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特許7033671入れ子状プーリを備えた可変トランスミッション
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-02
(45)【発行日】2022-03-10
(54)【発明の名称】入れ子状プーリを備えた可変トランスミッション
(51)【国際特許分類】
   F16H 9/26 20060101AFI20220303BHJP
   F16H 9/18 20060101ALI20220303BHJP
   F16H 48/06 20060101ALI20220303BHJP
   F16H 1/28 20060101ALI20220303BHJP
   F16H 25/20 20060101ALI20220303BHJP
   F16H 37/02 20060101ALI20220303BHJP
   F16H 9/12 20060101ALI20220303BHJP
【FI】
F16H9/26
F16H9/18 Z
F16H48/06
F16H1/28
F16H25/20 Z
F16H37/02 P
F16H9/12 B
【請求項の数】 21
(21)【出願番号】P 2020564209
(86)(22)【出願日】2019-05-21
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-09-24
(86)【国際出願番号】 US2019033414
(87)【国際公開番号】W WO2019226713
(87)【国際公開日】2019-11-28
【審査請求日】2021-01-18
(31)【優先権主張番号】62/674,278
(32)【優先日】2018-05-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】501228071
【氏名又は名称】エスアールアイ インターナショナル
【氏名又は名称原語表記】SRI International
【住所又は居所原語表記】333 Ravenswood Avenue, Menlo Park, California 94025, U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】特許業務法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】カーンバウム・アレクサンダー
(72)【発明者】
【氏名】ブルーアー・リューベン
(72)【発明者】
【氏名】キッチェル・マーフィ
(72)【発明者】
【氏名】マーロー・ジョン
【審査官】岡本 健太郎
(56)【参考文献】
【文献】特表2019-504261(JP,A)
【文献】特表2003-517549(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16H 9/26
F16H 9/18
F16H 48/06
F16H 1/28
F16H 25/20
F16H 37/02
F16H 9/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
サイズの削減、重量の削減、コストの削減、または、効率の向上の内の少なくとも1つを達成するために、削減された体積および制御可能な変速比を有するトランスミッションであって、
第1ハーフプーリおよび第2ハーフプーリを有する外側円錐形割りプーリと、
前記外側円錐形割りプーリ内に入れ子状にされている2以上の内側円錐形割りプーリであって、各前記内側円錐形割りプーリは、それぞれの第1ハーフプーリおよび第2ハーフプーリを有する、内側円錐形割りプーリと、
前記外側円錐形割りプーリおよび前記内側円錐形割りプーリの内の少なくとも1つ、に接触するベルトと、
第1入力部材と、
第1出力部材であって、前記第1入力部材と前記第1出力部材との間でトルクが伝達されうるように、前記2以上の内側円錐形割りプーリの内の少なくとも1つを介して前記第1入力部材に結合されている、第1出力部材と、
を備える、トランスミッション。
【請求項2】
請求項1に記載のトランスミッションであって、前記各内側円錐形割りプーリは、それぞれ回転軸を有し、前記内側円錐形割りプーリは、前記内側円錐形割りプーリの前記回転軸が、前記トランスミッションの中心回転軸の周りに一定の間隔で、前記中心回転軸から特定の距離に配置されるように、前記トランスミッション内に配置されている、トランスミッション。
【請求項3】
請求項2に記載のトランスミッションであって、さらに、
2以上の遊星ギアと、前記2以上の遊星ギアの各遊星ギアは、前記2以上の内側割りプーリの内のそれぞれの内側割りプーリに結合され、
前記中心回転軸を中心に回転する太陽ギアであって、前記太陽ギアにおけるトルクにより、前記第1出力部材においてトルクが実現されるように、前記2以上の遊星ギアに結合されている太陽ギアと、
を備える、トランスミッション。
【請求項4】
請求項3に記載のトランスミッションであって、さらに、
前記2以上の遊星ギアに結合され、前記太陽ギアと同軸であるリングギアであって、前記第1出力部材に結合されている、リングギアを備える、トランスミッション。
【請求項5】
請求項3に記載のトランスミッションであって、さらに、
遊星キャリアであって、前記遊星キャリアが前記中心回転軸を中心に回転するように、前記内側円錐形割りプーリの各々に回転可能に結合されている遊星キャリアを備え、前記遊星キャリアは、前記第1出力部材に結合されている、トランスミッション。
【請求項6】
請求項2に記載のトランスミッションであって、さらに、
2以上の遊星ギアであって、前記2以上の遊星ギアの各遊星ギアは、前記2以上の内側割りプーリの内のそれぞれの内側割りプーリに結合されている、2以上の遊星ギアと、
前記中心回転軸を中心に回転する遊星キャリアであって、前記内側割りプーリの各々に回転可能に結合され、前記第1入力部材に結合されている、遊星キャリアと、
前記2以上の遊星ギアに結合され、前記中心回転軸を中心に回転するリングギアであって、前記第1出力部材に結合されているリングギアと、を備え、前記遊星キャリアにおけるトルクにより、前記第1出力部材においてトルクが実現される、トランスミッション。
【請求項7】
請求項1に記載のトランスミッションであって、前記外側円錐形割りプーリは、前記外側円錐形割りプーリの前記第1および第2ハーフプーリが回転しないように、機械的グラウンドに結合されている、トランスミッション。
【請求項8】
請求項1に記載のトランスミッションであって、前記外側円錐形割りプーリの前記第1ハーフプーリおよび前記第2ハーフプーリは、弾性要素によって前記外側円錐形割りプーリの前記第1ハーフプーリおよび前記第2ハーフプーリの間に軸方向の力が与えられるように、前記弾性要素を介して互いに結合されている、トランスミッション。
【請求項9】
請求項1に記載のトランスミッションであって、さらに、
第2入力部材と、
差動装置であって、前記差動装置は、前記第1入力部材と前記第2入力部材との間のトルク差が、前記差動装置を介して、前記内側円錐形割りプーリの内の所与の1つの前記第1ハーフプーリと、前記内側円錐形割りプーリの内の前記所与の1つの前記第2ハーフプーリとの間に力を印加させることで、前記内側円錐形割りプーリの内の前記所与の1つの前記第1ハーフプーリと、前記内側円錐形割りプーリの内の前記所与の1つの前記第2ハーフプーリとの間の軸方向距離を増減させることを可能にし、それにより、前記内側円錐形割りプーリの各々の有効径の変更を可能にする結果として前記トランスミッションの前記制御可能な変速比を実現するように、前記第1および第2入力部材と、前記内側円錐形割りプーリの少なくとも1つと、に結合されている、差動装置と、
を備える、トランスミッション。
【請求項10】
請求項9に記載のトランスミッションであって、前記差動装置は、前記第1入力部材および前記第2入力部材の正味トルクにより、前記第1出力部材に実現されるべきトルクがもたらされるように、前記第1および第2入力部材と、前記内側円錐形割りプーリの少なくとも1つと、に結合されている、トランスミッション。
【請求項11】
請求項9に記載のトランスミッションであって、前記第1入力部材および前記第2入力部材は、同軸かつ同心であり、前記第1入力部材は、少なくとも部分的に前記第2入力部材の中に配置されている、トランスミッション。
【請求項12】
請求項9に記載のトランスミッションであって、さらに、ネジを備え、
前記ネジは、ネジ穴を介して、前記2以上の内側円錐形割りプーリの内の特定の1つの前記第1ハーフプーリに結合されており、
前記差動装置は、
太陽ギアであって、前記第1入力部材の回転が前記太陽ギアの回転を引き起こすように、前記第1入力部材に結合されている太陽ギアと、
リングギアであって、前記太陽ギアと同軸であり、前記第2入力部材の回転が前記リングギアの回転を引き起こすように、前記第2入力部材に結合されているリングギアと、
前記ネジに結合されている遊星ギアであって、前記遊星ギアは、前記第1入力部材と前記第2入力部材との間の回転差が、前記特定の内側割りプーリに対する前記遊星ギアおよび前記ネジの回転を引き起こすことにより、前記ネジ穴のネジ山を介して前記ネジから前記特定の内側割りプーリの前記第1ハーフプーリに力が加えられることで、前記特定の内側割りプーリの前記第1ハーフプーリと前記特定の内側割りプーリの前記第2ハーフプーリとの間の前記軸方向距離の変更を可能にするように、前記太陽ギアおよび前記リングギアと係合する、遊星ギアと、
を備える、トランスミッション。
【請求項13】
請求項1に記載のトランスミッションであって、さらに、
第2入力部材と、
ネジであって、前記ネジは、前記ネジと、前記2以上の内側割りプーリの内の特定の1つの前記第1ハーフプーリとの間の相対的な回転が、前記2以上の内側割りプーリの内の前記特定の1つの前記第1ハーフプーリと、前記2以上の内側割りプーリの内の前記特定の1つの前記第2ハーフプーリとの間の軸方向距離を増減させることを可能にし、それにより、前記2以上の内側割りプーリの内の前記特定の1つの有効径の変更を可能にする結果として前記トランスミッションの前記制御可能な変速比を実現するように、ネジ穴を介して、前記2以上の内側割りプーリの内の前記特定の1つの前記第1ハーフプーリに結合されている、ネジと、
前記ネジに結合されているネジギアと、
前記第2入力部材に結合され、前記ネジギアと係合するさらなる太陽ギアと、
を備える、トランスミッション。
【請求項14】
請求項1に記載のトランスミッションであって、さらに、
第2入力部材と、
ネジであって、前記ネジは、前記ネジと、前記2以上の内側割りプーリの内の特定の1つの前記第1ハーフプーリとの間の相対的な回転が、前記2以上の内側割りプーリの内の前記特定の1つの前記第1ハーフプーリと、前記2以上の内側割りプーリの内の前記特定の1つの前記第2ハーフプーリとの間の軸方向距離を増減させることを可能にし、それにより、前記2以上の内側割りプーリの内の前記特定の1つの有効径の変更を可能にする結果として前記トランスミッションの前記制御可能な変速比を実現するように、ネジ穴を介して、前記2以上の内側割りプーリの内の前記特定の1つの前記第1ハーフプーリに結合されている、ネジと、
前記ネジに結合されたネジギアと、
前記第2入力部材に結合され、前記ネジギアと係合するさらなるリングギアと、
を備える、トランスミッション。
【請求項15】
請求項1に記載のトランスミッションであって、各内側円錐形割りプーリは、それぞれの回転軸を有し、前記外側円錐形割りプーリは、外周を有し、前記内側円錐形割りプーリの内の少なくとも1つは、前記少なくとも1つの内側円錐形割りプーリの前記回転軸が前記外側円錐形割りプーリの前記外周内に配置されるように、前記トランスミッション内に配置されている、トランスミッション。
【請求項16】
サイズの削減、重量の削減、コストの削減、または、効率の向上の内の少なくとも1つを達成するために、削減された体積および制御可能な変速比を有するトランスミッションであって、
第1ハーフプーリおよび第2ハーフプーリを有する外側円錐形割りプーリであって、前記外側円錐形割りプーリは、前記外側円錐形割りプーリの前記第1および第2ハーフプーリが回転しないように、機械的グラウンドに結合されている、外側円錐形割りプーリと、
前記外側円錐形割りプーリ内に入れ子状にされている2以上の内側円錐形割りプーリであって、各前記内側円錐形割りプーリは、それぞれの第1ハーフプーリおよび第2ハーフプーリを有する、内側円錐形割りプーリと、
2以上の遊星ギアであって、前記2以上の遊星ギアの各遊星ギアは、前記2以上の内側割りプーリの内のそれぞれの内側割りプーリに結合されている、2以上の遊星ギアと、
前記外側円錐形割りプーリおよび前記内側円錐形割りプーリの内の少なくとも1つに接触するベルトと、
第1入力部材と、
第1出力部材と、
前記第1入力部材に結合された太陽ギアと、
前記太陽ギアと同軸であり、前記第1出力部材に結合されたリングギアであって、前記太陽ギアにおけるトルクにより、前記第1出力部材においてトルクが実現されるように、前記リングギアが前記2以上の遊星ギアに結合されると共に、前記太陽ギアが前記2以上の遊星ギアに結合されている、リングギアと、
を備える、トランスミッション。
【請求項17】
請求項16に記載のトランスミッションであって、前記外側円錐形割りプーリの前記第1ハーフプーリおよび前記第2ハーフプーリは、弾性要素によって前記外側円錐形割りプーリの前記第1ハーフプーリおよび前記第2ハーフプーリの間に軸方向の力が与えられるように、前記弾性要素を介して互いに結合されている、トランスミッション。
【請求項18】
請求項16に記載のトランスミッションであって、さらに、
第2入力部材と、
差動装置であって、前記差動装置は、前記第1入力部材と前記第2入力部材との間のトルク差が、前記差動装置を介して、前記内側円錐形割りプーリの内の所与の1つの前記第1ハーフプーリと、前記内側円錐形割りプーリの内の前記所与の1つの前記第2ハーフプーリとの間に軸方向の力を印加させることで、前記内側円錐形割りプーリの内の前記所与の1つの前記第1ハーフプーリと、前記内側円錐形割りプーリの内の前記所与の1つの前記第2ハーフプーリとの間の軸方向距離を増減させることを可能にし、それにより、前記内側円錐形割りプーリの各々の有効径の変更を可能にする結果として前記トランスミッションの前記制御可能な変速比を実現するように、前記第1および第2入力部材と、前記内側円錐形割りプーリの少なくとも1つと、に結合されている、差動装置と、
を備える、トランスミッション。
【請求項19】
請求項18に記載のトランスミッションであって、さらに、ネジを備え、
前記ネジは、ネジ穴を介して、前記2以上の内側円錐形割りプーリの内の特定の1つの前記第1ハーフプーリに結合されており、
前記差動装置は、
太陽ギアであって、前記第1入力部材の回転が前記太陽ギアの回転を引き起こすように、前記第1入力部材に結合されている太陽ギアと、
リングギアであって、前記太陽ギアと同軸であり、前記第2入力部材の回転が前記リングギアの回転を引き起こすように、前記第2入力部材に結合されているリングギアと、
前記ネジに結合されている遊星ギアであって、前記遊星ギアは、前記第1入力部材と前記第2入力部材との間の回転差が、前記特定の内側割りプーリに対する前記遊星ギアおよび前記ネジの回転を引き起こすことにより、前記ネジ穴のネジ山を介して前記ネジから前記特定の内側割りプーリの前記第1ハーフプーリに力が加えられることで、前記特定の内側割りプーリの前記第1ハーフプーリと前記特定の内側割りプーリの前記第2ハーフプーリとの間の前記軸方向距離の変更を可能にするように、前記太陽ギアおよび前記リングギアと係合する、遊星ギアと、
を備える、トランスミッション。
【請求項20】
請求項16に記載のトランスミッションであって、さらに、
第2入力部材と、
ネジであって、前記ネジは、前記ネジと、前記2以上の内側割りプーリの内の特定の1つの前記第1ハーフプーリとの間の相対的な回転が、前記2以上の内側割りプーリの内の前記特定の1つの前記第1ハーフプーリと、前記2以上の内側割りプーリの内の前記特定の1つの前記第2ハーフプーリとの間の軸方向距離を増減させることを可能にし、それにより、前記2以上の内側割りプーリの内の前記特定の1つの有効径の変更を可能にする結果として前記トランスミッションの前記制御可能な変速比を実現するように、ネジ穴を介して、前記2以上の内側割りプーリの内の前記特定の1つの前記第1ハーフプーリに結合されている、ネジと、
前記ネジに結合されているネジギアと、
前記第2入力部材に結合され、前記ネジギアと係合するさらなる太陽ギアと、
を備える、トランスミッション。
【請求項21】
請求項16に記載のトランスミッションであって、さらに、
第2入力部材と、
ネジであって、前記ネジは、前記ネジと、前記2以上の内側割りプーリの内の特定の1つの前記第1ハーフプーリとの間の相対的な回転が、前記2以上の内側割りプーリの内の前記特定の1つの前記第1ハーフプーリと、前記2以上の内側割りプーリの内の前記特定の1つの前記第2ハーフプーリとの間の軸方向距離を増減させることを可能にし、それにより、前記2以上の内側割りプーリの内の前記特定の1つの有効径の変更を可能にする結果として前記トランスミッションの前記制御可能な変速比を実現するように、ネジ穴を介して、前記2以上の内側割りプーリの内の前記特定の1つの前記第1ハーフプーリに結合されている、ネジと、
前記ネジに結合されたネジギアと、
前記第2入力部材に結合され、前記ネジギアと係合するさらなるリングギアと、
を備える、トランスミッション。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
関連出願への相互参照
本願は、2018年5月21日出願の米国仮特許出願第62/674,278号の優先権を主張し、その仮特許出願は、参照によって本明細書に組み込まれる。
【0002】
本明細書で別段の指示がない限りは、本セクションに記載事項は、本願の請求項に対する先行技術ではなく、本セクションに含まれることによって先行技術であると自認するものではない。
【0003】
入力トルクと出力トルクとの間の機械的利益を提供するために、様々な機構の一部としてトランスミッションが備えられる。したがって、トランスミッションは、モータ、エンジン、タービン、または、その他のトルクジェネレータの特性(例えば、トルク-速度曲線、効率曲線)を、エフェクタ、車輪、ジェネレータ、または、生み出されたトルクを対象とした何らかの他の用途の特性に合わせるために備えられうる。例えば、トランスミッションは、内燃エンジンによって生み出された高い回転速度および比較的低いトルクを、自動車の車輪を駆動するためのより低い速度およびより高いトルクの要件に合わせるために、自動車に設けられうる。別の例において、トランスミッションは、内燃エンジンおよびジェネレータの両方がそれぞれの効率的な回転速度などに従って動作されるように、内燃エンジンをジェネレータに接続するために提供されうる。
【0004】
トランスミッションは、設定された変速比(トランスミッションの入力側での回転速度および/または印加トルクと、トランスミッションの出力側での回転速度および/または供給トルクとの比)を有してもよいし、制御可能な変速比を有してもよい。かかるトランスミッションの変速比は、電子的方法、機械的方法、油圧、および/または、その他の方法によって(例えば、モータ、ソレノイド、または、その他の方法による、クラッチ、スライド可能ギア、割りプーリ、ドラム、タービン翼、油圧弁、または、トランスミッションのその他の要素の作動を通して)制御可能であってよい。一部の例において、トランスミッションは、1以上のクラッチまたはその他のアクチュエータを動作させることによって選択できる離散的な数の選択可能な変速比(すなわち、「ギア」)を有しうる。別の例において、トランスミッションは、変速比の範囲全体にわたって連続的に制御可能な変速比を有しうる、かかるトランスミッションは、「連続可変トランスミッション」と呼んでもよい。かかる可変トランスミッションは、変速比の範囲全体にわたって変速比の連続制御を可能にするために、割りプーリ、トロイダルドラム、ハイドロスタティック要素、または、その他の作動可能な構成要素を備えうる。
【0005】
差動装置は、印加トルクおよび/または回転の複数の異なる出力への分配、ならびに/もしくは、複数の異なる印加トルクおよび/または回転の単一の出力への合成を可能にする装置である。差動装置は、差動装置の入力と出力との間のトルク/回転の特定の分布を提供するために様々な方法で構成されうる。例えば、自動車における差動装置は、自動車のエンジンから入力トルクを受けて、自動車の2つの車輪(例えば、2つの前輪または2つの後輪)へ入力トルクを等しく分配することができ、その結果、両輪がターン中に不均衡な回転をした場合でも、自動車が曲がる時に、両輪によって等しい力が地面に対して掛けられる。
【発明の概要】
【0006】
可変トランスミッションは、ベルトを介して結合された複数の割りプーリを備え得る。割りプーリのハーフプーリの間の軸方向距離を制御することにより、ベルトが割りプーリと係合する有効径を調整し、ひいては、トランスミッションの全体の変速比を変更することができる。トランスミッションのサイズを削減するため、フォワード比およびリバース比の両方を含む変速比の範囲を提供するため、もしくは、その他の利点を提供するために、割りプーリの内の1つ(「内側プーリ」)が、他の割りプーリ(「外側割りプーリ」)内に入れ子状にされてよい。かかる構成において、かかるトランスミッション内の内側プーリは、典型的に、トランスミッション内でトロコイド運動を行い、トランスミッションの中心回転軸から特定の距離で中心回転軸を中心にそれ自体が周回する回転軸を中心に回転する。かかるトランスミッションの内側割りプーリは、入力部材によって(例えば、偏心カムを介して)駆動されてよく、オフセットされたシャフト継手または何らかの他の機構を介して内側割りプーリから動力が引き出されうる。
【0007】
しかしながら、高速時には、かかる入れ子状割りプーリトランスミッションは、内側割りプーリの偏心の性質により、振動、トランスミッションの軸受を通した大きいバランスの取れていない力の伝達、または、その他の望ましくない影響を示しうる。これらの問題を軽減するために、入れ子状割りプーリトランスミッションは、複数の内側割りプーリを備えることができる。内側割りプーリは、内側割りプーリの質量のバランスを取るため、トランスミッションのベルトによって内側割りプーリに掛けられる力のバランスを取るため、または、その他の利点を提供するために、トランスミッションの中心回転軸の周りに一定の間隔で配置されてよい。かかるトランスミッションは、2、3、または、4以上の内側割りプーリを備えてよい。遊星ギアがトランスミッションのそれぞれの内側割りプーリに結合された遊星ギアセットを介して、かかるトランスミッションに出入りするように回転が結合されうる。
【0008】
かかるバランスされた入れ子状割りプーリトランスミッションの変速比の制御および調整を容易にするために、様々な方法および機構が利用可能である。一部の例において、かかる機構は、差動装置を備えてもよい。かかる差動装置は、2つの入力が、入力の間の差動回転/トルクによってシフト動作を達成すると共に、入力の共通回転/トルクによってトランスミッションの駆動を達成することを可能にし得る。かかる差動装置の利用は、利点の中でも特に、トランスミッションの駆動およびシフト動作の両方に必要なアクチュエータの数を最小化することができる、変速比シフトを実施するために(例えば、より高速にシフト動作を実施するために)2つの駆動モータのトルクおよび/または出力定格を利用できる、変速比のシフト動作の助けとしてトランスミッションの出力からのエネルギを利用できる、アクチュエータの出力を変速比の変更に利用していない時に、かかる出力を用いて、トランスミッションの出力を駆動することができるなど、多数の利点を提供しうる。
【0009】
本開示のいくつかの実施形態は、サイズの削減、重量の削減、コストの削減、または、効率の向上の内の少なくとも1つを達成するために、削減された体積および制御可能な変速比を有するトランスミッションを提供しており、トランスミッションは、(i)第1ハーフプーリおよび第2ハーフプーリを有する外側円錐形割りプーリと、(ii)2以上の内側円錐形割りプーリであって、各内側円錐形割りプーリは、それぞれの第1ハーフプーリおよび第2ハーフプーリを有する、内側円錐形割りプーリと、(iii)外側円錐形割りプーリおよび内側円錐形割りプーリの内の少なくとも1つに接触するベルトと、(iv)第1入力部材と、(v)第1出力部材であって、第1入力部材と第1出力部材との間でトルクが伝達されうるように、2以上の内側円錐形割りプーリの内の少なくとも1つを介して第1入力部材に結合されている、第1出力部材と、を備える。
【0010】
本開示のいくつかの実施形態は、サイズの削減、重量の削減、コストの削減、または、効率の向上の内の少なくとも1つを達成するために、削減された体積および制御可能な変速比を有するトランスミッションを提供しており、トランスミッションは、(i)第1ハーフプーリおよび第2ハーフプーリを有する外側円錐形割りプーリであって、外側円錐形割りプーリの第1および第2ハーフプーリが回転しないように、機械的グラウンドに結合されている外側円錐形割りプーリと、(ii)2以上の内側円錐形割りプーリであって、各内側円錐形割りプーリは、それぞれの第1ハーフプーリおよび第2ハーフプーリを有する、内側円錐形割りプーリと、(iii)2以上の遊星ギアであって、2以上の遊星ギアの各遊星ギアは、2以上の内側割りプーリの内のそれぞれの内側割りプーリに結合されている、2以上の遊星ギアと、(iv)外側円錐形割りプーリおよび内側円錐形割りプーリの内の少なくとも1つに接触するベルトと、(v)第1入力部材と、(vi)第1出力部材と、(vii)第1入力部材に結合されている太陽ギアと、(viii)太陽ギアと同軸であり、第1出力部材に結合されたリングギアであって、太陽ギアにおけるトルクにより、第1出力部材においてトルクが実現されるように、リングギアが2以上の遊星ギアに結合されると共に、太陽ギアが2以上の遊星ギアに結合されている、リングギアと、を備える。
【0011】
必要に応じて添付の図面を参照しつつ、以下の詳細な説明を読むことにより、当業者にとっては、これらおよびその他の態様、利点、および、代替物が明らかになる。トランスミッションのプーリを識別するために本明細書で用いられる場合、「内側」および「外側」という用語は、トランスミッションの要素の識別を容易にするために適用され、通常の意味よりも広い意味を有するよう意図されていることに注意されたい。「内側」プーリが、「外側」プーリの中に(例えば、それぞれの外周に関して)完全に含まれる必要はない。「内側」プーリが、「外側」プーリよりも「多く」囲まれる必要はない。実際、本明細書に記載のトランスミッションの「内側」および「外側」プーリの直径と相対的な重複の程度とは、同一であってよい。本明細書に記載のトランスミッションの「内側」プーリは、トランスミッションの「外側」プーリの外周を超えて伸びてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1A】可変トランスミッションの一例を示す側面図。
【0013】
図1B図1Aに示す可変トランスミッションの上面図。
【0014】
図1C】変速比のシフトを受けた後の図1Aに示す可変トランスミッションの上面図。
【0015】
図1D図1Cに示す可変トランスミッションの上面図。
【0016】
図2】可変トランスミッションの一例を示す斜視断面図。
【0017】
図3A】可変トランスミッションの一例を示す断面図。
【0018】
図3B図3Aに示す可変トランスミッションの別の断面図。
【0019】
図3C】トランスミッションの変速比の変更後の図3Aに示す可変トランスミッションの断面図。
【0020】
図3D図3Cに示す可変トランスミッションの別の断面図。
【0021】
図4】可変トランスミッションの一例を示す断面図。
【0022】
図5】可変トランスミッションのシフト機構の一例を示す断面図。
【0023】
図6図5に示すシフト機構例の要素を示す概略図。
【0024】
図7】可変トランスミッションのシフト機構の一例を示す断面図。
【0025】
図8】可変トランスミッションの一例を示す断面図。
【0026】
図9】可変トランスミッションのシフト機構の一例を示す断面図。
【0027】
図10】可変トランスミッションのシフト機構の一例を示す断面図。
【0028】
図11】可変トランスミッションのシフト機構の一例を示す断面図。
【0029】
図12】可変トランスミッションのシフト機構の一例を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下の詳細な説明では、本明細書の一部を形成する添付の図面が参照される。図において、同様の符号は、通例、文脈で特に指示が限りは、同様の構成要素を識別する。詳細な説明、図面、および、請求項に記載の実施形態の例は、限定を意図したものではない。本明細書に提示された主題の範囲から逸脱することなしに、他の実施形態が用いられてもよく、その他の変更がなされてもよい。本明細書に概略的に記載され、図に示されている本開示の態様は、幅広い異なる構成で、配置、置換、組みあわせ、分離、および、設計されてよく、それらのすべてが、本明細書内で明確に意図されていることが容易に理解される。
【0031】
I.可変トランスミッションの例
機械式トランスミッションは、変速比によって特徴付けられる入力と出力との間の結合を提供する。変速比は、トランスミッションの入力側での回転速度およびトルクと、トランスミッションの出力側での回転速度およびトルクとの間の関係性を特徴付ける。トランスミッションは、モータ(またはその他のトルク生成装置)によって提供された回転の速度/トルクを変更するため、アクチュエータまたはロボット要素のインピーダンス全体を制御するため、より効率的な速度/トルクでモータが動作することを可能にすることによって装置の効率を高めるため、もしくは、何らかのその他の利点を提供するために提供されうる。例えば、トランスミッションは、内燃エンジンの高速かつ比較的低トルクの出力を、自動車の車輪を駆動するためのより低速かつ高トルクの出力へ変換するために自動車に設けられる。別の応用例において、高変速比を有するトランスミッションが、非常に高速かつ低トルクのモータがロボットの関節で非常に高いトルクを提供することを可能にするために、ロボットアームに設けられうる。かかる高速かつ低トルクのモータをトランスミッションと組み合わせると、トランスミッションなしで高トルクモータを利用するのに比べて、高い効率、低い総重量、低コスト、または、その他の利点などの利点を提供できる。
【0032】
様々な応用例において、動作中のトランスミッションの変速比を調整することが望ましい場合がある。例えば、変速比は、(例えば、自動車の速度が増す時に)トランスミッションの出力側で提供されるトルクおよび/または回転速度の変化に適応するため、効率的な動作レジーム(例えば、電気モータについては、高速、低トルク)内に駆動モータを維持するため、モータ/トランスミッションの組みあわせの実効インピーダンスを適合させるため(例えば、人間がロボットと相互作用する時にさらなる安全性を提供するため)、または、何らかの他の利点を提供するために、制御されうる。トランスミッションの変速比を制御可能にするために、トランスミッションは、クラッチ、線形アクチュエータ、複数の異なるギアトレイン/遊星ギアのセット、もしくは、変速比を変化させるために、電気的、機械的、および/または、油圧で、アクティブまたはパッシブに動作されうるその他の要素、を備えうる。変速比のかかる変更は、複数の異なる離散的な変速比の間でなされうる。あるいは、トランスミッションは、変速比の値の連続的な範囲にわたって変速比の調整を可能にするよう構成されている連続可変トランスミッションでありうる。
【0033】
連続可変トランスミッションは、多くの利点を提供できる。例えば、変速比は、不連続可変トランスミッションによって提供される離散的な一連の変速比の内の最も近い値ではなく、可能な変速比の範囲内の任意の値に制御されうる。したがって、連続可変トランスミッションは、幅広い範囲の出力速度/トルクにわたる高効率の速度/トルクに従って駆動モータを動作できるように、変速比を最適比に制御することを可能にする。連続可変トランスミッションは、他の利点も提供しうる。
【0034】
トランスミッションは、変速比の値の範囲にわたって変速比の連続制御を可能にするために様々な方法で構成されてよい。いくつかの実施形態において、これは、トランスミッション内の1以上のプーリの有効径を制御することによって達成されてよい。プーリの有効径を制御することにより、トランスミッション内の他の要素(例えば、他のプーリ)に対するそのプーリの回転比、ひいては、トランスミッションの変速比が制御されうる。
【0035】
一部の例において、プーリは、2つのハーフプーリを有する割りプーリでありうる。ハーフプーリは、共通の回転軸を有し、各々が、ベルトと接触する向かい合った円錐形(またはその他の形状の)軸受面を有する。したがって、ベルト(例えば、v字形の断面を有するベルト)が、割りプーリを駆動する、または、割りプーリによって駆動されることができる。割りプーリの有効径は、ベルトがハーフプーリに接触する半径に関連する。したがって、割りプーリの有効径は、ハーフプーリの間の軸方向距離を変更することによって調整可能である。軸方向距離を増大させることにより、ベルトは、割りプーリの軸の近くでハーフプーリの軸受面に接触するようになり、結果として、有効径が小さくなる。逆に、軸方向距離は、ベルトが割りプーリの軸から離れてハーフプーリの軸受面に接触するように減少されることも可能であり、結果として、有効径が大きくなる。ベルトは、(例えば、第1割りプーリに結合された)入力で印加されたトルク/回転に応じた(例えば、さらなるプーリに結合された)出力でのトルク/回転の実現を容易にするために、別のプーリ(例えば、別の割りプーリ)と接触することができる。かかるトランスミッションの変速比は、プーリとベルトとの相互作用に関するプーリの有効径の間の比に関連しうる。ベルトの張力は、両方のプーリの有効径を調節することによって、テンショナープーリを有することによって、または、その他の方法によって維持されてよい。
【0036】
割りプーリに関連する態様を、図1A図1Dに例として示す。図1Aは、第1期間中の可変トランスミッション100の側面図を示し、図1Bは、第1期間中のトランスミッションの上面図を示す。トランスミッション100は、2つのハーフプーリを有する第1割りプーリ100aと、2つのハーフプーリを有する第2割りプーリ110bと、割りプーリ110a、110bの両方と接触するv字形ベルト120と、を備える。図1Bに示すように、第1割りプーリ110aの2つのハーフプーリの間の軸方向距離は、dであり、第2割りプーリ110bの2つのハーフプーリの間の軸方向距離は、dである。モータ140が、トランスミッション100を駆動するために、第1割りプーリ110aに接続されている。図1Aに示すように、第1割りプーリ110aおよび第2割りプーリ110bは、同じ有効径を有しうるため、第1期間中のトランスミッション110の変速比は、1:1である。
【0037】
この例において、第1割りプーリ110aの有効径は、第1割りプーリ110aのハーフプーリの間の軸方向距離を制御することによって制御されることができ、第2割りプーリ110bの有効径は、第2割りプーリ110bのハーフプーリの間の軸方向距離を制御することによって制御されることができる。これらの有効径の(図1Aおよび図1Bに対する)変更の結果が、第2期間中の可変トランスミッション100の側面図を示す図1C、および、第2期間中の可変トランスミッションの上面図を示す図1Dに示されている。図1Dに示すように、第1割りプーリ110aのハーフプーリの間の軸方向距離がdからdへ減少した結果として、第1割りプーリ110aの有効径が増大しており、第2割りプーリ110bのハーフプーリの間の軸方向距離がdからdへ減少した結果として、第2割りプーリ110bの有効径が減少している。割りプーリ110aおよび110bの有効径のこれらの変化は、トランスミッション100の変速比を(例えば、図1Aおよび図1Bにおける1:1の変速比から図1Cおよび図1Dにおける3:1の変速比へ)増大させる。
【0038】
割りプーリ(例えば、110a)のハーフプーリの間の軸方向距離の制御は、様々な機構によって様々な方法でなされてよく、機構の例については後述する。それに応じて、第1割りプーリ110aの有効径および/または第2割りプーリ110bの有効径を制御し、ひいては、トランスミッション100の変速比を制御することができる。第1割りプーリ110aの有効径が変更されると、ベルト120の張力は、アイドラプーリを用いて、第2割りプーリ110bの有効径を変化させることによって、および/または、割りプーリ110aおよび110bの間の軸間距離を変化させることによって、維持されてよい。これは、様々な方法でなされてよい(例えば、アクチュエータを用いて第2割りプーリ110bのハーフプーリの間の軸方向距離を独立的に制御することによって、一方の軸方向距離の制御が他方の軸方向距離の制御をもたらすように、2つの割りプーリ110a、110bの軸方向距離を結びつけるための機構を利用することによって、バネまたはその他の弾性要素を含む受動的機構を用いることによって)。図1Bに示すように、第2割りプーリ110bのハーフプーリは、第2割りプーリ110bのハーフプーリの間に軸方向の力が作用するように、弾性要素130(例えば、ハーフプーリ上のスラスト軸受とトラスミッション100の機械的グラウンドとの間に結合されたバネ)を介して結合される。第1割りプーリ110aの有効径が変化すると、結果として起こるベルト120の張力の変化が、弾性要素130によって与えられた軸方向の力と相互作用することで、第2割りプーリ110bの有効径に、対応して起きるが逆向きの変化をもたらしうる。
【0039】
可変トランスミッションを形成するための図1A~Dに示す割りプーリの構成は、非限定的な実施形態例として意図されたものである。かかるトランスミッションは、かかるトランスミッションおよび/またはそれに結合された要素の割りプーリ、ベルト、モータ、シフト機構、または、その他の要素を、別の方法で構成することによって改良されうる。例えば、割りプーリの一方を他方の中に入れ子にすることによって、改良可変トランスミッションを提供できる。すなわち、いくらかの重複がプーリの外周の間に生じる。かかる入れ子は、一方のプーリ(「内側」プーリ)の回転軸が他方のプーリ(「外側」プーリ)の外周内に配置されること、または、一方のプーリの全体が他方のプーリの外周内に配置されること(「完全入れ子」構成)、を含みうる。かかる例では、かかる構成における「内側」および「外側」プーリのサイズによって、「内側」プーリが、「外側」プーリの外周を超えて部分的に伸びてよい。かかる構成は、様々な利点を提供しうる。例えば、一方の割りプーリ(「内側」割りプーリ)を他方(「外側」割りプーリ)の中に入れ子にすることにより、トランスミッションの全体サイズを削減できる。これは、自動車用途およびロボット用途で有用でありえ、ここで、トランスミッションの体積および重量は、自動車用途で用いられる非入れ子の割りプーリ設計と比べて、または、ロボット用途で用いられる固定比の遊星、ハーモニック、または、その他の構成のトランスミッション設計と比べて削減されうる。さらに、かかる入れ子設計は、トランスミッションが、フォワードおよびリバース比ならびにニュートラル(または「非駆動出力」)構成を含む制御可能な範囲の変速比を有することを可能にし得る。
【0040】
かかる入れ子構成において、外側プーリは、回転しないようにグラウンドされてよく(すなわち、外側プーリのハーフプーリが、回転を防止されてよく)、内側プーリは、1以上の入力の回転によって内側割りプーリが入力の回転軸の周りを回る(例えば、トロコイド運動および回転を行う)ように、カムを介して、1以上の入力によって駆動されてよい。次いで、出力部材が、入力部材でのトルク/回転の印加に応じた出力部材での回転および/またはトルクの実現を可能にするために、内側割りプーリに(例えば、ケージギア、太陽ギアおよび/またはリングギア、遊星キャリア、さらなるベルト、または、その他の方法で、内側割りプーリのハーフプーリの一方または両方に)結合されてよい。かかるトランスミッションは、サイズの縮小、高い変速比、逆転可能な変速比、入力を出力から切り離すニュートラル変速比、または、その他の利点など、様々な利点を提供できる。
【0041】
また、かかるトランスミッションは、非入れ子状の割りプーリCVT構成に比べて、割りプーリの2つの部分の軸方向の分離における小さい変化で、トランスミッションの変速比の大きい変化を引き起こすことを可能にし得る。したがって、入れ子状プーリ構成は、変速比のシフト速度を高めることを可能にし得る。かかる高速のシフト速度は、(例えば、人間と接触した時にロボットの肢のインピーダンスを低減することによって)任意の近くの人間に対するロボットの安全性を高めるためにロボットの関節のインピーダンス(ひいてはロボットの肢の有効インピーダンス)を連続的に調整することを可能にすることにより、ロボットの安全性を高めるなど、多くの利点を提供しうる。
【0042】
一部の例において、かかるトランスミッションは、ニュートラルすなわちゼロの変速比を有するよう制御可能である(すなわち、入力の回転が出力の回転を引き起こさない)ように、および/または、負の変速比を有するよう制御可能である(すなわち、出力の回転の方向が入力に対して反転可能であるようにトランスミッションの変速比を制御できる)ように構成可能である。かかるトランスミッションは、ゼロを含む変速比の値の範囲にわたって構成可能な変速比を有し、「変速比無限大トランスミッション」と呼ばれてよい。かかるトランスミッションは、クラッチなしにトランスミッション出力の制動または方向の反転を可能にし得るため、逆転ギア機構を提供するために例えば自動車およびロボット用途で用いられる設計(ここで、両方向の高トルクかつ低速の動作を可能にするために、複数のトランスミッション/ギアおよびそれらに付随するクラッチが提供されうる)に比べて、トランスミッションのサイズおよびコストを削減する。
【0043】
かかるトランスミッションの一例を図2に示す。可変トランスミッション200は、第1ハーフプーリ230aおよび第2ハーフプーリ230bを有する第1割りプーリを備える。トランスミッション200は、さらに、第3ハーフプーリ220aおよび第4ハーフプーリ220bを有する第2割りプーリを備える。第1および第2割りプーリは、ベルト240を介して結合される。第1割りプーリは、外側割りプーリ内に入れ子状に含まれている。これは、第1割りプーリの回転軸が第2割りプーリの外周内に配置されていることを含む。入力部材210が、カム235およびカム軸受237を介して第1割りプーリに結合されている。入力210および第1割りプーリは、それぞれの異なるオフセットされた回転軸を有する。入力210の回転は、入力210の回転軸の周りでの第1割りプーリの回転軸の移動、ハーフプーリ230a、230bの回転、および、ベルト240を介した第1割りプーリから第2割りプーリへのトルクの伝達を引き起こす。したがって、入力210の回転は、第1割りプーリの特定の部分(例えば、第1ハーフプーリ230a上の特定の点)のサイクロイド運動または何らかの他の様々なトロコイド運動を引き起こしうる。
【0044】
トランスミッション200は、さらに、出力部材250を備える。トランスミッション200は、回転しないように第2割りプーリのハーフプーリ220a、220bを機械的にグラウンドすると共に、第1割りプーリの回転が出力部材250の回転を引き起こすように第1割りプーリのハーフプーリ230a、230bの少なくとも一方に出力部材250を結合することにより、制御可能な変速比に従って、入力部材210で印加された回転および/またはトルクに応じて出力部材250で回転および/またはトルクを発生させるよう構成されてよい。これは、第1割りプーリのハーフプーリ220a、220bの対応する要素(例えば、複数の形成された穴)と結合するよう構成されているケージギアとして出力部材250を構成することを含みうる。
【0045】
本明細書に記載のトランスミッションは、そこから力が出力へ伝達される入力を備えるものとして特徴付けられているが、これらのトランスミッションは、追加的または代替的に、バックドライブ可能であるよう構成されてもよいし、双方向エネルギ伝達および/または出力から入力へのエネルギ伝達を可能にするよう他の方法で構成されてもよいことに注意されたい。例えば、本明細書に記載のトランスミッションは、ロボットの関節の間でエネルギを双方向に伝達するために、例えば、1つの関節(例えば、エネルギを、例えば接地との接触から現在受けている関節)からエネルギを取り込んで、別の関節(例えば、ペイロードに力を加えるために現在利用されている関節)に印加するかまたはその逆を可能にすることによってロボットの全体効率を高めるために、利用できる。さらに、かかる構成は、(例えば、ロボットの1以上の関節の)複数の自由度を単一のモータによって(例えば、それぞれの入れ子状プーリ無限可変トランスミッションを介して)駆動することを可能にし得る。
【0046】
II.バランスされた可変トランスミッションの例
上述した入れ子状プーリトランスミッションは、単一の内側割りプーリを有しており、様々な利点を提供しうる。しかしながら、単一の内側割りプーリの利用は、望ましくない影響を引き起こしうる。例えば、内側割りプーリの偏心質量は、特に高速時に、振動を引き起こす可能性があり、結果として時間と共に変化する力およびトルクが、トランスミッションおよびトランスミッションに結合された要素に望ましくない影響を有しうる。これは、摩耗の増大、寿命の短縮、構成要素コストの増大、ノイズの増大、効率の低下、または、その他の望ましくない影響を引き起こしうる。この影響は、いくつかの実施形態において、内側割りプーリの軸外質量のバランスを取るためにカウンターウェイトを追加することによって、全体的または部分的に軽減されうる。さらに、偏心内側割りプーリに印加されたバランスの取れていない力および/またはトルクの結果として、高速で動作する必要がありうる軸受など、軸受を通してかなりの負荷が伝達されうる。
【0047】
これらの問題に対処するために、本明細書に記載の入れ子状割りプーリトランスミッションは、バランスの取られた構成で配置された複数の内側割りプーリを備えてよい。例えば、かかるトランスミッションは、トランスミッションが作動される時に内側割りプーリの質量がバランスされるように、トランスミッション内で互いに反対側に配置された2つの内側割りプーリを備えてよい。その結果、このトランスミッション構成は、振動を低減できる。それに応じて、かかるトランスミッションは、より高速に、より高効率で作動されることができ、より少ないおよび/またはより安価な軸受を備えることができ、また、何らかの他の方法で改善された特徴を提供できる。
【0048】
かかるバランスの取れた割りプーリトランスミッションは、トランスミッションの軸受を通して伝達される負荷力の削減も示しうる。これは、(例えば、外側割りプーリから、ベルトを介して伝達された)内側割りプーリに掛かる力が完全にまたは部分的に釣り合いうるからである。その結果、トランスミッションの軸受を通して掛けられる力で、(例えば、内側割りプーリの1つと、外側割りプーリとの間の)かかる力のバランスを取る必要がない。結果として、かかる軸受のサイズ、重量、数、および/または、コストを削減できる、および/または、より高い速度および/またはトルクでトランスミッションを作動させることができる。さらに、かかるバランスを取る力を結合するために用いられるトランスミッションのハウジングの要素の強度、サイズ、質量、および/または、コストを削減できる。
【0049】
図3A図3Dは、2つの内側割りプーリ330、335と、外側割りプーリ320とを有するバランスされた入れ子状割りプーリトランスミッションの一例300を示す。図3Aおよび図3Cは、第1断面図に従ってトランスミッション300を示し、図3Bおよび図3Dは、図3Aおよび図3Cの断面図と直交する断面図に従ってトランスミッション300の概略図を示す。図3Aおよび図3Bは、トランスミッション300が第1構成である時のトランスミッション300を示しており、それにより、第1変速比(例えば、リバース変速比)を示す。図3Cおよび図3Dは、トランスミッション300が第2構成である時のトランスミッション300を示しており、それにより、第1変速比とは異なる第2変速比(例えば、フォワード変速比)を示す。
【0050】
外側割りプーリ320は、ベルト340と接触する第1ハーフプーリ320aおよび第2ハーフプーリ320bを備える。第1内側割りプーリ330は、ベルト340と接触する第1ハーフプーリ330aおよび第2ハーフプーリ330bを備え、第2内側割りプーリ335は、ベルト340と接触する第1ハーフプーリ335aおよび第2ハーフプーリ335bを備える。入力部材310が、トランスミッション300の内側割りプーリ330、350、および、その他の要素を介して、トランスミッション300によるトルクの伝達により、出力部材350を駆動しうる。入力部材310は、第1内側割りプーリ330および第2内側割りプーリ335にそれぞれ結合された第1遊星ギア331および第2遊星ギア336とギア接触する太陽ギア311に結合(例えば、融合)されている。第1遊星ギア331および第2遊星ギア336は、出力部材350に結合されたリングギア351ともギア接触する。内側割りプーリ330、335の相対位置は、部分的には遊星キャリア360によって維持される。
【0051】
図に示すように、トランスミッション300は、太陽ギア311と遊星ギア330、335との間、および、遊星ギア330、335とリングギア351との間で、トルクを伝達することによって、入力部材310で印加されたトルク/回転に応じて、出力部材350でのトルク/回転を実現するよう構成されている。出力でのこのトルクの実現は、ベルトを介して、機械的にグラウンドされた外側割りプーリ320と内側割りプーリ330、335との間で伝達されたトルクによって引き起こされる。トランスミッション300は、出力部材350で印加されたトルク/回転に応じて、入力部材310でトルク/回転が実現されうるように、バックドライブ可能に構成されてもよい。
【0052】
図3に示す入れ子状のバランスされた割りプーリトランスミッションは、入れ子状のバランスされた割りプーリトランスミッションの非限定的な例として意図される。入力および出力部材は、代替的に、応用例に従って、適切な相補的要素が回転可能しないようにグラウンドされた状態で、太陽ギア、遊星キャリア、リングギア、出力割りプーリ、および/または、トランスミッション300のその他の要素に結合されてもよい。例えば、リングギア351がグラウンドされ、外側割りプーリ320が回転可能とされてもよい。かかる例において、出力部材は、外側割りプーリ320に結合されてよく、回転および/またはトルクは、トランスミッション300の動作に起因して入力部材310に印加された回転および/またはトルクによって、外側割りプーリ320で実現されうる。入れ子状のバランスされた割りプーリトランスミッションのかかる代替的な構成は、トランスミッションにとって利用可能な変速比の範囲を設定するため、部品数を削減するかまたは他の方法でトランスミッションのコストを削減するため、トランスミッションの組み立てを簡単にするため、トランスミッションの体積またはサイズを応用例に合わせるため、もしくは、何らかの他の利点を提供するために、選択されてよい。
【0053】
入力部材310と出力部材350との間のトランスミッション300の全体の変速比は、太陽ギア311と遊星ギア331、336との間のギア比、遊星ギア331、336とリングギア351との間のギア比、および、外側割りプーリ320および内側割りプーリ330、335の有効径の間の比を含む様々な要因に関連する。外側割りプーリ320または内側割りプーリ330、335の内の1つの「有効径」は、ベルト340(例えば、中心線、柔軟で実質的に非伸縮性の材料の中央帯がベルトを通る線、もしくは、何らかの他の屈曲線または曲率線)が割りプーリのハーフプーリと接触する場所でのプーリの直径である。
【0054】
ベルト340がピンと張られている時、特定の割りプーリの有効径は、ベルト340との相互作用に関して、特定の割りプーリのハーフプーリの間の軸方向距離に関連する。これは、図3Bおよび図3Dによって示されており、これらの図は、第1内側割りプーリ330および第2内側割りプーリ335ならびに外側割りプーリ320を示す。図3Bは、トランスミッションが第1変速比を示している第1期間中の、内側割りプーリの有効径332a、337aと、外側割りプーリの有効径322aとを示す。ベルト340は、ピンと張られていて、それぞれの有効径に沿って内側割りプーリ330、335、および、外側割りプーリ320と形を合わせることで、第1期間中に第1変速比(例えば、リバース変速比)を提供する。図3Dは、トランスミッションが第2変速比を示している第2期間中の、内側割りプーリの有効径332b、337bと、外側割りプーリの有効径322bとを示す。内側割りプーリの有効径は、図3Bよりも大きくなっているが、外側割りプーリの有効径は小さくなっている。ベルト340は、ピンと張られていて、それぞれの有効径に沿って内側割りプーリ330、335、および、外側割りプーリ320と形を合わせることで、第1期間中の変速比とは異なる第2変速比(例えば、フォワード変速比)を第2期間中に提供する。
【0055】
外側割りプーリおよび内側割りプーリのそれぞれのハーフプーリの間の軸方向距離を調整することで、割りプーリ320、330、335がベルト340と接触する直径を制御することができる。したがって、トランスミッション300の全体の変速比は、変速比の範囲にわたって制御可能である。例えば、外側割りプーリの有効径は、ベルト340の張力と、外側割りプーリのハーフプーリ320a、320bの間を結合する任意選択的なバネ325(またはその他の弾性要素)の強度と、外側割りプーリのハーフプーリ320a、320bのネジ山と係合する異なるピッチの(例えば、ネジ切りおよび逆ネジ切りされた)リードネジ(例えば、327)の設定と、の組み合わせによって決定される。したがって、外側割りプーリの有効径は、リードネジ327を回転させて外側割りプーリのハーフプーリ320a、320bの間の軸方向距離を調整することによって制御可能である。本明細書に記載の割りプーリのハーフプーリの間の軸方向距離は、能動的な手段(例えば、リードネジ327)のみによって、受動的な手段(例えば、バネ325)のみによって、もしくは、能動的および受動的な手段の組み合わせによって制御されてよいことに注意されたい。かかる方法は、追加的または代替的に、内側割りプーリの有効径を制御するために用いられてもよい。追加的または代替的に、割りプーリのハーフプーリの間に受動的な弾性力および/または能動的な位置決め力を提供するその他の方法が用いられてもよい。
【0056】
変速比の範囲は、正および負(すなわち、順方向および逆方向)の変速比を含んでよく、入力部材310でのトルク/回転の印加に応じて、トルク/回転が出力部材350で実現されない1以上の「ニュートラル」変速比を含んでもよい。外側割りプーリのそれぞれのハーフプーリの間および/または内側割りプーリのそれぞれのハーフプーリの間の軸方向距離は、様々な機構を用いて制御可能である。
【0057】
トランスミッション300の動作中、内側割りプーリ330、335は、それぞれの回転軸を中心に回転する。内側割りプーリ330、335は、内側割りプーリ330、335の回転軸が、トランスミッション300の中心回転軸の周りに、中心回転軸から特定の距離dに、一定の間隔で(すなわち、180度離れて)配置されるように、トランスミッション300内に配置される(例えば、1以上の遊星キャリア360に回転可能に結合される)。太陽ギア311およびリングギア351も、中心回転軸を中心に回転する。2つの内側割りプーリ330、335は、ベルト340によって内側割りプーリ330、335上に加えられる任意の反力を実質的にバランスさせるため、および、トランスミッション300が作動される時に発生しうる振動を低減するように内側割りプーリ330、335の質量をバランスさせるために、中心回転軸に関して、このように配置される。
【0058】
本明細書に記載のバランスされた入れ子状割りプーリトランスミッションは、3つ以上の内側割りプーリを備えてもよい。かかるトランスミッションは、応用例に従って、3、4、または、5以上の内側割りプーリを備えてよい。かかるトランスミッションの内側割りプーリは、中心回転軸の周りに一定の間隔で分散されてよい。図4は、外側割りプーリ420と、3つの内側割りプーリ430、434、436と、割りプーリの各々に接触するベルト440とを備えたトランスミッション400の要素を示す断面図である。ベルト440が割りプーリと接触するところのそれぞれの有効径422、431、435、437を制御することにより、トランスミッション400の変速比を制御するために、外側割りプーリ420および内側割りプーリ430、434、436のハーフプーリの間の軸方向距離を調整することができる。
【0059】
このように、本明細書に記載のバランスされた入れ子状割りプーリトランスミッションの2、3、または、4以上の内側割りプーリは、振動を低減するため、内側割りプーリ状に掛かる力をバランスするため、または、何らかの他の利点を提供するために、中心回転軸の周りに一定の間隔で配置されうる。例えば、2つの内側プーリのトランスミッションは、180度ずつ離間された内側プーリを有してよく、3つの内側プーリのトランスミッションは、120度ずつ離間された内側プーリを有してよく、4つの内側プーリのトランスミッションは、90度ずつ離間された内側プーリを有してよい、などである。内側割りプーリが中心回転軸の周りに「一定の間隔で」配置されることは、内側割りプーリの回転軸が、10度の数学的規則性の範囲内の角度で中心回転軸の周りに配置されることを含む。例えば、2つの内側割りプーリを有するトランスミッションは、中心回転軸の周りで互いに170度(または、等価的に、190度)の位置に配置された内側割りプーリを有しうる。別の例において、4つの内側割りプーリを有するトランスミッションは、中心回転軸の周りで互いに80度、90度、100度、および、90度の間隔で配置された内側割りプーリを有しうる。同様に、内側割りプーリの回転軸と中心回転軸との間の距離は、特定の量だけ(例えば、中心回転軸と内側割りプーリの回転軸との間の平均距離の15%未満だけ)均等とは異なってよい。
【0060】
完全な規則性および/または均一性からのこれらの若干のずれは、トランスミッションの製造および/または組み立てを容易にするため、製造の公差を考慮するため、トランスミッション内へのシフト機構の配置を許容するため、もしくは、何らかの他の利点を提供するためになされてよい。これらの利点は、トランスミッション内で若干不規則に内側割りプーリを配置することに伴って起こりうる振動、バランスの取れていない力、または、その他の望ましくない影響のわずかな増加よりも高く評価されうる。一部の例において、トランスミッション内へのさらなる機構の配置を可能にするため、または、何らかの他の利点を提供するために、規則性および/または均一性からの大幅な逸脱を示すトランスミッションが提供されてもよい。これは、かかる利点が、振動低減、内側プーリに掛かる力のバランスを取ること、または、完全に規則的かつ均一な配置に設定された内側プーリによって提供されるその他の利点に関して、それに対応して生じる構成の効果の低下を上回る場合に、かかる不規則/不均一な構成の利点にアクセスするためになされてよい。かかる利点は、機械パススルーのためのスペースと共により大きいトルク容量を提供すること、または、完全にバランスされたプーリ配置のいずれにも勝る何らかの他の利点を含みうる。
【0061】
さらに、本明細書に記載の入れ子状プーリトランスミッション(例えば、200、300)は、割りプーリではない内側プーリを備えてもよいことに注意されたい。かかるトランスミッションは、固定変速比を有してよい。あるいは、かかるトランスミッションの変速比は、例えば、外側割りプーリのハーフプーリの間の軸方向距離を調整することによって、1以上の内側プーリの1以上の回転軸とトランスミッションの中心回転軸との間の距離を調整することによって、ベルトの張力を調整することによって、および/または、内側プーリが割りプーリではない場合に本明細書に記載のトランスミッションの変速比を制御するための何らかの他の手段を用いることによって、調整可能であってもよい。
【0062】
III.差動シフト機構の例
割りプーリ可変トランスミッションの変速比は、トランスミッションの1以上の割りプーリのハーフプーリの間の軸方向距離を制御することによって制御されてよい。それに従って、トランスミッションのベルトが、異なる位置で軸受面(例えば、円錐形割りプーリのハーフプーリの円錐形軸受面)と接触し、その結果として、割りプーリの有効径の変化およびトランスミッションの変速比の変化を引き起こす。かかる軸受面は、例えば、表面のテクスチャまたは粗面化を備えることによって、ベルトに対する静止摩擦を強化するおよび/または滑りを低減するために特定の材料で構成されることによって、もしくは、ベルトとの静止摩擦を強化するために何らかの他の方法で構成されることによって、ベルトに対して強化された静止摩擦を提供するよう構成されてよい。可変トランスミッションが、(例えば、2、3、または、4以上の内側割りプーリのバランスされた配置で)複数の内側割りプーリを備える場合、遊星ギアセットまたは何らかの他の機構が、通常は、内側割りプーリの各々のハーフプーリの間の軸方向距離を共通して制御するために用いられてよい。あるいは、内側割りプーリの内の1つのプーリだけの軸方向距離が制御されてもよく、その他の割りプーリの軸方向距離は、制御される割りプーリの軸方向距離に従うようにバネまたはその他の受動要素によって設定される。
【0063】
様々な機構が、ハーフプーリの間の軸方向距離のかかる制御を行うために適用されてよい。一部の例において、割りプーリは、2つの(または3つ以上の)入力によって駆動されてもよく、トランスミッションの出力を駆動するための力の印加と、トランスミッションの変速比のシフトを行うために印加される力との間で2つの入力からのトルクを分配するために、差動装置が提供されてよい。例えば、かかる差動装置は、2つの入力の間のトルクの差が、差動装置を介して割りプーリの第1および第2ハーフプーリの間に軸方向の力を印加させるように構成されてよい。それに応じて、第1および第2ハーフプーリの間の軸方向距離が、増大または減少することで、割りプーリの有効径の変化を可能にし得る。軸方向距離のかかる変化の制御を容易にすることにより、差動装置は、割りプーリを備えたトランスミッションの変速比の制御を可能にする。差動装置は、さらに、正味トルクが(例えば、ベルト、さらなる割りプーリ、および/または、その他の要素を介して、トルクの伝達により)トランスミッションの出力での出力トルクの実現につながるように、入力から割りプーリへ正味トルクを印加できる。
【0064】
かかる差動機構は、様々な利点を提供しうる。例えば、トランスミッションの出力の駆動およびトランスミッションの変速比の変更の両方に2つの高出力駆動モータを利用することを可能にし得る。変速比のシフトが起こりうる速度は、シフトを行うために印加される力に関連するので、2つの大型高出力モータを利用すれば、非常に高速なシフティングが可能になりうる。さらに、それらのモータが、変速比をシフトするために「差動的に」動作されていない時、2つのモータの全出力が、出力を駆動するために用いられてよい。したがって、差動構成は、シフト動作のみのために割り当てられる大型高出力モータ(ならびに、それに伴うサイズ、重量、および、コスト)を必要とせずに、高速、制御可能、かつ、強力なシフト動作を可能にする。さらに、本明細書に記載の差動シフト装置の実施形態は、バックドライブ可能であるよう構成されてもよいし、出力から受けたエネルギ(例えば、トルク)が変速比のシフトをもたらし、トランスミッションの効率をさらに高めることに役立つことを可能にするよう構成されてもよい。
【0065】
図3図9は、差動シフト装置が2つの入力を受ける実施形態を示しており、2つの入力は、差動/割りプーリから反対方向に伸びていてもよいし、一方の入力が他方の入力の中に少なくとも部分的に配置された(例えば、一方の入力シャフトが他方の中空にされている中心部の中に配置された)状態で、同軸かつ同心であってもよい。別の実施形態において、入力は、かかる方法で入れ子状にされる必要はない。これらの変速比シフト機構は、入れ子状プーリ差動装置(例えば、図2の単一の内側割りプーリを有する入れ子状プーリトランスミッション、または、複数の内側割りプーリを有する図3A図3Dのトランスミッション)の「内側」または「外側」割りプーリもしくは他の方法で構成されている可変トランスミッション(例えば、図1A図1Dの可変トランスミッション)の割りプーリについて軸方向分離の変化をもたらすために利用されてよい。これらの図示する実施形態は、非限定的な例として意図されたものであり、入れ子状入力を記載する任意の実施形態が、適切な変形により、差動装置から反対方向に伸びる入力を受けてもよいし、または、受けなくてもよい。
【0066】
さらに、本明細書に記載のトランスミッションまたはその要素(例えば、差動装置)は、応用を容易にするために、追加的または代替的な要素を備えてもよい。例えば、トランスミッションは、例えば、異なる軸に関する回転を提供するため、ギア減速を提供するため、複数の内側割りプーリの間で差動力および/またはシフト力を分散させるため、もしくは、何らかの他の機械的効果を提供するために、さらなるギアを備えてもよい。これらの変形例は、例えば、差動トルクと、印加された変速比シフト力との間の関係性を制御するため、2つの入力の各々から変速比シフトおよび/または出力駆動へエネルギを非対称に分配するため、一方または両方の入力へのシフトおよび/または出力駆動における機械的利益を制御するため、回転運動を線形運動に変換するため(例えば、円錐形割りプーリのハーフプーリの間に軸方向の力を加えるため)、複数の割りプーリのハーフプーリの間の軸方向距離を共通で制御するため、もしくは、用途に従って何らかの他の利点を提供するために提供されてよい。
【0067】
A.リングギア差動シフト装置
一部の例において、遊星差動装置が、本明細書に記載したような差動シフト装置を実施するために提供されてよい。その場合、遊星差動装置の遊星ギアが、(差動装置への入力の差動回転の結果としての)遊星ギアの回転を割りプーリのハーフプーリの間の軸方向の力/運動に結びつけるために、ネジ、歯付きピン、線状ギアまたはラック、もしくは、その他の機械的要素に結合されてよい。一部の例において、ハーフプーリは、互いに螺入されることが可能であり、遊星ギアの回転が、2つのハーフプーリの間の相対回転に結びつけられることで、ハーフプーリをつなぐネジを介してハーフプーリ間の軸方向距離の変化が引き起こされうる。
【0068】
図5は、2つの入力部材510a、510bと、2つのハーフプーリ530a、530bとに結合された遊星差動装置550を備えた割りプーリの一例500(例えば、可変トランスミッションの割りプーリ)を示す断面図であり、ここで、第1入力部材510aと第2入力部材510bとの間のトルク差が、差動装置550を介して第1ハーフプーリ530aと第2ハーフプーリ530bとの間に軸方向の力を印加させることで、第1ハーフプーリ530aと第2ハーフプーリ530bとの間の軸方向距離(「d」)の増減を可能にするようになっている。第1入力部材510aおよび第2入力部材510bは、同軸かつ同心であり、第1入力部材510aは、部分的に第2入力部材510bの中に配置される。図6は、差動装置550の別の断面図を示しており、図6の断面図は、図5に提供した断面図と垂直である。
【0069】
差動装置550は、太陽ギア551aおよびリングギア551bを備える。太陽ギア551aおよびリングギア551bは、入力部材の回転が、太陽ギアおよびリングギアのそれぞれの回転を引き起こすように、それぞれ第1入力部材510aおよび第2入力部材510bに結合(例えば、融合)されている。差動装置550は、第1入力部材510aと第2入力部材510bとの間の回転の差が、差動装置550の遊星キャリア(図示せず)に対する遊星ギア553a、553b、553c、553dの回転を引き起こすように、太陽ギア551aおよびリングギア551bと係合する遊星ギア553a、553b、553c、553dをさらに備える。
【0070】
遊星ギア553a、553b、553c、553dの内の1以上のギアの回転が、様々な方法で、ハーフプーリ530a、530bの間の軸方向の力/運動に結びつけられてよい。図に示すように、遊星ギア553a、553bは、それぞれのネジ555a、555bに結合(例えば、融合)されている。次に、ネジ555a、555bは、遊星ギア553a、553b、553c、553dの回転が、ネジ555a、555bの回転を引き起こすことで、ハーフプーリ530a、530bの間の軸方向距離の変更が可能にするように、それぞれのネジ穴539a、539bを介して第1ハーフプーリ530aに結合されている。図5(539a、539b)および本明細書の別の箇所で図示するネジ穴は、トランスミッションの要素の間の軸方向距離を制御するためにネジと係合するための利用できるネジ穴の非限定的な例として意図される。かかるネジ穴は、(図5に示すように)ネジ穴が形成される特定の要素を完全に貫通してもよいし、特定の要素を通して部分的にのみ伸びてもよい(例えば、ネジ穴は、トランスミッションの特定の要素を通して部分的にのみ穿孔された止まり穴にネジ切りすることによって形成されてよい)。
【0071】
第1入力部材510aおよび第2入力部材510bによって提供された正味トルクが、例えば、可変トランスミッションのベルトを駆動するため、したがって、可変トランスミッションの出力を駆動するために、ハーフプーリ530a、530bに印加されてよい。かかる正味トルクは、差動装置550のハウジングを介して、ネジ555a、555bによってハーフプーリに掛けられる力を介して、または、割りプーリ500の1以上の他の要素を介して、入力からハーフプーリへ結合されてよい。
【0072】
図5および図6に示す実施形態は、非限定的な例としてのみ意図されたものであることに注意されたい。別の実施形態も想定される。例えば、差動装置550は、ハーフプーリ530a、530bの間に配置されてもよく、さらなるネジを、遊星ギアからそれぞれのネジ穴を通して伸ばして、第2ハーフプーリ530aのネジ切り部分と係合させてもよい。これは、差動装置550の遊星ギアまたはその他の要素に関して対称なハーフプーリ530a、530bの軸方向の動きを可能にする。差動トルクと、印加された変速比シフト力との間の関係性を制御するため2つの入力の各々から変速比シフトおよび/または出力駆動へエネルギを非対称に分配するため、一方または両方の入力へのシフトおよび/または出力駆動における機械的利益を制御するため、もしくは、用途に従って何らかの他の利点を提供するために、太陽ギア、リングギア、および/または、遊星ギアの直径および/または歯の数を指定することができる。例のハーフプーリ530a、530bは、回転するように入力510a、510bの正味の回転に結合されているが、ハーフプーリ530a、530bは、入力部材510a、510bの正味の回転に応じたハーフプーリ530a、530bのトロコイド運動を容易にするように、それぞれのカムおよびカム軸受を介して入力510a、510bに結合されてもよい。さらに別の例において、図5および図6に図示する差動シフト機構は、本明細書に記載のバランスされたトランスミッションの複数の内側割りプーリのハーフプーリの間の軸方向距離を共通で制御するよう適合されてもよい。
【0073】
B.バランスされた内側プーリ差動シフト装置
様々なシフト機構が、本明細書で記載する入れ子状プーリトランスミッションの複数の内側割りプーリの有効径を制御するために適用されてよい。これは、複数の内側割りプーリを制御するように、単一内側割りプーリトランスミッションのシフト機構を適合させることを含みうる。例えば、単一の割りプーリのハーフプーリの間の軸方向距離を制御するための図5および図6に示す差動機構が、複数の割りプーリのハーフプーリの間の軸方向距離を制御するように適合されてよい。
【0074】
一例として、図7は、第1ハーフプーリ720aおよび第2ハーフプーリ720bを有する外側割りプーリと、第1ハーフプーリ730aおよび第2ハーフプーリ730bを有する第1内側割りプーリと、第1ハーフプーリ735aおよび第2ハーフプーリ735bを有する第2内側割りプーリと、を備えるトランスミッション700を示す断面図である。内側割りプーリは、遊星キャリア745に(例えば、玉軸受を介して)回転可能に結合されている。ベルト740が、外側割りプーリおよび内側割りプーリと接触している。第1および第2内側割りプーリの第1ハーフプーリ730a、730bは、出力部材760に結合されたリングギア761とギア接触するそれぞれの第1遊星ギア731および第2遊星ギア736に結合(例えば、融合、単一の材料片から形成、など)されている。第1入力710aおよび第2入力710bは、入力部材710a、710bがトランスミッション700の出力部材760でのトルクを実現するために共通で駆動されうるように、それぞれの差動装置を介して第1および第2内側割りプーリに結合されている。入力部材710a、710bは、内側割りプーリのハーフプーリの間の軸方向距離を調整することによって、トランスミッション700の変速比の変化をもたらすように、差動的に駆動されうる。
【0075】
差動装置750が、この制御を容易にするために第1内側割りプーリに結合されている。差動装置750は、ネジギア753とギア接触する太陽ギア755およびリングギア751を備える。ネジギア753は、第1内側割りプーリに対するネジ732の回転が、第1内側割りプーリのハーフプーリ730a、730bの間の軸方向距離の変化を引き起こすように、第1内側割りプーリの第2ハーフプーリ730bのネジ山733と接触するネジ732に結合(例えば、融合)されている。かかる回転は、トランスミッション700の太陽ギア755およびリングギア751の間の相対的な回転によって達成されうる。太陽ギア755は、第1入力部材710aに結合された太陽ギア711aとギア接触するリングギア756に結合されている。したがって、第1入力部材710aの回転が、太陽ギア755の回転をもたらしうる。リングギア751は、第2入力部材710bに結合された別の太陽ギア711bとギア接触する別のリングギア752に結合されている。したがって、第2入力部材710bの回転が、リングギア751の回転をもたらしうる。その結果、第1入力部材710aと第2入力部材710bとの間の差動回転/トルクが、第1内側割りプーリのハーフプーリ730a、730bの間の軸方向距離の変化/軸方向力の印加をもたらしうる。さらに、第1入力部材710aと第2入力部材710bとの間の正味トルクが、出力部材760でのトルクの実現を引き起こしうる。
【0076】
C.バランスされた内側プーリ差動シフト装置
一部の例では、本明細書に記載のトランスミッションの各内側割りプーリは、例えば、第1および第2入力部材に結合された太陽ギアを介して、第1および第2入力部材によって駆動されうる。各内側割りプーリのハーフプーリは、第1入力部材によって直接的に駆動されると共に、ネジ山を介してハーフプーリの少なくとも一方と係合するネジによって間接的に駆動されうる。したがって、入力部材の間の回転および/またはトルクの差が、ネジを介して、内側割りプーリの各々のハーフプーリの間の軸方向力および/または距離の変化を引き起こしうる。入力部材を介して共通して印加される回転および/またはトルクが、割りプーリを介して、トランスミッションを通して伝達されうる。
【0077】
図8は、トランスミッション800の一例を示す断面図である。トランスミッション800は、第1ハーフプーリ820aおよび第2ハーフプーリ820bを備えた外側割りプーリと、第1ハーフプーリ830aおよび第2ハーフプーリ830bを備えた第1内側割りプーリと、第1ハーフプーリ835aおよび第2ハーフプーリ835bを備えた第2内側割りプーリと、を備える。内側割りプーリは、ベルト840を介して外側割りプーリに結合されている。第1ネジ880が、第1割りプーリの第2ハーフプーリ830bに、そして、ネジ山883を介して第1割りプーリの第1ハーフプーリ830aに、回転可能に結合されている。第2ネジ885が、第2割りプーリの第2ハーフプーリ835bに、そして、ネジ山888を介して第2割りプーリの第1ハーフプーリ835aに、回転可能に結合されている。第1割りプーリの第2ハーフプーリ830bは、第1ギア831に結合されており、第2割りプーリの第2ハーフプーリ835bは、第2ギア836に結合されている。第1ネジ880は、第3ギア881に結合されており、第2ネジ885は、第4ギア886に結合されている。
【0078】
第1入力部材810aおよび第2入力部材810bが、それぞれ対応する第1太陽ギア811aおよび第2太陽ギア811bに結合されている。第1太陽ギア811aは、第1ギア831および第2ギア836とギア接触しており、第2太陽ギア811bは、第3ギア881および第4ギア886とギア接触している。これらの要素は、第1入力部材811aと第2入力部材811bとの間のトルク差が、差動装置を介して、第1および第2内側割りプーリのハーフプーリの間に印加される軸方向の力を引き起こすことで、内側割りプーリの第1および第2ハーフプーリの間の軸方向距離(「d」)を増減させることを可能にするように、差動装置を形成する。第1入力部材810aおよび第2入力部材810bは、同軸かつ同心であり、第2入力部材810bは、部分的に第1入力部材810aの中に配置される。
【0079】
トランスミッション800は、さらに、第1ギア831および第2ギア836とギア接触すると共に出力部材に結合されたリングギア851を備える。外側割りプーリのハーフプーリ820a、820bは、正味トルクが第1入力部材810aおよび第2入力部材810bを介して印加された時に、トルクが内側割りプーリを介して出力部材850に伝達されるように、回転するように機械的にグラウンドされている。
【0080】
E.ネジ切りカム差動シフト装置
一部の例において、複数の逆向きのネジ切り部分(例えば、ナット、テーパ状の穴、ボールネジのネジ山)を備えた差動装置が提供されてもよい。次いで、ネジ切り部分は、差動装置の入力に結合された対応するネジと係合しうる。したがって、入力の差動回転が、カムと接触するハーフプーリに軸方向の運動/力を印加させることができる(一方のネジが、それに対応するネジ切り部分に螺入すると、他方のネジは、それに対応するネジ切り部分から螺脱する)。入力の共通の回転は、カムおよび/または割りプーリの回転ならびに/もしくはカムおよび/または割りプーリへのトルクの印加を引き起こす。ネジ切り部分は、互いに剛結合されてよい(例えば、カムに形成された単一の穴の中へ反対方向からネジ切りされる)。あるいは、ネジ切り部分は、カムのそれぞれのサブ部分(例えば、「サブカム」)に形成されてもよく、その場合、ネジ切り部分の間の相対運動が可能になる。かかるサブ部分は、サブ部分の間の相対的な軸方向の運動を許容するがサブ部分の間の相対的な回転を防ぐように、ピンまたはその他の方法で結合されうる。かかるカム、ネジ、ネジ切り部分、および、関連要素は、(カムの軸方向の運動を介して)トランスミッションの変速比のシフトへ入力の間の差動トルクを印加すると共にトランスミッションの出力トルクへ正味トルクを印加する差動装置を構成しうる。
【0081】
図9は、第1ネジ切り部分953aおよび第2ネジ切り部分953b(例えば、それぞれのボールネジのネジ山)を有するカム955を備えた割りプーリの一例900(例えば、可変トランスミッションの割りプーリ)を示す。ネジ切り部分953a、953bは、逆向きのネジ山を有する。トランスミッション900は、さらに、第1ハーフプーリ930aおよび第2ハーフプーリ930bを備える。第2ハーフプーリ930bは、第1ハーフプーリ930aのそれぞれの穴941の中に伸びるピン940を備える。ピン940は、ハーフプーリ930a、930bが互いに対して軸方向に平行移動することを許容するが、ハーフプーリ930a、930bの間の相対的な回転を防止する(したがって、入力部材910a、910bから第2ハーフプーリ930bへトルクを伝達するために利用されうる)。第1ハーフプーリ930aは、カム955に剛結合されている。2つの入力部材910a、910bは、第1入力部材910aと第2入力部材910bとの間のトルク差により、軸方向の力が、カム955と第1ハーフプーリ930aとの間に印加されるように、カム955のそれぞれのネジ切り部分953a、953bと係合するそれぞれのネジ951a、951bに結合されている。第1ネジ951aおよび第2ネジ951bが、カム955と第1ハーフプーリとの間の軸方向の力の生成を引き起こすように、互いに対して軸方向の力を掛けることを可能にするために、スラスト軸受960が提供される。したがって、かかる軸方向の力は、第1ハーフプーリ930aと第2ハーフプーリ930bとの間の軸方向距離(「d」)の増減を可能にし得る。第1入力部材910aおよび第2入力部材910bは、ハーフプーリ930a、930bから外側に向かって反対方向に伸びる。
【0082】
第1入力部材910aおよび第2入力部材910bによって提供された正味トルクが、例えば、可変トランスミッションのベルトを駆動するため、したがって、可変トランスミッションの出力を駆動するために、ハーフプーリ930a、930bに印加されてよい。かかる正味トルクは、カム955を介して、ピン940を介して、および/または、割りプーリ900の1以上の他の要素を介して、入力からハーフプーリへ結合されてよい。
【0083】
図9に示すカム955、ネジ951a、951b、および、ハーフプーリ930a、930bは、かかる二重にネジ切りされたカムを用いて、円錐形(または他の構成の)割りプーリの第1および第2ハーフプーリの間の軸方向距離の制御を行う機構の非制限的な例として意図される。別の例において、カムは、逆向きのネジ山を持ったそれぞれの第1および第2ネジ切り部分を有する第1および第2サブカムとして提供されてもよい。サブカムは、サブ部分の間(およびハーフプーリの間)の相対的な軸方向の運動を許容しつつも、サブ部分の間の相対的な回転を防ぐように、それぞれのハーフプーリ930a、930bに剛結合され、ピンまたはその他の方法で互いに結合されてよい。
【0084】
図9に示す実施形態は、非限定的な例としてのみ意図されたものであることに注意されたい。別の実施形態も想定される。例のハーフプーリ930a、930bは、回転するようにカム955に(ひいては、入力910a、910bの正味の回転に)剛結合されているが、ハーフプーリ930a、930bは、入力部材910a、910bの正味の回転に応じたハーフプーリ930a、930bのトロコイド運動を容易にするように、それぞれのさらなるカムおよび/またはカム軸受を介して入力910a、910bおよび/またはカム955に結合されてもよい。追加的あるいは代替的に、ハーフプーリ930a、930bは、ハーフプーリ930a、930bと共通の軸に関して回転する入力部材によって駆動されてもよい。差動トルクと、印加された変速比シフト力との間の関係性を制御するため2つの入力の各々から変速比シフトおよび/または出力駆動へエネルギを非対称に分配するため、一方または両方の入力へのシフトおよび/または出力駆動における機械的利益を制御するため、もしくは、用途に従って何らかの他の利点を提供するために、ネジ951a、951bのピッチ、リード、条数、および/または、その他の特徴を指定することができる。
【0085】
さらに別の例において、図9に図示する差動シフト機構は、(例えば、図7および/または図8に示すのと同様の機構を用いて)本明細書に記載のバランスされたトランスミッションの複数の内側割りプーリのハーフプーリの間の軸方向距離を共通で制御するよう適合されてもよい。例えば、第1入力部材910aおよび第2入力部材910bの各々は、それぞれの太陽ギア、リングギア、および/または、遊星キャリアがトランスミッションへのそれぞれの第1および第2全体入力によって駆動されているそれぞれの遊星差動装置のそれぞれの遊星ギアに結合されてもよい。
【0086】
IV.さらなるシフト機構
図5図9に図示して上述したシフト機構の例は、2つの入力の間のトルクの差から、1以上の円錐形(または他の構成の)割りプーリの対向するハーフプーリの間に軸方向のシフト力を提供するために、差動装置として構成されている要素を組み込んでいる。ただし、割りプーリ可変トランスミッションの高速かつ制御可能な変速比シフトを可能にするために、その他の非差動機構も想定される。例えば、第1入力を介して印加されたトルクが割りプーリを介して(例えば、vベルトで)トランスミッションの出力に印加されるように割りプーリに結合された第1入力が提供されてもよい。また、第2入力が提供され、それを介して、トルクがトランスミッションのシフトを引き起こすように加えられる。かかる例において、変速比のシフトは、2つの入力の間の相対回転に関連し、実質的に、2つの入力の間のトルクの差には実質的に全く関連しえない。かかる例において、第2入力は、変速比を特定の値に維持するために、実質的にトルクが印加されない状態で、第1入力と同じ速度で回転してもよい。かかる例において、第2入力は、第1入力の速度と一致するようにアクティブに駆動されてよい。あるいは、第2入力は、変速比を特定の値に維持するために、第2入力を駆動するために用いられるどんなモータからも切り離されてよい。さらに別の実施形態において、第2入力は、駆動モータがクラッチを介して第2入力に結合された時に変速比のシフトをもたらすよう動作しうるように、クラッチを介して駆動モータに(例えば、第1入力を駆動するために用いられる駆動モータに)結合されてよい。
【0087】
図10は、かかるトランスミッションの割りプーリの一例1000を示す断面図である。割りプーリ1000は、2つのハーフプーリ1030a、1030bと、2つの入力部材1010、1020と、を備える。第1入力部材1010は、第1入力部材1010aに印加されたトルクが第1ハーフプーリ1030aおよび第2ハーフプーリ1030bに伝達されるように、ハーフプーリ1030a、1030bの少なくとも一方と結合される。第1ハーフプーリ1030aは、第2ハーフプーリ1030bのそれぞれの穴1041の中に伸びるピン1040を備える。ピン1040は、ハーフプーリ1030a、1030bが互いに対して軸方向に平行移動することを許容するが、ハーフプーリ1030a、1030bの間の相対的な回転を防止する(したがって、第1入力部材1010から第2ハーフプーリ1030bへトルクを伝達するために利用されうる)。
【0088】
第2入力部材1020が、ネジ1055に結合されている。第1入力部材1010および第2入力部材1020は、同軸かつ同心であり、第2入力部材1020は、部分的に第1入力部材1010の中に配置される。したがって、第1入力部材1010と第2入力部材1020との間の差動回転が、ネジ1055の回転を引き起こしうる。ネジ1055は、第1入力部材1010と第2入力部材1020との間の差動回転が、ネジ1055を介して第1ハーフプーリ1030aと第2ハーフプーリ1030bとの間に印加される軸方向の力を引き起こすことで、第1ハーフプーリ1030aと第2ハーフプーリ1030bとの間の軸方向距離(「d」)を増減させることを可能にするように、第2ハーフプーリ1030bのネジ切り部分1039と係合する。
【0089】
図10に示す実施形態は、非限定的な例としてのみ意図されたものであることに注意されたい。別の実施形態も想定される。例えば、第1入力部材1010と第2入力部材1020との間の差動回転をハーフプーリ1030a、1030bの間の軸運動に変換するために、別の機構(例えば、ラック、線形ギア、ハーフプーリの間のネジカップリング)が用いられてもよい。複数のネジが備えられてもよく、各ネジは、第2入力1020の回転をハーフプーリの間の軸方向の力/運動に変換するように(例えば、1以上のギアを介して)第2入力によって駆動される。例のハーフプーリ1030a、1030bは、回転するように第1入力部材1010の回転に剛結合されているが、ハーフプーリ1030a、1030bは、第1入力部材1010の回転に応じたハーフプーリ1030a、1030bのトロコイド運動を容易にするように、それぞれのカムおよびカム軸受を介して第1入力1010に結合されてもよい。さらに別の例において、図の割りプーリ1000の入力部材は、複数の割りプーリの各々の軸方向距離を共通で調整するために、例えば、本明細書の他の箇所に記載したバランスされた配置で配置された複数のかかる割りプーリを駆動するために用いられる入力部材に、遊星ギアセットまたは何らかの他の機構を介して、結合されてもよい。
【0090】
さらに別の例において、図10に図示するシフト機構は、本明細書に記載のバランスされたトランスミッションの複数の内側割りプーリのハーフプーリの間の軸方向距離を共通で制御するよう適合されてもよい。図11は、かかるトランスミッション1100を示す断面図である。トランスミッション1100は、それらを介して外側割りプーリがベルト1140と接触するそれぞれの軸受面1121a、1121bを有する外側割りプーリの第1ハーフプーリ1120aおよび第2ハーフプーリ1120bを備える。トランスミッション1100は、さらに、2つの内側割りプーリを備える。第1内側割りプーリは、それらを介して第1内側割りプーリがベルト1140と接触するそれぞれの軸受面1132を有する第1ハーフプーリ1130aおよび第2ハーフプーリ1130bを備える。第2内側割りプーリは、第1ハーフプーリ1135aおよび第2ハーフプーリ1135bを備える。各内側割りプーリのハーフプーリは、特定の内側割りプーリのハーフプーリの一方に(例えば、ハーフプーリに融合された遊星ギアを介して)印加された駆動トルクが、特定の内側割りプーリの他方のハーフプーリにも印加されるように、(例えば、ピンおよびくぼみを一致させることによって)互いに回転をロックされる。第1および第2内側割りプーリは、中央太陽ギア1111とギア接触するそれぞれの第1遊星ギア1131および第2遊星ギア1136と、太陽ギアと同軸である外側リングギア1151と、に結合されている。第1および第2内側割りプーリは、遊星キャリア(図示せず)によって、または、何らかの他の手段を介して(例えば、太陽ギア1111およびリングギア1151によって印加される力を介して)、トランスミッション1100内で、向かい合うバランスされた配置に維持される。
【0091】
トランスミッション1100は、太陽ギアに結合された第1入力部材1110と、リングギア1151に結合された出力部材1150と、を有する。外側割りプーリのハーフプーリ1120a、1120bは、回転を防ぐために、機械的にグラウンドされている。したがって、外側割りプーリおよび内側割りプーリのハーフプーリの間の軸方向距離を調整することによって制御可能な変速比に従って、内側割りプーリを介して、第1入力部材1110と出力部材1150との間で、回転および/またはトルクが伝達されうる。この構成は、非限定的な実施形態例として意図されており、トランスミッション1100は、代替的に、トランスミッション1100の適切な別の要素が回転しないようにグラウンドされた状態で、太陽ギア1111、リングギア1151、遊星キャリア(図示せず)、および/または、外側割りプーリ1120a、1120bに結合された入力および出力を有してもよい。例えば、リングギア1151がグラウンドされ、外側割りプーリ1120a、1120bが回転可能とされてもよい。かかる例において、出力部材は、外側割りプーリ1120a、1120bに結合されてよく、回転および/またはトルクが、入力部材1110から、トランスミッション1100を介して外側割りプーリ1120a、1120bに結合された出力部材へ伝達されうる。
【0092】
トランスミッション1100の変速比は、外側割りプーリおよび内側割りプーリのハーフプーリの間の軸方向距離を調整することによって制御可能である。内側割りプーリのハーフプーリの間の軸方向距離の調整は、第1入力部材1110の回転に対して第2入力部材1170に差動回転を適用することによって達成されうる。第1内側割りプーリの第1ハーフプーリ1130aは、第2ハーフプーリ1130bのネジ切り部分1183に対する第1ネジ1180の回転が、第1内側割りプーリのハーフプーリ1130a、1130bの間の力または軸方向距離の変化の少なくとも一方を引き起こすように、第1内側割りプーリの第2ハーフプーリ1130bのネジ切り部分1183と接触する第1ネジ1180に結合される。同様に、第2内側割りプーリの第1ハーフプーリ1135aは、第2ハーフプーリ1135bのネジ切り部分1188に対する第2ネジ1185の回転が、第2内側割りプーリのハーフプーリ1135a、1135bの間の力または軸方向距離の変化の少なくとも一方を引き起こすように、第2内側割りプーリの第2ハーフプーリ1135bのネジ切り部分1188と接触する第2ネジ1185に結合される。
【0093】
第1ネジ1180および第2ネジ1185は、第2入力部材1170に結合された太陽ギア1171とギア接触するそれぞれの第1ギア1181および第2ギア1186に結合されている。そのため、第1入力部材1110と第2入力部材1170との間の相対的な回転が、それぞれの内側割りプーリに対するネジ1180、1185の回転を引き起こす。したがって、この相対的な回転により、内側割りプーリのハーフプーリの間の軸方向距離を制御することが可能になり、それにより、トランスミッション1100の変速比を制御することが可能になる。外側割りプーリのハーフプーリ1120a、1120bの間の軸方向距離は、別の能動的機構(図示せず)によって制御されうる。追加的または代替的に、外側割りプーリのハーフプーリ1120a、1120bの間の軸方向距離は、外側割りプーリのハーフプーリ1120a、1120bの間に結合されたバネまたは他の弾性要素によって受動的に制御されてもよい。
【0094】
図11に示す実施形態は、非限定的な例としてのみ意図されたものであることに注意されたい。別の実施形態も想定される。例えば、第1入力部材1110と第2入力部材1170との間の差動回転を第1および第2割りプーリのハーフプーリの間の軸運動に変換するために、別の機構(例えば、ラック、線形ギア、ハーフプーリの間のネジ継手)が用いられてもよい。各内側割りプーリのハーフプーリ例は、それぞれの遊星ギア1131、1136の回転に回転可能に結合されてよい。一部の例において、第2入力部材1170は、リングギアを介してネジギア1181、1186と相互作用してもよい。
【0095】
かかるトランスミッション1200の一例を図12に示す。トランスミッション1200は、それらを介して外側割りプーリがベルト1240と接触するそれぞれの軸受面1221a、1221bを有する外側割りプーリの第1ハーフプーリ1220aおよび第2ハーフプーリ1220bを備える。トランスミッション1200は、さらに、2つの内側割りプーリを備える。第1内側割りプーリは、それらを介して第1内側割りプーリがベルト1240と接触するそれぞれの軸受面1232を有する第1ハーフプーリ1230aおよび第2ハーフプーリ1230bを備える。第2内側割りプーリは、第1ハーフプーリ1235aおよび第2ハーフプーリ1235bを備える。各内側割りプーリのハーフプーリは、特定の内側割りプーリのハーフプーリの一方に(例えば、ハーフプーリに融合された遊星ギアを介して)印加された駆動トルクが、特定の内側割りプーリの他方のハーフプーリにも印加されるように、(例えば、ピンおよびくぼみを一致させることによって)互いに回転をロックされる。第1および第2内側割りプーリは、中央太陽ギア1211とギア接触するそれぞれの第1遊星ギア1231および第2遊星ギア1236と、太陽ギアと同軸である外側リングギア1251と、に結合されている。第1および第2内側割りプーリは、遊星キャリア(図示せず)によって、または、何らかの他の手段を介して(例えば、太陽ギア1211およびリングギア1251によって印加される力を介して)、トランスミッション1200内で、向かい合うバランスされた配置に維持される。
【0096】
トランスミッション1200は、太陽ギアに結合された第1入力部材1210と、リングギア1251に結合された出力部材1250と、を有する。外側割りプーリのハーフプーリ1220a、1220bは、回転を防ぐために、機械的にグラウンドされている。したがって、外側割りプーリおよび内側割りプーリのハーフプーリの間の軸方向距離を調整することによって制御可能な変速比に従って、内側割りプーリを介して、第1入力部材1210と出力部材1250との間で、回転および/またはトルクが伝達されうる。
【0097】
トランスミッション1200の変速比は、外側割りプーリおよび内側割りプーリのハーフプーリの間の軸方向距離を調整することによって制御可能である。内側割りプーリのハーフプーリの間の軸方向距離の調整は、第1入力部材1210の回転に対して第2入力部材1270に差動回転を適用することによって達成されうる。第1内側割りプーリの第1ハーフプーリ1230aは、第2ハーフプーリ1230bのネジ切り部分1283に対する第1ネジ1280の回転が、第1内側割りプーリのハーフプーリ1230a、1230bの間の力または軸方向距離の変化の少なくとも一方を引き起こすように、第1内側割りプーリの第2ハーフプーリ1230bのネジ切り部分1283と接触する第1ネジ1280に結合される。同様に、第2内側割りプーリの第1ハーフプーリ1235aは、第2ハーフプーリ1235bのネジ切り部分1288に対する第2ネジ1285の回転が、第2内側割りプーリのハーフプーリ1235a、1235bの間の力または軸方向距離の変化の少なくとも一方を引き起こすように、第2内側割りプーリの第2ハーフプーリ1235bのネジ切り部分1288と接触する第2ネジ1285に結合される。
【0098】
第1ネジ1280および第2ネジ1285は、第2入力部材1270に結合されたリングギア1271とギア接触するそれぞれの第1ギア1281および第2ギア1286に結合されている。そのため、第2入力部材1270の回転が、それぞれの内側割りプーリに対するネジ1280、1285の回転を引き起こしうる。したがって、第2入力部材1270の回転を制御することにより、内側割りプーリのハーフプーリの間の軸方向距離を制御することが可能になり、それにより、トランスミッション1200の変速比を制御することが可能になる。(図11のトランスミッション1100のように)太陽ギアの代わりにリングギアを用いてネジ1280、1285を駆動することで、トランスミッション1200の変速比をシフトするのに必要な回転速度および/またはトルクを応用例に合わせることが可能になる。特に、リングギアを利用することで、特定の変速比の維持に必要な第1入力1210の回転速度に対する第2入力1270の回転速度(すなわち、トランスミッション1200の変速比をシフトしないのに必要な第2入力の速度)を低減することができる。
【0099】
外側割りプーリのハーフプーリ1220a、1220bの間の軸方向距離は、別の能動的機構(図示せず)によって制御されうる。追加的または代替的に、外側割りプーリのハーフプーリ1220a、1220bの間の軸方向距離は、外側割りプーリのハーフプーリ1220a、1220bの間に結合されたバネまたは他の弾性要素によって受動的に制御されてもよい。
【0100】
V.結び
図に示す特定の配置は、限定と見なすべきではない。別の実施形態が、所与の図に示す各要素を多くまたは少なく備えてもよいことを理解されたい。さらに、図示する要素の一部は、組み合わせられてもよいし、省略されてもよい。さらにまた、一実施例が、図示されていない要素を備えてもよい。
【0101】
さらに、様々な態様および実施形態を本明細書で開示したが、別の態様および実施形態が当業者にとっては明らかである。本明細書に開示した様々な態様および実施形態は、例示を目的としたものであり、限定の意図はなく、真の範囲および精神は、以下の特許請求の範囲によって示される。本明細書に提示された主題の精神または範囲から逸脱することなしに、他の実施形態が用いられてもよく、その他の変更がなされてもよい。本明細書に概略的に記載され、図に示されている本開示の態様は、幅広い異なる構成で、配置、置換、組みあわせ、分離、および、設計されてよく、それらのすべてが、本明細書内で想定されていることが容易に理解される。
【0102】
特に、本明細書の実施形態は、割りプーリ(もしくは、1以上のその他の駆動される要素)から反対方向へ外向きに伸びる入力によって駆動されてもよいし、同じ方向に伸びる入力(例えば、同軸であり、互いの中に入れ子状にされている入力)によって駆動されてもよいことに注意されたい。さらに、割りプーリのハーフプーリの間の軸方向の分離の制御を提供する本明細書に記載の実施形態は、割りプーリの回転軸および/または幾何軸と同軸な入力(例えば、ハーフプーリの円錐形の軸受面の回転軸と同軸な入力)を受け入れる。あるいは、かかる実施形態は、割りプーリの回転軸および/または幾何軸と同軸ではない入力を受け入れてもよい(例えば、入れ子状トランスミッション構成に従って割りプーリを駆動することを可能にするため、または、何らかの他の応用例を容易にするために、入力が、1以上のカムを介して、太陽ギア、リングギア、または、その他の様々なギア装置を介して、ベルトを介して、もしくは、何らかの他の手段を介して、割りプーリを駆動してよい)。
適用例1:サイズの削減、重量の削減、コストの削減、または、効率の向上の内の少なくとも1つを達成するために、削減された体積および制御可能な変速比を有するトランスミッションであって、
第1ハーフプーリおよび第2ハーフプーリを有する外側円錐形割りプーリと、
前記外側円錐形割りプーリ内に入れ子状にされている2以上の内側円錐形割りプーリであって、各前記内側円錐形割りプーリは、それぞれの第1ハーフプーリおよび第2ハーフプーリを有する、内側円錐形割りプーリと、
前記外側円錐形割りプーリおよび前記内側円錐形割りプーリの内の少なくとも1つ、に接触するベルトと、
第1入力部材と、
第1出力部材であって、前記第1入力部材と前記第1出力部材との間でトルクが伝達されうるように、前記2以上の内側円錐形割りプーリの内の少なくとも1つを介して前記第1入力部材に結合されている、第1出力部材と、
を備える、トランスミッション。
適用例2:適用例1に記載のトランスミッションであって、前記各内側円錐形割りプーリは、それぞれ回転軸を有し、前記内側円錐形割りプーリは、前記内側円錐形割りプーリの前記回転軸が、前記トランスミッションの中心回転軸の周りに一定の間隔で、前記中心回転軸から特定の距離に配置されるように、前記トランスミッション内に配置されている、トランスミッション。
適用例3:適用例2に記載のトランスミッションであって、さらに、
2以上の遊星ギアと、前記2以上の遊星ギアの各遊星ギアは、前記2以上の内側割りプーリの内のそれぞれの内側割りプーリに結合され、
前記中心回転軸を中心に回転する太陽ギアであって、前記太陽ギアにおけるトルクにより、前記第1出力部材においてトルクが実現されるように、前記2以上の遊星ギアに結合されている太陽ギアと、
を備える、トランスミッション。
適用例4:適用例3に記載のトランスミッションであって、さらに、
前記2以上の遊星ギアに結合され、前記太陽ギアと同軸であるリングギアであって、前記第1出力部材に結合されている、リングギアを備える、トランスミッション。
適用例5:適用例3に記載のトランスミッションであって、さらに、
遊星キャリアであって、前記遊星キャリアが前記中心回転軸を中心に回転するように、前記内側円錐形割りプーリの各々に回転可能に結合されている遊星キャリアを備え、前記遊星キャリアは、前記第1出力部材に結合されている、トランスミッション。
適用例6:適用例2に記載のトランスミッションであって、さらに、
2以上の遊星ギアであって、前記2以上の遊星ギアの各遊星ギアは、前記2以上の内側割りプーリの内のそれぞれの内側割りプーリに結合されている、2以上の遊星ギアと、
前記中心回転軸を中心に回転する遊星キャリアであって、前記内側割りプーリの各々に回転可能に結合され、前記第1入力部材に結合されている、遊星キャリアと、
前記2以上の遊星ギアに結合され、前記中心回転軸を中心に回転するリングギアであって、前記第1出力部材に結合されているリングギアと、を備え、前記遊星キャリアにおけるトルクにより、前記第1出力部材においてトルクが実現される、トランスミッション。
適用例7:適用例1に記載のトランスミッションであって、前記外側円錐形割りプーリは、前記外側円錐形割りプーリの前記第1および第2ハーフプーリが回転しないように、機械的グラウンドに結合されている、トランスミッション。
適用例8:適用例1に記載のトランスミッションであって、前記外側円錐形割りプーリの前記第1ハーフプーリおよび前記第2ハーフプーリは、弾性要素によって前記外側円錐形割りプーリの前記第1ハーフプーリおよび前記第2ハーフプーリの間に軸方向の力が与えられるように、前記弾性要素を介して互いに結合されている、トランスミッション。
適用例9:適用例1に記載のトランスミッションであって、さらに、
第2入力部材と、
差動装置であって、前記差動装置は、前記第1入力部材と前記第2入力部材との間のトルク差が、前記差動装置を介して、前記内側円錐形割りプーリの内の所与の1つの前記第1ハーフプーリと、前記内側円錐形割りプーリの内の前記所与の1つの前記第2ハーフプーリとの間に力を印加させることで、前記内側円錐形割りプーリの内の前記所与の1つの前記第1ハーフプーリと、前記内側円錐形割りプーリの内の前記所与の1つの前記第2ハーフプーリとの間の軸方向距離を増減させることを可能にし、それにより、前記内側円錐形割りプーリの各々の有効径の変更を可能にする結果として前記トランスミッションの前記制御可能な変速比を実現するように、前記第1および第2入力部材と、前記内側円錐形割りプーリの少なくとも1つと、に結合されている、差動装置と、
を備える、トランスミッション。
適用例10:適用例9に記載のトランスミッションであって、前記差動装置は、前記第1入力部材および前記第2入力部材の正味トルクにより、前記第1出力部材に実現されるべきトルクがもたらされるように、前記第1および第2入力部材と、前記内側円錐形割りプーリの少なくとも1つと、に結合されている、トランスミッション。
適用例11:適用例9に記載のトランスミッションであって、前記第1入力部材および前記第2入力部材は、同軸かつ同心であり、前記第1入力部材は、少なくとも部分的に前記第2入力部材の中に配置されている、トランスミッション。
適用例12:適用例9に記載のトランスミッションであって、さらに、ネジを備え、
前記ネジは、ネジ穴を介して、前記2以上の内側円錐形割りプーリの内の特定の1つの前記第1ハーフプーリに結合されており、
前記差動装置は、
太陽ギアであって、前記第1部材入力の回転が前記太陽ギアの回転を引き起こすように、前記第1入力部材に結合されている太陽ギアと、
リングギアであって、前記太陽ギアと同軸であり、前記第2入力部材の回転が前記リングギアの回転を引き起こすように、前記第2入力部材に結合されているリングギアと、
前記ネジに結合されている遊星ギアであって、前記遊星ギアは、前記第1入力部材と前記第2入力部材との間の回転差が、前記特定の内側割りプーリに対する前記遊星ギアおよび前記ネジの回転を引き起こすことにより、前記ネジ穴のネジ山を介して前記ネジから前記特定の内側割りプーリの前記第1ハーフプーリに力が加えられることで、前記特定の内側割りプーリの前記第1ハーフプーリと前記特定の内側割りプーリの前記第2ハーフプーリとの間の前記軸方向距離の変更を可能にするように、前記太陽ギアおよび前記リングギアと係合する、遊星ギアと、
を備える、トランスミッション。
適用例13:適用例1に記載のトランスミッションであって、さらに、
第2入力部材と、
ネジであって、前記ネジは、前記ネジと、前記2以上の内側割りプーリの内の特定の1つの前記第1ハーフプーリとの間の相対的な回転が、前記2以上の内側割りプーリの内の前記特定の1つの前記第1ハーフプーリと、前記2以上の内側割りプーリの内の前記特定の1つの前記第2ハーフプーリとの間の軸方向距離を増減させることを可能にし、それにより、前記2以上の内側割りプーリの内の前記特定の1つの有効径の変更を可能にする結果として前記トランスミッションの前記制御可能な変速比を実現するように、ネジ穴を介して、前記2以上の内側割りプーリの内の前記特定の1つの前記第1ハーフプーリに結合されている、ネジと、
前記ネジに結合されているネジギアと、
前記第2入力部材に結合され、前記ネジギアと係合するさらなる太陽ギアと、
を備える、トランスミッション。
適用例14:適用例1に記載のトランスミッションであって、さらに、
第2入力部材と、
ネジであって、前記ネジは、前記ネジと、前記2以上の内側割りプーリの内の特定の1つの前記第1ハーフプーリとの間の相対的な回転が、前記2以上の内側割りプーリの内の前記特定の1つの前記第1ハーフプーリと、前記2以上の内側割りプーリの内の前記特定の1つの前記第2ハーフプーリとの間の軸方向距離を増減させることを可能にし、それにより、前記2以上の内側割りプーリの内の前記特定の1つの有効径の変更を可能にする結果として前記トランスミッションの前記制御可能な変速比を実現するように、ネジ穴を介して、前記2以上の内側割りプーリの内の前記特定の1つの前記第1ハーフプーリに結合されている、ネジと、
前記ネジに結合されたネジギアと、
前記第2入力部材に結合され、前記ネジギアと係合するさらなるリングギアと、
を備える、トランスミッション。
適用例15:適用例1に記載のトランスミッションであって、各内側円錐形割りプーリは、それぞれの回転軸を有し、前記外側円錐形割りプーリは、外周を有し、前記内側円錐形割りプーリの内の少なくとも1つは、前記少なくとも1つの内側円錐形割りプーリの前記回転軸が前記外側円錐形割りプーリの前記外周内に配置されるように、前記トランスミッション内に配置されている、トランスミッション。
適用例16:サイズの削減、重量の削減、コストの削減、または、効率の向上の内の少なくとも1つを達成するために、削減された体積および制御可能な変速比を有するトランスミッションであって、
第1ハーフプーリおよび第2ハーフプーリを有する外側円錐形割りプーリであって、前記外側円錐形割りプーリは、前記外側円錐形割りプーリの前記第1および第2ハーフプーリが回転しないように、機械的グラウンドに結合されている、外側円錐形割りプーリと、
前記外側円錐形割りプーリ内に入れ子状にされている2以上の内側円錐形割りプーリであって、各前記内側円錐形割りプーリは、それぞれの第1ハーフプーリおよび第2ハーフプーリを有する、内側円錐形割りプーリと、
2以上の遊星ギアであって、前記2以上の遊星ギアの各遊星ギアは、前記2以上の内側割りプーリの内のそれぞれの内側割りプーリに結合されている、2以上の遊星ギアと、
前記外側円錐形割りプーリおよび前記内側円錐形割りプーリの内の少なくとも1つに接触するベルトと、
第1入力部材と、
第1出力部材と、
前記第1入力部材に結合された太陽ギアと、
前記太陽ギアと同軸であり、前記第1出力部材に結合されたリングギアであって、前記太陽ギアにおけるトルクにより、前記第1出力部材においてトルクが実現されるように、前記リングギアが前記2以上の遊星ギアに結合されると共に、前記太陽ギアが前記2以上の遊星ギアに結合されている、リングギアと、
を備える、トランスミッション。
適用例17:適用例16に記載のトランスミッションであって、前記外側円錐形割りプーリの前記第1ハーフプーリおよび前記第2ハーフプーリは、弾性要素によって前記外側円錐形割りプーリの前記第1ハーフプーリおよび前記第2ハーフプーリの間に軸方向の力が与えられるように、前記弾性要素を介して互いに結合されている、トランスミッション。
適用例18:適用例16に記載のトランスミッションであって、さらに、
第2入力部材と、
差動装置であって、前記差動装置は、前記第1入力部材と前記第2入力部材との間のトルク差が、前記差動装置を介して、前記内側円錐形割りプーリの内の所与の1つの前記第1ハーフプーリと、前記内側円錐形割りプーリの内の前記所与の1つの前記第2ハーフプーリとの間に軸方向の力を印加させることで、前記内側円錐形割りプーリの内の前記所与の1つの前記第1ハーフプーリと、前記内側円錐形割りプーリの内の前記所与の1つの前記第2ハーフプーリとの間の軸方向距離を増減させることを可能にし、それにより、前記内側円錐形割りプーリの各々の有効径の変更を可能にする結果として前記トランスミッションの前記制御可能な変速比を実現するように、前記第1および第2入力部材と、前記内側円錐形割りプーリの少なくとも1つと、に結合されている、差動装置と、
を備える、トランスミッション。
適用例19:適用例18に記載のトランスミッションであって、さらに、ネジを備え、
前記ネジは、ネジ穴を介して、前記2以上の内側円錐形割りプーリの内の特定の1つの前記第1ハーフプーリに結合されており、
前記差動装置は、
太陽ギアであって、前記第1部材入力の回転が前記太陽ギアの回転を引き起こすように、前記第1入力部材に結合されている太陽ギアと、
リングギアであって、前記太陽ギアと同軸であり、前記第2入力部材の回転が前記リングギアの回転を引き起こすように、前記第2入力部材に結合されているリングギアと、
前記ネジに結合されている遊星ギアであって、前記遊星ギアは、前記第1入力部材と前記第2入力部材との間の回転差が、前記特定の内側割りプーリに対する前記遊星ギアおよび前記ネジの回転を引き起こすことにより、前記ネジ穴のネジ山を介して前記ネジから前記特定の内側割りプーリの前記第1ハーフプーリに力が加えられることで、前記特定の内側割りプーリの前記第1ハーフプーリと前記特定の内側割りプーリの前記第2ハーフプーリとの間の前記軸方向距離の変更を可能にするように、前記太陽ギアおよび前記リングギアと係合する、遊星ギアと、
を備える、トランスミッション。
適用例20:適用例16に記載のトランスミッションであって、さらに、
第2入力部材と、
ネジであって、前記ネジは、前記ネジと、前記2以上の内側割りプーリの内の特定の1つの前記第1ハーフプーリとの間の相対的な回転が、前記2以上の内側割りプーリの内の前記特定の1つの前記第1ハーフプーリと、前記2以上の内側割りプーリの内の前記特定の1つの前記第2ハーフプーリとの間の軸方向距離を増減させることを可能にし、それにより、前記2以上の内側割りプーリの内の前記特定の1つの有効径の変更を可能にする結果として前記トランスミッションの前記制御可能な変速比を実現するように、ネジ穴を介して、前記2以上の内側割りプーリの内の前記特定の1つの前記第1ハーフプーリに結合されている、ネジと、
前記ネジに結合されているネジギアと、
前記第2入力部材に結合され、前記ネジギアと係合するさらなる太陽ギアと、
を備える、トランスミッション。
適用例21:適用例16に記載のトランスミッションであって、さらに、
第2入力部材と、
ネジであって、前記ネジは、前記ネジと、前記2以上の内側割りプーリの内の特定の1つの前記第1ハーフプーリとの間の相対的な回転が、前記2以上の内側割りプーリの内の前記特定の1つの前記第1ハーフプーリと、前記2以上の内側割りプーリの内の前記特定の1つの前記第2ハーフプーリとの間の軸方向距離を増減させることを可能にし、それにより、前記2以上の内側割りプーリの内の前記特定の1つの有効径の変更を可能にする結果として前記トランスミッションの前記制御可能な変速比を実現するように、ネジ穴を介して、前記2以上の内側割りプーリの内の前記特定の1つの前記第1ハーフプーリに結合されている、ネジと、
前記ネジに結合されたネジギアと、
前記第2入力部材に結合され、前記ネジギアと係合するさらなるリングギアと、
を備える、トランスミッション。
図1A
図1B
図1C
図1D
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12