(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-02
(45)【発行日】2022-03-10
(54)【発明の名称】環状デプシペプチドの調製方法
(51)【国際特許分類】
C07K 1/02 20060101AFI20220303BHJP
C07K 1/06 20060101ALI20220303BHJP
C07K 5/062 20060101ALI20220303BHJP
C07K 11/02 20060101ALI20220303BHJP
A61K 38/05 20060101ALI20220303BHJP
A61K 38/15 20060101ALN20220303BHJP
A61P 35/00 20060101ALN20220303BHJP
A61P 29/00 20060101ALN20220303BHJP
A61P 37/06 20060101ALN20220303BHJP
A61P 37/08 20060101ALN20220303BHJP
A61P 25/00 20060101ALN20220303BHJP
A61P 43/00 20060101ALN20220303BHJP
【FI】
C07K1/02
C07K1/06
C07K5/062
C07K11/02
A61K38/05
A61K38/15
A61P35/00
A61P29/00
A61P37/06
A61P37/08
A61P25/00
A61P43/00 111
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021004695
(22)【出願日】2021-01-15
(62)【分割の表示】P 2019044425の分割
【原出願日】2015-05-27
【審査請求日】2021-02-10
(32)【優先日】2014-05-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】516355128
【氏名又は名称】オンキュアー,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100128761
【氏名又は名称】田村 恭子
(74)【代理人】
【識別番号】100104282
【氏名又は名称】鈴木 康仁
(72)【発明者】
【氏名】ピスコピオ,アンソニー ディー.
(72)【発明者】
【氏名】フ,シャオヨン
(72)【発明者】
【氏名】シ,フェン
(72)【発明者】
【氏名】リウ,フアヤン
(72)【発明者】
【氏名】リ,ジフェン
【審査官】上村 直子
(56)【参考文献】
【文献】特表2013-528182(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0029731(US,A1)
【文献】国際公開第2013/148324(WO,A1)
【文献】国際公開第2013/071715(WO,A1)
【文献】The Journal of Organic Chemistry,2001年,VOl.66,pp.894-902
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07K
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(XXV):
【化1】
[式中、
R
1およびR
2は、独立に、H、C
1~C
10アルキルおよびC
3~C
7シクロアルキルからなる群から選択されるか、または、R
1およびR
2は一緒になって、C
3~C
7シクロアルキルもしくはC
3~C
7ヘテロシクロアルキルを形成し、ここで、前記C
1~C
10アルキル、C
3~C
7シクロアルキルおよびC
3~C
7ヘテロシクロアルキルは、任意選択で、C
1~C
10アルキル、C
3~C
7シクロアルキル、C
3~C
7ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ハロ、ヒドロキシル、-CN、-COOH、-CF
3、-OCH
2F、-OCHF
2、-OC
1~C
10アルキル、-O-アリール、-O-ヘテロアリール、-NR
8R
9、-NR
8C(O)R
9、NR
8C(O)OR
9、-NR
8CO
2R
9、および-C(O)NR
8R
9からなる群から選択される1つまたは複数の置換基により置換されており;
R
3およびR
4は、独立に、H、C
1~C
10アルキルおよびC
3~C
7シクロアルキルからなる群から選択されるか、または、R
3およびR
4は一緒になって、C
3~C
7シクロアルキルもしくはC
3~C
7ヘテロシクロアルキルを形成し、ここで、前記C
1~C
10アルキル、C
3~C
7シクロアルキルおよびC
3~C
7ヘテロシクロアルキルは、任意選択で、C
1~C
10アルキル、C
3~C
7シクロアルキル、C
3~C
7ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ハロ、ヒドロキシル、-CN、-COOH、-CF
3、-OCH
2F、-OCHF
2、-OC
1~C
10アルキル、-O-アリール、-O-ヘテロアリール、-NR
8R
9、-NR
8C(O)R
9、NR
8C(O)OR
9、-NR
8CO
2R
9、および-C(O)NR
8R
9からなる群から選択される1つまたは複数の置換基により置換されており;
R
5およびR
6は、独立に、H、C
1~C
10アルキルおよびC
3~C
7シクロアルキルからなる群から選択されるか、または、R
5およびR
6は一緒になって、C
3~C
7シクロアルキルもしくはC
3~C
7ヘテロシクロアルキルを形成し、ここで、前記C
1~C
10アルキル、C
3~C
7シクロアルキルおよびC
3~C
7ヘテロシクロアルキルは、任意選択で、C
1~C
10アルキル、C
3~C
7シクロアルキル、C
3~C
7ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ハロ、ヒドロキシル、-CN、-COOH、-CF
3、-OCH
2F、-OCHF
2、-OC
1~C
10アルキル、-O-アリール、-O-ヘテロアリール、-NR
8R
9、-NR
8C(O)R
9、NR
8C(O)OR
9、-NR
8CO
2R
9、および-C(O)NR
8R
9からなる群から選択される1つまたは複数の置換基により置換されており;
R
8およびR
9は、独立に、H、C
1~C
10アルキルおよびC
3~C
7シクロアルキルからなる群から選択されるか、または、R
8およびR
9は一緒になって、C
3~C
7シクロアルキルもしくはC
3~C
7ヘテロシクロアルキルを形成し、ここで、前記C
1~C
10アルキル、C
3~C
7シクロアルキルおよびC
3~C
7ヘテロシクロアルキルは、任意選択で、C
1~C
10アルキル、C
3~C
7シクロアルキル、C
3~C
7ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ハロ、ヒドロキシル、-CN、-COOH、-CF
3、-OCH
2F、-OCHF
2、-OC
1~C
10アルキル、-O-アリール、-O-ヘテロアリール、-NR
10R
11、-NR
10C(O)R
11、-NR
10C(O)OR
11、および-C(O)NR
10R
11からなる群から選択される1つまたは複数の置換基により置換されており;
R
10およびR
11は、独立に、H、C
1~C
10アルキルおよびC
3~C
7シクロアルキルからなる群から選択されるか、または、R
10およびR
11は一緒になって、C
3~C
7シクロアルキルもしくはC
3~C
7ヘテロシクロアルキルを形成し;
R
13およびR
14は、独立に、H、C
1~C
10アルキル、C
3~C
7シクロアルキル、C
3~C
7ヘテロシクロアルキル、アリールおよびヘテロアリールからなる群から選択される]
で示されるチオエステル化合物、または薬学的に許容されるその塩
を調製する方法であって、
式(VI-B):
【化2】
で示されるアルコールを、式(XV):
【化3】
[式中、R
1
およびR
2
は、前記で定義したとおりであり;R
19
は、-CH
2
CH
2
Si(CH
3
)
3
およびtert-ブチルからなる群から選択される]
で示されるアミンと反応させること、
次いで、式(VII):
【化4】
[式中、R
5
およびR
6
は前記で定義したとおりであり;R
18
は-CH
2
CH
2
Si(CH
3
)
3
、(9H-フルオレン-9-イル)メチルおよびtert-ブチルからなる群から選択される]
で示されるカルボン酸と反応させることによって、式(XVI):
【化5】
[式中、R
1
、R
2
、R
5
、R
6
、R
18
およびR
19
は、前記で定義したとおりである]
で示されるカルバメートを得ること、
次いで、式(XVI)で示されるカルバメートを脱保護して、式(XVII):
【化6】
[式中、R
1
、R
2
、R
5
、R
6
およびR
19
は、前記で定義したとおりである]
で示されるアミンを得ること、
次いで、式(XVII)で示されるアミンを、式(VII-A):
【化7】
[式中、R
3
およびR
4
は、前記で定義したとおりであり;R
18
は-CH
2
CH
2
Si(CH
3
)
3
、(9H-フルオレン-9-イル)メチルおよびtert-ブチルからなる群から選択される]
で示されるカルボン酸と反応させて、式(XVIII):
【化8】
[式中、R
1
、R
2
、R
3
、R
4
、R
5
、R
6
、R
18
およびR
19
は、前記で定義したとおりである]
で示される化合物を得ること、
次いで、式(XVIII)で示される化合物を脱保護して、式(XIX):
【化9】
[式中、R
1
、R
2
、R
3
、R
4
、R
5
およびR
6
は、前記で定義したとおりである]
で示されるアミンを得ること、
次いで、式(XIX)で示されるアミンを環化して、式(XX):
【化10】
[式中、R
1
、R
2
、R
3
、R
4
、R
5
およびR
6
は、前記で定義したとおりである]
で示されるマクロサイクリック化合物を得ること、
次いで、式(XX)で示されるマクロサイクリック化合物を、式(XXIII):
【化11】
[式中、R
13
およびR
14
は、前記で定義したとおりである]
で示されるチオ酸と反応させて、式(XXIV):
【化12】
[式中、R
1
、R
2
、R
3
、R
4
、R
5
、R
6
、R
13
およびR
14
は、前記で定義したとおりである]
で示されるチオエステルを得ること、
次いで、式(XXIV)で示されるチオエステルを脱保護して、式(XXV):
【化13】
[式中、R
1
、R
2
、R
3
、R
4
、R
5
、R
6
、R
13
およびR
14
は、前記で定義したとおりである]
で示されるチオエステル化合物、または薬学的に許容されるその塩を得ることを含む、前記チオエステル化合物、または薬学的に許容されるその塩を調製する方法。
【請求項2】
式(XXV-A):
【化14】
で示されるチオエステル化合物、または薬学的に許容されるその塩を調製する方法であって、
式(VI-B):
【化15】
で示されるアルコールを、式(XV):
【化16】
で示されるアミンと反応させて、式(XI):
【化17】
で示されるアミドを得ること、
次いで、式(XI)で示されるアミドを、式(VII):
【化18】
で示されるカルボン酸と反応させて、式(XVI):
【化19】
で示されるカルバメートを得ること、
次いで、式(XVI)で示されるカルバメートを脱保護して、式(XVII):
【化20】
で示されるアミンを得ること、
次いで、式(XVII)で示されるアミンを、式(VII-A):
【化21】
で示されるカルボン酸と反応させて、式(XVIII):
【化22】
で示される化合物を得ること、
次いで、式(XVIII)で示される化合物を脱保護して、式(XIX):
【化23】
で示されるアミンを得ること、
次いで、式(XIX)で示されるアミンを環化して、式(XX):
【化24】
で示されるマクロサイクリック化合物を得ること、
次いで、式(XX)で示されるマクロサイクリック化合物を、式(XXIII):
【化25】
で示されるチオ酸と反応させて、式(XXIV):
【化26】
で示されるチオエステルを得ること、
次いで、式(XXIV)で示されるチオエステルを脱保護して、式(XXV-A):
【化27】
で示されるチオエステル化合物、または薬学的に許容されるその塩を得ることを含む、前記チオエステル化合物、または薬学的に許容されるその塩を調製する方法。
【請求項3】
式(XXV)で示される化合物が、薬学的に許容される塩として存在する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
式(XXV-A)で示される化合物が、薬学的に許容される塩として存在する、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
薬学的に許容される塩が、塩化物、臭化物、ヨウ化物、アルコキシド、スルホン酸塩、リン酸塩またはカルボン酸塩である、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
薬学的に許容される塩が、塩化物、臭化物、ヨウ化物、アルコキシド、スルホン酸塩、リン酸塩またはカルボン酸塩である、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
薬学的に許容される塩がスルホン酸塩である、請求項3に記載の方法。
【請求項8】
薬学的に許容される塩がスルホン酸塩である、請求項4に記載の方法。
【請求項9】
薬学的に許容される塩がベンゼンスルホン酸塩である、請求項4に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、置換環状デプシペプチドの調製、およびそれらの調製に有用な中間体に関す
る。本明細書に記載されるようにして調製される環状デプシペプチドは、国際公開第20
11/150283号パンフレットに開示されており、これは、その全体が参照によって
組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
本発明に従って調製される環状デプシペプチドは、例えば、米国特許出願公開第201
30203681号明細書に開示されているように、ヒストン脱アセチル化酵素(HDA
C)阻害剤であることが公知であり、HDAC異常調節によって媒介される疾患、例えば
、癌、炎症性疾患、自己免疫疾患、アレルギー疾患および中枢神経系の疾患の治療に有用
であることが公知である。
【発明の概要】
【0003】
本発明の一態様は、式(1)の化合物
【0004】
【化1】
[式中、
X、YおよびZは、独立に、炭素もしくは窒素であるか、またはそれに代えて、Yは直
接結合であり、XおよびZは、独立に、炭素、窒素、酸素または硫黄であり;
R
1およびR
2は、独立に、H、C
1~C
10アルキルおよびC
3~C
7シクロアルキ
ルからなる群から選択されるか、または、R
1およびR
2は一緒になって、C
3~C
7シ
クロアルキルもしくはC
3~C
7ヘテロシクロアルキルを形成し、ここで、C
1~C
10
アルキル、C
3~C
7シクロアルキルおよびC
3~C
7ヘテロシクロアルキルは、任意選
択で、C
1~C
10アルキル、C
3~C
7シクロアルキル、C
3~C
7ヘテロシクロアル
キル、アリール、ヘテロアリール、ハロ、ヒドロキシル、-CN、-COOH、-CF
3
、-OCH
2F、-OCHF
2、-OC
1~C
10アルキル、-O-アリール、-O-ヘ
テロアリール、-NR
8R
9、-NR
8C(O)R
9、NR
8C(O)OR
9、-NR
8
CO
2R
9、および-C(O)NR
8R
9からなる群から選択される1つまたは複数の置
換基により置換されており;
R
3およびR
4は、独立に、H、C
1~C
10アルキルおよびC
3~C
7シクロアルキ
ルからなる群から選択されるか、または、R
3およびR
4は一緒になって、C
3~C
7シ
クロアルキルもしくはC
3~C
7ヘテロシクロアルキルを形成し、ここで、C
1~C
10
アルキル、C
3~C
7シクロアルキルおよびC
3~C
7ヘテロシクロアルキルは、任意選
択で、C
1~C
10アルキル、C
3~C
7シクロアルキル、C
3~C
7ヘテロシクロアル
キル、アリール、ヘテロアリール、ハロ、ヒドロキシル、-CN、-COOH、-CF
3
、-OCH
2F、-OCHF
2、-OC
1~C
10アルキル、-O-アリール、-O-ヘ
テロアリール、-NR
8R
9、-NR
8C(O)R
9、NR
8C(O)OR
9、-NR
8
CO
2R
9、および-C(O)NR
8R
9からなる群から選択される1つまたは複数の置
換基により置換されており;
R
5およびR
6は、独立に、H、C
1~C
10アルキルおよびC
3~C
7シクロアルキ
ルからなる群から選択されるか、または、R
5およびR
6は一緒になって、C
3~C
7シ
クロアルキルもしくはC
3~C
7ヘテロシクロアルキルを形成し、ここで、C
1~C
10
アルキル、C
3~C
7シクロアルキルおよびC
3~C
7ヘテロシクロアルキルは、任意選
択で、C
1~C
10アルキル、C
3~C
7シクロアルキル、C
3~C
7ヘテロシクロアル
キル、アリール、ヘテロアリール、ハロ、ヒドロキシル、-CN、-COOH、-CF
3
、-OCH
2F、-OCHF
2、-OC
1~C
10アルキル、-O-アリール、-O-ヘ
テロアリール、-NR
8R
9、-NR
8C(O)R
9、NR
8C(O)OR
9、-NR
8
CO
2R
9、および-C(O)NR
8R
9からなる群から選択される1つまたは複数の置
換基により置換されており;
R
7は、H、C
1~C
10アルキル、C
3~C
7シクロアルキルおよびC
3~C
7ヘテ
ロシクロアルキルからなる群から独立に選択され、ここで、C
1~C
10アルキル、C
3
~C
7シクロアルキルおよびC
3~C
7ヘテロシクロアルキルは、任意選択で、C
1~C
10アルキル、C
3~C
7シクロアルキル、C
3~C
7ヘテロシクロアルキル、アリール
、ヘテロアリール、ハロ、ヒドロキシル、-CN、-COOH、-CF
3、-OCH
2F
、-OCHF
2、-OC
1~C
10アルキル、-O-アリール、-O-ヘテロアリール、
-NR
8R
9、-NR
8C(O)R
9、NR
8C(O)OR
9、-NR
8CO
2R
9、お
よび-C(O)NR
8R
9からなる群から選択される1つまたは複数の置換基により置換
されており;
R
8およびR
9は、独立に、H、C
1~C
10アルキルおよびC
3~C
7シクロアルキ
ルからなる群から選択されるか、または、R
8およびR
9は一緒になって、C
3~C
7シ
クロアルキルもしくはC
3~C
7ヘテロシクロアルキルを形成し、ここで、C
1~C
10
アルキル、C
3~C
7シクロアルキルおよびC
3~C
7ヘテロシクロアルキルは、任意選
択で、C
1~C
10アルキル、C
3~C
7シクロアルキル、C
3~C
7ヘテロシクロアル
キル、アリール、ヘテロアリール、ハロ、ヒドロキシル、-CN、-COOH、-CF
3
、-OCH
2F、-OCHF
2、-OC
1~C
10アルキル、-O-アリール、-O-ヘ
テロアリール、-NR
10R
11、-NR
10C(O)R
11、-NR
10C(O)OR
11、および-C(O)NR
10R
11からなる群から選択される1つまたは複数の置換
基により置換されており;
R
10およびR
11は、独立に、H、C
1~C
10アルキルおよびC
3~C
7シクロア
ルキルからなる群から選択されるか、または、R
10およびR
11は一緒になって、C
3
~C
7シクロアルキルもしくはC
3~C
7ヘテロシクロアルキルを形成し;
Lは、ClまたはSR
12であり;
R
12は、H、トリフェニルメチル、C(O)R
13、CO
2R
13、C(O)NR
1
3R
14、C(O)CR
13R
14NR
13R
14、アミノ酸、P(O)(OR
15)
2
、およびSR
16からなる群から独立に選択され;
R
13およびR
14は、独立に、H、C
1~C
10アルキル、C
3~C
7シクロアルキ
ル、C
3~C
7ヘテロシクロアルキル、アリールおよびヘテロアリールからなる群から選
択されるか、または、R
13およびR
14は一緒になって、C
3~C
7シクロアルキルも
しくはC
3~C
7ヘテロシクロアルキルを形成し、ここで、C
1~C
10アルキル、C
3
~C
7シクロアルキルおよびC
3~C
7ヘテロシクロアルキルは、任意選択で、C
1~C
10アルキル、C
3~C
7シクロアルキル、C
3~C
7ヘテロシクロアルキル、アリール
、ヘテロアリール、ハロ、ヒドロキシル、-CN、-COOH、-CF
3、-OCH
2F
、-OCHF
2、-OC
1~C
10アルキル、-O-アリール、-O-ヘテロアリール、
-NR
10R
11、および-NR
10C(O)R
11からなる群から選択される1つまた
は複数の置換基により置換されており、R
10およびR
11は、上で定義された通りであ
り;
R
15は、tert-ブチル、または-(CH
2)
2Si(CH
3)
3であり;
R
16は、C
1~C
10アルキル、またはC
3~C
7シクロアルキルであり;
nは、2または3である]
または、薬学的に許容されるその塩を調製する方法に関し、この方法は、
アルコール(VI-A)
【0005】
【化2】
[式中、TDxは、キラル補助基である]
を、カルバメート(VIII-A)
【0006】
【化3】
[式中、R
18は、-CH
2CH
2Si(CH
3)
3、(9H-フルオレン-9-イル)
メチルおよびtert-ブチルからなる群から選択され;n、R
5、R
6、およびTDx
は、上で定義された通りである]
に、アルコール(VI-A)と、保護されたアミノ酸(VII)
【0007】
【化4】
[式中、R
5、R
6およびR
18は上で定義された通りである]
との反応によって、変換すること、次いで、
カルバメート(VIII-A)と、ヘテロサイクリック化合物(IX)
【0008】
【化5】
[式中、R
19は、-CH
2CH
2Si(CH
3)
3、(9H-フルオレン-9-イル)
メチルおよびtert-ブチルからなる群から選択され;n、X、YおよびZは、上で定
義された通りである]
とを反応させて、化合物(X-A)
【0009】
【化6】
[式中、n、R
1、R
2、R
5、R
6、R
7、R
18、R
19、X、YおよびZは、上で
定義された通りである]
を得ること、次いで、
化合物(X-A)からカルバメート保護基を選択的に除去して、アミン(XVII-A
)
【0010】
【化7】
[式中、n、R
1、R
2、R
5、R
6、R
7、R
19、X、YおよびZは、上で定義され
た通りである]
を得ること、次いで、
化合物(XVII-A)と、保護されたアミノ酸(VII-A)
【0011】
【化8】
[式中、R
3、R
4およびR
18は、上で定義された通りである]
とを反応させて、アミド(XVIII-A)
【0012】
【化9】
[式中、n、R
1からR
7、R
18、R
19、X、YおよびZは、上で定義された通りで
ある]
を得ること、次いで、
アミド(XVIII-A)を、化合物(XIX-A)
【0013】
【化10】
[式中、n、R
1からR
7、X、YおよびZは、上で定義された通りである]
へと脱保護すること、次いで、
化合物(XX-A)
【0014】
【化11】
[式中、n、R
1からR
7、X、YおよびZは、上で定義された通りである]
へと閉環すること、次いで、
(XX-A)とR
12-SHとを反応させて、式(I)の化合物を得ること、
を含む。
【0015】
本発明の一態様において、
【0016】
【化12】
は、チアゾールまたはオキサゾールである。
【0017】
本発明の一態様において、R5はHであり、R6は、H、イソプロピルおよびメチルか
らなる群から選択される。
【0018】
本発明の一態様において、R5はHであり、R6はイソプロピルである。
【0019】
本発明の一態様において、R12は、C(O)C7アルキルである。
【0020】
本発明の一態様において、R12は、C(O)(CH2)6CH3である。
【0021】
本発明の一態様において、R3およびR4はメチルである。
【0022】
本発明の一態様において、式(I)の化合物は、
【0023】
【0024】
本発明の一態様において、式(I)の化合物は、
【0025】
【0026】
本発明の一態様において、R12は、C(O)CR13R14NR13R14である。
【0027】
本発明の一態様は、式(2)の化合物
【0028】
【化15】
[式中、
X、YおよびZは、独立に、炭素もしくは窒素であるか、またはそれに代えて、Yは直
接結合であり、XおよびZは、独立に、炭素、窒素、酸素または硫黄であり;
R
1およびR
2は、独立に、H、C
1~C
10アルキルおよびC
3~C
7シクロアルキ
ルからなる群から選択されるか、または、R
1およびR
2は一緒になって、C
3~C
7シ
クロアルキルもしくはC
3~C
7ヘテロシクロアルキルを形成し、ここで、C
1~C
10
アルキル、C
3~C
7シクロアルキルおよびC
3~C
7ヘテロシクロアルキルは、任意選
択で、C
1~C
10アルキル、C
3~C
7シクロアルキル、C
3~C
7ヘテロシクロアル
キル、アリール、ヘテロアリール、ハロ、ヒドロキシル、-CN、-COOH、-CF
3
、-OCH
2F、-OCHF
2、-OC
1~C
10アルキル、-O-アリール、-O-ヘ
テロアリール、-NR
8R
9、-NR
8C(O)R
9、-NR
8C(O)OR
9、-NR
8CO
2R
9、および-C(O)NR
8R
9からなる群から選択される1つまたは複数の
置換基により置換されており;
R
3は、H、C
1~C
10アルキルおよびC
3~C
7シクロアルキルからなる群から選
択されるか、または、R
3およびR
4は一緒になって、C
3~C
7シクロアルキルもしく
はC
3~C
7ヘテロシクロアルキルを形成し、ここで、C
1~C
10アルキル、C
3~C
7シクロアルキルおよびC
3~C
7ヘテロシクロアルキルは、任意選択で、C
1~C
10
アルキル、C
3~C
7シクロアルキル、C
3~C
7ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘ
テロアリール、ハロ、ヒドロキシル、-CN、-COOH、-CF
3、-OCH
2F、-
OCHF
2、-OC
1~C
10アルキル、-O-アリール、-O-ヘテロアリール、-N
R
8R
9、-NR
8C(O)R
9、NR
8C(O)OR
9、-NR
8CO
2R
9、および
-C(O)NR
8R
9からなる群から選択される1つまたは複数の置換基により置換され
ており;
R
5およびR
6は、独立に、H、C
1~C
10アルキルおよびC
3~C
7シクロアルキ
ルからなる群から選択されるか、または、R
5およびR
6は一緒になって、C
3~C
7シ
クロアルキルもしくはC
3~C
7ヘテロシクロアルキルを形成し、ここで、C
1~C
10
アルキル、C
3~C
7シクロアルキルおよびC
3~C
7ヘテロシクロアルキルは、任意選
択で、C
1~C
10アルキル、C
3~C
7シクロアルキル、C
3~C
7ヘテロシクロアル
キル、アリール、ヘテロアリール、ハロ、ヒドロキシル、-CN、-COOH、-CF
3
、-OCH
2F、-OCHF
2、-OC
1~C
10アルキル、-O-アリール、-O-ヘ
テロアリール、-NR
8R
9、-NR
8C(O)R
9、-NR
8C(O)OR
9、-NR
8CO
2R
9、および-C(O)NR
8R
9からなる群から選択される1つまたは複数の
置換基により置換されており;
R
7は、H、C
1~C
10アルキル、C
3~C
7シクロアルキルおよびC
3~C
7ヘテ
ロシクロアルキルからなる群から独立に選択され、ここで、C
1~C
10アルキル、C
3
~C
7シクロアルキルおよびC
3~C
7ヘテロシクロアルキルは、任意選択で、C
1~C
10アルキル、C
3~C
7シクロアルキル、C
3~C
7ヘテロシクロアルキル、アリール
、ヘテロアリール、ハロ、ヒドロキシル、-CN、-COOH、-CF
3、-OCH
2F
、-OCHF
2、-OC
1~C
10アルキル、-O-アリール、-O-ヘテロアリール、
-NR
8R
9、-NR
8C(O)R
9、NR
8C(O)OR
9、-NR
8CO
2R
9、お
よび、-C(O)NR
8R
9からなる群から選択される1つまたは複数の置換基により置
換されており;
R
8およびR
9は、独立に、H、C
1~C
10アルキルおよびC
3~C
7シクロアルキ
ルからなる群から選択されるか、または、R
8およびR
9は一緒になって、C
3~C
7シ
クロアルキルもしくはC
3~C
7ヘテロシクロアルキルを形成し、ここで、C
1~C
10
アルキル、C
3~C
7シクロアルキルおよびC
3~C
7ヘテロシクロアルキルは、任意選
択で、C
1~C
10アルキル、C
3~C
7シクロアルキル、C
3~C
7ヘテロシクロアル
キル、アリール、ヘテロアリール、ハロ、ヒドロキシル、-CN、-COOH、-CF
3
、-OCH
2F、-OCHF
2、-OC
1~C
10アルキル、-O-アリール、-O-ヘ
テロアリール、-NR
10R
11、-NR
10C(O)R
11、-NR
10C(O)OR
11、および-C(O)NR
10R
11からなる群から選択される1つまたは複数の置換
基により置換されており;
R
10およびR
11は、独立に、H、C
1~C
10アルキルおよびC
3~C
7シクロア
ルキルからなる群から選択されるか、または、R
10およびR
11は一緒になって、C
3
~C
7シクロアルキルもしくはC
3~C
7ヘテロシクロアルキルを形成し;
R
13は、C
1~C
10アルキル、C
3~C
7シクロアルキル、C
3~C
7ヘテロシク
ロアルキル、アリールおよびヘテロアリールからなる群から選択され、ここで、C
1~C
10アルキル、C
3~C
7シクロアルキルおよびC
3~C
7ヘテロシクロアルキルは、任
意選択で、C
1~C
10アルキル、C
3~C
7シクロアルキル、C
3~C
7ヘテロシクロ
アルキル、アリール、ヘテロアリール、ハロ、ヒドロキシル、-CN、-COOH、-C
F
3、-OCH
2F、-OCHF
2、-OC
1~C
10アルキル、-O-アリール、-O
-ヘテロアリール、-NR
10R
11、および-NR
10C(O)R
11からなる群から
選択される1つまたは複数の置換基により置換されており、R
10およびR
11は、上で
定義された通りである]
または、薬学的に許容されるその塩を調製する方法に関し、この方法は、
カルバメート(VIII)
【0029】
【化16】
[式中、R
18は、-CH
2CH
2Si(CH
3)
3、(9H-フルオレン-9-イル)
メチルおよびtert-ブチルからなる群から選択され;TDxは、キラル補助基であり
;R
5およびR
6は、上で定義された通りである]
と、ヘテロサイクリック化合物(XXVI)
【0030】
【化17】
[式中、R
1、R
2、R
3、R
7、X、YおよびZは、上で定義された通りである]
とを反応させて、化合物(XXVII)
【0031】
【化18】
[式中、R
1、R
2、R
3、R
5、R
6、R
7、R
18、X、YおよびZは、上で定義さ
れた通りである]
を得ること、次いで、
化合物(XXVII)からカルバメート保護基を除去して、アミン(XXVIII)
【0032】
【化19】
[式中、R
1、R
2、R
3、R
5、R
6、R
7、X、YおよびZは、上で定義された通り
である]
を得ること、次いで、
閉環して、アミド(XXIX)
【0033】
【化20】
[式中、R
1、R
2、R
3、R
5、R
6、R
7、X、YおよびZは、上で定義された通り
である]
を得ること、次いで、
(XXIX)と、R
13-SH(XXI)
【0034】
【化21】
[式中、R
13は、上で定義された通りである]
とを反応させて、式(2)の化合物を得ること、
を含む。
【0035】
式(2)の化合物を調製する本発明の一態様において、
【0036】
【0037】
式(2)の化合物を調製する本発明の一態様において、R5はHであり、R6はイソプ
ロピルである。
【0038】
式(2)の化合物を調製する本発明の一態様において、R13は、-(CH2)6CH
3である。
【0039】
式(2)の化合物を調製する本発明の一態様において、R1およびR2はHである。
【0040】
式(2)の化合物を調製する本発明の一態様において、式(2)の化合物は、
【0041】
【図面の簡単な説明】
【0042】
【
図1】ラルガゾール(largazole)およびいくつかのラルガゾールアナログの化学構造を示す。
【発明を実施するための形態】
【0043】
「部分構造(moiety)」または「基(group)」は、式、化学名または構造によって示
される何らかの型の分子的配置である。特定の実施形態に関連する範囲内で、コンジュゲ
ートは、1つまたは複数の部分構造または化学基を含むことを言う。これは、部分構造の
式が、そのコンジュゲートの分子的配置に接続され、その一部であるように、ある位置で
置換されていることを意味する。部分構造は、直接、共役結合で接合されていてもよいが
、2つ以上の部分構造の接合は、互いに直接的でなければならないわけではない。連結基
、架橋基または接合基は、これらに限らないが、1つまたは複数のアミド基(これらは部
分構造を接合し得る)のような共有結合によって部分構造を接続する、何らかの分子的配
置を表す。さらに、コンジュゲートは、無置換であってもよいが、コンジュゲートは、連
結基に接続された、および/または部分構造に接続された、様々な追加の置換基を有して
いてもよい。
【0044】
「ポリマー」または「ポリマー基」は、繰り返して連結された部分構造からなる化学種
または基を表す。特定の実施形態の範囲内で、繰返し残基の数は、3以上、または10を
超えることが好ましい。連結された部分構造は、同じ構造であっても、または部分構造の
変化を有していてもよい。「単一ポリマー」または「ホモポリマー」は、同じ、非対称繰
返しサブユニットを含むポリマーである。「コポリマー」は、2つ以上の型のモノマー種
、すなわち、2つ以上の異なる非対称化学サブユニットから誘導されるポリマーである。
「ブロックコポリマー」は、共有結合によって連結された、2つ以上の種類のポリマーサ
ブユニットからなるポリマーである。
【0045】
本明細書で用いられる場合、用語「置換(された)」は、分子的配置の少なくとも1個
の水素原子を置換基に置き換えることを表す。オキソ置換基(「=O」)の場合、2個の
水素原子が置き換えられる。置換される場合、下の1つまたは複数の基は「置換基」であ
る。置換基には、これらに限らないが、ハロゲン、ヒドロキシ、オキソ、シアノ、ニトロ
、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルキル、アルコキシ、アルキルチオ、
ハロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル
、ヘテロシクリル、およびヘテロサイクルアルキル、さらには、-NRaRb、-NRa
C(O)Rb、-NRaC(O)NRaNRb、-NRaC(=O)ORb、-NRaS
O2Rb、-C(=O)Ra、-C(=O)ORa、-C(=O)NRaRb、-OC(
=O)NRaRb、-ORa、-SRa、-SORa、-S(=O)2Ra、-OS(=
O)2Ra、および-S(=O)ORaが含まれる。加えて、上の置換基は、1つまたは
複数の上の置換基により、さらに置換されていてもよく、そのため、置換基は、置換アル
キル、置換アリール、置換アリールアルキル、置換ヘテロサイクル、または置換ヘテロシ
クロアルキルを含む。これに関連するRaおよびRbは、同じであっても異なっていても
よく、独立に、水素、アルキル、ハロアルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール
、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、ヘ
テロシクロアルキル、または置換ヘテロシクロアルキルであり得る。
【0046】
本明細書で用いられる場合、用語「無置換(置換されていない)」は、その化合物に結
び付いた特別な置換基を含まない任意の化合物を表す。無置換化合物は、特別な置換基の
ない化合物の化学的構成を表す、例えば、その化合物は、保護基を有さない。例えば、無
置換プロリンは、プロリンのアミノ基がアルキル基により2置換されていると見なされ得
るとしても、プロリンアミノ酸である。
【0047】
本明細書で用いられる場合、用語「アルキル」は、1から10個の炭素原子を含む、直
鎖または分岐状で、非環状または環状の、不飽和または飽和の任意の脂肪族炭化水素を表
し、一方、用語「低級アルキル」は、アルキルと同じ意味を有するが、1から6個の炭素
原子を含む。用語「高級アルキル」は、アルキルと同じ意味を有するが、7から10個の
炭素原子を含む。代表的な飽和直鎖アルキルには、これらに限らないが、メチル、エチル
、n-プロピル、n-ブチル、n-ペンチル、n-ヘキシル、n-ヘプチル、n-オクチ
ル、n-ノニルなどが含まれ;一方、飽和分岐状アルキルには、これらに限らないが、イ
ソプロピル、sec-ブチル、イソブチル、tert-ブチル、イソペンチルなどが含ま
れる。環状アルキルは、同一の原子に結合した2つのアルキル基を接合することによって
、または、隣接する原子にそれぞれ結合した2つのアルキル基を接合することによって、
得ることができる。代表的な飽和環状アルキルには、これらに限らないが、シクロプロピ
ル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどが含まれ;一方、不飽和環状ア
ルキルには、これらに限らないが、シクロペンテニルおよびシクロヘキシニルなどが含ま
れる。本明細書では、環状アルキルは、また、「ホモサイクル」または「ホモサイクリッ
ク環」とも呼ばれる。不飽和アルキルは、隣接する炭素元素間に、少なくとも1つの2重
または3重結合(それぞれ、「アルケニル」または「アルキニル」と呼ばれる)を含む。
代表的な直鎖および分岐状アルケニルには、これらに限らないが、エチレニル、プロピレ
ニル、1-ブテニル、2-ブテニル、イソブチレニル、1-ペンテニル、2-ペンテニル
、3-メチル-1-ブテニル、2-メチル-2-ブテニル、2,3-ジメチル-2-ブテ
ニルなどが含まれ;一方、代表的な直鎖および分岐状アルキニルには、これらに限らない
が、アセチレニル、プロピニル、1-ブチニル、2-ブチニル、1-ペンチニル、2-ペ
ンチニル、3-メチル-1-ブチニルなどが含まれる。
【0048】
本明細書で用いられる場合、用語「アリール」は、任意の芳香族炭素環式基、例えば、
これらに限らないが、フェニルまたはナフチルを表す。
【0049】
本明細書で用いられる場合、用語「アリールアルキル」または「アラルキル」は、アリ
ール基に置き換えられた少なくとも1個のアルキル水素原子を有する任意のアルキル、例
えば、これらに限らないが、ベンジル、-(CH2)2-フェニル、-(CH2)3-フ
ェニル、-CH(フェニル)2などを表す。
【0050】
本明細書で用いられる場合、用語「ハロゲン」は、フルオロ、クロロ、ブロモまたはヨ
ード基のいずれかを表す。
【0051】
本明細書で用いられる場合、用語「ハロアルキル」は、ハロゲンに置き換えられた少な
くとも1個の水素原子を有する任意のアルキル、例えばトリフルオロメチルなどを表す。
【0052】
本明細書で用いられる場合、用語「ヘテロアリール」は、これらに限らないが、単環と
2環の両方の環系を含めて、窒素、酸素および硫黄から選択される少なくとも1個のヘテ
ロ原子を有し、少なくとも1個の炭素原子を含む、5から10員の任意の芳香族ヘテロサ
イクル環を表す。代表定なヘテロアリールには、これらに限らないが、フリル、ベンゾフ
ラニル、チオフェニル、ベンゾチオフェニル、ピロリル、インドリル、イソインドリル、
アザインドリル、ピリジル、キノリニル、イソキノリニル、オキサゾリル、イソオキサゾ
リル、ベンゾオキサゾリル、ピラゾリル、イミダゾリル、ベンゾイミダゾリル、チアゾリ
ル、ベンゾチアゾリル、イソチアゾリル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ト
リアジニル、シンノリニル、フタラジニル、またはキナゾリニルが含まれる。
【0053】
本明細書で用いられる場合、用語「ヘテロアリールアルキル」は、ヘテロアリール基に
置き換えられた少なくとも1個のアルキル水素原子を有する任意のアルキル、例えば、-
CHピリジニル、-CH2ピリミジニルなどを表す。
【0054】
本明細書で用いられる場合、用語「ヘテロサイクル」または「ヘテロサイクリック環」
は、飽和、不飽和または芳香族のいずれかであって、窒素、酸素および硫黄から独立に選
択される1から4個のヘテロ原子を含む、4から7員の単環または7から10員の2環の
任意のヘテロサクリック環を表し、上のヘテロサイクルのいずれかがベンゼン環に縮合し
た2環系も含み、ここで、窒素および硫黄ヘテロ原子は、任意選択で、酸化されていても
よく、窒素ヘテロ原子は、任意選択で、4級化されていてもよい。ヘテロサイクルは、ヘ
テロ原子または炭素原子のいずれかを通じて結び付けられ得る。ヘテロサイクルは、上で
規定されたものによって例示されるヘテロアリールを含み得る。こうして、上で列挙され
たヘテロアリールに加えて、ヘテロサイクルには、これらに限らないが、モルホリニル、
ピロリジノニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ヒダントイニル、バレロラクタミル、オ
キシラニル、オキセタニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒド
ロピリジニル、テトラヒドロピリミジニル、テトラヒドロチオフェニル、テトラヒドロチ
オピラニル、テトラヒドロピリミジニル、テトラヒドロチオフェニル、テトラヒドロチオ
ピラニルなども含まれ得る。
【0055】
本明細書で用いられる場合、用語「ヘテロシクロアルキル」は、ヘテロサイクルに置き
換えられた少なくとも1個のアルキル水素原子を有する任意のアルキル、例えば-CH2
-モルホリニルなどを表す。
【0056】
本明細書で用いられる場合、用語「ホモサイクル」または「シクロアルキル」は、3~
7個の炭素原子を含む、飽和または不飽和の(但し、芳香族ではない)任意の炭素環式環
、例えば、これらに限らないが、シクロプロパン、シクロブタン、シクルペンタン、シク
ロヘキサン、シクロヘプタン、シクロヘキセンなどを表す。
【0057】
本明細書で用いられる場合、用語「アルキルアミノ」は、これらに限らないが、メチル
アミノ、エチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノなどを含めて、窒素架橋を通じ
て結び付けられた少なくとも1つのアルキル基(例えば、-N-アルキル、または-N-
(アルキル)-N-)を表す。
【0058】
本明細書で用いられる場合、用語「アルキルオキシ」または「アルコキシ」は、酸素架
橋を通じて結び付けられた任意のアルキル基(例えば、-O-アルキル)、例えば、これ
らに限らないが、メトキシ、エトキシなどを表す。
【0059】
本明細書で用いられる場合、用語「アルキルチオ」は、硫黄架橋を通じて結び付けられ
た任意のアルキル基(例えば、-S-アルキル)、例えば、これらに限らないが、メチル
チオ、エチルチオなどを表す。
【0060】
用語「アルケニル」は、それに1つまたは複数の2重結合を有する非分岐状または分岐
状の炭化水素鎖を表す。アルケニル基の2重結合は、別の不飽和基と非共役であっても、
または共役していてもよい。適切なアルケニル基には、これらに限らないが、ビニル、ア
リル、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、ブタジエニル、ペンタジエニル、ヘキサジエ
ニル、2-エチルヘキセニル、2-プロピル-2-ブテニル、4-(2-メチル-3-ブ
テン)-ペンテニルが含まれる。アルケニル基は、無置換であっても、1つまたは2つの
適切な置換基により置換されていてもよい。
【0061】
用語「アルキニル」は、それに1つまたは複数の3重結合を有する、無分岐状または分
岐状の炭化水素鎖を表す。アルキニル基の3重結合は、別の不飽和基と非共役であっても
、または共役していてもよい。適切なアルキニル基には、これらに限らないが、エチニル
、プロピニル、ブチニル、ペンチニル、ヘキシニル、メチルプロピニル、4-メチル-1
-ブチニル、4-プロピル-2-ペンチニル-、および4-ブチル-2-ヘキシニルが含
まれる。アルキニル基は、無置換であっても、1つまたは2つの適切な置換基により置換
されていてもよい。
【0062】
本明細書で用いられる場合、用語「塩」は、それに含まれる特定の化合物と複合体を形
成する任意の塩、例えば、薬学的に許容される塩を表す。このような塩の例には、これら
に限らないが、無機酸(例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、硝酸など)により形
成される酸付加塩、ならびに、有機酸、例えば、これらに限らないが、酢酸、シュウ酸、
酒石酸、コハク酸、リンゴ酸、フマル酸、マレイン酸、アスコルビン酸、安息香酸、タン
ニン酸、パモ酸、アルギン酸、ポリグルタミン酸、ナフタレンスルホン酸、ナフタレン二
スルホン酸、およびポリガラクツロン酸による形成される塩が含まれる。塩化合物は、ま
た、当業者に公知の薬学的に許容される第4級塩としても投与でき、これらには、具体的
には、式-NR,R’,R”+Z-の第4級アンモニウム塩が含まれ、ここで、R、R’
、R”の各々は、独立に、水素、アルキルまたはベンジルであり、Zは、これらに限らな
いが、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、アルコキシド、トルエンスルホン
酸イオン、メチルスルホン酸イオン、スルホン酸イオン、リン酸イオン、またはカルボン
酸イオン(例えば、安息香酸イオン、コハク酸イオン、酢酸イオン、グルコール酸イオン
、マレイン酸イオン、リンゴ酸イオン、フマル酸イオン、クエン酸イオン、酒石酸イオン
、アスコルビン酸イオン、ケイ皮酸イオン(cinnamoate)、マンデル酸イオン(mandeloa
te)、およびジフェニル酢酸イオン)を含めて、対イオンである。塩化合物は、また、置
換または無置換部分式: を有する、薬学的に許容されるピリジン陽イオン塩としても投
与でき、式中、Zは、これらに限らないが、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオ
ン、アルコキシド、トルエンスルホン酸イオン、メチルスルホン酸イオン、スルホン酸イ
オン、リン酸イオン、またはカルボン酸イオン(例えば、安息香酸イオン、コハク酸イオ
ン、酢酸イオン、グルコール酸イオン、マレイン酸イオン、リンゴ酸イオン、フマル酸イ
オン、クエン酸イオン、酒石酸イオン、アスコルビン酸イオン、ケイ皮酸イオン(cinnam
oate)、マンデル酸イオン(mandeloate)、およびジフェニル酢酸イオン)を含めて、対
イオンである。
【0063】
本明細書で用いられる場合、用語「プロドラッグ」は、生体条件(in vitroま
たはin vivo)の下で、加水分解、酸化または別の反応をして、本発明の化合物を
生じることができる、化合物の誘導体を表す。プロドラッグは、生体条件の下での、ある
反応で、ようやく活性になり得るが、それらは、それらの未反応の形で活性を有し得る。
本明細書において想定されているプロドラッグの例には、限定ではないが、本発明の化合
物のアナログもしくは誘導体、および/または、塩の形成が可能である場合、それらの塩
が含まれるが、特に、亜鉛結合性チオール基の誘導体が含まれる。プロドラッグ基の例に
は、置換もしくは無置換で、分岐状もしくは無分岐状の低級アルキルエステル基(例えば
、プロピオン酸エステル)、低級アルケニルエステル、ジ-低級アルキル-アミノ低級ア
ルキルエステル(例えば、ジメチルアミノエチルエステル)、アシルアミノ低級アルキル
エステル(例えば、アセチルオキシメチルエステル)、アシルオキシ低級アルキルエステ
ル(例えば、ピバロイルオキシメチルエステル)、アリールエステル(フェニルエステル
)、アリール-低級アルキルエステル(例えば、ベンジルエステル)、ヘテロアリールエ
ステル(ニコチン酸エステル)、置換(例えば、メチル、ハロ、もしくはメトキシ置換基
による)アリールおよびアリール-低級アルキルエステル、アミド、低級アルキルアミド
、ジ-低級アルキルアミド、およびヒドロキシアミド、天然に産するアミノ酸エステル、
またはそれらのエナンチオマー、ジペプチドエステル、リン酸エステル、メトキシリン酸
エステル、ジスルフィドおよびジスルフィドダイマーが含まれる。プロドラッグおよびそ
れらの使用は、当技術分野に周知である(例えば、Berge et al., Pharmaceutical Salts
, J. Pharm. Sci. 66, 1-19 (1977)を参照)。通常、プロドラッグは、Burger's Medicin
al Chemistry and Drug Discovery(Manfred E. Wolff ed. (1995))および(Rautio, Nat.
Rev. Drug Discov. 7, 255-270 (2008))に記載されているもののような、周知の方法を
用いて調製できる。
【0064】
本明細書で用いられる場合、「反応性基」は、求核剤、求電子剤、または、ラジカル活
性基、すなわち、ラジカルの存在下に反応する基を表す。求核剤は、2つの結合電子を与
えることによって、その反応の相手(求電子剤)に対して化学結合を形成する部分構造で
ある。求電子剤は、これらの電子を受け取る。求核剤は、求核置換において役割を果たし
得るが、これによって、求核剤は、ある要素の完全なまたは部分的な正電荷に引き付けら
れた状態になり、それに結合している基に取って代わる。他に、求核剤は、カルボニル基
の置換において役割を果たし得る。カルボン酸は、多くの場合、スクシニルエステルを生
成することによって、求電子性にされ、これらのエステルはアミノアルキルと反応して、
アミドを形成する。他の一般的な求核性基には、チオールアルキル、ヒドロキシルアルキ
ル、第1級および第2級アミン、ならびにエノールおよびアルキル金属錯体のような炭素
求核剤が含まれる。反応性基を使用して、タンパク質、オリゴ糖および細胞にライゲーシ
ョンを行う他の好ましい方法は、(Lemieux and Bertozzi (1998))(参照によって本明
細書に組み込まれる)に開示されている。さらに別の好ましい方法において、シュタウデ
ィンガーライゲーション(Staudinger ligation)、すなわち、トリアゾールを生成する
ためのアジド含有基とアルキニル反応性基による「クリックケミストリー」のための反応
性基が提供される。炭素求核剤エノラートと求電子性カルボニルとのマイケル付加、また
は、求核性第1級もしくは第2級アミンとアルデヒドもしくはケトンとのシッフ塩基生成
もまた利用され得る。バイオコンジュゲーションの他の方法は、(Hang and Bertozzi, J
. Am. Chem. Soc. 123, 1242-1243 (2001))および(Kiick et al. (2002))に記載され
ており、これらのどちらも、それらの全体が参照によって組み込まれる。
【0065】
本発明の化合物、例えば、式(1)および式(2)によって示されるものを調製するた
めに使用される本発明の方法が、以下のスキームによって例示される、特に断らなければ
、可変部R1~R21、X、Y、Z、M、TDxおよびnは、上で定義された通りである
。特に、以下のスキームおよび解説は、式IからXXIXによって示される化合物の調製
を記載する。
【0066】
スキーム1のステップ1に記載される反応は、化合物IIIを生成するための、化合物
Iと化合物IIとの間のルテニウム-カルベン触媒によるクロスオレフィンメタセシス反
応を含み、Voigtritter, K. et al., J. Org. Chem. 76, 4697-4702 (2011)に記載されて
いるものに似た条件下に行われる。
【0067】
【0068】
特に、化合物Iを、化合物II(アリルアルコールで、R20はHであり、R21はC
H2OHである、または、R20およびR21は、どちらもCH2OHである)と、約1
mol%から約20mol%の範囲で、好ましくは約6mol%の量のヨウ化銅(I)と
組み合わせて、約0.1mol%から約5mol%の範囲で、好ましくは、約0.5mo
l%の量のルテニウムカルベン触媒、例えば、これらに限らないが、ベンジリデン-ビス
(トリシクロヘキシルホスフィン)ジクロロルテニウム(グラブス第1世代触媒)、(1
,3-ビス(2,4,6-トリメチルフェニル)-2-イミダゾリジニリデン)ジクロロ
(フェニルメチレン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウム(グラブス第2世代
触媒)、(1,3-ビス-(2,4,6-トリメチルフェニル)-2-イミダゾリジニリ
デン)ジクロロ(o-イソプロポキシフェニルメチレン)ルテニウム(Hoveyda-
グラブス触媒)、または、1,3-ビス(2,4,6-トリメチルフェニル)-4,5-
ジヒドロイミダゾール-2-イリデン[2-(i-プロポキシ)-5-(N,N-ジメチ
ルアミノスルホニル)フェニル]メチレンルテニウム(II)ジクロリド(Zhan触媒
1B)の存在下に、溶媒、例えば、これらに限らないが、ジクロロメタン、1,2-ジク
ロロエタン、ジエチルエーテル、メチルtert-ブチルエーテル、ジイソプロピルエー
テル、ジ-n-ブチルエーテル、テトラヒドロフランまたはトルエン、好ましくはジクロ
ロメタン中、約0℃から約100℃の範囲の温度で、好ましくは室温(25℃)で、反応
させた時、化合物III((E)-5-クロロペンタ-2-エン-1-オール)が得られ
、直接、次のステップで使用した。
【0069】
スキーム1のステップ2に記載されているように、化合物III((E)-5-クロロ
ペンタ-2-エン-1-オール)は、対応するアルデヒドである化合物IV((E)-5
-クロロペンタ-2-エナール)へと、化学量論的な酸化剤、例えば、これらに限らない
が、次亜塩素酸ナトリウムまたは酸化マンガン(IV)、好ましくは酸化マンガン(IV
)と組み合わせられた、化学量論的な酸化剤、例えば、これらに限らないが、過ヨウ素酸
ナトリウム、または(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-1-イル)オキシダニ
ル(TEMPO)と組み合わせて、酸化剤、例えば、これらに限らないが、酸化マンガン
(IV)、マンガン酸バリウム、1,1,1-トリス(アセチルオキシ)-1,1-ジヒ
ドロ-1,2-ベンゾヨードキソール-3-(1H)-オン(デス-マーチンペルヨージ
ナン)、または、触媒のテトラブチルアンモニウムペルルテナート(peruthenate)(T
PAP)により、溶媒、例えば、これらに限らないが、ジクロロメタン、1,2-ジクロ
ロエタンまたはトルエン、好ましくはジクロロメタン中、約0℃から約100℃の範囲の
温度で、好ましくは室温(約25℃)で、処理することによって、酸化された。濾過(例
えば、Celite(登録商標)のパッドを通して)および溶媒蒸発の後、こうして得ら
れた生成物は、精製なしで、直接、次のステップに使用した。分析に基づいて純粋な、化
合物IVの試料は、フラッシュカラムクロマトグラフィーによる精製により得られた。
【0070】
【0071】
スキーム2に示された、化合物IVを調製するための、別の好ましい方法では、化合物
Iを、化合物II(式中、R20は、水素または低級アルキル基であり、R21はCHO
であり、好ましくは、R20はCH3である(クロトンアルデヒド))と、約1mol%
から約20mol%の範囲で、好ましくは約6mol%の量のヨウ化銅(I)と組み合わ
せて、約0.1mol%から約5mol%の範囲で、好ましくは、約0.5mol%の量
のルテニウムカルベン触媒、例えば、これらに限らないが、ベンジリデン-ビス(トリシ
クロヘキシルホスフィン)ジクロロルテニウム(グラブス第1世代触媒)、(1,3-ビ
ス(2,4,6-トリメチルフェニル)-2-イミダゾリジニリデン)ジクロロ(フェニ
ルメチレン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウム(グラブス第2世代触媒)、
(1,3-ビス-(2,4,6-トリメチルフェニル)-2-イミダゾリジニリデン)ジ
クロロ(o-イソプロポキシフェニルメチレン)ルテニウム(Hoveyda-グラブス
触媒)、または、1,3-ビス(2,4,6-トリメチルフェニル)-4,5-ジヒドロ
イミダゾール-2-イリデン[2-(i-プロポキシ)-5-(N,N-ジメチルアミノ
スルホニル)フェニル]メチレンルテニウム(II)ジクロリド(Zhan触媒1B)、
好ましくは、(1,3-ビス(2,4,6-トリメチルフェニル)-2-イミダゾリジニ
リデン)ジクロロ(フェニルメチレン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウム(
グラブス第2世代触媒)の存在下に、約0℃から約100℃の温度で、好ましくは約40
℃で、反応させた。完了後、反応混合物は冷却され、濾過され、未反応4-クロロ-1-
ペンテン、未反応クロトンアルデヒド、およびジクロロメタンを通常含む揮発成分が、減
圧および加熱(例えば、これに限らないが、約30℃)下の蒸留によって除去された。大
部分の揮発成分が除去された後、残留生成物(通常、少量の出発物質を含む)は、再溶解
され(通常、これに限らないが、ジクロロメタンのような溶媒に)、次いで、減圧および
加熱下に(例えば、これに限らないが、約30℃)、再び濃縮されて、化合物IVとして
の(E)-5-クロロペンタ-2-エナールが得られ、これが、直接、次のステップに使
用した。化合物IVの分析的に純粋な試料は、フラッシュカラムクロマトグラフィーによ
る精製により得られた。
【0072】
本明細書に記載されたルテニウムカルベン触媒によるクロスオレフィンメタセシス反応
を使用する、化合物IIIの合成は、有機亜リン酸試薬、例えば、(ジアルコキシホスホ
リル)アセテート(「ホーナー-ワズワース-エモンズ」試薬)、または、2-(トリフ
ェニルホスホラニリデン)アセトアルデヒドの使用を含む従来の、よりありふれた合成経
路(これらは、追加の合成ステップを必要とし、また、アルミニウムおよび酸化リンを含
む廃棄物流を生じ得る)を凌ぐ顕著な利点を示す。例えば、本発明の合成において、廃棄
物流は、生成物から留去しリサイクルできる比較的揮発性の未反応出発物質(例えば、4
-クロロ-2-ペンテンおよびクロトンアルデヒド)と溶媒、回収しリサイクルできる触
媒量のルテニウム化学種、濾過しリサイクルできる酸化マンガン、ならびにプロペンガス
を含む。
【0073】
下の表1は、化合物III(化合物2cによって示される)または化合物IV(化合物
2aによって示される)を調製するための、スキーム1に記載された反応における転化率
が、化合物II(化合物1によって示され、式中、R1、R2およびR3は、1a、1b
および1cのそれぞれに示された意味を有する)、溶媒、温度、添加剤、触媒、触媒投入
量および時間の選択により、如何に変わるかを例示する。
【0074】
【0075】
【0076】
スキーム3に記載されている合成反応は、化合物IVのアルデヒドと化合物Vのチアゾ
リジンチオンとの間の不斉アルドール反応(Nagao-アルドール反応)を含み、Ren,
Q. et al., Synlett 2008, No. 15, 2379-2383に記載されたものに似た条件下に行われ
た。
【0077】
【0078】
Nagao-アルドール反応は、キラル補助基を有するカルボニル基のアルファ炭素に
水素以外の置換基を含まず、立体化学的に濃縮されたβ-ヒドロキシカルボニル化合物を
調製するために特に有用である。さらに、より伝統的な「Evans」キラルオキサゾリ
ジノンキラル補助基と異なり、チアゾリジンチオン補助基は、それらが結び付いているカ
ルボニル基を、アミン化合物、特に第1級アミンによる求核付加に向けて、活性化する役
目を果たして、さらなる活性化の必要なしに、直ちに、対応するアミドを与える。特に、
スキーム3のアセチル化キラル補助基V(ここで、TDxには、これらに限らないが、(
R)-4-イソプロピルチアゾリジン-2-チオン、(R)-4-ベンジルチアゾリジン
-2-チオン、(R)-4-フェニルチアゾリジン-2-チオン、または、(R)-4-
(tert-ブチル)チアゾリジン-2-チオンが含まれる)は、ルイス酸、塩基および
化合物IVのアルデヒドにより処理されて、高度のジアステレオ選択性をもって、化合物
VIを生じる。化合物IVは、5位で塩素基により置換されており、この塩素基は、スキ
ームXIIIおよびIXに記載されているチオS-酸の塩を含む求核置換反応による、チ
オエステル基の導入のための脱離基の役目を果たす。Nagao-アルドール反応は、ス
キーム3の化合物VIに関連する中間体を合成するために前に使用されたが、これは、次
いで、天然の産物であるラルガゾールの合成に用いられた。(Taori, K. et al, J. Am.
Chem. Soc., (2008), 130, 1806;Leusch, H. et al., Nat. Prod. Rep., (2012), 29, 4
49)。報告された合成の大多数において、チオールは、そのトリフェニルメチル誘導体と
して保護され、最終的に、天然の産物のラルガゾールおよびその合成アナログに組み込ま
れるチオエステル基をもたらすために使用された。(Ying, Y. et al., J. Am. Chem. So
c. (2008), 130, 8457;Bowers, A. et al., J. Am. Chem. Soc., (2008), 130, 11221
;Xiao, Q. et al., Journal of Asian Natural Products Research, (2010), 12:11, 94
0;Benelkebir, H. et al., Bioorg. Med. Chem. (2011), 19, 3650;Bhansali, P. et a
l., J. Med. Chem. (2011), 54, 7453)。トリフェニルメチルチオエーテルとしてチオー
ルをマスキングすることに加えて、トリアルキルシリルエーテルの使用もまた報告されて
いる。(Ren, Q. et al., Synlett (2008), No. 15, 2379-2383)。この場合、保護基は
、構想された化学反応に適合し、これは、合成の後の段階で、ジスルフィド基への保護基
交換を必要とした。他の報告において、必要とされるチオエステル基は、クロスオレフィ
ンメタセシス反応を使用する最終ステップにおいて、導入された。(Nasveschuk, C. G.
et al., J., Org. Lett. (2008), 10, 3595;Seiser, T. et al., Angew. Chem. Int. Ed
. (2008), 47, 6483;Souto, J. A. et al., J. Med. Chem. (2010), 53, 4654)。これ
らの公開された例において、この変換に対して記載された化学収率は、一様に低く、触媒
投入量は一様に大きかった。こうして、この特定の結合の構築は、大規模な合成にとって
、魅力的な選択肢ではなかった。
【0079】
本発明は、化合物IVとVとの間のNagao-アルドール反応により調製されるスキ
ーム3の化合物VIを通じて、ラルガゾールに関連するデプシペプチド誘導体を調製する
ために、トリメチルフェニルチオ基に対する、低分子量の「原子経済的な」代用物として
の塩素原子の使用を実証する。アルドール生成物の化合物VIを調製するために、キラル
チアゾリジンジオンを含むN-アシル化キラル補助基の化合物V、好ましくは、(R)-
1-(4-ベンジル-2-チオキソチアゾリジン-3-イル)エタノン、または、(R)
-1-(4-イソプロピル-2-チオキソチアゾリジン-3-イル)エタノンが、ルイス
酸、例えば、これらに限らないが、ハロゲン化チタン(IV)、好ましくは四塩化チタン
により、非プロトン性溶媒、例えば、これらに限らないが、ジクロロメタン、1,2-ジ
クロロエタンまたはトルエン、好ましくはジクロロメタン中、約-78℃から約0℃、好
ましくは-5℃で、約30分間に渡って、次いで、第3級アミン塩基、例えば、これらに
限らないが、トリエチルアミン、(-)-スパルテインまたはジイソプロピルエチルアミ
ン、好ましくはジイソプロピルエチルアミンにより、約-78℃から約0℃、好ましくは
-40℃の温度で、撹拌しながら、約2時間に渡って、処理され、この時点で、得られる
溶液は、約-90℃から約-40℃、好ましくは-78℃に冷却され、非プロトン性溶媒
、例えば、これらに限らないが、ジクロロメタン、1,2-ジクロロエタンまたはトルエ
ン、好ましくはジクロロメタン中の化合物IVのアルデヒドの溶液が添加される。
【0080】
【0081】
スキーム4は、化合物Xの合成を説明している。ステップ1において、化合物VIの第
2級ヒドロキシル基が、保護されたアミノ酸誘導体によりアシル化されたが、ここで、保
護基は、例えば、tert-ブチルオキシカルボニル(Boc)、(9H-フルオレン-
9-イル)メチルオキシカルボニル(Fmoc)、または、2-(トリメチルシリル)エ
チルオキシカルボニル、好ましくはtert-ブチルオキシカルボニルである。
【0082】
【0083】
スキーム4のステップ1は、化合物VIIIを得るための、化合物VIと化合物VII
との間のエステル形成を説明しており、ここで、化合物VIIのR18には、これらに限
らないが、-CH2CH2Si(CH3)3、(9H-フルオレン-9-イル)メチル(
Fmoc)、またはtert-ブチル(Boc)、好ましくはtert-ブチルが含まれ
、活性化剤、例えば、これらに限らないが、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロ
ピル)カルボジイミド(EDCI)、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、ジイ
ソプロピルカルボジイミド(DIC)、カルボニルジイミダゾール(CDI)、2,4,
6-トリクロロベンゾイルクロリド、好ましくは、1-エチル-3-(3-ジメチルアミ
ノプロピル)カルボジイミド(EDCI)を使用し、約5mol%から約30mol%、
好ましくは約10mol%のアミノピリジン触媒、例えば、これらに限らないが、ジメチ
ルアミノピリジンまたは4-ピロリジノピリジン、好ましくは4-ジメチルアミノピリジ
ンにより、溶媒、例えば、これらに限らないが、ジクロロメタン、1,2-ジクロロエタ
ン、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、トルエン、ヘプタン、メチルtert-ブチ
ルエーテル、ジイソプロピルエーテル、酢酸エチルもしくは酢酸イソプロピル、ジメチル
ホルムアミド、ジメチルアセトアミド、またはN-メチルピロリジノン、好ましくはジク
ロロメタン中、約0℃から約40℃の温度で、好ましくは室温(約25℃)で、行われた
。
【0084】
スキーム4のステップ2は、アミド形成反応であり、ここで、化合物VIIIのキラル
チアゾリジンチオン基は、前に論じられたように、それが結び付いたカルボニルを、第1
級アミンによる求核置換に向けて、活性化する役目を果たす。この反応において、化合物
IXは、ヘテロサイクリック環に少なくとも1個の窒素を含む5または6員のヘテロサイ
クリック部分構造であり、この部分構造は、エステルとして適切に保護され、窒素原子と
同じ炭素原子に結び付いた、カルボキシレート(carboxylate)基、および、窒素原子が
結び付いたもう1つの炭素原子に結び付いた置換または無置換メチルアミノ基を有する。
こうして、エステルおよび置換または無置換メチルアミノの各基は、ヘテロサイクリック
環の窒素原子に対してオルトに、また互いにメタの位置にある。化合物IXの5または6
員のヘテロサイクリック部分構造には、これらに限らないが、ピリジン、ピリミジン、ピ
ラジン、トリアジン、オキサゾール、チアゾール、オキサジアゾール、またはチアジアゾ
ールが含まれる。例示的な実施形態において、この部分構造は、チアゾールまたはter
t-ブチル 2-(アミノメチル)チアゾール-4-カルボキシレート(carboxylate)
である。通常、反応は、スキーム4の化合物VIIIを、非プロトン性溶媒、例えば、こ
れらに限らないが、ジクロロメタン、1,2-ジクロロエタン、アセトニトリル、テトラ
ヒドロフラン、トルエン、ヘプタン、メチルtert-ブチルエーテル、ジイソプロピル
エーテル、酢酸エチルもしくは酢酸イソプロピル、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセ
トアミド、またはN-メチルピロリジノン、好ましくはジクロロメタンに溶かし、次いで
、化合物VIを加え、約1時間から約48時間、好ましくは約24時間、約0℃から約4
0℃の温度で、好ましくは室温(約25℃)で、撹拌することによって行われた。
【0085】
スキーム5は、化合物Xの別のより好ましい合成について説明している。スキーム5の
ステップ1において、化合物VIのNagao-アルドール生成物が、非プロトン性溶媒
、
【0086】
【化29】
例えば、これらに限らないが、ジクロロメタン、1,2-ジクロロエタン、アセトニトリ
ル、テトラヒドロフラン、トルエン、ヘプタン、メチルtert-ブチルエーテル、ジイ
ソプロピルエーテル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、ジメチルホルムアミド、ジメチル
アセトアミド、またはN-メチルピロリジノン、好ましくはジクロロメタンに溶かされ、
化合物IX(ここで、R
19は、例えば、tert-ブチルまたはCH
2CH
2Si(C
H
3)
3、好ましくはtert-ブチルである)により処理され、約1時間から約48時
間、好ましくは約24時間、約0℃から約40℃の温度で、好ましくは室温(約25℃)
で撹拌された。水が添加され、有機層が分離され、水性層が、ジクロロメタンにより1回
抽出された。有機層が一緒にされ、ブラインで洗浄され、真空下に濃縮された。酢酸エチ
ルによるトリチュレーション(trituration)により、化合物XIが、70~80%収率
で得られた。カラムクロマトグラフィーによる母液の精製によって、さらなる化合物XI
が、回収されたキラル補助基(これは、表2に示された化合物Vを合成するために再使用
できる)と共に得られた。
【0087】
スキーム5のステップ2において、化合物XIの第2級ヒドロキシル基が、化合物Xを
得るために、化合物VIIの保護されたアミノ酸誘導体によりアシル化されたが、ここで
、保護基は、例えば、tert-ブチルオキシカルボニル(Boc)、(9H-フルオレ
ン-9-イル)メチルオキシカルボニル(Fmoc)、または、2-(トリメチルシリル
)エチルオキシカルボニル、好ましくはtert-ブチルオキシカルボニルである。反応
は、活性化剤、例えば、これらに限らないが、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC
)、ジイソプロピルカルボジイミド(DIC)、または、1-エチル-3-(3-ジメチ
ルアミノプロピル)カルボジイミド(EDCI)、好ましくは、1-エチル-3-(3-
ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDCI)を使用して、溶媒、例えば、これ
らに限らないが、ジクロロメタン、1,2-ジクロロエタン、アセトニトリル、テトラヒ
ドロフラン、トルエン、ヘプタン、メチルtert-ブチルエーテル、ジイソプロピルエ
ーテル、酢酸エチルもしくは酢酸イソプロピル、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセト
アミド、またはN-メチルピロリジノン、好ましくはジクロロメタン中、約5mol%か
ら約30mol%、好ましくは約10mol%のアミノピリジン触媒、例えば、これらに
限らないが、ジメチルアミノピリジン、または、4-ピロリジノピリジン、好ましくは4
-ジメチルアミノピリジンにより、約0℃から約40℃の温度で、好ましくは室温(約2
5℃)で行われた。水が反応混合物に添加され、有機層が分離され、水により1回洗浄さ
れた。有機層は脱水され、濃縮されて、化合物Xを得、これは、さらなる精製なしに使用
された。
【0088】
スキーム6は、スキーム4および5の化合物IXの例となる化合物XVのヘテロサイク
リックアミノ酸誘導体の調製を説明している。
【0089】
【化30】
化合物XIIおよび化合物XIIIが、溶媒、例えば、これらに限らないが、1,2-
ジメトキシエタン(DME)、テトラヒドロフラン(THF)または1,4-ジオキサン
、好ましくは1,2-ジメトキシエタン(DME)中で一緒にされ、塩基、例えば、これ
らに限らないが、炭酸水素ナトリウムまたは炭酸水素カリウム、好ましくは炭酸水素カリ
ウムが、約-40℃から25℃、好ましくは-10℃の温度で添加された。約10分から
約24時間、好ましくは約1時間撹拌した後、溶媒、例えば、これらに限らないが、1,
2-ジメトキシエタン(DME)、テトラヒドロフラン(THF)または1,4-ジオキ
サン、好ましくは1,2-ジメトキシエタン中、トリフルオロ酢酸無水物、および塩基、
例えば、これらに限らないが、ピリジン、2-メチルピリジン、2,6-ジメチルピリジ
ン、2,3,5-トリメチルピリジンまたは2,4,6-トリメチルピリジン、好ましく
は2,6-ジメチルピリジンの溶液が、約-40℃から約25℃、好ましくは約-20℃
の温度で添加された。約10分から約24時間、好ましくは約2時間撹拌した後、混合物
を水に注ぎ入れ、それに続く抽出処理により、化合物XIVが固体として得られた。
【0090】
スキーム6の化合物XVを調製するための、別の好ましい方法において、スキーム6の
化合物XIIが、スキーム6の化合物XIIIと、溶媒、例えば、これらに限らないが、
メタノール、エタノール、イソプロパノール、sec-ブタノール、ジクロロメタン、1
,2-ジクロロエタン、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、トルエン、ヘプタン、メ
チルtert-ブチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、1,2-ジメトキシエタン、
1,4-ジオキサン、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、ジメチルホルムアミド、ジメチル
アセトアミド、またはN-メチルピロリジノン、好ましくはイソプロパノール中で一緒に
され、約0℃から約100℃、好ましくは約25℃の温度で、塩基、例えば、これらに限
らないが、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液、水酸化リチウム水溶液、ま
たは炭酸カルシウム、好ましくは水酸化ナトリウム水溶液の存在下に、または塩基の非存
在下に、約1時間から約72時間、好ましくは約24時間、撹拌された。反応物は水によ
り希釈され、化合物XIVが、それに続く抽出処理の後、得られた。
【0091】
スキーム7aは、化合物XVIIを得るための、R19を有するエステル基の存在の下
での化合物XVI内のR18を有するカルバメート保護基の選択的除去を説明している。
【0092】
【化31】
このように、化合物XVI内のR
18を有するカルバメート保護基およびR
19を有する
エステル基は、それらの構造または反応性の点で、オルソゴナル保護基である。化合物X
VIのR
18には、これらに限らないが、-CH
2CH
2Si(CH
3)
3、(9H-フ
ルオレン-9-イル)メチル(Fmoc)、またはtert-ブチル(Boc)が含まれ
る。化合物XVIのR
19は、これらに限らないが、-CH
2CH
2Si(CH
3)
3、
またはtert-ブチル(Boc)が含まれる。化合物XVIのR
18が、-CH
2CH
2Si(CH
3)
2である場合、スキーム7aのステップ1は、化合物XVIを、フッ化
物源、例えば、これらに限らないが、フッ化カリウム、フッ化セシウム、テトラブチルア
ンモニウムフルオリド、またはテトラフルオロホウ酸リチウムにより、好ましくはテトラ
ブチルアンモニウムフルオリドにより、溶媒、例えば、これらに限らないが、テトラヒド
ロフラン、アセトニトリル、ジメチルホルミアミド、N-メチルピロリドン、N,N-ジ
メチルアセトアミドまたはジメチルスルホキシド、好ましくはテトラヒドロフラン中、約
0℃から約65℃の温度で、好ましくは室温(約25℃)で、処理することによって行わ
れた。
【0093】
化合物XVIのR18が、(9H-フルオレン-9-イル)メチル(Fmoc)である
場合、スキーム7aのステップ1は、化合物XVIを、アミン塩基、例えば、これらに限
らないが、モルホリン、ピペリジン、ピペラジン、1,4-ビス-(3-アミノプロピル
ピペラジン、ジシクロヘキシルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、4-ジメチルアミ
ノピリジン、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン、ピロリジン、
シクロヘキシルアミン、エタノールアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、アンモ
ニア、トリブチルアミン、またはトリエチレンジアミン、好ましくはピペリジンにより、
溶媒、例えば、これらに限らないが、ジクロロメタン、1,2-ジクロロエタン、ジメチ
ルホルムアミド、n-メチルピロリジノン、またはN,N-ジメチルアセトアミド、好ま
しくはジクロロメタン中、約-20℃から約40℃の温度で、好ましくは室温(約25℃
)で、処理することによって行われた。
【0094】
化合物XVIのR18が、tert-ブチル(Boc)である場合、スキーム7aのス
テップ1は、化合物XVIを、有機溶媒、例えば、ジクロロメタン、トルエン、酢酸エチ
ル、THF、DME、MTBEまたはジオキサンなどに溶かされた、酸、例えば、トリフ
ルオロ酢酸またはHClにより、約0℃から約40℃の温度で、好ましくは室温(約25
℃)で、処理することによって行われた。好ましくは、化合物XVIのR18は、ter
t-ブチルであり、ステップ1は、好ましくはジオキサン中のHClにより、より好まし
くは室温(約25℃)で行われる。反応混合物を冷却されたpH約8~9の炭酸水素ナト
リウム飽和溶液に注ぎ入れ、得られた混合物は、酢酸エチルにより2回、ブラインにより
1回、抽出され、乾燥され、濃縮乾固されて、化合物XVIIが約95%の収率で得られ
、これは、さらなる精製なしに、直接、次のステップに使用された。
【0095】
スキーム7aのステップ2において、化合物XVIIが、化合物XVIIIに、化合物
VIIおよび活性化剤、例えば、これらに限らないが、ジシクロヘキシルカルボジイミド
(DCC)、ジイソプロピルカルボジイミド(DIC)、または、1-エチル-3-(3
-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDCI)、好ましくは、1-エチル-3
-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDCI)により、それだけで、ま
たは添加剤、例えば、これらに限らないが、ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)
、または、1-ヒドロキシ-7-アザベンゾトリアゾール(1-hydroxy, 7-azabenztriazo
lein)、好ましくはヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)の存在下に、溶媒、例え
ば、これらに限らないが、ジクロロメタン、1,2-ジクロロエタン、アセトニトリル、
テトラヒドロフラン、トルエン、ヘプタン、メチルtert-ブチルエーテル、ジイソプ
ロピルエーテル、酢酸エチルもしくは酢酸イソプロピル、ジメチルホルムアミド、ジメチ
ルアセトアミド、またはN-メチルピロリジノン、好ましくはジクロロメタン中、約-2
0℃から約60℃の温度で、好ましくは室温(約25℃)で、処理することによって、変
換された。
【0096】
スキーム7aのステップ3において、化合物XIXが、化合物XVIII内で、それぞ
れR18およびR19を有するカルバメートおよびエステル基の同時加水分解によって生
成された。こうして、例えば、R18およびR19が、どちらも-CH2CH2Si(C
H3)3である場合、ステップ3は、化合物XVIIIを、例えば、フッ化カリウム、フ
ッ化セシウム、テトラブチルアンモニウムフルオリド、またはテトラフルオロホウ酸リチ
ウム、またはトリフルオロ酢酸、好ましくはテトラブチルアンモニウムフルオリドにより
、溶媒、例えば、これらに限らないが、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、ジメチル
ホルミアミド、N-メチルピロリジノン、N,N-ジメチルアセトアミドまたはジメチル
スルホキシド、好ましくはテトラヒドロフラン中、約0℃から約40℃の温度で、好まし
くは室温(約25℃)で処理することにより、行われた。
【0097】
代わりに、また好ましくは、R18およびR19が、どちらもtert-ブチルである
場合、スキーム7aのステップ3は、化合物XVIIIを、酸、例えば、これらに限らな
いが、トリフルオロ酢酸またはHCl、好ましくはトリフルオロ酢酸により、溶媒、例え
ば、これらに限らないが、ジクロロメタン、1,2-ジクロロエタン、またはトルエン、
好ましくはジクロロメタン中、約0℃から約40℃の温度で、好ましくは室温(約25℃
)で処理することによって、行われた。
【0098】
スキーム7bは、化合物XVII-Aを得るための、化合物XVI内のR18を有する
カルバメート保護基、およびR19を有するエステル基の随伴除去を説明している。好ま
しくは、R18およびR19が、どちらもtert-ブチルである場合、スキーム7bの
ステップ1は、化合物XVIを、酸、例えば、これらに限らないが、トリフルオロ酢酸ま
たはHCl、好ましくはトリフルオロ酢酸により、溶媒、例えば、これらに限らないが、
ジクロロメタン、1,2-ジクロロエタン、またはトルエン、好ましくはジクロロメタン
中、約0℃から約40℃の温度で、好ましくは室温(約25℃)で処理することによって
、行われる。
【0099】
【0100】
スキーム7bのステップ2において、化合物XVII-Aは、化合物XVIII-Aに
、化合物VIIおよび活性化剤、例えば、これらに限らないが、ジシクロヘキシルカルボ
ジイミド(DCC)、ジイソプロピルカルボジイミド(DIC)、または、1-エチル-
3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDCI)、好ましくは、1-エ
チル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDCI)により、それだ
けで、または添加剤、例えば、これらに限らないが、ヒドロキシベンゾトリアゾール(H
OBt)または1-ヒドロキシ-7-アザベンゾトリアゾール(1-hydroxy, 7-azabenztr
iazolein)、好ましくはヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)の存在下に、溶媒、
例えば、これらに限らないが、ジクロロメタン、1,2-ジクロロエタン、アセトニトリ
ル、テトラヒドロフラン、トルエン、ヘプタン、メチルtert-ブチルエーテル、ジイ
ソプロピルエーテル、酢酸エチルもしくは酢酸イソプロピル、ジメチルホルムアミド、ジ
メチルアセトアミド、またはN-メチルピロリジノン、好ましくはジクロロメタン中、約
-20℃から約60℃の温度で、好ましくは室温(約25℃)で処理することによって、
変換された。
【0101】
スキーム7bのステップ3において、化合物XIXが、化合物XVIII-A内のR1
8を有するカルバメートおよびエステル基の加水分解によって生成された。こうして、例
えば、R18がtert-ブチルである場合、スキーム7bのステップ3は、化合物XV
III-Aを、酸、例えば、これらに限らないが、トリフルオロ酢酸またはHCl、好ま
しくはトリフルオロ酢酸により、溶媒、例えば、これらに限らないが、ジクロロメタン、
1,2-ジクロロエタン、またはトルエン、好ましくはジクロロメタン中、約0℃から約
40℃の温度で、好ましくは室温(約25℃)で処理することによって、行われた。
【0102】
スキーム8のステップ1はマクロラクタム化反応であり、これにより、化合物XIXの
アミノ基が、化合物XIXのカルボン酸基によって、分子内方式で、アシル化されて、
【0103】
【化33】
化合物XXを与える。ステップ1は、化合物XIXを、活性化剤、例えば、これらに限ら
ないが、N-[(ジメチルアミノ)-1H-1,2,3-トリアゾロ-[4,5-b]ピ
リジン-1-イルメチレン]-N-メチルメタナミニウムヘキサフルオロホスフェート(
hexafluorophosphate)N-オキシド(HATU)、(O-(7-アザベンゾトリアゾー
ル-1-イル)-1,1,3,3-ビス(テトラメチレン)ウロニウムヘキサフルオロホ
スフェート(hexafluorophosphate))(HBTU)、N,N,N’,N’-テトラメチ
ル-O-(1H-ベンゾトリアゾール-1-イル)ウロニウムヘキサフルオロホスフェー
ト(hexafluorophosphate)、O-(ベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N’,
N’-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(hexafluorophosphate)、
DCC、DIC、EDCI、BDDC、BOP、PyBOP、BOMP、AOP、PyA
OP、PyDOP、PyNOP、PyFOP、PyNFOP、NOP、NSBt、N-N
SBt、N-HBTU、N-HATUまたは(HAPyU)、好ましくは、N-[(ジメ
チルアミノ)-1H-1,2,3-トリアゾロ-[4,5-b]ピリジン-1-イルメチ
レン]-N-メチルメタナミニウムヘキサフルオロホスフェート(hexafluorophosphate
)N-オキシド(HATU)により、それだけで、または、添加剤、例えば、これらに限
らないが、(HOSuc)、(HODhbt)、(HOt)、(HOCt)、(Oxam
a)、(6-CF
3-HOBt)、(6-NO
2-HOBt)、ヒドロキシ-1,2,3
-トリアゾール、ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)、または、1-ヒドロキシ
-7-アザベンゾトリアゾール(HOAt)、好ましくは、ヒドロキシベンゾトリアゾー
ル(HOBt)の存在下に、化合物XIXに対して約5倍体積から約50倍体積、好まし
くは10倍体積の濃度の溶媒、例えば、これらに限らないが、ジクロロメタン、1,2-
ジクロロエタン、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、トルエン、ヘプタン、メチルt
ert-ブチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、酢酸エチルもしくは酢酸イソプロピ
ル、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、またはN-メチルピロリジノン、好
ましくは、約20:1から約1:1、好ましくは約10:1の比のジクロロメタンとジメ
チルホルムアミドの組合せ中、約0℃から約40℃の温度で、好ましくは室温(約25℃
)で処理することによって、行われた。
【0104】
スキーム8のステップ2において、化合物XXが、化合物XXIIに変換された。この
反応は、化合物XXを、塩基、例えば、これらに限らないが、水酸化カリウム、水酸化ナ
トリウム、水酸化リチウム、炭酸セシウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸リチウ
ム、炭酸水素カリウム、炭酸水素ナトリウム、ナトリウムメトキシド、カリウムtert
-ブトキシド、トリエチルアミン、N,N-ジイソプロピルエチルアミン、または1,8
-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン、好ましくは炭酸カリウムによる化
合物XXIの処理により調製されるチオエート(thioate)求核剤により、溶媒、例えば
、これらに限らないが、アセトン、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、ジイソプロピ
ルエーテル、メチルtert-ブチルエーテル、1,2-ジメトキシエタン、1,4-ジ
オキサン、トルエン、ジクロロメタン、1,2-ジクロロエタン、酢酸エチル、酢酸イソ
プロピル、メタノール、エタノール、水、ジメチルホルムアミド、N-メチルピロリジノ
ン、N,N-ジメチルアセトアミド、またはジメチルスルホキシド、好ましくはアセトニ
トリル中、約10℃から約100℃、好ましくは約60℃の温度で処理することによって
、行われた。チオエート(thioate)中間体は、自動的に形成され、次いで反応混合物に
添加されるか、または、in situで、好ましくは、in situで、約5mol
%から約300mol%、好ましくは約100mol%の量のヨウ化ナトリウムもしくは
ヨウ化カリウムの存在下に、またはその不存在下に、好ましくはヨウ化カリウムの存在下
に、形成されるかのいずれかであった。
【0105】
スキーム9のステップ1において、化合物XXは、化合物XXIVに変換される。
【0106】
【化34】
この反応は、化合物XXを、塩基、例えば、これらに限らないが、水酸化カリウム、水酸
化ナトリウム、水酸化リチウム、炭酸セシウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸リ
チウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素ナトリウム、ナトリウムメトキシド、カリウムte
rt-ブトキシド、トリエチルアミン、N,N-ジイソプロピルエチルアミン、または、
1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン、好ましくは炭酸カリウムに
よる化合物XXIIIの処理により調製されるチオエート(thioate)求核剤により、溶
媒、例えば、これらに限らないが、アセトン、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、ジ
イソプロピルエーテル、メチルtert-ブチルエーテル、1,2-ジメトキシエタン、
1,4-ジオキサン、トルエン、ジクロロメタン、1,2-ジクロロエタン、酢酸エチル
、酢酸イソプロピル、メタノール、エタノール、水、ジメチルホルムアミド、N-メチル
ピロリジノン、N,N-ジメチルアセトアミド、またはジメチルスルホキシド、好ましく
はアセトニトリル中、約-10℃から約100℃、好ましくは約60℃の温度で、処理す
ることによって、行われた。チオエート(thioate)中間体は、自動的に形成され、次い
で反応混合物に添加されるか、または、in situで、好ましくは、in situ
で、約5mol%から約300mol%、好ましくは約100mol%の量のヨウ化ナト
リウムもしくはヨウ化カリウムの存在下に、またはその不存在下に、好ましくは、ヨウ化
カリウムの存在下に、形成されるかのいずれかであった。
【0107】
スキーム9のステップ2において、化合物XXIVが、化合物XXVに変換された。反
応は、酸により化合物XXIVを処理することによって行われた。
【0108】
式(1)の治療剤の調製において有用性を有することに加えて、スキーム10の化合物
VIII(式中、R18は上で記載された)は、例えば、Williams他の米国特許
出願公開第2010/0029731号に記載されているラルガゾールおよびラルガゾー
ルアナログの調製に有用である。
【0109】
スキーム10のステップ1において示されるように、化合物VIIIが、Xie et al.,
Journal of Asian Nat. Prod. Res. (2010), 12, 940-949に記載された条件に似た方法で
、化合物XXVIにより処理されて、化合物XXVIIを与えた。
【0110】
【0111】
スキーム10のステップ2において、化合物XXVIIが、Boc基脱保護により、対
応するアミノ酸に変換されて、化合物XXVIIIを与えた。
【0112】
スキーム10のステップ3において、化合物XXVIIIが、マクロラクタム化反応に
より、化合物XXIXに、活性化剤、例えば、これらに限らないが、N-[(ジメチルア
ミノ)-1H-1,2,3-トリアゾロ-[4,5-b]ピリジン-1-イルメチレン]
-N-メチルメタナミニウムヘキサフルオロホスフェート(hexafluorophosphate)N-
オキシド(HATU)、(O-(7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)-1,1,3
,3-ビス(テトラメチレン)ウロニウムヘキサフルオロホスフェート(hexafluorophos
phate)(HBTU)、N,N,N’,N’-テトラメチル-O-(1H-ベンゾトリア
ゾール-1-イル)ウロニウムヘキサフルオロホスフェート(hexafluorophosphate)、
O-(ベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N’,N’-テトラメチルウロニウム
ヘキサフルオロホスフェート(hexafluorophosphate)、DCC、DIC、EDCI、B
DDC、BOP、PyBOP、BOMP、AOP、PyAOP、PyDOP、PyNOP
、PyFOP、PyNFOP、NOP、NSBt、N-NSBt、N-HBTU、N-H
ATUまたは(HAPyU)、好ましくは、N-[(ジメチルアミノ)-1H-1,2,
3-トリアゾロ-[4,5-b]ピリジン-1-イルメチレン]-N-メチルメタナミニ
ウムヘキサフルオロホスフェート(hexafluorophosphate)N-オキシド(HATU)の
みにより、または、添加剤、例えば、これらに限らないが、(HOSuc)、(HODh
bt)、(HOt)、(HOCt)、(Oxama)、(6-CF3-HOBt)、(6
-NO2-HOBt)、ヒドロキシ-1,2,3-トリアゾール、ヒドロキシベンゾトリ
アゾール(HOBt)、または、1-ヒドロキシ-7-アザベンゾトリアゾール(HOA
t)、好ましくは、ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)の存在下に、化合物XI
Xに対して約5倍体積から約50倍体積、好ましくは10倍体積の濃度の溶媒、例えば、
これらに限らないが、ジクロロメタン、1,2-ジクロロエタン、アセトニトリル、テト
ラヒドロフラン、トルエン、ヘプタン、メチルtert-ブチルエーテル、ジイソプロピ
ルエーテル、酢酸エチルもしくは酢酸イソプロピル、ジメチルホルムアミド、ジメチルア
セトアミド、またはN-メチルピロリジノン、好ましくは、約20:1から約1:1、好
ましくは約10:1の比のジクロロメタンとジメチルホルムアミドの組合せ中、0℃から
40℃の温度で、好ましくは室温(約25℃)の温度で処理することによって、変換され
た。
【0113】
スキーム10のステップ4において、化合物XXIXが、式(2)の化合物に変換され
た。反応は、化合物XXIXを、塩基、例えば、これらに限らないが、水酸化カリウム、
水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、炭酸セシウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭
酸リチウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素ナトリウム、ナトリウムメトキシド、カリウム
tert-ブトキシド、トリエチルアミン、N,N-ジイソプロピルエチルアミン、また
は、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン、好ましくは炭酸カリウ
ムによる化合物XXI-Aの処理により調製されるチオエート(thioate)求核剤により
、溶媒、例えば、これらに限らないが、アセトン、アセトニトリル、テトラヒドロフラン
、ジイソプロピルエーテル、メチルtert-ブチルエーテル、1,2-ジメトキシエタ
ン、1,4-ジオキサン、トルエン、ジクロロメタン、1,2-ジクロロエタン、酢酸エ
チル、酢酸イソプロピル、メタノール、エタノール、水、ジメチルホルムアミド、N-メ
チルピロリジノン、N,N-ジメチルアセトアミド、またはジメチルスルホキシド、好ま
しくはアセトニトリル中、約-10℃から約100℃、好ましくは約60℃の温度で処理
することによって、行われた。チオエート(thioate)中間体は、自動的に形成され、次
いで反応混合物に添加されるか、または、in situで、好ましくは、in sit
uで、約5mol%から約300mol%、好ましくは約100mol%の量のヨウ化ナ
トリウムもしくはヨウ化カリウムの存在下に、またはその不存在下に、好ましくは、ヨウ
化カリウムの存在下に、形成されるかのいずれかであった。
【実施例】
【0114】
実施例1
((7S,10S)-10-((E)-4-クロロブタ-1-エン-1-イル)-7-
イソプロピル-4,4-ジメチル-9-オキサ-16-チア-3,6,13,18-テト
ラアザビシクロ[13.2.1]オクタデカ-1(17),15(18)-ジエン-2,
5,8,12-テトラオン)(化合物XX)からのS-((E)-4-((7S,10S
)-7-イソプロピル-4,4-ジメチル-2,5,8,12-テトラオキソ-9-オキ
サ-16-チア-3,6,13,18-テトラアザビシクロ[13.2.1]オクタデカ
-1(17),15(18)-ジエン-10-イル)ブタ-3-エン-1-イル)オクタ
ンチオエート(thioate)(化合物XXII)の調製
【0115】
【化36】
((7S,10S)-10-((E)-4-クロロブタ-1-エン-1-イル)-7-
イソプロピル-4,4-ジメチル-9-オキサ-16-チア-3,6,13,18-テト
ラアザビシクロ[13.2.1]オクタデカ-1(17),15(18)-ジエン-2,
5,8,12-テトラオン)(1.0g、2.07mmol)、オクタンチオS-酸(0
.66g、4.13mmol)、炭酸カリウム(0.57g、4.13mmol)および
ヨウ化カリウム(0.067g、0.41mmol)を、アセトニトリル(20mL)に
室温で溶かした。混合物を、窒素下に、室温で16時間撹拌した。混合物を濾過し、濃縮
し、シリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル/メタノ
ール 20/20/1)によって精製して、黄褐色の固体として、1.13g(90%)
のS-((E)-4-((7S,10S)-7-イソプロピル-4,4-ジメチル-2,
5,8,12-テトラオキソ-9-オキサ-16-チア-3,6,13,18-テトラア
ザビシクロ[13.2.1]オクタデカ-1(17),15(18)-ジエン-10-イ
ル)ブタ-3-エン-1-イル)オクタンチオエート(thioate)を得た。
1H NMR: (CDCl
3, 400 MHz): δ 8.02 (s, 1H), 7.65 (s, 1H), 6.63 (d, J =9.6 Hz, 1H), 6.46 (m, 1
H ), 5.79-5.73 (m, 2H), 5.60 (m, 1H), 5.15 (dd, J =17.6, 8.2 Hz, 1H), 4.63 (m,
1H), 4.36 (dd, J =17.2, 4.0 Hz, 1H), 2.86 (t, J =7.2 Hz, 2H), 2.71 (m, 2H), 2.51
(t, J =7.6 Hz, 2H), 2.30 (m, 3H), 1.89 (s, 3H), 1.61 (s, 3H), 1.28 (bs, 10H), 0
.88 (m, 6H), 0.69 (d, J =6.8 Hz, 3H).
【0116】
実施例2
(7S,10S)-10-((E)-4-クロロブタ-1-エン-1-イル)-7-イ
ソプロピル-4,4-ジメチル-9-オキサ-16-チア-3,6,13,18-テトラ
アザビシクロ[13.2.1]オクタデカ-1(17),15(18)-ジエン-2,5
,8,12-テトラオン)(化合物XX)および(S)-2-((tert-ブトキシカ
ルボニル)アミノ)-3-メチルブタンチオS-酸(化合物XXIII)からの(S)-
S-((E)-4-((7S,10S)-7-イソプロピル-4,4-ジメチル-2,5
,8,12-テトラオキソ-9-オキサ-16-チア-3,6,13,18-テトラアザ
ビシクロ[13.2.1]オクタデカ-1(17),15(18)-ジエン-10-イル
)ブタ-3-エン-1-イル)2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-3-
メチルブタンチオエート(thioate)(化合物XXIV)の調製
【0117】
【化37】
(7S,10S)-10-((E)-4-クロロブタ-1-エン-1-イル)-7-イ
ソプロピル-4,4-ジメチル-9-オキサ-16-チア-3,6,13,18-テトラ
アザビシクロ[13.2.1]オクタデカ-1(17),15(18)-ジエン-2,5
,8,12-テトラオン)(15g、0.031mmol)、(S)-2-((tert
-ブトキシカルボニル)アミノ)-3-メチルブタンチオS-酸(Boc-(D)Val
-SH)(12.5g、0.054mmol)、炭酸カリウム(11.2g、0.081
)、およびヨウ化カリウム(0.50g、0.003mmol)を、10mLのアセトニ
トリルに溶かし、得られた混合物を、60~65℃に温め、窒素下に18時間、撹拌した
。反応混合物を室温に冷却し、水(50mL)を加え、得られた混合物を酢酸エチル(5
0mL)で2回抽出した。合わせた有機層を、40mLの水で洗い、無水硫酸ナトリウム
で脱水し、濃縮し、シリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸
エチル 80/20)によって精製して、泡状の固体として、16.90g(80%)の
(S)-S-((E)-4-((7S,10S)-7-イソプロピル-4,4-ジメチル
-2,5,8,12-テトラオキソ-9-オキサ-16-チア-3,6,13,18-テ
トラアザビシクロ[13.2.1]オクタデカ-1(17),15(18)-ジエン-1
0-イル)ブタ-3-エン-1-イル)2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ
)-3-メチルブタンチオエート(thioate)を得た。
1H NMR: (CDCl
3, 400 MHz): δ 8.
02 (s, 1H), 7.64 (s, 1H), 6.62 (bs, 1H), 6.50 (d, J =9.6 Hz, 1H), 5.70-5.69 (m,
3H), 5.18 (dd, J =17.6, 8.0 Hz, 1H), 5.06 (d, J =9.6 Hz, 1H), 4.63 (m, 1H), 4
.38 (dd, J =9.6 Hz, 6Hz, 1H), 4.24 (dd, J =9.2, 4.8 Hz, 1H), 2.92 (t, J =7.0 Hz,
2H), 2.70-2.65 (m, 2H), 2.31 (m, 4H), 2.30 (m, 3H), 1.90 (s, 3H), 1.61 (s, 3H),
1.45 (s, 9H), 0.99 (d, J =6.4 Hz, 3H), 0.89 (d, J =7.2 Hz, 3H), 0.86 (d, J =6.8
Hz, 3H), 0.69 (d, J =7.2 Hz, 3H).
【0118】
実施例3a
((S)-S-((E)-4-((7S,10S)-7-イソプロピル-4,4-ジメ
チル-2,5,8,12-テトラオキソ-9-オキサ-16-チア-3,6,13,18
-テトラアザビシクロ[13.2.1]オクタデカ-1(17),15(18)-ジエン
-10-イル)ブタ-3-エン-1-イル)2-((tert-ブトキシカルボニル)ア
ミノ)-3-メチルブタンチオエート(thioate))(化合物XXIV)からの(S)-
S-((E)-4-((7S,10S)-7-イソプロピル-4,4-ジメチル-2,5
,8,12-テトラオキソ-9-オキサ-16-チア-3,6,13,18-テトラアザ
ビシクロ[13.2.1]オクタデカ-1(17),15(18)-ジエン-10-イル
)ブタ-3-エン-1-イル)2-アミノ-3-メチルブタンチオエート(thioate)塩
酸塩(化合物XXV-A)の調製
【0119】
【化38】
((S)-S-((E)-4-((7S,10S)-7-イソプロピル-4,4-ジメ
チル-2,5,8,12-テトラオキソ-9-オキサ-16-チア-3,6,13,18
-テトラアザビシクロ[13.2.1]オクタデカ-1(17),15(18)-ジエン
-10-イル)ブタ-3-エン-1-イル)2-((tert-ブトキシカルボニル)ア
ミノ)-3-メチルブタンチオエート(thioate))(8g、11.7mmol)を、1
60mLのジクロロメタンに溶かし、トリフルオロ酢酸(24ml)を、窒素下に10℃
で加えた。添加後、混合物を室温で5時間撹拌し、この時点で、それを濃縮乾固した。残
留物を、酢酸エチル(50ml)に溶かし、HClの酢酸エチル溶液(10.0ml、4
.0M)をゆっくりと滴下添加し、添加が完了した後、得られた混合物を10分間撹拌し
た。次いで、石油エーテル(50ml)を加え、沈殿した固体を、濾過によって回収し、
真空下に乾燥して、白色固体として、6.88g(95%)の(S)-S-((E)-4
-((7S,10S)-7-イソプロピル-4,4-ジメチル-2,5,8,12-テト
ラオキソ-9-オキサ-16-チア-3,6,13,18-テトラアザビシクロ[13.
2.1]オクタデカ-1(17),15(18)-ジエン-10-イル)ブタ-3-エン
-1-イル)2-アミノ-3-メチルブタンチオエート(thioate)塩酸塩を得た。
1H NM
R: (DMSO-d
6, 400 MHz): δ 8.55 (bs, 4H), 8.16 (s, 1H), 7.90 (m, 2H), 5.63 (m, 3H
), 4.97 (dd, J =17.6, 8.2 Hz, 1H), 4.34-4.30 (m, 2H), 4.08 (m, 1H), 3.04 (m, 1
H), 2.96 (m, 1H), 2.76 (m, 1H), 2.20-2.08 (m, 4H), 1.71 (s, 3H), 1.46 (s, 3H), 0
.99 (d, J =6.4 Hz, 3H), 0.96 (d, J =6.4 Hz, 3H), 0.78 (d, J =6.8 Hz, 3H), 0.57 (
d, J =6.8 Hz, 3H).
【0120】
実施例3b
((S)-S-((E)-4-((7S,10S)-7-イソプロピル-4,4-ジメ
チル-2,5,8,12-テトラオキソ-9-オキサ-16-チア-3,6,13,18
-テトラアザビシクロ[13.2.1]オクタデカ-1(17),15(18)-ジエン
-10-イル)ブタ-3-エン-1-イル)2-((tert-ブトキシカルボニル)ア
ミノ)-3-メチルブタンチオエート(thioate))(化合物XXIV)からの(S)-
S-((E)-4-((7S,10S)-7-イソプロピル-4,4-ジメチル-2,5
,8,12-テトラオキソ-9-オキサ-16-チア-3,6,13,18-テトラアザ
ビシクロ[13.2.1]オクタデカ-1(17),15(18)-ジエン-10-イル
)ブタ-3-エン-1-イル)2-アミノ-3-メチルブタンチオエート(thioate)ベ
ンゼンスルホン酸塩(化合物XXV-B)の調製
【0121】
【0122】
((S)-S-((E)-4-((7S,10S)-7-イソプロピル-4,4-ジメ
チル-2,5,8,12-テトラオキソ-9-オキサ-16-チア-3,6,13,18
-テトラアザビシクロ[13.2.1]オクタデカ-1(17),15(18)-ジエン
-10-イル)ブタ-3-エン-1-イル)2-((tert-ブトキシカルボニル)ア
ミノ)-3-メチルブタンチオエート(thioate))(3.0g、4.41mmol)の
アセトニトリル(50mL)溶液に、室温でベンゼンスルホン酸(2.70g、17.1
0mmol)を加え、得られた混合物を5時間撹拌し、その時点で、それを濃縮乾固した
。残留物を、ヘプタン(100ml)に懸濁させ、30分間撹拌し、その時点で、ヘプタ
ンをデカンテーションによって除去した。次いで、油状の残留物を、THF(5ml)で
処理し、室温で16時間撹拌して、白色固体として、1.6g(50%)の(S)-S-
((E)-4-((7S,10S)-7-イソプロピル-4,4-ジメチル-2,5,8
,12-テトラオキソ-9-オキサ-16-チア-3,6,13,18-テトラアザビシ
クロ[13.2.1]オクタデカ-1(17),15(18)-ジエン-10-イル)ブ
タ-3-エン-1-イル)2-アミノ-3-メチルブタンチオエート(thioate)ベンゼ
ンスルホン酸塩を得た。
【0123】
実施例4
(7S,10S)-10-((E)-4-クロロブタ-1-エン-1-イル)-7-イ
ソプロピル-4,4-ジメチル-9-オキサ-16-チア-3,6,13,18-テトラ
アザビシクロ[13.2.1]オクタデカ-1(17),15(18)-ジエン-2,5
,8,12-テトラオン)(化合物XIX)からの(7S,10S)-10-((E)-
4-クロロブタ-1-エン-1-イル)-7-イソプロピル-4,4-ジメチル-9-オ
キサ-16-チア-3,6,13,18-テトラアザビシクロ[13.2.1]オクタデ
カ-1(17),15(18)-ジエン-2,5,8,12-テトラオン)(化合物XX
)の調製
【0124】
【化40】
HATU(26g、0.067mol)を、アセトニトリル(300mL)に溶かし、
0~5℃に冷却した。2-(((S,E)-3-(((S)-2-(2-アミノ-2-メ
チルプロパンアミド)-3-メチルブタノイル)オキシ)-7-クロロヘプタ-4-エン
アミド)メチル)チアゾール-4-カルボン酸トリフルオロ酢酸塩(実施例5による28
gの粗生成物)およびジイシプロピルエチルアミン(40ml、0.225mol)のジ
クロロメタン(600mL)溶液を、HATU溶液に、0~5℃で、5~6時間かけて、
ゆっくりと滴下添加した。添加後、混合物を、0~5℃でさらに2時間撹拌し、この時点
で、水(600ml)を加えた。層分離の後、水性層を、2回、酢酸エチル(200mL
)で抽出し、合わせた有機層を、ブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水し、濃縮
した。シリカゲルによるフラッシュクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル 5
0/50)により、白色固体として、14.5g(tert-ブチル 2-((5S,8
S)-5-((E)-4-クロロブタ-1-エン-1-イル)-8-イソプロピル-11
,11,15,15-テトラメチル-3,7,10,13-テトラオキソ-6,14-ジ
オキサ-2,9,12-トリアザヘキサデシル)チアゾール-4-カルボキシレート(ca
rboxylate))(実施例5による)から全体として75%)の(7S,10S)-10-
((E)-4-クロロブタ-1-エン-1-イル)-7-イソプロピル-4,4-ジメチ
ル-9-オキサ-16-チア-3,6,13,18-テトラアザビシクロ[13.2.1
]オクタデカ-1(17),15(18)-ジエン-2,5,8,12-テトラオン)を
得た。
1H NMR: (CDCl
3, 400 MHz): δ 8.05 (s, 1H), 7.69 (s, 1H), 6.61 (d, J =9.6
Hz, 1H), 6.41 (m, 1H), 5.83-5.73 (m, 3H), 5.19 (dd, J =17.2, 8.0 Hz, 1H), 4.67
(dd, J =9.6, 4.2 Hz, 1H), 4.36 (dd, J =17.6, 4.0 Hz, 1H), 3.56 (m, 2H), 2.75 (m
, 2H), 2.52 (m, 2H), 2.34 (m, 1H), 1.91 (s, 3H), 1.64 (s, 3H), 0.93 (d, J =6.8 H
z, 3H), 0.75 (d, J =6.8 Hz, 3H).
【0125】
実施例5
2-(((S,E)-3-(((S)-2-(2-アミノ-2-メチルプロパンアミド
)-3-メチルブタノイル)オキシ)-7-クロロヘプタ-4-エンアミド)メチル)チ
アゾール-4-カルボン酸トリフルオロ酢酸塩(化合物XVIII)からの(7S,10
S)-10-((E)-4-クロロブタ-1-エン-1-イル)-7-イソプロピル-4
,4-ジメチル-9-オキサ-16-チア-3,6,13,18-テトラアザビシクロ[
13.2.1]オクタデカ-1(17),15(18)-ジエン-2,5,8,12-テ
トラオン)(化合物XIX)の調製
【0126】
【化41】
tert-ブチル 2-((5S,8S)-5-((E)-4-クロロブタ-1-エン
-1-イル)-8-イソプロピル-11,11,15,15-テトラメチル-3,7,1
0,13-テトラオキソ-6,14-ジオキサ-2,9,12-トリアザヘキサデシル)
チアゾール-4-カルボキシレート(carboxylate)(28g、0.04mol)を、ジ
クロロメタン(300ml)に溶かし、トリフルオロ酢酸(150mL)を加えた。混合
物を室温で20時間撹拌し、次いで、濃縮乾固した。こうして得た粗製の2-(((S,
E)-3-(((S)-2-(2-アミノ-2-メチルプロパンアミド)-3-メチルブ
タノイル)オキシ)-7-クロロヘプタ-4-エンアミド)メチル)チアゾール-4-カ
ルボン酸トリフルオロ酢酸塩を、精製なしに、直接、次のステップ(実施例4)で使用し
た。
【0127】
実施例6
tert-ブチル 2-(((S,E)-3-(((S)-2-アミノ-3-メチルブ
タノイル)オキシ)-7-クロロヘプタ-4-エンアミド)メチル)チアゾール-4-カ
ルボキシレート(carboxylate)(化合物XVII)および2-((tert-ブトキシ
カルボニル)アミノ)-2-メチルプロピオン酸(化合物VII)からのtert-ブチ
ル 2-((5S,8S)-5-((E)-4-クロロブタ-1-エン-1-イル)-8
-イソプロピル-11,11,15,15-テトラメチル-3,7,10,13-テトラ
オキソ-6,14-ジオキサ-2,9,12-トリアザヘキサデシル)チアゾール-4-
カルボキシレート(carboxylate)酸トリフルオロアセテート(化合物XVIII)の合
成
【0128】
【化42】
tert-ブチル 2-(((S,E)-3-(((S)-2-アミノ-3-メチルブ
タノイル)オキシ)-7-クロロヘプタ-4-エンアミド)メチル)チアゾール-4-カ
ルボキシレート(carboxylate)(20.0g、0.045mol)、および、2-((
tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-2-メチルプロピオン酸(8.4g、0.0
10mol)を、ジクロロメタン(200mL)に溶かした。溶液に、10~15℃で、
HATU(17.6g、0.048mol)およびジイソプロピルエチルアミン(12g
、0.096mol)を、順次、加え、撹拌を1時間続けた。次いで、反応混合物に、1
00mLの水を加えた。相分離させ、水性相を、100mLのジクロロメタンで抽出した
。合わせた有機相を、無水硫酸ナトリウムで脱水し、濾過し、濃縮して、26.7g(9
0%)のtert-ブチル 2-((5S,8S)-5-((E)-4-クロロブタ-1
-エン-1-イル)-8-イソプロピル-11,11,15,15-テトラメチル-3,
7,10,13-テトラオキソ-6,14-ジオキサ-2,9,12-トリアザヘキサデ
シル)チアゾール-4-カルボキシレート(carboxylate)酸トリフルオロアセテートを
得て、これを、さらなる精製なしに使用した。
1H NMR: (CDCl
3, 400 MHz): δ 7.99 (s,
1H), 7.34 (bs, 1H), 7.15 (bs, 1H), 6.00 (bs, 1H ), 5.80 (m, 1H), 5.65 (m, 1H),
この領域にプロントが1つ余分、1つのプロントを除外した、4.94 (s, 1H), 4.75 (d, J =
6.0 Hz, 2H), 4.23 (t, J =6.7 Hz, 1H), 3.50 (t, J =6.7 Hz, 2H), 2.65 (bs, 2H), 2
.48 (q, J =6.7 Hz, 2H), 2.11 (m, 1H), 1.58 (s, 9H), 1.48-1.39 (m, 15H), 0.94 (d,
J =6.8 Hz, 3H), 0.89 (d, J =6.8 Hz, 3H).
【0129】
実施例7
tert-ブチル 2-((5S,8S)-5-((E)-4-クロロブタ-1-エン
-1-イル)-8-イソプロピル-12,12-ジメチル-3,7,10-トリオキソ-
6,11-ジオキサ-2,9-ジアザトリデシル)チアゾール-4-カルボキシレート(
carboxylate)(化合物XVI)からのtert-ブチル 2-(((S,E)-3-(
((S)-2-アミノ-3-メチルブタノイル)オキシ)-7-クロロヘプタ-4-エン
アミド)メチル)チアゾール-4-カルボキシレート(carboxylate)(化合物XVII
)の調製
【0130】
【化43】
tert-ブチル 2-((5S,8S)-5-((E)-4-クロロブタ-1-エン
-1-イル)-8-イソプロピル-12,12-ジメチル-3,7,10-トリオキソ-
6,11-ジオキサ-2,9-ジアザトリデシル)チアゾール-4-カルボキシレート(
carboxylate)(27.0g、8mmol)の5~10℃のジオキサン(20mL)溶液
に、ジオキサン(20mL)中4MのHClを加えた。混合物を、5~10℃で3時間撹
拌し、冷却した飽和炭酸ナトリウム溶液に、ゆっくりと注ぎ入れた。得られた混合物を、
100mLの酢酸エチルにより2回抽出し、合わせた有機層をブラインで洗浄し、無水硫
酸ナトリウムで脱水し、濃縮して、淡黄色のオイルとして、22.3g(100%)のt
ert-ブチル 2-(((S,E)-3-(((S)-2-アミノ-3-メチルブタノ
イル)オキシ)-7-クロロヘプタ-4-エンアミド)メチル)チアゾール-4-カルボ
キシレート(carboxylate)を得て、これを、さらなる精製なしに、直接、次のステップ
(実施例6)に用いた。
【0131】
実施例8
(S,E)-tert-ブチル 2-((7-クロロ-3-ヒドロキシヘプタ-4-エ
ンアミド)メチル)チアゾール-4-カルボキシレート(carboxylate)(化合物VI-
B)および2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-2-メチルプロピオン酸
(化合物VII)からのtert-ブチル 2-((5S,8S)-5-((E)-4-
クロロブタ-1-エン-1-イル)-8-イソプロピル-12,12-ジメチル-3,7
,10-トリオキソ-6,11-ジオキサ-2,9-ジアザトリデシル)チアゾール-4
-カルボキシレート(carboxylate)(化合物VIII)の調製
【0132】
【化44】
(S,E)-1-((R)-4-ベンジル-2-チオキソチアゾリジン-3-イル)-
7-クロロ-3-ヒドロキシヘプタ-4-エン-1-オン(2.0g、5.4mmol)
のジクロロメタン(20mL)溶液に、(S)-2-((tert-ブトキシカルボニル
)アミノ)-3-メチルブタン酸(1.41g、6.5mmol)、ジシクロヘキシルカ
ルボジイミド(1.34g、6.5mmol)およびジメチルアミノピリジン(66mg
、0.54mmol)を、10~15℃で、3時間で加えた。次いで、反応物を濾過して
、固体を除去し、濾液を水(10mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水し、濃縮し
た。粗生成物を、シリカゲルを使用するカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸
エチル 25/1)によって精製して、黄色の泡状の固体として、1.8g(59%)の
(S)-(S,E)-1-((R)-4-ベンジル-2-チオキソチアゾリジン-3-イ
ル)-7-クロロ-1-オキソヘプタ-4-エン-3-イル 2-((tert-ブトキ
シカルボニル)アミノ)-3-メチルブタノエート(butanoate)を得た。
1H NMR: (CDCl
3, 400 MHz): δ 7.37-7.27 (m, 5H), 5.93-5.83 (m, 2H), 5.62 (dd, J =
15.8, 8.6 Hz, 1H), 5.37 (m, 1H), 5.04 (d, J =9.1 Hz , 1H), 4.19 (dd, J =9.0, 4.5
Hz, 1H), 3.68 (dd, J =17.4, 8.6 Hz, 1H), 3.57 (dd, J =18.8, 4.7 Hz, 1H), 3.54 (
t, J =6.8 Hz, 2H), 3.45 (dd, J =11.5, 7.2 Hz, 1H), 3.21 (dd, J =13.1, 3.5 Hz, 1
H), 3.02 (dd, J =13.0, 10.7 Hz, 1H), 2.89 (d, J =11.6 Hz, 1H), 2.51 (q, J =6.8 H
z, 2H), 2.12 (m, 1H), 1.42 (s, 9H), 0.95 (d, J =6.8 Hz, 3H), 0.85 (d, J =6.9 Hz
, 3H).
【0133】
実施例9
tert-ブチル 2-((5S,8S)-5-((E)-4-クロロブタ-1-エン
-1-イル)-8-イソプロピル-12,12-ジメチル-3,7,10-トリオキソ-
6,11-ジオキサ-2,9-ジアザトリデシル)チアゾール-4-カルボキシレート(
carboxylate)(化合物VIII)およびtert-ブチル 2-(アミノメチル)チア
ゾール-4-カルボキシレート(carboxylate)(化合物XV)からの(S)-(S,E
)-1-((R)-4-ベンジル-2-チオキソチアゾリジン-3-イル)-7-クロロ
-1-オキソヘプタ-4-エン-3-イル 2-((tert-ブトキシカルボニル)ア
ミノ)-3-メチルブタノエート(butanoate)(化合物XVI)の調製
【0134】
【化45】
(S)-(S,E)-1-((R)-4-ベンジル-2-チオキソチアゾリジン-3-
イル)-7-クロロ-1-オキソヘプタ-4-エン-3-イル 2-((tert-ブト
キシカルボニル)アミノ)-3-メチルブタノエート(butanoate)(0.5g、0.8
8mmol)のDMF(5mL)溶液に、tert-ブチル 2-(アミノメチル)チア
ゾール-4-カルボキシレート(carboxylate)塩酸塩(0.19g、0.88mmol
)およびジイシプロピルエチルアミン(340mg、2.64mmol)を加え、得られ
た混合物を、10~15℃で3時間撹拌した。次いで、H
2O(20mL)を加え、得ら
れた混合物を酢酸エチル(50mL)で抽出した。有機相を分離し、無水硫酸ナトリウム
で脱水し、濃縮した。粗生成物を、シリカゲルを使用するカラムクロマトグラフィー(石
油エーテル/酢酸エチル 2/1)によって精製して、泡状の白色固体として、0.40
g(80%)のtert-ブチル 2-((5S,8S)-5-((E)-4-クロロブ
タ-1-エン-1-イル)-8-イソプロピル-12,12-ジメチル-3,7,10-
トリオキソ-6,11-ジオキサ-2,9-ジアザトリデシル)チアゾール-4-カルボ
キシレート(carboxylate)を得た。
1H NMR: (CDCl
3, 400 MHz): δ 7.98 (s, 1H), 7.48
(bs, 1H), 7.13 (bs, 1H), 5.80 (m, 1H), 5.62 (m, 2H), 4.97 (s, 1H), 4.75 (d, J =
5.9 Hz, 2H), 4.24 (t, J =6.7 Hz, 1H), 3.49 (t, J =6.7 Hz, 2H), 2.65 (d, J =4.9 H
z, 2H), 2.47 (q, J =6.7 Hz, 2H), 2.08 (m, 1H) 1.57 (s, 9H), 1.41(s, 9H), 0.92 (
d, J =6.8 Hz, 3H), 0.87 (d, J =6.8 Hz, 3H).
【0135】
実施例10
tert-ブチル 2-(((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)メチル)チア
ゾール-4-カルボキシレート(carboxylate)(化合物XIV)からのtert-ブチ
ル 2-((アミノ)メチル)チアゾール-4-カルボキシレート(carboxylate)(化
合物XV)の調製
【0136】
【化46】
tert-ブチル 2-(((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)メチル)チア
ゾール-4-カルボキシレート(carboxylate)(20.0g、0.064mol)の室
温のジオキサン(160ml)溶液に、120mlのジオキサン中4MのHClを加えた
。室温で終夜撹拌した後、160mlの石油エーテルを加え、得られた析出物を濾過し、
ヘプタンで洗浄し、真空下に乾燥して、15.9g(100%)のtert-ブチル 2
-((アミノ)メチル)チアゾール-4-カルボキシレート(carboxylate)塩酸塩を得
て、これを、さらなる精製なしに使用した。
1H NMR: (CD
3OD, 400 MHz): δ 8.20 (s, 9H
), 4.84 (bs, 1H), 4.13 (s, 2H), 1.61 (s, 9H).
【0137】
実施例11
tert-ブチル ブロモピルベート(bromopyruvate)(化合物XII)、および、
tert-ブチル (2-アミノ-2-チオキソエチル)カルバメート(化合物XIII
)からのtert-ブチル 2-(((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)メチル
)チアゾール-4-カルボキシレート(carboxylate)(化合物XIV)の調製
【0138】
【化47】
28.0g(0.126mol)のエチルブロモピルベート(bromopyruvate)および
25.0g(0.131mol)のtert-ブチル(2-アミノ-2-チオキソエチル
)カルバメートを、イソプロパノール(250ml)中で一緒にした。混合物を16時間
撹拌し、この時点で、28.6gの20%水酸化ナトリウム水溶液を、その後、500m
lのH2Oを加えた。生成物をEA(500ml、250ml)で抽出した。有機層を飽
和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水し、濾過し、乾燥した。シリ
カゲルを使用するフラッシュクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル 85/1
5)により、白色固体として、32g(72%)のtert-ブチル 2-(((ter
t-ブトキシカルボニル)アミノ)メチル)チアゾール-4-カルボキシレート(carbox
ylate)を得た。
1H NMR: (CD
2Cl
2, 400 MHz): δ 7.92 (s, 1H), 5.23 (bs, 1H), 1.37 (
s, 9H), 1.53 (s, 9H)
【0139】
実施例12
(S,E)-1-((R)-4-ベンジル-2-チオキソチアゾリジン-3-イル)-
7-クロロ-3-ヒドロキシヘプタ-4-エン-1-オン(化合物VI-B)、および、
tert-ブチル 2-(アミノメチル)チアゾール-4-カルボキシレート(carboxyl
ate)(化合物XV)からの(S,E)-1-((R)-4-ベンジル-2-チオキソチ
アゾリジン-3-イル)-7-クロロ-3-ヒドロキシヘプタ-4-エン-1-オン(化
合物XI)の調製
【0140】
【化48】
(S,E)-1-((R)-4-ベンジル-2-チオキソチアゾリジン-3-イル)-
7-クロロ-3-ヒドロキシヘプタ-4-エン-1-オン(10.0g、0.027mo
l)のジクロロメタン(80mL)溶液に、tert-ブチル 2-(アミノメチル)チ
アゾール-4-カルボキシレート(carboxylate)(8.0g、0.032mol)を加
えた。次いで、ジイソプロピルエチルアミン(9.0g、0.07mol)を、20~3
0℃の間の温度を保ちながら、滴下添加した。添加後、得られた溶液を、室温で8時間撹
拌し、この時点で、水(80mL)を加えた。層を分離し、水性層を、ジクロロメタン(
40mL)で1回抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで
脱水し、濃縮した。残留物を、酢酸エチル(20mL)に溶かし、沈殿した固体を濾過し
た。母液を濃縮し、残留物を、酢酸エチル(20mL)に溶かし、沈殿した固体を濾過し
た。合わせた固体を、真空下に乾燥して、7.8g(77%)の(S,E)-tert-
ブチル 2-((7-クロロ-3-ヒドロキシヘプタ-4-エンアミド)メチル)チアゾ
ール-4-カルボキシレート(carboxylate)を得た。さらなる1.3gの生成物を、最
終の母液を濃縮し、残留物を、シリカゲルを用いるフラッシュクロマトグラフィー(石油
エーテル/ジクロロメタン 80/20~50/50)によって精製することによって得
た。
1H NMR: (CDCl
3, 400 MHz): δ 7.98 (s, 1H), 7.38 (bt, J =5.7 Hz, 1H), 5.72 (
dt, J =15.6, 5.6 Hz, 1H), 5.61 (dd, J =15,6, 5.8 Hz, 1H), 4.75 (dq, J =15.6, 6.0
Hz, 2H), 4.54 (bs, 1H), 3.93 (s, 1H), 3.50 (t, J =6.8 Hz, 2H), 2.57-2.43 (m, 4H
), 1.57 (s, 9H).
【0141】
実施例13
(S,E)-1-((R)-4-ベンジル-2-チオキソチアゾリジン-3-イル)-
7-クロロ-3-ヒドロキシヘプタ-4-エン-1-オン(化合物XI)および2-((
tert-ブトキシカルボニル)アミノ)酢酸(化合物VII)からの(S)-(S,E
)-1-((R)-4-ベンジル-2-チオキソチアゾリジン-3-イル)-7-クロロ
-1-オキソヘプタ-4-エン-3-イル 2-((tert-ブトキシカルボニル)ア
ミノ)-3-メチルブタノエート(butanoate)(化合物XVI)の調製
【0142】
【化49】
(S,E)-1-((R)-4-ベンジル-2-チオキソチアゾリジン-3-イル)-
7-クロロ-3-ヒドロキシヘプタ-4-エン-1-オン(17.0g、0.045mo
l)、および、(S)-2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-3-メチル
ブタン酸(11.8、0.045mol)をジクロロメタン(250mL)に溶かし、混
合物を、0~5℃に冷却し、ジメチルアミノピリジン(0.55g、4.5mmol)、
および1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(17.3g、
0.054mol)を加えた。反応物を、0~5℃で20時間撹拌し、その時点で、ジク
ロロメタン(100mL)、水(200mL)を加えた。有機層を分離し、水(150m
L)で洗浄した。有機層を、無水硫酸ナトリウムで脱水し、濃縮して、泡状の固体として
、25.8g(100%)の(S)-(S,E)-1-((R)-4-ベンジル-2-チ
オキソチアゾリジン-3-イル)-7-クロロ-1-オキソヘプタ-4-エン-3-イル
2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-3-メチルブタノエート(butano
ate)を得、さらなる精製なしに使用した。
1H NMR: (CD
2Cl
2, 400 MHz): δ 7.98 (s, 1H
), 7.49 (bs, 1H), 7.13 (bs, 1H), 5.78 (m, 1H), 5.65 (m, 1H), 4.98 (s, 1H), 4.75
(d, J=2.8 Hz, 2H), 4.25 (t. J= 6.4Hz, 1H), 3.49 (t, J=6.8 Hz, 2H), 2.65 (d, J=6.
8 Hz, 2H), 2.47 (q, J= 6.4Hz, 4H), 1.57 (s, 9H), 1.41 (s, 9H), 0.92 (d, J= 6.8 H
z, 3H) 0.88 (d, J= 6.8 Hz, 3H).
【0143】
実施例14a
(E)-5-クロロペンタ-2-エナール(化合物IV)および(R)-1-(4-イ
ソプロピル-2-チオキソチアゾリジン-3-イル)エタノン(化合物V-A;表2)か
らの(S,E)-7-クロロ-3-ヒドロキシ-1-((R)-4-イソプロピル-2-
チオキソチアゾリジン-3-イル)ヘプタ-4-エン-1-オン(化合物VI-A-1、
表2)の調製(スキーム3による)
【0144】
【化50】
(R)-1-(4-イソプロピル-2-チオキソチアゾリジン-3-イル)エタノン(
4.0g、19.6mmol)を、ジクロロメタン(150ml)に溶かし、-40℃に
冷却した。TiCl
4(6.0g、31.62mmol)を、反応温度を-40℃未満に
保ちながら、加えた。1時間撹拌した後、ジイソプロピルエチルアミン(4.1g、31
.62mmol)を、反応温度を-40から-50℃の間に保ちながら、滴下添加した。
添加後、混合物を、-40℃で2時間撹拌し、この時点で、反応物を、-78℃に冷却し
、ジクロロメタン(10ml)中の(E)-5-クロロペンタ-2-エナール(2.21
g、18.6mmol)を、反応温度を-65℃未満に保ちながら、ゆっくりと滴下添加
した。添加後、得られた混合物を、-70から-65℃で1時間撹拌し、次いで、飽和塩
化アンモニウム水溶液(100ml)と飽和塩化ナトリウム水溶液(100ml)の混合
物に注ぎ入れた。得られた混合物を、ジクロロメタン(400ml)で2回抽出し、合わ
せた有機層を、飽和塩化ナトリウム水溶液(100mL)で洗浄し、濃縮乾固した。カラ
ムクロマトグラフィーによる精製により、4.8g(80%)の(S,E)-7-クロロ
-3-ヒドロキシ-1-((R)-4-イソプロピル-2-チオキソチアゾリジン-3-
イル)ヘプタ-4-エン-1-オン(化合物VI-A、表2)を得た。
1H NMR: (CDCl
3,
400 MHz): δ 5.76(dt, J =15.6, 6.5 Hz, 1H), 5.66 (dd, J =15.6, 5.6 Hz, 1H), 5.15
(t, J =7.0 Hz, 1H), 4.65 (m, 1H), 3.64 (dd, J =17.6, 3.0 Hz, 1H), 3.56-3.50 (m,
3H), 3.29 (dd, J =17.7, 8.8 Hz, 1H) 3.03 (d, J =11.5 Hz, 1H), 2.90 (bs, 1H), 2
.51 (q, J =6.8 Hz, 2H), 2.36 (m, 1H), 1.06 (d, J =6.8 Hz, 3H), 0.98 (d, J =6.9 H
z, 3H).
【0145】
実施例14b
(E)-5-クロロペンタ-2-エナール(化合物IV)および(R)-1-(4-ベ
ンジル-2-チオキソチアゾリジン-3-イル)エタノン(化合物V-B)からの(S,
E)-1-((R)-4-ベンジル-2-チオキソチアゾリジン-3-イル)-7-クロ
ロ-3-ヒドロキシヘプタ-4-エン-1-オン(化合物VI-B-1;表2)の調製(
スキーム3による)
【0146】
【化51】
(R)-1-(4-ベンジル-2-チオキソチアゾリジン-3-イル)エタノン(36
g、0.143mol)を、ジクロロメタン(1L)に溶かし、-40℃に冷却した。T
iCl
4(29g、0.153mol)を、反応温度を-40℃未満に保ちながら、加え
た。1時間撹拌後、ジイソプロピルエチルアミン(20g、0.153mol)を、反応
温度を-40から-50℃の間に保ちながら、滴下添加した。添加後、混合物を、-40
℃で2時間撹拌し、この時点で、反応物を、-78℃に冷却し、ジクロロメタン(40m
l)中の(E)-5-クロロペンタ-2-エナール(10.0g、0.084mol)を
、反応温度を-65℃未満に保ちながら、ゆっくりと滴下添加した。添加後、得られた混
合物を、-70から-65℃で1時間撹拌し、次いで、飽和塩化アンモニウム水溶液(5
00ml)と飽和塩化ナトリウム水溶液(500ml)の混合物に注ぎ入れた。得られた
混合物を、ジクロロメタン(400ml)で2回抽出し、合わせた有機層を、飽和塩化ナ
トリウム水溶液(500mL)で洗浄し、濃縮乾固した。残留物に、酢酸エチル(50m
L)を加え、その後、石油エーテル(150mL)をゆっくりと加えた。沈殿した固体を
、濾過により回収し、母液を濃縮した。残留物に、酢酸エチル(50mL)を加え、その
後、石油エーテル(150mL)をゆっくりと加えた。沈殿した固体を、濾過により回収
し、最初のロットの回収固体と一緒にし、真空下に乾燥して、22g(71%)の(S,
E)-1-((R)-4-ベンジル-2-チオキソチアゾリジン-3-イル)-7-クロ
ロ-3-ヒドロキシヘプタ-4-エン-1-オン(化合物VI-B-1、表2)を得たが
、これは、2%のわずかなジアステレオマー(R,E)-1-((R)-4-ベンジル-
2-チオキソチアゾリジン-3-イル)-7-クロロ-3-ヒドロキシヘプタ-4-エン
-1-オン(化合物VI-B、表2)を含んでいた。
1H NMR: (CDCl
3, 400 MHz): δ 7.3
8-7.27 (m, 5H), 5.78 (dt, 1H, J =16.1,6.3 Hz, 1H), 5.69 (dd, J =15.5, 5.6 Hz, 1H
), 5.39 (ddd, J = 10.4, 6.9, 3.8Hz, 1H), 4.68 (m, 1H), 3.65 (dd, J =17.7, 2.9 Hz
, 1H), 3.57 (t, J =6.8 Hz, 2H), 3.41(dd, J = 11.5, 7.2Hz, 1H), 3.31 (dd, J =17.
7, 8.9Hz, 1H), 3.23 (dd, J =13.2, 3.9 Hz, 1H), 3.05 (dd, J =13.2, 10.5Hz,1H), 2.
91 (d, J =11.6 Hz, 1H), 2.81 (d, J =4.4 Hz, 1H), 2.54 (q, J =6.7 Hz, 2H).
【0147】
実施例15
4-クロロ-ブタ-1-エン(化合物I)、および、クロトンアルデヒド(化合物II
)からの(E)-5-クロロペンタ-2-エナール(化合物IV)の調製
【0148】
【化52】
4-クロロ-ブタ-1-エン(20.0g、0.22mol)、クロトンアルデヒド(
23g、1.5当量)およびCuI(2.5g、0.06当量)を、ジクロロメタン(4
00mL)中で一緒にし、(1,3-ビス(2,4,6-トリメチルフェニル)-2-イ
ミダゾリジニリデン)ジクロロ(フェニルメチレン)(トリシクロヘキシルホスフィン)
ルテニウム)(グラブス第2世代オレフィンメタセシス触媒)(0.011mol、0.
93g、0.5mol%)を、窒素でパージしながら、一度に加えた。混合物を、撹拌し
ながら、40℃で16時間加熱還流し、この時点で、1HNMRによる反応物の分析は、
65~70%の変換を示した。次いで、反応混合物を冷却し、濾過し、濃縮した。残留物
を、ジクロロメタン(150ml)に溶かし、ジクロロメタンを、真空下に蒸発させて、
未反応出発物質を除去した。これを4回繰り返した。こうして生成された生成物を、いか
なるさらなる精製もなしに、次のアルドール縮合反応に使用した。分析的に純粋な試料は
、シリカゲルを使用するフラッシュクロマトグラフィー(石油エーテル/ジクロロメタン
50/50)により得た。
1H NMR: (CD
2Cl
2, 400 MHz): δ 9.51 (d, J =8.0 Hz, 1H),
6.82 (dt, J =15.6, 6.8 Hz, 1H), 6.16 (ddt, J =15.6, 6.8, 1.6 Hz, 1H), 3.68 (t,
J = 6.4 Hz, 2H), 2.78 (qd, J = 5.2, 1.2 Hz, 2H)
【0149】
実施例16
4-クロロ-ブタ-1-エン(化合物I)および(E)-ブタ-2-エン-1,4-ジ
オール(スキーム1による化合物II)からの(E)-5-クロロペンタ-2-エン-1
-オール(化合物III)の調製
【0150】
【化53】
4-クロロ-ブタ-1-エン(3.4g、0.037mol)、(E)-ブタ-2-エ
ン-1,4-ジオール(5.0g、0.055mol)およびCuI(0.42g、2.
22mol)を、ジクロロメタン(70mL)中で一緒にし、(1,3-ビス(2,4,
6-トリメチルフェニル)-2-イミダゾリジニリデン)ジクロロ(フェニルメチレン)
(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウム)(グラブス第2世代オレフィンメタセシ
ス触媒)(0.185mol、0.157g)を、窒素でパージしながら、一度に加えた
。混合物を、撹拌しながら、40℃で16時間加熱還流し、この時点で、1HNMRによ
る反応物の分析は、82%の変換を示した。次いで、反応混合物を冷却し、濾過し、濃縮
して、粗製の(E)-5-クロロペンタ-2-エン-1-オールを得て、これを、直接、
次の反応に使用した。
1H NMR: (DMSO-d
6, 400 MHz): δ 5.69-5.52 (m, 2H), 4.70 (t, J
=5.4Hz, 1H), 3.91 (m, 2H), 3.64 (t, J = 6.8 Hz, 2H), 2.54 (m, 2H).
【0151】
実施例17
(E)-5-クロロペンタ-2-エン-1-オール(化合物III)からの(E)-5
-クロロペンタ-2-エン-1-アール(化合物IV)の調製
【0152】
【化54】
(E)-5-クロロペンタ-2-エン-1-オール(0.40g、3.33mmol)
のジクロロメタン(5mL)の溶液に、二酸化マンガン(0.87g、10.0mmol
)を加え、得られた混合物を、室温で20時間撹拌した。次いで、混合物を濾過し、濃縮
して、(E)-5-クロロペンタ-2-エン-1-アールを得た(
1HNMRに基づいて
、90%の変換率)。
1H NMR: (CD
2Cl
2, 400 MHz): δ 9.51 (d, J =8.0 Hz, 1H), 6.82
(dt, J =15.6, 6.8 Hz, 1H), 6.16 (ddt, J =15.6, 6.8, 1.6 Hz, 1H), 3.68 (t, J = 6.
4 Hz, 2H), 2.78 (qd, J = 5.2, 1.2 Hz, 2H)
【0153】
実施例18
(5R,8S,11S)-11-((E)-4-クロロブタ-1-エン-1-イル)-
8-イソプロピル-5-メチル-10-オキサ-3,17-ジチア-7,14,19,2
0-テトラアザトリシクロ[14.2.1.12,5]イコサ-1(18),2(20)
,16(19)-トリエン-6,9,13-トリオン(化合物XXIX)からのS-((
E)-4-((5R,8S,11S)-8-イソプロピル-5-メチル-6,9,13-
トリオキソ-10-オキサ-3,17-ジチア-7,14,19,20-テトラアザトリ
シクロ[14.2.1.12,5]イコサ-1(18),2(20),16(19)-ト
リエン-11-イル)ブタ-3-エン-1-イル) オクタンチオエート(thioate)(
ラルガゾール、式(2)の化合物)の調製
【0154】
【化55】
(5R,8S,11S)-11-((E)-4-クロロブタ-1-エン-1-イル)-
8-イソプロピル-5-メチル-10-オキサ-3,17-ジチア-7,14,19,2
0-テトラアザトリシクロ[14.2.1.12,5]イコサ-1(18),2(20)
,16(19)-トリエン-6,9,13-トリオン(化合物XXIX)(0.23g、
0.46mmol)、オクタンチオS-酸(0.44g、2.75mmol)、炭酸カリ
ウム(0.40g、2.90mmol)およびヨウ化カリウム(0.067g、0.41
mmol)を、室温でアセトニトリル(20mL)に溶かした。混合物を、窒素下に、室
温で16時間撹拌した。混合物を濾過し、濃縮し、分取シリカゲルクロマトグラフィー(
ジクロロメタン/メタノール 50/1)によって精製して、白色固体として、0.12
g(42%)のS-((E)-4-((5R,8S,11S)-8-イソプロピル-5-
メチル-6,9,13-トリオキソ-10-オキサ-3,17-ジチア-7,14,19
,20-テトラアザトリシクロ[14.2.1.12,5]イコサ-1(18),2(2
0),16(19)-トリエン-11-イル)ブタ-3-エン-1-イル) オクタンチ
オエート(thioate)を得た。
1H NMR: (CDCl
3, 400 MHz): δ 7.76 (s, 1H), 7.16 (d, J
=9.4 Hz, 1H), 6.43 (d, J =10.4 Hz, 1H), 5.83 (dt, J =15.8, 7.3 Hz, 1H), 5.66 (m
, 1H), 5.51 (dd, J =15.5, 6.9 Hz, 1H), 5.29 (dd, J =17.7, 9.3 Hz, 1H), 4.60 (dd,
J =9.4, 3.3 Hz, 1H), 4.27 (dd, J =17.6, 3.0 Hz, 1H), 4.04 (d, J =11.4 Hz, 1H),
3.28 (d, J =11.4 Hz, 1H), 2.90 (t, J =7.2 Hz, 2H), 2.87 (dd, J =16.4, 10.4 Hz
, 1H), 2.68 (dd, J =16.3, 2.7 Hz, 1H), 2.53 (t, J =7.5 Hz, 1H), 2.31 (q, J =7.0
Hz, 2H), 2.11 (m, 1H), 1.87 (s, 3H), 1.62 (m, 2H), 1.27 (m, 8H), 0.87 (m, 3H), 0
.69 (d, J =6.7 Hz, 3H), 0.51 (d, J =6.8 Hz, 3H).
【0155】
実施例19
(R)-2’-((5S,8S)-5-((E)-4-クロロブタ-1-エン-1-イ
ル)-8-イソプロピル-12,12-ジメチル-3,7,10-トリオキソ-6,11
-ジオキサ-2,9-ジアザトリデシル)-4-メチル-4,5-ジヒドロ-[2,4’
-ビチアゾール]-4-カルボン酸(化合物XXVII)からの(5R,8S,11S)
-11-((E)-4-クロロブタ-1-エン-1-イル)-8-イソプロピル-5-メ
チル-10-オキサ-3,17-ジチア-7,14,19,20-テトラアザトリシクロ
[14.2.1.12,5]イコサ-1(18),2(20),16(19)-トリエン
-6,9,13-トリオン(化合物XXIX)の調製
【0156】
【化56】
(R)-2’-((5S,8S)-5-((E)-4-クロロブタ-1-エン-1-イ
ル)-8-イソプロピル-12,12-ジメチル-3,7,10-トリオキソ-6,11
-ジオキサ-2,9-ジアザトリデシル)-4-メチル-4,5-ジヒドロ-[2,4’
-ビチアゾール]-4-カルボン酸(化合物XXVII)(1.5g、2.4mmol)
を、ジクロロメタン(20ml)に溶かし、トリフルオロ酢酸(2.9g、25.4mm
ol)を、20~25℃で攪拌しながら加えた。得られた混合物を、20~25℃で3時
間撹拌後、トリフルオロ酢酸の追加のアリコート(0.80g、7.0mmol)を加え
、得られた混合物を、さらに3.5時間撹拌し、その時点で、HPLCによって反応が完
了していることを確認した。(R)-2’-(((S,E)-3-(((S)-2-アミ
ノ-3-メチルブタノイル)オキシ)-7-クロロヘプタ-4-エンアミド)メチル)-
4-メチル-4,5-ジヒドロ-[2,4’-ビチアゾール]-4-カルボン酸トリフル
オロ酢酸塩(化合物XXVIII)を含む粗反応混合物に、ジイソプロピルエチルアミン
((4.7g、41.2mmol)を加えた。次いで、得られた混合物を、0~5℃で、
アセトニトリル(50mL)に溶かしたHATU(2.9g、7.63mmol)の予め
作った溶液に、5~6時間かけて、ゆっくりと滴下添加した。添加後、混合物を、0~5
℃で、さらに2時間撹拌し、その時点で、水(100mL)を加えた。層分離後、水性層
を酢酸エチル(50mL)で2回抽出し、合わせた有機層を、ブラインで洗浄し、無水硫
酸ナトリウムで脱水し、濃縮した。シリカゲルによるフラッシュクロマトグラフィー(ジ
クロロメタン/メタノール 40/1)により、(5R,8S,11S)-11-((E
)-4-クロロブタ-1-エン-1-イル)-8-イソプロピル-5-メチル-10-オ
キサ-3,17-ジチア-7,14,19,20-テトラアザトリシクロ[14.2.1
.12,5]イコサ-1(18),2(20),16(19)-トリエン-6,9,13
-トリオン(0.26g)を、白色固体として得た(化合物XXVIIから全体として2
3%)。
1H NMR: (CDCl
3, 400 MHz): δ 7.76 (s, 1H), 7.19 (d, J =7.4 Hz, 1H), 6.49
(d, J =8.6 Hz, 1H), 5.89 (dt, J =15.7, 7.3 Hz, 1H), 5.70 (m, 1H), 5.60 (dd, J =
15.6, 6.5 Hz, 1H), 5.28 (dd, J =17.0, 9.1 Hz, 1H), 4.61 (dd, J =9.0, 3.5 Hz, 1H)
, 4.27 (dd, J =17.5, 2.9 Hz, 1H), 4.04 (d, J =11.2 Hz, 1H), 3.54 (t, J =6.6 Hz
, 2H), 3.28 (d, J =11.3 Hz, 1H), 2.85 (m, 1H), 2.72(dd, J =16.3, 2.7 Hz, 1H), 2
.51 (q, J =6.7 Hz, 2H), 2.10 (m, 1H), 1.86 (s, 3H), 0.70 (d, J =6.9 Hz, 3H), 0.5
3 (d, J =6.8 Hz, 3H).
【0157】
実施例20
tert-ブチル 2-((5S,8S)-5-((E)-4-クロロブタ-1-エン
-1-イル)-8-イソプロピル-12,12-ジメチル-3,7,10-トリオキソ-
6,11-ジオキサ-2,9-ジアザトリデシル)チアゾール-4-カルボキシレート(
carboxylate)(化合物VIII)および(R)-2’-(アミノメチル)-4-メチル
-4,5-ジヒドロ-[2,4’-ビチアゾール]-4-カルボン酸(化合物XXVI)
からの(R)-2’-((5S,8S)-5-((E)-4-クロロブタ-1-エン-1
-イル)-8-イソプロピル-12,12-ジメチル-3,7,10-トリオキソ-6,
11-ジオキサ-2,9-ジアザトリデシル)-4-メチル-4,5-ジヒドロ-[2,
4’-ビチアゾール]-4-カルボン酸(化合物XXVII)の調製
【0158】
【化57】
tert-ブチル 2-((5S,8S)-5-((E)-4-クロロブタ-1-エン
-1-イル)-8-イソプロピル-12,12-ジメチル-3,7,10-トリオキソ-
6,11-ジオキサ-2,9-ジアザトリデシル)チアゾール-4-カルボキシレート(
carboxylate)(化合物VIII)(1.0g、1.8mmol)を、(R)-2’-(
アミノメチル)-4-メチル-4,5-ジヒドロ-[2,4’-ビチアゾール]-4-カ
ルボン酸トリフルオロ酢酸塩(化合物XXVI)(0.51g、2.0mmol)(Xiao
, Q. et al., Journal of Asian Natural Products Research, (2010), 12:11, 940に記
載された方法の改変により調製)およびジイソプロピルエチルアミン(2.5g、0.0
25mmol)の予め作ったジクロロメタン(10mL)溶液に加えた。25℃で16時
間撹拌後、H
2O(20mL)を加え、層を分離した。水性相を、ジクロロメタン(20
mL)で1回抽出し、合わせた有機相を、無水硫酸ナトリウムで脱水し、濾過し、濃縮し
た。フラッシュクロマトグラフィー(ジクロロメタン/MeOH=40:1→10:1)
によって精製して、発泡体として、1.6g(88%)の(R)-2’-((5S,8S
)-5-((E)-4-クロロブタ-1-エン-1-イル)-8-イソプロピル-12,
12-ジメチル-3,7,10-トリオキソ-6,11-ジオキサ-2,9-ジアザトリ
デシル)-4-メチル-4,5-ジヒドロ-[2,4’-ビチアゾール]-4-カルボン
酸を得た。質量分析(m/z):617.9
【0159】
本明細書に引用された、全ての公開された文書(例えば、特許、雑誌論文、書籍)は、それらの全体が参照によって組み込まれる。
なお、本発明には以下に示す実施形態が包含されるものとする。
[1]式(1)の化合物
【化1】
[式中、
X、YおよびZは、独立に、炭素もしくは窒素であるか、またはそれに代えて、Yは直接結合であり、XおよびZは、独立に、炭素、窒素、酸素または硫黄であり;
R
1
およびR
2
は、独立に、H、C
1
~C
10
アルキルおよびC
3
~C
7
シクロアルキルからなる群から選択されるか、または、R
1
およびR
2
は一緒になって、C
3
~C
7
シクロアルキルもしくはC
3
~C
7
ヘテロシクロアルキルを形成し、ここで、前記C
1
~C
10
アルキル、C
3
~C
7
シクロアルキルおよびC
3
~C
7
ヘテロシクロアルキルは、任意選択で、C
1
~C
10
アルキル、C
3
~C
7
シクロアルキル、C
3
~C
7
ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ハロ、ヒドロキシル、-CN、-COOH、-CF
3
、-OCH
2
F、-OCHF
2
、-OC
1
~C
10
アルキル、-O-アリール、-O-ヘテロアリール、-NR
8
R
9
、-NR
8
C(O)R
9
、NR
8
C(O)OR
9
、-NR
8
CO
2
R
9
、および-C(O)NR
8
R
9
からなる群から選択される1つまたは複数の置換基により置換されており;
R
3
およびR
4
は、独立に、H、C
1
~C
10
アルキルおよびC
3
~C
7
シクロアルキルからなる群から選択されるか、または、R
3
およびR
4
は一緒になって、C
3
~C
7
シクロアルキルもしくはC
3
~C
7
ヘテロシクロアルキルを形成し、ここで、前記C
1
~C
10
アルキル、C
3
~C
7
シクロアルキルおよびC
3
~C
7
ヘテロシクロアルキルは、任意選択で、C
1
~C
10
アルキル、C
3
~C
7
シクロアルキル、C
3
~C
7
ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ハロ、ヒドロキシル、-CN、-COOH、-CF
3
、-OCH
2
F、-OCHF
2
、-OC
1
~C
10
アルキル、-O-アリール、-O-ヘテロアリール、-NR
8
R
9
、-NR
8
C(O)R
9
、NR
8
C(O)OR
9
、-NR
8
CO
2
R
9
、および-C(O)NR
8
R
9
からなる群から選択される1つまたは複数の置換基により置換されており;
R
5
およびR
6
は、独立に、H、C
1
~C
10
アルキルおよびC
3
~C
7
シクロアルキルからなる群から選択されるか、または、R
5
およびR
6
は一緒になって、C
3
~C
7
シクロアルキルもしくはC
3
~C
7
ヘテロシクロアルキルを形成し、ここで、前記C
1
~C
10
アルキル、C
3
~C
7
シクロアルキルおよびC
3
~C
7
ヘテロシクロアルキルは、任意選択で、C
1
~C
10
アルキル、C
3
~C
7
シクロアルキル、C
3
~C
7
ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ハロ、ヒドロキシル、-CN、-COOH、-CF
3
、-OCH
2
F、-OCHF
2
、-OC
1
~C
10
アルキル、-O-アリール、-O-ヘテロアリール、-NR
8
R
9
、-NR
8
C(O)R
9
、NR
8
C(O)OR
9
、-NR
8
CO
2
R
9
、および-C(O)NR
8
R
9
からなる群から選択される1つまたは複数の置換基により置換されており;
R
7
は、H、C
1
~C
10
アルキル、C
3
~C
7
シクロアルキルおよびC
3
~C
7
ヘテロシクロアルキルからなる群から独立に選択され、ここで、前記C
1
~C
10
アルキル、C
3
~C
7
シクロアルキルおよびC
3
~C
7
ヘテロシクロアルキルは、任意選択で、C
1
~C
10
アルキル、C
3
~C
7
シクロアルキル、C
3
~C
7
ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ハロ、ヒドロキシル、-CN、-COOH、-CF
3
、-OCH
2
F、-OCHF
2
、-OC
1
~C
10
アルキル、-O-アリール、-O-ヘテロアリール、-NR
8
R
9
、-NR
8
C(O)R
9
、NR
8
C(O)OR
9
、-NR
8
CO
2
R
9
、および-C(O)NR
8
R
9
からなる群から選択される1つまたは複数の置換基により置換されており;
R
8
およびR
9
は、独立に、H、C
1
~C
10
アルキルおよびC
3
~C
7
シクロアルキルからなる群から選択されるか、または、R
8
およびR
9
は一緒になって、C
3
~C
7
シクロアルキルもしくはC
3
~C
7
ヘテロシクロアルキルを形成し、ここで、前記C
1
~C
10
アルキル、C
3
~C
7
シクロアルキルおよびC
3
~C
7
ヘテロシクロアルキルは、任意選択で、C
1
~C
10
アルキル、C
3
~C
7
シクロアルキル、C
3
~C
7
ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ハロ、ヒドロキシル、-CN、-COOH、-CF
3
、-OCH
2
F、-OCHF
2
、-OC
1
~C
10
アルキル、-O-アリール、-O-ヘテロアリール、-NR
10
R
11
、-NR
10
C(O)R
11
、-NR
10
C(O)OR
11
、および-C(O)NR
10
R
11
からなる群から選択される1つまたは複数の置換基により置換されており;
R
10
およびR
11
は、独立に、H、C
1
~C
10
アルキルおよびC
3
~C
7
シクロアルキルからなる群から選択されるか、または、R
10
およびR
11
は一緒になって、C
3
~C
7
シクロアルキルもしくはC
3
~C
7
ヘテロシクロアルキルを形成し;
Lは、SR
12
であり;
R
12
は、H、トリフェニルメチル、C(O)R
13
、CO
2
R
13
、C(O)NR
13
R
14
、C(O)CR
13
R
14
NR
13
R
14
、アミノ酸、P(O)(OR
15
)
2
、およびSR
16
からなる群から独立に選択され;
R
13
およびR
14
は、独立に、H、C
1
~C
10
アルキル、C
3
~C
7
シクロアルキル、C
3
~C
7
ヘテロシクロアルキル、アリールおよびヘテロアリールからなる群から選択されるか、または、R
13
およびR
14
は一緒になって、C
3
~C
7
シクロアルキルもしくはC
3
~C
7
ヘテロシクロアルキルを形成し、ここで、前記C
1
~C
10
アルキル、C
3
~C
7
シクロアルキルおよびC
3
~C
7
ヘテロシクロアルキルは、任意選択で、C
1
~C
10
アルキル、C
3
~C
7
シクロアルキル、C
3
~C
7
ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ハロ、ヒドロキシル、-CN、-COOH、-CF
3
、-OCH
2
F、-OCHF
2
、-OC
1
~C
10
アルキル、-O-アリール、-O-ヘテロアリール、-NR
10
R
11
、および-NR
10
C(O)R
11
からなる群から選択される1つまたは複数の置換基により置換されており、R
10
およびR
11
は、上で定義された通りであり;
R
15
は、tert-ブチル、または-(CH
2
)
2
Si(CH
3
)
3
であり;
R
16
は、C
1
~C
10
アルキル、またはC
3
~C
7
シクロアルキルであり;
nは、2または3である]
または、薬学的に許容されるその塩を調製する方法であって、
アルコール(VI-A)
【化2】
[式中、TDxは、キラル補助基である]
を、カルバメート(VIII-A)
【化3】
[式中、R
18
は、-CH
2
CH
2
Si(CH
3
)
3
、(9H-フルオレン-9-イル)メチルおよびtert-ブチルからなる群から選択され;n、R
5
、R
6
、およびTDxは、上で定義された通りである]
に、アルコール(VI-A)と、保護されたアミノ酸(VII)
【化4】
[式中、R
5
、R
6
およびR
18
は上で定義された通りである]
との反応によって、変換すること、次いで、
カルバメート(VIII-A)と、ヘテロサイクリック化合物(IX)
【化5】
[式中、R
19
は、-CH
2
CH
2
Si(CH
3
)
3
、(9H-フルオレン-9-イル)メチルおよびtert-ブチルからなる群から選択され;n、X、YおよびZは、上で定義された通りである]
とを反応させて、化合物(X-A)
【化6】
[式中、n、R
1
、R
2
、R
5
、R
6
、R
7
、R
18
、R
19
、X、YおよびZは、上で定義された通りである]
を得ること、次いで、
化合物(X-A)からカルバメート保護基を選択的に除去して、アミン(XVII-A)
【化7】
[式中、n、R
1
、R
2
、R
5
、R
6
、R
7
、R
19
、X、YおよびZは、上で定義された通りである]
を得ること、次いで、
化合物(XVII-A)と、保護されたアミノ酸(VII-A)
【化8】
[式中、R
3
、R
4
およびR
18
は、上で定義された通りである]
とを反応させて、アミド(XVIII-A)
【化9】
[式中、n、R
1
からR
7
、R
18
、R
19
、X、YおよびZは、上で定義された通りである]
を得ること、次いで、
アミド(XVIII-A)を、化合物(XIX-A)
【化10】
[式中、n、R
1
からR
7
、X、YおよびZは、上で定義された通りである]
へと脱保護すること、次いで、
化合物(XX-A)
【化11】
[式中、n、R
1
からR
7
、X、YおよびZは、上で定義された通りである]
へと閉環すること、次いで、
(XX-A)とR
12
-SHとを反応させて、式(I)の化合物を得ること、
を含む方法。
[2]
【化12】
が、チアゾールまたはオキサゾールである、[1]に記載の方法。
[3]
【化13】
が、チアゾールである、[1]に記載の方法。
[4]R
5
がHであり、R
6
が、H、イソプロピルおよびメチルからなる群から選択される、[1]に記載の方法。
[5]R
5
がHであり、R
6
がイソプロピルである、[1]に記載の方法。
[6]R
12
が、C(O)C
7
アルキルである、[1]に記載の方法。
[7]R
12
が、C(O)(CH
2
)
6
CH
3
である、[1]に記載の方法。
[8]R
3
およびR
4
がメチルである、[1]に記載の方法。
[9]式(1)の化合物が、
【化14】
である、[1]に記載の方法。
[10]式(1)の化合物が、
【化15】
である、[1]に記載の方法。
[11]R
12
が、C(O)CR
13
R
14
NR
13
R
14
である、[1]に記載の方法。
[12]式(2)の化合物
【化16】
[式中、
X、YおよびZは、独立に、炭素もしくは窒素であるか、またはそれに代えて、Yは直接結合であり、XおよびZは、独立に、炭素、窒素、酸素または硫黄であり;
R
1
およびR
2
は、独立に、H、C
1
~C
10
アルキルおよびC
3
~C
7
シクロアルキルからなる群から選択されるか、または、R
1
およびR
2
は一緒になって、C
3
~C
7
シクロアルキルもしくはC
3
~C
7
ヘテロシクロアルキルを形成し、ここで、前記C
1
~C
10
アルキル、C
3
~C
7
シクロアルキルおよびC
3
~C
7
ヘテロシクロアルキルは、任意選択で、C
1
~C
10
アルキル、C
3
~C
7
シクロアルキル、C
3
~C
7
ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ハロ、ヒドロキシル、-CN、-COOH、-CF
3
、-OCH
2
F、-OCHF
2
、-OC
1
~C
10
アルキル、-O-アリール、-O-ヘテロアリール、-NR
8
R
9
、-NR
8
C(O)R
9
、NR
8
C(O)OR
9
、-NR
8
CO
2
R
9
、および-C(O)NR
8
R
9
からなる群から選択される1つまたは複数の置換基により置換されており;
R
3
は、H、C
1
~C
10
アルキルおよびC
3
~C
7
シクロアルキルからなる群から選択され、ここで、前記C
1
~C
10
アルキルおよびC
3
~C
7
シクロアルキルは、任意選択で、C
1
~C
10
アルキル、C
3
~C
7
シクロアルキル、C
3
~C
7
ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ハロ、ヒドロキシル、-CN、-COOH、-CF
3
、-OCH
2
F、-OCHF
2
、-OC
1
~C
10
アルキル、-O-アリール、-O-ヘテロアリール、-NR
8
R
9
、-NR
8
C(O)R
9
、-NR
8
C(O)OR
9
、-NR
8
CO
2
R
9
、および-C(O)NR
8
R
9
からなる群から選択される1つまたは複数の置換基により置換されており;
R
5
およびR
6
は、独立に、H、C
1
~C
10
アルキルおよびC
3
~C
7
シクロアルキルからなる群から選択されるか、または、R
5
およびR
6
は一緒になって、C
3
~C
7
シクロアルキルもしくはC
3
~C
7
ヘテロシクロアルキルを形成し、ここで、前記C
1
~C
10
アルキル、C
3
~C
7
シクロアルキルおよびC
3
~C
7
ヘテロシクロアルキルは、任意選択で、C
1
~C
10
アルキル、C
3
~C
7
シクロアルキル、C
3
~C
7
ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ハロ、ヒドロキシル、-CN、-COOH、-CF
3
、-OCH
2
F、-OCHF
2
、-OC
1
~C
10
アルキル、-O-アリール、-O-ヘテロアリール、-NR
8
R
9
、-NR
8
C(O)R
9
、-NR
8
C(O)OR
9
、-NR
8
CO
2
R
9
、および-C(O)NR
8
R
9
からなる群から選択される1つまたは複数の置換基により置換されており;
R
7
は、H、C
1
~C
10
アルキル、C
3
~C
7
シクロアルキルおよびC
3
~C
7
ヘテロシクロアルキルからなる群から独立に選択され、ここで、前記C
1
~C
10
アルキル、C
3
~C
7
シクロアルキルおよびC
3
~C
7
ヘテロシクロアルキルは、任意選択で、C
1
~C
10
アルキル、C
3
~C
7
シクロアルキル、C
3
~C
7
ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ハロ、ヒドロキシル、-CN、-COOH、-CF
3
、-OCH
2
F、-OCHF
2
、-OC
1
~C
10
アルキル、-O-アリール、-O-ヘテロアリール、-NR
8
R
9
、-NR
8
C(O)R
9
、NR
8
C(O)OR
9
、-NR
8
CO
2
R
9
、および-C(O)NR
8
R
9
からなる群から選択される1つまたは複数の置換基により置換されており;
R
8
およびR
9
は、独立に、H、C
1
~C
10
アルキルおよびC
3
~C
7
シクロアルキルからなる群から選択されるか、または、R
8
およびR
9
は一緒になって、C
3
~C
7
シクロアルキルもしくはC
3
~C
7
ヘテロシクロアルキルを形成し、ここで、前記C
1
~C
10
アルキル、C
3
~C
7
シクロアルキルおよびC
3
~C
7
ヘテロシクロアルキルは、任意選択で、C
1
~C
10
アルキル、C
3
~C
7
シクロアルキル、C
3
~C
7
ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ハロ、ヒドロキシル、-CN、-COOH、-CF
3
、-OCH
2
F、-OCHF
2
、-OC
1
~C
10
アルキル、-O-アリール、-O-ヘテロアリール、-NR
10
R
11
、-NR
10
C(O)R
11
、-NR
10
C(O)OR
11
、および-C(O)NR
10
R
11
からなる群から選択される1つまたは複数の置換基により置換されており;
R
10
およびR
11
は、独立に、H、C
1
~C
10
アルキルおよびC
3
~C
7
シクロアルキルからなる群から選択されるか、または、R
10
およびR
11
は一緒になって、C
3
~C
7
シクロアルキルもしくはC
3
~C
7
ヘテロシクロアルキルを形成し;
R
13
は、C
1
~C
10
アルキル、C
3
~C
7
シクロアルキル、C
3
~C
7
ヘテロシクロアルキル、アリールおよびヘテロアリールからなる群から選択され、ここで、前記C
1
~C
10
アルキル、C
3
~C
7
シクロアルキルおよびC
3
~C
7
ヘテロシクロアルキルは、任意選択で、C
1
~C
10
アルキル、C
3
~C
7
シクロアルキル、C
3
~C
7
ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ハロ、ヒドロキシル、-CN、-COOH、-CF
3
、-OCH
2
F、-OCHF
2
、-OC
1
~C
10
アルキル、-O-アリール、-O-ヘテロアリール、-NR
10
R
11
、および-NR
10
C(O)R
11
からなる群から選択される1つまたは複数の置換基により置換されており、R
10
およびR
11
は、上で定義された通りである]
または、薬学的に許容されるその塩を調製する方法であって、
カルバメート(VIII)
【化17】
[式中、R
18
は、-CH
2
CH
2
Si(CH
3
)
3
、(9H-フルオレン-9-イル)メチルおよびtert-ブチルからなる群から選択され;TDxは、キラル補助基であり;R
5
およびR
6
は、上で定義された通りである]
と、ヘテロサイクリック化合物(XXVI)
【化18】
[式中、R
1
、R
2
、R
3
、R
7
、X、YおよびZは、上で定義された通りである]
とを反応させて、化合物(XXVII)
【化19】
[式中、R
1
、R
2
、R
3
、R
5
、R
6
、R
7
、R
18
、X、YおよびZは、上で定義された通りである]
を得ること、次いで、
化合物(XXVII)からカルバメート保護基を除去して、アミン(XXVIII)
【化20】
[式中、R
1
、R
2
、R
3
、R
5
、R
6
、R
7
、X、YおよびZは、上で定義された通りである]
を得ること、次いで、
閉環して、アミド(XXIX)
【化21】
[式中、R
1
、R
2
、R
3
、R
5
、R
6
、R
7
、X、YおよびZは、上で定義された通りである]
を得ること、次いで、
(XXIX)と、R
13
-SH(XXI)
【化22】
[式中、R
13
は、上で定義された通りである]
とを反応させて、式(2)の化合物を得ること、
を含む方法。
[13]
【化23】
が、チアゾールである、[12]に記載の方法。
[14]R
5
がHであり、R
6
がイソプロピルである、[12]に記載の方法。
[15]R
13
が、-(CH
2
)
6
CH
3
である、[12]に記載の方法。
[16]R
1
およびR
2
がHである、[12]に記載の方法。
[17]式(2)の化合物が、
【化24】
である、[12]に記載の方法。