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特許7033801農薬撒布装置及びこれに適用されるノズル組立体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-03
(45)【発行日】2022-03-11
(54)【発明の名称】農薬撒布装置及びこれに適用されるノズル組立体
(51)【国際特許分類】
   A01M 7/00 20060101AFI20220304BHJP
   B05B 17/00 20060101ALI20220304BHJP
【FI】
A01M7/00 D
B05B17/00 101
【請求項の数】 13
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020044787
(22)【出願日】2020-03-13
(65)【公開番号】P2021036857
(43)【公開日】2021-03-11
【審査請求日】2020-07-03
(31)【優先権主張番号】10-2019-0109057
(32)【優先日】2019-09-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2019-0109067
(32)【優先日】2019-09-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2019-0110263
(32)【優先日】2019-09-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】520090066
【氏名又は名称】アグリカルチュラル コーポレーション ワイエイチ インダストリー カンパニー, リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】ジョン,ヨン ファン
【審査官】田辺 義拓
(56)【参考文献】
【文献】実開平05-074668(JP,U)
【文献】実開平05-070277(JP,U)
【文献】実開昭63-115464(JP,U)
【文献】実開平06-005478(JP,U)
【文献】実開平05-080560(JP,U)
【文献】実開平02-032953(JP,U)
【文献】実開昭63-189366(JP,U)
【文献】特開2019-075996(JP,A)
【文献】実開平04-030072(JP,U)
【文献】特開平08-089862(JP,A)
【文献】特開2000-266008(JP,A)
【文献】特開2001-321057(JP,A)
【文献】特開2012-200211(JP,A)
【文献】特開2002-028538(JP,A)
【文献】実開平05-080559(JP,U)
【文献】特開昭60-203129(JP,A)
【文献】特開平08-103200(JP,A)
【文献】特開2006-167539(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第03087835(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01M 7/00
A01C 23/00-23/04
B05B 17/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動台車と、
前記移動台車に設けられ、農薬を噴射する複数個のノズル組立体を含む噴射ユニットとを含み、
前記ノズル組立体は、両端部に噴射ノズルがそれぞれ具備され、予め設定された角度範囲で正方向と逆方向に繰り返し回転し、
農薬供給管が連結される組立体本体と、
前記組立体本体に連結され、前記組立体本体の内部流路を通じて伝達する農薬を噴射する噴射ノズルとを含み、
前記噴射ノズルは、
ノズルハウジングと、
前記ノズルハウジングに装着され、前記農薬を外部に噴射するための噴射孔が形成され、前記噴射孔の位置が変更するように前記ノズルハウジングに対して移動可能に設けられたノズル口とを含み、
前記ノズル口には残留した農薬や異物を除去するための洗浄孔がさらに形成され、
前記ノズル口は、前記噴射孔が前記ノズルハウジングの外部に露出する第1位置、前記洗浄孔が前記ノズルハウジングの外部に露出する第2位置、及び前記噴射孔と前記洗浄孔の両方とも前記ノズルハウジングの外部に露出しない第3位置のいずれか一つの位置に移動可能に前記ノズルハウジングに設けられたことを特徴とする農薬撒布装置。
【請求項2】
前記ノズル組立体は、前記噴射ノズルを上下方向に往復運動させるように前記移動台車の移動方向に対して予め設定された角度範囲で繰り返してローリングされることを特徴とする請求項1に記載の農薬撒布装置。
【請求項3】
前記噴射ノズルは、噴射される農薬が農作物の葉の下面に対して効果的に散布されるように前記ノズル組立体に上向きに傾いて配置されることを特徴とする請求項2に記載の農薬撒布装置。
【請求項4】
前記噴射ユニットは、
前記複数個のノズル組立体を支持するための支持フレームと、
前記支持フレームに設けられ、前記ノズル組立体を前記移動台車の移動方向に対して予め設定された角度範囲で繰り返してローリングさせるためのローリング器具部と、
をさらに含み、
前記ローリング器具部は、
前記ノズル組立体にそれぞれ連結され、前記ノズル組立体の中央部から外側に延長した回動案内片と、
前記ノズル組立体に連結された前記回動案内片と結合し、上下方向に往復運動するように設けられた案内片連結バーとを含み、
前記回動案内片は、前記案内片連結バーを媒介として互いに連結されて前記案内片連結バーの往復運動によって予め設定された角度範囲で繰り返し回転することを特徴とする請求項1に記載の農薬撒布装置。
【請求項5】
前記噴射ユニットは、
前記支持フレームに設けられ、前記農薬を前記ノズル組立体に供給するように前記ノズル組立体と連結される農薬供給管をさらに含み、
前記ノズル組立体は、前記農薬供給管に沿って複数個が互いに離隔して配置され、前記農薬供給管と回転可能に連結された回転連結部材によって前記農薬供給管に回転可能に結合することを特徴とする請求項4に記載の農薬撒布装置。
【請求項6】
前記ローリング器具部は、
前記支持フレームに設けられる回転モーターと、
前記回転モーターの回転軸に結合する回転板と、
前記回転板と共に回転するように前記回転板の中心から偏心した位置に一端部が連結され、前記案内片連結バーの一端部に他端部が連結される変換レバーとをさらに含むことを特徴とする請求項4に記載の農薬撒布装置。
【請求項7】
前記噴射ユニットは、前記移動台車に固定された第1噴射ユニット、及び前記第1噴射ユニットに対して上下方向に高さ調節可能に配置される第2噴射ユニットで提供され、
前記移動台車と前記噴射ユニットに設けられ、前記第2噴射ユニットの高さを変更するための高さ調節器具をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の農薬撒布装置。
【請求項8】
前記高さ調節器具は、
前記第2噴射ユニットの第2支持フレームを上下方向に移動可能に支持するように前記第1噴射ユニットの第1支持フレームに配置されたフレーム支持部と、
前記第2支持フレームの下端部に一端部が連結されたワイヤ部材と、
前記第2支持フレームの下端部より上側に位置した前記第1支持フレームの上端部に配置され、前記ワイヤ部材を移動可能に支持するワイヤ支持部と、
前記ワイヤ部材の他端部と連結され、前記ワイヤ部材を巻いたり解いて前記第2噴射ユニットを上下方向に移動させるワイヤ巻取部とを含むことを特徴とする請求項7に記載の農薬撒布装置。
【請求項9】
前記移動台車と前記噴射ユニットに連結され、前記ノズル組立体の回転に必要な動力を提供するために前記移動台車の移動時に前記移動台車の車輪の回転力の伝達を受けて前記噴射ユニットに伝達される動力伝達ユニットをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の農薬撒布装置。
【請求項10】
前記噴射ユニットは、
前記複数個のノズル組立体を支持するための支持フレームと、
前記支持フレームに設けられ、前記ノズル組立体を前記移動台車の移動方向に対して予め設定された角度範囲で繰り返しローリングさせるためのローリング器具部とをさらに含み、
前記動力伝達ユニットは、
前記移動台車の移動時に前記車輪の回転力の伝達を受けるように前記車輪に連結された動力入力部と、
前記ローリング器具部に連結され、前記動力入力部に入力された動力を前記ローリング器具部に供給する動力供給部とを含むことを特徴とする請求項9に記載の農薬撒布装置。
【請求項11】
前記動力伝達ユニットの作動を調節するように前記移動台車に操作可能に設けられた操作ユニットをさらに含み、
前記動力伝達ユニットは、
前記動力入力部と前記ローリング器具部との間の動力伝達経路上に配置され、前記操作ユニットの操作を通じて前記動力の伝達を取り締まる動力取締り部をさらに含むことを特徴とする請求項10に記載の農薬撒布装置。
【請求項12】
前記ノズルハウジングの内部には前記組立体本体で伝達する農薬を前記ノズル口に案内するための噴射流路が形成され、
前記ノズル口は前記ノズルハウジングに対して回転可能に設けられ、
前記噴射孔と前記洗浄孔とは、前記ノズル口の回転方向に沿って所定の間隔を置いて互いに離隔して配置され、
前記ノズル口は、前記ノズルハウジングの前記噴射流路と交差する中心軸を基準として回転するように設けられ、
前記噴射孔と前記洗浄孔とは、前記ノズル口の互いに反対する側に互いに連通してそれぞれ形成され、
前記第1位置では、前記洗浄孔が前記噴射流路と連結され、前記噴射孔が前記ノズルハウジングの外部に露出し、
前記第2位置では、前記噴射孔が前記噴射流路と連結され、前記洗浄孔が前記ノズルハウジングの外部に露出することを特徴とする請求項に記載の農薬撒布装置
【請求項13】
前記噴射ノズルを前記組立体本体の両端部の少なくとも一つに連結するためのノズルコネクターをさらに含み、
前記噴射孔は、スリット状に形成され、
前記噴射ノズルは、前記噴射孔のスリット状を横方向と縦方向のいずれか一つの方向に選択的に配置するように前記噴射流路と並んだ中心軸を基準として前記ノズルコネクターに対して回転可能に設けられ、
前記ノズルコネクターは、前記噴射ノズルの噴射角度を設定するように前記組立体本体の端部に回動可能に連結されることを特徴とする請求項12に記載の農薬撒布装置
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、農薬撒布装置及びノズル組立体に関し、さらに詳しくは、農薬を農作物にさらに均一に撒布することができ、農薬の噴射高さと噴射方向を簡便に変更して農薬の撒布効率を向上させることができる農薬撒布装置及びこれに適用されるノズル組立体に関する。
【背景技術】
【0002】
農薬は、農作物の保護と生長に使用される薬剤として、各種の農作物に撒布すると農作物に寄生する各種の病虫害の予防及び殺菌が可能である。このような農薬の散布は、作業者が噴霧器タンクを背負って手作業で実施することができるが、この場合、農薬を撒布する時に時間が多く所要され、農薬を農作物に満遍なく散布することが難しく、病虫害の予防にも限界があるという問題点がある。
【0003】
このような問題を解決するために、最近では、農作物間の地面に配置されたレールに沿って移動台車を移動させながら噴射機を通じて農薬を撒布する方式が開発されている。例えば、特許文献1には、駆動力を提供して台車を容易に移動させながら散布ノズル部を通じて農薬や養液を撒布する技術が開示されている。
【0004】
しかし、前記特許文献1に開示された農薬撒布用台車は、支持台に設置された撒布ノズル部が固定された状態で農薬を撒布する構造であるので、特定方向や特定位置のみで農薬を噴射して、農作物の全ての部分に農薬を均一に散布するのに限界がある。また、前記特許文献1に開示された農薬散布用台車は、撒布ノズル部の高さが常時一定に定められている構造であるので、ビニールハウスや温室の高さまたは農作物の高さが変更する場合に農薬を効果的に撒布できないという問題点がある。
【0005】
一方、農薬撒布に使用されるノズルは、長時間使用するか長時間保管する時に農薬または異物によって詰まるという問題が頻繁に発生するが、既存の農薬撒布用ノズルは、ノズルの詰めを予防及び解消するためにノズルを直接分解して洗浄する作業を一定時間毎に繰り返して実行しなければならないという不便さがあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】韓国登録特許第10-1368008号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、農薬の撒布方向を繰り返して変更しながら農薬を撒布して、農薬を農作物に満遍なく均一に撒布することができる農薬撒布装置を提供することにある。
【0008】
また、本発明の他の目的は、農作物の高さに関わらず農作物の所望の部位に農薬を効果的に撒布することができる農薬撒布装置を提供することにある。
【0009】
また、本発明のさらに他の目的は、ノズルの内部を掃除する作業を迅速かつ簡便に実施して、農薬または異物によるノズルの詰め現象を予め防止することができる農薬撒布装置及びこれに適用される農薬撒布用ノズル組立体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的は、本発明により、移動台車と、前記移動台車に設けられ、農薬を噴射する複数個のノズル組立体を含む噴射ユニットとを含み、前記ノズル組立体は、両端部に噴射ノズルがそれぞれ具備され、予め設定された角度範囲で正方向と逆方向に繰り返し回転することを特徴とする農薬撒布装置によって達成されることができる。
【0011】
好ましくは、前記ノズル組立体は、前記噴射ノズルを上下方向に往復運動させるように前記移動台車の移動方向に対して予め設定された角度範囲で繰り返してローリングされることができる。
【0012】
好ましくは、前記噴射ノズルは、噴射される農薬が農作物の葉の下面に対して効果的に撒布されるように前記ノズル組立体に上向きに傾いて配置されることができる。
【0013】
好ましくは、前記噴射ユニットは、前記複数個のノズル組立体を支持するための支持フレームと、前記支持フレームに設けられ、前記ノズル組立体を前記移動台車の移動方向に対して予め設定された角度範囲で繰り返してローリングさせるためのローリング器具部とをさらに含み、前記ローリング器具部は、前記ノズル組立体にそれぞれ連結され、前記ノズル組立体の中央部から外側に延長した回動案内片と、前記ノズル組立体に連結された前記回動案内片と結合し、上下方向に往復運動するように設けられた案内片連結バーとを含み、前記回動案内片は、前記案内片連結バーを媒介として互いに連結されて前記案内片連結バーの往復運動によって予め設定された角度範囲で繰り返し回転することができる。
【0014】
好ましくは、前記噴射ユニットは、前記支持フレームに設けられ、前記農薬を前記ノズル組立体に供給するように前記ノズル組立体と連結される農薬供給管をさらに含み、前記ノズル組立体は、前記農薬供給管に沿って複数個が互いに離隔して配置され、前記農薬供給管と回転可能に連結された回転連結部材によって前記農薬供給管に回転可能に結合することができる。
【0015】
好ましくは、前記ローリング器具部は、前記支持フレームに設けられる回転モーターと、前記回転モーターの回転軸に結合する回転板と、前記回転板と共に回転するように前記回転板の中心から偏心した位置に一端部が連結され、前記案内片連結バーの一端部に他端部が連結される変換レバーとをさらに含むことができる。
【0016】
好ましくは、前記噴射ユニットは、前記移動台車に固定された第1噴射ユニット、及び前記第1噴射ユニットに対して上下方向に高さ調節可能に配置される第2噴射ユニットで提供され、前記農薬撒布装置は、前記移動台車と前記噴射ユニットに設けられ、前記第2噴射ユニットの高さを変更するための高さ調節器具をさらに含むことができる。
【0017】
好ましくは、前記高さ調節器具は、前記第2噴射ユニットの第2支持フレームを上下方向に移動可能に支持するように前記第1噴射ユニットの第1支持フレームに配置されたフレーム支持部と、前記第2支持フレームの下端部に一端部が連結されたワイヤ部材と、前記第2支持フレームの下端部より上側に位置した前記第1支持フレームの上端部に配置され、前記ワイヤ部材を移動可能に支持するワイヤ支持部と、前記ワイヤ部材の他端部と連結され、前記ワイヤ部材を巻いたり解いて前記第2噴射ユニットを上下方向に移動させるワイヤ巻取部とを含むことができる。
【0018】
好ましくは、前記農薬撒布装置は、前記移動台車と前記噴射ユニットに連結され、前記ノズル組立体の回転に必要な動力を提供するために前記移動台車の移動時に前記移動台車の車輪の回転力の伝達を受けて前記噴射ユニットに伝達される動力伝達ユニットをさらに含むことができる。
【0019】
好ましくは、前記動力伝達ユニットは、前記移動台車の移動時に前記車輪の回転力の伝達を受けるように前記車輪に連結された動力入力部と、前記ローリング器具部に連結され、前記動力入力部に入力された動力を前記ローリング器具部に供給する動力供給部とを含むことができる。
【0020】
好ましくは、前記農薬撒布装置は、前記動力伝達ユニットの作動を調節するように前記移動台車に操作可能に設けられた操作ユニットをさらに含み、前記動力伝達ユニットは、前記動力入力部と前記ローリング器具部との間の動力伝達経路上に配置され、前記操作ユニットの操作を通じて前記動力の伝達を取り締まる動力取締り部をさらに含むことができる。
【0021】
上記目的は、本発明により、農薬供給管が連結される組立体本体と、前記組立体本体に連結され、前記組立体本体の内部流路を通じて伝達する農薬を噴射する噴射ノズルとを含み、前記噴射ノズルは、ノズルハウジングと、前記ノズルハウジングに装着され、前記農薬を外部に噴射するための噴射孔が形成され、前記噴射孔の位置が変更するように前記ノズルハウジングに対して移動可能に設けられたノズル口とを含むことを特徴とする農薬撒布用ノズル組立体によって達成されることができる。
【0022】
好ましくは、前記ノズル口には残留した農薬や異物を除去するための洗浄孔がさらに形成され、前記ノズル口は、前記噴射孔が前記ノズルハウジングの外部に露出する第1位置、前記洗浄孔が前記ノズルハウジングの外部に露出する第2位置、及び前記噴射孔と前記洗浄孔の両方とも前記ノズルハウジングの外部に露出しない第3位置のいずれか一つの位置に移動可能に前記ノズルハウジングに設けられることができる。
【0023】
好ましくは、前記ノズルハウジングの内部には前記組立体本体で伝達する農薬を前記ノズル口に案内するための噴射流路が形成され、前記ノズル口は前記ノズルハウジングに対して回転可能に設けられ、前記噴射孔と前記洗浄孔とは、前記ノズル口の回転方向に沿って所定の間隔を置いて互いに離隔して配置されることができる。
【0024】
好ましくは、前記ノズル口は、前記ノズルハウジングの前記噴射流路と交差する中心軸を基準として回転するように設けられ、前記噴射孔と前記洗浄孔とは、前記ノズル口の互いに反対する側に互いに連通してそれぞれ形成され、前記第1位置では、前記洗浄孔が前記噴射流路と連結され、前記噴射孔が前記ノズルハウジングの外部に露出し、前記第2位置では、前記噴射孔が前記噴射流路と連結され、前記洗浄孔が前記ノズルハウジングの外部に露出することができる。
【0025】
好ましくは、前記農薬撒布用ノズル組立体は、前記噴射ノズルを前記組立体本体の両端部の少なくとも一つに連結するためのノズルコネクターをさらに含み、前記噴射孔は、スリット状に形成され、前記噴射ノズルは、前記噴射孔のスリット状を横方向と縦方向のいずれか一つの方向に選択的に配置するように前記噴射流路と並んだ中心軸を基準として前記ノズルコネクターに対して回転可能に設けられることができる。
【0026】
好ましくは、前記ノズルコネクターは、前記噴射ノズルの噴射角度を設定するように前記組立体本体の端部に回動可能に連結されることができる。
【発明の効果】
【0027】
本発明の実施例によると、移動台車によって移動しながら噴射ユニットのノズル組立体を移動台車の移動方向に対して予め設定された角度範囲で繰り返してローリング(rolling)する構造であるので、ノズル組立体の噴射ノズルが上下方向に往復しながら農薬を農作物に噴射することができ、それにより農薬を農作物に満遍なく均一に撒布することができる。
【0028】
また、本発明の実施例によると、複数個のノズル組立体をローリング器具部によって繰り返してローリングさせて噴射ノズルを上下方向に往復させる構造であるので、噴射ノズルから噴射される農薬を農作物の所望の部位に満遍なく撒布することができ、それにより農薬の撒布性能及び撒布効率を大幅に向上させることができる。従って、本実施例では、農薬による農作物の病虫害予防を極大化させることができる。
【0029】
また、本発明の実施例によると、複数個のノズル組立体を噴射ユニットの支持フレームに上下方向に離隔して配置し、噴射ユニットが高さ調節可能な第1噴射ユニットと第2噴射ユニットで提供されるので、農作物の高さ及び農薬の噴射環境等に対応して農薬の撒布高さを簡便に確保することができる。即ち、本実施例における農薬撒布装置は、温室と農作物の高さに関わらず使用することができ、農作物の多様な部位に農薬を満遍なく撒布することができる。
【0030】
また、本発明の実施例によると、回転モーターの回転運動を上下方向の往復運動に変換させて案内片連結バーを通じて回動案内片を繰り返し回転させる構造であるので、複数個のノズル組立体を同時にローリングさせることができ、ノズル組立体のローリング構造を簡単な構造で簡便に適用することができる。従って、本実施例では、ノズル組立体がローリング器具部によって同時に同一方向にローリングされるので、ノズル組立体のローリング動作時にノズル組立体の衝突を予め防止することができ、ノズル組立体の農薬噴射領域が互いに重なる問題も解消することができる。
【0031】
また、本発明の実施例によると、農薬供給管に回転連結部材を媒介として連結されたノズル組立体をローリング器具部の作動によって予め設定された角度の範囲で繰り返してローリングさせる構造であるので、ノズル組立体の両端部に設けられた噴射ノズルから噴射される農薬をノズル組立体のローリング作動によって多様な方向に満遍なく撒布することができ、農薬撒布装置の左右側に配置された農作物に農薬を満遍なく均一に撒布することができる。
【0032】
また、本発明の実施例によると、組立体本体の両端部に噴射ノズルと連結されたノズルコネクターをそれぞれ回転可能に配置した構造であるので、ノズルコネクターを回転させて噴射ノズルの噴射角度を簡便に変更することができ、それにより噴射ノズルから噴射される農薬の噴射方向を状況によって最適化させることができる。特に、本実施例では、農作物の種類によって最適の農薬撒布方向に噴射ノズルの噴射方向を設定することができるため、農作物に対する農薬の撒布効果を極大化させることができる。
【0033】
また、本発明の実施例によると、噴射ノズルに形成された噴射孔と洗浄孔の位置を簡便に可変させて噴射モード、掃除モードまたは遮断モードのいずれか一つのモードで作動する構造であるので、農薬の撒布、噴射ノズルの掃除及びノズル組立体の使用待機などのような多様な状況によって適正なモードで迅速かつ適切に対応することができる。
【0034】
また、本発明の実施例によると、噴射孔と洗浄孔の位置を変更する簡単な操作だけで噴射ノズルの内部に残留した農薬または異物を掃除する構造であるので、噴射ノズルの詰め現象を予め防止することができ、噴射ノズルの掃除作業も非常に簡便かつ迅速に実施することができる。
【0035】
また、本発明の実施例によると、移動台車の移動時に移動台車の車輪の回転力を噴射ユニットの支持フレームに設置された複数個のノズル組立体に伝達される構造であるので、ノズル組立体に動力を供給するための別途の動力源を追加で設置する必要がなく、製品単価を下げることができ、移動台車の移動時に車輪の回転力をノズル組立体の動力として活用する構造であるため、全体的な構造も非常に簡素化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
図1】本発明の一実施例による農薬撒布装置が示された斜視図である。
図2図1に示された農薬撒布装置で噴射ユニットの高さを増加させた状態を示した斜視図である。
図3図1に示された噴射ユニットの主要部を示した斜視図である。
図4図3に示された噴射ユニットの作動状態を示した図面である。
図5図3に示された噴射ユニットの作動状態を示した図面である。
図6図3に示された噴射ユニットの作動状態を示した図面である。
図7図1に示された農薬撒布装置の油圧制御構成を概略的に示した図面である。
図8図1に示された農薬撒布装置の農薬供給構成を概略的に示した図面である。
図9図1に示されたノズル組立体を示した斜視図である。
図10図1に示されたノズル組立体を示した正面図である。
図11図9に示されたノズル組立体の噴射モードで噴射ノズルを示した図面である。
図12図11に示された噴射ノズルの噴射パターンを変更した状態を示した図面である。
図13図9に示されたノズル組立体の掃除モードで噴射ノズルを示した図面である。
図14図9に示されたノズル組立体の遮断モードで噴射ノズルを示した図面である。
図15】本発明の他の実施例による農薬撒布装置が示された斜視図である。
図16図15に示された農薬撒布装置の動力伝達構造を概略的に示した図面である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下では、本発明による実施例を添付の図面を参照して詳しく説明する。しかし、本発明が実施例によって制限されるか限定されるものではない。各図面に提示された同一の参照符号は同一の部材を示す。
【0038】
図1図3を参照すると、本発明の一実施例による農薬撒布装置10は、移動台車200、噴射ユニット300、302、駆動ユニット400、操作ユニット500、及びブースターユニット600を含む。
本実施例による農薬撒布装置10は、駆動ユニット400の駆動力によって移動台車200と噴射ユニット300、302及びブースターユニット600を作動させて農作物に農薬を撒布する装置である。この時、駆動ユニット400、移動台車200、噴射ユニット300、302及びブースターユニット600の作動は、操作ユニット500によって調節されることができる。
【0039】
このような農薬撒布装置10は、農作物の間を移動しながら農薬撒布装置10の左右側に配置された農作物に農薬を撒布することができる。そのため、農薬撒布装置10には、噴射ユニット300、302が農薬を左右側に噴射する構造で設けられることができる。
【0040】
一方、農薬撒布装置10の移動台車200には、農薬を貯蔵する農薬タンク20及び農薬タンク20の農薬をポンピングする農薬ポンプ30が搭載されることができる。しかし、本実施例では、農薬タンク20と農薬ポンプ30が農薬撒布装置10の外部に別途に設置されたことで説明する。即ち、農薬ポンプ30でポンピングされた農薬は、別途の農薬ホースを通じて農薬撒布装置10に供給されることができる。
【0041】
図1図2及び図7を参照すると、移動台車200は、農薬撒布装置10を移動させる装置である。移動台車200は、地面に沿って移動する通常の台車状に設けられることができる。このような移動台車200は、地面に設置されたレールに沿って移動するか、地面に直接接触した状態で地面に沿って移動することができる。
【0042】
具体的に、移動台車200は、台車フレーム210、移動車輪220、レール車輪230、及び台車取っ手240を含むことができる。
【0043】
台車フレーム210は、移動台車200の胴体を形成する部材である。台車フレーム210には、噴射ユニット300、302、駆動ユニット400、操作ユニット500及びブースターユニット600が設置されることができる。
【0044】
移動車輪220は、移動台車200の地面移動時に地面に直接接触した状態で移動される車輪部材である。移動車輪220は、台車フレーム210の下部に配置されることができ、駆動ユニット400の駆動力によって回転するように駆動ユニット400に連結されることができる。移動車輪220は、駆動ユニット400の駆動力によって作動する移動モーター250が具備されることができる。即ち、移動モーター250は、駆動ユニット400の駆動力の伝達を受けて移動車輪220を駆動させることができる。一方、移動車輪220は、移動台車200の前方部と後方部の両側にそれぞれ配置されることができる。
【0045】
レール車輪230は、地面に設置されたレールに沿って移動台車200を利用させる車輪部材である。レール車輪230は、移動車輪220がレールと干渉することを防止するように移動台車200で移動車輪220の内側に配置されることができる。レール車輪230は移動車輪220と同様に、移動台車200の前方部と後方部の両側にそれぞれ配置されることができる。
【0046】
台車取っ手240は、移動台車200の移動時に作業者が掴んで把持するための部材である。特に、移動台車200が地面に沿って移動する場合は、作業者が台車取っ手240を掴んで移動台車200の移動方向を適切に調整することができる。
【0047】
図1及び図2を参照すると、噴射ユニット300、302は、農薬ポンプ30でポンピングされた農薬の伝達を受けて農薬を農作物に撒布する装置である。噴射ユニット300、302は、移動台車200に立てられた形状で設けられることができ、移動台車200の移動方向に対して左側と右側に農薬を噴射するように形成されることができる。
【0048】
具体的に、噴射ユニット300、302は、ノズル組立体100、102、支持フレーム310、312、農薬供給管320、322、回転連結部材330、332、及びローリング器具部340、342を含むことができる。
【0049】
図1図6に示すように、ノズル組立体100、102は、農薬を農作物に噴射する装置である。ノズル組立体100、102は、支持フレーム310、312によって支持されることができ、支持フレーム310、312に複数個が上下方向に離隔して配置されることができる。即ち、ノズル組立体100、102は、支持フレーム310、312に固定された農薬供給管320、322に沿って複数個が互いに離隔して配置されることができ、農薬供給管320、322と回転可能に連結された回転連結部材330、332によって農薬供給管320、322に回転可能に結合することができる。
【0050】
ここで、ノズル組立体100、102の中央部は、回転連結部材330、332を媒介として農薬供給管320、322に回転可能に連結されることができる。そして、ノズル組立体100、102の両端部には、農薬を噴射するための噴射ノズル120がそれぞれ具備されることができる。
【0051】
ノズル組立体100、102は、予め設定された角度範囲で正方向と逆方向に繰り返し回転することができる。さらに好ましくは、ノズル組立体100、102は、移動台車200の移動方向Dに対して予め設定された角度範囲で繰り返してローリング(rolling)されることができる。それにより、噴射ノズル120は、ノズル組立体100、102のローリング作動によって上下方向に往復運動することができる。上記のように噴射ノズル120が上下方向に往復運動しながら農薬を噴射すると、特定位置に固定された姿勢で農薬を噴射するより農薬を農作物にさらに効果的に満遍なく撒布することができる。
【0052】
さらに具体的に説明すると、ノズル組立体100、102は、移動台車200の移動方向Dと直交する仮想の垂直平面P上に複数個が上下方向に互いに離隔して配置されることができる。従って、ノズル組立体100、102は、仮想の垂直平面Pに沿って複数の位置で農薬を移動台車200の左右側に配置された農作物に上下方向に幅広く撒布することができる。ノズル組立体100、102は、中央部を中心として正方向と逆方向に回転されて仮想の垂直平面P上で繰り返してローリングされることができる。即ち、ノズル組立体100は、農薬の撒布時に農薬供給管320、322と回転連結部材330、332の連結地点を中心として予め設定された設定角度θの範囲内で繰り返してローリング(rolling)されることができる。
【0053】
一方、本実施例では、噴射ノズル120がノズル組立体100、102の両端部にそれぞれ一つずつ配置されているが、本発明はこれに限定されず、噴射ノズル120がノズル組立体100、102の両端部のいずれか一つのみに配置されるか、ノズル組立体100、102の両端部に複数個がそれぞれ配置されることもできる。
【0054】
図1及び図2に示すように、支持フレーム310、312は、噴射ユニット300、302の骨格を形成する部材である。支持フレーム310、312は、複数個のノズル組立体100、102、農薬供給管320、322、回転連結部材330、332及びローリング器具部340、342を支持することができる。支持フレーム310、312は、移動台車200に上下方向に沿って立てられた形状で設けられることができる。
【0055】
図1図6に示すように、農薬供給管320、322は、農薬をノズル組立体100、102に供給するための部材である。農薬供給管320、322は、支持フレーム310、312に沿って上下方向に長く形成されることができ、支持フレーム310、312に設置されることができる。以下、本実施例では、農薬供給管320、322がノズル組立体100、102と連結されたパイプ状に設けられる。これと異なり、農薬供給管320、322は、ノズル組立体100、102にそれぞれ連結されるホース状に形成されることができ、このような場合、ノズル組立体100、102は、支持フレーム310、312に直接連結され、支持フレーム310、312によって支持されることができる。
【0056】
農薬供給管320、322は、パイプ部材で形成され、支持フレーム310、312に連結固定されることができる。ノズル組立体100、102は、農薬供給管320、322に長さ方向に沿って所定間隔で互いに離隔した位置に連通して連結されることができる。従って、農薬供給管320、322は、ノズル組立体100、102を支持する機能を行うことができ、それだけでなく、ノズル組立体100、102に農薬を供給する機能を行うことができる。
【0057】
図1図3に示すように、回転連結部材330、332は、農薬供給管320、322にノズル組立体100、102を回転可能に連結させる部材である。回転連結部材330、332は、農薬供給管320、322とノズル組立体100、102の連結部位にそれぞれ連通して配置されることができる。
【0058】
即ち、回転連結部材330、332は、農薬供給管320、322との連結部位を中心としてノズル組立体100、102と共に回転することができる。回転連結部材330、332は、農薬供給管320、322の長さ方向にノズル組立体100、102と対応する位置にそれぞれ配置されることができる。これと異なり、回転連結部材330、332を省略し、ノズル組立体100、102を農薬供給管320、322に回転可能に直接連結することも可能である。
【0059】
図1図6に示すように、ローリング器具部340、342は、ノズル組立体100、102を移動台車200の移動方向Dに対して予め設定された角度範囲で繰り返してローリングさせる装置である。ローリング器具部340、342は、支持フレーム310、312に設けられることができ、ノズル組立体100、102に連動可能に連結されることができる。即ち、ローリング器具部340、342は、回転連結部材330、332またはノズル組立体100、102の少なくともいずれか一つに連動可能に連結されることができる。以下、本実施例では、ローリング器具部340、342が回転連結部材330、332に連動可能に連結されることで説明する。
【0060】
具体的に、ローリング器具部340、342は、回動案内片350、360、案内片連結バー352、362、回転モーター354、364、及び運動変換部356、366を含むことができる。
【0061】
回動案内片350、360は、回転連結部材330、332の外周部から外側に偏心した方向に突き出して延長されることができる。このような回動案内片350、360は、回転連結部材330、332と一体で形成されるか、回転連結部材330、332に一端部が連結されることができる。これと異なり、回動案内片350、360は、ノズル組立体100、102の中央部から外側に偏心した方向に突き出して延長されることもできる。
【0062】
案内片連結バー352、362は、回動案内片350、360を媒介として回転モーター354、364の駆動力をノズル組立体100、102に伝達される部材である。案内片連結バー352、362は、農薬供給管320、322と同一に垂直方向に長く形成されることができ、複数個の回動案内片350、360と連動可能に連結されることができる。このような案内片連結バー352、362の下端部は、運動変換部356、366を通じて回転モーター354、364によって作動することができる。
【0063】
即ち、案内片連結バー352、362は、農薬供給管320、322の横に垂直に配置されて、回動案内片350、360と全て回動可能に連結されることができ、運動変換部356、366によって設定高さの範囲で上下方向に往復運動することができる。
【0064】
回転モーター354、364は、ノズル組立体100、102をローリングさせるための駆動力を提供する部材である。一例として、回転モーター354、364は、電気エネルギーによって作動する伝導モーターまたは油圧エネルギーによって作動する油圧モーターのいずれか一つで設けられることができる。
【0065】
運動変換部356、366は、回転モーター354、364の回転運動を上下方向に往復する直線運動に変換して案内片連結バー352、362に伝達される部材である。運動変換部356、366は、回転モーター354、364の回転軸及び案内片連結バー352、362の下端部に連動可能に連結されることができる。このような運動変換部356、366は、回転モーター354、364の駆動力によって案内片連結バー352、362を作動させて回動案内片350、360を正方向または逆方向に繰り返し回転させることができる。
【0066】
具体的に、運動変換部356、366は、回転板358、368と変換レバー359、369を含むことができる。
【0067】
回転板358、368の中心部には、回転モーター354、364の回転軸が連結されることができる。従って、回転板358、368は、回転モーター354、364によって回転運動することができる。
【0068】
変換レバー359、369は、回転板358、368の回転運動を案内片連結バー352、362の直前往復運動に切り換える部材である。変換レバー359、369の一端部は、回転板358、368の中心部から一側に偏心した位置に回転可能に連結されることができる。変換レバー359、369の他端部は、案内片連結バー352、362の下端部に回転可能に連結されることができる。従って、運動変換部356、366は、回転板358、368の回転時に案内片連結バー352、362を設定高さの範囲で上下方向に往復させることができる。
【0069】
図1及び図2に示すように、噴射ユニット300、302は、農薬の撒布高さを調節するように移動台車200に複数個が上下方向に移動可能に提供されることができる。このような噴射ユニット300、302は、移動台車200に垂直に立てられた形状で設けられ、上下方向に広がったり折られるように相互間に移動可能に連結されることができる。この時、噴射ユニット300、302の少なくともいずれか一つは移動台車200に固定されることができ、噴射ユニット300、302の残りは隣り合って配置された他の噴射ユニット300、302に移動可能に連結されることができる。一方、噴射ユニット300、302は、操作ユニット500の操作によって独立して作動が調節されることができる。
【0070】
以下、本実施例では、噴射ユニット300、302が第1噴射ユニット300及び第2噴射ユニット302で提供されることで説明する。
【0071】
第1噴射ユニット300は、移動台車200に立てられた形状で固定されることができる。第1噴射ユニット300は、移動台車200に固定された構造であるので、農薬の撒布領域を常に一定の高さで確保することができる。
【0072】
具体的に、第1噴射ユニット300は、第1ノズル組立体100、第1支持フレーム310、第1農薬供給管320、第1回転連結部材330、及び第1ローリング器具部340を含むことができる。第1支持フレーム310、第1農薬供給管320、第1回転連結部材330、及び第1ローリング器具部340は、上述した構成と同一であるので、これに対する詳細な説明は省略する。
【0073】
第2噴射ユニット302は、第1噴射ユニット300に対して上下方向に高さ調節可能に配置されることができる。即ち、第2噴射ユニット302は、第1噴射ユニット300に上下方向にスライド移動可能に設けられることができる。第2噴射ユニット302は、第1噴射ユニット300に沿って上下方向に移動する構造であるので、農作物の種類及び農薬の散布環境などによって適切に昇降して農薬の撒布領域を上下方向に拡張させることができる。
【0074】
具体的に、第2噴射ユニット302は、第2ノズル組立体102、第2支持フレーム312、第2農薬供給管322、第2回転連結部材332、及び第2ローリング器具部342を含むことができる。このような第2ノズル組立体102、第2支持フレーム312、第2農薬供給管322、第2回転連結部材332、及び第2ローリング器具部342は、上述した構成と同一であるので、これに対する詳細な説明は省略する。
【0075】
図1及び図2を参照すると、本発明の一実施例による農薬撒布装置10は、第2噴射ユニット302の高さを変更するための高さ調節器具700をさらに含むことができる。
【0076】
高さ調節器具700は、移動台車200と第1噴射ユニット300及び第2噴射ユニット302に設けられることができる。高さ調節器具700は、駆動ユニット400の駆動力を利用して第2噴射ユニット302を昇降させる構造で形成されることができる。しかし、本実施例では、作業者の手動操作によって第2噴射ユニット302が昇降されることで説明する。
【0077】
具体的に、高さ調節器具700は、フレーム支持部710、ワイヤ部材720、ワイヤ支持部730、及びワイヤ巻取部740を含むことができる。
【0078】
フレーム支持部710は、第2噴射ユニット302の第2支持フレーム312を上下方向に移動可能に支持する部材である。フレーム支持部710は、第1噴射ユニット300の第1支持フレーム310に配置されることができる。一例として、フレーム支持部710は、第2支持フレーム312を上下方向にスライド可能に支持するように第2支持フレーム312の表面に転がり接触方式で密着されたローラーまたは軸受で形成されることができる。
【0079】
ワイヤ部材720は、ワイヤ巻取部740の操作力を第2支持フレーム312に伝逹する部材である。ワイヤ部材720の一端部は、第2支持フレーム312の下端部に連結固定されることができ、ワイヤ部材720の他端部は、ワイヤ巻取部740に連結固定されることができる。
【0080】
ワイヤ支持部730は、ワイヤ部材720を移動可能に支持する部材である。ワイヤ支持部730は、第2支持フレーム312の下端部より上側に位置した第1支持フレーム310の上端部に配置されることができる。一例として、ワイヤ支持部730は、第1支持フレーム310の上端部にローラー状に設けられることができる。従って、ワイヤ支持部730は、第2噴射ユニット302の昇降時にワイヤ部材720にかかる第2噴射ユニット302の荷重の大部分を支持することができる。
【0081】
一方、ワイヤ支持部730は、ワイヤ部材720の移動方向を切り換えるために第1支持フレーム310または第2支持フレーム312に追加的で設置されることもできる。以下、本実施例では、ワイヤ巻取部740とワイヤ支持部730との間にワイヤ部材720の移動方向を切り換えるために補助ワイヤ支持部732が追加で設置されたことで説明する。このような補助ワイヤ支持部732は、ワイヤ支持部730より低い位置に配置されるように第1支持フレーム310の上端部より低い部位に配置されることができる。
【0082】
ワイヤ巻取部740は、作業者の手動操作によってワイヤ部材720を巻き取る部材である。一例として、ワイヤ巻取部740は、台車フレーム210に固定された巻取ハウジング742、巻取ハウジング742に設けられ、ワイヤ部材720が巻かれるボビン744、及びボビン744を回転させる巻取取っ手746を含むことができる。巻取取っ手746を利用してワイヤ部材720をボビン744に巻けば、第2噴射ユニット302はフレーム支持部710に沿って上側に移動されることができる。巻取取っ手746を利用してワイヤ部材720をボビン744から解けば、第2噴射ユニット302は、フレーム支持部710に沿って下側に移動されることができる。
【0083】
図1図2及び図7を参照すると、駆動ユニット400は、移動台車200と噴射ユニット300、302及びブースターユニット600に駆動力を提供する装置である。駆動ユニット400は、移動台車200に搭載されて移動台車200と共に移動されることができる。このような駆動ユニット400は、電気エネルギーまたは油圧エネルギーのいずれか一つを駆動力として提供することができるが、以下では、油圧エネルギーを駆動力として提供することで説明する。
【0084】
具体的に、駆動ユニット400は、流体タンク410及び流体ポンプ420を含むことができる。
【0085】
流体タンク410には、作動流体を貯蔵することができる。流体ポンプ420に油圧ライン430、432を通じて流体タンク410と連結することができる。流体ポンプ420は、油圧ライン430、432に沿って第1噴射ユニット300の第1回転モーター354、364、第2噴射ユニット302の第2回転モーター354、364、または移動台車200の移動モーター250の少なくともいずれか一つに油圧を提供することができる。
【0086】
図7に示すように、農薬撒布装置10の油圧ライン430、432は、作動流体の供給と回収のための油圧供給ライン430と油圧回収ライン432とで構成することができる。特に、第1回転モーター354、364及び第2回転モーター354、364に連結された油圧ライン430、432には、油圧供給ライン430と油圧回収ライン432とを連結する油圧調節ライン434を形成することができ、油圧調節ライン434には油圧調節バルブ436を開閉可能に設けることができる。そこで、油圧調節バルブ436の開度量を調節することで、第1回転モーター354、364または第2回転モーター354、364の回転速度を制御し、結果的にノズル組立体100、102のローリング作動を速くまたは遅く制御することができる。
【0087】
図1図2図7及び図8を参照すると、操作ユニット500は、移動台車200、噴射ユニット300、302、及びブースターユニット600の作動を調節する装置である。操作ユニット500は、作業者によって簡便に操作されるために、移動台車200の台車取っ手240と近接した位置に配置されることができる。
【0088】
具体的に、操作ユニット500は、油圧供給調節部510及び農薬供給調節部520を含むことができる。
【0089】
油圧供給調節部510は、第1回転モーター354、364、第2回転モーター354、364及び移動モーター250にそれぞれ連結された油圧ライン430、432に油圧の供給有無と供給量を調節することができる。従って、作業者が油圧供給調節部510を操作すると、第1ノズル組立体100のローリング動作、第2ノズル組立体102のローリング動作、及び移動台車200の移動を個別的に調節することができる。
【0090】
農薬供給調節部520は、第1農薬供給管320と第2農薬供給管322に農薬の供給有無と供給量を調節することができる。従って、作業者が農薬供給調節部520を操作すると、第1ノズル組立体100の農薬撒布及び第2ノズル組立体102の農薬撒布を個別的に調節することができる。
【0091】
図1図2及び図8を参照すると、ブースターユニット600は、農薬の供給圧力を追加で加圧する装置である。従って、ブースターユニット600は、農薬ポンプ30のポンピング圧力が充分に高ければ省略可能である。ブースターユニット600は、第1噴射ユニット300と第2噴射ユニット302に農薬を供給する流路上に配置されることができる。
【0092】
以下、図9図14を参照して、本発明の一実施例による農薬撒布装置10に適用されるノズル組立体100の構成を詳しく説明する。
【0093】
図9及び図10を参照すると、本発明の一実施例による農薬撒布装置10に適用されるノズル組立体100は、組立体本体110及び噴射ノズル120を含む。
【0094】
組立体本体110は、農薬供給管320、322に噴射ノズル120を連結して噴射ノズル120と共にローリングされる部材である。このような組立体本体110は、農薬供給管320、322と噴射ノズル120に連通して連結されることができる。従って、組立体本体110は、農薬撒布装置10の農薬供給管320、322から農薬の供給を受けて噴射ノズル120に伝達される機能を行うことができる。
【0095】
ここで、組立体本体110は、農薬供給管320、322との連結地点を中心として予め設定された設定角度θの範囲で繰り返してローリングされることができる。また、組立体本体110の中央部は、農薬供給管320、322に連通して連結されることができ、組立体本体110の両端部は、左右方向に長く延長して設けられることができる。
【0096】
組立体本体110は、本体中央部112及び両端延長部114を含むことができる。
【0097】
本体中央部112は、組立体本体110の中間部に設けられることができ、農薬供給管320、322に回転可能に連結されることができる。このような本体中央部112と農薬供給管320、322は、農薬供給管320、322から本体中央部112に農薬を供給するように互いに連通して連結されることができる。
【0098】
両端延長部114は、組立体本体110の両端部を形成するように本体中央部112の両側から左右方向にそれぞれ長く延長されることができる。このような両端延長部114は、本体中央部112と連通して連結されることができる。両端延長部114は、後述するノズルコネクター130を媒介として噴射ノズル120と連結されることができる。
【0099】
図9及び図10を参照すると、ノズル組立体100は、噴射ノズル120を組立体本体110の両端部の少なくとも一つに連結するためのノズルコネクター130をさらに含むことができる。本実施例では、ノズルコネクター130が組立体本体110の両端部にそれぞれ連結されることで説明する。
【0100】
ノズルコネクター130の一端部には、組立体本体110の両端延長部114が連通して連結されることができる。ノズルコネクター130の他端部には、噴射ノズル120が連通して連結されることができる。
【0101】
この時、ノズルコネクター130は、噴射ノズル120の噴射角度を設定するように組立体本体110の両端延長部114に回動可能に連結されることができる。これにより、ノズルコネクター130を両端延長部114に対して回転させることで、農作物の種類や作業環境によって噴射ノズル120の噴射角度を適切に変更することができる。
【0102】
図4に示すように、ノズルコネクター130を組立体本体110の両端延長部114に対して回転させて噴射ノズル120が上向きに傾いて配置されれば、噴射ノズル120から噴射される農薬は、農作物の葉の下面に対して効果的に撒布されることができる。
【0103】
これと異なり、噴射ノズル120は、ノズルコネクター130を組立体本体110の両端延長部114に対して回転させて、図5に示すように水平に配置されるか、図6に示すように下向きに傾いて配置されることができる。
【0104】
実際に、農作物の中では農薬の撒布方向によって農薬の撒布効果が変わる場合がある。例えば、パプリカの場合は、葉の下面に農薬を撒布すればこそ農薬の効果を極大化させることができる。従って、本実施例では、噴射ノズル120の噴射方向を上側方向、下側方向または水平方向などに自由に変更して農作物の特性によって農薬の撒布効果を向上させることができる。
【0105】
また、ノズルコネクター130の一端部と両端延長部114の連結部位には、ノズルコネクター130と両端延長部114の角度を調節するための角度調節部材132が配置されることができる。一例として、本実施例では、ノズルコネクター130の一端部と両端延長部114がボルト状の角度調節部材132によって回転可能に締結され、角度調節部材132の締結状態を一部解除すればノズルコネクター130が回転することができる。
【0106】
図9図14を参照すると、噴射ノズル120は、組立体本体110とノズルコネクター130の第1、2案内流路に沿って案内された農薬を農作物に噴射する部材である。このような噴射ノズル120は、組立体本体110の両端部にノズルコネクター130を媒介としてそれぞれ連通して連結されることができる。
【0107】
噴射ノズル120には農薬を噴射するための噴射孔125及び噴射ノズル120の内部を洗浄するための洗浄孔126が形成されることができる。特に、噴射ノズル120は、噴射孔125と洗浄孔126の位置を変更させることができる構造で設けられることができる。このような噴射ノズル120は、噴射孔125と洗浄孔126の位置によって互いに異なる機能を行うことができる。
【0108】
ここで、噴射ノズル120は、噴射孔125と洗浄孔126の位置を変更することで、噴射モード、掃除モードまたは遮断モードのいずれか一つのモードを選択して動作することができる。
【0109】
図11及び図12に示すように、噴射モードは、農薬を農作物に撒布するためのモードである。即ち、噴射モードでは、噴射ノズル120が噴射孔125を通じて農薬を農作物に噴射することができる。この時、後述する噴射ノズル120のノズル口124は、噴射孔125を外部に露出させる第1位置Aに配置されることができる。
【0110】
図13に示すように、掃除モードは、噴射ノズル120の内部に残留した農薬または異物を除去するためのモードである。掃除モードでは、噴射ノズル120が洗浄孔126を通じて洗浄水を噴射しながら噴射ノズル120の内部を洗浄することができる。このような洗浄水としては、農薬、水または別途の洗浄洗剤などが使用されることができる。この時、後述する噴射ノズル120のノズル口124は、洗浄孔126を外部に露出させる第2位置Bに配置されることができる。
【0111】
実際に、噴射ノズル120の内部に形成された噴射流路は、非常に狭小な大きさで形成されることができ、噴射ノズル120の噴射孔125も非常に小さい面積で形成されることができる。従って、噴射ノズル120が噴射モードで長時間作動すれば、農薬が噴射流路または噴射孔125に固着するか、または農薬に含まれた異物が噴射流路または噴射孔125に堆積することができる。この時、噴射ノズル120が掃除モードで作動すれば、噴射流路と噴射孔125の内部に固着するか堆積した農薬と異物が洗浄されて洗浄孔126で洗浄水と共に排出されることができる。
【0112】
このような掃除モードは、噴射モードの作動時間が設定時間に到逹する度に繰り返して実施するか、または農薬撒布装置の使用が完了した場合に実施することが好ましい。
【0113】
図14に示すように、遮断モードは、噴射モードと掃除モードを遮断するためのモードである。遮断モードでは、噴射孔125による農薬の噴射または洗浄孔126による噴射ノズル120の洗浄を遮断することができる。この時、後述する噴射ノズル120のノズル口124は、噴射孔125と洗浄孔126を外部に全て露出させない第3位置Cに配置されることができる。
【0114】
具体的に、噴射ノズル120は、ノズルハウジング122、ノズル口124、及び回転操作部127を含むことができる。
【0115】
図9及び図11に示すように、ノズルハウジング122は、組立体本体110の両端部にそれぞれ連結されたノズルコネクター130に連通して連結されることができる。ノズルハウジング122の内部には、組立体本体110から噴射ホール125に農薬を案内する噴射流路が形成されることができる。このようなノズルハウジング122には、噴射孔125と洗浄孔126の配置位置を可変させるようにノズル口124が移動可能に配置されることができる。
【0116】
ノズルハウジング122の内部には、噴射流路(図示せず)が形成されることができる。ノズルハウジング122には、ノズル口124が回転可能に配置されることができる。このようなノズル口124は、噴射流路上に配置されることができる。
【0117】
一方、ノズルハウジング122は、ナット部材123によってノズルコネクター130に着脱可能に結束されることができる。即ち、ナット部材123は、ノズルハウジング122の一端部をノズルコネクター130の他端部にねじ締結方式で着脱可能に連結させることができる。この時、ナット部材123をノズルコネクター130に完全に締結すれば、ノズルハウジング122が回転不可能な状態でノズルコネクター130に完全に結束されることができる。一方、ナット部材123とノズルコネクター130との締結状態を一部解除すれば、ノズルハウジング122がナット部材123によってノズルコネクター130に連結された状態で回転することができる。
【0118】
図9図14に示すように、ノズル口124は、ノズルハウジング122のノズルハウジング122に対して移動可能に設けられることができる。以下、本実施例では、ノズル口124がノズルハウジング122の噴射流路と交差する中心軸を基準として回転可能に設けられることができる。従って、ノズル口124に形成された噴射孔125と洗浄孔126は、ノズル口124と共に回転しながらノズルハウジング122の噴射流路に選択的に連結されることができる。
【0119】
一方、噴射孔125と洗浄孔126は、ノズル口124の互いに異なる部位にそれぞれ設けられることができるが、本実施例では、噴射孔125と洗浄孔126がノズル口124の互いに反対側に互いに連通してそれぞれ形成されることで説明する。即ち、本実施例では、噴射孔125と洗浄孔126がノズル口124を直線で貫通するホール状に連通して形成されることができる。
【0120】
このような噴射孔125は、洗浄孔126より相対的に小さい面積で形成されることができる。一例として、本実施例では、洗浄孔126から噴射孔125に行くほど次第に小くなる形状でノズル口124に形成されることができる。従って、噴射孔125は、噴射モードで洗浄孔126を通じて流入された農薬を外部に噴射させることができ、洗浄孔126は、掃除モードで噴射孔125を通じて流入された洗浄水を外部に排出させることができる。
【0121】
図11及び図12に示すように、本実施例では、噴射孔125が一方向に長くスリット状に形成されることができる。噴射孔125は、農薬の噴射を行う部位であるので、スリット状の配置位置によって一方向に広く噴射されるパターンで農薬を撒布することができる。
【0122】
噴射ノズル120は、噴射孔125のスリット状を横方向と縦方向のいずれか一つの方向で選択的に配置するように噴射流路と並んだ中心軸を基準としてノズルコネクター130に対して回転可能に設けられることができる。従って、噴射ノズル120のノズルハウジング122をノズルコネクター130に対して回転させれば、ノズルハウジング122と共にノズル口124も回転するため、スリット状の噴射孔125が横方向または縦方向のいずれか一つの方向で選択的に配置されることができる。
【0123】
回転操作部127は、作業者によってノズル口124を第1位置A、第2位置Bまたは第3位置Cのいずれか一つの位置に選択的に配置させるための部材である。そのため、回転操作部127は、ノズル口124と共に回転する取っ手構造で設けられることができる。
【0124】
噴射ノズル120は、ノズル口124の第1位置Aと第2位置Bを容易に設定するための位置設定突起128をさらに含むことができる。
【0125】
位置設定突起128は、回転操作部127の一側に突起状に設けられることができる。位置設定突起128は、第1位置Aまたは第2位置Bでノズルハウジング122に設けられた係止部123aによって回転操作部127の回転を拘束させることができる。従って、本実施例では、位置設定突起128が係止部123aとの係止有無及び係止方向によってノズル口124を第1位置A、第2位置B、または第3位置Cに簡便に配置することができる。それだけでなく、本実施例では、位置設定突起128の配置方向を目視で確認する簡単な方法でノズル組立体100のモードを簡便に識別することができる。
【0126】
以下、図15及び図16を参照して、本発明の他の実施例による農薬撒布装置を前述した実施例と異なる点を中心として説明する。
【0127】
図15及び図16を参照すると、本発明の他の実施例による農薬撒布装置20は、移動台車200、噴射ユニット300及び動力伝達ユニット2400及び操作ユニット500を含む。
【0128】
本実施例による農薬撒布装置20は、噴射ユニットが複数個ではなく一つの噴射ユニット300で提供され、前述した実施例の油圧方式の駆動ユニット400の代わりに動力伝達ユニット2400が追加されるという点を除いては、他の構成においては前述した実施例による農薬撒布装置10の構成と実質的に同一であるので、その同一の構成に対しては同一の図面符号を付与し、それに対する説明は前述した実施例を準用することにする。
【0129】
図15及び図16を参照すると、動力伝達ユニット2400は、移動台車200の移動時に移動台車200の車輪220、230の回転力の伝達を受けてノズル組立体100のローリング作動に必要な動力を噴射ユニット300に提供する装置である。
【0130】
前述した実施例による農薬撒布装置10は、移動台車200の移動及びノズル組立体100のローリング作動のための動力が油圧方式の駆動ユニット400によって発生する。
【0131】
一方、本実施例による農薬撒布装置20は、油圧方式または電気方式の駆動ユニットが別途必要ではなく、作業者が移動台車200を人力で移動させる方式で、この時、移動台車200の車輪220、230の回転力を動力伝達ユニット2400を通じて噴射ユニット300のローリング器具部340に伝達してノズル組立体100のローリング作動を具現する。
【0132】
そのため、動力伝達ユニット2400は、移動台車200の車輪220、230と噴射ユニット300のローリング器具部340に連動可能に連結されることができる。本実施例では、動力伝達ユニット400が移動台車200の前方部に配置された移動車輪220とレール車輪230の車輪軸に連動可能に連結されるが、本発明はこれに限定されない。
【0133】
具体的に、動力伝達ユニット2400は、動力伝達ケース2410、動力入力部2420、動力供給部2430、動力変換部2440、及び動力取締り部2450を含むことができる。
【0134】
図15及び図16に示すように、動力伝達ケース2410は、移動台車200に搭載されて移動台車200と共に移動されることができる。このような動力伝達ケース2410は、内部に空の空間を持つボックス状に設けられることができる。
【0135】
ここで、動力伝達ケース2410の一側には、開閉可能な形状でケースドア(図示せず)が具備されることができる。そして、動力伝達ケース2410の内部には、動力変換部2440と動力取締り部2450が収容されることができる。従って、動力伝達ケース2410は、動力変換部2440と動力取締り部2450を外部の衝撃や衝突から保護することができ、動力変換部2440と動力取締り部2450に農薬、雨水または異物などの侵入を防止することができる。
【0136】
一方、動力入力部2420と動力供給部2430は、動力伝達ケース2410に貫通して配置されることができる。以下、本実施例では、動力入力部2420と動力供給部2430が動力伝達ケース2410に貫通して配置された状態で軸方向に回転しながらトルクで動力を伝達することで説明する。従って、動力伝達ケース2410には、動力入力部2420と動力供給部2430がそれぞれ貫通して配置されるための複数個の貫通ホールが形成されることができ、貫通ホールには動力入力部2420と動力供給部2430を回転可能に支持するための軸受部材2412、2414が配置されることができる。
【0137】
図15及び図16に示すように、動力入力部2420は、移動台車200の移動時に車輪220、230の回転力の入力を受けて動力変換部2440に伝達される部材である。動力入力部2420の一側は、移動車輪220とレール車輪230の車輪軸に連動可能に連結されることができ、動力入力部2420の他側は、動力変換部2440に動力伝達可能に連結されることができる。
【0138】
このような動力入力部2420は、移動車輪220とレール車輪230の車輪軸に常時連結された構造で設けられることができるが、これに限定されるものではなく、移動車輪220とレール車輪230の車輪軸に必要に応じて選択的に連結される構造で設けられることもできる。
【0139】
動力入力部2420は、入力軸2422及び入力伝達部材2424を含むことができる。
【0140】
入力軸2422は、移動車輪220とレール車輪230の車輪軸と平行に動力伝達ケース2410に貫通して配置されることができる。即ち、入力軸2422の両端部は、動力伝達ケース2410の両側部に形成された両側貫通ホールに貫通して配置されることができ、両側貫通ホールに配置された両側軸受部材2412によって回転可能に支持されることができる。
【0141】
入力伝達部材2424は、移動台車200の移動時に移動車輪220とレール車輪230の車輪軸の回転力を入力軸2422に伝達される部材である。入力伝達部材2424は、入力軸2422と車輪軸に連動可能に連結されることができる。
【0142】
例えば、入力伝達部材2424は、チェーン(chain)とスプロケットホイール(sprocket wheel)、ローラー(roller)とベルト(belt)、歯車(gear)、またはリンク(link)の少なくともいずれか一つの動力伝達用要素を組み合わせた構造で形成されることができる。以下、本実施例では、説明の便宜のために、チェーンとスプロケットホイール(または、ローラーとベルト)を適用したことで説明する。
【0143】
即ち、入力軸2422と車輪軸の両端部には、スプロケットホイール(または、ローラー)がそれぞれ配置されることができ、入力軸2422と車輪軸のスプロケットホイール(または、ローラー)にはチェーン(または、ベルト)が連結されることができる。この時、入力軸2422と車輪軸に配置されたスプロケットホイール(または、ローラー)の大きさを互いに異なって設置すれば、車輪軸から入力軸2422に伝達される回転力の大きさ及び回転速度を変更することができる。従って、移動台車200の移動時に移動車輪220とレール車輪230の車輪軸が回転すれば、車輪軸の回転力が入力伝達部材2424を通じて入力軸2422に伝達されることができ、入力軸2422は、入力伝達部材2424を通じて伝達される車輪軸の回転力によって回転されることができる。
【0144】
図15及び図16に示すように、動力供給部2430は、移動台車200の移動時に動力変換部2440の動力を噴射ユニット300のローリング器具部340に供給する部材である。従って、動力供給部2430の一側は、動力変換部2440に動力伝達可能に連結されることができ、動力供給部2430の他側は、噴射ユニット300のローリング器具部340に連動可能に連結されることができる。
【0145】
このような動力供給部2430は、動力変換部2440から伝達を受けた動力を利用してローリング器具部340の回転板358を回転させることができる。この時、動力供給部2430に伝達される動力は、動力入力部2420に入力された動力を動力変換部2440で適切に変換した動力である。本実施例では、ローリング器具部340の回転板358が動力伝達ケース2410の前方に配置され、動力供給部2430が動力伝達ケース2410の前面部に貫通して配置されている。
【0146】
動力供給部2430は、出力軸2432及び出力伝達部材(図示せず)を含むことができる。
【0147】
出力軸2432は、動力変換部2440とローリング器具部340の回転板220に連結して、動力変換部2440の動力によって回転板220と共に回転することができる。即ち、出力軸2432の一端部は動力伝達ケース2410の内部に配置され、動力変換部2440と連動可能に連結されることができ、出力軸2432の他端部は動力伝達ケース2410の外部に配置され、ローリング器具部340の回転板358に連結されることができる。
【0148】
従って、出力軸2432は、動力伝達ケース2410の前面部に形成された前方貫通ホールに貫通して配置されることができ、前方貫通ホールに配置された前方軸受部材2414によって回転可能に支持されることができる。
【0149】
出力伝達部材は、移動台車200の移動時に動力入力部2420に入力された後、動力変換部2440で変換された動力を出力軸2432に伝達される部材である。即ち、出力伝達部材は、出力軸2432と動力変換部2440に連動可能に連結されることができる。
【0150】
例えば、出力伝達部材は、チェーン(chain)とスプロケットホイール(sprocket wheel)、ローラー(roller)とベルト(belt)、歯車(gear)、またはリンク(link)の少なくともいずれか一つの動力伝達用要素を組み合わせた構造で形成されることができる。このような出力伝達部材は、ローリング器具部340の回転板358と動力変換部2440の配置位置が遠く離れているか互いに外れた位置に配置されても動力を円滑に伝達して農薬撒布装置20の設計自由度を向上させることができる。
【0151】
但し、本実施例では、ローリング器具部340の回転板358が動力伝達ケース2410の前方に向かい合って配置された構造であるので、出力伝達部材を省略し、回転板358と動力変換部2440が出力軸2432に直に連結されている。
【0152】
図15及び図16に示すように、動力変換部2440は、移動台車200の移動時に動力入力部2420に入力された動力を変換して動力供給部2430に伝達される部材である。動力変換部2440は、動力入力部2420と動力供給部2430との間に配置されることができる。本実施例では、動力変換部2440が動力伝達ケース2410の内部に配置され、動力入力部2420と動力供給部2430の連結部位に設けられることができる。
【0153】
このような動力変換部2440は、動力入力部2420に入力された動力の大きさ、方向または速度の少なくともいずれか一つを変換する構造で設けられることができる。図15及び図16に示すように、本実施例では、動力入力部2420の入力軸2422と動力供給部2430の出力軸2432が互いに交差して配置されるので、動力変換部2440は回転板358を回転させるための方向に入力軸2422の動力方向を切り換えた後、出力軸2432に伝達されることができる。それだけでなく、本実施例では、移動台車200の移動時に移動車輪220とレール車輪230の車輪軸が回転する速度よりローリング器具部340の回転板358が回転する速度を高めて噴射ユニット300のノズル組立体100を相対的に速くローリングさせることもできる。
【0154】
動力変換部2440は、動力入力部2420に入力された動力の大きさ、方向または速度などを変更する多様な構造で形成されることができる。例えば、動力変換部2440は、チェーン(chain)とスプロケットホイール(sprocket wheel)、ローラー(roller)とベルト(belt)、歯車(gear)、またはリンク(link)の少なくともいずれか一つの動力伝達用要素を組み合わせた構造で形成されることができる。
【0155】
以下、本実施例では、説明の便宜のために動力変換部2440が入力軸2422と出力軸2432にそれぞれ設置された一対の傘歯車(bevel gear)を含むことで説明する。このような一対の傘歯車は、入力軸2422の回転力を入力軸2422と直交する出力軸2432の回転力に方向を切り換えることができる。また、傘歯車の歯数比を変更すれば、入力軸2422から出力軸2432に伝達される動力の大きさや速度を多様に増減させることができる。
【0156】
一方、動力変換部2440は、動力の大きさ、方向または速度の少なくともいずれか一つを多様に変換させる構造で形成されることもできる。一例として、動力変換部2440が変速可能な遊星歯車セットで形成されることができる。
【0157】
上記のように動力変換部2440が動力を選択的に多様に変化させる構造で形成されれば、操作ユニット500の動力調節部510を操作して動力供給部2430を通じてローリング器具部340に伝達される動力を多様に変更することができる。従って、移動台車200の移動速度が一定であっても、作業者が操作ユニット500の動力調節部510を操作してノズル組立体100のローリング速度を必要に応じて高めたり減らすことができる。または、移動台車200の移動速度が高くなったり低くなっても、作業者が操作ユニット500の動力調節部510を操作してノズル組立体100のローリング速度を一定に調整することができる。
【0158】
図15及び図16に示すように、動力取締り部2450は、動力供給部2430を通じた動力の伝達を取り締まる部材である。このような動力取締り部2450は、動力入力部2420とローリング器具部340との間の動力伝達経路上にどこでも配置されることができる。以下、本実施例では、説明の便宜のために、動力供給部2430の出力軸2432に配置されたことで説明するが、これに限定されるものではなく、動力変換部2440または動力入力部2420に配置されることもできる。
【0159】
動力取締り部2450は、動力供給部2430の出力軸2432を通じる動力の伝達を取り締まる構造で形成されることができる。例えば、動力取締り部2450は、動力伝達可能に連結されるか動力伝達が不可能に分離するカプラー(coupler)またはクラッチ(clutch)などで形成されることができる。
【0160】
以下、本実施例では、説明の便宜のために、動力取締り部2450が出力軸2432の中間に設置されたクラッチを含むことで説明する。このようなクラッチは、出力軸2432の一端部と他端部を回転可能に連結させる連結モード及び出力軸2432の一端部と他端部の連結を解除する分離モードを行うことができる。従って、出力軸2432の一端部が動力変換部2440の動力によって常時回転されても、クラッチの作動モードを選択して動力供給部2430からローリング器具部340に供給される動力を取り締まることができる。
【0161】
このような動力取締り部2450は、操作ユニット500の動力調節部510を操作して動力供給部2430を通じてローリング器具部340に伝達される動力の供給と供給遮断を簡便に設定することができる。従って、農薬を撒布せずに移動台車200だけを移動させる場合は、噴射ユニット300のノズル組立体100をローリングさせる必要がないため、操作ユニット500の動力調節部510を操作して動力取締り部2450によって動力供給部2430の動力供給を遮断することができる。
【0162】
以上のように、本発明の実施例では、具体的な構成要素等のような特定事項と限定された実施例及び図面によって説明されたが、これは、本発明のより全般的な理解を助けるために提供されたものであるだけで、本発明は、上記の実施例に限定されるものではなく、本発明が属する分野で通常な知識を持った者であれば、このような記載から多様な修正及び変形が可能である。従って、本発明の思想は説明された実施例に限って定められてはならず、後述する請求の範囲だけでなく、前記請求の範囲と均等であるか等価的変形がある全てのものなどは本発明思想の範疇に属するといえる。
【符号の説明】
【0163】
10、20:農薬撒布装置
100:ノズル組立体
110:組立体本体
120:噴射ノズル
130:ノズルコネクター
200:移動台車
300、302:噴射ユニット
310、312:支持フレーム
320、322:農薬供給管
330、332:回転連結部材
340、342:ローリング器具部
400:駆動ユニット
500:操作ユニット
600:ブースターユニット
700:高さ調節器具
2400:動力伝達ユニット
A:第1位置(噴射モード)
B:第2位置(掃除モード)
C:第3位置(遮断モード)
D:移動台車の移動方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16