(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-02
(45)【発行日】2022-03-10
(54)【発明の名称】コードレス・トレッドミル
(51)【国際特許分類】
A63B 22/02 20060101AFI20220303BHJP
A63B 24/00 20060101ALI20220303BHJP
【FI】
A63B22/02
A63B24/00
(21)【出願番号】P 2020117671
(22)【出願日】2020-07-08
(62)【分割の表示】P 2017540970の分割
【原出願日】2015-10-21
【審査請求日】2020-07-08
(32)【優先日】2014-10-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】521213288
【氏名又は名称】エイシー インベストメンツ, インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】ATHEY INVESTMENTS,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100121728
【氏名又は名称】井関 勝守
(72)【発明者】
【氏名】エシィ, ブレット
【審査官】宮本 昭彦
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2012/0010048(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0011642(US,A1)
【文献】特開2005-296649(JP,A)
【文献】米国特許第05676624(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63B 1/00 - 26/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コードレストレッドミルであって、
フレーム、ベルトシステム、傾斜調整システム、および発電機システムを備えるデッキ組立体と、
ユーザーに情報を表示するために前記デッキ組立体の上に電子ディスプレイデバイスを支持するディスプレイ組立体とを備え、
前記ベルトシステムは、前方ローラーから前記フレームへ横方向に延びる前方軸周りを回転するように構成された前方ローラーと、後方ローラーから前記フレームへ横方向に延びる後方軸周りを回転するように構成された後方ローラーと、前記前方ローラー及び前記後方ローラーの周りに配置されたベルトと、前記前方ローラーより小さい直径であり、前記ベルトを支持して前記前方ローラーと前記後方ローラーの間に位置する複数の支持ローラーとを備え、
前記傾斜調整システムは、水平面に対して前記フレームの前方端部に高さの変化をもたらすよう構成されたリフトモーターを備え、
前記発電機システムは、前記前方ローラーまたは前記後方ローラーの少なくとも1つに接続され前記前方ローラーまたは前記後方ローラーの少なくとも1つの前記フレームに対する回転の結果として電気を生成するよう構成されたフライホイール発電機を備え、前記フライホイール発電機は、前記電子ディスプレイデバイスと前記リフトモーターによって使用される電力を生成するよう構成され、
前記デッキ組立体は、ユーザーの体重を測定するための体重センサーをさらに備え
、
前記フライホイール発電機は、前記ベルトシステムと前記フライホイール発電機の間のギア比を変更可能なトランスミッションを介して、前記前方ローラーまたは前記後方ローラーの少なくとも1つに接続され、
前記発電機システムは、
前記体重センサーを使ってユーザーの体重を測定し、
前記測定されたユーザーの体重と1以上のトレッドミル設定に基づいて利用可能トルクを決定し、
前記測定されたユーザーの体重に基づいて前記ベルトの動作を開始するために用いられるトルク量に相当する必要トルクを決定し、
前記利用可能トルクと前記必要トルクに基づいて前記ギア比を設定するよう構成されている、コードレストレッドミル。
【請求項2】
前記1以上のトレッドミル設定は、傾斜設定を備える、請求項
1記載のコードレストレッドミル。
【請求項3】
前記傾斜調整システムは、
第1端と第2端を有するレバーを備え、前記レバーは、前記第1端で前記フレームに回転可能に接続され、前記第2端で1以上のホイールを備え、
前記フレームと前記レバーの間に機能上位置するリフトアシストシステムを備え、前記リフトアシストシステムは、前記フレームの前記前方端部の高さを上昇させる方向でレバーに力を加え、前記フレームの前記前方端部の高さを上昇させるのに前記リフトモーターによって必要とされる電力の量を減らすよう構成されている、請求項1~
2のいずれか一項に記載のコードレストレッドミル。
【請求項4】
前記リフトアシストシステムは、1以上のスプリングを備える、請求項
3に記載のコードレストレッドミル。
【請求項5】
前記1以上のスプリングのそれぞれは、
68キログラム(kg)までの重さのものを持ち上げ可能である、請求項
4に記載のコードレストレッドミル。
【請求項6】
前記リフトアシストシステムは、1以上のガススプリングを備える、請求項
3に記載のコードレストレッドミル。
【請求項7】
前記リフトアシストシステムは、前記フレームの左側に近接して位置する一方ガススプリングおよび前記フレームの右側に近接して位置する他方ガススプリングを有する一対のガススプリングを備える、請求項
3に記載のコードレストレッドミル。
【請求項8】
前記傾斜調整システムは、リニアアクチュエータを備え、前記リニアアクチュエータは前記リフトモーターを備える、請求項1~
7のいずれか一項に記載のコードレストレッドミル。
【請求項9】
前記傾斜調整システムは、傾斜センサーを備え、
前記電子ディスプレイデバイスは、前記傾斜センサーによって測定された傾斜の現在のレベルを表示するよう構成されている、請求項1~
8のいずれか一項に記載のコードレストレッドミル。
【請求項10】
前記電子ディスプレイデバイスまたは前記リフトモーターの少なくとも1つに電力を与えるために、前記
フライホイール発電機によって生成された電力を蓄えるよう構成されたバッテリーをさらに備える、請求項1~
9のいずれか一項に記載のコードレストレッドミル。
【請求項11】
前記電子ディスプレイデバイスは、LEDライトディスプレイを備える、請求項1~
10のいずれか一項に記載のコードレストレッドミル。
【請求項12】
前記電子ディスプレイデバイスは、ビデオスクリーンを備える、請求項1~
11のいずれか一項に記載のコードレストレッドミル。
【請求項13】
前記ディスプレイ組立体は、前記デッキ組立体の上に前記電子ディスプレイデバイスを支持する台座を備える、請求項1~
12のいずれか一項に記載のコードレストレッドミル。
【請求項14】
前記フレームは、前記前方ローラーまたは前記後方ローラーの一方または両方が前記フレーム内に降ろされるときに前記ベルトシステムの前記ベルトに張力がかかるように適合されている、請求項1~
13のいずれか一項に記載のコードレストレッドミル。
【請求項15】
前記フレームは、前記前方ローラーまたは前記後方ローラーの一方または両方が前記フレーム内に降ろされるときに前記ベルトシステムの前記ベルトに張力がかかるように、前記前方軸または前記後方軸を受けるよう適応される1以上の湾曲状のスロットを備える、請求項
14に記載のコードレストレッドミル。
【請求項16】
前記複数の支持ローラーは、ローラーカートリッジの一部である、請求項1~
15のいずれか一項に記載のコードレストレッドミル。
【請求項17】
前記ローラーカートリッジは、互いに横方向に隣接して位置し、前記ベルトが複数列のローラーによって支持されるとき、前記ベルトが実質的に平らな歩行面または走行面を形成するように位置する複数列のローラーを備える、請求項
16に記載のコードレストレッドミル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[相互参照]
本願は、合衆国法典第35巻第119条のもと、2014年10月23日出願の米国特許出願第62/067,930号に基づく優先権を主張し、該出願の全体が言及によって本願明細書に組み込まれる。
【0002】
[技術分野]
本発明は、トレッドミルなどの運動器具に関する。
【背景技術】
【0003】
従来のコードレス・トレッドミルは大きく、組み立てが困難である。さらに、体重の軽いユーザーにとって、従来のコードレス・トレッドミルのベルトの開始及び停止は困難で有り得る。
【発明の概要】
【0004】
本開示を要約する目的で、本発明の所定の態様、有利性及び新規の特徴が本明細書に記載されている。本明細書に開示される発明についての任意の特定の実施形態によって、そうした有利性のすべてが必ずしも達成され得るわけではないことが理解される。つまり、本明細書に開示される発明は、本明細書に教示又は提示されるような1つの有利性又は有利性のまとまりを達成又は最適化する方法で、その他を必ずしも達成することなく、具体化又は実現され得る。
【0005】
本明細書に記載される実施形態は、円滑に開始及び停止する特性を有する自己推進トレッドミルを包含する。例として、一体型フライホイール発電機、及びギア系、及びトレッドミルデッキのたわみ量を検出するように構成されたセンサーにより、ユーザーの体重を問わないトレッドミルベルトの円滑な開始運転を行うことが可能であり得る。種々の実施形態において、トレッドミルは可変衝撃吸収系も含み得、これは、ユーザーがトレッドミル上を歩行又は走行するときにトレッドミルデッキのたわみの測定及び状態の維持を行うセンサー及び吸収部材を包含し得る。
【0006】
一実施形態において、コードレス・トレッドミルは、フレーム、ベルトシステム、及びカートリッジを包含し、該フレームは、第1側面、第1側面に対向する第2側面、及び底面を備え、側面に複数の開口部をさらに備え、第1側面、第2側面、及び底面が、トレッドミルの長さ方向に通常は延びるU形状チャンネルを規定するように、第1側面と第2側面とが底面に対して通常直交し、該ベルトシステムは、前方軸を回転するように構成された前方ローラーと後方軸を回転するように構成された後方ローラーとを備え、前方軸及び後方軸はそれぞれ、フレームにおける前方ローラー及び後方ローラーの回転を支持及び可能にするように、前方ローラー及び後方ローラーから横方向に延び、さらに前方ローラー及び後方ローラーの周りに配置されたベルトを備え、該カートリッジは、フレームの幅に沿って延びる長さ方向軸を有する第1のローラーと、第1のローラーに隣接し、第1のローラーとは横方向に間隔があり、フレームの幅に沿って延びる長さ方向軸を有する第2のローラーとを備え、フレームの幅に沿って延びる第1の共線状ローラーと第2の共線状ローラーとをさらに備え、設置されるローラーの各側から第1のタブと第2のタブとが横方向に延びるように、第1のローラー及び第2のローラーと第1の共線状ローラー及び第2の共線状ローラーとのそれぞれに取り付けられた少なくとも1つの接続部をさらに備え、第1のローラーの長さ方向軸と第2のローラーの長さ方向軸とは所定の距離だけ互いにオフセットされており、第1の共線状ローラー及び第2の共線状ローラーのそれぞれは、第
1の共線状ローラーが、第2の共線状ローラーに対して、第1のローラー及び第2のローラーの反対側にあるように、第1のローラー及び第2のローラーと隣接し、カートリッジは、ベルトシステムにおいて連続的であるベルトがカートリッジ上を回転し且つカートリッジによって支持されるように構成され、フレームは、ベルトシステムとカートリッジとがフレーム内に降ろされるときにベルトシステムとカートリッジとを受けるように適応され、且つベルトシステムがフレーム内に降ろされるときにベルトシステムのベルトに張力がかかるように適応される。一部の実施形態において、フレームの側面における開口部の少なくとも1つは、ベルトシステムがフレームの側面の開口部内に降ろされるときにベルトシステムのベルトに張力がかかるように、フレームの側面における作動経路に延びる作動形状を有する。
【0007】
他の実施形態において、コードレストレッドミルは、フレーム、ベルトシステム、カートリッジ、及びフライホイール発電機系を包含し、該フレームは、第1側面、第1側面に対向する第2側面、及び底面を備え、側面に複数の開口部をさらに備え、第1側面、第2側面、及び底面が、トレッドミルの長さ方向に通常は延びるU形状チャンネルを規定するように、第1側面と第2側面とが底面に対して通常直交し、該ベルトシステムは、前方軸を回転するように構成された前方ローラーと後方軸を回転するように構成された後方ローラーとを備え、前方軸及び後方軸はそれぞれ、フレームにおける前方ローラー及び後方ローラーの回転を支持及び可能にするように、前方ローラー及び後方ローラーから横方向に延び、さらに前方ローラー及び後方ローラーの周りに配置されたベルトを備え、該カートリッジは、フレームの幅に沿って延びる長さ方向軸を有する第1のローラーと、第1のローラーに隣接し、第1のローラーとは横方向に間隔があり、フレームの幅に沿って延びる長さ方向軸を有する第2のローラーとを備え、フレームの幅に沿って延びる第1の共線状ローラーと第2の共線状ローラーとをさらに備え、設置されたローラーの各側から第1のタブと第2のタブとが横方向に延びるように、第1のローラー及び第2のローラーと第1の共線状ローラー及び第2の共線状ローラーとのそれぞれに取り付けられた少なくとも1つの接続部をさらに備え、第1のローラーの長さ方向軸と第2のローラーの長さ方向軸とは所定の距離だけ互いにオフセットされており、第1の共線状ローラー及び第2の共線状ローラーのそれぞれは、第1の共線状ローラーが第2の共線状ローラーに対して第1のローラー及び第2のローラーの反対側にあるように、第1のローラー及び第2のローラーと隣接し、該フライホイール発電機系は、電気を生成し且つ前方ローラーの初期回転抵抗を制御するために前方ローラーの回転がフライホイール発電機系のギア組立体を回転させるように、前方ローラーに回転可能に接続され、カートリッジは、ベルトシステムにおいて連続的であるベルトがカートリッジ上を回転し且つカートリッジによって支持されるように構成され、フレームは、ベルトシステムとカートリッジとがフレーム内に降ろされるときにベルトシステムとカートリッジとを受けるように適応され、且つベルトシステムがフレーム内に降ろされるときにベルトシステムのベルトに張力がかかるように適応される。
【0008】
さらに他の実施形態において、コードレストレッドミルは、フレーム、ベルトシステム、カートリッジ、及びフライホイール発電機系を包含し、該フレームは、第1側面、第1側面に対向する第2側面、及び底面を備え、側面に複数の開口部をさらに備え、第1側面、第2側面、及び底面が、トレッドミルの長さ方向に通常は延びるU形状チャンネルを規定するように、第1側面と第2側面とが底面に対して通常直交し、該ベルトシステムは、前方軸を回転するように構成された前方ローラーと後方軸を回転するように構成された後方ローラーとを備え、前方軸及び後方軸はそれぞれ、フレームにおける前方ローラー及び後方ローラーの回転を支持及び可能にするように、前方ローラー及び後方ローラーから横方向に延び、さらに前方ローラー及び後方ローラーの周りに配置されたベルトを備え、該カートリッジは、フレームの幅に沿って延びる長さ方向軸を有する第1のローラーと、第1のローラーに隣接し、第1のローラーとは横方向に間隔があり、フレームの幅に沿って延びる長さ方向軸を有する第2のローラーとを備え、フレームの幅に沿って延びる第1の
共線状ローラーと第2の共線状ローラーとをさらに備え、設置されたローラーの各側から第1のタブと第2のタブとが横方向に延びるように、第1のローラー及び第2のローラーと第1の共線状ローラー及び第2の共線状ローラーとのそれぞれに取り付けられた少なくとも1つの接続部をさらに備え、第1のローラーの長さ方向軸と第2のローラーの長さ方向軸とは所定の距離だけ互いにオフセットされており、第1の共線状ローラー及び第2の共線状ローラーのそれぞれは、第1の共線状ローラーが、第2の共線状ローラーに対して、第1のローラー及び第2のローラーの反対側にあるように、第1のローラー及び第2のローラーと隣接し、該フライホイール発電機系は、電気を生成し且つ前方ローラーの初期回転抵抗を制御するために前方ローラーの回転が前方ローラーとともに構成された発電機を回転させるように、前方ローラーに回転可能に接続され、カートリッジは、ベルトシステムにおいて連続的であるベルトがカートリッジ上を回転し且つカートリッジによって支持されるように構成され、フレームは、ベルトシステムとカートリッジとがフレーム内に降ろされるときにベルトシステムとカートリッジとを受けるように適応され、且つベルトシステムがフレーム内に降ろされるときにベルトシステムのベルトに張力がかかるように適応される。
【0009】
一部の実施形態において、トレッドミルはトレッドミル用可変衝撃吸収系をさらに含み、該可変衝撃系は、トレッドミルの歩行面に取り付けられた少なくとも1つのショック吸収部と、トレッドミルの歩行面に取り付けられ、トレッドミルの歩行面のたわみ量を測定するように構成された少なくとも1つのセンサーと、トレッドミルの歩行面のたわみ量によって衝撃吸収量が調節され得るように、少なくとも1つのショック吸収部及び少なくとも1つのセンサーに接続された制御系とを備える。
【0010】
一部の実施形態において、トレッドミルは、少なくとも1つのセンサーと制御系とを備えた自動停止システムをさらに含み、制御系は、所定率のユーザー体重が予想使用位置から所定距離の移動をしたときにトレッドミルベルトを減速又は停止するように構成される。
【0011】
一部の実施形態において、トレッドミルは、視覚フィードバックをユーザーに表示する複数のライトと、少なくとも1つのセンサーと、制御系とを備えた視覚フィードバックシステムをさらに含み、制御系は、トレッドミルベルト上の持続時間又は圧力の大きさを示す少なくとも1つのセンサーから少なくとも1つの信号を受信し、持続時間又は圧力の大きさが所定の所望の範囲内か又所望でない範囲内に入るかを決定し、検出された持続時間又は圧力が所望の範囲内か又は所望でない範囲内かを点灯して示すために複数のライトの少なくとも1つをトリガーするように構成される。
【0012】
一部の実施形態において、フレームは、前方部分が後方部分よりも高さが高くなるように、くさび形状を有する。一部の実施形態において、トレッドミルは、リフトアクチュエーターと複数のスプリングとをさらに備え、スプリングとアクチュエーターとは、トレッドミルを所望の傾斜に上昇させるためにリフト力を与えるように構成される。一部の実施形態において、スプリングはガススプリングである。
【0013】
一部の実施形態において、トレッドミルは、トレッドミルのベルトシステム上におけるユーザーのステップの位置を測定するためにフレームに接続された複数のステップ検出センサーをさらに備え、トレッドミルベルトが回転するときにユーザーの体重はベルトの前方部分からベルトの後方部分に移動し、複数のステップ検出センサーの1つ以上がベルトの前方部分に起因しないステップを検出する場合に、制御系はトレッドミルベルトを減速及び停止して、ユーザーのけがを防止する。
【0014】
他の実施形態において、トレッドミル用の可変衝撃吸収系は、トレッドミルの歩行面に
取り付けられた少なくとも1つのショック吸収部と、トレッドミルの歩行面に取り付けられ、トレッドミルの歩行面のたわみ量を測定するように構成された少なくとも1つのセンサーと、トレッドミルの歩行面のたわみ量によって衝撃吸収量が調節され得るように少なくとも1つのショック吸収部及び少なくとも1つのセンサーに接続された制御系と、を包含する。
【0015】
さらに他の実施形態において、トレッドミルは、フレームと回転軸とを含み、該フレームは、第1側面、第2側面、及び第1側面と第2側面との間に少なくとも部分的に延びる底面を包含し、第1側面、第2側面、及び底面はU形状チャンネルを規定し、第1側面は、第1側面の上端部から底面に向かって延びる第1の開口部を包含し、第2側面は、第2側面の上端部から底面に向かって延びる第2の開口部を包含し、該回転軸は、少なくとも第1の開口部から第2の開口部に延び、第1側面及び第2側面は、回転軸が第1の開口部及び第2の開口部に降ろされるときに、回転軸を受けて固定するように適応される。
【0016】
他の実施形態において、トレッドミルは、フレーム、並びにフレームに連結され、第1のローラー、及び第1のローラーに隣接し且つ第1のローラーから横方向に間隔が空いた第2のローラーを備えたカートリッジを包含し、第1のローラーの長さ方向軸はフレームの幅に沿って延び、第2のローラーの長さ方向軸はフレームの幅に沿って延び、第1のローラーの長さ方向軸と第2のローラーの長さ方向軸とは所定の距離だけ互いにオフセットされる。一部の実施形態において、所定の距離は第1のローラーの直径の2分の1である。一部の実施形態において、所定の距離は第1のローラーの直径の4分の1である。
【0017】
さらに他の実施形態において、トレッドミルベルトの回転を制御する方法は、トレッドミルのユーザーの体重を測定することと、トレッドミルのユーザーの体重と1つ以上のトレッドミル設定とに基づいて利用可能トルクを決定することと、トレッドミルのユーザーの体重に基づいて必要トルクを決定することと、利用可能トルクと必要トルクとに基づいてフライホイール発電機のギア比を設定することとを含み、必要トルクは、ユーザーの動作に応じてトレッドミルベルトの動作を開始するために用いられるトルク量に相当する。一部の実施形態において、トレッドミルのユーザーの体重を測定することは、ユーザーがトレッドミルデッキに乗った後にトレッドミルデッキのたわみを測定することを含む。一部の実施形態において、1つ以上のトレッドミル設定は、トレッドミルデッキの傾斜を含む。一部の実施形態において、利用可能トルクを決定することは、1つ以上のトレッドミル部材に関連した摩擦にさらに基づく。
【0018】
図面全般において、参照構成要素間の対応を示すために参照符号が再び使用され得る。図面は、本明細書に記載の発明の実施形態を表すために示され、その範囲を限定するためのものではない。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1A】
図1Aは、一実施形態における、以下に記載される少なくとも一部の特徴を備えたコードレス・トレッドミルを示す。
【
図1B】
図1Bは、一実施形態における、以下に記載される少なくとも一部の特徴を備えたコードレス・トレッドミルを示す。
【
図2】
図2は、
図1に示されるトレッドミルのフレーム部材の一実施形態を示す。
【
図3】
図3は、一実施形態における、コードレス・トレッドミルのベルト張力付与ローラー、衝撃吸収部材、及びフライホイール発電機組立体を示す。
【
図4】
図4は、一実施形態における、
図2に示されるフレーム部材に設置された
図3に示されるトレッドミル部材を示す。
【
図5】
図5は、トレッドミルフレーム部材に設置されたトレッドミルローラー及び衝撃吸収部材の、他の実施形態を示す。
【
図6】
図6は、一実施形態における、ベルトを含む
図5のトレッドミルを示す。
【
図7】
図7は、一実施形態における、トレッドミルの千鳥状ローラーを備えたカートリッジを示す。
【
図8】
図8は、
図7に示されるカートリッジ組立体の一部を成す千鳥状ローラーの一組立体を示す。
【
図9】
図9は、
図7に示されるカートリッジ組立体の一部を成す共線状ローラーの一組立体を示す。
【
図10】
図10は、一実施形態における、トレッドミルのフライホイール発電機を示す。
【
図11】
図11は、一実施形態における、
図1に示されるトレッドミルの前方ローラー及びフライホイール発電機を示す。
【
図12】
図12は、コードレス・トレッドミル制御のための一部の操作要素を実行するシステムを示すブロック図である。
【
図13】
図13は、トレッドミルのフライホイール発電機及びトランスミッション系の制御処理の実施例を示すフロー図である。
【
図14】
図14は、他の実施形態における、以下に記載される少なくとも一部の特徴を備えたコードレス・トレッドミルを示す。
【
図15】
図15は、一実施形態における、
図14に示されるコードレス・トレッドミルのフレーム組立体に設置されたベルト張力付与ローラー、衝撃吸収部材、及びフライホイール発電機組立体を示す。
【
図17】
図17は、
図14に示されるトレッドミルのベルト張力付与ローラー及びカートリッジ組立体を示す。
【
図18】
図18は、
図14に示されるトレッドミルのカートリッジ組立体及び衝撃吸収部の拡大側面図を示す。
【
図19】
図19は、本明細書に開示の特徴を組み込んだトレッドミルの他の実施形態を示す。
【
図20】
図20は、本明細書に開示のトレッドミルの種々の部材と共に用いられ得るフレーム部材の他の実施形態を示す。
【
図22】
図22は、本明細書に開示のいずれかのトレッドミルと共に用いられる、渦電流発電機及び補助リフト系を示す。
【
図23】
図23は、本明細書に開示のいずれかのトレッドミルと共に用いられる、機械的制動系を示す。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に、種々の実施形態が添付の図面に関して記載される。これらの実施形態は、例としてのみ提示及び記載され、限定することを意図しない。
【0021】
実施例は、フローチャート、フロー図、有限状態図、構造図、又はブロック図として示される処理として記載され得ることが言及される。フローチャートは、操作を逐次処理として記述し得るが、多くの操作は並列、又は共に行われ得、処理は繰り返され得る。加えて、操作順序は並べ替えられ得る。操作が完了すると処理は終了する。処理は、方法、関数、手順、サブルーチン、サブプログラムなどに相当し得る。処理がソフトウエア関数に相当するとき、その終了は、関数が呼び出し関数又は主関数に戻ることに相当する。
【0022】
実施形態は、ハードウエア、ソフトウエア、ファームウエア、又はそれらの任意の組合せにおいて実行され得る。当業者は、種々の異なる技術及び技法のいずれかを用いて情報や信号が表され得ることを理解し得る。例として、上述において言及され得るデータ、指
示、コマンド、情報、信号、ビット、符号、及びチップは、電圧、電流、電磁波、磁場若しくは磁性粒子、光場若しくは光学粒子、又はそれらの任意の組合せによって表され得る。
【0023】
以下の記載において、実施例の十分な理解を得るために詳細が提示される。しかしながら、これらの詳細がなくとも実施例が実施され得ることを当業者は理解し得る。例として、不必要な詳細で実施例を不明瞭にしないように、電気部材・装置はブロック図において示され得る。その他の態様では、そのような部材、他の構造や技法が、実施例をさらに説明するために詳細に示される。
【0024】
[概要]
以下に記載される一部の実施形態におけるコードレス・トレッドミルは、トレッドミルベルトの開始及び停止動作を向上させるためのギア付フライホイール及び発電機系(システム)を包含する。トレッドミルは、フライホイール及び発電機系に接続された前方ローラーと後方ローラーとに渡されるベルトを包含し、ベルトの速度及び動作は、ベルト上の自身の速度や歩幅を増減させるユーザーに応じて変化する。トレッドミルは、ユーザーのステップにより起こるトレッドミルベルトの回転(及びその結果のフライホイール及び発電機系の回転)に応じて、電気エネルギーを発生させるようにさらに適応される。一部の実施形態におけるトレッドミルは、トレッドミルの種々の部材がスロット状開口部を介してフレームに連結するように適応され得る、「ドロップイン」フレーム設計を包含する。フレームは、単一金属又は複合部材として構成され得る。ドロップインフレーム設計は、トレッドミルの組立て、メンテナンス、及び保守の容易性を向上させる。一部の実施形態において、トレッドミルは、トレッドミルベルトを支持するように適応されたカートリッジを包含する。カートリッジは、トレッドミルの全長に延びるローラーチャンネルを包含する。ローラーチャンネルは、各ローラーの中心が隣接するローラーの中心と整列しないように千鳥状であり、カートリッジの千鳥状ローラーセクションをなす。例として、隣接する一連のローラーの長さ軸は、所定の距離だけオフセットされ得る。一部の実施形態において、千鳥状ローラーセクションは共線状ローラーチャンネルの側面に位置し、1つの共線状ローラーチャンネルが、千鳥状ローラーセクションの一方側にあり、第2の共線状ローラーチャンネルが、千鳥状ローラーセクションの反対側にある。ユーザーが共線状ローラーを踏んだときに「でこぼこした」感触を感じるように、共線状ローラーは、複数の千鳥状ローラーの中心にアライメントされない。共線状ローラーを踏むことで、ユーザーのステップがベルトのターゲット領域からはずれたことがユーザーに迅速にフィードバックされ、ユーザーの歩行をカートリッジの千鳥状ローラーセクションに戻すように導く助けになる。
【0025】
一部の実施形態において、トレッドミルは、使用時のトレッドミルデッキ又はカートリッジのたわみを測定するように適応された可変衝撃吸収系(variable impact absorption system、VIAS)を包含する。可変衝撃吸収系は、デッキのたわみを最小化し、且つフライホイール発電機系へのエネルギー伝達を最大化するために、フライホイール発電機系と相互作用及び接続されるように適応される。
【0026】
一部の実施形態において、トレッドミルは、ユーザーがトレッドミルから降りたときにトレッドミルのベルト回転を減速又は停止するための自動停止機能を組み込む。一部の実施形態において、ユーザーが、VIASシステムに組み込まれたセンサーによって検出されるように、トレッドミルの前方又は後方に近づきすぎる場合に、自動停止機能はトレッドミルベルトを減速又は停止し得る。一部の実施形態において、追加のセンサー及び/又はVIASシステムが使用するセンサーは、ユーザーがトレッドミルデッキの前方又は後方部分に乗っていることを検出し得る。ユーザーのステップが、望ましくない、予期しない、又は安全でない部分で検出されると、ユーザーを負傷させないために、トレッドミル
は減速又は停止され得る。
【0027】
トレッドミルの一部の実施形態には、視覚フィードバックシステムが組み込まれる。視覚フィードバックシステムは、各ステップによる衝撃(例えば、力、圧力、ショックなど)が所望される量より大きいか又は小さいかをユーザーに望ましく示す。さらに、一部の実施形態において、視覚フィードバックシステムはまた、左右のステップが一線上か否かをユーザーに示して、ユーザーはさらに効率的な又は適切な配置の歩行を進められるようになり、これは理学療法又は患者のリハビリテーション時に有用であり得る。
【0028】
トレッドミルの一部の実施形態には、ユーザーが規定する所望の速度内でトレッドミルベルトの速度を制御する、渦電流制動、抵抗制動、及び摩擦制動の1つ以上を用いる多角的速度制御方法が組み込まれる。速度制御方法のそれぞれは、所望のトレッドミルベルト速度を得るために個別に又は組み合せて用いられてもよい。以下に記載されるような、トレッドミルに配置された種々のセンサーで測定される、ユーザーの体重、所望の速度、トレッドミルの傾斜位置、及び/又はフライホイールの回転速度などの要素は、所望の速度設定を得、且つトレッドミルの安全性能を向上するためにどの速度制御方法を使用すべきかを決定するのに用いられるとよい。
【0029】
トレッドミルの他の実施形態には、くさび形状フレーム設計が包含されるとよい。以下にさらに詳細に記載されるように、くさび形状フレームにより、トレッドミルの性能を妥協することなく、後方部分について前方部分より高さを低くすることが可能である。
トレッドミルのさらなる実施形態には、トレッドミルの傾斜位置取得についてリフトモーターを補助する補助的リフトアシスト系が組み込まれる。
【0030】
図1A及び
図1Bにおいて、重力が部材の保持に用いられる主要な力となる「ドロップイン」及び「スナップイン」フレーム設計を包む、上述の実施形態の一部又はすべてを備えたトレッドミルが示される。フレームは、横方向に延びる対応するカートリッジ片にアライメントされる複数のスロット及び開口部を有する単一の金属又は複合物である。カートリッジは、トレッドミルベルトと共に、ユーザーが歩行又は走行可能な準可撓性面を提供する。同様に、トレッドミルの前後方ローラーも、フレームの前後方部分に配置されたスロットに滑り入れられる。重力とユーザーの体重により、カートリッジをフレームに固定する。
【0031】
図1A、及び
図1Bの部分的分解図に示される実施形態における自家動力トレッドミル100は、デッキ組立体102とディスプレイ組立体150とを包含する。デッキ組立体102は、前方ローラー組立体120及び後方ローラー組立体140の2つのローラーの周りを回転するベルト110を包含する。前方ローラー組立体120及び後方ローラー組立体140はフレーム104によって支持され、フレーム104は、容易に組み立てるために、ローラー組立体がフレーム104に落として入れられ得る又はスロットに入れられ得るように設計される。ベルト110はフレーム104に支持されたカートリッジによって支持される。カートリッジは、以下により詳細に記載されるように、ユーザーの体重を支持する。デッキ組立体102は、走行又は歩行のための安定面を提供する。サイドレール106などのサイドレールは、フレーム104をさらに支持し、且つ以下にさらに詳細に記載されるクッションシステムなどのその他のトレッドミル部材を隠して保護するために、フレーム104の両側に取り付けられるとよい。一部の実施形態において、トレッドミル100はまた、傾斜調整組立体も包含するとよく、該傾斜調整組立体は一端でフレーム104に回転可能に接続されたレバー112を含み得る。レバー112の対向端はホイール114を含み得、トレッドミル100の前方端部がトレッドミル100の後方端部よりも高さが高くなるようにトレッドミル100の前方端部を傾斜させるために、レバー112のホイール付端部はトレッドミル100のフレーム104に向かって容易に転がされ
ることができる。トレッドミル100をさらに支持し、トレッドミル100を面において水平にするために、さらなる支持部が包含され得る。
【0032】
図示されるように、トレッドミル100は手すり又はアームサポート包含しない。しかし、その他の実施形態において、例えばバランスの健康問題を抱えるユーザーのために、手すり及び/又はアームサポートが提供されてもよい。
【0033】
図1A及び
図1Bに示されるように、トレッドミル100はまたディスプレイ組立体150も包含する。ディスプレイ組立体150は、トレッドミル100の前方端部から上に延びる台座152を含むとよい。台座152は、トレッドミルのユーザー操作部、及び/又はユーザーに情報を表示するビデオスクリーン、LEDライトディスプレイ、若しくはその他のディスプレイ装置を含むディスプレイコンソールを支持するために用いられるとよい。そうした情報は、ベルト速度、トレッドミルの傾斜、ベルト上のユーザーの横方向位置、トレッドミルにおけるユーザーのステップの衝撃力などを含み得る。さらに、一部の実施形態において、ディスプレイ手段は、トレッドミルベルト110の回転動作又は電池によって生成された電気エネルギーにより動力を得るとよい。エネルギー捕捉又は生成は、以下にさらに詳細に記載されるように、前方又は後方ローラーの回転に連結された一体型フライホイール及び発電機系で行われ得る。
【0034】
一実施形態において、前方ローラー組立体120及び後方ローラー組立体140は、ベルト110の動作がすべてのユーザーにとって円滑で、制御されたものであるように構成される。例として、トレッドミル100の運転を開始するため、ユーザーはベルト110上で歩行を開始する。従来のコードレス・トレッドミルでは、ベルト110の動作を開始するために、ローラー組立体等の抵抗及び摩擦を克服する大きな力が必要とされる。ゆえに、そうした従来のコードレス・トレッドミルは、使用が快適ではなく使いづらい。図示される実施形態では、トレッドミル100は、前方ローラー組立体120及び/又は後方ローラー組立体140によってユーザーがベルト110の動作を小さい力を用いて開始できるように構成される。好ましくは、例えば100lbの体重のユーザーは、例えば250lbの体重のユーザーと同様にベルト110の動作を容易に開始可能である。ゆえに、好ましい実施形態において、以下に記載されるようなギア又はトランスミッション系は、ユーザーの体重を測定し、トランスミッション内の初期ギア位置を調節して、体重の軽いユーザーと体重の重いユーザーとにとってトレッドミルを円滑に初期運転できるように構成され得る。さらに、多角的速度制御系は、以下により詳細に記載されるように、トレッドミルの速度を制御して運転安全性を向上させるために用いられ得る。
【0035】
図示された実施形態を含む一部の実施形態において、トレッドミル100は、以下にさらに詳細に記載されるような衝撃吸収系を包含する。衝撃吸収系は、ユーザーがトレッドミル100上を歩行又は走行するときにショック吸収性を提供する。一部の実施形態において、衝撃吸収系は、ユーザーの体重や歩行又は走行時のベルト上の衝撃によるトレッドミルデッキのたわみを測定するために、制御系に接続された複数のセンサーを包含する。一部の実施形態において、ギア又はトランスミッション系は、衝撃吸収系によって測定されたデッキのたわみ量に基づき調節されるとよい。
【0036】
上述され、以下により詳細に記載されるように、トレッドミルベルト110の回転エネルギーを捕捉し、且つ例えば発電機を用いて該回転エネルギーを電気エネルギーに変換することが可能であるエネルギー捕捉機構も、トレッドミル100は包含し得る。一部の実施形態において、デッキの屈曲によるエネルギー損失量を低減することでエネルギー捕捉効率と電気エネルギーへの変換効率とを増加させるように一定のデッキたわみ量を使用時に維持するために、衝撃吸収系はエネルギー捕捉機構と共に作動し得る。
【0037】
トレッドミル100の他の実施形態は
図14に示される。
図1に関して上述されたトレッドミル100と同様に、
図14に示されるトレッドミル100は、デッキ組立体102及びディスプレイ組立体150を包含する。デッキ組立体102は、ベルト110上のユーザーのステップの力に応じて、前後方ローラーの周りを回転可能である可動トレッドミルベルト110を包含する。一部の実施形態において、ディスプレイ組立体150は、トレッドミル使用時にユーザーの手に安定面を与えるために、ベルト110の両側に延びる対のアーム部160を包含するとよい。
【0038】
図1A及び
図1Bに関して上述された実施形態のように、
図14に示されるトレッドミルはまた、一部の実施形態において、以下にさらに詳細に記載されるような衝撃吸収系も含むとよい。さらに、一部の実施形態において、
図14に示されるトレッドミル100は、トレッドミルベルト110の回転エネルギーを捕捉し、且つ例えば発電機を用いて該回転エネルギーを電気エネルギーに変換することが可能であるエネルギー捕捉機構を含むとよい。
【0039】
トレッドミル2100のさらに他の実施形態が
図19に示される。
図1A及び
図1B並びに
図14に関して上述されたトレッドミル100と同様に、トレッドミル2100はデッキ組立体2102及びディスプレイ組立体2150を包含する。デッキ組立体2102は、ベルト上のユーザーのステップの力に応じて前後方ローラーの周りを回転可能である可動トレッドミルベルト(図示せず)を包含する。ディスプレイ組立体2150は、一部の実施形態において、トレッドミル使用時にユーザーの手に安定面を与えるために、ベルトの両側に延びる対のアーム部2160を包含するとよい。
【0040】
トレッドミル2100は、一部の実施形態において、トレッドミルの後方部分がトレッドミルの前方部分よりも高さが低くなるように段差を低くするために、以下にさらに詳細に記載されるように、くさび状フレーム設計を包含する。さらに、トレッドミル2100は、トレッドミル上を歩行又は走行するユーザーによって生成された回転エネルギーを電気エネルギーに変換するためのエネルギー捕捉機構を含むとよい。一部の実施形態において、トレッドミル2100は、衝撃吸収系、自動停止機能、ドロップイン組立体、又は
図1A及び
図1B並びに
図14に示されるトレッドミルに関して以下に記載されるその他機能の任意の組合せ、のうちの1つ以上を含むとよい。
【0041】
[フレーム]
一部の実施形態において、
図2に示されるように、トレッドミル100は、フレーム104などの組み立てが容易なフレーム上に構成されるとよい。一実施形態において、フレーム104は、トレッドミルの全長にわたる側面でU形状をなす。側面は、前方ローラー組立体120及び後方ローラー組立体140などのトレッドミル100の種々の部材が挿入され得るチャンネルを形成する。さらに、フレーム104は、以下に記載されるものなどカートリッジ組立体を受けるように構成される複数の切欠き又は開口部を包含する。重力のため、メカニカルファスナーなどの最小限の固定手段が用いられて、トレッドミル100の部材をフレーム104に固定する。
【0042】
チャンネルの底部は底面208より形成される。底面208には、フレーム104の重量を軽減するために、複数の開口部220、222、224、226、228、228、及び230が形成されるとよい。U形状チャンネルの側部は左フレーム側部205及び右フレーム側部209から形成される。左フレーム側部205及び右フレーム側部209には、フレーム104にさらなる剛性を与えるために反転チャンネルがそれぞれ形成される。左水平フランジ204と左垂直フランジ202とは、左フレーム側部205と共に反転したU形状チャンネルを形成する。同様に、右水平フランジ212と右垂直フランジ214とは、右フレーム側部209と共に反転したU形状チャンネルを形成する。水平フラン
ジ及びフレーム側部には複数の開口部が形成され、開口部により、
図3に示されるようなトレッドミルモーション組立体部材300などのトレッドミル部材が、フレーム104上部の垂直位置から水平フランジ204、212を介して降ろされ、フレーム側部205、209によって支持されることができるとよい。一部の実施形態において、左側部205と左水平フランジ204との開口部は、右側部209と右水平フランジ212との対称開口部と対である。
【0043】
フレーム104の前方において、左フレーム側部205に、U形状開口部246が示される。
図2には部分的に示されるのみであるが、対称U形状開口部は、右フレーム側部209にも形成される。U形状開口部246は、左フレーム側部205の湾曲面248により形成される。開口部246は、以下にさらに詳細に記載される一体型フライホイール発電機組立体と
図1に示される前方ローラー組立体120との接続を可能にするように構成される。スロット状開口部242は、左水平フランジ204と左側部205とに形成される。スロット状開口部242は、好ましくは、前方ローラー軸がスロット状開口部242内に嵌合可能であるように十分な幅があるものである。好ましくは、フレーム104の底面208に最も近いスロット状開口部242の端部が、左水平フランジ204に形成されたスロット状開口部242の端部よりもフレーム104の後方に近くなるように、スロット状開口部242は角度を有する。一部の実施形態において、スロット状開口部242は、左側部205により規定された軸において約30度の角度で、フレーム104の後方に向かって角度を有する。他の実施形態において、スロット状開口部242は、15度~60度の角度で、前又は後ろに向かって角度を有し得る。対称のスロット状開口部250は、右水平フランジ212と右側部209とに形成される。スロット状開口部250は、スロット状開口部242と同様の幅及び方向を有して、前方ローラー軸が開口部250を通過できるようにする。望ましくは、
図4に示されるように、前方ローラーがフレーム側部205、209、又は底面208のいずれにも接触することなくフレーム104内で自在に回転可能であるように、前方ローラー軸は、スロット状開口部242、250の端部によって支持される。
【0044】
引き続き
図2に関して、湾曲開口部232及び258が左フレーム側部205及び右フレーム側部209にそれぞれ形成される。湾曲開口部232は、曲線234によって形成された左側部205の狭い湾曲開口部へと開口する左水平フランジ204の矩形開口部と共に形成されるとよい。曲線234は、後方ローラー軸を確実に嵌合するのに十分な幅の開口部へと、湾曲開口部232を狭くする。湾曲開口部232により、後方ローラーは、フレーム104上部の垂直位置からフレーム104内の緊張状態の位置に降ろされることが可能である。後方ローラー軸が湾曲開口部232、258に降ろされるとき、曲線234によって、後方ローラー軸は開口部232、258の後方位置に強制的に配置される。開口部232、258の寸法と配置とは、フレーム104の前方端部における対応するスロット状開口部242、250と共に、トレッドミルベルトがその周りを回転する前後方ローラーの正確な配置によってトレッドミルベルトに張力をかけることを可能にするものである。望ましくは、
図4に示されるように、前後方ローラー組立体とトレッドミルベルトとが開口部232、258、242、及び250内の位置に降ろされると、トレッドミルベルトの外部張力付与は必要とされない。
【0045】
図2はまた、複数の矩形開口部236、238、240が左水平フランジ204及び左側部205に形成され得ることも示す。同様に、対称開口部252、254、256が右水平フランジ212及び右側部209に形成され得る。一部の実施形態において、開口部236、238、240、252、254、256は、以下により詳細に記載されるように、トレッドミル100のカートリッジデッキを支持及び構成する支持スラットを受けるように構成される。
【0046】
フレーム104は、VIASシステム衝撃吸収部材などのその他のトレッドミル部材をフレーム104に固定するための、左右側部205、209に形成された複数の開口部260も包含するとよい。
【0047】
トレッドミルモーション組立体及び可変衝撃吸収系部材の一部は、部材をさらに明確に示すためにフレーム104を除いて
図3に示される。
図4において、部材はフレーム104に設置されて示される。
【0048】
前方ローラー304は、それを通過する前方ローラー軸306を備える。同様に、後方ローラー344は、それを通過する後方ローラー軸346を備える。上述されたように、前方ローラー軸306がフレーム104のスロット状開口部242及び250内に嵌合可能であるように、前方ローラー軸306は、前方ローラー304の各端部から好ましくは外側に延長する(
図4)。同様に、後方ローラー軸346がフレーム104の湾曲開口部232及び258内に嵌合可能であるように、後方ローラー軸346は、後方ローラー344の各端部から好ましくは外側に延長する(
図4)。前方ローラー304及び後方ローラー344は、トレッドミルベルトが前方ローラー304と後方ローラー344との周りに適合可能であるように、好ましくは構成される。望ましくは、
図6に示されるように、トレッドミルベルトが前方ローラー304と後方ローラー344との周りに適合され、ローラーとベルトとがフレーム104に降ろされるとき、トレッドミルベルトにさらに張力を付与する必要なくトレッドミルベルトに適切に張力がかけられる。
【0049】
引き続き
図3に関して、衝撃吸収、デッキのたわみ、及びトレッドミルモーション制御に用いられるさらなるトレッドミル部材が示される。一体型フライホイール発電機302は、種々の体重のユーザーに対してベルトを円滑且つ容易に回転可能にする初期抵抗をトレッドミルベルトが有するように前方ローラー組立体120の初期ギアリングを設定するために、測定されたユーザー体重を補うギア系を含む。フライホイール発電機のさらなる詳細は以下に記載される。
【0050】
一部の実施形態において、フレームは、
図20に示されるフレーム2104などの、くさび又は傾斜形状を有するとよい。この構成において、トレッドミルの後方又は後方端部は、トレッドミルの前方又は前方端部よりも高さが低い。これにより、
図2及び
図3に示されるフレームと共に用いられるような同じ直径の前方ローラー及び他の前方駆動部材が、
図20に示されるフレームと共に用いられることができる。フレーム2104は、上述のようなトレッドミル部材を容易にドロップインできるように、フレーム104に関して上述されたスロット状開口部、切欠き、及び機能のすべてを含み得る。くさび状フレーム2104のさらなる有利性は、ユーザーがトレッドミルベルトに乗る段差を下げることを含む。このため、トレッドミルデッキに乗るのに困難のあるユーザーにとって、トレッドミルはさらに使いやすいものとできる。さらに、トレッドミルの後方の高さを低くすることで、地面との距離を縮めて、運転時にユーザーがトレッドミルの後方から落ちた場合のけがのリスクを下げる可能性がある。
【0051】
くさび形状フレーム2104のさらなる有利性は、トレッドミルベルトの動作の開始において僅かな傾斜により得られる助力である。ユーザーはトレッドミルの最初のステップから僅かな傾斜を上るので、ユーザーがベルト上の最初のステップを用いてトレッドミルベルトの動作を開始することがより容易であり得る。
【0052】
くさび状フレーム2104は、トレッドミルの性能が影響を受けないように、上述と同じ直径の前方ローラー120の使用を可能にする。一部の実施形態において、トレッドミルの感触及び性能に影響することなく、より小さい直径の後方ローラーが用いられ得る。
【0053】
一部の構成において、トレッドミルの前方を所望の傾斜に上げるために、リニアアクチュエーター又はリフトモーターが用いられ得る。しかしながら、リニアアクチュエーター又はリフトモーターは、大きな電力を消費し、本明細書に開示される自己推進トレッドミルの電力を最も消費するものである。トレッドミルが運転中でないとき、つまり、ユーザーが電力を生成するためにトレッドミル上を歩行又は走行していないとき、リフトモーターはトレッドミルを所望の傾斜へと動かすためにバッテリーからの電力を必要とし得る。トレッドミルの所望の高さを得るためには、リフトモーターは、ユーザーの体重とトレッドミルフレーム及び部材の重量とに打ち克つように十分に強力である必要がある。電力消費を低減するため、自己推進トレッドミルの一部の実施形態は、
図22及び
図23に示されるようなリフトアシスト系を包含する。リフトアシスト系は、てこの作用による補助を行い、且つリフトモーターが要求する作業量を低減してリフトモーターによる消費電力量を低減することができる、ガススプリング対2810を包含し得る。通常の傾斜操作において、リフトモーターは約10又は20lbを持ち上げ可能である。しかしながら、一部の実施形態において、リフトモーターは、30、40、50、60、70、80、又は100lbを持ち上げ可能である。一部の実施形態において、リフトモーターは、150lbまでを持ち上げ可能である。一部の実施形態において、ガススプリング2810は、10、20、30、40、50、60、70、80、90又は100lbを持ち上げ可能である。一部の実施形態において、ガススプリング2810のそれぞれは、150lbまでを持ち上げ可能である。ガススプリング2810は、支持構造の静止位置、及びトレッドミル前方でドレッドミルデッキの対向する側部のフレームに接続されるとよい。ユーザーが高さの変更を望むとき、ガススプリング2810は、トレッドミルフレームを持ち上げるさらなる力を提供し、ゆえにリフトモーターの電力消費を低減する。一部の実施形態において、リフトモーターは、所望の傾斜を得るために所定の制御を行う、つまり、リフトモーターはガススプリング2810により提供される所望のリフトを制御する。
【0054】
[可変衝撃吸収系]
可変衝撃吸収系の一実施形態は、1つ以上の調節可能なダンパー(液圧若しくは空気シリンダー、若しくは任意の他のタイプの減衰システム)、1つ以上の赤外線センサー、及び制御系を包含する。赤外線センサーは、各ユーザーについてトレッドミルデッキのたわみを望ましくは測定し、制御系はたわみに基づいて硬さを調節して、ユーザーが90lb若しくは350lb、又は他の任意の体重であってもトレッドミルデッキのたわみが均質であるようにする。
【0055】
また、トレッドミルモーション組立体300は、可変衝撃吸収に用いられ得る部材も包含する。「可変衝撃吸収」という用語は、その通常の意味を有する広義の用語である。一部の実施形態において、可変衝撃吸収又は可変衝撃吸収系は、ユーザーの体重による又はトレッドミル上を走行若しくは歩行時のユーザのステップの衝撃力によるカートリッジ若しくはデッキのたわみ量を測定し、デッキのたわみ量を軽減若しくは制御するために吸収量を調節し、所望のクッション性若しくは感触を与え、及び/又は燃焼カロリー計算などトレッドミルの他の機能に用いるためにユーザーの体重若しくは衝撃力を計算することが可能な部材に関する。可変衝撃吸収系は、複数の衝撃吸収部、アクチュエーター、及び制御系に接続されたセンサーを包含し、該制御系に接続されたセンサーは、ユーザーがトレッドミル上を歩行又は走行するときのトレッドミルデッキのたわみ量を測定する。さらに、異なる体重のユーザーが同等の力でトレッドミルベルトの動作を開始及び停止可能であって、結果として起こるベルトの初期動作が円滑で且つ制御されるように、トレッドミルのトランスミッションの初期ギア比を得るために、可変衝撃吸収系は、以下に記載される一体型フライホイール発電機を含むエネルギー生成系に制御系を介して接続可能である。
【0056】
図3に示されるように、6つの衝撃吸収部310、318、322、326、332、340がトレッドミル100と共に用いられるとよく、3つの衝撃吸収部がトレッドミル
ベルト110の各側にあり、トレッドミルベルト110の長さに沿って均等に配置される。各衝撃吸収部は、対のスプリング部308、316、320、324、330、338を含むとよい。スプリング部308、316、320、324、330、338はエラストマー性ポリマーから形成されるとよく、ねじ、釘、無頭釘などを含む任意のタイプのメカニカルファスナーを用いて取り付け部309、317、321、325、331、339に取り付けられるとよい。その他の実施形態において、スプリング部は液圧ダンパー、圧縮空気ダンパー、又は任意の他のタイプのダンパーであるとよい。一部の実施形態において、スプリング部308、316、320、324、330、338は、1式以上のダンプナーを包含するとよい(例えば、gbrダンプナー又は他のタイプのダンプナー)。ダンプナーは、力を進行比で除したものにより特徴づけられるとよい。ダンプナー一式の1つはカートリッジの設置高さよりも低く設置される。一式のダンプナーは、ユーザーがトレッドミルに乗っているときに好ましくは常に係合されている。トレッドミルの走行又は歩行面により力が加えられると、低く設置されたダンプナー一式が係合する。力が加えられると、第2の(低い)一式のダンプナーが係合し、減衰効果の変更を行う。
【0057】
さらに、対の可変衝撃吸収部314、328がトレッドミル100に用いられるとよい。可変衝撃吸収部314はトレッドミル110の右側に配置される一方で、他方の可変衝撃吸収部328はトレッドミル110の左側に配置されるとよい。可変衝撃吸収部314、328は、歩行又は走行時のユーザーのステップ力によるトレッドミルの衝撃を調節可能に吸収する空気式シリンダーであるとよい。可変衝撃吸収部314、328のそれぞれは、衝撃支持部312、342の下部に配置されるとよい。衝撃支持部312、342は、衝撃吸収部によって各端部で支持される矩形支持部であるとよい。
図3に示されるように、可変衝撃吸収部314、328は、衝撃支持部312、342の下部で望ましくは集中的に配置される。可変衝撃吸収系はまた、さらなる衝撃吸収性を与えるためにさらなるアクチュエーター334、336を含んでもよい。
【0058】
図4は上述のトレッドミル部材300を示し、該トレッドミル部材300はフレーム104に設置されたときのそれらの相対位置にある。上述のように、前方ローラー304は、スロット状開口部242、250においてフレーム104の前方でスロットに入れられる。後方ローラー344の軸は、フレーム104の開口部232、258内に嵌合する。6つの衝撃吸収部310、318、322、326、332、340は、フレーム104によって形成されたチャンネルの外の、フレーム104の両側に望ましくは均等に配置される。望ましくは、6つの衝撃吸収部310、318、322、326、332、340のそれぞれは、開口部236、238、240、252、254、256の1つにアライメントされる。好ましくは、カートリッジ支持部702、704、706(
図7)が開口部236、238、240、252、254、256内に嵌合し、カートリッジ支持部702、704、706の各端部が6つの衝撃吸収部310、318、322、326、332、340の1つに支持されるように、開口部236、238、240、252、254、256は構成される。一部の実施形態において、
図5に示されるように、可変衝撃吸収系部材が封入及び保護されるように、側部支持部105a、105bがフレーム104に接続されるとよい。
図6において、前後方ローラー、フレーム104、及び可変衝撃吸収系部材を封入した側部支持部105a、105bを備えた完全組立トレッドミルデッキが示される。
図16は、可変衝撃吸収をするために上述のように配置され得るダンプナー308、316、320を包含するコードレス・トレッドミル100の他の実施形態の側面図である。
【0059】
[カートリッジ]
トレッドミルは、フレーム104に降ろして配置され得る、千鳥状及び非千鳥状のローラーからなるカートリッジ組立体を含むとよい。(例えば、標準的なトレッドミルデッキの代わりに)カートリッジ組立体は、組立時にフレーム104に望ましくは降ろして配置
されることができ、組み立て時間を削減する。
図7に示されるカートリッジ組立体は、軸受と組み合わせられた、千鳥状パターンのホイール(ミニホイールとして言及されることがある)又はローラーを組み込む。
図7に示されるように、カートリッジ組立体700は、6つの千鳥状ローラー一式714、716、718、720、722、及び724を含む。千鳥状ローラー一式714、716、718、720、722、及び724はそれぞれ同一であり得、共通の溝槽又はチャンネルに設けられた複数のローラーを包含し得る。単一チャンネルの千鳥状ローラー一式の一例は、
図8に示される。
図8に示される複数の溝槽のローラーはオフセットされ得、トレッドミル100の中央部分又はデッキに並べて配置されて、
図7に示されるようなトレッドミル100の主要な走行又は歩行面を形成し得る。千鳥状ホイール又はローラー一式714、716、718、720、722、及び724は、カートリッジの中央部分に配置され、好ましくはカートリッジ組立体700の全幅の約18インチにわたる。千鳥状ホイールパターンにより、トレッドミル使用時に、ユーザーには足の下に一定した面接触があるということが可能になる。
【0060】
一実施形態において、
図7に示されるように、カートリッジ組立体700は、千鳥状ローラー一式714、716、718、720、722、及び724の外側又は側面に配置された第1の共線状ローラーチャンネル710及び第2の共線状ローラーチャンネル712をさらに包含する。単一チャンネルの共線状ローラーの一例は
図9に示される。2つの外側チャンネルの共線状ローラー710、712は、ユーザーにでこぼこした、又は振動的感触の体感を与えて、ユーザーのステップをカートリッジ組立体700の千鳥状ホイール部分上で中央に配置させるようにユーザーを導く。
図6に示されるように、従来のトレッドミルベルトは、走行又は歩行面を提供するためにカートリッジ組立体700の外側の周りを移動する。一部の実施形態において、千鳥状ローラー一式714、716、718、720、722、及び724を構成する千鳥状ホイール又はローラーのそれぞれは1インチ~1.5インチの直径を有する。
【0061】
カートリッジ組立体700は、カートリッジ組立体700の中央の千鳥状ホイール部分において走行又は歩行ステップを中央で行うようにユーザーを導くために、ユーザーにフィードバックをすることができる。例として、ユーザーがトレッドミル100上を歩行又は走行するとき、望ましくは、カートリッジ組立体700の千鳥状ホイール一式714、716、718、720、722、及び724上に各ステップを配置するとよい。千鳥状設計のため、ユーザーは表面に任意のでこぼこ又は粗さを感じないと考えられる。ユーザーが右又は左に極端に踏み出すと、共線状ローラーチャンネル710、712上に足を乗せることになる。ローラーチャンネル710、712の共線状設計は、ユーザーにでこぼこした感触を与え得る。このことにより、歩行又は走行ステップがトレッドミルベルト110又はカートリッジ組立体700において中央に配置されていないことをユーザーは知らされ、ゆえにユーザーは望ましくはそのステップを適切に変更することになる。
図18において、カートリッジ組立体700その他の実施形態の近接図が示される。図示されるように、千鳥状ローラー714、716、718、720は、各ローラーの中心が隣接するローラーからオフセットされるように構成される。上述されるように、これにより、ユーザーに対して円滑面が提供される。さらに、共線状ローラー710及び712は、トレッドミルデッキの外側端部で長さ方向に延びるように千鳥状ローラー一式の側面に配置されて構成される。図示されるように、共線状ローラー一式710、712は、ローラーの中心がアライメントされるように構成される(ローラー712参照)1つのローラー又は2つ以上のローラーから形成されるとよい。図示される実施形態において、
図18に示されるように、共線状ローラー710、712の中心が、隣接する千鳥状ローラーの中心とアライメントされないように、共線状ローラー710、712が配置される。
【0062】
図7に示されるカートリッジ組立体700によるさらなる有利性は、エネルギー損失の低減である。千鳥状ローラー一式714、716、718、720、722、及び724
のパターンを有するカートリッジ組立体700は、使用時にベルト110がカートリッジ組立体700の周りを回転するとき、トレッドミルベルト110と常時接触する。トレッドミルベルト110とカートリッジ組立体700との常時接触により、ユーザーに対するトレッドミルの滑らかで快適な感触に加え、エネルギー損失の低減による以下に記載のエネルギー生成系へのより効率的なエネルギー伝達が可能になる。
【0063】
さらに
図7に示されて、
図5及び
図6に関して上述されるように、カートリッジ組立体700はまた、横方向に延びる複数の支持部702、704、706も含む。支持部のそれぞれは、任意のタイプのメカニカルファスナーによって、ローラー一式のチャンネル710、712、714、716、718、720、722、724に接続される。各支持部702、704、706の端部がフレーム104の開口部236、238、240、252、254、256においてスロットに配置され得るように(
図5)、支持部702、704、706は、共線状ローラーチャンネル710、712のそれぞれの端部を超えて横方向に延びる。例示として、
図7に示されるカートリッジ組立体700は、
図5及び
図6に示されるフレーム104に降ろして配置されることが可能であり、重力及びカートリッジ組立体700の重量により、連結するための固定装置として最小限のものを必要とするか又はそれらを必要としない。横方向に延びるカートリッジタブは、フレームの各側のタブレセプタクルに滑り入れられ、カートリッジが前後の動きをしないようにする。上述のように、支持部702、704、706の各端部は、6つの衝撃吸収部310、318、322、326、332、340のうちの1つに乗っており、歩行又は走行時のユーザーのステップの衝撃力に起因するカートリッジ組立体700の動きが、吸収部310、318、322、326、332、340によって緩和される。
【0064】
ユーザー推進トレッドミルの他の実施形態において、
図15に示されるように、共線状ローラー一式がその両側の側面に位置する複数の千鳥状ローラー一式を含むカートリッジ組立体700は、前方ローラー組立体120及び後方ローラー組立体140と共に動くように構成され得る。3つの部材すべて(カートリッジ組立体700、前方ローラー組立体120及び後方ローラー組立体140)は、組み立てやすくするために、上述のようにフレーム部材104に降ろして配置され得る。さらに、ユーザーがトレッドミルを使用するとき、カートリッジ組立体700と前後方ローラー組立体120、140とは左右に共に動く。他の実施形態において、
図4~7に示されるように、カートリッジ組立体700は、適所に固定された前方ローラー組立体120から独立し得る。カートリッジ組立体700、前方ローラー組立体120及び後方ローラー組立体140が共に動くことが可能なことから、カートリッジ組立体700、前方ローラー組立体120及び後方ローラー組立体140上を移動するトレッドミルベルト110を改善することで、トレッドミルの安全性の向上というさらなる有利性が得られる。
【0065】
図19において、ユーザー推進トレッドミルの他の実施形態が示される。
図1~7に示され、上述されたトレッドミルと同様に、トレッドミル2100は、複数の千鳥状ローラー一式を含むカートリッジ組立体2700を包含する。
図19に示される実施形態において、第1及び第3列のローラーの長さ方向軸(トレッドミルを後ろから見てトレッドミルの左側から数える)がアライメントされ、第2及び第4列目のローラーの長さ方向軸もまたアライメントされるが、第1及び第3列の長さ方向軸と、第2及び第4列目の長さ方向軸とは千鳥状であるか又はオフセットされるようにして、ローラー一式は千鳥状である。この組立てにより、上述のユーザーフィードバックによる有利性を残しながら、製造及び組立てにおいて有利性が得られる。一部の実施形態において、カートリッジ組立体2700は、フットセラピーの形をとってユーザーにさらなる利益をもたらす。ユーザーがカートリッジ組立体上をわたるベルト上を歩行するとき、ローラーとトレッドミルベルトとの動作は、ユーザーの足を貫く僅かな振動を引き起こし、ユーザーの足裏の神経を刺激する。この振動は、ユーザーが芝生や砂利などの上を歩くときに感じ得るものとより類似した
、より自然な感触を足の下で再現する。この振動又は感覚は、従来のトレッドミルではベルトが硬いデッキ上にわたることからより静的な体感を与えるので不可能である方法で、ユーザーの脳を刺激するように作用する。この覚醒性により退屈さが軽減され、足が感じる感覚に対するユーザーの意識が深まり得、これはセラピーのユーザーにさらなる利益をもたらし得る。
【0066】
[一体型フライホイール発電機]
トレッドミルベルトを回転させるモーターを備えた電気トレッドミルとは異なり、コードレス・トレッドミルのベルトは、ユーザーの歩行の力のもとで動作する。コードレス・トレッドミルのベルトの動作開始には、これを動作中に維持するよりもさらなる力が必要とされる。フライホイール発電機は、最初に抵抗を減少させ、続いてトレッドミルベルトが動作中になると抵抗を増加させることで、これらの異なる力の要件に対して補填をする。これが、電気トレッドミルを用いて体感され得るものと同様の、円滑で制御された体感をユーザーに与える。
【0067】
フライホイール発電機(flywheel generator、FG)は、トレッドミルのベルト速度を制御するために用いられる抵抗量を制御可能なギア系(トランスミッション)を包含する。FGは最初にユーザーの体重を測定し、ユーザーの体重に基づいて適切なギア比(即ち、どのギアに係合するか)を決定する。ユーザーの体重は、はかり、抵抗器、ピストン、(以下に記載のような)「可変衝撃吸収系」、又は他の任意の体重測定技術を使用することを含む種々の技術のいずれかによって測定可能である。
【0068】
FGの初期ギア選択により、ユーザーの体重に関わらず、ユーザーがベルト上を歩行することでベルト動作を円滑に開始できることが確実となる。そうした動的ギア選択なしでは、体重の重い人はほとんど抵抗を感じ得ず、ベルトが極端に速く動作してユーザーにけがを負わせる可能性がある。同様に、そうした動的ギア選択なしでは、体重の軽い人は抵抗を極端に多く感じ得、ユーザーがベルト回転を開始しづらいか又は開始が快適ではないということがあり得る。
【0069】
一体型フライホイール発電機は、電気を必要とせずトレッドミルの動力を得るための機構である。一体型フライホイール発電機は、上述の可変衝撃吸収系と共に、(例えば、可変衝撃吸収系の変位又はカートリッジのたわみを測定することで)ユーザーの体重を測定するためにセンサー(好ましくは赤外線センサー)を組み込み、可変衝撃吸収系の適切な「硬さ」を選択し、そして測定体重に基づいてフライホイールの適切なギア比を割り当てるので、ユーザーによるトレッドミルベルトの回転開始及び維持に必要な労力は、ユーザーの体重に関わらず同様となる。トレッドミルは、個人に対してその体重に関わらず同じ感触と快適性とを与え、同様に動作する。例として、トレッドミルは、350lbの人と同じように90lbの人に反応して開始及び停止し得る。
【0070】
一体型フライホイール発電機は、トレッドミルの回転動作から電気を生成するための発電機と変換エネルギーを貯蔵するフライホイールとを包含する。一実施形態において、一体型フライホイール発電機は、ギア系を介して前方ローラー304に好ましくは回転可能に接続される。
図10に示されるように、一体型フライホイール発電機800は、回転子804を封入する磁性筐体802を包含する。回転子ギア806は、トレッドミルベルト110上で歩行又は走行するユーザーによりもたらされる前方ローラー304の回転に起因して回転子ギア806が回転するように回転子804に取り付けられる。
図11は、前方ローラー駆動部に包含された84歯のギアを一実施形態では含むギア系を介してフライホイール発電機800に回転可能に接続された前方ローラー304を示す。
【0071】
一部の実施形態において、一体型フライホイール発電機は3速ギアボックスをさらに包
含する。3速ギアボックスのギア比は、一実施形態において、1:1、1.25:1、1.375:1であるとよい。一実施形態において、主駆動ギア806は38歯ギアであるとよい。トレッドミルトランスミッションが第1ギアのとき、全体的な固定ギア比は約2.2:1である。トレッドミルトランスミッションが第2ギアのとき、全体的な固定ギア比は約2.75:1であり、トレッドミルトランスミッションが第3ギアの場合、全体的な固定ギア比は約3.0:1である。一部の実施形態において、発電機及びフライホイール効果によって十分な電気が生成され得、発電機の回転数を増加して回転速度を変える個別のトランスミッションは必要とされない。
【0072】
通常、フライホイール発電機の外径が大きくなると、発電機はより効率的に電気を生成可能である。
図19及び
図20に示される実施形態のようなくさび状フレームを備えた一部の実施形態において、直径の小さい後方ローラーが用いられ得るものの、後方ローラーの直径を小さくすることはトレッドミルの性能や感触に実質的に影響を与えない。自己推進トレッドミルでは、滑らかな動作及び運転を行うために、大きい直径の重い前方ローラーが必要とされる。さらに、エネルギー生成効率を最大化するようにフライホイール発電機を回転させるために、重い前方ローラーが必要とされる。ゆえに、回転前方ローラーとフライホイール発電機とは、トレッドミルの感触と運転とに役立てるために用いられる回転質量となる。一部の実施形態において、くさび状フレームを有するトレッドミルの性能及び感触は、同じ直径の前後方ローラーを有するトレッドミルの感触と同様であり得る。一部の実施形態において、フライホイールは7インチの外径(outer diameter、OD)を有する5lbフライホイールであり、7.75インチODを有する22lbの前方ローラーと4:1~6:1のギア比を有するトランスミッションと併せて用いられる。他の実施形態において、フライホイールのODは6~8インチであり、3~7lbの重量であり得る。他の実施形態では、前方ローラーは、6~9インチのODを有して、20~25lbの重量であり得、トランスミッションは3:1~9:1のギア比を有し得る。
【0073】
一部の実施形態において、一体型フライホイール発電機は望ましくは、利用可能トルクと必要トルクとの差に基づいて可変フライホイール効果を提供する。利用可能トルクは、トレッドミルの傾斜設定とユーザーの体重とに応じてトレッドミルによって生成された可変量のトルクから摩擦を引いたものとして規定される。必要トルクは、トレッドミルベルトの回転及びトレッドミルの運転開始に必要なエネルギーとして規定され得る。すべてのユーザー、傾斜設定、速度設定、及び体重について、運転における円滑で均質な感触を得るために、フライホイール効果が選択ギア比に応じて変化するとよい。発電機の減速は、トレッドミルの速度を下げるために電気的に制御されるとよい。さらに、一部の実施形態において、発電機は、
図14に示されるディスプレイユニット162などのディスプレイユニットを含むトレッドミルに動力を与えるために十分な電気を生成し得る。
【0074】
図14~
図17に示される実施形態を含む一部の実施形態において、発電機は前方ローラー組立体120内部に組み込まれるとよい。前方ローラー組立体120内に発電機を組み込むことで、組み立てやすさの向上というさらなる利益があり得、個別のギア及びギアボックス組立体の必要性がなくなり得る。
【0075】
さらに、前方ローラー組立体120の前方ローラーは、それ自体フライホイールとして作用する所定の重量及び構成で構成されるとよい。前方ローラーがフライホイールとして作用可能になることにより、所望のフライホイール効果を得ながらも個別のフライホイールの必要がなくなって、設計が簡易化される。
【0076】
可変フライホイール効果の制御は自動式である。上述の可変衝撃吸収系内のセンサーは、トレッドミル上の体重又は衝撃に変換されるデッキのたわみ量を測定する。プロセッサ
、ワーキングメモリ、及びプロセッサで実行可能な命令又はモジュールを含むメモリを望ましくは含む制御系は、計算された体重からトレッドミルベルトを動作させるための利用可能トルク量と必要トルク量とを決定可能である。必要体重の取得後、制御系はトレッドミルに適切なギア比を選択可能である。
【0077】
一体型フライホイール発電機は、トレッドミルデッキのたわみによって測定されるように、過度に硬い又は過度に柔らかいトレッドミルデッキに起因するエネルギー損失なく円滑で均質なトレッドミル運転を行うために、可変衝撃吸収系と共に作動可能である。可変衝撃吸収系の赤外線センサーは、トレッドミルデッキの変位を測定することで、ユーザーの体重を測定可能である。測定されたわみ、トレッドミルの傾斜設定、ベルト回転速度、及び計算された摩擦に基づき、制御系は、ベルトの回転開始及び維持に必要な労力がユーザーの体重に関わらず一定であるように可変衝撃吸収系の適切な「硬さ」とフライホイールの適切なギア比を選択する。一部の実施形態において、エネルギー貯蔵ユニット(例えば、バッテリ、コンデンサなど)は、フライホイール発電機によって生成された電気エネルギーを貯蔵するために本明細書に記載のいずれかのトレッドミルに設けられ得る。
【0078】
一定の所望する速度を維持するために、自己推進トレッドミルの一部の実施形態には、多角的速度制御方法が組み込まれる。一部の実施形態において、トレッドミルの速度制御は渦電流制動(ブレーキング)を含み得る。従来の摩擦ブレーキのように、
図22に示されるシステム2800などの渦電流システムは、その運動エネルギーを熱として消散させることで動く物体を減速又は停止するために用いられる装置である。しかしながら、動く物体の停止に使用される抗力が、共に押された2面間の摩擦によって得られる電気機械的ブレーキとは異なり、渦電流ブレーキの抗力は、電磁誘導を介して導体に誘導される過電流に起因する、磁石と相対運動する近傍の導電性物体と間の電磁力である。
【0079】
静止磁石を通過する導電性面には、磁場によって該面に誘導される、渦電流と呼称される円形電流が起こる。渦状の電流は、磁石の磁場とは反対の、それ自体の磁場を発生させる。そうして、動く導体は、速度に比例して、その動きに対向する磁石からの抗力を受ける。渦電流の電気エネルギーは、導体の電気抵抗のため熱として消散される。
【0080】
渦電流制動のほかの有利性は、ブレーキが摩擦によって作動しないので、摩擦ブレーキのように交換が必要な摩耗するブレーキシュー面がないことである。渦電流制動の不利性は、制動力が速度に比例するので、摩擦ブレーキでは静止摩擦によって得られるような動く物体が静止しているときの保持力をブレーキが有しないことである。渦電流ブレーキは、電源が切られるか、又は制御系がトレッドミルを停止するためにその他の指示を受けたとき(主要な走行面の外の領域においてユーザーを検出することなど)に、トレッドミルベルトの回転を迅速に停止するために用いられ得る。しかし、トレッドミルが静止しているとき、以下に記載される抵抗制動及び摩擦制動などの他の速度制御方法が用いられるとよい。
【0081】
フライホイール材料の選択は、渦電流制動系の効率に強い関係がある。例として、高入力電圧を伴い高速で回転する、銅、アルミニウム、又は鋼などより導電性のある材料製のフライホイールは、渦電流制動性能を向上することができる。しかしながら、低速ではフライホイール発電機によって電気エネルギーがほとんど生成されず、渦電流制動系はトレッドミルベルトの速度制御に十分でないものであり得る。
【0082】
渦電流制動がトレッドミルの速度制御に不十分である場合、他のタイプの制御が行われるとよい。一部の実施形態において、発電機の出力に対応するハイパワーの抵抗器を用いる抵抗制動がトレッドミルの速度制御に用いられ得る。抵抗器は、発電機のエネルギーフローに「抵抗」し、発電機の減速効果をもたらして、次にトレッドミル速度を低下させる
。発電機の速度を上げるためには、抵抗は除かれる又は低減される。
【0083】
抵抗制動及び渦電流制動の両方がトレッドミル減速に不十分である場合、又は自動停止命令に応じてなどトレッドミルの速度制御が所望されるその他の場合、1つ以上の渦電流及び抵抗制動と共に、或いは1つ以上のこれら他の制御方法の代わりに、摩擦制動が用いられるとよい。機械的摩擦は、
図23に示されるように、硬鋼ディスクにブレーキパッドを介して液圧を印加して前方ローラー又はフライホイールの回転を下げる又は停止するために適用されるとよい。摩擦ブレーキ2820は、制御系から受ける命令に応じてホイール2830に作用して、トレッドミルを減速又は停止する。マウンテンバイクのディクスブレーキなどを含む、任意のタイプの摩擦又は機械的ブレーキが用いられ得る。ブレーキパッド2820は、セラミック、鋼、バイメタル、又はそれらの組合せなどの任意の材料から作製されるとよい。
【0084】
[フライホイール発電機系概要]
図12は、ユーザーによるトレッドミル運転によって生成された電気でコードレス・トレッドミルを運転するように構成された制御系900の一実施例を示す。例示の実施形態は限定を意図せず、むしろ一部の実施形態における所定の部材の例示的に示す。システム900は他の機能のための種々のその他の部材を包含し得、これらは図示される部材を明確化するために示されていない。
【0085】
システム900は、フライホイール発電機910、複数の可変衝撃吸収系(VIAS)センサー911、及び電子ディスプレイ930を包含するとよい。電子ディスプレイ930の所定の実施形態は、例えばLED、LCD、プラズマ、又は投影スクリーンである任意のフラットパネルディスプレイ技術であるとよい。電子ディスプレイ930は、ユーザーに対する視覚ディスプレイ用情報を受信するためにプロセッサ920に連結されるとよい。そうした情報は、メモリ域保存ファイルの視覚的表示、プロセッサ920にインストールされたソフトウエアアプリケーション、ユーザーインターフェイス、及びネットワークアクセス可能なコンテンツオブジェクトを含むとよいが、これらに限定されない。
【0086】
システム900は、赤外線センサーなどの、1つのセンサー911又はセンサー911の組合せを包含し採用するとよい。システム900は、センサー911及びフライホイール発電機910と通信するプロセッサ920をさらに含み得る。ワーキングメモリ935、電子ディスプレイ930、及びプログラムメモリ940もプロセッサ920と通信する。
【0087】
一部の実施形態において、プロセッサ920は特にトレッドミル運転のために設計されたものである。図に示されるように、プロセッサ920はプログラムメモリ940及びワーキングメモリ935とデータ通信する。一部の実施形態において、ワーキングメモリ935は、例えばキャッシュメモリなど、プロセッサ920に組み込まれるとよい。ワーキングメモリ935は、例えば1つ以上のRAM又はDRAMコンポーネントなど、プロセッサ920とは区別されてプロセッサ920に連結されたコンポーネントであってもよい。換言すると、
図12は、いくつかのモジュールを含むメモリコンポーネント940とワーキングメモリを含む個別メモリ935とを包含する2つのメモリコンポーネントを示すものの、当業者は種々のメモリアーキテクチャーを利用するいくつかの実施形態を認め得る。例として、メモリ940に包含されるモジュールを実行するプロセッサ命令を保存するためのROM又はスタティックRAMメモリを利用する設計であってよい。そしてプロセッサによる実行を容易にするために、プロセッサ命令をRAMに読み込むとよい。例として、ワーキングメモリ935は、プロセッサ920による実行前にワーキングメモリ935に読み込んだ命令を有するRAMメモリであってよい。
【0088】
図に示される実施形態において、プログラムメモリ940はデッキたわみ測定モジュール945、体重計算モジュール950、トルク計算モジュール955、オペレーティングシステム965、及びユーザーインターフェイスモジュール970を包含する。これらのモジュールには、プロセッサ920が種々の処理とデバイス管理タスクとを行うように構成した命令を含むとよい。プログラムメモリ940は、例えば非一過性、非一時的で記憶媒体である、任意の適切な、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体であり得る。ワーキングメモリ935は、メモリ940のモジュールに包含された、使用するプロセッサ命令一式を保存するためにプロセッサ920によって用いられてもよい。代替的に、ワーキングメモリ935は、トレッドミル900の運転時に生成された動的データを保存するためにプロセッサ920によって用いられてもよい。
【0089】
上述のように、プロセッサ920は、メモリ940に保存されたいくつかのモジュールによって構成されるとよい。換言すると、プロセッサ920はメモリ940のモジュールに保存された命令を実行可能である。デッキたわみモジュール945は、プロセッサ920がVIASセンサー911からデッキたわみ測定値を取得するように構成した命令を包含し得る。ゆえに、プロセッサ920は、デッキたわみモジュール945、VIASセンサー911、及びワーキングメモリ935と共に、デッキたわみデータを取得するための一技法を表す。
【0090】
さらに
図12を参照すると、メモリ940はまた体重計算モジュール950も包含するとよい。体重計算モジュール950は、測定されたデッキたわみに基づいてプロセッサ920がユーザーの体重を計算するように構成した命令を含むとよい。ゆえに、プロセッサ920は、体重計算モジュール950及びワーキングメモリ935と共に、トレッドミルのユーザーの体重を計算するための一手段を表す。
【0091】
メモリ940はトルク計算モジュール955も包含するとよい。トルク計算モジュール955は、測定されたデッキたわみから決定された体重計算からトレッドミルの利用可能トルクと必要トルクとをプロセッサ920が計算するように構成した命令を含むとよい。例として、プロセッサ920は、トルク計算モジュール955によって命令されて、利用可能トルクと必要トルクとを計算して、計算されたトルクをワーキングメモリ935又は記憶装置925に保存してもよい。ゆえに、プロセッサ920は、体重計算モジュール950、トルク計算モジュール955、及びワーキングメモリ935と共に、トルク計算を算出及び保存するための一手段を表す。
【0092】
メモリ940はユーザーインターフェイスモジュール970も包含するとよい。
図12に示されるユーザーインターフェイスモジュール970は、ユーザーのデバイスとの対話を可能にする表示オブジェクト及びソフトコントロール一式をプロセッサ920が提供するように構成した命令を含むとよい。また、ユーザーインターフェイスモジュール970は、アプリケーションがシステムのその他の部分と対話することを可能にする。オペレーティングシステムモジュール965もまたメモリ940にあるとよく、システム900のメモリと処理リソースとを管理するためにプロセッサ920と共に動作するとよい。例として、オペレーティングシステム965は、例えば電子ディスプレイ930又はセンサー911であるハードウエアリソースを管理するためのデバイスドライバを含むとよい。一部の実施形態において、デッキたわみモジュール945、体重計算モジュール950、及びトルク計算モジュール955に包含される命令は、これらのハードウエアリソースと直接的に対話しなくともよいが、代わりにオペレーティングシステム965に位置する標準サブルーチン又はAPIを介して対話する。また、オペレーティングシステム965内の命令はこれらのハードウエアコンポーネントと直接的に対話してもよい。
【0093】
プロセッサ920は記憶モジュール925にデータを書き込むとよい。記憶モジュール
925は、ディスク利用記憶装置、又はメモリディスク、USBドライブ、フラッシュドライブ、遠隔接続記憶媒体、若しくはバーチャルディスクドライバなどを含む他のいくつかのタイプの記憶媒体の1つを含むとよい。
【0094】
図12は、プロセッサ、センサー、電子ディスプレイ、及びメモリを含む個別のコンポーネントを含むデバイスを示すが、これらの個別のコンポーネントは特定の設計オブジェクトを得るために種々の方法において組み合わせられ得るということを当業者は認め得る。例として、代替の実施形態において、メモリコンポーネントは、費用を抑え且つ性能を向上させるためにプロセッサコンポーネントと組み合わせられるとよい。
【0095】
さらに、
図12は、いくつかのモジュールを含むメモリコンポーネント940とワーキングメモリを含む個別メモリ935を包含する2つのメモリコンポーネントを示すが、種々のメモリアーキテクチャーを利用するいくつかの実施形態を当業者は認め得る。例として、メモリ940に包含されるモジュールを実行するプロセッサ命令を保存するためのROM又はスタティックRAMメモリを利用する設計であってよい。代替的に、プロセッサ命令は、システム900に統合された又は外部デバイスポートを介して接続されたディスク記憶装置からシステム起動において読み込まれるとよい。プロセッサ命令は、プロセッサによる実行を容易にするために、RAMに読み込まれてもよい。例として、ワーキングメモリ935は、プロセッサ920による実行前にワーキングメモリ935に読み込んだ命令を有するRAMメモリであってよい。
【0096】
[ギア比制御処理]
本発明の実施形態は、コードレス・トレッドミル運転のために自動的にギア比を決定する処理に関する。実施例は、フローチャート、フロー図、有限状態図、構造図、又はブロック図として示される処理として記載され得る。フローチャートは操作を逐次処理として記述し得るが、多くの操作は並列、又は共に行われ得、処理は繰り返され得る。加えて、操作順序は並べ替えられ得る。操作が完了すると処理は終了する。処理は、方法、関数、手順、サブルーチン、サブプログラムなどに相当し得る。処理がソフトウエア関数に相当するとき、その終了は、関数が呼び出し関数又は主関数に戻ることに相当する。
【0097】
図13は、種々の体重のユーザーに対して円滑で均質な運転を行うようにコードレス・トレッドミルを構成するための処理500の実施形態の一実施例を示す。具体的には、
図13に示される処理により、好ましくは種々の体重のユーザーがトレッドミルベルトの回転を円滑に開始且つ維持することが可能になる。一部の実施例において、処理500は、例えばプロセッサ920(
図12)であるプロセッサ上で、及び、メモリ940に保存される又はその他のハードウエア若しくはソフトウエアに組み込まれる
図12に記載のその他のコンポーネントにおいて、実行されるとよい。
【0098】
図13に示されるような処理では、直接的にユーザーの体重を測定することで、トレッドミルデッキのたわみを測定することで、又はその他の手段を介して測定され得るユーザーの体重が測定され、測定された体重を用いて、トレッドミルベルトを回転するための利用可能トルクとトレッドミルベルトを回転するための必要トルクとが決定される。処理500は開始ブロック502において開始される。そして、処理500は、例えばプロセッサ920であるプロセッサが、ユーザーの体重によるデッキのたわみの量を測定するように命令を受け、デッキのたわみ量に基づいてユーザーの体重を測定する、ブロック504に移行する。その後、処理500はブロック506に移行し、傾斜量並びにトレッドミル上のユーザーの体重及び動作速度などのトレッドミルの設定に基づいて、プロセッサが利用可能トルクを決定するように命令を受ける。上述されるように、利用可能トルクは、ユーザーの体重及びトレッドミルデッキの傾斜設定などのトレッドミル設定により利用可能な可変量のトルクから、トレッドミルベルト、前後方ローラー、及びフライホイール・ギ
ア系などのトレッドミル部材の所定の摩擦を引いたものである。利用可能トルクが決定されたら、処理500はブロック508に移行する。ブロック508において、プロセッサは、ベルトの回転開始に必要なトルク量である必要トルクを決定するように命令を受ける。必要トルク決定後、処理500はブロック510に移行し、プロセッサは、ユーザーの体重に基づいてトレッドミルの円滑な運転を行うために、計算された利用可能トルク及び必要トルクに基づいて、フライホイール発電機系に適切なギア比を決定するように命令を受ける。適切なギア比が決定されたら、処理500はブロック512に移行し、プロセッサはトレッドミルの円滑且つ効率的な運転を行うようにフライホイール発電機系に適切なギア比を設定するように命令を受ける。そして、処理500はブロック514に移行して終了する。
【0099】
一部の実施形態において、フライホイール発電機系における適切なギアの設定は、上述のような抵抗制動、渦電流制動、及び/又は摩擦制動など、どの制動又は速度制御方法を使用するかの決定終了をさらに包含するとよい。
【0100】
[自動停止]
一部の実施形態において、上述のトレッドミルは、所定率のユーザー体重が予想使用位置から所定距離の移動をしたときにトレッドミルベルトを減速又は停止することができるという自動停止機能を包含し得る。自動停止機能は、赤外線(infrared、IR)センサー又は圧力センサー(又はその他のセンサー)などの少なくとも1つのセンサーと、上述の可変衝撃吸収系などの制御系と共に作動する。自動停止により、安全コードのクリップ留めなどの任意のユーザーの行為によるものではない、トレッドミルベルトに自動安全機構が好ましくは提供される。
【0101】
例として、ユーザーがトレッドミル上を歩行又は走行するとき、通常ユーザーの体重は、トレッドミルベルトの中央線のすぐ左の領域とすぐ右の領域との間に均等に分配され、これはユーザーの左右のステップの予想経路に相当する。例えば、少なくとも75%のユーザーの体重が、センサーによって測定されるように、トレッドミルの極端に右又は極端に左の端部に移動した場合、制御系はトレッドミルを停止するように作用し得る。同様に、所定率を超えたユーザー体重が、予想使用位置の極端に前又は極端に後ろに配置される場合、制御系はトレッドミルを停止するように作用し得る。使用時のユーザー体重移動の変化に対するトレッドミルの感度を制御するために、所定率のユーザー体重又は所定の体重移動率が(例えばユーザーによって)選択可能である。一部の実施形態において、所定率とは5%、10%、25%、50%、75%、又は90%である。
【0102】
一部の実施形態において、トレッドミルは、センサー制御緊急停止システム(sensor controlled emergency stopping system、SCESS)を包含するとよい。SCESSでは、ユーザーのステップが走行面に関してデッキのどこにあるかを検出するために、上述のVIASシステムの一部として用いられるセンサーと同じものであるか又は同じものでないセンサーが用いられる。トレッドミルデッキは、
図1Aに示される線111によって表されるように、前方部分117と後方部分119とに分けられる。通常運転時に、ユーザーがトレッドミル上を歩行又は走行するとき、ユーザーは一方のステップで前方部分に踏み入って、他方のステップは後方部分119から上がる。そして、ユーザーが歩行するときに、ユーザーの体重は前方部分117と後方部分119との間で連続的に入れ替わる。例として、ユーザーが右足で前方部分117に踏み入る場合、トレッドミルベルトが回転すると体重は後方部分119に移動すると予期される。
図12に例示されるVIASシステムの一部として示されるセンサー911、又は
図21に示されるセンサー2911などのセンサーにおいて、ユーザーの次のステップが予想領域(つまり、一部の実施形態においては前方部分117内)にないステップ又は望ましくない若しくは安全でない領域にあるステップであることを検出する場合、
信号が制御系に送信されてトレッドミルベルトを停止する。引き続き上述の実施例に関して、ユーザーの次の左足でのステップが前方部分117内にない場合、制御信号が制御系に送信されてトレッドミルベルトを停止可能である。このため、ユーザーが転ぶか又はトレッドミルベルトの予想外の位置にいるときにベルトの回転を停止できずにユーザーがトレッドミルの後方に投げ出されることを防止できる。部分的なセンサー2911一式が、トレッドミルの一方側において
図21に示されるものの、さらなるセンサー2911がトレッドミルデッキの他方側に配置されて、トレッドミル上のユーザの位置をさらに特定してもよい。
【0103】
[視覚フィードバックシステム]
一部の実施形態において、リアルタイムの視覚フィードバックシステムが上述のトレッドミル或いは任意の他のフィットネスマシンに設けられる。視覚フィードバックシステムは、例えば、トレッドミルデッキ又はカートリッジの上又は下に配置されたセンサー(圧力又は時間センサーなど)に基づいて、ユーザーの左右のステップ間の衝撃又は持続時間の違いを示すことができる。
【0104】
視覚フィードバックシステムは、赤色から黄色、緑色、黄色、赤色に段階的に変わる一連のライトとして、これらの値(例えば、デッキ上の各ステップの衝撃からの圧力、ステップとデッキとの接触時間、デッキ上の左右の衝撃のタイミング、それらの値の変化、など)を表示可能である。各足又は腕に対して、個別の一連のライトが提供され得る。ユーザーの歩行の乱れを示すため、例えば、ユーザーの右側を測定するセンサーに対応するライトが第1の赤色部に点灯して、右足について、持続時間が極端に短いステップであること或いは極端に圧力が小さいステップであることを示すことができる。ユーザーの左側を測定するセンサーに対応するライトが第2の赤色部に点灯して、左足について、持続時間が極端に長いステップであること或いは極端に圧力が大きいステップであることを示すことができる。理想的には、ユーザーのステップは、左右のステップ間の軽く均等な衝撃及び持続時間を示す緑色部にあり得る。
【0105】
このフィードバックシステムにより、ユーザーのバランス向上を支援する情報が提供され得る。しかしながら、該フィードバックシステムはトレッドミルでの使用に限定されず、強さの不均衡を示すために任意のフィットネスマシーンに使用可能である。フィードバックシステムはまた、理学療法、又は手術若しくはけがから回復する人のリハビリテーションに使用されてもよい。
【0106】
[有用性及び有利性]
1以上を上述の特徴を備えたトレッドミルには、従来のコードレス・トレッドミルに対していくつかの有利性がある。最も注目すべきは、上述の一体型フライホイール発電機系を包含するトレッドミルでは、従来のコードレス・トレッドミルと比較して初期開始抵抗が低下した、より円滑な開始及び停止運転が行われることであり得る。さらに、制御コンソールに電源の供給、視覚フィードバックシステムの照明、又はその他の目的に用いられ得る電気も、トレッドミルは生成し得る。
【0107】
また、上述のようなトレッドミルは、上述の「ドロップイン」フレーム設計により組立てが容易でもあり得る。トレッドミルの走行又は歩行面の中央に位置する千鳥状ローラーパターンを含むカートリッジ設計により、ユーザーに円滑で均質な面が望ましくは提供される。ベルトとローラーとの常時接触により、エネルギー損失を低減し、発電機へのエネルギー伝達を向上する。
【0108】
リハビリテーション環境における使用に特に有用であり得る自動停止及び視覚フィードバックシステムによって、安全性及びユーザー機能の向上が望ましくは提供される。
【0109】
[用語の明確化]
実施形態は添付の図面に関して記載されている。しかしながら、図は正確な縮尺で描かれていないということが理解される必要がある。距離、角度などは単に例示的なものであり、描かれたデバイスの実際の寸法やレイアウトと必ずしも正確に関連するわけではない。さらに、前述の実施形態は、本明細書に記載のデバイス、システムなどを当業者が作製及び使用可能である程度の詳細さで記載されている。また、広範な種々の変形が可能である。部材、構成要素、及び/又は段階は変更、追加、削除、又は再編成が可能である。所定の実施形態が明示的に記載されているが、この開示に基づいて、当業者にはその他の実施形態が明らかになる。
【0110】
本明細書において使用される、なかでも「可能である」「できる」「するとよい」「し得る」「例えば」などの、暫定的な文言は、具体的に述べられるか、そうでなければ用いられる文脈内で理解されない限り、所定の実施形態が所定の特徴、構成要素、及び/又は状態を包含する一方で、その他の実施形態はそれらを含まないことを示唆するということを通常意図する。このように、1つ以上の実施形態に特徴、構成要素、及び/又は状態がいずれにせよ必要とされること、又は、任意の特定の実施形態においてこれらの特徴、構成要素、及び/又は状態が包含若しくは実施されるかを、著者による働きかけや情報の有無で決定する論理を、1つ以上の実施形態が必ず含むこと、について示唆することをそうした暫定的文言は通常意図していない。
【0111】
本明細書に記載の任意の方法における所定の作用、イベント、又は機能は、実施形態に応じて、異なる順序で行われ得、追加、統合、若しくは完全に除外され得る(例えば、記載のすべての作用又はイベントが該方法の実施に必要なわけではない)。さらに、所定の実施形態において、作用又はイベントは、例えば、連続的であるかわりに、マルチスレッド処理、割込み処理、又は複数のプロセッサ若しくはプロセッサコアを介して同時に実施され得る。
【0112】
上述の詳細な説明において、種々の実施形態に適用されるような新規の特徴が提示、記載、及び挙げられているが、記載されるデバイス又はアルゴリズムの形態及び詳細において、種々の省略、代替、及び変更が本開示の趣旨から離れることなく行われ得るということが理解される。理解されるように、一部の特徴はその他とは別に使用又は実施され得るので、本明細書に記載の発明の所定の実施形態は本明細書に示されるすべての特徴及び有利性を提供するわけではない形態として例示され得る。本明細書に開示の所定の発明の範囲は、前述の記載よりも、添付の特許請求の範囲によって示されるものである。特許請求の範囲と同等の意味及び範囲に該当するすべての変更は、その範囲内に包含される。