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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-02
(45)【発行日】2022-03-10
(54)【発明の名称】アンテナ整列のための装置
(51)【国際特許分類】
   H01Q 3/04 20060101AFI20220303BHJP
   G01S 19/14 20100101ALI20220303BHJP
   H01Q 1/12 20060101ALI20220303BHJP
【FI】
H01Q3/04
G01S19/14
H01Q1/12 B
H01Q1/12 C
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2018559241
(86)(22)【出願日】2017-05-11
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-08-22
(86)【国際出願番号】 KR2017004877
(87)【国際公開番号】W WO2017196097
(87)【国際公開日】2017-11-16
【審査請求日】2018-11-09
【審判番号】
【審判請求日】2020-10-28
(31)【優先権主張番号】10-2016-0058210
(32)【優先日】2016-05-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】508112782
【氏名又は名称】ケーエムダブリュ・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001586
【氏名又は名称】特許業務法人アイミー国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ドン-フン リー
(72)【発明者】
【氏名】ヨン-ヒョ ジュン
(72)【発明者】
【氏名】ミン-ジ パク
【合議体】
【審判長】佐藤 智康
【審判官】吉田 隆之
【審判官】伊藤 隆夫
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-177483(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01Q
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線信号を送受信し、固定装備によって支柱に固定されて設けられる通信装備間のアンテナ整列のための装置において、
センサ部およびユーザインタフェース部を有する整列ガイド装置と
前記整列ガイド装置を前記通信装備の予め設定された対応部位に着脱可能な形態で固定する固定装置と、
前記通信装備と前記センサ部と前記ユーザインタフェース部とを接続する通信ケーブルおよびコネクタを含む通信インタフェースとを備え、
前記固定装置は,前記通信装備の前記対応部位と前記整列ガイド装置を結合して、前記通信装備が無線信号を放射する方向に前記整列ガイド装置を整列させるクランプ構造またはブラケット構造であり、
前記センサ部は前記整列ガイド装置の方位角および位置に関する情報を検知し、
前記固定装置によって前記通信装備の外側に前記無線信号を放射する方向に整列した形態で固定された前記整列ガイド装置は、前記通信インタフェースを介して、前記通信装備の制御部と信号をやり取りし、前記無線信号を放射する方向に関する方位角および前記通信装備の位置を検知して前記ユーザインタフェース部に出力し、
前記ユーザインタフェース部は、前記センサ部で検知した位置に関する情報をユーザに表示し、動作設定入力および相手側通信装備の位置に関する情報を入力されることを特徴とするアンテナ整列のための装置。
【請求項2】
前記センサ部は、
前記整列ガイド装置の方位角を検知するための真北センサと、
前記整列ガイド装置の位置を検知するためのGPS(Global Positioning System)センサとを含むことを特徴とする請求項1に記載のアンテナ整列のための装置。
【請求項3】
前記センサ部は、
前記整列ガイド装置の設けられた高さを検知するための高度センサをさらに含むことを特徴とする請求項2に記載のアンテナ整列のための装置。
【請求項4】
前記ユーザインタフェース部は、前記センサ部で検知した位置に関する情報をユーザに表示するための表示部と、前記動作設定入力および前記相手側通信装備の位置に関する情報を入力されるための入力部とを、タッチスクリーンで実現することを特徴とする請求項1に記載のアンテナ整列のための装置。
【請求項5】
前記整列ガイド装置は、前記通信装備に連結されて前記通信装備の制御下で動作し、
前記通信装備から受信感度(RSSI:Received Signal Strength Indicator)情報を受けて表示することを特徴とする請求項1に記載のアンテナ整列のための装置。
【請求項6】
前記整列ガイド装置は、当該整列ガイド装置の動作を総括的に制御する整列ガイド装置制御部をさらに含み、
前記整列ガイド装置制御部は、
前記センサ部から提供された位置情報および方位角情報と、前記インタフェース部入力された相手側通信装備の位置情報とを用いて、前記相手側通信装備の位置に向かうように、自らの設置方向に関する情報を前記ユーザインタフェース部出力する動作を行うことを特徴とする請求項1に記載のアンテナ整列のための装置。
【請求項7】
前記整列ガイド装置制御部は、
前記通信装備から受信感度情報を受けて前記ユーザインタフェース部表示する動作をさらに行うことを特徴とする請求項6に記載のアンテナ整列のための装置。
【請求項8】
前記センサ部は、前記整列ガイド装置の設けられた高さを検知するための高度センサをさらに含み、
前記整列ガイド装置制御部は、前記センサ部から提供された高度情報と、前記インタフェース部から入力された相手側通信装備の高度とを追加的にさらに用いて、前記自らの設置方向に関する情報を前記ユーザインタフェース部出力する動作を行うことを特徴とする請求項6または7に記載のアンテナ整列のための装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超高周波伝送システムに適用可能な通信装備に関し、超高周波伝送システムにおいて、2つの通信装備のアンテナ間の指向方向を互いに合わせるためのアンテナ整列ガイド装置に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、大容量のデータサービスを要求するサービス加入者を満たすために、制限された周波数帯域でより効率的でより多くのデータを伝送するために、LTEのMIMO(Multiple Input Multiple Output)方式などを含めた多様な研究が行われている。これとともに、既存のマクロセル単位で基地局を実現する方式からさらに進んで、より一層小さいセル(別名、スモールセル;small cell)単位で複数の基地局を実現することで、より少数の加入者にデータサービスを集中的に提供する方式およびこれを実現するための小型または超小型基地局に関する研究開発が活発に行われている。
【0003】
この時、光ケーブルなどを介して基地局間を連結する通常の方式は、複数の小型基地局を連結するために適用する場合に、多大な設置費用の増加および設置環境上の制約による困難が増す。これによって、基地局または小型基地局間の無線通信装備を介して互いに連結するシステムを必要とし、現在、スモールセルのデータ容量を無線で効果的に処理できるようにしかつ、移動通信ネットワークの使用周波数帯域の飽和状態を考慮して、ミリメートル波(millimeter wave)(超高周波広帯域ミリメートル波)帯域を用いる超高周波伝送システム(例えば、フロントホールおよびバックホール)が適用されている。
【0004】
一方、超高周波であるミリメートル波の特性は、直進性が強く、距離に応じて電波が減少して無くなる特性(減衰特性)が強い。また、利得が高く、ビーム幅が、例えば、約1.5度と非常に狭い。したがって、超高周波信号を送受信する両通信装備間の整列(すなわち、両通信装備のアンテナ間の整列)が正確でこそ、両通信装備間の通信可能距離を増加させることができ、指向中心方向(Bore-sight)外に放射される信号が微弱であるため、隣接通信装備間の相互影響を低減することができる。そこで、両通信装備の設置時に相互間の整列を合わせる作業が必須に行われる。
【0005】
しかしながら、現在、通常数百メートル(例えば、約500m)離れて設けられる2つの通信装備のアンテナ間の整列作業は、作業者が肉眼や望遠鏡などを用いて行われている。このような整列作業は精度が不足し長時間がかかり、設置費用が増加して設置効率性が低下する。したがって、より正確かつ効率的であり、短時間で2つの通信装備のアンテナを整列できる技術が要求される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本発明の目的は、特に超高周波信号を送受信する2つの通信装備のアンテナ整列作業が正確かつ効率的であり、速やかに行われるようにするためのアンテナ整列ガイド装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するために、本発明は、無線信号を送受信し、固定装備によって支柱に固定されて設けられる通信装備間のアンテナ整列のための装置において、センサ部およびユーザインタフェース部を有する整列ガイド装置と前記整列ガイド装置を前記通信装備の予め設定された対応部位に着脱可能な形態で固定する固定装置と、前記通信装備と前記センサ部と前記ユーザインタフェース部とを接続する通信ケーブルおよびコネクタを含む通信インタフェースとを備える。そして前記固定装置は前記通信装備の前記対応部位と前記整列ガイド装置を結合して前記通信装備が無線信号を放射する方向に前記整列ガイド装置を整列させるクランプ構造またはブラケット構造であり、前記センサ部は前記整列ガイド装置の方位角および位置に関する情報を検知し、前記固定装置によって前記通信装備の外側に前記無線信号を放射する方向に整列した形態で固定された前記整列ガイド装置は、前記通信インタフェースを介して、前記通信装備の制御部と信号をやり取りし、前記無線信号を放射する方向に関する方位角および前記通信装備の位置を検知して前記ユーザインタフェース部に出力し、前記ユーザインタフェース部は前記センサ部で検知した位置に関する情報をユーザに表示し動作設定入力および相手側通信装備の位置に関する情報を入力されることを特徴とする。
【0008】
前記センサ部は、前記整列ガイド装置の方位角を検知するための真北センサと、前記整列ガイド装置の検知するためのGPSセンサとを含むことができ、追加的に、前記整列ガイド装置の設けられた高さを検知するための高度センサなどを含んでもよい。
【0009】
前記整列ガイド装置は、前記通信装備に連結されて前記通信装備の制御下で動作し、前記通信装備から受信感度(RSSI:Received Signal Strength Indicator)情報を受けて表示することができる。
【0010】
前記整列ガイド装置の動作を総括的に制御する制御部をさらに含んでもよいし、前記制御部は、前記センサ部から提供された位置情報および方位角情報と、前記インタフェース部から入力された相手側通信装備の位置情報とを用いて、相手側通信装備の位置に向かうように、自らの設置方向に関する情報を前記ユーザインタフェース部を介して出力する動作を行うことができる。
【0011】
前記制御部は、前記センサ部から提供された高度情報と、前記インタフェース部から入力された相手側通信装備の高度とを追加的にさらに用いて、前記自らの設置方向に関する情報を前記ユーザインタフェース部を介して出力することができる。
【発明の効果】
【0012】
上記のように、本発明に係るアンテナ整列ガイド装置は、特に超高周波信号を送受信する2つの通信装備のアンテナ整列作業が正確かつ効率的であり、速やかに行われるようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の一部の実施形態に係るアンテナ整列ガイド装置が適用される通信装備の概略的な設置構成図である。
図2】本発明の第1実施形態に係るアンテナ整列ガイド装置および関連通信装備の概略的なブロック構成図である。
図3】本発明の一部の実施形態に係るアンテナ整列ガイド装置を用いた通信装備間の整列方式に関する概念図である。
図4】本発明の一部の実施形態に係るアンテナ整列ガイド装置を用いた通信装備間の整列作業実行時の、相互間の水平方位角を整列するための概念図である。
図5】本発明の一部の実施形態に係るアンテナ整列ガイド装置を用いた通信装備間の整列作業実行時の、相互間の垂直傾斜を整列するための概念図である。
図6】本発明の第2実施形態に係るアンテナ整列ガイド装置および関連通信装備の概略的なブロック構成図である。
図7】本発明の第3実施形態に係るアンテナ整列ガイド装置および関連通信装備の概略的なブロック構成図である。
図8】本発明の一部の実施形態に係るアンテナ整列ガイド装置を用いた通信装備の整列作業実行フロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明に係る好ましい実施形態を、添付した図面を参照して詳細に説明する。下記の説明では、具体的な構成素子などのような特定事項が示されているが、これは本発明のより全般的な理解のために提供されたものに過ぎず、このような特定事項が本発明の範囲内で所定の変形あるいは変更が可能であることはこの技術分野における通常の知識を有する者にとっては自明というべきである。
【0015】
図1は、本発明の一部の実施形態に係る考案装置が適用される通信装備の概略的な設置構成図である。図1を参照すれば、例えば、30GHz以上のミリメートル波帯域の超高周波を用いて無線信号を送受信する2つの通信装備1-1、1-2は、例えば、地上や建物などに設けられる支柱6に互いに数百メートル以上離れて向かい合う形態で設けられる。このような通信装備のうち、第1通信装備1-1は、例えば、ドナー(Donor)ユニットと見なすことができ、第2通信装備1-2は、リモート(Remote)ユニットと見なすことができる。この時、2つの通信装備1-1、1-2は、水平方位角および垂直傾斜に対する設置姿勢を調整可能なクランプなどで構成される固定装備によってそれぞれ支柱6-1、6-2に固定されて設けられる。
【0016】
前記構造において、本発明の実施形態に係る整列ガイド装置2-1、2-2が各通信装備1-1、1-2の外側に着脱可能な形態で設けられる。図1の例においては、整列ガイド装置2-1、2-2が各通信装備1-1、1-2の上部に置かれる構造で設けられることが示されている。この時、各整列ガイド装置2-1、2-2が置かれる方向は、各通信装備1-1、1-2でアンテナのミリメートル波帯域の無線信号を放射する方向を基準としてこれと整列された状態で置かれる。この場合に、各通信装備1-1、1-2には、当該整列ガイド装置2-1、2-2が予め設定された定位置に置かれるように適切な形状を有するか、追加的な構造物が設けられてもよい。
【0017】
また、前記整列ガイド装置2-1、2-2を各通信装備1-1、1-2で予め設定された定位置に着脱可能な形態で固定可能に別の固定装置4-1、4-2が構成される。このような固定装置4-1、4-2は、クランプ構造やブラケット構造などで構成され、当該整列ガイド装置2-1、2-2および通信装備1-1、1-2に対応する部位を有し、当該整列ガイド装置2-1、2-2を通信装備1-1、1-2に固定させる。
【0018】
図2は、本発明の第1実施形態に係るアンテナ整列ガイド装置および関連通信装備の概略的なブロック構成図である。図2を参照して、まず、通信装備1の構成をみると、通信装備1には、ミリメートル波無線信号を送受信するためにミリメートル波帯域のアンテナなどで構成される無線信号送受信部10と、当該通信装備1の動作を全般的に制御する制御部であるMCU(Micro Control Unit)11とを含んで構成される。
【0019】
一方、アンテナ整列ガイド装置2は、基本的に、当該整列ガイド装置の方位角および位置に関する情報を検知するセンサ部22と、前記センサ部22で検知した位置に関する情報を表示し、動作設定入力および他の装置の位置に関する情報を受信するためのユーザインタフェース部24とを備える。また、このようなユーザインタフェース部24は、他の装置の位置情報に対応して当該整列ガイド装置2の設置方向(すなわち、水平方位角)を表示する。
【0020】
センサ部22は、当該整列ガイド装置の方位角を検知するための真北センサ222と、位置を検知するためのGPS(Global Positioning System)センサ224とを含むことができる。また、追加的に、当該整列ガイド装置の設けられた高さを検知するための高度センサを備えることもできる。
【0021】
ユーザインタフェース部24は、前記センサ部22で検知した位置に関する情報などをユーザに表示するための表示部242と、動作設定入力および他の装置の位置に関する情報を受信するための入力部246とを含んで構成される。このような表示部242と入力部246は、一体的にタッチスクリーンなどで実現されてもよい。表示部242は、その他にも後述のように、当該通信装備の受信感度(RSSI:Received Signal Strength Indicator)情報を表示することができ、ユーザから動作設定を受信するための適切なメニュー画面などを表示することができる。また、入力部246は、その他にも、別の動作設定操作のための機能キーなどが備えられる。
【0022】
このような構成を有する整列ガイド装置2は、例えば、通信装備1の上側で通信装備1の無線信号送受信部10の無線信号放射方向を基準に整列された状態で装着される。図2では、当該整列ガイド装置2を通信装備1に装着するための固定装置4が簡略に示されている。
【0023】
また、整列ガイド装置2と通信装備1は、通信ケーブルおよびコネクタなどで構成された通信インタフェース3を介して連結され、互いに信号をやり取りするように構成される。これによって、通信装備1のMCU11は、前記通信インタフェース3を介して整列ガイド装置2のセンサ部22およびユーザインタフェース部24に連結され、センサ部22およびユーザインタフェース部24の動作を制御することができる。すなわち、このような構成は、整列ガイド装置2が通信装備1のMCU11の制御下で動作する構造であることが分かる。
【0024】
ガイド整列装置2が通信装備1に装着され、両者間で互いに連結されると、作業者はガイド整列装置2を介して通信装備1の設置姿勢を調整する。この時、作業者はユーザインタフェース部24を介して相手側通信装備(すなわち、相手側通信装備に装着されたガイド整列装置)の位置情報を入力する。ユーザインタフェース部24に入力された相手側通信装備の位置情報は、当該通信装備1のMCU11に提供される。
【0025】
MCU11は、センサ部22から提供された自らの位置情報および方位角情報と、前記インタフェース部24から提供された相手側通信装備の位置情報とを考慮して、相手側通信装備の位置に向かうように、自らの設置方向に関する情報(すなわち、水平方位角)をユーザインタフェース部24を介して出力する。これによって、ユーザインタフェース部24には、現在当該通信装備(すなわち、当該整列ガイド装置)の方位角と要求される設置方向に対する方位角が表示されてもよいし、作業者はこのように出力される情報を確認して、通信装備1の設置方向(水平方位角)を調整する。
【0026】
この時、通信装備1のMCU11は、無線信号送受信部10を介して受信される無線信号の受信感度に関する情報もユーザインタフェース部24を介して表示するように制御することができ、作業者はこのような受信感度に関する情報を通してより精密に通信装備1の設置方向を調整することができる。すなわち、作業者は、前記受信感度が良好な場合に、通信装備の設置方向が適切に調整されたと見なすことができる。
【0027】
通信装備1で受信感度を測定することは、2つの方式を適用することができる。例えば、通信装備1の無線信号送受信部10の出力電圧を確認する方式を用いることができる。あるいは、当該通信装備1の制御を目的とする低周波領域の無線通信(例えば、FSK、Zigbeeなど)モデムの受信感度を確認する方式を用いることもできる。
【0028】
一方、追加的に、作業者はユーザインタフェース部24を介して相手側通信装備(すなわち、相手側通信装備に装着されたガイド整列装置)の高度情報を入力することができる。また、センサ部22の高度センサ226によって検知された高度情報はMCU11に提供されるように構成することができる。さらに、MCU11は、センサ部22から提供された自らの高度情報と、前記インタフェース部24から提供された相手側通信装備の高度情報とを考慮して、相手側通信装備の設置位置に向かうように、自らの設置方向に関する情報(すなわち、垂直傾斜)をユーザインタフェース部24を介して出力することができる。これによって、作業者はこのように出力される情報を確認して、通信装備1の設置方向(垂直傾斜)を追加的にさらに調整する。
【0029】
図3は、本発明の一部の実施形態に係るアンテナ整列ガイド装置を用いた通信装備間の整列方式に関する概念図である。図3を参照すれば、超高周波無線信号を送受信する通信装備1-1、1-2は、例えば、約500m前後で設けられるが、当該整列ガイド装置2-1、2-2のセンサ部が検知する真北または磁北の方向は、当該通信装備1-1、1-2から、例えば、数百または数千Km離れていてよい。したがって、各通信装備1-1、1-2の整列ガイド装置2-1、2-2が検知した真北または磁北値を0となるように(すなわち、通信装備が北側を指すと)、2つの通信装備は平行な線上にあると考えるとよい。
【0030】
図4は、本発明の一部の実施形態に係るアンテナ整列ガイド装置を用いた通信装備間の整列作業実行時の、相互間の水平方位角を整列するための概念図であって、前記図3で説明したように、平行な2つの線上の2点(すなわち、2つの通信装備が位置する地点A、B)が互いに向かい合う角αを求める方式を図式化した図である。図4を参照すれば、2つの通信装備が位置する地点A、Bを両頂点とする直角三角形を考慮すると、前記αは、図4で直角三角形の3辺a、b、cのうち2つの長さを知っていれば三角比によって求められる。
【0031】
2つの通信装備それぞれのGPSセンサによってGPS座標を有し、この座標によって、例えば、南北距離aは、緯度座標によって2つの地点A、Bの緯度差[x-x’]を計算して求められる。東西距離cは、経度座標によって2つの地点A、Bの経度差[y-y’]を計算して求められる。この時、2つの通信装備間の直線距離bは、[a+c]の平方根であり、GPSの機能により直線距離を求めることもできる。この後、求められたa、b、cの長さを用いて、例えば、sinα値はa/bで計算することができ、最終的にαを求めることができる。
【0032】
前記のように求められたαを用いて、例えば、図4のように、緯度上下側(南側)に位置した第1通信装備1-1が経度上相手側の第2通信装備1-2より西側に位置した場合、第1通信装備1-1は、北側方向を基準として東側にαだけ方位角(yaw、heading)を移動させる。第1通信装備1-1が経度上相手側通信装備1-2より東側に位置した場合、西側にαだけ方位角を移動させる。
【0033】
緯度上上側(北側)に位置した第2通信装備1-2は、経度上第1通信装備1-1より東側に位置した場合、西側方向に180-αだけ方位角を移動させ、経度上第1通信装備1-1より西側に位置した場合、東側方向に180-αだけ方位角を移動させる。
【0034】
図5は、本発明の一部の実施形態に係るアンテナ整列ガイド装置を用いた通信装備間の整列作業実行時の、相互間の垂直傾斜を整列するための概念図であって、互いに高さの差を有する2つの地点(すなわち、2つの通信装備が位置する地点A、B)の互いに向かい合う角βを求める方式を図式化した図である。図5を参照すれば、2つの通信装備が位置する地点A、Bを両頂点とする直角三角形を考慮すると、前記βは、前記図4で説明した方式と同じく三角比を用いて求められる。
【0035】
すなわち、前記図4に示されるような方式を用いて求めた2つの通信装備間の直線距離bと両通信装備に備えられた高度センサを用いて両通信装備の高度差[z-z’]であるdを求めることができる。この時、求められたbとdを用いて、例えば、tanβ値はd/bで計算することができ、最終的に前記βを求めることができる。
【0036】
前記のように、求められたβを用いて、例えば、図5のように高い位置に位置した第1通信装備1-1は、地面方向にβだけ仰角(pitch)を移動させ、低い位置に位置した第2通信装備1-2は、地面と反対方向にβだけ移動させる。
【0037】
前記図4および図5に示されるように、2つの通信装備の方位角および傾斜を整列することができ、この時、2つの通信装備の整列状態は、例えば、500mの距離を基準として1度(17mm)あたり約8.5mの誤差を示す。実際に常用センサの平均誤差が0.3前後である点を勘案すれば、500mで0.3度の誤差により約2.83mの誤差距離が発生する。これは、場合によっては安定した範囲にあり得るが、本発明の一部の実施形態では、両通信装備間の追加的な受信感度の測定およびこれによる追加的な微細調整によってかかる誤差を補正することができる。
【0038】
図6は、本発明の第2実施形態に係るアンテナ整列ガイド装置および関連通信装備の概略的なブロック構成図である。図6を参照すれば、本発明の第2実施形態に係るアンテナ整列ガイド装置2は、前記図2に示されるような第1実施形態に係る構成と同じく、当該装置の方位角および位置に関する情報を検知するセンサ部22と、前記センサ部22で検知した位置に関する情報を表示し、動作設定入力および他の装置の位置に関する情報を受信するためのユーザインタフェース部24とを備える。また、このようなユーザインタフェース部24は、他の装置の位置情報に対応して当該整列ガイド装置2の設置方向(すなわち、水平方位角)を表示する。
【0039】
さらに、図6に示された第2実施形態に係る整列ガイド装置において、前記センサ部22は、前記第1実施形態と同じく、前記センサ部22は、真北センサ、GPSセンサ、高度センサなどを含むことができる。また、ユーザインタフェース部24は、表示部および入力部などで構成され、タッチスクリーンで実現されてもよい。その他にも、図6に示された整列ガイド装置2は、通信インタフェース3を介して通信装備1に連結され、固定装置4を介して通信装備1に装着される。作業者がユーザインタフェース部24を介して相手側通信装備(すなわち、相手側通信装備に装着されたガイド整列装置)の位置情報および高度情報を入力すると、入力された相手側通信装備の位置情報および高度情報は当該整列ガイド装置2のMCU21に提供される。
【0040】
整列ガイド装置2のMCU21は、センサ部22から提供された自らの位置情報、方位角情報および高度情報と、前記インタフェース部24から提供された相手側通信装備の位置情報および高度情報とを考慮して、相手側通信装備の位置に向かうように、自らの設置方向に関する情報(すなわち、水平方位角および垂直傾斜)をユーザインタフェース部24を介して出力する。これによって、ユーザインタフェース部24には、現在当該通信装備(すなわち、当該整列ガイド装置)の方位角と要求される設置方向に対する方位角が表示されてもよいし、作業者はこのように出力される情報を確認して、通信装備1の設置方向(水平方位角および垂直傾斜)を調整する。
【0041】
前記図6に示されるような第2実施形態に係る整列ガイド装置2の構造は、整列ガイド装置2の内部にMCU21のようなプロセッサを設け、整列ガイド装置2は、自体でセンサ部22の検知情報およびユーザインタフェース部24の入力情報を処理し、ユーザがインタフェース部24の表示動作を制御する構造であることが分かる。整列ガイド装置2は、このような動作実行結果のみを通信装備1のMCU11に通知することができる。
【0042】
通信装備1のMCU11は、第1実施形態の動作と類似して、当該通信装備1の受信感度を測定して整列ガイド装置2のMCU21に提供することができる。整列ガイド装置2のMCU21は、前記通信装備1のMCU11に提供された受信感度に関する情報もユーザインタフェース部24を介して表示するように制御することができ、作業者はこのような受信感度に関する情報を通してより精密に通信装備1の設置方向を調整することができる。
【0043】
図7は、本発明の第3実施形態に係るアンテナ整列ガイド装置および関連通信装備の概略的なブロック構成図である。図7を参照すれば、本発明の第3実施形態に係るアンテナ整列ガイド装置2は、前記図6に示されるような第2実施形態に係る構成と同じく、センサ部22と、ユーザインタフェース部24とを備え、また、制御部としてMCU21を備えることが示されている。さらに、このような整列ガイド装置2は、固定装置4を介して通信装備1に装着される。
【0044】
しかしながら、図7に示された第3実施形態に係る構造では、整列ガイド装置2が、図6に示された通信インタフェース3を介して通信装備1と連結されない。すなわち、このような構造は、整列ガイド装置2のMCU21と通信装備1のMCU11とが互いに通信しない構造であることが分かる。
【0045】
このような構造において、整列ガイド装置2の前記図6に示された第2実施形態と同じく、自らの位置情報、方位角情報および高度情報と、相手側通信装備の位置情報および高度情報とを用いて、自らの設置方向に関する情報を作業者に出力する動作を行うが、追加的に、精密な調整のための検知信号を用いる動作は行わない。
【0046】
図8は、本発明の一部の実施形態に係るアンテナ整列ガイド装置を用いた通信装備の整列作業実行フロー図であって、例えば、前記第1または第2実施形態に係る整列ガイド装置を用いて行われる。図8を参照すれば、整列ガイド装置が通信装備に装着されると、まず、502ステップで、相手側整列ガイド装置の位置情報(および高度情報)を入力する。
【0047】
この後、504ステップでは、整列ガイド装置の水平方位角(および垂直傾斜)を調整する。整列ガイド装置の水平方位角(および垂直傾斜)の調整が完了すると、この後、506ステップで、アンテナ受信感度の測定結果を確認する。この後、508ステップでは、前記確認したアンテナ受信感度を、安定した範囲として予め設定された基準値と比較する。508ステップでの比較結果、受信感度が基準値以上でない場合には、前記504ステップに進み、整列ガイド装置の水平方位角(および垂直傾斜)を、例えば、微細に再調整し、前記過程を繰り返し行う。508ステップでの比較結果、受信感度が基準値以上の場合には、整列作業を完了する。
【0048】
上記の本発明の実施形態に係る整列ガイド装置を用いたアンテナ整列方式は、通信装備(アンテナ)を支柱に固定されるように設ける場合に、一時的にユーザ(作業者)の通信装備設置作業を補助するのに適切なものである。作業者は、通信装備の設置に際して、前記整列ガイド装置を通信装備に装着し、通信装備の設置が完了した後には、整列ガイド装置を通信装備から脱着する。作業者は、本発明の実施形態に係る整列ガイド装置を携帯して、複数の通信装備の設置に際して、繰り返し使用可能である。このように、本発明は、通常の移動通信ネットワークの基地局アンテナのように、固定的に設けられる通信装備の設置作業に際して、作業者を補助するための簡単かつ費用効率的な最適の方策を提供することができる。
【0049】
上記のように、本発明の一実施形態に係るアンテナ整列ガイド装置の構成およびこれを用いた整列動作が行われ、一方で、上記の本発明の説明では具体的な実施形態に関して説明したが、様々な変形が本発明の範囲を逸脱しない範囲で実施可能である。例えば、上記で説明した各実施形態の少なくとも一部の詳細構成は他の実施形態で同じく適用可能であり、各実施形態の少なくとも一部の詳細構成は削除されてもよい。また、これらの実施形態は、少なくとも一部の詳細構成が相互結合されてもよい。
【0050】
さらに、上記の説明では、支柱における通信装備の設置方向をユーザが手動で調整するものとして説明したが、今後、通信装備の設置方向を自動調整するための技術にも本発明の実施形態が適用可能である。
【0051】
例えば、当該通信装備は、外部制御信号によって自動的に設置方向を調整するために、電気的駆動装置および関連器具装置で実現され、当該通信装備を支柱に固定する固定装備が実現されてもよい。その場合に、本発明の整列ガイド装置(またはこのような整列装置から情報提供された通信装備)はこのような固定装置に適切な動作制御信号を出力するように構成することができる。
【0052】
その他にも、本発明の多様な変更または変形があり得、したがって、発明の範囲は、説明された実施形態によって定められるのではなく、請求範囲および請求範囲の均等なものによって定められなければならない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8