されるように、移動部材20に接続されている。ケーブル40は、2つのガイド部材30の各々の上部および下部に設けられた計4つの方向転換部50によって、その伸びる方向が転換される。
方向転換部50は、方向転換部材51と、方向転換部材を支持する支持部材52と、を有する。方向転換部材51は、ケーブル40の伸びる方向を転換する。支持部材52は、ガイド部材30に固定され、方向転換部材51をケーブル40の伸びる方向を変換可能に支持する。方向転換部材51は、例えば、プーリである。ケーブル40は、方向転換部材51に巻き掛けられて、その伸びる方向が転換される。
【0027】
4つの方向転換部50を区別して説明する必要があるときには、図1に示す前側のガイド部材30aの上部の方向転換部50、方向転換部材51、および支持部材52を、それぞれ50a、51a、52aと示す。図1に示す前側のガイド部材30aの下部の方向転換部50、方向転換部材51、および支持部材52を、それぞれ50b、51b、52bと示す。図1に示す後側のガイド部材30bの上部の方向転換部50、方向転換部材51、および支持部材52を、それぞれ50c、51c、52cと示す。図1に示す後側のガイド部材30bの下部の方向転換部50、方向転換部材51、および支持部材52を、それぞれ50d、51d、52dと示す。
【0028】
方向転換部50aは、駆動部60に接続された端から上向きに伸びるケーブル40の方向を上向きから下向きに転換させる。方向転換部50bは、方向転換部50aによって下向きに転換されたケーブル40の伸びる方向を上向きに転換する。
方向転換部50cは、方向転換部50bによって上向きに転換されたケーブル40の伸びる方向を下向きに転換する。方向転換部50dは、方向転換部50cによって下向きに転換されたケーブル40の伸びる方向を上向きに転換する。上向きに伸びる方向が転換されたケーブル40の端は、駆動部60に接続されている。
【0029】
ケーブル40の一部は、方向転換部50aと方向転換部50bの間においてガイド部材30aに沿って配置されている。ケーブル40のガイド部材30aに沿って配置されている部分が、移動部材20aに接続されている。また、ケーブル40の一部は、方向転換部50cと方向転換部50dの間においてガイド部材30bに沿って配置されている。ケーブル40のガイド部材30bに沿って配置されている部分が、移動部材20bに接続されている。
【0030】
ケーブル40は、上昇用ケーブル41と、中間ケーブル42と、下降用ケーブル43と、を有する。
上昇用ケーブル41は、移動部材20aと駆動部60に接続されている。上昇用ケーブル41は、その一方のケーブルエンドが駆動部60のドラム部材に係合されており、途中で方向転換部50aの方向転換部材51aに巻き掛けられて、他方のケーブルエンド41aが移動部材20aに係合されている。
【0031】
中間ケーブル42は、移動部材20aと移動部材20bに接続されている。中間ケーブル42は、その一方のケーブルエンド42aが移動部材20aに係合され、その途中で方向転換部50b、50cの各々の方向転換部材51b、51cに順に巻き掛けられて、他方のケーブルエンド42bが移動部材20bに係合している。
下降用ケーブル43は、移動部材20bと駆動部60に接続されている。下降用ケーブル43は、その一方のケーブルエンド43aが移動部材20bに取り付けられており、その途中で方向転換部50dの方向転換部材51dに巻き掛けられて、他方のケーブルエンド(図示せず)が駆動部のドラム部材に係合している。
【0032】
ケーブル40は、その一部がアウターケーシング45に挿通されている。アウターケーシング45は3つに分けられている。上昇用ケーブル41は、方向転換部50aと駆動部60の間においてアウターケーシング45aに挿通されている。また、中間ケーブル42は、方向転換部50bと方向転換部50cの間においてアウターケーシング45bに挿通されている。下降用ケーブル43は、方向転換部50dと駆動部60の間において、アウターケーシング45cに挿通されている。
【0033】
(駆動部)
駆動部60は、ケーブル40が接続され、ケーブル40の巻取りと繰り出しを行う。駆動部60は、移動部材20を移動させる駆動力を発生する。駆動部60は、モータと、ドラム部材と、モータハウジングとを有する。モータは、駆動力を発生させる。ドラム部材は、モータの駆動によって回転する。ドラム部材には、その回転によってケーブル40の巻取りと繰り出しを行うことができるように、ケーブル40が接続されている。モータハウジング61は、モータとドラム部材を収容する。駆動部60は、ケーブル40と接続するが、本実施の形態においては、上昇用ケーブル41と下降用ケーブル43とのそれぞれのケーブルエンドが駆動部60のドラムと接続することで、ドラムの回転によりケーブル40の巻取りと繰り出しとを行う。
モータハウジング61に形成された第1挿入部62と第2挿入部63からケーブル40がモータハウジング61の内側に挿入される。第1挿入部62および第2挿入部63は、モータハウジング61に形成された挿入孔である。
【0034】
第1挿入部62には、上昇用ケーブル41のケーブルエンド41aと反対側の端が挿入され、ドラム部材に接続されている。第2挿入部63には、下降用ケーブル43のケーブルエンド43aと反対側の端が挿入され、ドラム部材に接続されている。
モータハウジング61は、図1に示す第1部材64と、図2に示す第2部材65と、を有する。図2は、モータハウジング61の第2部材65を示す斜視図である。図2には、図1における紙面手前側に対応する外側方向と、紙面奥行き側に対応する内側方向が矢印で示されている。
【0035】
第1部材64と第2部材65によって、モータおよびドラム部材が収納される。第1部材64は、モータハウジング61のうち図1に示す紙面手前側(外側)の部分である。図2に示す第2部材65は、モータハウジング61のうち図1の紙面奥側(内側)の部分である。図2には、第2部材65のうち第1挿入部62の内側部分を形成する第1形成部66と、第2挿入部63の内側部分を形成する第2形成部67が図示されている。
【0036】
(保持構造)
保持構造70は、駆動部60をガイド部材30に保持する。保持構造70は、駆動部60をガイド部材30に保持できれば、その構成が限定されるものではない。保持構造70が、駆動部60とガイド部材30に設けられ、駆動部60がガイド部材30に直接保持されてもよい。ここで、保持とは、仮固定を意味し、ガイド部材30の厚み方向に沿った所定範囲内でのガイド部材30に対する駆動部60の移動を少なくとも許容する。
また、駆動部60が保持部材を介してガイド部材30に保持されてもよい。この場合、保持構造70が保持部材と駆動部60に設けられ、保持部材がガイド部材30に固定され、駆動部60が保持部材に保持されることによって、駆動部60がガイド部材30に保持されてもよい。さらに、保持構造70が保持部材とガイド部材30に設けられ、保持構造70が駆動部60に固定され、ガイド部材30に保持部材が保持されることによって、駆動部60がガイド部材30に保持されてもよい。保持部材としては、上述した方向転換部50であってもよいし、方向転換部50とは別に設けられたブラケットなどであってもよく、駆動部60とガイド部材30のそれぞれに接続されていればよい。
【0037】
本実施の形態では、図1に示す保持構造70は、駆動部60をガイド部材30に保持する。図1に示す対象物移動装置10の一例であるウインドレギュレータでは、保持構造70は、駆動部60と方向転換部材51に設けられている。図1に示すウインドレギュレータでは、保持部材の一例として方向転換部50bの支持部材52bが用いられている。なお、保持部材の一例は、支持部材52bに限られるものではなく、ガイド部材30bに取り付けられた支持部材52cであってもよい。駆動部60は、2つのガイド部材30のいずれか一方に保持構造70によって保持されていればよい。保持構造70を構成する保持部材は、ガイド部材30に固定されるための駆動部60が取り付けられる部材である。保持構造70を構成する保持部材は、例えば、ガイド部材30に固定されるブラケットである。
保持構造70は、ガイド部材30に対する駆動部60の相対的移動がガイド部材30の厚み方向に沿った所定範囲内での可能な状態で、駆動部60を保持する。ガイド部材30に保持部材の一例としての支持部材52bが固定されている場合には、保持構造70によって、駆動部60が支持部材52bの厚み方向に沿った所定範囲内で可能な状態で、駆動部60を保持する。これによって、駆動部60がガイド部材30の厚み方向に沿った所定範囲内で相対的に移動可能となる。
【0038】
また、保持構造70は、ガイド部材30に沿った方向Gにおける所定範囲内でのガイド部材30に対する駆動部60の相対移動が可能な状態で、駆動部60のガイド部材30の幅方向への移動を規制する。なお、幅方向への移動の規制は、公差によるガタツキなどは許容するものである。
【0039】
このような構成の具体例について以下に説明する。
図3は、支持部材52bを示す斜視図である。図3に示すように、支持部材52bは、板状の部材であり、ガイド部材30aの下部に固定される。
支持部材52bは、取付部101と、保持部102と、軸孔103と、を有している。取付部101は、ガイド部材30aに取り付けられる。支持部材52bはガイド部材30aにボルト等の締結部材で固定されてもよいし、溶接等によって取り付けられてもよい。軸孔103は、方向転換部材51aの回転軸が挿入され、方向転換部材51aを回転可能に支持する。保持部102には、駆動部60が保持される。保持部102は、支持部材52bのガイド部材30間の内側に向かって突出した部分である。
保持構造70は、駆動部側保持要素71と、保持部材側保持要素72と、を有している。本実施の形態では、保持部材側保持要素72が、図3に示すように貫通孔81を有し、駆動部側保持要素71が、図2に示すように挿入部82を有しているが、これに限られるものではなく、貫通孔が設けられる部材と挿入部が設けられる部材とが逆であってもよい。駆動部側保持要素71と保持部材側保持要素72によって、駆動部60をガイド部材30に保持できさえすればよい。
【0040】
図4は、図2のS部拡大図である。図4に示すように、挿入部82は、係止部91と、中間部92と、を有する。係止部91は、先端部93に設けられ、貫通孔81に挿入可能である。
本実施の形態では、挿入部82は、第2部材65から外側方向(図1では紙面手前方向)に向かって伸びて形成されている。挿入部82は、円柱状部94と、その側面から突出するように形成された一対の係止部91とを有する。係止部91は、円柱状部94の先端に設けられている。円柱状部94には、先端から中間部92に向かって切り欠き95が形成されている。一対の係止部91は、切り欠き95を挟んで対向するように形成されている。先端部93は、円柱状部94の先端と係止部91から構成されている。中間部92は、円柱状部94の係止部91よりも根元側の部分である。
図5は、図1のT部拡大図である。2つの挿入部82は、図5に示すように、ガイド部材30に沿うように配置されている。また、本実施の形態では、2つの挿入部82の係止部91は互いに平行になるように円柱状部94から突出している。また、2つの挿入部82は、切り欠き95が互いに対向するように配置されている。
【0041】
一方、保持部材側保持要素72が有する貫通孔81は、支持部材52bに形成されている。図3に示すように、貫通孔81は、長孔に形成されている。この長孔は、ガイド部材30に沿った方向Gに沿って形成されている。また、貫通孔81の方向Gに対して垂直方向の幅は、挿入部82の直径と概ね同じ長さに設定されている。
図6は、保持部材側保持要素72の貫通孔81に、駆動部側保持要素71の挿入部82を差し込む状態を示す図である。保持構造70によって、支持部材52bに駆動部60を保持する際には、支持部材52bの貫通孔81に2つの挿入部82が挿通される。
図7(a)~図7(c)は、挿入部82の貫通孔81への挿入の動作を示す模式断面図である。図7(a)および図7(b)に示すように、挿入部82を貫通孔81に挿入すると、係止部91の先端側の傾斜面91aが貫通孔81の縁に当接する。更に、挿入部82を挿入すると、先端部93の切り欠き95の両端側の部分93aが傾斜面91aに沿って貫通孔81の縁に押されて、矢印方向に狭まる(図7(b)の矢印参照)。これによって、係止部91が貫通孔81に挿入でき、更に挿入部82の中間部92が貫通孔81と摺動して、図7(c)に示すように、挿入部82が貫通孔81に挿入される。
このように、保持構造70によって、駆動部60が支持部材52bに保持された状態において、貫通孔81から突出した部分に、貫通孔81の縁部81aと係止可能な係止部91が設けられている。このため、挿入部82が貫通孔81から抜けるように、駆動部60が支持部材52bに対して移動したとしても、係止部91が貫通孔81の縁部81aに当接するため、抜けることが防止される。
【0042】
また、ガイド部材30に沿った方向Gに所定の長さに亘って配置された2つの挿入部82が貫通孔81に挿入されることによって、支持部材52bに駆動部60を保持することができる。
【0043】
また、挿入部82のうちの1の挿入部82が貫通孔81の縁部81aと摺動する方向と、挿入部82のうちの他の1の挿入部82が貫通孔81の縁部81aと摺動する方向が異なることにより、特にガイド部材30の幅方向において、駆動部60がガイド部材30に対して相対移動することが抑制される。
【0044】
また、2つの挿入部82が貫通孔81の縁部81aに当接するため、ガイド部材30の厚み方向に対して略垂直な平面における支持部材52bに対する駆動部60の回転方向への移動(図5の矢印P参照)を規制することができる。
【0045】
なお、本実施の形態のような2つの挿入部82に限らず、2つの挿入部82の間が繋がった板状であってもよい。さらに、2つの挿入部82に限らず、3つ以上挿入部82が設けられていてもよい。
【0046】
また、挿入部82の係止部91から根元までの長さW1が、貫通孔81の厚みW2よりも長いため、図7(c)に示すように、挿入部82を有する駆動部60は、貫通孔81の厚み方向に沿って支持部材52bに対してW3分移動することができる。この貫通孔81の厚み方向とは、ガイド部材30の厚み方向と一致し、本実施の例では、内外方向と一致する。
【0047】
また、図6に示すように、貫通孔81のガイド部材30に沿った方向Gの長さL1は、一対の挿入部82のガイド部材30に沿った方向Gの長さL2よりも短くなっている。そのため、貫通孔81が形成された支持部材52bに対して、挿入部82を有する駆動部60はガイド部材30に沿った方向Gに長さL3分移動可能となっている。
なお、上記実施の形態のような挿入部82の形状に限らなくても良く、例えば、円柱状部をボルトで構成し、係止部をナットで構成してもよい。この場合、ボルトを貫通孔81に通した後にナットをボルトに嵌めればよい。
【0048】
図8(a)、(b)は、本実施の形態の対象物移動装置10を車体のドア200に取り付ける際の動作を説明するための図である。
図8(a)に示すように、対象物移動装置10は、ドア200の内側パネル201と外側パネル202の間に配置される。対象物移動装置10は、内側パネル201に取り付けられる。対象物移動装置10は、ガイド部材30と駆動部60(図8では図示せず)が別々に内側パネル201に取り付けられる。
ここで、移動対象物100である窓が、上下に配置された一対のウェザーストリップ203の間に挿入されるように、ガイド部材30の厚み方向(内外方向)の位置が調整される。この際に、駆動部60がガイド部材30に対して厚み方向に距離W3分(図7(c)参照)移動可能であるため、例えば、駆動部60を内側パネル201に固定した状態でガイド部材30の厚み方向の位置を調整することができる。なお、ガイド部材30は、その上部と下部において内側パネル201に対してボルト部材204等によって取り付けられ、厚み方向(内外方向)の位置を調整可能に構成されている。
このように、ウェザーストリップ203の位置に合わせて対象物移動装置10の取り付け位置の調整を容易にすることができる。
【0049】
(実施の形態2)
次に、本発明にかかる実施の形態2について説明する。
本実施の形態2の対象物移動装置10´について説明する。本実施の形態の対象物移動装置10´は、図9に示すように、ガイド部材30の間の間隔が狭いため、駆動部60がガイド部材30の下方で固定されている。本実施の形態2の対象物移動装置10´の一例はウインドレギュレータであるが、幅が狭いためリアウインド用に用いることができる。一方、上記実施の形態1の対象物移動装置10はガイド部材30の間隔が広いため、フロントウインド用に用いることができる。
なお、本実施の形態2では、上記実施の形態1と同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
【0050】
本実施の形態2の対象物移動装置10´では、保持構造70´の位置および構造が実施の形態1と異なっている。
保持構造70´は、駆動部60´をガイド部材30に保持する。保持構造70´は、支持部材52(52d´)と駆動部60´に設けられている。保持構造70´は、駆動部側保持要素71´と、保持部材側保持要素72´を有している。駆動部側保持要素71´は、駆動部60´に設けられている。駆動部60´は、駆動部60と略左右対称に形成されている。駆動部60´は、駆動部60と同様に、モータハウジング61と、第1挿入部62と、第2挿入部63と、第1部材64と、第2部材65を有している。本実施の形態2では、実施の形態1と異なり、駆動部60´はガイド部材30bに保持されているため、ケーブル40の配索は実施の形態1と異なっている。
【0051】
駆動部側保持要素71´は、駆動部60´に設けられている。駆動部側保持要素71´は、実施の形態1と同様の2つの挿入部82を有している。
保持部材側保持要素72´は、支持部材52d´に設けられている。支持部材52d´は、方向転換部50´(50d´)に設けられている。図11は、支持部材52d´の斜視図である。支持部材52d´は、実施の形態1の支持部材52dと異なり、図9に示すように、ガイド部材30bに沿った方向Gに沿って、ガイド部材30bの下部から下方に向かって延びている。支持部材52d´は、取付部101と、軸孔103と、保持部102と、を有する。取付部101は、ガイド部材30bの下部に取り付けられる。軸孔103は、取付部101のガイド部材30間の内側に配置されており、方向転換部材51aの回転軸が挿入され、方向転換部材51aを回転可能に支持する。保持部102は、支持部材52d´の下部であってガイド部材30間の内側に向かって突出した部分である。
【0052】
保持部材側保持要素72´は、支持部材52d´の保持部102に形成された2つの貫通孔81´を有する。2つの貫通孔81´は、ガイド部材30の長さ方向Gに沿って長孔状に形成されており、互いに平行である。また、貫通孔81´の幅は、挿入部82の直径と概ね同じ長さである。なお、本実施の形態では、2つの貫通孔81´は、長さ方向Gに沿って直線上には配置されておらず、ずれて配置されているが、直線上に配置されていてもよい。
【0053】
図12は、図9のV部拡大図である。図12に示すように、2つの挿入部82は、2つの貫通孔81´にそれぞれ挿入されている。挿入部82の係止部91が貫通孔81´の縁部81a´に係止することによって、挿入部82が貫通孔81´から抜け止めされている。
このように、2つの貫通孔81´の各々に挿入部82が挿入されることによって、ガイド部材30の幅方向に沿ったガイド部材30に対する駆動部60´の移動が規制される。
また、貫通孔81´は、挿入部82よりもガイド部材30の長さ方向Gの長さが長く形成されているため、その距離L4分、支持部材52d´に対して駆動部60´が方向Gに沿って移動できる。また、図示していないが図7(c)で示したように、挿入部82の根元から係止部91までの長さが、貫通孔81´の厚みよりも長く形成されているため、支持部材52d´に対して駆動部60´が貫通孔81´の厚み方向に沿って移動できる。
【0054】
以上の実施の形態で述べたように、ガイド部材30の厚み方向に沿った所定範囲内でガイド部材30に対して相対移動可能に駆動部60、60´がガイド部材30に仮固定される。これによって、仮に駆動部60、60´を固定した状態でもガイド部材30の位置を厚み方向に調整することができるため、取り付け位置の調整を容易に行うことができる。
例えば車両の窓の昇降に用いるために対象物移動装置10を車体に取り付ける際に、駆動部60、60´を車体に固定した状態でガイド部材30を、その厚み方向(内外方向)に移動させることができる。このため、移動部材20に取り付けられる窓の位置をウェザーストリップ203とのシールが十分確保される位置に調整することが可能となる。このように、取り付け位置を調整し易くすることができる。
【0055】
また、駆動部60、60´のガイド部材30に対する相対的な位置のうち幅方向の位置が概ね固定されるが、ガイド部材30に沿った方向Gに対しては所定範囲内で調整することができる。そのため、より位置調整を行い易くできる。
【0056】
また、上記実施の形態で示したように、対象物移動装置10、10´をサッシュレスの車両に対するウインドレギュレータとして適用することができる。
【0057】
また、係止部91を貫通孔81、81´に挿入するだけで、駆動部60、60´をガイド部材30に仮固定することができるため、駆動部60、60´をガイド部材30に容易に保持することができる。更に、中間部92と貫通孔81、81´の摺動によって駆動部60、60´が支持部材52b、52d´(保持部材の一例)に対して相対的に移動できるため、駆動部60、60´とガイド部材30の位置調整を行い易くすることができる。
【0058】
また、駆動部60、60´のガイド部材30に対する幅方向への相対移動が抑制されるため、対象物移動装置10、10´を車両などに取り付ける際に幅方向への相対位置を固定することができる。
【産業上の利用可能性】
【0059】
本発明の対象物移動装置は、取り付け位置の調整を行い易い効果を有し、例えば、ウインドレギュレータなどとして有用である。
【符号の説明】
【0060】
10 :対象物移動装置
20 :移動部材
30 :ガイド部材
40 :ケーブル
60 :駆動部
70 :保持構造
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12