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  • 特許-デッキクレーンの設置構造及び船舶 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-02
(45)【発行日】2022-03-10
(54)【発明の名称】デッキクレーンの設置構造及び船舶
(51)【国際特許分類】
   B63B 3/52 20060101AFI20220303BHJP
   B63B 3/28 20060101ALI20220303BHJP
   B63B 3/34 20060101ALI20220303BHJP
   B63B 27/10 20060101ALI20220303BHJP
   B66C 23/52 20060101ALI20220303BHJP
【FI】
B63B3/52
B63B3/28
B63B3/34
B63B27/10 A
B66C23/52
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2017036447
(22)【出願日】2017-02-28
(65)【公開番号】P2018140723
(43)【公開日】2018-09-13
【審査請求日】2019-06-17
(73)【特許権者】
【識別番号】503218067
【氏名又は名称】住友重機械マリンエンジニアリング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162640
【弁理士】
【氏名又は名称】柳 康樹
(72)【発明者】
【氏名】田中 陽介
【審査官】伊藤 秀行
(56)【参考文献】
【文献】実開昭58-059697(JP,U)
【文献】実開昭61-041098(JP,U)
【文献】特開2005-041421(JP,A)
【文献】特開2005-041371(JP,A)
【文献】特開昭59-160685(JP,A)
【文献】実開昭61-041099(JP,U)
【文献】特開平09-076989(JP,A)
【文献】特開昭59-190073(JP,A)
【文献】韓国公開実用新案第20-2014-0006359(KR,U)
【文献】米国特許出願公開第2010/0230370(US,A1)
【文献】特開2014-094821(JP,A)
【文献】Tim Knaggs 他,SIGNIFICANT SHIPS OF 2002,英国,The Royal Institution of Naval Architects,2003年,第123-124頁
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B63B 3/52
B63B 3/48
B63B 3/28
B63B 3/34
B63B 3/26
B63B 27/10
B66C 23/52
(57)【特許請求の範囲】
【請求項7】
前記第1上甲板補強部材、及び前記第2上甲板補強部材は、前記上甲板の下面側から下 方へ延びて、下端部が他の部材に接続されていない部材である、請求項1~6の何れか一 項に記載のデッキクレーンの設置構造。
【請求項8】
請求項1~6のいずれか一項に記載のデッキクレーンの設置構造を備える船舶。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、船舶に設けられて港湾等の荷役作業をつかさどるデッキクレーンに関し、デッキクレーンの設置構造及びこの構造を備える船舶に関する。
【背景技術】
【0002】
船舶に設けられるデッキクレーンとして、特許文献1には、船舶の上甲板上に立設された円筒形状のクレーンポストを備えるものが記載されている。このようなデッキクレーンを上甲板上に設置する場合には、一般的に、デッキクレーンが転倒モーメント、吊荷荷重、自重等に耐え得るようにするため、上甲板に対するデッキクレーンの補強が必要である。このような補強として、上甲板に対してデッキクレーンを下方から補強するデッキクレーン補強部材が、上甲板の下面側に例えば溶接によって設けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2014-94821号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上甲板は、一般的に複数の上甲板補強部材によって下方から補強されている。上甲板補強部材は、船舶の左右方向に沿って延在する複数の部材と、船舶の前後方向に沿って延在する複数の部材と、によって格子状に構成されている。
【0005】
このため、デッキクレーンを上甲板上に設置する場合には、上甲板の下面側に格子状に配置された上甲板補強部材を避けて、デッキクレーン補強部材を設ける必要がある。しかしながら、クレーンポストは円筒形状であるためデッキクレーン補強部材も円形状に形成すべき一方で、上甲板補強部材は格子状に構成されている。このため、デッキクレーン補強部材と上甲板補強部材との間には多数の狭隘部が形成されてしまう。このような狭隘部においては、例えばデッキクレーン補強部材を上甲板の下面側に溶接によって設けなければならず、デッキクレーンの補強の作業性が著しく悪化する。
【0006】
そこで、本発明は、上甲板に対する補強の作業性を向上させることができるデッキクレーンの設置構造及びその構造を備える船舶を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るデッキクレーンの設置構造は、船舶の上甲板上に設けられた土台部と、土台部上に立設されたクレーンポストと、を備え、土台部の下端の外縁部は、平面視において四角形状を呈する。
【0008】
このデッキクレーンの設置構造では、船舶の上甲板とクレーンポストとの間に土台部が設けられている。そして、土台部の下端の外縁部は、平面視において四角形状を呈する。このため、デッキクレーンの土台部下に当該土台部を下方から補強するためのデッキクレーン補強部材を設けた場合であっても、当該デッキクレーン補強部材と、一般的に上甲板の下面側に格子状に配置されて上甲板を下方から補強する上甲板補強部材と、の間に狭隘部が形成されにくい。よって、上甲板に対する補強の作業性を向上させることが可能となる。
【0009】
ここで、土台部は、直方体状を呈していてもよい。これによれば、土台部の形状を単純化することで、土台部を容易に形成することができる。
【0010】
また、船舶としては、具体的には、当該船舶の左右方向に沿って延在し、上甲板を下方から補強する複数の第1上甲板補強部材と、当該船舶の前後方向に沿って延在し、上甲板を下方から補強する複数の第2上甲板補強部材と、を備える構成が挙げられる。これによれば、デッキクレーンの土台部下に当該土台部を下方から補強するためのデッキクレーン補強部材を設けた場合であっても、当該デッキクレーン補強部材と、第1上甲板補強部材及び第2上甲板補強部材と、の間に狭隘部が形成されにくい。
【0011】
また、第1上甲板補強部材としては、具体的には、上甲板における横式の主要支持部材である甲板横桁であり、第2上甲板補強部材としては、具体的には、複数の甲板横桁に固定された縦通防撓材である構成が挙げられる。これによれば、デッキクレーン補強部材を設けた場合であっても、当該デッキクレーン補強部材と、甲板横桁及び縦通防撓材と、の間に狭隘部が形成されにくい。
【0012】
また、外縁部の各辺は、第1上甲板補強部材又は第2上甲板補強部材の直上にそれぞれ位置していてもよい。これによれば、デッキクレーンの転倒モーメント、吊荷荷重、デッキクレーンの自重等が、デッキクレーンから第1上甲板補強部材及び第2上甲板補強部材に確実に伝達される。このため、上甲板の下面側において、上甲板に対してデッキクレーンを下方から補強するデッキクレーン補強部材が不要になる。
【0013】
また、土台部は、当該土台部の少なくとも内部に形成されており、当該土台部を補強する土台部補強部材を備えていてもよい。これによれば、土台部を補強することができると共に、土台部補強部材を備えた土台部を予め形成しておき、この土台部を上甲板上に設置すればよく、作業性を向上させることができる。
【0014】
また、土台部補強部材は、上甲板とは離間した位置に形成されていてもよい。これによれば、土台部補強部材を備えた土台部を予め形成しておき、この土台部を上甲板上に設置すればよく、作業性を向上させることができる。
【0015】
また、本発明は、上述したいずれかのデッキクレーンの設置構造を備える船舶として捉えることもできる。この船舶では、デッキクレーンの設置構造と同様に、上述した作用及び効果を奏することが可能となる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、デッキクレーンを設置するに際して、狭隘部が形成されにくく、上甲板に対する補強の作業性を向上させることが可能となる。また、位置取りによっては、補強部材が不要となり、更に、予め土台部を形成しておくことが可能なので作業性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の一実施形態に係るデッキクレーンの設置構造を備える船舶を示す側面図である。
図2図1のII-II線に沿った部分断面図である。
図3図1のデッキクレーン及びその近傍を示す側面図である。
図4図3のデッキクレーンの土台部及びその近傍を示す側面図である。
図5図3のデッキクレーンの土台部及びその近傍を示す正面図である。
図6図4のVI-VI矢視図である。
図7図4のVII-VII矢視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態を詳細に説明する。なお、図面の説明においては同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。また、「前」「後」「左」「右」「上」「下」の語は、船体の前後方向、左右(幅)方向及び上下方向にそれぞれ対応したものである。また、「縦」の語は船体の前後方向に対応したものであり、「横」の語は船体の左右(幅)方向に対応したものである。また、図面においては、便宜上、各部材の板厚を省略している場合がある。また、図面において、側面図とは船体の左右方向から見た図であり、正面図とは船体の前後方向から見た図である。
【0019】
図1は、本発明の一実施形態に係るデッキクレーンの設置構造を備える船舶を示す側面図であり、図2は、図1のII-II線に沿った部分断面図であり、図3は、図1のデッキクレーン及びその近傍を示す側面図である。図1図3に示すように、本実施形態の船舶1は、タンカー等であり、船体10及びデッキクレーン(デッキクレーンの設置構造)20を備えている。船体10は、船体10の上面を形成する上甲板11と、船体10の底面を形成する船底12と、船体10の側面を形成する外壁13と、によって外面部が形成されている。船体10は、上甲板11の内側に、溶接によって固定された甲板横桁(第1上甲板補強部材)14及び縦通防撓材(第2上甲板補強部材)15を備えている。
【0020】
図2及び図3に示すように、甲板横桁14は、船体10を補強するための構造体である。甲板横桁14は、船体10の左右方向に沿って延在している。特に、甲板横桁14は、上甲板11の下面側に位置し、上甲板11を下方から補強している。甲板横桁14は、船体10の前後方向において所定間隔で複数設けられている。甲板横桁14の断面形状は、例えばT型、H型、L型、I型等の任意の形状とすることができる。
【0021】
縦通防撓材15は、上甲板11の下面側に位置し、上甲板11を下方から補強するための構造体である。より具体的には、縦通防撓材15は、複数の甲板横桁14同士を船体10の前後方向に接続するように各甲板横桁14の上部及び上甲板11に溶接により固定され、甲板横桁14によって補強される上甲板11を下方から更に補強している。縦通防撓材15は、船体10の前後方向に沿って延在している。縦通防撓材の断面形状は、例えばT型、H型、L型、I型等の任意の形状とすることができる。縦通防撓材15は、船体10の左右方向において所定間隔で複数設けられている。
【0022】
図4は、図3のデッキクレーンの土台部及びその近傍を示す側面図であり、図5は、図3のデッキクレーンの土台部及びその近傍を示す正面図である。図3図5に示すように、デッキクレーン20は、船舶1の上甲板11上に立設され、船舶1に対する荷の積み卸しを行うためのクレーン装置である。デッキクレーン20は、土台部21と、クレーンポスト24と、アーム25と、を有する。
【0023】
土台部21は、船体10の上甲板11上に溶接により固定されて設けられており、その上に立設された後述するクレーンポスト24の基礎部分である。土台部21は、下方が開放された概略直方体状を呈する。すなわち、土台部21の下端の外縁部21aは、平面視(船体10の上下方向視)において、四角形状を呈している。土台部21は、その下端の外縁部21aの各辺が前記船体10の前後方向、左右方向に沿う向きに配置されている。なお、土台部21は、その下端の外縁部21aが平面視において四角形状を呈していれば、全体として概略直方体状を呈していなくてもよく、例えば、土台部21は、四角錐台状を呈していてもよい。なお、土台部21は、板状部材を溶接することにより形成されている。
【0024】
より具体的には、土台部21の下端の外縁部21aは、船体10の左右方向に沿う一対の辺21b,21bと、船体10の前後方向に沿う一対の辺21c,21cと、を有している。各辺21bは、甲板横桁14の直上に位置している。各辺21cは、縦通防撓材15の直上に位置している。ここで、「直上」とは、必ずしも厳密に各辺21b,21cが甲板横桁14又は縦通防撓材15の鉛直線上に位置している場合に限定されず、デッキクレーン20の転倒モーメント、吊荷荷重及びデッキクレーン20の自重等が土台部21から甲板横桁14及び縦通防撓材15に適切に伝達される範囲に各辺21b,21cが位置している場合を含む。
【0025】
土台部21は、その内部に、当該土台部21を補強するための土台部補強部材22,23を有している。
【0026】
図6は、図4のVI-VI矢視図である。図4図6に示すように、土台部補強部材22は、土台部21の内面側における上面21dと側面21eとを繋ぐ複数のリブ部22aと、各リブ部22aの下端において各リブ部22a同士を繋ぐ連結部22bと、を含んでいる。
【0027】
リブ部22aは、平面視においてクレーンポスト24の中心位置から離れた位置から放射状に複数(ここでは8個)形成されている。リブ部22aの下端側は、上甲板11とは離間した位置(上甲板11よりも上方の位置)に形成された環状の連結部22b上に固定されている。これらリブ部22a及び連結部22bは、溶接により互いに固定される。
【0028】
図4及び図5に示すように、土台部補強部材23は、土台部21の内面側における上面21dに沿って互いに交差するように(ここでは、直交して十字をなすように)設けられた一対の部材である。各土台部補強部材23は、長尺状の矩形状を呈している。各土台部補強部材23は、土台部21の側面から、当該側面に対向する側面まで至る。土台部補強部材23は、土台部21の内面側に溶接により固定される共に、土台部補強部材22のリブ部22aの上部に対して交差するように接し溶接により固定されている。
【0029】
クレーンポスト24は、概略円筒形状を呈し、土台部21上に立設されている。クレーンポスト24は、アーム25からの力(デッキクレーン20の転倒モーメント、吊荷荷重)及びデッキクレーン20の自重等を土台部21に伝達する。
【0030】
図7は、図4のVII-VII矢視図である。図4図5及び図7に示すように、クレーンポスト24は、平面視においてクレーンポスト24の中心位置から放射状に形成された複数(ここでは8個)のリブ部24aを含んでいる。リブ部24aは、クレーンポスト24の下部側面24bと土台部21の外面側における上面21fとを繋ぐように設けられ、クレーンポスト24と土台部21との間での変形(例えば、クレーンポスト24の倒れ)を抑制する。各リブ部24aは、土台部補強部材22のリブ部22aと対応する位置に設けられている。なお、リブ部24aは、クレーンポスト24の下部側面24b及び土台部21の上面21fに溶接により固定されている。
【0031】
図3に示すように、アーム25は、クレーンポスト24の上端部に、上下動可能且つ方向転換可能に設けられている。アーム25は、その先端部からワイヤを介して垂下され昇降可能な吊具を含んでいる。
【0032】
以上説明したように、本実施形態では、船舶1の船体10の上甲板11とクレーンポスト24との間に土台部21が設けられている。そして、土台部21の下端の外縁部21aは、平面視において四角形状を呈し、外縁部21aの各辺21b,21cは、甲板横桁14又は縦通防撓材15の直上にそれぞれ位置している。これによれば、デッキクレーン20の転倒モーメント、吊荷荷重、デッキクレーン20の自重等が、デッキクレーン20から甲板横桁14及び縦通防撓材15に確実に伝達される。このため、上甲板11の下面側において、上甲板11に対してデッキクレーン20を下方から補強するデッキクレーン補強部材が不要になる。
【0033】
また、外縁部21aの各辺21b,21cが、甲板横桁14又は縦通防撓材15の直上にそれぞれ位置しておらず(ずれており)、デッキクレーン20の土台部21下に当該土台部21を下方から補強するためのデッキクレーン補強部材を設けた場合であっても、当該デッキクレーン補強部材と、一般的に上甲板11の下面側に格子状に配置されて上甲板を下方から補強する上甲板補強部材と、の間に狭隘部が形成されにくい。よって、上甲板11に対する補強の作業性を向上させることが可能となる。
【0034】
また、本実施形態では、土台部21は、直方体状を呈している。これによれば、土台部21の形状を単純化することで、土台部21を容易に形成することができる。
【0035】
また、本実施形態では、上記上甲板補強部材として、具体的には、船舶1の左右方向に沿って延在し、上甲板11を下方から補強する複数の第1上甲板補強部材と、当該船舶1の前後方向に沿って延在し、上甲板11を下方から補強する複数の第2上甲板補強部材と、を備えている。これによれば、デッキクレーン20の土台部21下に当該土台部21を下方から補強するためのデッキクレーン補強部材を設けた場合であっても、当該デッキクレーン補強部材と、第1上甲板補強部材及び第2上甲板補強部材と、の間に狭隘部が形成されにくい。
【0036】
また、第1上甲板補強部材としては、具体的には、船舶1の前後方向に垂直な平面内に形成された甲板横桁14であり、第2上甲板補強部材としては、具体的には、複数の甲板横桁14に固定された縦通防撓材15である。これによれば、デッキクレーン補強部材を設けた場合であっても、当該デッキクレーン補強部材と、甲板横桁14及び縦通防撓材15と、の間に狭隘部が形成されにくい。
【0037】
また、土台部21は、当該土台部21の内部に形成されており、当該土台部21を補強する土台部補強部材22,23を備えている。これによれば、土台部21を補強することができると共に、土台部補強部材22,23を備えた土台部21を予め形成しておき、この土台部21を上甲板11上に設置すればよく、作業性を向上させることができる。
【0038】
また、土台部補強部材22,23は、上甲板11とは離間した位置に形成されている。これによれば、土台部補強部材22,23を備えた土台部21を予め形成しておき、この土台部21を上甲板11上に設置すればよく、作業性を向上させることができる。
【0039】
以上、本発明をその実施形態に基づいて詳細に説明した。しかし、本発明の適用範囲は上記実施形態に限定されない。すなわち、本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。
【0040】
例えば、土台部21の下端の外縁部21aにおいて、各辺21bは、甲板横桁14に代えて、船体10内部空間を複数室に区切るための横隔壁(トランスバルクヘッド)、或いは、バルクキャリアにおける上部スツールの直上に位置していてもよい。同様に、各辺21cは、縦通防撓材15に代えて、船体10内の縦通隔壁、或いは、上部スツール内ダイアフラムの直上に位置していてもよい。更には、各辺21b,21cは、クロスデッキビーム、クロスデッキガーダー等の直上に位置していてもよい。これらの場合も、上記実施形態と同様の作用及び効果を奏することができる。また、これらの場合において、各辺21b,21cが隔壁等の直上にそれぞれ位置しておらず(ずれており)、デッキクレーン補強部材を設けた場合であっても、上記実施形態と同様の作用及び効果を奏することができる。
【0041】
また、土台部21は、土台部補強部材22,23のうちの少なくとも一方を備えていなくてもよい。
【符号の説明】
【0042】
1…船舶、11…上甲板、14…甲板横桁(第1上甲板補強部材)、15…縦通防撓材(第2上甲板補強部材)、20…デッキクレーン(デッキクレーンの設置構造)、21…土台部、21a…外縁部、21b,21c…辺、22,23…土台部補強部材、24…クレーンポスト。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7