(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-02
(45)【発行日】2022-03-10
(54)【発明の名称】太陽光パネル用架台
(51)【国際特許分類】
H02S 20/10 20140101AFI20220303BHJP
【FI】
H02S20/10 B
(21)【出願番号】P 2021167827
(22)【出願日】2021-10-13
【審査請求日】2021-10-13
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和3年2月15日、株式会社渋井鋼材店が、千葉県浦安市入船において、本願の発明の耐久性・各部材接合部の取り合い確認試験を行った。
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】597167472
【氏名又は名称】株式会社渋井鋼材店
(74)【代理人】
【識別番号】110002871
【氏名又は名称】特許業務法人坂本国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】別所 一美
【審査官】油原 博
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-078566(JP,A)
【文献】特開2016-116264(JP,A)
【文献】特開2014-084700(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2021-0003527(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02S 20/10、20/30
E04H 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
太陽光パネルを支持する太陽光パネル用架台であって、
支柱と、
前記支柱の上面の上方に配置されて第1方向に沿って傾斜する支持上面部を有し、前記支柱に対して固定される第1支持部材と、
前記支柱の上方に配置されて前記第1支持部材の前記支持上面部に沿って前記第1方向に延び、前記支持上面部に対して固定される第1梁行部材と、
前記第1梁行部材の前記第1方向と交叉する第2方向の両側に配置されて前記第1支持部材の前記支持上面部に固定され、前記第1支持部材に対する前記第2方向の両側への前記第1梁行部材の移動を規制する1対の第2支持部材と、
前記第1方向に互いに離間した位置に配置されて前記第2方向に沿って延び、前記第1梁行部材の前記第1方向の両端部に固定される1対の桁行部材と、を備え
、
前記1対の第2支持部材は、前記第1梁行部材に沿って前記第1方向へ延び、前記第1支持部材の前記支持上面部よりも前記第1方向の両側へ長い
ことを特徴とする太陽光パネル用架台。
【請求項2】
太陽光パネルを支持する太陽光パネル用架台であって、
支柱と、
前記支柱の上面の上方に配置されて第1方向に沿って傾斜する支持上面部を有し、前記支柱に対して固定される第1支持部材と、
前記支柱の上方に配置されて前記第1支持部材の前記支持上面部に沿って前記第1方向に延び、前記支持上面部に対して固定される第1梁行部材と、
前記第1梁行部材の前記第1方向と交叉する第2方向の両側に配置されて前記第1支持部材の前記支持上面部に固定され、前記第1支持部材に対する前記第2方向の両側への前記第1梁行部材の移動を規制する1対の第2支持部材と、
前記第1方向に互いに離間した位置に配置されて前記第2方向に沿って延び、前記第1梁行部材の前記第1方向の両端部に固定される1対の桁行部材と、を備え、
前記1対の桁行部材は、前記支柱の延設方向に沿って起立した状態で前記第2方向に沿って延びる起立面部を有する
ことを特徴とす
る太陽光パネル用架台。
【請求項3】
前記1対の第2支持部材は、前記第1梁行部材に沿って前記第1方向へ延び、前記第1支持部材の前記支持上面部よりも前記第1方向の両側へ長い
ことを特徴とす
る請求項2に記載の太陽光パネル用架台。
【請求項4】
前記1対の桁行部材に架け渡されて前記1対の桁行部材に固定され、前記太陽光パネルを支持する第2梁行部材を、を備える
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の太陽光パネル用架台。
【請求項5】
下端部が前記支柱に支持され、上端部が前記1対の桁行部材のいずれかの桁行部材を支持する杖部材を備える
ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の太陽光パネル用架台。
【請求項6】
少なくとも4本の前記杖部材を備え、
4本の前記杖部材の各々の前記上端部は、前記1対の桁行部材の一方の桁行部材のうち前記第1梁行部材よりも前記第2方向の一側の領域と、前記一方の桁行部材のうち前記第1梁行部材よりも前記第2方向の他側の領域と、前記1対の桁行部材の他方の桁行部材のうち前記第1梁行部材よりも前記一側の領域と、前記他方の桁行部材のうち前記第1梁行部材よりも前記他側の領域とを支持する
ことを特徴とする請求項5に記載の太陽光パネル用架台。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、太陽光パネル用架台に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、太陽光パネルを支持する架台が記載されている。架台は、太陽光パネルが載置される面状の枠部と、地表面から上方に延びて枠部を支持する単一の支持部と、を備える。枠部は、桁行方向に延びる複数本の桁行部材と、これら桁行部材に略直交して梁間方向に延びる複数本の梁間部材と、を備える。桁行部材と梁間部材とは、田の字形状に配置されている。支持部は、地表面に露出した円筒柱状の支柱と、支柱から上方に延びて枠部に連結される4本の方杖と、を備える。支柱の上端面は、枠部の桁行部材と梁間部材との交点に連結されている。支柱と枠部との連結点は、枠部の中央に位置している。4本の方杖の上端部は、枠部の四隅に連結されており、方杖の下端部は、支柱に取り付けられる円環状のリングジョイントに連結されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、太陽光パネルには、風や地震等によって荷重が入力するので、太陽光パネル用架台には、太陽光パネルに入力する荷重に対する十分な強度を確保する必要がある。
【0005】
特許文献1に記載の架台(太陽光パネル用架台)では、支柱の上端面が、枠部の中央の桁行部材と梁間部材との交点に連結されているが、この連結態様によっては、太陽光パネルに入力する荷重を支柱へ効率よく伝達することができず、太陽光パネルと支柱との間の部材(例えば、支柱と枠部との連結部分等)が変形してしまうなど、太陽光パネルに入力する荷重に対する十分な強度を確保できないおそれがある。
【0006】
そこで、本開示は、太陽光パネルに入力する荷重に対する十分な強度を確保することが可能な太陽光パネル用架台の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明の第1の態様は、太陽光パネルを支持する太陽光パネル用架台であって、支柱と、前記支柱の上面の上方に配置されて第1方向に沿って傾斜する支持上面部を有し、前記支柱に対して固定される第1支持部材と、前記支柱の上方に配置されて前記第1支持部材の前記支持上面部に沿って前記第1方向に延び、前記支持上面部に対して固定される第1梁行部材と、前記第1梁行部材の前記第1方向と交叉する第2方向の両側に配置されて前記第1支持部材の前記支持上面部に固定され、前記第1支持部材に対する前記第2方向の両側への前記第1梁行部材の移動を規制する1対の第2支持部材と、前記第1方向に互いに離間した位置に配置されて前記第2方向に沿って延び、前記第1梁行部材の前記第1方向の両端部に固定される1対の桁行部材と、を備える。
【0008】
本発明の第2の態様は、上記第1の態様の太陽光パネル用架台であって、前記1対の桁行部材に架け渡されて前記1対の桁行部材に固定され、前記太陽光パネルを支持する第2梁行部材を、を備える。
【0009】
本発明の第3の態様は、上記第1の態様又は上記第2の態様の太陽光パネル用架台であって、前記1対の第2支持部材は、前記第1梁行部材に沿って前記第1方向へ延び、前記第1支持部材の前記支持上面部よりも前記第1方向の両側へ長い。
【0010】
本発明の第4の態様は、上記第1の態様から上記第3の態様のいずれかの太陽光パネル用架台であって、前記1対の桁行部材は、前記支柱の延設方向に沿って起立した状態で前記第2方向に沿って延びる起立面部を有する。
【0011】
本発明の第5の態様は、上記第1の態様から上記第4の態様のいずれかの太陽光パネル用架台であって、下端部が前記支柱に支持され、上端部が前記1対の桁行部材のいずれかの桁行部材を支持する杖部材を備える。
【0012】
本発明の第6の態様は、上記第5の態様の太陽光パネル用架台であって、少なくとも4本の前記杖部材を備え、4本の前記杖部材の各々の前記上端部は、前記1対の桁行部材の一方の桁行部材のうち前記第1梁行部材よりも前記第2方向の一側の領域と、前記一方の桁行部材のうち前記第1梁行部材よりも前記第2方向の他側の領域と、前記1対の桁行部材の他方の桁行部材のうち前記第1梁行部材よりも前記一側の領域と、前記他方の桁行部材のうち前記第1梁行部材よりも前記他側の領域とを支持する。
【発明の効果】
【0013】
本開示によれば、太陽光パネルに入力する荷重に対する十分な強度を太陽光パネル用架台に確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の一実施形態に係る太陽光パネル用架台の正面図であって、太陽光パネルを支持している状態を示す。
【
図2】
図1の太陽光パネル用架台の奥側からの斜視図である。
【
図3】太陽光パネル1を取り外した状態の太陽光パネル用架台の手前側からの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。なお、各図において、FRは太陽光パネル用架台の奥行方向の手前側を、UPは上方を、INは幅方向の内側をそれぞれ示す。また、以下の説明において、奥行方向の手前側は太陽光パネルの低い側を意味し、奥行方向の奥側は太陽光パネルの高い側を意味する。また、太陽光パネルの幅方向は、太陽光パネルを手前側から視た状態の左右方向を意味する。
【0016】
図1は、本発明の一実施形態に係る太陽光パネル用架台10の正面図であって、太陽光パネル1を支持している状態を示す。
図2は、
図1の太陽光パネル用架台10の奥側からの斜視図である。
図3は、太陽光パネル1を取り外した状態の太陽光パネル用架台10の手前側からの斜視図である。
図4は、
図3の太陽光パネル用架台10の側面図である。
図5は、
図3の太陽光パネル用架台10の正面図である。
図6は、太陽光パネル用架台10の平面図である。
図7は、支柱11と第1支持部材12とを示す斜視図である。
図8は、支柱11の上部の斜視図である。
図9は、
図8の支柱の上部を上方から視た図である。
【0017】
図1及び
図2に示すように、本実施形態に係る太陽光パネル用架台10は、太陽光発電に使用される太陽光パネル1を支持するための架台であって、地表面2に設置されて使用される。太陽光パネル用架台10は、太陽光パネル1の手前側を低く(奥側を高く)した状態で、太陽光パネル1を下方から支持する。すなわち、設置された状態の太陽光パネル1は、手前側を低く、奥側を高くしており、水平方向に対して傾斜している。なお、以下の説明では、地表面2に設置した状態の太陽光パネル用架台10について説明する。
【0018】
太陽光パネル用架台10は、日本工業規格によって制定された太陽電池アレイ用支持物の設計用荷重算出方法であるJIS C 8955(2017)に準拠して設計される。JIS C 8955(2017)では、太陽電池アレイ(太陽光パネル1)の質量による固定荷重、風圧荷重、積雪荷重、及び地震荷重の4種類の荷重を想定した上で、架台を設計することが定められている。なお、以下の説明において「荷重」とは、上記4種類の荷重の少なくとも1つの荷重を意味する。
【0019】
図1~
図6に示すように、太陽光パネル用架台10は、地表面2から起立する1本の支柱11と、支柱11に対して固定される第1支持部材12と、第1支持部材12に下方から支持される中央梁行部材(第1梁行部材)13と、第1支持部材12に固定される左右1対の第2支持部材14と、中央梁行部材13に支持される上下1対の桁行部材15と、1対の桁行部材15に支持される左右1対の梁行部材(第2梁行部材)16と、上下の桁行部材15を支持する4本の杖部材17を備える。なお、本発明において、「桁行部材」は、幅方向に延びる部材を意味し、「梁行部材」は、幅方向と交叉する方向(本実施形態では太陽光パネル1が傾斜している方向(後述するパネル傾斜方向))に延びる部材を意味する。
【0020】
支柱11は、太陽光パネル用架台10の支柱11以外の後述する他の部材を介して、太陽光パネル1を支持するための柱であって、地表面2から起立する。本実施形態では、支柱11は、断面矩形状の筒状に形成されて直線状に延び、鉛直方向に沿って地表面2から起立する。支柱11は、その各側面が奥行方向と交叉し、かつ幅方向と交叉する状態で、起立している。支柱11の下端部は、地中に埋設されており、支柱11の上端部側は、地表面2から上方へ突出している。支柱11の上面11aは、略水平に配置される。
【0021】
図7及び
図8に示すように、第1支持部材12は、中央梁行部材13を下方から支持するための部材であって、平板状の部材を曲折して形成される。第1支持部材12は、支柱11の手前側の面11bに固定されて手前側の面11bに沿って上下方向に延びる前板部12aと、支柱11の奥側の面11c(
図4参照)に固定されて奥側の面11cに沿って上下方向に延びる後板部12bと、支柱11の上面11aの上方に配置される上板部12cとを一体的に有する。前板部12aの下端側は支柱11の手前側の面11bに固定(本実施形態では、ボルトによって締結固定)され、前板部12aの上端側は支柱11の上面11aよりも上方へ突出する。また、後板部12bの下端側は支柱11の奥側の面11cに固定(本実施形態では、ボルトによって締結固定)され、後板部12bの上端側は支柱11の上面11aよりも上方へ突出する。支柱11の上面11aよりも上方への前板部12a及び後板部12bの突出量は、後板部12bの方が長い。上板部12cは、前板部12a及び後板部12bの上端縁同士を連結する。上板部12cは、支柱11の上面11aの上方に配置される支持上面部18を有する。支持上面部18は、手前側が低く、奥側が高くなるように、太陽光パネル1の傾斜方向(第1方向。以下、「パネル傾斜方向」という。)に沿って水平方向に対して傾斜する。水平方向に対する支持上面部18の傾斜角度は、水平方向に対する太陽光パネル1の傾斜角度と略同じ角度に設定される。なお、パネル傾斜方向(第1方向)は、幅方向(第2方向)と交叉する方向である。
【0022】
図3~
図9に示すように、中央梁行部材13は、上下の桁行部材15を支持するための部材であって、断面矩形状の筒状に形成されてパネル傾斜方向に沿って直線状に延びる。中央梁行部材13は、パネル傾斜方向の中央部分13aを第1支持部材12の支持上面部18に載置した状態で支持上面部18に対して固定される。本実施形態では、中央梁行部材13は、後述する左右の第2支持部材14を介して支持上面部18に対して固定される。中央梁行部材13のパネル傾斜方向の中央部分13aは、第1支持部材12の支持上面部18の幅方向の中央部分の上方に載置されてパネル傾斜方向に延びる。すなわち、中央梁行部材13は、パネル傾斜方向の中央部分13aが支柱11の上方に配置され、第1支持部材12の支持上面部18に沿ってパネル傾斜方向に延び、支持上面部18に対して固定される。中央梁行部材13は、第1支持部材12の支持上面部18に下方から支持される。なお、本実施形態では、中央梁行部材13を、左右の第2支持部材14を介して支持上面部18に対して固定したが、これに限定されるものではなく、中央梁行部材13を支持上面部18に対して直接的に固定してもよい。
【0023】
左右の第2支持部材14は、第1支持部材12の支持上面部18に対する中央梁行部材13の幅方向(第2方向)への移動を規制するための部材であって、本実施形態では、断面L状に形成されて直線状に延びる。左右の第2支持部材14は、中央梁行部材13の幅方向の両側に配置され、第1支持部材12の支持上面部18に固定され、パネル傾斜方向に沿って延びる。左右の第2支持部材14は、第1支持部材12の支持上面部18に固定(本実施形態では、ボルトによって締結固定)される横板部14aと、横板部14aの幅方向の内側から起立する縦板部14bとを一体的に有する。左右の第2支持部材14の縦板部14bは、中央梁行部材13の幅方向の両側の外側面に沿ってパネル傾斜方向に延び、中央梁行部材13の幅方向の外側面に面接触した状態で固定(本実施形態では、ボルトによって締結固定)される。左右の第2支持部材14は、第1支持部材12の支持上面部18よりもパネル傾斜方向の両側へ長い。すなわち、左右の第2支持部材14は、第1支持部材12の支持上面部18よりもパネル傾斜方向の両側へ突出している(
図8参照)。
【0024】
上下の桁行部材15は、左右の端部梁行部材16を支持するための部材であって、本実施形態では、断面U状に形成されて直線状に延びる。上下の桁行部材15の一方は、中央梁行部材13の上端部に支持されて幅方向に沿って延び、他方は、中央梁行部材13の下端部に支持されて幅方向に沿って延びる。すなわち、上下の桁行部材15は、パネル傾斜方向に互いに離間した位置に配置される。本実施形態では、上下の桁行部材15の幅方向の中央部が、中央梁行部材13のパネル傾斜方向の両端部に対して4つのL状の接続部材24を介して固定されて支持される。上下の桁行部材15は、上板部15aと、上板部15aの下方に位置する下板部15bと、上板部15a及び下板部15bの奥行方向の一端縁(又は他端縁)同士を連結する連結板部15cとをそれぞれ有し、幅方向に沿って延びる。上下の桁行部材15は、連結板部15c同士が奥行方向の内側に位置するように(背中合わせとなるように)配置される。上下の桁行部材15の連結板部15cの外面部(起立面部)19は、鉛直方向(支柱11の延設方向)に沿って起立した状態で幅方向に沿って延びる。すなわち、上下の桁行部材15は、支柱11の延設方向に沿って起立した状態で幅方向に沿って延びる外面部(起立面部)19を有する。4つのL状の接続部材24は、中央梁行部材13のパネル傾斜方向の両端部の幅方向の両側面にそれぞれ固定(本実施形態では、ボルトによって締結固定)されるとともに、上下の桁行部材15の連結板部15cの外面部19にそれぞれ固定(本実施形態では、ボルトによって締結固定)される。なお、上側の桁行部材15の連結板部15cの外面部19は、奥行方向の手前側の面部であり、下側の桁行部材15の連結板部15cの外面部19は、奥行方向の奥側の面部である。
【0025】
左右の梁行部材16は、太陽光パネル1を支持するための部材であって、断面U状に形成されて直線状に延びる。左右の梁行部材16は、断面U状の開口側が互いに向き合う状態で、上下の桁行部材15の上方に配置されて、パネル傾斜方向に沿って延びる。左右の梁行部材16は、上板部16aと、上板部16aの下方に位置する下板部16bと、上板部16a及び下板部16bの幅方向の外側の端縁同士を連結する連結板部16cとをそれぞれ有し、パネル傾斜方向に沿って延びる。左右の梁行部材16の連結板部16cの外面部25は、鉛直方向(支柱11の延設方向)に沿って起立した状態でパネル傾斜方向に沿って延びる。左右の梁行部材16は、中央梁行部材13よりも幅方向の一側(左側)と他側(右側)とに配置される。左右の梁行部材16は、上下の桁行部材15に架け渡されて、上下の桁行部材15に対して固定される。すなわち、左右の梁行部材16と上下の桁行部材15とは井桁状に組み合わされる。本実施形態では、左右の梁行部材16は、上下の桁行部材15から上方に僅かに離間した位置に配置され、上下の桁行部材15に対して4つの接続部材20を介して固定される。4つの接続部材20は、鉛直方向に沿って延び、井桁状に組み合わされた各部材の交叉部分に配置され、下端側が桁行部材15に固定(本実施形態では、ボルトによって締結固定)され、上端側が梁行部材16の連結板部16cの外面部25に固定(本実施形態では、ボルトによって締結固定)される。
【0026】
4本の杖部材17は、上下の桁行部材15を支柱11側から支持するための部材であって、直線状に延びる。4本の杖部材17は、支柱11に対して固定(本実施形態では、ボルトによって締結固定)される下端部から、斜め上方へ延び、上端部が上下の桁行部材15に対して固定(本実施形態では、ボルトによって締結固定)される。これにより、4本の杖部材17は、上下の桁行部材15を下方から支持する。4本の杖部材17は、下側の桁行部材15を支持する2つの杖部材17a,17bと、上側の桁行部材15を支持する2つの杖部材17c,17dとを有し、左右対称的に配置される。下側の桁行部材15を支持する2つの杖部材17a,17bの下端部は、1つの接続部材21aを介して支柱11に固定され、上側の桁行部材15を支持する2つの杖部材17c,17dの下端部は、1つの接続部材21bを介して支柱11に固定される。接続部材21a,21bは、互いに略同じ形状であり、支柱11に固定される中板部22と、中板部22の幅方向の両端から中板部22に対して傾斜する方向へ延びる左右の傾斜板部23とを一体的に有する。手前側の接続部材21aの中板部22は、支柱11の手前側の面11bのうち支柱11の上端部から下方へ離間した位置に固定され、左右の傾斜板部23は、幅方向外側かつ手前側へ延びる。奥側の接続部材21bの中板部22は、支柱11の奥側の面11cのうち、支柱11の上端部から下方へ離間した位置に固定され、左右の傾斜板部23は、幅方向外側かつ奥側へ延びる。接続部材21a,21bは、互いに略同じ高さ位置に配置される。4本の杖部材17の上端部は、上下の桁行部材15のうち左右の梁行部材16よりも幅方向の外側の領域(上下の桁行部材15の幅方向の外端部)にそれぞれ固定される。すなわち、4本の杖部材17の各々の上端部は、上側の桁行部材15のうち中央梁行部材13よりも幅方向の一側の領域と、上側の桁行部材15のうち中央梁行部材13よりも幅方向の他側の領域と、下側の桁行部材15のうち中央梁行部材13よりも幅方向の一側の領域と、下側の桁行部材15のうち中央梁行部材13よりも幅方向の他側の領域とを支持する。
図6に示すように、中板部22に対する左右の傾斜板部23の傾斜角度は、上面視において、4本の杖部材17と略一直線状になるように設定される。
【0027】
次に、太陽光パネル用架台10の設置方法について説明する。太陽光パネル用架台10を設置する際には、まず、支柱11を、地表面2から上方へ鉛直方向に沿って突出する状態で埋設する。次に、支柱11の上端部に第1支持部材12を固定する。この時、第1支持部材12の上板部12cの支持上面部18が、パネル傾斜方向に沿って傾斜する状態で、第1支持部材12を支柱11に固定する。次に、中央梁行部材13を、第1支持部材12の支持上面部18に対して左右の第2支持部材14を介して固定する。次に、上下の桁行部材15を、中央梁行部材13のパネル傾斜方向の両端部に対して接続部材24を介して固定する。この時、上下の桁行部材15の連結板部15cの外面部19が鉛直方向に沿って起立する状態で、上下の桁行部材15を中央梁行部材13に対して固定する。次に、4本の杖部材17を、支柱11及び上下の桁行部材15に対して固定する。次に、左右の梁行部材16を、上下の桁行部材15に対して接続部材20を介して固定する。最後に、太陽光パネル1を、左右の梁行部材16の上方に載置し、左右の梁行部材16に対して固定する。
【0028】
上記のように構成された太陽光パネル用架台10では、中央梁行部材13を下方から支持する第1支持部材12の支持上面部18は、支柱11の上面11aの上方に位置する。このため、上方の太陽光パネル1側から入力する下方への荷重を、中央梁行部材13から支柱11へ効率よく伝達することができる。
【0029】
また、中央梁行部材13の幅方向の両側には、左右の第2支持部材14が配置され、左右の第2支持部材14は、第1支持部材12の支持上面部18に固定される。このように、左右の第2支持部材14が中央梁行部材13を幅方向の両側から補強するので、中央梁行部材13と第1支持部材12との接続部分の剛性を高めることができる。このため、太陽光パネル1側から中央梁行部材13に入力する荷重を、第1支持部材12を介して支柱11へ効率よく伝達することができる。
【0030】
また、第1支持部材12の支持上面部18に対する中央梁行部材13の幅方向への移動を、左右の第2支持部材14によって規制することができる。このため、太陽光パネル1側から中央梁行部材13に入力する幅方向への荷重を、支柱11へ効率よく伝達することができる。
【0031】
また、左右の第2支持部材14は、第1支持部材12の支持上面部18よりもパネル傾斜方向の両側へ長い。このため、左右の第2支持部材14を中央梁行部材13の側面に沿って長く延ばすことができるので、支柱11に対する中央梁行部材13の回転を抑えることができる。このため、太陽光パネル1側から中央梁行部材13に入力する回転方向(支柱11を軸とした回転方向)への荷重を、支柱11へ効率よく伝達することができる。
【0032】
また、上下の桁行部材15は、鉛直方向(支柱11の延設方向)に沿って起立した状態で幅方向に沿って延びる連結板部15cの外面部19を有する。このため、連結板部15cの外面部19が鉛直方向に対して傾斜している場合とは異なり、上方の太陽光パネル1側から上下の桁行部材15に入力する下方への荷重を、中央梁行部材13等を介して支柱11へ効率よく伝達することができる。
【0033】
また、左右の梁行部材16の連結板部16cの外面部25は、鉛直方向(支柱11の延設方向)に沿って起立した状態でパネル傾斜方向に沿って延びる。左右の梁行部材16の連結板部16cの外面部25は、上下の桁行部材15の連結板部15cの外面部19に対して、鉛直方向に沿って延びる接続部材20を介して接続される。このため、上方の太陽光パネル1側から左右の梁行部材16に入力する下方への荷重を上下の桁行部材15へ効率よく伝達することができるので、上方からの荷重を更に効率よく支柱11へ伝達することができる。
【0034】
また、4本の杖部材17が、上下の桁行部材15を支柱11側から支持するので、上下の桁行部材15に入力する上方からの荷重を支柱11へ伝達することができる。
【0035】
また、4本の杖部材17の各々の上端部は、上側の桁行部材15のうち中央梁行部材13よりも幅方向の一側の領域と、上側の桁行部材15のうち中央梁行部材13よりも幅方向の他側の領域と、下側の桁行部材15のうち中央梁行部材13よりも幅方向の一側の領域と、下側の桁行部材15のうち中央梁行部材13よりも幅方向の他側の領域とを支持する。本実施形態では、4本の杖部材17の各々の上端部を、上下の桁行部材15の幅方向の両側の外端部に固定する。このため、井桁状に組み合わされる左右の梁行部材16と上下の桁行部材15との4つの角部の近傍を、4本の杖部材17によって支持することができるので、井桁状に組み合わされる左右の梁行部材16と上下の桁行部材15とを、バランスよく支持することができる。
【0036】
このように、本実施形態によれば、上方の太陽光パネル1側から入力する下方への荷重を支柱11へ効率よく伝達することができるので、太陽光パネル1に入力する荷重に対する十分な強度を太陽光パネル用架台10に確保することができる。
【0037】
また、中央梁行部材13を、第1支持部材12及び左右の第2支持部材14を介して支柱11に対して固定している。このため、太陽光パネル用架台10の設置時に、上下の桁行部材15を中央梁行部材13に固定する際に、中央梁行部材13が動かないので、上下の桁行部材15を中央梁行部材13に対して固定し易い。
【0038】
また、上下の桁行部材15を中央梁行部材13に固定する際に、中央梁行部材13が動かないので、上下の桁行部材15の外面部19を所望の角度(本実施形態では、水平方向に対して90度)に合わせた状態で、上下の桁行部材15を中央梁行部材13に対して容易に固定することができる。このため、上下の桁行部材15の外面部19を鉛直方向(支柱11の延設方向)に沿って起立させた状態で、上下の桁行部材15を中央梁行部材13に対して容易に固定することができる。
【0039】
なお、本実施形態では、上下の桁行部材15の幅方向の両側の外端部を下方から支持する4本の杖部材17を備えたが、これに限定されるものではなく、少なくとも上記4本の杖部材17を備えていればよい。
【0040】
また、本実施形態では、支柱11を、断面矩形状の筒状に形成したが、これに限定されるものではなく、例えば、円筒状であってもよいし、あるいは中実の棒状体であってもよい。
【0041】
また、本実施形態では、第1支持部材12を、前板部12aと後板部12bと上板部12cとによって構成したが、これに限定されるものではなく、例えば、前板部12aと後板部12bとを設けることなく、上板部12cの幅方向の両側から曲折して下方へ延びる幅方向の両側の側板部を設けてもよい。
【0042】
また、本実施形態では、第1支持部材12を、平板状の部材を曲折して形成したが、これに限定されるものではなく、少なくとも支持上面部18を有する様々な形状を適用することができる。
【0043】
また、本実施形態では、中央梁行部材13を、断面矩形状の筒状に形成したが、これに限定されるものではなく、例えば、円筒状であってもよいし、あるいは中実の棒状体であってもよい。
【0044】
また、本実施形態では、左右の第2支持部材14を、断面L状に形成に形成したが、これに限定されるものではなく、第1支持部材12に対して固定されて、中央梁行部材13の幅方向への移動を規制可能であれば、様々な形状を適用することができる。
【0045】
また、本実施形態では、上下の桁行部材15を、断面U状に形成したが、これに限定されるものではなく、支柱11の延設方向(本実施形態では鉛直方向)に沿って起立した状態で幅方向に沿って延びる外面部(起立面部)19を有していれば、他の形状であってもよい。例えば、上下の桁行部材15を、支柱11の延設方向に沿って起立した状態で幅方向に沿って延びる起立面部を有する断面矩形の筒状に形成してもよいし、あるいは、上記起立面部を有する中実の断面矩形状に形成してもよい。
【0046】
また、本実施形態では、左右の梁行部材16を、断面U状に形成したが、これに限定されるものではなく、断面矩形の筒状、円筒状、中実の棒状等の様々な形状を適用することができる。
【0047】
以上、本発明について、上記実施形態に基づいて説明を行ったが、本発明は上記実施形態の内容に限定されるものではなく、当然に本発明を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。すなわち、この実施形態に基づいて当業者等によりなされる他の実施形態、実施例及び運用技術等は全て本発明の範疇に含まれることは勿論である。
【符号の説明】
【0048】
1:太陽光パネル
10:太陽光パネル用架台
11:支柱
11a:支柱の上面
12:第1支持部材
13:中央梁行部材(第1梁行部材)
14:1対の第2支持部材
15:1対の桁行部材
16:1対の梁行部材(第2梁行部材)
17:4本の杖部材
18:支持上面部
19:桁行部材の外面部(起立面部)
【要約】
【課題】太陽光パネルに入力する荷重に対する十分な強度を確保する。
【解決手段】本開示は、太陽光パネル1を支持する太陽光パネル用架台10であって、支柱11と、支柱11の上面11aの上方に配置されてパネル傾斜方向に沿って傾斜する支持上面部を有し、支柱11に対して固定される第1支持部材12と、支柱11の上方に配置されて第1支持部材12の支持上面部に沿ってパネル傾斜方向に延び、支持上面部に対して固定される中央梁行部材13と、中央梁行部材13の幅方向の両側に配置されて第1支持部材12の支持上面部に固定され、第1支持部材12に対する幅方向の両側への中央梁行部材13の移動を規制する1対の第2支持部材14と、パネル傾斜方向に互いに離間した位置に配置されて幅方向に沿って延び、中央梁行部材13のパネル傾斜方向の両端部に固定される1対の桁行部材と、を備える。
【選択図】
図8