(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-02
(45)【発行日】2022-03-10
(54)【発明の名称】高周波技術に基づくナッツ圧密板及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
B27N 3/02 20060101AFI20220303BHJP
B27K 5/00 20060101ALI20220303BHJP
【FI】
B27N3/02 A
B27N3/02 C
B27K5/00 F
(21)【出願番号】P 2020058256
(22)【出願日】2020-03-27
【審査請求日】2020-03-27
(31)【優先権主張番号】202010100400.5
(32)【優先日】2020-02-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】517058417
【氏名又は名称】王 凱
(74)【代理人】
【識別番号】100130111
【氏名又は名称】新保 斉
(72)【発明者】
【氏名】王 凱
【審査官】磯田 真美
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第109834776(CN,A)
【文献】特開2018-083939(JP,A)
【文献】特開平04-209631(JP,A)
【文献】実開平05-056407(JP,U)
【文献】特表2004-503415(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B27N 3/02
B27K 5/00
B32B 21/00 - 21/14
JSTPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/WPIDS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
高周波技術に基づく
クルミ圧密板の製造方法であって、
前処理ステップ:PVB中間フィルムを用意して、
クルミ皮とPVB樹脂粒子とを混合し、ここで、PVB樹脂粒子とPVB中間フィルムの重量と、
クルミ皮の粉砕物の重量に対する比を0.8-1.5:10とするステップと、前記PVB樹脂粒子は、PVB樹脂繊維粒子であり、前記PVB樹脂繊維粒子の製造ステップは、重量部0.1-0.5:0.1-0.5のPVB樹脂とリグニン繊維とを用いて、熱溶融、混合、押出、冷却を行うステップを含む、
予備成形体の製造ステップ:1層のPVB中間フィルムにつき1層の混合材料が入るように、全てのPVB中間フィルムと混合材料を金型に入れて予備成形体を得るステップと、
加熱加圧処理ステップ:高周波の周波数3-10MHz、ホットプレス温度80-160℃、ホットプレス時間4-600秒、圧力1-10MPaの条件で、前記予備成形体を圧縮するステップとを含む
ことを特徴とする高周波技術に基づく
クルミ圧密板の製造方法。
【請求項2】
前記PVB樹脂粒子と前記PVB中間フィルムの重量の、前記
クルミ皮の重量に対する比を0.9-1.0:10とする請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
前記PVB樹脂と前記リグニン繊維との重量部の比が0.5:0.2-0.3である請求項1に記載の製造方法。
【請求項4】
前記
クルミ皮の粒径は1-10mmである
請求項1に記載の製造方法。
【請求項5】
前記
クルミ皮の粒径は2-5mmである
請求項4に記載の製造方法。
【請求項6】
前記
クルミ皮の含水率は5-15%である
請求項1に記載の製造方法。
【請求項7】
前記
クルミ皮の含水率は9-12%である
請求項6に記載の製造方法。
【請求項8】
前記製造方法は、さらに、
加熱加圧処理された
クルミ圧密板を温度180-220℃に高周波加熱し、5-8分間保温して硬化処理を行い、硬化
クルミ皮板を製造し得る硬化処理ステップと、
硬化処理された
クルミ皮板の面を、水冷技術により5-15℃/分間の速度で冷却して、
クルミ皮板の温度70-90℃になるまで冷却し、水冷技術の水流速度が0.9-1.5m/sであり、
クルミ皮板の表面温度が85-90℃になるまで風冷を行い、風速が9.2-9.7m/sであり、風の温度が55-60℃である降温処理ステップと、
の1種又は2種を含む
請求項1に記載の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、積層技術の分野に属し、特に高周波技術に基づくナッツ圧密板及びその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ナッツは皮が硬くて、栄養が豊富で、毎年大量のナッツが食用に供されるため、廃棄物としてのナッツ皮も大量に発生している。廃棄ナッツ皮を用いて板材を製造しようと試みているものもあるが、板材の評価には、加工性、防湿性、さらには臭気などの多くの指標が含まれることが多い。板材のいくつかの指標を向上又は改良すれば、板材の他のいくつかの指標が低下又は悪化し、そのため、現在のところ、ナッツ皮の硬い特性を維持し、且つナッツ本来の香りをよく保持することができるほどナッツ積層板が製造された報告もなく、防湿性を有するナッツ積層板の報告も未だない。例えば、特許文献1のクルミ殻粉含有の原料植物繊維は、処理剤を投入して38℃に保持して3-6時間浸漬処理を行い、ホットプレス機を用いてホットプレスすることにより製造されているが、この方法では、ナッツ皮本来の香りや、ナッツ皮本来の硬い特性を保持することに不利で、且つ防湿性も低い。また、例えば特許文献2には、各種類の穀稈とナッツ殻の粉砕粒の85-90%と、防湿尿素ホルムアルデヒド樹脂接着剤10-15%とを混合し、予備加圧、ホットプレスを行って得る防湿防音板材の防湿層が開示されている。しかし、尿素ホルムアルデヒドに含まれる遊離ホルムアルデヒドは毒性を有し、尿素ホルムアルデヒド樹脂の使用量が少なすぎると防湿性能が低くなりすぎる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】中国特許CN106426427A
【文献】中国特許CN109703152A
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記技術的課題を解決するために、本発明は、高周波技術に基づくナッツ圧密板の製造方法を提供し、以下のステップを含む。
【0005】
前処理ステップ:PVB中間フィルムを用意して、ナッツ皮とPVB樹脂粒子とを混合し、ここで、PVB樹脂粒子とPVB中間フィルムの重量の、クルミ皮の粉砕物の重量に対する比を0.8-1.5:10にし、
予備成形体の製造ステップ:1層のPVB中間フィルムにつき1層の混合材料が入るように、全てのPVB中間フィルムと混合材料を金型に入れて予備成形体を得て、
加熱加圧処理ステップ:高周波の周波数3-10MHz、ホットプレス温度80-160℃、ホットプレス時間4-600秒、圧力1-10MPaの条件で、前記予備成形体を圧縮する。
【0006】
本発明のPVB中間フィルムは、主としてPVB樹脂で製造される。PVB樹脂は、ポリビニルアルコールとブチルアルデヒドを強酸触媒下で反応させて得られる高分子化合物である。市販のPVB中間フィルム及びPVB樹脂はいずれも本発明の選択の範囲内であり、本発明は特に限定されない。
【0007】
本発明のナッツには、クリ、カシューナッツ、クルミ、向日葵の種、アーモンド、ピスタチオ、ヘーゼルナッツ、ピーナッツが含まれるが、これらに限定されない。
【0008】
さらに、前記PVB樹脂粒子と前記PVB中間フィルムの重量と、前記ナッツ皮の重量に対する比を0.9-1.0:10とする。
【0009】
本発明の前記PVB樹脂粒子は、PVB樹脂繊維粒子であり、前記PVB樹脂繊維粒子の製造ステップは、重量部0.5:0.1-0.5のPVB樹脂とリグニン繊維とを用いて、熱溶融、混合、押出、冷却を行うステップを含む。
【0010】
さらに、前記PVB樹脂と前記リグニン繊維との重量部の比が0.5:0.2-0.3である。
【0011】
本発明のナッツ皮の粒径は1-10mmである。
【0012】
さらに、ナッツ皮の粒径は2-5mmである。
【0013】
本発明のナッツ皮の含水率は5-15%である。
【0014】
さらに、ナッツ皮の含水率は8-12%である。
【0015】
本発明の製造方法は、加熱加圧処理されたナッツ皮板を温度180-220℃に高周波加熱し、5-8min保温して硬化処理を行い、硬化ナッツ皮板を製造し得る硬化処理ステップをさらに含む。
【0016】
本発明の製造方法は、硬化処理されたナッツ皮板の面を、水冷技術により5-15℃/minの速度で冷却して、ナッツ皮板の温度70-90℃になるまで冷却し、水冷技術の水流速度が0.9-1.5m/sであり、ナッツ皮板の表面温度が85-90℃になるまで風冷を行い、風速が9.2-9.7m/sであり、風の温度が55-60℃である降温処理ステップをさらに含む。
【0017】
本発明は、また、上記の製造方法により得られる高周波技術に基づくナッツ圧密板を提供する。
【発明の効果】
【0018】
本発明の有益な効果は、加工性、防湿性に優れ、かつナッツ本来の香りを保持する各種の圧密板及びその製造方法を提供することである。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明の実施例における高周波クルミ皮の圧密板
【発明を実施するための形態】
【0020】
(実施例)高周波ナッツ圧密板(クルミ皮)
前処理ステップ:粒径2-5mmのクルミ皮の粉砕物10kg、平均含水率10.1%、粒径1-5mmのPVB樹脂粒子0.5kg(上海美邦塑膠有限公司から購入し、以下同様)、厚み1.2mmのPVB中間フィルム0.5kg(10枚、50g/枚、上海美邦塑膠有限公司から購入し、以下同様)、樹脂材料比1:10として、クルミ皮の粉砕物とPVB樹脂粒子とを混合して混合材料を得る。
【0021】
予備成形体の製造ステップ:圧板式の高周波ホットプレス機を用いて、下熱圧板の離型紙上に金型(長さ55CM*幅35CM*厚さ17CMのコルク製木枠、天地なし)を置き、金型内に1層のPVB中間フィルムにつき1層の混合材料が入るように、全てのPVB中間フィルムと混合材料を金型に入れて予備成形体を得る。
【0022】
加熱加圧処理ステップ:前記予備成形体を、高周波の周波数4MHz、ホットプレス温度140℃、ホットプレス時間7秒、圧力5MPaで圧縮する。
【0023】
切断研磨:冷却後のクルミ皮板を耳切りし、表面を研磨すればよい。プレスを5回行い、長さ50CM*幅30CM*厚さ5CMの3枚の高周波クルミ圧密板(密度0.6g/CM3)を得る。
(実施例2-7)高周波ナッツ圧密板
【0024】
実施例1を参照すると、表1は、実施例2-7製造のための「加熱加圧処理」のパラメータと仕込み条件であり、PVB中間フィルムの使用量は、いずれも実施例1と同様である。
【0025】
【0026】
(実施例8)
【0027】
実施例1の方法を参照して製造したが、異なるのは、以下のとおりである:
【0028】
前処理ステップ:粒径2-5mmのクルミ粉砕物10kg、平均含水率10.4%、粒径2.5mmのPVB樹脂粒子1kg、樹脂-材料の比1:10として採取し、PVB樹脂粒子を熱溶融した後、クルミ皮の粉砕物を加えて6時間撹拌下に浸漬して含浸材料を得て、冷却させる。
【0029】
予備成形体の製造ステップ:圧板式の高周波ホットプレス機を用いて、下熱圧板の離型紙上に金型(長さ55CM*幅35CM*厚さ17CMのコルク製木枠、天地なし)を置き、金型内に含浸材料を入れる。
(実施例9-14)
【0030】
実施例1を参照すると、表2は、実施例9-14製造のための「加熱加圧処理」パラメータと仕込み条件であり、ここで、実施例13は、PVB中間フィルムのみを使用し、クルミ皮の粉砕物は混合材料を製造する必要がなく、実施例14は、PVB中間フィルムを敷く必要がなく、PVB中間フィルムとPVB樹脂粒子のみを使用して製造された混合材料である。
【0031】
【0032】
(実施例15)
【0033】
実施例1の方法を参照して製造したが、異なるのは、以下のとおりである:
【0034】
PVB樹脂繊維粒子製造ステップ:PVB樹脂1kgを熱溶融した後、綿状リグニン繊維(無錫緑建科技有限公司、以下同様)0.5kgを加えて、熱溶融した状態で5-15min撹拌して混合し、取り出してやや冷却し、混合物を半固体状に保持した状態で、造粒剤を用いて押出成形し、冷却して、PVB樹脂繊維粒子(円柱形状で、円柱径及び高さは、いずれも平均2.5mm)を得る。
【0035】
前処理ステップ:粒径2-5mmのクルミ皮の粉砕物10kg、平均含水率10.6%、厚み1.2mmのPVB中間フィルム0.5kgを用意し、前記PVB樹脂繊維粒子から0.75kgを、混合して混合材料に製造し、樹脂-材料の比を1:10とする。
【0036】
予備成形体の製造ステップ:圧板式の高周波ホットプレス機を用いて、下熱圧板の離型紙上に金型(長さ55CM*幅35CM*厚さ17CMのコルク製木枠、天地なし)を置き、金型内に1層のPVB中間フィルムにつき1層の混合材料が入るように、全てのPVB中間フィルムと混合材料を金型に入れる。
(実施例16-25)
【0037】
実施例15を参照すると、表3は、実施例16-25製造のための「加熱加圧処理」パラメータ及び仕込み条件である。
【0038】
【0039】
(実施例26)
【0040】
実施例15を参照すると、加熱加圧処理されたクルミ皮板を温度180℃に高周波加熱し、8min保温して硬化処理を行い、硬化クルミ皮板を製造し得て、冷却する硬化処理ステップをさらに含む。
(実施例27)
【0041】
実施例15を参照すると、硬化処理されたクルミ皮板の表面を、水冷技術により5-15℃/minの速度で冷却して、クルミ皮板の温度70℃になるまで冷却し、水冷技術の水流速度が0.9m/sであり、クルミ皮板の表面温度が90℃になるまで風冷を行い、風速が9.2m/sであり、風の温度が55℃である降温処理ステップをさらに含む。
(実施例28-31)
【0042】
実施例26と27を参照すると、実施例28-31をそれぞれ製造し、対応条件を表4に示す。
【0043】
【0044】
以下、試験例を結合して本発明をさらに説明する。
(試験例1)加工性及び臭気試験
【0045】
試験方法:実施例1-7を試験例1-7、実施例15-17を試験例8-10、実施例8-14を対照例1-7として、加工性試験及び臭気試験を行う。
【0046】
加工性試験の方法は、鋸の切り込み、穴あけ、溝切り、ほぞ、サンディングを行った後に、作業部位の外観を観察し、優、良、一般、劣悪の4段階に分けることであり、臭気試験の方法は、それぞれ0ヶ月、1ヶ月、6ヶ月、24ヶ月にて、ナッツ臭気があるか否かを判断し、0ヶ月に濃い臭気があり1ヶ月に薄い臭気がある場合は「一時的」、1ヶ月に濃い臭気があり6ヶ月に薄い臭気がある場合は「一般」、6ヶ月に濃い臭気があり24ヶ月に薄い臭気がある場合は「持続的」とし、表5に示す。
【0047】
【0048】
試験結果:試験例1-4、8-10は、優れた加工性と持続的なクルミの香りが現れていた。試験例5-6は、優れた加工性と持続的なアーモンドとヘーゼルナッツの香りが現れていた。試験例7は、持続的なピーナッツ臭気もあり、加工性も基本的に要求を満たすことができる。対照例1は、浸漬処理を施したクルミ皮の粉砕物は、一時的なクルミ臭気しか有していないことがわかる。対照例2及び対照例3の樹脂-材料の比は、それぞれ1.7:10及び1.6:10であり、樹脂使用量を増やすことで、より良好な加工性を維持できるが、臭気の放出に大きく影響することがわかる。対照例4及び対照例5の樹脂-材料の比は、それぞれ0.6:10及び0.7:10であり、樹脂使用量を減らすことで、臭気の放出を維持できるが、加工性が大幅に低下することがわかる。対照例6はPVB中間フィルムのみを用いたものであり、フィルム層数が多くなるにしたがって加工性は良好に保たれるが、製造プロセスが複雑になり、臭気も一般の時間しか維持しないことがわかる。対照例7はPVB樹脂粒子のみを使用し、プロセス中のフィルムを張るステップを省いたが、穴あけ、溝切り、ほぞの性能が低下し、臭気も一般の時間しか維持しない。
(試験例2)吸水厚み膨張率
【0049】
試験方法:実施例1-3をそれぞれ試験例1-3、実施例15-17をそれぞれ試験例4-6とし、実施例13-14をそれぞれ対照例1-2、実施例9-10をそれぞれ対照例3-4として、吸水厚み膨張率試験を行う。
【0050】
吸水厚さ膨張率試験方法は、GB/T18102-2007の6.3.4吸水厚さ膨張率を参照して測定する。
【0051】
試験片:対照試験片を採取し、長さ方向と幅方向に沿って1回ずつ切り出して、長さ150mm*幅50mmの試験片を2枚得る。
【0052】
機器:恒温水槽(南京肯凡電子科技有限公司)、温度調節範囲:(20±1)℃。マイクロメータ、精度0.01mm。
【0053】
方法:試験片を温度(20±1)℃の蒸留水槽に浸漬し、試験片を水平方向に垂直に水槽に収容し、試験片の下面と水槽の底面との間に所定の間隔を設けて、試験片の間に所定の隙間を設けて、試験片を自由に膨張させ、浸漬時間24h±15min。浸漬終了後、試験片を取り出し、表面の水分を拭き取り、その厚さh2を元の測定点で測定する。測定作業は30min以内に完了しなければならない。
【0054】
算出:試験片の吸水厚さ膨張率は、試験片の吸水後の厚さ増加量と吸水前の厚さとの比であり、各試験片の吸水厚さ膨張率を百分率で示し、0.1%までの値として、式1で算出する。
【0055】
D=(h2-h1)/h1*100 式1
【0056】
式中、D-吸水厚さ膨張率(%)、h1-浸漬前の試験片厚さ、単位をミリメートル(mm)とし、h2-浸漬後の試験片厚さ、単位をミリメートル(mm)とする。試験片6点の吸水厚さ膨張率の算術平均値を0.1%までの値として算出し、結果を表6に示す。
【0057】
【0058】
試験結果:対照例1、2に比べて、試験例1-6の48hにおける吸水厚さ膨張率がいずれも低く、PVB樹脂粒子とPVB中間フィルムとを混合して用いた場合、高周波ホットプレス条件との相乗効果がより優れていることがわかる。対照例3と対照例4は、樹脂-材料の比は、吸水厚さ膨張率をさらに下げることができず、24hと48hの吸水厚さ膨張率も上昇していることがわかる。
(試験例3)寸法安定性
【0059】
試験方法:実施例15-17をそれぞれ試験例1-3、実施例26-31をそれぞれ試験例4-9、実施例22-25を対照例1-4として、寸法安定性試験を行う。
【0060】
試験方法は、GB/T18102-2007の6.3.10寸法安定性試験を参照されたい。
【0061】
機器及び器具:制御可能な温度23℃±2℃、相対湿度30%±3%と90%±3%の調温調湿箱(上海蘇盈試験機器有限公司)。ノギス、ゲージ250mm、精度0.02mm。
【0062】
試験片:長さ180mm*20mm、長さ方向と幅方向に沿ってそれぞれ1枚、3枚、計6枚を採取する。
【0063】
試験ステップ:各試験片の上面に、長手方向に平行な中心線を引く。
【0064】
全ての試験片を平衡になるまで温度23℃±2℃、相対湿度30%±3%の調温調湿箱に入れ、元の中心線の長さを0.02mmまで測定する。
【0065】
さらに、全ての試験片を平衡になるまで23℃±2℃、相対湿度90%±3%の調温調湿箱に入れ、元の中心線の長さを0.02mmまで測定する。
【0066】
注:24h隔での2回の測定誤差が0.05mmを超えない場合、平衡とみなせる。
【0067】
結果の計算及び表現:
各試験片の寸法変化は、式(2)にしたがって0.02mmまで算出する。
【0068】
ΔL=L2-L1 式2
【0069】
式中、ΔL-試験片の寸法変化、単位をミリメートル(mm)とし、L2-相対湿度90%の条件下で平衡化した後の試験片の長さ、単位をミリメートル(mm)とし、L1-相対湿度30%の条件下で平衡化した後の試験片の長さ、単位をミリメートル(mm)とし、試験片6枚の寸法変化の算術平均値で0.02mmまで測定して示される。
【0070】
表7は異なる粒度と含水率下での寸法安定性であり、表8は硬化と降温処理条件下での寸法安定性である。
【0071】
【0072】
試験結果:表8から明らかなように、対照例1と対照例2は、それぞれ、クルミ皮の含水率が4.2%と16.3%であり、低過ぎる含水率と高過ぎる含水率が寸法の安定性に影響し、対照例3と対照例4は、それぞれ、クルミ皮の粒度が0.1-0.9mmと11.22-15.3mmであり、低過ぎる粒度と高過ぎる粒度が寸法の安定性に影響する。また、試験例1-3の結果は、良好な寸法安定性が示される。
【0073】
【0074】
試験結果:表9から明らかなように、試験例4-6は硬化ステップを追加したサンプルであり、試験例7-9は降温処理ステップを追加したサンプルであり、試験例1-3と大い差がない優れた寸法安定性を示し、試験例10-12よりも明らかに優れ、PVB樹脂繊維粒子は寸法安定性の向上効果に優れていることがわかる。
【0075】
以上に記載した実施形態は、本発明の好適な実施形態を記述するだけのもので、本発明の範囲を限定するものではなく、本発明の精神から逸脱することなく、当業者が本発明の技術的解決手段に対して行われたいかなる変形と改良は、いずれも本発明の請求項で決めた保護範囲に含まれる。