(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-02
(45)【発行日】2022-03-10
(54)【発明の名称】透明な縁結合を有する複層ドアのための絶縁ガラス要素及びこの絶縁ガラス要素の製造方法
(51)【国際特許分類】
C03C 27/06 20060101AFI20220303BHJP
A47F 3/04 20060101ALI20220303BHJP
E06B 3/663 20060101ALI20220303BHJP
E06B 3/667 20060101ALI20220303BHJP
E06B 3/677 20060101ALI20220303BHJP
【FI】
C03C27/06 101Z
A47F3/04 Z
C03C27/06 101J
E06B3/663 F
E06B3/663 G
E06B3/667
E06B3/677
(21)【出願番号】P 2019536638
(86)(22)【出願日】2017-09-21
(86)【国際出願番号】 DE2017100805
(87)【国際公開番号】W WO2018054427
(87)【国際公開日】2018-03-29
【審査請求日】2020-07-29
(31)【優先権主張番号】102016117849.7
(32)【優先日】2016-09-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(31)【優先権主張番号】102017109760.0
(32)【優先日】2017-05-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】519099999
【氏名又は名称】プファルツ・ディーター
(73)【特許権者】
【識別番号】519100000
【氏名又は名称】メラース・クリストフ
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100139527
【氏名又は名称】上西 克礼
(74)【代理人】
【識別番号】100164781
【氏名又は名称】虎山 一郎
(72)【発明者】
【氏名】プファルツ・ディーター
(72)【発明者】
【氏名】メラース・クリストフ
【審査官】永田 史泰
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/091954(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2012/0090253(US,A1)
【文献】実開昭52-76563(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C03C27/06-27/12
E06B3/54-3/88
A47F1/00-3/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
店舗装備品、冷却設備及び特殊な展示ケースの使用分野のための、透明な縁結合を有する複層ドアのための絶縁ガラス要素であって、
ベース板(4)とカバー板(4)との間で、ドアの垂直な縁領域
及び上側の水平領域にガラススペーサ(1)が
配置され、下側の水平領域にアルミニウムもしくはプラスチックスペーサ(2)が配置されている、もしくは、ドアの垂直な縁領域にガラススペーサ(1)が配置され、両方の水平な領域にアルミニウムもしくはプラスチックスペーサ(2)が配置されており
、ベース板(4)とスペーサ(1、2)との間にかつスペーサ(1、2)とカバー板(4)との間に、EVAフィルムテープ(3)が存在し、ここで、前記EVAフィルムテープ(3)は、水平なスペー
サから垂直なスペー
サへの四つの端点において、重なって配置されていることを特徴とする、前記絶縁ガラス要素。
【請求項2】
ガラススペーサ(1)が好ましくはソーダ石灰ガラスから切り出されているものであることを特徴とする、請求項1に記載の絶縁ガラス要素。
【請求項3】
ガラススペーサ(1)が研磨されており、かつ研磨された縁が0.5mmの面取り幅を有することを特徴とする、請求項1または2に記載の絶縁ガラス要素。
【請求項4】
前記EVAフィルム(3)が、0.38mmの厚さまたはこれの数倍の厚さを有することを特徴とする、請求項1~3のいずれか一つに記載の絶縁ガラス要素。
【請求項5】
店舗装備品、冷却設備及び特殊な展示ケースの使用分野のための、透明な縁結合を有する複層ドアのための絶縁ガラス要素であって、
ベース板(4)とカバー板(4)との間で、ドアの垂直な縁領域及び上側の水平領域にガラススペーサ(1)が配置され、下側の水平領域にアルミニウムもしくはプラスチックスペーサ(2)が配置されている、もしくは、ドアの垂直な縁領域にガラススペーサ(1)が配置され、両方の水平な領域にアルミニウムもしくはプラスチックスペーサ(2)が配置されており、ベース板(4)とスペーサ(1、2)との間にかつスペーサ(1、2)とカバー板(4)との間に、多重架橋剤としてのエチレン-酢酸ビニルコポリマーの糸状ストリップが存在することを特徴とする、前記絶縁ガラス要素。
【請求項6】
店舗装備品、冷却設備及び特殊な展示ケースの
使用分野のための透明な縁結合を有する複層ドアのための絶縁ガラス要素を、EVAフィルムテープを用いて製造する方法であって、絶縁ガラス要素のベース板(4)上で、ストリップの形態に切断されたEVAフィルム(3)を、垂直な領域では外側の板縁と面一に、かつ水平な領域では外側のガラス縁から約15mm奥まらせてベース板(4)上に敷き、この際、フィルムストリップ(3)の末端を縦ストリップと横ストリップとが3~5mm重なるように敷き、次いでガラススペーサ(1)を、同様に外側のガラス縁と面一にEVAフィルムテープ(3)上に敷き、長手側のガラススペーサ(1)に対して垂直にアルミニウムスペーサ(2)またはプラスチックスペーサ(2)を、ベース板(4)の細いガラス縁から奥まらせてEVAフィルム上に敷き、そして周囲に走る枠を及びそれ故、ベース板(4)とカバー板(4)との間に板間空間(5)を形成する、長手方向に敷かれたガラススペーサ(1)上及び水平に敷かれたアルミニウムスペーサ(2)またはプラスチックスペーサ(
2)上に、同様に細いEVAフィルムテープ(3)を重ねて敷き、そしてEVAフィルム(3)が上に敷かれた前記の枠上に、カバー板(4)を敷き、そしてこの複合材全体を締め付けて固定し、次いで積層プロセスを約135℃で積層炉中で行い、そして積層プロセスの完了後に、慣用の方法に従ってアルミニウムスペーサ(2)またはプラスチックスペーサ(2)の縁を封止し及び絶縁ガラス要素の板間空間(5)に希ガスを充填することを特徴とする、前記方法。
【請求項7】
店舗装備品、冷却設備及び特殊な展示ケースの使用分野のための透明な縁結合を有する複層ドアのための絶縁ガラス要素を、グラニュールの形態のエチレン-酢酸ビニルコポリマーを用いて製造する方法であって、グラニュール形態のエチレン-酢酸ビニルコポリマーを供給装置中、130~145℃で液化し、そして糸状のストリップとして、垂直
領域では該絶縁ガラス要素のベース板(4)の外側の縁からスペーサ厚の半分の間隔をあけてベース板(4)上に施与し、かつ水平の領域では外側のガラス縁から約15mm奥まらせて施与し、次いで、ガラススペーサ(1)を外側のガラス縁と面一に、かつアルミニウムスペーサ(2)またはプラスチックスペーサ(2)を、長手側のガラススペーサ(1)に対して垂直に、コポリマーのストリップ上に敷き、そして長手方向に敷かれたガラススペーサ(1)と横方向に敷かれたアルミニウムスペーサ(2)またはプラスチックスペーサ(2)とからなる、ベース板(4)上のこの枠上において、全てのスペーサ(1、2)上にコポリマーの糸状のストリップを施与し、そうしてからカバー板(4)を敷き、そして今や完全な絶縁ガラス要素を締め付けて固定し、次いで、積層プロセスを約135℃で積層炉中で行い、そして積層プロセスの完了後に、慣用の方法に従って、アルミニウムスペーサ(2)またはプラスチックスペーサ(2)の縁を封止し、そして該絶縁ガラス要素の板間空間(5)に希ガスを充填することを特徴とする、前記方法。
【請求項8】
請求項7に記載の絶縁ガラス要素の製造方法であって、エチレン-酢酸ビニルコポリマーの施与を供給装置を用いて、スペーサ(1、2)及びカバー板(4)の敷設をロボットを用いて行うことを特徴とする、前記方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
店舗装備品、冷却設備及び特殊な展示ケースの使用分野のための、透明な縁結合を有する複層ドア用の絶縁ガラス要素。
【背景技術】
【0002】
冷却設備、店舗装備品及び特殊な展示ケースの領域では、絶縁ガラスは、5℃の温度または5℃未満の温度、いわゆる低温範囲で、特に食品を貯蔵しかつ同時にこれらを消費者に提供できるようにするために使用される。このためには、ガラスドアを備えた冷却棚も使用される。ガラスドアの互いに並行に据え付けられた二枚の板の間の間隔保持部材としては、建築術における絶縁ガラスの場合と同じ原理に従い、従来は中でもアルミニウム製の間隔保持部材が使用されてきた。
【0003】
ガラス板と間隔保持部材との間の気密な結合を達成するために、プラクチスでは、持続弾性に硬化する黒色の組成物であるブチル紐を押出機を用いて施与してきた。アルミニウム異形材は、板の内部に対して穿孔されている。アルミニウム異形材の中空空間には、水結合性の材料、例えばシリカゲルまたは分子篩が存在する。二つの板の間に閉じ込められた空気は湿気を含み、この湿気は、露点を下回ると、板複合体の内部中でガラス板上に霜として凝縮するであろう。ここで、水結合材は、前記湿気を最大でこの材料の飽和限界まで結合する。ブチル紐及び外側のシール剤、例えばポリスルフィドにおける漏れを介した二つの板の間への新しい空気の侵入は起こらないため、凝縮水形成のリスクは持続的に排除される。
【0004】
最後に、挿入されたアルミニウム異形材は、外側に対してはシール材でも周辺がガラスと接合されている。それ故、シール材及びブチル紐は二重の封止系を形成する。
【0005】
例えば、DE202013012171U1(特許文献1)には、一つの垂直面に存在する入出開口部を有する、食品の保存のための冷蔵庫が開示されており、前記冷蔵庫は、旋回可能もしくは移動可能で、複層ガラス式の冷蔵庫ドアによって閉鎖可能であり、この際、前記冷蔵庫ドアは、少なくとも二つの透明なガラス板を有し、これらのガラス板は、縁側の隔離要素によって互いに隔離されており、この際、冷蔵庫ドアの透明な垂直な縁には、透明な材料でできた垂直な透明な隔離要素が設けられており、支持用のフレーム要素は設けられておらず、ここで、前記の垂直な透明な隔離要素は、前記の二枚のガラス板を互いに結合しかつ一定の間隔で互いに保持し、前記冷蔵庫ドアの下側の水平な縁では、前記隔離要素は中空異形材として形成されており、ここでこの中空異形材は、ガラス板間の空間に対して複数の開口部を有しており及び前記中空隔離要素には、前記中間空間から湿気を吸収するのに役立つ乾燥剤が満たされている。
【0006】
建築術の領域では、複合要素は、枠中にはめ込まれる、すなわち封止領域は、窓枠によって覆われるため、観察者の視界にない。そうでなければ、冷却設備-店舗装備品におけるドアのアルミニウムまたは他の慣用の原材料でできた、複合要素の各々の垂直に延びる間隔保持部材の外形は、品物のプレゼンテーションを邪魔されず見て購入を決めたい消費者にとって視界の邪魔になる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の課題は、冷却設備の複層式ドアにおいて、要求される安定性を維持しながら、スペーサとしての内部のアルミニウム異形材を部分的にもしくは完全に無しで済ませ、かつ全ての他の間隔保持部材(スペ-サ)を透明なガラス製間隔保持部材(スペ-サ)に置き換えること、及び対応する製造方法を創造することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
ガラススペーサ、好ましくはソーダ石灰ガラスロッドと、両ガラス板との間の結合は、コポリマー、好ましくはフィルムの形態またはグラニュールの形態のエチレン-酢酸ビニルコポリマーを用いて積層することによって行われる。それによって、持続的な複合体が形成され、そのため冷橋が同時に排除される。
【0009】
この複合体は、無色透明の三次元架橋をベースとする。低温領域でのこのようなガラスドアの使用は問題なく可能である。露点を下回ることによる凝縮水の生成は起こらない。コポリマーとガラスとのこのタイプの架橋は、層間剥離、湿分の浸透、及びコポリマーとガラスとの間の剥離現象を確実に防止する。
【0010】
技術的な詳細部を備えた本発明の実施例を図面に基づいてより詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、ガラスドアの一角の一区画の平面図である。
【
図2】
図2は、ガラスドアの一角の一区画の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
各々の使用される平面ガラス4は、様々な厚さを有することができ、及び工業用特殊ガラスも含む様々なタイプのガラスからなることができ、そして慣用の方法により切断、研磨及び洗浄されている。
【0013】
ガラススペーサ1、好ましくはソーダ石灰ガラスからなるガラススペーサ1は切断され、そして若干の面取り幅を有する研磨された縁を持つように研磨される。
【0014】
使用されたEVAフィルム3、好ましくは0.38mmの厚さまたはこれの数倍の厚さを有するEVAフィルム3は、ガラススペーサ1の土台幅に合わせてストリップ状に切断されてEVEフィルムテープ3とされている。
【0015】
必要な慣用の間隔保持部材2、好ましくはアルミニウムスペーサ2は、少なくとも水平に絶縁ガラスドアの下方に据え付けられ、そして通気のための孔が設けられている。これは、乾燥剤(シリカゲルまたは分子篩)で満たされている。分子篩が漏れ出るのを防ぐために、各々の異形材の末端中には数センチメータの発泡体の栓が詰め込まれる。好ましくは、プラスチックでできたコーナーコネクタが異形材端部に挿入される。
【0016】
アルミニウムスペーサ2は、プラスチックスペーサ2に置き換えることもできる。
【0017】
絶縁ガラス要素のベース板4上には、ストライプ状に切断されたEVAフィルム3が(外側のガラス板縁と面一に)敷かれている。フィルムストリップ3の末端は、縦のストリップと横のストリップとが3~5mm重なっている。それにより、炉中での積層プロセスの間に、閉鎖系が達成され、これが、非常に本質的に絶縁ガラス板の高いガス気密性のために役立つ。
【0018】
ガラススペーサ1は、同様に外側のガラス縁と面一にEVAフィルムテープ3上に存在する。長手側のガラススペーサ1に対して直角に、アルミニウムスペーサ2が、ベース板4の細いガラス縁から約10~15mm奥まって敷かれている。
【0019】
ベース板4上のこうして形成されたフレームが、ベース板4とカバー板4との間の間隔を与える。この間隔は非常に様々なものとすることができ、一般的には8mm以上である。
【0020】
長手方向に敷かれたガラススペーサ1と横方向に敷かれたアルミニウムスペーサ2とから構成されるこのフレーム上にも、細いEVAフィルムテープ3が敷設される。これらのEVAフィルムテープ3の幅は、スペーサ1、2の幅によって決定される。これらのEVAフィルムテープ3は、積層プロセスにおいて、軟質のエチレン-酢酸ビニルコポリマーが板間の空間5中に入り込まないように、内側及び外側に対し比較的幅広ではなく、むしろ若干比較的細くなっている。各々の端点でも、EVAフィルムテープ3は重なり合って敷かれている。これらのEVAフィルムテープ3上には、カバー板4が設置される。
【0021】
それにより、板複合体(絶縁ガラスドア)としての該複合ガラス要素は、ベース板4及びカバー板4と、それらの間のスペーサ1及び2、並びにベース板4とスペーサ1及び2との間の下側のEVAフィルムテープ3、並びにスペーサ1及び2とカバー板4との間の上側のEVAフィルムテープ3から構成される。
【0022】
統合された絶縁ガラス要素を積層炉中に入れる前に、この絶縁ガラス要素を締め付けて固定する。それによって、この複合体の搬送及び積層炉中への装入の時に、いまだ緩い構成要素さえ、個々の構成要素の位置ずれが避けられ、かつこれと同時にこれに対するEVAフィルムの領域における圧力が生じ、これは、ガラス板4とスペーサ1、2との間の最適な結合をもたらす。
【0023】
積層過程の後、該複合要素の上側及び下側の縁の封止は、従来の方法で、すなわち横方向に敷かれたアルミニウムスペーサ2までの上側及び下側のガラス板4の間の中間空間に、適切な封止剤、好ましくは黒色のポリススルフィドを充填することによって行われる。同様に慣用の方法に従って、板間空間(SZR)5は、希ガス、好ましくはアルゴンまたはクリプトンで満たされる。その充填プロセスは、アルミニウムスペース2中に設けられた弁を介して行われる。
【0024】
特殊な用途のためには、3枚以上のガラス板4を使用した多複合板も製造できる。
【0025】
カバー及びベース板4は、異なるガラス厚さの通常のフロートガラスからなることができる。しかし、他の製造方法の板ガラス4も、板厚公差がそのような板複合体を許容する場合には使用できる。
【0026】
軟質及び硬質にコーティングされた表面を備えた特殊な板ガラス、強化ガラス(ESG)及び合わせガラス(VSG)も同様に、当該複合体に組み入れることができる。
【0027】
平坦な(平らな)複合要素の製造の他に、湾曲した平坦ガラス4、例えば円柱状の板4及び複数の半径を有する板4を備えた要素の製造も可能である。これらの場合には、ガラススペーサ1は、予めガラス板用曲げ加工炉中で、重力式曲げ加工法を用いて所望の形態に変形し、その後に使用される。
【0028】
EVAフィルムは、グラニュール形態のエチレン-酢酸ビニルコポリマーを加熱して液化することにより置き換えることができる。この際、方法は変更される。この場合、好ましくは、該方法は、ロボットを用いて自動化することができる。グラニュールの形のエチレン-酢酸ビニルコポリマーを使用する該方法では、該コポリマーは、供給装置中で130~145℃の温度で液化し、そしてスペーサ厚の半分の間隔で、該絶縁ガラス要素のベース板4の縁に糸状のストリップとしてベース板4上に供給して施与する。次いで、ガラススペーサ1を、同様に外側のガラス縁と面一にコポリマーの前記ストリップ上に敷き、長手側のガラススペーサ1に対して直角に、アルミニウムスペーサ2またはプラスチックスペーサ2を、ベース板4の細いガラス縁から約10~15mm奥まらせて敷く。長手方向に敷かれたガラススペーサ1と横方向に敷かれたアルミニウムスペーサ2またはプラスチックスペーサ2とからなる、ベース板4上のこの枠上で、コポリマーの糸状のストリップを全てのスペーサ1、2上に施与する。そうしてから、カバー板4を敷き、そしてガラス複合体全体を締め付けて固定する。次いで、積層プロセスを積層炉中約135℃で行い、そしてこの積層プロセスの完了後に、慣用の方法に従い、アルミニウムスペーサ2またはプラスチックスペーサ2の縁を封止し、そしてこの絶縁ガラス要素に希ガスを充填する。
本願は特許請求の範囲に記載の発明に係るものであるが、本願の開示は以下も包含する。
1.
店舗装備品、冷却設備及び特殊な展示ケースの使用分野のための、透明な縁結合を有する複層ドアのための絶縁ガラス要素であって、
ベース板(4)とカバー板(4)との間で、ドアの垂直な縁領域にかつ上側の水平領域にガラススペーサ(1)がまたは両方の水平な領域にアルミニウムもしくはプラスチックスペーサ(2)が配置されており、及びベース板(4)とスペーサ(1、2)との間にかつスペーサ(1、2)とカバー板(4)との間に、EVAフィルムテープ(3)が存在し、ここで、前記EVAフィルムテープ(3)は、水平なスペーサ(2)から垂直なスペーサ(1)への四つの端点において、重なって配置されていることを特徴とする、前記絶縁ガラス要素。
2.
ガラススペーサ(1)が好ましくはソーダ石灰ガラスから切り出されているものであることを特徴とする、前記1.に記載の絶縁ガラス要素。
3.
ガラススペーサ(1)が研磨されており、かつ研磨された縁が0.5mmの面取り幅を有することを特徴とする、前記1.または2.に記載の絶縁ガラス要素。
4.
前記EVAフィルム(3)が、0.38mmの厚さまたはこれの数倍の厚さを有することを特徴とする、前記1.~3.のいずれか一つに記載の絶縁ガラス要素。
5.
前記EVAフィルムの代わりに、多重架橋剤としてのグラニュールの形態のエチレン-酢酸ビニルコポリマーが、ガラス板(4)とスペーサ(1、2)との間に、加熱の結果として液体の形で使用されることを特徴とする、前記1.~4.のいずれか一つに記載の絶縁ガラス要素。
6.
店舗装備品、冷却設備及び特殊な展示ケースの使用分野のための透明な縁結合を有する複層ドアのための絶縁ガラス要素を、EVAフィルムテープを用いて製造する方法であって、絶縁ガラス要素のベース板(4)上で、ストリップの形態に切断されたEVAフィルム(3)を、垂直な領域では外側の板縁と面一に、かつ水平な領域では外側のガラス縁から約15mm奥まらせてベース板(4)上に敷き、この際、フィルムストリップ(3)の末端を縦ストリップと横ストリップとが3~5mm重なるように敷き、次いでガラススペーサ(1)を、同様に外側のガラス縁と面一にEVAフィルムテープ(3)上に敷き、長手側のガラススペーサ(1)に対して垂直にアルミニウムスペーサ(2)またはプラスチックスペーサ(2)を、ベース板(4)の細いガラス縁から奥まらせてEVAフィルム上に敷き、そして周囲に走る枠を及びそれ故、ベース板(4)とカバー板(4)との間に板間空間(5)を形成する、長手方向に敷かれたガラススペーサ(1)上及び水平に敷かれたアルミニウムスペーサ(2)またはプラスチックスペーサ(2)上に、同様に細いEVAフィルムテープ(3)を重ねて敷き、そしてEVAフィルム(3)が上に敷かれた前記の枠上に、カバー板(4)を敷き、そしてこの複合材全体を締め付けて固定し、次いで積層プロセスを約135℃で積層炉中で行い、そして積層プロセスの完了後に、慣用の方法に従ってアルミニウムスペーサ(2)またはプラスチックスペーサ(2)の縁を封止し及び絶縁ガラス要素の板間空間(5)に希ガスを充填することを特徴とする、前記方法。
7.
店舗装備品、冷却設備及び特殊な展示ケースの使用分野のための透明な縁結合を有する複層ドアのための絶縁ガラス要素を、グラニュールの形態のエチレン-酢酸ビニルコポリマーを用いて製造する方法であって、グラニュール形態のエチレン-酢酸ビニルコポリマーを供給装置中、130~145℃で液化し、そして糸状のストリップとして、垂直領域では該絶縁ガラス要素のベース板(4)の外側の縁からスペーサ厚の半分の間隔をあけてベース板(4)上に施与し、かつ水平の領域では外側のガラス縁から約15mm奥まらせて施与し、次いで、ガラススペーサ(1)を外側のガラス縁と面一に、かつアルミニウムスペーサ(2)またはプラスチックスペーサ(2)を、長手側のガラススペーサ(1)に対して垂直に、コポリマーのストリップ上に敷き、そして長手方向に敷かれたガラススペーサ(1)と横方向に敷かれたアルミニウムスペーサ(2)またはプラスチックスペーサ(2)とからなる、ベース板(4)上のこの枠上において、全てのスペーサ(1、2)上にコポリマーの糸状のストリップを施与し、そうしてからカバー板(4)を敷き、そして今や完全な絶縁ガラス要素を締め付けて固定し、次いで、積層プロセスを約135℃で積層炉中で行い、そして積層プロセスの完了後に、慣用の方法に従って、アルミニウムスペーサ(2)またはプラスチックスペーサ(2)の縁を封止し、そして該絶縁ガラス要素の板間空間(5)に希ガスを充填することを特徴とする、前記方法。
8.
前記7.に記載の絶縁ガラス要素の製造方法であって、エチレン-酢酸ビニルコポリマーの施与を供給装置を用いて、スペーサ(1、2)及びカバー板(4)の敷設をロボットを用いて行うことを特徴とする、前記方法。
【符号の説明】
【0029】
1 ガラススペーサ、スペーサ
2 アルミニウムスペーサ、間隔保持部材、プラスチックスペーサ、スペーサ
3 EVAフィルム、EVAフィルムテープ、フィルムストリップ
4 板、ガラス板、平坦ガラス、ベース板、カバー板
5 板間空間、SZR