IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ダート・ニューロサイエンス・エルエルシーの特許一覧

特許7033139障害の治療のためのヒドロキシノルケタミン誘導体
<>
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-01
(45)【発行日】2022-03-09
(54)【発明の名称】障害の治療のためのヒドロキシノルケタミン誘導体
(51)【国際特許分類】
   C07D 265/14 20060101AFI20220302BHJP
   A61K 31/536 20060101ALI20220302BHJP
   A61P 25/00 20060101ALI20220302BHJP
   A61P 25/04 20060101ALI20220302BHJP
   A61P 25/06 20060101ALI20220302BHJP
   A61P 25/22 20060101ALI20220302BHJP
   A61P 25/24 20060101ALI20220302BHJP
   A61P 25/28 20060101ALI20220302BHJP
   A61P 25/18 20060101ALI20220302BHJP
   C07D 413/06 20060101ALI20220302BHJP
   C07D 413/04 20060101ALI20220302BHJP
   C07D 413/12 20060101ALI20220302BHJP
【FI】
C07D265/14 CSP
A61K31/536
A61P25/00
A61P25/04
A61P25/06
A61P25/22
A61P25/24
A61P25/28
A61P25/18
C07D413/06
C07D413/04
C07D413/12
【請求項の数】 30
(21)【出願番号】P 2019531571
(86)(22)【出願日】2017-08-29
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-09-05
(86)【国際出願番号】 US2017049129
(87)【国際公開番号】W WO2018044896
(87)【国際公開日】2018-03-08
【審査請求日】2020-08-25
(31)【優先権主張番号】62/382,132
(32)【優先日】2016-08-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】515166325
【氏名又は名称】ダート・ニューロサイエンス・エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ローレント・ゴメス
(72)【発明者】
【氏名】マーク・エベン・マッサーリ
【審査官】水島 英一郎
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2013/056229(WO,A1)
【文献】特表2006-510618(JP,A)
【文献】Zanos, Panos; 他,Nature (London, United Kingdom) ,2016年,533(7604),481-486
【文献】Moaddel, Ruin; 他,Talanta,2010年,82(5),1892-1904
【文献】Adams, J. D., Jr.; Baillie, T. A.; Trevor, A. J.; Castagnoli, N., Jr.,Biomedical Mass Spectrometry,1981年,8(11),527-38
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D
CAplus(STN)
REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】
(式中、
R1は-Hである、又は
R1は、-ハロ、-ヒドロキシ、-アルコキシ、-アミノ及び-カルボキシルからなる群からそれぞれ独立して選択される1個若しくは複数のメンバーで場合によって置換されている-C1~6アルキルである、又は
R1は、-ハロ、-ヒドロキシ、-C1~4アルキル、-C1~4アルコキシ、及びアミノからなる群からそれぞれ独立して選択される1個若しくは複数のメンバーでそれぞれ場合によって置換されている-C3~8アルケニル若しくは-C3~8アルキニルである、又は
R1は、-ハロ、-ヒドロキシ、-C1~4アルキル、-C1~4アルコキシ、及び-アミノからなる群からそれぞれ独立して選択される1個若しくは複数のメンバーでそれぞれ場合によって置換されている-(CH2)nアリール、-(CH2)nヘテロアリール、-(CH2)nシクロアルキル、若しくは-(CH2)nヘテロシクロアルキルであり、nは独立して、0、1、2、3、及び4から選択される整数である、又は
R1は-COR2、-CONR3R4、-CR5R6NR7R8、-CHR9R10、若しくは-C(OH)R11R12であり、
R2 R3、R4 R7及びR8はそれぞれ独立して、-H、-C1~8アルキル、及び-C1~8ハロアルキルからなる群から選択され、
R5及びR6はそれぞれ独立して、-H、-ハロ、-NH2、-C1~8アルキル、-C1~8ハロアルキル、-(CH2)nCONH2、-(CH2)nCOOH、-(CH2)nアリール、-(CH2)nヘテロアリール、-(CH2)nシクロアルキル、及び-(CH2)nヘテロシクロアルキルからなる群から選択され、これらは-グアニジル、-尿素、-ハロ、-アルキル、-ヒドロキシ、-アミノ、-アルコキシ、-2,3-ジヒドロ-1H-ピロール-1-カルボキサミド、-(CH2)nCONR1AR1B、-(CH2)nNHC(=O)R1A、-(CH2)nNR1AR1B、-(CH2)nOR1C、-(CH2)nSR1C及び-(CH2)nSeR1Cからなる群からそれぞれ独立して選択される1個若しくは複数のメンバーでそれぞれ場合によって置換されており、nは独立して、0、1、2、3、及び4から選択される整数であり、
R1Aはそれぞれ独立して、-H、-C1~8アルキル、-C1~8ハロアルキル、-(CH2)nCONH2、-(CH2)nCOOH、-(CH2)nアリール、-(CH2)nヘテロアリール、-(CH2)nシクロアルキル、及び-(CH2)nヘテロシクロアルキルからなる群から選択され、前記-(CH2)nアリール、-(CH2)nヘテロアリール、-(CH2)nシクロアルキル、及び-(CH2)nヘテロシクロアルキルは、-ハロ、-ヒドロキシ、-C1~4アルキル、-C1~4アルコキシ、及び-アミノからなる群からそれぞれ独立して選択される1個若しくは複数のメンバーでそれぞれ場合によって置換されており、nは独立して、0、1、2、3、及び4から選択される整数であり、
R1Bはそれぞれ独立して、-H、-C1~8アルキル、-C1~8ハロアルキル、-(CH2)nCONH2、-(CH2)nCOOH、-(CH2)nアリール、-(CH2)nヘテロアリール、-(CH2)nシクロアルキル、及び-(CH2)nヘテロシクロアルキルからなる群から選択され、nは独立して、0、1、2、3、及び4から選択される整数であり、
R1Cはそれぞれ独立して、-H、-C1~8アルキル、-C1~8ハロアルキル、-(CH2)nCONH2、-(CH2)nCOOH、-(CH2)nアリール、-(CH2)nヘテロアリール、-(CH2)nシクロアルキル、及び-(CH2)nヘテロシクロアルキルからなる群から選択され、nは独立して、0、1、2、3、及び4から選択される整数であり、
R9及びR10はそれぞれ独立して、-H、-C1~8アルキル、及び-C1~8ハロアルキルからなる群から選択され、前記アルキルは、-アミノ、-ヒドロキシ及び-カルボキシルからなる群からそれぞれ独立して選択される最大3個のメンバーで場合によって置換されている、又は場合によって、R9及びR10はそれらが結合している炭素と一緒になって、場合によって置換されている5員のヘテロアリール若しくはヘテロシクロアルキル環を形成し、
R11及びR12は独立して、-H、-C1~6アルキル、及び-C1~6ハロアルキルからなる群から選択され、前記-C1~6アルキル及び-C1~6ハロアルキルは、-ヒドロキシ及びアミノからなる群からそれぞれ独立して選択される最大3個のメンバーで場合によって置換されている)
の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項2】
R1が-Hである、又は
R1が、-ハロ、-ヒドロキシ、-アルコキシ、-アミノ及び-カルボキシルからなる群からそれぞれ独立して選択される1個若しくは複数のメンバーで場合によって置換されている-C1~6アルキルである、又は
R1が、-ハロ、-ヒドロキシ、-C1~4アルキル、-C1~4アルコキシ、及びアミノからなる群からそれぞれ独立して選択される1個若しくは複数のメンバーでそれぞれ場合によって置換されている-C3~8アルケニル若しくは-C3~8アルキニルである、又は
R1が、-ハロ、-ヒドロキシ、-C1~4アルキル、-C1~4アルコキシ、及び-アミノからなる群からそれぞれ独立して選択される1個若しくは複数のメンバーでそれぞれ場合によって置換されている-(CH2)nアリール、-(CH2)nヘテロアリール、-(CH2)nシクロアルキル、若しくは-(CH2)nヘテロシクロアルキルであり、nは独立して、0、1、2、3、及び4から選択される整数である、又は
R1が-CR5R6NR7R8、-CHR9R10、若しくは-C(OH)R11R12であり、
R7及びR8が独立して、-H、-C1~8アルキル、及び-C1~8ハロアルキルからなる群から選択され、
R5及びR6がそれぞれ独立して、-H、-ハロ、-NH2、-C1~8アルキル、-C1~8ハロアルキル、-(CH2)nCONH2、-(CH2)nCOOH、-(CH2)nアリール、-(CH2)nヘテロアリール、-(CH2)nシクロアルキル、及び-(CH2)nヘテロシクロアルキルからなる群から選択され、これらは-グアニジル、-尿素、-ハロ、-アルキル、-ヒドロキシ、-アミノ、-アルコキシ、-2,3-ジヒドロ-1H-ピロール-1-カルボキサミド、-(CH2)nNR1AR1B、-(CH2)nOR1C、-(CH2)nSR1C及び-(CH2)nSeR1Cからなる群からそれぞれ独立して選択される1個若しくは複数のメンバーでそれぞれ場合によって置換されており、nは独立して、0、1、2、3、及び4から選択される整数であり、
R1Aがそれぞれ独立して、-H、-C1~8アルキル、-C1~8ハロアルキル、-(CH2)nアリール、-(CH2)nヘテロアリール、-(CH2)nシクロアルキル、及び-(CH2)nヘテロシクロアルキルからなる群から選択され、nは独立して、0、1、2、3、及び4から選択される整数であり、
R1Bがそれぞれ独立して、-H、-C1~8アルキル、-C1~8ハロアルキル、-(CH2)nアリール、-(CH2)nヘテロアリール、-(CH2)nシクロアルキル、及び-(CH2)nヘテロシクロアルキルからなる群から選択され、nは独立して、0、1、2、3、及び4から選択される整数であり、
R1Cがそれぞれ独立して、-H、-C1~8アルキル、-C1~8ハロアルキル、-(CH2)nアリール、-(CH2)nヘテロアリール、-(CH2)nシクロアルキル、及び-(CH2)nヘテロシクロアルキルからなる群から選択され、nは独立して、0、1、2、3、及び4から選択される整数であり、
R9及びR10がそれぞれ独立して、-H、-C1~8アルキル、及び-C1~8ハロアルキルからなる群から選択され、前記アルキルは、-アミノ、-ヒドロキシ、及び-カルボキシルからなる群からそれぞれ独立して選択される最大3個のメンバーで場合によって置換されている、又は場合によって、R9及びR10はそれらが結合している炭素と一緒になって、場合によって置換されている5員のヘテロアリール若しくはヘテロシクロアルキル環を形成することができ、
R11及びR12がそれぞれ独立して、-H、-C1~6アルキル、及び-C1~6ハロアルキルからなる群から選択され、前記-C1~6アルキル及び-C1~6ハロアルキルは、-ヒドロキシ及び-アミノからなる群からそれぞれ独立して選択される最大3個のメンバーで場合によって置換されている、
請求項1に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項3】
R1が-CR5R6NR7R8又は-CR9R10であり、
R5及びR6が独立して、-H、-F、-Cl、-Br、-NH2、-メチル、-エチル、-n-プロピル、-イソプロピル、-ブチル、-ペンチル、-NH2、-C1~8ハロアルキル、-(CH2)nCONH2、-(CH2)nCOOH、-(CH2)nアリール、-(CH2)nベンジル、-(CH2)nヘテロアリール、-(CH2)インドール、-(CH2)イミダゾール、-(CH2)nシクロアルキル、-(CH2)nヘテロシクロアルキル、-(CH2)nピロリジン、-(CH2)フラン、及び-(CH2)nチオフェンからなる群から選択され、これらは-グアニジル、-尿素、-ハロ、-アルキル、-ヒドロキシ、-アミノ、-アルコキシ、-2,3-ジヒドロ-1H-ピロール-1-カルボキサミド、-(CH2)nNR1AR1B、-(CH2)nOR1C、-(CH2)nSR1C及び-(CH2)nSeR1Cからなる群からそれぞれ独立して選択される最大3個のメンバーで場合によって置換されており、nは独立して、0、1、2、3、及び4から選択される整数であり、
R1Aがそれぞれ独立して、-H、-C1~8アルキル、-C1~8ハロアルキル、-(CH2)nアリール、-(CH2)nヘテロアリール、-(CH2)nシクロアルキル、及び-(CH2)nヘテロシクロアルキルからなる群から選択され、nは独立して、0、1、2、3、及び4から選択される整数であり、
R1Bがそれぞれ独立して、-H、-C1~8アルキル、-C1~8ハロアルキル、-(CH2)nアリール、-(CH2)nヘテロアリール、-(CH2)nシクロアルキル、及び-(CH2)nヘテロシクロアルキルからなる群から選択され、nは独立して、0、1、2、3、及び4から選択される整数であり、
R1Cがそれぞれ独立して、-H、-C1~8アルキル、-C1~8ハロアルキル、-(CH2)nアリール、-(CH2)nヘテロアリール、-(CH2)nシクロアルキル、及び-(CH2)nヘテロシクロアルキルからなる群から選択され、nは独立して、0、1、2、3、及び4から選択される整数であり、
R7及びR8が-Hであり、
R9及びR10が独立して、-H、-C1~8アルキル、及び-C1~8ハロアルキルからなる群から選択される、又は場合によって、R9及びR10はそれらが結合している炭素と一緒になって、場合によって置換されている5員のヘテロアリール若しくはヘテロシクロアルキル環を形成することができる、
請求項1に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項4】
(1R,5R)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1R,5R)-5-(2-クロロフェニル)-3-メチル-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1R,5R)-5-(2-クロロフェニル)-3-(1-ヒドロキシエチル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1R,5R)-3-((S)-1-アミノ-2-メチルプロピル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1R,5R)-3-(アミノメチル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1R,5R)-5-(2-クロロフェニル)-3-フルオロカルボニル-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1R,5R)-5-(2-クロロフェニル)-3-((S)-1,5-ジアミノペンチル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1R,5R)-3-((S)-1-アミノエチル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1R,5R)-5-(2-クロロフェニル)-3-フェニル-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1R,5R)-3-((1S,2R)-1-アミノ-2-メチルブチル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1R,5R)-3-((S)-1-アミノ-3-メチルブチル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1R,5R)-3-((S)-1-アミノ-2-フェニルエチル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1R,5R)-3-((S)-1-アミノ-2-(4-ヒドロキシフェニル)エチル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1R,5R)-3-((S)-1-アミノ-2-(1H-インドール-3-イル)エチル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1R,5R)-3-((S)-1-アミノ-2-(1H-イミダゾール-4-イル)エチル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1R,5R)-5-(2-クロロフェニル)-3-(ピロリジン-2-イル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(S)-3-アミノ-3-((1R,5R)-5-(2-クロロフェニル)-9-オキソ-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-3-イル)プロパン酸;
(S)-4-アミノ-4-((1R,5R)-5-(2-クロロフェニル)-9-オキソ-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-3-イル)ブタン酸;
(S)-4-アミノ-4-((1R,5R)-5-(2-クロロフェニル)-9-オキソ-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-3-イル)ブタンアミド;
(S)-3-アミノ-3-((1R,5R)-5-(2-クロロフェニル)-9-オキソ-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-3-イル)プロパンアミド;
(1R,5R)-3-((S)-1-アミノ-3-(メチルチオ)プロピル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1R,5R)-3-((R)-1-アミノ-2-メルカプトエチル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1R,5R)-3-((S)-1-アミノ-2-ヒドロキシエチル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1R,5R)-3-((S)-1-アミノ-2-メトキシエチル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
1-((S)-4-アミノ-4-((1R,5R)-5-(2-クロロフェニル)-9-オキソ-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-3-イル)ブチル)グアニジン;
(1R,5R)-5-(2-クロロフェニル)-3-エチル-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
3-((1R,5R)-5-(2-クロロフェニル)-9-オキソ-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-3-イル)-2-ヒドロキシプロパン酸;
2-(((1R,5R)-5-(2-クロロフェニル)-9-オキソ-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-3-イル)メチル)-2-ヒドロキシコハク酸;
5-((1R,5R)-5-(2-クロロフェニル)-9-オキソ-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-3-イル)ペンタン酸;
3-((1R,5R)-5-(2-クロロフェニル)-9-オキソ-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-3-イル)-2,3-ジヒドロキシプロパン酸;
3-((1R,5R)-5-(2-クロロフェニル)-9-オキソ-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-3-イル)プロパン酸;
(1R,5R)-5-(2-クロロフェニル)-3-ヘプチル-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1R,5R)-3-(1-アミノ-2-ヒドロセレノエチル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1R,5R)-5-(2-クロロフェニル)-3-(2-(メチルアミノ)エチル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1R,5R)-5-(2-クロロフェニル)-3-(1,2-ジアミノエチル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1R,5R)-3-(2-アミノ-1-ヒドロキシエチル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1R,5R)-3-(3-アミノプロピル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1R,5R)-3-(4-アミノブチル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1R,5R)-3-(3-アミノペンチル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1R,5R)-3-(1-アミノ-3-ヒドロキシプロピル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1R,5R)-5-(2-クロロフェニル)-3-(1,4-ジアミノブチル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
4-アミノ-4-((1R,5R)-5-(2-クロロフェニル)-9-オキソ-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-3-イル)-N-エチルブタンアミド;
(1R,5R)-5-(2-クロロフェニル)-3-(1,5-ジアミノ-4-ヒドロキシペンチル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
1-(4-アミノ-4-((1R,5R)-5-(2-クロロフェニル)-9-オキソ-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-3-イル)ブチル)尿素;
1-(5-アミノ-5-((1R,5R)-5-(2-クロロフェニル)-9-オキソ-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-3-イル)ペンチル)尿素;
1-(5-アミノ-5-((1R,5R)-5-(2-クロロフェニル)-9-オキソ-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-3-イル)ペンチル)グアニジン;
1-(2-((1R,5R)-5-(2-クロロフェニル)-9-オキソ-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-3-イル)エチル)グアニジン;
(1R,5R)-3-(1-アミノ-2-メチルブチル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1R,5R)-3-(1-アミノ-2-(5-ヒドロキシ-1H-インドール-3-イル)エチル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1R,5R)-3-(1-アミノ-2-(5-メチル-1H-インドール-3-イル)エチル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1R,5R)-3-(2-(1H-インドール-3-イル)-1-(メチルアミノ)エチル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1R,5R)-5-(2-クロロフェニル)-3-(4-ヒドロキシピロリジン-2-イル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1R,5R)-3-(1-アミノ-2-ヒドロキシ-3-メチルブチル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1R,5R)-5-(2-クロロフェニル)-3-(1-(メチルアミノ)エチル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1R,5R)-3-(2-アミノプロピル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
N-(5-アミノ-5-((1R,5R)-5-(2-クロロフェニル)-9-オキソ-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-3-イル)ペンチル)-3-メチル-3,4-ジヒドロ-2H-ピロール-2-カルボキサミド;
(1R,5R)-3-(1-アミノ-3-ヒドロキシ-2-メチルブチル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1R,5R)-3-(1-アミノ-2,2-ジメチルプロピル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1R,5R)-3-(アミノ(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)メチル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1R,5R)-3-(1-アミノ-2-ヒドロキシ-2-フェニルエチル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1R,5R)-3-(1-アミノ-2-(4-メトキシフェニル)エチル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1S,5S)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1S,5S)-5-(2-クロロフェニル)-3-メチル-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1S,5S)-5-(2-クロロフェニル)-3-(1-ヒドロキシエチル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1S,5S)-3-((S)-1-アミノ-2-メチルプロピル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1S,5S)-3-(アミノメチル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1S,5S)-5-(2-クロロフェニル)-3-フルオロカルボニル-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1S,5S)-5-(2-クロロフェニル)-3-((S)-1,5-ジアミノペンチル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1S,5S)-3-((S)-1-アミノエチル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1S,5S)-5-(2-クロロフェニル)-3-フェニル-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1S,5S)-3-((1S,2R)-1-アミノ-2-メチルブチル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1S,5S)-3-((S)-1-アミノ-3-メチルブチル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1S,5S)-3-((S)-1-アミノ-2-フェニルエチル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1S,5S)-3-((S)-1-アミノ-2-(4-ヒドロキシフェニル)エチル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1S,5S)-3-((S)-1-アミノ-2-(1H-インドール-3-イル)エチル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1S,5S)-3-((S)-1-アミノ-2-(1H-イミダゾール-4-イル)エチル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1S,5S)-5-(2-クロロフェニル)-3-(ピロリジン-2-イル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(S)-3-アミノ-3-((1S,5S)-5-(2-クロロフェニル)-9-オキソ-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-3-イル)プロパン酸;
(S)-4-アミノ-4-((1S,5S)-5-(2-クロロフェニル)-9-オキソ-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-3-イル)ブタン酸;
(S)-4-アミノ-4-((1S,5S)-5-(2-クロロフェニル)-9-オキソ-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-3-イル)ブタンアミド;
(S)-3-アミノ-3-((1S,5S)-5-(2-クロロフェニル)-9-オキソ-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-3-イル)プロパンアミド;
(1S,5S)-3-((S)-1-アミノ-3-(メチルチオ)プロピル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1S,5S)-3-((R)-1-アミノ-2-メルカプトエチル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1S,5S)-3-((S)-1-アミノ-2-ヒドロキシエチル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1S,5S)-3-((S)-1-アミノ-2-メトキシエチル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
1-((S)-4-アミノ-4-((1S,5S)-5-(2-クロロフェニル)-9-オキソ-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-3-イル)ブチル)グアニジン;
(1S,5S)-5-(2-クロロフェニル)-3-エチル-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
3-((1S,5S)-5-(2-クロロフェニル)-9-オキソ-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-3-イル)-2-ヒドロキシプロパン酸;
2-(((1S,5S)-5-(2-クロロフェニル)-9-オキソ-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-3-イル)メチル)-2-ヒドロキシコハク酸;
5-((1S,5S)-5-(2-クロロフェニル)-9-オキソ-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-3-イル)ペンタン酸;
3-((1S,5S)-5-(2-クロロフェニル)-9-オキソ-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-3-イル)-2,3-ジヒドロキシプロパン酸;
3-((1S,5S)-5-(2-クロロフェニル)-9-オキソ-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-3-イル)プロパン酸;
(1S,5S)-5-(2-クロロフェニル)-3-ヘプチル-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1S,5S)-3-(1-アミノ-2-ヒドロセレノエチル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1S,5S)-5-(2-クロロフェニル)-3-(2-(メチルアミノ)エチル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1S,5S)-5-(2-クロロフェニル)-3-(1,2-ジアミノエチル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1S,5S)-3-(2-アミノ-1-ヒドロキシエチル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1S,5S)-3-(3-アミノプロピル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1S,5S)-3-(4-アミノブチル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1S,5S)-3-(3-アミノペンチル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1S,5S)-3-(1-アミノ-3-ヒドロキシプロピル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1S,5S)-5-(2-クロロフェニル)-3-(1,4-ジアミノブチル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
4-アミノ-4-((1S,5S)-5-(2-クロロフェニル)-9-オキソ-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-3-イル)-N-エチルブタンアミド;
(1S,5S)-5-(2-クロロフェニル)-3-(1,5-ジアミノ-4-ヒドロキシペンチル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
1-(4-アミノ-4-((1S,5S)-5-(2-クロロフェニル)-9-オキソ-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-3-イル)ブチル)尿素;
1-(5-アミノ-5-((1S,5S)-5-(2-クロロフェニル)-9-オキソ-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-3-イル)ペンチル)尿素;
1-(5-アミノ-5-((1S,5S)-5-(2-クロロフェニル)-9-オキソ-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-3-イル)ペンチル)グアニジン;
1-(2-((1S,5S)-5-(2-クロロフェニル)-9-オキソ-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-3-イル)エチル)グアニジン;
(1S,5S)-3-(1-アミノ-2-メチルブチル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1S,5S)-3-(1-アミノ-2-(5-ヒドロキシ-1H-インドール-3-イル)エチル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1S,5S)-3-(1-アミノ-2-(5-メチル-1H-インドール-3-イル)エチル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1S,5S)-3-(2-(1H-インドール-3-イル)-1-(メチルアミノ)エチル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1S,5S)-5-(2-クロロフェニル)-3-(4-ヒドロキシピロリジン-2-イル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1S,5S)-3-(1-アミノ-2-ヒドロキシ-3-メチルブチル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1S,5S)-5-(2-クロロフェニル)-3-(1-(メチルアミノ)エチル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1S,5S)-3-(2-アミノプロピル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
N-(5-アミノ-5-((1S,5S)-5-(2-クロロフェニル)-9-オキソ-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-3-イル)ペンチル)-3-メチル-3,4-ジヒドロ-2H-ピロール-2-カルボキサミド;
(1S,5S)-3-(1-アミノ-3-ヒドロキシ-2-メチルブチル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1S,5S)-3-(1-アミノ-2,2-ジメチルプロピル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1S,5S)-3-(アミノ(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)メチル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1S,5S)-3-(1-アミノ-2-ヒドロキシ-2-フェニルエチル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;及び
(1S,5S)-3-(1-アミノ-2-(4-メトキシフェニル)エチル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
からなる群から選択される化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項5】
(1R,5R)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1R,5R)-5-(2-クロロフェニル)-3-メチル-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1R,5R)-5-(2-クロロフェニル)-3-(1-ヒドロキシエチル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1R,5R)-3-((S)-1-アミノ-2-メチルプロピル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1R,5R)-3-(アミノメチル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1R,5R)-5-(2-クロロフェニル)-3-フルオロカルボニル-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1R,5R)-5-(2-クロロフェニル)-3-((S)-1,5-ジアミノペンチル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1R,5R)-3-((S)-1-アミノエチル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1R,5R)-5-(2-クロロフェニル)-3-フェニル-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1R,5R)-3-((1S,2R)-1-アミノ-2-メチルブチル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1R,5R)-3-((S)-1-アミノ-3-メチルブチル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1R,5R)-3-((S)-1-アミノ-2-フェニルエチル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1R,5R)-3-((S)-1-アミノ-2-(4-ヒドロキシフェニル)エチル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1R,5R)-3-((S)-1-アミノ-2-(1H-インドール-3-イル)エチル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1R,5R)-3-((S)-1-アミノ-2-(1H-イミダゾール-4-イル)エチル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1R,5R)-5-(2-クロロフェニル)-3-(ピロリジン-2-イル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(S)-3-アミノ-3-((1R,5R)-5-(2-クロロフェニル)-9-オキソ-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-3-イル)プロパン酸;
(S)-4-アミノ-4-((1R,5R)-5-(2-クロロフェニル)-9-オキソ-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-3-イル)ブタン酸;
(S)-4-アミノ-4-((1R,5R)-5-(2-クロロフェニル)-9-オキソ-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-3-イル)ブタンアミド;
(S)-3-アミノ-3-((1R,5R)-5-(2-クロロフェニル)-9-オキソ-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-3-イル)プロパンアミド;
(1R,5R)-3-((S)-1-アミノ-3-(メチルチオ)プロピル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1R,5R)-3-((R)-1-アミノ-2-メルカプトエチル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1R,5R)-3-((S)-1-アミノ-2-ヒドロキシエチル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;及び
(1R,5R)-3-((S)-1-アミノ-2-メトキシエチル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
からなる群から選択される、請求項4に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項6】
(1R,5R)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1R,5R)-5-(2-クロロフェニル)-3-メチル-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1R,5R)-5-(2-クロロフェニル)-3-(1-ヒドロキシエチル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1R,5R)-3-((S)-1-アミノ-2-メチルプロピル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1R,5R)-3-(アミノメチル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1R,5R)-5-(2-クロロフェニル)-3-フルオロカルボニル-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1R,5R)-5-(2-クロロフェニル)-3-((S)-1,5-ジアミノペンチル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;及び
(1R,5R)-3-((S)-1-アミノエチル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
からなる群から選択される、請求項4に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項7】
(1R,5R)-3-(1-アミノ-2-ヒドロセレノエチル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1R,5R)-5-(2-クロロフェニル)-3-(2-(メチルアミノ)エチル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1R,5R)-5-(2-クロロフェニル)-3-(1,2-ジアミノエチル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1R,5R)-3-(2-アミノ-1-ヒドロキシエチル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1R,5R)-3-(3-アミノプロピル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1R,5R)-3-(4-アミノブチル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1R,5R)-3-(3-アミノペンチル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1R,5R)-3-(1-アミノ-3-ヒドロキシプロピル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1R,5R)-5-(2-クロロフェニル)-3-(1,4-ジアミノブチル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
4-アミノ-4-((1R,5R)-5-(2-クロロフェニル)-9-オキソ-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-3-イル)-N-エチルブタンアミド;
(1R,5R)-5-(2-クロロフェニル)-3-(1,5-ジアミノ-4-ヒドロキシペンチル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
1-(4-アミノ-4-((1R,5R)-5-(2-クロロフェニル)-9-オキソ-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-3-イル)ブチル)尿素;
1-(5-アミノ-5-((1R,5R)-5-(2-クロロフェニル)-9-オキソ-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-3-イル)ペンチル)尿素;
1-(5-アミノ-5-((1R,5R)-5-(2-クロロフェニル)-9-オキソ-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-3-イル)ペンチル)グアニジン;
1-(2-((1R,5R)-5-(2-クロロフェニル)-9-オキソ-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-3-イル)エチル)グアニジン;
(1R,5R)-3-(1-アミノ-2-メチルブチル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1R,5R)-3-(1-アミノ-2-(5-ヒドロキシ-1H-インドール-3-イル)エチル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1R,5R)-3-(1-アミノ-2-(5-メチル-1H-インドール-3-イル)エチル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1R,5R)-3-(2-(1H-インドール-3-イル)-1-(メチルアミノ)エチル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1R,5R)-5-(2-クロロフェニル)-3-(4-ヒドロキシピロリジン-2-イル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1R,5R)-3-(1-アミノ-2-ヒドロキシ-3-メチルブチル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1R,5R)-5-(2-クロロフェニル)-3-(1-(メチルアミノ)エチル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1R,5R)-3-(2-アミノプロピル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
N-(5-アミノ-5-((1R,5R)-5-(2-クロロフェニル)-9-オキソ-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-3-イル)ペンチル)-3-メチル-3,4-ジヒドロ-2H-ピロール-2-カルボキサミド;
(1R,5R)-3-(1-アミノ-3-ヒドロキシ-2-メチルブチル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1R,5R)-3-(1-アミノ-2,2-ジメチルプロピル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1R,5R)-3-(アミノ(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)メチル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1R,5R)-3-(1-アミノ-2-ヒドロキシ-2-フェニルエチル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;及び
(1R,5R)-3-(1-アミノ-2-(4-メトキシフェニル)エチル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
からなる群から選択される、請求項4に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項8】
(1R,5R)-5-(2-クロロフェニル)-3-エチル-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
3-((1R,5R)-5-(2-クロロフェニル)-9-オキソ-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-3-イル)-2-ヒドロキシプロパン酸;
2-(((1R,5R)-5-(2-クロロフェニル)-9-オキソ-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-3-イル)メチル)-2-ヒドロキシコハク酸;
5-((1R,5R)-5-(2-クロロフェニル)-9-オキソ-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-3-イル)ペンタン酸;
3-((1R,5R)-5-(2-クロロフェニル)-9-オキソ-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-3-イル)-2,3-ジヒドロキシプロパン酸;
3-((1R,5R)-5-(2-クロロフェニル)-9-オキソ-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-3-イル)プロパン酸;及び
(1R,5R)-5-(2-クロロフェニル)-3-ヘプチル-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
からなる群から選択される、請求項4に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項9】
治療上有効量の請求項1に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩、及び薬学的に許容される添加剤を含む医薬組成物。
【請求項10】
治療上有効量の請求項4に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩、及び薬学的に許容される添加剤を含む医薬組成物。
【請求項11】
治療上有効量の請求項1に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩を含む、神経学的障害を治療するための組成物であって、神経学的障害が、うつ病性障害、双極性障害、不安障害、疼痛障害、認知障害、及び神経変性障害からなる群から選択される、組成物
【請求項12】
治療上有効量の請求項4に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩を含む、神経学的障害を治療するための組成物であって、神経学的障害が、うつ病性障害、双極性障害、不安障害、疼痛障害、認知障害、及び神経変性障害からなる群から選択される、組成物
【請求項13】
神経学的障害がうつ病性障害である、請求項11に記載の組成物
【請求項14】
神経学的障害がうつ病性障害である、請求項12に記載の組成物
【請求項15】
うつ病性障害が、双極性障害、大うつ病性障害、治療抵抗性うつ病、又は治療耐性うつ病を伴う大うつ病エピソードである、請求項14に記載の組成物
【請求項16】
うつ病性障害が治療抵抗性うつ病又は治療耐性うつ病である、請求項14に記載の組成物
【請求項17】
うつ病性障害の症状が自殺念慮である、請求項14に記載の組成物
【請求項18】
治療上有効量が、うつ症状評価尺度で寛解を達成するのに十分な量である、請求項14に記載の組成物
【請求項19】
神経学的障害が疼痛障害である、請求項11に記載の組成物
【請求項20】
神経学的障害が疼痛障害である、請求項12に記載の組成物
【請求項21】
疼痛障害が、複合性局所疼痛症候群(CRPS)、慢性疼痛、又は神経障害性疼痛である、請求項20に記載の組成物
【請求項22】
神経学的障害が神経変性障害である、請求項11に記載の組成物
【請求項23】
神経学的障害が神経変性障害である、請求項12に記載の組成物
【請求項24】
神経変性障害が、アルツハイマー病又は筋萎縮性側索硬化症である、請求項23に記載の組成物
【請求項25】
神経学的障害が双極性障害である、請求項12に記載の組成物
【請求項26】
双極性障害が大うつ病エピソードを伴う、請求項25に記載の組成物
【請求項27】
治療上有効量の請求項1に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩を含む、疼痛を治療するための組成物
【請求項28】
治療上有効量の請求項4に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩を含む、疼痛を治療するための組成物
【請求項29】
疼痛が、慢性疼痛、急性疼痛、亜急性疼痛、神経障害性疼痛、炎症性疼痛、内臓痛、片頭痛、術後痛、がん性疼痛、及び生理痛からなる群から選択される、請求項28に記載の組成物
【請求項30】
治療上有効量が、苦痛症状を低減するのに有効な量であり、苦痛症状の低減が、疼痛評価尺度で苦痛症状の少なくとも50%の低下である、請求項28に記載の組成物
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、本明細書に記載される化合物を含めて、化学的構成体;それらを含む組成物;それらを作製する方法;並びにうつ病、疼痛、認知症、他の神経学的及び末梢障害の治療を含め、様々な方法におけるそれらの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
ケタミンは、50年以上前に発見され、主にグルタミン酸作動性NMDAR(N-メチル-D-アスパラギン酸受容体)と拮抗することによって働くと考えられる麻酔薬である。典型的には、ヒト及び他の動物において全身麻酔を開始及び維持するために筋肉内又は静脈内投与され、抗不安、鎮静、及び鎮痛の目的でも使用されてきた。例えば、Costiら、Curr. Behav. Neurosci. Rep.、2015年、4巻、216~225頁;Oddoら、Crit. Care、2016年、20巻、128~138頁を参照のこと。更に、ケタミンは、うつ病及び疼痛を治療する際に麻酔域下用量で投与されたとき強力な有効性を示し、そのような用量の単回注入でさえ、双極性うつ病及び治療耐性大うつ病を治療する際に速効作用を示すように見える。Iadarolaら、Ther. Adv. Chronic Dis.、2015年、6巻、97~114頁;Zarateら、Arch. Gen. Psychiatry、2006年、63巻、856~864頁;Lallyら、Transl. Psychiatry、2014年、4巻、e469頁;Murroughら、Am. J. Psychiatry、2013年、170巻、1134~1142頁。
【0003】
しかし、ケタミンの臨床使用は、その経口バイオアベイラビリティが不十分なこと、乱用傾向、及び低用量でさえ認められる分離効果や幻覚等の望ましくない心理的反応により、限定されている。例えば、Strayer及びNelson、Am. J. Emerg. Med.、2008年、26巻、985~1028頁;Morgan及びCurran、Addiction、2010年、107巻、27~38頁を参照のこと。更に、ケタミン作用は、その投与後に生じる複数の代謝物により複雑にされ、これらの代謝物の多くには麻酔特性がない。例えば、Leungら、J. Med. Chem.、1986年、29巻、2396~2399頁を参照のこと。
【0004】
最近の研究は、ケタミン代謝物である(2R,6R)-ヒドロキシノルケタミンがマウスに対して抗うつ活性を有することを示した。Zanosら、Nature、2016年、533巻、481~486頁。更に、ヒドロキシノルケタミン(HNK)代謝物は、疼痛を治療する際におけるケタミンの鎮痛有効性に関与していた。Moaddelら、Talanta、2010年、15巻、1892~1904頁。ケタミンとは対照的に、HNKは、NMDARを阻害することが知られていないが、異なるグルタミン酸受容体であるAMPA(α-アミノ-3-ヒドロキシ-5-メチル-4-イソオキサゾールプロピオン酸)受容体をモジュレートすると考えられている。更に、HNKの作用は、乱用傾向や麻酔効果等ケタミン療法の結果として起こりうる望ましくない効果を伴わないようである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】米国特許第4,938,949号
【文献】米国特許出願公開第2015-0313892号
【非特許文献】
【0006】
【文献】Costiら、Curr. Behav. Neurosci. Rep.、2015年、4巻、216~225頁
【文献】Oddoら、Crit. Care、2016年、20巻、128~138頁
【文献】Iadarolaら、Ther. Adv. Chronic Dis.、2015年、6巻、97~114頁
【文献】Zarateら、Arch. Gen. Psychiatry、2006年、63巻、856~864頁
【文献】Lallyら、Transl. Psychiatry、2014年、4巻、e469頁
【文献】Murroughら、Am. J. Psychiatry、2013年、170巻、1134~1142頁
【文献】Strayer及びNelson、Am. J. Emerg. Med.、2008年、26巻、985~1028頁
【文献】Morgan及びCurran、Addiction、2010年、107巻、27~38頁
【文献】Leungら、J. Med. Chem.、1986年、29巻、2396~2399頁
【文献】Zanosら、Nature、2016年、533巻、481~486頁
【文献】Moaddelら、Talanta、2010年、15巻、1892~1904頁
【文献】S. P. Parker編、McGraw-Hill Dictionary of Chemical Terms、(1984年)、McGraw-Hill Book Company社、New York
【文献】Eliel, E.及びWilen, S.、Stereochemistry of Organic Compounds、(1994年)、John Wiley & Sons, Inc.社、New York
【文献】Remington: The Science and Practice of Pharmacy、第21版、Lippincott Williams & Wilkins (2005)
【文献】G.S. Paulekuhnら、J. Med. Chem. 2007、50、6665~6672頁
【文献】Bergeら、J. Pharm. Sci. 1977、66、1~19頁
【文献】Stahl及びWermuth(編)、Pharmaceutical Salts; Properties, Selection, and Use:第2改訂版、Wiley-VCS、Zurich、Switzerland (2011)
【文献】Bundgard(編)、1985、Design of prodrugs, Elsevier
【文献】Krogsgaard-Larsenら(編)、1991、Design and Application of Prodrugs、Harwood Academic Publishers
【文献】Fleisherら、Adv. Drug Delivery Rev.、1996年、19巻、115~130頁
【文献】Bertoliniら、J. Med. Chem.、1997、40、2011~2016頁
【文献】Shanら、J. Pharm. Sci.、1997、86、765~767頁
【文献】Bagshawe、Drug Dev. Res. 1995、34、220~230頁
【文献】Bodor、Adv Drug Res.、1984、13、224~231頁
【文献】Handbook of Pharmaceutical Excipients、American Pharmaceutical Association (現行版)
【文献】Pharmaceutical Dosage Forms: Tablets (編集者Lieberman、Lachman及びSchwartz)現行版、Marcel Dekker, Inc.
【文献】Remington's Pharmaceutical Sciences (Osol編集)、1980、1553~1593頁
【文献】Tullyら、Nat. Rev. Drug Discov.、2003年、2巻、267~277頁
【文献】Alberini、Physiol. Rev.、2009年、89巻、121~145頁
【文献】Crookら、Devel. Neuropsychol.、1986、2、261~276頁
【文献】Arnaiz及びAlmkvist、Acta Neurol. Scand. Suppl.、2003、179、34~41頁
【文献】Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders、DSM-5、第5版、2013年、American Psychiatric Association
【文献】Tizabiら、Neuroscience、2012年、213巻、72~80頁
【文献】American Psychiatry Association Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders(第5版)
【文献】Ballardら、J. Psych. Res.、2014年、58巻、161~166頁
【文献】Wilkinson及びSanacora、Depress. Anxiety、2016年、33巻、711~717頁
【文献】Naughtonら、J. Affect. Dis 、2014年、156巻、24~35頁
【文献】Mullerら、Ther. Adv. Psychopharmacol.、2016年、6巻、185~192頁。
【文献】DiazGranadosら、J Clin Psychiatry、2010年、71巻、1605~1611頁
【文献】Cusinら、Am. J. Psych.、2012年、169巻、868~869頁
【文献】Larkinら、Int. J. Neuropsych.、14巻、1127~1131頁
【文献】Abdallahら、Depress. Anxiety、2016年、33巻、689~697頁
【文献】Kariuki-Nyutheら、Curr. Opin. Psych.、2014年、27巻、32~37頁
【文献】Rodriguezら、Neuropsychopharmacology、2013年、38巻、2475~2483頁
【文献】Pittenger、Psychiatr. Ann.、2015年、45巻、308~315頁
【文献】Zhangら、Psychopharmacology、2015年、232巻、663~672頁
【文献】Federら、JAMA Psychiatry、2014年、71巻、681~688頁
【文献】Goldbergら、Pain Physician、2010年、13巻、379~387頁
【文献】Hirota及びLambert、Br. J. Anaesth.、2001年、107巻、123~126頁
【文献】Lossignolら、Support Care Cancer、2005年、13巻、188~93頁
【文献】Chazanら、J. Opioid Manag.、2008年、4巻、173~180頁
【文献】Carstensen及びMollerand、Br. J. Anaesth.、2010年、104巻、410~406頁
【文献】Beaudoinら、Acad. Emerg. Med.、2014年、11巻、1193~1202頁
【文献】Graven-Nielsenら、Pain、2000年、85巻、483~491頁
【文献】Bennett、Curr. Opin. Rheumatol.、1998年、10巻、95~103頁
【文献】Kaubeら、Neurology、2000年、55巻、139~141頁
【文献】Kruszら、J. Pain、2010年、11巻、S43頁
【文献】Granataら、Schmerz、2016年、30巻、286~288頁
【文献】Udoji及びNess、Pain Manag.、2013年、3巻、387~394頁
【文献】Stepulakら、Histochem. Cell Biol.、2009年、132巻、435~445頁
【文献】Roytblatら、Anesth. Analg.、1998年、87巻、266~271頁
【文献】Mazarら、Anesthesiology.、2005年、102巻、1174~1181頁
【文献】Suliburkら、Surgery、2005年、138巻、134~140頁
【文献】De Kockら、CNS Neurosci. Ther.、2013年、19巻、403~410頁
【文献】Millsら、QJM、1998年、91巻、493~503頁
【文献】Shethら、Neurology、1998年、51巻、1765~1766頁
【文献】Kessels及びMalinow、Neuron、2009年、12巻、340~350頁
【文献】Anggono及びHugnair、Curr. Opin. Neurobiol.、2012年、22巻、461~469頁
【文献】Henley及びWilkinson、Dialogs in Clinical Neuroscience、2013年、15巻、11~27頁
【文献】Boyleら、J. Psychopharm.、2012年、26巻、1047~1057頁
【文献】Partin、Curr. Opin. Pharmacol.、2015年、20巻、46~53頁
【文献】Hagewoudら、J. Sleep. Res.、2010年、19巻、280~288頁。
【文献】Hofmannら、J. Cognit. Ther. Res.、2012年、36巻、427~440頁
【文献】J. Org. Chem.、1981年、46巻、5055~5060頁
【文献】Molecules、2011年、16巻、7691~7705頁
【文献】J. Med. Chem.、2007年、50巻、5311~5323頁
【文献】J. Org. Chem.、2007年、72巻、8656~8670頁
【文献】J. Org. Chem.、2011年、76巻、680~683頁
【文献】Org. Lett.、2016年、18巻、948~951頁
【文献】Canら、2012年、J. Vis. Exp.、59巻、e3638頁
【文献】Santarelliら、2003年、Science、301巻、805~809頁
【文献】J.B. Overmier and Seligman、1967年、J. Comp. Physiol. Psychol.、63巻、28~33頁
【文献】Chourbajiら、2005年、Brain Res. Brain Res. Protoc.、16巻、70~78頁
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
これらの観察は、うつ病、疼痛、及び他のCNS障害を治療する際に有用となる代替のケタミン治療薬の必要性を強調している。本開示は、HNK媒介経路を介して働くことができる化合物を含めて、化学的構成体を開示することによって、当技術分野における上記その他の必要性に応じるものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
様々な立体異性体及びエナンチオマーを含めて、式(I)
【0009】
【化1】
【0010】
の化学的構成体(式中、R1は本明細書に記載の通りである)を開示する。式(I)の化合物を含む組成物;化合物及び組成物を作製する方法;並びに疼痛、うつ病、及び他の神経学的障害を治療する工程と認知機能を強化させる工程を含む広範囲の方法におけるそれらの使用も開示する。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本実施形態は、実施例を含めて、以下の説明を参照することによって、より深く理解されうる。別段の定義のない限り、本明細書で使用される技術的及び科学的用語はすべて、当業者によって通常理解される意味と同じ意味をもつ。本明細書に記載するものに類似又は均等な方法及び材料を本実施形態の実施又は試験で使用することができるが、好適な方法及び材料を本明細書に述べる。更に、材料、方法、及び実施例は例示にすぎず、限定するものではない。
【0012】
簡潔のために、本明細書に記載された特許出願、特許、及び他の引用文献を含めて、すべての出版物は参照によりそれらの全体として組み込まれる。しかし、そのようないずれの出版物の引用も、先行技術であると認めるものと解釈してはならない。
【0013】
略語
明細書には多数の略語が含まれるが、それらの意味を次表に列挙する。
【0014】
【表1A】
【0015】
【表1B】
【0016】
用語及び定義
本明細書の節に記載されている見出し及び小見出しの使用は、参照の便宜上のためにすぎず、本明細書の様々な実施形態を限定するものでなく、本明細書を全体として参照することによって解釈されなければならない。
【0017】
一般
本明細書では、「約(about)」又は「約(approximately)」は、特定の値について当業者によって判断される許容される範囲内を意味し、その値の測定又は決定方法、例えば計測システム又は技法の限界によっても影響を受けうる。例えば、「約」は、所与の値の両側に最大20%、最大10%、最大5%、又は最大1%以下の範囲を意味することができる。或いは、生物系又は過程に関して、「約」という用語は値の両側に1桁以内、5倍以内、又は2倍以内であるという意味でありうる。本明細書に記載された数量は別段の記載のない限り近似であり、「約(about)」又は「約(approximately)」という用語が明記されていないときそれを推察することができるという意味である。
【0018】
より簡潔に説明するために、本明細書に記載された量的表現の一部は「約」という用語で修飾されていない。「約」という用語が明記されていてもされていなくても、本明細書に記載されたあらゆる量は、実際の所与の値を指すことになっており、またそのような所与の値の実験又は測定条件による同等値及び近似値を含めて、当技術分野における通常の知識に基づいて合理的に推察されるはずのそのような所与の値の近似を指すことになっていることも理解されよう。収率が百分率として記載されているときは常に、そのような収率は構成体の質量を指しており、特定の化学量論的条件下で得ることができる同じ構成体の最大量に対して得られた収率である。百分率として記載されている濃度は、別段の指示のない限り質量比を指す。
【0019】
本明細書では、「a」、「an」、及び「the」という用語は、明らかに別段の記載のない限り単数と複数の両方を意味すると理解されるものとする。したがって、「a」、「an」、及び「the」(及び必要に応じてそれらの文法的変形)は1つ又は複数を指す。
【0020】
更に、本実施形態の品目、要素又は成分は単数形で記載又は特許請求されてよいが、単数に限定されることが明記されていない限り、複数もそれらの範囲内であると考えられる。
【0021】
「含んでいる(comprising)」及び「含んでいる(including)」という用語は本明細書においてオープンで非限定的な意味で使用されている。本文献で使用されている他の用語及びフレーズ、並びにそれらの変形は、別段の明記のない限り、オープンエンドとして、限定するものとは対照的に解釈されるべきである。したがって、「例」という用語は、論じている品目の網羅的又は限定的なリストではなく、その品目の典型例を与えるために使用される。同様に、「通常の」、「従来の」、「普通の」、「基準」、「公知の」、及び同様の意味を有する用語等の形容詞は、記載された品目を所与の時間又は所与の時間に利用可能な品目に限定するものと解釈されるべきではなく、代わりに、現在又は将来のいずれかの時点で利用可能又は公知でありうる通常の、従来の、普通の、又は基準の技術を包含するものと解釈されるべきである。同様に、本文献が当業者に自明又は公知であるはずの技術を指す場合、そのような技術には、現在又は将来のいずれかの時点で当業者に自明又は公知である技術が包含される。
【0022】
いくつかの場合における「1つ又は複数」、「少なくとも」、「が~に限定されない(but not limited to)」、又は他の同様なフレーズ等の拡大単語及びフレーズの存在は、そのような拡大フレーズが不在でありうる場合に狭い方の事例が意図又は必要とされるという意味であると解釈するべきではない。当業者が本文献を読んだ後に明らかになるように、説明された実施形態及びそれらの様々な代替形態は説明された例に拘束されることなく実施されうる。
【0023】
化学
本明細書では「置換された」という用語は、指定の原子又は基上の少なくとも1個の水素が、指定の原子の正常な原子価を超えないことを条件として、指定の群から選択されたもので置き換えられているという意味である。置換基がケト(すなわち、=O)であると、原子上の2個の水素原子が置き換えられている。
【0024】
2つの文字又は記号間にないダッシュ(「-」)は、置換基の共有結合点を指定するために使用される。例えば、-(CH2)C3~C7シクロアルキルは、メチレン(CH2)基の炭素を介して結合している。
【0025】
「アルキル」という用語は、完全飽和脂肪族炭化水素基を指す。アルキル部分は、1~12個の炭素原子を鎖中に有する直鎖又は分枝鎖アルキル基でありうる。アルキル基の例としては、メチル(Me、また記号「
【0026】
【化2】
【0027】
」で構造を表すこともできる)、エチル(Et)、n-プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル(tBu)、ペンチル、イソペンチル、tert-ペンチル、ヘキシル、イソヘキシル、並びに本明細書に記載されている当技術分野における通常の知識及び教示を考慮に入れて、前述の例のいずれか1つに等しいとみなされる基が挙げられるが、これらに限定されない。アルキル基は1個又は複数の置換基で場合によって置換されていてもよく、置換基としては、ハロ、ヒドロキシル、アルコキシ、チオアルコキシ、アミノ、及びアミノアルキルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0028】
「アルケニル」という用語は、場合によって置換されている少なくとも1個の炭素-炭素二重結合を有し、前記アルケニル部分のE及びZ異性体を含む不飽和脂肪族部分を指す。アルケニル基の例としては、エテニル、プロペニル、ブテニル、1,4-ブタジエニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル等が挙げられる。
【0029】
「アルキニル」という用語は、場合によって置換されている不飽和脂肪族部分を指し、少なくとも1個の炭素-炭素三重結合を有し、直鎖及び分枝鎖アルキニル基を含む。アルキニル基の例としては、エチニル、プロピニル、ブチニル等が挙げられる。
【0030】
「ハロアルキル」という用語は、1~12個の炭素原子を鎖中に有し、1個又は複数の水素をハロゲンで置換している直鎖又は分枝鎖アルキル基を指す。ハロアルキル基の例としては、-CF3、-CHF2、-CH2F、-CH2CF3、-CH2CHF2、-CH2CH2F、-CH2CH2Cl、-CH2CF2CF3並びに本明細書に記載されている当技術分野における通常の知識及び教示を考慮に入れて、前述の例のいずれか1つに等しいとみなされる他の基が挙げられるが、これらに限定されない。
【0031】
「アルコキシ」は酸素原子を含む直鎖又は分枝状のアルキル基を包含し、酸素原子がアルキル基を分子の残りの部分に連結させている。アルコキシとしては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、t-ブトキシ、ペントキシ等が挙げられる。「アミノアルキル」、「チオアルキル」、及び「スルホニルアルキル」はアルコキシと類似しており、アルコキシの末端の酸素原子がそれぞれNH(又はNR)、S(硫黄)、及びSO2で置換されている。
【0032】
「ハロアルコキシ」という用語は、1個又は複数の水素がハロゲンで置換されているアルコキシ基を指す。ハロアルコキシ基の例としては、-OCF3、-OCH2CF3、-OCH2CHF2、-OCH2CH2Cl、-OCH2CF2CF3、-OCH(CH3)CHF2並びに本明細書に記載されている当技術分野における通常の知識及び教示を考慮に入れて、前述の例のいずれか1つに等しいとみなされる他の基が挙げられるが、これらに限定されない。
【0033】
「アミノ」という用語は-NH2基を指す。
【0034】
本明細書で使用される「ヘテロ原子」という用語は、例えばO(酸素)、S(硫黄)、N(窒素)、及びセレン(Se)を指す。
【0035】
「アリール」という用語は、単環式又は縮合若しくはスピロ多環式の芳香族炭素環(環原子がすべて炭素である環構造)を指し、1個の環当たり3~12個の環原子を有する(アリール基中の炭素原子はsp2混成である)。アリール基の具体例としては、以下の部分:
【0036】
【化3】
【0037】
等が挙げられる。
【0038】
「シクロアルキル」という用語は、炭素環1個当たり3~12個の環原子を有する、単環式、縮合多環式、架橋単環式、架橋多環式、スピロ環式、又はスピロ多環式の炭素環等の飽和又は部分飽和炭素環を指す。シクロアルキルという用語が単環式、縮合多環式、架橋多環式、スピロ環式、及びスピロ多環式等の特定の特徴付けによって修飾されている場合、そのようなシクロアルキルという用語は、そのように特徴付けされた炭素環のみを指す。シクロアルキル基の具体例としては、部分を適切に結合させた形をとる以下の構成体が挙げられる。
【0039】
【化4】
【0040】
「ヘテロシクロアルキル」は、N、O、S、及びSeから選択される1~約3個のヘテロ原子を含み、残りの環原子は炭素である飽和環式基を意味する。ヘテロシクロアルキル基は、3~約8個の環原子、より典型的には5~7個の環原子を有する。ヘテロシクロアルキル基の例としては、モルホリニル、ピペラジニル、ピペリジニル、及びピロリジニル基が挙げられる。ヘテロシクロアルキル基中の窒素は、場合によって四級化されてよい。「ヘテロシクロアルキル」は、飽和又は部分飽和であり、炭素原子並びに窒素、酸素、セレン、及び硫黄から選択される最大3個のヘテロ原子から選択される環原子を環構造1個当たり3~12個有する、単環式、又は縮合、架橋、若しくはスピロ多環式の環構造を指す。環構造は、最大2個のオキソ基を炭素又は硫黄環員上に場合によって含みうる。部分を適切に結合させた形をとる構成体の例(しかし限定されない)としては、下記が挙げられる。
【0041】
【化5】
【0042】
「ヘテロアリール」という用語は、ヘテロ環1個当たり3~12個の環原子を有する、単環式、縮合二環式、又は縮合多環式の芳香族ヘテロ環(炭素原子並びに窒素、酸素、及び硫黄から選択される最大4個のヘテロ原子から選択される環原子を有する環構造)を指す。ヘテロアリール基の具体例としては、部分を適切に結合させた形をとる以下の構成体が挙げられる。
【0043】
【化6】
【0044】
以上に列挙又は図示されたシクロアルキル、アリール、ヘテロシクロアルキル、及びヘテロアリール基の種は網羅的でないこと、これらの定義された用語の範囲内の追加の種も選択されうることを当業者は認識する。
【0045】
「ハロゲン」という用語は塩素、フッ素、臭素又はヨウ素を表し、「ハロ」という用語は、クロロ、フルオロ、ブロモ又はヨードを表す。
【0046】
「場合による」及び「場合によって」という用語は、その後に記載されている事象又は状況を指すものであり、それが起こる可能性があり又は起こらない可能性があり、説明には事象又は状況が起こる例及び起こらない例又は状況が含まれるという意味である。例えば、「場合によって置換されているアルキル」は、以下に定義する「非置換アルキル」と「置換アルキル」の両方を包含する。1つ又は複数の置換基を含むいかなる基に関しても、そのような基は、立体的に非現実的、合成上実行不可能及び/又は本質的に不安定であるいずれかの置換又は置換パターンを導入することを意図したものではないことが当業者には理解される。
【0047】

いくつかの化合物は、変数、例えばR1~R12を含む一般式を使用して本明細書に記載される。
【0048】
本明細書に開示された式はいずれも、構造式及びある種の変形又は形で表された構造を有する化合物を表すよう意図されている。特に、本明細書に記載されたいずれの式の化合物も不斉中心を有することができ、したがって異なる鏡像異性体の形で存在しうる。一般式の化合物のすべての光学異性体及び立体異性体、並びにそれらの混合物は式の範囲内とみなされる。したがって、本明細書に記載された式はいずれも、ラセミ体、1つ又は複数の鏡像異性体の形、1つ又は複数のジアステレオマーの形、1つ又は複数のアトロプ異性体の形、及びそれらの混合物を表すよう意図されている。更に、ある種の構造は幾何異性体(すなわち、cis及びtrans異性体)、互変異性体、又はアトロプ異性体として存在しうる。記号は、本明細書に示された化学構造において同じ空間配置を意味するものとして使用される。同様に、記号は、本明細書に示された化学構造において同じ空間配置を意味するものとして使用される。
【0049】
「キラル」という用語は、鏡像相手と重ね合わせることができないという特性を有する分子を指す。
【0050】
「立体異性体」は、同一の化学構造を有するが、原子又は基の空間における配置に関して異なる化合物である。
【0051】
「ジアステレオマー」は、2つ以上のキラリティー中心を有し、その分子が互いに鏡像でない立体異性体である。ジアステレオマーは、異なる物理的特性、例えば融点、沸点、スペクトル特性、及び反応性を有する。ジアステレオマーの混合物は、電気泳動、分割剤の存在下における結晶化、又は例えばキラルHPLCカラムを使用するクロマトグラフィー等の高分割能分析手順によって分離する。
【0052】
「エナンチオマー」は、化合物の、互いに重ねることができない鏡像である2つの立体異性体である。エナンチオマーの50:50混合物は、ラセミ混合物又はラセミ体と呼ばれ、化学反応又は過程において立体選択又は立体特異性が存在しない場合に生じうる。
【0053】
本明細書で使用する立体化学の定義及び慣行は、一般にS. P. Parker編、McGraw-Hill Dictionary of Chemical Terms、(1984年)、McGraw-Hill Book Company社、New York;並びにEliel, E.及びWilen, S.、Stereochemistry of Organic Compounds、(1994年)、John Wiley & Sons, Inc.社、New Yorkに従う。多くの有機化合物は光学活性形で存在する。すなわち、平面偏光の面を回転させる能力を有する。光学活性化合物を記述する際に、接頭辞D及びL又はR及びSを使用して、分子のそのキラル中心の周りの絶対配置を表す。接頭辞d及びl又は(+)及び(-)を使用して、化合物による平面偏光の回転の符号を指定し、(-)又はlは、化合物が左旋性であるという意味である。(+)又はdを接頭辞として付けた化合物は右旋性である。
【0054】
「ラセミ混合物」又は「ラセミ体」は、2つのエナンチオマー種の等モル(又は50:50)の混合物であり、光学活性がない。ラセミ混合物は、化学反応又は過程において立体選択又は立体特異性が存在しない場合に生じうる。
【0055】
化学的構成体
本明細書では、「化学的構成体」という用語は、化合物を、その塩、キレート、溶媒和物、配座異性体、非共有結合複合体、代謝産物、及びプロドラッグと共に総称的に指す。
【0056】
本明細書に開示される化合物は、標準命名法を使用して記述する。別段の定義がない限り、本明細書で使用される科学技術用語はすべて、本開示が属する技術分野の技術者によって通常理解されるのと同じ意味を有する。
【0057】
本明細書では、「化合物」という用語は、(a)そのような化合物の実際に列挙された形;及び(b)指名されたときそのような化合物の検討が行われている媒体中における化合物の形のいずれかのうちのいずれか1つを指す。例えば、本明細書においてR-COOH等の化合物への言及は、例えばR-COOH(s)、R-COOH(sol)、及びR-COO-(sol)のいずれか1つへの言及を包含する。この例において、R-COOH(s)は、例えば錠剤又は何らかの他の固体医薬組成物又は調製物中に存在することができるような固体の化合物を指し、R-COOH(sol)は溶媒中における化合物の非解離の形を指し、R-COO-(sol)は、水性の環境中における化合物の解離した形等、そのような解離した形がR-COOHに由来しようと、その塩に由来しようと、又は考慮中である媒体中で解離によってR-COO-を生じる他の何らかの構成体に由来しようと、溶媒中における化合物の解離した形を指す。
【0058】
別の例において、「構成体を式R-COOHの化合物に曝露すること」等の表現は、そのような構成体をそのような曝露が行われる媒体中に存在する化合物R-COOHの1つ又は複数の形に曝露することを指す。更に別の例において、「構成体を式R-COOHの化合物と反応させること」等の表現は、(a)そのような構成体をそのような反応が行われる媒体中に存在するそのような構成体の化学的に関連した1つ又は複数の形で、(b)そのような反応が行われる媒体中に存在する化合物R-COOHの化学的に関連した1つ又は複数の形と反応させることを指す。この点に関しては、そのような構成体が例えば水性の環境中にある場合、化合物R-COOHはそのような同じ媒体中に存在し、したがって構成体はR-COOH(aq)及び/又はR-COO-(aq)等の種に曝露されていることが理解されよう。ここで、下付き文字「(aq)」は化学及び生化学におけるその通常の意味に従って「水性」を表す。これらの命名例において、カルボン酸官能基を選択した。しかし、この選択は限定するものではなく、例示するものにすぎない。類似した例を他の官能基で提供できることが理解されよう。他の官能基としては、ヒドロキシル、アミン中のもの等の塩基性窒素メンバー、及び化合物を含む媒体中で公知の方式に従って相互作用又は転換する他の何らかの基が挙げられるが、これらに限定されない。そのような相互作用及び転換としては、解離、会合、互変異性、加水分解を含めて、加溶媒分解、水和を含めて、溶媒和、プロトン化及び脱プロトン化が挙げられるが、これらに限定されない。この点に関しては、所与の媒体中におけるこれらの相互作用及び転換はいずれの当業者にも公知であるので、別の例は本明細書に記載されていない。
【0059】
別の例において、双性イオンの形で明記されていない場合でさえ双性イオンを形成することが知られている化合物に言及することによって、「双性イオン」化合物が本明細書に包含されている。双性イオン、複数の双性イオン、及びそれらの同義語である双性イオン化合物等の用語は、周知であり、標準の確定した学名群の一部であるIUPAC推奨の標準の名称である。この点に関しては、双性イオンという名称に分子構成体のChemical Entities of Biological lnterest (ChEBI)辞典により名称識別CHEBI:27369が割り当てられている。一般に周知である通り、双性イオン又は双性イオン化合物は異符号の形式単位電荷を有する中性化合物である。これらの化合物は「分子内塩」と呼ばれることもある。他の供給源によって、これらの化合物は「双極イオン」と呼ばれるが、後者の用語は更に他の供給源によって誤称とみなされている。具体例として、アミノエタン酸(アミノ酸であるグリシン)は式H2NCH2COOHを有し、いくつかの媒体中(この場合、中性の媒体中)に双性イオン+H3NCH2COO-の形で存在する。これらの用語の公知で十分に確立した意味での双性イオン、双性イオン化合物、分子内塩、及び双極イオンは、どんな場合でも当業者がそのように認識するように本発明の範囲内である。当業者なら認知しているはずの実施形態を逐一指名する必要がないので、本発明の化合物と会合する双性イオン化合物の構造は本明細書に明記されていない。しかし、これらは本発明の実施形態の一部分である。所与の媒体中における相互作用及び転換によって、所与の化合物の様々な形に至ることはいずれの当業者にも公知であるので、別の例は本明細書に記載されていない。
【0060】
同位体は、記載された化合物中に存在しうる。本明細書に具体的に又は包括的に記載された化合物中に存在している各化学元素としては、前記元素のいずれの同位体も挙げることができる。本明細書に記載されたいずれの式も、化合物の非標識の形及び同位体標識された形を表すよう意図されている。同位体標識された化合物は、1個又は複数の原子が選択される原子質量又は質量数を有する原子で置換されていること以外、本明細書に記載された式によって表された構造を有する。本発明の化合物に組み込むことができる同位体の例としては、それぞれ2H(重水素)、3H、11C、13C、14C、15N、18O、17O、31P、32P、35S、18F、36Cl、及び125I等、水素、炭素、窒素、酸素、リン、硫黄、フッ素、塩素、及びヨウ素の同位体が挙げられる。
【0061】
本明細書に記載されたいずれの式を参照するときも、指定された可変要素に可能な種のリストから特定の部分を選択することは、他の場所に出現する可変要素に同じ種を選択することを定めるものではない。すなわち、可変要素が1回より多く出現する場合、指定されたリストから種を選択することは、別段の記述のない限り、式中の他の場所の同じ可変要素の選択とは無関係である。
【0062】
置換基用語に関する第1の例として、置換基S1 がS1及びS2の一方であり、置換基S2 がS3及びS4の一方である場合、これらの割り当ては、S1 はS1であり、S2 はS3である;S1 はS1であり、S2 はS4である;S1 はS2であり、S2 はS3である;S1 はS2であり、S2 はS4であるという選択;及びそのような選択のそれぞれ1つの均等なものに従って与えられた本発明の実施形態を指す。「S1 はS1及びS2の一方であり、S2 はS3及びS4の一方である」という短い方の用語は、したがって本明細書で簡潔のために使用されているが、限定するために使用されているのではない。総称で記載された置換基用語に関する前述の第1の例は、本明細書に記載される様々な置換基割り当てを説明することになっている。置換基について本明細書に記載された前述の慣習は、適用可能なときにR1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、及びR13並びに本明細書で使用されている他の何らかの包括的置換基記号等のメンバーに及ぶ。
【0063】
更に、1つより多い割り当てがいずれかのメンバー又は置換基に与えられているとき、本発明の実施形態は、独立して選ばれた、列挙された割り当て及びそれらの均等なものから作製することができる様々なグループ分けを含む。置換基用語に関する第2の例として、本明細書に置換基SがS1、S2及びS3の1つであると記載されている場合、列挙は、SがS1である;SがS2である;SがS3である;SがS1及びS2の一方である;SがS1及びS3の一方である;SがS2及びS3の一方である;SがS1、S2及びS3の1つである;並びにSがこれらの選択のそれぞれ1つのいずれか均等なものである本発明の実施形態を指す。「S実施例はS1、S2及びS3の1つである」という短い方の用語は、したがって本明細書で簡潔のために使用されているが、限定するために使用されているのではない。総称で記載された置換基用語に関する前述の第2の例は、本明細書に記載される様々な置換基割り当てを説明することになっている置換基について本明細書に記載された前述の慣習は、適用可能なときにR1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、及びR13並びに本明細書で使用されている他の何らかの包括的置換基記号等のメンバーに及ぶ。
【0064】
本明細書において置換基の一群に適用されるとき、j>iである「Ci~j」という命名は、i及びjを含めて、i~j個の炭素メンバー数の1つ1つが独立して実現されている本発明の実施形態を指すことになっている。例として、C1~3という用語は独立して、1個の炭素メンバー(C1)を有する実施形態、2個の炭素メンバー(C2)を有する実施形態、及び3個の炭素メンバー(C3)を有する実施形態を指す。
【0065】
Cn~mアルキルという用語は、直鎖であれ、分枝状であれ、m>nである脂肪族鎖を指し、ここで鎖中の炭素メンバーの全数Nはn≦N≦mを満足する。
【0066】
割り当て及び命名に関する前述の解釈的考慮によれば、本明細書におけるセットへの明示的な言及は、化学的に意味がありかつ別段の示唆のない限り、そのようなセットの実施形態への独立した言及、及び明示的に言及されたセットの部分集合の可能な実施形態の1つ1つへの言及を暗示することが理解されよう。
【0067】
組成物
医薬組成物にみられるような「組成物」という用語は、活性成分、及び担体を構成する不活性成分(薬学的に許容される添加剤)を含む生成物、並びに成分のいずれか2種以上の組合せ、錯体化、若しくは凝集、又は成分の1種若しくは複数の解離、又は成分の1種若しくは複数の反応若しくは相互作用の他のタイプに直接的又は間接的に由来する任意の生成物を包含するよう意図されている。したがって、本発明の医薬組成物は、式(I)の化合物と薬学的に許容される添加剤を混合することによって作製された組成物を包含する。
【0068】
「治療上有効量」又は「有効量」という用語は、ヒト又は非ヒト患者に投与されると、いずれかの治療上の利点を提供するのに有効な量を意味する。治療上の利点は、症状の改善、例えば、うつ病性障害、認知障害、又は疼痛の症状を低減するのに有効な量でありうる。治療上有効量の化合物は、疾患、障害、又は病態のいずれかの徴候に有意なプラス効果を提供するのに十分な量、例えば、うつ症状又は疼痛の頻度及び重症度を有意に低下させるのに十分な量でもある。障害又は病態の徴候に有意な効果としては、スチューデントのt検定等の統計学的有意差の標準パラメトリック検定において統計学的にみて有意な効果(ここで、p<0.05である)が挙げられるが、効果はいくつかの実施形態において有意である必要がない。
【0069】
「医薬組成物」は、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩等少なくとも1つの活性剤、及び担体、添加剤、又は希釈剤等少なくとも1つの他の物質を含む組成物である。
【0070】
「担体」という用語は本開示の医薬組成物に適用され、活性化合物と共に投与される希釈剤、佐剤、添加剤、又は媒体を指す。
【0071】
本発明の組成物に関連して使用される「薬学的に許容される」という用語は、生理的忍容性が良好であり、動物(例えば、ヒト)に投与されたとき有害反応を通常生みださない、そのような組成物の分子構成体及び他の成分を指す。「薬学的に許容される」という用語は、動物(例えば、哺乳類)、更に詳細にはヒトに使用するために、連邦政府若しくは州政府の規制機関によって承認され、又は米国薬局方若しくは一般に認められている他の薬局方に列挙されているという意味でもありうる。
【0072】
「薬学的に許容される添加剤」という用語は、薬理学的組成物に添加され、又はその他の方法で媒体、担体、若しくは希釈剤として使用されて、作用剤の投与を容易にする不活性物質等、非毒性、生物学的忍容性、及びその他の点で対象に投与するのに生物学的に適しており、かつ作用剤と相溶である物質を指す。添加剤の例としては、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、様々な糖及び様々なタイプの澱粉、セルロース誘導体、ゼラチン、植物油、及びポリエチレングリコールが挙げられる。好適な薬学的担体としては、Remington: The Science and Practice of Pharmacy、第21版、Lippincott Williams & Wilkins(2005)に記載されているものが挙げられる。
【0073】
「薬学的に許容される塩」は、非毒性、生物学的忍容性、又はその他の点で対象に投与するのに生物学的に適している、式(I)で表される化合物の遊離酸又は塩基の塩を意味するよう意図されている。一般に、G.S. Paulekuhnら、J. Med. Chem.、2007、50、6665~6672頁;Bergeら、J. Pharm. Sci.、1977、66、1~19頁;Stahl及びWermuth(編)、Pharmaceutical Salts; Properties, Selection, and Use:第2改訂版、Wiley-VCS、Zurich、Switzerland(2011)を参照のこと。薬学的に許容される塩の例は、薬理学的に有効で、過度の毒性、刺激、又はアレルギー応答を生じることなく患者の組織と接触するのに適したものである。式(I)の化合物は十分に酸性の基、十分に塩基性の基、又は両方のタイプの官能基を有することができ、したがっていくつかの無機又は有機塩基並びに無機及び有機酸と反応して薬学的に許容される塩の塩基を形成し、無機及び有機酸と反応して薬学的に許容される塩を形成することができる。
【0074】
「担体」という用語は化合物と共に投与される佐剤、媒体、又は添加剤を指す。本発明の好ましい実施形態において、担体は固体の担体である。好適な薬学的担体としては、Remington: The Science and Practice of Pharmacy、第21版、Lippincott Williams & Wilkins(2005)に記載されているものが挙げられる。
【0075】
本明細書では、「剤形」という用語は、用量が対象又は患者に投与される形態である。薬物は非医学的作用剤を含む製剤の一部分として投与されることが一般的である。剤形は独特の物理的及び薬学的特性を有する。例えば、剤形は固体、液体又は気体とすることができる。「剤形」としては、例えばカプセル剤、錠剤、カプレット剤、ゲルカプレット(ゲルキャップ)剤、シロップ剤、液体組成物、粉末、濃縮粉末、液体と混合された濃縮粉末、かみ砕き可能な形、嚥下可能な形、溶解可能な形、発泡剤、顆粒状の形、及び経口液体溶液を挙げることができる。特定の実施形態において、剤形は固体剤形であり、更に詳細には錠剤又はカプセル剤を含む。
【0076】
本明細書では、「不活性」という用語は、記載された組成物の任意の不活性成分を指す。本明細書では「不活性成分」の定義は、米国連邦規則21巻201条3項(b)(8)に定義されている、米国食品医薬品局の定義に従い、薬剤の活性成分以外の任意の成分である。
【0077】
方法及び使用
本明細書では、「障害」という用語は、「疾患」又は「病態」と同義に使用される。例えば、神経学的障害は神経学的疾患又は神経学的病態という意味でもある。
【0078】
本明細書では、「認知障害」という用語は、「認知機能障害」又は「認知欠損」と同義に使用され、すべて同じ治療適応症を包含するとみなされる。
【0079】
「治療すること」、「治療」、及び「治療する」という用語は、対象におけるある病状に対する治療方法を包含し、(i)特に対象が病状になりやすいが、病状になっているとまだ診断されていないとき、病状が発症するのを予防すること;(ii)病状を抑制すること、例えばその発生(進行)を阻止し、又はその発症を遅延させること;及び(iii)病状を軽減すること、例えば所望のエンドポイントに到達するまで病状の退行を引き起こすことを含む。治療することには、疾患の症状を改善する(例えば、疼痛、不快、又は欠損を低減する)ことも含まれ、そのような改善は疾患に直接影響を及ぼす(例えば、疾患の原因、伝播、又は発現に影響を及ぼす)こともがあり、又は疾患に直接影響を及ぼさないこともありうる。
【0080】
本開示では、「有効量」という用語は「治療上有効量」と同義であり、本明細書に開示された特定の疾患、病態、又は障害を治療する際に有効な化合物又は組成物の量又は用量という意味であり、したがって「治療すること」は所望の予防、抑制、軽減、又は改善効果を生じることを包含する。本発明による治療方法において、本発明による少なくとも1個の化合物の「有効量」が対象(例えば、哺乳類)に投与される。いくつかの実施形態において、「有効量」は、グルタミン酸作動性経路等のHNK関連シグナル伝達経路をモジュレートするのに有効な化合物又は組成物の量又は用量をも意味する。「有効量」は化合物、疾患、所望の治療のタイプ、及びその重症度、並びに対象の年齢、体重等に応じて異なることになる。
【0081】
「動物」という用語は「対象」と同義であり、脊椎動物、特に哺乳類、更に詳細にはヒトとすることができ、臨床試験若しくはスクリーニング又は活性実験に関連して実験動物を包含する。したがって、当業者が容易に理解することができるように、本発明の組成物及び方法は任意の脊椎動物、具体的には哺乳類、更に詳細にはヒトに投与するのに特に適している。医学的治療としては、疾患若しくは障害等既存の病態の治療、予防的(prophylactic又はpreventative)治療、又は診断治療を挙げることができる。いくつかの実施形態において、患者はヒト患者である。
【0082】
本明細書では、「対照動物」又は「正常動物」は、動物において転写依存性記憶形成を誘導するのに十分な条件下で訓練されたその動物と同じ種である、またその他の点でその動物に匹敵する(例えば、同様の年齢、性別)動物である。
【0083】
「患者」は、医学的治療を必要とするいずれかのヒト又は非ヒト動物を意味する。医学的治療としては、疾患若しくは障害等既存の病態の治療、予防的(prophylactic又はpreventative)治療、又は診断治療を挙げることができる。いくつかの実施形態において、患者はヒト患者である。
【0084】
「投与すること」は、対象の体内に、化合物若しくはその薬学的に許容される塩等の化学的構成体、又はそのような化学的構成体を含む組成物を、固体又は液体剤形でいずれかの適切な経路を介した使用、例えば経口投与のために導入するという意味である。
【0085】
「強化する(enhance)」、「強化すること(enhancing)」、又は「強化(enhancement)」は、生化学的又は生理的な作用又は効果を正常に対して増強し、増加し、改善し、又は大きく若しくはよくする能力を意味する。例えば、長期記憶形成の強化は、動物における長期記憶形成を動物又は対照の正常な長期記憶形成に対して(又は「比べて」)増強又は増加する能力を指す。その結果、長期記憶獲得はより速く又はよりよく保持される。認知タスクの強化性能は、動物による指定された認知タスクの性能を動物又は対照による認知タスクの正常な性能に対して増強又は改善する能力を指す。
【0086】
本明細書では、「訓練プロトコル」又は「訓練すること」という用語は「認知訓練」又は「運動訓練」を指す。"
【0087】
次に、本発明の実施形態について言及し、それらの例を添付の図面及び実施例で示し、図面及び実施例に関連して説明する。いくつかの実施形態が本明細書に記載されているが、記載された実施形態は本発明の範囲を限定するものではないことが理解されよう。一方、本開示は、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲内に含まれうる代替形態、修正形態、及び均等形態を含むよう意図されている。
【0088】
化合物及び化学的構成体
本開示は、式(I)の化合物及び化学的構成体、並びに開示された方法におけるそれらの使用に関する。
【0089】
いくつかの実施形態において、本開示は、式(I):
【0090】
【化7】
【0091】
(式中、
R1は-Hである、又は
R1は、-ハロ、-ヒドロキシ、-アルコキシ、-アミノ及び-カルボキシルからなる群からそれぞれ独立して選択される1個若しくは複数のメンバーで場合によって置換されている-C1~6アルキルである、又は
R1は、-ハロ、-ヒドロキシ、-C1~4アルキル、-C1~4アルコキシ、及びアミノからなる群からそれぞれ独立して選択される1個若しくは複数のメンバーでそれぞれ場合によって置換されている-C3~8アルケニル若しくは-C3~8アルキニルである、又は
R1は、-ハロ、-ヒドロキシ、-C1~4アルキル、-C1~4アルコキシ、及び-アミノからなる群からそれぞれ独立して選択される1個若しくは複数のメンバーでそれぞれ場合によって置換されている-(CH2)nアリール、-(CH2)nヘテロアリール、-(CH2)nシクロアルキル、若しくは-(CH2)nヘテロシクロアルキルであり、nは独立して、0、1、2、3、及び4から選択される整数である、又は
R1は-COR2、-CONR3R4、-CR5R6NR7R8、-CHR9R10、若しくは-C(OH)R11R12であり
R2 R3、R4 R7及びR8はそれぞれ独立して、-H、-C1~8アルキル、及び-C1~8ハロアルキルからなる群から選択され、
R5及びR6はそれぞれ独立して、-H、-ハロ、-NH2、-C1~8アルキル、-C1~8ハロアルキル、-(CH2)nCONH2、-(CH2)nCOOH、-(CH2)nアリール、-(CH2)nヘテロアリール、-(CH2)nシクロアルキル、及び-(CH2)nヘテロシクロアルキルからなる群から選択され、これらは-グアニジル、-尿素、-ハロ、-アルキル、-ヒドロキシ、-アミノ、-アルコキシ、-2,3-ジヒドロ-1H-ピロール-1-カルボキサミド、-(CH2)nCONR1AR1B、-(CH2)nNHC(=O)R1A、-(CH2)nNR1AR1B、-(CH2)nOR1C、-(CH2)nSR1C及び-(CH2)nSeR1Cからなる群からそれぞれ独立して選択される1個若しくは複数のメンバーでそれぞれ場合によって置換されており、nは独立して、0、1、2、3、及び4から選択される整数であり、
R1Aはそれぞれ独立して、-H、-C1~8アルキル、-C1~8ハロアルキル、-(CH2)nCONH2、-(CH2)nCOOH、-(CH2)nアリール、-(CH2)nヘテロアリール、-(CH2)nシクロアルキル、及び-(CH2)nヘテロシクロアルキルからなる群から選択され、前記-(CH2)nアリール、-(CH2)nヘテロアリール、-(CH2)nシクロアルキル、及び-(CH2)nヘテロシクロアルキルは、-ハロ、-ヒドロキシ、-C1~4アルキル、-C1~4アルコキシ、及び-アミノからなる群からそれぞれ独立して選択される1個若しくは複数のメンバーでそれぞれ場合によって置換されており、nは独立して、0、1、2、3、及び4から選択される整数であり、
R1Bはそれぞれ独立して、-H、-C1~8アルキル、-C1~8ハロアルキル、-(CH2)nCONH2、-(CH2)nCOOH、-(CH2)nアリール、-(CH2)nヘテロアリール、-(CH2)nシクロアルキル、及び-(CH2)nヘテロシクロアルキルからなる群から選択され、nは独立して、0、1、2、3、及び4から選択される整数であり、
R1Cはそれぞれ独立して、-H、-C1~8アルキル、-C1~8ハロアルキル、-(CH2)nCONH2、-(CH2)nCOOH、-(CH2)nアリール、-(CH2)nヘテロアリール、-(CH2)nシクロアルキル、及び-(CH2)nヘテロシクロアルキルからなる群から選択され、nは独立して、0、1、2、3、及び4から選択される整数であり、
R9及びR10はそれぞれ独立して、-H、-C1~8アルキル、及び-C1~8ハロアルキルからなる群から選択され、前記アルキルは、-アミノ、-ヒドロキシ及び-カルボキシルからなる群からそれぞれ独立して選択される最大3個のメンバーで場合によって置換されている、又は場合によって、R9及びR10はそれらが結合している炭素と一緒になって、場合によって置換されている5員のヘテロアリール若しくはヘテロシクロアルキル環を形成することができ、
R11及びR12はそれぞれ独立して、-H、-C1~6アルキル、及び-C1~6ハロアルキルからなる群から選択され、前記-C1~6アルキル、及び-C1~6ハロアルキルは、-ヒドロキシ及びアミノからなる群からそれぞれ独立して選択される最大3個のメンバーで場合によって置換されている)
の化学的構成体を提供する。
【0092】
いくつかの実施形態において、化学的構成体は、式(I):
【0093】
【化8】
【0094】
の(1R,5R)エナンチオマーに相当する。
【0095】
いくつかの実施形態において、化学的構成体は、式(I):
【0096】
【化9】
【0097】
の(1S,5S)エナンチオマーに相当する。
【0098】
いくつかの実施形態において、R1は-Hである、又は
R1は、-ハロ、-ヒドロキシ、-アルコキシ、-アミノ及び-カルボキシルからなる群からそれぞれ独立して選択される1個若しくは複数のメンバーで場合によって置換されている-C1~6アルキルである、又は
R1は、-ハロ、-ヒドロキシ、-C1~4アルキル、-C1~4アルコキシ、及びアミノからなる群からそれぞれ独立して選択される1個若しくは複数のメンバーでそれぞれ場合によって置換されている-C3~8アルケニル若しくは-C3~8アルキニルである、又は
R1は、-ハロ、-ヒドロキシ、-C1~4アルキル、-C1~4アルコキシ、及び-アミノからなる群からそれぞれ独立して選択される1個若しくは複数のメンバーでそれぞれ場合によって置換されている-(CH2)nアリール、-(CH2)nヘテロアリール、-(CH2)nシクロアルキル、若しくは-(CH2)nヘテロシクロアルキルであり、nは独立して、0、1、2、3、及び4から選択される整数である、又は
R1は-CR5R6NR7R8、-CHR9R10、若しくは-C(OH)R11R12であり、
R7及びR8は独立して、-H、-C1~8アルキル、及び-C1~8ハロアルキルからなる群から選択され、
R5及びR6はそれぞれ独立して、-H、-ハロ、-NH2、-C1~8アルキル、-C1~8ハロアルキル、-(CH2)nCONH2、-(CH2)nCOOH、-(CH2)nアリール、-(CH2)nヘテロアリール、-(CH2)nシクロアルキル、及び-(CH2)nヘテロシクロアルキルからなる群から選択され、これらは-グアニジル、-尿素、-ハロ、-アルキル、-ヒドロキシ、-アミノ、-アルコキシ、-2,3-ジヒドロ-1H-ピロール-1-カルボキサミドからなる群からそれぞれ独立して選択される1個若しくは複数のメンバーでそれぞれ場合によって置換されており、nは独立して、0、1、2、3、及び4から選択される整数であり、
R9及びR10はそれぞれ独立して、-H、-C1~8アルキル、及び-C1~8ハロアルキルからなる群から選択され、前記アルキルは、-アミノ、-ヒドロキシ、及び-カルボキシルからなる群からそれぞれ独立して選択される最大3個のメンバーで場合によって置換されている、又は場合によって、R9及びR10はそれらが結合している炭素と一緒になって、場合によって置換されている5員のヘテロアリール若しくはヘテロシクロアルキル環を形成することができ、
R11及びR12は独立して、-H、-C1~6アルキル、及び-C1~6ハロアルキルからなる群から選択され、前記-C1~6アルキル及び-C1~6ハロアルキルは、-ヒドロキシ及び-アミノからなる群からそれぞれ独立して選択される最大3個のメンバーで場合によって置換されている。
【0099】
いくつかの実施形態において、R1は-H、又は
-ハロ、-ヒドロキシ、-アルコキシ、-アミノ及び-カルボキシルからなる群からそれぞれ独立して選択される1個若しくは複数のメンバーで場合によって置換されている-C1~6アルキル、又は
-ハロ、-ヒドロキシ、-C1~4アルキル、-C1~4アルコキシ、及びアミノからなる群からそれぞれ独立して選択される1個若しくは複数のメンバーでそれぞれ場合によって置換されている-C3~8アルケニル若しくは-C3~8アルキニル、又は
-ハロ、-ヒドロキシ、-C1~4アルキル、-C1~4アルコキシ、及び-アミノからなる群からそれぞれ独立して選択される1個若しくは複数のメンバーでそれぞれ場合によって置換されている-(CH2)nアリール、-(CH2)nヘテロアリール、-(CH2)nシクロアルキル、若しくは-(CH2)nヘテロシクロアルキル(ここで、nは独立して、0、1、2、3、及び4から選択される整数である)、又は
-COR2、-CONR3R4、-CR5R6NR7R8、-CHR9R10、及び-C(OH)R11R12であり、
R2 R3、R4、R7及びR8は独立して、-H、-C1~8アルキル、及び-C1~8ハロアルキルからなる群から選択され、
R5及びR6は独立して、-H、-ハロ、-NH2、-C1~8アルキル、-C1~8ハロアルキル、-(CH2)nCONH2、-(CH2)nCOOH、-(CH2)nアリール、-(CH2)nヘテロアリール、-(CH2)nシクロアルキル、及び-(CH2)nヘテロシクロアルキルからなる群から選択され、これらは-グアニジル、-尿素、-ハロ、-アルキル、-ヒドロキシ、-アミノ、-アルコキシ、-2,3-ジヒドロ-1H-ピロール-1-カルボキサミドからなる群からそれぞれ独立して選択される1個若しくは複数のメンバーでそれぞれ場合によって置換されており、nは独立して、0、1、2、3、及び4から選択される整数であり、
R9及びR10は独立して、-H、-C1~8アルキル、及び-C1~8ハロアルキルからなる群から選択され、前記アルキルは、-アミノ、-ヒドロキシ及び-カルボキシルからなる群からそれぞれ独立して選択される最大3個のメンバーで場合によって置換されている、又は場合によって、R9及びR10はそれらが結合している炭素と一緒になって、5員のヘテロアリール若しくはヘテロシクロアルキル環を形成することができ、
R11及びR12は独立して、-H、-C1~6アルキル、及び-C1~6ハロアルキルからなる群から選択され、これらは-ヒドロキシ及びアミノからなる群からそれぞれ独立して選択される最大3個のメンバーで場合によって置換されている。
【0100】
いくつかの実施形態において、R1は-CR5R6NR7R8又は-CR9R10であり、
R5及びR6は独立して、-H、-F、-Cl、-Br、-NH2、-メチル、-エチル、-n-プロピル、-イソプロピル、-ブチル、-ペンチル、-NH2、-C1~8ハロアルキル、-(CH2)nCONH2、-(CH2)nCOOH、-(CH2)nアリール、-(CH2)nベンジル、-(CH2)nヘテロアリール、-(CH2)インドール、-(CH2)イミダゾール、-(CH2)nシクロアルキル、-(CH2)nヘテロシクロアルキル、-(CH2)nピロリジン、-(CH2)フラン、及び-(CH2)nチオフェンからなる群から選択され、これらは-グアニジル、-尿素、-ハロ、-アルキル、-ヒドロキシ、-アミノ、-アルコキシ、-2,3-ジヒドロ-1H-ピロール-1-カルボキサミド、-(CH2)nNR1AR1B、-(CH2)nOR1C、-(CH2)nSR1C及び-(CH2)nSeR1Cからなる群からそれぞれ独立して選択される最大3個のメンバーで場合によって置換されており、nは独立して、0、1、2、3、及び4から選択される整数であり、
R1Aはそれぞれ独立して、-H、-C1~8アルキル、-C1~8ハロアルキル、-(CH2)nアリール、-(CH2)nヘテロアリール、-(CH2)nシクロアルキル、及び-(CH2)nヘテロシクロアルキルからなる群から選択され、nは独立して、0、1、2、3、及び4から選択される整数であり、
R1Bはそれぞれ独立して、-H、-C1~8アルキル、-C1~8ハロアルキル、-(CH2)nアリール、-(CH2)nヘテロアリール、-(CH2)nシクロアルキル、及び-(CH2)nヘテロシクロアルキルからなる群から選択され、nは独立して、0、1、2、3、及び4から選択される整数であり、
R1Cはそれぞれ独立して、-H、-C1~8アルキル、-C1~8ハロアルキル、-(CH2)nアリール、-(CH2)nヘテロアリール、-(CH2)nシクロアルキル、及び-(CH2)nヘテロシクロアルキルからなる群から選択され、nは独立して、0、1、2、3、及び4から選択される整数であり、
R7及びR8は-Hであり、
R9及びR10は独立して、-H、-C1~8アルキル、及び-C1~8ハロアルキルからなる群から選択される、又は場合によって、R9及びR10はそれらが結合している炭素と一緒になって、場合によって置換されている5員のヘテロアリール若しくはヘテロシクロアルキル環を形成することができる。
【0101】
いくつかの実施形態において、R1は-Hを含む。
【0102】
いくつかの実施形態において、R1としては、-ハロ、-ヒドロキシ、-アルコキシ、-アミノ及び-カルボキシルからなる群からそれぞれ独立して選択される1個若しくは複数のメンバーで場合によって置換されている-C1~6アルキルが挙げられる。
【0103】
いくつかの実施形態において、R1としては、-ハロ、-ヒドロキシ、-C1~4アルキル、-C1~4アルコキシ、及び-アミノからなる群からそれぞれ独立して選択される1個若しくは複数のメンバーで場合によって置換されている-C3~8アルケニルが挙げられる。
【0104】
いくつかの実施形態において、R1としては、-ハロ、-ヒドロキシ、-C1~4アルキル、-C1~4アルコキシ、及び-アミノからなる群からそれぞれ独立して選択される1個若しくは複数のメンバーでそれぞれ場合によって置換されている-C3~8アルキニルが挙げられる。
【0105】
いくつかの実施形態において、R1としては、-ハロ、-ヒドロキシ、-C1~4アルキル、-C1~4アルコキシ、及び-アミノからなる群からそれぞれ独立して選択される1個若しくは複数のメンバーで場合によって置換されている-(CH2)nアリール(ここで、nは独立して、0、1、2、3、及び4から選択される整数である)が挙げられる。
【0106】
いくつかの実施形態において、R1としては、-ハロ、-ヒドロキシ、-C1~4アルキル、-C1~4アルコキシ、及び-アミノからなる群からそれぞれ独立して選択される1個若しくは複数のメンバーで場合によって置換されている-(CH2)nヘテロアリール(ここで、nは独立して、0、1、2、3、及び4から選択される整数である)が挙げられる。
【0107】
いくつかの実施形態において、R1としては、-ハロ、-ヒドロキシ、-C1~4アルキル、-C1~4アルコキシ、及び-アミノからなる群からそれぞれ独立して選択される1個若しくは複数のメンバーで場合によって置換されている-(CH2)nシクロアルキル(ここで、nは独立して、0、1、2、3、及び4から選択される整数である)が挙げられる。
【0108】
いくつかの実施形態において、R1としては、-ハロ、-ヒドロキシ、-C1~4アルキル、-C1~4アルコキシ、及び-アミノからなる群からそれぞれ独立して選択される1個若しくは複数のメンバーで場合によって置換されている-(CH2)nヘテロシクロアルキル(ここで、nは独立して、0、1、2、3、及び4から選択される整数である)が挙げられる。
【0109】
いくつかの実施形態において、R1としては、-COR2が挙げられ、ここで、R2は-H、-C1~8アルキル、及び-C1~8ハロアルキルからなる群から選択される。
【0110】
いくつかの実施形態において、R1としては、-CONR3R4が挙げられ、ここで、R3及びR4は独立して、-H、-C1~8アルキル、及び-C1~8ハロアルキルからなる群から選択される。
【0111】
いくつかの実施形態において、R1としては、-CR5R6NR7R8が挙げられ、ここで、R7及びR8は独立して、-H、-C1~8アルキル、及び-C1~8ハロアルキルからなる群から選択され、R5及びR6は独立して、-H、-ハロ、-NH2、-C1~8アルキル、-C1~8ハロアルキル、-(CH2)nCONH2、-(CH2)nCOOH、-(CH2)nアリール、-(CH2)nヘテロアリール、-(CH2)nシクロアルキル、及び-(CH2)nヘテロシクロアルキルからなる群から選択され、これらは-グアニジル、-尿素、-ハロ、-アルキル、-ヒドロキシ、-アミノ、-アルコキシ、-2,3-ジヒドロ-1H-ピロール-1-カルボキサミドからなる群からそれぞれ独立して選択される1個又は複数のメンバーでそれぞれ場合によって置換されており、nは独立して、0、1、2、3、及び4から選択される整数である。
【0112】
いくつかの実施形態において、R1としては、-CR5R6NR7R8が挙げられ、ここで、R7及びR8は独立して、-H、-C1~8アルキル、及び-C1~8ハロアルキルからなる群から選択され、R5及びR6はそれぞれ独立して、-H、-ハロ、-NH2、-C1~8アルキル、-C1~8ハロアルキル、-(CH2)nCONH2、-(CH2)nCOOH、-(CH2)nアリール、-(CH2)nヘテロアリール、-(CH2)nシクロアルキル、及び-(CH2)nヘテロシクロアルキルからなる群から選択され、これらは-グアニジル、-尿素、-ハロ、-アルキル、-ヒドロキシ、-アミノ、-アルコキシ、-2,3-ジヒドロ-1H-ピロール-1-カルボキサミド、-(CH2)nCONR1AR1B、-(CH2)nNHC(=O)R1A、-(CH2)nNR1AR1B、-(CH2)nOR1C、-(CH2)nSR1C及び-(CH2)nSeR1Cからなる群からそれぞれ独立して選択される1個若しくは複数のメンバーでそれぞれ場合によって置換されており、nは独立して、0、1、2、3、及び4から選択される整数であり、
R1Aはそれぞれ独立して、-H、-C1~8アルキル、-C1~8ハロアルキル、-(CH2)nCONH2、-(CH2)nCOOH、-(CH2)nアリール、-(CH2)nヘテロアリール、-(CH2)nシクロアルキル、及び-(CH2)nヘテロシクロアルキルからなる群から選択され、前記-(CH2)nアリール、-(CH2)nヘテロアリール、-(CH2)nシクロアルキル、及び-(CH2)nヘテロシクロアルキルは、-ハロ、-ヒドロキシ、-C1~4アルキル、-C1~4アルコキシ、及び-アミノからなる群からそれぞれ独立して選択される1個若しくは複数のメンバーでそれぞれ場合によって置換されており、nは独立して、0、1、2、3、及び4から選択される整数であり、
R1Bはそれぞれ独立して、-H、-C1~8アルキル、-C1~8ハロアルキル、-(CH2)nCONH2、-(CH2)nCOOH、-(CH2)nアリール、-(CH2)nヘテロアリール、-(CH2)nシクロアルキル、及び-(CH2)nヘテロシクロアルキルからなる群から選択され、nは独立して、0、1、2、3、及び4から選択される整数であり、
R1Cはそれぞれ独立して、-H、-C1~8アルキル、-C1~8ハロアルキル、-(CH2)nCONH2、-(CH2)nCOOH、-(CH2)nアリール、-(CH2)nヘテロアリール、-(CH2)nシクロアルキル、及び-(CH2)nヘテロシクロアルキルからなる群から選択され、nは独立して、0、1、2、3、及び4から選択される整数である。
【0113】
いくつかの実施形態において、R1としては、-CHR9R10が挙げられ、ここで、R9及びR10は独立して、-H、-C1~8アルキル、-C1~8ハロアルキルからなる群から選択され、前記アルキルは、最大で3つの-アミノ、-ヒドロキシ、及び-カルボキシル基で場合によって置換されている、又は場合によって、R9及びR10はそれらが結合している炭素と一緒になって、場合によって置換されている5員のヘテロアリール若しくはヘテロシクロアルキル環を形成することができる。
【0114】
いくつかの実施形態において、R1としては、-C(OH)R11R12が挙げられ、ここで、R11及びR12は独立して、-H、-C1~6アルキル及び-C1~6ハロアルキルからなる群から選択され、これらは-ヒドロキシ及び-アミノからなる群からそれぞれ独立して選択される最大3個のメンバーで場合によって置換されている。
【0115】
いくつかの実施形態において、ヘテロ原子は、N(窒素)、O(酸素)、及びS(硫黄)からなる群から選択される。
【0116】
いくつかの実施形態において、ヘテロ原子は、N(窒素)、O(酸素)、Se(セレン)、及びS(硫黄)からなる群から選択される。
【0117】
いくつかの実施形態において、ヘテロ原子としては、N(窒素)が挙げられる。
【0118】
いくつかの実施形態において、ヘテロ原子としては、O(酸素)が挙げられる。
【0119】
いくつかの実施形態において、ヘテロ原子としては、S(硫黄)が挙げられる。
【0120】
いくつかの実施形態において、ヘテロ原子としては、Se(セレン)が挙げられる。
【0121】
いくつかの実施形態において、本開示は、式(I)の化学的構成体(式中、R1は、天然アミノ酸の類似体を含む)を提供する。
【0122】
いくつかの実施形態において、本開示は、式(I)の化学的構成体(式中、R1は、公知の非天然アミノ酸の類似体を含む)を提供する。そのような公知の非天然アミノ酸としては、β-アミノ酸(β3及びβ2)、ホモアミノ酸、プロリン及びピルビン酸誘導体、三置換アラニン誘導体、グリシン誘導体、環置換フェニルアラニン及びチロシン誘導体、直鎖状コアアミノ酸、並びにN-メチルアミノ酸が挙げられる。
【0123】
いくつかの実施形態において、化学的構成体は、式(I)の化合物、式(I)の化合物の薬学的に許容される塩、式(I)の化合物の薬学的に許容されるキレート、式(I)の化合物の薬学的に許容される溶媒和物、式(I)の化合物の薬学的に許容される代謝物、及び式(I)の化合物の薬学的に許容されるプロドラッグからなる群から選択される。
【0124】
いくつかの実施形態において、化学的構成体は、式(I)の化合物及び式(I)の化合物の薬学的に許容される塩からなる群から選択される。
【0125】
いくつかの実施形態において、本開示は、
(1R,5R)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1R,5R)-5-(2-クロロフェニル)-3-メチル-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1R,5R)-5-(2-クロロフェニル)-3-(1-ヒドロキシエチル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1R,5R)-3-((S)-1-アミノ-2-メチルプロピル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1R,5R)-3-(アミノメチル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1R,5R)-5-(2-クロロフェニル)-3-フルオロカルボニル-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1R,5R)-5-(2-クロロフェニル)-3-((S)-1,5-ジアミノペンチル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1R,5R)-3-((S)-1-アミノエチル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1R,5R)-5-(2-クロロフェニル)-3-フェニル-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1R,5R)-3-((1S,2R)-1-アミノ-2-メチルブチル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1R,5R)-3-((S)-1-アミノ-3-メチルブチル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1R,5R)-3-((S)-1-アミノ-2-フェニルエチル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1R,5R)-3-((S)-1-アミノ-2-(4-ヒドロキシフェニル)エチル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1R,5R)-3-((S)-1-アミノ-2-(1H-インドール-3-イル)エチル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1R,5R)-3-((S)-1-アミノ-2-(1H-イミダゾール-4-イル)エチル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1R,5R)-5-(2-クロロフェニル)-3-(ピロリジン-2-イル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(S)-3-アミノ-3-((1R,5R)-5-(2-クロロフェニル)-9-オキソ-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-3-イル)プロパン酸;
(S)-4-アミノ-4-((1R,5R)-5-(2-クロロフェニル)-9-オキソ-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-3-イル)ブタン酸;
(S)-4-アミノ-4-((1R,5R)-5-(2-クロロフェニル)-9-オキソ-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-3-イル)ブタンアミド;
(S)-3-アミノ-3-((1R,5R)-5-(2-クロロフェニル)-9-オキソ-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-3-イル)プロパンアミド;
(1R,5R)-3-((S)-1-アミノ-3-(メチルチオ)プロピル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1R,5R)-3-((R)-1-アミノ-2-メルカプトエチル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1R,5R)-3-((S)-1-アミノ-2-ヒドロキシエチル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1R,5R)-3-((S)-1-アミノ-2-メトキシエチル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
1-((S)-4-アミノ-4-((1R,5R)-5-(2-クロロフェニル)-9-オキソ-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-3-イル)ブチル)グアニジン;
(1R,5R)-5-(2-クロロフェニル)-3-エチル-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
3-((1R,5R)-5-(2-クロロフェニル)-9-オキソ-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-3-イル)-2-ヒドロキシプロパン酸;
2-(((1R,5R)-5-(2-クロロフェニル)-9-オキソ-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-3-イル)メチル)-2-ヒドロキシコハク酸;
5-((1R,5R)-5-(2-クロロフェニル)-9-オキソ-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-3-イル)ペンタン酸;
3-((1R,5R)-5-(2-クロロフェニル)-9-オキソ-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-3-イル)-2,3-ジヒドロキシプロパン酸;
3-((1R,5R)-5-(2-クロロフェニル)-9-オキソ-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-3-イル)プロパン酸;
(1R,5R)-5-(2-クロロフェニル)-3-ヘプチル-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1R,5R)-3-(1-アミノ-2-ヒドロセレノエチル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1R,5R)-5-(2-クロロフェニル)-3-(2-(メチルアミノ)エチル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1R,5R)-5-(2-クロロフェニル)-3-(1,2-ジアミノエチル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1R,5R)-3-(2-アミノ-1-ヒドロキシエチル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1R,5R)-3-(3-アミノプロピル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1R,5R)-3-(4-アミノブチル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1R,5R)-3-(3-アミノペンチル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1R,5R)-3-(1-アミノ-3-ヒドロキシプロピル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1R,5R)-5-(2-クロロフェニル)-3-(1,4-ジアミノブチル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
4-アミノ-4-((1R,5R)-5-(2-クロロフェニル)-9-オキソ-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-3-イル)-N-エチルブタンアミド;
(1R,5R)-5-(2-クロロフェニル)-3-(1,5-ジアミノ-4-ヒドロキシペンチル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
1-(4-アミノ-4-((1R,5R)-5-(2-クロロフェニル)-9-オキソ-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-3-イル)ブチル)尿素;
1-(5-アミノ-5-((1R,5R)-5-(2-クロロフェニル)-9-オキソ-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-3-イル)ペンチル)尿素;
1-(5-アミノ-5-((1R,5R)-5-(2-クロロフェニル)-9-オキソ-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-3-イル)ペンチル)グアニジン;
1-(2-((1R,5R)-5-(2-クロロフェニル)-9-オキソ-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-3-イル)エチル)グアニジン;
(1R,5R)-3-(1-アミノ-2-メチルブチル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1R,5R)-3-(1-アミノ-2-(5-ヒドロキシ-1H-インドール-3-イル)エチル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1R,5R)-3-(1-アミノ-2-(5-メチル-1H-インドール-3-イル)エチル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1R,5R)-3-(2-(1H-インドール-3-イル)-1-(メチルアミノ)エチル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1R,5R)-5-(2-クロロフェニル)-3-(4-ヒドロキシピロリジン-2-イル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1R,5R)-3-(1-アミノ-2-ヒドロキシ-3-メチルブチル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1R,5R)-5-(2-クロロフェニル)-3-(1-(メチルアミノ)エチル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1R,5R)-3-(2-アミノプロピル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
N-(5-アミノ-5-((1R,5R)-5-(2-クロロフェニル)-9-オキソ-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-3-イル)ペンチル)-3-メチル-3,4-ジヒドロ-2H-ピロール-2-カルボキサミド;
(1R,5R)-3-(1-アミノ-3-ヒドロキシ-2-メチルブチル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1R,5R)-3-(1-アミノ-2,2-ジメチルプロピル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1R,5R)-3-(アミノ(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)メチル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1R,5R)-3-(1-アミノ-2-ヒドロキシ-2-フェニルエチル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;及び
(1R,5R)-3-(1-アミノ-2-(4-メトキシフェニル)エチル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
からなる群から選択される化合物又はその薬学的に許容される塩を提供する。
【0126】
いくつかの実施形態において、本開示は、
(1S,5S)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1S,5S)-5-(2-クロロフェニル)-3-メチル-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1S,5S)-5-(2-クロロフェニル)-3-(1-ヒドロキシエチル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1S,5S)-3-((S)-1-アミノ-2-メチルプロピル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1S,5S)-3-(アミノメチル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1S,5S)-5-(2-クロロフェニル)-3-フルオロカルボニル-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1S,5S)-5-(2-クロロフェニル)-3-((S)-1,5-ジアミノペンチル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1S,5S)-3-((S)-1-アミノエチル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1S,5S)-5-(2-クロロフェニル)-3-フェニル-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1S,5S)-3-((1S,2R)-1-アミノ-2-メチルブチル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1S,5S)-3-((S)-1-アミノ-3-メチルブチル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1S,5S)-3-((S)-1-アミノ-2-フェニルエチル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1S,5S)-3-((S)-1-アミノ-2-(4-ヒドロキシフェニル)エチル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1S,5S)-3-((S)-1-アミノ-2-(1H-インドール-3-イル)エチル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1S,5S)-3-((S)-1-アミノ-2-(1H-イミダゾール-4-イル)エチル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1S,5S)-5-(2-クロロフェニル)-3-(ピロリジン-2-イル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(S)-3-アミノ-3-((1S,5S)-5-(2-クロロフェニル)-9-オキソ-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-3-イル)プロパン酸;
(S)-4-アミノ-4-((1S,5S)-5-(2-クロロフェニル)-9-オキソ-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-3-イル)ブタン酸;
(S)-4-アミノ-4-((1S,5S)-5-(2-クロロフェニル)-9-オキソ-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-3-イル)ブタンアミド;
(S)-3-アミノ-3-((1S,5S)-5-(2-クロロフェニル)-9-オキソ-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-3-イル)プロパンアミド;
(1S,5S)-3-((S)-1-アミノ-3-(メチルチオ)プロピル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1S,5S)-3-((R)-1-アミノ-2-メルカプトエチル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1S,5S)-3-((S)-1-アミノ-2-ヒドロキシエチル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1S,5S)-3-((S)-1-アミノ-2-メトキシエチル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
1-((S)-4-アミノ-4-((1S,5S)-5-(2-クロロフェニル)-9-オキソ-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-3-イル)ブチル)グアニジン;
(1S,5S)-5-(2-クロロフェニル)-3-エチル-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
3-((1S,5S)-5-(2-クロロフェニル)-9-オキソ-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-3-イル)-2-ヒドロキシプロパン酸;
2-(((1S,5S)-5-(2-クロロフェニル)-9-オキソ-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-3-イル)メチル)-2-ヒドロキシコハク酸;
5-((1S,5S)-5-(2-クロロフェニル)-9-オキソ-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-3-イル)ペンタン酸;
3-((1S,5S)-5-(2-クロロフェニル)-9-オキソ-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-3-イル)-2,3-ジヒドロキシプロパン酸;
3-((1S,5S)-5-(2-クロロフェニル)-9-オキソ-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-3-イル)プロパン酸;
(1S,5S)-5-(2-クロロフェニル)-3-ヘプチル-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1S,5S)-3-(1-アミノ-2-ヒドロセレノエチル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1S,5S)-5-(2-クロロフェニル)-3-(2-(メチルアミノ)エチル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1S,5S)-5-(2-クロロフェニル)-3-(1,2-ジアミノエチル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1S,5S)-3-(2-アミノ-1-ヒドロキシエチル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1S,5S)-3-(3-アミノプロピル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1S,5S)-3-(4-アミノブチル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1S,5S)-3-(3-アミノペンチル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1S,5S)-3-(1-アミノ-3-ヒドロキシプロピル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1S,5S)-5-(2-クロロフェニル)-3-(1,4-ジアミノブチル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
4-アミノ-4-((1S,5S)-5-(2-クロロフェニル)-9-オキソ-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-3-イル)-N-エチルブタンアミド;
(1S,5S)-5-(2-クロロフェニル)-3-(1,5-ジアミノ-4-ヒドロキシペンチル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
1-(4-アミノ-4-((1S,5S)-5-(2-クロロフェニル)-9-オキソ-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-3-イル)ブチル)尿素;
1-(5-アミノ-5-((1S,5S)-5-(2-クロロフェニル)-9-オキソ-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-3-イル)ペンチル)尿素;
1-(5-アミノ-5-((1S,5S)-5-(2-クロロフェニル)-9-オキソ-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-3-イル)ペンチル)グアニジン;
1-(2-((1S,5S)-5-(2-クロロフェニル)-9-オキソ-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-3-イル)エチル)グアニジン;
(1S,5S)-3-(1-アミノ-2-メチルブチル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1S,5S)-3-(1-アミノ-2-(5-ヒドロキシ-1H-インドール-3-イル)エチル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1S,5S)-3-(1-アミノ-2-(5-メチル-1H-インドール-3-イル)エチル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1S,5S)-3-(2-(1H-インドール-3-イル)-1-(メチルアミノ)エチル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1S,5S)-5-(2-クロロフェニル)-3-(4-ヒドロキシピロリジン-2-イル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1S,5S)-3-(1-アミノ-2-ヒドロキシ-3-メチルブチル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1S,5S)-5-(2-クロロフェニル)-3-(1-(メチルアミノ)エチル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1S,5S)-3-(2-アミノプロピル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
N-(5-アミノ-5-((1S,5S)-5-(2-クロロフェニル)-9-オキソ-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-3-イル)ペンチル)-3-メチル-3,4-ジヒドロ-2H-ピロール-2-カルボキサミド;
(1S,5S)-3-(1-アミノ-3-ヒドロキシ-2-メチルブチル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1S,5S)-3-(1-アミノ-2,2-ジメチルプロピル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1S,5S)-3-(アミノ(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)メチル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1S,5S)-3-(1-アミノ-2-ヒドロキシ-2-フェニルエチル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;及び
(1S,5S)-3-(1-アミノ-2-(4-メトキシフェニル)エチル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
からなる群から選択される化合物又はその薬学的に許容される塩を提供する。
【0127】
いくつかの実施形態において、本開示は、
(1R,5R)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1R,5R)-5-(2-クロロフェニル)-3-メチル-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1R,5R)-5-(2-クロロフェニル)-3-(1-ヒドロキシエチル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1R,5R)-3-((S)-1-アミノ-2-メチルプロピル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1R,5R)-3-(アミノメチル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1R,5R)-5-(2-クロロフェニル)-3-フルオロカルボニル-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1R,5R)-5-(2-クロロフェニル)-3-((S)-1,5-ジアミノペンチル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1R,5R)-3-((S)-1-アミノエチル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1R,5R)-5-(2-クロロフェニル)-3-フェニル-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1R,5R)-3-((1S,2R)-1-アミノ-2-メチルブチル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1R,5R)-3-((S)-1-アミノ-3-メチルブチル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1R,5R)-3-((S)-1-アミノ-2-フェニルエチル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1R,5R)-3-((S)-1-アミノ-2-(4-ヒドロキシフェニル)エチル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1R,5R)-3-((S)-1-アミノ-2-(1H-インドール-3-イル)エチル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1R,5R)-3-((S)-1-アミノ-2-(1H-イミダゾール-4-イル)エチル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1R,5R)-5-(2-クロロフェニル)-3-(ピロリジン-2-イル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(S)-3-アミノ-3-((1R,5R)-5-(2-クロロフェニル)-9-オキソ-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-3-イル)プロパン酸;
(S)-4-アミノ-4-((1R,5R)-5-(2-クロロフェニル)-9-オキソ-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-3-イル)ブタン酸;
(S)-4-アミノ-4-((1R,5R)-5-(2-クロロフェニル)-9-オキソ-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-3-イル)ブタンアミド;
(S)-3-アミノ-3-((1R,5R)-5-(2-クロロフェニル)-9-オキソ-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-3-イル)プロパンアミド;
(1R,5R)-3-((S)-1-アミノ-3-(メチルチオ)プロピル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1R,5R)-3-((R)-1-アミノ-2-メルカプトエチル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1R,5R)-3-((S)-1-アミノ-2-ヒドロキシエチル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1R,5R)-3-((S)-1-アミノ-2-メトキシエチル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;及び
1-((S)-4-アミノ-4-((1R,5R)-5-(2-クロロフェニル)-9-オキソ-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-3-イル)ブチル)グアニジン;
からなる群から選択される化合物又はその薬学的に許容される塩を提供する。
【0128】
いくつかの実施形態において、本開示は、
(1R,5R)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1R,5R)-5-(2-クロロフェニル)-3-メチル-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1R,5R)-5-(2-クロロフェニル)-3-(1-ヒドロキシエチル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1R,5R)-3-((S)-1-アミノ-2-メチルプロピル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1R,5R)-3-(アミノメチル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1R,5R)-5-(2-クロロフェニル)-3-フルオロカルボニル-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1R,5R)-5-(2-クロロフェニル)-3-((S)-1,5-ジアミノペンチル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;及び
(1R,5R)-3-((S)-1-アミノエチル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
からなる群から選択される化合物又はその薬学的に許容される塩を提供する。
【0129】
いくつかの実施形態において、本開示は、
(1R,5R)-3-(1-アミノ-2-ヒドロセレノエチル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1R,5R)-5-(2-クロロフェニル)-3-(2-(メチルアミノ)エチル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1R,5R)-5-(2-クロロフェニル)-3-(1,2-ジアミノエチル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1R,5R)-3-(2-アミノ-1-ヒドロキシエチル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1R,5R)-3-(3-アミノプロピル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1R,5R)-3-(4-アミノブチル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1R,5R)-3-(3-アミノペンチル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1R,5R)-3-(1-アミノ-3-ヒドロキシプロピル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1R,5R)-5-(2-クロロフェニル)-3-(1,4-ジアミノブチル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
4-アミノ-4-((1R,5R)-5-(2-クロロフェニル)-9-オキソ-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-3-イル)-N-エチルブタンアミド;
(1R,5R)-5-(2-クロロフェニル)-3-(1,5-ジアミノ-4-ヒドロキシペンチル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
1-(4-アミノ-4-((1R,5R)-5-(2-クロロフェニル)-9-オキソ-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-3-イル)ブチル)尿素;
1-(5-アミノ-5-((1R,5R)-5-(2-クロロフェニル)-9-オキソ-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-3-イル)ペンチル)尿素;
1-(5-アミノ-5-((1R,5R)-5-(2-クロロフェニル)-9-オキソ-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-3-イル)ペンチル)グアニジン;
1-(2-((1R,5R)-5-(2-クロロフェニル)-9-オキソ-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-3-イル)エチル)グアニジン;
(1R,5R)-3-(1-アミノ-2-メチルブチル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1R,5R)-3-(1-アミノ-2-(5-ヒドロキシ-1H-インドール-3-イル)エチル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1R,5R)-3-(1-アミノ-2-(5-メチル-1H-インドール-3-イル)エチル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1R,5R)-3-(2-(1H-インドール-3-イル)-1-(メチルアミノ)エチル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1R,5R)-5-(2-クロロフェニル)-3-(4-ヒドロキシピロリジン-2-イル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1R,5R)-3-(1-アミノ-2-ヒドロキシ-3-メチルブチル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1R,5R)-5-(2-クロロフェニル)-3-(1-(メチルアミノ)エチル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1R,5R)-3-(2-アミノプロピル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
N-(5-アミノ-5-((1R,5R)-5-(2-クロロフェニル)-9-オキソ-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-3-イル)ペンチル)-3-メチル-3,4-ジヒドロ-2H-ピロール-2-カルボキサミド;
(1R,5R)-3-(1-アミノ-3-ヒドロキシ-2-メチルブチル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1R,5R)-3-(1-アミノ-2,2-ジメチルプロピル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1R,5R)-3-(アミノ(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)メチル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
(1R,5R)-3-(1-アミノ-2-ヒドロキシ-2-フェニルエチル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;及び
(1R,5R)-3-(1-アミノ-2-(4-メトキシフェニル)エチル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
からなる群から選択される化合物又はその薬学的に許容される塩を提供する。
【0130】
いくつかの実施形態において、本開示は、
(1R,5R)-5-(2-クロロフェニル)-3-エチル-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
3-((1R,5R)-5-(2-クロロフェニル)-9-オキソ-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-3-イル)-2-ヒドロキシプロパン酸;
2-(((1R,5R)-5-(2-クロロフェニル)-9-オキソ-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-3-イル)メチル)-2-ヒドロキシコハク酸;
5-((1R,5R)-5-(2-クロロフェニル)-9-オキソ-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-3-イル)ペンタン酸;
3-((1R,5R)-5-(2-クロロフェニル)-9-オキソ-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-3-イル)-2,3-ジヒドロキシプロパン酸;
3-((1R,5R)-5-(2-クロロフェニル)-9-オキソ-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-3-イル)プロパン酸;及び
(1R,5R)-5-(2-クロロフェニル)-3-ヘプチル-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン;
からなる群から選択される化合物又はその薬学的に許容される塩を提供する。
【0131】
いくつかの実施形態において、本開示の化学的構成体は、アミノ酸コンジュゲートを含む。好ましくは、本技術のアミノ酸は、体循環中に遊離された濃度では一般に安全と認められる(GRAS)又は無毒性である。
【0132】
化合物及び組成物における使用に適したアミノ酸は、大まかに標準アミノ酸、非標準アミノ酸、及び合成アミノ酸に分類することができる。
【0133】
標準アミノ酸、又はタンパク質を構成するアミノ酸としては、有機体の普遍遺伝暗号でコードされているタンパク質の単量体単位を構成する現在公知のアミノ酸が挙げられるが、これらに限定されない。標準アミノ酸としては、アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン酸、グルタミン、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トレオニン、トリプトファン、チロシン及びバリンが挙げられる。
【0134】
非標準アミノ酸は、標準遺伝暗号によってコードされるものではなく、非標準アミノ酸としては、タンパク質に既に組み込まれている標準アミノ酸の化学修飾体、及びタンパク質中には見られないが、やはり生体中に存在しているアミノ酸が挙げられる。非標準アミノ酸の例としては、オルニチン、ホモアルギニン、シトルリン、ホモシトルリン、ホモセリン、テアニン、γ-アミノ酪酸、サルコシン、カルニチン、2-アミノアジピン酸、パントテン酸、タウリン、ヒポタウリン、ランチオニン、チオシステイン、シスタチオニン、ホモシステイン、β-アラニン、β-アミノイソ酪酸、β-ロイシン、β-リジン、β-アルギニン、β-チロシン、β-フェニルアラニン、イソセリン、β-グルタミン酸、β-チロシン、β-dopa(3,4-ジヒドロキシ-L-フェニルアラニン)等のβ-アミノ酸、2-アミノイソ酪酸、イソバリン、ジ-n-エチルグリシン等のα,α-二置換アミノ酸、N-メチル-アラニン、L-アブリン等のN-メチル酸、4-ヒドロキシプロリン等のヒドロキシ-アミノ酸、5-ヒドロキシリジン、3-ヒドロキシロイシン、4-ヒドロキシイソロイシン、5-ヒドロキシ-L-トリプトファン、1-アミノシクロプロピル-1-カルボン酸、アゼチジン-2-カルボン酸及びピペコリン酸等の環式アミノ酸が挙げられる。非標準アミノ酸としては、独特の合成機序によってタンパク質中に組み込まれている、セレノシステイン及びピロリシンも挙げられる。
【0135】
合成アミノ酸は自然に生ずるものではなく、合成されなくてはならない。合成アミノ酸の例としては、アリルグリシン、シクロヘキシルグリシン、N-(4-ヒドロキシフェニル)グリシン、N-(クロロアセチル)グリシンエステル、2-(トリフルオロメチル)-フェニルアラニン、4-(ヒドロキシメチル)-フェニルアラニン、4-アミノ-フェニルアラニン、2-クロロフェニルグリシン、3-グアニジノプロピオン酸、3,4-デヒドロ-プロリン、2,3-ジアミノ安息香酸、2-アミノ-3-クロロ安息香酸、2-アミノ-5-フルオロ安息香酸、アロイソロイシン、tert-ロイシン、3-フェニルセリン、イソセリン、3-アミノペンタン酸、2-アミノ-オクタン二酸、4-クロロ-β-フェニルアラニン、β-ホモプロリン、β-ホモアラニン、3-アミノ-3-(3-メトキシフェニル)プロピオン酸、N-イソブチリル-システイン、3-アミノ-チロシン、5-メチル-トリプトファン、2,3-ジアミノプロピオン酸、5-アミノ吉草酸、及び4-(ジメチルアミノ)ケイ皮酸が挙げられる。
【0136】
いくつかの実施形態において、本開示の化学的構成体は、カルボン酸コンジュゲートを含む。好ましくは、本開示のカルボン酸は、体循環中に遊離された濃度では一般に安全と認められる(GRAS)又は無毒性である。
【0137】
いくつかの実施形態において、式(I)化合物は、対象に投与すると、化学的に、酵素的に、又は化学過程と酵素過程の組合せによって加水分解され、HNKを遊離する。いくつかの実施形態において、式(I)化合物は、薬理学的に不活性である、又は限定された若しくはHNKと異なる薬理活性を有することがあり、したがって、いくつかの実施形態において、HNKと異なる代謝経路に従うことがある。
【0138】
いくつかの実施形態において、化学的構成体は、式(I)の化合物の塩、溶媒和物、配座異性体、多形体、又はプロドラッグである。
【0139】

いくつかの実施形態において、本開示は、式(I)で表される化合物の薬学的に許容される塩、及び本発明の方法におけるそのような塩の使用を提供する。
【0140】
薬学的に許容される塩の例としては、硫酸塩、ピロ硫酸塩、硫酸水素塩、亜硫酸塩、重亜硫酸塩、リン酸塩、リン酸一水素塩、リン酸二水素塩、メタリン酸塩、ピロリン酸塩、塩化物、臭化物、ヨウ化物、酢酸塩、ホウ酸塩、硝酸塩、プロピオン酸塩、デカン酸塩、カプリル酸塩、アクリル酸塩、ギ酸塩、イソ酪酸塩、カプロン酸塩、ヘプタン酸塩、プロピオル酸塩、シュウ酸塩、マロン酸塩、コハク酸塩、スベリン酸塩、セバシン酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、ブチン-1,4-二酸塩、ヘキシン-1,6-二酸塩、安息香酸塩、クロロ安息香酸塩、メチル安息香酸塩、ジニトロ安息香酸塩、ヒドロキシ安息香酸塩、メトキシ安息香酸塩、フタル酸塩、スルホン酸塩、キシレンスルホン酸塩、フェニル酢酸塩、フェニルプロピオン酸塩、フェニル酪酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、γ-ヒドロキシ酪酸塩、グリコール酸塩、酒石酸塩、メタンスルホン酸塩、プロパンスルホン酸塩、ナフタレン-1-スルホン酸塩、ナフタレン-2-スルホン酸塩、ベシル酸塩、メシル酸塩及びマンデル酸塩が挙げられる。
【0141】
式(I)の化合物が塩基性窒素を含むとき、所望の薬学的に許容される塩は、当技術分野において利用可能な任意の好適な方法で、例えば遊離塩基を塩酸、臭化水素酸、硫酸、スルファミン酸、硝酸、ホウ酸、リン酸等の無機酸、又は酢酸、フェニル酢酸、プロピオン酸、ステアリン酸、乳酸、アスコルビン酸、マレイン酸、ヒドロキシマレイン酸、イセチオン酸、コハク酸、吉草酸、フマル酸、マロン酸、ピルビン酸、シュウ酸、グリコール酸、サリチル酸、オレイン酸、パルミチン酸、ラウリン酸、グルクロン酸若しくはガラクツロン酸等のピラノシジル酸、マンデル酸、クエン酸若しくは酒石酸等のα-ヒドロキシ酸、アスパラギン酸、グルタル酸若しくはグルタミン酸等のアミノ酸、安息香酸、2-アセトキシ安息香酸、ナフトエ酸若しくはケイ皮酸等の芳香族酸、ラウリルスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸等のスルホン酸等の有機酸、本明細書に例として記載されているもの等の酸の任意の相溶性混合物、並びに当技術分野における通常の技能レベルを考慮に入れて均等物又は許容される代替物とみなされる他の何らかの酸及びその混合物で処理することによって調製することができる。
【0142】
式(I)の化合物がカルボン酸又はスルホン酸等の酸であるとき、所望の薬学的に許容される塩は、任意の好適な方法で、例えば遊離酸をアミン(第一級、第二級又は第三級)、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物等の無機又は有機塩基、本明細書に例として記載されているもの等の塩基の任意の相溶性混合物、並びに当技術における通常の技能レベルを考慮に入れて均等物又は許容される代替物とみなされる他の何らかの塩基及びその混合物で処理することによって調製することができる。好適な塩の具体例としては、N-メチル-O-グルカミン、リシン、コリン、グリシン及びアルギニン等のアミノ酸、アンモニア、炭酸塩、炭酸水素塩、第一級、第二級及び第三級アミン、トロメタミン、ベンジルアミン、ピロリジン、ピペリジン、モルホリン及びピペラジン等の環式アミンに由来する有機塩、並びにナトリウム、カルシウム、カリウム、マグネシウム、マンガン、鉄、銅、亜鉛、アルミニウム及びリチウムに由来する無機塩が挙げられる。
【0143】
溶媒和物
いくつかの実施形態において、本開示は、式(I)の化合物の溶媒和物、又は式(I)の化合物の薬学的に許容される塩の溶媒和物、及び本発明の方法におけるそのような溶媒和物の使用を提供する。
【0144】
溶媒和物は、本発明の化合物と1種又は複数の溶媒との相互作用又は複合体から溶液として又は固体若しくは結晶形として形成されうる。そのような溶媒分子は、受容者にとって無害であることが知られている、製薬技術においてよく使用されるもの、例えば水、エタノール、エチレングリコール等である。メタノール、メチルt-ブチルエーテル、酢酸エチル、酢酸メチル、(S)-プロピレングリコール、(R)-プロピレングリコール、1,4-ブチン-ジオール等他の溶媒は、より望ましい溶媒和物の調製における中間溶媒和物として使用することができる。水和物としては、1個又は複数の水分子の取り込みによって形成された化合物が挙げられる。
【0145】
多形体
いくつかの実施形態において、式(I)の化合物は、結晶形で存在することがある。多形体(又は結晶形)は、同じ化学式を有するが固体状態又は結晶構造が異なる組成物である。更に、式(I)の化合物のいくつかの結晶形又は式(I)の化合物の薬学的に許容される塩は共結晶として得られうる。
【0146】
プロドラッグ
「プロドラッグ」という用語は、対象に投与後に、インビボで化学的加水分解又は酵素的開裂等1種又は複数の生理化学的又は生理的過程を介して化合物を産生する、指定化合物の前駆体を意味する。いくつかの実施形態において、化合物をインビボで産生するのに、1つより多い過程が必要とされることがある。例えば、式(I)の化合物は、インビボで投与すると、加水分解と酵素的変換を両方受けることがある。
【0147】
いくつかの実施形態において、式(I)の化学的構成体は、ケタミン代謝物であるHNKをインビボで適当な収量産生するように設計されたプロドラッグである。すなわち、いくつかの実施形態において、式(I)の化学的構成体はHNKの前駆体であり、したがって対象に投与すると、生物学的に利用可能なHNKを産生することができる。
【0148】
いくつかの実施形態において、プロドラッグは、式(I)の化合物の別の誘導体化により得ることができる。プロドラッグは、当技術分野において公知又は利用可能な技法を使用して生成することができる(例えば、Bundgard(編)、1985、Design of prodrugs, Elsevier; Krogsgaard-Larsenら(編)、1991、Design and Application of Prodrugs、Harwood Academic Publishers)。プロドラッグは、例えば、式(I)の構造遊離のカルボキシル基をアミド若しくはアルキルエステルとして誘導体化することによって、又はFleisherら、Adv. Drug Delivery Rev.、1996年、19巻、115~130頁に概要が記載されているもの等の手順に従って、ヘミスクシネート、リン酸エステル、ジメチルアミノアセテート、及びホスホリルオキシメチルオキシカルボニルを含めて、基を使用して、遊離のヒドロキシ基を誘導体化することによって生成することができる。
【0149】
代謝産物
本開示はまた、本明細書に定義された式(I)の化合物の代謝産物及びその塩にも関する。本発明は更に、治療方法を含めて、本発明の方法におけるそのような代謝産物及びそれらの塩の使用にも関する。
【0150】
化合物の代謝産物は、当技術分野において公知又は利用可能なルーチンの技法を使用して決定することができる。例えば、単離された代謝産物は酵素的及び合成的に生成することができる(例えば、Bertoliniら、J. Med. Chem.、1997、40、2011~2016頁; Shanら、J. Pharm. Sci.、1997、86、765~767頁; Bagshawe、Drug Dev. Res. 1995、34、220~230頁;及びBodor、Adv Drug Res.、1984、13、224~231頁)。
【0151】
好ましい実施形態において、代謝物は、HNKに相当する。機序に限定されることなく、式(I)の化合物は、投与後に1種又は複数の生理的過程を受け、HNK及び他の副生成物を生ずることができる。いくつかの実施形態において、そのような過程の副生成物としては、アミノ酸又はカルボン酸を挙げることができる。
【0152】
組成物
本明細書に開示される化合物は、純粋な化学物質として投与することができるが、好ましくは組成物として投与することができる。医薬組成物にみられるような「組成物」という用語は、活性成分、及び担体を構成する不活性成分(薬学的に許容される添加剤)を含む生成物、並びに成分のいずれか2種以上の組合せ、錯体化、若しくは凝集、又は成分の1種若しくは複数の解離、又は成分の1種若しくは複数の反応若しくは相互作用の他のタイプに直接的又は間接的に由来する任意の生成物を包含するよう意図されている。
【0153】
したがって、いくつかの実施形態において、本開示は、本明細書に開示される実施形態及び実施例のいずれかの化学的構成体;及び薬学的に許容される担体を含む医薬組成物を提供する。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、本明細書に開示される実施形態及び実施例のいずれかの化合物又はその薬学的に許容される塩;及び薬学的に許容される担体を含む。特定の実施形態において、医薬組成物は、実施例1~61のいずれか1つの化合物;及び薬学的に許容される担体を含む。
【0154】
医薬組成物は、式(I)の化合物又は塩を唯一の活性剤として含むことができるが、好ましくは少なくとも1つの追加の活性剤を含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、単位剤形中に約0.1mg~約1000mg、約1mg~約500mg、又は約10mg~約200mgの式(I)の化合物、及び場合によって約0.1mg~約2000mg、約10mg~約1000mg、約100mg~約800mg、又は約200mg~約600mgの追加の活性剤を含む経口剤形である。
【0155】
いくつかの実施形態において、式(I)の化合物及びそれらの薬学的に許容される塩を単独で又は1種若しくは複数の追加の活性成分と組み合わせて使用して、医薬組成物を製剤化する。
【0156】
製剤及び投与
投与に適した様々な製剤を調製する手順は、当技術分野において公知である。可能性のある製剤及び調製物の例が、例えばHandbook of Pharmaceutical Excipients、American Pharmaceutical Association(現行版);Pharmaceutical Dosage Forms: Tablets(編集者Lieberman、Lachman及びSchwartz)現行版、Marcel Dekker, Inc.社によって出版、並びにRemington's Pharmaceutical Sciences (Osol編)、1980、1553~1593頁に含まれている。
【0157】
動物、特にヒトに本発明の化合物の有効投与量を提供するために、好適な任意の投与経路を用いることができる。例えば、経口、直腸内、局所的、非経口、眼球、肺、経鼻及び頬側等の経路を用いることができる。剤形としては、錠剤、トローチ剤、分散体、懸濁液、溶液、カプセル剤、クリーム剤、軟膏剤、エアロゾル剤等が挙げられる。
【0158】
好適な担体、希釈剤及び添加剤は当業者に周知であり、炭水化物、ワックス、水溶性及び/又は膨潤性ポリマー、親水性又は疎水性材料、ゼラチン、油、溶媒、水等の材料が挙げられる。使用される特定の担体、希釈剤、又は添加剤は、本発明の化合物が適用されている手段及び目的に依存する。担体の中には、1種を超えるクラスに列挙することができるものもあり、例えば、植物性油をある製剤においては滑沢剤として使用し、別の製剤においては希釈剤として使用することもある。溶媒は一般的に、動物に投与しても安全である(GRAS)と当業者に認知されている溶媒に基づいて選択される。一般に、安全な溶媒は、水等の非毒性水性溶媒及び水に可溶性又は混和性である他の非毒性溶媒である。好適な水性溶媒としては、水、エタノール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール(例えば、PEG400、PEG300)等、及びそれらの混合物が挙げられる。製剤は、1種又は複数の緩衝剤、安定剤、界面活性剤、湿潤剤、滑沢剤、乳化剤、懸濁化剤、保存剤、抗酸化剤、不透明化剤、流動化剤、加工助剤、着色剤、甘味料、芳香剤、矯味剤、及び薬物(すなわち、本発明の化合物又はその医薬組成物)の優れた提示をもたらし、又は薬学的製品(すなわち、医薬品)を製造する助けとなる他の公知の添加物も含んでよい。
【0159】
製剤は、通常の溶解及び混合の手順を使用して調製することができる。例えば、バルク原薬[すなわち、本発明の化合物又は化合物の安定化させた形(例えば、シクロデキストリン誘導体又は他の公知の複合体形成剤との複合体)]を上述の添加剤の1種又は複数の存在下で好適な溶媒に溶解する。典型的には、本発明の化合物を薬学的剤形に製剤化して、薬物の容易に制御可能で適切な投与量を実現する。
【0160】
医薬組成物(又は製剤)は、薬物を投与するのに使用される方法に応じて様々な方式で包装することができる。一般に、流通用物品は容器を含み、その中に薬学的製剤が適切な形で配置されている。好適な容器は当業者に周知であり、ビン(プラスチック及びガラス)、サシェ、アンプル、ビニール袋、金属円筒等の材料が挙げられる。容器としては、パッケージの内容物への不用意な接近を防止するための不正開封防止組立体も挙げることができる。更に、容器の表面には、容器の内容物を記載するラベルが配置されている。ラベルには、適切な警告も含めることができる。
【0161】
本化合物は、不活性希釈剤又は同様の食用担体等の薬学的に許容される媒体と組み合わせて全身投与、例えば経口投与することができる。それらは、硬質若しくは軟質シェルゼラチンカプセルに封入することができ、錠剤に圧縮することができ、又は患者の食事の食物と直接混ぜ合わせることができる。経口治療投与には、活性化合物を1種又は複数の添加剤と組み合わせ、摂取可能な錠剤、バッカル錠、トローチ剤、カプセル剤、エリキシル剤、懸濁液、シロップ剤、ウエハ等の形で使用することができる。そのような組成物及び調製物は、少なくとも0.1%の活性化合物を含有するべきである。組成物及び調製物の百分率は当然様々であってよく、所与の単位剤形の重量の約2%~約60%の間であることが好都合でありうる。そのような治療上有用な組成物の活性化合物の量は、有効な用量レベルが得られるような程度である。
【0162】
錠剤、トローチ剤、丸剤、カプセル剤等は、トラガカントゴム、アカシア、トウモロコシデンプン若しくはゼラチン等の結合剤;リン酸二カルシウム等の添加剤;トウモロコシデンプン、バレイショデンプン、アルギン酸等の崩壊剤;ステアリン酸マグネシウム等の滑沢剤;及びスクロース、フルクトース、ラクトース、若しくはアスパルテーム等の甘味剤も含有してよく、又はペパーミント、ウィンターグリーン油、若しくはサクランボフレーバリング等の矯味剤を加えてよい。単位剤形がカプセル剤であるとき、上記のタイプの材料に加えて、植物油又はポリエチレングリコール等の液体担体を含有することができる。様々な他の材料がコーティングとして又はその他の方法で固体単位剤形の物理的形を改変するために存在してよい。例えば、錠剤、丸剤、又はカプセルをゼラチン、ワックス、シェラック、又は糖等でコーティングすることができる。シロップ又はエリキシルは、活性化合物、甘味剤としてスクロース又はフルクトース、保存剤としてメチルパラベン及びプロピルパラベン、染料、並びにサクランボ又はオレンジフレーバー等の矯味剤を含有することができる。当然、任意の単位剤形を調製する際に使用される任意の材料は薬学的に許容されるものであり、使用量において実質的に非毒性であるべきである。更に、活性化合物を持効性調製物及び装置に組み入れることができる。
【0163】
担体は添加剤及び希釈剤を含むことができるが、治療中の患者への投与に適したものとするのに十分に高純度及び十分に低毒性でなければならない。担体は不活性なものとすることができ、又はそれ自体の医薬としての利点を有する。化合物と共に使用される担体の量は、化合物の単位用量当たりの材料の投与の実際量を提供するのに十分な量である。
【0164】
有用な固体担体としては、タルク、粘土、結晶セルロース、シリカ、アルミナ等の微細化固形物を挙げることができる。有用な液体担体としては、水、アルコール若しくはグリコール又は水-アルコール/グリコールブレンドが挙げられ、それらの液体担体に、本化合物は非毒性界面活性剤の助けによって有効なレベルで溶解又は分散することができる。芳香や追加の抗菌剤等の佐剤を添加して、特性を所与の使用に最適化することができる。得られた液体組成物は吸収パッドから適用され、包帯及び他の包帯材に含浸させるために使用され、又はポンプ型若しくはエアロゾル噴霧器を使用して患部に噴霧されうる。
【0165】
合成ポリマー、脂肪酸、脂肪酸塩及びエステル、脂肪アルコール、変性セルロース又は変性鉱物材料等の粘稠化剤を液体担体と共に用いて、展延可能なペースト、ゲル、軟膏、石けん等を形成し、使用者の皮膚に直接塗布することもできる。
【0166】
医薬組成物を、経口投与用に製剤化することができる。好ましい経口剤形は、1日1回又は1日2回投与用に製剤化される。組成物は、0.1~99質量%の式(I)の化合物を含む。いくつかの実施形態において、組成物は、少なくとも約5質量%の式(I)の化合物を含む。いくつかの実施形態において、組成物は、約25%~約50質量%の式(I)の化合物、又は約5%~75質量%の式(I)の化合物を含む。
【0167】
投与量
式(I)の化合物の有用な投与量は、動物モデルにおけるそれらのインビトロ活性及びインビボ活性を比較することによって決定することができる。マウス及び他の動物における有効投与量のヒトへの外挿方法は、当技術分野に公知である。式(I)の化合物の有用な投与量は、動物モデルにおけるそれらのインビトロ活性及びインビボ活性を比較することによって決定することができる。マウス及び他の動物における有効投与量のヒトへの外挿方法は、当技術分野に公知である(例えば、米国特許第4,938,949号)。
【0168】
本発明の治療方法において投与するのに最適な投与量は当業者が決定することができ、使用中の特定組成物、調製物の強度、投与様式及び時間、並びに疾患又は病態の進捗を含めて、複数の因子によって決まる。追加の因子としては、年齢、体重、性別、及び食事等治療対象の特徴を挙げることができる。
【0169】
しかし、一般に、1日当たりのレシピエントの体重1kg当たりの好適な用量は、約0.01~約100mg/kg/日、更に詳細には約0.1~約100mg/kg/日、具体的には10~約75mg/1kg/日、3~約50mg/kg/日、0.5~90mg/kg/日、又は1~60mg/kg/日の範囲(又はその中の他の任意の値若しくは値の範囲)である。化合物は、例えば活性成分を1単位剤形当たり約1~1000mg、具体的には約10~750mg、更に詳細には約50~500mgを含有する単位投与剤形で投与されることが好都合である。
【0170】
所望の用量は、単回用量で、又は適切な間隔で投与される分割用量として、例えば1日当たり2回、3回、4回若しくはそれ以上の部分用量として提供されうることが好都合である。部分用量自体は、例えば本発明の組成物及び方法に従って使用されるいくつかの時間的に異なる投与に更に分割されてよい。
【0171】
本発明の活性剤の有効量又は用量は、モデリング、用量漸増研究又は臨床試験等のルーチンの方法によって、また通常の因子、例えば投与又は薬物送達の様式又は経路、作用剤の薬物動態、疾患、障害又は病態の重症度及び過程、対象の以前又は継続中の療法、対象の健康状態及び薬物に対する応答、及び治療に当たる医師の判断を考慮することによって確認することができる。そのような組成物及び調製物は、少なくとも0.1%の活性化合物を含有するべきである。組成物及び調製物の百分率は当然様々であってよく、所与の単位剤形の重量の2%~約60%の間であることが好都合でありうる。そのような治療上有用な組成物の活性化合物の量は、有効な用量レベルが得られるような程度である。例示的な用量は、1日当たり対象の体重1kg当たり活性剤約0.001~約200mg、好ましくは約0.05~100mg/kg/日、若しくは約1~35mg/kg/日、又は単回若しくは分割投与単位(例えば、1日2回、1日3回、1日4回)で約0.1~10mg/kg/日の範囲である。70kgのヒトの場合、好適な投与量の例示的な範囲は1~200mg/日又は約5~50mg/日である。
【0172】
いくつかの実施形態において、治療上有効量は、約0.25mcg/mL~約125mcg/mL、又は約1mcg/mL~約50mcg/mLのHNKの血漿中Cmaxを提供する量である。
【0173】
方法及び使用
同位体標識化合物の使用
一態様において、本発明は、本発明の同位体標識化合物を、(i)代謝研究(好ましくは14Cを用いる)、反応速度論研究(例えば、2H又は3Hを用いる);(ii)薬物若しくは基質の組織分布アッセイを含めて、検出若しくは画像処理技術;又は(iii)患者の放射線治療において使用する方法を提供する。
【0174】
本発明の同位体標識化合物及びそれらのプロドラッグは、一般的に非同位体標識試薬の代わりに容易に入手可能な同位体標識試薬を使用して、後述のスキーム又は実施例及び調製で開示された手順を実施することによって調製することができる。18F又は11C標識化合物はPETに特に好ましい可能性があり、I123標識化合物はSPECT研究に特に好ましい可能性がある。重水素、すなわち2H等のより重い同位体による別の置換は、より高い代謝安定性、例えばインビボ半減期の増大又は必要投与量の低減によって生じるある種の治療上の利点をもたらすことができる。
【0175】
最近の研究は、低用量ケタミンが新規の速効型抗うつ薬として働くことができることを示唆している[Naughtonら、2014年]。実際、ケタミンの麻酔域下用量の単回注入は、治療耐性大うつ病及び双極性うつ病において急速で強力な抗うつ効果を示す[Iadarolaら、2015年]。抗うつ剤としてのケタミンは、現行の薬物療法、行動療法及び電気痙攣療法(ECT)の有効性発現の遅延、反復投与及び望ましくない副作用に代わりうるものとして非常に興味深い。
【0176】
治療方法
一般
いくつかの実施形態において、本発明の化学的構成体は、それを必要とする対象に有効量の本発明の化学的構成体を投与することによって、いくつかの障害を治療する方法(又はそのような方法で使用するための医薬品若しくは組成物の製造)において有用である。いくつかの実施形態において、化学的構成体は、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩である。いくつかの実施形態において、対象はヒトである。
【0177】
いくつかの実施形態において、式(I)の化学的構成体は、本明細書に開示される方法において投与される唯一の活性剤とすることができ、又は追加の活性剤と共に投与することができる。
【0178】
いくつかの実施形態において、本発明の化学的構成体は、健常な動物において増大することができ、多数のCNS障害において障害されうる脳の不可欠な特性であるニューロン可塑性を強化させる方法(又はそのような方法で使用するための医薬若しくは組成物の製造)において有用である。機序に限定されることなく、そのような化学的構成体は、細胞におけるサイクリックアデノシン一リン酸(cAMP)応答配列結合タンパク質(CREB)経路機能を強化することによってニューロン可塑性を強化し、シナプス可塑性に関与する遺伝子の転写をモジュレートすることができる。例えば、Tullyら、Nat. Rev. Drug Discov.、2003年、2巻、267~277頁;Alberini、Physiol. Rev.、2009年、89巻、121~145頁を参照のこと。したがって、本発明は、ニューロン可塑性を強化する方法であって、それを必要とする対象に有効量の本発明の化学的構成体を投与するステップを含む方法を提供する。いくつかの実施形態において、化学的構成体は、式(I)の化合物、又はその薬学的に許容される塩である。好ましい実施形態において、対象はヒトである。
【0179】
いくつかの実施形態において、本発明の化学的構成体は、訓練プロトコルの効率を賦活する方法(又はそのような方法で使用するための医薬若しくは組成物の製造)において有用であり、脳において標的とされた「ドメイン」(又は「機能」)の機能再構築を促進する。訓練プロトコルは、認知若しくは運動機能の修復又は強化を対象とすることができる。訓練プロトコル(認知又は運動訓練)は、特定の脳領域におけるニューロン活動を誘導し、特定の脳(認知又は運動)機能の改善された性能をもたらす。そのようなプロトコルにおいて、化学的構成体は「賦活剤」として働いて、認知又は運動機能を修復する(又は強化する)方法が改善された性能又は機能的向上に帰着する時間を短縮することができる。
【0180】
したがって、そのような賦活訓練は、その根本的な陳述記憶、微細運動技能の性能、特定の移動機能、言語獲得、実行機能等特定の脳機能のための特定の訓練プロトコル、及び賦活剤の一般管理を含む。
【0181】
神経学的障害
いくつかの実施形態において、神経学的障害を治療する方法であって、それを必要とする対象に有効量の本開示の化学的構成体又は組成物を投与するステップを含む方法(又はそのような方法で使用するための医薬若しくは組成物の製造)において、本発明の化学的構成体は有用である。いくつかの実施形態において、化学的構成体は式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩である。好ましい実施形態において、対象はヒトである。
【0182】
いくつかの実施形態において、方法は、神経学的障害を伴う(又は「による」)認知欠損(「認知障害」)又は運動欠損(「運動障害」)を対象とする。したがって、いくつかの実施形態において、本開示は、神経学的障害を伴う認知欠損を治療する方法であって、それを必要とする対象に有効量の式(I)の化学的構成体を投与するステップを含む方法を提供する。
【0183】
神経学的障害(又は病態又は疾患)は身体の神経系の何らかの障害である。神経学的障害は、原発罹患部位、関連機能障害の主要種別、又は原因の主要種別に応じて分類することができる。最も大まかに分類すると、末梢神経系(PNS)障害と中枢神経系(CNS)障害(精神的及び精神医学的障害等)に分けられる。神経学的障害は当技術分野において周知であり、神経学的障害としては、以下の精神的及び精神医学的障害が挙げられるが、これらに限定されない。
【0184】
知的能力低下障害(例えば、ルビンスタイン・テイビ症候群、ダウン症候群);コミュニケーション障害;自閉症スペクトラム障害;注意欠陥/多動性障害;特異的学習、言語、又は読字(例えば、失読症)障害;運動障害;胎児性アルコールスペクトラム障害(FASD);及び他の神経発達障害;等の神経発達障害(又は「発達」障害);
【0185】
統合失調症、統合失調症型(人格)障害、妄想性障害、及び統合失調症様障害、並びに他の統合失調症スペクトラム及び精神病性障害等の統合失調症スペクトラム及び他の精神病性障害;
【0186】
I型及びII型双極性障害、気分循環性障害、並びに他の双極性及び関連障害等の双極性及び関連障害;
【0187】
大うつ病性障害(MDD)、持続性うつ病性障害(気分変調)、及び他のうつ病性障害等のうつ病性障害;
【0188】
特定の恐怖症、社会不安障害、パニック障害、及び全般性不安障害(対人恐怖症)等の不安障害;
【0189】
強迫性障害、身体醜形障害、並びに他の強迫性及び関連障害等の強迫性及び関連障害;
【0190】
解離性同一性障害、解離性健忘、及び他の解離性障害等の解離性障害;
【0191】
行為障害、反社会性人格障害、並びに他の破壊的、衝動制御、及び行為障害等の破壊的、衝動制御、及び行為障害;
【0192】
心的外傷後ストレス障害(PTSD)、急性ストレス障害(ASD)、適応障害、並びに他の心的外傷及びストレス因関連障害等の心的外傷及びストレス因関連障害;
【0193】
拒食症、過食症、及び気晴らし食い障害等の栄養補給及び摂食障害;
【0194】
不眠症、ナルコレプシー、睡眠時随伴症、及び他の睡眠覚醒障害等の睡眠覚醒障害;
【0195】
興奮障害、性欲障害、物質・医薬品誘発性機能障害、及び他の性的障害等の性的障害;
【0196】
アルコール、薬物、刺激薬、オピオイド、タバコが関与するもの、及び非物質関連障害;並びに他の物質関連及び嗜癖性障害等の物質関連及び嗜癖性障害;並びに
【0197】
妄想性人格障害、反社会性及び境界性人格障害、回避性人格障害、及び他の人格障害等の人格障害。
【0198】
特定の実施形態において、障害は統合失調症である。
【0199】
他の実施形態において、神経学的障害は後天性障害であり、その初期の臨床的特徴は認知機能の障害である。言い換えれば、それは、一次性認知欠損が生まれたときから又は極めて若齢期から存在していなかった障害であり、したがって以前に達成された機能レベルからの低下を表している。本明細書では「認知障害」又は「神経認知障害」と呼ばれうるそのような障害には、以下の1種又は複数が含まれる:
【0200】
物質中毒(又は離脱)せん妄、医薬品誘発性せん妄、及び他のせん妄の形等のせん妄;
【0201】
アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン病、レビー小体病、ピック病、プリオン病(例えば、クロイツフェルト・ヤコブ病)、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、多発性硬化症、前頭側頭葉変性症、及び大脳皮質基底核変性症等の神経変性疾患による認知症及び他の認知障害;血管疾患による認知症(「血管疾患」);並びに他の認知症及び神経変性疾患;
【0202】
いくつかの実施形態において、本開示は、神経学的障害を治療する方法であって、それを必要とする患者に有効量の医薬組成物を投与するステップを含み、神経学的障害が、うつ病性障害、疼痛障害、認知障害、神経変性障害、及び睡眠障害からなる群から選択される方法を提供する。
【0203】
加齢性記憶障害(AMI)と呼ぶこともある、加齢に伴う記憶障害(AAMI)を含めて、加齢に伴う認知欠損(例えば、Crookら、Devel. Neuropsychol.、1986、2、261~276頁を参照のこと);及び軽度認知障害(MCI)の場合のように、認知低下の初期段階における患者に影響を及ぼす欠損(例えば、Arnaiz及びAlmkvist、Acta Neurol. Scand. Suppl.、2003、179、34~41頁を参照のこと)。
【0204】
脳卒中(例えば、虚血性又は出血性脳卒中)又は虚血による血管疾患;糖尿病又は関節硬化症から起こる微小血管疾患;硬膜下血腫及び脳腫瘍を含めて脳外傷等の外傷性脳傷害(TBI);頭部外傷(閉鎖性及び穿通性);頭部傷害;視床又は側頭葉に影響を及ぼす脳腫瘍を含めて、神経系がん等の腫瘍;低酸素症、及びウイルス性感染症(例えば、脳炎);興奮毒性;及び発作等の認知機能の心的外傷依存性喪失。
【0205】
化学療法後認知障害(PCCI);化学療法誘導性認知機能不全若しくは障害;ケモブレイン;又はケモフォグ等の化学療法による認知障害。
【0206】
そのような後天性障害は、必ずしも認知障害に限られているわけではない。例えば、脳卒中、外傷性脳傷害、頭部外傷、及び頭部傷害等の心的外傷関連障害は、運動機能の障害等他の神経学的機能の障害も包含しうる。
【0207】
慢性片頭痛、脳底片頭痛、椎骨脳底片頭痛、片頭痛発作重積、及び他の形態の片頭痛等の異型片頭痛。
【0208】
本明細書では、「神経発達障害」、「統合失調症スペクトラム及び他の精神医学的障害」、「気分障害」、「双極性及び関連障害」、「うつ病性障害」、「不安障害」、「強迫性及び関連障害」、「解離性障害」、「破壊的、衝動制御、及び行為障害」、「心的外傷及びストレス因関連障害」、「栄養補給及び摂食障害」、「睡眠覚醒障害」、「性的障害」、「物質関連及び嗜癖性障害」、「人格障害」、「せん妄」、「神経認知障害」、「せん妄」、「認知症」、及び「外傷」という用語は、Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders (DSM-5;第5版、2013、American Psychiatric Association)に記載されている精神医学的障害の治療を包含する。当業者は、代替の命名及び分類体系が精神医学的障害には存在すること、これらの体系は医学的及び科学的進行と共に進展することを認識する。したがって、この段落に記載されている用語は、他の診断資料に記載されている同様の障害も包含するよう意図されている。
【0209】
うつ状態
いくつかの実施形態において、うつ状態(障害)を治療する方法であって、それを必要とする対象に有効量の本開示の化学的構成体又は組成物を投与するステップを含む方法(又はそのような方法で使用するための医薬若しくは組成物の製造)において、本発明の化学的構成体は有用である。一態様において、化学的構成体は式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩である。例えば、低用量ケタミンの抗うつ薬様効果は、AMPA受容体機能の上昇を伴い、開示された方法におけるHNKに好ましい物理化学的特性であることが裏付けられる。例えば、Tizabiら、Neuroscience、2012年、213巻、72~80頁を参照のこと。
【0210】
特定の態様において、うつ病性障害は、大うつ病性障害(MDD)である(「大うつ病」又は「臨床的うつ病」と呼ぶこともある)。別の態様において、うつ病性障害は、持続性うつ病性障害(気分変調)である。MDD及び気分変調は、最もよくみられるうつ病性障害に含まれる。治療することができる他のうつ病性障害としては、精神病性うつ病、産後うつ病、季節性情動障害(SAD)、気分障害;がん、慢性疼痛、慢性ストレス、外傷後ストレス障害、又は双極性障害等の別の医学的病態によるうつ病が挙げられるが、これらに限定されない。
【0211】
うつ状態は、1つ又は複数のうつ症状によって特徴付けられる。「うつ症状」としては、持続的な不安、悲嘆、無力、無希望、無価値、又は悲観の感情;気力の低下;気分の落ち込み;落ち着きのなさ;苛立ち;疲労;愉快な活動又は趣味に対する興味喪失;活動への嫌悪;集中力不足又は優柔不断;過度の罪悪感;不眠;過剰の眠気;過食;食欲不振;自殺思考;及び自殺企図を挙げることができる。
【0212】
うつ症状の有無、重症度、頻度、及び時間間隔は、ケースバイケースで異なる。いくつかの実施形態において、患者は、これらの症状の少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、又は少なくとも5つを有しうる。うつ症状は、うつ病性障害、双極性障害、全身の医学的病態による気分障害、物質誘発性気分障害、及び他の不特定気分障害に関連して発生しうる。更に、うつ症状は、精神障害、認知障害、摂食障害、不安障害及び人格障害を含むがこれらに限定されずに、他の精神障害を伴って存在することもある。障害の長期的経過、症状の履歴及びタイプ、並びに背景因子は、様々な形態の気分障害を互いに識別する助けとなる。
【0213】
「うつ症状評価尺度」は、うつ病における症状及び症状の重症度を測定するのに利用されるいくつかの標準化されたアンケート、臨床機器、又は症状一覧表のいずれか1つを指す。そのような評価尺度は、臨床研究において、研究のエントリーポイントからエンドポイントへの変化に基づいて治療成績を定義するために使用されることが多い。そのようなうつ症状評価尺度としては、自己記入式簡易抑うつ症状尺度(QIDS-SR16)、Hamiltonうつ病評価尺度17項目(HRSD17)、抑うつ症状尺度30項目(IDS-C30)、又はMontgomery-Asbergうつ病評価尺度(MADRS)が挙げられるが、これらに限定されない。そのような評価尺度は、患者が自己記入し、又は臨床医が評価するものである。臨床試験の過程にわたって(出発点からエンドポイントまで)うつ病評価尺度スコアの50%以上の低下は、典型的には大部分のうつ症状評価尺度で好ましい応答とみなされる。うつ病の臨床研究における「寛解」は、うつ症状評価尺度で特定の数値の評価スコア以下(例えば、HRSD17で7以下;又はQIDS-SR16で5以下;又はMADRSで10以下)を達成することを指すことが多い。そのようなスコアは、一般に最小限の症状、したがって臨床的に望ましい転帰に相当する。
【0214】
したがって、いくつかの実施形態において、本開示は、うつ病の症状を治療する方法であって、それを必要とする対象に治療上有効量の式(I)の化学的構成体を投与するステップを含む方法を提供する。一態様において、化学的構成体は式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩である。好ましい実施形態において、対象はヒトである。一態様において、治療上有効量は、うつ症状評価尺度で寛解を達成するのに有効な量である。一態様において、評価尺度はHRSD17、QIDS-R16、又はMADRSである。別の態様において、治療上有効量は、症状を低減するのに有効な量であり、うつ症状の低減とは、うつ病症状評価尺度で特定された症状の少なくとも50%の低下、又はHRSD17で7以下、若しくはQID-SR16で5以下、若しくはMADRSで10以下のスコアである。
【0215】
いくつかの実施形態において、本開示の方法を使用して、大うつ病性障害を治療することができる。大うつ病性障害は、典型的には精神障害又は双極性障害ではあまりよく説明されない1つ又は複数の大うつ病エピソードの存在と定義される。大うつ病性障害の本質的特徴は、抑うつ気分又は興味若しくは喜びの喪失がほぼすべての活動において存在する期間が少なくとも2週間であるということであり、持続性うつ病性障害の本質的特徴は、抑うつ気分が1日の大半起こり、起こる日数が、起こらない日数より多い状態が少なくとも2年間、又は小児及び青年では少なくとも1年間続くことである。American Psychiatry Association Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders(第5版)を参照のこと。
【0216】
治療に関連して、「回復」は、本明細書に定義する寛解が、(満足いく状態の継続が予想されるように)「再燃」なしに十分に、例えば4か月以上持続されるということを意味する。再燃は、患者が回復の基準に達する前に、同じ指数の大うつ病エピソード(例えば、重度大うつ病)の再発を発症したということを意味する。「再発」は、回復後に新たな大うつ病性障害の発生を指す。
【0217】
したがって、いくつかの実施形態において、大うつ病性障害を治療する方法であって、それを必要とする対象に治療上有効量の本開示の化学的構成体又は組成物を投与するステップを含む方法(又はそのような方法で使用するための医薬若しくは組成物の製造)において、本発明の化学的構成体は有用である。一態様において、化学的構成体は式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩である。いくつかの実施形態において、治療によって、再燃なしに回復することになる。いくつかの実施形態において、治療は、症状寛解を既に達成した対象における再燃を予防する。いくつかの実施形態において、治療は、最初の大うつ病性障害からの回復を既に果たした対象における再発を予防する。いくつかの実施形態において、治療は、再発を6か月、1年、2年、又はそれ以上予防する。
【0218】
いくつかの実施形態において、本開示の方法を使用して、治療耐性(又は「治療抵抗性」)うつ病を治療することができる。治療耐性患者とは、1つ又は複数の標準薬理学的又は非薬理学的治療を受けているにもかかわらずうつ病の1つ又は複数の症状(例えば、持続的な不安又は悲嘆の感情、無力、無希望、悲観の感情)の軽減を経験できない患者であると特定されうる。いくつかの実施形態において、治療耐性患者は、異なる2種の抗うつ薬での治療を受けているにもかかわらずうつ病の1つ又は複数の症状の軽減を経験することができない患者である。他の実施形態において、治療耐性患者は、異なる4種の抗うつ薬での治療を受けているにもかかわらずうつ病の1つ又は複数の症状の軽減を経験することができない患者である。治療耐性患者とは、1つ又は複数の標準薬理学的又は非薬理学的治療の副作用に耐えることを好まない又は耐えることができない患者でもあると特定されうる。
【0219】
したがって、いくつかの実施形態において、本発明は、それを必要とする対象に有効量の本開示の式(I)の化合物又は組成物を投与することによって、治療耐性うつ病を治療する方法に関する。いくつかの実施形態において、治療耐性うつ病は、大うつ病を含めて、単極性うつ病であり、単極性大うつ病が挙げられる。いくつかの実施形態において、治療耐性うつ病は、双極性うつ病であり、双極性障害を伴う大うつ病エピソードが含まれる。いくつかの実施形態において、うつ病を治療する方法は、患者がうつ病を例えば5、6、7、8週間若しくはそれ以上、又は1か月以上患ったとき考慮される。特定の態様において、化学的構成体は式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩である。
【0220】
いくつかの実施形態において、本開示は、自殺念慮を治療する方法を提供する。自殺念慮は、一般にうつ病性及び他の気分障害を伴う。更に、自殺念慮は、他の精神障害、ライフイベント、及び家族イベントも伴うことがあり、これらのすべてが、自殺念慮のリスクを増加させうる。例えば、境界性人格障害をもつ多くの個人は、反復性の自殺行動及び自殺思考を示す。ケタミン(及びその代謝物)は、自殺のリスクが切迫している患者において治療選択肢を提供することができる。例えば、Ballardら、J. Psych. Res.、2014年、58巻、161~166頁;Wilkinson及びSanacora、Depress. Anxiety、2016年、33巻、711~717頁を参照のこと。
【0221】
したがって、特定の実施形態において、本開示は、自殺念慮を治療する方法であって、それを必要とする対象に有効量の本開示の式(I)の化学的構成体又は組成物を投与するステップを含む方法を提供する。特定の態様において、化学的構成体は式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩である。特定の態様において、自殺念慮はうつ病性障害を伴う。
【0222】
いくつかの実施形態において、本開示は、うつ病性障害又は病態を迅速に治療する方法を提供する。現在の抗うつ薬は、応答を起こすのに一般に数週間以上要する。しかし、最近の研究は、単回の低用量ケタミンは、最小限の副作用で新規速効型抗うつ薬として働くことができることを示唆している。Naughtonら、J. Affect. Dis 、2014年、156巻、24~35頁;Mullerら、Ther. Adv. Psychopharmacol.、2016年、6巻、185~192頁。更に、最近の研究は、(R,S)-ケタミンからHNKへの代謝がその抗うつ効果には不可欠であること、(2R,6R)-HNKエナンチオマーが、マウスにおいて抗うつ薬に関連した行動、脳波、電気生理学的及び細胞作用を及ぼすことを示している。Zanosら、Nature、2016年、533巻、481~486頁。これらの結果は、うつ病における速効型作用剤の開発において適切であり、自殺念慮を伴う治療耐性うつ病性障害及びうつ病性障害に特に重要である、HNKに好ましい物理化学的特性を強調する。例えば、DiazGranadosら、J Clin Psychiatry、2010年、71巻、1605~1611頁;Cusinら、Am. J. Psych.、2012年、169巻、868~869頁;Larkinら、Int. J. Neuropsych.、14巻、1127~1131頁;Abdallahら、Depress. Anxiety、2016年、33巻、689~697頁を参照のこと。
強迫性障害
【0223】
いくつかの実施形態において、本開示は、強迫性障害(OCD)を治療する方法を提供する。機序に限定されることなく、数行の神経化学的及び遺伝学的証拠は、グルタミン酸調節不全が強迫性障害(OCD)を起こす要因になりうること、グルタメートを標的にすることが抵抗性疾患を治療する際に有益でありうることを示唆する。Kariuki-Nyutheら、Curr. Opin. Psych.、2014年、27巻、32~37頁;Rodriguezら、Neuropsychopharmacology、2013年、38巻、2475~2483頁;Pittenger、Psychiatr. Ann.、2015年、45巻、308~315頁。したがって、OCDは、本開示の化学的構成体を含むことができるグルタミン酸シグナル伝達のモジュレーターによる治療が適用可能でありうる。
【0224】
したがって、いくつかの実施形態において、本開示は、OCDを治療する方法であって、それを必要とする対象に有効量の本開示の式(I)の化学的構成体又は組成物を投与するステップを含む方法を提供する。特定の態様において、化学的構成体は式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩である。
【0225】
不安
いくつかの実施形態において、本開示は、不安障害を治療する方法であって、それを必要とする対象に有効量の本開示の式(I)の化学的構成体又は組成物を投与するステップを含む方法を提供する。特定の態様において、化学的構成体は式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩である。
【0226】
特定の実施形態において、本開示の化合物を含めて、化学的構成体は、不安障害を治療するための抗不安(不安緩解)剤として使用される。
【0227】
双極性障害
いくつかの実施形態において、本開示は、双極性障害を治療する方法であって、それを必要とする対象に有効量の本開示の式(I)の化学的構成体又は組成物を投与するステップを含む方法を提供する。特定の態様において、化学的構成体は式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩である。
【0228】
特定の実施形態において、双極性障害は、双極性障害I型、双極性障害II型、気分循環性障害、又は他の双極性及び関連障害である。
【0229】
心的外傷及びストレス因関連障害
いくつかの実施形態において、本開示は、心的外傷及びストレス因関連障害を治療する方法であって、それを必要とする対象に有効量の本開示の式(I)の化学的構成体又は組成物を投与するステップを含む方法を提供する。特定の態様において、化学的構成体は式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩である。心的外傷及びストレス因関連障害は、心的外傷又はストレスイベントへの曝露に伴って生じるものである。例えば、Zhangら、Psychopharmacology、2015年、232巻、663~672頁を参照のこと。一実施形態において、障害は、慢性PTSDを含めて、外傷後ストレス障害(PTSD)である。例えば、Federら、JAMA Psychiatry、2014年、71巻、681~688頁を参照のこと。別の実施形態において、障害は急性ストレス障害(ASD)である。
【0230】
いくつかの実施形態において、本開示は、疼痛を治療する方法を提供する。例えば、麻酔域下用量の(R,S)-ケタミンは、複合性局所疼痛症候群(CRPS)に苦しむ患者の治療を含めて、神経障害性疼痛及び慢性疼痛を治療する際に有効性を明らかにした。Goldbergら、Pain Physician、2010年、13巻、379~387頁。更に、(R,S)-ケタミンを5日持続注入として投与されているCRPS患者から得られた血漿試料の分析は、主薬の(R,S)-ケタミンが治療効果を主として担うというわけではないこと、代わりに治療効果を担う活性剤がHNK代謝物を含みうることを明らかにする。Moaddelら、Talanta、2010年、15巻、1892~1904頁。より一般的には、ケタミンは、オピオイド耐性患者における術後痛、慢性疼痛、難治がん性疼痛、制御されない激痛、急性及び亜急性疼痛、並びに緩和ケア患者における疼痛を治療する際に有効な鎮痛薬として有用でありうる。例えば、Hirota及びLambert、Br. J. Anaesth.、2001年、107巻、123~126頁;Lossignolら、Support Care Cancer、2005年、13巻、188~93頁;Chazanら、J. Opioid Manag.、2008年、4巻、173~180頁;Carstensen及びMollerand、Br. J. Anaesth.、2010年、104巻、410~406頁;Beaudoinら、Acad. Emerg. Med.、2014年、11巻、1193~1202頁を参照のこと。
【0231】
したがって、いくつかの実施形態において、本開示は、疼痛を治療する方法であって、それを必要とする対象に有効量の式(I)の化学的構成体を投与するステップを含む方法を提供する。特定の態様において、化学的構成体は式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩である。
【0232】
いくつかの実施形態において、有効量は、苦痛症状を低減するのに有効な量であり、苦痛症状の低減は、疼痛評価尺度で苦痛症状の少なくとも50%の低下である。
【0233】
いくつかの実施形態において、疼痛は神経学的障害を伴う。特定の実施形態において、疼痛は複合性局所疼痛症候群(CRPS)を伴う。いくつかの実施形態において、疼痛は慢性疲労症候群又は線維筋痛を伴い、疼痛としては、筋痛、筋筋膜痛、時間的加重、及び関連痛を挙げることができる。例えば、Graven-Nielsenら、Pain、2000年、85巻、483~491頁;Bennett、Curr. Opin. Rheumatol.、1998年、10巻、95~103頁を参照のこと。
【0234】
いくつかの実施形態において、疼痛は、慢性疼痛、急性疼痛、亜急性疼痛、神経障害性疼痛、術後痛、がん性疼痛、炎症性疼痛、内臓痛、片頭痛、頭痛、及び生理痛である。特定の実施形態において、疼痛は片頭痛である。例えば、Kaubeら、Neurology、2000年、55巻、139~141頁を参照のこと。特定の実施形態において、疼痛は、群発頭痛を含めて、頭痛である。例えば、Kruszら、J. Pain、2010年、11巻、S43頁;Granataら、Schmerz、2016年、30巻、286~288頁を参照のこと。特定の実施形態において、疼痛は生理痛である。例えば、米国特許出願公開第2015-0313892号;Udoji及びNess、Pain Manag.、2013年、3巻、387~394頁を参照のこと。
【0235】
他の適応症
研究から、グルタミン酸受容体サブユニットは、神経膠腫、結腸直腸及び胃がん、口腔扁平上皮癌、前立腺がん、メラノーマ、及び骨肉腫等の異なる多くの腫瘍及びがんで見られる細胞において発現することが報告された。例えば、Stepulakら、Histochem. Cell Biol.、2009年、132巻、435~445頁を参照のこと。したがって、いくつかの実施形態において、本開示は、がんを治療する方法であって、それを必要とする対象に有効量の式(I)の化学的構成体を投与するステップを含む方法を提供する。特定の態様において、化学的構成体は式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩である。
【0236】
いくつかの研究は、ケタミン作用が、インビボでまた一部の臨床状況で抗炎症作用を伴うことを示している。例えば、Roytblatら、Anesth. Analg.、1998年、87巻、266~271頁;Mazarら、Anesthesiology.、2005年、102巻、1174~1181頁;Suliburkら、Surgery、2005年、138巻、134~140頁;De Kockら、CNS Neurosci. Ther.、2013年、19巻、403~410頁を参照のこと。したがって、いくつかの実施形態において、本開示は、自己免疫、後天性免疫、若しくは薬物誘発性免疫状態等の様々な炎症状態、又は別の病態によって引き起こされる炎症を治療する方法であって、それを必要とする対象に有効量の式(I)の化学的構成体を投与するステップを含む方法を提供する。特定の態様において、化学的構成体は式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩である。
【0237】
研究は、ケタミン間欠注入によって、摂食障害における強迫行動が抑制されうるということを示唆する。例えば、Millsら、QJM、1998年、91巻、493~503頁を参照のこと。したがって、いくつかの実施形態において、本開示は、摂食障害を治療する方法であって、それを必要とする対象に治療上有効量の式(I)の化学的構成体を投与するステップを含む方法を提供する。特定の態様において、化学的構成体は式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩である。
【0238】
いくつかの実施形態において、本開示は、発作を治療する方法を提供する。例えば、Shethら、Neurology、1998年、51巻、1765~1766頁を参照のこと。したがって、いくつかの実施形態において、本開示は、発作を治療する方法であって、それを必要とする対象に治療上有効量の式(I)の化学的構成体を投与するステップを含む方法を提供する。特定の態様において、化学的構成体は式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩である。
【0239】
認知機能強化及びパフォーマンス
式(I)の化学的構成体は、注意力及び敏捷性を含めて、学習及び記憶、並びにグルタミン酸作動性シグナル伝達を必要とする他の認知機能を強化する際にも有用である。例えば、AMPA受容体輸送は、神経回路形成から行動変容に及ぶ多数の経験主導型現象の根底にある。例えば、Kessels及びMalinow、Neuron、2009年、12巻、340~350頁;Anggono及びHugnair、Curr. Opin. Neurobiol.、2012年、22巻、461~469頁;Henley及びWilkinson、Dialogs in Clinical Neuroscience、2013年、15巻、11~27頁を参照のこと。
【0240】
更に、AMPA受容体のモジュレーションは、ヒト認知機能パフォーマンス、敏捷性、及び回復睡眠に関係付けられた。Boyleら、J. Psychopharm.、2012年、26巻、1047~1057頁;Partin、Curr. Opin. Pharmacol.、2015年、20巻、46~53頁;Hagewoudら、J. Sleep. Res.、2010年、19巻、280~288頁。したがって、いくつかの実施形態において、本開示は、記憶及び認知を強化し、記憶と正常老化性及び加齢性の神経学的障害を伴う他の認知欠損を治療する方法であって、それを必要とする対象に有効量の式(I)の化学的構成体を投与するステップを含む方法を提供する。特定の態様において、化学的構成体は式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩である。
【0241】
他の実施形態において、本開示は、睡眠をモジュレートする方法であって、それを必要とする対象に有効量の式(I)の化学的構成体を投与するステップを含む方法を提供する。いくつかの実施形態において、睡眠をモジュレートする方法は、睡眠遮断後の睡眠回復を促進する。特定の態様において、化学的構成体は式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩である。
【0242】
いくつかの実施形態において、本発明の化学的構成体は、神経学的障害のための認知行動療法(CBT)の有効性を強化する方法(又はそのような方法で使用するための医薬若しくは組成物の製造)において有用である。CBTは、精神障害の治療に広く使用されている心理社会的介入である。例えば、Hofmannら、J. Cognit. Ther. Res.、2012年、36巻、427~440頁を参照のこと。CBTは、現在の問題を解決し、認知(例えば、思考、信念、及び姿勢)、行動、及び感情制御における役に立たないパターンを変更することを標的とするパーソナルな対処戦略の開発に焦点を置いている。うつ病を治療するように本来設計されるが、CBTは、強迫性障害、全般性不安障害、並びにPTSD等の心的外傷及びストレス因関連障害を含めて、いくつかの神経学的障害のために使用することができる。
【0243】
いくつかの実施形態において、本発明の化学的構成体は、神経学的障害のための弁証法的行動療法(DBT)の有効性を強化する方法(又はそのような方法で使用するための医薬若しくは組成物の製造)において有用である。DBTは、自傷、自殺思考、及び物質乱用等の役に立たない行動パターンを人々が変更するのを助けるように設計された特定のタイプの認知行動精神療法である。その開発以降、他の種類のメンタルヘルス障害の治療にも使用されてきた。
【0244】
したがって、いくつかの実施形態において、本開示は、神経学的障害のためのCBT又はDBTを受けている対象に治療上有効量の式(I)の化学的構成体を投与する方法を提供する。特定の態様において、化学的構成体は式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩である。特定の態様において、神経学的障害はうつ病である。別の態様において、神経学的障害は強迫性障害である。別の態様において、神経学的障害は全般性不安障害である。別の態様において、神経学的障害は、PTSD等の心的外傷及びストレス因障害から選択される。
【0245】
組合せ治療
いくつかの実施形態において、式(I)の化合物を別の活性剤と投与して、本明細書に開示される適応症を治療する。特定の実施形態において、組合せを投与して、うつ病、統合失調症、アルツハイマー病、疼痛を伴う若しくは伴わない異型片頭痛、ルーゲーリック病(筋萎縮性側索硬化症又はALSとも呼ばれる)、又は疼痛を治療する。そのような投与は、同時でも、逐次でもよい。
【0246】
うつ病の例示的な治療剤としては、セルトラリン、フルオキセチン、シタロプラム、エスシタロプラム、パロキセチン、フルボキサミン及びトラゾドン等の選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI);デスベンラファキシン、デュロキセチン、レボミルナシプラン、及びベンラファキシン等のセロトニン及びノルエピネフリン再取り込み阻害薬(SNRI);アミトリプチリン、アモキサピン、クロミプラミン、デシプラミン、ドキセピン、イミプラミン、ノルトリプチリン、プロトリプチリン、及びトリミプラミン等の三環式抗うつ薬(TCA);イソカルボキサジド、フェネルジン、セレギリン、及びトラニルシプロミン等のモノアミン酸化酵素阻害剤(MAOI);並びに、マプロチリン、ブプロピオン、ビラゾドン、ネファゾドン、トラゾドン、ボルチオキセチン、及びミルタザピン等の他のクラスの薬物が挙げられる。
【0247】
統合失調症の例示的な治療剤としては、クロザピン、アリピプラゾール、ブレクスピプラゾール、カリプラジン、ルラシドン、パリペリドン、クエチアピン、リスペリドン、オランザピン、ジプラシドン、及びイロペリドンが挙げられる。
【0248】
アルツハイマー型認知症の例示的な治療剤としては、ドネペジル、リバスチグミン、ガランタミン、大麻様カンナビノイド、及びメマンチンが挙げられるが、これらに限定されない。
【0249】
片頭痛の例示的な治療剤としては、カフェイン;アセトアミノフェン;アスピリン、イブプロフェン、ナプロキセン、ケトプロフェン、トルメチン、エトドラク、ナブメトン、ピロキシカム、及びドロキシカム等の非ステロイド系抗炎症薬(NSAID);セレコキシブ等のシクロオキシゲナーゼ-2(Cox-2)阻害剤;トピラマート;アミトリプチリン;スマトリプタン;フロバトリプタン;リザトリプタン;ナラトリプタン;アルモトリプタン;エレトリプタン;ボツリヌス毒素;コデイン、フェンタニル、ヒドロコドン、ヒドロモルホン、メペリジン、メサドン、モルヒネ、及びオキシコドン等の麻薬性鎮痛薬;トラマドール等の中枢作用性鎮痛薬;並びにいくつかの抗痙攣薬、抗うつ薬、覚醒剤、大麻様カンナビノイド、及びコルチコステロイド等他のクラスの薬物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0250】
ALSの例示的な治療剤としては、リルゾールが挙げられる。
【0251】
疼痛の例示的な治療剤としては、アセトアミノフェン;アスピリン、イブプロフェン、ナプロキセン、ケトプロフェン、トルメチン、エトドラク、ナブメトン、ピロキシカム、及びドロキシカム等の非ステロイド系抗炎症薬(NSAID);セレコキシブ等のシクロオキシゲナーゼ-2(Cox-2)阻害剤;コデイン、フェンタニル、ヒドロコドン、ヒドロモルホン、メペリジン、メサドン、モルヒネ、及びオキシコドン等の麻薬性鎮痛薬;トラマドール等の中枢作用性鎮痛薬;並びにいくつかの抗痙攣薬、抗うつ薬、覚醒剤、大麻様カンナビノイド、及びコルチコステロイド等他のクラスの薬物、が挙げられるが、これらに限定されない。
【0252】
追加の活性剤の上記の一覧は、完全に包括したものではなく例示したものである。上記の一覧に含まれていない追加の活性剤は、式(I)の化合物と組み合わせて投与されてよい。追加の活性剤は、その承認された処方情報に従って投与されるが、いくつかの実施形態において、追加の活性剤を典型的に処方される用量より少なく投与し、場合によっては承認された最小限の用量より少なく投与される。
【実施例
【0253】
本開示を以下の非限定的な実施例によって更に説明する。これらの実施例は、例示にすぎないと考えられ、本開示の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。
【0254】
例示的化合物を、下記のそれらの一般調製のための例示的な合成スキーム及びそれに続く具体例を参照することにより記載することができる。
【0255】
本明細書中の様々な化合物を得るために、出発材料は、最終的に所望される置換基が、所望の生成物を得るために適宜保護を行い又は行わずに反応スキームを通して保有されるように、適当に選択されうることを当業者は認識する。或いは、最終的に所望される置換基の代わりに、反応スキームを通して保有され、所望の置換基で適宜置換されうる好適な基を用いることが必要であり又は望ましいことがある。別段の指定のない限り、可変要素は、式(I)を参照して以上に定義されている通りである。反応は、-100℃から溶媒の還流温度の間で実施することができる。反応は、通常の加熱又はマイクロ波加熱を用いて加熱することができる。反応は、密封圧力容器内で溶媒の通常の還流温度を超えて行うこともできる。
【0256】
合成スキーム
【0257】
【化10】
【0258】
スキームAに従い、ヒドロキシルイミン化合物は、ダウサムA等の熱伝導流体の存在下に100~240℃の温度で加熱すると、熱転位を受けて、2-アミノシクロヘキサノンを得ることができる。
【0259】
続いて、当業者に公知の条件下でハロゲン化すると、ハロケトンが得られる。例えば、式(II)の化合物を40~100℃の温度にて48%臭化水素酸中の臭素で処理すると、式(III)のブロモケトンが臭化水素酸塩で得られる。
【0260】
続いて、当業者に公知の塩基性条件下で脱ハロゲン化すると、エノンが得られる。例えば、式(III)の化合物を、ACN等の溶媒中でDBN、DBU等の塩基の存在下に還流させながら処理すると、式(IV)の化合物が得られる。
【0261】
【化11】
【0262】
スキームBに従い、式(IX)の化合物を式(II)の化合物から5ステップで合成することができる。
【0263】
式(II)の化合物を当業者に公知の塩基性条件下にクロロギ酸アルキルで処理すると、式(V)の化合物が得られる。例えば、式(II)の2-アミノシクロヘキサノンを65~110℃の温度でベンゼン、トルエン等の溶媒中Na2CO3等の塩基の存在下にクロロギ酸メチルで処理すると、式(V)のカルバミン酸メチルが得られる。
【0264】
続いて、-78℃~22℃の温度でTHF等の溶媒中LDA等の塩基、次にTMSCl等のシリル化剤で処理すると、対応するトリメチルシリルエノールエーテルが得られる。
【0265】
室温でNa2CO3等の塩基及びヘキサン等の溶媒の存在下にmCPBA等の酸化剤で酸化すると、式(VII)のヒドロキシケトンが得られる。
【0266】
続いて、30~80℃の温度でDCM、クロロホルム等の溶媒中、ピリジン等の塩基の存在下にBSTFAで処理すると、トリメチルシリルエーテルが得られる。
【0267】
カルバメート保護基及びトリメチルシリルエーテルの脱保護により、式(IX)の化合物が得られる。例えば、トリメチルシリルエーテル(VIII)を室温でDCM、クロロホルム等、及びメタノールの溶媒中、TMSIで処理すると、式(IX)のアミノアルコールが得られる。
【0268】
【化12】
【0269】
スキームCに従い、式(XI)のイミデートを、式(III)の2-アミノ-6-ブロモシクロヘキサノンから2ステップで合成することができる。
【0270】
式(III)の化合物を塩基の存在下で当業者に公知の条件下に酸塩化物で処理すると、式(X)の化合物が得られる。或いは、2-アミノ-6-ブロモシクロヘキサノンを、塩基の存在下で当業者に公知の条件下にカルボン酸及びカップリング試薬で処理すると、式(X)のアミドも得られる。例えば、式(III)の化合物をクロロホルム、DCM等の溶媒中TEA等の塩基の存在下に酸塩化物で処理すると、式(X)のアミドが得られる。
【0271】
続いて、DMF、DMA等の溶媒中NaH等の塩基で処理すると、式(XI)(式中、Ra=-H、-C1~6アルキル、-C1~6ハロアルキル、-C3~8アルケニル、-C3~8アルキニル、-(CH2)nアリール、-(CH2)nヘテロアリール、-(CH2)nシクロアルキル、-(CH2)nヘテロシクロアルキル、-COR2、-CONR3R4、-CR5R6NR7R8、-CHR9R10、又は-C(OH)R11R12である)のイミデートが得られる。
【0272】
【化13】
【0273】
スキームDに従い、式(XI)のイミデートを、式(IV)の6-アミノシクロヘキサ-2-エノンから3ステップで合成することができる。
【0274】
式(IV)の化合物を当業者に公知の条件下で塩基の存在下に酸塩化物で処理すると、式(XII)のアミドが得られる。或いは、6-アミノシクロヘキサ-2-エノンで当業者に公知の条件下で塩基の存在下にカルボン酸及びカップリング試薬で処理すると、式(XII)のアミドも得られる。例えば、式(IV)の化合物をクロロホルム、DCM等の溶媒中TEA等の塩基の存在下に酸塩化物で処理すると、式(XII)のアミドが得られる。
【0275】
続いて、DCM又はクロロホルム等の溶媒中Et3N等の塩基の存在下にNIS等のハロゲン化試薬で処理すると、式(XIII)のヨウ素化イミデートが得られる。
【0276】
続いて、20~60℃の温度でDCM等の溶媒中Bu3SnHで処理すると、式(XI)(式中、Ra=-H、-C1~6アルキル、-C1~6ハロアルキル、-C3~8アルケニル、-C3~8アルキニル、-(CH2)nアリール、-(CH2)nヘテロアリール、-(CH2)nシクロアルキル、-(CH2)nヘテロシクロアルキル、-COR2、-CONR3R4、-CR5R6NR7R8、-CHR9R10、又は-C(OH)R11R12である)のイミデートが得られる。
【0277】
【化14】
【0278】
スキームEに従い、式(XI)のイミデートを式(IX)の2-アミノ-6-ヒドロキシ-シクロヘキサノンから2ステップで合成することができる。
【0279】
式(IX)の化合物を当業者に公知の条件下で塩基の存在下に酸塩化物で処理すると、式(XIV)のアミドが得られる。或いは、2-アミノ-6-ヒドロキシシクロヘキサノン誘導体を当業者に公知の条件下で塩基の存在下にカルボン酸及びカップリング試薬で処理すると、式(IX)のアミドも得られる。例えば、式(IX)の2-アミノ-6-ヒドロキシ-2-(2-クロロフェニル)シクロヘキサノンをクロロホルム、DCM等の溶媒中TEA等の塩基の存在下に酸塩化物で処理すると、式(XIV)のアミドが得られる。
【0280】
続いて、150~220℃の温度でNaOH等の塩基の存在下にエチレングリコールで処理すると、式(XI)(式中、Ra=-H、-C1~6アルキル、-C1~6ハロアルキル、-C3~8アルケニル、-C3~8アルキニル、-(CH2)nアリール、-(CH2)nヘテロアリール、-(CH2)nシクロアルキル、-(CH2)nヘテロシクロアルキル、-COR2、-CONR3R4、-CR5R6NR7R8、-CHR9R10、又は-C(OH)R11R12である)のイミデートが得られる。或いは、式(XIV)の中間体を180~250℃の温度及び0.5mmHg未満の圧力で1~5時間加熱し、次に、室温まで冷却し、次いでDCM等の溶媒中、水酸化テトラエチルアンモニウムの溶液で処理し、次いで続いて溶媒を除去し、前述の減圧下で再び加熱すると、式(XI)のイミデート化合物が得られる。
【0281】
【化15】
【0282】
スキームEに従い、窒素保護基の脱保護を、使用される保護基に応じて、当業者に公知の適切な条件下で行う。一例として、式(XV)のカルバメート中間体(式中、カルバメート保護基は、9-フルオレニルメチルカルバメート(Fmoc)、2-トリメチルシリルエチルカルバメート(TeOC)、t-ブチルカルバメート(Boc)、アリルカルバメート(Alloc)、ベンジルカルバメート(Cbz)等である)の脱保護を当業者に公知の条件下で達成することができる。例えば、ピペリジンを用いて、FMC脱保護を行うと、式(XVI)(式中、Rbはそれぞれ独立して、=-H、-ハロ、-NH2、-C1~8アルキル、-C1~8ハロアルキル、-(CH2)nCONH2、-(CH2)nCOOH、-(CH2)nアリール、-(CH2)nヘテロアリール、-(CH2)nシクロアルキル、及び-(CH2)nヘテロシクロアルキルであり、それぞれは場合によって置換されており(ここで、nは独立して、0、1、2、3、及び4から選択される整数である)、Rc=-H、-C1~4アルキル、及び-C1~4ハロアルキルである)の化合物が得られる。或いは、式(XV)のスルホンアミド中間体(式中、スルホンアミド保護基は、p-トルエンスルホニル(Ts)、トリフルオロメタンスルホニル、トリメチルシリルエタンスルホンアミド(SES)、tert-ブチルスルホニル(Bus)等である)の脱保護を当業者に公知の条件下で達成することができる。例えば、式(XV)のTs保護化合物を酢酸等の溶媒中HBr等の強酸で処理すると、式(XVI)(式中、Rb及びRcは上記の通りである)の化合物が得られる。
【0283】
化学的性質
いくつかの実施形態において、別段の指示がない限り、以下の実験及び解析プロトコルを使用して、得られる化合物を得ることができる。
【0284】
別段の記載がない限り、反応混合物は窒素雰囲気下に室温(rt)で電磁撹拌する。溶液を「乾燥」させる場合、それらは一般に、Na2SO4又はMgSO4等の乾燥剤で乾燥させる。混合物、溶液及び抽出液を「濃縮」させる場合、それらは典型的にはロータリーエバポレーターを用いて減圧下で濃縮させる。
【0285】
マイクロ波照射条件下での反応は、Activentマイクロ波反応装置を備えるCEM社製Discover-SP、型番909150、又はBiotage Initiator、型番355302中で行う。
【0286】
順相フラッシュカラムクロマトグラフィー(FCC)は、充填された、又は予備包装されたカートリッジを用いるシリカ(SiO2)で、示された溶媒で溶出して実施する。
【0287】
分析LC/MSは、Waters社製2695分離ユニット、2487二波長吸光度検出器、ESIプローブを備えたMicromass社製ZQ、又はPDA eλ及びSQ検出器を備えたWaters社製Acquity(商標) Ultra performance LC (UPLC)で得る。或いは、LC-MSは、Acquity UPLC BEH C18カラム(1.7μm、2.1×50mm)を装備したWaters Acquity UPLC-MS機器を用いて、溶媒系A:H2O中0.1%HCOOH及びB:ACN中0.1%HCOOHで行われる。カラム温度は45℃である。
【0288】
SFC-MS分析は、Acquity UPC2 BEH 2-エチルピリジンカラム(1.7μm、2.1×50mm)を装備したWaters UPC2-MS機器を用いて、溶媒系A:CO2及びB:MeOH中0.1%NH4OHで行われる。カラム温度は55℃である。化合物はすべて、同じ溶離グラジエント、すなわち溶媒B 3%~35%(0.75分)を用いて流速2.5mL/分で実行される。
【0289】
分取HPLCは、Waters SunFire(商標) OBD 30mm×100mm×2.5μm(粒径)C18カラムを使用するShimadzu SIL-10APシステムを用いて、水中アセトニトリル10~100%(15分)のグラジエントで、0.05%トリフルオロ酢酸を改質剤として両相に添加して行われる。溶離プロファイルは、254及び220nmのUVにより監視される。或いは、分取HPLCは、XBridge Prep C18 OBDカラム(5μm、19×50mm)を装備したWaters Fractionlynxシステムを用いて、溶媒系:H2O:ACN及びH2O中2%TFAで行われる。特定の溶離グラジエントは、UPLC-MS分析で得られた保持時間をベースにするが、一般にH2O及びACNの溶離グラジエントはすべて、5.9分のランタイムにわたって流速40mL/分で実行される。オートブレンド方法を使用して、各実行を通して0.1%TFAの濃度を確実にする。
【0290】
分取SFC-MSは、Viridis2-エチルピリジンOBDカラム(5μm、30×100mm)を装備したWaters Prep100 SFC-MSシステムを用いて、溶媒系:CO2:MeOH及びMeOH中1%NH4OHで実行される。特定の溶離グラジエントは、UPC2-MS分析で得られた保持時間をベースにするが、一般にCO2及びMeOHの溶離グラジエントはすべて、3.6分のランタイムにわたって流速100mL/分及びカラム温度55℃で実行される。オートブレンド方法を使用して、各実行を通して0.2%NH4OHの濃度を確実にする。
【0291】
核磁気共鳴(NMR)スペクトルは、Varian 400MHz又はBruker 400MHz NMRで得ることができる。
【0292】
化学名は、ChemBioDraw Ultra 12.0(CambridgeSoft Corp.社、Cambridge, MA)又はChemAxon社(Budapest, Hungary)を使用して生成することができる。
【0293】
中間体1. 2-アミノ-6-ブロモ-2-(2-クロロフェニル)シクロヘキサノン臭化水素酸塩。
【0294】
【化16】
【0295】
この化合物は、J. Org. Chem.、1981年、46巻、5055~5060頁に記載されているように、例えば下記に従って調製されうる。
【0296】
ステップ1. 2-アミノ-2-(2-クロロフェニル)シクロヘキサノン。750mLのi-PrOH中655g(2.93mol)の1-((2-クロロフェニル)(イミノ)メチル)シクロペンタノールの溶液を無水HClで飽和し、次いで無水Et2Oで1.5Lに希釈する。形成する結晶を濾過により除去し、乾燥して、1-((2-クロロフェニル)(イミノ)メチル)シクロペンタノールを塩酸塩として得る。200℃の3LのダウサムAに、379g(1.46mol)の1-((2-クロロフェニル)(イミノ)メチル)シクロペンタノール(塩酸塩)を添加すると、温度が180℃まで下がり、そこで7分間維持する。反応混合物を10℃に冷却し、固体を濾過により除去し、H2Oに溶解する。ろ液をEt2Oで3Lに希釈し、H2Oで抽出する。合わせた水性画分をEt2Oで洗浄し、50%NaOH水溶液で塩基性にし、Et2Oで抽出する。エーテル層を水で洗浄し、乾燥し、チャコールで脱色し、セライトに通して濾過し、濃縮する。残留物を蒸留して、表題化合物を得る。
【0297】
ステップ2: 2-ブロモ-6-アミノ-6-(2-クロロフェニル)シクロヘキサノン臭化水素酸塩。1.2Lの48%HBr水溶液中298g(1.33mol)の2-アミノ-2-(2-クロロフェニル)シクロヘキサノンの溶液を70℃に加熱し、216g(1.35mol)の臭素を滴下して加える。添加が完了してから、混合物を10分間撹拌し、5℃に冷却する。結晶を濾過により除去し、多量のアセトンで洗浄し、乾燥して、408gの表題化合物(融点142~145℃)を得る。アセトン洗浄液を脱色及び濃縮することによって、第2次回収物(30g、融点142~145℃)が得られる。NMRはD2Oで実行され、HODピーク中に過剰のプロトンが存在していることを示している。全収量の441gを500mLのキシレンと共沸させると、回収物は420g(82%;融点209~210℃)であり、ディーンスタークトラップに回収された水は一水和物に一致する。
【0298】
中間体2. 1-アミノ-2'-クロロ-5,6-ジヒドロ-2(1H)-オン臭化水素酸塩。
【0299】
【化17】
【0300】
この化合物は、J. Org. Chem.、1981年、46巻、5055~5060頁に記載されているように、例えば下記に従って調製されうる。
【0301】
6-アミノ-6-(2-クロロフェニル)-2-シクロヘキセン-l-オン。35g(0.28mol)のl,5-ジアザビシクロ[3.3.1]ノナ-5-エン、200mLのアセトニトリル、及び74g(0.25mol)の2-ブロモ-6-アミノ-6-(2-クロロフェニル)シクロヘキサノン(遊離塩基)の溶液を20時間還流する。溶媒を蒸発させ、残留物をエーテル及び5%NaOH水溶液で希釈する。分液し、有機層を5%HC1水溶液で抽出する。合わせた酸の水層をチャコールで脱色し、セライトに通して濾過し、50%NaOH水溶液で塩基性にする。結晶性沈澱物を濾過により除去し、水で洗浄し、乾燥して、31g(57%)の表題化合物(融点120~123℃)を得る。
【0302】
中間体3. 2-アミノ-2-(2-クロロフェニル)-6-ヒドロキシシクロヘキサノン。
【0303】
【化18】
【0304】
この化合物は、J. Med. Chem.、1986年、29巻、2396~2399頁に記載されているように、例えば下記に従って調製されうる。
【0305】
ステップ1. 2-(o-クロロフェニル)-2-[(メトキシカルボニル)-アミノシクロヘキサノン。無水ベンゼン(100mL)中2-アミノ-2-(2-クロロフェニル)シクロヘキサノン(3.0g、14mmol)及びNa2CO3(4.5g)の混合物に、クロロギ酸メチル(3.0mL、40mmol)の無水ベンゼン(10mL)溶液を添加する。3時間加熱還流した後、反応混合物を室温に冷却し、H2O、10%Na2CO3、再度H2Oで洗浄する。生成物をエーテルで希釈し、乾燥し(MgSO4)、減圧下で濃縮すると、表題化合物が白色固体として沈澱する。
【0306】
ステップ2. 2-(o-クロロフェニル)-2-[(メトキシカルボニル)アミノ]-6-ヒドロキシシクロヘキサノン。ジイソプロピルアミン(4mL、28mmol)及び乾燥THF(30mL)の混合物を冷却した中に、n-ブチルリチウムのヘキサン溶液(1.6M、17mL、28mmol)を添加する。反応混合物を0℃で1時間撹拌し、-78℃に冷却し、2-(o-クロロフェニル)-2-[(メトキシカルボニル)-アミノシクロヘキサノン(3.2g、11mmol)の乾燥THF(20mL)溶液を滴下して処理する。2時間撹拌した後、Me3SiCl(4mL、28mmol)を添加し、反応混合物を20分間撹拌してから、室温まで45分かけて温める。次いで、ヘキサンを添加し、得られた溶液を10%NaHCO3及びH2Oで洗浄し、乾燥し(MgSO4)、溶媒を真空除去して、黄色油の粗生成物を得る。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(75g、70-325メッシュ、溶離液EtOAc)により精製すると、メチル(2'-クロロ-6-((トリメチルシリル)オキシ)-1,2,3,4-テトラヒドロ-[1,1'-ビフェニル]-1-イル)カルバメートが清澄な黄色油として得られる、収量4.5g(100%)。ヘキサン(60mL)中メチル(2'-クロロ-6-((トリメチルシリル)オキシ)-1,2,3,4-テトラヒドロ-[1,1'-ビフェニル]-1-イル)カルバメート(4.46g、12.6mmol)及びNa2CO3(2.5g)の混合物に、mCPBA(4.5g、20.8mmol)を添加する。反応混合物を室温で3時間撹拌し、生成物を洗浄し(10%Na2SO3、次いでH2O)、乾燥し(MgSO4)、蒸発させて、白色固体を得る。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(75g、70-325メッシュ、溶離液CH2C12中5%CH3CN)により、表題化合物が油として得られる。
【0307】
ステップ3. 2-(o-クロロフェニル)-2-アミノ-6-ヒドロキシシクロヘキサノン(6-ヒドロキシノルケタミン)。2-(o-クロロフェニル)-2-[(メトキシカルボニル)アミノ]-6-ヒドロキシシクロヘキサノン(3.5g、12mmol)の無水CH2C12(80mL)溶液に、BSTFA(4mL、15mmol)及び乾燥ピリジン(0.2mL)を添加する。混合物を1時間加熱還流し、過剰の試薬を真空除去して、メチル(1-(2-クロロフェニル)-2-オキソ-3-((トリメチルシリル)オキシ)シクロヘキシル)カルバメートを白色固体として得る。メチル(1-(2-クロロフェニル)-2-オキソ-3-((トリメチルシリル)オキシ)シクロヘキシル)カルバメート(4.5g、12mmol)の乾燥CH2C12(80mL)溶液に、Me3SiI(3mL、17mmol)を滴下して処理し、得られた混合物を室温で30分間撹拌する。次いで、メタノール(80mL)を添加し、混合物を洗浄し(10%Na2SO3、次いでH2O)、乾燥し(Na2SO4)、溶媒を蒸発させて、粗生成物を黄色油(1.0g)として得る。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(10g、70-325メッシュ、溶離液EtOAc)により、表題化合物が純粋な油として得られる。
【0308】
中間体4. N-(3-ブロモ-1-(2-クロロフェニル)-2-オキソシクロヘキシル)ホルムアミド。
【0309】
【化19】
【0310】
2-アミノ-6-ブロモ-2-(2-クロロフェニル)シクロヘキサノン臭化水素酸塩(中間体1、1.0当量)のDMF懸濁液(0.2M)に、DIEA(3当量)、HATU(1.2当量)及びギ酸(1.5当量)を添加し、次いで反応混合物を室温で2時間撹拌し、次いで反応液をNaHCO3飽和溶液でクエンチする。水性層をEtOAcで抽出する(3回)。合わせた有機層を乾燥し(Na2SO4)、蒸発させる。残留物を精製して、表題化合物を得る。
【0311】
中間体5. (1S,5R,8S)-5-(2-クロロフェニル)-8-ヨード-3-(1-((4-メトキシベンジル)オキシ)エチル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン。
【0312】
【化20】
【0313】
この化合物は、Molecules、2011年、16巻、7691~7705頁に記載されている方法等当技術分野において公知の方法で調製されうる。
【0314】
ステップ1. 1-アミノ-2'-クロロ-5,6-ジヒドロ-[1,1'-ビフェニル]-2(1H)-オン臭化水素酸塩(中間体2、1.0当量)のCHCl3懸濁液(0.26M)に、Et3N(2当量)及び2-((4-メトキシベンジル)オキシ)プロパンオイルクロリド(1.15当量)を添加し、反応混合物を室温で2時間撹拌し、次いでH2Oで2回洗浄する。水性層をEtOAcで3回抽出する。合わせた有機層を乾燥し(Na2SO4)、蒸発させ、残留物を再結晶して、N-((R)-2'-クロロ-6-オキソ-1,2,3,6-テトラヒドロ-[1,1'-ビフェニル]-1-イル)-2-((4-メトキシベンジル)オキシ)プロパンアミドを得る。
【0315】
ステップ2. N-((R)-2'-クロロ-6-オキソ-1,2,3,6-テトラヒドロ-[1、1'-ビフェニル]-1-イル)-2-((4-メトキシベンジル)オキシ)プロパンアミド(1.0当量)のCH2Cl2溶液(0.13M)をNIS(1.0当量)、で処理し、続いて室温で14時間撹拌する。反応が完了すると、混合物を10%NaOH溶液で3回洗浄する。水性溶液をCH2Cl2で3回抽出し、合わせた有機相を乾燥し(Na2SO4)、蒸発させて、表題化合物を得る。
【0316】
中間体6. N-(1-(2-クロロフェニル)-3-ヒドロキシ-2-オキソシクロヘキシル)アセトアミド。
【0317】
【化21】
【0318】
この化合物は、J. Med. Chem.、2007年、50巻、5311~5323頁に記載されている方式と類似している方式で、以下の通り調製されうる。
【0319】
2-アミノ-2-(2-クロロフェニル)-6-ヒドロキシシクロヘキサノン(中間体3、1.0当量)のメタノール溶液(0.05M)に、無水酢酸(1.1当量)を添加し、反応混合物を室温で4時間撹拌する。反応が完了すると、溶液を10%炭酸水素ナトリウム溶液(pH=8)で中和し、次いで、10%アンモニア溶液(pH=10)で塩基性にする。有機層をジクロロメタンで抽出し、ブラインで洗浄し、乾燥し(Na2SO4)、次いで溶媒を蒸発させる。粗残留物をカラムクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物を得る。
【0320】
(実施例1)
(1R,5R)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン。
【0321】
【化22】
【0322】
この化合物は、例えばJ. Org. Chem.、2007年、72巻、8656~8670頁、J. Org. Chem.、2011年、76巻、680~683頁、及びOrg. Lett.、2016年、18巻、948~951頁に記載されている方式と類似している方式で、以下の通り調製されうる。
【0323】
N-(3-ブロモ-1-(2-クロロフェニル)-2-オキソシクロヘキシル)ホルムアミド(中間体4、1.0当量)の乾燥DMF溶液(0.06M)を0℃にてNaH(1.0当量)で処理する。反応混合物を0℃で15分間撹拌し、次いでTLC又はLCMSによって出発物質の消失が明らかになるまで室温で撹拌する。次に、反応混合物をH2Oでクエンチし、Et2Oで3回抽出する。まとめた有機層をH2Oで3回洗浄し、Na2SO4で乾燥する。シリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより、所望の化合物が得られる。
【0324】
(実施例2)
(1R,5R)-5-(2-クロロフェニル)-3-(1-ヒドロキシエチル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン。
【0325】
【化23】
【0326】
この化合物は、Molecules、2011年、16巻、7691~7705頁に記載されている方式と類似している方式で、以下の通り調製されうる。
【0327】
ステップ1. Bu3SnH(2.1当量)を、Ar下で(1S,5R,8S)-5-(2-クロロフェニル)-8-ヨード-3-(1-((4-メトキシベンジル)オキシ)エチル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン(中間体5、1.0当量)の乾燥CH2Cl2溶液(0.1M)に添加する。40℃で20時間撹拌した後、溶媒を蒸発させ、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n-ヘキサン:EtOAc 10:1)により精製して、(1R,5R)-5-(2-クロロフェニル)-3-(1-((4-メトキシベンジル)オキシ)エチル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オンを得る。
【0328】
ステップ2. 0℃でジクロロメタン/水(100:1)の混合物中の(1R,5R)-5-(2-クロロフェニル)-3-(1-((4-メトキシベンジル)オキシ)エチル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン(1.0当量)の溶液(0.06M)に、DDQ(1.2当量)を添加し、得られた混合物を室温で数時間撹拌する。反応が完了すると、反応混合物を40%炭酸水素ナトリウム水溶液、続いてブラインで洗浄する。有機層を乾燥し(Na2SO4)、溶媒を減圧下で除去する。粗生成物を精製して、表題化合物を得る。
【0329】
(実施例3)
(1R,5R)-5-(2-クロロフェニル)-3-メチル-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン。
【0330】
【化24】
【0331】
この化合物は、J. Med. Chem.、2007年、50巻、5311~5323頁に記載されている方式と類似している方式で、以下の通り調製されうる。
【0332】
ステップ1. 新たに蒸留したエチレングリコール中N-(1-(2-クロロフェニル)-3-ヒドロキシ-2-オキソシクロヘキシル)アセトアミド(中間体6、1.0当量)の懸濁液(0.02M)に、水酸化ナトリウム(0.2当量)を添加する。215℃で6時間加熱した後、次いで混合物を10%アンモニア溶液(pH=10)で塩基性にし、ジクロロメタンで抽出する。有機層をNa2SO4で乾燥し、濾過し、溶媒を蒸発させて、表題化合物を得る。
【0333】
(1R,5R)エナンチオマーに相当する実施例4~61の化合物はそれぞれ、実施例1~3の方式と類似している方式で、当業者であれば理解する適切な出発物質の置換及び保護又は脱保護ステップにより調製されうる。更に、実施例1~61の対応する(1S,5S)エナンチオマーは、当業者に公知である適切な出発物質の置換及び合成の手順を使用して、記載されているのと同様に合成することができる。
【0334】
(実施例4)
(1R,5R)-3-((S)-1-アミノ-2-メチルプロピル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン。
【0335】
【化25】
【0336】
(実施例5)
(1R,5R)-3-(アミノメチル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン。
【0337】
【化26】
【0338】
(実施例6)
(1R,5R)-5-(2-クロロフェニル)-3-フルオロカルボニル-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン。
【0339】
【化27】
【0340】
(実施例7)
(1R,5R)-5-(2-クロロフェニル)-3-((S)-1,5-ジアミノペンチル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン。
【0341】
【化28】
【0342】
(実施例8)
(1R,5R)-3-((S)-1-アミノエチル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン。
【0343】
【化29】
【0344】
(実施例9)
(1R,5R)-5-(2-クロロフェニル)-3-フェニル-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン。
【0345】
【化30】
【0346】
(実施例10)
(1R,5R)-3-((1S,2R)-1-アミノ-2-メチルブチル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン。
【0347】
【化31】
【0348】
(実施例11)
(1R,5R)-3-((S)-1-アミノ-3-メチルブチル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン。
【0349】
【化32】
【0350】
(実施例12)
(1R,5R)-3-((S)-1-アミノ-2-フェニルエチル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン。
【0351】
【化33】
【0352】
(実施例13)
(1R,5R)-3-((S)-1-アミノ-2-(4-ヒドロキシフェニル)エチル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン。
【0353】
【化34】
【0354】
(実施例14)
(1R,5R)-3-((S)-1-アミノ-2-(1H-インドール-3-イル)エチル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン。
【0355】
【化35】
【0356】
(実施例15)
(1R,5R)-3-((S)-1-アミノ-2-(1H-イミダゾール-4-イル)エチル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン。
【0357】
【化36】
【0358】
(実施例16)
(1R,5R)-5-(2-クロロフェニル)-3-(ピロリジン-2-イル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン。
【0359】
【化37】
【0360】
(実施例17)
(S)-3-アミノ-3-((1R,5R)-5-(2-クロロフェニル)-9-オキソ-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-3-イル)プロパン酸。
【0361】
【化38】
【0362】
(実施例18)
(S)-4-アミノ-4-((1R,5R)-5-(2-クロロフェニル)-9-オキソ-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-3-イル)ブタン酸。
【0363】
【化39】
【0364】
(実施例19)
(S)-4-アミノ-4-((1R,5R)-5-(2-クロロフェニル)-9-オキソ-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-3-イル)ブタンアミド。
【0365】
【化40】
【0366】
(実施例20)
(S)-3-アミノ-3-((1R,5R)-5-(2-クロロフェニル)-9-オキソ-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-3-イル)プロパンアミド。
【0367】
【化41】
【0368】
(実施例21)
(1R,5R)-3-((S)-1-アミノ-3-(メチルチオ)プロピル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン。
【0369】
【化42】
【0370】
(実施例22)
(1R,5R)-3-((R)-1-アミノ-2-メルカプトエチル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン。
【0371】
【化43】
【0372】
(実施例23)
(1R,5R)-3-((S)-1-アミノ-2-ヒドロキシエチル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン。
【0373】
【化44】
【0374】
(実施例24)
(1R,5R)-3-((S)-1-アミノ-2-メトキシエチル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン。
【0375】
【化45】
【0376】
(実施例25)
1-((S)-4-アミノ-4-((1R,5R)-5-(2-クロロフェニル)-9-オキソ-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-3-イル)ブチル)グアニジン。
【0377】
【化46】
【0378】
(実施例26)
(1R,5R)-5-(2-クロロフェニル)-3-エチル-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン。
【0379】
【化47】
【0380】
(実施例27)
3-((1R,5R)-5-(2-クロロフェニル)-9-オキソ-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-3-イル)-2-ヒドロキシプロパン酸。
【0381】
【化48】
【0382】
(実施例28)
2-(((1R,5R)-5-(2-クロロフェニル)-9-オキソ-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-3-イル)メチル)-2-ヒドロキシコハク酸。
【0383】
【化49】
【0384】
(実施例29)
5-((1R,5R)-5-(2-クロロフェニル)-9-オキソ-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-3-イル)ペンタン酸。
【0385】
【化50】
【0386】
(実施例30)
3-((1R,5R)-5-(2-クロロフェニル)-9-オキソ-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-3-イル)-2,3-ジヒドロキシプロパン酸。
【0387】
【化51】
【0388】
(実施例31)
3-((1R,5R)-5-(2-クロロフェニル)-9-オキソ-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-3-イル)プロパン酸。
【0389】
【化52】
【0390】
(実施例32)
(1R,5R)-5-(2-クロロフェニル)-3-ヘプチル-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン。
【0391】
【化53】
【0392】
(実施例33)
(1R,5R)-3-(1-アミノ-2-ヒドロセレノエチル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン。
【0393】
【化54】
【0394】
(実施例34)
(1R,5R)-5-(2-クロロフェニル)-3-(2-(メチルアミノ)エチル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン。
【0395】
【化55】
【0396】
(実施例35)
(1R,5R)-5-(2-クロロフェニル)-3-(1,2-ジアミノエチル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン。
【0397】
【化56】
【0398】
(実施例36)
(1R,5R)-3-(2-アミノ-1-ヒドロキシエチル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン。
【0399】
【化57】
【0400】
(実施例37)
(1R,5R)-3-(3-アミノプロピル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン。
【0401】
【化58】
【0402】
(実施例38)
(1R,5R)-3-(4-アミノブチル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン。
【0403】
【化59】
【0404】
(実施例39)
(1R,5R)-3-(3-アミノペンチル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン。
【0405】
【化60】
【0406】
(実施例40)
(1R,5R)-3-(1-アミノ-3-ヒドロキシプロピル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン。
【0407】
【化61】
【0408】
(実施例41)
(1R,5R)-5-(2-クロロフェニル)-3-(1,4-ジアミノブチル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン。
【0409】
【化62】
【0410】
(実施例42)
4-アミノ-4-((1R,5R)-5-(2-クロロフェニル)-9-オキソ-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-3-イル)-N-エチルブタンアミド。
【0411】
【化63】
【0412】
(実施例43)
(1R,5R)-5-(2-クロロフェニル)-3-(1,5-ジアミノ-4-ヒドロキシペンチル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン。
【0413】
【化64】
【0414】
(実施例44)
1-(4-アミノ-4-((1R,5R)-5-(2-クロロフェニル)-9-オキソ-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-3-イル)ブチル)尿素。
【0415】
【化65】
【0416】
(実施例45)
1-(5-アミノ-5-((1R,5R)-5-(2-クロロフェニル)-9-オキソ-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-3-イル)ペンチル)尿素。
【0417】
【化66】
【0418】
(実施例46)
1-(5-アミノ-5-((1R,5R)-5-(2-クロロフェニル)-9-オキソ-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-3-イル)ペンチル)グアニジン。
【0419】
【化67】
【0420】
(実施例47)
1-(2-((1R,5R)-5-(2-クロロフェニル)-9-オキソ-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-3-イル)エチル)グアニジン。
【0421】
【化68】
【0422】
(実施例48)
(1R,5R)-3-(1-アミノ-2-メチルブチル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン。
【0423】
【化69】
【0424】
(実施例49)
(1R,5R)-3-(1-アミノ-2-(5-ヒドロキシ-1H-インドール-3-イル)エチル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン。
【0425】
【化70】
【0426】
(実施例50)
(1R,5R)-3-(1-アミノ-2-(5-メチル-1H-インドール-3-イル)エチル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン。
【0427】
【化71】
【0428】
(実施例51)
(1R,5R)-3-(2-(1H-インドール-3-イル)-1-(メチルアミノ)エチル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン。
【0429】
【化72】
【0430】
(実施例52)
(1R,5R)-5-(2-クロロフェニル)-3-(4-ヒドロキシピロリジン-2-イル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン。
【0431】
【化73】
【0432】
(実施例53)
(1R,5R)-3-(1-アミノ-2-ヒドロキシ-3-メチルブチル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン。
【0433】
【化74】
【0434】
(実施例54)
(1R,5R)-5-(2-クロロフェニル)-3-(1-(メチルアミノ)エチル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン。
【0435】
【化75】
【0436】
(実施例55)
(1R,5R)-3-(2-アミノプロピル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン。
【0437】
【化76】
【0438】
(実施例56)
N-(5-アミノ-5-((1R,5R)-5-(2-クロロフェニル)-9-オキソ-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-3-イル)ペンチル)-3-メチル-3,4-ジヒドロ-2H-ピロール-2-カルボキサミド
【0439】
【化77】
【0440】
(実施例57)
(1R,5R)-3-(1-アミノ-3-ヒドロキシ-2-メチルブチル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン。
【0441】
【化78】
【0442】
(実施例58)
(1R,5R)-3-(1-アミノ-2,2-ジメチルプロピル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン。
【0443】
【化79】
【0444】
(実施例59)
(1R,5R)-3-(アミノ(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)メチル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン。
【0445】
【化80】
【0446】
(実施例60)
(1R,5R)-3-(1-アミノ-2-ヒドロキシ-2-フェニルエチル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン。
【0447】
【化81】
【0448】
(実施例61)
(1R,5R)-3-(1-アミノ-2-(4-メトキシフェニル)エチル)-5-(2-クロロフェニル)-2-オキサ-4-アザビシクロ[3.3.1]ノナ-3-エン-9-オン。
【0449】
【化82】
【0450】
抗うつ薬活性を評価するためのモデル
このデータの裏付けのない実施例において、当技術分野において公知の動物行動試験を使用して、式(I)の例示的な化合物の抗うつ薬有効性を評価する。そのような試験は、行動的絶望(例えば、強制水泳)、不安(例えば、新奇環境による摂食抑制試験)、又は制御不可能なストレス因への曝露(例えば、学習性無力感)等うつ病の様々な性状に基づいている。
【0451】
強制水泳試験
強制水泳試験(FST)は、うつ病研究において、特に抗うつ薬候補の急性期の有効性を評価するために広く使用されているツールである。FSTにおいて、水で満たされている逃避不可能な透明な水槽にマウスを入れ、マウスの逃避関連運動行動を評価する。例えば、Canら、2012年、J. Vis. Exp.、59巻、e3638頁を参照のこと。
【0452】
いくつかの実施形態において、マウスに式(I)の例示的な化合物を投与すると、媒体を投与した対照と比較して、FSTにおいて逃避指向行動を示す時間が長い。
【0453】
新奇環境による摂食抑制試験:
新奇環境による摂食抑制試験(NSFT)は、新奇に対する摂食が、げっ歯類において新奇食品、新奇試験領域、及び新奇食品容器を含めて新奇環境の特徴によって誘起されうる不安症状であるという論理的根拠に基づいている。例えば、Santarelliら、2003年、Science、301巻、805~809頁を参照のこと。試験は、抗うつ薬候補を投与した後に測定された応答によって、抗うつ薬の抗不安効果を反映する。
【0454】
いくつかの実施形態において、マウスに式(I)の例示的な化合物を投与すると、媒体を投与した対照と比較して、NSFTにおいて摂食潜時が低減している。
【0455】
学習性無力感:
学習性無力感試験(LHT)は、動物が回避不能及び制御不可能なショックを繰り返し受けると、逃避、認知及び報酬行動の欠陥を示すという観察に基づいている。例えば、J.B. Overmier and Seligman、1967年、J. Comp. Physiol. Psychol.、63巻、28~33頁;Chourbajiら、2005年、Brain Res. Brain Res. Protoc.、16巻、70~78頁;Zanosら、2016年、Nature、533巻、481~486頁を参照のこと。
【0456】
いくつかの実施形態において、マウスに式(I)の例示的な化合物を投与すると、媒体を投与した対照と比較して、LHTにおいて欠陥が減少している。
【0457】
薬物動態研究
このデータの裏付けのない実施例において、式(I)化合物の薬物動態プロファイルは、当技術分野において公知の標準手段により得られる。例えば、霊長類(例えば、アカゲザル(Macaca mulatta)等のサル、又はヒト)を含めて、哺乳類等の動物から、薬物動態プロファイルを得ることができる。
【0458】
医薬組成物間の比較は、組成物の投与後に測定された薬物動態プロファイル及び/又はパラメータの検討により容易に達成することができる。一般に、血中ベースライン薬物濃度を投与前に得る。
【0459】
投与後に、血液を様々な時点で採取し、薬物分析にかける。典型的には、血清又は血漿が血液試料から単離され、治療剤の濃度を決定するために分析される。血漿(又は血清)試料中の薬物濃度は、それぞれの化合物に適切なパラメータを使用して、液体クロマトグラフィー-質量分析で分析される。
【0460】
典型的には、時間(x軸)対薬物濃度(y軸)のグラフを作成し、このグラフから、様々な薬物動態パラメータを導き出すことができる。代わりに、データを、薬物動態パラメータを導き出し、測定値のグラフに適合させるソフトウェアプログラムに入力することができる。
【0461】
製剤を比較するための有用な薬物動態パラメータとしては、最高血中薬物濃度(Cmax)、Cmaxに到達する時間(Tmax)、Cmaxの1/2の血中濃度に到達する時間(T1/2)、及びバイオアベイラビリティ(BA)が挙げられる。典型的には、BAは、血中薬物濃度対時間のグラフの曲線下面積(AUC)を決定することによって測定される。医薬組成物間で比較分析するために、薬物動態パラメータを個別に又は様々に組み合わせて比較することができる。本開示の教示を実施する際に、Phoenix WinNonlinソフトウェア、バージョン5.2等多数の薬物動態ソフトウェアプログラムを使用することができるが、これに限定されない。
【0462】
本開示の例示的な化合物について、経口バイオアベイラビリティを試験する。そのような研究では、ラットにおける静脈内及び経口投与のために、化合物を様々な媒体(例えば、PEG 400溶液及びCMC懸濁液)に溶解することができる。投与後に、血漿試料を得て、抽出する。出発化合物及びHNK代謝物の血漿中濃度を、高速液体クロマトグラフィー/タンデム質量分析(LC/MS/MS)方法によって決定する。薬物動態分析を血漿中濃度データに基づいて行う。
【0463】
いくつかの実施形態において、薬物動態学のデータを分析すると、式(I)化合物の経口投与後にHNK代謝物の有意なレベルが認められる。機序に限定されることなく、式(I)の例示的な化合物のHNKへの変換には、生理化学的過程、代謝過程、又は酵素過程の1つ又は複数が含まれる。
【0464】
式(I)組成物の治療的投与
本開示の化合物が本明細書に記載される障害を治療する能力は、うつ病性障害に対して以下にまとめられたもの等好適に設計された臨床研究を使用して評価することができる。
【0465】
このデータの裏付けのない実施例において、臨床試験は、(Montgomery-Asbergうつ病評価尺度で評価された)重症度の中等度~重度の(American Psychiatry Association、Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders(第5版)により定義され、精神疾患簡易構造化面接法により確認された)大うつ病性障害をもつ以外は健常な20名の男性及び女性患者におけるランダム化、二重盲検、プラセボ対照、多回(21日)投与研究を含む。
【0466】
患者を2コホートにランダム化する。コホート1の対象者には、単一用量の式(I)固体剤形を1~21日目に投与する。コホート2の対象者は、単一用量のプラセボを1~21日目に投与する点以外はコホート1の対象者と同一である。
【0467】
各コホートについて、薬物動態学的(PK)、安全性、及び薬力学的(PD)データを含めて、複数のパラメータを評価する。更に、すべての認知領域におけるベースライン及び変化を測定することができるコンピュータ化された認知タスクのカスタマイズ可能な範囲を含むCogState試験方法を使用して、コホート1及び2における認知機能を評価する。CogStateにおける特殊タスクは、注意力、記憶力、実行機能、並びに言語及び社会的-感情的認知を評価することができる。
【0468】
3週間(21日)の投与期間の下で、抗うつ効果を示すPDエンドポイントに関して式(I)化合物によって誘導される変化の証拠がある。抗うつ効果が急速に、場合によっては単回投与後に発現する証拠もある。更に、認知領域機能において化合物によって誘導される変化の証拠がある。
【0469】
データの裏付けのない別の実施例において、(American Psychiatry Association Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders(第5版)により定義された)治療耐性うつ病をもつ男性及び女性患者を治療する際に式(I)化合物の有効性を評価する同様に設計された臨床試験から、同等な結果が得られる。
【0470】
式(I)組成物の変換
このデータの裏付けのない実施例において、式(I)の例示的な化合物を、臨床試験における患者等の対象に投与すると、1ステップ又は複数のステップでHNKを産生する。例えば、以下の概略図に示す考えうる一経路において、式(I)の例示的な化合物は、ステップ1における胃の酸性条件下等の酸性条件下における加水分解、続いてエステラーゼ作用による酵素的変換からなる2ステップ過程でHNKを産生することができる。
【0471】
【化83】
【0472】
更に具体的な例として、実施例2の化合物は、以下の概略図に示されるように提案された2ステップ過程によってHNK及び乳酸を生じることができる。
【0473】
【化84】
【0474】
前記の概略図は、例示の目的にすぎず、他の筋書きもありうるので特定の機序又は経路に限定することを意図したものではない。
【0475】
いくつかの実施形態が本明細書に記載されているが、記載された実施形態は特許請求の範囲で定義される本開示の範囲を限定するものではないことが理解されよう。一方、本開示は、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の趣旨及び範囲内に含まれうる代替形態、修正形態、及び均等形態を含むよう意図されている。更に、添付の特許請求の範囲によって定義されている本発明の十分な理解を伝えるために、本開示におけるいくつかの詳細が記載されている。しかしながら、いくつかの実施形態がこれらの詳細なしに実施できることは、当業者に明らかである。いくつかの場合において、周知の方法、手順又は他の特定の詳細は、添付の特許請求の範囲によって定義されている本発明の態様を不必要に不明瞭にすることを回避するために記載されていない。