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特許7033597地上波テレビ受信用分散屋内スマートアンテナシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-02
(45)【発行日】2022-03-10
(54)【発明の名称】地上波テレビ受信用分散屋内スマートアンテナシステム
(51)【国際特許分類】
   H04N 21/438 20110101AFI20220303BHJP
   H04B 1/16 20060101ALI20220303BHJP
   H04B 1/18 20060101ALI20220303BHJP
   H04H 40/18 20080101ALI20220303BHJP
   H04H 20/63 20080101ALI20220303BHJP
   H04B 7/022 20170101ALI20220303BHJP
【FI】
H04N21/438
H04B1/16 Z
H04B1/18 Z
H04H40/18
H04H20/63
H04B7/022
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2019533189
(86)(22)【出願日】2017-12-19
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-02-13
(86)【国際出願番号】 US2017067420
(87)【国際公開番号】W WO2018118991
(87)【国際公開日】2018-06-28
【審査請求日】2020-06-09
(31)【優先権主張番号】15/389,274
(32)【優先日】2016-12-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】509055068
【氏名又は名称】ディッシュ テクノロジーズ エル.エル.シー.
【氏名又は名称原語表記】DISH Technologies L.L.C.
(74)【代理人】
【識別番号】100074099
【弁理士】
【氏名又は名称】大菅 義之
(74)【代理人】
【識別番号】100121083
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 宏義
(74)【代理人】
【識別番号】100138391
【弁理士】
【氏名又は名称】天田 昌行
(72)【発明者】
【氏名】ペトゥルッツェッリ,エドモンド エフ.
【審査官】鈴木 順三
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-021873(JP,A)
【文献】国際公開第2016/149163(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2008/0301750(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2013/0042281(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 21/00 - 21/858
H04B 1/16
H04B 1/18 - 1/24
H04H 40/18
H04H 20/00 - 60/98
H04B 7/02 - 7/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
地上波放送信号を受信するためのシステムであって、
複数の分散アンテナノードであって、前記複数の分散アンテナノードの各々は、空間ダイバシティを達成するように相互離隔され、前記複数の分散アンテナノードの各々は、
前記地上波放送信号を受信するアンテナと、
前記アンテナと通信する復調器であって、前記地上波放送信号をデコードする復調器と、
前記デコードされた放送信号をWi-Fi信号フォーマットにトランスコードするWi-Fiコンバータと、
を含む、複数の分散アンテナノードと、
前記トランスコードされた放送信号を受信するWi-Fi受信器と、前記複数の分散アンテナノードからの信号の集合を決定してディスプレイデバイスに再送信するダイバシティ受信器と、を含む受信ゲートウェイと、
を含み、
前記ディスプレイデバイスは、前記複数の分散アンテナノードの各々及び前記受信ゲートウェイとは独立したデバイスである、システム。
【請求項2】
再送信される前記信号の集合は、前記複数の分散アンテナノード内の一つの分散アンテナノードからの唯一つの信号を含むものの集合である、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
再送信される前記信号の集合は、前記複数の分散アンテナノード内の複数の分散アンテナノードから送信される複数の信号を含む集合である、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記複数の分散アンテナノードの各々は、独立したチューナとして機能する、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記独立したチューナの各々と通信するマルチプレクサをさらに含み、前記マルチプレクサは、前記デコードされた放送信号を用いて多重化されたストリームを生成する、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記複数の分散アンテナノードは、電力線インタフェースを各々さらに含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記受信ゲートウェイは、電力線受信器をさらに含み、前記受信ゲートウェイは、前記複数の分散アンテナノードの各々から前記電力線インタフェースを介して、前記デコードされた放送信号を受信する、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記地上波放送信号は、デジタルテレビ地上波放送信号である、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記ディスプレイデバイスは、テレビ、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、スマートフォン、タブレットまたはその組み合わせを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記受信ゲートウェイは、前記トランスコードされた放送信号を、Ethernet接続を介して、前記ディスプレイデバイスに送信する、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記受信ゲートウェイは、前記トランスコードされた放送信号を、有線接続を介して、前記ディスプレイデバイスに送信する、請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
前記受信ゲートウェイは、前記トランスコードされた放送信号を、別の無線規格へとさらにフォーマットして、前記ディスプレイデバイスに再送信する、請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
前記受信ゲートウェイは、前記ディスプレイデバイスに前記トランスコードされた放送信号を再送信するWi-Fiアンテナを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項14】
地上波放送信号を受信する方法であって、
複数のアクティブな分散アンテナノードを配置し且つ方向づけることであって、前記複数のアクティブな分散アンテナノードの各々は、空間ダイバシティを達成するように相互に離隔され、前記複数のアクティブな分散アンテナノードの各々は、アンテナと、復調器と、Wi-Fiコンバータと、を含む、ことと、
前記複数のアクティブな分散アンテナノードの各々内の前記アンテナで放送信号を受信することと、
前記複数のアクティブな分散アンテナノードの各々内の前記復調器を用いて前記放送信号をデコードすることと、
前記複数のアクティブな分散アンテナノードの各々内の前記Wi-Fiコンバータを用いて、前記デコードされた放送信号をWi-Fi信号フォーマットにトランスコードすることと、
前記複数のアクティブな分散アンテナノードの各々から前記トランスコードされた放送信号を受信ゲートウェイで受信することと、
前記受信ゲートウェイ内のダイバシティ受信器を用いて、ディスプレイデバイスに再送信するために前記複数の分散アンテナノードからの信号の集合を決定することと、
記決定された信号の集合を前記ディスプレイデバイスに再送信することと、
を含み、
前記ディスプレイデバイスは、前記複数の分散アンテナノードの各々及び前記受信ゲートウェイとは独立したデバイスである、方法。
【請求項15】
再送信される前記信号の集合は、前記複数の分散アンテナノード内の一つの分散アンテナノードからの唯一の信号を含むものの集合である、請求項14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概してスマートアンテナシステムに関し、より詳細には、地上波テレビ受信用分散(分散型)屋内スマートアンテナシステムに関するが、それに限定されるものではない
【背景技術】
【0002】
コンテンツ配信者は、様々な異なるシステムを通じて、ユーザに視聴コンテンツを配信する。これらのシステムは、地上波放送テレビ、衛星テレビおよびケーブルテレビを含み得る。これらのシステムの各々は、利点と欠点とを有する。例えば、地上波テレビは、一般的に無料であるが、システムの放送範囲に対する制限があり、これは、受信アンテナと放送タワーとの間の地形によって影響を及ぼされ得る。衛星テレビおよびケーブルテレビは、配信者からより長距離でもアクセスされ得るが、一般的により高額であり、同様にそれ自体の制限(例えば、天候)を有し得る。
【0003】
多くの人々は、衛星またはケーブルテレビ配信者に毎月のサービス料を支払うことを快く思っておらず、地上波放送を介して無料チャンネルを受信することをより好むだろう。不幸なことに、丘陵、山、長距離および他の障害は、地上波テレビ信号の受信の困難につながり得る。結果として、視聴者は、地上波テレビを受信することが不可能であるか、または受信された信号は、視聴者に利用可能な画像を提供するには不十分であり得る。
【0004】
地上波デジタルTV受信はしばしば、特に屋内では信頼性が低いものである。受信に影響を及ぼす変数は多数あり、その全てが消費者の制御下に有るわけではない。問題は、弱い信号範囲、TV送信タワーの種々の位置および受信アンテナの最適位置に影響を及ぼす制限を含む。
【0005】
一般的には、最適な地上波デジタルTV受信は、一家族の居住地(建物、他の構造物など)の最高地点に取り付けられた、比較的高利得のアンテナを用いて、屋外アンテナでのみ達成される。屋外地上波アンテナを設置することは、平均的な消費者には望ましくはない。容易に利用可能ではない専用ツールおよび技術が必要とされる。さらに、所望のマージン内で信頼性の高い信号の集合が達成されたことを確認することは、専用RF試験装置およびそれらを使用するための知識によって判定されるのみであり得る。(屋根上の大型アンテナに関連する美観に関する懸念と同様に)これらの事実は、大部分の消費者が屋外地上波アンテナを用いることを思いとどまらせる。
【0006】
したがって、屋外地上波アンテナに関連付けられる制限は、屋内アンテナの利用を増加させることにつながる。大部分の屋内アンテナは、一つ以上の平面内にダイポールに匹敵し得る平面アンテナ構造を有する。あるいは、幾つかの屋内アンテナは、無指向性である。とりわけ、数多くの消費者は、屋内アンテナを用いて受信される受信に満足してない。なぜなら、地上波デジタルTV屋内アンテナは、デジタルTV放送範囲および受信用の計画では予期されていなかった新しい潜在的な多数の受信阻害要因を導入するからである。これらの阻害要因は、以下を含む。それは、(1)建物の外壁を通じた減衰(損失)に起因するより弱い信号、(2)屋内アンテナが配置された部屋内の信号の制御できないバウンシング、(3)屋内アンテナが配置された居住地(建物、他の構造物など)内の他の電子デバイスとの干渉、である。
【0007】
信号損失の影響は、デジタルTV法則局の放送範囲における減少、および/または、送信されたRF信号の通常の変動(すなわち、雨天または群葉)の下での許容可能な受信に対するマージンの減少である。信号バウンシングの影響は、マルチパスとして知られる状
態で、そこでは、同一の所望の信号が異なる経路からアンテナに入射し得、特定のチャネルに対して複数の信号が相互に改悪または相殺しあう。マルチパスは、多くの要因の変数であり、それが深刻であるときには予測または訂正することが困難である。他の信号劣化態様もまた、考慮に入れる必要があり、信号を吸収し得る環境内の可動障害物、信号との干渉、または、人体などその他のマルチパスに寄与するものを含む。
【0008】
最近の信号送信、受信および処理においては、多くの改良点が存在する。一つ以上のこれらの分野における米国特許出願は、以下を含む。米国特許公報2013/0120658(Method and Device for Band Translation)、米国特許公報2012/0167147(Low Noise Block Converter Feedhorn)、米国特許公報2012/0135678(Drift Compensator for a Tuning Device)、米国特許公報2011/0159804(Methods and Apparatus for Identifying Signal Degradation in a Receiver)、米国特許公報2011/0059690(Method and Device for Band Translation)、米国特許公報2009/0254955(Low Noise Block Converter Feedhorn)、米国特許公報2009/0172748(Drift Compensator for
a Tuning Device)、米国特許公報2006/0048197(Method and Device for Band Translation)、米国特許公報2006/0031894(Method and Device for Band Translation)。
【0009】
一つ以上のこれらの分野における米国特許は、以下を含む。米国特許9,179,170(Low Noise Block Converter Feedhorn)、米国特許8,855,547(Method and Device for Band Translation)、米国特許8,626,097(Methods and Apparatus for Identifying Signal Degradation In A Receiver)、米国特許8,528,025(Drift Compensator For A Tuning Device)、米国特許8,369,772(Method And Device For Band Translation)、米国特許8,132,214(Low Noise Block Converter Feedhorn)、米国特許8,108,900(Drift Compensator For A Tuning Device)、米国特許7,792,486(Method And Device For Band Translation)、米国特許7,502,587(Method And Device For Band Translation)。
【0010】
先進的なアンテナおよび受信器設計技術は、屋内地上波アンテナの制限のうちの幾つかを最小限化、または克服するように実現されることができる。しかしながら、これらの先進的なアンテナおよび受信器設計技術は、また、同様に欠点も有する。例えば、デジタルTV受信用の屋内地上波アンテナの大部分の供給者は、家(建物、他の構造物など)内のできるだけ高い窓の位置にアンテナを配置することを強く推奨している。これは、その家がローカルTV放送タワーの大体の方向に向かう窓を有していない場合には、しばしば不可能であるか、または実用的ではない。アンテナが視野方向からより移動されるほど、マルチパスの影響はより大きくなる。さらに、主なTV視聴位置が居住地の一階にある場合、二階の窓に屋内地上波アンテナを配置し、一階の主なTV位置にケーブルネットワークを結ぶことは、困難、かつコストが高い尽力である。
【0011】
屋内地上波アンテナの別の課題は、一つのアンテナ位置から利用可能な全てのTV放送局を受信することができないことである。この困難の一例は、ある部屋である特定のTV局を受信することしかできず、別の部屋で別の特定のTV局を受信することしかできない場合である。これは、マルチパスの影響であり得る。通常、TVで利用できない所望の一つ以上のTV局をなお残すような妥協位置が選択されなければならない。本明細書に記述される実施形態が行われることは、これらのおよび他の考慮に関してである。
【0012】
とりわけ、本章で論じられた本発明の主題の全ては、必ずしも従来技術とは限らず、単に本章での説明の結果に基づいて従来技術であるとみなすべきではない。したがって、本章で論じられた、またはこのような本発明の主題に関連付けられる従来技術における問題点の任意の認識は、従来技術として明確に明記されない限りは、従来技術として扱われるべきではない。その代わりに、本章での任意の本発明の主題の説明は、克服すべき技術的問題点の同定の一部として扱われるべきであり、これは、それ自体また、発明的でもあり得る。
【発明の概要】
【0013】
本開示は、ディスプレイデバイスでの信号品質を向上する技術的改良を含む、地上波テレビ受信用の分散屋内アンテナシステムを対象とする。分散屋内アンテナシステムは、ユーザの居住地、または他の対象となる位置の周囲の様々な離隔された位置で配置され、方向づけられた複数の分散アンテナノードを使用する。一実施形態においては、複数の分散アンテナノードの各々は、放送信号を受信するアンテナと、放送信号をデコードするチューナと、デコードされた放送信号をWi-Fi送信を可能とするフォーマットに変化させるWi-Fiコンバータと、を含む。受信ゲートウェイは、複数の分散アンテナノードから信号を受信し、ディスプレイデバイスに再送信信号を送信する。再送信信号は、受信ゲートウェイによって決定されるような、信号または信号の組み合わせであり得る。ディスプレイデバイスは、スマートフォン、タブレットといった無線デバイスから選択されてもよく、または大型のスクリーンテレビといった有線デバイスであってもよい。
【0014】
地上波放送信号を受信するための分散屋内アンテナシステムの少なくとも一実施形態においては、システムは、複数の分散アンテナノードと受信ゲートウェイとを含む。このような一実施形態においては、複数の分散アンテナノードの各々は、空間ダイバシティを達成するために相互に離隔される。さらには、分散屋内アンテナシステムの幾つかの実施形態においては、複数の分散アンテナノードの各々は、アンテナと、復調器と、Wi-Fiコンバータと、を含む。アンテナは地上波放送信号を受信する。アンテナと通信している復調器は、地上波放送信号をデコード(復号)する。Wi-Fiコンバータは、デコードされた放送信号をWi-Fi信号フォーマットにトランスコードする。
【0015】
続けると、幾つかの実施形態においては、受信ゲートウェイは、トランスコード(コード変換)された放送信号を受信するWi-Fi受信器を含む。受信ゲートウェイは、ディスプレイデバイスに再送信するための再送信信号を決定するダイバシティ受信器を含む。幾つかの実装においては、ダイバシティ受信器は、複数の分散アンテナノードにおける単一の分散アンテナノードから再送信信号を決定して、ディスプレイデバイスに再送信する。他の実装においては、ダイバシティ受信器は、複数の分散アンテナノードにおける複数の分散アンテナノードの組み合わせから再送信信号を決定して、ディスプレイデバイスに再送信する。さらに他の実装においては、ダイバシティ受信器は、複数の分散アンテナノードにおける単一の分散アンテナノードから再送信信号を決定して、第一の期間にディスプレイデバイスに再送信し、ダイバシティ受信器は、複数の分散アンテナノードのうちの複数の分散アンテナノードの組み合わせから再送信信号を決定して、第二の期間にディスプレイデバイスに再送信する
【0016】
分散屋内アンテナシステムの別の態様においては、複数の分散アンテナノードの各々は
、独立したチューナとして機能し得る。システムは、独立したチューナの各々と通信するマルチプレクサをさらに含み得、マルチプレクサは、デコードされた放送信号を用いて多重化されたストリームを生成する。複数の分散アンテナノードは、電力線インタフェースを各々さらに含み得る。受信ゲートウェイは、電力線受信器をさらに含み得る。このような一実施形態においては、受信ゲートウェイは、複数の分散アンテナノードの各々から、電力線インタフェースを介して、デコードされた放送信号を受信する。地上波放送信号は、デジタルテレビ地上波放送信号であってもよい。
【0017】
一つ以上のディスプレイデバイスは、大型のスクリーンテレビ、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、スマートフォン、タブレットまたはその組み合わせを含み得る。受信ゲートウェイは、トランスコードされた放送信号をEthernet接続を介して、一つ以上のディスプレイデバイスに送信し得る。受信ゲートウェイは、トランスコードされた放送信号を有線接続を介して一つ以上のディスプレイデバイスに送信し得る。受信ゲートウェイは、トランスコードされた放送信号を一つ以上のディスプレイデバイスに再送信するための別の無線規格にさらにフォーマットし得る。受信ゲートウェイは、一つ以上のディスプレイデバイスにトランスコードされた放送信号を再送信するWi-Fiアンテナを含み得る。
【0018】
別の実施形態においては、分散屋内アンテナシステムを用いて地上波放送信号を受信して処理する方法が開示される。方法は、複数のアクティブな分散アンテナノードを配置することと、方向づけることとを含む。複数のアクティブな分散アンテナノードの各々は、空間ダイバシティを達成するために相互に離隔される。さらに、複数のアクティブな分散アンテナノードの各々は、アンテナと、復調器と、Wi-Fiコンバータと、を含む。方法は、また、複数のアクティブな分散アンテナノードの各々におけるアンテナで放送信号を受信することも含む。方法は、複数のアクティブな分散アンテナノードの各々における復調器を用いて、放送信号をデコードすることをさらに含む。方法は、複数のアクティブな分散アンテナノードの各々におけるWi-Fiコンバータを用いて、デコードされた放送信号をWi-Fi信号フォーマットにトランスコードすることをさらに含む。続いて、方法は、複数のアクティブな分散アンテナノードの各々から受信ゲートウェイでトランスコードされた放送信号を受信することを含む。方法は、また、受信ゲートウェイにおけるダイバシティ受信器を用いて、ディスプレイデバイスに再送信するための再送信信号を決定することも含む。受信ゲートウェイは、複数の分散アンテナノードからの単一の信号から、または複数の分散アンテナノードにおける複数の分散アンテナノードからの信号の組み合わせから、再送信信号を決定し得る。方法は、ディスプレイデバイスに再送信信号を再送信することをさらに含む。
【0019】
電力線インタフェースは、受信ゲートウェイにデコードされた放送信号を送信するためのG.hnホームネットワーキング規格を用い得る。G.hnネットワーキング規格は、電話線、同軸ケーブル、電力線またはその組み合わせを含むレガシーワイヤを用いて、デコードされた放送信号の受信ゲートウェイへの送信を可能とし得る。
【0020】
続いて明らかになるであろう、他の技術的改良点を有するこれらの特徴は、これ以降により完全に記述され、特許請求されるような構造および動作の詳細に存し、参照は、本明細書の一部を形成する添付の図面に対して行われる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
本出願は、以下の図面に対する参照によってより完全に理解され、以下の図面は、例示の目的のためだけのものである。図面は、必ずしも同じ縮尺で描かれるとは限らず、類似の構造または機能の構成要素は、図面を通じて例示する目的のために、類似の参照記号によって概して表される。図面は、本明細書に記述される様々な実施形態の記述を容易にす
ることのみを意図される。図面は、本明細書に開示された教示の全態様を記述せず、特許請求の範囲を限定することはない。
図1】受信ゲートウェイおよび複数のディスプレイデバイスに送信する複数の分散アンテナノードを有する地上波テレビ受信システムを図示する。
図2】本明細書に記述された実施形態に従う、複数の分散アンテナノードから受信ゲートウェイを通じてディスプレイデバイスへの地上波テレビ信号の送信を図示する。
図3A】Wi-Fiインタフェースおよび電力線インタフェースとともに、分散アンテナシステムリモートノードのブロック図を図示する。
図3B】Wi-Fiインタフェースおよび電力線インタフェースとともに、分散アンテナシステムゲートウェイノードのブロック図を図示する。
図4】本明細書に記述された実施形態に従い、地上波デジタルテレビ信号を受信してディスプレイデバイスに再送信するための地上波テレビ受信器システムを使用する地上波受信プロセスの論理フロー図を図示する。
図5】本明細書に記述された実施形態を使用するためのコンピューティングシステムの一実装を図示するシステムブロック図を図示する。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本開示は例示する目的のためだけのものであって、如何なる場合にも限定するものではないことを当業者は理解するだろう。開示された本システムおよび方法の他の実施形態および様々な組み合わせは、この開示読んだ当業者であれば、容易に思いつくものである。
【0023】
本明細書に開示される特徴および教示の各々は、地上波デジタルテレビ受信用の分散屋内スマートアンテナシステムを提供するために、個別に、または、他の特徴および教示と組み合わせて、使用されることができる。これらのさらなる特徴および教示の多くを利用する代表例は、個別および組み合わせの双方で、添付された図1図5を参照することでさらに詳細に記述される。この発明を実施する形態は、本教示の態様を実施するためのさらなる詳細を当業者に教示することを意図するものであって、特許請求の範囲を限定することを意図するものではない。したがって、発明を実施する形態における上記で開示された特徴の組み合わせは、より広い意味で教示を実施するために必ずしも必要なわけではなく、その代わりに本教示の特定の代表例を記述するために単に教示される。
【0024】
以下の記述においては、例示の目的のためだけに、本システムおよび方法の十分な理解を提供するために特定の専門用語が説明される。しかしながら、本システムおよび方法の教示を実施するためにこれらの特定の詳細事項は必ずしも必要とされないことが当業者に明らかであろう。
【0025】
本明細書、特許請求の範囲および図面を通して、以下の用語は、文脈がそうでないと明確に言及しない限りは、本明細書に明白に関連付けられる意味を有する。“本明細書で(herein)”という用語は、本出願に関連付けられる本明細書、特許請求の範囲および図面を指す。“一実施形態においては(in one embodiment)”、“別の実施形態においては(in another embodiment)”、“様々な実施形態においては(in various embodiments)”、“幾つかの実施形態においては(in some embodiments)”、“他の実施形態においては(in other embodiments )”という句およびその他の変形は、本開示の一つ以上の特徴、構造、機能、限定または特性を指し、文脈が明確にそうでないと言及しない限りは、同一または異なる実施形態に限定されない。本明細書で用いられるように、“または(or)”という用語は、包括的な“or”演算子であり、“AまたはB、または双方”または“AまたはBまたはC、またはその任意の組み合わせ”という句と均等であり、さらなる構成要素を有する記載は同様に扱われる。“に基づく(based on)”という用語は、排他的ではなく、文脈がそうでないと明確に示さない
限りは、記述されていないさらなる特徴、機能、態様または制限に基づくことを可能とする。さらに、本明細書を通して、“一つ(a)”、“一つ(an)”および“その(the)”の意味は、単一および複数の参照を含む。
【0026】
本明細書の発明を実施する形態のうちの幾らかの部分は、コンピュータメモリ内のデータビットに対する動作のアルゴリズムおよび記号表現の点で提示される。これらのアルゴリズム記述および表現は、彼らの仕事の実態を他の当業者に最も効率的に伝達するために、データ処理分野における当業者によって用いられる手段である。本明細書で記述されるように、アルゴリズムは、所望の結果につながる一連のステップである。ステップは、物理量の物理的操作を必要とするものである。通常、必要不可欠ではないが、これらの量は、格納され、移動され、組み合わせられ、比較され、それ以外の操作をされることが可能な電気または磁気信号の形態をとる。これらの信号をビット、値、構成要素、記号、文字、用語、数などとして言及するために、原則として慣用の理由のために、ときに簡便であることが示される。
【0027】
しかしながら、これらのおよび類似の用語の全ては、適切な物理量と関連付けられるべきであり、これらの量に適用される単なる簡便なラベルであることを心に留めるべきである。以下の説明から明らかであるように、特にそうでないと言及されない限りは、記述を通して、“処理する(processing)”、“計算する(computing)”、“計算する(calculating)”、“決定する(determining)”、“表示する(displaying)”、“構成する(configuring)”などといった用語を用いる説明は、コンピュータシステムのレジスタおよびメモリ内の物理(電気)量として表されるデータを、コンピュータシステムメモリもしくはレジスタもしくは他のそのような情報記憶装置、送信またはディスプレイデバイス内の物理量として同様に表される他のデータに操作し、変換する、コンピュータシステムまたは類似の電子コンピューティングデバイスの動作および処理に対して言及する。
【0028】
本出願は、また、本明細書での動作を実施するための装置に関する。この装置は、必要な目的のために特別に構成されてもよく、または、コンピュータ内に格納されるコンピュータプログラムによって選択的にアクティブ化されるか、もしくは再構成される汎用コンピュータを含んでもよい。このようなコンピュータプログラムは、フロッピーディスク、光ディスク、CD-ROM、磁気光ディスクを含む任意の種類のディスク、リードオンリーメモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、EPROM,EEPROM、磁気もしくは光カード、または電子的な命令を格納するために適切な任意の種類の媒体などのコンピュータ可読記憶媒体内に格納され得るが、そのいずれにも限定されることはなく、その各々は、コンピュータシステムバスに結合される。
【0029】
さらに、代表例および従属請求項の様々な特徴は、本技術のさらに有用な実施形態を提供するために、明確かつ明白に列挙されてはいない方法で組み合わせられてもよい。全ての値の範囲またはエンティティの集合の指示は、本発明の主題を制限するためと、元の開示の目的のために、全ての可能性のある中間値または中間のエンティティを開示することにも特に留意されたい。図面内に図示された構成部品の寸法および形状は、本教示が如何に実施されるかの理解に役立つように設計されたものであって、実施例に図示された寸法および形状に限定することを意図するものではないことも特に留意されたい。
【0030】
分散屋内地上波アンテナシステムの実施形態は、地上波デジタルテレビ放送用の受信を向上するための技術的改良点を組み入れる。このような技術的改良点の一つは、スマートアンテナ技術である。スマートアンテナは、意思決定性能にダイバシティ受信技術のある態様を組み入れる。特に、スマートアンテナは、要求されたTV信号をチャネル毎に送達するために、最良のアンテナ構成要素またはアンテナノードを選択するために、デジタル
TVチューナおよび/または復調器から特定のパラメトリックフィードバックを使用する。通常、スマートアンテナは、セットトップボックスといったホストデバイスとアンテナとの間の何らかの通信を必要とする。
【0031】
技術的改良点は、また、空間ダイバシティアンテナの使用を通じても提供され、これは、相互に物理的に分離された複数のアンテナ(通常、同一の特性を有する)を使用する。空間ダイバシティアンテナは、また、ダイバシティ受信技術も組み入れ、これは、基本的なスマートアンテナ技術に類似し得る。様々な種類のダイバシティ受信技術が存在し、その各々は、一般的に幾つかの種類の信号後処理を使用する。一種のダイバシティ受信は、“スイッチドダイバシティ(switched diversity)”であり、これは、複数のアンテナ構成要素を使用する。アンテナ構成要素は、自動的または手動でスキャンされ得、受信された信号は、幾つかの信号品質メトリックを監視される。スイッチンドダイバシティ受信器においては、唯一つのアンテナからの信号は、その信号の品質が何らかの規定されたレベルより上にある限りは、受信器に送られる。(例えば、時間が経過して、または異なるチャネルに対して)信号が劣化する場合、別のアンテナ構成要素が使用される。
【0032】
別の種類のダイバシティ受信は、“選択ダイバシティ(selected diversity)”であり、これは、任意の所定の時間にダイバシティ受信器に(複数のアンテナ構成要素のうちの)唯一つのアンテナ構成要素の信号を提示する。選択されたアンテナ構成要素の信号は、複数のアンテナ構成要素から受信された信号のうちで、最良の信号雑音比(SNR)に基づく。したがって、選択ダイバシティは、事前測定が生じることと、全てのアンテナ構成要素が接続を確立したことを必要とする。実際の選択プロセスは、受信された情報のパケット間で生じ得、これは、単一のアンテナ接続が可能な程度に維持されることを保証する。スイッチングは、必要に応じて、パケット毎にその後生じることができる。
【0033】
さらに別の種類のダイバシティ受信は、“ダイバシティ合成(diversity combining)”(例えば、最大比合成)であり、全てのアンテナ構成要素は、常時確立された接続を維持する。全てのアンテナ構成要素の信号は、その後組み合わせられる。システムの複雑性に依存して、個々のアンテナ構成要素の信号は、直接加算され得るか(例えば、均等利得合成)、または重みづけされて加算される(例えば、最大比合成)。ダイバシティ合成システムは、減衰に対してより大きい抵抗をもたらすが、より電力を消費する。なぜなら、全ての個々のアンテナ構成要素の信号経路が、通電されなければならないからである。
【0034】
図1は、送信タワー(図示せず)から放送された地上波デジタルテレビ信号を受信する分散屋内スマート地上波アンテナシステム100の一実施形態を図示する。図1に図示された実施形態においては、分散屋内スマート地上波アンテナシステム100は、3つのアクティブな分散アンテナノード120(例えば、Ant-1、Ant-2およびAnt-3)を含む。幾つかの実施形態においては、3つのアクティブな分散アンテナノード120は、空間的ダイバシティを達成するためにユーザの居住地(建物、他の構造物など)内で相互に離隔され、受信された信号強度を改善するために配置/方向付けされた信号受信デバイスである。
【0035】
具体的には、各分散アンテナノード120は、地上波受信アンテナ122を介してデジタルテレビ信号(例えば、コンテンツ)を受信し、チューナ/復調器(例えば、ATSC復調器)124を用いてコンテンツをデコードし、Wi-Fi信号フォーマット(例えば、IEEE802.11)にコンテンツをトランスコードし、受信ゲートウェイ130にコンテンツを再送信し、受信ゲートウェイは、ダイバシティ制御ノード(例えば、ダイバ
シティ受信器136)として機能する。ATSC復調は、テレビが映像および音声を再生するために使用し得る有用な信号への信号の変換である。各アクティブな分散アンテナノード120は、また、受信ゲートウェイ130に信号メトリックを送信し、受信ゲートウェイは、信号品質(例えば、復調誤差比、信号雑音比など)を解析する。様々な種類のダイバシティ受信器は、当業者に周知である。例えば、Furious FPTによるFurious True-Dダイバシティ受信器などのダイバシティ受信器は、1127 Goodrich Ave,Sarasota,Florida 34236にあるFPV Manuals LLCから購入され得る。受信ゲートウェイ130は、その其々のアクティブな分散アンテナノード120からのいずれの信号または信号の組み合わせが最高の信号強度を提供するかを決定する。
【0036】
受信ゲートウェイ130へのコンテンツの再送信は、(ユーザの居住地内に存在する電力線を用いて)G.hn電力線インタフェース140を介して、および/または、IEEE802.11n/802.11acを用いるWi-Fiを介してといった、Wi-Fiコンバータ150を介して生じ得る。G.hnは、電話線、同軸ケーブル、電力線といった既存の有線を介して動作するホームネットワーキング用の信号送信規格である。幾つかの実施形態は、また、受信ゲートウェイ130にコンテンツを再送信するために、HomePlugインタフェース(図示せず)または、Ethernetインタフェース(図示せず)を実装し得る。HomePlugは、既存の家の電線を介したホームネットワーキング用の別のカテゴリの電力線通信規格である。コンテンツが電力線接続またはEthernetを介してアクティブな分散アンテナノード120から受信ゲートウェイ130に再送信されるだけの幾つかの実施形態においては、コンテンツのWi-Fi信号フォーマットへのトランスコードは、必ずしも必要ではないことがある。
【0037】
分散屋内スマート地上波アンテナシステム100の幾つかの実施形態においては、受信ゲートウェイ130は、スキャンされたチャネルテーブルを格納し、各チャネル用の最良のアクティブな分散アンテナノード120を記録し、それによって、その後のチャネル変更要求の速度を増加させる。幾つかの実施形態においては、受信ゲートウェイ130は、受信条件が変化することをチェックするために、バックグランドタスクとしてチャネルテーブルを周期的に再スキャンし得る。このチャネルテーブルの再スキャンは、分散屋内スマート地上波アンテナシステム100の自動プロセスおよび/またはユーザによって開始される手動プロセスであり得る。
【0038】
少なくとも一実施形態においては、3つのアクティブな分散アンテナノード120は、相互に個別に配置され、空間ダイバシティを達成するために独立して方向づけられる。例えば、第一のアクティブな分散アンテナノード120は、ユーザ居住地内の窓の近くの上階の寝室内に配置され得、第二のアクティブな分散アンテナノード120は、居住地の別の側の上階の私室内に配置され得、第三のアクティブな分散アンテナノード120は、居住地のまた別の領域内のリビングルーム内に配置され得る。望ましくは、3つのアクティブな分散アンテナノード120は、ローカル送信タワーから地上波放送信号の受信を顕著に向上させる位置および方向付けで配置される。幾つかの実施形態においては、アクティブな分散アンテナノード120を配置し、方向づけるのに役立つように、信号センサが使用され得る。信号センサは、専用設備の一部であってもよく、または、信号センサは、スマートフォン、タブレットもしくはテレビから実行されるアプリケーションであってもよい。
【0039】
分散屋内スマート地上波アンテナシステム100の幾つかの実施形態においては、他の付随するハードウェア構成要素(例えば、一つ以上のプロセッサ、スイッチマトリクス、増幅器コントローラなど)もアクティブな分散アンテナノード120に含まれてもよく、または、分散屋内スマート地上波アンテナシステム100の他の部分に含まれてもよい。
本明細書で記述される様々な実施形態に対して様々なアンテナ構成が有用であるが、アクティブな分散アンテナノード120の幾つかの実施形態は、柔軟性のあるアンテナパネルを含む地上波受信アンテナ122を含み得る。例えば、有用なアンテナは、平面アンテナ、指向性アンテナ、全方向性アンテナ、増幅アンテナなどを含むが、そのいずれにも限定はされない。
【0040】
分散屋内スマート地上波アンテナシステム100においては、受信ゲートウェイ130は、ユーザの居住地(建物、他の構造物など)内に配置された中央受信デバイスであり、アクティブな分散アンテナノード120の全てから信号を受信するように構成される。幾つかの実施形態においては、受信ゲートウェイ130は、テレビ受信器と呼ばれることがある。なぜなら、このデバイスは、エンドユーザによって視聴するための一つ以上のディスプレイデバイス160に、視聴コンテンツを含む受信された信号を提供するからである。受信ゲートウェイ130の例は、セットトップボックス、コンピュータ、ルータ、または他のコンテンツ受信器を含み得るが、そのいずれにも限定されない。幾つかの実施形態においては、受信ゲートウェイ130は、(ユーザの居住地内の既存の電力線を用いて)G.hn電力線インタフェース140を介して、または、(IEEE802.11n/802.11acを用いるWi-Fiを介してなど)Wi-Fiコンバータ150を介して、信号を受信し、一つ以上のディスプレイデバイス160に信号を再送信する。様々な実施形態においては、一つ以上のディスプレイデバイス160は、大型スクリーンテレビ、モニタ、タブレット、スマートフォン、ラップトップコンピュータ、デスクトップコンピュータ、パーソナルデジタルアシスタント、または他のディスプレイデバイスを含み得る。幾つかの実施形態においては、受信ゲートウェイ130は、また、Wi-Fiルータも含み、Wi-Fiネットワークを介して、一つ以上のディスプレイデバイス160に信号を再送信する前に信号をトランスコードする。他の実施形態においては、受信ゲートウェイ130は、有線接続を介して、一つ以上のディスプレイデバイス160に信号を再送信する。
【0041】
図2は、送信タワーから地上波デジタルテレビ信号放送を受信する分散屋内スマート地上波アンテナシステム100の別の実施形態を図示する。この実施形態においては、ユーザの居住地内に配置されたアクティブな分散アンテナノード120は、アンテナ122、チューナ/復調器124、電力線インタフェース140、Wi-Fiコンバータ150を各々含む。ユーザの居住地(建物、他の構造物など)は、また、受信ゲートウェイ130およびディスプレイデバイス160も含む。少なくとも一実施形態においては、受信ゲートウェイ130は、電力線受信器132、Wi-Fiルータ134およびダイバシティ受信器136を含む。
【0042】
送信タワー(図示せず)は、地上波デジタルテレビ信号を放送し、これは、アンテナ122によって受信され、複数のアクティブな分散アンテナノード120のうちの各々におけるチューナ/復調器124によって処理される。少なくとも一実施形態においては、チューナ/復調器124は、地上波デジタルテレビ信号をデコードし、電力線インタフェース140および/またはWi-Fiコンバータ150にデコードされた信号を送信する。Wi-Fiコンバータ150は、デコードされた信号を生成するか、または、無線ローカルエリアネットワークを介して受信ゲートウェイ130内のWi-Fiルータ134に提供され得るIPパケットに再フォーマットする。幾つかの実施形態においては、Wi-Fiコンバータ150およびチューナ/復調器124は、個別のコンポーネントであるが、他の実施形態においては、それらの機能は、単一のコンポーネントに組み合わせられ得る。
【0043】
一実施形態においては、受信ゲートウェイ130のWi-Fiルータ134は、Wi-Fi(例えば、IEEE802.11n/802.11ac)を介して送信された信号を受信し、ディスプレイデバイス160に信号を提供する。幾つかの実施形態においては、受信ゲートウェイ130は、Ethernet接続(または他の有線接続)を介してディスプレイデバイス160にコンテンツを提供する。他の実施形態においては、Wi-Fiルータ134は、受信された信号を他の無線信号(例えば、別の無線信号フォーマット)にトランスコードし、ディスプレイデバイス160にこれらの他の無線信号を提供する。
【0044】
分散屋内スマート地上波アンテナシステム100の図2は、受信ゲートウェイ130のコンポーネントとしてWi-Fiルータ134を図示しているが、他の実施形態においては、これらは個別のコンポーネントである。例えば、Wi-Fiルータ134は、受信ゲートウェイ130から分離された別個のスタンドアロンデバイスであってもよい。さらに他の実施形態においては、受信ゲートウェイ130は、ディスプレイデバイス160内に構築されたコンポーネントであってもよい。様々な実施形態においては、受信ゲートウェイ130は、図示されるように、ディスプレイデバイス160に直接デジタルもしくはアナログ映像/音声信号を出力し得、または、ディスプレイデバイス160に信号が送信される前に、さらなる処理のために別のデバイスに出力し得る。
【0045】
ここで図3Aの実施形態を参照すると、分散屋内スマート地上波アンテナシステムは、分散アンテナシステムリモートノード310Aと、Wi-Fiインタフェース360Aおよび電力線インタフェース370Aをともに図示する。少なくとも一実施形態においては、分散アンテナシステムリモートノード310Aは、アンテナ322Aと、低ノイズ増幅器(LNA)330Aと、チューナ/復調器340Aと、トランスポートストリーム/マルチプレクサ/トランスコーダ350Aと、プロセッサ355Aとを含む。分散屋内スマート地上波アンテナシステム(図示せず)の幾つかの実施形態においては、別のチューナ/復調器が、周波数の連続的スキャンを可能とし、チャネルのテーブルおよびチャネルの特徴を更新する。この構成は、特定のチャネルで用いるための最良のアクティブな分散アンテナノードのリストの連続的な更新を可能とする。
【0046】
ここで、図3Bの実施形態を参照すると、分散屋内スマート地上波アンテナシステムは、分散アンテナシステムゲートウェイノード345Bと、Wi-Fiインタフェース360Bおよび電力線インタフェース370Bとを図示する。分散アンテナシステムゲートウェイノード345Bは、トランスポートストリーム/マルチプレクサ/トランスコーダ350Bとプロセッサ355Bとを含む。幾つかの実施形態においては、分散アンテナシステムゲートウェイノード345Bは、電力線インタフェース370Bを介して複数の分散アンテナシステムリモートノード310Bに接続する。任意で、分散アンテナシステムゲートウェイノード345Bは、異なるチューナ/復調器340Bから受信された信号を任意の組み合わせで多重化し、Wi-Fiルータ360とともに、トランスポートストリーム/マルチプレクサ/トランスコーダ350Bを用いて、ディスプレイデバイスにネットワークを介して送信することを可能とする。
【0047】
電力線インタフェース(例えば、G.hnまたはHomePlug)の使用は、幾つかの実施形態においては、特に技術的な改良を提供し得る。なぜなら、これらのインタフェースは通信ネットワークに個別の接続を必要としなくてもよいからである。とりわけ、電力線インタフェースは、電力線ネットワークを介して信号を送信するために、既存のAC線電力を用いる。任意で、無線ネットワーク信号を受信および/または送信するために最適化されたWi-Fiアンテナ(例えば、2.4GHzおよび5GHz帯)などのWi-Fiルータ用の一つ以上のWi-Fiアンテナがデバイス内に含まれてもよい。様々な他のコントローラおよびプロセッサもまた、分散インドアスマート地上波アンテナシステムに含まれ得る。他の実施形態においては、他のネットワークインタフェースは、Ethernet、Homeplug、同軸ケーブル、CAT-5ケーブルなどといった、Wi-Fiルータおよび/またはG.hn電力線の代わりに用いられ得る。
【0048】
分散屋内スマート地上波アンテナシステムの様々な実施形態は、また、デジタルビデオレコーダ(DVR)システムとしてシステムが機能することを可能とするストレージサブシステムを組み込み得る。さらに、分散屋内スマート地上波アンテナシステムは、複数のアクティブな分散アンテナノードを含み得、各アンテナノードはチューナ/復調器を含む。したがって、アクティブな分散アンテナノードと関連付けられる各チューナ/復調器は、システム内の異なるアクティブな分散アンテナノードを用いて異なるチャネルに同時かつ独立して同調し得る。この性能は、単一のアクティブな分散アンテナノードおよびチューナ/復調器と関連付けられて信号損失に直面するときに、顕著な技術的有益性をもたらす。幾つかの実施形態においては、異なるアクティブな分散アンテナノードを用いて異なるチューナ/復調器によって独立して受信される複数の信号は、ともに単一の不断の信号に結合(stitch)され得、それによって、信号の結合を通じた信号損失を克服する。
【0049】
様々な実施形態においては、アクティブな分散アンテナノードは、それらのネットワーキング識別情報を放送し得る。受信ゲートウェイは、この情報を検索し、接続を確立するための要求で、アクティブな分散アンテナノードに応答し得る。他の実施形態においては、ユーザは、受信ゲートウェイにネットワーキング情報を入力し得、その後、受信ゲートウェイは、アクティブな分散アンテナノードに接続要求を送信し得る。幾つかの実施形態においては、要求は、受信ゲートウェイのネットワーキング識別情報を含む。少なくとも一実施形態においては、受信ゲートウェイは、デバイス間の接続を確立するために、アクティブな分散アンテナノードと、暗号キーまたは他のネットワーキング情報などの他の接続情報を、交換し得る。
【0050】
図4は、分散屋内スマート地上波アンテナシステムを用いて地上波デジタルTV信号を受信し、それをディスプレイデバイスへ再送信するための地上波TV信号受信プロセス400を図示する。この信号受信プロセス400においては、ステップ410で、複数のアクティブな分散アンテナノードの各々と受信ゲートウェイとの間に接続が確立される。ステップ420で、地上波デジタルTV信号は、複数のアクティブな分散アンテナノードの各々で受信される。ステップ430で、複数のアクティブな分散アンテナノードの各々は(例えば、ATSC復調器を用いて)地上波送信から受信された信号をデコードする。ステップ440で、デコードされた信号は、ローカルWi-Fiネットワークを介する送信用のIEEE802.11n/802.11ac信号にトランスコード(例えば、再フォーマットまたはエンコード)される。ステップ450で、トランスコードされた信号は、確立された接続を介して、受信ゲートウェイに複数のアクティブな分散アンテナノードの各々から送信される。ステップ460で、受信ゲートウェイは、再送信用に複数のアクティブな分散アンテナノードからトランスコードされた信号をスイッチング、選択または組み合わせるために、ダイバシティ受信器として機能する。ステップ470で、受信ゲートウェイからの信号は、(電力線インタフェース、Wi-Fiインタフェース、Ehernet接続、Homeplug接続などを介して)ディスプレイデバイスに再送信される。
【0051】
図5は、その中に具現化されたコンピューティングシステムを含む分散屋内スマート地上波アンテナシステム500の一実装を図示する。特に、分散屋内スマート地上波アンテナシステム500は、複数のアクティブな分散アンテナノード120と、受信ゲートウェイ130とを含む。少なくとも一実施形態においては、複数のアクティブな分散アンテナノード120は、本明細書に記述されたように、送信タワー(図示せず)から地上波放送信号を各々受信し、ATSC復調器を用いて受信された放送信号をデコードし、電力線インタフェースまたはWi-Fiインタフェースを用いて受信ゲートウェイ130にデコードされた信号を送信する。デコードされた信号が受信ゲートウェイ130にWi-Fiネットワークを介して送信される場合、信号は、送信前にIEEE802.11n/802
.11ac信号にまずトランスコードされる。一つ以上の汎用または専用コンピューティングシステムは、複数のアクティブな分散アンテナノード120を実装するために用いられ得る。したがって、本明細書に記述された様々な実施形態は、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェアまたはその幾つかの組み合わせで実装され得る。複数のアクティブな分散アンテナノード120は、メモリ530と、一つ以上の中央処理装置(CPU)544と、他のI/Oインタフェース548と、他のコンピュータ可読媒体550と、ネットワーク接続552と、を各々含み得る。
【0052】
少なくとも一実施形態においては、複数のアクティブな分散アンテナノード120のメモリ530は、一つ以上の様々な種類の不揮発性および/または揮発性ストレージ技術を含み得る。メモリ530の実施例は、フラッシュメモリ、ハードディスクドライブ、光ドライブ、ソリッドステートドライブ、様々な種類のランダムアクセスメモリ(RAM)、様々な種類のリードオンリーメモリ(ROM)、他のコンピュータ可読記憶媒体(プロセッサ可読記憶媒体とも呼ばれる)など、またはその任意の組み合わせを含み得るが、そのいずれにも限定はされない。メモリ530は、本明細書に記述されたように、複数のアクティブな分散アンテナノード120によって実施される実施形態を含む、動作を実施するために、CPU544によって用いられるコンピュータ可読命令を含む情報を格納するために用いられ得る。
【0053】
幾つかの実施形態においては、メモリ530は、コンテンツ再送信システム532、すなわち、コンテンツ受信モジュール536およびコンテンツ送信モジュール538格納し得る。コンテンツ受信モジュール536は、地上波送信信号を介してコンテンツを受信し、必要に応じて信号をデコードするために本明細書に記述された実施形態を使用し得る。コンテンツ受信モジュール536は、地上波信号を送信タワー(図示せず)から受信するためにネットワーク接続552を使用し得る。コンテンツ送信モジュール538は、電力線またはIEEE802.11n/802.11ac規格を用いて受信ゲートウェイ130に送信するために、本明細書に記述された実施形態を使用して受信された信号を無線ローカルエリアネットワーク信号に変換し得る。コンテンツ送信モジュール538は、変換された信号を無線ローカルエリアネットワークを介して受信ゲートウェイ130送信するために、ネットワーク接続552を使用し得る。メモリ530は、また他のプログラム540または他のデータ542を格納し得る。
【0054】
分散屋内スマート地上波アンテナシステム500の少なくとも一実施形態においては、複数のアクティブな分散アンテナノード120は、他のI/Oインタフェース548と、他のコンピュータ可読媒体550と、ネットワーク接続552とをさらに含む。他のI/Oインタフェース548は、キーボード、音声インタフェース、他のビデオインタフェースなどを含み得る。他のコンピュータ可読媒体550は、リムーバブルフラッシュドライブ、外部ハードドライブなどといった、他の種類の据付型またはリムーバブルコンピュータ可読媒体を含み得る。ネットワーク接続552は、一つ以上のネットワーク(図示せず)を介して他のコンピューティングデバイスと通信するように構成され得る。
【0055】
ここで受信ゲートウェイ130を参照すると、図5に図示されるように、一つ以上の汎用または専用コンピューティングシステムが、受信ゲートウェイ130を実装するために用いられ得る。したがって、本明細書に記述された様々な実施形態は、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェアまたはその幾つかの組み合わせで実装され得る。幾つかの実施形態においては、受信ゲートウェイ130は、メモリ570と、一つ以上の中央処理装置(CPU)584と、ディスプレイインタフェース586と、他のI/Oインタフェース588と、他のコンピュータ可読媒体590と、ネットワーク接続592と、を含み得る。
【0056】
幾つかの実施形態においては、受信ゲートウェイ130のメモリ570は、一つ以上の様々な種類の不揮発性および/または揮発性ストレージ技術を含み得る。メモリ570の実施例は、フラッシュメモリ、ハードディスクドライブ、光ドライブ、ソリッドステートドライブ、様々な種類のランダムアクセスメモリ(RAM)、様々な種類のリードオンリーメモリ(ROM)、他のコンピュータ可読記憶媒体(プロセッサ可読記憶媒体とも呼ばれる)など、またはその任意の組み合わせを含み得るが、そのいずれにも限定はされない。メモリ570は、本明細書に記述されたように、受信ゲートウェイ130によって実施される実施形態を含む、動作を実施するために、CPU584によって用いられるコンピュータ可読命令を含む情報を格納するために用いられ得る。
【0057】
少なくとも一実施形態においては、受信ゲートウェイ130のメモリ570は、コンテンツディスプレイシステム572を格納し得、これは、コンテンツディスプレイモジュール574を含む。幾つかの実施形態においては、コンテンツディスプレイモジュール574は、電力線接続および/または無線ローカルエリアネットワークを介して信号を受信し、図1におけるディスプレイデバイス160などのディスプレイデバイスに信号を提供する。幾つかの実施形態においては、視聴覚コンテンツを含む信号は、ディスプレイインタフェース586を介して、ディスプレイデバイス160に再送信され得、ディスプレイインタフェース586は、受信ゲートウェイ130とディスプレイデバイス160との間の有線接続を含み得る。他の実施形態においては、コンテンツは、IEEE802.11ac信号にトランスコードされ得、ユーザのローカルWi-Fiネットワークを用いて、ネットワーク接続592を介してディスプレイデバイス160に再送信され得る。さらに、受信ゲートウェイ130のメモリ570は、また、他のプログラム580または他のデータ582も格納し得る。
【0058】
分散屋内スマート地上波アンテナシステム500の少なくとも一実施形態においては、受信ゲートウェイ130は、ディスプレイインタフェース586と、他のI/Oインタフェース588と、他のコンピュータ可読媒体590と、ネットワーク接続592と、をさらに含む。幾つかの実施形態においては、ディスプレイインタフェース586は、図1におけるディスプレイデバイス160などのディスプレイデバイスに信号を提供するように構成される。他のI/Oインタフェース588は、キーボード、音声インタフェース、他の映像インタフェースなどを含み得る。他のコンピュータ可読媒体590は、リムーバブルフラッシュドライブ、外部ハードドライブなどの他の種類の据付型またはリムーバブルコンピュータ可読媒体を含み得る。さらに、ネットワーク接続592は、一つ以上のネットワーク(図示せず)を介して他のコンピューティングデバイスと通信するように構成される。
【0059】
本明細書に開示されたものに対応するシステム、方法、機能、ステップ、特徴などの様々な態様は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、回路またはその組み合わせを用いて、一つ以上のコンピュータシステムで実装され得る。ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェアおよび回路は、任意のハードウェア、ソフトウェア、ファームウェアまたは回路コンポーネントをそれぞれ指す。本明細書で言及されるコンピュータシステムは、任意のコンピューティングデバイス(例えば、スマートフォン、モバイルコンピューティングデバイス、パーソナルデジタルアシスタント、タブレットコンピュータ、ラップトップコンピュータ、デスクトップコンピュータ、他のコンピューティングデバイスなど)を指し得、その逆もまた成り立つ。例えば、本明細書で記述されたシステム、または本明細書に開示されたシステムの任意の実施形態における各コンピュータシステムまたはコンピューティングデバイスは、一つ以上の以下のコンポーネントを使用し得る。つまり、ソフトウェア命令(例えば、オペレーティングシステム、アプリケーションプログラム、仮想マシンなどのインタプリタ、もしくはコンプライアに対応する命令)が実行されるシングルコアもしくはマルチコアハードウェアプロセッサ(例えば、中央処理装置もしくは
グラフィクス処理ユニット)と、ハードウェアプロセッサが処理用にアクセスし得るソフトウェア命令もしくは他のデータを格納するキャッシュまたは他のシステムメモリなどのハードウェアプロセッサと関連付けられ、ハードウェアプロセッサと通信するメモリと、入力デバイス(例えば、マウス、キーボード、タッチスクリーンなど)と、出力デバイス(例えば、ディスプレイ、タッチスクリーン、プリンタなど)と、ネットワークもしくは通信プロトコルを介してコンピュータシステムが通信することを可能とするネットワークまたは通信インタフェースと、ハードウェアプロセッサによって実行可能である対応するソフトウェア命令を有するアプリケーションプログラムである。異なるコンピュータシステム間の接続および異なるコンピュータシステムコンポーネント間の接続は、有線または無線であり得る。
【0060】
仮想化コンピューティング技術、クラウドコンピューティング技術、ウェブアプリケーション/ウェブサイトコンピューテイング技術、従来の適応型ストリーミング技術および他のコンピューティング技術は、本明細書に記述された教示を可能とするおよび/または向上するために、本明細書に開示されたシステムの任意の実施形態によって実装され得る。例えば、クラウドコンピューティング実施形態においては、一つ以上のサーバ(すなわち、一つ以上のコンピュータシステム)は、クライアントデバイスから受信された入力データに基づいて、アプリケーションプログラムに対応するソフトウェア命令を格納して、実行し得る。入力データが受信されるのに応じて、アプリケーションプログラムは、それにしたがって実行され、この結果、グラフィックデータが処理されて、スマートフォンまたはタブレットコンピュータ上のタッチスクリーンなどのディスプレイ上に表示するためにクライアントデバイスに出力される。
【0061】
別の実施例として、ウェブアプリケーションまたはウェブサイト実施形態においては、ユーザ入力を表すデータは、メモリ内で処理して格納するためにウェブサイトをホストするサーバ(すなわち、コンピュータシステム)に送信され得る。アプリケーションプログラム実施形態においては、アプリケーションは、ユーザのコンピュータシステム上でローカルに格納されて、実行され得る。他の実施形態においては、アプリケーションプログラムの一つ以上のコンポーネントは、サーバおよびユーザのコンピュータシステム上で格納されて、実行され得る。例えば、ユーザは、Androidコンピューティングデバイス、Blackberryコンピューティングデバイス、Appleコンピューティングデバイス、Windowsコンピューティングデバイス、Samsungコンピューティングデバイス、他のコンピューティングデバイスなどに対して、appストアからアプリケーションプログラムをダウンロードし得る。ユーザのコンピューティングデバイス上でのアプリケーションプログラムの実行は、サーバまたは他のユーザのコンピューティングデバイスなどの一つ以上のコンピューティングデバイスにデバイスがデータを送信し、そこからデータを受信することを要求し得る。例えば、アプリケーションは、モバイルデバイスにサーバからダウンロードされ得る。インストールによって、モバイルデバイスは、サーバと通信し得る。
【0062】
本明細書に開示されたシステムの一つ以上の実施形態は、ストリーミング技術を使用し得る。データをストリーミングすることは、クライアントデバイスがサーバからデータを受信する間にクライアントデバイスのユーザにデータが提示されることを可能とする。ネットワークを介してクライアントデバイス(例えば、ユーザによって動作するコンピューティングデバイス)にサーバからデータをストリーミングすることは、典型的には、ネットワークの帯域幅、あるいは、物理層の正味のビットレートによって制限される。RTSP(リアルタイムストリーミングプロトコル)、MS-WMSP(WindowsメディアHTTPストリーミングプロトコル)およびRTMP(リアルタイムメッセージングプロトコル)などの従来のストリーミングプロトコルが実装され得、これは、データのエンコードされたビットレートでリアルタイムにサーバからクライアントデバイスに小さいパ
ケットでデータを本質的に送信する。適応型ストリーミングもまた実装され得る。適応型ストリーミングは、送信プロトコル用にHTTPにほぼ排他的に依存する。従来のストリーミングと類似し、データは、特定のサイズの個別のパケットでエンコードされる。しかしながら、ソースデータは、単一のビットレートではなく、複数のビットレートでエンコードされる。異なるビットレートでエンコードされた同一のデータに対応するデータパケットは、その後、メモリ内のビットレートに基づいてインデックスされる。このストリーミング法は、クライアントデバイスの利用可能な帯域幅およびコンピュータ容量をリアルタイムで測定することによって動作し、エンコードされたビットレートに基づいて、どのインデックスされたデータパケットを送るか調整する。
【0063】
本明細書で開示されたシステムの一つ以上の態様は、単一のコンピュータシステム上に配置され(すなわち、処理され、格納され、実行されるなど、または一つ以上のハードウェアもしくはソフトウェアコンポーネントを含む)得るか、一つ以上の通信ネットワーク(例えば、インターネット、イントラネット、遠距離通信ネットワークなど)の付属した複数のコンピュータシステム間で分散され得る。コンピュータシステムの一つ以上のコンポーネントは、通信ネットワークを介して、コンピュータシステムと通信する一つ以上のコンピュータシステムにわたって分散され得る。例えば、幾つかの実施形態においては、本明細書に開示されたシステムは、通信ネットワークおよび/またはシステムバスにわたって、一つ以上の他のコンピュータシステムもしくはコンポーネントのニーズに役立つように専用化され得る一つ以上のサーバ(すなわち、システム内の特定の目的のために専用化された一つ以上のコンピュータシステム)を使用し得る。一つ以上のサーバは、本明細書に開示されたシステムの一つ以上の態様のために、中央処理位置を提供し得る。
【0064】
また、本明細書に開示されたものに対応するシステム、方法、機能およびステップの様々な態様は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェアまたはその組み合わせを用いて、一つ以上のコンピュータシステム上で実装され得る。一つ以上の回路および/またはソフトウェアが本明細書に記述されたシステムおよび方法を実装するために用いられ得ることを当業者は理解するだろう。回路は、ハードウェアプロセッサといった処理ユニットに一体化されるか、または外部にあるか否かにかかわらず、任意の回路を指す。ソフトウェアは、所望の結果を達成するためにプロセッサなどの任意のハードウェアコンポーネントを用いてコンピューティングデバイスによって実行可能なコードまたは命令を指す。このソフトウェアは、処理ユニット上にローカルに格納されるか、リモートに格納されて通信ネットワークを介してアクセスされ得る。
【0065】
本明細書に開示されるように、プロセッサまたはハードウェアプロセッサは、任意のハードウェアプロセッサまたはソフトウェアプロセッサを指し得る。ソフトウェアプロセッサは、対応するハードウェアプロセッサによって実行されるインタプリタを含み得るか、または構成し得る。本明細書に開示された任意の実施形態によるコンピュータシステムは、本明細書に開示されたシステムの様々な実施形態に関連する記述された機能のうちの任意のものを実施するように構成される。
【0066】
本明細書に開示されるように、任意の方法、機能、ステップ、特徴または結果は、コンピューティングデバイスによって実行されたときに、所望の方法、機能、ステップ、特徴または結果を引き起こすソフトウェア命令を含み得るモジュールと考えられ得る。コンピューティングデバイスによって実行されるのは、ハードウェアプロセッサなどのコンピューティングデバイスの任意のハードウェアコンポーネント(例えば、CPU、GPU、ネットワークインタフェース、集積回路、他のハードウェアコンポーネントなど)による実行を含む。任意のモジュールはコンピューティングデバイスによって(例えば、コンピューティングデバイスのプロセッサによって)実行され得る。本明細書に開示された任意の方法、機能、ステップ、特徴、結果などは、明確に記述されているか否かにかかわらず、
一つ以上のソフトウェアモジュールによって実現され得る。コンピューティングデバイス内の個々のコンポーネントは、所望の方法、機能、ステップ、特徴または結果を達成するために協働し得る。例えば、コンピューティングデバイスは、データを受信して、データを処理し得る。単純な実施例は、ネットワークインタフェースがデータを受信して、プロセッサにバスを介してデータを送信することである。
【0067】
本明細書に開示されたシステムの様々な態様は、コンピュータシステム内で実行するソフトウェアとして実装され得る。コンピュータシステムは、一つ以上のメモリデバイスに接続された中央処理装置(すなわち、ハードウェアプロセッサ)と、グラフィカル処理ユニットと、マウスおよびキーボードなどの入力デバイスと、スピーカおよびディスプレイなどの出力デバイスと、一つ以上のコンピュータシステム(例えば、データベースとして機能するようにサービスを提供するように構成された一つ以上のコンピュータシステム)に接続するためのネットワークインタフェースと、オペレーティングシステムと、コンプライアと、インタプリタ(すなわち、仮想マシン)などを含み得る。メモリは、コンピュータシステムの動作中に実行可能なプログラムおよびデータを格納するために用いられ得る。実行可能なプログラムは、JavaまたはC++などの高レベルコンピュータプログラミング言語で書かれ得る。無論、他のプログラミング言語が用いられてもよい。なぜなら、本開示は、特定のプログラミング言語またはコンピュータシステムに限定されないからである。さらに、本明細書に開示されたシステムおよび方法は、任意の特定のコンピュータシステムまたはコンピュータシステムのグループ上で実行されるように限定されないことを理解されたい。
【0068】
幾つかの方法、機能、ステップまたは特徴は、プロセッサによって対応するソフトウェアによって実行されるものとして記述されてきた。任意の方法、機能、ステップ、特徴または本明細書に開示されたシステムに関連するあらゆるものは、所望の方法、機能またはステップを達成するためにプロセッサによって実行可能である、そこに対応するソフトウェアを参照して本明細書に記述されてきたある方法、機能、ステップまたは特徴にかかわらず、ハードウェア、ソフトウェア(例えば、ファームウェア)、または回路によって実現され得ることが理解される。ソフトウェア命令は、本明細書に開示されたシステム内の一つ以上のプロセッサにアクセス可能な一つ以上のメモリなどの非一時的媒体上に常駐し得ることが理解される。例えば、コンピューティングデバイスがデータを受信する場合、データを処理することが肯定的に明言されているか否かにかかわらず、そのデータをコンピューティングデバイスが処理することが理解される。データを処理することは、受信されたデータを格納することと、受信されたデータを解析することと、および/または所望の結果、機能、方法もしくはステップを達成するためにデータを処理することを含み得る。あるコンピューティングデバイスもしくはシステムからの入力データは、別のコンピューティングデバイスもしくはシステムからの出力データと考えられてもよく、その逆もあることがさらに理解される。任意の方法、機能、ステップ、特徴、結果または本明細書に開示されたシステムに関連するあらゆることは、一つ以上のメモリ上に格納され、一つ以上のコンピューティングデバイスによって処理され、一つ以上のコンピューティングデバイスによって受信され、一つ以上のコンピューティングデバイスによって送信され得るなどのデータによって表され得ることがさらに理解される。
【0069】
説明する目的のために、前述の説明は、開示された実施形態の十分な理解を提供するために特定の専門用語および式を用いる。特定の詳細事項は本発明を実施するために必ずしも必要ではないことが当業者に明らかである。実施形態は、開示された実施形態の原理およびその実践的適用を最良に説明するために選択され、記述されるものであり、それによって、開示された実施形態を当業者が利用することが可能となり、様々な改変のある様々な実施形態は、考えられる特定の用途に適している。したがって、前述の開示は、網羅的ではなく、開示された詳細な形態に本発明を限定することを意図するものではなく、多く
の改変および変形が上記の教示に照らして可能であることを当業者は認識する。
【0070】
上述された様々な実施形態は、さらなる実施形態を提供するために組み合わせられることができる。2016年12月22日に出願された米国特許出願15/389,274を含む、本明細書に対して参照され、および/または出願データシート内に記載された米国特許、米国特許公報、米国特許出願、外国特許、外国特許出願、および非特許出版物の全ては、その全体において参照によって本明細書に組み入れられる。実施形態の態様は、さらなる実施形態を提供するために、必要に応じて、様々な特許、出願および出版物の概念を使用するために、改変されることができる。
【0071】
これらのおよび他の変形は、上記の詳細な説明に照らして実施形態に対して行われることができる。概して、以下の特許請求の範囲においては、使用される用語は、本明細書および特許請求の範囲で開示された特定の実施形態に特許請求の範囲を限定するものとして解釈されるべきではなく、このような特許請求の範囲が権利を付与される均等物の全範囲に沿って、全ての可能な実施形態を含むものとして解釈されるべきである。したがって、開示された実施形態の広さおよび範囲は、上述された例示的実施形態のうちの任意のものによって限定されるべきではなく、以下の特許請求の範囲およびその均等物に従ってのみ定義されるべきである。
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5