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特許7033804自己学習技術に基づく移動物品分類システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-03
(45)【発行日】2022-03-11
(54)【発明の名称】自己学習技術に基づく移動物品分類システム
(51)【国際特許分類】
   G01N 21/89 20060101AFI20220304BHJP
   B07C 5/342 20060101ALI20220304BHJP
【FI】
G01N21/89 Z
B07C5/342
【請求項の数】 4
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020125297
(22)【出願日】2020-07-22
(65)【公開番号】P2021021729
(43)【公開日】2021-02-18
【審査請求日】2020-09-09
(31)【優先権主張番号】108126173
(32)【優先日】2019-07-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】520273991
【氏名又は名称】開必拓數據股▲分▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100082418
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 朔生
(74)【代理人】
【識別番号】100167601
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 信之
(74)【代理人】
【識別番号】100201329
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 真二郎
(72)【発明者】
【氏名】孫逢佐
(72)【発明者】
【氏名】葉怡▲テイ▼
(72)【発明者】
【氏名】孫逢佑
(72)【発明者】
【氏名】張惠普
【審査官】村田 顕一郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-173264(JP,A)
【文献】特開2008-287506(JP,A)
【文献】特開2002-039863(JP,A)
【文献】特開平04-204148(JP,A)
【文献】特開2019-035606(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0156472(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 21/84-21/958
B07C 5/00-5/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源供給装置と、映像取得装置と、制御と処理装置と、前記制御と処理装置に接続される物品選別装置とを備える自己学習技術に基づく移動物品分類システムであって、
前記光源供給装置は、搬送ベルトに近接して設けられ、前記搬送ベルトの上に移動する複数個の物品を照射するための照明光を供給するために用いられ、
前記映像取得装置は、前記搬送ベルトに近接して設けられ、かつ同時に前記光源供給装置に近接し、前記照明光の照射下で各当該物品に対して映像取得処理を実行するために用いられてから、複数組の物品映像データを生成し、
前記光源供給装置と前記映像取得装置とに接続される前記制御と処理装置は、
主制御ユニットと、
前記主制御ユニットに連結され、当該物品の種類に応じて少なくとも1つの第1パラメータを前記主制御ユニットへ提供するために用いられる第1パラメータ選択ユニットと、
前記主制御ユニットに連結され、当該物品の種類に応じて少なくとも1つの第2パラメータを前記主制御ユニットへ提供するための第2パラメータ選択ユニットと、
前記主制御ユニットに連結され、当該第1パラメータと当該第2パラメータを格納するためのパラメータ格納ユニットと、
前記主制御ユニットに連結され、前記複数組の物品映像データを格納するための映像データ格納ユニットと、
前記パラメータ格納ユニットと前記映像データ格納ユニットとに連結され、当該第1パラメータ、当該第2パラメータ及び前記複数組の物品映像データに応じて映像分類器を選択するための分類器選択ユニットとを有し、
前記主制御ユニットは、当該第1パラメータに従って前記光源供給装置から特定の光色と特定の強度を持つ前記照明光を供給するように制御させ、
前記主制御ユニットは、当該第2パラメータに従って前記映像取得装置を制御させることによって、前記映像取得装置は、当該第2パラメータに基づいて前記映像取得処理を完了させ、
前記映像分類器を使用して前記複数組の物品映像データに対して映像分類処理を行い、
前記映像分類処理を完了した前記複数組の物品映像データに応じて、前記物品選別装置は、前記搬送ベルトの上に移動する各当該物品に対して物品選別処理を実行することで、前記複数個の物品を少なくとも複数個の正常物品と複数個の非正常物品とに仕分けることを特徴とする、
自己学習技術に基づく移動物品分類システム。
【請求項2】
前記搬送ベルトの終端側に設置され、前記物品選別装置により選別された前記複数個の正常物品を受け取るための正常品集積装置と、前記搬送ベルトの前記終端側に設置され、前記物品選別装置により選別された前記複数個の非正常物品を受け取るための非正常品集積装置とをさらに備えることを特徴とする、請求項1に記載の自己学習技術に基づく移動物品分類システム。
【請求項3】
前記物品選別装置は、前記制御と処理装置に接続される制御ユニットと、前記制御ユニットに接続され、前記制御ユニットの制御に基づいて、前記搬送ベルトの上に移動する各当該物品に対して前記物品選別処理を実行するための物品選別ユニットとを有することを特徴とする、請求項1に記載の自己学習技術に基づく移動物品分類システム。
【請求項4】
前記物品選別ユニットは、光投射ユニットと、投影ユニット及びロボットアームのうちのいずれか1つであることを特徴とする、請求項に記載の自己学習技術に基づく移動物品分類システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、工業用途の製品自動検査システムの技術分野に係り、特に、移動物品分類システム及び方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的に、最終製品の品質を確保するために、部品の入庫前、及び半完成品や完成品の出荷前に、それらに対して品質検証を行う必要がある。通常、既定の測定プロセスに従う場合、製品機能の品質検査結果については、判断面での議論がないため、機能の異常有無に応じて良品または不良品を判定することが非常に容易にできる。しかし、製品外観(cosmetic)の判定基準に関しては、いくつかの議論がよく起こっている。
【0003】
手作業の品質検査に起因する判定基準の議論という問題を解消するために、いくつかの工業用途の自動検査及び分類システムがリリースされている。例えば、中国実用新案登録第201394544(Y)号明細書(特許文献1)では、色と木目模様に従って木材を選別する設備が開示され、その主要構成は、搬送ベルトと、映像取得装置と、選別装置と、制御装置とを備える。
特許文献1の開示内容から分かるように、映像取得装置は、前記搬送ベルトの上に位置する複数本の木材の映像を取得するために用いられる。こうして、所定の分類データテーブルを参照する場合、前記制御装置は、各本の木材の色、杢目、色ムラに基づいて、各本の木材ごとに対して分類と等級分けすることができる。
【0004】
一方、中国特許出願公開第101823057(A)号明細書(特許文献2)では、お米の色彩選別システムが開示されており、それも同様に映像取得装置を利用して前記搬送ベルトの上に位置する複数粒のお米の映像を取得し、次に同様に外観色に応じて各粒のお米の品質を判断する。
また、中国特許出願公開第101486033(A)号明細書(特許文献3)では、果物の選別仕分け装置及び栗の選別仕分け方法が開示されており、その主要構成は、輸送ユニットと、駆動ユニットと、映像取得装置と、制御装置と、選別装置とを備える。
特許文献3の開示内容から分かるように、映像取得装置は、前記搬送ベルトの上に位置する複数個の果物の映像を取得するために用いられる。次に、所定の分類条件を参照する場合、前記制御装置は、各個の果物の品質良否を自動判断し、次に選別装置が品質基準に満たさない果物を選んで取り出すように制御することができる。説明に値することは、かかる所定の分類条件は、果物の外観色を指し、例を挙げて言えば、映像検査を通じて果物の外観に黒点が存在するか否かを検査することができ、黒点が存在すると判定された場合、前記黒点を虫食い(または、虫孔と称する)として識別することである。
【0005】
上記の説明から分かるように、従来の技術によれば、多数種の製品自動検査システムが提案されているものの、偶然にも、各前記製品自動検査システムは、いずれも映像取得装置を使用して搬送ベルトの上の製品に対して映像取得を行い、後端の制御装置は、所定の分類条件を参照して作業ライン上の製品に対して外観品質の判断を行うことで、製品に対して分類を行う。知っておくべき点は、異なる製品の分類条件は、必ず異なっているはずであり、例を挙げて言えば、特許文献1の分類条件は、色、木目模様と木材の色ムラを含み、そして特許文献2と特許文献3では、単に色のみをその分類条件として使用する点である。従って、装置の設定パラメータ及び製品の分類条件を変更しないことを前提に、木材に対して品質検査を実行するための製品自動検査システムでは、果物に対して品質検査を実行することに適用することができない。
【0006】
勿論、装置の設定パラメータ及び製品の分類条件を変更した後、木材に対して品質検査を実行するための製品自動検査システムは、機会があれば果物に対して品質検査を実行するのに適用されてもよいが、装置の設定パラメータの変更は、そう簡単なことではなく、再現性の測定手順とデータ収集を経なければ完成し得ない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】中国実用新案登録第201394544(Y)号明細書
【文献】中国特許出願公開第101823057(A)号明細書
【文献】中国特許出願公開第101486033(A)号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記の説明から分かるように、現在、市販されている各種の製品自動検査システムは、通常、特定の部品、半完成品または完成品のみに対して限定的に品質検査を実行する専用システム(special purpose machine)である。従って、適応的に(Adaptively)異なる製品に応じてその装置の設定パラメータ及び/または製品の分類条件を調整することができ、単一機体で多用途に対応する作用効果を達成するためには、実に従来の製品自動検査システムに対して改良または新たな設計を施す必要がある。
以上に鑑みて、本願の発明者は、極力研究考案した結果、遂に本発明に係る移動物品分類システム及び方法を研究開発して完成させた。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の主要な目的は、移動物品分類システム及び方法を提供することである。その内、前記移動物品分類システムは、光源供給装置と、映像取得装置と、制御と処理装置と、物品選別装置とを備える。
【0010】
上記した本発明の主要な目的を達成するために、本願の発明者は、移動物品分類システムの一実施例を提供する。
かかる移動物品分類システムは、光源供給装置と、映像取得装置と、制御と処理装置と、物品選別装置とを備える。
光源供給装置は、搬送ベルトの一側に設けられ、前記搬送ベルトの上に移動する複数個の物品を照射するための照明光を供給するために用いられる。
映像取得装置は、前記搬送ベルトの一側に設けられ、かつ同時に前記光源供給装置に近接し、前記照明光の照射下で各当該物品に対して映像取得処理を実行するために用いられてから、複数組の物品映像データを生成する。
制御と処理装置は、前記光源供給装置と前記映像取得装置とに接続され、かつ主制御ユニットと、第1パラメータ選択ユニットと、第2パラメータ選択ユニットと、パラメータ格納ユニットと、映像データ格納ユニットと、分類器選択ユニットとを有する。
第1パラメータ選択ユニットは、前記主制御ユニットに連結され、当該物品の種類に応じて少なくとも1つの第1パラメータを前記主制御ユニットへ提供するために用いられることで、前記主制御ユニットは、当該第1パラメータに従って前記光源供給装置から前記照明光を供給するように制御させ、前記照明光に特定の光色と特定の強度を持たせる。
第2パラメータ選択ユニットは、前記主制御ユニットに連結され、当該物品の種類に応じて少なくとも1つの第2パラメータを前記主制御ユニットへ提供するために用いられることで、前記主制御ユニットは、当該第2パラメータに従って前記映像取得装置を制御させることによって、前記映像取得装置は、当該第2パラメータに基づいて前記映像取得処理を完了させる。
パラメータ格納ユニットは、前記主制御ユニットに連結され、当該第1パラメータと当該第2パラメータを格納するために用いられる。
映像データ格納ユニットは、前記主制御ユニットに連結され、前記複数組の物品映像データを格納するために用いられる。
分類器選択ユニットは、前記パラメータ格納ユニットと前記映像データ格納ユニットとに連結され、当該第1パラメータ、当該第2パラメータ及び前記複数組の物品映像データに応じて映像分類器を選択するために用いられてから、前記映像分類器を使用して前記複数組の物品映像データに対して映像分類処理を行う。
物品選別装置は、前記制御と処理装置に接続される。
その内、前記映像分類処理を完了した前記複数組の物品映像データに応じて、前記物品選別装置は、前記搬送ベルトの上に移動する各当該物品に対して物品選別処理を実行することで、複数個の物品を少なくとも複数個の正常物品と複数個の非正常物品とに仕分ける。
【0011】
また、上記した本発明の主要な目的を達成するために、本願の発明者は、同時に前記移動物品分類方法の一実施例を提供し、それは物品分類システムの中に適用され、その内、当該物品分類システムは、搬送ベルトと、光源供給装置と、映像取得装置と、制御と処理装置と、物品選別装置とを備え、かつ前記方法は以下のステップ(1)~(7)を含む。
ステップ(1)にて、前記制御と処理装置の中に、主制御ユニットと、第1パラメータ選択ユニットと、第2パラメータ選択ユニットと、パラメータ格納ユニットと、映像データ格納ユニットと、分類器選択ユニットとを配置する。
ステップ(2)にて、複数個の物品を前記搬送ベルトにより搬送する。
ステップ(3)にて、前記第1パラメータ選択ユニットが、当該物品の種類に応じて少なくとも1つの第1パラメータを前記主制御ユニットへ提供することで、前記主制御ユニットが、当該第1パラメータに従って前記光源供給装置から前記搬送ベルトの上に移動する複数個の物品を照射するための照明光を供給するように制御させ、その内、前記照明光が特定の光色と特定の強度を持つ。
ステップ(4)にて、前記第2パラメータ選択ユニットが、当該物品の種類に応じて少なくとも1つの第2パラメータを前記主制御ユニットへ提供することで、前記主制御ユニットが、当該第2パラメータに従って前記映像取得装置を制御させることによって、前記映像取得装置が、前記照明光の照射下で各当該物品に対して映像取得処理を実行してから、複数組の物品映像データを生成する。
ステップ(5)にて、前記分類器選択ユニットが、前記パラメータ格納ユニットの中に格納される当該第1パラメータと当該第2パラメータ、及び前記映像データ格納ユニットに格納される複数組の物品映像データに応じて映像分類器を選択してから、前記映像分類器を使用して前記複数組の物品映像データに対して映像分類処理を行う。
ステップ(6)にて、前記映像分類器が、前記映像分類処理を経て正常に前記複数個の物品を少なくとも複数個の正常物品と複数個の非正常物品とに仕分けることが可能であるか否かを判断し、はいと判断された場合、次のステップに進んで実行する一方、いいえと判断された場合、ステップ(3)に戻って実行する。
ステップ(7)にて、前記映像分類処理を完了した前記複数組の物品映像データに応じて、前記物品選別装置が、前記搬送ベルトの上に移動する各当該物品に対して物品選別処理を実行してから、複数個の正常物品と複数個の非正常物品をそれぞれ正常品集積装置と非正常品集積装置の中に送り込む。
【発明の効果】
【0012】
特に、本発明は、前記制御と処理装置の中に、第1パラメータ選択ユニットと、第2パラメータ選択ユニットと、分類器選択ユニットとを構築する。これらの3つのユニットは、少なくとも1つの第1パラメータ、少なくとも1つの第2パラメータと複数組の物品映像データを用いて自己学習(Self learning)及び自己訓練(Self training)を行うことができるから、適応的に(Adaptively)搬送ベルトの上に搬送される物品の種類に応じて、前記光源供給装置に適用される少なくとも1つの第1パラメータ、前記映像取得装置に適用される少なくとも1つの第2パラメータ、及び当該物品の良品と不良品の識別及び分類に適用される映像分類器を決定することができる。上記の説明から分かるように、本発明の移動物品分類システムは、あらゆる種類の農産物、機械部品、電子部品、半完成品または完成品に対して自動検査及び分類を実行するように用いられてもよく、単一機体で多用途に対応する特別の機能を持つ。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明に係る移動物品分類システムを示す第1斜視図である。
図2】光源供給装置、映像取得装置、制御と処理装置及び物品選別装置を示す機能ブロック図である。
図3】本発明の移動物品分類システムを示す第2斜視図である。
図4A】本発明に係る移動物品分類方法を示す流れ図である。
図4B】本発明に係る移動物品分類方法を示す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明が提出した移動物品分類システム及び方法をより明瞭に記述するために、添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施例を以下に詳述する。
【0015】
図1は、本発明に係る移動物品分類システムの第1斜視図を示している。本発明の移動物品分類システム1の構成は、主に搬送ベルト2と、光源供給装置10と、映像取得装置11と、制御と処理装置12と、物品選別装置13とを備える。
図2は、前記光源供給装置10、前記映像取得装置11、前記制御と処理装置12及び前記物品選別装置13を示す機能ブロック図である。関連図面から分かるように、前記光源供給装置10は、前記搬送ベルト2の一側に設けられ、前記搬送ベルト2の上に移動する複数個の物品3を照射するための照明光を供給するために用いられる。さらに、前記映像取得装置11もまた、前記搬送ベルト2の一側に設けられ、かつ同時に前記光源供給装置10に近接し、前記照明光の照射下で各当該物品3に対して映像取得処理を実行するために用いられてから、複数組の物品映像データを生成する。
【0016】
より詳細に説明すると、前記光源供給装置10は、第1調整ユニット100と、発光ユニット101とを有し、その内、前記第1調整ユニット100は、光源駆動器(図示せず)と、電子式高さ/角度調整架台とを具備し、かつ前記光源駆動器と前記電子式高さ/角度調整架台は、いずれも前記制御と処理装置12によって制御される。一方、前記映像取得装置11は、第2調整ユニット110と、映像取得ユニット111(すなわち、ビデオカメラ)とを有し、その内、前記第2調整ユニット110は、主に電子式高さ/角度調整架台であり、かつ前記第2調整ユニット110と前記映像取得ユニット111は、いずれも前記制御と処理装置12によって制御される。
【0017】
本発明の技術的特徴は、前記制御と処理装置12の中に、主制御ユニット120と、第1パラメータ選択ユニット121と、第2パラメータ選択ユニット122と、パラメータ格納ユニット123と、映像データ格納ユニット124と、分類器選択ユニット125とを配置することにある。人工知能(Artificial intelligence)ソフトウェアまたはハードウェア装置の設計と作製に熟練した技術者であれば、前記第1パラメータ選択ユニット121、前記第2パラメータ選択ユニット122及び前記分類器選択ユニット125には、ライブラリ、変数またはオペランドの形式で少なくとも1つの応用プログラムが編集されると共に、前記制御と処理装置12の中には当該応用プログラムが構築されることを理解するであろう。
図2に示すように、前記第1パラメータ選択ユニット121は、前記主制御ユニット120に連結され、当該物品3の種類に応じて少なくとも1つの第1パラメータを前記主制御ユニット120へ提供するために用いられることで、前記主制御ユニット120は、当該第1パラメータに従って前記光源供給装置10から前記照明光を供給するように制御させる。特に説明するのは、前記制御と処理装置12の制御に基づいて、前記第1調整ユニット100は、その光源駆動器で前記発光ユニット101の照明光の光色と強度を調整する点である。さらに、必要がある場合に、前記第1調整ユニット100もまた、その電子式高さ/角度調整架台で前記発光ユニット101の光照明高さと光照明角度を調整する。容易に理解されるように、当該第1パラメータは、光照明高さ、光照明角度、光色及び光強度を含むが、これらに限定されない。
【0018】
一方、前記第2パラメータ選択ユニット122は、前記主制御ユニット120に連結され、当該物品3の種類に応じて少なくとも1つの第2パラメータを前記主制御ユニット120へ提供するために用いられることで、前記主制御ユニット120は、当該第2パラメータに従って前記映像取得装置11を制御させることによって、前記映像取得装置11は、当該第2パラメータに基づいて前記映像取得処理を完了させる。注意に値することは、前記制御と処理装置12の制御の下で、前記第2調整ユニット110は、直接に前記映像取得ユニット111(すなわち、ビデオカメラ)に対して、映像取得焦点距離、被写界深度、視野角度及びアパーチャサイズを含むが、これらに限定されない基礎パラメータの設定を実行することができる点である。更に、必要がある場合には、前記第2調整ユニット110は、その電子式高さ/角度調整架台で前記映像取得ユニット111の映像取得高さと映像取得角度に対して適宜調整を行うように調整する。上記の説明から分かるように、当該第2パラメータは、映像取得焦点距離、被写界深度、視野角度、アパーチャサイズ、映像取得高さ及び映像取得角度を含むが、これらに限定されない。
【0019】
本発明の設計によれば、前記パラメータ格納ユニット123は、前記主制御ユニット120に連結され、当該第1パラメータと当該第2パラメータを格納するために用いられ、かつ前記映像データ格納ユニット124は、前記主制御ユニット120に連結され、前記複数組の物品映像データを格納するために用いられる。
図2に示すように、前記分類器選択ユニット125は、前記パラメータ格納ユニット123と前記映像データ格納ユニット124とに連結される。特に、本発明で設計されたいわゆる分類器選択ユニット125は、前記パラメータ格納ユニット123の中に格納される当該第1パラメータと当該第2パラメータ、及び前記映像データ格納ユニット124に格納される複数組の物品映像データに応じて映像分類器を選択してから、前記映像分類器を使用して前記複数組の物品映像データに対して映像分類処理を行う。強調すべき点は、前記搬送ベルト2に搬送される物品3の種類に従って、前記分類器選択ユニット125により最終的に選出された映像分類器は、ある程度異なる可能性があるので、本発明においては、前記映像分類器のタイプに制限されることはないが、ここでは依然として、例えばニューラルネットワーク分類法(Neural Networks Classification)、ベイズ分類法(Bayesian Classifier)、繰り返し自己組織化データ解析手法アルゴリズム(Iterative Self-Organizing Data Analysis Technique Algorithm,ISODATA)に基づくスペクトル分類処理、K-平均クラスタリングアルゴリズム(K-Means Clustering Algorithm)に基づくスペクトル分類処理、ガウシアン最尤分類法(Gaussian Maximum Likelihood Classification)を含むような常用の映像分類器が列挙される点である。
【0020】
図1図2に示すように、前記物品選別装置13は、前記制御と処理装置12に接続され、かつそれは、制御ユニット130と、物品選別ユニット131とを有する。その内、前記制御ユニット130は、前記制御と処理装置12に接続され、前記映像分類処理を完了した前記複数組の物品映像データに応じて、前記制御ユニット130が前記搬送ベルト2の上に移動する各当該物品3に対して物品選別処理を実行するように制御してから、前記複数個の物品3を少なくとも複数個の正常物品3aと複数個の非正常物品3bとに仕分けるために用いられる。例を挙げて言えば、図1に示される前記物品選別装置13は、ロボットアームである。制御ユニット130の制御の下で、前記ロボットアームは、複数個の物品3の中から正常物品3aと非正常物品3bを選んで取り出すことができることが理解されるべきである。最後に、前記物品選別装置13により選別された前記複数個の正常物品3aが前記搬送ベルト2の終端側に設置される正常品集積装置15の中に送り込むことになる。これに対して、前記物品選別装置13により選別された前記複数個の非正常物品3bが前記搬送ベルト2の終端側に設置される非正常品集積装置16の中に送り込むことになる。
【0021】
図3は、本発明の移動物品分類システムを示す第2斜視図である。ここで、補充説明すべき点は、図1に示される前記物品選別装置13は、一例として、ロボットアームであるが、これにより前記物品選別装置13の実施可能な態様を限定するものではない点である。
図3に示すように、実施可能な実施例において、前記物品選別装置13はまた、光投射ユニット及び投影ユニットのうちのいずれか1つであってもよい。こうして、前記物品選別処理を実行する過程において、光投射ユニットは、非正常物品3bの上に照射するように光を投射することができるので、作業ライン上の作業員が手動で前記非正常物品3bをピックアップして前記非正常品集積装置16に搬入することができる。前記物品選別装置13が投影ユニットである場合、投影ユニットは、非正常物品3bの上にラベルメッセージまたは警告メッセージを投影することができるので、作業ライン上の作業員が手動で前記非正常物品3bをピックアップして前記非正常品集積装置16に搬入することができる。
【0022】
上記のように、本発明に係る移動物品分類システム1を既に十分かつ明瞭に説明してきた。次に、本発明に係る移動物品分類方法について、以下に継続して説明を行う。
図4A図4Bは、本発明に係る移動物品分類方法を示す流れ図である。本発明の移動物品分類方法は、物品分類システム(図1を参照)の中に適用され、その内、前記移動物品分類システム1は、搬送ベルト2と、光源供給装置10と、映像取得装置11と、制御と処理装置12と、物品選別装置13とを備える。本発明の移動物品分類方法は、複数の実行ステップを含む。まず、ステップS1において、前記制御と処理装置12の中に、主制御ユニット120と、第1パラメータ選択ユニット121と、第2パラメータ選択ユニット122と、パラメータ格納ユニット123と、映像データ格納ユニット124と、分類器選択ユニット125とを配置する。
【0023】
図4A図4Bに示すように、方法のプロセスでは、続いて複数個の物品3を前記搬送ベルト2により搬送するステップS2を実行する。注意に値することは、前記複数個の物品3が搬送ベルト2の上に移動する過程において、方法のプロセスでは、前記第1パラメータ選択ユニット121が、当該物品3の種類に応じて少なくとも1つの第1パラメータを前記主制御ユニット120へ提供することで、前記主制御ユニット120が、当該第1パラメータに従って前記光源供給装置10から前記搬送ベルト2の上に移動する複数個の物品3を照射するための照明光を供給するように制御させるステップS3を実行する点である。その内、前記照明光が特定の光色と特定の強度を持つ。さらに、ステップS4において、前記第2パラメータ選択ユニット122が、当該物品3の種類に応じて少なくとも1つの第2パラメータを前記主制御ユニット120へ提供することで、前記主制御ユニット120が、当該第2パラメータに従って前記映像取得装置11を制御させ、前記映像取得装置11が、前記照明光の照射下で各当該物品3に対して映像取得処理を実行してから、複数組の物品映像データを生成する。
【0024】
前記ステップS3と前記ステップS4を完了した後、方法のプロセスでは、続いて前記分類器選択ユニット125が、前記パラメータ格納ユニット123の中に格納される当該第1パラメータと当該第2パラメータ、及び前記映像データ格納ユニット124に格納される複数組の物品映像データに応じて映像分類器を選択してから、前記映像分類器を使用して前記複数組の物品映像データに対して映像分類処理を行うステップS5を実行する。知っておくべき点は、前記搬送ベルト2に搬送される物品3の種類に従って、前記分類器選択ユニット125により最終的に選出された映像分類器は、ある程度異なる可能性があるので、本発明においては、前記映像分類器のタイプに制限されることはないが、ここでは依然として、例えばニューラルネットワーク分類法(Neural Networks Classification)、ベイズ分類法(Bayesian Classifier)、繰り返し自己組織化データ解析手法アルゴリズム(Iterative Self-Organizing Data Analysis Technique Algorithm,ISODATA)に基づくスペクトル分類処理、K-平均クラスタリングアルゴリズム(K-Means Clustering Algorithm)に基づくスペクトル分類処理、ガウシアン最尤分類法(Gaussian Maximum Likelihood Classification)を含むような常用の映像分類器が列挙される点である。
【0025】
継続的に、ステップS6において、前記映像分類器が、前記映像分類処理を経て正常に前記複数個の物品3を少なくとも複数個の正常物品3aと複数個の非正常物品3bとに仕分けることが可能であるか否かを判断し、はいと判断された場合、前記分類器選択ユニット125により選出された映像分類器が当該物品3に対して行う良品と不良品の分類に適することを意味する。これに対して、もし、ステップS6での判断結果がいいえの場合、前記分類器選択ユニット125により選出された映像分類器が当該物品3に対して行う良品と不良品の分類を明瞭にすることができないことを意味し、それゆえ、第1パラメータ及び/または第2パラメータを再び変更する必要があるか、あるいはその他の映像分類器を選抜する必要がある。
本発明の技術的特徴は、すなわち、制御と処理装置12の中に、前記第1パラメータ選択ユニット121と、前記第2パラメータ選択ユニット122と、前記分類器選択ユニット125とを計画構築することにある。これらの3つのユニット121,122,125は、第1パラメータ、第2パラメータと複数組の物品映像データを用いて自己学習(Self-learning)及び自己訓練(Self-training)を行うことができるから、適応的に(Adaptively)異なる物品3に応じて、前記光源供給装置10に適用される少なくとも1つの第1パラメータ、前記映像取得装置11に適用される少なくとも1つの第2パラメータ、及び物品3の良品と不良品の識別及び分類に適用される映像分類器を選出することができる。従って、ステップS6での判断結果がいいえの場合、方法のプロセスでは、ステップS3に戻って実行する。
【0026】
ステップS6での判断結果がはいの場合、方法のプロセスでは、続いて前記映像分類処理を完了した前記複数組の物品映像データに応じて、前記物品選別装置13が、前記搬送ベルト2の上に移動する各当該物品3に対して物品選別処理を実行してから、複数個の正常物品3aと複数個の非正常物品3bをそれぞれ正常品集積装置15と非正常品集積装置16の中に送り込むステップS7を実行する。
【0027】
以上、上記に本発明に係る移動物品分類システム及び方法を十分かつ明瞭に説明してきた。上記によって、本発明が下記の利点を有することが分かる。
【0028】
(1)本発明は、主に光源供給装置10と、映像取得装置11と、制御と処理装置12と、物品選別装置13とからなる本発明の移動物品分類システム1である。特に、本発明は、前記制御と処理装置12の中に、第1パラメータ選択ユニット121と、第2パラメータ選択ユニット122と、分類器選択ユニット125とを構築する。これらの3つのユニット121,122,125は、少なくとも1つの第1パラメータ、少なくとも1つの第2パラメータと複数組の物品映像データを用いて自己学習(Self-learning)及び自己訓練(Self-training)を行うことができるから、適応的に(Adaptively)搬送ベルト2の上に搬送される物品3の種類に応じて、前記光源供給装置10に適用される少なくとも1つの第1パラメータ、前記映像取得装置11に適用される少なくとも1つの第2パラメータ、及び当該物品3の良品と不良品の識別及び分類に適用される映像分類器を決定することができる。上記の説明から分かるように、本発明の移動物品分類システム1は、あらゆる種類の農産物、機械部品、電子部品、半完成品または完成品に対して自動検査及び分類を実行するように用いられてもよく、単一機体で多用途に対応する特別の機能を持つ。
【0029】
強調すべき点は、上記の詳細な説明は、本発明の実施可能な実施例を具体的に説明したものであり、但し、本発明の特許範囲はこれらの実施例に限定されるものではなく、本発明の技術的精神を逸脱しない限り、その等効果実施または変更は、なお、本発明の特許請求の範囲内に含まれるものとする点である。
【符号の説明】
【0030】
動物品分類システム
2 搬送ベルト
3 物品
10 光源供給装置
100 第1調整ユニット
101 発光ユニット
11 映像取得装置
110 第2調整ユニット
111 映像取得ユニット
12 制御と処理装置
120 主制御ユニット
121 第1パラメータ選択ユニット
122 第2パラメータ選択ユニット
123 パラメータ格納ユニット
124 映像データ格納ユニット
125 分類器選択ユニット
13 物品選別装置
130 制御ユニット
131 物品選別ユニット
15 正常品集積装置
16 非正常品集積装置
3a 正常物品
3b 非正常物品
S1~S7 方法ステップ
図1
図2
図3
図4A
図4B