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特許7033291植物栽培装置、植物栽培システム及び植物栽培方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-02
(45)【発行日】2022-03-10
(54)【発明の名称】植物栽培装置、植物栽培システム及び植物栽培方法
(51)【国際特許分類】
   A01G 31/00 20180101AFI20220303BHJP
   A01G 31/04 20060101ALN20220303BHJP
   A01G 31/06 20060101ALN20220303BHJP
【FI】
A01G31/00 612
A01G31/04 A
A01G31/06
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2017129928
(22)【出願日】2017-06-30
(65)【公開番号】P2019010077
(43)【公開日】2019-01-24
【審査請求日】2020-05-13
(73)【特許権者】
【識別番号】592026819
【氏名又は名称】伊東電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100100480
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 隆
(72)【発明者】
【氏名】田中 政樹
【審査官】吉田 英一
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-088425(JP,A)
【文献】国際公開第2016/129674(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2012/0144740(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01G 31/00
A01G 31/04
A01G 31/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
既設の構造物内に設置される植物栽培装置において、
外郭構成部材と、室内空調手段と、植物栽培ラインを有し、
外郭構成部材は前記構造物とは異なる壁であって前記構造物の内壁から離れた壁で覆われていて内部に機器設置室があり、室内空調手段によって機器設置室内を空調可能であり、
前記植物栽培ラインは、育成空間構成部材と、前記室内空調手段とは別の育成空間空調手段と、水耕栽培手段を有し、
育成空間構成部材は、内部に植物を育成する育成空間があり、当該育成空間内に水耕栽培手段が設置されており、前記育成空間空調手段によって育成空間内を空調可能であることを特徴とする植物栽培装置。
【請求項2】
前記室内空調手段は室内機を有し、当該室内機が外郭構成部材の天井部に取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載の植物栽培装置。
【請求項3】
外郭構成部材は床面を除く各面が覆われていて内部に機器設置室があり、当該機器設置室は略密閉空間であることを特徴とする請求項1又は2に記載の植物栽培装置。
【請求項4】
既設の構造物内に設置される植物栽培装置において、
外郭構成部材と、室内空調手段と、植物栽培ラインを有し、
外郭構成部材は前記構造物とは異なる壁であって前記構造物の内壁から離れた壁で床面を除く各面が覆われていて内部に機器設置室があり、当該機器設置室は略密閉空間であり、
前記植物栽培ラインは、育成空間構成部材と、水耕栽培手段を有し、
育成空間構成部材は、内部に植物を育成する育成空間があり、当該育成空間内に水耕栽培手段が設置されており、
機器設置室内を空調する室内空調手段と、育成空間内を空調する育成空間空調手段の内の少なくともいずれか一つの空調手段を備えていることを特徴とする植物栽培装置。
【請求項5】
育成空間は筒状であり、内部の植物に光を照射する照明手段が設置されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の植物栽培装置。
【請求項6】
植物栽培ラインが複数列に設置されており、隣接する植物栽培ラインの間にスペース空間があり、当該スペース空間の上部に室内空調手段の空気吐出口があることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の植物栽培装置。
【請求項7】
外郭構成部材は骨格形成部材と、断熱パネルを有し、骨格形成部材に断熱パネルが取り付けられており、断熱パネルの一部又は全部が骨格形成部材から着脱可能であることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の植物栽培装置。
【請求項8】
植物栽培ラインが1段又は多段に設置され、前記水耕栽培手段は、養液槽と複数の植物保持具を有し、養液槽内には培養液があり、植物保持具で植物を保持し、養液槽に植物保持具を設置して養液槽内の培養液に植物の根を浸して植物を育成するものであることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の植物栽培装置。
【請求項9】
植物栽培ラインが1段又は多段に設置され、前記水耕栽培手段は、植物の苗又は種が植えられた複数の養液槽と、養液槽を上流側から下流側に向かって順次移動させる搬送手段を有し、養液槽上で植物を成長させつつ搬送手段で養液槽を下流側に移動させるものであることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の植物栽培装置。
【請求項10】
植物栽培ラインは複数の育苗ユニットを有し、前記育苗ユニットは両端が開放され周面を覆うことが可能なケースを有し、
複数の育苗ユニットのケースが連結されて前記筒状空間が形成され、
前記養液槽は、前記ケースで形成される一連の筒状空間に置かれ、前記養液槽は搬送手段によってケースを跨いで下流側に移動することを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の植物栽培装置。
【請求項11】
請求項1乃至10のいずれかに記載の植物栽培装置を使用して植物を栽培することを特徴とする植物栽培方法。
【請求項12】
構造物と、構造物内に設置される植物栽培装置によって構成される植物栽培システムにおいて、
前記植物栽培装置は、外郭構成部材と、植物栽培ラインを有し、
外郭構成部材は前記構造物とは異なる壁であって前記構造物の内壁から離れた壁で床面を除く各面が覆われていて内部に機器設置室があり、当該機器設置室は略密閉空間であり、
前記植物栽培ラインは、育成空間構成部材と、水耕栽培手段を有し、
育成空間構成部材は、内部に植物を育成する育成空間があり、当該育成空間内に水耕栽培手段が設置されており、
構造物内を空調する構造物内空調手段と、前記構造物内空調手段とは別の機器設置室内を空調する室内空調手段と、前記構造物内空調手段及び前記室内空調手段とは別の育成空間内を空調する育成空間空調手段の内の少なくともいずれか二つの空調手段を備えていることを特徴とする植物栽培システム。
【請求項13】
請求項12に記載の植物栽培システムを使用して植物を栽培することを特徴とする植物栽培方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、農作物等の植物を栽培する植物栽培装置及び植物栽培方法に関するものである。また本発明は、構造物と植物栽培装置が組み合わされた植物栽培システム及び植物栽培方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
工場跡等の地上構造物やトンネル等の地下構造物内で、農作物を連続的に栽培する植物栽培装置が知られている。植物栽培装置は、作物工場や植物工場と通称される栽培形態に使用されるものである。即ち植物栽培装置は、人工照明を使用して植物に適度の日照を与えると共に、建屋内や室内の全体を生育に適した温度や湿度に保って植物を育成する装置である。
【0003】
旧来の植物栽培装置は、建屋内や部屋内の全体の環境を、対象となる植物の生育に適した温度や湿度に保つものであり、環境を維持するために多くの熱や冷熱が必要であり、エネルギーコストが高いという不満があった。
さらに旧来の植物栽培装置は、建屋全体や部屋全体の環境が対象となる植物の生育に適した温度や湿度に保たれるので、育成条件の異なる植物を混栽することが困難であった。
さらに旧来の植物栽培装置では、建屋内や部屋内に有害昆虫等が侵入することは禁忌であり、建屋等の出入口や換気窓等には厳重な害虫侵入防止措置が取られる。万一、有害昆虫等が侵入すると、この駆除は誠に困難である。即ち植物栽培装置では、原則として農薬を使用しない。そのため、数日間に渡って作物の栽培を停止しなければならない場合があった。
【0004】
これらの問題を解決する方策として、本出願人は、複数のケースを組み合わせて筒状空間を作り、筒状空間内で植物を栽培する植物栽培装置を発明した(特許文献1)。
特許文献1に開示した植物栽培装置は、栽培空間が筒状空間内に限定されるため、空調機器が小型のもので足り、環境を維持するためのエネルギーコストが低い。
また特許文献1に開示した植物栽培装置によると、一つの建屋内に植物栽培装置を複数設置することができる。さらに栽培空間たる筒状空間は、植物栽培装置ごとに独立しているから、植物栽培装置ごとに内部の温度や湿度を変えることができ、育成条件の異なる植物を同一の建屋内で混栽することができる。
特許文献1に開示した植物栽培装置は、駆除対象となる空間が小さい上、害虫の成虫や幼虫、卵等がひそみ難いので、害虫が侵入した場合の駆除も容易である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】WO 2016/129674/A1号公報
【文献】WO 2017/047186/A1号公報
【文献】特開平2-60529号公報
【文献】特開2001-78577号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本出願人らは特許文献1に開示した植物栽培装置を自己が所有する建屋内で試作し、実際に植物を栽培したところ、良好な栽培成績を得ることができた。
続いて植物栽培装置を、工場跡や地下室等の実際の構造物内に設置し、実証実験を重ねた。この場合も、概ね良好な栽培成績を得ることができた。
しかしながら、植物栽培装置を設置する構造物には、内部環境が当初の予想を越える劣悪な物件があった。
特許文献1に開示した植物栽培装置を、はなはだしく劣悪な環境の構造物に設置すると、筒状空間内を所望の環境に維持することができず、望ましい収量を得ることが困難であった。
【0007】
また工場跡や地下構造物内に既存の空調機器があり、ある程度の環境は確保されてはいるものの、良好な環境とは言いがたい場合があり、特許文献1に開示した植物栽培装置をそのまま設置すると、筒状空間内を理想的な環境に維持することができない場合もある。
【0008】
本発明は、従来技術の上記した問題点に注目し、劣悪な環境下であっても望ましい品質の植物を、より多く収量することができる植物栽培システム、植物栽培装置及び植物栽培方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記した課題を解決するための態様は、構造物内に設置される植物栽培装置において、外郭構成部材と、室内空調手段と、植物栽培ラインを有し、外郭構成部材は壁で覆われていて内部に機器設置室があり、室内空調手段によって機器設置室内を空調可能であり、前記植物栽培ラインは、育成空間構成部材と、育成空間空調手段と、水耕栽培手段を有し、育成空間構成部材は、内部に植物を育成する育成空間があり、当該育成空間内に水耕栽培手段が設置されており、育成空間空調手段によって育成空間内を空調可能であることを特徴とする植物栽培装置である。
上記した課題を解決する具体的態様は、既設の構造物内に設置される植物栽培装置において、外郭構成部材と、室内空調手段と、植物栽培ラインを有し、外郭構成部材は前記構造物とは異なる壁であって前記構造物の内壁から離れた壁で覆われていて内部に機器設置室があり、室内空調手段によって機器設置室内を空調可能であり、前記植物栽培ラインは、育成空間構成部材と、前記室内空調手段とは別の育成空間空調手段と、水耕栽培手段を有し、育成空間構成部材は、内部に植物を育成する育成空間があり、当該育成空間内に水耕栽培手段が設置されており、前記育成空間空調手段によって育成空間内を空調可能であることを特徴とする植物栽培装置である。
【0010】
壁は断熱性を有するものであることが望ましい。
本態様の植物栽培装置では、育成空間が外部(構造物の室内等)から二重に隔離されており、育成空間は二重に空調されている。
即ち育成空間は育成空間構成部材によって仕切られた空間であり、さらに育成空間構成部材は壁で覆われた機器設置室に設置されている。そして機器設置室は室内空調手段によって空調され、さらに育成空間は育成空間空調手段によって空調される。そして本態様の植物栽培装置では、水耕栽培手段の育成空間内で植物が育成される。
本態様の植物栽培装置は、設置される構造物内の環境が劣悪であったとしても、機器設置室は壁で覆われているから、構造物内の環境(植物栽培装置外の環境)とは遮断されている。
例えば、構造物内の温度が、時刻や季節によって著しく変化するものであっても、機器設置室の環境変化は小さい。
また機器設置室は室内空調手段によって空調されるので、機器設置室の環境は、一般的な構造物内のレベルには調整可能である。
即ち機器設置室内は、個々の植物に対して最適な温度や湿度ではないにしても、通常の構造物内の環境レベルにまで調整することはできる。
そして実際に植物を育成させる育成空間は、さらに育成空間空調手段によって空調されるので、個々の植物に対して最適な温度や湿度を維持することができる。従って、植物栽培装置が劣悪な環境の構造物内に設置された場合であっても、実際に植物を育成する育成空間は、栽培される植物に対して好適な環境が維持され、植物は良好に育つ。
前記室内空調手段は室内機を有し、当該室内機が外郭構成部材の天井部に取り付けられていることが望ましい。
外郭構成部材は床面を除く各面が覆われていて内部に機器設置室があり、当該機器設置室は略密閉空間であることが望ましい。
【0011】
同様の課題を解決するためのもう一つの態様は、構造物内に設置される植物栽培装置において、外郭構成部材と、室内空調手段と、植物栽培ラインを有し、外郭構成部材は壁で覆われていて内部に機器設置室があり、前記植物栽培ラインは、育成空間構成部材と、水耕栽培手段を有し、育成空間構成部材は、内部に植物を育成する育成空間があり、当該育成空間内に水耕栽培手段が設置されており、機器設置室内を空調する室内空調手段と、育成空間内を空調する育成空間空調手段の内の少なくともいずれか一つの空調手段を備えていることを特徴とする植物栽培装置である。
上記した課題を解決する具体的態様は、既設の構造物内に設置される植物栽培装置において、外郭構成部材と、室内空調手段と、植物栽培ラインを有し、外郭構成部材は前記構造物とは異なる壁であって前記構造物の内壁から離れた壁で床面を除く各面が覆われていて内部に機器設置室があり、当該機器設置室は略密閉空間であり、前記植物栽培ラインは、育成空間構成部材と、水耕栽培手段を有し、育成空間構成部材は、内部に植物を育成する育成空間があり、当該育成空間内に水耕栽培手段が設置されており、機器設置室内を空調する室内空調手段と、育成空間内を空調する育成空間空調手段の内の少なくともいずれか一つの空調手段を備えていることを特徴とする植物栽培装置である。
【0012】
本態様の植物栽培装置は、例えば工場跡や地下構造物内に既存の空調機器があり、ある程度の環境は確保されている場所に設置する植物栽培装置として好適なものである。
【0013】
育成空間は筒状であり、内部の植物に光を照射する照明手段が設置されていることが望ましい。
【0014】
本態様によると、環境調整は一連の筒状空間内だけで足るので、調整対象の空間が小さく、環境調整に要するエネルギーが少なくて足る。
本態様の植物栽培装置は、害虫が侵入した場合の駆除についても容易である。即ち本態様によると、駆除対象となる空間が小さい上、害虫の成虫や幼虫、卵等がひそみ難いので、害虫が侵入した場合の駆除も容易である。
【0015】
上記した各態様において、植物栽培ラインが複数列に設置されており、隣接する植物栽培ラインの間にスペース空間があり、当該スペース空間の上部に室内空調手段の空気吐出口があることが望ましい。
【0016】
本態様によると、機器設置室内の環境を均質化しやすい。
【0017】
上記した各態様において、外郭構成部材は骨格形成部材と、断熱パネルを有し、骨格形成部材に断熱パネルが取り付けられており、断熱パネルの一部又は全部が骨格形成部材から着脱可能であることが望ましい。
【0018】
本態様の植物栽培装置は、設置される構造物内の環境が劣悪であったとしても、機器設置室は断熱パネルで構成された断熱壁で覆われているから、構造物内の環境(植物栽培装置外の環境)とは遮断されている。
また本態様によると、植物栽培装置のメンテナンスが容易である。
【0019】
上記した各態様において、植物栽培ラインが1段又は多段に設置され、前記水耕栽培手段は、養液槽と複数の植物保持具を有し、養液槽内には培養液があり、植物保持具で植物を保持し、養液槽に植物保持具を設置して養液槽内の培養液に植物の根を浸して植物を育成するものであってもよい。
【0020】
上記した各態様において、植物栽培ラインが1段又は多段に設置され、前記水耕栽培手段は、植物の苗又は種が植えられた複数の養液槽と、養液槽を上流側から下流側に向かって順次移動させる搬送手段を有し、養液槽上で植物を成長させつつ搬送手段で養液槽を下流側に移動させるものであってもよい。
【0021】
上記した各態様において、植物栽培ラインは複数の育苗ユニットを有し、前記育苗ユニットは両端が開放され周面を覆うことが可能なケースを有し、複数の育苗ユニットのケースが連結されて前記筒状空間が形成され、前記養液槽は、前記ケースで形成される一連の筒状空間に置かれ、前記養液槽は搬送手段によってケースを跨いで下流側に移動するものであってもよい。
【0022】
本態様の植物栽培装置は、複数の育苗ユニットによって構成され、育苗ユニットをつなぎ合わせることによって栽培空間となる筒状空間が形成される。また養液槽は搬送手段によってケースを跨いで下流側に移動する。
ここで各育苗ユニットは、製造工場で製作することができる。
本態様では、各育苗ユニットは、製造工場で製作することを想定している。そして製造工場で製作された育苗ユニットを施工現場に搬入して連結し、植物栽培装置を完成させる。
本態様によると、施工現場における作業が大幅に低減される。そのため本態様の植物栽培装置は、設置工事が簡単である。
また育苗ユニットを取り外して修理を行えば、修理工事が大がかりなものとならない。
さらに連結する育苗ユニットの数を変えることによって装置の全長や育成期間の変更を行うことができる。
【0023】
上記した植物栽培装置を使用して植物を栽培することが推奨される。
【0024】
上記した課題を解決するためのもう一つの態様は、構造物と、構造物内に設置される植物栽培装置によって構成される植物栽培システムにおいて、前記植物栽培装置は、外郭構成部材と、植物栽培ラインを有し、外郭構成部材は壁で覆われていて内部に機器設置室があり、前記植物栽培ラインは、育成空間構成部材と、水耕栽培手段を有し、育成空間構成部材は、内部に植物を育成する育成空間があり、当該育成空間内に水耕栽培手段が設置されており、構造物内を空調する構造物内空調手段と、機器設置室内を空調する室内空調手段と、育成空間内を空調する育成空間空調手段の内の少なくともいずれか二つの空調手段を備えていることを特徴とする植物栽培システムである。
上記した課題を解決する具体的態様は、構造物と、構造物内に設置される植物栽培装置によって構成される植物栽培システムにおいて、前記植物栽培装置は、外郭構成部材と、植物栽培ラインを有し、外郭構成部材は前記構造物とは異なる壁であって前記構造物の内壁から離れた壁で床面を除く各面が覆われていて内部に機器設置室があり、当該機器設置室は略密閉空間であり、前記植物栽培ラインは、育成空間構成部材と、水耕栽培手段を有し、育成空間構成部材は、内部に植物を育成する育成空間があり、当該育成空間内に水耕栽培手段が設置されており、構造物内を空調する構造物内空調手段と、前記構造物内空調手段とは別の機器設置室内を空調する室内空調手段と、前記構造物内空調手段及び前記室内空調手段とは別の育成空間内を空調する育成空間空調手段の内の少なくともいずれか二つの空調手段を備えていることを特徴とする植物栽培システムである。
【0025】
上記した植物栽培システムを利用して植物を栽培することが推奨される。
【発明の効果】
【0026】
本発明の植物栽培装置及び植物栽培方法によると、植物栽培装置が設置される構造物内の環境が劣悪であっても、望ましい品質の植物を、より多く収量することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本発明の実施形態の植物栽培装置を含む植物栽培システムの全景を表す斜視図である。
図2図1の植物栽培装置を含む植物栽培システムの断面図である。
図3図1の植物栽培装置の外郭構成部材の分解斜視図である。
図4図1の植物栽培装置の内部構造を示す斜視図である。
図5図1の植物栽培装置の外郭構成部材に内蔵される植物栽培ラインの斜視図である。
図6図5の植物栽培ラインの内部構造を示す正面図である。
図7図5の植物栽培ラインの内部構造を示す斜視図である。
図8図5の植物栽培装置の養液槽と植物保持具を分離した状態の斜視図である。
図9図5の植物栽培装置の養液槽に植物保持具を浮かべた状態の斜視図である。
図10】(a)は本発明の他の実施形態で採用する植物栽培ラインの斜視図であり、(b)は植物栽培ラインをユニットごとに分離した状態を示す斜視図である。
図11図10の植物栽培ラインを構成する育苗ユニットの内部構造を示す正面断面図である。
図12図10の育苗ユニットの内部構造を端部側から観察した斜視図である。
図13図10の育苗ユニットを上部側から透かして観察した内部構造を示す斜視図である。
図14図10の植物栽培ラインで採用される栽培トレイの分解斜視図である。
図15】(a)乃至(d)は、図10の育苗ユニットに内蔵されている搬送手段によって栽培トレイを移動させる際の動作を示す説明図である。
図16】本発明の他の実施形態の植物栽培装置を含む植物栽培システムの全景を表す斜視図である。
図17図16の植物栽培装置を含む植物栽培システムの断面図である。
図18】本発明のさらに他の実施形態の植物栽培装置を含む植物栽培システムの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下さらに本発明の実施形態について説明する。
本実施形態の植物栽培システム200は、図1図2の様に、既設の構造物101と、構造物101内に設置される植物栽培装置100の組み合わせによって構成されている。
構造物101は、工場跡等の地上構造物やトンネル等の地下構造物である。構造物101自体には空調設備はない。
本実施形態の植物栽培装置100は、図1図2の様に、工場跡等の地上構造物やトンネル等の地下構造物等の既設の構造物101内に設置されるものである。
植物栽培装置100は、図2の様に大きく分けて外郭構成部材102と、複数の植物栽培ライン1によって構成されている。
外郭構成部材102は、図3の様に鋼材や木材で作られた枠状の骨格形成部材103と、複数の断熱パネル105を有し、骨格形成部材103に断熱パネル105がはめ込まれて取り付けられたものである。
断熱パネル105の幾つかは骨格形成部材103にネジ止めされているが、幾つかの断熱パネル105は単に骨格形成部材103にはめ込まれただけであり、容易に取り外すことができる。
【0029】
図2の様に外郭構成部材102は、断熱パネル105によって構成される断熱壁によって床面を除く5面が覆われており、内部に機器設置室110が構成されている。機器設置室110は外部とは遮蔽されている。即ち機器設置室110は、略密閉された外側空間である。
図1の様に外郭構成部材102の一面には扉111があり、作業者は当該扉111から機器設置室110内へ出入りすることができる。
【0030】
本実施形態の植物栽培システム200では、機器設置室110を空調する室内空調手段113が設けられている。室内空調手段113は、公知のヒートポンプ式エアコンデショナーであり、室内機115と、図示しない室外機を有している。
室内機115は、公知の様に室内の空気を取り込んで温度を調節し、空気吐出口118(図2)から温度調節された空気を吐出するものである。
【0031】
本実施形態では、室内機115は、図1図2の様に外郭構成部材102の天井部117の中心近傍に取り付けられている。室内機115の本体部分は外郭構成部材102の天井部117にあり、空気取り入れ口と空気吐出口118が機器設置室110の天井部に開いている。
後記する様に、植物栽培ライン1は、機器設置室110において2列に設置されるので、室内機115の空気吐出口118は、隣接する植物栽培ライン1の間のスペース空間26の上部に開いている。
【0032】
本実施形態の植物栽培システム200は、既設の構造物101内を空調する機器を持たないが、機器設置室110が断熱壁で覆われた略密閉空間であり、且つ機器設置室110を空調する室内空調手段113が設けられているので、機器設置室110の温度を所定の範囲に維持することができる。即ち植物栽培ライン1の外側空間の温度を所定の範囲に維持することができる。
機器設置室110の温度設定は、厳格なものではなく、通常の建屋内の温度範囲に収まっていれば足る。
【0033】
植物栽培ライン1は、後記する様に植物の育成空間となる筒状空間2を有している。筒状空間2は、略密閉された空間である。
本実施形態では、筒状空間2内に水耕栽培手段5が設置されている。水耕栽培手段5は、一つの細長い養液槽3と複数の植物保持具30を有し、養液槽3内には培養液があり、植物保持具30で植物を保持し、養液槽に植物保持具30を設置して養液槽内の培養液に植物の根を浸して植物を育成するものである。
【0034】
本実施形態では、育成空間たる筒状空間2内の温度等を調節する育成空間空調手段22を有している。
そのため、育成空間空調手段22によって筒状空間2内が植物の育成に適した環境に保たれる。
また前記した様に機器設置室110が室内空調手段113によってある程度の温度範囲に維持されているから、植物栽培装置100が設置されている構造物101内の気温や湿度が極端に高かったり低かったりした場合であっても、筒状空間2の外部の温度は一定の範囲内に収まり、且つ筒状空間2の内部が別途の育成空間空調手段22によって空調されているから、筒状空間2内の温度には大きな変化は生じない。
即ち筒状空間2は、外郭構成部材102の断熱壁と、筒状空間2の壁によって二重に隔離された空間であるから、筒状空間2内の温度は植物栽培装置100が設置されている構造物101内の環境の影響を受けにくく植物の育成に適した環境に保たれる。
【0035】
次に、植物栽培ライン1について説明する。
植物栽培ライン1は、図4図5図6の様に一連の筒状空間2を有し、この筒状空間2の中に水耕栽培手段5が内蔵されていて植物を栽培するものである。本実施形態では、水耕栽培手段5は、養液槽3と複数の植物保持具30によって構成されている。
【0036】
また本発明の実施形態の植物栽培装置100では、図2図4の様に機器設置室110の中に植物栽培ライン1が複数、立体的に配置されている。本実施形態では外郭構成部材102の中に支持枠20があり、当該支持枠20に植物栽培ライン1が複数固定されている。
即ち植物栽培装置100では、図2図4の様に外郭構成部材102で囲まれた機器設置室110内に植物栽培ライン1が複数段且つ複数列に渡って設置されている。
具体的には、6個の植物栽培ライン1が、3段、2列に分かれて外郭構成部材102内に設置されている。本実施形態では、植物栽培ライン1は2列に配置されており、隣接する植物栽培ライン1の間にスペース空間26がある。スペース空間26は、作業者の歩行通路として機能する。
【0037】
各植物栽培ライン1には、図2図4の様に共通の育成空間空調手段22があり、各筒状空間2内が育成空間空調手段22によって空調される。
育成空間空調手段22は、公知の空調装置であり、各筒状空間2を含む循環経路を有し、各筒状空間2内の環境を植物の育成に適した温度や湿度に保つことができる。
【0038】
植物栽培ライン1は、図5図6図7の様に溝状の養液槽3と、側面部材7a,7b、屋根部材6を有している。本実施形態では、養液槽3と、側面部材7a,7b、屋根部材6の三者が育成空間構成部材として機能し、これらに囲まれて筒状空間2が形成されている。
屋根部材6の内面にLED等の照明手段27が設けられている。
養液槽3は培養液で満たされ、筒状空間2内に養液槽の液面があり、植物保持具30が複数浮かべられている。さらに植物栽培ライン1は、送風路形成部材65を備えている。
【0039】
養液槽3は、溝状の水槽であり、底13と、長手の側面10a,10bと、短手の側面11a,11bが壁で覆われており、上面が開放されている。
養液槽3は細長く、深さは浅い。養液槽3の内面は、防水処理が施されていて内部に水(培養液)を溜めることができる。
【0040】
養液槽3の長手方向の一端近傍には、排水口8が設けられている。また養液槽3の長手方向の他端近傍には、培養液供給口35が設けられている。
排水口8は、具体的にはオーバーフロー管7であり、開口部(排水口8)は、養液槽3の底13から一定の高さの位置にある。
【0041】
本実施形態では、前記した様に養液槽3と、側面部材7a,7b及び屋根部材6が育成空間構成部材であり、これらによってトンネル状の筒状空間2が形成されている。
本実施形態では、屋根部材6は支持枠20に支持されている。
支持枠20は、図7の様に柱21が2列に渡って設けられたものであり、各列の柱21に図示しない桟が渡されている。
側面部材7a,7bは、実質的に屋根部材6と養液槽3の間の隙間を封鎖している。
【0042】
側面部材7a,7bは、有色の樹脂または金属で作られており、不透明である。
側面部材7a,7bの内面は、光の反射性が高い。本実施形態では、側面部材7a,7bの内面にアルミシート等の反射性シートが設けられている。側面部材7a,7bは断熱性を有している。具体的には、側面部材7a,7bは、断面形状がダンボール状の樹脂板にアルミシートが貼りつけられたものであり、光の反射性が高く、且つ断熱性能も高い。反射性シートに代わって、反射性の塗料が塗布されていてもよい。
また屋根部材6の内面には反射板(図示せず)が取り付けられている。
【0043】
屋根部材6は円弧形状であり、支持枠20に支持されている。
屋根部材6はステンレススチール等の錆びにくく、且つ熱伝導性に優れた素材で作られている。
図6の様に屋根部材6の外周面は、保湿部材240で覆われている。保湿部材240は、不織布等の布やマット等であり、屋根部材6の外周面に水の層を薄く形成されるものである。
【0044】
屋根部材6の峰の部分には管36が設けられている。管36には小孔が複数設けられている。屋根部材6の軒の部分には冷却水回収用樋42が形成されている。本実施形態においては、屋根部材6の峰の部分には管36が設けられており、管36から放水して屋根部材6を冷却することができる。特に本実施形態では、屋根部材6の外周面に保湿部材240が設けられているから、屋根部材6は常時湿った状態となり、気化熱を奪って屋根部材6を冷却する。
【0045】
また本実施形態では、前記した様に、屋根部材6を構成する金属板に、照明手段27が取り付けられている。従って照明手段27が発生する熱は、直接的に屋根部材6を構成する金属板に伝熱され、外部に放熱される。
【0046】
本実施形態の植物栽培ライン1では、図6図7の様に筒状空間2内に送風路形成部材65が内蔵されている。送風路形成部材65は、樹脂で作られた本管80を有し、多数の開口84が設けられている。
送風路形成部材65は、図示しない往き側ダクトによって育成空間空調手段22に接続されている。そのため育成空間空調手段22で温度等が調節された空気が、送風路形成部材65を経由して筒状空間2内の各部に吹き込まれる。なお筒状空間2には図示しない戻り側ダクトが接続されており、筒状空間2の空気が育成空間空調手段22に戻されて循環する。
【0047】
次に培養液の循環路について説明する。
本実施形態の植物栽培ライン1では、図1図2図4の様に外郭構成部材102の外側に培養液供給装置206がある。培養液供給装置206は図7の様に培養液タンク207とポンプ208を備えている。ポンプ208を起動すると、培養液タンク207内の培養液がポンプ208で加圧されて培養液供給口35に送られ、養液槽3に供給される。また培養液はオーバーフロー管7によって構成される排水口8から排水されて培養液タンク207に戻る。こうして培養液は、養液槽3と培養液タンク207の間を循環する。
【0048】
植物保持具30は、比重の軽い素材で作られた板であり、複数の開口31が設けられている。開口31には植物の苗が保持される。植物保持具30は、浮力が強く、単体で水に浮くばかりでなく、植物を保持した状態であっても沈まない。
植物保持具30は、開口31に植物が保持された状態で、養液槽3の培養液に浮かされる。
【0049】
本実施形態では、図5に示すように屋根部材6の高さは全体として勾配が付けられており、植物保持具30の流れ方向を基準として、上流側は屋根部材6の高さが低く、下流側は屋根部材6の高さが高い。
【0050】
本実施形態では、養液槽3に植物保持具30が複数浮かべられ、植物保持具30は外力によって一定の方向に進められる。即ち養液槽3の水面を覆うように植物保持具30が敷きつめられ、植物保持具30が養液槽3の水面に浮かされている。そのため人力によって、養液槽3上の植物保持具30を押すと、植物保持具30は容易に移動する。即ち植物保持具30は、筏のごとく養液槽3の水面に浮いており、上流側にある植物保持具30を押すと、植物保持具30は下流側に流れてゆく。また下流側に流れた植物保持具30は、隣接する植物保持具30を押し、当該植物保持具30も下流側に流れる。結果的に、養液槽3に浮かべられた全ての植物保持具30が下流側に流れてゆく。
【0051】
次に、本実施形態の植物栽培ライン1の機能について説明する。
本実施形態の植物栽培ライン1では、養液槽3に培養液が満たされる。そのため筒状空間2内に養液槽3の液面があり、液面は筒状空間2で覆われている。そして植物保持具30の開口31に植物の苗を保持させ、養液槽3の上流側に浮かべられる。
また照明手段27によって苗の成長に要する光が供給される。本実施形態では、筒状空間2の内面で光が反射するから、筒状空間2の内壁に当たった光も反射して苗に当たる。
【0052】
さらに図2図4に示す育成空間空調手段22によって、筒状空間2内の温度、湿度及び二酸化炭素濃度が調節される。
前記した様に筒状空間2の外部たる機器設置室110は、外部(構造物101内)から遮蔽されており、且つ機器設置室110は室内空調手段113によって空調されているから、筒状空間2の外部環境(機器設置室110内の環境)は、ある程度安定している。そのため筒状空間2は、植物栽培装置100が設置された位置の周囲環境(構造物101内の環境)の影響を受けにくい。
さらに筒状空間2内は育成空間空調手段22によって空調されているから、筒状空間2内は、植物の成長に適した温度や湿度に保たれる。
【0053】
筒状空間2内の養液槽3に浮かべられた植物保持具30は、一定時間ごとに下流側に移動させられる。例えば24時間ごとに、植物保持具30が人力で押され、植物保持具30が下流側に流される。
【0054】
植物栽培ライン1では、10日から30日程度の日数をかけて植物保持具30を始端から終端に送る。ここで、時間の経過と共に植物保持具30に保持された苗が成長するが、本実施形態では、下流側に向かう程、屋根部材6の高さが高くなっている。そのため苗の成長を妨げず、且つ苗に対して適切に光をあてることができる。即ち幼苗の時期は、苗の丈が低い。本実施形態では、上流側は屋根部材6の高さが低く、苗と照明手段27の距離が近い。そのため苗に集中的に光を照射することができる。
その一方、苗が成長して丈が高くなる位置では屋根部材6の高さが高く、苗にまんべんなく光を照射することができる。
【0055】
そして植物栽培ライン1の終端で植物保持具30を取り出し、成長した植物を収穫するか、あるいは植物保持具30を再度他の植物栽培ライン1に搬入して苗をより大きく成長させる。
即ち、植物栽培ライン1の始端に苗を植えつけた植物保持具30を挿入し、照明手段27を点灯して苗の葉に光を当て、苗の根から養液槽3の培養液を吸収させて苗を育てる。そして養液槽3に浮かぶ植物保持具30を押して下流側へ流し、筒状空間2内をゆっくりと移動させる。
その間、苗は適度の温度や湿度に保たれた環境下におかれ、且つ照明手段27から十分に光を受けて成長する。
そして植物保持具30が一つの植物栽培ライン1の終端、あるいは複数の植物栽培ライン1を通過して終端に至った際には、苗は食用に供される程度に成長しており、植物保持具30から収穫されて出荷される。
【0056】
上記した実施形態では、植物栽培ライン1は、一つの養液槽に複数の植物保持具30を浮かべ、植物保持具30を流して下流側に移動させるものであったが本発明はこの構成に限定されるものではなく、複数の養液槽を備え、搬送手段によって養液槽を上流側から下流側に向かって順次移動させる構成のものであってもよい。
以下、この構成の植物栽培ライン50について説明する。
植物栽培ライン50は、図10の様に複数の育苗ユニット52が直列に接続されて構成されたものである。なお図10では、作図の関係上、個々の育苗ユニット52の全長が実際よりも短く図示されている。実際の育苗ユニット52はより全長が長い。
【0057】
育苗ユニット52は、両端が開放され周面を覆うことが可能なケース53を有している。本実施形態では、ケース53が育成空間構成部材として機能し、ケース53がつながって筒状空間60が形成されている。
ケース53は、図11の様に円弧形状の屋根部55と、底面部12と、これらを繋ぐ縦壁状の側面部57,58を有した筒状部材である。
ケース53は、3m前後の長さを有している。ケース53の幅は、1m程度である。ケース53の両端は開放されている。長手方向の一方の開口を導入開口56と称し、他方を排出側開口51と称する。
ケース53の屋根部55はステンレススチール等の錆びにくく、且つ熱伝導性に優れた素材で作られている。
屋根部55の峰の部分には管36が設けられており、管36から放水して屋根部55を冷却することができる。
【0058】
ケース53内には、図11図12の様にトレイ設置台61と、直線移動部材62と、照明手段82と、給排水設備63、及び換気用空気攪拌手段76が設けられている。
さらに育苗ユニット52は、ケース53内には前記した実施形態と同様に送風路形成部材65が内蔵されている。
また本実施形態では、屋根部55の内面に図示しない反射板が取り付けられている。
【0059】
本実施形態では、トレイ設置台61と、直線移動部材62によって栽培トレイ(水耕栽培手段)38の小型養液槽40を上流側から下流側に向かって順次移動させる搬送手段70が構成されている。
トレイ設置台61は、栽培トレイ38を載せた状態で、栽培トレイ38を滑り動かすことができるものである。
本実施形態ではトレイ設置台61の載置部14に多数のコロ66が設けられている。載置部14には、固定側係合突出部67が設けられている。固定側係合突出部67は、全体がバネ鋼で作られている。固定側係合突出部67は、一端がトレイ設置台61の載置部14に固定され他端側が載置部14から外側に突出する。固定側係合突出部67は他端側がトレイ設置台61の載置部14から突出した状態で傾斜姿勢となっている。固定側係合突出部67は、垂直方向に外力を受けると、載置部14内に沈み、外力が無くなると、再び他端側が載置部14から外側に突出する。
【0060】
直線移動部材62は、角棒状の長尺体である。直線移動部材62は2列に配されている。直線移動部材62は、長さの長い押圧部材であるとも言える。
直線移動部材62には移動側係合突出部68が設けられている。移動側係合突出部68は、前記した固定側係合突出部67と同等の構造及び機能を有するものである。
【0061】
給排水設備63は、栽培トレイ38に培養液を供給する供給側配管47と、栽培トレイからオーバーフローした培養液を回収する回収側配管32によって構成されている。
供給側配管47は、一本の主管33と、主管33から分岐された複数の枝管37によって構成されている。
回収側配管32は、培養液回収用樋46を有している。
【0062】
筒状空間60の底面部12には、換気用空気攪拌手段76が設けられている。換気用空気攪拌手段76は、一種のファンであり、モータ77と羽根車78(回転羽根)によって構成されている。羽根車78は、モータ77の出力軸に固定されており、モータ77が回転することによって羽根車78が回転する。
本実施形態では、換気用空気攪拌手段76のモータ77は、筒状空間60の外部に設置されており、羽根車78は筒状空間60内であって底面部12の近傍にある。
従ってモータ77を回転することによって底面部12の近傍で羽根車78が回転する。
本実施形態では、換気用空気攪拌手段76は、図12の様に一定の間隔をあけて複数設置されている。
【0063】
また筒状空間60の底面部12には、図12の様に導風路形成部材83が設置されている。導風路形成部材83は、高さの低い壁である。
【0064】
本実施形態で採用する育苗ユニット52においても、ケース53内に送風路形成部材65が内蔵されている。送風路形成部材65は、樹脂で作られた本管80と、本管80の周囲に設けられた多数の開口84及び本管80に内蔵された小型送風機(図示せず)によって構成されている。
育苗ユニット52は直線的に接続されるが、その際に隣接する本管80も接続される。従って植物栽培ライン50の筒状空間60内に、送風路形成部材65の本管80が連通する。
本管80は、前記した実施形態と同様に育成空間空調手段22に接続されている。そのため育成空間空調手段22で温度等が調節された空気が、送風路形成部材65を経由して筒状空間60内の各部に吹き込まれる。なお筒状空間60には図示しない戻り側ダクトが接続されており、筒状空間60の空気が育成空間空調手段22に戻されて循環する。
【0065】
次に栽培トレイ38について説明する。栽培トレイ38は、水耕栽培手段として機能するものであり、図14の様に平面視が四角形の小型養液槽40と、前記した植物保持具30によって構成されている。
小型養液槽40はステンレススチール等の金属で作られたものであり、小型であって水が漏らない構造であって上面が開放されたトレーである。本実施形態では、小型養液槽40にはオーバーフロー管部91a,91bが設けられている。
【0066】
次に、育苗ユニット52を構成する各部材の位置関係及び栽培トレイ38の位置関係について説明する。
図11に示すようにトレイ設置台61及び直線移動部材62は、ケース53内の底の位置に配置されている。また前記した様に、2列の直線移動部材62はトレイ設置台61の内側部分にある。
【0067】
植物栽培ライン50は、複数の育苗ユニット52を直列に接続して構成されたものである。複数の育苗ユニット52は同じ形状、構造であり、一方の育苗ユニット52のケース53の排出側開口51に、育苗ユニット52のケース53の導入開口56が接続されている。
【0068】
また隣接するケース53内の直線移動部材62同士が接続される。その結果、ケース53内の直線移動部材62が接続され、複数のケース53内の直線移動部材62が図15の様に一連に繋がる。
そして外部に設置された図示しないモータを起動することによって直線移動部材62をケース53の長手方向(両端開口を結ぶ方向)に走行させることができる。
本実施形態では、図示しないモータによってケース53内の直線移動部材62が直線移動する。
【0069】
また一つのケース53内のトレイ設置台61の長手方向端部と、隣接するケース53内のトレイ設置台61の長手方向端部は近接した位置にあり、複数のケース53内のトレイ設置台61の載置部14が一連のトレイ走行面を構成する。
【0070】
複数の育苗ユニット52のケース53が連結された結果、その内部に一連の筒状空間60が形成される。植物栽培ライン50の両端には何らかの扉や蓋が設置される。そのため筒状空間60はほぼ閉塞空間となるが、筒状空間の密閉度はさほど高くはない。
【0071】
栽培トレイ38は、トレイ設置台61に載置されるが、前記した給排水設備63の枝管37は、栽培トレイ38の上に開口する。そのため枝管37から培養液を排出すると、排出された培養液は全て栽培トレイ38の中に入る。
【0072】
次に植物栽培ライン50の機能について説明する。
植物栽培ライン50では、一連の筒状空間60の一端側(上流側端部)から栽培トレイ38を挿入する。なお栽培トレイ38には予めレタス等の食用植物の苗が植えつけられている。本実施形態では、一つの育苗ユニット52のトレイ設置台61に4台の栽培トレイ38が設置される。
【0073】
栽培トレイ38は、図13の様にケース53内のトレイ設置台61に載置される。
そして給排水設備63の供給側配管47によって栽培トレイ38に培養液が供給され、オーバーフローした培養液は、培養液回収用樋46に回収される。従って栽培トレイ38内は、常に培養液で満たされる。
また照明手段82によって苗の成長に要する光が供給される。本実施形態では、ケース53の内面には、反射性の塗料が塗布されているから、ケース53の内壁に当たった光も反射して苗に当たる。
さらに育成空間空調手段22によって、筒状空間60内の温度、湿度及び二酸化炭素濃度が調節される。
本実施形態においても、筒状空間60の外部たる機器設置室110は、外部(構造物101内)から遮蔽されており、且つ機器設置室110は室内空調手段113によって空調されているから、筒状空間60の外部環境(機器設置室110内の環境)は、ある程度安定している。そのため筒状空間60は、植物栽培装置100が設置された位置の周囲環境(構造物101内の環境)の影響を受けにくい。
さらに筒状空間60内は育成空間空調手段22によって空調されているから、筒状空間60内は、植物の成長に適した温度や湿度に保たれる。
【0074】
筒状空間60内に設置された栽培トレイ38は、搬送手段70によって一定時間ごとに下流側に移動させられる。例えば24時間ごとに、搬送手段70の直線移動部材62を動作させ、栽培トレイ38を排出側開口51側に隣接する育苗ユニット52に移動させる。
【0075】
次に栽培トレイ38を移動させる際の動作について図15を参照しつつ説明する。
栽培トレイ38は、前記した様にトレイ設置台61に載置されており、トレイ設置台61の載置部14上を滑り動くことができる。
またトレイ設置台61の載置部14の内側には、搬送手段70の2列の直線移動部材62があり、栽培トレイ38の辺部は、直線移動部材62の上に被さっている。
この状態で、直線移動部材62を図15(a)の矢印の方向に動作させる。
【0076】
ここで直線移動部材62の移動側係合突出部68は、図15(a)の様に突出し、斜め姿勢となっている。また栽培トレイ38の底は、図14の様に凹凸形状である。
そのため、直線移動部材62の移動側係合突出部68を、導入開口56側から排出側開口51側に移動させると、移動側係合突出部68の突端部が凹溝部43の縦壁部分(係合部45)と係合し、図15(b)の様に栽培トレイ38を、導入開口56側から排出側開口51側に押し動かす。
その結果、各育苗ユニット52内において、各栽培トレイ38が下流側に向かって移動する。そして各育苗ユニット52の最も下流側に位置する栽培トレイ38が隣接する育苗ユニット52に入る。
即ち栽培トレイ38は当初の育苗ユニット52のトレイ設置台61から下流側に隣接した育苗ユニット52のトレイ設置台61に乗り移り、育苗ユニット52を跨いで移動する。即ち本実施形態では、各ケース53内の直線移動部材62が結合され、全ての直線移動部材62を動作させることによって栽培トレイ38が育苗ユニット52を跨いで下流側に移動する。
本実施形態では、各育苗ユニット52内の栽培トレイ38を搬送手段70の直線移動部材62によって順次先の育苗ユニット52に送り出す。育苗ユニット52には上流側から新たな栽培トレイ38が搬入される。
【0077】
その後、図14(c)の様に、直線移動部材62を逆方向に移動し、移動側係合突出部68を排出側開口51側から導入開口56側に移動させる。
その際に、直線移動部材62の移動側係合突出部68が、栽培トレイ38の底と衝突するが、移動側係合突出部68は、傾斜姿勢であって傾斜の下側から栽培トレイ38と当接する。移動側係合突出部68の傾斜面が栽培トレイ38と当接するから、傾斜の垂直方向分力によって移動側係合突出部68が下方向に押し下げられる。ここで、移動側係合突出部68は、本体部分から外側に突出する様に付勢されているが、垂直方向に外力を受けると、直線移動部材62の本体部に沈む。
そのため図14(c)(d)の様に移動側係合突出部68は、栽培トレイ38の凸部の下を通過し、新たな栽培トレイ38と移動側係合突出部68は、図14(a)の関係に戻る。
【0078】
植物栽培ライン50では、10日から30日程度の日数をかけて栽培トレイ38を始端から終端に送る。そして終端で栽培トレイ38を取り出し、成長した植物を収穫する。
【0079】
本実施形態で採用する植物栽培ライン50は、前記した様に筒状空間60の底面部12に、換気用空気攪拌手段76が設けられている。以下、換気用空気攪拌手段76の機能について説明する。
植物栽培ライン50は、狭い筒状空間60内で多数のLED等が点灯されるので、筒状空間60内の気温が上昇傾向となる。
本実施形態の植物栽培ライン50では、筒状空間60内の気温上昇を抑制する方策として、換気用空気攪拌手段76が設けられている。また筒状空間60内の温度ばらつきを抑制する方策として、送風路形成部材65が設けられている。
【0080】
換気用空気攪拌手段76は、栽培トレイ38の底面87と、筒状空間60の底面部12の間の隙間86にある。
ここで、本実施形態では、栽培トレイ38内の培養液は、培養液タンク207内の温度調整手段で冷却されており、一定の温度に保たれている。少なくとも培養液の温度は、筒状空間60内の平均気温よりも低い。
【0081】
加えて、栽培トレイ38は、ステンレススチールで作られており、栽培トレイ38の冷熱は栽培トレイ38の底面87に伝導されやすい。
また栽培トレイ38の底面87の面積は、極めて大きい。
そのため筒状空間60内であって、栽培トレイ38の底面87と、筒状空間60の底面部12の間においては、空気と栽培トレイ38との接触面積が広く、両者の隙間86内の空気は、栽培トレイ38内の培養液と熱交換され、温度が低下する。
【0082】
本実施形態では、栽培トレイ38の底面87と、筒状空間60の底面部12の間に換気用空気攪拌手段76の羽根車78がある。そのため換気用空気攪拌手段76のモータ77を起動すると、栽培トレイ38の下で羽根車78が回転し、隙間86内の空気を攪拌し、付勢して、隙間86から外部に吐き出す。
また隙間86内には外部から新たな空気が導入される。
特に本実施形態では、導風路形成部材83が設置されており、隙間86内に導風路形成部材83によって一連の導風路が形成されている。
【0083】
そのため換気用空気攪拌手段76を起動することにより、隙間86内の空気が換気され、常に置換される。即ち、LED等で加熱され、昇温した空気が、換気用空気攪拌手段76及び導風路形成部材83の作用によって強制的に栽培トレイ38の底面87と筒状空間60の間の狭い隙間86に導入され、低温の栽培トレイ38の底面87と接して空気の温度が低下される。
そして冷却された空気は、換気用空気攪拌手段76及び導風路形成部材83の作用によって強制的に隙間86から排出され、栽培トレイ38の上面に回り込む。即ち苗の葉の部分に冷風が循環する。
【0084】
さらに栽培トレイ38の上部には、送風路形成部材65があり、送風路形成部材65から吹き出される空気によって筒状空間60内の空気が攪拌され、栽培トレイ38の上部空間の温度バラツキが解消される。
即ち送風路形成部材65は、筒状空間60の軸方向に配置されているが、中途部分に図示しない小型送風機が内蔵されている。
そして本管80には多数の開口84が設けられている。そのため小型送風機を起動すると、小型送風機を中心として一方側の開口84から筒状空間60内の空気が本管80に導入され。他方の開口84から吐出される。その結果、筒状空間60内の空気が攪拌される。
【0085】
本実施形態の植物栽培ライン50では、換気用空気攪拌手段76によって、栽培トレイ38の上部側の高温の空気が、強制的に栽培トレイ38の底面87側に導入され、培養液と熱交換して冷却され、その低温空気が栽培トレイ38の上部側に戻される。そして栽培トレイ38の上部側では、送風路形成部材65によって空気が攪拌され、苗の周囲の温度ばらつきが解消される。そのため筒状空間60の苗が生育する領域は、一定の温度に保たれ、苗は順調に生育する。
【0086】
以上説明した実施形態では、6個の植物栽培ライン1,50を3段、2列に分かれて外郭構成部材102内の機器設置室110に設置したが、植物栽培ライン1,50の個数や配列は任意である。
例えば2段以下や4段以上に植物栽培ライン1,50を積み重ねてもよく、植物栽培ライン1,50を1列又は3列以上に並べてもよい。
植物栽培ライン1,50を複数列に並べる場合には、隣接する植物栽培ライン1,50の間にスペース空間26を設けることが望ましく、室内機115の空気吐出口118は、スペース空間26の上に設けることが望ましい。
このレイアウトによると、室内機115の空気吐出口118から吹き下ろされた空気が、スペース空間26を下り、左右の植物栽培ライン1,50に流れ込む。そのため機器設置室110内の温度や湿度が均一化する。
【0087】
以上説明した植物栽培システム200は、既設の構造物101と、構造物101内に設置される植物栽培装置100の組み合わせによって構成されている。そして植物栽培装置100は、断熱材で作られていて内部に機器設置室110を有する外郭構成部材102と、機器設置室110に設置された複数の植物栽培ライン1,50によって構成されている。さらに植物栽培ライン1,50は、植物の育成空間となる略密閉された筒状空間2,60を有している。
【0088】
この様に植物栽培システム200は、最も外側に既設の構造物101で囲まれた空間があり、その中に外郭構成部材102で囲まれた空間たる機器設置室110があり、さらにその中に育成空間空調手段で囲まれた筒状空間2,60がある。
即ち植物栽培システム200では、苗は、外界に対して、構造物101と、外郭構成部材102と、育成空間空調手段によって三重に囲まれた空間内で育成される。
そして上記した実施形態の植物栽培システム200では、外郭構成部材102で囲まれた機器設置室110内を空調する室内空調手段113と、育成空間空調手段で囲まれた筒状空間2内を空調する育成空間空調手段22を有し、構造物101の全体を空調する空調手段は無い。
【0089】
仮に構造物101内を空調する構造物内空調手段88を有するならば、機器設置室110を空調する室内空調手段113又は筒状空間2内を空調する育成空間空調手段22として簡便な空調機器を利用することができる場合もあり、さらに室内空調手段113又は育成空間空調手段22のいずれか一方を省略することができる場合もある。
【0090】
図16図17に示す植物栽培システム201は、構造物101内を空調する空調手段88と、筒状空間2内を空調する育成空間空調手段22を有し、機器設置室110を空調する室内空調手段113は無い。
植物栽培システム201で採用する植物栽培装置120は、内部に機器設置室110を有する外郭構成部材102と、機器設置室110に設置された複数の植物栽培ライン1,50によって構成され、植物栽培ライン1は、筒状空間2,60を有しており、筒状空間2,60内を空調する育成空間空調手段22を有しているが、機器設置室110を空調する室内空調手段113は無い。
【0091】
図18に示す植物栽培システム202は、構造物101内を空調する空調手段88と、機器設置室110を空調する室内空調手段113を有し、筒状空間2内を空調する育成空間空調手段22は無い。
植物栽培システム202で採用する植物栽培装置121は、内部に機器設置室110を有する外郭構成部材102と、機器設置室110に設置された複数の植物栽培ライン1,50によって構成され、植物栽培ライン1は、筒状空間2,60を有しており、機器設置室110を空調する室内空調手段113を有しているが、筒状空間2,60内を空調する育成空間空調手段22は無い。
【符号の説明】
【0092】
1,50 植物栽培ライン
2,60 筒状空間
3 養液槽
5 水耕栽培手段
22 育成空間空調手段
26 スペース空間
27,82 照明手段
30 植物保持具
38 栽培トレイ
40 小型養液槽
52 育苗ユニット
53 ケース
61 トレイ設置台
62 直線移動部材
65 送風路形成部材
100,120,121 植物栽培装置
101 構造物
102 外郭構成部材
103 骨格形成部材
105 断熱パネル
110 機器設置室
113 室内空調手段
118 空気吐出口
200,201,202 植物栽培システム
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