(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-03
(45)【発行日】2022-03-11
(54)【発明の名称】3Dデータに対するデジタル仕上げマテリアルのための高度自動化アプリケーション
(51)【国際特許分類】
G06T 19/00 20110101AFI20220304BHJP
G06F 30/10 20200101ALI20220304BHJP
【FI】
G06T19/00 A
G06F30/10 200
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2017247065
(22)【出願日】2017-12-22
【審査請求日】2020-10-27
(32)【優先日】2016-12-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】517451054
【氏名又は名称】ダッソー システムズ 3ディーエキサイト コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】特許業務法人 谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アラン リリー
(72)【発明者】
【氏名】トーマス セルスナック
【審査官】永野 志保
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-149493(JP,A)
【文献】特開2013-134510(JP,A)
【文献】特開2006-344095(JP,A)
【文献】特開平04-047373(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2002/0130869(US,A1)
【文献】米国特許第06888542(US,B1)
【文献】特開2008-257510(JP,A)
【文献】特開2011-039650(JP,A)
【文献】特開2007-034351(JP,A)
【文献】特開2010-231820(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06T 19/00
G06F 30/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータ支援設計(CAD)モデルを表示する、コンピュータにより実行される方法であって、
メモリ中に、現実世界の対象物を表現する三次元(3D)CADモデルを定義し、前記CADモデルは、複数の部品を含んでおり、
1またはそれ以上のプロセッサを介して、
スプレッドシートデータを取得し、前記スプレッドシートデータは、マテリアル仕上げをアイテムナンバに関連させる
条件論理を含むステップと、
前記取得したスプレッドシートデータの関数である条件付きプログラムを実行することによって前記
取得したスプレッドシートデータを構造化データベースへと再フォーマットするステップ
であって、前記再フォーマットすることは、前記取得したスプレッドシートデータ内に含まれる前記条件論理を解くことを含む、該ステップと、
前記CADモデルの前記部品に前記アイテムナンバを関連付ける指示を受け取るステップと、
前記構造化データベースおよび前記CADモデルの前記部品に関連付けられたアイテムナンバに関する前記受け取られた指示に基づくマテリアル仕上げを有する前記部品と共に、前記CADモデルを自動的に表示するステップと、
を備えたことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記CADモデルを自動的に表示するステップは、
前記CADモデルの所与の部品に関連付けられた所与のアイテムナンバを識別し、
前記構造化データベース中で、前記所与のアイテムナンバに関連する個別のマテリアル仕上げを決定し、
前記決定されたマテリアル仕上げにより前記所与のCADモデルの部品を表示する、
ことを備えたことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
サードパーティソースからのマテリアル情報を前記構造化データベースへと自動的に統合することを特徴とすることをさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記取得されたスプレッドシートデータは、マテリアル仕上げを、前記アイテムナンバに関連付けられたスタイルパッケージに基づきアイテムナンバと関連させることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
マテリアル仕上げをアイテムナンバに関連させる前記構造化データベースにおけるエラーを識別するステップをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記CADモデルを表示するステップは、
前記CADモデルを表示するときに、前記識別されたエラーと関連付けられた所与の部分を強調表示するステップを、
さらに含む
請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記識別されたエラーを訂正するようにユーザに促すステップをさらに含むことを特徴とする
請求項5に記載の方法。
【請求項8】
コンピュータ支援設計(CAD)モデルを表示するシステムであって、
プロセッサと、
コンピュータコード命令が記憶されているメモリとを備え、前記プロセッサおよび前記メモリが、前記コンピュータコード命令によって、
メモリ中に、現実世界の対象物を表現する三次元(3D)CADモデルを定義させ、前記CADモデルは、複数の部品を含み、
スプレッドシートデータを取得させ、前記スプレッドシートデータは、マテリアル仕上げをアイテムナンバに関連させ
る条件論理を含み、
前記取得したスプレッドシートデータの関数である条件付きプログラムを実行することによって前記
取得したスプレッドシートデータを構造化データベースへと再フォーマットさせ、
前記再フォーマットすることは、前記取得したスプレッドシートデータ内に含まれる前記条件論理を解くことを含み、
前記CADモデルの前記部品にアイテムナンバを関連付ける指示を受け取らせ、
前記構造化データベースおよび前記CADモデルの前記部品に関連付けられたアイテムナンバに関する前記受け取られた指示に基づくマテリアル仕上げを有する前記部品と共に、前記CADモデルを自動的に表示させる、
ように構成されたことを特徴とするシステム。
【請求項9】
自動的に前記CADモデルを表示するときに、前記プロセッサおよび前記メモリが、前記コンピュータコード命令によって前記システムに、
前記CADモデルの所与の部品に関連付けられた所与のアイテムナンバを識別させ、
前記構造化データベース中で、前記所与のアイテムナンバに関連させられている個別のマテリアル仕上げを決定させ、
前記決定されたマテリアル仕上げを有する前記所与のCADモデルの部品を表示させる、
ようにさらに構成されたことを特徴とする
請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記プロセッサおよび前記メモリが、前記コンピュータコード命令によって前記システムに、
サードパーティソースからのマテリアル情報を前記構造化データベースへと自動的に統合させる
ようにさらに構成されたことを特徴とする
請求項8に記載のシステム。
【請求項11】
前記取得されたスプレッドシートデータは、マテリアル仕上げを、前記アイテムナンバに関連付けられたスタイルパッケージに基づくアイテムナンバと関連させることを特徴とする
請求項8に記載のシステム。
【請求項12】
前記プロセッサおよび前記メモリが、前記コンピュータコード命令によって前記システムに、
マテリアル仕上げをアイテムナンバに関連付けている前記構造化データベースにおけるエラーを識別させる、
ようにさらに構成されたことを特徴とする
請求項8に記載のシステム。
【請求項13】
前記CADモデルを表示するときに、前記プロセッサおよび前記メモリが、前記コンピュータコード命令によって前記システムに、
前記CADモデルを表示するときに、前記識別されたエラーと関連付けられた所与の部分を強調表示させる、
ようにさらに構成されたことを特徴とする
請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記プロセッサおよび前記メモリが、前記コンピュータコード命令によって前記システムに、
前記識別されたエラーを訂正するようにユーザに促させる、
ようにさらに構成されたことを特徴とする
請求項12に記載のシステム。
【請求項15】
コンピュータに、請求項1ないし7のいずれか1つに記載の方法を実行させることを特徴とするコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、一般的に、コンピュータプログラムおよびシステムの分野に関し、特に、コンピュータ支援設計(CAD)、コンピュータ支援エンジニアリング、モデリング、市場取引、コンピュータ生成画像(CGI)、シミュレーションの分野に関する。
【背景技術】
【0002】
部品や部品の組立て品の設計のための市場に対し、いくつかのシステムおよびプログラムが提供されている。これらのいわゆるCADシステムと称されるこれらによって、ユーザは、オブジェクトまたはオブジェクトの組立て部品の複雑な三次元モデルを作成し操作することができる。このように、CADシステムは、稜や線、また一定の場合には面を用いてモデル化されたオブジェクトの表現を与える。線、稜、面、またはポリゴンは、例えば、非一様有理Bスプラインのような様々な方法で表現され得る。
【0003】
CADシステムは、モデル化されたオブジェクトの部品や部品の組立て品を管理し、それらは、主に幾何構造についての仕様である。特に、CADファイルは、仕様(specification)を含み、それによりジオメトリが生成される。ジオメトリから、表現が生成される。仕様、幾何構造、表現は、1または複数のCADファイルに格納される。CADシステムは、モデル化されたオブジェクトを表現するため、設計者向けにグラフィックツールを含んでいる。これらのツールは、複雑なオブジェクトの表示に専ら使用される。例えば、組立て品は数千個の部品を含むことができる。CADシステムは、オブジェクトのモデルを管理するために使用されることができ、ここで、オブジェクトのモデルは、電子ファイルに格納されている。
【発明の概要】
【0004】
方法およびCADシステムが、CADモデルを表現しおよび表示し、CADモデルの表現のために存在し、以下において一般的にCADモデルと呼ばれるが、特に、前記CADモデルが、仕上げマテリアル(finish material)と共に表示される時に、これらのシステムおよび方法は、前記CADモデルを表示するためのリソースを要求する。したがって、このようなシステムおよび方法は、性能向上の恩恵を受けることができる。本発明に係る実施形態は、CADモデルを表示するための改良された方法およびシステムを提供する。
【0005】
1つの例示的な実施形態は、CADモデルを表示する方法であって、メモリ中に、現実世界の対象物を表現する三次元(3D)CADモデルを定義することにより開始する方法を提供する。ここで、そのCADモデルは複数の部品を含んでいる。その例示的な方法は、1またはそれ以上のプロセッサを介し、アイテムナンバ(item numbers)の付いたマテリアル仕上げ(Material finishes)に関連するスプレッドシートデータ(すなわち、スプレッドシートからのデータ)を取得し、その後、その取得されたスプレッドシートデータを構造化データベースへと再フォーマットすることに続く。次に、この例示的な方法の実施形態は、そのCADモデルの部品にアイテムナンバを関連付ける指示(indications)を受け取り、構造化データベースに基づくマテリアル仕上げおよびCADモデルの部品に関連付けられたアイテムナンバに関する受け取られた指示を有する部品と共に、そのCADモデルを自動的に表示する。本明細書において、描画(render)、表示(display)、および出力(output)の用語は、交換可能に使用される。
【0006】
方法の1つの例示的な実施形態によれば、CADモデルを自動的に表示することは、次の(1)所与のCADモデルの部品に関連付けられた所与のアイテムナンバを識別し、(2)前記データベース中で、前記所与のアイテムナンバに関連する個別のマテリアル仕上げを決定し、(3)前記決定されたマテリアル仕上げを付けて前記所与のCADモデルの部品を表示することを含む。方法の他の実施形態は、サードパーティソースからのマテリアル情報を前記構造化データベースへと自動的に統合することをさらに含む。本発明のこのような実施形態の1つでは、前記取得されたスプレッドシートデータが、マテリアル仕上げを、前記アイテムナンバに関連付けられたスタイルパッケージに基づくアイテムナンバと関係させる。さらにまた、さらなる他の例示的な方法についての実施形態では、前記スプレッドシートデータが、前記マテリアル仕上げと前記アイテムナンバを関連付ける条件論理を含む。
【0007】
代替的な方法についての実施形態は、マテリアル仕上げをアイテムナンバに関連付けている前記構造化データベースにおけるエラーを識別することをさらに含む。さらに、例示的な実施形態は、前記CADモデルを表示するときに、前記識別されたエラーと関連付けられた所与の部分を強調表示することをさらに含む。さらにまた、構造化データベースにおけるエラーを識別する例示的な実施形態は、前記識別されたエラーを訂正するように前記ユーザに促すことを含む。
【0008】
本発明の他の実施形態は、CADモデルを表示するためのシステムにも向けられている。実施形態に係るシステムは、プロセッサと、コンピュータコード命令が記憶されているメモリと、前記プロセッサおよび前記メモリが、前記コンピュータコード命令によって、システムに、メモリ中に、現実世界の対象物を表現する三次元(3D)CADモデルを定義させ、前記CADモデルは、複数の部品を含み、スプレッドシートデータを取得させ、前記スプレッドシートデータは、マテリアル仕上げをアイテムナンバに関係付ける。そのようなシステムの実施形態において、プロセッサおよび前記コンピュータコード命令を含むメモリは、システムに、前記取得されたスプレッドシートデータを構造化データベースへと再フォーマットさせ、前記CADモデルの部品にアイテムナンバを関連付ける指示を受け取らせ、前記構造化データベースに基づくマテリアル仕上げおよび前記CADモデルの前記部品に関連付けられたアイテムナンバに関する前記受け取られた指示を有する前記部品と同時に、前記CADモデルを自動的に表示させるように、さらに構成される。
【0009】
代替的なシステムについての実施形態では、CADモデルを自動的に表示することにおいて、プロセッサとメモリが、コンピュータコード命令によって、システムに、前記CADモデルの所与の部品に関連付けられた所与のアイテムナンバを識別させ、前記データベース中で、その識別されたアイテムナンバに関連付けられている個別のマテリアル仕上げを決定させ、前記決定されたマテリアル仕上げを付けて前記所与のCADモデルの部品を表示させるように、さらに構成される。システムのその他の実施形態によれば、プロセッサとメモリは、コンピュータコード命令を用いて、システムに、サードパーティソースからのマテリアル情報を前記構造化データベースへと自動的に統合させるように、さらに構成される。
【0010】
システムのまたその他の実施形態によれば、前記取得されたスプレッドシートデータが、マテリアル仕上げを、前記アイテムナンバに関連付けられたスタイルパッケージに基づくアイテムナンバと関係させる。さらにまた、その他の実施形態において、前記スプレッドシートデータが、前記マテリアル仕上げと前記アイテムナンバを関連付ける条件論理を含む。
【0011】
システムの代替的な実施形態は、プロセッサとメモリを経由して、コンピュータコード命令を用いて、マテリアル仕上げをアイテムナンバに関連付けている前記構造化データベースにおけるエラーを識別させるように構成される。そのようなシステムの実施形態は、前記CADモデルを表示するときに、前記識別されたエラーと関連付けられた部分を強調表示させるように構成することも出来る。さらにまた、システムの実施形態は、前記識別されたエラーを訂正するように前記ユーザに促すように、さらに構成される。
【0012】
本発明のさらに他の実施形態は、CADモデルを表示するためのクラウドコンピューティングの実装に向けられている。このような実施形態は、1またはそれ以上のクライアントを含むネットワークをまたぐ通信の中のサーバによって実行されるコンピュータプログラム製品に向けられている。このような実施形態では、コンピュータプログラム製品は、コンピュータ可読媒体を含んでおり、そのコンピュータ可読媒体はプログラム命令を含んでおり、それがプロセッサにより実行されるとき、前記プロセッサに対して、メモリ中に、現実世界の対象物を表現する三次元(3D)CADモデルを定義させ、前記CADモデルは、複数の部品を含むように、させる。またさらに、そのようなクラウドコンピューティング環境において、プログラム命令は、それが実行されるとき、プロセッサに対して、さらに、スプレッドシートデータを取得させ、前記スプレッドシートデータは、マテリアル仕上げをアイテムナンバに関係付け、取得されたスプレッドシートデータを構造化データベースへと再フォーマットさせ、前記CADモデルの部品を前記アイテムナンバに関連付ける指示を受け取らせ、前記構造化データベースと前記CADモデルの部品に関連付けられたアイテムナンバについて前記受け取られた指示とに基づいて、マテリアル仕上げを有する部品と共にCADモデルを自動的に表示させる。
【0013】
コンピュータプログラム製品のその他の実施形態では、CADモデル自動的に表示することにおいて、プログラム命令は、それが実行されるとき、プロセッサに、前記CADモデルの所与の部品に関連付く所与のアイテムナンバを識別させ、前記データベース中で、前記所与のアイテムナンバに関連付けられている個別のマテリアル仕上げを決定させ、前記決定されたマテリアル仕上げを付けて前記所与のCADモデルの部品を表示させる。さらに、コンピュータプログラム製品の代替の実施形態では、前記取得されたスプレッドシートデータが、マテリアル仕上げを、前記アイテムナンバに関連付けられたスタイルパッケージに基づくアイテムナンバと関係させる。さらにまた、さらにその他の実施形態では、前記スプレッドシートデータが、前記マテリアル仕上げと前記アイテムナンバを関連付ける条件論理を含む。
【0014】
上記は、同じ部品を異なる視野で参照する参照記号等を用いて、添付図面中に図示しながら、発明の例示的な実施形態に関する以下のより詳細な記載により明確になるだろう。図面は、縮尺の程度を調整する必要はなく、代わりに本発明について説明している実施形態を強調する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】実施形態に従うCADモデルを表示する方法についてのフローチャートである。
【
図2A】本発明に係る例示的な実施形態に従うCADモデルを表示する方法についての段階を図示するものである。
【
図2B】本発明に係る例示的な一実施形態に従うCADモデルを表示する方法についての段階を図示するものである。
【
図2C】本発明に係る例示的な一実施形態に従うCADモデルを表示する方法についての段階を図示するものである。
【
図2D】本発明に係る例示的な一実施形態に従うCADモデルを表示する方法についての段階を図示するものである。
【
図3】
図1のステップにおけるデータを処理する方法についてのフローチャートである。
【
図4】実施形態に従うCADモデルを表示するシステムについての簡略化されたブロック図である。
【
図5】本発明を実施することのできる実施形態における、コンピュータネットワーク環境の簡略図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の例示的な実施形態を以下に説明する。
【0017】
本発明の実施形態は、CADモデルを表示するための方法とシステムを提供する。特に、実施形態は、適切な仕上げマテリアルを付けてCADモデルを表示するための解決策を提供する。このような機能性は、プロダクトデザイン、工業化技術の視覚化、ビデオゲーム、広告、マーケティングおよびビジネスインテリジェンスのための、コンピュータ生成画像およびアニメーションに使用することができる。
【0018】
多くの団体は、制限的な例として自動車のような、消費者が対面する(comsumer-facing)複雑な製品の創作のために3D CADデータを使用する。3D CADデータは、典型的に、部品の物理的なパラメータを記述するが、その最終的な外観マテリアル、すなわち仕上げマテリアルに関連する部品の情報を含まない。例えば、ある部品は、鉄(その建造物のマテリアル)から作られているかも知れないが、究極的には、黒色(その仕上げマテリアル)で彩色されてしまう。CADデータは、典型的に、その部品を作成し検証する技術者により管理されるが、彼らは、典型的に、その部品の仕上げマテリアルを管理しない。
【0019】
一方で、最終的な外観、すなわち仕上げマテリアルは、典型的に、色に関する外観、ファッション、色の流行またはトレードドレス(ブランディング)などに関連するデザインを基礎とすることに従事する者によって管理される。仕上げマテリアルについての情報は、典型的に、スプレッドシートおよび画像を基礎とするフォーマットを用いて、従来のPLM/CADシステムの外部で管理される。スプレッドシートおよび画像を基礎とするフォーマットは、典型的に、値や記述などのようなエラーを生じやすいものであり、それらは、手動で入力され、手順通りにエラーを確認されない。従って、既存の方法論の下では、CADデータ、すなわちCADモデルの部品に対する、仕上げマテリアルの直接的なマッピングは存在しない。
【0020】
CAD部品の外観を正確に可視化するために、すなわちCADモデルによって表現される製品を作成するCAD部品の収集のために、2つのデータソース(CADデータおよびスプレッドシート)を結合させる必要がある。言い換えれば、スプレッドシートの仕上げマテリアルのデータとCADモデルのデータとの間におけるマッピングが必要である。既存の手続きを用いた場合、100%手動のプロセスとなり、それは、非常に時間を消費し、CADモデル部品(数千個の部品)と仕上げマテリアル(多くの部品が、それぞれ多数の異なる仕上げマテリアルを用いて作成される)との双方を管理するための情報の複雑さによるエラーが生じやすいものである。加えて、他の変数に基づく、部品の仕上げマテリアルを正確に表現するために、条件論理が必要である(例えば、部品Aは、ある条件下では、“黒色彩色”であるが、部品Aは、その他の条件下では、“赤色彩色”である)。
【0021】
上述したように、仕上げマテリアルを個別のCAD部品に結びつける手法はあるものの、それら既存の手法は、完全に手動であり、従って、極端に時間を消費するものである。例えば、例示的な自動車のCADモデルは、5000個の部品を含むことがあり、それらのそれぞれは、特定の仕上げマテリアルを有する。従って、それら5000個の部品のそれぞれを表示する、仕上げマテリアルの管理は、時間集中的でエラーが生じやすいものである。例示的な既存のワークフローは、複数ステップのプロセスであり、そのプロセスは、(1)CADモデルの生成、(2)スプレッドシートおよび画像シートデータの取得、(3)画像シートを用いて、所与のCADジオメトリに関連づけられた画像番号の手動による識別、(4)CADモデルを着色するスタイルパッケージの決定、および(5)選択されたスタイルパッケージに対して取得されたスプレッドシートデータ中の関連付けられているアイテムナンバに対応するマテリアル情報に従ってそれぞれのジオメトリを着色、を必要とする。さらに、このプロセスは、そのモデルに関連付けられている、それぞれのジオメトリ毎に、それぞれのスタイルパッケージ毎に、繰り返す必要がある。
【0022】
本発明の実施形態は、前述の課題を解決し、適切な仕上げマテリアルを有するCADモデルを自動的に表示するために、CADモデルデータに対して仕上げマテリアルデータをマッピングするための自動化された方法とシステムを与える。
図1は、本発明の実施形態の原理に従う、CADモデルを表示するための例示的な方法のフローチャート100を図示している。方法100は、現実世界の対象物を表現する三次元CADモデルを定義するステップ101から開始し、ここで、CADモデルは、複数の部品を含んでいる。実施形態によれば、そのCADモデルは、その分野において既知であるいかなる原理に従って定義されてもよい。同様に、ステップ101において定義されるモデルは、CADモデルとして記述されているが、この分野において既知であるいかなる計算機ベースのモデルでもよい。
【0023】
さらに、CADモデルは、典型的に、CADモデルの様々な構成要素の基礎的なジオメトリを含むが、ステップ101で定義されるモデルは、その代わりにCADモデルの表現のみとしても良く、従って、基礎的なジオメトリを含まなくとも良い。さらに、CADモデルは、現実世界の対象物の表現として記述されるが、本発明の実施形態では、そのような制限はない。その代わりに、実施形態において、ステップ101で定義されるモデルは、現実であるか意図的に(仮想的に)表示されかを問わずいかなる対象物を表現しても良い。
【0024】
次いで、方法100は、ステップ102において、マテリアル仕上げとアイテムナンバとを関係付けるスプレッドシートデータを取得する。方法100のコンピュータによって実行される実施形態において、データは、ステップ102において、いかなる計算装置、例えば、コンピュータ、記憶装置、メモリ、または通信可能に接続されもしくは方法100を実行する計算機器と通信可能に接続され得る計算装置の組み合わせから取得されても良い。実施形態によれば、スプレッドシートデータは、この分野において既知である、例えば、Excel(マイクロソフト社による商標)、色彩およびスタイルデータなどのいかなるスプレッドシートデータであっても良い。さらに、実施形態によれば、ステップ102で取得されるデータは、マテリアル仕上げをアイテムナンバに関係付けるいかなるデータ、すなわちいかなるフォーマットによるものであっても良い。そのようなデータの簡略化された例示は、以下の表1に示される。
【0025】
【表1】
スプレッドシートデータのさらなる例示は、本明細書中では
図2Bに関して、以下に説明される。実施形態によれば、ステップ102において取得されるスプレッドシートデータは、アイテムナンバに関連付けられたスタイルパッケージに基づいてマ、テリアル仕上げをアイテムナンバに関連付ける。例えば、実施形態において、取得されたデータは、アイテムナンバ1は高級なスタイルパッケージにおける木製であって、アイテムナンバ1は標準的なスタイルパッケージにおける黒色彩色である、ということを示すことができる。従って、ステップ102において取得されるデータは、様々な条件、例えば、スタイルパッケージに依存する複数のマテリアル仕上げに関連づけられた所与のアイテムナンバを示すことができる。同様に、実施形態によれば、ステップ102において取得されるスプレッドシートデータは、マテリアル仕上げをアイテムナンバに関連させる条件論理を含むことができる。例えば、このような実施形態におけるデータは、アイテム1が黒色彩色マテリアル仕上げならばアイテム2は赤色彩色マテリアル仕上げであって、アイテム1が木製マテリアル仕上げならばアイテム2は木製マテリアル仕上げである、ということを示しても良い。ステップ102において取得されるスプレッドシートデータは、CADモデルの部品を描写する画像シートまたは関連付けられているアイテムナンバを有する表現も含むことができる。
【0026】
次に、方法100は、ステップ103において、取得されたスプレッドシートデータを構造化データベースへと再フォーマットする。この再フォーマットすることは、ユーザによって決定されるプロセス/論理の結果であっても良い。ステップ103において実行され得るプロセス350の例示は、本明細書中では
図3に関して、以下に説明される。さらに、再フォーマットされたデータを図示する例は、本明細書中では
図2Bに関して説明される。実施形態によれば、ステップ103において、非構造化スプレッドシートデータは、ステップ102において取得されるデータから様々なデータ要素を適切にかつ明瞭に構造化する、関連性のあるデータベースへとフォーマットされる。このような再フォーマットすることは、条件論理を取り除き、代わりに、それぞれ異なる論理的シナリオに対するマテリアル仕上げを示すようにデータを構造化することを含んでも良い。論理条件を取り除きそれをデータベース中の解決された論理結果に置き換えることは、モデルが表示される度に毎回論理条件を解く必要性を取り除くことにより、より短時間でCADモデルを表示することを容易にする方法を提供することができる。
【0027】
方法100の代替となる実施形態は、サードパーティソースからのマテリアル情報をステップ103において形成された構造化データベースへと自動的に統合することを、さらに含む。例示的なサードパーティソースは、例えば、Thierryのような着色およびマテリアルのサービスを提供するサードパーティ向けのデータベースおよびウェブサイトを含む。例えば、そのような機能性により、ステップ103において構造化データベースへと再フォーマットされたデータにおいて指し示されるマテリアルに関連付けられた正確な色仕様を取得するために、サードパーティのデータベースまたはウェブサイトにアクセスすることができる。
【0028】
次に、方法100は、CADモデルの部品をアイテムナンバに関連づける指示を受け取ることを継続する。言い換えると、CADモデルの特定の部品に対して適するアイテムナンバを与えるステップ104において、データが受け取られる。CADモデルが自動車である簡略化された例示を説明すると、ステップ104において受け取られる指示は、自動車のボディはアイテムナンバ1であり、自動車のグリルはアイテムナンバ2である、ということを指し示すことができる。これらの指示は、この分野において既知であるいかなる手段を介して受け取られても良く、同様に、指示は、通信可能に接続されたまたは方法100を実行する計算装置と通信可能とされ得る、この分野において既知であるいかなる機器を介して受け取られても良い。例えば、指示は、CADモデルを表示するためにユーザにより使用されるCADソフトウェアパッケージを介して受け取られることができる。実施形態によれば、ステップ104において受け取られる指示は、タグがアイテムナンバを指し示す、CADモデルの部品に関連づけられたタグを含む。
【0029】
ステップ104において指示を受け取り次第、方法100は、ステップ105において、構造化データベースおよびCADモデルの部品に関連付けられたアイテムナンバについて受け取られた指示に基づいて、マテリアル仕上げを有する部品と共にCADモデルを自動的に表示する。実施形態によれば、ステップ105においてCADモデルを表示することは、(1)CADモデルの所与の部品に関連づけられたアイテムナンバを識別すること(ステップ104において受け取られたデータを用いて)、(2)ステップ102においてデータベースへと再フォーマットされたデータを用いて、識別されたアイテムナンバに関連づけられた個別のマテリアル仕上げを決定すること、(3)決定されたマテリアル仕上げの付いたCADモデルの所与の部品を表示すること、を含む。
【0030】
例示のための前述の乗り物の例を検討すれば、この例では、取得されたスプレッドシートデータが、ステップ103において再フォーマットされ、スタイル1が表示されている。ここで、再フォーマットされたデータは、アイテムナンバ1が赤色彩色のマテリアル仕上げで、アイテムナンバ2は、黒色彩色のマテリアル仕上げであることを示す。このような例示において、ステップ104において受け取られた指示は、自動車のボディはアイテムナンバ1に関連づけられ、自動車のグリルはアイテムナンバ2に関連づけられる、ということを指し示している。自動車のCADモデルを表示する際に、データベースは、アイテムナンバ1は赤色彩色マテリアル仕上げを有することを識別するために使用され、受け取られた指示は、その自動車のボディはアイテムナンバ1に関連づけられることを決定するために使用され、次いで、車のボディは赤色彩色マテリアル仕上げを付けて自動的に表示される。同様に、データベースは、アイテムナンバ2は黒色彩色マテリアル仕上げを有することを識別するために使用され、受け取られた指示は、その自動車のグリルはアイテムナンバ2に関連づけられることを決定するために使用され、従って、車のグリルは黒色彩色マテリアル仕上げを付けて自動的に表示される。このような自動化された仕上げ表示方法は、データが利用可能である限り、いかなる数のCADモデルの部品に対しても繰り返されることができる。
【0031】
代替である実施形態において、ステップ105において表示することの前に、方法100は、CADモデルを表示するために選択された指示を受け取る。次いで、方法100は、ステップ105において、CADモデルのジオメトリをトラバースし、再フォーマットされたデータを使用して適切なマテリアルを決定し、ジオメトリの各ピースのために選択されたスタイルを考慮して、CADモデルが決定されたデジタル化されたマテリアルにより表現される。
【0032】
方法100の代替となる実施形態は、エラー確認機能をさらに含む。このような実施形態において、マテリアル仕上げをアイテムナンバに関連付ける構造化データベースにおけるエラーを識別することを含むことができる。識別されるエラーの例示は、誤記、マテリアル情報に関連付いたミスを有するアイテムナンバ、不適当なマテリアル情報(例えば、適切なマテリアルコードではないマテリアルの記述)、かつ/または、例えば、関連付けられたスタイルパッケージと互換性のない関連付けられたマテリアル情報を有するアイテムナンバを含む。エラーが識別される例示的な実施形態において、表示されたその影響を受けたCADモデル部品は強調表示され、エラーを指し示すことができる。例えば、マテリアル情報が、自動車のCADモデルのサイドミラーについて欠落がある場合、実施形態のシステムはサイドミラーを強調表示して欠落を指し示す。このような実施形態は、さらにもっと進めてユーザに対して、ユーザインタフェースを介して、識別されたエラーを修正するように積極的に促すことができる。例示的な修正のプロンプトは、“プレミアムパッケージにおけるサイドミラーに関連付けられたマテリアル情報がありません。その情報を与えてください”と記載することができる。
【0033】
図2A-2Dは、本発明の実施形態に従ってCADモデルを表示するプロセスのステップを図示している。
図2Aは、最初に受け取られる非構造化データ220を図示している。非構造化、例えば、スプレッドシート220は、マテリアルデータシート221と、画像データシート222aおよび222bとを含む。マテリアルデータ221は、アイテムナンバ223、アイテムナンバの記述224、アイテムナンバに関連付けられたマテリアル情報225を含む。アイテムナンバ223に関連付けられたマテリアル情報225は、異なるマテリアルはスタイルパッケージ、例えば、普通のペンまたは高級なペンに基づく所与のアイテムナンバに関連付けられていることを指し示している。非構造化データ220は、スタイルシート222aおよび222bをさらに含む。スタイルシート222a-bは、ペンの部品226a-226bの表現に関連付けられているアイテムナンバ1-8を指し示している。実施形態において、スタイルシート222a-bは、使用され、ペンのCADモデルの部品をアイテムナンバ223に関連付ける指示を与えることができる。
【0034】
図2A-2Dに表現されるプロセスは、
図2Bに表現される構造化データベースの中で、
図2Aの非構造化データ220を再フォーマットすることに続く。非構造化データ220を構造化データベース(
図2Bの227)に再フォーマットするために、非構造化データベース220のファイルネームは、Excelファイルテーブル228に入力され、データシートデーブル229は、同様に、ファイルネームまたはマテリアルデータシート221における他の指示が入力される。同様に、シート222a-bからの画像シートデータは、画像シートテーブル232にフォーマットされる。継続して、アイテムナンバデータ223および記述データ224は、アイテムテーブル230にフォーマットされ、マテリアルデータ225のからの列ヘッダ“普通のペンのマテリアルコード”、“木製のペンのマテリアルコード”および“高級なペンのマテリアルコード”は、スタイルテーブル231へと再フォーマットされる。さらに、マテリアルデータ225からの個別のセル情報は、セルテーブル223にフォーマットされ、セル情報225の部分であるマテリアルコードは、マテリアルテーブル234に読み込まれる。
図2Bを用いて再フォーマットすることは、受け取られた非構造化データ220を考慮して要求され必要とされる、任意の条件付きのプログラミングの結果であっても良く、従って、
図2Bに図示される再フォーマットすることは、必要に応じてカスタマイズされても良い。再フォーマットすることの例示は、本明細書中では
図3に関して、以下に説明される。
【0035】
次に、CADモデル、CADモデル226、235、237および239の様々なバージョンが表示される。本明細書中で記載されるように、このような実施形態は、CADモデルの部品226をアイテムナンバに関連付ける指示と同様に、構造化データベース227を用いて、CADモデル235、237および239を、普通のペンのスタイル236、木製のペンのスタイル238および高級なペンのスタイル240に対応するマテリアル情報を用いてそれぞれ表現する。
【0036】
図2A-Dのプロセスは、本明細書中において記載されるように、非構造化データ220のエラーの確認をしながら継続する。この例示において、エラーの確認は、マテリアルコードのエラー242と、欠落243とを識別し、非構造化データの修正バージョン241を与え(出力し)、ユーザに対してエラーの修正を容易にする。さらに、実施例によれば、エラーの確認は、識別されたエラーに関連付けられたCADモデルの部品を強調表示することができる。例えば、
図2Cにおいて、欠落243に関連付けられているペンクリップ244は、特有の交差ハッチングを用いて表現され、表示されている高級なペンのスタイル240のCADモデル239における欠落を強調表示している。
【0037】
図3は、例えば、スプレッドシートデータ220を構造化データベース、例えば構造化データベース227に再フォーマットする際のプロセス350のフローチャートである。方法350は、非構造化データを構造化データベースへと再フォーマットするために、本明細書中に記載されるいかなる実施形態にも用いることができる。例えば、方法350は、方法100のステップ103に用いられることができる。さらに、再フォーマットする方法350は、受け取られた非構造化データ(例えば、220)を考慮して、要求され必要とされる任意の条件付きプログラムのために改変することができ、従って、再フォーマットする方法350は、再フォーマットされる非構造化データの内容に対してカスタマイズすることができる。
【0038】
方法350は、非構造化(スプレッドシート)データ220を受け取ることにより、ステップ351において開始する。次に、ステップ352において、スプレッドシートデータの所与のワークシートがデータシートであるかまたは画像シートであるかを決定する。もし、所与のワークシートが画像シートであるならば、画像シートからの画像は、ステップ353において画像シートテーブルに読み込まれる。もし、所与のワークシートがデータシートであるならば、列ヘッダ情報がステップ354においてスタイルテーブルに読み込まれる。データシートの処理は、ステップ355においてアイテムテーブルに行ヘッダを読み込むことに続き、ステップ356においてセルテーブルに個別のセル情報が読み込まれる。そのとき、ステップ357において、所与のワークシートからのマテリアルコードがマテリアルテーブルに読み込まれる。この時点で、所与のワークシートは、処理され、構造化データベースおよびそれのテーブルへと再フォーマットされている。方法350は、ステップ358において、全てのスプレッドシートデータが処理されたかどうかを決定する。もし、全てのシートが処理されていない場合、方法350は、ステップ352へと戻り、次のワークシートを処理し、そして、もし、全てのワークシートが処理されたならば、方法350は終了359する。
【0039】
CADモデルを表示するためのその他の例示的な方法は、本発明の実施形態によれば、CADモデルを作成することから開始し、仕上げマテリアルのマテリアルライブラリを作成することに続く。そのような機能性は、Thierry社(ミシガン州デトロイト)のようなサードパーティ提供者に、ウェブサイトまたは他のインタフェースを介して、自動的に接続することによって、マテリアルデータベース中のマテリアルサンプルから、マテリアルライブラリを作成することができる。次に、方法は、マテリアル情報とアイテムナンバを所与のCADモデルに関連付ける、着色およびスタイルデータのような、画像シートを含むスプレッドシートデータを取得する。乗り物の例示において、これは、自動車のモデルの全てのトリムオプションに対する所与の自動車のモデルのマテリアル/アイテムナンバの情報を取得することを含むことができる。次に、方法は、所与のCADジオメトリ、例えば、CADモデルの部品およびモデル構成要素、に関連付けられるアイテムナンバを識別する指示を受け取る。これらの指示は、ユーザが、画像シートを用いて、所与のCADジオメトリに関連付けられたアイテムナンバを識別し、そのCADジオメトリに対して、関連付けられたアイテムナンバをタグ付けする結果であってもよい。このタグ付けは、アイテムナンバをCADモデルの部品に関連付けるいかなる手段によってもなし得ることができる。例えば、例示的な実施形態において、このタグ付けは、それぞれの部品の個別のアイテムナンバを含めるための、CADモデルの個別の部品に関連付けられる更新データ、例えばメタデータ、の結果であってもよい。CADモデルを表示するために、トリム/スタイルパッケージが選択され、それに呼応して、実施形態のシステム/方法は、データベースおよび所与のCADジオメトリに関連付けられたアイテムナンバを識別する指示を使用して、CADモデルを生成し、表示(または、別の方法で、描画、出力)する。
【0040】
このような実施形態は、エラーを確認する機能性をさらに含む。1つの例示的な実施形態において、関連付けられたアイテム/ジオメトリを指し示す、有効でないマテリアルリストが与えられる。そのようなリストは、例えば、ハンドルのようなCADモデルの部品に対して、識別された色が存在しないということを指し示すことができる。その他の例示的な実施形態は、デジタル化されていないマテリアルリストを準備し、仕上げマテリアルの情報が欠落している、関連付けられたCADジオメトリを識別する。この準備されるリストは、それらのマテリアルのデジタル表現がマテリアルデータベース中において作成されていない、すなわちマテリアルがデジタル化されていない、可能なスタイルにわたるジオメトリにより参照されている、マテリアルのリストを含むことができる。実施形態において、このリストは、英数字とすることができ、重複するものは取り除かれる。さらに、デジタル化されていないマテリアルを参照するCADジオメトリは、独自に着色され、欠落したデータを可視的に指し示すことができる。実施形態はまた、適切なCADジオメトリを分離するために、デジタル化されていないマテリアルの選択も容易にすることもできる。さらにまた、本発明の実施形態は、非構造化データの異なるバージョン、例えば、着色およびスタイルデータ、を比較して、そのバージョンのCADモデルのタグと更新されたバージョンのCADモデルのタグとの間の違いを識別する。さらに、また他の実施形態は、非構造化データ、例えば、スプレッドシートデータ、を改変し、または、情報が欠落しているまたは正しくないセルを指し示す新たなスプレッドシートデータを生成する。この新規に改変され/生成されたスプレッドシートデータは、エクスポートされ、対応する構造化データベースを再処理し最終的には更新するために、ユーザまたは他のコンピューティングシステムに与えられることができる。
【0041】
そのような機能性を与えることにより、実施形態は、仕上げマテリアルをCAD/non-PLMソースから関連するデータベースへと処理し、さらに、データを無傷で完全なものとするために、一般的で標準的なフォーマットに従うように取得したデータをクリーンに(規格化)する。さらに、必要な場合には、実施形態は、ユーザに対しデータ中において識別されたエラーを自動的に修正するように促すことができる。
【0042】
本発明における実施形態により、アーカイブされたマッピングを活用することによって、代替の実施形態は、CADモデルをより簡単に表示するためのさらなる特徴を与える。1つの例示的な実施形態において、既存のソフトウェア、例えば、Dassault Systems社によるDeltaGen、の内部にユーザインタフェースを与え、ユーザに対し、ソースデータベース、例えば、構造化データベース情報、を検索し参照する能力を与える。このようなインタフェースは、ユーザがソースデータを3Dモデルデータ、例えば、変換されたCADデータ、に接続する方法と同じように、フィルタ機能および他のデータソート機能も与える。また、その他の実施形態は、例えば、既存のソフトウェア上で、異なる論理条件の間を容易に切り替えることができる、ユーザインタフェースを与える。さらに、このような実施形態において、異なる仕上げマテリアルの付いたCADモデルの視覚的表現は、ソースデータにおける論理条件と同様に、改変された論理条件に基づいて表示されることができる。実施形態は、構造化データベースおよびCADモデルの部品に対する仕上げマテリアルのアーカイブされたマッピングを使用することによって、描画時のCADモデルのエラーを修正する機能も与える。1つのこのような例示的な実施形態は、視覚的な合図、例えば、ハイライトすること、は、そのCADモデルを描画するために使用するデジタルシェーダライブラリにおいて、デジタルシェーダが適していない仕上げマテリアルを指し示すのに使用される。また、その他の実施形態は、更新されたソースデータ、例えば、スプレッドシートデータ、を更新前のデータベースデータに対して比較し、変更した点およびそれらの変化を最適に管理する方法を決定する。
【0043】
さらに、実施形態は、画像ベースのソースデータの間における視覚的差異を比較するために、画像ベースの比較ツールを提供することができる。またさらにその他の実施形態では、仕上げマテリアル用のデジタルシェーダライブラリが提供され、構造化データベースにより参照される。また、その他の例示的な実施形態は、データベース報告ツールを提供し、ユーザが保存されたクエリを含む情報を収集することを補助するものである。
【0044】
本発明の実施形態は、適切な仕上げマテリアルを付けてCADモデルを表示する自動化された方法を提供する。従って、実施形態は、効率的(時間および計算的に)で、正確で(ヒューマンエラーの可能性の低減)、繰り返し可能(検出されないソースデータ内でのヒューマンエラーの可能性の低減)である。本発明の実施形態は、従って、仕上げマテリアルを付けてCADモデルを表示する時間を大幅に減少し、大幅に計算効率を向上させることができる。例えば、例示的な実施形態の最初のテストは、自動車製品の例として示され、マテリアル仕上げを付けたCADモデルを表示するプロセスは、本発明の原理を用いることにより、3週間からおよそ1日に短縮することを可能とする。
【0045】
実施形態では、この効率は、非構造化データソースの収穫および関係のある(構造化)データベースによる制約付きデータ保全性の実装などの自動化の有意な使用によって達成される。実施形態は、2次元(2D)問題(2D図面およびコールアウトを有するスプレッドシートテキストの行/列)を対話型3D問題解決法に変換する。実施形態は、色としてマッピングされた問題を3Dジオメトリに変換することによって、ユーザが視覚的かつ空間的にデータ内の問題のある領域に集中することを可能にする。これには、エラー、省略、変更が含まれる。
【0046】
本明細書で説明するように、本発明の実施形態は、CADモデルを表示するための様々な方法およびシステムを提供する。そのような例示的な一実施形態では、本方法は、既存のCADおよびPLMソフトウェアスイート、例えば、DeltaGen、に組み込まれ得るソフトウェアプラグインモジュールとして提供されることができる。
【0047】
図4は、本発明の一実施形態によるCADモデルを表示するために使用され得るコンピュータベースのシステム460の簡略化されたブロック図である。システム460は、バス463を備える。バス463は、システム460の様々なコンポーネント間の相互接続として機能する。バス463には、キーボード、マウス、ディスプレイ、またはスピーカなどの様々な入出力デバイスをシステム460に接続するための、入出力デバイスインターフェース466が接続されている。中央処理装置(CPU)462は、バス463に接続され、コンピュータ命令の実行を提供する。 メモリ465は、コンピュータ命令を実行するために使用されるデータのための揮発性記憶装置を提供する。 ストレージ464は、オペレーティングシステム(図示せず)のようなソフトウェア命令のための不揮発性記憶装置を提供する。 システム460はまた、ワイドエリアネットワーク(WAN)およびローカルエリアネットワーク(LAN)を含む、当技術分野で知られている任意の様々なネットワークに接続するためのネットワークインターフェース461を備える。
【0048】
本明細書に記載された例示的な実施形態は、多くの異なる方法で実施され得ることを理解されたい。いくつかの例では、本明細書で説明される様々な方法および機械は、それぞれ、コンピュータシステム460などの物理的、仮想的またはそれらのハイブリッドの汎用コンピュータ、または
図5に関して本明細書で後述される、コンピュータ環境570などのコンピュータネットワーク環境により実装することができる。コンピュータシステム460は、例えば、CPU462による実行のためにソフトウェア命令をメモリ465または不揮発性記憶装置464のどちらかにロードすることによって、本明細書に記載の方法(例えば、100、350)を実行する機械に変換されることができる。当業者であれば、システム460およびその様々な構成要素は、本明細書に記載される本発明の任意の実施形態を実施するように構成され得ることをさらに理解すべきである。さらに、システム460は、内部的にまたは外部的にシステム460に動作可能に結合されたハードウェア、ソフトウェア、およびファームウェアモジュールの任意の組み合わせを利用して、本明細書に記載の様々な実施形態を実装することができる。
【0049】
図5は、本発明の実施形態を実装することができるコンピュータネットワーク環境570を示す。コンピュータネットワーク環境570において、サーバ571は、通信ネットワーク572を介してクライアント573a-nにリンクされる。コンピュータネットワーク環境570は、クライアント573a-nに、単独で、またはサーバ571と組み合わせて、本明細書に記載の方法(例えば、100、350)のいずれかを実行させることができる。 非限定的な例として、コンピュータネットワーク環境570は、クラウドコンピューティングの実施形態、サービスとしてのソフトウェア(SAAS)の実施形態などを提供する。
【0050】
実施形態またはその態様は、ハードウェア、ファームウェア、またはソフトウェアの形態で実施されてもよい。ソフトウェアで実施される場合、ソフトウェアは、プロセッサがそのソフトウェアまたはその命令のサブセットをロードすることを可能にするように構成された任意の非一時的コンピュータ可読媒体に格納され得る。それから、プロセッサは、命令を実行し、本明細書に記載されるような方法で装置を動作させるか、または装置が動作することをもたらすように構成される。
【0051】
さらに、ファームウェア、ソフトウェア、ルーチン、または命令は、データプロセッサの特定の動作および/または機能を実行するものとして、本明細書中で説明されることができる。しかしながら、本明細書に含まれるそのような説明は、単に便宜上のものであり、そのような動作は、実際には、ファームウェア、ソフトウェア、ルーチン、命令などを実行するコンピューティングデバイス、プロセッサ、コントローラ、または他のデバイスから生じることを理解されたい。
【0052】
フロー図、ブロック図、およびネットワーク図は、より多くのまたはより少ない要素を含んでもよく、異なって配置されてもよく、あるいは異なるように表されてもよいことを理解されたい。しかし、特定の実装形態は、その特定の実施形態の実行を例示するブロック図およびネットワーク図、ならびに特定の方法で実施される実施形態の実行を示すブロック図およびネットワーク図を要求され得ることをさらに理解されたい。
【0053】
したがって、さらなる実施形態は、様々なコンピュータアーキテクチャ、物理的、仮想的、クラウドコンピュータ、および/またはそれらのいくつかの組み合わせで実施されてもよく、従って、本明細書において説明されるデータプロセッサは、ただ説明する目的を意図するものであり、実施形態の制限となるものではない。
【0054】
本発明は、その例示的な実施形態を参照して具体的に示され、記載されるが、当業者は、添付の特許請求の範囲によって包含される本発明の範囲から逸脱することなく、形態および詳細における様々な変更を行うことができることを理解されるであろう。例えば、表示、レンダリング、出力は、本発明のこの開示において互換的に使用される。