(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-03
(45)【発行日】2022-03-11
(54)【発明の名称】スイッチ機構
(51)【国際特許分類】
H01H 25/06 20060101AFI20220304BHJP
【FI】
H01H25/06 A
(21)【出願番号】P 2018115336
(22)【出願日】2018-06-18
【審査請求日】2021-01-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000215833
【氏名又は名称】帝国通信工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100094226
【氏名又は名称】高木 裕
(74)【代理人】
【識別番号】100087066
【氏名又は名称】熊谷 隆
(72)【発明者】
【氏名】末田 和弘
【審査官】太田 義典
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-042331(JP,A)
【文献】特開2003-173725(JP,A)
【文献】特開2000-195382(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 25/00-25/06
H01H 13/00-13/88
H01H 23/00-23/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
揺動中心軸を中心に揺動する揺動体と、前記揺動体の揺動によってオンオフ操作される揺動スイッチ部と、を具備する揺動スイッチと、
前記揺動体に上下動自在に取り付けられる押圧体と、前記押圧体の上下動によってオンオフ操作される押圧スイッチ部と、を具備する押圧スイッチと、を有し、
前記押圧体を揺動することで前記揺動体を揺動させて前記揺動スイッチ部をオンオフ操作させる構造とし、これによって、前記押圧スイッチの押圧体で前記揺動スイッチと押圧スイッチの両方をそれぞれ動作させる
スイッチ機構であって、
前記押圧スイッチの押圧体は、つまみと、当該つまみの下部から突出するつまみ本体部とを有すると共に、上下動及び揺動自在に保持され、
前記揺動スイッチの揺動体には、前記押圧スイッチのつまみ本体部を収納するつまみ本体部収納部を形成し、
前記つまみを揺動させることで、前記つまみ本体部の側面が前記つまみ本体部収納部の内側壁を押圧した上で、さらに前記つまみの下面が前記揺動体の上面を押圧することで前記揺動スイッチを動作させる構造としたことを特徴とするスイッチ機構。
【請求項2】
揺動中心軸を中心に揺動する揺動体と、前記揺動体の揺動によってオンオフ操作される揺動スイッチ部と、を具備する揺動スイッチと、
前記揺動体に上下動自在に取り付けられる押圧体と、前記押圧体の上下動によってオンオフ操作される押圧スイッチ部と、を具備する押圧スイッチと、を有し、
前記押圧体を揺動することで前記揺動体を揺動させて前記揺動スイッチ部をオンオフ操作させる構造とし、これによって、前記押圧スイッチの押圧体で前記揺動スイッチと押圧スイッチの両方をそれぞれ動作させるスイッチ機構であって、
前記押圧スイッチの押圧体は、つまみと、当該つまみの下部から突出するつまみ本体部とを有すると共に、上下動及び揺動自在に保持され、
前記揺動スイッチの揺動体には、前記押圧スイッチのつまみ及びつまみ本体部をそれぞれ収納するつまみ収納部及びつまみ本体部収納部を形成し、
前記つまみを揺動させることで、前記つまみ本体部の側面が前記つまみ本体部収納部の内側壁を押圧した上で、さらに前記つまみの下面が前記つまみ収納部の上面を押圧することで前記揺動スイッチを動作させる構造としたことを特徴とするスイッチ機構。
【請求項3】
請求項1または2に記載のスイッチ機構であって、
前記押圧体のつまみ本体部の側面は、前記揺動体のつまみ本体部収納部の内側壁に、上下方向に向かって線接触していることを特徴とするスイッチ機構。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、揺動スイッチの機能と押圧スイッチの機能を併せ持ったスイッチ機構に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、デジタルカメラやテレビなどの表示画面において、使用したい項目への切り替え・選択を行うために揺動スイッチ(シーソースイッチ)を使用し、選択された項目を決定するために押圧スイッチを使用することなどが行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記揺動スイッチと押圧スイッチとを個別に設置すると、両者を設置するためのスペースが広くなり、その分、機器の小型化が妨げられる虞があった。また、揺動スイッチ用のつまみと、押圧スイッチ用のつまみを個別に操作しなければならないため、操作性が悪くなってしまう虞もあった。
【0005】
本発明は上述の点に鑑みてなされたものでありその目的は、揺動スイッチの機能と押圧スイッチの機能を併せ持ったスイッチ機構であって、小型化を図ることができると同時に、操作性を向上させることができるスイッチ機構を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、揺動中心軸を中心に揺動する揺動体と、前記揺動体の揺動によってオンオフ操作される揺動スイッチ部と、を具備する揺動スイッチと、前記揺動体に上下動自在に取り付けられる押圧体と、前記押圧体の上下動によってオンオフ操作される押圧スイッチ部と、を具備する押圧スイッチと、を有し、前記押圧体を揺動することで前記揺動体を揺動させて前記揺動スイッチ部をオンオフ操作させる構造とし、これによって、前記押圧スイッチの押圧体で前記揺動スイッチと押圧スイッチの両方をそれぞれ動作させるスイッチ機構であって、前記押圧スイッチの押圧体は、つまみと、当該つまみの下部から突出するつまみ本体部とを有すると共に、上下動及び揺動自在に保持され、前記揺動スイッチの揺動体には、前記押圧スイッチのつまみ本体部を収納するつまみ本体部収納部を形成し、前記つまみを揺動させることで、前記つまみ本体部の側面が前記つまみ本体部収納部の内側壁を押圧した上で、さらに前記つまみの下面が前記揺動体の上面を押圧することで前記揺動スイッチを動作させる構造としたことを特徴としている。
本発明によれば、押圧スイッチの押圧体を、揺動スイッチの揺動体に上下動自在に取り付ける構成なので、両スイッチを一体化でき、揺動スイッチの機能と押圧スイッチの機能を併せ持ったスイッチ機構の小型化を図ることができる。
また、押圧スイッチの押圧体によって、揺動スイッチと押圧スイッチの両者を操作する構成なので、両スイッチの操作性を向上させることもできる。
【0008】
また本発明によれば、押圧体のつまみ本体部の側面が揺動体のつまみ本体部収納部の内側壁を押圧するだけでなく、さらにつまみの下面が揺動体の上面を押圧することで揺動スイッチを動作させる構造なので、押圧体による揺動体の揺動操作を更に容易且つ確実に行うことができる。
【0009】
また本発明は、揺動中心軸を中心に揺動する揺動体と、前記揺動体の揺動によってオンオフ操作される揺動スイッチ部と、を具備する揺動スイッチと、前記揺動体に上下動自在に取り付けられる押圧体と、前記押圧体の上下動によってオンオフ操作される押圧スイッチ部と、を具備する押圧スイッチと、を有し、前記押圧体を揺動することで前記揺動体を揺動させて前記揺動スイッチ部をオンオフ操作させる構造とし、これによって、前記押圧スイッチの押圧体で前記揺動スイッチと押圧スイッチの両方をそれぞれ動作させるスイッチ機構であって、前記押圧スイッチの押圧体は、つまみと、当該つまみの下部から突出するつまみ本体部とを有すると共に、上下動及び揺動自在に保持され、前記揺動スイッチの揺動体には、前記押圧スイッチのつまみ及びつまみ本体部をそれぞれ収納するつまみ収納部及びつまみ本体部収納部を形成し、前記つまみを揺動させることで、前記つまみ本体部の側面が前記つまみ本体部収納部の内側壁を押圧した上で、さらに前記つまみの下面が前記つまみ収納部の上面を押圧することで前記揺動スイッチを動作させる構造としたことを特徴としている。
本発明によれば、押圧体のつまみ本体部の側面が揺動体のつまみ本体部収納部の内側壁を押圧するだけでなく、さらにつまみの下面がつまみ収納部の上面を押圧することで揺動スイッチを動作させる構造なので、押圧体による揺動体の揺動操作を更に容易且つ確実に行うことができる。
【0010】
また本発明は、上記特徴に加え、前記押圧体のつまみ本体部の側面は、前記揺動体のつまみ本体部収納部の内側壁に、上下方向に向かって線接触していることを特徴としている。
本発明によれば、押圧体による揺動体の押圧を線接触によって行うので、押圧箇所がずれたりすることが無くなり、よりスムーズに揺動体の揺動を行わせることができる。同時に、押圧体の上下動も線接触で抵抗が少なく、スムーズに行うことができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、揺動スイッチの機能と押圧スイッチの機能を併せ持ったスイッチ機構の小型化を図ることができる。同時に、このスイッチ機構の操作性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図4】揺動体41と押圧用部材71を下側から見た斜視図である。
【
図8】揺動体41-2と押圧用部材71-2を下側から見た斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して詳細に説明する。
〔第1実施形態〕
図1は、本発明の第1実施形態に係るスイッチ機構1-1の斜視図、
図2は
図1のA-A概略断面図、
図3はスイッチ機構1-1の分解斜視図、
図4は下記する揺動体41と押圧用部材71を下側から見た斜視図である。これらの図に示すように、スイッチ機構1-1は、スイッチ基板10と、スイッチ基板10上に設置される揺動体41と、揺動体41上に設置される押圧用部材71とを具備して構成されている。なお以下の説明において、「上」とは押圧スイッチ部23から下記する押圧体73を見る方向をいい、「下」とはその反対方向をいうものとする(下記する他の実施形態においても同様)。
【0014】
スイッチ基板10は、絶縁性を有する硬質基板11上の中央付近に、1つの押圧スイッチ部23を設置し、またこの押圧スイッチ部23の両側に一対の揺動スイッチ部27,27を設置して構成されている。これら押圧スイッチ部23と揺動スイッチ部27,27は、絶縁基板11の長手方向B(
図1参照)に向けて直線状に配置されている。これら押圧スイッチ部23と揺動スイッチ部27,27は、何れも、硬質基板11上に形成された図示しないスイッチ接点パターン上に、ドーム形状の弾性金属板からなる反転板23a,27a,27aを設置して構成されている。中央の押圧スイッチ部23の短手方向C(
図1参照)両側には、2つずつの上下に貫通する小孔からなる取付孔29が形成されている。
【0015】
揺動体41は、合成樹脂を略矩形状で長尺に一体成形して構成されている。揺動体41の上面は、その長手方向Bに向かって弧状に湾曲する湾曲面となっており、一方その下面は、略平面状に形成されている。揺動体41の中央位置には、凹状のつまみ本体部収納部43が形成されている。
【0016】
つまみ本体部収納部43は、略矩形状の凹部(穴部)であって、下記する押圧体73のつまみ本体部77の外形寸法形状と略同一の内形寸法形状であり、このつまみ本体部77を上下動自在に収納する寸法に形成されている。つまみ本体部収納部43の4つの内側壁の内の、長手方向Bに向かって対向する一対の内側壁には、2本ずつ、上下方向に向かって線状に伸びるガイド突起47が平行に突設されている。つまみ本体部収納部43の底面中央には、上下に貫通する略楕円形状の押圧部貫通孔49が形成されている。また、つまみ本体部収納部43の幅方向Cに向かう両側には、凹状に切り欠いた形状の一対のヒンジ部収納部51が形成されている。揺動体41の左右両側面の中央位置(ヒンジ部収納部51の両外側下部位置)には、幅方向C及び下方向に突出する一対の軸用台部53,53が形成されている。軸用台部53は揺動体41の底面よりも下側まで延びた略板形状であり、その下部の外側面からは外方に向かって軸部55,55が突出している。軸部55は円柱状に形成されている。また揺動体41の底面の長手方向B両端近傍位置には下方向に向かって突出する一対のスイッチ押圧部57,57が形成されている。これらスイッチ押圧部57,57は、前記スイッチ基板10の揺動スイッチ部27,27に対向する位置に設けられている。
【0017】
押圧用部材71は、合成樹脂の一体成形品であり、中央に設けた押圧体73と、押圧体73の下部側のつまみ本体部77の幅方向Cの両側面から突出する一対の薄板状で可撓性のあるヒンジ部79,79と、両ヒンジ部79,79の先端に接続される一対のつまみ取付部81,81とを具備して構成されている。
【0018】
押圧体73は、略四角柱形状であり、その上部がつまみ75、その下部がつまみ本体部77となっている。即ち、つまみ本体部77は前記揺動体41のつまみ本体部収納部43に挿入される部分をいい、つまみ75はつまみ本体部収納部43よりも上方に突出する部分をいう。つまみ本体部77の下面中央には、前記スイッチ基板10の押圧スイッチ部23を押圧するスイッチ押圧部78が突設されている。押圧体73は、両ヒンジ部79,79を撓めたり、ねじったりすることで、つまみ取付部81,81に対して上下動及び揺動自在に保持されている。
【0019】
つまみ取付部81は、略矩形状の取付部本体部83と、取付部本体部83の下面から下方に突出する一対ずつの取付用突部85,85とを具備して構成されている。取付部本体部83の下面中央には、幅方向Cに向かって取付部本体部83を貫通する溝からなる軸受部87が形成されている。この軸受部87は、前記揺動体41の軸部55を回動自在に軸支する寸法形状に形成されている。一方前記各取付用突部85は、前記スイッチ基板10に設けた各取付孔29に対向する位置であって且つ各取付孔29に挿入できる寸法形状に形成されている。
【0020】
スイッチ機構1-1を組み立てるには、スイッチ基板10上に、揺動体41と押圧用部材71とをこの順番で載置する。このとき、押圧用部材71の各軸受部87に、揺動体41の各軸部55を挿入し、同時に押圧体73のつまみ本体部77を揺動体41のつまみ本体部収納部43に挿入して押圧体73のスイッチ押圧部78を揺動体41の押圧部貫通孔49に挿入・貫通し、また押圧用部材71の両ヒンジ部79を揺動体41のヒンジ部収納部51に挿入し、さらに押圧用部材71の各取付用突部85をスイッチ基板10の各取付孔29に挿入する。そして、スイッチ基板10の下面から突出する各取付用突部85の先端を熱カシメすれば、スイッチ機構1-1の組み立てが完了する。なお上記組立手順はその一例であり、他の各種異なる組立手順を用いて組み立てても良いことはいうまでもない。
【0021】
このとき、
図2に示すように、揺動体41の各スイッチ押圧部57,57の下面は、スイッチ基板10の各揺動スイッチ部27,27の上面に当接または接近して位置し、押圧体73のスイッチ押圧部78の下面は、スイッチ基板10の押圧スイッチ部23の上面に当接または接近して位置している。またこのとき、押圧体73のつまみ本体部77の外周側面には、揺動体41のガイド突起47が線状に当接している。
【0022】
以上のようにして構成されたスイッチ機構1-1は、軸部55の中心の揺動中心軸L1(
図1参照)を中心に揺動する揺動体41及び揺動スイッチ部27,27によって揺動スイッチ40が構成され、また、揺動体41に上下動自在に取り付けられる押圧体73及び押圧スイッチ部23によって押圧スイッチ70が構成されている。
【0023】
また、
図2に点線で示すように、このスイッチ機構1-1の上部は外装ケース100で覆われ、外装ケース100に設けた開口部101にスイッチ機構1-1の押圧体73(そのつまみ75の部分)を露出している。
【0024】
そして、このスイッチ機構1-1は、押圧スイッチ70の押圧体73によって、揺動スイッチ40と押圧スイッチ70の両方をそれぞれ動作させる構成となっている。即ち、
図2において、押圧体73のつまみ75の上面を真下方向に押圧すれば、押圧体73は、両ヒンジ部79,79が撓むことで、前記ガイド突起47に摺接しながら真下方向に移動し、そのスイッチ押圧部78がスイッチ基板10の押圧スイッチ部23を押圧してこれをオンする。前記押圧体73への押圧を解除すれば、両ヒンジ部79,79と反転板23aの弾性復帰力によって、反転板23aは元の形状に自動復帰して押圧スイッチ部23がオフすると同時に、押圧体73は上昇して元の位置に戻る。押圧体73の上下動の際、この押圧体73のつまみ本体部77はガイド突起47に上下方向に向かって線状に保持されているので、線接触で抵抗が少なく、その上下動をスムーズに行うことができる。
【0025】
一方、
図2において、押圧体73のつまみ75を揺動方向(
図2の左右方向)に揺動すれば、両ヒンジ部79,79がねじられることで、押圧体73のつまみ本体部77の側面が、揺動体41のつまみ本体部収納部43の内側壁、さらに具体的には当該内側壁に設けた一方側の一対のガイド突起47を押圧し、揺動体41はその揺動中心軸L1を中心に揺動する。これによって、揺動体41の押圧された側のスイッチ押圧部57がこれに対向している揺動スイッチ部27を押圧し、その反転板27aを反転させることでこれをオンする。前記押圧体73の揺動を解除すれば、両ヒンジ部79,79と反転板27aの弾性復帰力によって、反転板27aは元の形状に自動復帰して揺動スイッチ部27がオフすると同時に、押圧体73は揺動して元の垂直位置に戻る。
【0026】
本実施形態によれば、押圧スイッチ70の押圧体73を、揺動スイッチ40に上下動自在に取り付ける構成なので、両スイッチ40,70を一体化でき、揺動スイッチ40の機能と押圧スイッチ70の機能を併せ持ったスイッチ機構1-1の小型化を図ることができる。また、押圧スイッチ70の押圧体73によって、揺動スイッチ40と押圧スイッチ70の両者を操作する構成なので、両スイッチ40,70の操作性を向上させることもできる。また本実施形態によれば、押圧体73のつまみ本体部77の側面が揺動体40のつまみ本体部収納部43の内側壁を押圧して揺動スイッチ40を動作させる構造なので、押圧体73による揺動体41の揺動操作を容易に行わせることができる。さらに本実施形態によれば、押圧体73による揺動体41の押圧を線接触によって行うので、押圧箇所がずれたりすることが無くなり、よりスムーズに揺動体40の揺動を行わせることができると同時に、押圧体73の上下動も線接触で抵抗が少なく、スムーズに行うことができる。
【0027】
〔第2実施形態〕
図5は、本発明の第2実施形態に係るスイッチ機構1-2の斜視図、
図6は
図5のE-E概略断面図、
図7はスイッチ機構1-2の分解斜視図、
図8は揺動体41-2と押圧用部材71-2を下側から見た斜視図である。これらの図に示すスイッチ機構1-2において、前記
図1~
図4に示すスイッチ機構1-1と同一又は相当部分には同一符号を付す(但し、各符号には添え字「-2」を付す)。なお以下で説明する事項以外の事項については、前記
図1~
図4に示す実施形態と同じである。
【0028】
スイッチ機構1-2において、上記スイッチ機構1-1と相違する点は、揺動体41―2に設けたつまみ本体部収納部43-2及びその上部の構造と、押圧体73-2の構造とである。
【0029】
即ち、揺動体41-2においては、つまみ本体部収納部43-2の上部に、つまみ本体部収納部43-2よりも長手方向Bに長さの長い凹部を設けてこれをつまみ収納部44-2としている。つまみ収納部44-2は、略矩形状の凹部であって、揺動体41-2の上面をその幅方向全体にわたって溝状に切り欠く形状に形成されている。つまみ収納部44-2の長手方向Bの長さは、下記する押圧体73-2のつまみ75-2の長手方向Bの長さよりも所定寸法長く形成され、これによってつまみ75-2を収納できる寸法形状としている。つまみ収納部44-2を設けることで、つまみ本体部収納部43-2の深さは、スイッチ機構1-1のつまみ本体部収納部43の深さに比べて浅くなっている。
【0030】
一方、押圧体73-2は、前記スイッチ機構1-1の押圧体73と同様に、つまみ本体部77-2の上部につまみ75-2を設けて構成されているが、その形状は押圧体73と異なっている。即ち、つまみ本体部77-2は、つまみ本体部77と同様に、略矩形状に形成されているが、その高さ方向の寸法は短くなっている。これは、このつまみ本体部77-2を収納する前記揺動体41-2のつまみ本体部収納部43-2の深さが浅くなったことに対応している。一方、つまみ75-2は、つまみ75と相違し、つまみ本体部77-2よりも長手方向Bに長さを長くした略矩形状に形成されている。
【0031】
スイッチ機構1-2の組立方法は、上記スイッチ機構1-1の組立方法と同じである。スイッチ機構1-2においても、
図6に示すように、押圧体73-2のつまみ本体部77-2の外周側面には、揺動体41-2のガイド突起47-2が線状に当接している。またつまみ75-2の下側部分は、揺動体41-2のつまみ収納部44-2内に収納されている。
【0032】
以上のようにして構成されたスイッチ機構1-2において、
図6に示す押圧体73-2のつまみ75-2の上面を真下方向に押圧すれば、押圧体73-2は、両ヒンジ部79-2,79-2が撓むことで、前記ガイド突起47-2に摺接しながら真下方向に移動し、そのスイッチ押圧部78-2がスイッチ基板10-2の押圧スイッチ部23-2を押圧してこれをオンする。前記押圧体73-2への押圧を解除すれば、両ヒンジ部79-2,79-2と反転板23a-2の弾性復帰力によって、反転板23a-2は元の形状に自動復帰して押圧スイッチ部23-2がオフすると同時に、押圧体73-2は上昇して元の位置に戻る。押圧体73-2の上下動の際、この押圧体73-2のつまみ本体部77-2はガイド突起47-2に上下方向に向かって線状に保持されているので、線接触で抵抗が少なく、その上下動をスムーズに行うことができる。
【0033】
一方、
図6に示す押圧体73-2のつまみ75-2を揺動方向(
図6の左右方向)に揺動すれば、両ヒンジ部79-2,79-2がねじられることで、押圧体73-2のつまみ本体部77-2の側面が、揺動体41-2のつまみ本体部収納部43-2の内側壁、さらに具体的には当該内側壁に設けた一方側の一対のガイド突起47-2を押圧し、揺動体41-2はその揺動中心軸L1を中心に揺動するが、このときはまだ揺動スイッチ部27-2はオンしない。そしてさらにつまみ75-2を揺動方向に揺動すれば、
図9に示すように、つまみ75-2の下面が揺動体41-2のつまみ収納部44-2の上面(底面)に当接し、これを押圧してさらに揺動体41-2が揺動し、これによって、揺動体41-2の押圧された側のスイッチ押圧部57-2がこれに対向している揺動スイッチ部27-2を押圧し、その反転板27a-2を反転させることでこれをオンする。前記押圧体73-2の揺動を解除すれば、両ヒンジ部79-2,79-2と反転板27a-2の弾性復帰力によって、反転板27a-2は元の形状に自動復帰して揺動スイッチ部27-2がオフすると同時に、押圧体73-2は揺動して元の垂直位置に戻る。
【0034】
この実施形態によれば、上記スイッチ機構1-1において説明した作用効果に加え、押圧体73-2のつまみ本体部77-2の側面が揺動体41-2のつまみ本体部収納部43-2の内側壁を押圧するだけでなく、さらにつまみ75-2の下面がつまみ収納部44-2の上面を押圧することで揺動スイッチ40-2を動作させる構造なので、2か所で揺動体41-2を押圧でき、これによって、よりスムーズに且つ確実に、押圧体73-2による揺動体41-2の揺動操作を行うことができる。
【0035】
なお本発明は、上記実施形態以外に、例えば以下のようなスイッチ機構もある。即ち、図示はしないが、上記スイッチ機構1-2において揺動体41-2に設けたつまみ収納部44-2は設けず、上記スイッチ機構1-1のようにつまみ本体部収納部43-2のみを設け、一方、上記スイッチ機構1-2において設けたつまみ75-2と同一構成のつまみを揺動体の上部(揺動体の表面上)に接近して設置してスイッチ機構を構成しても良い。
【0036】
即ち、押圧スイッチの押圧体は、つまみと、当該つまみの下部から突出するつまみ本体部とを有すると共に上下動及び揺動自在に保持され、揺動スイッチの揺動体には、前記押圧スイッチのつまみ本体部を収納するつまみ本体部収納部を形成してスイッチ機構を構成し、前記つまみを揺動させることで、前記つまみ本体部の側面が前記つまみ本体部収納部の内側壁を押圧した上で、さらに前記つまみの下面が前記揺動体の上面を押圧することで前記揺動スイッチを動作させる構造としてもよい。
【0037】
このように構成すれば、押圧体のつまみ本体部の側面が揺動体のつまみ本体部収納部の内側壁を押圧するだけでなく、さらにつまみの下面が揺動体の上面を押圧することで揺動スイッチを動作させるので、上記スイッチ機構1-2の場合と同様に、押圧体による揺動体の揺動操作をよりスムーズに且つ確実に行わせることが可能となる。
【0038】
以上本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲、及び明細書と図面に記載された技術的思想の範囲内において種々の変形が可能である。なお直接明細書及び図面に記載がない何れの形状や構造や材質であっても、本願発明の作用・効果を奏する以上、本願発明の技術的思想の範囲内である。例えば、押圧体によって揺動体を揺動させる構成や、押圧体を揺動体に上下動自在に取り付ける構成などは、上記実施形態に限定されず、他の種々の変更が可能である。また揺動スイッチや押圧スイッチの構成も反転板を用いない構成など、種々の変形が可能である。また、上記記載及び各図で示した実施形態は、その目的及び構成等に矛盾がない限り、互いの記載内容を組み合わせることが可能である。また、上記記載及び各図の記載内容は、その一部であっても、それぞれ独立した実施形態になり得るものであり、本発明の実施形態は上記記載及び各図を組み合わせた一つの実施形態に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0039】
1-1,1-2 スイッチ機構
10,10-2 スイッチ基板
23,23-2 押圧スイッチ部
27,27-2 揺動スイッチ部
40,40-2 揺動スイッチ
41,41-2 揺動体
43,43-2 つまみ本体部収納部
44-2 つまみ収納部
L1 揺動中心軸
70,70-2 押圧スイッチ
73,73-2 押圧体
75,75-2 つまみ
77,77-2 つまみ本体部