(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-02
(45)【発行日】2022-03-10
(54)【発明の名称】骨組構造体
(51)【国際特許分類】
E04B 1/343 20060101AFI20220303BHJP
E04B 1/342 20060101ALI20220303BHJP
E04B 1/38 20060101ALI20220303BHJP
E04H 15/34 20060101ALI20220303BHJP
【FI】
E04B1/343 D
E04B1/342 A
E04B1/38 400Z
E04H15/34 E
(21)【出願番号】P 2019019253
(22)【出願日】2019-02-06
【審査請求日】2019-04-16
(73)【特許権者】
【識別番号】516034751
【氏名又は名称】株式会社 ハシマシート工業
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】特許業務法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】篠田 剛史
【審査官】河内 悠
(56)【参考文献】
【文献】特公昭50-016895(JP,B1)
【文献】特開2000-179188(JP,A)
【文献】特開2015-178708(JP,A)
【文献】特開2018-035648(JP,A)
【文献】特開平10-109176(JP,A)
【文献】実公昭49-017393(JP,Y1)
【文献】実開昭56-061604(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2012/0180838(US,A1)
【文献】特開平07-247735(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04B 1/00-1/36
E04B 1/38-1/61
E04H 15/00-15/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の間口の大きさに対応した、テントの骨組構造体であって、
前記テントを設置する設置面に、相対するように載置される支柱部材と、
相対する両側の前記支柱部材間に空間を有する門形状を構成するように、前記支柱部材間に掛け渡される梁部材と、を備え、
当該梁部材は、両側の前記支柱部材にそれぞれ取り外し可能に連結される支柱側梁部材であって、前記支柱部材に向けて曲が
り、前記テントのテント膜に当接する当接部を備えた支柱側梁部材と、前記テントの間口の大きさに応じて
互いに全長が異なる複数の可変梁部材であって、前記支柱側梁部材に取り外し可能に連結される複数の可変梁部材と、両側の前記可変梁部材を取り外し可能に連結する中間梁部材とを備え、
一方の前記支柱側梁部材と前記中間梁部材は、前記テントの間口の大きさに応じた
一方の可変梁部材の1つのみを介して連結可能に構成され、
他方の前記支柱側梁部材と前記中間梁部材は、前記テントの間口の大きさに応じた、前記一方の可変梁部材と同じ全長の他方の可変梁部材の1つのみを介して連結可能に構成され、
前記支柱側梁部材と前記中間梁部材は、前記テントの間口の大きさが変わっても変更されない、規格化された共通部品であることを特徴とする骨組構造体。
【請求項2】
前記支柱側梁部材と前記中間梁部材は、前記可変梁部材を介さずに、取り外し可能に直接連結できることを特徴とする請求項1に記載の骨組構造体。
【請求項3】
前記可変梁部材と前記中間梁部材との連結は、前記可変梁部材の端部と前記中間梁部材の端部とを付き合わせて、両方の端部を跨ぐように連結板を外側から宛がい、前記各端部と前記連結板とを固定することで成されることを特徴とする請求項1に記載の骨組構造体。
【請求項4】
前記可変梁部材と前記支柱側梁部材との連結は、前記可変梁部材の端部と前記支柱側梁部材の端部とを付き合わせて、両方の端部を跨ぐように連結板を外側から宛がい、前記各端部と前記連結板とを固定することで成されることを特徴とする請求項1又は3に記載の骨組構造体。
【請求項5】
前記骨組構造体の外側を覆うように
前記テント膜が張られた際に、前記テント膜が当接する前記支柱側梁部材の当接部の曲率と、前記テント膜が当接する前記中間梁部材の当接部の曲率とが等しいことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の骨組構造体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、テントの骨組構造体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、屋外等においてテントを設置する際は、テントの設置場所に骨組構造体をまず設置している。この骨組構造体は様々な種類が知られているが、基本構成は同じであり、例えば特許文献1に骨組構造体は、テントを設置する設置面に載置される支柱部材と、当該支柱部材の間に、空間を有する門形状を構成するように掛け渡される梁部材とを備えている。そして、骨組構造体の外側を覆うようにテント膜が張られて、テントは使用されている。
【0003】
また、テントの大きさ、特にテントの間口の大きさに応じて、骨組構造体の形状を設計し直すことで、様々な用途や大きさのテントが製造できるようになっている。しかしながら、テントの間口が変わる度に、骨組構造体の形状を設計し直していると、それだけ時間と費用がかかるという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、本願発明は、テントの間口が変わっても、容易に対応でき、尚且つ費用を抑えた骨組構造体を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本願発明の骨組構造体は、前記テントを設置する設置面に、相対するように載置される支柱部材と、相対する両側の前記支柱部材間に空間を有する門形状を構成するように、前記支柱部材間に掛け渡される梁部材と、を備え、当該梁部材は、両側の前記支柱部材にそれぞれ取り外し可能に連結される支柱側梁部材と、当該支柱側梁部材に取り外し可能に連結される可変梁部材と、両側の前記可変梁部材を取り外し可能に連結する中間梁部材とを備え、前記可変梁部材は、前記テントの間口の大きさに応じて全長が異なる他の可変梁部材に交換可能に構成されていることを特徴とする。
【0007】
上記特徴によれば、テントの間口を変更したい場合は、可変梁部材だけを全長が異なる可変梁部材に交換することで、容易に対応することができる。さらに、可変梁部材のみを交換するだけで、可変梁部材以外の構成要素(支柱部材、支柱側梁部材、中間梁部材)は変更する必要が無く、そのまま利用できるため、コストを抑えられる。
【0008】
さらに、本願発明の骨組構造体は、前記支柱側梁部材と前記中間梁部材は、前記可変梁部材を介さずに、取り外し可能に直接連結できることを特徴とする。
【0009】
上記特徴によれば、可変梁部材を取り外して、支柱側梁部材と中間梁部材を直接連結して固定できるので、テントの間口を更に狭く変更したい場合に容易に対応できる。
【0010】
さらに、本願発明の骨組構造体は、前記可変梁部材と前記中間梁部材との連結は、前記可変梁部材の端部と前記中間梁部材の端部とを付き合わせて、両方の端部を跨ぐように連結板を外側から宛がい、前記各端部と前記連結板とを固定することで成されることを特徴とする。
【0011】
上記特徴によれば、可変梁部材と中間梁部材との連結が非常に容易となり、特に、両方の端部を跨ぐように連結板を外側から宛がい固定する方法なので、可変梁部材の取り外し及び取付けが容易となる。
【0012】
さらに、本願発明の骨組構造体は、前記可変梁部材と前記支柱側梁部材との連結は、前記可変梁部材の端部と前記支柱側梁部材の端部とを付き合わせて、両方の端部を跨ぐように連結板を外側から宛がい、前記各端部と前記連結板とを固定することで成されることを特徴とする。
【0013】
上記特徴によれば、支柱側梁部材と可変梁部材との連結が非常に容易となり、特に、両方の端部を跨ぐように連結板を外側から宛がい固定する方法なので、可変梁部材の取り外し及び取付けが容易となる。
【0014】
さらに、本願発明の骨組構造体は、前記骨組構造体の外側を覆うようにテント膜が張られた際に、前記テント膜が当接する前記支柱側梁部材の当接部の曲率と、前記テント膜が当接する前記中間梁部材の当接部の曲率とが等しいことを特徴とする。
【0015】
上記特徴によれば、骨組構造体の外側にテント膜を張った際に、各当接部に接触するテント膜の引張力が略均一になるため、テント膜全体にかかる引張力が均一に分散されて、テント膜の耐久性が上がるのである。
【発明の効果】
【0016】
本願発明の骨組構造体は、テントの間口が変わっても、容易に対応でき、尚且つ費用を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】(a)は本願発明のテントの全体斜視図、(b)はテント内部の本願発明の骨組構造体を示す側面図である。
【
図2】テント内部の本願発明の骨組構造体の正面図である。
【
図4】(a)は、本願発明の可変梁部材を支柱側梁部材及び中間梁部材に連結固定する様子を示した斜視図、(b)は、
図2における可変梁部材周辺の拡大正面図である。
【
図5】(a)及び(b)は、本願発明の骨組構造体の間口の長さを変えた状態の正面図である。
【符号の説明】
【0018】
100 骨組構造体
300 支柱部材
400 梁部材
500 支柱側梁部材
600 可変梁部材
600’ 可変梁部材
700 中間梁部材
G 設置面
T テント
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に、本願発明の実施形態について、図面を用いて説明する。なお、本明細書において、「上方」とは、骨組構造体を水平面上に設置した際に、鉛直方向における上方に向かう方向のことであり、「下方」とは鉛直方向における下方に向かう方向のことである。
【0020】
まず、
図1には、本願発明の骨組構造体100を複数用いて組み立てられたテントTを示す。なお、
図1(a)はテントTの全体斜視図、
図1(b)はテントT内部の骨組構造体100を示す側面図、
図2はテントT内部の骨組構造体100の正面図、
図3は骨組構造体100の分解正面図である。なお、骨組構造体100は、2つの支柱部材300と、2つの支柱側梁部材500と、2つの可変梁部材600と、1つの中間梁部材700で構成されているが、
図3では、支柱部材300と支柱側梁部材500と可変梁部材600のそれぞれを1つのみ示している。
【0021】
図1(a)に示すように、テントTは切妻屋根を備えた態様をしており、正面側が間口Mとなっている。このテントTは、
図1(b)に示すように、テントTを設置する設置面Gの上に、複数の骨組構造体100を平行に並べ、各骨組構造体100同士を互いにつなぎ部材200によって連結固定して組み立てられている。そして、組み立てられた骨組構造体100の外側を覆うようにしてテント膜Sを張ることで、
図1(a)に示すテントTが完成するのである。
【0022】
また、
図2に示すように、骨組構造体100は、設置面Gに載置される両側の支柱部材300と、この相対する支柱部材300に空間を有する門形状を構成するように、支柱部材300間に掛け渡される梁部材400とを備える。さらに、この梁部材400は、両側の支柱部材300にそれぞれ連結される支柱側梁部材500と、当該支柱側梁部材500に連結される可変梁部材600と、両側の可変梁部材600を互いに連結する中間梁部材700とを備える。これら支柱部材300、支柱側梁部材500、可変梁部材600、及び中間梁部材700は、
図3に示すように、互いに取り外して分解することができる。
【0023】
具体的には、
図2及び
図3に示すように、支柱部材300は、金属製のパイプによるトラス構造を備えた直線状に延びる部材であり、基端310側が設置面Gの基礎部分Z上に設置され、先端320側が支柱側梁部材500の基端510側に取り外し可能に連結される。この先端320には、後述する連結板800を固定できるように、貫通孔331を備えた平坦な連結面330が設けられている。また、支柱側梁部材500は、金属製のパイプによるトラス構造を備えた部材であり、基端510側が支柱部材300の先端320側に取り外し可能に連結され、先端520側が可変梁部材600の基端610側に取り外し可能に連結される。基端510には、後述する連結板800を固定できるように、貫通孔531を備えた平坦な連結面530が設けられ、同様に、先端520には、後述する連結板800を固定できるように、貫通孔541を備えた平坦な連結面540が設けられている。また、支柱側梁部材500は、短尺部501と、当該短尺部501よりも全長が長い長尺部502とを備えた、正面視略L字形状をしている。さらに、基端510側の外側には、湾曲した形状の当接部550が設けられており、骨組構造体100の外側にテントTを張った際に、テントTが当接部550に当接するようになっている。この当接部550の曲率は、後述する中間梁部材700の当接部750の曲率と等しく、当接部550及び当接部750の曲率半径は600mm(ミリメートル)となっている。
【0024】
また、可変梁部材600は、金属製のパイプによるトラス構造を備えた直線状に延びる部材であり、基端610側が支柱側梁部材500の先端520側に取り外し可能に連結され、先端620側が中間梁部材700の端部710側に取り外し可能に連結される。基端610には、後述する連結板800を固定できるように、貫通孔631を備えた平坦な連結面630が設けられ、同様に、先端620には、後述する連結板800を固定できるように、貫通孔641を備えた平坦な連結面640が設けられている。
【0025】
また、
図3に示すように、中間梁部材700は、金属製のパイプによるトラス構造を備えた部材であり、一方(図面上、左側)の端部710側が一方の可変梁部材600の先端620側に取り外し可能に連結され、他方(図面上、右側)の端部720側が他方の可変梁部材600の先端620側に取り外し可能に連結される。端部710には、後述する連結板800を固定できるように、貫通孔731を備えた平坦な連結面730が設けられ、同様に、端部720には、後述する連結板800を固定できるように、貫通孔741を備えた平坦な連結面740が設けられている。また、中間梁部材700は、中央の当接部750が外側に湾曲した形状をしており、骨組構造体100の外側にテントTを張った際に、テントTが当接部750に当接するようになっている。
【0026】
そして、
図2及び
図3に示すように、支柱部材300と支柱側梁部材500は、支柱部材300の連結面330と支柱側梁部材500の連結面530とを、薄板状の金属製の連結板800によって固定することで連結されている。同様に、支柱側梁部材500と可変梁部材600は、支柱側梁部材500の連結面540と可変梁部材600の連結面630とを連結板800によって固定することで連結されている。さらに、可変梁部材600と中間梁部材700は、一方(図面上、左側)の可変梁部材600の連結面640と中間梁部材700の連結面730を連結板800によって固定し、他方(図面上、右側)の可変梁部材600の連結面640と中間梁部材700の連結面740を連結板800によって固定して連結している。このようにして、骨組構造体100は組み立てられて、正面視で門形状を構成しているのである。
【0027】
なお、
図1及び
図2に示すように、組み立てられた複数の骨組構造体100は互いにつなぎ部材200によって連結されている。このつなぎ部材200は、テントTの強度を確保するために設けるもので、所定間隔(約1650mm)で設けている。具体的には、
図2に示すように、支柱部材300では所定間隔をあけて二箇所につなぎ部材200が設けられ、支柱側梁部材500では所定間隔をあけて三箇所につなぎ部材200が設けられ、可変梁部材600には一箇所につなぎ部材200が設けられている。そして、互いのつなぎ部材200同士を所定間隔で配置することで、テントT全体の強度を確保しているのである。また、梁部材400の強度向上や、梁部材400の内側に各種備品等を取り付けるために、梁部材400の内側には間柱410が組まれている。
【0028】
ここで、連結板800による連結固定について、
図4を参照してより具体的に説明する。なお、
図4(a)は、可変梁部材600を支柱側梁部材500及び中間梁部材700に連結固定する様子を示した斜視図、
図4(b)は、
図2における可変梁部材600付近の拡大正面図である。
【0029】
図4(a)に示すように、可変梁部材600と中間梁部材700を水平面に寝かした状態で置き、可変梁部材600の先端620の端部と中間梁部材700の端部710とを付き合わせる。すると、中間梁部材700の連結面730と可変梁部材600の連結面640が連続した平坦面となる。そして、この連続した連結面640と連結面730の表面と裏面のそれぞれに、連結板800を外側から宛がう。連結板800には複数の貫通孔801が設けられており、各貫通孔801は連結面640の各貫通孔641と連結面730の各貫通孔731と重なるようになっている。そして、一方(図面上、上側)の連結板800の貫通孔801と貫通孔641と、他方(図面上、下側)の連結板800の貫通孔801を挿通するようにボルト802を取付け、ボルト802の先端をナット803で固定する。同様に、一方(図面上、上側)の連結板800の貫通孔801と貫通孔731と、他方(図面上、下側)の連結板800の貫通孔801を挿通するようにボルト802を取付け、ボルト802の先端をナット803で固定する。すると、可変梁部材600の先端620の端部と中間梁部材700の端部710を跨ぐように宛がわれた連結板800は、各端部に固定され、その結果、可変梁部材600と中間梁部材700は連結板800によって互いに強固に連結固定されることになる。
【0030】
同様に、
図4(a)に示すように、可変梁部材600と支柱側梁部材500を水平面に寝かした状態で置き、可変梁部材600の基端610の端部と支柱側梁部材500の先端520の端部とを付き合わせる。すると、支柱側梁部材500の連結面540と可変梁部材600の連結面630が連続した平坦面となる。そして、この連続した連結面630と連結面540の表面と裏面のそれぞれに、連結板800を外側から宛がう。連結板800には複数の貫通孔801が設けられており、各貫通孔801は連結面630の各貫通孔631と連結面540の各貫通孔541と重なるようになっている。そして、一方の連結板800の貫通孔801と貫通孔631と他方の連結板800の貫通孔801を挿通するようにボルト802を取付け、ボルト802の先端をナット803で固定する。同様に、一方の連結板800の貫通孔801と貫通孔541と他方の連結板800の貫通孔801を挿通するようにボルト802を取付け、ボルト802の先端をナット803で固定する。すると、可変梁部材600の基端610の端部と支柱側梁部材500の先端520の端部を跨ぐように宛がわれた連結板800は、各端部に固定され、その結果、可変梁部材600と支柱側梁部材500は連結板800によって互いに強固に連結固定されることになる。
【0031】
以上より、
図4(b)に示すように、可変梁部材600は、支柱側梁部材500と中間梁部材700の間に、連結板800によって連結固定されるのである。なお、中間梁部材700の連結面740と支柱側梁部材500の先端520との間の連結固定も、
図4(a)で説明した方法と同じ方法によって行われる。
【0032】
また、支柱部材300の先端320と支柱側梁部材500の基端510との間の連結固定も、
図4(a)で説明した方法と同じ方法によって行われる。不図示であるが、具体的には、支柱部材300の先端320の端部と支柱側梁部材500の基端510の端部とを付き合わせ、連続した連結面330と連結面530の表面と裏面のそれぞれに、連結板800を外側から宛がい、ボルト802とナット803によって連結板800を各端部に固定する。すると、支柱部材300と支柱側梁部材500は連結板800によって互いに強固に連結固定されることになる。そして、支柱部材300、支柱側梁部材500、可変梁部材600、及び中間梁部材700のそれぞれを、連結板800によって互いに連結固定することで、
図2に示す門形状の骨組構造体100が組み立てられるのである。なお、テントTが不要になった際は、ボルト802とナット803を外して連結板800による連結を解除し、支柱部材300、支柱側梁部材500、可変梁部材600、及び中間梁部材700を分解して、保管しておく。また、支柱部材300、支柱側梁部材500、可変梁部材600、及び中間梁部材700のそれぞれの全長は5m(メートル)以内とすることで、トラック等に容易に積み重ねて運搬することができる。また、支柱部材300、支柱側梁部材500、可変梁部材600、及び中間梁部材700のそれぞれは、
図1(b)や
図4(b)に示すように、厚さが薄く平坦状に形成されているので、保管時に段積みがし易い。
【0033】
なお、連結板800、ボルト802及びナット803を用いて各部材を連結しているが、これに限定されず、各部材が取り外し可能に連結できるのであれば、その他の連結固定の方法を採用してもよい。ただ、
図2に示すように、骨組構造体100の間口を正面視した際に、連結板800が正面側に平行に面するように、各部材の前後面に連結板800を取り付けると、連結固定した各部分は更に補強される。具体的には、
図1(b)に示すように、テントTが奥行き方向(前後方向)に延びるように、複数の骨組構造体100は互いに連結されているので、骨組構造体100の各部材の連結箇所には、テントTの張力や外力等によって奥行き方向への負荷がかかる。そのため、各部材の前後面に、間口の正面側に平行に面するように連結板800を取り付けると、連結固定した各部分は更に補強されるのである。
【0034】
ここで、
図2に示す骨組構造体100は、間口L1が12.5m(メートル)となるように構成されている。ただし、仕様や顧客の要望により間口を狭くしたい場合がある。その場合は、
図5(a)に示すように、可変梁部材600を取り外して、中間梁部材700と支柱側梁部材500とを直接連結することで、間口を狭くすることが出来るのである。これにより、
図5(a)に示す骨組構造体100は、間口L2が10m(メートル)となっている。なお、
図5(a)及び(b)は、本願発明の骨組構造体100の間口の長さを変えた状態の正面図である。
【0035】
なお、
図4を参照して上述したように、可変梁部材600と支柱側梁部材500との連結固定と、可変梁部材600と中間梁部材700との連結固定は、共通する部品の連結板800によって行うことができるように構成されている。そのため、
図5(a)に示すように、可変梁部材600を取り外して、中間梁部材700と支柱側梁部材500とを直接連結する際にも、連結板800をそのまま利用することができる。具体的には、可変梁部材600を取り外し、支柱側梁部材500の先端520の端部と中間梁部材700の端部710とを付き合わせる。すると、中間梁部材700の連結面730と支柱側梁部材500の連結面540が連続した平坦面となる。そして、この連続した連結面540と連結面730の表面と裏面のそれぞれに、連結板800を外側から宛がう。次に、支柱側梁部材500の先端520の端部と中間梁部材700の端部710を跨ぐように宛がわれた連結板800を、各端部にボルト802とナット803とで固定すれば、支柱側梁部材500と中間梁部材700は連結板800によって互いに強固に連結固定されることになる。
【0036】
さらに、仕様や顧客の要望により間口を広くしたい場合がある。その場合は、
図5(b)に示すように、全長が長い可変梁部材600’に取り替えることで、間口L3を広くすることが出来るのである。
図5(b)に示す骨組構造体100は、間口L3が15m(メートル)となっている。この可変梁部材600’は、全長L4が可変梁部材600の全長L5より長い点で異なるだけで、その他の構成は、可変梁部材600と同じである。そのため、可変梁部材600の代わりに可変梁部材600’を、支柱側梁部材500と中間梁部材700の間に連結固定する際は、
図4(a)で説明した、連結板800を用いて可変梁部材600を支柱側梁部材500と中間梁部材700の間に連結固定する方法と同じ方法を用いることができる。
【0037】
具体的には、不図示であるが、中間梁部材700の端部710と端部720のそれぞれに、可変梁部材600’の先端の端部を付き合わせ、そして、各端部を跨ぐように連結板800を外側から宛がい、ボルト802とナット803によって連結板800を各端部に固定する。すると、可変梁部材600’と中間梁部材700は連結板800によって互いに強固に連結固定されることになる。このようにして、可変梁部材600を、全長が異なる可変梁部材600’に容易に交換することができる。また、可変梁部材600以外の構成要素(すなわち、支柱部材300、支柱側梁部材500、中間梁部材700、連結板800)は変更する必要がなく、間口を変更してもそのまま利用できる。なお、可変梁部材600’は、可変梁部材600よりも全長が長いが、これに限定されず、可変梁部材600よりも全長が短くてもよく、可変梁部材600’の全長は任意の長さにしてもよい。また、可変梁部材600’の全長は、数mm単位で自由に設定してもよい。
【0038】
このように、本願発明の骨組構造体100によれば、
図5(b)に示すように、テントTの間口を変更したい場合は、可変梁部材600だけを全長が異なる可変梁部材600’に交換することで、容易に対応することができるのである。さらに、可変梁部材600のみを交換するだけで、可変梁部材600以外の構成要素(支柱部材300、支柱側梁部材500、中間梁部材700、連結板800)は変更する必要が無く、そのまま利用できる。つまり、間口が異なる数種類のテントTにおいて、可変梁部材600以外の構成要素(支柱部材300、支柱側梁部材500、中間梁部材700、連結板800)は規格化された共通部品であるから、間口の大きさが変更されても、骨組構造体100の製造コストを抑えることができるのである。
【0039】
また、各構成要素(支柱部材300、支柱側梁部材500、中間梁部材700、連結板800)は規格化された共通部品なので、構成要素の一部に劣化や損傷が生じても、当該構成要素のみを交換すればよく、メンテナンス性が良好で、コストも抑えることが出来る。また、複数の顧客の要望に応じて間口を変更する際は、可変梁部材600を変更するだけで対応することができると共に、各構成要素を繰り返し利用できるので、例えば、短期間のレンタル用やリース契約用で本願発明の骨組構造体100を貸し出す際には、コストを抑えることができる。
【0040】
なお、本願発明の骨組構造体100では、骨組構造体100の設計の最適化の観点から、可変梁部材600のみを全長が異なる可変梁部材600’に交換可能に構成し、可変梁部材600以外の構成要素(支柱部材300、支柱側梁部材500、中間梁部材700、連結板800)は規格化された共通部品としている。具体的には、テントTの間口を変更する場合は、支柱側梁部材500の全長を変更したり、中間梁部材700の全長を変更して対応することもできる。ただ、支柱側梁部材500は、梁部材400の重量を支えるために高い強度を備える部分であり、多くのつなぎ部材200が設置される部分でもある。また、支柱部材300と連結固定するために、略L字形状の複雑な形状をしている。そのため、支柱側梁部材500の全長を変更する場合は、支柱側梁部材500が複雑な形状をしている上に、支柱側梁部材500の強度確保やつなぎ部材200の設置位置の変更等の様々な要素を考慮しなければならず、再設計が非常に面倒でコストも嵩んでしまう。一方、中間梁部材700は、テントTの頂部を構成する部分であると共に、両側の可変梁部材600又は支柱側梁部材500を接続する部分なので負荷が掛かりやすく、更に、略くの字状の複雑な形状をしている。そのため、中間梁部材700の全長を変更する場合は、中間梁部材700が複雑な形状をしている上に、中間梁部材700の強度確保等の様々な要素を考慮しなければならず、再設計が非常に面倒でコストも嵩んでしまう。そこで、本願発明の骨組構造体100では、支柱側梁部材500と中間梁部材700の間の可変梁部材600のみを設計変更して、支柱側梁部材500と中間梁部材700は規格化して共通部品としたのである。可変梁部材600は、支柱側梁部材500と中間梁部材700を繋ぐ部品であり、支柱側梁部材500と中間梁部材700に比べれば、設計変更も容易である。さらに、可変梁部材600は直線状に延びる単純な形状をした部材なので、全長を変更しても、複雑な強度計算等を回避でき再設計するのも容易である。
【0041】
さらに、本願発明の骨組構造体100によれば、
図5(a)に示すように、テントTの間口を更に狭く変更したい場合に対応するため、可変梁部材600を取り外して、支柱側梁部材500と中間梁部材700を直接連結して固定できるように構成している。そのため、可変梁部材600を取り外すだけで、間口を狭く変更したテントTを容易に組み立てることができると共に、可変梁部材600以外の構成要素(支柱部材300、支柱側梁部材500、中間梁部材700、連結板800)は変更する必要が無く、そのまま利用できるので、骨組構造体100の製造コストを抑えることができる。
【0042】
さらに、本願発明の骨組構造体100によれば、支柱側梁部材500と可変梁部材600との連結は、支柱側梁部材500の端部と可変梁部材600の端部とを付き合わせて、両方の端部を跨ぐように連結板800を外側から宛がい、各端部と連結板800とを固定することでなされるため、支柱側梁部材500と可変梁部材600との連結が非常に容易である。特に、両方の端部を跨ぐように連結板800を外側から宛がい固定する方法なので、可変梁部材600の取り外し及び取付けが容易となる。
【0043】
さらに、本願発明の骨組構造体100によれば、可変梁部材600と中間梁部材700との連結は、可変梁部材600の端部と中間梁部材700の端部とを付き合わせて、両方の端部を跨ぐように連結板800を外側から宛がい、各端部と連結板800とを固定することでなされるため、可変梁部材600と中間梁部材700との連結が非常に容易である。特に、両方の端部を跨ぐように連結板800を外側から宛がい固定する方法なので、可変梁部材600の取り外し及び取付けが容易となる。
【0044】
さらに、本願発明の骨組構造体100によれば、支柱側梁部材500の当接部550の曲率と、中間梁部材700の当接部750の曲率が等しくなっているので、骨組構造体100の外側にテント膜Sを張った際に、当接部550に接触するテント膜Sの引張力と、当接部750に接触するテント膜Sの引張力とが略均一になり、その結果、テント膜S全体にかかる引張力が均一に分散されて、テント膜Sの耐久性が上がるのである。
【0045】
なお、本願発明の骨組構造体は、上記の実施例に限定されず、特許請求の範囲に記載された範囲、実施形態の範囲で、種々の変形例、組み合わせが可能であり、これらの変形例、組み合わせもその権利範囲に含むものである。