(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-02
(45)【発行日】2022-03-10
(54)【発明の名称】食器かご
(51)【国際特許分類】
A47G 23/00 20060101AFI20220303BHJP
A47L 15/50 20060101ALI20220303BHJP
A47G 29/00 20060101ALI20220303BHJP
A47J 47/20 20190101ALI20220303BHJP
A47L 19/04 20060101ALI20220303BHJP
【FI】
A47G23/00 K
A47L15/50
A47G29/00 A
A47J47/20 E
A47L19/04
(21)【出願番号】P 2018013801
(22)【出願日】2018-01-30
【審査請求日】2020-11-02
(73)【特許権者】
【識別番号】000010087
【氏名又は名称】TOTO株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108062
【氏名又は名称】日向寺 雅彦
(74)【代理人】
【識別番号】100168332
【氏名又は名称】小崎 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100146592
【氏名又は名称】市川 浩
(72)【発明者】
【氏名】山頭 良太
(72)【発明者】
【氏名】赤島 優美
【審査官】遠藤 邦喜
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-119940(JP,A)
【文献】実開平04-093060(JP,U)
【文献】特開2003-159206(JP,A)
【文献】実公昭27-004256(JP,Y1)
【文献】実開平03-038058(JP,U)
【文献】特開2010-184006(JP,A)
【文献】特開2019-030513(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47G 23/00
A47L 15/50
A47G 29/00
A47J 47/20
A47L 19/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
椀状及び長皿状の食器を起立状態で収納し前記起立状態を維持したまま持ち運び可能な食器かごであって、
水平面に沿う第1方向に延び、前記水平面に沿い前記第1方向に直行する第2方向に並ぶ第1及び第2の載置用線材と、
前記第2方向に延び、前記第1方向に並ぶ第1及び第2の支持用線材と、
を備え、
前記第1の支持用線材は、上方向に
U字状に湾曲して突出し、第1高さを有する一対の第1の支持部と、前記上方向に
U字状に湾曲して突出し、前記第1高さより高い第2高さを有する一対の第2の支持部と、を有し、
前記第2の支持用線材は、前記上方向に
U字状に湾曲して突出した一対の第3の支持部を有し、
前記一対の第1の支持部は、前記第2方向において、前記第1の載置用線材と前記第2の載置用線材との間に位置し、
前記第1及び第2の載置用線材は、前記第2方向において、前記一対の第2の支持部の間に位置し、
前記第1及び第2の載置用線材は、前記第2方向において、前記一対の第3の支持部の間に位置することを特徴とする食器かご。
【請求項2】
前記第2の支持用線材は、前記上方向に
U字状に湾曲して突出した一対の第4の支持部を有し、
前記一対の第4の支持部の高さは、前記一対の第3の支持部の高さよりも低く、
前記一対の第4の支持部は、前記第2方向において、前記第1の載置用線材と前記第2の載置用線材との間に位置することを特徴とする請求項1記載の食器かご。
【請求項3】
前記一対の第1の支持部は、それぞれ、前記上方向に延び前記第2方向に並ぶ一対の第1上延部と、前記一対の第1上延部の上端どうしを接続して湾曲する第1湾曲部と、を有し、
前記一対の第2の支持部は、それぞれ、前記上方向に延び前記第2方向に並ぶ一対の第2上延部と、前記一対の第2上延部の上端どうしを接続して湾曲する第2湾曲部と、を有し、
前記一対の第3の支持部は、それぞれ、前記上方向に延び前記第2方向に並ぶ一対の第3上延部と、前記一対の第3上延部の上端どうしを接続して湾曲する第3湾曲部と、を有する請求項1または2に記載の食器かご。
【請求項4】
前記一対の第4の支持部は、それぞれ、前記上方向に延び前記第2方向に並ぶ一対の第4上延部と、前記一対の第4上延部の上端どうしを接続して湾曲する第4湾曲部と、を有する請求項2記載の食器かご。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の態様は、一般的に、食器かごに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、食器洗浄機に搭載する食器かごは洗浄性能確保のために食器類を起立した状態で支持している。例えば、特許文献1のように、食器の形状にあわせて皿の載置部を設けることで食器類を起立した状態で固定する構造が知られている。また近年では、特許文献2のように食器洗浄機に収納した食器かごをキッチン等で使用する水切りかごとして利用する動きがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2000-157481号公報
【文献】特開2015-119940号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の構造では、食器かごの形状にあわせて収納するスペース(収納空間)は決まっているため、例えばお椀を洗浄する必要がなく長尺の皿(長皿)のみ洗浄したい場合、お椀を収納可能な収納空間に長皿を収納することができずにデッドスペースとなってしまっていた。
【0005】
例えば、特許文献1の構造において、長皿を収納するために設けられた収納空間にお椀を収納しようとすると、お椀の上下の幅(高さ)に合わせピンの幅を大きく設けなければならない。一方、ピンの幅を大きくすると、長皿を収納した場合に長皿とピンとの間に隙間ができる。この隙間があると、食器かごの持ち運びの際に長皿の支持が不安定となり、がたつきが発生する恐れがあった。
【0006】
本発明は、かかる課題の認識に基づいてなされたものであり、椀状及び長皿状の食器を同じ収納空間に収納可能な食器かごにおいて、収納した状態で持ち運びした際に収納した食器のがたつきを抑制し、食器かごの収納空間を有効活用することができる食器かごを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の発明は、椀状及び長皿状の食器を起立状態で収納し前記起立状態を維持したまま持ち運び可能な食器かごであって、水平面に沿う第1方向に延び、前記水平面に沿い前記第1方向に直行する第2方向に並ぶ第1及び第2の載置用線材と、前記第2方向に延び、前記第1方向に並ぶ第1及び第2の支持用線材と、を備え、前記第1の支持用線材は、上方向に突出し、第1高さを有する一対の第1の支持部と、前記上方向に突出し、前記第1高さより高い第2高さを有する一対の第2の支持部と、を有し、前記第2の支持用線材は、前記上方向に突出した一対の第3の支持部を有し、前記一対の第1の支持部は、前記第2方向において、前記第1の載置用線材と前記第2の載置用線材との間に位置し、前記第1及び第2の載置用線材は、前記第2方向において、前記一対の第2の支持部の間に位置し、前記第1及び第2の載置用線材は、前記第2方向において、前記一対の第3の支持部の間に位置することを特徴とする食器かごである。
【0008】
この食器かごによれば、第1の支持用線材において、第1及び第2の載置用線材に対し、内側に第1の支持部、外側に第2の支持部が設けられている。さらに、第2の支持用線材において、第1及び第2の載置用線材に対して外側に第3の支持部が設けている。このため、椀状の食器を起立状態で収納する際は、第1及び第2の載置用線材に椀状の食器が載置されることにより、椀状の食器の中心が第1及び第2の載置用線材の間の中心に位置する。そして、第1の支持部で椀状の食器の下部(外側)を支持することにより、椀状の食器を起立状態で支持することが可能となる。また、椀状の食器が第1の支持部を超えて後方(椀状の食器の下部側)へ倒れ込もうとする動きを、第3の支持部で抑制することができる。これにより、椀状の食器を下方(椀状の食器の側面側)から支えることが可能となり、第1の支持部の高さを短くすることができる。椀状の食器を下方から支える際に第1の支持部の高さが短いほど、椀状の食器の上部側を支えることとなり、第1の支持用線材と第2の支持用線材との間隔を小さく設けることができる。そのため、椀状の食器を収納可能な収納空間に長皿状の食器を収納した場合においても、長皿状の食器を大きく傾斜させることなく収納可能となり、長皿状の食器ががたつくことを抑制することができる。また、長皿状の食器を起立状態で収納する際は、第1及び第2の載置用線材より外側に位置する第2の支持部で支えるため、広い間隔で長皿状の食器を支えることになり、重心が左右にずれることを抑制し、安定して支持することができる。従って、椀状の食器及び長皿状の食器を同じ収納空間に収納しつつ、持ち運びの際に食器ががたつくことを抑制することができる。
【0009】
第2の発明は、第1の発明において、前記第2の支持用線材は、前記上方向に突出した一対の第4の支持部を有し、前記一対の第4の支持部の高さは、前記一対の第3の支持部の高さよりも低く、前記一対の第4の支持部は、前記第2方向において、前記第1の載置用線材と前記第2の載置用線材との間に位置することを特徴とする食器かごである。
【0010】
この食器かごによれば、第1の支持用線材側に上部を向けた起立状態でも第2の支持用線材側に上部を向けた起立状態でも食器を収納可能である。従って、より使い勝手が良い。
【発明の効果】
【0011】
本発明の態様によれば、椀状及び長皿状の食器を同じ収納空間に収納可能な食器かごにおいて、収納した状態で持ち運びした際に収納した食器のがたつきを抑制し、食器かごの収納空間を有効活用することができる食器かごが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】実施形態に係る食器かごを設置したシステムキッチンを模式的に表す斜視図である。
【
図2】実施形態に係る食器かごを模式的に表す斜視図である。
【
図3】実施形態に係る食器かごの一部を拡大して模式的に表す斜視図である。
【
図4】実施形態に係る食器かごに椀状の食器を収納したところを模式的に表す断面図である。
【
図5】実施形態に係る食器かごに椀状の食器を収納したところを模式的に表す断面図である。
【
図6】実施形態に係る食器かごに椀状の食器を収納したところを拡大して模式的に表す斜視図である。
【
図7】実施形態に係る食器かごに椀状の食器を収納したところを拡大して模式的に表す斜視図である。
【
図8】実施形態に係る食器かごに長皿状の食器を収納したところを模式的に表す断面図である。
【
図9】実施形態に係る食器かごに長皿状の食器を収納したところを模式的に表す断面図である。
【
図10】実施形態に係る食器かごに長皿状の食器を収納したところを拡大して模式的に表す斜視図である。
【
図11】実施形態に係る食器かごに長皿状の食器を収納したところを拡大して模式的に表す斜視図である。
【
図12】実施形態に係る食器かごの変形例に長皿状の食器を収納したところを拡大して模式的に表す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。なお、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
図1は、実施形態に係る食器かごを設置したシステムキッチンを模式的に表す斜視図である。
図1に表したシステムキッチン500は、カウンタ200と、食器洗浄機300と、を備える。カウンタ200は、シンク210を有する。例えば、シンク210の後部には、水栓(図示なし)が設けられている。
【0014】
本願明細書においては、システムキッチン500の前においてシンク210と向き合う使用者からみて手前側を「前方」とし、奥側を「後方」とし、上側を「上方」とし、下側を「下方」とし、右側を「右側方」とし、左側を「左側方」とする。
【0015】
食器洗浄機300は、カウンタ200の下方に設けられている。より具体的には、食器洗浄機300は、カウンタ200の下方に組み込まれている。食器洗浄機300は、筐体301と、洗浄槽303と、扉305と、食器かご100と、を有する。筐体301は、前面に前開口部302を有する。洗浄槽303は、上面に上開口部304を有し、洗浄槽303は、筐体301に収容されている収容位置と収容されていない非収容位置との間でスライド移動可能である。扉305は、洗浄槽303と一体となるように構成されており、洗浄槽303が筐体301に収容されたときに前開口部302を覆うものである。
図1に表した矢印A1のように、洗浄槽303および扉305は、筐体301に対して前後方向にスライド移動可能である。
【0016】
図1に表した矢印A2のように、食器かご100は、上開口部304を通して洗浄槽303に対して出し入れ可能とされている。食器かご100は、例えば食器や調理器具などの被洗浄物(図示なし)が収納された状態で洗浄槽303に対して出し入れ可能である。そのため、使用者は、汚れた食器(洗浄前の食器)をシンク210の内部に設置された状態で食器かご100に収納し、汚れた食器が収納された食器かご100をそのまま食器洗浄機300に移動して洗浄することができる。これにより、例えば食器や調理器具などの被洗浄物を1つずつ食器洗浄機300にセットする手間を削減することができ、従来のように、食器かご100が、被洗浄物が収納された状態で洗浄槽303に対して出し入れ可能でない場合に比べて、食事の後片付けをより短時間で行うことができる。よって、食器洗浄機300に対する被洗浄物の出し入れの手間を削減することができるとともに、使用者の身体への負担を軽減することができる。
【0017】
シンク210の内部に食器かご100を設置する場合は、例えば、シンク210の周縁に形成された段落ち部211に、食器かご100の一部を引っ掛かけて係止することができる。食器かご100には、段落ち部211に引っ掛かけるための係止片が設けられていてもよい。また、食器かご100をシンク210の内部に置いて使用してもよい。
【0018】
図2は、実施形態に係る食器かごを模式的に表す斜視図である。
図2に表したように、食器かご100は、かご部10と、上部フレーム30と、取っ手部50と、を備えている。食器かご100は、上面部に開口を有しており、この開口を通して食器や調理器具などの被洗浄物を出し入れすることができる。
【0019】
かご部10は、長手方向に延びた底面部11と、底面部11の長手方向の一対の外縁のそれぞれに設けられた一対の第1側面部12(12a及び12b)と、底面部11の短手方向の一対の外縁のそれぞれに設けられた一対の第2側面部13(13a及び13b)と、を有する。この例では、長手方向は前後方向であり、短手方向は左右方向である。また、この例では、左右方向(短手方向)を水平面に沿う第1方向とし、長手方向(前後方向)を水平面に沿い第1方向に直行する第2方向とする。
【0020】
かご部10は、かご部10の内部に収納された被洗浄物から垂れた水をかご部10の下方に通過させ、水を切ることができる。かご部10は、例えば、外周フレーム20と、第1線材21と、第2線材22と、を有する網かごである。
【0021】
かご部10がこのような網かごであれば、水切れがよく、例えば、食器かご100を食器洗浄機300で使用した際に、全方向から洗浄することが可能であるため、使い勝手が良い。また、かご部10を網かご状にすることにより、例えば、食器かご100を食器洗浄機300で使用した際に、洗浄水などがかご部10で遮られてしまうことを抑制し、被洗浄物の洗浄性を高めることもできる。
【0022】
外周フレーム20は、かご部10の左右方向及び前後方向の外周部分となるフレームである。外周フレーム20は、例えば、ステンレス製の線材である。この例では、上下方向に略平行に並ぶように、外周フレーム20a及び外周フレーム20bが設けられている。外周フレーム20の数は、任意の数とすることができる。
【0023】
外周フレーム20は、一対の第1側面部12及び一対の第2側面部13に設けられている。外周フレーム20は、一対の第1側面部12において前後方向に延びる部分と、一対の第2側面部13において左右方向に延びる部分と、を含む。外周フレーム20の形状は、上面視において、例えば、略長方形状である。
【0024】
第1線材21は、かご部10の下方向及び左右方向の外周部分となるフレームである。第1線材21は、例えば、ステンレス製の線材である。この例では、前後方向に略平行に並ぶように、第1線材21a、21b、21c、21d、21e、及び21fが設けられている。第1線材21の数は、2以上の任意の数とすることができる。
【0025】
第1線材21は、底面部11及び一対の第1側面部12に設けられている。第1線材21は、一対の第1側面部12において上下方向に延びる部分と、底面部11において左右方向に延びる部分と、を含む。第1線材21は、一対の第1側面部12において、外周フレーム20に略直交している。第1線材21は、底面部11において、第1方向(左右方向)に延び、第2方向(前後方向)に並ぶ載置用線材である。
【0026】
第2線材22は、かご部10の下方向及び前後方向の外周部分となるフレームである。第2線材22は、例えば、ステンレス製の線材である。この例では、左右方向に略平行に並ぶように、第2線材22a、22b、22c、22d、及び22eが設けられている。第2線材22の数は、2以上の任意の数とすることができる。
【0027】
第2線材22は、底面部11及び一対の第2側面部13に設けられている。第2線材22は、一対の第2側面部13において上下方向に延びる部分と、底面部11において前後方向に延びる部分と、を含む。第2線材22は、一対の第2側面部13において、外周フレーム20に略直交している。第2線材22は、底面部11において、第1線材21に略直交している。第1線材21は、底面部11において、第2方向(前後方向)に延び、第1方向(左右方向)に並ぶ支持用線材である。
【0028】
第2線材22には、複数の突出部40(41、42、43、44、及び45)が設けられている。複数の突出部40については、後述する。
【0029】
実施形態に係る食器かご100は、上部フレーム30を備える。上部フレーム30は、例えば、ステンレス製の線材である。上部フレーム30は、上記のかご部10の上部に設けられている。上部フレーム30は、かご部10の第1線材21a及び21fと接続されている。また、上部フレーム30の一部は、かご部10の外周フレーム20aと接続されている。上部フレーム30は、第2線材22と接続されていてもよい。
【0030】
上部フレーム30の前後方向の端部は、上面視において、外周フレーム20の前後方向の端部(一対の第2側面部13)よりも外側に位置している。換言すれば、かご部10に対して、上部フレーム30が前後方向にせり出している。このような構造とすることで、上部フレーム30の前後方向の端部を上記の係止片として利用することができる。この係止片によって、例えば、シンク210の周縁に食器かご100を引っ掛けて、食器かご100を使用することができる。また、この例では、前後方向にせり出した上部フレーム30の一部が、内側及び下方に湾曲している。このような構造であれば、シンク210内に食器かご100を設置した場合に、湾曲した部分をシンク210の周縁に当接させて、食器かご100の前後方向の揺れを抑制することができる。
【0031】
実施形態に係る食器かご100は、把持可能な一対の取っ手部50(50a及び50b)を備える。一対の取っ手部50は、例えば、ステンレス製の線材である。一対の取っ手部50は、上記のかご部10の上部に設けられている。一対の取っ手部50は、一対の第1側面部12の上部に設けられている。一対の取っ手部50は、一対の第2側面部13の上部に設けられてもよい。一対の取っ手部50は、一対の第1側面部12の上部、及び、一対の第2側面部13の上部、の両方に設けられてもよい。
【0032】
一対の取っ手部50は、上部フレーム30の一部に上下動可能に取り付けられている。一対の取っ手部50は、接続されている上部フレーム30の一部を摺動することで略垂直方向に上下動することができる。これにより、食器かごを持ち運ぶ際には一対の取っ手部50を上げることで持ち運びを容易にすることができる。また、一対の取っ手部50を使用しないときには、一対の取っ手部50を下げることで、食器を収納する際の作業動線に一対の取っ手部50が来ることを抑制できる。
【0033】
一対の取っ手部50は、上部フレーム30に上下動しないように接続されてもよい。一対の取っ手部50は、かご部10に上下動可能に取り付けられてもよい。一対の取っ手部50は、かご部10に上下動しないように接続されてもよい。
【0034】
実施形態に係る食器かご100は、かご部10の下に設けられた脚部60を備える。脚部60は、例えば、ステンレス製の線材である。この例では、脚部60は、第1線材21(第1線材21a及び21f)の下に、第1線材21と略平行に設けられている。脚部60は、例えば、左右方向に延びるフラット形状である。
【0035】
脚部60を設けることで、例えば、食器かご100をシンク210の内部に直接置く場合に、シンク210とかご部10の底面部11との間に空間を設けることができる。これにより、かご部10の底面部11がシンク210に直接触れないようにすることができ、かご部10内に収納した食器類などにシンク210ではねた水がかかることを抑制できる。また、かご部10内に収納した食器類の一部が、かご部10の底面部11よりも下に出ている場合に、食器かご100をシンク210の内部に直接置いても、食器類がシンク210に触れて動くことを抑制できる。
【0036】
また、食器かご100を食器洗浄機300の内部に収納するとき、食器かご100を食器洗浄機300の内部に設けられた網かごに載置する場合がある。このとき、例えば、脚部60の左右方向の長さが食器洗浄機300の内部に設けられた網かごの網目よりも大きければ、脚部60が食器洗浄機300の内部に設けられた網かごの網目には落ち込むことを抑制できる。従って、食器かご100を安定して食器洗浄機300の内部に載置することができる。脚部60の左右方向の長さは、例えば、かご部10の左右方向の長さと同程度である。
【0037】
図3は、実施形態に係る食器かごの一部を拡大して模式的に表す斜視図である。
図3に表したように、第2線材22には、上方向に略垂直に突出する複数の突出部40(突出部41、42、43、44、45、及び46)が設けられている。ここでは、第2線材22a及び22bを例に挙げて説明する。第2線材22aは、第1の支持用線材に相当する。第2線材22bは、第2の支持用線材に相当する。また、第1線材21cは、第1の載置用線材に相当する。第1線材21dは、第2の載置用線材に相当する。
【0038】
第2線材22a(第1の支持用線材)と第2線材22b(第2の支持用線材)との間の距離は、例えば、35mm以上45mm以下である。また、第1線材21c(第1の載置用線材)と第1線材21d(第2の載置用線材)との間の距離は、例えば、50mm以上75mm以下である。
【0039】
第2線材22a(第1の支持用線材)には、複数の突出部41(突出部41a、41b、41c、及び41d)、複数の突出部42(突出部42a、42b、42c、及び42d)、及び複数の突出部45が設けられている。
【0040】
突出部41は、第1の支持部に相当する。複数の突出部41のうち2つ(突出部41a及び41b)は、2本の第1線材21(第1線材21c及び第1線材21d)の内側に位置する。換言すれば、一対の第1の支持部(突出部41a及び41b)は、第2方向(前後方向)において、第1の載置用線材(第1線材21c)と第2の載置用線材(第1線材21d)との間に位置する。突出部41は、第1高さh1を有する。第1高さh1は、例えば、8mm以上15mm以下である。
【0041】
第1の支持部の数は2つに限定されず、3つ以上でもよい。この例では、突出部41a及び41bに加えて、突出部41c及び41dが設けられている。突出部41c及び41dは、前後方向において、第1線材21eと第1線材21fとの間に位置する。このように、複数の突出部41のうち別の2つ(突出部41c及び41d)が、別の2本の第1線材21(第1線材21e及び第1線材21f)の内側に位置していてもよい。
【0042】
突出部42は、第2の支持部に相当する。複数の突出部42のうち2つ(突出部42a及び42b)は、2本の第1線材21(第1線材21c及び第1線材21d)の外側に位置する。換言すれば、第1の載置用線材(第1線材21c)及び第2の載置用線材(第1線材21d)は、第2方向(前後方向)において、一対の第2の支持部(突出部42aと突出部42bと)の間に位置する。突出部42は、第2高さh2を有する。第2高さh2は、第1高さh1より高い。第2高さh2は、例えば、15mm以上45mm以下である。第2高さh2は、第1線材21の上下方向の長さよりも短い。
【0043】
第2の支持部の数は2つに限定されず、3つ以上でもよい。この例では、突出部42a及び42bに加えて、突出部42c及び42dが設けられている。第1線材21eと第1線材21fは、前後方向において、突出部42cと突出部42dとの間に位置する。このように、複数の突出部42のうち別の2つ(突出部42c及び42d)が、別の2本の第1線材21(第1線材21e及び第1線材21f)の外側に位置していてもよい。
【0044】
突出部45は、第1及び第2の支持部以外の支持部に相当する。この例では、突出部45は、第2高さh2と同じ高さを有する。このように、第2線材22a(第1の支持用線材)には、第1及び第2の支持部以外の支持部が設けられていてもよい。
【0045】
一方、第2線材22b(第2の支持用線材)には、複数の突出部43(突出部43a、43b、43c、及び43d)、複数の突出部44(突出部44a、44b、44c、及び44d)、及び複数の突出部46が設けられている。
【0046】
突出部43は、第3の支持部に相当する。複数の突出部43のうち2つ(突出部43a及び43b)は、2本の第1線材21(第1線材21c及び第1線材21d)の外側に位置する。換言すれば、第1の載置用線材(第1線材21c)及び第2の載置用線材(第1線材21d)は、第2方向(前後方向)において、一対の第3の支持部(突出部43aと突出部43bと)の間に位置する。突出部43は、第3高さh3を有する。第3高さh3は、例えば、第2高さh2と同じである。
【0047】
第3の支持部の数は2つに限定されず、3つ以上でもよい。この例では、突出部43a及び43bに加えて、突出部43c及び43dが設けられている。第1線材21eと第1線材21fは、前後方向において、突出部43cと突出部43dとの間に位置する。このように、複数の突出部43のうち別の2つ(突出部43c及び43d)が、別の2本の第1線材21(第1線材21e及び第1線材21f)の外側に位置していてもよい。
【0048】
突出部44は、第4の支持部に相当する。複数の突出部44のうち2つ(突出部44a及び44b)は、2本の第1線材21(第1線材21c及び第1線材21d)の内側に位置する。換言すれば、一対の第4の支持部(突出部44a及び44b)は、第2方向(前後方向)において、第1の載置用線材(第1線材21c)と第2の載置用線材(第1線材21d)との間に位置する。突出部44は、第4高さh4を有する。第4高さh4は、第3高さh3よりも短い。第4高さh4は、例えば、第1高さh1と同じである。このような第4の支持部が設けられることで、食器を右向きに向けた状態でも左向きに向けた状態でも収納することが可能である。
【0049】
第4の支持部の数は2つに限定されず、3つ以上でもよい。この例では、突出部44a及び44bに加えて、突出部44c及び44dが設けられている。突出部44c及び44dは、前後方向において、第1線材21eと第1線材21fとの間に位置する。このように、複数の突出部44のうち別の2つ(突出部44c及び44d)が、別の2本の第1線材21(第1線材21e及び第1線材21f)の内側に位置していてもよい。
【0050】
突出部46は、第3の支持部及び第4の支持部以外の支持部に相当する。この例では、突出部46は、第2高さh2と同じ高さを有する。このように、第2線材22b(第2の支持用線材)には、第3の支持部及び第4の支持部以外の支持部が設けられていてもよい。
【0051】
図3に表したように、第1の支持用線材(第2線材22a)と第2の支持用線材(第2線材22b)とは、同形状であってもよい。同形状であれば、食器を右向きに向けた状態でも左向きに向けた状態でも収納可能であり、より使い勝手が良い。
【0052】
図3に表したように、この例では、突出部40は、前後方向に延びる第1及び第2の支持用線材の一部が上方に折り曲げられた構造(U字構造)である。突出部40は、前後方向に延びる第1及び第2の支持用線材に、上方向に延びる線材が例えば溶接等により接続された構造であってもよい。また、突出部40は、これらの両方を含んでもよい。突出部40は、上方向に略垂直に突出しており、例えば、左右方向には屈曲していない。
【0053】
図4及び
図5は、実施形態に係る食器かごに椀状の食器を収納したところを模式的に表す断面図である。
図4は、食器かご100を左側方側から見た断面図である。
図5は、食器かご100を右側方側から見た断面図である。
図6及び
図7は、実施形態に係る食器かごに椀状の食器を収納したところを拡大して模式的に表す斜視図である。
【0054】
図4~
図7に表したように、椀状の食器71は、第1線材21c(第1の載置用線材)及び第1線材21d(第2の載置用線材)の上に載置されている。
図4~
図7では、椀状の食器71の下部71aが食器かご100の左側方を向くように収納されている。椀状の食器71は、下部71a側で第1の支持部(突出部41a及び41b)に当接しており、これにより起立状態で保持されている。すなわち、第1の支持部である突出部41a、41bは、椀状の食器71の下部71a(外側)を支持する。また、椀状の食器71は、縁71bで第3の支持部(突出部43a及び43b)に当接しており、これにより椀状の食器71が食器かご100の左側方側に回転して倒れようとする動き(後ろ倒れ)を抑制している。また、第3の支持部により、椀状の食器71が食器かご100の右側方側に回転して倒れようとする動き(前倒れ)も抑制することができる。すなわち、第3の支持部である突出部43a及び43bは、突出部41a及び41bが椀状の食器71の下部71aを支持した状態で、その食器71の上部の縁71bと係合することにより、その食器71の回転(倒れ)を抑制する。
【0055】
このように、実施形態に係る食器かご100であれば、第1の支持部及び第3の支持部により、椀状の食器71を起立状態で収納することができる。また、食器かご100を持ち運ぶ際にも、第1の支持部及び第3の支持部により、椀状の食器71を起立状態で保持することができる。
【0056】
図8及び
図9は、実施形態に係る食器かごに長皿状の食器を収納したところを模式的に表す断面図である。
図8は、食器かご100を左側方側から見た断面図である。
図9は、食器かご100を右側方側から見た断面図である。
図10及び
図11は、実施形態に係る食器かごに長皿状の食器を収納したところを拡大して模式的に表す斜視図である。
【0057】
図8~
図11に表したように、長皿状の食器72は、第1線材21b、第1線材21c(第1の載置用線材)、第1線材21d(第2の載置用線材)、及び第1線材21eの上に載置されている。
図8~
図11では、長皿状の食器72の下部72aが食器かご100の左側方を向くように収納されている。長皿状の食器72は下部72a側で第2の支持部(突出部42a、42b、及び42c)に当接しており、これにより起立状態で保持されている。すなわち、第2の支持部である突出部42a、42bは、長皿状の食器72の下部72a(外側)を支持する。また、長皿状の食器72は、縁72bで第3の支持部(突出部43a、43b、及び43c)に当接しており、これにより長皿状の食器72が食器かご100の左側方側に回転して倒れようとする動き(後ろ倒れ)を抑制している。また、第3の支持部により、長皿状の食器72が食器かご100の右側方側に回転して倒れようとする動き(前倒れ)も抑制することができる。すなわち、第3の支持部である突出部43a及び43bは、突出部42a及び42bが長皿状の食器72の下部72aを支持した状態で、その食器72の上部の縁72bと係合することにより、その食器72の回転(倒れ)も抑制する。
【0058】
このように、実施形態に係る食器かご100であれば、第2の支持部及び第3の支持部により、長皿状の食器72を起立状態で収納することができる。また、食器かご100を持ち運ぶ際にも、第2の支持部及び第3の支持部により、長皿状の食器72を起立状態で保持することができる。
【0059】
以上のように、実施形態に係る食器かご100であれば、同じ収納空間に椀状の食器71及び長皿状の食器72のどちらを収納することもできる。従って、食器かご100の収納空間を有効活用することができる。また、椀状の食器71及び長皿状の食器72のどちらを収納した場合にも、食器かご100を持ち運ぶ際のがたつきの発生を抑制することができる。
【0060】
なお、食器の向きを逆にして収納する場合には、第2線材22bが第1の支持用線材に相当し、第2線材22aが第2の支持用線材に相当する。この場合、突出部44が第1の支持部に相当し、突出部43が第2の支持部に相当し、突出部42が第3の支持部に相当し、突出部41が第4の支持部に相当する。そして、この場合も、上記と同様に、第1の支持部及び第3の支持部により、椀状の食器71を起立状態で保持することができる。また、第2の支持部及び第3の支持部により、長皿状の食器72を起立状態で保持することができる。従って、椀状の食器71の下部71a又は長皿状の食器72の下部72aが食器かご100の右側方を向くように収納した場合にも、同じ収納空間に椀状の食器71及び長皿状の食器72を収納することができる。また、椀状の食器71及び長皿状の食器72のどちらを収納した場合にも、食器かご100を持ち運ぶ際のがたつきの発生を抑制することができる。
【0061】
図12は、実施形態に係る食器かごの変形例に長皿状の食器を収納したところを拡大して模式的に表す斜視図である。
なお、上記実施形態と機能・構成上実質的に同じものについては、同符号を付し、詳細な説明は省略する。
図12に表したように、この例では、第2の支持部(突出部42)の第2高さh2が高い。このように、第2の支持部を高くすることで、長皿状の食器72をより安定して支持することができる。また、第2の支持部を高くすることで、第2の支持部でコップ状の食器を支持することもできる。第3の支持部(突出部43)、突出部45、及び突出部46の高さを、第2の支持部と同様の高さとしてもよい。
【0062】
この変形例においても、収納した状態で持ち運びした際に収納した食器のがたつきを抑制し、食器かご100の収納空間を有効活用することができる食器かごが提供される。
【0063】
以上、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明はこれらの記述に限定されるものではない。前述の実施の形態に関して、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。例えば、食器かご100などが備える各要素の形状、寸法、材質、配置などは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
また、前述した各実施の形態が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
【符号の説明】
【0064】
10 かご部、 11 底面部、 12、12a、12b 第1側面部、 13、13a、13c 第2側面部、 20、20a、20b 外周フレーム、 21、21a~21f 第1線材、 22、22a~22e 第2線材、 30、30a、30b 上部フレーム、 40~46、41a~41d、42a~42d、43a~43d、44a~44d 突出部、 50、50a、50b 取っ手部、 60 脚部、 71 椀状の食器、 71a 下部、 71b 上部、 72 長皿状の食器、 72a 下部、 72b 上部、 100 食器かご、 200 カウンタ、 210 シンク、 211 段落ち部、 300 食器洗浄機、 301 筐体、 302 前開口部、 303 洗浄槽、 304 上開口部、 305 扉、 500 システムキッチン、 A1、A2 矢印、 h1~h4 第1~第4高さ