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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-03
(45)【発行日】2022-03-11
(54)【発明の名称】自動壁紙糊付機の糊撹拌供給システム
(51)【国際特許分類】
   B05C 11/10 20060101AFI20220304BHJP
   B05C 11/00 20060101ALI20220304BHJP
【FI】
B05C11/10
B05C11/00
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2018084846
(22)【出願日】2018-04-26
(65)【公開番号】P2019188347
(43)【公開日】2019-10-31
【審査請求日】2020-12-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000163121
【氏名又は名称】極東産機株式会社
(72)【発明者】
【氏名】山根 将司
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 雄大
(72)【発明者】
【氏名】清水 保博
【審査官】磯部 洋一郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-289956(JP,A)
【文献】特開平09-010647(JP,A)
【文献】実開平06-083398(JP,U)
【文献】特開平09-164355(JP,A)
【文献】特開2010-269232(JP,A)
【文献】特開2008-272699(JP,A)
【文献】特開平8-276147(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第104532752(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B05C 11/10
B05C 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
糊を塗布した壁紙の糊付け長さを算出しつつ、設定された長さの壁紙に糊を塗布する自動壁紙糊付機において、前記自動壁紙糊付機と、壁紙に塗布する糊を貯留して前記自動壁紙糊付機に供給する糊撹拌供給装置で構成され、前記自動壁紙糊付機は、前記自動壁紙糊付機の糊箱に貯留された糊の液面高さが、制御領域下限高さから制御領域上限高さに至るまでの糊の量を制御糊量と定め、前記制御糊量と、壁紙に塗布する糊の塗布厚みと壁紙の幅と糊の粘度から糊切れ警告長を求め、糊付け長さが、前記糊切れ警告長に達した場合に、前記糊撹拌供給装置を起動させて、予め定めた一定量の糊を前記自動壁紙糊付機に供給する機能を有する、前記自動壁紙糊付機の糊撹拌供給システムであって、
前記糊撹拌供給装置に貯留された糊の初期量を、糊の粘度と、糊の塗布厚みと、壁紙の幅によって定まる、糊付け可能長さに換算した糊残量として定め、前記糊残量から、糊付けした壁紙の前記糊付け長さを減算することにより、前記撹拌供給装置に貯留された糊の現時点の前記糊残量を算出しつつ糊付けを実行し、現時点の前記糊残量が所定量以下になった場合に、前記自動壁紙糊付機が警告をだすことを特徴とする前記自動壁紙糊付機の糊撹拌供給システム。
【請求項2】
設定された長さの壁紙に糊を塗布する自動壁紙糊付機において、
前記自動壁紙糊付機と、壁紙に塗布する糊を貯留して前記自動壁紙糊付機に供給する糊撹拌供給装置で構成され、前記自動壁紙糊付機は、糊を含む糊箱の重量を検出する重量検出部を有し、検出重量が所定の重量よりも軽くなった場合に糊切れと判定し、予め定められた時間だけ前記糊撹拌供給装置を起動させて、糊を前記自動壁紙糊付機に供給する機能を有する、前記自動壁紙糊付機の糊撹拌供給システムであって、
前記糊撹拌供給装置に貯留された糊の初期量を、前記糊撹拌供給装置の供給能力に基づく供給時間に換算した糊残量として定め、糊付けを実行中に前記糊撹拌供給装置が起動した時間を前記糊残量から減算していくことにより、前記撹拌供給装置に貯留された糊の現時点の前記糊残量を算出しつつ糊付けを実行し、現時点の前記糊残量が所定量以下になった場合に、前記自動壁紙糊付機が警告をだすことを特徴とする前記自動壁紙糊付機の糊撹拌供給システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、部屋の天井や壁面に貼る壁紙に糊を塗布するための自動壁紙糊付機における糊撹拌供給システムである。詳しくは、糊撹拌供給装置に貯留した壁紙糊付け用の糊の残量を算出する機能を有する糊撹拌供給システムであり、また、壁紙糊付け用の糊を生成するために糊と水を混ぜる撹拌と糊タンクの洗浄を全自動で実行する機能を有する糊撹拌供給システムである。
【背景技術】
【0002】
図12を用いて従来技術の糊撹拌供給システム(100)の構成を説明する。
糊撹拌供給システム(100)は、自動壁紙糊付機(110)と糊撹拌供給装置(150)からなり、自動壁紙糊付機(110)には、糊撹拌供給システム(100)を制御するための壁紙糊付制御部(111)が設けられており、
壁紙糊付制御部(111)は、壁紙糊付表示操作部(112)とモーター制御部(116)と 壁紙搬送モーター(118)と記憶部(114)と検尺部(115)と壁紙糊付演算部(113)を有している。
【0003】
壁紙糊付表示操作部(112)は、液晶表示器とLEDを備え、作業者が設定した「設定糊付け長さ」や「設定枚数」や「糊付け実行速度」などの、糊付けを実行するための作動条件や、補助機能の設定内容や、高電圧や糊残量などの警告や、糊を塗布して排出した壁紙Aの長さである「実行糊付け長さ」などを表示する。また、壁紙糊付表示操作部(112)には、自動壁紙糊付機(110)を操作するための複数のキースイッチ(図示せず)が設けられている。また、操作音や通知音を発生するブザー(図示せず)が設けられている。
【0004】
モーター制御部(116)は壁紙搬送モーター(118)から出力される回転方向や回転速度に比例した信号により壁紙搬送モーター(118)を速度制御するものである。
【0005】
壁紙搬送モーター(118)はDCブラシレスモーターであり、内部に実装されたホール素子によりローターの位置を検出して回転方向と回転速度に比例した信号を出力する機能を有している。
【0006】
記憶部(114)は、壁紙糊付演算部(113)が処理を実行する為に必要な変数や、作動条件などのデータや糊付実行レコード等のデーターを記憶するためのRAMとROMである。
【0007】
検尺部(115)は、搬送される壁紙に従動回転する検尺ローラー(119)の回転に比例する検尺信号を生成し、搬送された壁紙Aの長さLを、生成された検尺信号のパルスの数を変数ktとして計数し、演算式 L=kt×P (Pは1パルスの壁紙移動長=2.5mm)により算出する。
検尺信号は、検尺ローラー(119)に設けられたスリット板(図示せず)とフォトマイクロセンサ(図示せず)により生成され、演算は、壁紙糊付演算部(113)が行う。
自動壁紙糊付機(110)では、検尺ローラー(119)が1回転すれば、検尺信号は48パルス生成され、壁紙Aが2.5mm移動すると1パルス発生するように検尺ローラー(119)の外径を定めている。
壁紙糊付演算部(113)は、糊付けを実行しつつ、演算により求めた糊付け長さLを「実行糊付け長さ」として、壁紙糊付表示操作部(112)に表示する。
【0008】
壁紙糊付演算部(113)は、主にワンチップマイコンからなり、予め定められたシーケンスを実行することにより、糊撹拌供給システム(100)の全体を制御するものであり、検尺部(115)により生成される検尺信号を計数して搬送した壁紙Aの「実行糊付け長さ」を算出する。 また、壁紙糊付表示操作部(112)やモーター制御部(116)などを制御する機能を有している。
【0009】
また、壁紙糊付演算部(113)は、糊箱(124)に貯留された糊Bの液面高さが、
制御領域下限高さから制御領域上限高さに至るまでの糊Bの量を「制御糊量」と定め、
制御糊量と、壁紙Aに塗布する糊Bの塗布厚みと壁紙の幅と糊の粘度から「糊切れ警告長」を求め、「実行糊付け長さ」が「糊切れ警告長」に達した場合に、糊撹拌供給装置(150)を起動させて、予め定めた一定量の糊Bを供給(補充)する機能を有する。
【0010】
また、壁紙糊付演算部(113)は、糊Bを含む糊箱(124)の重量を検出する重量検出部(図示せず)が検出した検出重量を受信し、検出重量が所定の重量よりも軽くなった場合に糊切れと判定し、予め定められた時間だけ糊撹拌供給装置(150)を起動させて、糊Bを糊箱(124)に供給(補充)する機能を有する。
【0011】
サービスコンセント(133)は、糊撹拌供給装置(150)の電源コード(165)を接続して電源電力を供給するためのもので、壁紙糊付演算部(113)により、通電をONさせたりOFFさせたりできるものである。
【0012】
また、自動壁紙糊付機(110)は、壁紙Aを搬送して糊Bを塗布するための複数のローラーを軸支するためのフレームや、複数の歯車や、糊Bを貯留する糊箱(124)やスリッター(125)などを装着する本体部と脚部(128)で構成され、壁紙Aの壁紙原反が壁紙保持用リール(126)に保持され原反受け(127)にセットされる。
壁紙原反から引き出された壁紙Aは、送り出しローラー(120)と検尺ローラー(119)により搬送され、糊箱(124)に貯留されている糊Bが糊上げローラー(122)により汲み上げられて糊付けローラー(121)に転写され、ドクターローラー(123)により規制された厚みの糊量が壁紙Aに塗布される。
【0013】
続いて、糊撹拌供給装置(150)の構成を説明する。
糊撹拌供給装置(150)は、回転方向を切り替え可能な撹拌供給モーター(152)に、
第1のワンウェイクラッチ(153a)を介して結合された撹拌羽根により糊を撹拌し、
撹拌供給モーター(152)に第2のワンウェイクラッチ(153b)を介して結合されたポンプにより糊の供給を行い、単一の撹拌供給モーター(152)の回転方向を切り替えることにより、糊の撹拌と供給を行うものである。
撹拌供給モーター(152)がCW方向(時計回り)に回転した場合には撹拌羽根が回転し、
CCW(反時計回り)に回転した場合には糊供給ポンプが回転する。
【0014】
撹拌供給操作部(166)は、糊撹拌供給装置(150)を操作するためのもので、
撹拌する時間を設定する撹拌タイマー(167)や撹拌供給切り替えスイッチ(図示せず)やフットスイッチ(図示せず)などで構成されている。
【0015】
撹拌供給駆動制御部(151)は、撹拌供給操作部(166)からの操作信号により、複数のソリッドステートリレー等により、撹拌供給モーター(152)をCW方向またはCCW方向に回転させる回路である。
【0016】
また、糊撹拌供給装置(150)には、側面に目盛り付き窓(158)が設けられた糊タンク(155)と蓋(159)と運搬用の取手(161)が設けられている。
また、糊タンク(155)の底部から、長さ約2メートルのホース(154)が設けられており、ホース(154)の先端にはノズル(156)が脱着可能に取り付けられている。
また、蓋(159)には、ノズル(156)を差し込んで保持するためのゴムブッシュ付きの穴(163)が設けられている。
また、ホース(154)には、運搬時にホース(154)を固定するためのフック(160)が取り付けられている。
【0017】
図13を用いて糊と水を調合して壁紙糊付け用の糊Cを生成する時の接続を説明する。
自動壁紙糊付機(110)の電源コード(132)は外部電源Dに接続され、糊撹拌供給装置(150)の電源コード(165)は外部電源Eに接続される。
外部電源D及び外部電源Eは、ほとんどの内装施工現場では、電力会社から供給される商用電源の異なるコンセントとなるが、状況によっては、ディーゼルエンジン発電機や自動車のバッテリーを使用する場合もある。
【0018】
ペースト糊18Kgを水12リットルで希釈撹拌して、粘度8000Cpの糊を30Kg生成する場合において撹拌を説明する。
作業者により、糊タンク(155) に水12リットルが入れられ、ペースト糊18Kgが入れられる。そして、蓋(159)が閉められ、ホース(154)の先端がゴムブッシュ付きの穴(163)に差し込まれる。
【0019】
続いて作業者により、糊撹拌供給装置(150)の撹拌供給操作部(166)の撹拌タイマー(167)が約10分に設定され、撹拌供給切り替えスイッチ(図示せず)が撹拌側にセットされると、撹拌供給駆動制御部(151)は、撹拌供給モーター(152)をCW方向に回転させ、第1のワンウェイクラッチ(153a)により、糊タンク(155)の撹拌羽根を回転させて撹拌を開始する。そして、撹拌タイマー(167)が約10分経過すると撹拌供給モーター(152)を停止させる。
ここまでの動作により、糊と水が撹拌されて壁紙糊付け用の糊Cが生成されたのであるが、まだ、糊タンク(155)の下方のポンプ部(図示せず)とホース(154)の根元に水が溜まっており、この水を抜く必要があるので、
【0020】
作業者により、撹拌供給切り替えスイッチ(図示せず)がポンプ側にセットされると、撹拌供給駆動制御部(151)は、撹拌供給モーター(152)をCCW方向に回転させ、第2のワンウェイクラッチ(153b)により、糊供給ポンプを約30秒間作動させる。
この操作により、糊タンク(155)の下方のポンプ部(図示せず)とホース(154)の根元に溜まっていた水が糊供給ポンプにより汲み上げられてホース(154)の先端のノズル(156)から糊タンク(155)に入り、撹拌された壁紙糊付け用の糊Cの上にこぼれる。
【0021】
そして、この水も壁紙糊付け用の糊Cと混ぜる必要があるので、続いて、糊撹拌供給装置(150)の撹拌供給操作部(166)の撹拌タイマー(167)が約1分に設定され、撹拌供給切り替えスイッチ(図示せず)が撹拌側にセットされると、
撹拌供給駆動制御部(151)は、撹拌供給モーター(152)をCW方向に回転させ、第1のワンウェイクラッチ(153a)により、糊タンク(155)の撹拌羽根を回転させて撹拌を開始する。そして、撹拌タイマー(167)が約1分経過すると撹拌供給モーター(152)を停止させる。
以上で撹拌が完了し、生成された壁紙糊付け用の糊Cは糊タンク(155)に貯留される。
【0022】
続いて、糊撹拌供給装置(150)の糊タンク(155)に貯留されている糊Cを、自動壁紙糊付機(110)の糊箱(124)に供給(補充)しながら、糊付けを実行する場合を説明する。
ホース(154)は図14に示すように自動壁紙糊付機(110)の糊箱(124)に接続される。また、自動壁紙糊付機(110)の電源コード(132)は外部電源Dに接続され、糊撹拌供給装置(150)の電源コード(165)は図12の2点鎖線に示すように自動壁紙糊付機(110)のサービスコンセント(133)に接続され、糊撹拌供給装置(150)の撹拌供給切り替えスイッチ(図示せず)は常時ポンプ側にセットされた状態で、自動壁紙糊付機(110)の壁紙糊付演算部(113)がサービスコンセント(133)への外部電源Dの通電をONした時に、糊撹拌供給装置(150)の撹拌供給駆動制御部(151)は、撹拌供給モーター(152)をCCW方向に回転させ、第2のワンウェイクラッチ(153b)により、糊供給ポンプを作動させて糊タンク(155)に貯留されている糊Cを糊箱(124)に供給(補充)し、所定の(適量の)糊Bが糊箱(124)に供給されれば、自動壁紙糊付機(110)の壁紙糊付演算部(113)がサービスコンセント(133)への外部電源Dの通電をOFFして撹拌供給モーター(152)を停止させ、供給を停止させる。
【0023】
また、糊Bの糊箱(124)への供給量は自動壁紙糊付機(110)の壁紙糊付演算部(113)が定めている。その方法は、糊箱(124)に貯留される糊Bの有効糊量を「実行糊付け長さ」に換算して糊切れ警告長さLKとして記憶部(114)に記憶しておき、糊付け実行中に検尺部(115)のパルスにより算出した「実行糊付け長さ」と比較して糊切れを検知する方法のものと、糊Bを含む糊箱(124)の重量が一定の重量よりも軽くなったことにより糊切れを検知する方法のものがある。
いずれの方法の自動壁紙糊付機(110)を用いる場合でも、壁紙糊付演算部(113)が糊切れを検知し、サービスコンセント(133)への外部電源Dの通電をONすることにより、糊撹拌供給装置(150)の糊タンク(155)に貯留された糊Cを糊箱(124)に供給(補充)しながら糊付けを実行するものである。
【0024】
壁紙施工作業が全て完了し、現場を移動する場合には糊撹拌供給装置(150)を洗浄する。洗浄する場合には、作業者により、糊タンク(155)内部を洗浄するための少量の洗浄用の水が入れられ、蓋(159)が閉められ、ホース(154)の先端は自動壁紙糊付機(100)の糊箱(124)から外されて、糊撹拌供給装置(150)の蓋(159)のゴムブッシュ付きの穴(163)に差し込まれる。
【0025】
作業者により、撹拌タイマー(167)が約2分に設定され、撹拌供給切り替えスイッチ(図示せず)が撹拌側にセットされると、撹拌供給駆動制御部(151)は、撹拌供給モーター(152)をCW方向に回転させ、第1のワンウェイクラッチ(153a)により、糊タンク(155)の撹拌羽根を回転させて糊タンク(155)の内部の糊タンク(155)の内側に付着している糊Cが水により洗い落とされる。そして、撹拌タイマー(167)が約2分経過すると撹拌供給モーター(152)を停止させる。
【0026】
続いて作業者により、撹拌供給切り替えスイッチ(図示せず)がポンプ側にセットされると、撹拌供給駆動制御部(151)は、撹拌供給モーター(152)をCCW方向に回転させ、第2のワンウェイクラッチ(153b)により、糊供給ポンプを作動させて、
洗浄用の水を糊タンク(155)と糊タンク(155)の下方のポンプ部(図示せず)とホース(154)を循環させて洗浄する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0027】
【文献】第5092096号
【0028】
【文献】第4873551号
【0029】
【文献】第5569671号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0030】
従来技術の糊撹拌供給システムは、糊撹拌供給装置に貯留された糊の残量を認識できないので、糊撹拌供給装置の糊タンクの糊が無くなった場合でも、作業者が気づいて止めなければ糊付けを実行し続ける。作業者が糊撹拌供給装置の糊タンクの糊切れに気づくのが遅かった場合には、糊付けの途中で自動壁紙糊付機の糊箱の糊がなくなって壁紙に塗布される糊がかすれる。
このような背景から、糊撹拌供給装置の糊タンクの糊残量を認識できる糊撹拌供給システムが望まれている。
【0031】
また、従来技術の糊撹拌供給システムは、糊と水を混ぜる撹拌においても、糊タンクの洗浄においても、撹拌と洗浄の途中で、作業者が糊撹拌供給装置の撹拌タイマーや撹拌供給切り替えスイッチを操作する必要があり、作業者が糊撹拌供給システムから離れて別の用事をしている間にタイマー時間が過ぎた場合、糊撹拌供給装置はそのまま停止した状態となっている。
このような背景から、一度設定すれば途中操作が必要ない、全自動の糊撹拌供給システムが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0032】
糊を塗布した壁紙の糊付け長さを算出しつつ、設定された長さの壁紙に糊を塗布する自動壁紙糊付機において、
自動壁紙糊付機と、壁紙に塗布する糊を貯留して自動壁紙糊付機に供給する糊撹拌供給装置で構成され、
自動壁紙糊付機は、自動壁紙糊付機の糊箱に貯留された糊の液面高さが、制御領域下限高さから制御領域上限高さに至るまでの糊の量を制御糊量と定め、
制御糊量と、壁紙に塗布する糊の塗布厚みと壁紙の幅と糊の粘度から糊切れ警告長を求め、糊付け長さが、糊切れ警告長に達した場合に、糊撹拌供給装置を起動させて、予め定めた一定量の糊を自動壁紙糊付機に供給する機能を有する、自動壁紙糊付機の糊撹拌供給システムであって、
糊撹拌供給装置に貯留された糊の初期量を、糊の粘度と、糊の塗布厚みと、壁紙の幅によって定まる、糊付け可能長さに換算した糊残量として定め、
糊残量から、糊付けした壁紙の糊付け長さを減算することにより、撹拌供給装置に貯留された糊の現時点の糊残量を算出しつつ糊付けを実行し、現時点の糊残量が所定量以下になった場合に、自動壁紙糊付機が警告をだすことを特徴とする。
【0033】
設定された長さの壁紙に糊を塗布する自動壁紙糊付機において、
自動壁紙糊付機と、壁紙に塗布する糊を貯留して自動壁紙糊付機に供給する糊撹拌供給装置で構成され、
自動壁紙糊付機は、糊を含む糊箱の重量を検出する重量検出部を有し、検出重量が所定の重量よりも軽くなった場合に糊切れと判定し、予め定められた時間だけ糊撹拌供給装置を起動させて、糊を自動壁紙糊付機に供給する機能を有する、自動壁紙糊付機の糊撹拌供給システムであって、
糊撹拌供給装置に貯留された糊の初期量を、糊撹拌供給装置の供給能力に基づく供給時間に換算した糊残量として定め、糊付けを実行中に糊撹拌供給装置が起動した時間を糊残量から減算していくことにより、撹拌供給装置に貯留された糊の現時点の糊残量を算出しつつ糊付けを実行し、現時点の糊残量が所定量以下になった場合に、自動壁紙糊付機が警告をだすことを特徴とする。
【発明の効果】
【0037】
糊を塗布した壁紙の糊付け長さを算出しつつ、設定された長さの壁紙に糊を塗布する自動壁紙糊付機において、自動壁紙糊付機と、壁紙に塗布する糊を貯留して自動壁紙糊付機に供給する糊撹拌供給装置で構成され、自動壁紙糊付機は、自動壁紙糊付機の糊箱に貯留された糊の液面高さが、制御領域下限高さから制御領域上限高さに至るまでの糊の量を制御糊量と定め、制御糊量と、壁紙に塗布する糊の塗布厚みと壁紙の幅と糊の粘度から糊切れ警告長を求め、糊付け長さが、糊切れ警告長に達した場合に、糊撹拌供給装置を起動させて、予め定めた一定量の糊を自動壁紙糊付機に供給する機能を有する、自動壁紙糊付機の糊撹拌供給システムであって、
糊撹拌供給装置に貯留された糊の初期量を、糊の粘度と、糊の塗布厚みと、壁紙の幅によって定まる、糊付け可能長さに換算した糊残量として定め、糊残量から、糊付けした壁紙の糊付け長さを減算することにより、撹拌供給装置に貯留された糊の現時点の糊残量を算出しつつ糊付けを実行し、現時点の糊残量が所定量以下になった場合に、自動壁紙糊付機が警告をだすことを特徴とするので、
糊付けの途中で自動壁紙糊付機の糊箱の糊がなくなって壁紙に塗布される糊がかすれることを未然に防止できる。
また、糊撹拌供給装置に貯留されている糊残量を検知するための液面検知センサーを設ける必要がないので、糊撹拌供給装置の製造原価を低くおさえることができる。
【0038】
設定された長さの壁紙に糊を塗布する自動壁紙糊付機において、自動壁紙糊付機と、壁紙に塗布する糊を貯留して自動壁紙糊付機に供給する糊撹拌供給装置で構成され、自動壁紙糊付機は、糊を含む糊箱の重量を検出する重量検出部を有し、検出重量が所定の重量よりも軽くなった場合に糊切れと判定し、予め定められた時間だけ糊撹拌供給装置を起動させて、糊を自動壁紙糊付機に供給する機能を有する、自動壁紙糊付機の糊撹拌供給システムであって、
糊撹拌供給装置に貯留された糊の初期量を、糊撹拌供給装置の供給能力に基づく供給時間に換算した糊残量として定め、糊付けを実行中に糊撹拌供給装置が起動した時間を糊残量から減算していくことにより、撹拌供給装置に貯留された糊の現時点の糊残量を算出しつつ糊付けを実行し、現時点の糊残量が所定量以下になった場合に、自動壁紙糊付機が警告をだすことを特徴とするので、
糊付けの途中で自動壁紙糊付機の糊箱の糊がなくなって壁紙に塗布される糊がかすれることを未然に防止できる。
また、糊撹拌供給装置に貯留されている糊残量を検知するための重量検知センサーを設ける必要がないので、糊撹拌供給装置の製造原価を低くおさえることができる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
図1図1は、本発明の糊撹拌供給システムのブロック図である。
図2図2は、本発明の糊撹拌供給装置の本発明のホース差し込み検知手段を説明するための図であり、図2(a)はいずれにも差し込んでいない状態を示し、図2(b)は、糊撹拌供給装置の蓋に差し込んだ状態を示し、図2(c)は、自動壁紙糊付機の糊箱に差し込んだ状態を示している。
図3図3は、本発明の糊撹拌供給システムが撹拌を実行する場合の機器接続を説明するための図である。
図4図4は、本発明の糊撹拌供給システムが供給を実行する場合の機器接続を説明するための図である。
図5図5は、本発明の自動壁紙糊付機の起動時の処理のフローチャートである。
図6図6は、本発明の自動壁紙糊付機が、糊付け長さが糊切れ警告長に達した場合に糊撹拌供給装置を起動させる方法で糊付けを実行しながら糊撹拌供給装置の糊残量を算出する処理のフローチャートである。
図7図7は、本発明の自動壁紙糊付機が、糊付け長さが糊切れ警告長に達した場合に糊撹拌供給装置を起動させる方法で糊付けを実行しながら糊撹拌供給装置の糊残量を算出する処理の、糊残量算出詳細のフローチャートである。
図8図9は、本発明の自動壁紙糊付機が、糊を含む糊箱の重量が所定の重量よりも軽くなった場合に、糊撹拌供給装置を起動させる方法で糊付けを実行しながら糊撹拌供給装置の糊残量を算出する処理のフローチャートである。
図9図9は、本発明の自動壁紙糊付機が、糊を含む糊箱の重量が所定の重量よりも軽くなった場合に、糊撹拌供給装置を起動させる方法で糊付けを実行しながら糊撹拌供給装置の糊残量を算出する処理の、糊残量算出詳細のフローチャートである。
図10図10は、本発明の自動壁紙糊付機が糊撹拌供給装置を制御するタイミングを説明するための図であり、図10(a)は撹拌を実行する場合であり、図10(b)は洗浄を実行する場合である。
図11図11は、本発明の自動壁紙糊付機の記憶部に記憶している、制御糊量と壁紙に塗布する糊の厚みと幅と粘度から求めた糊切れ警告長の表である。
図12図12は、従来技術の糊撹拌供給システムのブロック図である。
図13図13は、従来技術の糊撹拌供給システムが撹拌を実行する場合の機器接続を説明するための図である。
図14図14は、従来技術の糊撹拌供給システムが供給を実行する場合の機器接続を説明するための図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0043】
図1図3図4を用いて、本発明の糊撹拌供給システム(1)の構成を説明する。
本発明の糊撹拌供給システム(1)は、自動壁紙糊付機(10)と糊撹拌供給装置(50)からなり、自動壁紙糊付機(10)には、糊撹拌供給システム(1)を制御するための壁紙糊付制御部(11)が設けられており、
壁紙糊付制御部(11)は、壁紙糊付表示操作部(12)とモーター制御部(16)と 壁紙搬送モーター(18)と記憶部(14)と検尺部(15)と壁紙糊付演算部(13)と糊撹拌供給装置制御部(17)を有している。
【0044】
壁紙糊付表示操作部(12)は、液晶表示器とLEDを備え、作業者が設定した「設定糊付け長さ」や「設定枚数」や「糊付け実行速度」などの、糊付けを実行するための作動条件や、補助機能の設定内容や、高電圧や糊残量などの警告や、糊を塗布して排出した壁紙Aの長さである「実行糊付け長さ」などを表示する。また、壁紙糊付表示操作部(12)には、自動壁紙糊付機(1)を操作するための複数のキースイッチ(図示せず)が設けられている。また、操作音や通知音を発生するブザー(図示せず)が設けられている。
【0045】
モーター制御部(16)は壁紙搬送モーター(18)から出力される回転方向や回転速度に比例した信号により壁紙搬送モーター(18)を速度制御するものである。
【0046】
壁紙搬送モーター(18)はDCブラシレスモーターであり、内部に実装されたホール素子によりローターの位置を検出して回転方向と回転速度に比例した信号を出力する機能を有している。
【0047】
記憶部(14)は、壁紙糊付演算部(13)が処理を実行する為に必要な変数や、作動条件などのデータや糊付実行レコード等のデーターを記憶するためのRAMとROMである。
【0048】
検尺部(15)は、搬送される壁紙に従動回転する検尺ローラー(19)の回転に比例する検尺信号を生成し、搬送された壁紙Aの長さLを、生成された検尺信号のパルスの数を変数ktとして計数し、演算式 L=kt×P (Pは1パルスの壁紙移動長=2.5mm)により算出する。検尺信号は、検尺ローラー(19)に設けられたスリット板(図示せず)とフォトマイクロセンサ(図示せず)により生成され、演算は、壁紙糊付演算部(13)が行う。
本発明の自動壁紙糊付機(10)では、検尺ローラー(19)が1回転すれば、検尺信号は48パルス生成され、壁紙Aが2.5mm移動すると1パルス発生するように検尺ローラー(19)の外径を定めている。
壁紙糊付演算部(13)は、糊付けを実行しつつ、演算により求めた長さLを「実行糊付け長さ」として、壁紙糊付表示操作部(12)に表示する。
【0049】
壁紙糊付演算部(13)は、主にワンチップマイコンからなり、予め定められたシーケンスを実行することにより、糊撹拌供給システム(1)の全体を制御するものであり、検尺部(15)により生成される検尺信号を計数して搬送した壁紙Aの「実行糊付け長さ」を算出する。また、壁紙糊付表示操作部(12)やモーター制御部(16)などや糊撹拌供給装置(50)を制御する機能を有している。
【0050】
また、壁紙糊付演算部(13)は、糊箱(24)に貯留された糊Bの液面高さが、
制御領域下限高さから制御領域上限高さに至るまでの糊Bの量を制御糊量と定め、
制御糊量と、壁紙Aに塗布する糊Bの塗布厚みと壁紙の幅と糊の粘度から糊切れ警告長を求め、糊付け長さが糊切れ警告長に達した場合に、糊撹拌供給装置(50)を起動させて、予め定めた一定量の糊Bを糊箱(24)に補充量する機能を有する。
【0051】
また、壁紙糊付演算部(13)は、糊Bを含む糊箱(24)の重量を検出する重量検出部(図示せず)が検出した検出重量を受信し、検出重量が所定の重量よりも軽くなった場合に糊切れと判定し、予め定められた時間だけ糊撹拌供給装置(50)を起動させて、糊Bを糊箱(24)に補充する機能を有する。
【0052】
糊撹拌供給装置制御部(17)は、糊撹拌供給装置(50)の撹拌供給駆動制御部(51)に対して、糊撹拌供給装置(50)を起動するための制御信号として、撹拌供給モーター(52)を回転させる起動信号(29)と、撹拌を実行させるか、あるいは供給を実行させるかを切り替えるための制御信号として、撹拌供給モーター(52)の回転方向を切り替える撹拌供給切り替え信号(30)を送信する。
また、糊撹拌供給装置(50)の撹拌供給駆動制御部(51)から送信される、ホース差し込み信号(62a)とホース差し込み信号(62b)を受信する機能を有している。
【0053】
また、自動壁紙糊付機(10)は、壁紙Aを搬送して糊Bを塗布するための複数のローラーを軸支するためのフレームや、複数の歯車や、糊Bを貯留する糊箱(24)やスリッター(25)などを装着する本体部と脚部(28)で構成され、壁紙Aの壁紙原反が壁紙保持用リール(26)に保持されて原反受け(27)にセットされる。
壁紙原反から引き出された壁紙Aは、送り出しローラー(20)と検尺ローラー(19
)により搬送され、糊箱(24)に貯留されている糊Bが糊上げローラー(22)により汲み上げられて糊付けローラー(21)に転写され、ドクターローラー(23)により規制された厚みの糊量が壁紙Aに塗布される。
【0054】
続いて、糊撹拌供給装置(50)の構成を説明する。
糊撹拌供給装置(50)は、回転方向を切り替え可能な撹拌供給モーター(52)に、第1のワンウェイクラッチ(53a)を介して結合された撹拌羽根により糊を撹拌し、撹拌供給モーター(52)に第2のワンウェイクラッチ(53b)を介して結合された糊供給ポンプにより、自動壁紙糊付機(10)に対して糊の供給を行い、単一の撹拌供給モーター(52)の回転方向を切り替えることにより、糊の撹拌と供給を切り替えて実行するものである。
撹拌供給モーター(52)がCW方向(時計回り)に回転した場合には撹拌羽根が回転し、
CCW(反時計回り)に回転した場合には糊供給ポンプが作動する。
【0055】
撹拌供給駆動制御部(51)は、自動壁紙糊付機(10)の壁紙糊付制御部(11)の糊撹拌供給装置制御部(17)から送信される起動信号(29)と撹拌供給切り替え信号(30)を受信して、複数のソリッドステートリレー等の回路により、撹拌供給モーター(52)をCW方向またはCCW方向に回転させる機能と、糊撹拌供給装置(50)のホース差し込み検知手段(57)のホース差し込み信号(62a)とホース差し込み信号(62b)を、自動壁紙糊付機(10)の壁紙糊付制御部(11)の糊撹拌供給装置制御部(17)に送信する機能を有するものである。
【0056】
また、糊撹拌供給装置(50)には、図3に示すように、側面に目盛り付き窓(58)が設けられた糊タンク(55)と蓋(59)と運搬用の取手(61)が設けられている。
また、糊タンク(55)の底部から、長さ約2メートルのホース(54)が設けられており、ホース(54)の先端にはノズル(56)が脱着可能に取り付けられている。
また、蓋(59)には、ノズル(56)を差し込んで保持するためのゴムブッシュ付きの穴(63)が設けられている。
また、ホース(54)には、運搬時にホース(54)を固定するためのフック(60)が
取り付けられている。
【0057】
また、ホース(54)の先端付近には、図2(a)に示す、ホース(54)の先端が糊撹拌供給装置(50)に戻されていることを検知するためのホース差し込み検知手段(57)が設けられている。ホース差し込み検知手段(57)は糊撹拌供給装置(50)が撹拌可能な状態になっていることを検知するためのものであり、ホース差し込み検知手段(57)の内部は、ロングストローク型のマイクロスイッチ2個で構成され、それぞれのマイクロスイッチの、スイッチ先端(64a)とスイッチ先端(64b)が外へ突出しており、マイクロスイッチの信号はホース(54)の肉厚部に内蔵された信号線によりコネクタ(図示せず)に接続され、信号ケーブル(2)に接続されている。
【0058】
図2(b)は、ホース(54)のノズル(56)を糊撹拌供給装置(50)の蓋(59)
に差し込んでゴムブッシュ付きの穴(63)で保持されている時のホース差し込み検知手段(57)の状態を示しており、蓋の段差部(59a)により、スイッチ先端(64a)が内部へへこんでONし、ホース差し込み検知信号(62a)はローレベル出力となり、スイッチ先端(64b)は突出したままでOFFしており、ホース差し込み検知信号(62b)はハイレベル出力となる。
自動壁紙糊付機(10)の壁紙糊付演算部(13)は、糊撹拌供給装置(50)の撹拌供給駆動制御部(51)から送信される、ホース差し込み検知信号(62a)がローレベル、かつ、ホース差し込み検知信号(62b)がハイレベルとなっていることを受信することにより、糊撹拌供給装置(50)のホース(54)の先端が糊タンク(55)に戻されて、糊撹拌供給装置(50)が撹拌可能な状態になっていることを検知する。
【0059】
図2(c)、ホース(54)の先端を自動壁紙糊付機(10)の糊箱(24)の底部に、糊供給ジョイント(31)を用いて接続したのホース差し込み検知手段(57)の状態を示しており、スイッチ先端(64a)とスイッチ先端(64b)両方がONし、ホース差し込み検知信号(62a)とホース差し込み検知信号(62b)は共にローレベル出力となる。
【0060】
一方、ホース(54)が、蓋(59)にも糊箱(24)にも接続されていない状態では、
スイッチ先端(64a)とスイッチ先端(64b)両方がOFFし、ホース差し込み検知信号(62a)とホース差し込み検知信号(62b)は共にハイレベル出力となる。
【0061】
また、糊撹拌供給装置(50)の撹拌供給駆動制御部(51)は、信号ケーブル(2)により、自動壁紙糊付機(10)の糊撹拌供給装置制御部(17)と接続される。
信号ケーブル(2)は多芯シールド電線であり、両端にコネクタ(図示せず)が設けられており、ホース差し込み検知信号(62a)と、ホース差し込み検知信号(62b)と、起動信号(29)と撹拌供給切り替え信号(30)と、信号ケーブル(2)が接続されているか否かの状態を示す信号(図示せず)とGND(電圧0Vレベル)などが伝送される。
【0062】
続いて、本発明の糊撹拌供給システム(1)を用いて、糊の撹拌を行うようすを図3を用いて説明する。自動壁紙糊付機(10)は外部電源D に接続されて起動し、糊撹拌供給装置(50)は外部電源Eに接続されて起動する。外部電源D、及び外部電源Eはほとんどの内装施工現場では、電力会社から供給される商用電源の異なるコンセントとなるが、状況によっては、ディーゼルエンジン発電機や自動車のバッテリーを使用する場合もある。
【0063】
信号ケーブル(2)により、糊撹拌供給装置(50)の撹拌供給駆動制御部(51)は、自動壁紙糊付機(10)の糊撹拌供給装置制御部(17)と接続されている。
【0064】
ペースト糊18Kgを水12リットルで希釈撹拌して、粘度8000Cpの糊を30Kg生成する場合において撹拌を説明する。
自動壁紙糊付機(10)の壁紙糊付演算部(13)は、図5のフローチャートに示す処理を実行し、作業者により処理STP4の撹拌実行が指示されるか、あるいはSTP5の洗浄実行が指示されるかの選択を待ち、どちらが指示された場合でも、図3に示す状態では、糊撹拌供給装置(50)のホース(54)のノズル(56)は糊撹拌供給装置(50)の蓋(59)のゴムブッシュ付きの穴(63)差し込まれているので、ホース差し込み検知信号(62a)はローレベル出力であり、ホース差し込み検知信号(62b)はハイレベル出力となっているので、壁紙糊付演算部(13)は、ホース(54)の先端がゴムブッシュ付きの穴(63)差し込まれて、糊撹拌供給装置(50)が撹拌可能な状態であることを検知し、処理STP4または処理STP5のいずれか選択された方を実行する。
一方、ホース差し込み検知信号(62a)がローレベル出力で、かつ、ホース差し込み検知信号(62b)がハイレベル出力でない場合は、糊撹拌供給装置(50)が撹拌可能な状態であることが検知できないので、壁紙糊付演算部(13)はエラー警告を壁紙糊付表示操作部(12)に出力し、処理STP4と処理STP5のいずれの処理も実行しない。
【0065】
処理STP4の撹拌実行が指示された場合、壁紙糊付演算部(13)は図10(a)に示すタイミングで糊撹拌供給装置(50)を制御する。
まず最初に、壁紙糊付演算部(13)は、生成する糊の条件である、ペースト糊18Kgを水12リットルで希釈撹拌して粘度8000Cpの糊を30Kg生成する。ということを記憶部(14)に記憶する。
続いて、図10(a)の、点1において、撹拌供給切り替え信号(30)をCW方向(撹拌羽根)にして送信し、点2において、起動信号(29)をONにして送信すると、糊撹拌供給装置(50)の撹拌供給駆動制御部(51)が受信し、撹拌供給モーター(52)をCW方向に回転させ、第1のワンウェイクラッチ(53a)を介して結合された撹拌羽根が回転し、糊と水を撹拌する。
そして、時間T11(約10分)経過後に起動信号(29)をOFFにしてモーター(52)止めて撹拌を停止させる(点3)。
【0066】
ここまでの動作により、糊と水が撹拌されて壁紙糊付け用の糊Cが生成されたのであるが、まだ、糊タンク(55)の下方のポンプ部(図示せず)とホース(54)の根元に水が溜まっており、この水を抜く必要があるので、壁紙糊付演算部(13)は、撹拌供給切り替え信号(30)をCCW方向(糊供給ポンプ)に切り替えてから、起動信号(29)をONにして送信すると、糊撹拌供給装置(50)の撹拌供給駆動制御部(51)が受信し、撹拌供給モーター(52)をCCW方向に回転させ、第2のワンウェイクラッチ(53b)を介して結合された糊供給ポンプが作動し、糊タンク(55)の下方のポンプ部(図示せず)とホース(54)の根元に溜まっていた水が糊供給ポンプにより汲み上げられてホース(54)の先端のノズル(56)から糊タンク(55)に入り、撹拌された壁紙糊付け用の糊Cの上にこぼれる。
そして、時間T12(約30秒)経過後に起動信号(29)をOFFにしてモーター(52)を停止させる(点5)。
【0067】
そして、この水も壁紙糊付け用の糊Cと混ぜる必要があるので、壁紙糊付演算部(13)は撹拌供給切り替え信号(30)をCW方向(撹拌羽根)にし、点6で起動信号(29)をONにして送信すると(点6)、糊撹拌供給装置(50)の撹拌供給駆動制御部(51)が受信し、撹拌供給モーター(52)をCW方向に回転させ、第1のワンウェイクラッチ(53a)を介して結合された撹拌羽根により糊と水を撹拌する。
そして、時間T13(約1分)経過後に起動信号(29)をOFFにしてモーター(52)止めて撹拌を停止させる(点7)。
【0068】
以上、説明したように、本発明の糊撹拌供給システム(1)は、自動壁紙糊付機(10)の壁紙糊付演算部(13)が、図10(a)に示すタイミングで撹拌供給切り替え信号(30)と起動信号(29)を送信し、糊撹拌供給装置(50)が受信することにより、自動壁紙糊付機(10)の壁紙糊付演算部(13)が糊撹拌供給装置(50)を撹拌と供給を切り替えて制御し、作業者が糊撹拌供給装置(50)の操作を行わなくても、全自動で糊と水の撹拌が行われるものである。
【0069】
また、本発明の糊撹拌供給システム(1)は、糊撹拌供給装置(50)がホース差し込み検知信号(62a)とホース差し込み検知信号(62b)を送信し、自動壁紙糊付機(10)の壁紙糊付演算部(13)が受信することにより、自動壁紙糊付機(10)が糊撹拌供給装置(50)が撹拌可能な状態であることを検知するので、糊が床などに溢れることを未然に防止できるものである。
【0070】
続いて、本発明の糊撹拌供給システム(1)が壁紙の糊付けを実行しながら、糊撹拌供給装置(50)の糊タンク(55)に貯留された糊Cを、自動壁紙糊付機(10)の糊箱(24)に供給(補充)し、糊タンク(55)に貯留された糊Cの糊残量を算出する様子を、
自動壁紙糊付機(10)が、糊箱(24)に貯留された糊Bの液面高さを、制御領域下限高さから制御領域上限高さに至るまでの糊Bの量を制御糊量と定め、制御糊量と、壁紙Aに塗布する糊Bの塗布厚みと壁紙の幅と糊の粘度から、糊切れ警告長を求め、糊付け長さが糊切れ警告長に達した場合に、糊撹拌供給装置(50)を起動させて、予め定めた一定量の糊Cを糊箱(24)に補充量する糊供給処理(特許、第5092096号)を実行する場合について、図6のフローチャートと図7のフローチャートを用いて説明する。
【0071】
図6のフローチャートの処理MTP1では、自動壁紙糊付機(10)の壁紙糊付演算部(13)は、記憶部(14)に記憶している、図11の表に示す長さデータを読み出す。
図11の表に示す長さデータは、制御糊量が3.0Kgで、壁紙の幅が1.0mの時の、
糊の粘度毎の、糊Bの塗布厚み毎の、糊付けができる長さLK(m)である。
ここで、壁紙糊付演算部(13)は、撹拌動作の時に記憶部(14)記憶していた糊Cの生成条件である、粘度8000Cpで30Kgという条件を引用するか、あるいは、作業者により、糊撹拌供給装置(50)の目盛り付き窓(58)から糊Cの液面高さが目視され、目盛り値と粘度を、壁紙糊付表示操作部(12)から入力されるか、どちらかの生成条件に基づき、初期残量を算出する。
ここでは、撹拌動作の時に記憶部(14)記憶していた糊Cの生成条件で糊付けを行うとして以下の説明をする。
粘度8000Cpは、図11の表の薄い粘度に該当する。また、糊付けローラー(21)とドクターローラー(23)の隙間を2.0mmに設定されているとし、糊付けができる長さLK(m)は20mである。
また、糊Cは30Kg生成されて糊タンク(55)に貯留されているので、糊タンク(55)に貯留されている糊C30Kgを、糊付けができる長さに換算すると、
LK20m × (貯留量30Kg ÷ 制御糊量3.0Kg)= 200m
となり、これを、糊タンク(55)に貯留されている糊Cの糊残量LNKの初期値200mとして定める。
【0072】
続いて作業者により、糊を付ける壁紙Aの「設定糊付け長さ」や「設定枚数」や「糊付け実行速度」などの作動条件が設定され、壁紙糊付演算部(13)は記憶部(14)に記憶する。
スタートスイッチ(図示せず)が押されると、壁紙糊付演算部(13)は処理を実行するために必要なパラメータの初期化を行い、処理MTP3で使用するパラメータである、
パラメータsとパラメータMを初期化する。処理MTP2では、壁紙糊付演算部(13)は、パラメータktとパラメータLを初期化する。
そして、ホース差し込み検知手段(57)の信号を受信し、ホース差し込み検知信号(62b)が共にローレベル出力となっていない場合はエラー警告を出して作業者にホース(54)を確実に差し込むことを促す。
ホース差し込み検知信号(62a)とホース差し込み検知信号(62b)は共にローレベル出力となっていることが検知できた場合にのみ処理を進め、「糊付け実行速度」で壁紙搬送モーター(18)を回転させ、壁紙Aを搬送して糊付けを開始し、自動壁紙糊付機(10)の糊箱(24)に貯留された糊Bが糊上げローラー(22)によって汲み上げられて、糊付けローラー(21)とドクターローラー(23)の隙間により定めらた厚みで壁紙Aに塗布され、糊箱(24)に貯留された糊Bが消費され減少していくと、壁紙糊付演算部(13)は、時分割多重処理で実行されている糊供給処理(特許、第5092096号の処理)を実行し、消費量が制御糊量に達する毎に、糊撹拌供給装置(50)の糊タンク(55)に貯留されている糊Cを糊箱(24)に供給(補充)する。
【0073】
処理MTP3では、壁紙糊付演算部(13)は、検尺部(15)が生成する検尺信号パルスを計数し、糊を付けて搬送した壁紙Aの「実行糊付け長さ」を算出する。
第1のカウンタとしての、
パラメータktを、kt←kt+1として、検尺信号パルスを1つ計数する毎に加算し、
糊を付けた壁紙の長さである「実行糊付け長さ」Lを、L=kt×P、(Pは検尺信号パルスを1つ計数した場合の壁紙Aの移動距離(検尺ローラー(19)の直径に基づき定めている定数))として求める。
また、糊残量LNKを算出するタイミングを定めるための、第2のカウンタとしての、
パラメータsを、s←s+1として、検尺信号パルスを1つ計数する毎に加算し、第2のカウンタsに対応する糊付け長さMを、 M=s×Pとして求める。
【0074】
処理MTP4では、壁紙糊付演算部(13)は、糊残量LNKを算出するための糊付け長さMが所定の長さに到達しているかどうかを判定する。糊付け長さMが100cm以上であれば糊残量処理MTP7を実行し、長さMが100cm以下であれば処理MTP5を実行する。
【0075】
処理MTP5では、壁紙糊付演算部(13)は、糊付けした長さである「実行糊付け長さ」が作業者により設定された長さである「設定糊付け長さ」に達したかどうかを判定し、達していれば処理MTP6を実行し、達していなれば処理MTP3へ戻る。
【0076】
処理MTP6では、壁紙糊付演算部(13)はモーター(16)を停止し、1枚の壁紙Aの糊付け実行を終え、処理の実行を再び、処理MTP2に戻して、2枚目の壁紙Aの糊付けを実行する。
【0077】
糊残量算出処理MTP7の内容を図7のフローチャートに示す。(図7のフローチャートの処理SZP1から処理SZP6は糊残量算出処理MTP7の詳細である。)
処理SZP1では、壁紙糊付演算部(13)は、糊残量LNKから糊付け長さMを減算し、LNK←LNK-Mとして、現時点の糊残量LNKを算出する。
また、糊残量LNKは、壁紙糊付表示操作部(12)に表示する。
【0078】
処理SZP2では、現時点の糊残量LNKが所定の長さ以下になっているか否かを判定する。糊残量LNKが所定の長さ以上であれば、処理の実行を図6の処理MTP5に戻す。 この判定に用いる所定の長さは、0m、あるいは10m、あるいは20mなどに、壁紙糊付表示操作部(12)から作業者が設定変更可能である。
糊残量LNKが所定の長さ以下であって0mでない場合は、処理SZP3と処理SZP4を実行し、処理SZP4において、糊撹拌供給装置(50)の糊タンク(55)に貯留されている糊Cが少なくなっていることの警告を、自動壁紙糊付機(10)の壁紙糊付表示操作部(12)に表示するので、作業者は、1枚の壁紙Aの糊付けが完了して壁紙糊付演算部(13)が壁紙搬送モーター(18)を止めた時(図6のフローチャートの処理MTP6の時)に、図5のフローチャートの処理STP4の実行を指示してペースト糊と水の撹拌を再度行う。
【0079】
一方、作業者が警告を見ても再撹拌を行わず、糊残量LNKが0mになった場合には、壁紙糊付演算部(13)は処理SZP5を実行し、壁紙搬送モーター(18)を止めて、糊付けの途中で、糊付けを一旦停止し、糊撹拌供給装置(50)の糊タンク(55)に貯留されている糊Cがないから糊付けを一旦停止したという警告を、自動壁紙糊付機(10)の壁紙糊付表示操作部(12)に表示するので、作業者は、壁紙糊付演算部(13)に対し、図5のフローチャートの処理STP4の実行を指示してペースト糊と水の撹拌を再度行う。
【0080】
処理SZP6では、パラメータ糊残量LNKとパラメータsとパラメータMを初期化し、
図6のフローチャートの処理MTP5へ戻る。
【0081】
続いて、本発明の糊撹拌供給システム(1)が壁紙の糊付けを実行しながら、糊撹拌供給装置(50)の糊タンク(55)に貯留された糊Cを、自動壁紙糊付機(10)の糊箱(24)に供給(補充)し、糊タンク(55)に貯留された糊Cの糊残量を算出する様子を、
糊Bを含む糊箱(24)の重量を検出する重量検出部(図示せず)により、検出重量が所定の重量よりも軽くなった場合に糊切れと判定し、予め定められた時間だけ糊撹拌供給装置(50)を起動させて、糊Cを糊箱(24)に補充する方法の場合について、図8のフローチャートと図9のフローチャートを用いて説明する。
図8のフローチャートの処理WTP1では、壁紙糊付演算部(13)は、糊Cの撹拌生成条件に基づき、糊タンク(55)に貯留された糊Cの初期残量を算出する。
ここで、壁紙糊付演算部(13)は、撹拌動作の時に記憶部(14)記憶していた糊Cの生成条件である、粘度8000Cpで30Kgという条件を引用するか、あるいは、作業者により、糊撹拌供給装置(50)の目盛り付き窓(58)から糊Cの液面高さが目視され、目盛り値と粘度を、壁紙糊付表示操作部(12)から入力されるか、どちらかの生成条件に基づき、初期残量を算出する。
撹拌動作の時に記憶部(14)記憶していた糊Cの生成条件で糊付けを行うとして以下の説明をする。
糊撹拌供給装置(50)の糊供給能力は図11の表に示す、極薄い粘度から極濃い粘度までの糊Cを約10秒間起動されれば3.0Kgの量を自動壁紙糊付機(10)の糊箱(24)に供給(補充)できる供給能力を有しているので、
10秒 × (30Kg ÷ 3.0Kg) =100秒 となり、
糊撹拌供給装置(50)が100秒間起動されれば、糊タンク(55)に貯留されている糊Cはなくなるので、糊タンク(55)に貯留されている糊Cの初期残量を100秒と定める。
続いて、作業者により、糊を付ける壁紙Aの「設定糊付け長さ」や「設定枚数」や「糊付け実行速度」などの作動条件が設定され、壁紙糊付演算部(13)は、「設定糊付け長さ」を記憶し、スタートスイッチ(図示せず)が押されると処理WTP2を実行する。
【0082】
処理WTP2では、壁紙糊付演算部(13)は、パラメータktとパラメータLを初期化し、「糊付け実行速度」で壁紙搬送モーター(18)を回転させ、壁紙Aを搬送して糊付けを開始し、自動壁紙糊付機(10)の糊箱(24)に貯留された糊Bが糊上げローラー(22)によって汲み上げられて、糊付けローラー(21)とドクターローラー(23)で定めらた厚みで壁紙Aに塗布され、糊箱(24)に貯留された糊Bが消費され減少していくと、壁紙糊付演算部(13)は、時分割多重処理で、重量検出部の糊検知処理(図示せず)を実行し、検出重量が所定の重量よりも軽くなった場合に糊切れと判定し、予め定められた時間だけ糊撹拌供給装置(50)を起動させて、糊タンク(55)に貯留された糊Cを、自動壁紙糊付機(10)の糊箱(24)に供給(補充)する。
予め定められている糊撹拌供給装置(50)の起動時間(供給(補充)時間)をA秒とする、
【0083】
処理WTP3では、壁紙糊付演算部(13)は、検尺部(15)が生成する検尺信号パルスを計数し、糊を付けて搬送した壁紙Aの「実行糊付け長さ」を算出する。
第1のカウンタとしての、
パラメータktを、kt←kt+1として、検尺信号パルスを1つ計数する毎に加算し、
糊を付けた壁紙の長さである「実行糊付け長さ」Lを、L=kt×P、(Pは検尺信号パルスを1つ計数した場合の壁紙Aの移動距離(検尺ローラー(19)の直径に基づき定めている定数))として求める。
【0084】
処理WTP4では、壁紙糊付演算部(13)は、重量検出部の糊切れと判定が生じたかどうかを確認し、糊切れと判定が生じた場合には、糊残量NZKを算出するための処理WTP7を実行し、糊切れと判定が生じていなければ、処理WTP5へ進む。
【0085】
処理WTP5では、壁紙糊付演算部(13)は、糊付けした長さである「実行糊付け長さ」が作業者により設定された長さである「設定糊付け長さ」に達したかどうかを判定し、達していれば処理WTP6を実行し、達していなければ処理WTP6へ戻る。
【0086】
処理WTP6では、壁紙糊付演算部(13)はモーター(16)を停止し、1枚の壁紙Aの糊付け実行を終え、処理の実行を再び、処理MTP2に戻して、2枚目の壁紙Aの糊付けを実行する。
【0087】
糊残量算出処理WTP7の内容を図9のフローチャートに示す。
図9のフローチャートのWZP1からWZP6は糊残量算出処理WTP7の詳細である。
処理WZP1では、壁紙糊付演算部(13)は、糊残量NZKから、今回の糊切れ判定で起動した時間であるA秒を減算し、NZK←NZK-Aとして、現時点の糊残量NZKを算出する。
また、糊残量NZKは、壁紙糊付表示操作部(12)に表示する。
【0088】
処理WZP2では、現時点の糊残量NZKが所定の時間以下になっているか否かを判定する。糊残量NZKが所定の秒以上であれば、処理の実行を図8の処理WTP5に戻す。
この判定に用いる所定の時間は、0秒、あるいは10秒、あるいは20秒などに壁紙糊付表示操作部(12)から設定変更可能である。
【0089】
糊残量NZKが所定の秒以下で0秒でなければ、処理WZP3と処理WZP4を実行し、
糊撹拌供給装置(50)の糊タンク(55)に貯留されている糊Cが少なくなっていることの警告を、自動壁紙糊付機(10)の壁紙糊付表示操作部(12)に表示するので、作業者は、1枚の壁紙Aの糊付けが完了して壁紙糊付演算部(13)が壁紙搬送モーター(18)を止めた時(図8のフローチャートの処理WTP6の時)に、図5のフローチャートの処理STP4の実行を指示してペースト糊と水の撹拌を再度行う。
【0090】
一方、作業者が警告を見ても再撹拌を行わず、糊残量NZKが0秒になった場合には、壁紙糊付演算部(13)は処理WZP5を実行し、壁紙搬送モーター(18)を止めて、糊付けの途中で、糊付けを一旦停止し、糊撹拌供給装置(50)の糊タンク(55)に貯留されている糊Cがないので糊付けを一旦停止したという警告を、自動壁紙糊付機(10)の壁紙糊付表示操作部(12)に表示するので、作業者は、図5のフローチャートの処理STP4の実行を指示してペースト糊と水の撹拌を再度行う。
【0091】
処理SZP6では、パラメータ糊残量LNKとパラメータsとパラメータMを初期化し、
図8のフローチャートの処理WTP5へ戻る。
【0092】
続いて、壁紙施工作業が全て完了し、現場を移動する場合の糊撹拌供給装置(50)の洗浄を説明する。洗浄する場合には、作業者により、糊タンク(55)内部を洗浄するための少量の洗浄用の水が入れら、蓋(59)が閉められ、ホース(54)の先端は自動壁紙糊付機(10)の糊箱(24)から外されて、糊撹拌供給装置(50)の蓋(59)のゴムブッシュ付きの穴(63)に差し込まれ、作業者により、洗浄が指示されると、壁紙糊付演算部(13)は図5のフローチャートの処理STP5を実行し、 図10(b)に示すタイミングで糊撹拌供給装置(50)を制御する。
壁紙糊付演算部(13)は、図10(b)の、点1で撹拌供給切り替え信号(30)をCW方向(撹拌羽根)にし、点2で起動信号(29)をONにして送信すると、糊撹拌供給装置(50)の撹拌供給駆動制御部(51)が受信し、撹拌供給モーター(52)をCW方向に回転させ、第1のワンウェイクラッチ(53a)を介して結合された撹拌羽根により洗浄用の水が回され、糊タンク(55)の内側に付着している糊Cが洗い落とされる。
そして、時間T21(約2分)経過後に起動信号(29)をOFFにしてモーター(52)止めて撹拌を停止させる(点3)。
【0093】
続いて、壁紙糊付演算部(13)は、撹拌供給切り替え信号(30)をCCW(糊供給ポンプ)に切り替えてから、起動信号(29)をONにして送信すると(点4)、撹拌供給駆動制御部(51)が受信し、撹拌供給モーター(52)をCCW(糊供給ポンプ)に回転させ、第2のワンウェイクラッチ(53b)を介して結合された糊供給ポンプにより、水を糊タンク(55)とポンプ部(図示せず)とホース(54)を循環させて洗浄する。
そして、時間T22(約2分)経過後に起動信号(29)をOFFにしてモーター(52)を停止させる(点5)。
【0094】
このようにして、本発明の糊撹拌供給システム(1)は、自動壁紙糊付機(10)の壁紙糊付演算部(13)が、図10(a)に示すタイミングで撹拌供給切り替え信号(30)と起動信号(29)を送信し、糊撹拌供給装置(50)が受信することにより、自動壁紙糊付機(10)の壁紙糊付演算部(13)が糊撹拌供給装置(50)を制御し、作業者が糊撹拌供給装置(50)の操作を行わなくても、全自動で水による糊タンク(55)の洗浄が行われるものである。
【0095】
本発明の図10(a)に示すタイミングで時間TD1と時間TD2を設けている理由は、撹拌供給モーター(52)の回転方向を瞬時に切り替えた場合、糊供給ポンプが損傷する恐れがあるので、撹拌供給モーター(52)を一旦停止させてから回転方向を切り替えるようにしているのである。
【0096】
以上に説明した本発明の糊撹拌供給システム(1)の、図2に示したホース差し込み検知手段(57)は、マイクロスイッチを用いたものであるが、磁性体が近づいたことを検知してON、OFFする磁気式スイッチ(リードスイッチ)を用いて、蓋(59)に磁性体(磁気シール)を貼り付けておく方法でも同様の効果は得られる。
【0097】
また、本発明の図1に示した撹拌供給切り替え信号(30)は1本の信号線で構成し、図10のタイミングに示すように、信号がハイレベルの状態をCW方向(撹拌羽根)、信号がローレベルの状態をCCW方向(糊供給ポンプ)と意味付けしているが、
これを、CW方向信号とCCW方向信号の独立した2本の信号線で構成し、CW方向信号がON(ローレベル)の状態の時に撹拌供給モーター(52)はCW方向に回転起動し、CW方向信号がOFF(ハイレベル)の状態の時に撹拌供給モーター(52)は停止し、CCW方向信号がON(ローレベル)の状態の時に撹拌供給モーター(52)はCCW方向に回転起動し、CCW方向信号がOFF(ハイレベル)の状態の時に撹拌供給モーター(52)は停止し、CW方向信号とCCW方向信号が同時にONした状態(信号ケーブル(2)の故障時など)では撹拌供給モーター(52)は停止するという方法でも同様の効果は得られる。
【符号の説明】
【0098】
1 糊撹拌供給システム
2 信号ケーブル

10 自動壁紙糊付機
11 壁紙糊付機制御部
12 壁紙糊付表示操作部
13 壁紙糊付演算部
14 記憶部
15 検尺部
16 モーター制御部
17 糊撹拌供給装置制御部
18 壁紙搬送モーター
19 検尺ローラー
20 送り出しローラー
21 糊付けローラー
22 糊上げローラー
23 ドクターローラー
24 糊箱
25 スリッター
26 壁紙保持用リール
27 原反受け
28 脚部
29 起動信号
30 撹拌供給切り替え信号
31 糊供給ジョイント
32 電源コード

50 糊撹拌供給装置
51 撹拌供給駆動制御部
52 撹拌供給モーター
53a第1ワンウェイクラッチ
53b第2ワンウェイクラッチ
54 ホース
55 糊タンク
56 ノズル
57 ホース差し込み検知手段
58 目盛り付き窓
59 蓋
59a蓋の段差部
60 フック
61 取手
62aホース差し込み検知信号
62bホース差し込み検知信号
63 ゴムブッシュ付きの穴
64aスイッチ先端
64bスイッチ先端
65 電源コード

110 自動壁紙糊付機
111 壁紙糊付機制御部
112 壁紙糊付表示操作部
113 壁紙糊付演算部
114 記憶部
115 検尺部
116 モーター制御部
118 壁紙搬送モーター
119 検尺ローラー
120 送り出しローラー
121 糊付けローラー
122 糊上げローラー
123 ドクターローラー
124 糊箱
125 スリッター
126 壁紙保持用リール
127 原反受け
128 脚部
132 電源コード
133 サービスコンセント

150 糊撹拌供給装置
151 撹拌供給駆動制御部
152 撹拌供給モーター
153a第1ワンウェイクラッチ
153b第2ワンウェイクラッチ
154 ホース
155 糊タンク
156 ノズル
158 目盛り付き窓
159 蓋
159a蓋の段差部
160 フック
161 取手
163 ゴムブッシュ付きの穴
165 電源コード
166 撹拌供給操作部
167 撹拌タイマー

A 壁紙
B 糊
C 糊撹拌供給装置貯留糊
D 外部電源
E 外部電源
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14