(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-02
(45)【発行日】2022-03-10
(54)【発明の名称】吸引ジェットポンプ装置
(51)【国際特許分類】
F04F 5/44 20060101AFI20220303BHJP
F02M 37/18 20060101ALI20220303BHJP
F02M 37/00 20060101ALI20220303BHJP
F04F 5/46 20060101ALI20220303BHJP
B60K 15/077 20060101ALI20220303BHJP
【FI】
F04F5/44 A
F02M37/18 A
F02M37/00 301J
F02M37/00 301U
F04F5/46 Z
B60K15/077 Z
(21)【出願番号】P 2020536662
(86)(22)【出願日】2018-12-20
(86)【国際出願番号】 IB2018060459
(87)【国際公開番号】W WO2019130182
(87)【国際公開日】2019-07-04
【審査請求日】2020-08-25
(32)【優先日】2017-12-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】518148098
【氏名又は名称】テーイー オートモーティブ テクノロジー センター ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】110000176
【氏名又は名称】一色国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】ベッカー,アルベルト
(72)【発明者】
【氏名】シェーファー,トシュテン
【審査官】大屋 静男
(56)【参考文献】
【文献】特表2003-536006(JP,A)
【文献】特開2005-069171(JP,A)
【文献】特開昭64-004510(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0319793(US,A1)
【文献】独国特許出願公開第102009047331(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04F 5/44-5/46
F02M 37/00、37/18
B60K 15/077
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸引ジェットポンプ装置(10)であって、
吸引ジェットポンプ(12)であって、
当該吸引ジェットポンプ(12)に燃料駆動流を供給するための一次流体入口(14)と、
送出されるべき燃料を当該吸引ジェットポンプ(12)に供給するための二次流体入口(16)と、
前記二次流体入口(16)よりも高い位置で、かつ前記一次流体入口(14)の反対側に配置され、前記燃料を排出するための流体出口(18)と、
を有する吸引ジェットポンプ(12)と、
収集容器(20)であって、
前記吸引ジェットポンプ(12)が当該収集容器(
20)の内容積部分(22)から前記二次流体入口(16)を介して燃料を吸引するように、前記吸引ジェットポンプ(12)の
前記一次流体入口(14)及び前記二次流体入口(16)を、
前記流体出口(18)の側以外の少なくとも3つの側から取り囲む収集容器(20)と
を備え、
前記収集容器(20)は、前記収集容器(
20)の外側から前記内容積部分(22)に燃料を供給するための少なくとも1つの燃料入口開口(24)を有し、
前記収集容器(20)の部分であって、前記一次流体入口(14)を取り囲む
第1U字形部分(25)は、上から見るとU字形の断面を有し、
前記収集容器(20)の前記
第1U字形部分(25)を形成する2つの側壁(28a、28b)の上縁は、それらの最も高い箇所が前記
第1U字形部分(25)の背面壁(26)に位置する傾斜した形状を有する
傾斜縁である
ことを特徴とする吸引ジェットポンプ装置。
【請求項2】
請求項1に記載の吸引ジェットポンプ装置(10)であって、
前記収集容器の前記燃料入口開口(24)は、前記吸引ジェットポンプ(12)の前記二次流体入口(16)よりも低いところに配置される
ことを特徴とする吸引ジェットポンプ装置。
【請求項3】
請求項1に記載の吸引ジェットポンプ装置(10)であって、
前記収集容器(20)は、
上から見ると前記第1U字形部分(25)
のU字形の向きに対して90°の角度
を成す向きのU字形の断面を有する第2U字形部分(30)を有し、
前記第2U字形部分(30)の1つの側壁(34)は、前記第1U字形部分(25)の1つの側壁(28a)に接続される
ことを特徴とする吸引ジェットポンプ装置。
【請求項4】
請求項3に記載の吸引ジェットポンプ装置(10)であって、
前記収集容器(20)の前記第2U字形部分(30)の2つの側壁(34a、34b)の上縁は、それらの最も高い箇所が前記第2U字形部分(30)の背面壁(32)に位置する傾斜した形状を有する
傾斜縁である
ことを特徴とする吸引ジェットポンプ装置。
【請求項5】
請求項1に記載の吸引ジェットポンプ装置(10)であって、
前記収集容器(20)の前記第1U字形部分(25)の前記側壁(28a、28b)は、前記二次流体入口(16)を越えて延在しており、
前記側壁により、前記二次流体入口(16)の領域内に燃料を保持できる
ことを特徴とする吸引ジェットポンプ装置。
【請求項6】
請求項
4に記載の吸引ジェットポンプ装置(10)であって、
前記収集容器(20)の前記第1U字形部分(25)及び
前記第2U字形部分(30)のうちの少なくとも一方の前記傾斜縁は、前記吸引ジェットポンプ(12)の下辺に対して少なくとも30°~40°の角度にて傾斜している
ことを特徴とする吸引ジェットポンプ装置。
【請求項7】
請求項1に記載の吸引ジェットポンプ装置(10)であって、
前記収集容器(20)は、上から見ると
前記U字形が組み合わされてなる螺旋形を有する
ことを特徴とする吸引ジェットポンプ装置。
【請求項8】
請求項7に記載の吸引ジェットポンプ装置(10)であって、
前記螺旋形の収集容器(20)の外壁のうちの少なくとも1つは、前記収集容器(20)の前記外側から前記内容積部分(22)に燃料を供給するための前記少なくとも1つの燃料入口開口(24)を有する
ことを特徴とする吸引ジェットポンプ装置。
【請求項9】
請求項
4に記載の吸引ジェットポンプ装置(10)であって、
前記収集容器(20)の前記第2U字形部分(30)の前記背面壁(32)が前記二次流体入口(26)を越えて延在しており、
前記背面壁(32)により、前記二次流体入口(16)の前記領域内に燃料を保持できる
ことを特徴とする吸引ジェットポンプ装置。
【請求項10】
請求項7に記載の吸引ジェットポンプ装置(10)であって、
前記収集容器(20)は、前記螺旋形が前記吸引ジェットポンプ(12)の周りで少なくとも450°まで延在するように前記吸引ジェットポンプ(12)を取り囲む
ことを特徴とする吸引ジェットポンプ装置。
【請求項11】
請求項1に記載の吸引ジェットポンプ装置(10)であって、
前記収集容器(20)は、上から見ると
前記U字形が組み合わされてなるカタツムリ形を有する
ことを特徴とする吸引ジェットポンプ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は吸引ジェットポンプ装置に関する。
【0002】
(関連出願の相互参照)
本特許文献は、2017年12月29日に出願された「吸引ジェットポンプ装置」と題する欧州特許出願第17211129.6号の利益及び優先権を主張するものであり、その全内容が引用により本願明細書に組み込まれるものとする。
【背景技術】
【0003】
自動車の燃料タンク内部に燃料を送出するために吸引ジェットポンプを利用することは周知である。
図4は、先行技術の中から周知の代表的な装置を示している。この装置では、タンク100がメイン側102とサブ側104とを有している。燃料タンク100のメイン側102内には、内燃エンジンに燃料を送出するための燃料ポンプ106が配置されている。サブ側104のタンク底部108には、サブ側104からメイン側102に燃料を送出するために、ジェットポンプ12が配置されている。
【0004】
ジェットポンプ12を駆動するために、メイン燃料ポンプ106は、燃料を、供給路を通して、特定の圧力で吸引ジェットポンプ12に送出する。吸引ジェットポンプ12は、ベンチュリの原理により、サブ側104から燃料を吸引し、この燃料を再循環路を使用してメイン側102に送出する。ジェットポンプ12は、サブ側104内に燃料が貯蔵いるかサブ側が空であるかを問わず、常に作動している。
【0005】
燃料タンクの燃料の水位が低くなってくると、サブ側104はほぼ空である。それは、残りの燃料のほとんどがジェットポンプ12によりメイン側102に既に送出されてしまっているからである。しかしながら、燃料ポンプ106は、依然として、燃料を供給路を通してジェットポンプ12に送出している。サブ側104内には燃料が残っていない又は最小限の燃料しか残っていないので、ジェットポンプ12は空転することがあり、特に、自動車が傾いた位置のとき又は加速中(スピードアップ中、ブレーキ中又はコーナリング中)に空転する。
【0006】
供給路からの燃料がジェットポンプ12を通してサブ側104に逃げてしまいこれによって無駄が発生し得るということを本発明者らは発見した。これにより、燃料容器内には主要ポンプモジュール106が配置されているが、燃料容器はより速く空になる。
【0007】
異なる運転状況に対して貯蔵性が向上した吸引ジェットポンプ装置を提供し、ジェットポンプによる無駄を回避することが本開示の目的である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示は、吸引ジェットポンプ装置に関する。この吸引ジェットポンプ装置は、吸引ジェットポンプに燃料駆動流を供給するための一次流体入口と、送出されるべき燃料を吸引ジェットポンプに供給するための二次流体入口と、燃料を排出するための流体出口とを有する吸引ジェットポンプを備える。吸引ジェットポンプの主な機能は、先行技術により知られているため、より詳細には記載しない。
【0009】
吸引ジェットポンプ装置は、吸引ジェットポンプの第1端部を取り囲む収集容器を更に備え、この第1端部は吸引ジェットポンプの流体出口の反対側に配置される。特に、収集容器は、流体出口の反対側に配置可能な一次流体入口を取り囲む。吸引ジェットポンプの第1端部又は一次流体入口は、少なくとも3つの側から取り囲まれ、吸引ジェットポンプは、収集容器の内容積部分から二次流体入口を介して燃料を吸引する。
【0010】
収集容器は、収集容器の外側から内容積部分へ燃料を供給するための少なくとも1つの燃料入口開口を有する。
【0011】
この収集容器は、燃料の無駄、即ち、吸引ジェットポンプを通って供給路から戻り得る燃料を減らすのに役立つ。このことは特に、吸引ジェットポンプの流体出口から流体を排出するために加速に打ち勝たねばならない運転状況に関係がある。このような加速は、例えば流体出口が二次流体入口よりも測地学的に高いところに配置される際に発生することがある。更に、このような加速は、自動車の速いコーナリング中又は加速中に発生することがあり、吸引ジェットポンプは、この加速力に逆らって燃料を流体出口に送出しようとする。ここでの問題は、吸引ジェットポンプの一次流体入口に接続され得る供給路を通して吸引ジェットポンプに供給される圧力が、この加速に打ち勝って流体出口を通して燃料を適正に送出するのに必要である圧力差に到達できないことである。
【0012】
収集容器内で、或る量の燃料(例えば5~10mlの燃料とすることができる)を保持することにより、一次流体入口を介して吸引ジェットポンプに供給される圧力が打ち勝たねばならない圧力差を低減することができる。これにより、燃料が吸引ジェットポンプを通って間違った方向へ逆流することは全くなく、吸引ジェットポンプは、流体出口を通して燃料を適正に送出することができる。これによって、特別な運転状況において、燃料の無駄を減らすことができる。
【0013】
ある形態においては、収集容器の燃料入口開口は、吸引ジェットポンプの二次流体入口よりも低いところに配置される。これによって、吸引ジェットポンプがタンクの底部から燃料を吸引する水位は高くならない。
【0014】
収集容器の部分であって、流体出口の反対側にある一次流体入口を取り囲む又は吸引ジェットポンプの第1端部を取り囲む部分は、上から見るとU字形の断面を有することが好ましい。
【0015】
これは、最も厳しい運転状況において燃料の無駄を減らすことが十分可能な、進歩性を有する収集容器の一実施形態である。というのも、流体出口と比較すると二次流体入口が測地学的に見て最も低い位置にあればこのような収集容器によりこの二次流体入口の領域内で燃料が保持され得るため、一次流体入口により吸引ジェットポンプに供給される圧力が打ち勝たねばならない圧力差が最大になるからである。この最も厳しい運転状況において、一次流体入口及び二次流体入口を取り囲むU字形の収集容器を使用することで、上で説明したように打ち勝たばならない圧力差を低減可能とすることが十分可能となる。
【0016】
ある形態においては、収集容器のU字形部分の2つの側壁の上縁は、それらの最も高い箇所がU字形部分の背面壁に位置する傾斜した形状を有する。この特徴により、射出成型工程等において収集容器を製造するのに必要となる材料の量を減らすことが可能となる。また、収集容器のU字形部分の2つの側壁は、水平に延在する必要はない。これは、流体出口に向かう方向であって、吸引ジェットポンプの燃料送出方向とは反対の方向への加速力があることにより、流体の水位が流体出口から離れる方向に上昇するためである。例えば、加速が1gである場合、流体の水位は、吸引ジェットポンプの流体出口から離れる方向に45°の角度にて上昇することになる。この特徴を、図を参照して、より詳細に記載する。
【0017】
別の形態においては、収集容器は、第1U字形部分に対して90°の角度に配置される第2U字形部分を有し、第2U字形部分の1つの側壁は、第1U字形部分の1つの側壁に接続される。この特徴により、(例えば、重大ではないがそれなりに燃料の無駄が生じ得る運転状況において)他の方向への加速力を補償することができる。
【0018】
この形態において、収集容器の第2U字形部分の2つの側壁の上縁は、それらの最も高い箇所が第2U字形部分の背面壁に位置する傾斜した形状を有することが好ましい。
【0019】
収集容器の第1U字形部分の側壁は、二次流体入口を越えて延在しており、これらの側壁により、二次流体入口の領域内に燃料を保持できることが好ましい。これに対する別の方法として又はこれに加えて、収集容器の第2U字形部分の背面壁が二次流体入口を越えて延在するできるため、この背面壁により、この二次流体入口の領域内に流体を保持することができる。換言すれば、収集容器が吸引ジェットポンプを完全に取り囲む必要はない。難しい運転状況において燃料をこの領域内に保持できるように収集容器が二次流体入口の領域まで延在していれば十分である。
【0020】
収集容器の第1U字形部分及び第2U字形部分の少なくとも一方の傾斜縁は、吸引ジェットポンプの下側と比較すると、好ましくは少なくとも30°の角度にて傾斜し、より好ましくは少なくとも35°の角度にて傾斜し、最も好ましくは少なくとも40°の角度にて傾斜している。上で述べたように、1gまでの加速を補償するには、45°の角度で十分とすることができ、これにより、ほとんどの運転状況において燃料の無駄を低減するのに役立つ。実際、本出願者により実施された試験では、吸引ジェットポンプの燃料の無駄を低減するのにより一層低い角度を使用できることが示された。
【0021】
ある形態においては、収集容器は、上から見るとカタツムリ形又は螺旋形を有し、収集容器は、吸引ジェットポンプを、好ましくは少なくとも450°で取り囲む。換言すれば、収集容器は、上から見るとラビリンスの形状を有し、これによって、決定的な運転状況において燃料が二次流体入口の周りの領域から出てしまうことが防止される。
【0022】
この実施形態において、カタツムリ形の又は螺旋形の収集容器の外壁のうちの少なくとも1つが、収集容器の外側から(即ちタンクの容積部分から)内容積部分に燃料を供給するための少なくとも1つの燃料入口開口を含むことが好適である。
【0023】
以下で、本開示の好適な実施形態を、図を参照して説明する。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図4】先行技術の中から、周知の吸引ジェットポンプを備えた燃料タンクを示す。
【発明を実施するための形態】
【0025】
【0026】
図4に示すような燃料タンク100のサブ側104の吸引ジェットポンプ12用に、進歩性を有する吸引ジェットポンプ装置を使用することができる。吸引ジェットポンプ12は、サクションジェットポンプとして知られているものであってもよい。
【0027】
図1a~
図1dに、収集容器20の簡易な実施形態を示す。この収集容器20は、上から見るとU字形の断面を有する。収集容器20が吸引ジェットポンプ12の一次流体入口14を囲んでおり、収集容器20の側壁28a、28bが二次流体入口16の領域を越えて延在している。このため、これらの側壁により、流体をこの領域内に保持することができる。
【0028】
収集容器20のU字形部分25の2つの側壁28a、28bは傾斜した形状を有しており、その最も高い箇所はU字形部分25の背面壁26に位置する。好ましくは、側壁28a、28bの傾斜縁は、吸引ジェットポンプの下辺(即ちタンク底部の平面)に対して少なくとも40°の角度にて傾斜している。側壁28a、28bの最も高い箇所は、U字形部分25の背面壁26にある。
【0029】
この反対側に、収集容器は燃料入口開口24を有し、これは、燃料を収集容器20の外側から内容積部分22に供給するためのものである。
【0030】
二次流体入口16を囲む格子型の構成要素は、大きめの物体がこの流体入口16に入ることを回避するためのフィルタとして働く。
【0031】
図1a~
図1dに示す収集容器20とは対照的に、
図1dの収集容器20は、第1U字形部分に対して90°の角度に配置される第2U字形部分30を有する。これにより、第2U字形部分30の1つの側壁34aが、第1U字形部分25の1つの側壁28aに接続している。少なくとも、収集容器20の第2U字形部分30の1つの上縁34bは、傾斜した形状を有し、その最も高い箇所は第2U字形部分30の背面32に位置してもよい。この第2U字形部分30により、吸引ジェットポンプ12における燃料の無駄をより多くの運転状況において防止可能なように、第2方向への加速力を補償することができる。
【0032】
図2a~
図2bに、本発明の第2実施形態を示す。ここでは、収集容器20は、上から見るとカタツムリ形又は螺旋形を有し、それによって、収集容器20は、吸引ジェットポンプ12を少なくとも450°まで延在するように取り囲む。従って、
図2bで最もよく分かるように、収集容器20はラビリンス形状を有し、これによって、燃料が収集容器20の内部から逃げることが防止される。
【0033】
図2bで分かるように、収集容器20は、収集容器20の外側から内容積部分22に燃料を供給するための少なくとも2つの燃料入口開口24を有する。
【0034】
図3a~
図3cに、幾つかの代表的な運転状況を示す。例えば、速いコーナリング中、
図3aに示すように、燃料が収集容器20の第1U字形部分25の背面壁26に押し付けられる。加速力は吸引ジェットポンプ12が流体出口18を通して燃料を送出する方向に逆らう向きであることから、これを最も厳しい運転状況とすることができる。従って、この重要な運転状況では、燃料が収集容器20の第1U字形部分25の背面壁26を越えて逃げることを防止することが重要である。このため、その第1U字形部分25はその最も高い箇所が背面26に位置し、それによって、側壁28a、28bは、それらの最も高い箇所が第1U字形部分25の背面26にある傾斜した形状を有する。上で説明したように、タンク底部の平面と側壁28aの上縁との間に約45°である角度を使用することにより、1gまでの加速力を補償することができる。
【0035】
図3b及び
図3cには、加速又は減速中に生じ得る加速力を、
図3aに対して垂直な方向において示す。