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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-02
(45)【発行日】2022-03-10
(54)【発明の名称】半導体モジュール
(51)【国際特許分類】
   H01L 25/065 20060101AFI20220303BHJP
   H01L 25/07 20060101ALI20220303BHJP
   H01L 25/18 20060101ALI20220303BHJP
【FI】
H01L25/08 Y
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2019555105
(86)(22)【出願日】2017-11-21
(86)【国際出願番号】 JP2017041887
(87)【国際公開番号】W WO2019102528
(87)【国際公開日】2019-05-31
【審査請求日】2020-05-14
(73)【特許権者】
【識別番号】515225518
【氏名又は名称】ウルトラメモリ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【弁理士】
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【弁理士】
【氏名又は名称】林 一好
(74)【代理人】
【識別番号】100190621
【弁理士】
【氏名又は名称】崎間 伸洋
(72)【発明者】
【氏名】越川 康二
(72)【発明者】
【氏名】奥津 文武
【審査官】多賀 和宏
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2015/0171065(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0200696(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0145116(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0252640(US,A1)
【文献】特開2008-010825(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0380377(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 25/00-25/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
論理チップと、
積層型RAMモジュールであるRAM部と、
前記RAM部の積層方向に沿って重ねて配置されるスペーサと、
前記論理チップ及び前記RAM部のそれぞれに電気的に接続されるインタポーザと、
前記論理チップと前記RAM部の間とを通信可能に接続する接続部と、
を備え、
前記論理チップ及び前記スペーサは、前記RAM部の積層方向に交差する方向に隣接配置され、
前記RAM部は前記インタポーザに載置されるとともに、一端部が前記論理チップの一端部と積層方向で重なって接触して配置され、
前記接続部は、前記RAM部の一端部及び前記論理チップの一端部を通信可能に接続する半導体モジュール。
【請求項2】
前記RAM部及び前記スペーサは、前記論理チップを挟んで一対に設けられ、
前記接続部は、前記RAM部ごとに設けられる請求項1に記載の半導体モジュール。
【請求項3】
前記スペーサの厚さは、前記論理チップの厚さとほぼ等しい請求項1に記載の半導体モジュール。
【請求項4】
前記スペーサの厚さは、前記論理チップの厚さよりも厚い請求項1に記載の半導体モジュール。
【請求項5】
前記スペーサの端部のうち、前記論理チップに対向する側とは逆側の端部は、前記RAM部の積層方向に交差する方向において、前記RAM部よりも突出して配置される請求項1に記載の半導体モジュール。
【請求項6】
前記インタポーザと前記論理チップとの間を通信可能に接続する複数のピラーであって、それぞれが前記RAM部の積層方向の厚さよりも長い複数のピラーを更に備える請求項1に記載の半導体モジュール。
【請求項7】
前記論理チップは、1つの前記インタポーザに対して複数設けられ、
一対の前記RAM部及び一対の前記スペーサは、前記論理チップごとに設けられる請求項1に記載の半導体モジュール。
【請求項8】
前記接続部は、前記RAM部の上面と前記論理チップの下面とに露出するパッドである請求項1に記載の半導体モジュール。
【請求項9】
前記接続部は、前記RAM部及び前記論理チップの内部に配置されるコイルとして、前記RAM部及び前記論理チップに実装される請求項1に記載の半導体モジュール。
【請求項10】
論理チップと、
積層型RAMモジュールであるRAM部と、
前記RAM部の積層方向に沿って重ねて配置されるスペーサと、
前記論理チップ及び前記RAM部のそれぞれに電気的に接続されるインタポーザと、
前記論理チップと前記RAM部の間とを通信可能に接続する接続部であって、前記論理チップと前記RAM部との間で電力及びグラウンドを供給する接続回路を有する接続部と、
を備え、
前記論理チップ及び前記スペーサは、前記RAM部の積層方向に交差する方向に隣接配置され、
前記RAM部は前記インタポーザに載置されるとともに、一端部が前記論理チップの一端部と積層方向で重なって配置され、
前記接続部は、前記RAM部の一端部及び前記論理チップの一端部を通信可能に接続する半導体モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、記憶装置としてDRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性メモリ(RAM)が知られている。DRAMには、演算装置(以下、論理チップという)の高性能化やデータ量の増大に耐えうる大容量化が求められている。そこで、メモリ(メモリセルアレイ、メモリチップ)の微細化及びセルの平面的な増設による大容量化が図られてきた。一方で、微細化によるノイズへの惰弱性や、ダイ面積の増加等により、この種の大容量化は限界に達してきている。
【0003】
そこで、昨今では、平面的なメモリを複数積層して3次元化(3D化)して大容量化を実現する技術が開発されている。また、論理チップ及びRAMを重ねて配置することで、論理チップ及びRAMの設置面積を低減する半導体モジュールが提案されている(例えば、特許文献1及び2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特表2014-512691号公報
【文献】特開2010-232659号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、論理チップの高性能化やデータ量の増大により、論理チップ及びRAM間の通信速度の向上も大容量化とともに求められている。そこで、論理チップ及びRAM間のバンド幅(帯域幅)を向上することが可能な半導体モジュールを提供することができれば好ましい。
【0006】
本発明は、論理チップ及びRAM間のバンド幅(帯域幅)を向上することが可能な半導体モジュールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、論理チップと、積層型RAMモジュールであるRAM部と、前記RAM部の積層方向に沿って重ねて配置されるスペーサと、前記論理チップ及び前記RAM部のそれぞれに電気的に接続されるインタポーザと、前記論理チップと前記RAM部の間とを通信可能に接続する接続部と、を備え、前記論理チップ及び前記スペーサは、前記RAM部の積層方向に交差する方向に隣接配置され、前記RAM部は前記インタポーザに載置されるとともに、一端部が前記論理チップの一端部と積層方向で重なって配置され、前記接続部は、前記RAM部の一端部及び前記論理チップの一端部を通信可能に接続する半導体モジュールに関する。
【0008】
また、前記RAM部及び前記スペーサは、前記論理チップを挟んで一対に設けられ、前記接続部は、RAM部ごとに設けられることが好ましい。
【0009】
また、前記スペーサは、前記論理チップの厚さとほぼ等しいことが好ましい。
【0010】
また、前記スペーサは、前記論理チップの厚さよりも厚いことが好ましい。
【0011】
また、前記スペーサの端部のうち、前記論理チップに対向する側とは逆側の端部は、前記RAM部の積層方向に交差する方向において、前記RAM部よりも突出して配置されることが好ましい。
【0012】
また、半導体モジュールは、前記インタポーザと前記論理チップとの間を通信可能に接続する複数のピラーであって、それぞれが前記RAM部の積層方向の厚さよりも長い複数のピラーを更に備えることが好ましい。
【0013】
また、前記論理チップは、1つの前記インタポーザに対して複数設けられ、一対の前記RAM部及び一対の前記スペーサは、前記論理チップごとに設けられることが好ましい。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、論理チップ及びRAM間のバンド幅(帯域幅)を向上することが可能な半導体モジュールを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の一実施形態に係る半導体モジュールを示し、スペーサ及び支持体を除いた概略平面図である。
図2】一実施形態の半導体モジュールの概略側面図である。
図3】一実施形態の半導体モジュールを作製する際のMPUを示す概略側面図である。
図4】一実施形態の半導体モジュールを作製する際のMPUに接続部を設けた概略側面図である。
図5】一実施形態の半導体モジュールを作製する際のMPUにピラーを設けた概略側面図である。
図6】一実施形態の半導体モジュールを作製する際のRAM部を示す概略側面図である。
図7】一実施形態の半導体モジュールを作製する際のRAM部に接続部を設けた概略側面図である。
図8】一実施形態の半導体モジュールを作製する際のRAM部にマイクロバンプを設けた概略側面図である。
図9】一実施形態の半導体モジュールを作製する際の支持体を示す概略側面図である。
図10】一実施形態の半導体モジュールを作製する際の支持体にMPUを設けた概略側面図である。
図11】一実施形態の半導体モジュールを作製する際の支持体にスペーサを設けた概略側面図である。
図12】一実施形態の半導体モジュールを作製する際の支持体にRAM部を設けた概略側面図である。
図13】本発明の変形例に係る半導体モジュールを示し、スペーサ及び支持体を除いた概略平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明に係る半導体モジュールの一実施形態について図1図13を参照して説明する。
一実施形態に係る半導体モジュールは、例えば、演算装置(以下、論理チップという)と、積層型RAMとをインタポーザ上に配置したSIP(system in a package)である。半導体モジュールは、他のインタポーザ又はパッケージ基板上に配置され、マイクロバンプやはんだバンプ等を用いて電気的に接続される。半導体モジュールは、他のインタポーザから電源を得るとともに、他のインタポーザとの間でデータ送受信が可能な装置である。なお、以下の一実施形態において、MPUを論理チップの一例として説明する。
【0017】
本実施形態に係る半導体モジュール1は、図1及び図2に示すように、インタポーザ10と、MPU20と、ピラー30と、RAM部40と、接続部50と、スペーサ60と、支持体70と、を備える。
【0018】
インタポーザ10は、図1及び図2に示すように、平面視矩形の板状体であり、内部に電気回路が形成される。インタポーザ10は、後述するMPU20及びRAM部40のそれぞれに電気的に接続される。インタポーザ10は、他のインタポーザ(図示せず)又はパッケージ基板(図示せず)上に配置され、一方の面(下面)が、例えば、マイクロバンプ(図示せず)やはんだバンプ(図示せず)等を用いて他のインタポーザ又はパッケージ基板に電気的に接続される。なお、以下において、インタポーザ10の厚さ方向は、積層方向Cとして説明される。また、積層方向Cのうち、MPU20及びRAM部40が載置される面側は、上方として説明される。また、積層方向Cのうち、上方とは逆側の方向は、下方として説明される。
【0019】
MPU20は、平面視矩形の板状体である。MPU20は、図1及び図2に示すように、下面側に電源端子、通信端子、及びグラウンド端子として機能する回路面(図示せず)が配置される。MPU20の回路面は、インタポーザ10の上面に対向配置される。
【0020】
ピラー30は、複数配置される。ピラー30は、インタポーザ10とMPU20との間を通信可能に接続する。具体的には、ピラー30の一端は、インタポーザ10に接続され、他端側がMPU20の回路面に接続される。ピラー30は、それぞれが後述するRAM部40の積層方向Cの厚さよりも長い。
【0021】
RAM部40は、それぞれが平面視矩形の積層型RAMモジュールから構成される。RAM部40は、図2に示すように、インタポーザ10の上面に載置される。RAM部40の一端部は、後述する接続部50を介してMPU20の一端部と積層方向Cで重なって配置される。具体的には、RAM部40の一端部は、MPU20の一端部とインタポーザ10との間に介在するように配置される。RAM部40のインタポーザ10の上面に対向する下面は、マイクロバンプMを用いてインタポーザ10と電気的に接続される。RAM部40は、特に制限されないが、積層方向Cに交差する方向でMPU20を挟むように一対に設けられ得る。具体的には、本実施形態において、特に制限されないが、RAM部40は、4つ配置され、MPU20の一辺とその逆側の一辺とにそれぞれの辺に沿って2つずつ設けられ得る。これにより、MPU20を挟む一対のRAM部40の間の距離は、MPU20の一辺及びその逆側の一辺との長さよりも短い距離で設けられる。
【0022】
RAM部40は、メモリ回路(図示せず)が積層されて形成される。具体的には、RAM部40は、上面にメモリ回路を有する平面視矩形の板状体のダイ(図示せず)が積層方向Cに積層されて形成される。ダイは内部に回路が形成されたSi基板であり、積層されたダイのそれぞれは、隣接するダイと電気的に接続される。積層されるダイの間を接続する電源端子及びグラウンド端子は、例えば、バンプレスTSVにより形成され、信号線がTCI(ThruChip Interface)により形成される。なお、「電気的に接続される」とは、直接接続されるものに限らず、TCIのように間接的に(例えば、磁界を用いて)接続されることを含む。
【0023】
接続部50は、MPU20とRAM部40とを接続する通信インタフェースである。接続部50は、例えば、TCIやCuパッド等により構成される。接続部50は、MPU20とRAM部40との間を通信可能に接続する。接続部50は、RAM部40の面のうち、インタポーザ10に載置される面(下面)とは逆の面(上面)の一端部に接続される。また、接続部50は、MPU20のインタポーザ10に対向する面(下面)の一端部に接続される。具体的には、接続部50は、RAM部40の上面のうちMPU20に対向する部分と、MPU20の下面のうちRAM部40に対向する部分とに接続される。接続部50は、RAM部40のそれぞれに配置される。例えば、本実施形態において、接続部50は、4つのRAM部40と、MPU20との間のそれぞれに配置される。なお、接続部50は、MPU20及びRAM部40を物理的に接続するものに制限されず、無線(例えば、TCI)を用いて両者を通信可能に接続するものも含む。
【0024】
スペーサ60は、RAM部40の上面に載置される。スペーサ60は、例えば、平面視矩形に構成される。スペーサ60は、例えば、シリコンで構成される。スペーサ60の厚さは、MPU20の厚さとほぼ等しく構成されるか、MPU20の厚さよりも厚く構成される。より好ましくは、インタポーザ10の上面からスペーサ60の上面までの高さは、インタポーザ10の上面から、ピラー30によってインタポーザ10に接続されるMPU20の上面までの高さと略同じ又は同じ高さとなるように構成される。スペーサ60は、MPU20に対して、RAM部40の積層方向Cに交差する方向に隣接配置される。本実施形態において、スペーサ60は、MPU20の側面を挟み込むようにMPU20に隣接配置される。スペーサ60の端部のうち、MPU20に対向する側とは逆側の端部は、RAM部40の積層方向Cに交差する方向において、RAM部40よりも突出して配置される。具体的には、スペーサ60の端部のうち、MPU20に対向する側とは逆側の端部が、MPU20に向かう側とは逆側の方向において、RAM部40よりも突出して配置される。
【0025】
なお、MPU20及びRAM部40の間に隙間が必要無い場合、スペーサ60の厚さは、MPU20の厚さとほぼ等しく構成される。この場合、接続部50は、RAM部40とMPU20に実装される。例えば、MPU20及びRAM部40がTCIや、Cuハイブリッドボンディング技術によって接続される場合、接続部50は、RAM部40とMPU20の内部に配置されるコイル(図示せず)やRAM部40の上部表面とMPU20の下部表面に露出するCuパッド(図示せず)としてRAM部40とMPU20に実装される。
【0026】
支持体70は、例えば、シリコンで構成される。支持体70は、例えば、正面視略矩形に形成される。支持体70は、スペーサ60の上面と、MPU20の上面とに載置される。支持体70は、スペーサ60及びMPU20を正面視で覆うことが可能な大きさで形成される。
【0027】
次に、半導体モジュール1の動作について説明する。
まず、インタポーザ10から、MPU20に電源が供給される。また、インタポーザ10から、RAM部40に電源が供給される。また、MPU20は、インタポーザ10とグラウンド接続される。RAM部40は、インタポーザ10とグラウンド接続される。なお、接続部50を介してMPU20からRAM部40に電源とグラウンドを供給しても良い。
【0028】
RAM部40にデータがストアされる場合、まず、インタポーザ10からピラー30を介してMPU20にデータが送られる。MPU20は、送られたデータに基づいて演算した演算結果をストア信号として、RAM部40に送る。即ち、MPU20から送られたストア信号は、MPU20の回路面と、接続部50と、を通り、RAM部40に送られる。RAM部40は、ストア信号に含まれるアドレスに基づいて、ストア信号に含まれるデータをストアする。
【0029】
一方、RAM部40からデータがロードされる場合、まず、インタポーザ10からピラー30を介してMPU20にロード信号が送られる。即ち、MPU20から送られたロード信号は、MPU20の回路面及び接続部50を通り、RAM部40に送られる。
【0030】
RAM部40は、ロード信号に含まれるアドレスに基づいて、該当するアドレスからデータをロードする。RAM部40は、ロードしたデータについて接続部50を介してMPU20に送る。
【0031】
次に、半導体モジュール1の構造について説明する。
まず、図3に示すように、回路面を有するMPU20が用意される。次いで、図4に示すように、MPU20の回路面の両端に、接続部50の一部が形成される。次いで、図5に示すように、MPU20の回路面の中央部に複数のピラー30が形成される。
【0032】
また、図6に示すように、複数のダイを積層したRAM部40が用意される。次いで、図7に示すように、RAM部40の上面(図7では紙面上方)の一端部に接続部50の一部が形成される。次いで、図8に示すように、RAM部40の下面に複数のマイクロバンプMが形成される。
【0033】
次いで、図9に示すように支持体70が用意される。支持体70は、積層方向Cにおいて、上下方向を反転して配置される(以下の図9図12では、上下方向が逆に示される)。次いで、図10に示すように、支持体70の一方の面(下面)上に、MPU20が載置される。具体的には、MPU20は、上面を支持体70の一方の面(下面)に対向した状態で支持体70に載置される。次いで、図11に示すように、スペーサ60が、支持体70の一方の面(下面)上に、MPU20に隣接した状態で載置される。次いで、図12に示すように、RAM部40が、スペーサ60上に載置される。これにより、RAM部40の上面は、スペーサ60の下面に対向する。このとき、RAM部40に構成された接続部50の一部と、MPU20に構成された接続部50の一部とが重なるようにして配置される。そして、MPU20に接続されたピラー30と、RAM部40に構成されたバンプとに対してインタポーザ10の上面が接続されることで、図2に示すような半導体モジュール1の構造が実現される。
【0034】
以上のような一実施形態に係る半導体モジュール1によれば、以下の効果を奏する。
【0035】
(1)半導体モジュールは、論理チップと、積層型RAMモジュールであるRAM部40と、RAM部40の積層方向に沿って重ねて配置されるスペーサ60と、論理チップ及びRAM部40のそれぞれに電気的に接続されるインタポーザ10と、論理チップとRAM部40の間とを通信可能に接続する接続部50と、を備え、論理チップ及びスペーサ60は、RAM部40の積層方向に交差する方向に隣接配置され、RAM部40はインタポーザ10に載置されるとともに、一端部が論理チップの一端部と積層方向で重なって配置され、接続部50は、RAM部40の一端部及び論理チップの一端部を通信可能に接続する。これにより、MPU20と一対のRAM部40のそれぞれとを接続部50により直接的に接続可能であるので、MPU20と一対のRAM部40のそれぞれとの間の信号線(接続部50の長さ)を短くすることができる。よって、MPU20と一対のRAM部40との間のバンド幅を広くすることができる。
【0036】
(2)半導体モジュールは、RAM部40及びスペーサ60は、論理チップを挟んで一対に設けられ、接続部50は、RAM部40ごとに設けられる。これにより、それぞれのRAM部40が接続部50によって個別にMPU20に接続されるので、MPU20に対して複数のRAM部40を容易に接続することができ、RAM部40の容量を容易に増やすことができる。
【0037】
(3)スペーサ60の厚さは、論理チップの厚さとほぼ等しいか、それよりも厚い。これにより、RAM部40の上面にMPU20の下面を接続しつつ、支持体70を安定して配置することができる。
【0038】
(4)スペーサ60の端部のうち、論理チップに対向する側とは逆側の端部は、RAM部40の積層方向に交差する方向において、RAM部40よりも突出して配置される。これにより、スペーサ60の側面がRAM部40の側面と面一となる場合に比べ、スペーサ60の露出する面積が増えるので、RAM部40において発生した熱の放熱性を高めることができる。また、積層するためのペースト等をRAM部40の全面に塗布できるため構造を安定化させ、RAM部40の傾きを防止することができる。
【0039】
(5)半導体モジュールは、インタポーザ10と論理チップとの間を通信可能に接続する複数のピラー30であって、それぞれがRAM部40の積層方向の厚さよりも長い複数のピラー30を更に備える。これにより、インタポーザ10の上面に対して、MPU20の位置をピラー30の長さだけ離して配置することができる。したがって、RAM部40の上面の一部をMPU20の下面の一部に対向させることが可能になり、信号線(接続部50の長さ)を短くすることができる。
【0040】
以上、本発明の半導体モジュールの好ましい一実施形態につき説明したが、本発明は、上述の実施形態に制限されるものではなく、適宜変更が可能である。
【0041】
例えば、図13に示すように、MPU20は、1つのインタポーザ10に対して複数設けられ、一対のRAM部40及び一対のスペーサ60は、MPU20ごとに設けられてもよい。これにより、複数のMPU20のそれぞれに対してRAM部40を接続することができるので、MPU20及びRAM部40の間の信号線(接続部50の長さ)を短くすることができ、複数のMPU20が存在する場合であっても、バンド幅を広くすることができる。
【0042】
また、上記実施形態において、RAM部40及びスペーサ60は、MPU20を挟むように一対に設けられるとして説明されたが、これに制限されない。例えば、RAM部40及びスペーサ60は、MPU20の一辺のみに配置されてもよい。また、RAM部40及びスペーサ60は、MPU20の三辺に配置されてもよく、MPU20を囲繞するように四辺に配置されてもよい。
【0043】
また、演算装置はMPU20に限定されず、広く論理チップ全般に適用されても良く、メモリはDRAMに限定されず、広く不揮発性RAM(例えばMRAM、ReRAM、FeRAM等)を含むRAM(Random Access Memory)全般に適用されても良い。
【符号の説明】
【0044】
1 半導体モジュール
10 インタポーザ
20 MPU
30 ピラー
40 RAM部
50 接続部
60 スペーサ
70 支持体
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13