(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-03
(45)【発行日】2022-03-11
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
G09F 9/00 20060101AFI20220304BHJP
H04N 5/64 20060101ALI20220304BHJP
H05K 5/02 20060101ALI20220304BHJP
【FI】
G09F9/00 351
H04N5/64 581A
H05K5/02 E
(21)【出願番号】P 2017236293
(22)【出願日】2017-12-08
【審査請求日】2020-09-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】特許業務法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジュリウス ウィチャクソノ
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 彰
【審査官】中村 直行
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-045697(JP,A)
【文献】特開2014-202940(JP,A)
【文献】国際公開第2013/027440(WO,A1)
【文献】国際公開第2010/116502(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0296018(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0201845(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 9/00 - 9/46
H04N 5/64
H05K 5/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面に情報を表示する表示部と、
前記表示部の表面を覆って設けられ、操作者が触れた位置と当該位置における前記表示部の表示内容とに応じて操作を受け付ける操作部と、
前記表示部および前記操作部の周囲と前記表示部の裏面側とを少なくとも囲む筐体と、
所定の規格に則した構造を有し、前記筐体の裏面側の中央部を所定の基部に対して位置固定に支持する主支持部と、
前記筐体の裏面側であって前記主支持部に固定されている領域の外側である外周部を、前記基部に対して支える複数の補助支持部と、
を備え
、
前記補助支持部は、一端部を前記基部に着脱自在に取り付けられ、他端部を前記筐体に触れさせるものであって、
前記他端部は、前記基部に対して傾いた斜面を有し、前記斜面を前記筐体に触れさせ、
前記一端部は、長手方向が前記中央部から前記外周部へ向かう方向に沿って設けられた長孔を有し、前記基部に対して、前記長孔の長手方向に位置調整可能に構成されている
ことを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記主支持部は、前記所定の規格としてVESAマウントを採用したものである
ことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記筐体は、前記表示部の表示面に対向する位置から見る状態で方形をなし、
前記補助支持部は、前記筐体の前記方形の四隅を含む所定領域と前記基部との間に設けられる
ことを特徴とする請求項1
または2に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、表示装置は、当該表示装置が取り付けられる基部に対して、例えばVESAマウント(VESA(Video Electronics Standards Association) mount)のような所定の規格に則した支持構造により、接続されるようになってきている。所定の規格に則した構造は、表示装置と基部との接続部分に、汎用性を提供する。これにより、表示装置の交換や再利用がしやすくなるので、コストを下げる効果が期待できる等の理由で、普及してきている。
【0003】
また、従来、キオスク端末装置などに用いられている表示装置がある。キオスク端末装置の表示装置は、表面にタッチパネルを備え、店頭などでユーザに様々な情報を案内するとともに、表示内容に応じた操作を受け付ける。
【0004】
こういったキオスク端末装置の本体部(基部に相当)と表示装置との接続にも、VESAマウントが用いられるようになってきている。VESAマウントは、寸法が異なる複数の種類があり、各種類に、表示装置の大きさや重さの範囲が定められている。
【0005】
しかしながら、VESAマウントは、表示装置を、大きさおよび重さの観点で支持可能に定めた規格であって、表示装置が操作を受け付ける際の荷重は考慮されていない。また、VESAマウントは、基部に対して、表示装置の裏側中央部を接続するため、表示装置の中央部が操作を受けた場合には大丈夫でも、表示装置の外周に近い領域が操作を受けた場合には、弾性変形や塑性変形してしまうおそれがある。
【0006】
キオスク端末装置の場合には特に、不特定多数がユーザとなることなどの理由から、装置の構成要素が歪んだり隙間が空いたりしては不都合である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、基部との接続を主に所定の規格に則した構造が担う表示装置の、基部に対する変位や変形を、防止することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
実施形態の表示装置は、表示部と、操作部と、筐体と、主支持部と、複数の補助支持部とを備える。表示部は、その表面に、情報を表示する。操作部は、前記表示部の表面を覆って設けられ、操作者が触れた位置と当該位置における前記表示部の表示内容とに応じて、操作を受け付ける。筐体は、前記表示部および前記操作部の周囲と前記表示部の裏面側とを少なくとも囲む。主支持部は、所定の規格に則した構造を有し、前記筐体の裏面側の中央部を、所定の基部に対して位置固定に支持する。複数の補助支持部は、前記筐体の裏面側であって前記主支持部に固定されている領域の外側である外周部を、前記基部に対して支える。また、前記補助支持部は、一端部を前記基部に着脱自在に取り付けられ、他端部を前記筐体に触れさせるものであって、前記他端部は、前記基部に対して傾いた斜面を有し、前記斜面を前記筐体に触れさせ、前記一端部は、長手方向が前記中央部から前記外周部へ向かう方向に沿って設けられた長孔を有し、前記基部に対して、前記長孔の長手方向に位置調整可能に構成されている。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、実施形態の表示装置の外観を示す斜視図である。
【
図2】
図2は、表示装置の内部構造および補助支持部の支持構造を示す側面図である。
【
図3】
図3は、補助支持部の支持構造を示す斜視図である。
【
図4】
図4は、支柱板金の外観を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(第1の実施形態)
実施形態について図面を用いて説明する。
図1は、本実施形態にかかる表示装置1の外観を示す斜視図である。表示装置1は、表示部2、操作部3、筐体4、主支持部5および補助支持部6を備えている。符号7で示すものは、基部である。基部7は、本体部の一部である。本体部は、例えばキオスク端末装置の本体部であって、キオスク端末装置が最上部に備える表示装置1を除いた部分である。また、本体部がキオスク端末装置の場合、基部7は、一般に、ある程度傾いた斜面状であることが多い。図面では、基部7を上向きに示しているが、実施にあたっては、基部7の向きは問わない。
【0011】
表示装置1は、例えばキオスク端末装置の最上部に設けられ、キオスク端末装置が設けられた店舗の客などであるユーザ(操作者)から、表示内容に応じた各種操作を受ける。
【0012】
図2は、表示装置1の内部構造および補助支持部6の支持構造を示す側面図である。表示部2は、例えば液晶パネルなどの表示デバイスであって、表面に、ユーザに向けた情報を表示する。操作部3は、表示部2の表面を覆って設けられている。言い換えると、操作部3は、表示部2に積層されて設けられている。操作部3は、例えばタッチパネルなどの操作デバイスであって、操作者が触れた位置と、当該位置における表示部2の表示内容と、に応じて、操作を受け付ける。
【0013】
筐体4は、操作部3および表示部2の周囲を囲む外周部41と、表示部2の裏面を覆う裏面部42とを有する。裏面部42は、自身の内面と、表示部2の裏面とで、空間Sを形成している。空間Sには、表示部2および操作部3の制御を行う基板などが収納されている。
【0014】
なお、筐体4、表示部2および操作部3は、表示部2の表示面に対向する位置から見る状態で、略方形をなしている。また、筐体4の裏面部42は、丸みを帯びた形状に形成されている。
【0015】
主支持部5および補助支持部6は、筐体4の裏面部42と基部7との間に配置され、基部7に対して位置固定に、表示装置1を支持する。
【0016】
主支持部5は、所定の規格に則した構造を有している。所定の規格としては、例えばVESAマウントがある。本実施形態では、所定の規格として、VESAマウントを採用した場合を例に説明する。また、本実施形態では、表示部2のサイズが17ないし21インチの場合を例に説明する。なお、VESAマウントが定める詳細については、説明を省略する。
【0017】
本実施形態では、表示部2のサイズが17ないし21インチであるので、主支持部5は、上記規格に則し、平面視(図中上方から下方を見下ろした状態)において、75または100mm四方の正方形状をなし、正方形の四隅にねじ止めする形態を有する。このような寸法であると、平面視において、表示装置1と主支持部5との、縦または横の長さの比が、2:1や3:1に近くなる。言い換えると、主支持部5は、表示装置1の1/3~1/2程度の寸法となる。つまり、主支持部5は、表示部2、操作部3および筐体4の、中央部に取り付けられて、これら(表示部2、操作部3および筐体4)を支持していると言える。このため、仮に、表示装置1が補助支持部6を備えず、主支持部5のみによって表示部2、操作部3および筐体4を支持する構造であると、筐体4の裏面部42の中央部(主支持部5が固定されている領域である第1領域を含む)の外側(外周部)に加わった荷重が、主支持部5回りのモーメントとなる。
【0018】
ここで、背景を補足する。近年、技術の向上により上記基板の小型化が進んで、以前は表示部2や操作部3に近い大きさであった基板が、表示部2や操作部3の例えば半分よりも小さいなど、表示部2や操作部3に対してかなり小さいものとなってきている。このため、従来期待できた基板由来の剛性を、表示装置1は得られなくなってきている。これにより、表示装置1は、主支持部5のみによる支持では、操作部3(特に外周部)に受ける荷重に耐えることが難しいものとなってきている。
【0019】
そこで、本実施形態の表示装置1は、上述のモーメントに代表される負荷に抗するため、複数の補助支持部6を備えている。補助支持部6は、裏面部42の外周部を、基部7に対して支える。外周部は、上述の通り、主支持部5に固定されている第1領域を含む中央部の外側である。
【0020】
本実施形態では、表示装置1が備える補助支持部6は4つであって、略方形をなす筐体4の四隅または四隅近傍と、基部7との間に設けられている。上述の「四隅または四隅近傍」は、好ましくは、上述の外周部における筐体4の対角線上を含む所定領域(第2領域)である。
【0021】
図3は、補助支持部6の支持構造を示す斜視図である。補助支持部6は、支柱板金61と、台座部62と、ねじ63とを備えている。台座部62は、基部7に貼り付けされるなどにより固定されている。
【0022】
支柱板金61は、例えば板金に曲げ加工を施すなどにより3つの部分を形成したものであって、第1部分(一端部の一例)611、第2部分612、および第3部分(他端部の一例)613を、有している。第1部分611と第2部分612とは連続し、間に直角をなしている。第2部分612と第3部分613とは連続し、間に鈍角をなしている。
【0023】
図4は、支柱板金61の外観を示す斜視図である。第1部分611は、台座部62に積層状態で乗せられて、台座部62および基部7に、ねじ63により固定される。第2部分612は、第1部分611や基部7から離れる方向に立ち上がって第3部分613へと至る部分である。第3部分613は、基部7に対して傾いた斜面613aおよび先端部613bを有している。支柱板金61は、斜面613aもしくは先端部613bによって筐体4に接して、当該筐体4、表示部2および操作部3を支える。
【0024】
支柱板金61は、一対の長孔614,615を有している。長孔614,615は、第1部分611に設けられた孔614a,615aと、第2部分612に設けられた孔614b,615bとが、連続したものである。
【0025】
ねじ63は、頭部63aを第1部分611の上に残して、孔614a,615aを通って、台座部62に螺合する。これにより、支柱板金61が基部7に対して固定される。
【0026】
ここで、本実施形態において、孔614a,615aの長手方向は、筐体4の中央部から外周部へ向かう方向に、略沿っている。これにより、台座部62に対して孔614a,615aの長手方向沿いに支柱板金61を変位可能となる。当該変位によって、本実施形態のような丸みを帯びた筐体4に対しても、適切に支持するための補助支持部6の位置決めが、容易となる。
【0027】
このような構成の表示装置1において、
図1に示すように、主支持部5および補助支持部6によって、筐体4、表示部2および操作部3を支える。主支持部5は、筐体4の中央部を支える。補助支持部6は、筐体4の外周部を支える。補助支持部6はまた、基部7に対して一端部が第2領域で位置調節可能であって、他端部を筐体4に触れさせるものである。
【0028】
操作部3がユーザの操作を受けることで、表示装置1が荷重を受けるが、中央部にある主支持部5と外周部にある補助支持部6とが協同して荷重を負担する。これにより、従来のような主支持部のみが荷重を負担して変形するような不都合を防止することができる。
【0029】
このように、本実施形態によれば、基部7との接続を主に所定の規格に則した構造(主支持部5)が担う表示装置1の、基部7に対する変位や変形を、防止することができる。これにより、表示装置1の再利用や転用の阻害要因(主支持部5等の変形など)が防がれ、また、表示装置1の寿命の長期化を期待することができる。
【0030】
なお、本実施形態では、VESAマウントを所定の規格の一例として説明したが、実施にあたっては、他の規格に本実施形態を適用してもよい。
【0031】
また、本実施形態では、補助支持部6を具体的に図示したが、これは飽くまでも一例であって、補助支持部6は、主支持部5に固定されている第1領域の外側を、基部7に対して支えることが可能な、他の形状を有するものであってよい。
【0032】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0033】
1 …表示装置
2 …表示部
3 …操作部
4 …筐体
41 …外周部
42 …裏面部
5 …主支持部
6 …補助支持部
61 …支柱板金
613a…斜面
613b…先端部
614 …長孔
62 …台座部
7 …基部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0034】