特許 7033468 防液堤の施工方法、及び防液堤

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】特許公報(B2)

(11)【特許番号】

(24)【登録日】2022-03-02

(45)【発行日】2022-03-10

(54)【発明の名称】防液堤の施工方法、及び防液堤

(51)【国際特許分類】

   E04H 7/18 20060101AFI20220303BHJP

【ＦＩ】

E04H7/18 301Z

【請求項の数】 5

(21)【出願番号】P 2018036938

(22)【出願日】2018-03-01

(65)【公開番号】P2019151999

(43)【公開日】2019-09-12

【審査請求日】2021-02-02

(73)【特許権者】

【識別番号】000002299

【氏名又は名称】清水建設株式会社

(74)【代理人】

【識別番号】100149548

【弁理士】

【氏名又は名称】松沼 泰史

(74)【代理人】

【識別番号】100161506

【弁理士】

【氏名又は名称】川渕 健一

(74)【代理人】

【識別番号】100161207

【弁理士】

【氏名又は名称】西澤 和純

(72)【発明者】

【氏名】阿部 隆司

(72)【発明者】

【氏名】吉田 大起

(72)【発明者】

【氏名】若林 雅樹

(72)【発明者】

【氏名】伊藤 暁

(72)【発明者】

【氏名】山田 寿一郎

【審査官】土屋 保光

(56)【参考文献】

【文献】国際公開第２０１１／００６２１３（ＷＯ，Ａ１）

【文献】特開２０１７－２２３０５５（ＪＰ，Ａ）

【文献】特開２０１０－１０６５０１（ＪＰ，Ａ）

【文献】特開２０１４－２０５９７２（ＪＰ，Ａ）

【文献】特開昭５９－０２７０４５（ＪＰ，Ａ）

【文献】米国特許出願公開第２０１６／００４６４３７（ＵＳ，Ａ１）

(58)【調査した分野】(Int.Cl.，ＤＢ名)

Ｅ０４Ｈ ７／１８

(57)【特許請求の範囲】

【請求項1】

貯留槽の外槽に沿って設けられる円筒状で鉄筋コンクリート造の防液堤を周方向及び上下方向に分割した複数のロット毎に施工し、コンクリート内に前記防液堤の径方向の内外に配置される内側鉄筋及び外側鉄筋を埋設させた防液堤の施工方法であって、
前記ロットの内周面に位置して前記外槽を構成する円弧状の外槽ライナープレートと、該外槽ライナープレートの外周側に配置され前記コンクリート中に埋設される前記内側鉄筋とを、外周面を下向きにした横置き姿勢とした状態で一体に組み付けてライナーユニットをユニット化する工程と、
前記ライナーユニットを前記防液堤の所定位置に前記外周面が鉛直方向となる縦置き姿勢で配置する工程と、
前記ライナーユニットの外周側に間隔をあけて円弧状の型枠を設ける工程と、
前記外槽ライナープレートと前記型枠との間にコンクリートを充填する工程と、
を有し、
前記ライナーユニットをユニット化する工程において、
前記外槽ライナープレートの外側面に、前記縦置き姿勢の状態で上下方向に延びるとともに上下方向に間隔をあけて複数の貫通穴が形成された縦補強材を設ける工程と、
該縦補強材の前記複数の貫通穴のそれぞれに前記内側鉄筋における周方向に延在する内横筋を挿通させ、該内横筋に内縦筋を取り付ける工程と、
前記縦補強材に前記径方向に延びる鉄筋支持材を設け、該鉄筋支持材に対して前記外側鉄筋の外横筋及び外縦筋を添わせるように支持する工程と、を有することを特徴とする防液堤の施工方法。

【請求項2】

上下方向に接続される前記ライナーユニット同士は、下側のライナーユニットにおける前記縦補強材の上端部に、上側のライナーユニットにおける前記縦補強材の下端部を当接させて固定されることを特徴とする請求項１に記載の防液堤の施工方法。

【請求項3】

上下に接続される前記縦補強材同士の外周面には、該縦補強材の外周面にわたって接続される補強リブが設けられていることを特徴とする請求項２に記載の防液堤の施工方法。

【請求項4】

前記型枠は、前記縦補強材の外周面に突出するように接続されるセパレータに固定されていることを特徴とする請求項１乃至３のいずれか１項に記載の防液堤の施工方法。

【請求項5】

貯留槽の外槽に沿って設けられる円筒状で鉄筋コンクリート造をなし、コンクリート内に径方向の内外に配置される内側鉄筋及び外側鉄筋を埋設させた防液堤であって、
前記コンクリートの内周面に位置して前記外槽を構成する円弧状の外槽ライナープレートと、
前記外槽ライナープレートの外側面に、上下方向に延びるとともに上下方向に間隔をあけて複数の貫通穴が形成された縦補強材と、
前記縦補強材に設けられ前記径方向に延びる鉄筋支持材と、
を備え、
前記内側鉄筋は、周方向に延在する内横筋が前記縦補強材の前記複数の貫通穴のそれぞれに挿通され、内縦筋が前記内横筋に取り付けられた状態で配置され、
前記外側鉄筋の外横筋及び外縦筋は、前記鉄筋支持材に対して添わせるように支持された状態で配置されていることを特徴とする防液堤。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本発明は、防液堤の施工方法、及び防液堤に関する。

【背景技術】

【0002】

従来、例えば液化天然ガスを貯留する貯留タンクとして、鋼製の外槽と内槽とを備えた貯留槽と、貯留槽の外周構造として構築される鉄筋コンクリート造の防液堤と、を有する構造のものが知られている。外槽は、外周側に円筒状の外槽ライナープレートを備えている。
このような構成の貯留タンクの施工では、防液堤の施工が完了した後で、外槽及び内槽を有する貯留タンクの構築を行うことから、工事期間が長期化している。そのため、防液堤の施工における工事期間を短縮する工法として、例えば特許文献１乃至３に示すような工法が知られている。

【0003】

特許文献１には、外槽ライナープレートを一体的に設けたプレキャストコンクリート型枠を防液堤の内側型枠として組み立て、この内側型枠の外周に組み立てた外側型枠との間へコンクリートを打設して防液堤を構築するタンクの施工方法が提案されている。この特許文献１に記載される施工方法では、防液堤用の内側の足場が必要でなく、基礎版の施工後に防液堤の施工と内槽の施工とを同時に進めることができるので工期の短縮を図ることができる。

【0004】

特許文献２には、周方向に延びる円弧状のスチフナーを型枠材の外周面に接続し、このスチフナーに鉄筋を連結もしくは一体化した構造体を使用して壁状構造体を構築する点について記載されている。この場合には、周方向に連結される構造体同士がそれぞれのスチフナーを接続することで安定性を保つことができる構造となっている。
また、特許文献３には、外槽ライナープレートに上下方向に延びるとともに鉄筋架台に周方向に貫通する貫通穴が形成された鉄筋架台を接続し、それら複数の貫通穴に対して外槽の径方向の内外に配置される内側鉄筋と外側鉄筋とが挿通された構成について記載されている。

【先行技術文献】

【特許文献】

【0005】

【文献】特開２０１０－１０６５０１号公報

【文献】特開２０１７－２２３０５５号公報

【文献】国際公開第２０１１／００６２１３号

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0006】

しかしながら、従来の防液堤の施工方法では、先行させて組み立てたライナープレートが自重により曲がって変形するおそれがあり、据え付け精度に問題があった。そのため、ライナープレートを位置決めし、ライナープレート同士を接続する作業に時間と手間がかかるという問題があった。

【0007】

また、特許文献２のように周方向の隣に先行して構造体が組み付けられている場合には、その先行した構造体に対して組み付けることができるので、安定した姿勢となる。ところが、周方向の隣に先行して設置された構造体がなく独立した状態で構造体を設置する際には、その構造体が不安定な姿勢となり、据え付け精度が低下するという問題があった。しかも、特許文献２の場合には、スチフナーが周方向に沿って延在しているため、コンクリートの打設時に上方から投入されるバイブレーターがスチフナーに干渉して下方まで挿入させることができず、締固めが不十分となって所望の品質が確保できないといった問題があった。

【0008】

さらに、特許文献３の場合には、鉄筋架台の貫通穴に対して内側鉄筋と外側鉄筋の両方を挿通させて取り付ける作業が生じるため、手間と時間がかかっていた。また、特許文献３では、外槽ライナープレートに接続される鉄筋架台は鉄筋を所定位置に位置決めして支持するものであるため、重量の大きな外槽ライナープレートを吊り上げる際の吊り具として鉄筋架台に形成される貫通穴を利用することができない。そのため、別部材で吊り鋼材を設置する必要があり、作業に手間がかかっていた。
上述したように、防液堤の施工方法として、施工効率、施工精度、及び品質をバランスよく達成できる施工方法が求められており、その点で改善の余地があった。

【0009】

本発明は、上述する問題点に鑑みてなされたもので、施工効率及び施工精度の向上を図ることができるうえ、品質の低下を抑制できる防液堤の施工方法、及び防液堤を提供することを目的とする。

【課題を解決するための手段】

【0010】

上記目的を達成するため、本発明に係る防液堤の施工方法では、貯留槽の外槽に沿って設けられる円筒状で鉄筋コンクリート造の防液堤を周方向及び上下方向に分割した複数のロット毎に施工し、コンクリート内に前記防液堤の径方向の内外に配置される内側鉄筋及び外側鉄筋を埋設させた防液堤の施工方法であって、前記ロットの内周面に位置して前記外槽を構成する円弧状の外槽ライナープレートと、該外槽ライナープレートの外周側に配置され前記コンクリート中に埋設される前記内側鉄筋とを、外周面を下向きにした横置き姿勢とした状態で一体に組み付けてライナーユニットをユニット化する工程と、前記ライナーユニットを前記防液堤の所定位置に前記外周面が鉛直方向となる縦置き姿勢で配置する工程と、前記ライナーユニットの外周側に間隔をあけて円弧状の型枠を設ける工程と、前記外槽ライナープレートと前記型枠との間にコンクリートを充填する工程と、を有し、前記ライナーユニットをユニット化する工程において、前記外槽ライナープレートの外側面に、前記縦置き姿勢の状態で上下方向に延びるとともに上下方向に間隔をあけて複数の貫通穴が形成された縦補強材を設ける工程と、該縦補強材の前記複数の貫通穴のそれぞれに前記内側鉄筋における周方向に延在する内横筋を挿通させ、該内横筋に内縦筋を取り付ける工程と、前記縦補強材に前記径方向に延びる鉄筋支持材を設け、該鉄筋支持材に対して前記外側鉄筋の外横筋及び外縦筋を添わせるように支持する工程と、を有することを特徴としている。

【0011】

また、本発明に係る防液堤では、貯留槽の外槽に沿って設けられる円筒状で鉄筋コンクリート造をなし、コンクリート内に径方向の内外に配置される内側鉄筋及び外側鉄筋を埋設させた防液堤であって、前記コンクリートの内周面に位置して前記外槽を構成する円弧状の外槽ライナープレートと、前記外槽ライナープレートの外側面に、上下方向に延びるとともに上下方向に間隔をあけて複数の貫通穴が形成された縦補強材と、前記縦補強材に設けられ前記径方向に延びる鉄筋支持材と、を備え、前記内側鉄筋は、周方向に延在する内横筋が前記縦補強材の前記複数の貫通穴のそれぞれに挿通され、内縦筋が前記内横筋に取り付けられた状態で配置され、前記外側鉄筋の外横筋及び外縦筋は、前記鉄筋支持材に対して添わせるように支持された状態で配置されていることを特徴としている。

【0012】

本発明では、横置き姿勢で配置した外槽ライナープレートの外側面に対して縦補強材、内側鉄筋、及び外側鉄筋を一体的に組み付けてライナーユニットを設けておくことができる。そして、縦補強材は外槽ライナープレートを補強するものであり十分な強度を有するため、ライナーユニットを縦置き姿勢にして縦補強材の貫通穴を利用してクレーン等によって吊り上げて、防液堤の所定位置に配置することができる。その後、型枠を設けてコンクリートを充填することで、ライナーユニットを配置した箇所のロットを施工することができる。そして、複数のロットを施工することで防液堤を構築できる。
このように本発明では、高所作業がなく作業状態の良好な地組みによる作業でライナーユニットとしてユニット化できるので、高所作業を低減でき、作業効率の向上を図ることができるうえ、外槽ライナープレートに対して精度よくかつ効率的に内側鉄筋及び外側鉄筋を組み込むことができる。そして、本発明では、防液堤の施工時において、防液堤上部での作業を削減することが可能となるので、工期の短縮を図ることができる。

【0013】

また、本発明では、外槽ライナープレートが縦補強材によって補強されているので、ライナーユニットが防液堤としての所定位置に縦置き姿勢で配置された状態で、コンクリートの打設前において外槽ライナープレートが倒れる方向に湾曲変形することを防止できる。そのため、コンクリートを打設前の外槽ライナープレートの位置のずれ量を小さく抑えることができ、コンクリート打設後の防液堤及び貯留槽の外槽を精度よく構築することができる。

【0014】

また、本発明では、内側鉄筋の内横筋のみを縦補強材の貫通穴に挿通させ、外側鉄筋は鉄筋支持材に支持させるだけの作業となるので、鉄筋を穴に挿通させるという手間のかかる作業を最小限に抑えることができ、鉄筋の組付け作業を簡単、かつ効率よく行うことができる。
さらに、本発明では、外槽ライナープレートに対して縦補強材が上下方向に延ばされた状態で配置されているため、外槽ライナープレートと型枠との間にコンクリートを打設する際に、その打設領域の上方から下方までバイブレーターを挿入することができる。そのため、打設したコンクリートを十分に締め固めることができ、品質を確保することができる。

【0015】

また、本発明に係る防液堤の施工方法は、上下方向に接続される前記ライナーユニット同士は、下側のライナーユニットにおける前記縦補強材の上端部に、上側のライナーユニットにおける前記縦補強材の下端部を当接させて固定されることが好ましい。

【0016】

この場合には、上側と下側のロットのそれぞれの縦補強材の端部同士が固着手段により固定されているので、コンクリート打設前のライナーユニット同士を安定した姿勢で配置することができる。そのため、防液堤における外槽ライナープレートの位置を精度よく配置することができる。

【0017】

また、本発明に係る防液堤の施工方法は、上下に接続される前記縦補強材同士の外周面には、該縦補強材の外周面にわたって接続される補強リブが設けられていることが好ましい。

【0018】

本発明では、上下に配置されるライナーユニットの縦補強材同士の接続が補強リブによってさらに補強されているので、コンクリート打設前のライナーユニット同士をより安定した姿勢で配置することができ、防液堤における外槽ライナープレートの位置を精度よく配置することができる。

【0019】

また、本発明に係る防液堤の施工方法は、前記型枠は、前記縦補強材の外周面に突出するように接続されるセパレータに固定されていることが好ましい。

【0020】

この場合には、型枠用のセパレータの外槽ライナープレート側の端部を、据え付け精度が不十分な外槽ライナープレートよりも変形の小さな縦補強材の外周面に対して固定することができる。そのため、セパレータの長さを調整する作業にかかる手間を低減することができ、型枠を精度よく配置することができる。

【発明の効果】

【0021】

本発明の防液堤の施工方法、及び防液堤によれば、施工効率及び施工精度の向上を図ることができるうえ、品質の低下を抑制できる。

【図面の簡単な説明】

【0022】

【図1】本発明の実施の形態による貯留タンクの概略構成を示す縦断面図である。

【図2】図１に示す貯留タンクの防液堤の施工状態を示す縦断面図である。

【図3】ライナーユニットの側面図である。

【図4】ライナーユニットを外周側から見た側面図であって、埋設部材の一部を省略した図である。

【図5】ライナーユニットを外周側から見た側面図であって、埋設部材の一部を省略した図である。

【図6】ライナーユニットを外周側から見た側面図であって、埋設部材の一部を省略した図である。

【図7】上下のライナーユニットの縦補強材同士の接続部分を示す側面図である。

【図8】図７に示す接続部分を外周側から見た側面図である。

【図9】ライナーユニットに型枠を設置した状態の側面図であって、図３に対応する図である。

【発明を実施するための形態】

【0023】

以下、本発明の実施の形態による防液堤の施工方法、及び防液堤について、図面に基づいて説明する。

【0024】

図１に示すように、本実施の形態による防液堤１は、ＬＮＧを貯留する平面視で円形の貯留槽１０の外周側全周にわたって構築されている。すなわち、貯留タンク１Ａは、防液堤１と、貯留槽１０と、を備えた構成となっている。防液堤１は、鉄筋コンクリート造で、プレストレスコンクリートによって構築され、施工時においてコンクリート中に埋設される鉄筋や補強鋼材などの埋設部材４（図３及び図４参照）をユニット化することで施工の効率化を図った施工方法により構築されたものである。

【0025】

ここで、以下の説明では、貯留タンク１Ａを構成する貯留槽１０、及び防液堤１において、タンク中心軸線Ｏに直交する方向を径方向Ｘ１と定義すると共に、タンク中心軸線Ｏ回りに周回する方向を周方向Ｘ２と定義し、タンク中心軸線Ｏに沿う方向を上下方向Ｘ３と定義する。そして、径方向Ｘ１でタンク中心軸線Ｏ寄りを内周側と定義すると共に、その反対方向を外周側と定義する。

【0026】

貯留槽１０は、地盤に埋設されている複数の支持杭１１、１１、…上に支持された鉄筋コンクリート造の基礎盤１２上に構築されている。貯留槽１０は、基礎盤１２上に配置される底壁１３と、底壁１３の外周部に位置する外槽１４及び内槽１５と、外槽１４の上開口部を覆う頂壁１６と、を備えている。

【0027】

外槽１４及び内槽１５は、それぞれ上面視で円形をなす円筒状に形成されている。外槽１４は、内槽１５の外周側に間隔をあけて同軸に配置されている。外槽１４及び内槽１５は、それぞれの外周側に外槽ライナープレート２、内槽ライナープレート１７を備えている。頂壁１６は、外槽ライナープレート２と内槽ライナープレート１７の上端部に連続的に接続された外周側と内周側のライナープレートから構成されている。そして、底壁１３内の空間、外槽１４と内槽１５との間の空間、及び頂壁１６内の空間には、保冷材が充填されている。

【0028】

外槽ライナープレート２は、外槽１４の外周面を構成し、周方向Ｘ２に湾曲した鋼板からなる。外槽ライナープレート２の内側面２ｂ側には、間隔をあけて内槽ライナープレート１７が配置されている。

【0029】

防液堤１は、基礎盤１２上において外槽１４の外周面に沿って配置され、貯留槽１０と同軸をなす円筒状のコンクリート構造物である。貯留タンク１Ａでは、図２に示すように、防液堤１の内側面１ａに面するコンクリートと外槽１４の外槽ライナープレート２とが一体的に設けられている。

【0030】

図２に示すように、防液堤１は、外槽１４の外槽ライナープレート２の外周側に所定の厚さで設けられるコンクリート部３と、コンクリート部３内に埋設される埋設部材４（図３参照）と、を備えている。本実施の形態では、防液堤１の施工方法として、外槽ライナープレート２と埋設設備４とを地組みにより一体的に組み付けてユニット化した複数のライナーユニット２０を用い、これらを所定位置に建て込むことによる施工方法を採用している。

【0031】

防液堤１は、周方向Ｘ２および上下方向Ｘ３に分割した複数のロットＰ毎に、下方から上方に向けて順次積み上げる施工方法により構築される。すなわち、最下段（１段目）で複数のロットＰを周方向Ｘ２に順次、接続しながら構築し、さらに２段目のロットＰ２（Ｐ）、３段目のロットＰ３（Ｐ）、・・・を施工する。各ロットＰの施工は、例えば現場の仮置きスペースで地組みすることによりユニット化したライナーユニット２０を防液堤１の所定の構築位置にセットし、ロットＰの外側面及び周方向Ｘ２の開口部（褄部）に型枠５を設置した後、型枠５とライナーユニット２０の外槽ライナープレート２との間の空間にコンクリートを充填することにより施工される。
ここで、防液堤１の各ロットＰの大きさの一例として、防液堤１の全周長が２７０ｍで周方向Ｘ２に２４分割された場合、周長が約１１．５ｍ、高さが５．６ｍとなる。

【0032】

次に、ライナーユニット２０の具体的な構成について、図面に基づいて説明する。ここで、以下の説明では、ライナーユニット２０が防液堤１の所定の構築位置に配置された状態で説明する。
図３及び図４に示すように、ライナーユニット２０は、外槽ライナープレート２と、上述した埋設部材４とを一体的に組み付けてユニット化され、図２に示す防液堤１の１ロットＰに対応した形状、大きさに設定された構成となっている。ライナーユニット２０における外槽ライナープレート２の寸法は、例えば周長で１１．６ｍ、高さが５．６ｍである。

【0033】

外槽ライナープレート２の外側面２ａには、外側面２ａの上下方向Ｘ３に延びて周方向Ｘ２に間隔をあけて配置された複数の縦補強材２１と、周方向Ｘ２に沿って延びて縦補強材２１に接続された横補強材２２と、を備えている。

【0034】

縦補強材２１は、図３に示すように、Ｈ形鋼からなり、内側のフランジ２１１が外槽ライナープレート２の外側面２ａに対して上部（後述する非固着部２１ａ）を除いて溶接等により固着されている。縦補強材２１のウェブ２１２には、上下方向Ｘ３に所定の間隔をあけて複数の貫通穴２１３が一列に配列するように形成されている。これら貫通穴２１３には、後述する内側鉄筋４１の内横筋４１Ａが挿通される。そのため、貫通穴２１３は、内側鉄筋４１の内横筋４１Ａの配列間隔に一致する間隔で設けられている（図４及び図５参照）。

【0035】

ここで図４は、ライナーユニット２０を示した図であり、紙面の左右方向に破断線によって分割された左側領域Ｒ１は全ての埋設部材４を示し、中央領域Ｒ２は外側鉄筋４２を省略した状態を示し、右側領域Ｒ３は外側鉄筋４２及びシース管４３を省略した状態を示している。図５は、ライナーユニット２０において、外側鉄筋４２、シース管４３、横補強材２２を省略した図である。図６は、外槽ライナープレート２とシース管４３のみを示した図である。

【0036】

縦補強材２１の上部には、図３に示すように、外槽ライナープレート２と固着されない非固着部２１ａを有している。縦補強材２１の非固着部２１ａと外槽ライナープレート２との間には、上方から連結されるライナーユニット２０の上側の外槽ライナープレート２の下端部２ｄが挿入される。これにより、上下の外槽ライナープレート２同士が径方向Ｘ１に重なり合った状態で連結されている。

【0037】

横補強材２２は、径方向Ｘ１に間隔をあけて配列される一対のＬ字断面のアングル材が用いられている。これら一対の横補強材２２は、上下方向Ｘ３に複数（ここでは２箇所）が配置されている。内周側の横補強材２２は、縦補強材２１の外フランジ面２１ｃ（縦補強材２１の外周面）に溶接により固着されている。外周側の横補強材２２は、縦補強材２１の外フランジ面２１ｃから径方向Ｘ１に延びる鉄筋支持材２２Ａの先端に溶接により固着されている。

【0038】

埋設部材４は、図３及び図４に示すように、外槽ライナープレート２に対して一体的に組み付けられている。埋設部材４は、外槽ライナープレート２寄りに配置される内側鉄筋４１と、内側鉄筋４１から外周側に間隔あけて配置された外側鉄筋４２と、内側鉄筋４１と外側鉄筋４２との間で周方向Ｘ２および上下方向Ｘ３に延在するシース管４３と、を有している。

【0039】

内側鉄筋４１は、図３乃至図５に示すように、周方向Ｘ２および上下方向Ｘ３に沿って格子状に配筋されている。周方向に延びる内側鉄筋４１の内横筋４１Ａは、周方向Ｘ２に沿って湾曲し、その外側面２ａから外周側に間隔をあけた位置に配置されている。内横筋４１Ａは、上述したように、複数の縦補強材２１のウェブ２１２に形成された貫通穴２１３に通過された状態で配筋される。
上下方向Ｘ３に延びる内側鉄筋４１の内縦筋４１Ｂは、上下方向Ｘ３に直線状に延び、内横筋４１Ａの外側に連結されている。内縦筋４１Ｂの上端部４１ａ及び下端部４１ｂは、それぞれ外槽ライナープレート２の上端部２ｃ及び下端部２ｄよりも外方に突出している。

【0040】

外側鉄筋４２は、図３及び図４に示すように、周方向Ｘ２および上下方向Ｘ３に沿って格子状に配筋されている。周方向Ｘ２に延びる外側鉄筋４２の外横筋４２Ａは、周方向Ｘ２に沿って湾曲し、その外側面２ａから外側に間隔をあけた位置に配置されている。
上下方向Ｘ３に延びる外側鉄筋４２の外縦筋４２Ｂは、上下方向Ｘ３に直線状に延び、外横筋４２Ａの内側に連結されている。具体的に外横筋４２Ａ及び外縦筋４２Ｂは、鉄筋支持材２２Ａに固着された外側の横補強材２２に対して添わせるように支持されている。
外縦筋４２Ｂの上端部４２ａは、内側鉄筋４１の内縦筋４１Ｂの上端部４１ａよりも低い位置となるように設定されている。外縦筋４２Ｂの下端部４２ｂは、外槽ライナープレート２の下端部２ｄよりも外方に突出している。

【0041】

シース管４３は、周方向Ｘ２に延びる横シース管４３Ａと、上下方向Ｘ３に延びる縦シース管４３Ｂと、からなり、コンクリート打設後にシース管４３内にＰＣ鋼線（図示省略）が挿通され、コンクリート部３（図２参照）にプレストレスが導入される。

【0042】

次に、防液堤１の施工方法について、図面に基づいて具体的に説明する。
先ず、図３及び図４に示す上述したライナーユニット２０を施工現場で地組みする。すなわち、外槽ライナープレート２をその外側面２ａを上向きに配置してから、外槽ライナープレート２に対して順次、埋設部材４を組み付けることでユニット化する。

【0043】

先ず、図３、図４及び図５に示すように、外槽ライナープレート２をその外側面２ａを上向きにして横置き姿勢にして配置する。そして、外側面２ａの所定位置に複数の縦補強材２１、２１、…を溶接により固着させた後、これら縦補強材２１、２１、…に対して横補強材２２を溶接により固着する。なお、縦補強材２１には、工場等で予め複数の貫通穴２１３を一列に配列されるように形成しておく。
その後、各縦補強材２１のウェブ２１２に形成される貫通穴２１３に内側鉄筋４１の内横筋４１Ａを挿通させて周方向Ｘ２に沿うように配置する。さらに内横筋４１Ａの外周側に複数の内縦筋４１Ｂを配置する。内縦筋４１Ｂは、内横筋４１Ａに結束してもよいし、あるいは機械式に接続してもよい。

【0044】

次に、図３、図４及び図６に示すように、内側鉄筋４１の外周側の領域に複数のシース管４３を配置する。先ず、縦シース管４３Ｂを縦補強材２１に隣接するように沿わせて上下方向Ｘ３に延在するように配列し、縦補強材２１に緊結して固定する。さらに、すべての縦シース管４３Ｂ、４３Ｂ、…が固定されたら、それら縦シース管４３Ｂ、４３Ｂ、…の外周側において周方向Ｘ２に延在するように横シース管４３Ａ、４３Ａ、…を上下方向Ｘ３に間隔をあけて配列し、縦シース管４３Ｂに緊結して固定する。

【0045】

続いて、図３及び図４に示すように、シース管４３の外周側に外側鉄筋４２を配置する。先ず、外側鉄筋４２の複数の外縦筋４２Ｂを、鉄筋支持材２２Ａに固定されている横補強材２２に接続することで上下方向Ｘ３に間隔をあけて配置する。さらに外縦筋４２Ｂの外周側に添わせるように支持させて、外縦筋４２Ｂに結束することにより複数の外横筋４２Ａ、４２Ａ、…を配置する。
これにより、図２に示すような１ロットＰ分のライナーユニット２０の組み立てが完了となる。

【0046】

ここで、図１に示すように、貯留タンク１Ａは、貯留槽１０及び防液堤１の構築前の状態まで施工されている。すなわち、貯留タンク１Ａの施工箇所の地盤に複数の支持杭１１、１１、…が打設され、それら支持杭１１、１１、…の上端（杭頭部）に鉄筋コンクリート造の基礎盤１２が施工されている。そして、この基礎盤１２の外周部に上述したように地組みによってユニット化したライナーユニット２０を順次、組み立てていく。
具体的には、図２に示すように、クレーンＭを使用して地上に横置き姿勢で配置されているライナーユニット２０を組み付ける姿勢となるように吊り上げ、基礎盤１２の所定位置に位置決めするとともに、適宜な固定手段により基礎盤１２に固定する。

【0047】

ここでは、最下段（１段目）のロットＰ１が基礎盤１２上に周方向Ｘ２に全周にわたって組み立てられた後に、その１段目のロットＰ１上に２段目のロットＰ２を施工する一例を示す。
なお、図２は、１段目と２段目のロットＰ１、Ｐ２の施工が完了し、２段目のロットＰ２の上に３段目のロットＰ３のライナーユニット２０を配置してコンクリートを打設している施工状態を示している。

【0048】

図７に示すように、下側に位置して先行して固定されている先行ライナーユニット２０Ａ（２０）と、先行ライナーユニット２０Ａの上側に連結される後行ライナーユニット２０Ｂ（２０）と、を連結する際には、上下双方の縦補強材２１Ａ、２１Ｂの端面２１ｄ、２１ｅ同士を当接させる。つまり、下方の縦補強材２１Ａの上端面２１ｄに上方から接続する縦補強材２１Ｂの下端面２１ｅを当接させる。

【0049】

そして、図７及び図８に示すように、縦補強材２１Ａ、２１Ｂの外フランジ面２１ｃ、２１ｃ同士を架け渡すようにして断面Ｔ型のＴ字補強部材２４（補強リブ）をボルト２４ｃにより固定されている。Ｔ字補強部材２４は、外フランジ面２１ｃに面で当接される固定板２４ａと、固定板２４ａに対して垂設されたリブ２４ｂとを有し、下側の縦補強材２１Ａに対して上側の縦補強材２１Ｂが倒れないように補強する部材である。

【0050】

また、外槽ライナープレート２Ａ，２Ｂ同士の上下方向Ｘ３の接続構造は、図７に示すように、先行ライナーユニット２０Ａにおける外槽ライナープレート２Ａの上端部分２ｆと縦補強材２１Ａの非固着部２１ａとの間に、後行ライナーユニット２０Ｂの外槽ライナープレート２Ｂの下端部分２ｇを、下側の外槽ライナープレート２Ａの上端部分２ｆを押し広げて変形させて上方から挿入し、外槽ライナープレート２Ａ、２Ｂ同士が重なる重なり部２ｈを形成して接続する。そして、下側の外槽ライナープレート２Ａの上端部２ｃを上側の外槽ライナープレート２Ｂの内側面２ｂに溶接（この溶接部を符号Ｗで示している）することで、上下の外槽ライナープレート２Ａ，２Ｂ同士が接続される。

【0051】

そして、上下の縦補強材２１Ａ，２１Ｂ同士の接続とともに、図３に示す内側鉄筋４１の内縦筋４１Ｂ、外側鉄筋４２の外縦筋４２Ｂ、及び縦シース管４３Ｂも上下のライナーユニット２０Ａ、２０Ｂ間で適宜な接続手段により接続される。例えば、鉄筋同士の接続は、機械式あるいは結束線等により接続され、シース管同士は例えば粘着テープ等を使用して連結される。

【0052】

次に、後行ライナーユニット２０Ｂの組み立てが完了した後、図２に示すように、組み立てたライナーユニット２０の外周側に足場５３を設けて型枠５を設置する。型枠５は、周方向に沿って湾曲しており、外槽ライナープレート２から外周側に所定の間隔をあけて配置される。型枠５は、図９に示すように、縦補強材２１の外フランジ面２１ｃに溶接などの固定手段によって垂設されたセパレータ５１によって一定間隔を保った位置に設置され、コンクリート打設時に充填されるコンクリートによって型枠５が外周側に膨らむことが防止されている。

【0053】

また、型枠５の設置とともに、横シース管４３Ａ及び縦シース管４３Ｂに不図示のプレストレスコンクリート鋼線（ＰＣ鋼線）を挿入しておく。横シース管４３Ａに挿入されるＰＣ鋼線は、定着端をコンクリート部３の外側に突出するように配置しておく。また、縦シース管４３Ｂには、下側の先行ライナーユニット２０Ａの縦シース管４３Ｂに挿通されているＰＣ鋼線を挿入する。

【0054】

次に、図２に示すように、外槽ライナープレート２と型枠５との間の空間に上方からコンクリートを充填する。これにより１ロットＰの施工が完了し、上述したように周方向Ｘ２および上下方向Ｘ３に順次、複数のロットＰを施工していく。そして、防液堤１の全てのロットＰにおけるコンクリートの打設が完了した後に、ＰＣ鋼線の引張端を引っ張ってコンクリート部３に緊張力を与えて防液堤１の構築が完了となる。このとき構築された防液堤１には、外槽１４の一部である外槽ライナープレート２も所定の位置に設置された状態となる。
なお、防液堤１のすべてのロットＰが構築された後に、ロットＰ間で接続されたシース管４３Ａ，４３ＢにＰＣ鋼線を挿通させて、そのＰＣ鋼線に引張り力を付与してコンクリート部３にプレストレスを導入するようにしてもよい。

【0055】

防液堤１を構築した後は、図１に示すように、防液堤１とともに設置されている外槽ライナープレート２の内周側に貯留槽１０を構築する。すなわち、貯留槽１０の底壁１３、外槽１４の外槽ライナープレート２以外の一部、内槽１５、及び頂壁１６を順次、施工し、外槽１４と内槽１５との間、底壁１３内、及び頂壁１６内の空間に保冷材を充填して貯留槽１０の施工が完了となり、貯留タンク１Ａが完成となる。

【0056】

次に、防液堤の施工方法、及び防液堤の作用について、図面に基づいて詳細に説明する。
図３に示すように、本実施の形態では、横置き姿勢で配置した外槽ライナープレート２の外側面２ａに対して縦補強材２１と埋設部材４（内側鉄筋４１や外側鉄筋４２など）を一体的に組み付けてライナーユニット２０を設けておくことができる。そして、縦補強材２１は外槽ライナープレート２を補強するものであり十分な強度を有するため、ライナーユニット２０を、図２に示すように縦置き姿勢にして縦補強材２１の貫通穴２１３を利用してクレーンＭによって吊り上げて、防液堤１の所定位置に配置することができる。その後、型枠５を設けてコンクリートを充填することで、ライナーユニット２０を配置した箇所のロットＰを施工することができる。そして、複数のロットＰを施工することで防液堤１を構築できる。

【0057】

このように本実施の形態では、高所作業がなく作業状態の良好な地組みによる作業でライナーユニット２０としてユニット化できるので、高所作業を低減でき、作業効率の向上を図ることができるうえ、外槽ライナープレート２に対して精度よくかつ効率的に内側鉄筋４１及び外側鉄筋４２を組み込むことができる。

【0058】

また、本実施の形態では、外槽ライナープレート２が縦補強材２１によって補強されているので、ライナーユニット２０が防液堤１としての所定位置に縦置き姿勢で配置された状態で、コンクリートの打設前において外槽ライナープレート２が倒れる方向に湾曲変形することを防止できる。そのため、コンクリートを打設前の外槽ライナープレート２の位置のずれ量を小さく抑えることができ、コンクリート打設後の防液堤１及び貯留槽１０の外槽１４を精度よく構築することができる。

【0059】

また、本実施の形態では、内側鉄筋４１の内横筋４１Ａのみを縦補強材２１の貫通穴２１３に挿通させ、外側鉄筋４２は鉄筋支持材２２Ａを介して横補強材２２に支持させるだけの作業となるので、鉄筋を穴に挿通させるという手間のかかる作業を最小限に抑えることができ、鉄筋の組付け作業を簡単、かつ効率よく行うことができる。

【0060】

さらに、本実施の形態では、外槽ライナープレート２に対して縦補強材２１が上下方向に延ばされた状態で配置されているため、外槽ライナープレート２と型枠との間にコンクリートを打設する際に、その打設領域の上方から下方までバイブレーターを挿入することができる。そのため、打設したコンクリートを十分に締め固めることができ、品質を確保することができる。

【0061】

また、本実施の形態による防液堤１の施工方法では、上側と下側のロットＰのそれぞれの縦補強材２１の端部同士が固着手段により固定されているので、コンクリート打設前のライナーユニット２０、２０同士を安定した姿勢で配置することができる。そのため、防液堤１における外槽ライナープレート２の位置を精度よく配置することができる。

【0062】

また、本実施の形態の防液堤の施工方法では、図７に示すように、上下に配置されるライナーユニット２０Ａ、２０Ｂの縦補強材２１Ａ、２１Ｂ同士の接続がＴ字補強部材２４によってさらに補強されているので、コンクリート打設前のライナーユニット２０、２０同士をより安定した姿勢で配置することができ、防液堤１における外槽ライナープレート２の位置を精度よく配置することができる。

【0063】

また、本実施の形態では、型枠５用のセパレータ５１の外槽ライナープレート２側の端部を、据え付け精度が不十分な外槽ライナープレート２よりも変形の小さな縦補強材２１の外フランジ面２１ｃに固定することができる。そのため、セパレータ５１の長さを調整する作業にかかる手間を低減することができ、型枠５を精度よく配置することができる。

【0064】

上述のように本実施の形態による防液堤の施工方法、及び防液堤では、施工効率及び施工精度の向上を図ることができるうえ、品質の低下を抑制できる。

【0065】

以上、本発明による防液堤の施工方法、及び防液堤の実施の形態について説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。

【0066】

例えば、本実施の形態では、上下方向に接続されるライナーユニット２０、２０同士を、下側のライナーユニット２０における縦補強材２１の上端面２１ｄに、上側のライナーユニット２０における縦補強材２１の下端面２１ｅを当接させて固定する構成としているが、これに限定されることはなく、上下双方の縦補強材２１、２１同士の端部を直接当接させずに、例えば連結部材を介挿させて接続するような構成であってもよいし、上下双方の縦補強材２１、２１同士を固定しない構成であってもかまわない。
また、本実施の形態では、上下に接続される縦補強材２１、２１同士の外フランジ面２１ｃにわたって補強リブとしてＴ字補強部材２４を設けた構成としているが、補強リブとしてＴ字断面の部材であることに限定されることはなく、また補強リブを省略することも可能である。

【0067】

また、型枠５の設置に使用するセパレータ５１の取り付け位置や本数は、上述した実施の形態に制限されることはなく、適宜設定することができる。すなわち、本実施の形態では、セパレータ５１の外槽ライナープレート２側の端部が縦補強材２１の外フランジ面２１ｃに固定させた構成としているが、縦補強材２１のフランジ２１１の端縁部に固定してもよい。

【0068】

さらに、本実施の形態では、上下のライナーユニット２０、２０の外槽ライナープレート２、２同士の接続部分で、下側の外槽ライナープレート２の上端部分２ｆと上側の外槽ライナープレート２の下端部分２ｇとが重なり部２ｈで重なるようにしているが、このような接続構造であることに限定されることはない。

【0069】

また、ライナーユニット２０の寸法を決定するため防液堤１を分割した１ロットＰの大きさは、防液堤１の大きさ、形状、分割数に合わせて適宜設定することができる。
また、本実施の形態では、貯留タンクとしてはＬＮＧタンクを例示したが、原油タンク等の他のタンクであっても良い。

【0070】

その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能である。

【符号の説明】

【0071】

１ 防液堤
１Ａ 貯留タンク
２ 外槽ライナープレート
２ａ 外側面
３ コンクリート部
４ 埋設部材
５ 型枠
１０ 貯留槽
１４ 外槽
２０、２０Ａ、２０Ｂ ライナーユニット
２１、２１Ａ、２１Ｂ 縦補強材
２１ａ 非固着部
２１ｃ 外フランジ面（縦補強材の外周面）
２１３ 貫通穴
２２ 横補強材
２２Ａ 鉄筋支持材
２４ Ｔ字補強部材（補強リブ）
４１ 内側鉄筋
４１Ａ 内横筋
４１Ｂ 内縦筋
４２ 外側鉄筋
４２Ａ 外横筋
４２Ｂ 外縦筋
４３ シース管
５１ セパレータ
Ｘ１ 径方向
Ｘ２ 周方向
Ｘ３ 上下方向

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【図8】

【図9】