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特許7033775センサ付きバルブ並びにこれを用いた監視システムおよび流体供給装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-03
(45)【発行日】2022-03-11
(54)【発明の名称】センサ付きバルブ並びにこれを用いた監視システムおよび流体供給装置
(51)【国際特許分類】
   F16K 37/00 20060101AFI20220304BHJP
   F16K 25/00 20060101ALI20220304BHJP
   F16K 5/06 20060101ALI20220304BHJP
   F16J 15/3296 20160101ALI20220304BHJP
【FI】
F16K37/00 M
F16K25/00
F16K37/00 F
F16K5/06 C
F16J15/3296
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2017192140
(22)【出願日】2017-09-29
(65)【公開番号】P2019065971
(43)【公開日】2019-04-25
【審査請求日】2020-09-23
(73)【特許権者】
【識別番号】390033857
【氏名又は名称】株式会社フジキン
(74)【代理人】
【識別番号】100106091
【弁理士】
【氏名又は名称】松村 直都
(74)【代理人】
【識別番号】100079038
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邉 彰
(74)【代理人】
【識別番号】100060874
【氏名又は名称】岸本 瑛之助
(72)【発明者】
【氏名】八幡 聡太
(72)【発明者】
【氏名】下村 嘉徳
(72)【発明者】
【氏名】薬師神 忠幸
(72)【発明者】
【氏名】石橋 圭介
(72)【発明者】
【氏名】小原 俊治
(72)【発明者】
【氏名】小林 圭吾
【審査官】加藤 昌人
(56)【参考文献】
【文献】韓国登録特許第10-1765881(KR,B1)
【文献】特開平09-105466(JP,A)
【文献】特開平03-079900(JP,A)
【文献】特開昭57-171167(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16K 37/00
F16K 25/00
F16K 5/00-5/22
F16J 15/00- 15/32
F16J 15/324-15/3296
F16J 15/46- 15/53
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体の入口流路および出口流路を連結する連通部を有するバルブボディと、
貫通孔を有し前記バルブボディの前記連通部に基準軸回りに回転可能に配設された弁体と、
周壁に所要の開口部が設けられた略円筒状をなし前記弁体と密接するように配設された弁座とを備えており、弁体を基準軸回りに回転させることで前記入口流路と前記出口流路との連通と遮断を行うボールバルブであって、
前記弁体に向けて前記弁座を直接または間接に押圧する付勢部材と該付勢部材を受け止める受け部材との間に配置されたセンサを有し、
前記付勢部材は、前記弁体と接触する前記弁座の面と反対側の弁座の面全体を均等に押圧することを特徴とするセンサ付きボールバルブ。
【請求項2】
前記センサが、ひずみゲージまたは圧力センサである請求項1に記載のセンサ付きボールバルブ。
【請求項3】
請求項1または2に記載のセンサ付きボールバルブと監視装置とを有する流体供給設備の前記センサ付きボールバルブからの流体の漏れを予測する監視システムであって、
前記監視装置は、
前記センサからの信号を受信する受信部と、
前記受信部から出力された信号を所定の値と比較し、前記弁体と前記弁座との面圧の適正度を判定する判定部と、
を有する監視システム。
【請求項4】
前記面圧の適正度が不合格である場合、警告を行うことを特徴とする請求項3に記載の監視システム。
【請求項5】
請求項4の監視システムを有する流体供給装置であって、警告を行うと共に、請求項1または2に記載のボールバルブを含む流路に設けられたバルブの閉止または開放を行う流体供給装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、センサが搭載されたバルブ並びにこれを用いた監視システムおよび流体供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ボール弁等のバルブは、流体の流れを制御するための機器として、製造装置、プラント装置、検査装置等の数多くの製品分野に利用されている。
【0003】
例えば、ボール弁は、流体の入口流路、出口流路およびこれらの流路間に設けられた連通部を有するバルブボディと、貫通孔を有しバルブボディの連通部に基準軸回りに回転可能に配設されたボールと、周壁に所要の開口部が設けられた略円筒状をなし前記ボールと密接するように配設された弁座とを備えており、ボールを基準軸回りに回転させることで流体の入口流路と出口流路との連通と遮断を行う機能を有している。
【0004】
例えば、特許文献1の図1に記載のボール弁では、流体がバルブボディから漏出するのを防止するために、弁座を保持するリテーナをボールに向けて付勢し、弁座との間に所定の面圧を発生させている。
【0005】
この付勢力の管理は、例えば締め付けトルクを管理することによって行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2015-140854号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に記載の発明等の基本構造を有するボール弁は、締め付けトルクの管理を行って、ボールとボールシート(弁座)との間の密着性が確保される。
【0008】
密着性の確保は、組み立て時の締め付けトルクに依っているので、締め付け時の荷重のバラツキが発生する。また、弁座は一般に樹脂製であるので、経時的な変形により密着性のバラツキはさらに大きくなる。
【0009】
密着性が維持されているかどうかを、数多くのバルブに対して一点ずつ行うことは、労力を要するとともに、確認漏れが発生する可能性がある。
【0010】
この発明の目的は、センサをボール弁等のバルブに搭載することによって、シール性確保のための実際の面圧を、組み立て時のみならず、組み立て後においてもモニターすることができるバルブを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明(1)は、流体の入口流路および出口流路を連結する連通部を有するバルブボディと、貫通孔を有し前記バルブボディの前記連通部に基準軸回りに回転可能に配設された弁体と、周壁に所要の開口部が設けられた略円筒状をなし前記弁体と密接するように配設された弁座とを備えており、弁体を基準軸回りに回転させることで前記入口流路と前記出口流路との連通と遮断を行うバルブであって、前記弁体に向けて前記弁座を押圧する付勢部材と該付勢部材を受け止める受け部材との間に配置されたセンサを有するセンサ付きバルブである。
【0012】
前記弁体に向けて前記弁座を押圧する付勢部材と該付勢部材を受け止める受け部材との間に配置されたセンサによって、適正な面圧が弁体と弁座との間に加わっているかを、組み立て時のみならず、組み立て後においても常時監視することができる。
【0013】
また、センサが間に配置される付勢部材と受け部材は、金属製であることが好ましい。金属製であることで、センサが接触する付勢部材に陥入することがないため、面圧の計測がより正確となる。
【0014】
本発明(2)は、前記センサが、ひずみゲージまたは圧力センサである本発明(1)に記載のセンサ付きボール弁である。
【0015】
弁体と弁座との間に加わっている面圧は、弁座を押圧する2つの付勢部材の間に配置されたセンサによってひずみを計測すればよく、ひずみゲージまたは圧力センサを使ってひずみの測定をすることができる。
【0016】
本発明(3)は、本発明(1)または(2)に記載のセンサ付きバルブと監視装置とを有する流体供給設備の前記センサ付きバルブからの流体の漏れを予測する監視システムであって、前記監視装置は、前記センサからの信号を受信する受信部と、前記受信部から出力された信号を所定の値と比較し、前記弁体と前記弁座との面圧の適正度を判定する判定部と、を有する監視システムである。
【0017】
ボール弁に備えられたセンサからの信号を監視装置の受信部が受信し、弁体と弁座間の面圧が適正か否かを容易に判別することができる。センサからの信号により面圧が低下傾向にあることが検知されれば、流体の漏れが発生する前に、流体の漏れを予知することが可能となる。
【0018】
判別された判定結果を別途設けられた記憶部に記憶させることもでき、設備やプラント全体のボール弁と照合することによって容易に抜けなく点検することができる。
【0019】
本発明(4)は、前記面圧の適正度が不合格である場合、警告を行うことを特徴とする本発明(3)に記載の監視システムである。
【0020】
自動で警告を行うシステムによって、設備やプラント全体を監視しているオペレータの負担を軽減することができる。
【0021】
警告は、センサ付きバルブに各バルブを識別するための電子タグ、例えばRFIDなどを付着しておき、センサと電子タグからの信号を対として監視装置に送ることによって可能となる。
【0022】
具体的警告手段としては、監視装置に備えられた表示部に表示させる方法、監視装置に備えられたスピーカからの音声による警告、その他、インターネット回線を介して集中管理室にこれらの情報を送り込むことによって、集中管理室内の表示盤やスピーカによる警告等がある。
【0023】
本発明(5)は、本発明(4)の監視システムを有する流体供給装置であって、警告を行うと共に前記ボール弁を含む流路に設けられたバルブの閉止または開放を行う流体供給装置である。
【0024】
警告を受けたオペレータは、警告に対応するため種々の対応が必要となるが、通常は夜間等にも対応しなければならず、常時待機が必要となる。
【0025】
本発明(5)によると、安全措置を講ずるため緊急で行うことが必要な当該ボール弁を含む流路に設けられたバルブの閉止または開放を自動で行うことができるので、オペレータの常時の待機は不要となり、夜間等にも無人連続運転が可能となる。
【発明の効果】
【0026】
この発明のセンサ付きボール弁によると、シール性確保のための実際の面圧を、組み立て時のみならず、組み立て後においてもモニターすることができるボール弁を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1図1は、この発明によるセンサ付きボール弁の実施例1を示す。
図2図2は、この発明によるセンサ付きボール弁の実施例2を示す。
図3図3は、この発明によるセンサ付きボール弁の実施例3を示す。
図4図4は、この発明によるセンサ付きボール弁の実施例4を示す。
図5図5は、実施例1のセンサ付きボール弁を有する監視システムを示す。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、図面を参照して、本発明の好適な実施例を例示的に詳しく説明する。但し、この実施例に記載されている構成部品の材質、形状、その相対的配置等は特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例に過ぎない。また、便宜的に図面上での方向によって部材等の方向を上下左右と指称することがあるが、これらは本発明の実施あるいは使用の際の部材等の方向を限定するものではない。
【0029】
図1に示すように、実施例1によるセンサ付きボール弁1は、トラニオン型であって、流体の入口流路21、出口流路22およびこれらの流路間に設けられた連通部24を有するバルブボディ2と、貫通孔31を有し前記バルブボディ2の前記連通部24に基準軸回りに回転可能に配設された弁体3と、周壁に所要の開口部が設けられた略円筒状をなし前記弁体3と密接するように配設された左右の弁座5とを備えており、弁体3を基準軸回りに回転させることで入口流路21と出口流路22との連通と遮断を行うボール弁1であって、前記流体の流れ方向で、前記弁体3に向かって前記弁座5を押圧する付勢部材(スプリング8)と該スプリング8の付勢力を受け止める受け部材(リテーナ6)を有し、リテーナ6とスプリング8との間に配置されたセンサ100を有するセンサ付きボール弁1である。
【0030】
弁体3内部には、貫通孔31以外に、上下の端壁に向かう空間32が形成されているが、これは、全開、全閉状態以外の中間状態には流体がバルブボディ2側に流れ込み、全開、全閉状態においてもかみこんだままで異音の原因になるので、バルブボディ2側に流れ込んだ流体をバルブの内側に戻すためのものである。
【0031】
弁座5は、合成樹脂材料から形成されており、より具体的には、PTFEポリテトラフルオロエチレン、PFAテトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、PEEKポリエーテルエーテルケトン、超高分子量ポリエチレン等から形成されることが好ましい。
【0032】
弁体3には一体に形成されたステム4と、ステム4の上端部に設けられたハンドル7とを備えており、ステム4とハンドル7とは、止めネジ72によって固定されている。
【0033】
ステム4はハンドル7と弁体3とを連結しており、ハンドル7を基準軸回りに回すことにより、弁体3を回すことができる。
【0034】
左右の弁座5はそれぞれリテーナ6によって把持されている。
【0035】
リテーナ6は、円筒部分とフランジ部分とからなり、円筒部分の内部は流体流路となり、フランジ部分には、弁座5と弁体3が接触する部分以外を把持する把持部が形成されている。
【0036】
把持部の背後からスプリング8によって、左右の弁座5は弁体3に向けて付勢されている。
【0037】
センサ100の形状はチップ状、リング状等特に制限はなく、センサ100の数量も1個でもよく、図1に図示する通り複数個でもよい。このセンサ100により、リテーナ6とスプリング8の間にかかる面圧を測定することによって、弁体3と弁座5の間の面圧を知ることができる。
【0038】
センサ100を配置・埋め込む方法は、金属製部材に凹所を設け、その中にセンサを設置して接着剤等を用いて埋め込む方法、凹所にセンサを圧入嵌合する方法、ロウ付けによる方法、粉末冶金焼結による方法などの種々の方法によっておこなうことができるが、それらに限定されることはない。
【0039】
エンドスクリュー10Aの先端凹部には、リテーナ6をガイドするシートキャリアガイド52が配置され、シール性を確保するためのバックアップリング50とOリング51が備えられ、エンドスクリュー10の先端外周には、バルブボディ2とのシール性確保のためのエンドスクリューシール10aが配設されている。
【0040】
バルブボディ2の上部には、ステム4が貫通する円筒状の筒状部23が形成されており、筒状部23の外周におねじが形成され、このおねじに、ボールバルブ1をパネル等(図示せず)に固定するためのパネルナット12がはめ合わされている。
【0041】
ステム4には、ステム軸方向の流体の漏出を防止するためのバックアップリング50とOリング51が配設されている。
【0042】
筒状部23の上面には、開閉状態を規定するためのストップピン73が圧入されており、そのストップピン73をガイドする溝(符号なし)がハンドル7の下面に形成されている。
【0043】
図2は、センサ100を有するボール弁1の実施例2を示す。実施例1と同一箇所は説明を省略する。
【0044】
センサ100は、付勢部材(スプリング8)の弁体3から遠い側の端部と、スプリング8の付勢力を受け止め、入口流路および出口流路と連通する受け部材(エンドスクリュー10B)の間に配置される。
【0045】
図3は、この発明によるセンサ付きボール弁の実施例3を示すものであり、このボール弁1は、フローティング型ボール弁と呼ばれるものである。
【0046】
弁体3は、バルブボディ2の連通部24内に納められ、貫通孔31を有する球形であり、上部にステム4が一体に形成されている。
【0047】
弁座5が、サポートリングリテーナ62に嵌められ、弁体3と当接しており、この弁座5を付勢部材である(スプリング8(皿ばね))が付勢している。
【0048】
バルブボディ2は、左右から受け部材(フランジ9)に挟持され、この左右の2つのフランジ9は、ボルト91およびナット41によって締結されている。センサ100は、スプリング8とフランジ9との間に配置されている。
【0049】
左側のフランジ9の内部には流入流路21が形成され、右側のフランジ9の内部には流出流路22が形成されており、それぞれの流路は、開状態のときに貫通孔31と連通する。
【0050】
左右のフランジ9の弁体3から遠い側の端部には管継手のための外周におねじが切られた突出部(符号なし)が形成され、このおねじとねじ合わせられる袋ナット49が、内部にフロントリング47およびバックリング48が備えられている。
【0051】
ステム4の下部には軸の周囲にバルブボディ2との摺動をスムースにするためのステムベアリング44が配置され、上部に流体の漏出防止のためのボトムパッキン46とトップパッキン45が配置され、トップパッキン45の上部にパッキンサポート63が配置されている。
【0052】
パッキンサポート63の上部にグランドパッキン14が備えられ、その上部にはステムスプリング81が配置され、ステムスプリング81を押圧するステム4の上端部に形成されたおねじとねじ合わせられるナット41が螺合している。
【0053】
ボール弁1の上部には、バルブの弁の開閉を規定し、ハンドル7と当接するストッププレート71が固定されている。
【0054】
図4は、センサ100を有するボール弁1の実施例4を示す。ボール弁1は、入口流路21、出口流路22およびこれらの流路21、22間に設けられた連通部24を有するバルブボディ2と、連通部24と連通する貫通孔31を有するとともにバルブボディ2の連通部24に基準軸上下方向の軸回りに回転可能に配設された弁体3と、周壁に所要の開口部が設けられた略円筒状をなし弁体3とバルブボディ2との間に密に配設された弁座5と、弁体3と一体に形成されたステム4と、ステム4の上端部に設けられたハンドル7と、弁座5に設けられたに嵌め入れられたリテーナ6とを備えている。
【0055】
ステム4はハンドル7と弁体3とを連結しており、ハンドル7を基準軸回りに回転させることにより、弁体3を回転することができる。尚、実際は、リテーナ6は弁座5の左側の開口部にも嵌め入れられているが、図4においては説明の便宜上図示を省略している。
【0056】
バルブボディ2、弁体3、ステム4およびリテーナ6はステンレス鋼のような金属材料から形成される。
【0057】
ステム4とバルブボディ2との間には、樹脂製のグランドパッキン14が2か所で保持されている。上側のグランドパッキン14は、ワッシャ43、ハンドル7下方の座金42、ハンドル7上方の座金17を介して、ナット41の締め付けによって上方から押圧されている。
【0058】
センサ100は、バルブボディ2の両端部に形成されためねじと螺合し、リテーナ6を押圧するおねじを有する付勢部材(エンドスクリュー10C)と該エンドスクリュー10Cの付勢力を受け止める受け部材(リテーナ6)の背面(弁体3から離れた側)との間に介在している。
【0059】
図5は、実施例1のセンサ付きボール弁1と監視装置110を有する監視システムを模式的に示したものである。
【0060】
設備やプラントに備え付けられる数多くのボール弁1のうちの1つを図示しているが、図示したボール弁1には、その識別番号が書き込まれた電子タグの一つであるRFID119 が取り付けられている。但し、このようなRFID119を取り付けずとも、センサ100に識別番号を予め入力させておくことも可能である。
【0061】
このRFID119は電池を内蔵したアクティブタイプでもよく、電池を内蔵していないパッシブタイプでも良い。RFID119がパッシブタイプの場合は、監視装置110から電波でRFID119に電源供給を行ってRFID119の電力とすることができる。
【0062】
RFID119から無線で監視装置110に向けてボール弁1の識別番号が送られ、その識別番号は受信部112の受信アンテナ111で受信され、判定部113に一旦格納される。
【0063】
次に、センサ付きボール弁1のセンサ100からの信号が信号線(符号なし)を経由して監視装置110の受信部112に入って、判定部113に送られる。無線による信号伝達方法以外に、有線により信号を伝達してもよい。
【0064】
判定部113では、センサ付きボール弁1からの信号が、合格信号なのか不合格信号なのか判定し、その判定結果と識別番号は対になって記憶部114に保存される。判定結果は、不合格のデータのみを記憶部に送ればよいが、合格データを記憶部に送ることによって、面圧が低下してきている傾向を探知することができる。
【0065】
この対となった情報は、監視装置110の表示部(図示せず)に表示させて確認することができる。
【0066】
さらに、監視システムは、この対となった情報を発信部115に送り、発信アンテナ116からインターネットネットワーク117に電波発信して、集中管理サーバ118に送ることができる。
【0067】
集中管理サーバ118は、設備やプラントの全継手の識別管理が行われており、点検漏れや締め付けが適切でない継手を即座に発見して、警告を発することができる。
【符号の説明】
【0068】
1 ;ボール弁
2 ;バルブボディ
3 ; 弁体
4 ;ステム
5 ;弁座
6 ;リテーナ(受け部材)
7 ;ハンドル
8 ;スプリング(付勢部材)
9 ;フランジ(受け部材)
10A;エンドスクリュー
10B;エンドスクリュー(受け部材)
10C;エンドスクリュー(付勢部材)
10a;エンドスクリューシール
12;パネルナット
14;グランドパッキン
17;座金
21;入口流路
22;出口流路
23;筒状部
24;連通部
31;貫通孔
32;上下の端壁に向かう空間
41;ナット
42;座金
43;ワッシャ
44;ステムベアリング
45;トップパッキン
46;ボトムパッキン
47;フロントリング
48;バックリング
49;袋ナット
50;バックアップリング
51;Oリング
52;シートキャリアガイド
62;サポートリングリテーナ
63;パッキンサポート
71;ストッププレート
72;止めネジ
73;ストップピン
81;ステムスプリング
91;ボルト
100;センサ
110;監視装置
111;受信アンテナ
112;受信部
113;判定部
114;記憶部
115;発信部
116;発信アンテナ
117;インターネットネットワーク
118;集中管理サーバ
119;RFID
図1
図2
図3
図4
図5