IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 華碩電腦股▲ふん▼有限公司の特許一覧

特許7033637無線通信システムにおけるサイドリンク通信のためのQoS(Quality of Service)フローのDRB(Data Radio Bearer)への再マッピングをサポートするための方法および装置
<>
  • 特許-無線通信システムにおけるサイドリンク通信のためのQoS(Quality  of  Service)フローのDRB(Data  Radio  Bearer)への再マッピングをサポートするための方法および装置 図1
  • 特許-無線通信システムにおけるサイドリンク通信のためのQoS(Quality  of  Service)フローのDRB(Data  Radio  Bearer)への再マッピングをサポートするための方法および装置 図2
  • 特許-無線通信システムにおけるサイドリンク通信のためのQoS(Quality  of  Service)フローのDRB(Data  Radio  Bearer)への再マッピングをサポートするための方法および装置 図3
  • 特許-無線通信システムにおけるサイドリンク通信のためのQoS(Quality  of  Service)フローのDRB(Data  Radio  Bearer)への再マッピングをサポートするための方法および装置 図4
  • 特許-無線通信システムにおけるサイドリンク通信のためのQoS(Quality  of  Service)フローのDRB(Data  Radio  Bearer)への再マッピングをサポートするための方法および装置 図5
  • 特許-無線通信システムにおけるサイドリンク通信のためのQoS(Quality  of  Service)フローのDRB(Data  Radio  Bearer)への再マッピングをサポートするための方法および装置 図6
  • 特許-無線通信システムにおけるサイドリンク通信のためのQoS(Quality  of  Service)フローのDRB(Data  Radio  Bearer)への再マッピングをサポートするための方法および装置 図7
  • 特許-無線通信システムにおけるサイドリンク通信のためのQoS(Quality  of  Service)フローのDRB(Data  Radio  Bearer)への再マッピングをサポートするための方法および装置 図8
  • 特許-無線通信システムにおけるサイドリンク通信のためのQoS(Quality  of  Service)フローのDRB(Data  Radio  Bearer)への再マッピングをサポートするための方法および装置 図9
  • 特許-無線通信システムにおけるサイドリンク通信のためのQoS(Quality  of  Service)フローのDRB(Data  Radio  Bearer)への再マッピングをサポートするための方法および装置 図10
  • 特許-無線通信システムにおけるサイドリンク通信のためのQoS(Quality  of  Service)フローのDRB(Data  Radio  Bearer)への再マッピングをサポートするための方法および装置 図11
  • 特許-無線通信システムにおけるサイドリンク通信のためのQoS(Quality  of  Service)フローのDRB(Data  Radio  Bearer)への再マッピングをサポートするための方法および装置 図12
  • 特許-無線通信システムにおけるサイドリンク通信のためのQoS(Quality  of  Service)フローのDRB(Data  Radio  Bearer)への再マッピングをサポートするための方法および装置 図13
  • 特許-無線通信システムにおけるサイドリンク通信のためのQoS(Quality  of  Service)フローのDRB(Data  Radio  Bearer)への再マッピングをサポートするための方法および装置 図14
  • 特許-無線通信システムにおけるサイドリンク通信のためのQoS(Quality  of  Service)フローのDRB(Data  Radio  Bearer)への再マッピングをサポートするための方法および装置 図15
  • 特許-無線通信システムにおけるサイドリンク通信のためのQoS(Quality  of  Service)フローのDRB(Data  Radio  Bearer)への再マッピングをサポートするための方法および装置 図16
  • 特許-無線通信システムにおけるサイドリンク通信のためのQoS(Quality  of  Service)フローのDRB(Data  Radio  Bearer)への再マッピングをサポートするための方法および装置 図17
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-02
(45)【発行日】2022-03-10
(54)【発明の名称】無線通信システムにおけるサイドリンク通信のためのQoS(Quality of Service)フローのDRB(Data Radio Bearer)への再マッピングをサポートするための方法および装置
(51)【国際特許分類】
   H04W 76/23 20180101AFI20220303BHJP
   H04W 92/18 20090101ALI20220303BHJP
   H04W 76/25 20180101ALI20220303BHJP
【FI】
H04W76/23
H04W92/18
H04W76/25
【請求項の数】 16
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020173832
(22)【出願日】2020-10-15
(65)【公開番号】P2021072619
(43)【公開日】2021-05-06
【審査請求日】2020-12-11
(31)【優先権主張番号】62/927,332
(32)【優先日】2019-10-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】517114621
【氏名又は名称】華碩電腦股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】潘 立▲徳▼
(72)【発明者】
【氏名】郭 豊旗
【審査官】倉本 敦史
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2019/0320362(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0324631(US,A1)
【文献】ZTE Corporation, Sanechips,Discussion on SDAP issues,3GPP TSG RAN WG2 Meeting #107 R2-1909080,2019年08月16日,pp.1-5
【文献】Huawei, HiSilicon,Remaining issues on SLRB configuration,3GPP TSG-RAN WG2 Meeting #107 R2-1913712,2019年10月04日,pp.1-12
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W 4/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のUE(ユーザ機器)が、PC5 QoS(Quality of Service)フローのSL-DRB(Sidelink-Data Radio Bearer)への再マッピングをサポートするための方法であって、
第2のUEとのサイドリンク通信の確立することと、
前記サイドリンク通信のPC5 QoSフローを第1のSL-DRBへマッピングすることと、PC5 RRC(Radio Resource Control)メッセージを前記第2のUEに送信することであって、前記PC5 RRCメッセージは、前記PC5 QoSフローが第2のSL-DRBにマッピングされることを示す、送信することと、
前記PC5 RRCメッセージの送信に成功したことが下位レイヤによって確認された後、または前記PC5 RRCメッセージに対応するPC5 RRC完了メッセージを前記第2のUEから受信した後、エンドマーカー制御PDU(Protocol Data Unit)を前記第2のUEに送信することと、
前記PC5 RRCメッセージ送信に成功したことが下位レイヤによって確認された後、または前記PC5 RRC完了メッセージを前記第2のUEから受信した後、前記サイドリンク通信の前記PC5 QoSフローを前記第2のSL-DRBに再マッピングすることと、を含む、方法。
【請求項2】
ネットワークノードからRRCメッセージを受信することであって、前記RRCメッセージは、前記PC5 QoSフローが前記第2のSL-DRBにマッピングされることを示す、受信することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ネットワークノードは、基地局である、請求項に記載の方法。
【請求項4】
前記RRCメッセージは、前記第2のSL-DRB上の送信と受信の両方に関連するSLRB(Sidelink Radio Bearer)パラメータを含む、請求項に記載の方法。
【請求項5】
前記サイドリンク通信は、サイドリンクユニキャスト通信である、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記PC5 RRCメッセージは、前記第2のSL-DRB上の送信と受信の両方に関連するSLRB(Sidelink Radio Bearer)パラメータを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記エンドマーカー制御PDUは、前記PC5 QoSフローのアイデンティティを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記エンドマーカー制御PDUは、前記第1のSL-DRB上で送信される、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
UE(ユーザ機器)であって、
制御回路と、
前記制御回路に設けられたプロセッサと、
前記制御回路内に設置され、前記プロセッサに動作可能に結合されたメモリと、を含み、
前記プロセッサは、前記メモリに記憶されたプログラムコードを実行して、
第2のUEとのサイドリンク通信の確立することと、
前記サイドリンク通信のPC5 QoS(Quality of Service)フローを第1のSL-DRB(Sidelink-Data Radio Bearer)へマッピングすることと、
PC5 RRC(Radio Resource Control)メッセージを前記第2のUEに送信することであって、前記PC5 RRCメッセージは、前記PC5 QoSフローが第2のSL-DRBにマッピングされることを示す、送信することと、
前記PC5 RRCメッセージの送信に成功したことが下位レイヤによって確認された後、または前記PC5 RRCメッセージに対応するPC5 RRC完了メッセージを前記第2のUEから受信した後、エンドマーカー制御PDU(Protocol Data Unit)を前記第2のUEに送信することと、
前記PC5 RRCメッセージ送信に成功したことが下位レイヤによって確認された後、または前記PC5 RRC完了メッセージを前記第2のUEから受信した後、前記サイドリンク通信の前記PC5 QoSフローを前記第2のSL-DRBに再マッピングすることと、を行うように構成されている、UE。
【請求項10】
前記プロセッサは、前記メモリに記憶されたプログラムコードを実行して、
ネットワークノードからRRCメッセージを受信することであって、前記RRCメッセージは、前記PC5 QoSフローが前記第2のSL-DRBにマッピングされることを示す、受信することを行うように構成されている、請求項に記載のUE。
【請求項11】
前記ネットワークノードは、基地局である、請求項10に記載のUE。
【請求項12】
前記RRCメッセージは、前記第2のSL-DRB上の送信と受信の両方に関連するSLRB(Sidelink Radio Bearer)パラメータを含む、請求項10に記載のUE。
【請求項13】
前記サイドリンク通信は、サイドリンクユニキャスト通信である、請求項に記載のUE。
【請求項14】
前記PC5 RRCメッセージは、前記第2のSL-DRB上の送信と受信の両方に関連するSLRB(Sidelink Radio Bearer)パラメータを含む、請求項に記載のUE。
【請求項15】
前記エンドマーカー制御PDUは、前記PC5 QoSフローのアイデンティティを含む、請求項に記載のUE。
【請求項16】
前記エンドマーカー制御PDUは、前記第1のSL-DRB上で送信される、請求項に記載のUE。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2019年10月29日に出願された米国仮特許出願第62/927,332号の利益を主張し、その全開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、一般に、無線通信ネットワークに関し、より詳細には、無線通信システムにおいて、デバイス・ツー・デバイスチャネル測定を送信する方法および装置に関する。
【背景技術】
【0003】
移動体通信デバイスとの大量データの通信に対する要求が急速に高まる中、従来の移動体音声通信ネットワークは、インターネットプロトコル(IP)データパケットをやり取りするネットワークへと発展している。そのようなIPデータパケット通信は、移動体通信デバイスのユーザに、ボイスオーバIP、マルチメディア、マルチキャスト、およびオンデマンド通信サービスを提供可能である。
【0004】
例示的なネットワーク構造は、発展型ユニバーサル地上無線アクセスネットワーク(E-UTRAN)である。E-UTRANシステムは、上記のボイスオーバIPおよびマルチメディアサービスを実現するために、高いデータスループットを提供可能である。現在、次世代(例えば、5G)の新しい無線技術が3GPP標準化機構によって論じられている。このため、現行の3GPP標準内容に対する変更が現在提出され、3GPP標準の発展および確定に向けて検討されている。
【発明の概要】
【0005】
第1のUE(ユーザ機器)が、PC5 QoS(Quality of Service)フローのSL-DRB(Sidelink-Data Radio Bearer)への再マッピングをサポートする観点からの方法および装置が開示される。一実施態様において、本方法は、第1のUEが、第2のUEとのサイドリンク通信の確立することを含む。本方法は、第1のUEが、サイドリンク通信のPC5 QoSフローを第1のSL-DRBへマッピングすることを含む。本方法はまた、第1のUEが、PC5 RRC(Radio Resource Control)メッセージを第2のUEに送信することであって、PC5 RRCメッセージは、PC5 QoSフローが第2のSL-DRBにマッピングされることを示す、送信することを含む。追加的に、本方法は、第1のUEが、PC5 RRCメッセージの送信に成功したことが下位レイヤによって確認された後、またはPC5 RRCメッセージに対応するPC5 RRC完了メッセージを第2のUEから受信した後、エンドマーカー制御PDU(Protocol Data Unit)を第2のUEに送信することを含む。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】1つの例示的な実施形態による、無線通信システムの図を示す。
図2】1つの例示的な実施形態による、送信機システム(アクセスネットワークとしても知られる)および受信機システム(ユーザ機器またはUEとしても知られる)のブロック図である。
図3】1つの例示的な実施形態による、通信システムの機能ブロック図である。
図4】1つの例示的な実施形態による、図3のプログラムコードの機能ブロック図である。
図5】3GPP TS 23.287 V16.0.0の図5.2.1.4-1の複製である。
図6】3GPP TS 23.287 V16.0.0の図6.1.1-1の複製である。
図7】3GPP TR 38.885 V16.0.0の図7-1の複製である。
図8】3GPP電子メールの議論 [107bis#13]“Running CR to TS38.300 for NR V2X_v4”の図16.x.1-1の複製である。
図9】3GPP電子メールの議論[107bis#13]“Running CR to TS38.300 for NR V2X_v4”の図16.x.2.1-1の複製である。
図10】3GPP電子メールの議論[107bis#13]“Running CR to TS38.300 for NR V2X_v4”の図16.x.2.1-2の複製である。
図11】3GPP電子メールの議論[107bis#13]“Running CR to TS38.300 for NR V2X_v4”の図16.x.2.1-3の複製である。
図12】3GPP電子メールの議論[107bis#12]“Running CR to TS37.324 for 5G_V2X_NRSL_v4”の図4.2.1-1の複製である。
図13】3GPP電子メールの議論[107bis#12]“Running CR to TS37.324 for 5G_V2X_NRSL_v4”の図4.2.2-1の複製である。
図14】1つの例示的な実施形態によるフローチャートである。
図15】1つの例示的な実施形態によるフローチャートである。
図16】1つの例示的な実施形態によるフローチャートである。
図17】1つの例示的な実施形態によるフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下に説明する例示的な無線通信システムおよびデバイスは、無線通信システムを採用し、ブロードキャストサービスをサポートする。無線通信システムは、音声、データ等の様々なタイプの通信を提供するように広く展開されている。これらのシステムが、符号分割多元接続(CDMA)、時間分割多元接続(TDMA)、直交周波数分割多元接続(OFDMA)、3GPP LTE(Long Term Evolution)無線アクセス、3GPP LTE-AもしくはLTE-Advanced(Long Term Evolution Advanced)、3GPP2 UMB(Ultra Mobile Broadband)、WiMax、3GPP NR(New Radio)、またはその他何らかの変調技術に基づいてもよい。
【0008】
特に、以下に説明する例示的な無線通信システムおよびデバイスが、本明細書において3GPPと呼ばれる「第3世代パートナーシッププロジェクト」という名称のコンソーシアムにより提示される標準などの1つ以上の標準をサポートするように設計されてもよく、その標準は、TS 23.287 V16.0.0, “Architecture enhancements for 5G System (5GS) to support Vehicle-to-Everything (V2X) services (Release 16)”; TR 38.885 V16.0.0, “NR; Study on NR Vehicle-to-Everything (V2X) (Release 16)”; 3GPP電子メールの議論[107bis#13] “Running CR to TS38.300 for NR V2X_v4”; 3GPP電子メールの議論[107bis#12] “Running CR to TS37.324 for 5G_V2X_NRSL_v4”; および 3GPP RAN2#106 Chairman’s noteを含む。上記に挙げた標準および文書は、その全体が参照により本明細書に明示的に援用される。
【0009】
図1は、本発明の一実施形態に係る多重アクセス無線通信システムを示している。アクセスネットワーク100(AN)は、複数のアンテナグループを含み、あるグループは104および106を含み、別のグループは108および110を含み、また別のグループは112および114を含む。図1においては、各アンテナグループに対して、アンテナが2つしか示されていないが、より多くのあるいはより少ないアンテナが各アンテナグループに利用されてよい。アクセス端末116(AT)は、アンテナ112および114と通信しており、アンテナ112および114は、順方向リンク120を介して情報をアクセス端末116に送信すると共に、逆方向リンク118を介して情報をアクセス端末116から受信している。アクセス端末(AT)122は、アンテナ106および108と通信しており、アンテナ106および108は、順方向リンク126を介して情報をアクセス端末(AT)122に送信すると共に、逆方向リンク124を介して情報をアクセス端末(AT)122から受信している。FDDシステムにおいては、通信リンク118、120、124、および126は通信に異なる周波数を使用してよい。例えば、順方向リンク120では、逆方向リンク118によって使用される周波数とは異なる周波数を使用してよい。
【0010】
アンテナの各グループおよび/またはアンテナが通信するように設計されたエリアは、アクセスネットワークのセクターと称することが多い。本実施形態において、アンテナグループはそれぞれ、アクセスネットワーク100によってカバーされるエリアのセクターにおいて、アクセス端末と通信するように設計されている。
【0011】
順方向リンク120および126を介した通信において、アクセスネットワーク100の送信アンテナは、異なるアクセス端末116および122に対する順方向リンクの信号対雑音比を改善するために、ビームフォーミングを利用してよい。また、カバレッジにランダムに分散したアクセス端末への送信にビームフォーミングを使用するアクセスネットワークは、1つのアンテナからすべてのそのアクセス端末に送信を行うアクセスネットワークよりも、隣接セルのアクセス端末への干渉が少ない。
【0012】
アクセスネットワーク(AN)は、端末と通信するのに使用される固定局または基地局でよく、アクセスポイント、ノードB、基地局、拡張型基地局、進化型ノードB(eNB)、またはその他何らかの専門用語で呼ばれることもある。アクセス端末(AT)は、ユーザ機器(UE)、無線通信デバイス、端末、アクセス端末、またはその他何らかの専門用語で呼ばれることもある。
【0013】
図2は、MIMOシステム200における送信機システム210(アクセスネットワークとしても知られている)および受信機システム250(アクセス端末(AT)またはユーザ機器(UE)としても知られている)の実施形態の簡易ブロック図である。送信機システム210では、多くのデータストリームのトラフィックデータがデータ源212から送信(TX)データプロセッサ214に提供される。
【0014】
一実施形態において、各データストリームは、それぞれの送信アンテナを介して送信される。TXデータプロセッサ214は、データストリームに対して選択された特定の符号化方式に基づいて、各データストリームについてのトラフィックデータをフォーマット、符号化、およびインターリーブして、符号化データを提供する。
【0015】
各データストリームについての符号化データを、OFDM技術を使用してパイロットデータと多重化してよい。パイロットデータは、代表的には、既知の様態で処理される既知のデータパターンであり、受信機システムでチャネル応答を推定するのに使用されてよい。そして、各データストリームについての多重化パイロットおよび符号化データは、データストリームに対して選択された特定の変調方式(例えば、BPSK、QPSK、M-PSK、またはM-QAM)に基づいて変調(すなわち、シンボルマッピング)されて、変調シンボルを提供する。各データストリームについてのデータレート、符号化、および変調は、プロセッサ230により実行される命令によって決定されてよい。
【0016】
そして、すべてのデータストリームについての変調シンボルはTX MIMOプロセッサ220に与えられ、これが(例えば、OFDMの場合に)変調シンボルをさらに処理してよい。そして、TX MIMOプロセッサ220は、N個の変調シンボルストリームをN個の送信機(TMTR)222a~222tに提供する。特定の実施形態において、TX MIMOプロセッサ220は、ビームフォーミング加重をデータストリームのシンボルおよびシンボルが送信されているアンテナに適用する。
【0017】
各送信機222は、各シンボルストリームを受信および処理して1つ以上のアナログ信号を提供し、さらに、アナログ信号を調節(例えば、増幅、フィルタリング、およびアップコンバート)して、MIMOチャネルを介した送信に適した変調信号を提供する。そして、送信機222a~222tからのN個の変調信号がそれぞれ、N個のアンテナ224a~224tから送信される。
【0018】
受信機システム250においては、送信された変調信号はN個のアンテナ252a~252rによって受信され、各アンテナ252からの受信信号は、各受信機(RCVR)254a~254rに提供される。各受信機254は、それぞれの受信信号を調節(例えば、フィルタリング、増幅、およびダウンコンバート)して、調節された信号をディジタル化してサンプルを与え、さらに、これらのサンプルを処理して対応する「受信」シンボルストリームを提供する。
【0019】
そして、RXデータプロセッサ260は、特定の受信機処理技術に基づいて、N個の受信機254からのN個の受信シンボルストリームを受信および処理して、N個の「検出」シンボルストリームを提供する。そして、RXデータプロセッサ260は、各検出シンボルストリームを復調、デインターリーブ、および復号して、データストリームについてのトラフィックデータを復元する。RXデータプロセッサ260による処理は、送信機システム210でのTX MIMOプロセッサ220およびTXデータプロセッサ214により実行される処理と相補的である。
【0020】
プロセッサ270は、どのプリコーディングマトリクス(後述)使用するかを定期的に決定する。プロセッサ270は、マトリクス指標部およびランク値部を含む逆方向リンクメッセージを構築する。
【0021】
逆方向リンクメッセージは、通信リンクおよび/または受信データストリームに関する様々なタイプの情報を含んでよい。そして、逆方向リンクメッセージは、データ源236からの多くのデータストリームについてのトラフィックデータも受信するTXデータプロセッサ238により処理され、変調器280により変調され、送信機254a~254rにより調節され、送信機システム210に送り戻される。
【0022】
送信機システム210では、受信機システム250からの変調信号がアンテナ224により受信され、受信機222により調節され、復調器240により復調され、RXデータプロセッサ242により処理されて、受信機システム250により送信された逆方向リンクメッセージを抽出する。そして、プロセッサ230は、ビームフォーミング加重を決定するのにどのプリコーディングマトリクスを使用するかを決定し、そして、抽出されたメッセージを処理する。
【0023】
図3を参照すると、この図は、本発明の一実施形態による通信デバイスの代替的な簡易機能ブロック図を示している。図3に示されるように、無線通信システムにおける通信デバイスは、図1のUE(若しくはAT)116および122または図1の基地局(若しくはAN)100を実現するのに利用可能であり、無線通信システムは、好ましくはLTEまたはNRシステムである。通信デバイスは、入力デバイス302、出力デバイス304、制御回路306、中央演算処理装置(CPU)308、メモリ310、プログラムコード312、およびトランシーバ314を含んでよい。制御回路306は、CPU308を介してメモリ310内のプログラムコード312を実行することにより、通信デバイスの動作を制御する。通信デバイス300は、キーボード、キーパッド等の入力デバイス302を介してユーザにより入力された信号を受信することができ、モニタ、スピーカ等の出力デバイス304を介して画像および音声を出力することができる。トランシーバ314は、無線信号を受信および送信するのに使用され、受信信号を制御回路306に伝達すると共に、制御回路306により生成された信号を無線で出力する。無線通信システムにおける通信デバイス300は、図1のAN100を実現するのにも利用可能である。
【0024】
図4は、本発明の一実施形態による図3に示すプログラムコード312の簡易ブロック図である。本実施形態において、プログラムコード312は、アプリケーションレイヤ400、レイヤ3部402、およびレイヤ2部404を含み、レイヤ1部406に結合されている。レイヤ3部402は一般的に、無線リソース制御を実行する。レイヤ2部404は一般的に、リンク制御を実行する。レイヤ1部406は一般的に、物理的接続を実行する。
【0025】
3GPP TS 23.287は、V2X(Vehicle-to-Everything)通信を以下のように規定する:
[外1]
[“Example of PC5 Unicast Links”と題する、3GPP TS 23.287 V16.0.0の図5.2.1.4-1は、図5として複製]
[外2]
[“User Plane for PC5 interface”と題する、3GPP TS 23.287 V16.0.0の図6.1.1-1は、図6として複製]
[外3]
【0026】
3GPP TS 38.885 V16.0.0は、NR V2XサイドリンクのためのQoS管理を以下のように規定する:
[外4]
[“SLRB configuration for SL unicast(UE-specific)”と題する、3GPP TR 38.885 V16.0.0の図7-1は、図7として複製]
[外5]
【0027】
RAN2#107bis会議後に発行されたNR V2X_v4のためのTS 38.300への3GPP Running CR(3GPP電子メールの議論[107bis#13]“Running CR to TS 38.300 for NR V2X_v4”で議論されているように)は、以下のようにサイドリンクに関する合意を獲得している。
[外6]
[“NG-RAN Architecture supporting the PC5 interface”と題する、3GPP電子メールの議論[107bis#13]の図16.x.1-1は、図8として複製]
[外7]
[“PC5 control plane(PC5-C) protocol stack for RRC”と題する、3GPP電子メールの議論[107bis#13]の図16.x.2.1-1は、図9として複製]
[外8]
[“PC5 control plane(PC5-C) protocol stack for PC5-S”と題する、3GPP電子メールの議論[107bis#13]の図16.x.2.1-2は、図10として複製]
[外9]
[“PC5 user plane(PC5-U) protocol stack”と題する、3GPP電子メールの議論[107bis#13]の図16.x.2.1-3は、図11として複製]
[外10]
【0028】
RAN2#107bis会議後に発行された5G_V2X_NRSL_v4のためのTS37.324への3GPP Running CR(3GPP電子メールの議論[107bis#12]“ Running CR to TS37.324 for 5G_V2X_NRSL_v4”で議論されているように)は、以下のようにサイドリンクに関する合意を獲得している。
[外11]
[“SDAP sublayer, structure view”と題する、3GPP電子メールの議論[107bis#12]“Running CR to TS37.324 for 5G_V2X_NRSL_v4”の図4.2.1-1は、図12として複製]
[外12]
[“SDAP layer, functional view”と題する、3GPP電子メールの議論[107bis#12]“Running CR to TS37.324 for 5G_V2X_NRSL_v4”の図4.2.2-1は、図12として複製
[外13]
【0029】
3GPP TR 38.885 V16.0.0の図7-1によれば、TX UEは、RX(Reception)UEとのサイドリンクユニキャスト通信中に、新しいPC5 QoSフローのためのSLRB設定を要求してもよい。次いで、gNBは、SLRB設定をTX(Transmission)UEに提供し、SLRB(Sidelink Radio Bearer)設定は、PC5 QoSフローのSLRB(またはSL-DRB)へのマッピングおよびSL-DRBのためのSLRBパラメータ(例えば、SDAP(Service Data Adaptation Protocol)、PDCP(Packet Data Convergence Protocol)、RLC(Radio Link Control)、またはLCH(Logical Channel)設定)を含んでもよい。
【0030】
3GPP RAN2#106 Chairman’s noteで議論されているように、NR SL QoSおよびSLRB設定に関するRAN2#106合意は、以下を含む。- RRC_CONNECTED UEの場合、新しいPC5 QoSフローの送信のために、それは、RRC専用シグナリングを介してPC5 QoSフローのQoS情報をgNB/ng-eNBに報告してもよい。- RRC_CONNECTED UEの場合、UEによって報告されたQoS情報に基づいて、gNB/ng-eNBはSLRB設定を提供し、RRC専用シグナリングを介してPC5 QoSフローのSLRBへのマッピングを設定してもよい。UEは、SLRB設定を受信した後にのみ、SLRBを確立/再設定することができる。UEがSLRBを確立/再設定するときについては、さらに検討する。- UEのSLユニキャストの場合、NW設定/事前設定されたSLRB設定は、TXのみに関連するSLRBパラメータと、TXとRXの両方に関連し、ピアUEと整列する必要があるSLRBパラメータとを含む。- SLユニキャストの場合、開始UEは、TXとRXの両方に関連し、ピアUEと整列する必要があるSLRBパラメータをピアUEに通知する。詳細パラメータについては、さらに検討する。
【0031】
上記の合意によって、TX UEは、gNBからこれらのSLRBパラメータを受信した後、TXおよびRXの両方に関連するSLRBパラメータをRX UEに転送する必要がある。追加的に、3GPP電子メールの議論[107bis#12] “Running CR to TS37.324 for 5G_V2X_NRSL_v4”のSection 5.Xによって、gNBは、PC5 QoSフローを第2のSL-DRBに再マッピングしてもよく、RRCレイヤがPC5 QoSフローに対して新しいPC5 QoSフローのSL-DRBへのマッピングルールを設定したときに、PC5 QoSフローに対して新しいPC5 QoSフローのSL-DRBへのマッピングルールを記憶し、エンドマーカー制御PDU(旧PC5 QoSフローのための旧SL-DRB上で)をRX UEに送信してもよい。エンドマーカー制御PDUは、TX UEが関連するPC5 QoSフローの旧SL-DRBへのマッピングを停止することを示すために使用され、PC5 QoSフローからの次のサイドリンクデータPDUが第2のSL-DRBで送信されることを示唆する。TX UEは、事前設定またはRRC状態遷移を行うときにgNBによってブロードキャストされるシステム情報に基づいて、PC5 QoSフローの第2のSL-DRBへの再マッピングをしてもよい。
【0032】
Uuインタフェースの場合、QoSフローのDRBへの再マッピングのための手順は、gNBが既存のQoSフローに対して新しいQoSフローのDRBへのマッピングを設定するときに行われる。UL送信の場合、gNBは、関連するQoSフローに対するエンドマーカー制御PDU(Protocol Data Unit)をUEから受信する前に、再マッピングが発生することを既に知っている。従って、gNBは、再マッピングが発生したときに、新しくマッピングされたDRB上で受信された関連QoSフローから上りリンクデータPDUをバッファすることを開始し、次いで、元のDRB上の関連QoSフローに対するエンドマーカー制御PDUの受信時に、これらのバッファされた上りリンクデータPDUを配信することができる。エンドマーカー制御PDUを受信することは、元のDRB上の全ての上りリンクデータPDUが受信され、上位レイヤに配信されるべきであったことを意味し、従って、関連するQoSフローからの上りリンクデータPDUの順次配信が、QoSフローのDRBへの再マッピング遷移中に確実にされ得る。
【0033】
PC5インタフェースの場合、TX UEはまた、エンドマーカー制御PDUをRX UEに送信することに加えて、PC5 QoSフローのSL-DRBへの再マッピングが発生したときに、RX UEに新しいマッピングを通知するために、PC5 RRC(Radio Resource Control)メッセージを送信する必要がある。PC5 RRCメッセージとエンドマーカー制御PDUは、異なるサイドリンクTB(Transport Block)で送信される可能性があるため、それらは、RX UEによって異なる時間インスタンスにおいて受信される可能性がある。エンドマーカー制御PDUが(例えば、PC5 RRCメッセージの送信に失敗したことにより)PC5 RRCメッセージの受信前にRX UEによって受信された場合、エンドマーカー制御PDUはRX UEによって無視される可能性がある。なぜなら、RX UEはエンドマーカー制御PDUに関連付けられたPC5 QoSフローに再マッピングが発生していないとみなすためである。結果として、RX UEは、バッファされたサイドリンクデータPDUを上位レイヤに配信するようにトリガされず、第2のSL-DRB上で送信されたこれらのサイドリンクデータPDUは、PC5 QoSフローのSL-DRBへの再マッピングを示すPC5 RRCメッセージがTX UEから後に受信された後に、RX UEによってバッファされる。
【0034】
関連するV2Xサービスへの影響は深刻である。なぜなら、第2のSL-DRBで送信される以下のサイドリンクデータPDUはすべて、PC5 QoSフローのSL-DRBへの再マッピングが発生した後にバッファされ、上位レイヤに配信されないためである。RX UEは、PC5 RRCメッセージの受信時に、これらのバッファされたサイドリンクデータPDUをいつ上位レイヤに配信するかを考慮するためにタイマを開始することができるが、この待ち時間は、必ずしも必要ではない。なぜなら、RX UEがすでにエンドマーカー制御PDUを受信しているためである。したがって、この問題は考慮され解決されるべきである。
【0035】
1つの一般的な解決策は、RX UEが関連するPC5 QoSフローのためのエンドマーカー制御PDUを受信したが、RX UEが関連するPC5 QoSフローのためのPC5 QoSフローのSL-DRBへのマッピングを再設定するためのPC5 RRCメッセージを受信していないときに、RX UEはPC5 RRCメッセージの受信を期待することができる。PC5 RRCメッセージが受信されたときに、RX UEは、第2のSL-DRB上で関連するPC5 QoSフローからサイドリンクデータPDUの受信を開始してもよく、関連するPC5 QoSフローのための旧SL-DRB上のエンドマーカー制御PDUを待つことなく、それらの受信したサイドリンクデータPDUを上位レイヤに配信することができる。
【0036】
別の可能性のある一般的な解決策は、PC5 RRCメッセージの送信に成功したことが下位レイヤによって確認されたときに、TX UEがエンドマーカー制御PDUをRX UEに送信することである。例えば、RLC(Radio Link Control)レイヤは、RX UEから受信した1つ以上のRLC STATUS PDUに従って、PC5 RRCメッセージの送信に成功したことを確認してもよく、RLC STATUS PDUは、どのRLC DATA PDUが受信されたかを示してもよい。別の例として、MAC(Medium Access Control)レイヤは、RX UEから受信したHARQフィードバックに従ってPC5 RRCメッセージの送信に成功したことを確認してもよく、HARQ(Hybrid Automatic Repeat Request)フィードバックは、PC5 RRCメッセージの送信に使用された論理チャネルを含むSL TBがRX UEによって受信されたことを示す。
【0037】
PC5 RRCメッセージの受信に応答して、RX UEは、PC5 RRC完了メッセージをTX UEに返信してもよい。したがって、RX UEからのPC5 RRC完了メッセージを受信したときに、TX UEがエンドマーカー制御PDUを送信することも可能であってもよい。
【0038】
一般に、上記の2つの選択肢の両方とも、PC5 RRCメッセージを受信した後に、RX UEによってエンドマーカー制御PDUが受信されることを確実にすることができ、PC5 QoSフローのSL-DRBへの再マッピングを示すPC5 RRCメッセージを受信したときに、RX UEが、第2のSL-DRB上で受信した関連するPC5 QoSフローからのサイドリンクデータPDUのバッファを開始することができ、次に、エンドマーカー制御PDUの受信時に、これらのバッファリングされたサイドリンクデータPDUを上位レイヤに配信するようにする。
【0039】
さらに、3GPP電子メールの議論 [107bis#12] ” Running CR to TS37.324 for 5G_V2X_NRSL_v4”のセクション5.Xで規定されているように、TX UEにおけるサイドリンクユニキャスト通信に関連付けられたSDAP(Service Data Adaptation Protocol)エンティティは、RRCレイヤが、PC5 QoSフローに対する新しいPC5 QoSフローのSL-DRBへのマッピングルールを設定するときに、PC5 QoSフローに対する新しいPC5 QoSフローのSL-DRBへのマッピングルールを記憶するものとする。新しいマッピングルールでは、TX UEは、第2のSL-DRB上でPC5 QoSフローからのサイドリンクデータPDUを送信することを開始してもよい。また、PC5 QoSフローのSL-DRBへの再マッピングを示し、任意で、第2のSL-DRBのためのSLRBパラメータを含むPC5 RRCメッセージよりも早く、第2のSL-DRB上で送信されるサイドリンクデータPDUがRX UEによって受信され得ることが可能である。第2のSL-DRBに対して2つのケースがあり得る。すなわち、第2のSL-DRBは、既存のSL-DRBであるか、または新しく作成されるSL-DRBである。
【0040】
第2のSL-DRBが既存のSL-DRB(例えば、デフォルトのSL-DRBまたは非デフォルトのSL-DRB)である場合、これらのサイドリンクデータPDUは、バッファされることなく直接上位レイヤに配信される可能性があり、従って、関連するPC5 QoSフローに順序ずれ配信が発生することがある。第2のSL-DRBが新しいSL-DRBである場合、RX UEはこれらのサイドリンクデータPDUを復号することができない。なぜなら、PC5 RRCメッセージに含まれる新しいSL-DRBのためのSLRBパラメータがまだRX UEによって受信されていないためである。結果として、これらのサイドリンクデータPDUが失われる。PC5 QoSフローのSL-DRBへの再マッピング遷移中に順序ずれ配信またはデータ損失を回避する方法が考慮されるべきである。
【0041】
一般に、可能な解決策は、PC5 RRCメッセージの送信に成功したことが下位レイヤによって確認されたか、またはRX UEからPC5 RRCメッセージに対応するPC5 RRC完了メッセージを受信したときに、TX UEが第2のSL-DRB上でサイドリンクデータPDUの送信を開始することである。
【0042】
サイドリンクユニキャスト通信に関連するSDAPエンティティは、RRCレイヤまたはTX UEがPC5 QoSフローに対する新しいPC5 QoSフローのSL-DRBへのマッピングルールを設定するときに、送信のためにエンドマーカー制御PDUを下位レイヤに送信し、関連するPC5 QoSフローに対して新しいPC5 QoSフローのSL-DRBへのマッピングルールを記憶するものとするため、上記の解決策を説明する別の方法は、PC5 RRCメッセージの下位レイヤによる送信が成功したとき、またはPC5 RRC完了メッセージがRX UEから受信されたときに、RRCレイヤまたはTX UEがPC5 QoSフローに対する新しいPC5 QoSフローのSL-DRBへのマッピングルールをSDAPエンティティに設定することである。
【0043】
図14は、第1のUEが、PC5 QoS(Quality of Service)フローのSL-DRB(Sidelink-Data Radio Bearer)への再マッピングをサポートする観点からの、1つの例示的な実施形態によるフローチャート1400である。ステップ1405において、第1のUEは、第2のUEとのサイドリンク通信を確立する。ステップ1410において、第1のUEは、サイドリンク通信のPC5 QoSフローを第1のSL-DRBへマッピングする。ステップ1415において、第1のUEは、PC5 RRCメッセージを第2のUEに送信し、PC5 RRCメッセージは、PC5 QoSフローが第2のSL-DRBにマッピングされることを示す。ステップ1420において、第1のUEは、PC5 RRCメッセージの送信に成功したことが下位レイヤによって確認された後、またはPC5 RRCメッセージに対応するPC5 RRC完了メッセージを第2のUEから受信した後、エンドマーカー制御PDUを第2のUEに送信する。
【0044】
図3および図4を再度参照すると、第1のUEが、PC5 QoSフローのSL-DRBへの再マッピングサポートする1つの例示的な実施形態において、第1のUE300は、メモリ310に記憶されたプログラムコード312を含む。CPU 308は、プログラムコード312を実行して、第1のUEが、(i) 第2のUEとのサイドリンク通信を確立することと、(ii) サイドリンク通信のPC5 QoSフローを第1のSL-DRBへマッピングすることと、(iii) PC5 RRCメッセージを第2のUEに送信することであって、PC5 RRCメッセージは、PC5 QoSフローが第2のSL-DRBにマッピングされることを示す、送信することと、(iv) PC5 RRCメッセージの送信に成功したことが下位レイヤによって確認された後、またはPC5 RRCメッセージに対応するPC5 RRC完了メッセージを第2のUEから受信した後、エンドマーカー制御PDUを第2のUEに送信することと、を行うことを可能にすることができる。さらに、CPU308は、プログラムコード312を実行して、本明細書に記載の上述のアクションおよびステップまたは他のすべてを行うことができる。
【0045】
図15は、第1のUEがPC5 QoSフローのSL-DRBへの再マッピングをサポートする観点からの、1つの例示的な実施形態によるフローチャート1500である。ステップ1505において、第1のUEは、第2のUEとのサイドリンク通信を確立する。ステップ1510において、第1のUEは、サイドリンク通信のPC5 QoSフローを第1のSL-DRBにマッピングする。ステップ1515において、第1のUEは、PC5 RRCメッセージを第2のUEに送信し、PC5 RRCメッセージは、PC5 QoSフローが第2のSL-DRBにマッピングされることを示す。ステップ1520において、第1のUEは、PC5 RRCメッセージの送信に成功したことが下位レイヤによって確認されたとき、またはPC5 RRCメッセージに対応するPC5 RRC完了メッセージを第2のUEから受信したときに、第2のSL-DRB上でPC5 QoSフローからのサイドリンクデータPDUを第2のUEに送信することを開始する。
【0046】
図3および図4を参照すると、第1のUEがPC5 QoSフローのSL-DRBへの再マッピングをサポートする1つの例示的な実施形態である。第1のUE300は、メモリ310に記憶されたプログラムコード312を含む。CPU308は、プログラムコード312を実行して、第1のUEが、(i) 第2のUEとのサイドリンク通信を確立することと、(ii) サイドリンク通信のPC5 QoSフローを第1のSL-DRBにマッピングすることと、(iii) PC5 RRCメッセージを第2のUEに送信することであって、PC5 RRCメッセージは、PC5 QoSフローが第2のSL-DRBにマッピングされることを示す、送信することと、(iv) PC5 RRCメッセージの送信に成功したことが下位レイヤによって確認されたとき、またはPC5 RRCメッセージに対応するPC5 RRC完了メッセージを第2のUEから受信したときに、第2のSL-DRB上でPC5 QoSフローからのサイドリンクデータPDUを第2のUEに送信することを開始することと、を行うことを可能にすることができる。さらに、CPU308は、プログラムコード312を実行して、本明細書に記載の上述のアクションおよびステップまたは他のすべてを行うことができる。
【0047】
図14~15に例示され、上述した実施形態に関連して、一実施形態では、第1のUEは、PC5 RRCメッセージの送信に成功したことが下位レイヤによって確認された後、または第2のUEからPC5 RRC完了メッセージを受信した後に、サイドリンク通信のPC5 QoSフローを第2のSL-DRBに再マッピングすることができる。
【0048】
図16は、第1のUEが、PC5 QoSフローのSL-DRBへの再マッピングをサポートする観点からの、1つの例示的な実施形態によるフローチャート1600である。ステップ1605において、第1のUEは、第2のUEとのサイドリンク通信を確立し、SDAPエンティティは、サイドリンク通信のために第1のUEによって生成される。ステップ1610において、第1のUEは、サイドリンク通信のPC5 QoSフローを第1のSL-DRBにマッピングする。ステップ1615において、第1のUEは、PC5のRRCメッセージを第2のUEに送信し、PC5 RRCメッセージは、PC5 QoSフローが第2のSL-DRBにマッピングされることを示す。ステップ1620において、第1のUEは、PC5 RRCメッセージの送信に成功したことが下位レイヤによって確認されたとき、またはPC5 RRCメッセージに対応するPC5 RRC完了メッセージを第2のUEから受信したときに、PC5 QoSフローに対する新しいPC5 QoSフローのSL-DRBへのマッピングルールをSDAPエンティティに設定する。
【0049】
図3および図4を参照すると、第1のUEが、PC5 QoSフローのSL-DRBへの再マッピングをサポートする1つの例示的な実施形態である。第1のUE300は、メモリ310に記憶されたプログラムコード312を含む。CPU 308は、第1のUEが、(i) 第2のUEとのサイドリンク通信を確立することであって、SDAPエンティティは、サイドリンク通信のために第1のUEによって生成される、確立することと、(ii) サイドリンク通信のPC5 QoSフローを第1のSL-DRBにマッピングすることと、(iii) PC5のRRCメッセージを第2のUEに送信することであって、PC5 RRCメッセージは、PC5 QoSフローが第2のSL-DRBにマッピングされることを示す、送信することと、(iV) PC5 RRCメッセージの送信に成功したことが下位レイヤによって確認されたとき、またはPC5 RRCメッセージに対応するPC5 RRC完了メッセージを第2のUEから受信したときに、PC5 QoSフローに対する新しいPC5 QoSフローのSL-DRBへのマッピングルールをSDAPエンティティに設定することと、を行うことを可能にすることができる。さらに、CPU308は、プログラムコード312を実行して、本明細書に記載の上述のアクションおよびステップまたは他のすべてを行うことができる。
【0050】
図14~16に例示され、上述した実施形態に関連して、一実施形態では、第1のUEはまた、ネットワークノードからRRCメッセージを受信することができ、RRCメッセージは、PC5 QoSフローが第2のSL-DRBにマッピングされることを示す。
【0051】
一実施形態では、ネットワークノードは基地局(例えば、gNB)であってもよい。第1のUEはRRC_CONNECTEDであってもよい。サイドリンク通信は、サイドリンクユニキャスト通信であってもよい。RRCメッセージは、第2のSL-DRB上の送信と受信の両方に関連するSLRBパラメータを含んでもよい。代替的には、RRCメッセージは、第2のSL-DRB上の送信にのみ関連するSLRBパラメータを含んでもよい。
【0052】
一実施形態では、PC5 RRCメッセージは、第2のSL-DRB上の送信と受信の両方に関連するSLRBパラメータを含んでもよい。エンドマーカー制御PDUは、PC5 QoSフローのアイデンティティ、例えばPFI(PC5 QoS Flow Identifier)を含んでもよい。エンドマーカー制御PDUは、第1のSL-DRB上で送信されてもよい。
【0053】
一実施形態では、SDAPエンティティは、PC5 QoSフローに対して新しいPC5 QoSフローのSL-DRBへのマッピングルールが設定されたときに、エンドマーカー制御PDUを下位レイヤに送信することができる。さらに、SDAPエンティティは、PC5 QoSフローに対して新しいPC5 QoSフローのSL-DRBへのマッピングルールが設定されたときに、新しいPC5 QoSフローのSL-DRBへのマッピングルールを記憶することができる。追加的に、SDAPエンティティは、新しいPC5 QoSフローのSL-DRBへのマッピングルールが設定されたときに、サイドリンク通信のPC5 QoSフローを第2のSL-DRBに再マッピングすることができる。
【0054】
図17は、第2のUEが、第1のUEとのサイドリンク通信のPC5 QoSフローのためのサイドリンク受信を行う観点からの1つの例示的な実施形態によるフローチャート1700である。ステップ1705において、第2のUEは、第1のUEからPC5 RRCメッセージを受信し、PC5 RRCメッセージは、PC5 QoSフローが第2のSL-DRBにマッピングされることを示す。ステップ1710において、第2のUEは、第1のUEから第2のSL-DRB上でPC5 QoSフローの1つ以上のサイドリンクデータPDUを受信する。ステップ1715において、第2のUEは、PC5 RRCメッセージを受信する前にPC5 QoSフローに対するエンドマーカー制御PDUを受信した場合、1つ以上のサイドリンクデータPDUを上位レイヤに配信する。
【0055】
一実施形態では、第2のUEは、PC5 QoSフローのエンドマーカー制御PDUがまだ受信していない場合、1つ以上のサイドリンクデータPDUをバッファすることができ、それらを上位レイヤに配信しない。また、第2のUEは、PC5 RRCメッセージを受信した後にエンドマーカー制御PDUを受信した場合、1つ以上のサイドリンクデータPDUを配信し、第2のUEがPC5 RRCメッセージを受信する前にエンドマーカー制御PDUを受信しない。
【0056】
一実施形態では、PC5 QoSフローは、PC5 RRCメッセージを受信する前に、第1のSL-DRBにマッピングされ得る。サイドリンク通信は、サイドリンクユニキャスト通信であり得る。PC5 RRCメッセージは、第2のSL-DRB上の送信と受信の両方に関連するSLRBパラメータを含んでもよいエンドマーカー制御PDUは、PC5 QoSフローのアイデンティティ、例えばPFI(PC5 QoS Flow Identifier)を含んでもよい。ネットワークノードは、基地局(例えば、gNB)であってもよい。
【0057】
図3および図4を参照すると、第2のUEが、第1のUEとのサイドリンク通信のPC5のQoSフローのためのサイドリンク受信を行う1つの例示的な実施形態である。第2のUE300は、メモリ310に記憶されたプログラムコード312を含む。CPU 308は、第2のUEが、(i) 第1のUEからPC5 RRCメッセージを受信することであって、PC5 RRCメッセージは、PC5 QoSフローが第2のSL-DRBにマッピングされることを示す、受信することと、(ii) 第1のUEから第2のSL-DRB上でPC5 QoSフローの1つ以上のサイドリンクデータPDUを受信することと、(iii)PC5 RRCメッセージを受信する前にPC5 QoSフローに対するエンドマーカー制御PDUを受信した場合、1つ以上のサイドリンクデータPDUを上位レイヤに配信することと、を行うことを可能にすることができる。さらに、CPU 308は、プログラムコード312を実行して、本明細書に記載の上述のアクションおよびステップまたは他のすべてを実行することができる。
【0058】
以上、本開示の種々の態様を説明した。当然のことながら、本明細書の教示内容を多種多様な形態で具現化することができ、本明細書に開示したいかなる指定の構造、機能、または両者も代表的なものに過ぎない。本明細書の教示内容に基づいて、当業者には当然のことながら、本明細書に開示した態様を、他のいかなる態様からも独立に実装することができ、これら態様のうちの2つ以上を種々組み合わせることができる。例えば、本明細書に記載した態様のうちの任意の数の態様を用いて、装置を実装することができ、方法を実現することができる。追加的に、本明細書に記載した態様のうちの1つ以上の追加または代替で、他の構造、機能、または構造と機能を用いて、このような装置を実装することができ、このような方法を実現することができる。上記概念の一部の一例として、いくつかの態様においては、パルス繰り返し周波数に基づいて、同時チャネルを確立することができる。いくつかの態様においては、パルス位置またはオフセットに基づいて、同時チャネルを確立することができる。いくつかの態様においては、時間ホッピングシーケンスに基づいて、同時チャネルを確立することができる。いくつかの態様においては、パルス繰り返し周波数、パルス位置またはオフセット、および時間ホッピングシーケンスに基づいて同時チャネルを確立することができる。
【0059】
当業者であれば、多様な異なるテクノロジおよび技術のいずれかを使用して、情報および信号を表わしてよいを理解するであろう。例えば、上記説明全体で言及されることがあるデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、およびチップは、電圧、電流、電磁波、磁場若しくは粒子、光場若しくは粒子、またはこれらの任意の組み合わせによって表わしてよい。
【0060】
さらに、当業者には当然のことながら、本明細書に開示された態様に関連して説明した種々の例示的な論理ブロック、モジュール、プロセッサ、手段、回路、およびアルゴリズムステップは、電子的ハードウェア(例えば、ソースコーディングまたはその他何らかの技術を用いて設計することがあるディジタル実装、アナログ実装、またはこれら2つの組み合わせ)、命令を含む種々の形態のプログラム若しくは設計コード(本明細書においては便宜上、「ソフトウェア」または「ソフトウェアモジュール」と称されることがある)、または両者の組み合わせとして実装されてよい。このハードウェアおよびソフトウェアの互換性を明確に示すため、種々の例示的な構成要素、ブロック、モジュール、回路、およびステップを、概略的にそれぞれの機能の側面から上述した。そのような機能がハードウェアとして実装されるか、ソフトウェアとして実装されるかは、特定用途およびシステム全体に課される設計上の制約によって決まる。当業者であれば、特定各用途に対して、説明した機能を様々なやり方で実装してもよいが、そのような実装の決定は、本開示の範囲からの逸脱の原因として解釈されるべきではない。
【0061】
追加的に、本明細書に開示される態様に関連して説明した種々の例示的な論理ブロック、モジュール、および回路は、集積回路(「IC」)、アクセス端末、またはアクセスポイント内で実装される、あるいはこれらによって実行されてよい。ICとしては、汎用プロセッサ、ディジタルシグナルプロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、その他プログラマブル論理デバイス、ディスクリートゲート若しくはトランジスタロジック、ディスクリートハードウェアコンポーネント、電気部品、光学部品、機械部品、または本明細書で説明した機能を実行するように設計されたこれらの任意の組み合わせを含み、IC内、IC外、またはその両方に存在するコードまたは命令を実行してよい。汎用プロセッサは、マイクロプロセッサとしてよいが、代替として、プロセッサは、従来の任意のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、または状態機械としてよい。また、プロセッサは、DSPとマイクロプロセッサとの組み合わせ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと協働する1つ以上のマイクロプロセッサ、またはその他任意のこのような構成である、コンピュータデバイスの組み合わせとして実装されてよい。
【0062】
任意の開示プロセスにおけるステップの如何なる特定の順序または階層は、実例的な手法の一例であることが了解される。設計の選好に基づいて、プロセスにおけるステップの特定の順序または階層を、本開示の範囲内に留まりつつ、再構成してよいことが了解される。添付の方法の請求項は、種々のステップの要素を実例的な順序で示しており、提示の特定順序または階層に限定されることを意図していない。
【0063】
本明細書に開示される態様に関連して記載された方法またはアルゴリズムのステップを、ハードウェアにおいて直接具現化してよく、プロセッサにより実行されるソフトウェアモジュールにおいて具現化してよく、これら2つの組み合わせにおいて具現化してよい。(例えば、実行可能な命令および関連するデータを含む)ソフトウェアモジュールおよび他のデータは、RAMメモリ、フラッシュメモリ、ROMメモリ、EPROMメモリ、EEPROMメモリ、レジスタ、ハードディスク、リムバーブルディスク、CD-ROM等のデータメモリ、または当技術分野において知られているその他任意の形態のコンピュータ可読記憶媒体に存在してよい。実例的な記憶媒体がコンピュータ/プロセッサ(本明細書においては便宜上、「プロセッサ」と称されることがある)等の機械に結合されてよい、このようなプロセッサは、記憶媒体からの情報(例えば、コード)の読み出しおよび記憶媒体への情報の書き込みが可能である。実例的な記憶媒体は、プロセッサと一体化されてよい。プロセッサおよび記憶媒体は、ASICに存在してよい。ASICは、ユーザ機器に存在していてもよい。代替として、プロセッサおよび記憶媒体は、ディスクリートコンポーネントとしてユーザ機器に存在してよい。さらに、いくつかの態様においては、任意の適当なコンピュータプログラム製品が、本開示の態様のうちの1つ以上に関連するコードを含むコンピュータ可読媒体を含んでもよい。いくつかの態様において、コンピュータプログラム製品は、パッケージング材料を含んでよい。
【0064】
以上、種々の態様に関連して本発明を説明したが、本発明は、さらに改良可能であることが了解される。本願は、概して本発明の原理に従うと共に、本発明が関係する技術分野における既知で慣習的な実施となるような本開示からの逸脱を含む本発明の任意の変形、使用、または適応を網羅することを意図している。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17