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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-02
(45)【発行日】2022-03-10
(54)【発明の名称】バッテリー端子ヒューズモジュール
(51)【国際特許分類】
   H01H 85/20 20060101AFI20220303BHJP
   H01M 50/543 20210101ALI20220303BHJP
   H01M 50/574 20210101ALI20220303BHJP
   B60R 16/02 20060101ALI20220303BHJP
   B60R 16/04 20060101ALI20220303BHJP
【FI】
H01H85/20 B
H01M50/543
H01M50/574
B60R16/02 635
B60R16/04 Z
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2019530192
(86)(22)【出願日】2017-12-05
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-05-21
(86)【国際出願番号】 US2017064747
(87)【国際公開番号】W WO2018106715
(87)【国際公開日】2018-06-14
【審査請求日】2020-10-08
(31)【優先権主張番号】62/430,168
(32)【優先日】2016-12-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】514037697
【氏名又は名称】リテルヒューズ・インク
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100132263
【弁理士】
【氏名又は名称】江間 晴彦
(72)【発明者】
【氏名】フリオ・ウレア
(72)【発明者】
【氏名】ゲイリー・ボールド
(72)【発明者】
【氏名】エクトル・ペレス
【審査官】藤島 孝太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-131094(JP,A)
【文献】特開2010-245001(JP,A)
【文献】特開2014-197561(JP,A)
【文献】特開2005-185032(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2004/0018417(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2011/0111649(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 85/00 -87/00
H01M 50/50 -50/598
B60R 16/00 -17/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリー端子への接続に適した導電性バッテリ・クランプ;
電気絶縁材料から形成されたマウンティング・ブロック、
バッテリ・クランプに接触するマウンティング・ブロックの第1の側面に
配置された導電性バスバー、
第1の側面に対向するマウンティング・ブロックの第2の側面に配置さ
れ、各可融部によりバスバーに接続された複数のヒューズ端子、および
第1の電気部品への接続を容易にするための、1つのヒューズ端子を通って
延在する導電性端子ポスト
を含むヒューズアセンブリ;ならびに
前記ヒューズアセンブリおよび少なくとも一部の前記バッテリ・クランプを保持するマウンティング・クレイドル
を含むヒューズモジュールであって、
前記マウンティング・クレイドルは、第2の電気部品への接続を容易にしかつ前記バッテリ・クランプ、前記ヒューズアセンブリおよび前記マウンティング・クレイドルを積層配置で一緒に固定するための、前記バッテリ・クランプ、前記バスバー、前記マウンティング・ブロック、および1つの前記ヒューズ端子を通って延在するマウンティングポストを含み、
前記マウンティングポストは、前記バスバーと前記ヒューズ端子との間に延在する管状スリーブに囲まれ、それを通って前記マウンティングポストが延在する、前記ヒューズモジュール。
【請求項2】
前記管状スリーブが、導電材料から形成され、前記バスバーと前記ヒューズ端子との間の導電性パスを提供し、それを通って前記マウンティングポストが延在する請求項1記載のヒューズモジュール。
【請求項3】
前記管状スリーブが、電気絶縁材料から形成される請求項1記載のヒューズモジュール。
【請求項4】
ヒューズへの接続を容易にするための前記バスバーから延在する導電性バス拡張部をさらに含む請求項1記載のヒューズモジュール。
【請求項5】
前記バス拡張部が、前記バスバーの第1の端から延在する第1のバス拡張部であって、前記ヒューズアセンブリが、もう一つのヒューズへの接続を容易にするための前記バスバーの第2の端から延在する第2の導電性バス拡張部をさらに含む請求項4記載のヒューズモジュール。
【請求項6】
前記バス拡張部がブレードヒューズを受けるために分岐される請求項4記載のヒューズモジュール。
【請求項7】
前記バス拡張部が、スロットヒューズを受けるのに適した平面エッジを規定する請求項4記載のヒューズモジュール。
【請求項8】
前記バス拡張部が、バスバーより低い電流容量を有するように、材料および厚さの少なくとも1つにつき前記バスバーと異なる請求項4記載のヒューズモジュール。
【請求項9】
前記マウンティング・ブロックおよび前記マウンティング・クレイドルの少なくとも一方が、ヒューズの保持のために凹部を規定する請求項1記載のヒューズモジュール。
【請求項10】
前記マウンティング・ブロックおよび前記マウンティング・クレイドルの隣接した部分が一体的に凹部を規定する請求項9記載のヒューズモジュール。
【請求項11】
前記マウンティング・クレイドルから延在する安定用アームをさらに含み、前記安定用アームが、前記ヒューズモジュールを接続するバッテリーに係合し、かつ前記バッテリーに対するヒューズモジュールの回転を防止するのに適する請求項1記載のヒューズモジュール。
【請求項12】
前記安定用アームが、バッテリーケース中の相補的な凹部に適合するのに適した突出部を含む請求項11記載のヒューズモジュール。
【請求項13】
バッテリー端子に接続するのに適したフェルール部分を有し、さらにフェルール部分から延在する端子部分を有する導電性バッテリ・クランプ;
電気絶縁材料から形成されたマウンティング・ブロック、
前記バッテリ・クランプの端子部分に接触するマウンティング・ブロックの
第1の側面に配置された導電性バスバー、
前記第1の側面に対向する前記マウンティング・ブロックの第2の側面に配
置され、かつ前記マウンティング・ブロックの第3の側面に沿って延在する各
可融部によりバスバーに接続された複数のヒューズ端子、
第1の電気部品への接続を容易にするための、1つのヒューズ端子を通って延在
する導電性端子ポスト、および
ヒューズへの接続を容易にするためのバスバーに機械的に連結された導電性バス
拡張部
を含むヒューズアセンブリ;ならびに
前記バッテリ・クランプの端子部分および前記ヒューズアセンブリを保持するマウンティング・クレイドル
を含むヒューズモジュールであって、
前記バス拡張部は、材料および厚さの少なくとも一方につき、前記バスバーとは異なり、
記マウンティング・クレイドルは、第2の電気部品への接続を容易にしかつ前記バッテリ・クランプ、前記ヒューズアセンブリおよび前記マウンティング・クレイドルを積層配置で一緒に固定するための、前記バッテリ・クランプの端子部分、前記バスバー、前記マウンティング・ブロックおよび1つの前記ヒューズ端子を通って延在するマウンティングポストを含み、
前記マウンティングポストは、前記バスバーと前記ヒューズ端子との間に延在する管状スリーブに囲まれ、それを通って前記マウンティングポストが延在する前記ヒューズモジュール。
【請求項14】
前記管状スリーブが導電材料から形成され、前記バスバーと前記ヒューズ端子との間の導電性パスを提供し、それを通って前記マウンティングポストが延在する請求項13記載のヒューズモジュール。
【請求項15】
前記管状スリーブが、電気絶縁材料から形成される請求項13記載のヒューズモジュール。
【請求項16】
前記バス拡張部が、前記バスバーの第1の端から延在する第1のバス拡張部であり、前記ヒューズアセンブリが、もう一つのヒューズへの接続を容易にするための前記バスバーの第2の端から延在する導電性の第2のバス拡張部をさらに含む請求項13記載のヒューズモジュール。
【請求項17】
前記バス拡張部が、ブレードヒューズを受けるために分岐される請求項13記載のヒューズモジュール。
【請求項18】
前記バス拡張部がスロットヒューズを受けるのに適したエッジを規定する請求項13記載のヒューズモジュール。
【請求項19】
前記バス拡張部が前記バスバーより低い電流容量を有する請求項13記載のヒューズモジュール。
【請求項20】
前記マウンティング・ブロックおよび前記マウンティング・クレイドルの少なくとも一方が、前記ヒューズの保持のための凹部を規定する請求項13記載のヒューズモジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、2016年12月5日付けで出願された米国仮特許出願第62/430,168号(ここに出典明示してそのすべてを本明細書の一部とみなす)の優先権を主張する。
【0002】
(開示の分野)
本開示は、概して、回路保護デバイスの分野に関し、より詳細には、自動車用バッテリー適用に適するバッテリー端子ヒューズモジュールに関する。
【背景技術】
【0003】
(開示の背景)
自動車の世界市場において、自動車機関コンパートメント内に配置され、自動車用バッテリー端子に接続される、いわゆる「プレヒューズボックス」を導入する傾向が存在してきた。自動車におけるプレヒューズボックスの主要目的は、事故事象に生じ得る高-電流-導線における短絡に起因し得る電撃傷を防止することである。
【0004】
既存のプレヒューズボックスは典型的にかなり大きく、自動車用バッテリーに隣接して取り付けられ、フレキシブルな導電性導線がその間に電気接続を提供する。この配置は、スペースが既に非常に制限された自動車機関コンパートメント内の多くのスペースを必要とする。
【0005】
本改良が有用であり得るのはこれらおよび他の事項に関してである。
【発明の概要】
【0006】
(概要)
本概要は、単純化された形態の概念の選択を導入し、概念は以下の詳細な記載にさらに記載される。本概要は、特許請求した主題の鍵となる特徴または必須の特徴を確認するようには意図されず、また、特許請求した主題の範囲の決定における援助として意図もされない。
【0007】
本開示の典型的具体例によるヒューズモジュールは、バッテリ・クランプ;マウンティング・ブロック、バッテリ・クランプに接触するマウンティング・ブロックの第1の側面のバスバー、可融部(fusible element)によりバスバーに接続されたマウンティング・ブロックの第2の側面のヒューズ端子、および第1の電気部品への電気接続を容易にするための、1つのヒューズ端子を通って延在する端子ポストを含むヒューズアセンブリを含むことができ、
ヒューズモジュールは、さらに、ヒューズアセンブリおよびバッテリ・クランプを保持するマウンティング・クレイドルを含み、マウンティング・クレイドルは、第2の電気部品への接続を容易にし、かつ以下のヒューズモジュール構成部品を一緒に固定するための、バッテリ・クランプバスバー、マウンティング・ブロック、および1つのヒューズ端子を通って延在するマウンティングポストを含み、
マウンティングポストは、バスバーとヒューズ端子との間に延在する管状スリーブに囲まれ、それを通ってマウンティングポストが延在する。
【0008】
本開示の典型的具体例によるもう一つのヒューズモジュールは、バッテリー端子への接続に適したフェルール(ferrule)部分を有し、さらにフェルール部分から延在する端子部分(terminal portion)を有する導電性バッテリ・クランプ;電気絶縁材料から形成されたマウンティング・ブロック、バッテリ・クランプの端子部分に接触するマウンティング・ブロックの第1の側面に配置された導電性バスバー、第1の側面に対向するマウンティング・ブロックの第2の側面に配置され、かつマウンティング・ブロックの第3の側面に沿って延在する各可融部によりバスバーに接続された複数のヒューズ端子、第1の電気部品への接続を容易にするための1つのヒューズ端子を通って延在する導電性端子ポスト、およびヒューズへの接続を容易にするためのバスバーに機械的に連結された導電性バス拡張部(extension)を含むヒューズアセンブリを含んでいてもよく、
前記バス拡張部は、材料および厚みの少なくとも一方につき、バスバーと異なり、前記ヒューズモジュールは、バッテリ・クランプの端子部分およびヒューズアセンブリを保持するマウンティング・クレイドルをさらに含み、前記マウンティング・クレイドルは、第2の電気部品への接続を容易にしかつバッテリ・クランプ、ヒューズアセンブリおよびマウンティング・クレイドルを積層配置で一緒に固定するためのバッテリ・クランプの端子部分、バスバー、マウンティング・ブロック、および1つのヒューズ端子を通って延在するマウンティングポストを含み、マウンティングポストは、バスバーとヒューズ端子との間に延在する管状スリーブに囲まれ、それを通ってマウンティングポストが延在する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、本開示の典型的具体例によるヒューズモジュールを示す分解透視図である。
図2図2は、図1に示すヒューズモジュールのヒューズアセンブリを示す分解透視図である。
図3図3は、図2に示すヒューズアセンブリを示す横断面図である。
図4図4は、図2に示すヒューズアセンブリを示す縦断面図である。
図5図5は、本開示によるヒューズモジュールの別法の具体例を示す透視図である。
図6図6は、本開示によるヒューズモジュールのもう一つの別法の具体例を示す透視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(詳細な説明)
本開示によるバッテリー端子ヒューズモジュールは、ここで添付図面を参照してより十分に記載され、そのバッテリー端子ヒューズモジュールの好ましい具体例が示される。しかしながら、バッテリー端子ヒューズモジュールが多数の異なる形態で具体化でき、本明細書に記載された具体例に限定されると解釈されるべきでないことが理解されるであろう。むしろ、本開示が当業者にバッテリー端子ヒューズモジュールのある種の典型的な態様を伝えるように、これらの具体例が提供される。図面において、番号等は、特記されない限りは、構成部品等をいう。
【0011】
図1を参照して、本開示の非限定の典型的具体例によるバッテリー端子ヒューズモジュール10(以下、「ヒューズモジュール10」)の分解組立図が示される。非常に詳しく後記されるごとく、ヒューズモジュール10は、その間に延在するフレキシブル導電体なくして自動車用バッテリーの正端子に直接連結でき、自動車用バッテリーにより電力が供給される様々な電気的負荷(例えば、空気調節ユニット、ステレオ等)を保護するための複数の低および中間の電流ヒューズへの接続を容易にし得る。有利には、ヒューズモジュール10は、市場で現在利用可能なプレヒューズボックスに対しコンパクトで省スペースの形態でヒューズモジュール10が導入されるのを可能にする一体型実装構造(integrated mounting structure)を含む。
【0012】
便宜および明確性のために、本明細書において「正面」、「背面」、「頂部」、「底部」、「上方へ」、「下方へ」、「垂直」および「水平」のごとき用語を用いて、ヒューズモジュール10の幾何学および方向に関して、図1に表わされるごとく、ヒューズモジュール10の様々な構成部品の相対的な配置および方向を記載し得る。前記用語は、特に言及された語彙、その派生語および同様の意味の語彙を含むであろう。
【0013】
ヒューズモジュール10は、さらに後記された垂直の積層配置で一緒に連結し得るバッテリ・クランプ12、ヒューズアセンブリ14およびマウンティング・クレイドル16を含み得る。バッテリ・クランプ12は、金属またはいずれかの他の適切に剛性の導電材料から形成でき、バッテリ・クランプ12を自動車用バッテリーの正端子に移動可能に固定するためのフェルール部分18(図2に最も示す)を含み得る。バッテリ・クランプ12は、フェルール部分18の正面から略水平に延在する実質的に平面のT形の端子部分20をさらに含み得る。バッテリ・クランプ12の端子部分20およびフェルール部分18は、単片材料(例えば、単一シートの金属からの型押し)から形成し得るか、または溶接、クリンチもしくは電気通信をその間に提供する方法で一緒に連結される別々の片材料から形成し得る。レッジ(ledge)、ブロックまたは他の支持構造を端子部分20の下側に形成または付着させて、片持ち(cantilevered)ヒューズアセンブリ14の重量に対するバッテリ・クランプ12およびマウンティング・クレイドル16を支持し、フェルール部分18とバッテリー端子との間の接続に対する機械的ストレスを低下させることが考えられる。
【0014】
ここで図2に示す分解組立図を参照して、ヒューズアセンブリ14は、電気絶縁材料(例えば、セラミック、プラスチック、ポリマー等)から形成された細長マウンティング・ブロック22を含み得る。ヒューズアセンブリ14は、マウンティング・ブロック22の底面に沿って延在する導電材料(例えば、銅)から形成された実質的に平面のバスバー24をさらに含み得る。バスバー24は、その電気通信においてバッテリ・クランプ12の端子部分20上の頂上に配置し得る。ヒューズアセンブリ14は、複数のヒューズ26、26、26を含み、これらのヒューズは、マウンティング・ブロック22の頂部表面に配置され、かつマウンティング・ブロック22の垂直面に配置された、それぞれの可融部30、30、30によりバスバー24に接続された各ヒューズ端子28、28、28を含む。バスバー24、ヒューズ26、26、26は、単一片の導電材料(例えば、単一シートの銅から型押し)から形成でき、マウンティング・ブロック22の面につき弯曲または包まれ得る。非限定の典型的具体例において、バスバー24およびヒューズ26、26、26は、厚さ1ミリメートルの銅シートから形成でき、ヒューズ26、26、26の各々は80アンペアの定格を有し得る。バスバー24、ヒューズ26、26、26がこの点に関して制限されていなく、バスバー24、ヒューズ26、26、26が、様々な他の導電材料から、および/または異なる厚さで形成して、異なる定格電流を達成し得ることが認識されるであろう。
【0015】
ヒューズアセンブリ14は、バスバー24の対向する端から延在するバス拡張部30、32をさらに含み得る。バス拡張部30、32の各々は、略L字形に弯曲するシート金属(例えば、銅シート)のセグメントから形成して、各々、水平に配向させたベース部34、36、マウンティング・ブロック22の縦の終端面の側面に上方へ延在する垂直に各々配向させた拡張端子(extension terminal)部分38、40を規定する。ベース部34、36は、バスバー24にクリンチ、溶接、またはさもなければ確固たる電気通信をその間に提供する方法で連結し得る。非限定の典型的具体例において、バス拡張部30、32は、前記ヒューズ26、26、26より低い定格電流(例えば、5~40アンペア)を有するヒューズへの接続を容易にするために、厚さ0.8ミリメートルの銅シート(すなわち、前記の厚さ1ミリメートルのバスバー24より薄い銅シート)から形成し得る。バス拡張部30、32を通るかかるより低いアンペア数のヒューズの実施は、非常に詳しく後記されるであろう。
【0016】
ヒューズアセンブリ14は、それらの下部終端から延在する多角形フランジ46、48を有する各導電性端子ポスト42、44をさらに含み得る。フランジ46、48は、最も外側のヒューズ26、26のヒューズ端子28、28より下のマウンティング・ブロック22の頂部で形成される各多角形の穴部(bore)50、52内に封止でき、端子ポスト42、44は、ヒューズ端子28および28に形成される各開口部54、56によって上方へ延在する(図1に示された)。穴部50、52は、フランジ46、48と同様のサイズおよび形状であり得、また一体的に(matingly)それとの密接隙間(close-clearance)関係でフランジ46、48を一体的に受けるように構成し得る。それにより、フランジ46、48は、それぞれの垂直軸について端子ポスト42、44の回転を制限し得る。端子ポスト42、44は、導電体(図示せず)のリング端子が端子ポスト42、44上に位置し、端子ポスト42、44上に締め得るナット(図示せず)でヒューズ端子28および28に固定されることを可能にするように、貫き得る。かくして、自動車の様々な電気系統または構成部品は、端子ポスト42、44、ヒューズ端子28、28、可融部30、30、バスバー24およびバッテリ・クランプ12を通って自動車のバッテリーの正端子に電気的に連結でき、ヒューズ26および26は、自動車用バッテリーとかかる電気系統または構成部品との間の過電流の保護を提供する。
【0017】
マウンティング・クレイドル16は、電気絶縁材料(例えば、プラスチック、ポリマー等)から形成された略矩形のカップ型部材であり得る。マウンティング・クレイドル16は、バッテリ・クランプ12の端子部分20およびヒューズアセンブリ14の底部を保持し、ヒューズアセンブリ14の正面および側面を実質的に覆うこともでき、端子部分20マウンティング・クレイドル16の背部の凹部57を通って延在し得る。ネジ込み(threaded)マウンティングポスト60は、マウンティング・クレイドル16の床部62に堅く取り付けることもでき、床部62から垂直に延在し得る。非限定例において、マウンティングポスト60の下部終端から延在するフランジ59は、マウンティング・クレイドル16の床部62内にオーバーモルドし得る。マウンティングポスト60は、バッテリ・クランプ12の端子部分20における開口部61を通って、バスバー24における開口部63を通り、マウンティング・ブロック22に形成された穴部64を通り、およびヒューズ26のヒューズ端子28における開口部65を通って上方へ延在し得る(図3も参照)。かくして、前記端子ポスト42、44を用いてのごとく、コンダクタのリング端子(図示せず)はマウンティングポスト60を越えて位置でき、マウンティングポスト60上に締付け得るナット(図示せず)でヒューズ端子28に対して固定し得る。加えて、マウンティングポスト60上へのナットの締付けは、垂直に積層配置で一緒に、マウンティング・クレイドル16、バッテリ・クランプ12およびヒューズアセンブリ14を固定し得る。マウンティングポスト60は、物理的分離および/またはそれらの間に配置された電気絶縁材料によるごとく、バスバー24から電気絶縁して、電流が、可融部30を回避し、マウンティングポスト60を通ってバスバー24からヒューズ端子28に流れることを防止し得る。
【0018】
ここで図3に示すモジュール10の断面図を参照して、管状スリーブ66は、マウンティング・ブロック22における穴部64内に配置でき、バスバー24およびヒューズ端子28の垂直に中間でマウンティングポスト60を囲むこともでき、スリーブ66の底部は、バスバー24の頂部と係合または隣接し、スリーブ66の頂部は、ヒューズ端子28の底部と係合または隣接する。ヒューズモジュール10の非限定の具体例において、スリーブ66は、金属から形成して、バスバー24とヒューズ端子28との間に直接延在する導電性パス(すなわち、分流)を提供し得る。かかる配置は、可融部30を迂回(回避)させることが望ましい場合の適用において適切であり得、自動車用バッテリーからヒューズモジュール10を通って、自動車の他の場所でヒューズにより保護し得る電気系統/構成部品へと保護されていない電気パスを提供し得る。ヒューズモジュール10の別法の具体例において、スリーブ66は非導電材料(例えば、セラミック、プラスチック等)から形成でき、それによってバスバー24とヒューズ端子28との間の唯一の導電性パスは、可融部30を通る。
【0019】
ヒューズアセンブリ14は、機械的ファスナーまたは構造、接着剤、溶接等でのごとく、マウンティング・ブロック22の前面に添付し得るカバー70をさらに含み得る。カバー70は、雰囲気微粒子から可融部30、30、30を保護するため、ならびに過電流状態中のブローイング(blowing)に起因し得る可融部30、30、30にアーク放電を収容するために可融部30、30、30上に配置し得る。
【0020】
ここで図4を参照して、バス拡張部30、32は、ヒューズアセンブリ14に対して低-中間の定格電流(例えば、5~40アンペア)を有するヒューズの接続を容易にし得る。例えば、バス拡張部30の端子部分38は、各々、ブレードヒューズ80、82のレッグ(leg)を受けるための端子76、78(図2に最も示す)を分岐(forked)し得る。ブレードフューズ80、82は、ウンティングクレイドル16およびマウンティング・ブロック22に形成された各凹部に収容でき、マウンティング・クレイドル16の底部の開口部を通って延在する各導電体84、86(図1も参照)に接続し得る。
【0021】
バス拡張部32の端子部分40の頂部エッジは、スロットカートリッジ(slotted cartridge)ヒューズ88、90への接続を容易でき、スロットカートリッジヒューズは、マウンティング・クレイドル16およびマウンティング・ブロック22に形成された各凹部に収容でき、マウンティング・クレイドル16の底部の開口部を通って延在する各導電体92、94に接続し得る(図1も参照)。前記のごとく、バスバー24に対するバス拡張部32の厚みの減少は、例えば、0.8ミリメートル端子への接続に適した通常のスロットカートリッジヒューズが、ヒューズアセンブリ14に接続されることを可能にする。
【0022】
ヒューズモジュール10のマウンティング・クレイドル16が、様々な適用環境の提供のための多数の特徴を供給し得ると考えられる。例えば、バス拡張部30、32を含み、構造/特徴の省略を伴うヒューズモジュール10の具体例を示す図5を参照して、マウンティング・クレイドル16は、所望の方法で端子ポスト42、44におよびマウンティングポスト60にフレキシブル導電体(図示せず)のルーティングのために、リッジ100、キャスタレーション102および/または他の表面特徴を備え得ると考えられる。図6に示すもう一つの例を参照して、マウンティング・クレイドル16は、それから延在する安定用アーム104を提供でき、安定用アーム104は、ヒューズモジュール10の回転を防止し、ヒューズモジュール10に機械的歪み軽減(mechanical strain relief)を供給するためにバッテリーケース115におけるキーホール形の凹部110、112内に適合するのに適した移動止め(detent)106、108を有すると考えられる。
【0023】
本開示のヒューズモジュール10が市場で現在入手可能なプレヒューズボックスに対し多数の有利さを提供することが、当業者により認識されるであろう。例えば、ヒューズアセンブリ14を通って延在し、それと一体のマウンティングポスト60を含む前記マウンティング・クレイドル16の配置のために、全ヒューズモジュール10は、その間に延在するいずれのフレキシブル導電体もなくして密接な近接にて自動車用バッテリーの正端子へ直接的に取り付けることができる。これは、従来のプレヒューズボックスに対し、かなりのスペースおよび材料の節約を提供する。加えて、バスバー24に機械的に直接連結されるバス拡張部30、32は、コンパクト配置にて低-中間-電流ヒューズを供給するための適切な機械的および材料的な特性を持つ端子の供給を容易にする。
【0024】
本明細書に用いた、単数で引用されたおよび「a」または「an」なる語彙に続く要素または工程は、排除が明示的に引用されない限りは、複数の要素または工程を排除しないと理解されるべきである。さらに、本開示の「1つの具体例」への参照は、引用された特徴も組込むさらなる具体例の存在の排除と解釈されることを意図しない。
【0025】
本開示はある種の具体例を参照するが、添付された特許請求の範囲に規定されるごとく、本開示の範囲および意図を逸脱することなく、記載された具体例に対する多数の修飾、変更および変化が可能である。したがって、本開示が記載された具体例に限定されず、それが以下の特許請求の範囲の言語およびその等価物によって規定される全範囲を有することが意図される。
図1
図2
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図4
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図6