(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-02
(45)【発行日】2022-03-10
(54)【発明の名称】無人車の対処能力境界情報の決定方法、装置及び電子機器
(51)【国際特許分類】
B60W 50/06 20060101AFI20220303BHJP
B60W 40/10 20120101ALI20220303BHJP
B60W 50/04 20060101ALI20220303BHJP
G01M 17/007 20060101ALI20220303BHJP
【FI】
B60W50/06
B60W40/10
B60W50/04
G01M17/007 B
(21)【出願番号】P 2019166091
(22)【出願日】2019-09-12
【審査請求日】2019-09-12
(31)【優先権主張番号】201811283622.4
(32)【優先日】2018-10-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】321009845
【氏名又は名称】アポロ インテリジェント ドライビング テクノロジー(ペキン)カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100106297
【氏名又は名称】伊藤 克博
(72)【発明者】
【氏名】スイ、 シミン
(72)【発明者】
【氏名】ガオ、 ティアン
【審査官】山本 賢明
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-077827(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60W 50/06
B60W 40/10
B60W 50/04
G01M 17/007
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子機器に適用される無人車の対処能力境界情報の決定方法であって、
1組の指標組み合わせを取得し、前記指標組み合わせがテスト対象である無人車のプリセット走行シーンに対する対処能力を評価することに用いられ、前記指標組み合わせが少なくとも1つの指標アイテム及び前記指標アイテムの予想値範囲を含むこと、
前記プリセット走行シーンに対応するシーン特徴及び前記指標アイテムに基づいて、前記テスト対象である無人車の過去走行行動情報を取得すること、及び
前記過去走行行動情報に基づいて、前記テスト対象である無人車の前記プリセット走行シーンで前記指標組み合わせに対応する対処能力境界情報を取得すること、を含み、
前記無人車の対処能力境界情報は、前記無人車が前記指標組み合わせを対処可能と対処不能の
複数の結果において決定され、
前記無人車が前記指標組み合わせを対処可能とは、前記無人車が前記指標組み合わせを満たすことを意味
し、前記過去走行行動情報に基づいて前記指標組み合わせにおける各指標アイテムを計算し、計算して得られる前記各指標アイテムがすべて前記指標アイテムの予想値範囲に達することができると、前記無人車が前記過去走行行動情報を応用する時前記指標組み合わせを対処することができることを特徴とする無人車の対処能力境界情報の決定方法。
【請求項2】
前記過去走行行動情報に基づいて、前記テスト対象である無人車の前記プリセット走行シーンで前記指標組み合わせに対応する対処能力境界情報を取得することは、
プリセットされた自動運転模擬アルゴリズムで前記過去走行行動情報を処理し、前記プリセット走行シーンで多組の模擬走行行動情報の前記指標アイテムに対する模擬値を取得し、前記多組の模擬走行行動情報が前記過去走行行動情報を含む走行行動情報であること、
各前記指標アイテムに対応する前記模擬値及び前記予想値範囲に基づいて、前記テスト対象である無人車の各前記模擬走行行動情報で各指標アイテムに対する指標対処結果を決定し、前記指標対処結果は前記模擬値が前記予想値範囲に達するかどうかを指示することに用いられること、及び
前記指標組み合わせにおける各指標アイテムに対応する前記指標対処結果に基づいて、前記テスト対象である無人車の前記プリセット走行シーンで前記指標組み合わせに対応する対処能力境界情報を決定すること、を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記指標組み合わせにおける各指標アイテムに対応する前記指標対処結果に基づいて、前記テスト対象である無人車の前記プリセット走行シーンで前記指標組み合わせに対応する対処能力境界情報を決定することは、
前記指標組み合わせにおける各指標アイテムに対応する前記指標対処結果に基づいて、前記模擬走行行動情報の前記指標組み合わせに対応する組み合わせ対処結果を決定すること、
前記模擬走行行動情報の前記指標組み合わせに対応する組み合わせ対処結果に基づいて、前記模擬走行行動情報で対処能力境界を決定し、前記対処能力境界は、前記模擬走行行動情報を、
対処可能と指示する組み合わせ対処結果に対応する第1種類の模擬走行行動情報、及び
対処不能と指示する組み合わせ対処結果に対応する第2種類の模擬走行行動情報に分けること、及び
前記対処能力境界に対応する模擬走行行動情報を、前記テスト対象である無人車の前記プリセット走行シーンで前記指標組み合わせに対応する対処能力境界情報とすること、を含むことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記模擬走行行動情報の前記指標組み合わせに対応する組み合わせ対処結果に基づいて、前記模擬走行行動情報で対処能力境界を決定することは、
前記模擬走行行動情報の前記指標組み合わせに対応する組み合わせ対処結果に基づいて、前記模擬走行行動情報で第1能力境界を決定すること、
前記過去走行行動情報から、前記第1能力境界プリセット範囲での境界過去走行行動情報を取得すること、
前記境界過去走行行動情報に対応する真実対処結果を取得し、前記真実対処結果は、前記無人車が前記走行シーンで前記境界過去走行行動情報を応用して前記指標組み合わせに対応する真実対処状況を指示すること、
前記真実対処結果で前記第1能力境界を修正し、第2能力境界を得ること、及び
前記第2能力境界を、前記テスト対象である無人車の対処能力境界とすること、を含むことを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記プリセット走行シーンに対応するシーン特徴及び前記指標アイテムに基づいて、前記テスト対象である無人車の過去走行行動情報を取得することは、
予め記憶された前記テスト対象である無人車の予め記憶走行情報を取得し、前記予め記憶走行情報は予め記憶運転情報及び前記予め記憶運転情報に対応する予め記憶環境情報を含むこと、
前記予め記憶走行情報に基づいて、前記テスト対象である無人車の予め記憶走行行動情報及び前記予め記憶走行行動情報に対応する予め記憶シーン情報を決定すること、
前記予め記憶シーン情報をクラスタリングし、少なくとも1つのシーン特徴及び各前記シーン特徴に対応する前記予め記憶走行行動情報を得、前記シーン特徴が同一種類の前記予め記憶シーン情報の分類特徴を指示することに用いられること、
前記指標アイテムに基づいて、目標走行行動タイプを決定すること、及び
前記プリセット走行シーンに対応するシーン特徴及び前記目標走行行動タイプに基づいて、前記予め記憶走行行動情報から前記テスト対象である無人車の過去走行行動情報を決定すること、を含むことを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記プリセット走行シーンに対応するシーン特徴及び前記指標アイテムに基づいて、前記テスト対象である無人車の過去走行行動情報を取得する前に、
決定対象である対処能力境界情報に対応する能力タイプに基づいて、複数の指標アイテム及びプリセット走行シーンに対応するシーン特徴を決定すること、及び
前記複数の指標アイテムにおいて、1組の指標組み合わせを決定し、前記指標組み合わせが少なくとも1つの前記指標アイテムを含むこと、をさらに含むことを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記予め記憶環境情報がタイムスタンプ情報を含み、
前記過去走行行動情報に基づいて、前記テスト対象である無人車の前記プリセット走行シーンで前記指標組み合わせに対応する対処能力境界情報を取得することの後、
前記過去走行行動情報に対応する予め記憶環境情報に基づいて、前記対処能力境界情報に対応するタイムスタンプ情報を取得すること、
前記対処能力境界情報に対応するタイムスタンプ情報に基づいて、プリセットされた複数の時間周期での前記テスト対象である無人車の周期対処能力境界情報を決定し、前記時間周期が前記プリセット走行シーンの周辺の緑の植物の成長段階を指示すること、及び
前記プリセットされた複数の時間周期での前記テスト対象である無人車の周期対処能力境界情報を比較し、対処能力境界比較結果を得ること、をさらに含むことを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項8】
無人車の対処能力境界情報の決定装置であって、
1組の指標組み合わせを取得し、前記指標組み合わせがテスト対象である無人車のプリセット走行シーンに対する対処能力を評価することに用いられ、前記指標組み合わせが少なくとも1つの指標アイテム及び前記指標アイテムの予想値範囲を含む取得モジュールと、
前記プリセット走行シーンに対応するシーン特徴及び前記指標アイテムに基づいて、前記テスト対象である無人車の過去走行行動情報を取得するための値取りモジュールと、
前記過去走行行動情報に基づいて、前記テスト対象である無人車の前記プリセット走行シーンで前記指標組み合わせに対応する対処能力境界情報を取得するための処理モジュールと、を含み、
前記無人車の対処能力境界情報は、前記無人車が前記指標組み合わせを対処可能と対処不能の
複数の結果において決定され、
前記無人車が前記指標組み合わせを対処可能とは、前記無人車が前記指標組み合わせを満たすことを意味
し、
前記処理モジュールは、さらに、前記過去走行行動情報に基づいて前記指標組み合わせにおける各指標アイテムを計算し、計算して得られる前記各指標アイテムがすべて前記指標アイテムの予想値範囲に達することができると、前記無人車が前記過去走行行動情報を応用する時前記指標組み合わせを対処することができるために用いられることを特徴とする無人車の対処能力境界情報の決定装置。
【請求項9】
電子機器であって、メモリ、プロセッサ及びコンピュータプログラムを含み、前記コンピュータプログラムが前記メモリに記憶され、前記プロセッサは前記コンピュータプログラムを運行して請求項1~7のいずれか一項に記載の無人車の対処能力境界情報の決定方法を実行することを特徴とする電子機器。
【請求項10】
読み取り可能な記憶媒体であって、前記読み取り可能な記憶媒体にはコンピュータプログラムが記憶され、前記コンピュータプログラムはプロセッサで実行される時請求項1~7のいずれか一項に記載の無人車の対処能力境界情報の決定方法を実現することに用いられることを特徴とする読み取り可能な記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は車両テスト技術分野に関し、特に無人車の対処能力境界情報の決定方法、装置及び電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
無人運転車両は無人車とも呼ばれ、路線計画、走行行動制御を自動的に行うことができるインテリジェント車両である。それは主に車載センサで車両の周囲環境を感知し、且つ感知して得られた道路、車両位置及び障害物情報に基づいて、車両のステアリング及び速度を自律的に制御し、これにより、車両が安全で信頼できるように道路で走行することができ、且つ予定目標に達する。各種類の走行シーンに対して、無人車でプリセットされた対処方策又は実行パラメータはいずれもそれが正常に対処できるかどうかに影響を及ぼすことがある。例えば同様な走行速度で、ブレーキシーンにおいてタイムリーにブレーキできるが、左旋回シーンにおいて制御されていないドリフトが発生する可能性があり、旋回のシーンに正常に対処することができず、旋回シーンにおける走行速度を調整する必要がある。無人運転車両の安全性及び各種の自動化性能を確保するために、無人運転車両の研究開発テスト過程、又は使用過程において、いずれも車両の対処能力を評価する必要があり、且つ評価結果によって対応する運転情報を改善する必要があるかどうかを判断する。
【0003】
従来技術において、無人車の評価テスト方法において主に無人車の知能レベルを評価し、例えば無人車が路線計画を行うことができるかどうか及び計画の正確さによってその知能レベルを決定する。
【0004】
しかし、従来の無人車の評価方法は一般的なものであり、全体的なレベルの大まかな評価にしかなり得ず、テストする必要がある性能の標的評価を行うことができず、研究開発者は、従来の無人車の評価結果に基づいて無人車両の改善方向性を判断することができない。従来の無人車の評価方法の正確さが悪い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は無人車の対処能力境界情報の決定方法、装置及び電子機器を提供し、無人車がテスト対象である指標組み合わせに対する対処能力境界を実現し、無人車の性能欠陥を柔軟に発掘し、これにより無人車テストの正確さ及び適切性を向上させる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1様態によれば、無人車の対処能力境界情報の決定方法を提供し、
1組の指標組み合わせを取得し、前記指標組み合わせがテスト対象である無人車のプリセット走行シーンに対する対処能力を評価することに用いられ、前記指標組み合わせが少なくとも1つの指標アイテム及び前記指標アイテムの予想値範囲を含むこと、
前記プリセット走行シーンに対応するシーン特徴及び前記指標アイテムに基づいて、前記テスト対象である無人車の過去走行行動情報を取得すること、及び
前記過去走行行動情報に基づいて、前記テスト対象である無人車の前記プリセット走行シーンで前記指標組み合わせに対応する対処能力境界情報を取得すること、を含む。
【0007】
選択的に、第1様態の1つの可能な実現形態において、前記過去走行行動情報に基づいて、前記テスト対象である無人車の前記プリセット走行シーンで前記指標組み合わせに対応する対処能力境界情報を取得することは、
プリセットされた自動運転模擬アルゴリズムで前記過去走行行動情報を処理し、前記プリセット走行シーンで多組の模擬走行行動情報の前記指標アイテムに対する模擬値を取得し、前記多組の模擬走行行動情報が前記過去走行行動情報を含む走行行動情報であること、
各前記指標アイテムに対応する前記模擬値及び前記予想値範囲に基づいて、前記テスト対象である無人車の各前記模擬走行行動情報で各指標アイテムに対する指標対処結果を決定し、前記指標対処結果は前記模擬値が前記予想値範囲に達するかどうかを指示することに用いられること、及び
前記指標組み合わせにおける各指標アイテムに対応する前記指標対処結果に基づいて、前記テスト対象である無人車の前記プリセット走行シーンで前記指標組み合わせに対応する対処能力境界情報を決定すること、を含む。
【0008】
選択的に、第1様態の他の可能な実現形態において、前記指標組み合わせにおける各指標アイテムに対応する前記指標対処結果に基づいて、前記テスト対象である無人車の前記プリセット走行シーンで前記指標組み合わせに対応する対処能力境界情報を決定することは、
前記指標組み合わせにおける各指標アイテムに対応する前記指標対処結果に基づいて、前記模擬走行行動情報の前記指標組み合わせに対応する組み合わせ対処結果を決定すること、
前記模擬走行行動情報の前記指標組み合わせに対応する組み合わせ対処結果に基づいて、前記模擬走行行動情報で対処能力境界を決定し、前記対処能力境界は、前記模擬走行行動情報を、対処成功と指示する組み合わせ対処結果に対応する第1種類の模擬走行行動情報、及び対処失敗と指示する組み合わせ対処結果に対応する第2種類の模擬走行行動情報に分けること、及び
前記対処能力境界に対応する模擬走行行動情報を、前記テスト対象である無人車の前記プリセット走行シーンで前記指標組み合わせに対応する対処能力境界情報とすることを含む。
【0009】
選択的に、第1様態の別の可能な実現形態において、前記模擬走行行動情報の前記指標組み合わせに対応する組み合わせ対処結果に基づいて、前記模擬走行行動情報で対処能力境界を決定することは、
前記模擬走行行動情報の前記指標組み合わせに対応する組み合わせ対処結果に基づいて、前記模擬走行行動情報で第1能力境界を決定すること、
前記過去走行行動情報から、前記第1能力境界プリセット範囲での境界過去走行行動情報を取得すること、
前記境界過去走行行動情報に対応する真実対処結果を取得し、前記真実対処結果は、前記無人車が前記走行シーンで前記境界過去走行行動情報を応用して前記指標組み合わせに対応する真実対処状況を指示すること、
前記真実対処結果で前記第1能力境界を修正し、第2能力境界を得ること、及び
前記第2能力境界を、前記テスト対象である無人車の対処能力境界とすること、を含む。
【0010】
選択的に、第1様態の別の可能な実現形態において、前記プリセット走行シーンに対応するシーン特徴及び前記指標アイテムに基づいて、前記テスト対象である無人車の過去走行行動情報を取得することは、
予め記憶された前記テスト対象である無人車の予記憶走行情報を取得し、前記予記憶走行情報は予記憶運転情報及び前記予記憶運転情報に対応する予記憶環境情報を含むこと、
前記予記憶走行情報に基づいて、前記テスト対象である無人車の予記憶走行行動情報及び前記予記憶走行行動情報に対応する予記憶シーン情報を決定すること、
前記予記憶シーン情報をクラスタリングし、少なくとも1つのシーン特徴及び各前記シーン特徴に対応する前記予記憶走行行動情報を得、前記シーン特徴が同一種類の前記予記憶シーン情報の分類特徴を指示することに用いられること、
前記指標アイテムに基づいて、目標走行行動タイプを決定すること、及び
前記プリセット走行シーンに対応するシーン特徴及び前記目標走行行動タイプに基づいて、前記予記憶走行行動情報から前記テスト対象である無人車の過去走行行動情報を決定すること、を含む。
【0011】
選択的に、第1様態の別の可能な実現形態において、前記プリセット走行シーンに対応するシーン特徴及び前記指標アイテムに基づいて、前記テスト対象である無人車の過去走行行動情報を取得することの前に、
決定対象である対処能力境界情報に対応する能力タイプに基づいて、複数の指標アイテム及びプリセット走行シーンに対応するシーン特徴を決定すること、及び
前記複数の指標アイテムにおいて、1組の指標組み合わせを決定し、前記指標組み合わせが少なくとも1つの前記指標アイテムを含むこと、をさらに含む。
【0012】
選択的に、第1様態の別の可能な実現形態において、前記予記憶環境情報がタイムスタンプ情報を含み、
前記過去走行行動情報に基づいて、前記テスト対象である無人車の前記プリセット走行シーンで前記指標組み合わせに対応する対処能力境界情報を取得することの後、
前記過去走行行動情報に対応する予記憶環境情報に基づいて、前記対処能力境界情報に対応するタイムスタンプ情報を取得すること、
前記対処能力境界情報に対応するタイムスタンプ情報に基づいて、プリセットされた複数の時間周期での前記テスト対象である無人車の周期対処能力境界情報を決定し、前記時間周期が前記プリセット走行シーンの周辺の緑の植物の成長段階を指示すること、及び
前記プリセットされた複数の時間周期での前記テスト対象である無人車の周期対処能力境界情報を比較し、対処能力境界比較結果を得ること、をさらに含む。
【0013】
本発明の第2様態において、無人車の対処能力境界情報の決定装置を提供し、
1組の指標組み合わせを取得し、前記指標組み合わせがテスト対象である無人車のプリセット走行シーンに対する対処能力を評価することに用いられ、前記指標組み合わせが少なくとも1つの指標アイテム及び前記指標アイテムの予想値範囲を含む取得モジュールと、
前記プリセット走行シーンに対応するシーン特徴及び前記指標アイテムに基づいて、前記テスト対象である無人車の過去走行行動情報を取得するための値取りモジュールと、
前記過去走行行動情報に基づいて、前記テスト対象である無人車の前記プリセット走行シーンで前記指標組み合わせに対応する対処能力境界情報を取得するための処理モジュールと、を含む。
【0014】
選択的に、第2様態の1つの可能な実現形態において、処理モジュールは、具体的に、
プリセットされた自動運転模擬アルゴリズムで前記過去走行行動情報を処理し、前記プリセット走行シーンで多組の模擬走行行動情報の前記指標アイテムに対する模擬値を取得し、前記多組の模擬走行行動情報が前記過去走行行動情報を含む走行行動情報であること、各前記指標アイテムに対応する前記模擬値及び前記予想値範囲に基づいて、前記テスト対象である無人車の各前記模擬走行行動情報で各指標アイテムに対する指標対処結果を決定し、前記指標対処結果は前記模擬値が前記予想値範囲に達するかどうかを指示することに用いられること、及び前記指標組み合わせにおける各指標アイテムに対応する前記指標対処結果に基づいて、前記テスト対象である無人車の前記プリセット走行シーンで前記指標組み合わせに対応する対処能力境界情報を決定すること、に用いられる。
【0015】
選択的に、第2様態の別の可能な実現形態において、処理モジュールは、具体的に、
前記指標組み合わせにおける各指標アイテムに対応する前記指標対処結果に基づいて、前記模擬走行行動情報の前記指標組み合わせに対応する組み合わせ対処結果を決定すること、前記模擬走行行動情報の前記指標組み合わせに対応する組み合わせ対処結果に基づいて、前記模擬走行行動情報で対処能力境界を決定し、前記対処能力境界は、前記模擬走行行動情報を、対処成功と指示する組み合わせ対処結果に対応する第1種類の模擬走行行動情報、及び対処失敗と指示する組み合わせ対処結果に対応する第2種類の模擬走行行動情報に分けること、及び前記対処能力境界に対応する模擬走行行動情報を、前記テスト対象である無人車の前記プリセット走行シーンで前記指標組み合わせに対応する対処能力境界情報とすること、に用いられる。
【0016】
選択的に、第2様態の別の可能な実現形態において、処理モジュールは、具体的に、
前記模擬走行行動情報の前記指標組み合わせに対応する組み合わせ対処結果に基づいて、前記模擬走行行動情報で第1能力境界を決定すること、前記過去走行行動情報から、前記第1能力境界プリセット範囲での境界過去走行行動情報を取得すること、前記境界過去走行行動情報に対応する真実対処結果を取得し、前記真実対処結果は、前記無人車が前記走行シーンで前記境界過去走行行動情報を応用して前記指標組み合わせに対応する真実対処状況を指示すること、前記真実対処結果で前記第1能力境界を修正し、第2能力境界を得ること、及び前記第2能力境界を、前記テスト対象である無人車の対処能力境界とすること、に用いられる。
【0017】
選択的に、第2様態の別の可能な実現形態において、値取りモジュールは、具体的に、
予め記憶された前記テスト対象である無人車の予記憶走行情報を取得し、前記予記憶走行情報は予記憶運転情報及び前記予記憶運転情報に対応する予記憶環境情報を含むこと、前記予記憶走行情報に基づいて、前記テスト対象である無人車の予記憶走行行動情報及び前記予記憶走行行動情報に対応する予記憶シーン情報を決定すること、前記予記憶シーン情報をクラスタリングし、少なくとも1つのシーン特徴及び各前記シーン特徴に対応する前記予記憶走行行動情報を得、前記シーン特徴が同一種類の前記予記憶シーン情報の分類特徴を指示することに用いられること、前記指標アイテムに基づいて、目標走行行動タイプを決定すること、及び前記プリセット走行シーンに対応するシーン特徴及び前記目標走行行動タイプに基づいて、前記予記憶走行行動情報から前記テスト対象である無人車の過去走行行動情報を決定すること、に用いられる。
【0018】
選択的に、第2様態の別の可能な実現形態において、値取りモジュールは、前記前記プリセット走行シーンに対応するシーン特徴及び前記指標アイテムに基づいて、前記テスト対象である無人車の過去走行行動情報を取得する前に、更に、
決定対象である対処能力境界情報に対応する能力タイプに基づいて、複数の指標アイテム及びプリセット走行シーンに対応するシーン特徴を決定すること、及び前記複数の指標アイテムにおいて、1組の指標組み合わせを決定し、前記指標組み合わせが少なくとも1つの前記指標アイテムを含むこと、に用いられる。
【0019】
選択的に、第2様態の別の可能な実現形態において、前記予記憶環境情報がタイムスタンプ情報を含む。
【0020】
処理モジュールは、前記前記過去走行行動情報に基づいて、前記テスト対象である無人車の前記プリセット走行シーンで前記指標組み合わせに対応する対処能力境界情報を取得した後、更に、
前記過去走行行動情報に対応する予記憶環境情報に基づいて、前記対処能力境界情報に対応するタイムスタンプ情報を取得すること、前記対処能力境界情報に対応するタイムスタンプ情報に基づいて、プリセットされた複数の時間周期での前記テスト対象である無人車の周期対処能力境界情報を決定し、前記時間周期が前記プリセット走行シーンの周辺の緑の植物の成長段階を指示すること、及び前記プリセットされた複数の時間周期での前記テスト対象である無人車の周期対処能力境界情報を比較し、対処能力境界比較結果を得ること、に用いられる。
【0021】
本発明の第3様態において、電子機器を提供し、メモリ、プロセッサ及びコンピュータプログラムを含み、前記コンピュータプログラムが前記メモリに記憶され、前記プロセッサは前記コンピュータプログラムを運行して本発明の第1様態及第1様態の各種の可能な設計における前記無人車の対処能力境界情報の決定方法を実行する。
【0022】
本発明の第4様態によれば、読み取り可能な記憶媒体を提供し、前記読み取り可能な記憶媒体にはコンピュータプログラムが記憶され、前記コンピュータプログラムはプロセッサで実行される時本発明の第1様態及第1様態の各種の可能な設計における前記無人車の対処能力境界情報の決定方法を実現することに用いられる。
【発明の効果】
【0023】
本発明による無人車の対処能力境界情報の決定方法、装置及び電子機器は、1組の指標組み合わせを取得し、前記指標組み合わせがテスト対象である無人車のプリセット走行シーンに対する対処能力を評価することに用いられ、前記指標組み合わせが少なくとも1つの指標アイテム及び前記指標アイテムの予想値範囲を含むこと、前記プリセット走行シーンに対応するシーン特徴及び前記指標アイテムに基づいて、前記テスト対象である無人車の過去走行行動情報を取得すること、及び前記過去走行行動情報に基づいて、前記テスト対象である無人車の前記プリセット走行シーンで前記指標組み合わせに対応する対処能力境界情報を取得することにより、無人車のテスト対象である指標組み合わせに対する対処能力境界を実現し、無人車の性能欠陥を柔軟に発掘することができ、これにより無人車テストの正確さ及び適切性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】本発明の実施例による応用シーンの模式図である。
【
図2】本発明の実施例による無人車の対処能力境界情報の決定方法のプロセス模式図である。
【
図3】本発明の実施例による安全タイプ対処能力の指標組み合わせに対応する対処能力境界の例示である。
【
図4】本発明の実施例による
図2におけるステップS103の1種類の選択可能な方法のプロセス模式図である。
【
図5】本発明の実施例による他の無人車の対処能力境界情報の決定方法のプロセス模式図である。
【
図6】本発明の実施例による無人車の対処能力境界情報の決定装置の構造模式図である。
【
図7】本発明の実施例による電子機器のハードウェアの構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明の実施例の目的、技術的解決手段、利点をより明瞭にするために、以下、本発明の実施例に係る図面を参照しながら、その技術的解決手段について明瞭、かつ完全に説明し、当然のことながら、記載される実施例は本発明の実施例の一部に過ぎず、全ての実施例ではない。当業者が、本発明の実施例に基づいて創造的な労働をすることなく想到するその他の実施例は、いずれも本発明の保護範囲に属する。
【0026】
本発明の明細書、特許請求の範囲及び上記図面における用語「第1」、「第2」など(存在する場合)は類似した対象を区別するためのものであり、必ずしも特定の順番又は優先順位を説明すると限らない。なお、ここで説明される本願の実施例が例えばここで図示又は説明される順番以外の順番に従って実施できるように、このように使用されるデータは適宜の場合に交換されてもよい。
【0027】
なお、本発明の様々な実施例において、上記各過程の番号は実行順序の前後を意味しなく、各過程の実行順序はその機能及び組み込み論理により決定されるべきであり、本発明の実施例の実施過程を制限しない。
【0028】
なお、本発明において、「含む」、「有する」及びこれらの任意の変形は、非排他的な包含をカバーすることを意図し、例えば、一連のステップ又はユニットを含むプロセス、方法、システム、製品又は機器は必ずしも明確に挙げられたステップ又はユニットに制限されるものではなく、明確に挙げられていない又はこれらのプロセス、方法、製品又は機器に固有のほかのステップ又はユニットを含んでもよい。
【0029】
なお、本発明において、「複数」とは、2つ又は2つ以上のものであり、「及び/又は」は、単に関連オブジェクトを説明するための関連関係であり、三種の関係が存在してよいことを示し、例えば、A及び/又はBは、単独にAが存在し、同時にAとBが存在し、単独にBが存在するという三種の場合を示す。キャラクター「/」は、一般的に前後関連オブジェクトが「又は」の関係であることを示す。「A、B及びCを含む」、「A、B、Cを含む」とはA、B、Cをすべて含み、「A、B又はCを含む」とはA、B、Cの中のいずれかを含み、「A、B及び/又はCを含む」とはA、B、Cの中の任意の1つ又は任意の2つ又は3つを含む。
【0030】
なお、本発明において、「Aに対応するB」、「Aに相互対応するB」、「AがBに対応する」、又は「BがAに対応する」とはBがAに関連すると示され、AによってBを決定することができる。AによってBを決定することは単にAによってBを決定することを意味せず、更にA及び/又はその他の情報によってBを決定することができる。AとBのマッチングは、AとBの類似性がプリセットされた閾値以上であることである。
【0031】
文脈に応じて、本明細書で使用される「…と」は、「…時」または「…場合」または「決定に応答して」または「テストに応答して」と解釈されてもよい。
【0032】
以下、具体的な実施例で本発明の技術的解決手段を詳しく説明する。以下、このいくつかの具体的な実施例を互いに組み合わせてよく、同一又は類似の概念又はプロセスについていくつかの実施例には繰り返して説明しない可能性がある。
【0033】
なお、本発明において、「縦方向」とは無人車の前後方向であり、車のテールから車のヘッドまでの方向であると理解することができ、例えば縦方向距離とは無人車が前へ直線走行するか又は後へ直線走行後進する直線走行変位である。それに対して、「横方向」とは無人車の左右方向であり、車両の両側からの方向と理解することができ、例えば横方向距離とは無人車が走行過程において発生した横変位である。
【0034】
図1を参照すると、
図1は本発明の実施例による応用シーンの模式図である。
図1に示す応用シーンにおいて、無人車2は同じモデルの無人運転機能を有する車両と理解されることができ、複数の無人車2は基地局3によってそれぞれの収集されたデータをサーバ1にアップロードする。
図1に示す無人車2は車載無人運転システム、又は車両制御システムに接続されたクライアントと理解されることができる。無人車2はテスト車両であってもよいし、実際に使われている車両であってもよい。例えば、実際に使われている無人車2はユーザへ長期最適化計画に参加するかどうかの問い合わせ情報を表示し、ユーザが参加を選択すると、無人車は自分で収集された非ユーザプライバシーのデータをサーバ1にアップロードする。無人車2は自動運転の過程において各種のデータ、例えば自分と先行車との相対距離、自己走行速度、道路のでこぼこ度等のデータを収集する。無人車2は周期的又はリアルタイムで収集されたデータをサーバ1にアップロードする。サーバ1は、無人車メーカーで提供されたサーバ、又はインテリジェントシステムのサプライヤーで提供されたサーバであると理解されることができ、各無人車2で収集されたデータを収集して、以下の各種の実施例におけるステップを実行することに用いられる。サーバ1は各種の需要によって無人車2の対処能力境界情報を決定し、対応する改善開発または構成情報の最適化を行うように無人車2の潜在的な性能欠陥を発掘する。
【0035】
図2を参照すると、
図2は本発明の実施例による無人車の対処能力境界情報の決定方法のプロセス模式図であり、
図2に示す方法の実行主体はソフトウェア及び/又はハードウェア装置であってよい。以下、本発明の実施例における各種の可能な実現形態を解釈して説明するように、サーバを実行主体とする例を挙げる。
図2に示す方法は主にステップS101~ステップS103を含み、具体的に以下の通りである。
【0036】
S101は、1組の指標組み合わせを取得し、前記指標組み合わせはテスト対象である無人車のプリセット走行シーンに対する対処能力を評価することに用いられ、前記指標組み合わせが少なくとも1つの指標アイテム及び前記指標アイテムの予想値範囲を含む。
【0037】
テストプロジェクトの需要又はユーザが提出した改善する必要がある性能により、1組の指標組み合わせを選択すると理解されることができる。例えばメンテナンススタッフは車両故障メンテナンス記録により統計して分析し、
図1に示す無人車2の先行車の減速による追突事故の確率を低下し難いと発見し、このため、無人車2の先行車減速走行シーンでの対処能力境界を評価する必要がある。先行車減速走行シーンでの対処能力に対応する指標は多種の組み合わせを有する可能性があり、以下の3つの指標の組み合わせを含んでよい。
車両衝突時間(time to collision、TTCと略称)が2sよりも大きいこと、停車後の両車の距離が2mよりも大きいこと、縦方向の加速度が-4m/s
2以上且つ4m/s
2以下であること、を含んでよい。
【0038】
そのうち、指標アイテムは前記のTTC、停車後の両車の距離、縦方向の加速度であり、各指標アイテムの予想値範囲はそれぞれ前記の「2sより大きい」、「2mより大きい」、「-4m/s2以上且つ4m/s2以下」である。
【0039】
選択的に、プリセット走行シーンは、例えば先行車減速シーン、歩行者道路横断シーン、先行車合流後減速シーン、車線変更合流シーン、フォローシーン、交差点で左に曲がるシーン、交差点で右に曲がるシーン、交差点Uターンシーン等であってよい。各種の走行シーンがすべて多種の指標アイテムに対応し、更にテスト評価目的、即ち決定する必要があるどの対処能力の境界情報に基づいて、走行シーンにすべて対応する指標アイテムから指標組み合わせを選択する。
【0040】
テスト評価目的が異なることによって、選択された指標組み合わせも異なる。上記指標組み合わせの選択は、異なるタイプの対処能力によって決定されてよく、対処能力のタイプは例えば、安全タイプ対処能力、快適タイプ対処能力及び効率的なトラフィックタイプ対処能力に分けられることができる。安全タイプ対処能力に対応する選択可能な指標アイテムは、例えばTTC、車間時間(time headway、THWと略称)及びポスト侵犯時間(Post Encroachment Time、と略称PET)等であってよい。快適タイプ対処能力に対応する選択可能な指標アイテムは、例えば縦加速度、横加速度、横方向移動距離及び縦方向移動距離であってよい。効率的なトラフィックタイプ対処能力に対応する選択可能な指標アイテムは、例えば不合理な停滞及び不合理な譲りであってよい。
【0041】
S102は、前記プリセット走行シーンに対応するシーン特徴及び前記指標アイテムに基づいて、前記テスト対象である無人車の過去走行行動情報を取得する。
【0042】
具体的には、サーバは、まず自己で予め記憶されたテスト対象である無人車の予記憶走行情報を取得してよく、前記予記憶走行情報は予記憶運転情報及びそれに対応する予記憶環境情報を含む。テスト対象である無人車は、
図1に示す応用シーンにおける無人車2と同じモデルの車両、即ち車両ソフトウェアハードウェアの環境が一致すると理解されることができる。予記憶走行情報は、
図1に示す応用シーンにおいて無人車2が収集してサーバ1にアップロードしたデータであると理解されることができる。予記憶運転情報は例えばテスト対象である無人車で収集された自動操作におけるスロットル開度、クラッチ状態、ハンドル回転角及びライト点滅制御等の運転データに関する情報である。予記憶環境情報は例えばテスト対象である無人車で収集された自動走行過程における道路のでこぼこ係数、天気データ、先行車走行情報及び信号機指示情報等に関する環境データである。
【0043】
予記憶走行情報は車両自己の運転操作及び周囲環境の状況を反映し、サーバは、更に前記予記憶走行情報に基づいて、前記テスト対象である無人車の予記憶走行行動情報及び前記予記憶走行行動情報に対応する予記憶シーン情報を決定する。例えばスロットル開度、クラッチ状態の上で、道路でこぼこ係数及び天気データを組み合わせて、無人車の走行速度情報を決定することができ、更にハンドル回転角を組み合わせて、旋回速度、旋回加速度を決定することができ、予記憶走行行動情報を得る。更に例えば先行車走行情報によって先行車減速情報を得て、これにより予記憶シーン情報が1種の先行車減速シーンを指示する情報であることを決定する。予記憶走行行動情報及び予記憶シーン情報は予記憶走行情報と予めバインディングして記憶されたものであってよい。
【0044】
サーバは、前記予記憶シーン情報をクラスタリングし、少なくとも1つのシーン特徴及び各前記シーン特徴に対応する前記予記憶走行行動情報を得、前記シーン特徴は同一種類の前記予記憶シーン情報の分類特徴を指示することに用いられる。例えば先行車減速加速度が-4m/s2、-4.5m/s2、-5m/s2、-6m/s2の4種の予記憶シーン情報を1種類に分けて、すべて先行車減速シーンとし、シーン特徴は番号079又は「先行車減速」であってよく、本実施例はこれを限定しない。これにより、サーバで予め記憶されたデータにおいて、予記憶走行行動情報はシーン特徴と対応関係を有する。
【0045】
そして、サーバは、前記指標アイテムに基づいて、目標走行行動タイプを決定し、且つ前記プリセット走行シーンに対応するシーン特徴及び前記目標走行行動タイプに基づいて、前記予記憶走行行動情報から前記テスト対象である無人車の過去走行行動情報を決定する。異なる指標アイテムが異なる走行行動タイプに対応する可能性があるので、例えば停車後の人車間の距離指標は、走行行動「先行車との相対速度」と関係ないと理解されることができる。このため、まず、指標アイテムで選択範囲を減少し、目標走行行動タイプを得、そしてシーン特徴で更にスクリーニングし、サーバが次に使用する必要とするテスト対象である無人車の過去走行行動情報を得る。
【0046】
選択的に、前記ステップS102(前記プリセット走行シーンに対応するシーン特徴及び前記指標アイテムに基づいて、前記テスト対象である無人車の過去走行行動情報を取得する)の前に、以下の指標組み合わせを決定する過程を更に含んでよい。まず、決定対象である対処能力境界情報に対応する能力タイプに基づいて、複数の指標アイテム及びプリセット走行シーンに対応するシーン特徴を決定し、そして、前記複数の指標アイテムにおいて、1組の指標組み合わせを決定し、前記指標組み合わせが少なくとも1つの前記指標アイテムを含む。例えば各種の能力タイプが複数の指標アイテム及びシーン特徴とバインディングし、決定対象である対処能力境界情報に対応する能力タイプにバインディングする前記複数の指標アイテム及びシーン特徴を取得する。前記複数の指標アイテムにおいて、1組の指標組み合わせを決定する具体的な形態は、予記憶データの精度率、指標アイテムと能力タイプとの関連性等に基づいて選択されてよい。
【0047】
S103は、前記過去走行行動情報に基づいて、前記テスト対象である無人車の前記プリセット走行シーンで前記指標組み合わせに対応する対処能力境界情報を取得する。
【0048】
過去走行行動情報に基づいて指標組み合わせにおける各指標アイテムを計算し、1つの指標組み合わせにおけるすべての指標アイテムに対して対応する予想値範囲に達することができると、テスト対象である無人車が該過去走行行動情報を応用する時該指標組み合わせを対処することができると認められると理解されることができる。例えば安全タイプ対処能力の指標組み合わせAに対して、それは指標アイテムA1、A2、A3を含むと、A1、A2、A3を同時に満たす時対処できると決定される。これにより、多組の過去走行行動情報で自動運転模擬を行い、対処可能と対処不能の複数の結果を得、複数の対処可能と対処不能の結果においてテスト対象である無人車指標組み合わせAの対処能力境界情報を決定する。
図3を参照すると、
図3は、本発明の実施例による安全タイプ対処能力の指標組み合わせに対応する対処能力境界の例示である。
図3において横座標と縦座標はすべて過去走行行動情報であり、チェック座標点は該点に対応する過去走行行動情報を採用する時、テスト対象である無人車対処成功の結果を得ることを示し、それに対して、クロス座標点は該点に対応する過去走行行動情報を採用する時、テスト対象である無人車対処失敗の結果を得ることを示す。
図3から分かるように、より多い組の過去走行行動情報を採用して自動運転模擬を行うと、より多い対処可能又は対処不能の結果を得ることができ、更にこれらの結果においてより正確的な対処能力境界及び対処能力境界情報を取得することができる。
図3は二次元の過去走行行動情報を例としたが、3次元又は3次元以上の過去走行行動情報であってもよく、境界分けの原理が似ているので、以下、図面で示さない。
【0049】
図4を参照すると、
図4は本発明の実施例による
図2におけるステップS103の1種類の選択可能な方法のプロセス模式図である。上記ステップS103をより明確に説明するために、以下、
図4及び具体的な実施例を組み合わせてそれを説明する。
図4に示す方法はステップS201~ステップS203を主に含み、具体的に以下の通りである。
【0050】
S201は、プリセットされた自動運転模擬アルゴリズムで前記過去走行行動情報を処理し、前記プリセット走行シーンで多組の模擬走行行動情報の前記指標アイテムに対する模擬値を取得し、前記多組の模擬走行行動情報は前記過去走行行動情報を含む走行行動情報である。
【0051】
まず、少量の過去走行行動情報に補間処理を行い、過去走行行動情報の数よりも多い前記多組の模擬走行行動情報を得ると理解されることができる。そして、模擬走行行動情報で自動運転模擬を行って前記指標アイテムに対する模擬値を得る。プリセットされた自動運転模擬アルゴリズムは従来の各種類の自動運転モデルで実行する任意の方法と認められ、入力としての模擬走行行動情報以外、他の使用可能な車両パラメータはプリセット値で設定されてよく、ここで、本実施例はそれらをすべて限定しない。例えば模擬走行行動情報は本車速度40m/s、縦方向の加速度30m/s2、相対距離85m、先行車縦方向の加速度-4m/s2であり、模擬して得られたTTC指標アイテム模擬値が3sである。
【0052】
S202は、各前記指標アイテムに対応する前記模擬値及び前記予想値範囲に基づいて、前記テスト対象である無人車の各前記模擬走行行動情報で各指標アイテムに対する指標対処結果を決定し、前記指標対処結果は前記模擬値が前記予想値範囲に達するかどうかを指示することに用いられる。
【0053】
例えば指標組み合わせにはTTC指標アイテムのみを含み、且つその予想値範囲が2sより大きい。前のステップで模擬して得られたTTC指標アイテム模擬値が3sであり、このため、テスト対象である無人車が模擬走行行動情報(40m/s、30m/s
2、85m、-4m/s
2)でTTC指標アイテムに対する指標対処結果は対処成功であることを決定することができる。模擬走行行動情報で確立された多次元座標系において、該点(40m/s、30m/s
2、85m、-4m/s
2)が対処成功に対応し、その座標系での表現は
図3におけるチェック座標点の例を参照することができると理解されることができる。逆に、他の組の模擬走行行動情報で得られたTTC指標アイテム模擬値が2s以下であると、該点が対処失敗であり、その座標系での表現が
図3におけるクロス座標点の例示を参照してもよい。
【0054】
S203は、前記指標組み合わせにおける各指標アイテムに対応する前記指標対処結果に基づいて、前記テスト対象である無人車の前記プリセット走行シーンで前記指標組み合わせに対応する対処能力境界情報を決定する。
【0055】
前のステップで座標系におけるチェッククロス図を得た後、チェック座標点とクロス座標点の分布に基づいて、そのうちに1つの対処能力境界を決定することができる。座標系で得られた対処能力境界に基づいて、対処能力境界情報を取得する。対処能力境界情報は例えば対処能力境界での座標値及びその得られた指標アイテムの模擬値である。
【0056】
ステップS203(前記指標組み合わせにおける各指標アイテムに対応する前記指標対処結果に基づいて、前記テスト対象である無人車の前記プリセット走行シーンで前記指標組み合わせに対応する対処能力境界情報を決定する)における1つの実現形態として、具体的には以下の通りであって良い。
【0057】
まず、前記指標組み合わせにおける各指標アイテムに対応する前記指標対処結果に基づいて、前記模擬走行行動情報の前記指標組み合わせに対応する組み合わせ対処結果を決定する。例えば、前記模擬走行行動情報が1つの指標組み合わせにおける各指標アイテムに対してすべて対処成功である時、前記模擬走行行動情報が該指標組み合わせに対して対処成功であることを決定し、1つの指標アイテムのみに対して対処失敗であると、前記模擬走行行動情報が該指標組み合わせに対して対処失敗であると決定する。いずれかの指標アイテムに対する対処結果又は指標組み合わせに対する組み合わせ対処結果は、すべて
図3に示す座標系チェッククロス図で示されることができる。
【0058】
そして、前記模擬走行行動情報の前記指標組み合わせに対応する組み合わせ対処結果に基づいて、前記模擬走行行動情報で対処能力境界を決定する。前記対処能力境界は、前記模擬走行行動情報を、対処成功と指示する組み合わせ対処結果に対応する第1種類の模擬走行行動情報、及び対処失敗と指示する組み合わせ対処結果に対応する第2種類の模擬走行行動情報に分ける。例えば
図3に示すチェック座標点が第1種類の模擬走行行動情報に対応し、クロス座標点が第2種類の模擬走行行動情報に対応する。具体的には、前記模擬走行行動情報の前記指標組み合わせに対応する組み合わせ対処結果に基づいて、前記模擬走行行動情報で第1能力境界を決定してよい。第1能力境界は理論値の境界と認められてよく、直接に対処能力境界としてもよいし、真実値で補正した後対処能力境界を取得してもよい。真実値で補正する過程は、主に前記過去走行行動情報から、前記第1能力境界プリセット範囲での境界過去走行行動情報を取得することを含む。第1能力境界付近の値を取得すると理解されることができる。そして、前記境界過去走行行動情報に対応する真実対処結果を取得し、前記真実対処結果は、前記無人車が前記走行シーンで前記境界過去走行行動情報を応用して前記指標組み合わせに対応する真実対処状況を指示する。真実対処結果は道路実際検出データと理解されることができる。前記真実対処結果で前記第1能力境界を修正し、第2能力境界を得る。前記第2能力境界を、前記テスト対象である無人車の対処能力境界とする。本実施例において真実対処結果で能力境界を修正することにより、対処能力境界の正確さを向上させることができる。
【0059】
最後に、前記対処能力境界に対応する模擬走行行動情報を、前記テスト対象である無人車の前記プリセット走行シーンで前記指標組み合わせに対応する対処能力境界情報とする。対処能力境界に対応する座標点情報及び対応する各指標アイテムの対処結果を取得すると理解されることができる。
【0060】
本実施例による無人車の対処能力境界情報の決定方法、装置及び電子機器は、1組の指標組み合わせを取得し、前記指標組み合わせがテスト対象である無人車のプリセット走行シーンに対する対処能力を評価することに用いられ、前記指標組み合わせが少なくとも1つの指標アイテム及び前記指標アイテムの予想値範囲を含むこと、前記プリセット走行シーンに対応するシーン特徴及び前記指標アイテムに基づいて、前記テスト対象である無人車の過去走行行動情報を取得すること、及び前記過去走行行動情報に基づいて、前記テスト対象である無人車の前記プリセット走行シーンで前記指標組み合わせに対応する対処能力境界情報を取得することにより、無人車のテスト対象である指標組み合わせに対する対処能力境界を実現し、無人車の性能欠陥を柔軟に発掘することができ、これにより無人車テストの正確さ及び適切性を向上させることができる。
【0061】
上記実施例のうえで、前記予記憶環境情報はタイムスタンプ情報を含んでよい。
【0062】
図5を参照すると、
図5は本発明の実施例による他の無人車の対処能力境界情報の決定方法のプロセス模式図である。周囲植生の成長状況がテスト対象である無人車の対処能力境界に対する影響状況を評価するために、ステップS103(前記過去走行行動情報に基づいて、前記テスト対象である無人車の前記プリセット走行シーンで前記指標組み合わせに対応する対処能力境界情報を取得する)の後、以下のステップS104~S106を更に含んでよい。
【0063】
S104は、前記過去走行行動情報に対応する予記憶環境情報に基づいて、前記対処能力境界情報に対応するタイムスタンプ情報を取得する。
【0064】
タイムスタンプ情報は過去走行行動情報のアップロード時間点と理解されることができ、例えばテスト対象である無人車が自己のデータを取得して且つサーバにリアルタイムにアップロードし、アップロードすると同時に各データにすべてタイムスタンプ情報を添付する。
【0065】
S105は、前記対処能力境界情報に対応するタイムスタンプ情報に基づいて、プリセットされた複数の時間周期での前記テスト対象である無人車の周期対処能力境界情報を決定し、前記時間周期は前記プリセット走行シーンの周辺の緑の植物の成長段階を指示する。
【0066】
仮に一年間においてプリセット走行シーンの周辺の緑の植物の成長段階が葉の段階及び落葉段階という2つの段階に分けられる。落葉段階において発生した落葉はテスト対象である無人車の検出された環境情報に対して未知の影響を引き起こす可能性があるので、この2つの段階に対してそれぞれ周期対処能力境界情報を得ることができると理解されることができる。
【0067】
S106は、前記プリセットされた複数の時間周期での前記テスト対象である無人車の周期対処能力境界情報を比較し、対処能力境界比較結果を得る。
【0068】
例えば、上記葉の段階と落葉段階に対応する周期対処能力境界情報を抽出して、比較して、得られた能力境界比較結果は植生の成長がテスト対象である無人車の対処能力に対する影響を反映する。
【0069】
図6を参照すると、
図6は本発明の実施例による無人車の対処能力境界情報の決定装置の構造模式図である。
図6に示す無人車の対処能力境界情報の決定装置60は、主に、
1組の指標組み合わせを取得し、前記指標組み合わせがテスト対象である無人車のプリセット走行シーンに対する対処能力を評価することに用いられ、前記指標組み合わせが少なくとも1つの指標アイテム及び前記指標アイテムの予想値範囲を含む取得モジュール61と、
前記プリセット走行シーンに対応するシーン特徴及び前記指標アイテムに基づいて、前記テスト対象である無人車の過去走行行動情報を取得するための値取りモジュール62と、
前記過去走行行動情報に基づいて、前記テスト対象である無人車の前記プリセット走行シーンで前記指標組み合わせに対応する対処能力境界情報を取得するための処理モジュール63と、を含む。
【0070】
図6に示す実施例の無人車の対処能力境界情報の決定装置は対応的に
図2に示す方法の実施例におけるステップを実行することに用いられることができ、その実現原理と技術的効果は似ているので、ここで繰り返して説明しない。
【0071】
選択的に、処理モジュール63は、具体的に、
プリセットされた自動運転模擬アルゴリズムで前記過去走行行動情報を処理し、前記プリセット走行シーンで多組の模擬走行行動情報の前記指標アイテムに対する模擬値を取得し、前記多組の模擬走行行動情報が前記過去走行行動情報を含む走行行動情報であること、各前記指標アイテムに対応する前記模擬値及び前記予想値範囲に基づいて、前記テスト対象である無人車の各前記模擬走行行動情報で各指標アイテムに対する指標対処結果を決定し、前記指標対処結果は前記模擬値が前記予想値範囲に達するかどうかを指示することに用いられること、及び前記指標組み合わせにおける各指標アイテムに対応する前記指標対処結果に基づいて、前記テスト対象である無人車の前記プリセット走行シーンで前記指標組み合わせに対応する対処能力境界情報を決定すること、に用いられる。
【0072】
選択的に、処理モジュール63は、具体的に、
前記指標組み合わせにおける各指標アイテムに対応する前記指標対処結果に基づいて、前記模擬走行行動情報の前記指標組み合わせに対応する組み合わせ対処結果を決定すること、前記模擬走行行動情報の前記指標組み合わせに対応する組み合わせ対処結果に基づいて、前記模擬走行行動情報で対処能力境界を決定し、前記対処能力境界は、前記模擬走行行動情報を、対処成功と指示する組み合わせ対処結果に対応する第1種類の模擬走行行動情報、及び対処失敗と指示する組み合わせ対処結果に対応する第2種類の模擬走行行動情報に分けること、及び前記対処能力境界に対応する模擬走行行動情報を、前記テスト対象である無人車の前記プリセット走行シーンで前記指標組み合わせに対応する対処能力境界情報とすること、に用いられる。
【0073】
選択的に、処理モジュール63は、具体的に、
前記模擬走行行動情報の前記指標組み合わせに対応する組み合わせ対処結果に基づいて、前記模擬走行行動情報で第1能力境界を決定すること、前記過去走行行動情報から、前記第1能力境界プリセット範囲での境界過去走行行動情報を取得すること、前記境界過去走行行動情報に対応する真実対処結果を取得し、前記真実対処結果は、前記無人車が前記走行シーンで前記境界過去走行行動情報を応用して前記指標組み合わせに対応する真実対処状況を指示すること、前記真実対処結果で前記第1能力境界を修正し、第2能力境界を得ること、及び前記第2能力境界を、前記テスト対象である無人車の対処能力境界とすること、に用いられる。
【0074】
選択的に、値取りモジュール62は、具体的に、
予め記憶された前記テスト対象である無人車の予記憶走行情報を取得し、前記予記憶走行情報は予記憶運転情報及び前記予記憶運転情報に対応する予記憶環境情報を含むこと、前記予記憶走行情報に基づいて、前記テスト対象である無人車の予記憶走行行動情報及び前記予記憶走行行動情報に対応する予記憶シーン情報を決定すること、前記予記憶シーン情報をクラスタリングし、少なくとも1つのシーン特徴及び各前記シーン特徴に対応する前記予記憶走行行動情報を得、前記シーン特徴が同一種類の前記予記憶シーン情報の分類特徴を指示することに用いられること、前記指標アイテムに基づいて、目標走行行動タイプを決定すること、及び前記プリセット走行シーンに対応するシーン特徴及び前記目標走行行動タイプに基づいて、前記予記憶走行行動情報から前記テスト対象である無人車の過去走行行動情報を決定すること、に用いられる。
【0075】
選択的に、値取りモジュール62は、前記プリセット走行シーンに対応するシーン特徴及び前記指標アイテムに基づいて、前記テスト対象である無人車の過去走行行動情報を取得する前に、更に、
決定対象である対処能力境界情報に対応する能力タイプに基づいて、複数の指標アイテム及びプリセット走行シーンに対応するシーン特徴を決定すること、及び前記複数の指標アイテムにおいて、1組の指標組み合わせを決定し、前記指標組み合わせが少なくとも1つの前記指標アイテムを含むこと、に用いられる。
【0076】
選択的に、前記予記憶環境情報はタイムスタンプ情報を含む。
【0077】
処理モジュール63は、前記過去走行行動情報に基づいて、前記テスト対象である無人車の前記プリセット走行シーンで前記指標組み合わせに対応する対処能力境界情報を取得した後、更に、
前記過去走行行動情報に対応する予記憶環境情報に基づいて、前記対処能力境界情報に対応するタイムスタンプ情報を取得すること、前記対処能力境界情報に対応するタイムスタンプ情報に基づいて、プリセットされた複数の時間周期での前記テスト対象である無人車の周期対処能力境界情報を決定し、前記時間周期が前記プリセット走行シーンの周辺の緑の植物の成長段階を指示すること、及び前記プリセットされた複数の時間周期での前記テスト対象である無人車の周期対処能力境界情報を比較し、対処能力境界比較結果を得ること、に用いられる。
【0078】
図7を参照すると、
図7は本発明の実施例による電子機器のハードウェアの構造模式図である。該電子機器70は、プロセッサ71、メモリ72及びコンピュータプログラムを含み、
メモリ72は、前記コンピュータプログラムを記憶し、該メモリは更にフラッシュメモリ(flash)であってよい。前記コンピュータプログラムは例えば上記方法を実現するアプリケーション、機能モジュール等である。
【0079】
プロセッサ71は、前記メモリに記憶されたコンピュータプログラムを実行して、上記方法において電子機器が実行する各ステップを実現することに用いられる。具体的には上記方法の実施例における関連説明を参照してよい。
【0080】
選択的に、メモリ72は独立的なものであってもよいし、プロセッサ71と一体に集積されてもよい。
【0081】
前記メモリ72はプロセッサ71以外の独立的な機器である場合、前記電子機器は、
前記メモリ72とプロセッサ71とを接続するためのバス73を更に含んでもよい。本発明は読み取り可能な記憶媒体を更に提供し、前記読み取り可能な記憶媒体にはコンピュータプログラムが記憶され、前記コンピュータプログラムはプロセッサで実行される時上記の各種の実施形態で提供された方法を実現することに用いられる。
【0082】
読み取り可能な記憶媒体はコンピュータ記憶媒体であってもよいし、通信媒体であってもよい。通信媒体はある場所から別の場所へのコンピュータプログラムの伝送を容易にする任意の媒体を含む。コンピュータ記憶媒体は汎用又は特殊用途のコンピュータによってアクセスできる任意の利用可能な媒体であってよい。例えば、読み取り可能な記憶媒体はプロセッサに結合されており、それによりプロセッサが該読み取り可能な記憶媒体から情報を読み取り、該読み取り可能な記憶媒体に情報を書き込むことができる。当然のことながら、読み取り可能な記憶媒体はプロセッサの構成部分であってもよい。プロセッサと読み取り可能な記憶媒体は特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuits、ASICと略称)に配置されてよい。また、該ASICはユーザ機器に位置してよい。当然のことながら、プロセッサ及び読み取り可能な記憶媒体は分離された部品として通信機器に存在してもよい。読み取り可能な記憶媒体は読み取り専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、CD-ROM、テープ、フロッピーディスク及び光データ記憶機器等であってよい。
【0083】
本発明はプログラム製品を更に提供し、該プログラム製品は実行命令を含み、該実行命令は読み取り可能な記憶媒体に記憶される。機器の少なくとも1つのプロセッサは読み取り可能な記憶媒体から該実行命令を読み取ることができ、少なくとも1つのプロセッサが該実行命令を実行することにより、機器に上記の各種の実施形態で提供された方法を実施させる。
【0084】
上記電子機器の実施例において、プロセッサは中央処理ユニット(英語:Central Processing Unit、CPUと略称)であってもよく、他の汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(英語:Digital Signal Processor、DSPと略称)、特定用途向け集積回路(英語:Application Specific Integrated Circuit、ASICと略称)等であってもよいと理解されるべきである。汎用プロセッサはマイクロプロセッサであってもよく、又は該プロセッサは任意の従来のプロセッサ等であってもよい。本発明に開示された方法を組み合わせるステップは、ハードウェアプロセッサの実行、又はプロセッサにおけるハードウェア及びソフトウェアモジュールの組み合わせの実行により完了されると直接具体化されることができる
【0085】
最後に説明すべきものとして、以上の各実施例は、本発明の技術的解決手段を説明するためのものであって、これを制限するものではなく、前述の各実施例を参照しながら本発明について詳細に説明したが、当業者であれば、依然として前述の各実施例に記載の技術的解決手段を修正するか、又はそのうちの一部又は全ての技術的特徴に対して同等置換を行うことができ、これらの修正又は置換は、対応する技術的解決手段の本質を本発明の各実施例の技術的解決手段の範囲から逸脱しないと理解すべきである。