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特許7034102対象の消化管における粘膜疾患の評価及び監視のためのシステム及び方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-03
(45)【発行日】2022-03-11
(54)【発明の名称】対象の消化管における粘膜疾患の評価及び監視のためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 1/045 20060101AFI20220304BHJP
   A61B 1/00 20060101ALI20220304BHJP
   A61B 1/31 20060101ALI20220304BHJP
【FI】
A61B1/045 618
A61B1/00 C
A61B1/045 615
A61B1/31
A61B1/045 623
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2018568969
(86)(22)【出願日】2017-06-29
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-07-25
(86)【国際出願番号】 IL2017050728
(87)【国際公開番号】W WO2018002935
(87)【国際公開日】2018-01-04
【審査請求日】2020-06-26
(31)【優先権主張番号】62/357,088
(32)【優先日】2016-06-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/491,486
(32)【優先日】2017-04-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】506203914
【氏名又は名称】ギブン イメージング リミテッド
【氏名又は名称原語表記】GIVEN IMAGING LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】特許業務法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ドルニク,イネッサ
(72)【発明者】
【氏名】エルカヤム,オリット
(72)【発明者】
【氏名】ステイン,アッサフ
(72)【発明者】
【氏名】ラピドゥス,アロン
【審査官】田辺 正樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-249936(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B1/00-1/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象の消化管(GIT)における粘膜疾患の粘膜評価システムであって、前記システムは、
命令を実行するように構成された少なくとも1つのハードウェアプロセッサと、
中に格納された命令を有する記憶装置であって、前記命令は前記ハードウェアプロセッサによって実行されると、前記ハードウェアプロセッサに、
前記対象のGITの少なくとも一部の画像ストリームを受信させ、
前記画像ストリームを複数のセグメントに分解させ、各セグメントは前記対象のGITの前記少なくとも一部の領域に対応し、
前記セグメントの各々に対する値の組を取得させ、前記値の組は、前記粘膜疾患における前記セグメントの病理学的関与と、前記セグメントにおける前記粘膜疾患の粘膜徴候の重篤度との両方を示し、
各セグメントに対する前記値の組に基づいて、前記対象のGITの前記少なくとも一部の全体における前記粘膜疾患の前記粘膜徴候の位置及び重篤度を示す表示を生成させる、記憶装置と、
前記生成された表示を表示するように構成されたディスプレイと、を備える、システム。
【請求項2】
前記命令は、前記ハードウェアプロセッサによって実行されると、前記ハードウェアプロセッサにさらに、
表示された前記画像ストリームに前記セグメント又はGIT領域を表示しながら、前記画像ストリームをユーザに表示させ、
前記セグメントの各々に対する前記値の組の1つ又は複数の値を入力するようにユーザに指示させ、
前記GIT領域は実質的に互いに等しい長さである、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記セグメントの各々に対する前記1つ又は複数の値を入力するようにユーザに指示することは、各セグメントの表示中又は表示の直後で、かつ次のセグメントの表示の前に実行される、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記GITの前記少なくとも一部が小腸及び結腸を含み、前記画像ストリームは、前記小腸の3つの領域及び前記結腸の1つの領域に対応して長さが実質的に等しい4つのセグメントに分解される、請求項1から3のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項5】
前記画像ストリームを取り込むように構成されたカプセル内視鏡をさらに含み、前記画像ストリームの前記少なくとも一部が、前記対象のGITを通る前記カプセル内視鏡の進行の、コンピュータ化されたシステムおよび方法によって実行される評価によって複数のセグメントに分解される、請求項1から4のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項6】
前記表示は、そのGIT領域の各々を描画する前記GITの前記少なくとも一部の解剖学的グラフ表示と、前記GIT領域の各々に対して得られた前記値の組の1つ又は複数の値とを含む、請求項1から5のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項7】
前記命令は、前記ハードウェアプロセッサによって実行されると、前記ハードウェアプロセッサにさらに、前記各セグメントにおいて前記粘膜疾患の粘膜徴候をさらに識別させる、請求項1から6のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項8】
前記命令は、前記ハードウェアプロセッサによって実行されると、前記ハードウェアプロセッサにさらに、識別された前記粘膜徴候の重篤度を判定させる、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記値の組は、
前記セグメントにおいて前記粘膜徴候の最も高い重篤度を示す値と、
前記セグメントにおいて前記粘膜徴候の重篤度を示す値と、
前記セグメントにおいて前記粘膜徴候の範囲を示す値と、
を含む、請求項1から8のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項10】
前記値の組は、前記GITの関心のある1つ又は複数の部分の病理学的関与をさらに示す、請求項1から9のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項11】
前記命令は、前記ハードウェアプロセッサによって実行されると、前記ハードウェアプロセッサにさらに、前記各セグメントに対する前記値の組の1つ又は複数の値を計算させる、請求項1から10のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項12】
対象の消化管(GIT)における粘膜疾患の監視システムであって、前記システムは、
命令を実行するように構成された少なくとも1つのハードウェアプロセッサと、
中に格納された命令を有する記憶装置であって、前記命令は前記ハードウェアプロセッサによって実行されると、前記ハードウェアプロセッサに、
前記対象のGITの少なくとも一部において、前記粘膜疾患の粘膜徴候の位置及び重篤度を示す複数の表示を取得させ、前記複数の表示の各表示は、請求項1の前記システムによって生成され、前記複数の表示の各表示は、一意の日付を有する処置の間に前記対象のGITにおいて取り込まれた画像ストリームに基づき、
前記対象のGIT前記少なくとも一部の前記複数の表示を隣接する方法で表示させ、
各表示にその対応する一意の日付をタグ付けさせ、
これにより、ユーザは時系列で前記粘膜疾患の状態を監視することができる、記憶装置と、を備える、システム。
【請求項13】
各表示は、そのGIT領域の各々を描画する前記GITの前記少なくとも一部の解剖学的グラフ表示と、前記GIT領域の各々に対して前記取得された値の組の1つ又は複数の値とを含み、前記解剖学的グラフ表示は、それらの対応する一意の日付に従ってタイムラインに沿って表示される、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記命令は、前記ハードウェアプロセッサによって実行されると、前記ハードウェアプロセッサにさらに、
治療開始データ及び治療停止データを含む前記対象についての医学治療履歴データを受信させ、
前記医学治療履歴データの少なくとも一部を前記タイムラインに沿って表示させ、
前記医学治療履歴データは、前記対象に処方された薬剤を含む、請求項13に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被験者の消化管(「GIT」)における粘膜疾患の標準化された評価及び/又は監視の方法及びシステムに関する。より具体的には、限定するものではないが、本発明は、1つ又は複数の処置中に取得された画像に基づいて、被験者のGITの領域の画像を特徴付け、スコア付け、要約し、及び/又は表示することによって、標準化された方法で粘膜疾患を評価及び/又は監視するためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
GITは、口から肛門までの消化管を指し、体内の最大の器官の1つであり、栄養製品及び水の消費、消化及び吸収と、廃棄物の排出を中心とする多くの機能を果たしている。これは異物への同時曝露に対する重要な免疫的な防御とともに、体内で最も大きな免疫臓器となる。GITは、その長さに沿って、構造及び機能の両方の観点から、様々な別個の領域に分割される。しかし、GITの長さ全体にわたって、特に腸管に沿った組織構成の観点から、維持される基本的な均一な類似性が存在する。
【0003】
GITにおける組織の最も内側の層は粘膜である。この層は、GITの管腔の内容物と直接接触するので非常に重要であり、したがって、力学的、化学的及び感染性のストレスにさらされる。粘膜は、組織学的には、内腔外から、上皮、粘膜固有層及び粘膜筋板から構成される。粘膜上皮は、腸内分泌細胞及び腸細胞によって達成される栄養製品の消化及び吸収の中心である。しかしながら、上皮の正確な細胞構造、例えば、絨毛の突起及び陰窩は、各GIT領域の特定の機能によって大きく異なる。粘膜固有層は主に結合組織で構成され、その下に粘膜筋板の薄い筋層がある。この筋層は、粘膜にひだ及び稜の巨視的外観を与える。
【0004】
粘膜は、GITが内視鏡的に検査され得る観察窓であるため、この層及びその領域特有の正常な外観における変化は、根底にある病理学的過程を示す。粘膜病理学で現れる多くの病状があり、巨視的正常構造(例えば、絨毛)の欠損、びらん及び潰瘍、血管奇形、化生及び/又は腫瘍として存在し得る。これらは、炎症性腸疾患(IBD)、血管疾患、自己免疫疾患、吸収不良疾患、移植片対宿主病、薬害疾患、放射線誘発疾患及び悪性腫瘍の結果であり得るが、これらに限定されない。これらの粘膜疾患を内視鏡的に直接観察する機能のために、疾患進行及び治療に対する応答性を評価する独特の機会及び機能がある。
【0005】
重大な粘膜徴候を有する全身性疾患の典型的な例の1つがIBDである。IBDの2つの主要な形態のクローン病(CD)及び潰瘍性大腸炎(UC)は、被験者のGIT、主に小腸(SB)及び結腸それぞれの慢性及び/又は再発性免疫活性化及び炎症の傾向によって特徴付けることができる。IBDにおける、そして特にCD患者管理における典型的な関心点は、合併症の発症に対する症状軽減及び/又は監視の期間の達成であった。この目的のために、前者は、日常活動及び生活の質の指標(例えば、クローン病活動指標(CDAI)、炎症性腸疾患質問紙(IBDQ)など)及び実験室評価によって評価され、後者は、腸管外(例えば、磁気共鳴腸運動記録又はコンピュータ断層撮影法腸運動記録(MRE又はCTE))による瘻孔、膿瘍及び狭窄)及び腸管内(例えば組織生検による結腸異形成及び悪性腫瘍)の両方の、合併症の特殊な検出を可能にするモダリティを介して評価される。
【0006】
最近、CD患者管理に対する単に症状的アプローチからの脱却があった。現在関心点は、粘膜疾患評価及び粘膜治癒の検出、すなわち病変粘膜を健康で正常に出現する組織に戻すことに焦点を当てている。これは、消化管機能の保存及び疾患の自然経過の変化に中心を置いている。過去の概念とは対照的に、患者の臨床的提示と彼の粘膜疾患の関与との間には必ずしも線形相関があるとは限らない。
【0007】
したがって、被験者(例えば、患者)の臨床的、実験的及び健康状態を評価することに加えて、医師は、腸疾患の粘膜炎症活性を推定し、それを経時的に評価することに関心がある。患者の疾患の包括的描写を把握し、患者の治療を効果的に管理し、臨床的意思決定を支援し、患者結果を改善し、構造的合併症への進行を阻止するために、粘膜疾患の内視鏡的評価を含むことが重要である。したがって、粘膜評価は治療計画の重要な部分であり、粘膜を監視することは臨床試験における重要なエンドポイントとなり、臨床実践における望ましい目標となりうる。
【0008】
粘膜疾患患者を治療する際の臨床的決定を助けるために、疾患活動性及び/又は粘膜徴候を評価するための様々な技術を使用することができる。これらの技術は、放射線方法(CTE及びMRE)及び/又は内視鏡方法(従来及びカプセル内視鏡法)と、炎症及び粘膜透過性のバイオマーカ(例えば、カルプロテクチン及びc-反応性タンパク質(CRP))を含む。
【0009】
放射線モダリティは、粘膜炎症を直接的に示すのではなく、むしろ経壁的変化及び重要な粘膜炎症過程の手がかりを示す。このように、これらのモダリティは、粘膜における程度又は実際の病態の徴候を示さず、通常は望ましくない放射線に関連する。放射線を使用しない処置であるMREは、粘膜疾患の経壁的評価のための有効な方法であるが、高価であり、その結果、広く利用できない。近位(末端回腸近位)小腸粘膜疾患の評価において、CTE及びMREの両方が、カプセル内視鏡法と比較して劣っていることが示されている。炎症マーカと内視鏡所見との間には相関関係があるが、これらの方法は容易で安価であるが、粘膜疾患の重篤度の包括的な評価に到達することはできない。これは、例えば、粘膜疾患の程度及び位置をそのような方法で評価することができないためである。さらに、炎症マーカは高い偽陰性(FN)率を有し、その結果、軽度の疾患に対して感受性が低いことが示されてきた。
【0010】
内視鏡処置(例えば、無線カプセル内視鏡映像)を評価するプロセスにおいて、医師は、典型的には、粘膜疾患の粘膜徴候を示す特定の画像を探す。一方、評価の間、幾つかの特定の画像のみを考慮することは、疾患の限られた、不正確な可能性がある、又は有害な評価をもたらす可能性がある。一方、評価に到達する前に映像全体を確認するには、医師が各セグメント又は領域で見たことを覚えておき、映像確認全体にわたって、この情報を医師が「保持する」必要がある。これにより、医師は映像の視聴に長い時間(90分以上)を費やし、メモを取ったり、見ているものを覚えたりする必要がある。これは当然、疾患の不正確な評価につながる可能性がある。
【0011】
これらの前述のモダリティについて様々な疾病スコア付けアルゴリズムが開発され、検証されている。しかし、今日まで、GIT全体の粘膜関与を監視するために使用すべき究極の判断基準については広く合意されておらず、また粘膜治癒、疾患活動性及び/又は治療に対する応答についての指針に関する合意も存在しない。CDなどの粘膜疾患の幾つかは、典型的にはSB及び結腸上に分布するが、既知の処置は、通常、SB、結腸又はSBの非常に短い部分を有する結腸のいずれかに対して個々に特異的である。
【0012】
したがって、GITの粘膜疾患の粘膜評価及び監視方法及びシステムを提供することが望ましく、これは、感度が高く、特異的で、一貫性があり、したがって比較可能で、安価であり、広く利用可能で、使いやすく及び/又は非侵襲性である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本開示によれば、被験者の消化管(GIT)における粘膜疾患の粘膜評価のコンピュータ化された方法が提供され、方法は、被験者のGITの少なくとも一部の画像ストリームを受信することと、画像ストリームを複数のセグメントに分解することであって、各セグメントは被験者のGITの少なくとも一部の領域に対応することと、前記セグメントの各々に対する値の組を取得することであって、値の組は、粘膜疾患におけるセグメントの病理学的関与と、セグメントにおける粘膜疾患の粘膜徴候の重篤度とを意味することと、各セグメントに対する前記値の組に基づいて、被験者のGITの少なくとも一部全体における粘膜疾患の粘膜徴候の位置及び重篤度を示す表示を生成することによって、被験者のGITの少なくとも一部における粘膜疾患の状態を評価することを可能にすることとを備える。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本開示によれば、被験者の消化管(GIT)における粘膜疾患の粘膜評価のコンピュータ化された方法がさらに提供され、方法は、被験者のGITの少なくとも一部の画像ストリームを受信することと、画像ストリームを複数のセグメントに分解することであって、各セグメントは被験者のGITの少なくとも一部の領域に対応し、GIT領域は実質的に(例えば±5%又は±10%)等しい長さであることと、ユーザから前記セグメントの各々に対する値の組を受信することであって、値の組は粘膜疾患におけるセグメントの病理学的関与と、セグメントにおける粘膜疾患の粘膜徴候の重篤度とを示すことと、各セグメントに対する前記値の組に基づいて、被験者のGITの少なくとも一部全体における粘膜疾患の粘膜徴候の位置及び重篤度を示す表示を生成することによって、被験者のGITの少なくとも一部における粘膜疾患の状態を評価することを可能にすることとを備える。
【0015】
さらに、本開示によれば、被験者の消化管(GIT)における粘膜疾患の粘膜評価のシステムがさらに提供され、システムは、記憶装置であって、被験者のGITの少なくとも一部の画像ストリームを受信し、画像ストリームを複数のセグメントに分解し、各セグメントは被験者のGITの少なくとも一部の領域に対応し、前記セグメントの各々に対する値の組を取得し、値の組は、粘膜疾患におけるセグメントの病理学的関与と、セグメントにおける粘膜疾患の粘膜徴候の重篤度とを意味し、各セグメントに対する前記値の組に基づいて、被験者のGITの少なくとも一部全体における粘膜疾患の粘膜徴候の位置及び重篤度を示す図を生成する、ための格納された命令を有する、記憶装置と、
前記命令を実行するように構成された少なくとも1つのハードウェアプロセッサと、
生成された表示を表示するように構成されたディスプレイと
を備える。
【0016】
本開示の別の態様では、前記コンピュータ化された方法は、前記表示された画像ストリームに前記セグメント又はGIT領域を示しながら、前記画像ストリームをユーザに表示することと、前記セグメントの各々に対する前記値の組の1つ又は複数の値を入力するように前記ユーザに指示することとをさらに備え、GIT領域は実質的に等しい長さである。
【0017】
本開示の別の態様では、前記セグメントの各々に対する前記値の組の1つ又は複数の値を入力するように前記ユーザに指示することは、その表示中又は表示の直後で、かつ次のセグメントの表示の前に実行される。
【0018】
本開示の別の態様では、GITの少なくとも一部は、小腸及び結腸を含む。
【0019】
本開示の別の態様では、画像ストリームは、小腸及び結腸の3つの領域に対応する4つのセグメントに分解される。
【0020】
本開示の別の態様では、各セグメントに対して取得された値の組は、セグメント内の粘膜徴候の最も高い重篤度を示す値と、セグメント内の粘膜徴候の一般的な重篤度を示す値と、セグメント内の粘膜徴候の程度を示す値とを備える。
【0021】
本開示の別の態様では、粘膜徴候の程度値は、粘膜徴候を表すそれぞれのGI領域の組織表面の部分を示す。
【0022】
本開示の別の態様では、画像ストリームがカプセル内視鏡によって取り込まれ、画像ストリームの少なくとも一部が、被験者のGITを通るカプセル内視鏡の進行のコンピュータ化された評価を介して複数のセグメントに分解される。
【0023】
本開示の別の態様では、表示は、そのGIT領域の各々を示すGITの少なくとも一部の解剖学的グラフ表示と、前記GIT領域の各々に対して得られた値の組の1つ又は複数の値とを含む。
【0024】
本開示の別の態様では、前記セグメントの各々に対する値の組を取得することは、前記セグメントの各々における粘膜疾患の粘膜徴候を識別することを含む。
【0025】
本開示の別の態様では、前記セグメントのそれぞれに対する値の組を取得することは、前記セグメントの各々に対する値の組の1つ又は複数の値を計算することを含む。
【0026】
本開示の別の態様では、値の組は、GITの関心のある1つ又は複数の部分の病理学的関与をさらに指す。
【0027】
本開示の別の態様では、被験者の消化管(GIT)における粘膜疾患を監視するためのコンピュータ化された方法は、被験者のGITの少なくとも一部における粘膜疾患の粘膜徴候の位置及び重篤度を示す複数の表示を取得することであって、複数の表示の各表示は、前記コンピュータ化された方法に従って生成され、複数の表示の各表示は、一意の日付を有する処置の間に前記被験者のGITに取り込まれた画像のストリームに基づくことと、被験者のGITの少なくとも一部の複数の表示を隣接して表示することと、各表示にその対応する一意の日付をタグ付けすることにより、ユーザは経時的に粘膜疾患の状態を監視することとを備える。
【0028】
本開示の別の態様では、各表示は、そのGIT領域の各々を示すGITの少なくとも一部の解剖学的グラフ表示と、前記GIT領域の各々に対して得られた値の組の1つ又は複数の値とを含み、解剖学的グラフ表示は、それらの対応する一意の日付に従ってタイムラインに沿って表示される。
【0029】
本開示の別の態様では、前記コンピュータ化された方法は、治療開始及び停止データを含む被験者の医学治療履歴データを受信することと、対応する一意の日付に従ってタイムラインに沿って複数の表示を表示することと、医学治療履歴データの少なくとも一部をタイムラインに沿って表示することとをさらに備える。
【0030】
本開示の別の態様では、医学治療履歴データは、被験者に処方された薬剤を含む。
【0031】
本開示の別の態様では、GIT領域は実質的に等しい長さである。
【0032】
本開示の上記の態様及び実施形態のいずれも、本開示の範囲から逸脱することなく組み合わせることができる。
【0033】
本発明によるシステム及び方法の原理及び動作は、図面及び以下の説明を参照することによって、よりよく理解することができ、これらの図面は、説明の目的のためだけに与えられているものであり、限定を意図しない。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1図1は、本発明の例示的な実施形態によるカプセル内視鏡(CE)撮像システムの概略図である。
図2A図2Aは、本発明の例示的な実施形態による、被験者のGITにおける粘膜疾患の粘膜評価の方法のフローチャートである。
図2B図2Bは、本発明の別の例示的な実施形態による、被験者のGITにおける粘膜疾患の粘膜評価の方法のフローチャートである。
図3図3は、本発明の例示的な実施形態による、被験者のGITにおける粘膜疾患の粘膜評価及び監視のためのシステムの開始画面の例示的なスクリーンショットである。
図4図4は、本発明の例示的な実施形態による、任意の利用可能な映像についてユーザに提示することができる所見ファイルの例示的リストの例示的なスクリーンショットである。
図5図5は、本発明の例示的な実施形態による、選択された映像(例えば、選択された患者の画像)に対する粘膜疾患の粘膜評価の開始の例示的なスクリーンショットである。
図6図6は、本発明の例示的な実施形態による、第1の十二指腸画像の取り込みの例示的なスクリーンショットである。
図7図7は、本発明の例示的な実施形態による、第1の盲腸画像の取り込みの例示的なスクリーンショットである。
図8図8は、本発明の例示的な実施形態による、最後の直腸画像のり込み後の例示的なスクリーンショットである。
図9図9は、本発明の例示的な実施形態による、例示的な粘膜評価の例示的なスクリーンショットである。
図10A図10Aは、本発明の例示的な実施形態による、例示的な重篤度ポップアップツールの例示的なスクリーンショットである。
図10B図10Bは、本発明の例示的な実施形態による、例示的な重篤度ポップアップツールの例示的なスクリーンショットである。
図11図11は、図9の例示的な評価のさらなる例示的なスクリーンショットである。
図12A図12Aは、本発明の例示的な実施形態による例示的な粘膜評価の例示的なスクリーンショットである。
図12B図12Bは、本発明の例示的な実施形態による例示的な粘膜評価の例示的なスクリーンショットである。
図12C図12Cは、本発明の例示的な実施形態による例示的な粘膜評価の例示的なスクリーンショットである。
図12D図12Dは、本発明の例示的な実施形態による例示的な粘膜評価の例示的なスクリーンショットである。
図13図13は、本発明の例示的な実施形態による、第1のセグメントの評価の完了時の例示的な粘膜評価の例示的なスクリーンショットである。
図14図14は、本発明の例示的な実施形態による、全てのセグメントの評価の完了時の例示的な粘膜評価の例示的なスクリーンショットである。
図15A図15Aは、本発明の例示的な実施形態による、GITの関与しない解剖学的部分を参照するデータを含む例示的な粘膜評価報告である。
図15B図15Bは、本発明の例示的な実施形態による、GITの関与しない解剖学的部分を参照するデータを含む例示的な粘膜評価報告である。
図16図16は、本発明の例示的な実施形態による、全てのセグメントの評価の完了時のGIT粘膜評価の例示的なスクリーンショットである。
図17図17は、本発明の例示的な実施形態による、全てのセグメントの評価の完了時のGIT粘膜評価の印刷可能な報告の例示的なスクリーンショットである。
図18図18は、本発明の例示的な実施形態による、同じ患者の2つの異なる日に実行された2つの処置に関する2つの評価レポート間の比較の例示的なスクリーンショットである。
図19図19は、本発明の例示的な実施形態による、被験者のGITにおける粘膜疾患の粘膜徴候を監視するための方法のフローチャートである。
図20A図20Aは、本発明の例示的な実施形態による、タイムラインに沿った複数の解剖学的グラフ表示及び対応する医学治療を含む例示的な報告である。
図20B】20Bは、本発明の例示的な実施形態による、タイムラインに沿った複数の解剖学的グラフ表示及び対応する医学治療を含む例示的な報告である。
図21A図21Aは、本発明の例示的な実施形態による、GIT領域の病変ヒートマップを表示する動画のスクリーンショットである。
図21B図21Bは、本発明の例示的な実施形態による、GIT領域の病変ヒートマップを表示する動画のスクリーンショットである。
図21C図21Cは、本発明の例示的な実施形態による、GIT領域の病変ヒートマップを表示する動画のスクリーンショットである。
【発明を実施するための形態】
【0035】
説明を簡単かつ明瞭にするために、図面に示される要素は、必ずしも一定の縮尺で描かれていないことを理解されたい。例えば、幾つかの要素の寸法及び/又はアスペクト比は、明瞭化のために他の要素に対して誇張されている場合がある。さらに、適切であると考えられる場合、図面間で参照番号を反復して、連続ビュー全体にわたって対応する又は類似の要素を示すことができる。
【0036】
幾つかの実施形態によれば、被験者(例えば、患者)の消化管における粘膜疾患の粘膜徴候の評価を行うことができる。
【0037】
被験者のGITの画像ストリームを受信することができる。画像ストリームは、カプセル内視鏡法、結腸鏡検査又は胃鏡検査などのGIT内の1つ又は複数の粘膜徴候を指す特徴を画像化するか又は少なくとも示す処置によって取り込むことができる。画像ストリームは、複数のセグメントに分解され、各セグメントは、被験者のGITの領域を示すことができる。幾つかの実施形態では、領域は実質的に等しい長さとすることができる。
【0038】
疾患の粘膜徴候に関するセグメントの少なくとも病理学的関与及び疾患の重篤度を指す及び/又は示す値の組は、各セグメント及びその対応するGIT領域に割り当てられる。値の組は、例えば、最も典型的なすなわち一般的な粘膜徴候値、最も重篤な粘膜徴候値及び程度値を含み得る。したがって、評価された粘膜徴候が病変を含む場合、値の組は、最も典型的又は一般的な病変値、最も重篤な病変値及び程度値を含むことができる。GIT領域における粘膜徴候の存在/非存在を示す重篤度関連値はまた、GIT領域が相応して疾患に関与している/関与していないことを示すことができる。例えば、GIT領域に割り当てられたゼロに等しい最も重篤な粘膜徴候値は、GIT領域が疾患に関与していないことを示し、その逆もあり得る。GIT領域に割り当てられたゼロとは異なる最も重篤な粘膜徴候値は、GIT領域が疾患に関与していることを示すことができる。
【0039】
全ての値又はそれらの一部のみがユーザによって受信されてもよい。これに代えて又は加えて、全ての値又はその一部が開示されたシステム及び方法によって自動的に計算されてもよい。幾つかの実施形態では、1つ又は複数の値の各々は、自動計算及び手動による識別及び/又はユーザによる評価の両方の組み合わせに基づいて決定されてもよい。
【0040】
各セグメントの値を表示することができる。被験者の画像ストリームは、複数回に(例えば、異なる日に)取り込むことができる。毎回、被験者のGITの解剖学的表示を生成して表示することができる。解剖学的表示は、異なるGIT領域を示してもよい。解剖学的表示はまた、各GIT領域の値の組を提示してもよい。したがって、解剖学的表示は、GIT(又はGIT全体)の全部分における疾患の粘膜徴候の重篤度と、異なるGIT領域によってGITの全部分内にある粘膜徴候の位置(分布又は分散とも呼ばれ得る)とを示すことができる。粘膜徴候の位置はまた、その重篤度又は予後を投影してもよいことが示されるべきであり、例えば遠位SB CDのみと比較して予後が劣っている近位SB CDである。このようにして、被験者のGITの粘膜状態の解剖学的表示を一定期間にわたって見ることができる。
【0041】
開示されたシステム及び方法は、被験者のGITにおける粘膜疾患の粘膜徴候の評価の標準化と、粘膜疾患関与の質的評価と、GIT内の病理学的関心点の時間にわたる粘膜疾患動態の大規模評価への校正とを提供できる。粘膜疾患の評価の標準化は、時間にわたる患者の比較検討及び管理を可能にし、したがって粘膜疾患治療及び患者管理の全体的な質を改善する。
【0042】
開示されたシステム及び方法は、非限局性(例えば、炎症性、吸収不全性、自己免疫性など)である粘膜徴候を有する粘膜疾患の評価及び/又は監視に非常に有益であり得る。開示されたシステム及び方法はまた、GIT内の粘膜徴候の重篤度及び/又は位置が経時的に変化し得る粘膜疾患の評価及び監視において非常に有益であり得る。
【0043】
被験者は、GITを有する任意の哺乳動物であり得る。被験者はヒト患者であり得る。上記の説明では、被験者及び患者は交換可能に使用されるが、被験者の使用はヒト患者に限定されることを意味しない。
【0044】
特に明記しない限り、ランドマークを識別することあるいは1つ又は複数の値を提供することを含む、本明細書に記載されている動作の全ては、以下に詳述するように、ユーザによって手動で、又は例えば1つ又は複数の処理ユニットによって自動的に行うことができる。
【0045】
本明細書で言及する用語「消化管」(「GIT」)は、消化器系全体に関連し、口から肛門まで延び、咽頭、食道、胃及び腸、又はその任意の部分を含む。
【0046】
用語「GIT部分」は、状況に応じて、GITの任意の部分(解剖学的に区別されるか否か)又はGIT全体を指してもよい。
【0047】
本明細書で言及される「粘膜徴候」という用語は、巨視的正常構造の喪失(例えば絨毛の喪失、狭窄)、びらん及び潰瘍、血管奇形、化生及び/又は腫瘍などの粘膜における病理学的プロセスの巨視的表現に関連してもよい。
【0048】
本明細書において言及される「粘膜疾患」という用語は、粘膜徴候によって特徴付けられ得るGIT又はその一部の任意の疾患に関連し得る。このような疾患は、例えば炎症性疾患(例えばIBD)、自己免疫疾患(例えばセリアック病)、血管疾患、吸収不良疾患、移植片対宿主病、薬物誘発性疾患、放射線誘発性疾患、及び悪性腫瘍を含んでもよい。
【0049】
本明細書で言及する「画像」という用語は、例えば、カプセル内視鏡、内視鏡(例えば、結腸鏡検査、胃鏡検査)及び/又は当技術分野で知られている適切な任意の他の方法によって取り込まれた画像、複数の画像又は画像ストリームであってもよい。
【0050】
本発明の例示的な実施形態によるCE撮像システムの概略図を示す図1を参照する。例示的な実施形態では、システムは、画像を取り込むための1つ又は複数のイメージャ46と、体内腔を照明するための1つ又は複数の照明源42と、画像及び可能性として他の情報を受信装置に送信するための送信機41を有するカプセル40を含む。
【0051】
画像取り込み装置は、Iddanらによる米国特許第7,009,634号明細書及び/又はGiladによる米国特許出願公開第11/603,123号明細書に記載されている実施形態に対応することができるが、代替の実施形態では他の種類の画像取り込み装置であってもよい。イメージャシステムによって取り込まれた画像は、例えば、円形、正方形、長方形、八角形、六角形などを含む任意の適切な形状とすることができる。
【0052】
典型的には、1つ又は複数の位置における被験体の外側に位置するのは、特にカプセル40によって記録された画像を表示するためのアンテナ又はアンテナアレイ、画像受信機記憶部16、データプロセッサ14、データプロセッサ記憶部19、及び画像モニタ又は視覚表示部18を典型的に含む画像受信機12である。データプロセッサ記憶部19は、画像データベース21を含むことができる。
【0053】
典型的には、データプロセッサ14、データプロセッサ記憶部19(例えばメモリ)及びモニタ18は、代替の構成も可能であるが、パーソナルコンピュータ又はワークステーション11の一部であり、これはプロセッサ14、メモリ、ディスクドライブ、並びにマウス及びキーボードなどの入力出力装置22を含む。データプロセッサ14は、マイクロプロセッサ、マルチプロセッサ、アクセラレータボード、又は任意の他のシリアル又はパラレル高性能データプロセッサなどの任意の標準データプロセッサを含むことができる。データプロセッサ14は、その機能の一部として、画像の表示(例えば、どの画像、様々なウィンドウの中の画像の位置、画像の表示のタイミング又は持続時間など)を制御するコントローラとして機能することができる。
【0054】
画像モニタ18は、従来の映像ディスプレイあるいは画像又は他のデータを表示できる任意の他の装置とすることができる。画像モニタ18は、画像データ、例えば、1つ又は複数のGIT画像、取り込まれた画像の1つ又は複数の解剖学的グラフ表示、静止及び動画の形態の画像、運動データ及び/又は他の情報を提示する。
【0055】
幾つかの実施形態では、様々なカテゴリの情報がウィンドウに表示される。ウィンドウは、例えば、ディスプレイ又はモニタ上のセクション又は領域(輪郭が描かれているか境界がついている可能性がある)であってもよく、他のウィンドウも使用できる。複数のモニタを使用して画像、運動特性、運動事象及び他のデータを表示することができ、例えば画像モニタを画像受信機12に含めることもできる。フレームのシーケンスの文脈で使用される場合、フレームの組又はシーケンスのウィンドウ(例えば、取り込み又は受信時間、あるいは別の順序付けによって順序付けられた)は、画像フレームのストリーム内の画像フレームの連続するサブセットであり得る。
【0056】
動作中、イメージャ46は画像を取り込み、画像を表すデータを送信機41に送信することができる。送信機41は、例えば電磁波を用いて画像を画像受信機12に(例えば、フレームとして)送信する。画像受信機12は、画像データを画像受信機記憶部16に転送する。一定時間のデータ収集の後、記憶部16に記憶された画像データは、データプロセッサ14又はデータプロセッサ記憶部19に転送することができる。例えば、画像受信機12又は画像受信機記憶部16は、患者の身体から取り外すことができ、標準データリンク、例えばシリアル、パラレル、USB、又は既知の構成の無線インタフェースを介して、データプロセッサ14及びデータプロセッサ記憶部19を含むパーソナルコンピュータ又はワークステーションに接続することができる。画像データは、画像受信機記憶部16からデータプロセッサ記憶部19内の画像データベース21に転送される。
【0057】
典型的には、画像ストリームは、画像データベース21に一連の画像として記憶され、これは様々な既知の方法で実施することができる。データプロセッサ14は、データを分析し、分析されたデータを画像モニタ18に提供することができ、ここでユーザは画像データを見る。例えば、データプロセッサ14又は別のデータプロセッサ(例えば、受信機12)は、画像を処理し、被験者のGITの解剖学的表示を提示することができる。データプロセッサ14は、オペレーティングシステム及びデバイスドライバなどの基本オペレーティングソフトウェアと共に、データプロセッサ14の動作を制御するソフトウェアを動作させる。データプロセッサ14を制御するソフトウェアは、マイクロソフト社のネットプラットフォームなどの様々な開発プラットフォームを使用して実施されたコードを含み、様々な既知の方法で実施することができる。
【0058】
カプセル40によって記録され送信される画像データはデジタルカラー画像データであってもよいが、代替の実施形態では他の画像フォーマットを使用することができる。例示的な実施形態では、画像データの各フレームは、各320ピクセルの320行(例えば、320行及び320列)を含み、各ピクセルは、既知の方法に従って、色及び輝度のバイトを含む。例えば、各イメージャピクセルは、赤、緑、又は青などの単一の原色に対応することができるカラーセンサを含むことができる。全体のピクセルの輝度は、1バイト(すなわち、0~255)の輝度値によって記録することができる。画像は、例えば、順次、データプロセッサ記憶部19に記憶することができる。記憶されたデータは、色及び明るさを含む1つ又は複数のピクセル値で構成される。他の画像フォーマットも使用できる。
【0059】
データプロセッサ記憶部19は、カプセル40によって記録された一連の画像を記憶することができる。例えば、カプセル40が記録する画像は、例えば患者のGITを通過する際に連続的に結合され、画像ストリームとして表示可能な一連の画像を形成することができる。画像ストリームを見るとき、ユーザは、典型的には、モニタ18上に1つ又は複数のウィンドウで提示される。代替の実施形態では、複数のウィンドウを使用する必要はなく、画像ストリームのみを表示することができる。例えば、複数のウィンドウが提供される実施形態では、画像ウィンドウは、画像ストリーム、又はその画像の静止部分を提供することができる。別のウィンドウは、例えば、停止、再生、一時停止、画像取り込み、ステップ、早送り、巻き戻し、又は他の制御など、画像の表示を変更できるボタンやその他の制御を含むことができる。このような制御は、例えば、マウス又はタッチスクリーン上の指などのポインティング装置によって有効にすることができる。画像ストリームは静止させて1つのフレームを表示したり、スピードアップしたり、巻き戻したりすることができ、セクションはスキップでき、又は画像を見るための任意の他の方法を画像ストリームに適用することができる。
【0060】
データプロセッサ14は、セグメント表示ジェネレータ24を含むか、又はセグメント表示ジェネレータ24に直接的又は間接的に動作可能に接続することができる。セグメント表示ジェネレータ24は、取り込まれた画像の組からの画像をセグメントに処理することができる。次に、セグメント化された提示を生成し、グラフィカルユーザインタフェース(GUI)の所定のセクションに表示することができる。幾つかの実施形態では、セグメント表示ジェネレータ24はセグメント表示、例えばセグメントカラーバー又は他のグラフィカル表現を生成することができる。
【0061】
一例では、タイムバーを生成するために使用される画像のサブセットは、画像ストリーム内で識別できる特定の解剖学的ランドマークの間に取り込まれた画像を含むことができる。例えば、第1の十二指腸画像と第1の盲腸画像との間、及び第1の盲腸画像と最後の直腸画像との間である。
【0062】
2つの解剖学的ランドマークを選択することができ(例えば、システム内で予め決定することができるか、及び/又はユーザによって選択することができる)、カプセルが最初に取り込まれた選択された解剖学的ランドマークから後から取り込まれた選択された解剖学的ランドマークに移動した時間の間に取り込まれた全ての画像を、タイムバーの生成に含むことができる。
【0063】
別の例では、画像は、色パラメータ、画像品質パラメータ、画像内の検出された病理学的候補の数などに従って、(例えば、ユーザ(例えば医師)によって、又はコンピュータによって)選択することができる。選択された器官(食道、小腸、結腸、胃など)、選択されたGIT領域に対して、又は完了画像処置から選択された特定の時間長に対して、タイムバーを生成することができる。さらに別の例では、例えば隣接する画像間の類似性に基づいて、画像を結合又は融合することができ、融合又は結合された画像のサブセットに基づいてタイムバーを生成することができる。当技術分野で知られているように、画像のサブセットを決定又は選択するために、他の画像選択方法を使用することができる。タイムバーの生成に用いることができる画像のサブセットを生成するために、異なる画像選択方法を組み合わせることができる。
【0064】
本発明の実施形態による使用に適した画像化、受信、処理、記憶及び/又は表示部を含む本発明の実施形態での使用に適した装置は、それぞれ本出願と共通の譲受人に譲渡された「System and Method for Editing an Image Stream Captured In- Vivo」という名称の米国特許出願公開第2006/0074275号明細書、及び/又は“Device for In- Vivo Imaging”という名称のIddanらによる米国特許第7,009,634号明細書、及び/又は「Method of Assembling an In- Vivo Imaging Device」という名称の米国特許出願公開第2007/0118012号明細書に説明された実施形態に類似することができる。インビボ画像化カプセルによって取り込まれた画像間の比較に基づいてGIT内の運動性を分析する方法は、例えば、Glukhovskyらによる米国特許第6,944,316号明細書に開示されている。
【0065】
図2Aは、本発明の例示的な実施形態による、被験者のGITにおける粘膜疾患の状態の評価方法のフローチャートである。ステップ100では、被験者のGITの少なくとも一部の画像ストリームを受信することができる。例えば、図1で上述したように、カプセル内視鏡から画像ストリームを取り込むこと、つまり受信することができる。幾つかの実施形態では、炎症性腸疾患(例えば、クローン病)の状態を評価することが目的である場合、小腸及び結腸を含むGITの一部の画像ストリームを得ることができる。幾つかの実施形態では、被験者識別子(例えば、患者識別子)、画像ストリームが取り込まれた日付、患者診断及び任意の関連する医療データ又はそれらの任意の組み合わせが、取得された画像のストリームについてさらに受信される。
【0066】
ステップ110では、画像ストリームを複数のセグメントに分解することができる。各セグメントは、被験者のGITの画像化された部分の領域に対応することができる。幾つかの実施形態では、領域は実質的に等しい長さとすることができる。1つ又は複数の領域は、小腸又は結腸などの解剖学的領域によって画定することができる。各セグメントは、様々な数の画像フレームを含むことができる。幾つかの実施形態では、複数のセグメントのそれぞれに識別子が割り当てられ、特定のセグメントの他のセグメントに対する位置を決定することができる。例えば、幾つかの実施形態では、複数のセグメントが順次標識される。幾つかの実施形態では、識別子は、各セグメントの開始時間及び停止時間を含む。この分解は、例えば被験者のGITを通るカプセル内視鏡の進行のコンピュータ化された評価に基づいて、図1のワークステーション11などのコンピュータ化されたシステムによって実行されるコンピュータ化された評価を介して行われてもよい。
【0067】
例えば、図1のカプセル内視鏡40などのカプセル内視鏡によって取り込まれた画像ストリームを、被験者の小腸及び結腸を通過させながら、受信することができる。画像ストリームは小腸及び結腸の3つの領域に対応する4つのセグメントに分解されてもよく(以下、「三分位値」とも呼ぶ)、例えば、表示される腸粘膜組織に関しては、全て長さが実質的に等しい。分解は、解剖学的ランドマークの識別に基づいて実行されてもよい。したがって、第1の十二指腸画像の識別は、小腸への進入を示すことができ、第1の盲腸画像(又は最後の末端回腸画像)の識別は、結腸内への進入を示すことができる。そのような解剖学的ランドマークの1つ又は複数の識別は、受信した画像ストリームの表示中にユーザによって実行され、図1のワークステーション11などのコンピュータ化されたシステムによって入力として受信することができる(例えばI/O装置22を介して)。あるいは、解剖学的ランドマークは、コンピュータ化されたシステムによって(例えば、図1のプロセッサ14を介して)自動的に識別することができる。例えば、小腸への入り口は、本出願と共通の譲受人に譲渡された「System and method for real time detection of villi texture in an image stream of the gastrointestinal tract」という名称のZinaty Ofraらによる米国特許第8,768,024号明細書に開示された方法及びシステムに従って識別することができる。結腸への入り口は、本出願と共通の譲受人に譲渡された「Method and system for detecting transition of in-vivo device between sections of the GI system」という名称のPfeffer Yehudaによる米国特許第8,922,633号明細書に開示されている方法及びシステムに従って識別することができる。
【0068】
小腸を示す画像ストリームの識別された部分は(すなわち、第1の十二指腸画像から第1の盲腸画像への)、被験者のGITを通るカプセル内視鏡の進行のコンピュータ化された評価を介して、所望により、実質的に等しい長さに、3つのセグメントに分解できる。このようなコンピュータ化された評価は、例えば、本出願と共通の譲受人に譲渡された、「System and method for detecting motion patterns of in vivo imaging devices」という名称のKrupnikらによる米国特許第8,792,691号明細書に開示された方法及びシステムに基づくことができる。
【0069】
ステップ120では、各セグメントに対する値の組を取得することができる。値の組は、疾患におけるセグメントの病理学的関与及びセグメントにおける粘膜疾患の粘膜徴候の重篤度を示すことができる。幾つかの実施形態では、値の組は、少なくとも各セグメントにおける粘膜疾患の粘膜徴候の重篤度を指してもよい。例えば、IBD患者を評価する場合、粘膜徴候は病変及び狭窄を含み得る。幾つかの実施形態では、各セグメントに対する値の組は、セグメント内の粘膜徴候の最も高い重篤度を示す値と、セグメント内の粘膜徴候の典型的又は一般的な重篤度を示す値と、及び/又はセグメント内の粘膜徴候の程度を示す値を含んでもよい。幾つかの実施形態では、セグメントの最も重篤な粘膜徴候は、セグメントにおける粘膜徴候の典型的又は一般的な重篤度を表さない場合がある。このようにして、最も重篤な粘膜徴候値及び典型的又は一般的な重篤度値の両方を有することにより、セグメントにおける疾患の粘膜徴候のより包括的な図を得ることができる。重篤度は、価値体系によって決定することができる。例えば、IBD患者のGITにおける病変を評価する場合、価値システムは、対応して、1、2、3及び0によって示される軽度、中程度及び重篤又は無しの3つの程度を含むことができる。粘膜徴候の程度値は、疾患の粘膜徴候を表示するそれぞれのGI領域の粘膜組織表面の部分を示すことができる。例えば、IBD患者を評価する場合、程度値は、疾患の病理学的粘膜関与を有するGIT領域の組織表面のパーセントを示すことができる。ある実施形態では、IBDが評価される場合、程度値は、無し、10%未満、10~30%、30~60%、又は60%超であり得る。これは、経験によれば、低いパーセント範囲が疾患の徴候に関してより一般的であるからである。
【0070】
幾つかの実施形態では、値の組の1つ又は複数の値は、各セグメントに対してユーザからの入力として取得されてもよい。幾つかの実施形態では、値の組の1つ又は複数の値は、コンピュータ化されたシステムを介して各セグメントについて計算されてもよい。したがって、幾つかの実施形態では、値の一部はユーザからの入力として受信され、残りの値はコンピュータ化されたシステムを介して計算されてもよい。幾つかの実施形態では、1つ又は複数の値は、ユーザ入力と、コンピュータ化されたシステム及び方法によって実行される計算との組合せに基づいて決定することができる。
【0071】
1つ又は複数の値がユーザによって決定される場合、GIT部分を長さが実質的に等しいセグメントに分解することはより有利であり得る。長さが実質的に等しいセグメントの手動評価は、ユーザの評価プロセスを容易かつ簡素化することができる。より簡単で単純な手動評価処置は、より正確な手動評価をもたらす場合がある。
【0072】
少なくとも値の一部又は全部が、開示されたコンピュータ化されたシステム及び方法によって単独又は付加的に決定される場合、必ずしも長さが等しくないセグメントにGIT部分を分解することは、より有利であり得る。例えば、GIT部分を、GITの1つ又は複数の解剖学的領域に少なくとも部分的に対応するセグメントに分解することは、幾つかの疾患評価にとってより有益であり得る。幾つかの実施形態では、評価処置中にそのような等しくないセグメントの分解が望ましい場合があり、一方、例えば自動的に(すなわち、コンピュータ化されたシステム及び方法によって)実行される最終スコア又は全体評価では、そのような等しくない分解はそれに応じて重み付けされてもよい。
【0073】
上述の例示的な値の組を計算するための例示的な方法が本明細書に開示される。潰瘍検出器を用いて潰瘍を識別することができる。例示的な潰瘍検出器は、本出願と共通の譲受人に譲渡された「Method and system for image-based ulcer detection」という名称のDori Pelegによる米国特許第8,923,585号明細書に開示される。次いで、潰瘍は、次に、その程度を決定するために特徴付けることができる。例えば、潰瘍の程度は、それらのサイズに基づいて決定されてもよい。潰瘍の大きさは、それぞれ本出願人の共通譲受人に譲渡された「System and method for size estimation of in- vivo objects」という名称のKrupnikらによる国際公開第2015/049684号及び、「Device and method for determining a size of in-vivo objects」という名称のKrupnikによる米国特許第9,412,054号明細書に開示されているような方法に従って推定することができる。当該技術分野で知られているように、最大及び中央値を決定するための関数を用いて、各セグメントにおいて潰瘍の最も重篤な程度及び潰瘍の最も一般的な程度を決定することができる。程度値は、次に各セグメントにおける潰瘍の表示として識別された画像と、これらの特定の画像における被験者のGITを通るカプセル内視鏡の進行の評価とに基づいて決定することができる。
【0074】
幾つかの実施形態では、値の組は、GITの関心のある1つ又は複数の部分の粘膜の病理学的関与をさらに指すことができる。例えば、値の組は、十二指腸、回腸末端、右結腸及び/又は左結腸の関与又は非関与を示す値を含み得る。そのような情報は、患者の治療方法及び医学的管理に影響を及ぼし得る。
【0075】
ステップ130では、画像化されたGIT部分全体(GIT全体を含む)における粘膜疾患の粘膜徴候の重篤度及び位置を示す表示が生成され、被験者のGIT部分における粘膜疾患の状態の評価が可能になる。表示は、各セグメントについて得られた値の組に基づいて生成される。表示は、表、グラフ、報告、解剖学的グラフ表示及び/又はスコアなどの1つ又は複数の要素を含むことができる。
【0076】
幾つかの実施形態では、表示は、そのGIT領域の各々を示すGIT部分の解剖学的グラフ表示と、領域の各々について得られた値の1つ又は複数の値とを含んでもよい。幾つかの実施形態では、得られた値の組は、GIT領域の各々(例えば、領域の始め又は終わり)内の粘膜徴候の位置を示す情報を含むことができる。幾つかの実施形態では、表示はそのような位置を示すことができる。例えば、粘膜徴候の重篤度の程度の表示は、GIT領域内の粘膜徴候の位置に比較的対応する位置で、解剖学的表示に重ね合わせることができる。幾つかの実施形態では、各GIT領域の1つ又は複数の値を示すために色を使用することができる。幾つかの実施形態では、解剖学的表示は異なるGIT領域を示してもよい。例えば、小腸が3つの領域に分解される場合、小腸の解剖学的表示は、例えば図8に示されるように、並行して配置された3つのセグメントから構成され得る。
【0077】
GIT領域に基づく粘膜疾患の粘膜徴候の位置はまた、粘膜徴候分布パターンなどのGITの粘膜関与の特徴を指すことができる。したがって、GIT領域による位置は、粘膜関与が存在しない、局所的、まだら状、連続的又はびまん性であることを示すことができる。
【0078】
幾つかの実施形態では、値の組は、GITのサブ領域に対応するサブセグメントの粘膜関与を参照する値をさらに含むことができる。例えば、サブ領域は、GITの解剖学的に画定された部分、例えば十二指腸、末端回腸、右結腸及び左結腸に対応し得る。そのような値は、サブ領域が疾患に関与するかどうかを示す2値を含むことができる(すなわち、粘膜徴候を表示する)。
【0079】
図2Bは、本発明の別の例示的な実施形態による、被験者(例えば、患者)のGITにおける粘膜疾患の状態の評価のフローチャートである。この実施形態は、他に示されない限り、図2Aに関して説明された実施形態と同様であり得る。この方法は、被験者のGITの画像ストリームを受信することを含む(ステップ205)。
【0080】
この方法はまた、画像のストリームの少なくとも一部を複数のセグメントに分解することを含む(ステップ210)。例えば、図1に関して上述したように、画像ストリームの一部又は画像ストリーム全体を、セグメント表示ジェネレータ24によってセグメントに分解することができる。セグメントは実質的に等しい長さのGIT領域に対応することができる。したがって、各セグメントは、GITの領域を示す複数の画像を含むことができる。
【0081】
幾つかの実施形態では、方法はまた、複数のセグメントの各セグメントについて、a)それぞれのセグメントの1つ又は複数の画像が表示され、b)表示される1つ又は複数の画像に基づいて、疾患の粘膜徴候及び粘膜徴候の重篤度に関する疾患におけるセグメントの病理学的関与を示す1つ又は複数の値が受信され、c)全てのセグメントの粘膜疾患の粘膜徴候の重篤度及び/又は位置をユーザに示す出力表示が生成されることを含む。このようにして、全セグメントを含む全GIT部分の粘膜疾患の重篤度及び位置のビューを得るために、ユーザ(例えば、医師)が行う再表示の量を最小にすることが可能である。
【0082】
次いで、表示された画像ストリームにおいてセグメント及び/又はGIT領域を示しながら、画像ストリームがユーザに表示される(ステップ220)。様々な実施形態では、特定のセグメントの再表示のためにユーザに提示される特定のフレームは、例えば、画像ストリームのコンピュータ分析に基づいてコンピュータによって決定される。
【0083】
次いで、ユーザは、各セグメントに対する値の組の1つ又は複数の値を入力するよう指示されてもよい(ステップ230)。
【0084】
例えば、幾つかの実施形態では、値の組は、各セグメントにおける粘膜徴候の最も典型的又は一般的な重篤度及び/又は最も高い重篤度、例えば病変を示す値を含むことができる。病変の重篤度、例えば炎症性病変は、進行性スペクトルにあり得、充血及びびらんの軽度の粘膜関与から、アフタ性潰瘍へと進行し、最終的に内腔狭窄及び狭窄の形成をもたらすより広く深い潰瘍に進行する。活性な炎症関与を有する画像ストリームは、多くの場合、病変などの多数の粘膜徴候によって特徴付けることができる。しかし、治療上の意思決定は、セグメントに表示される全ての可能性のある粘膜徴候を示すよりも、セグメントにおける最も一般的な粘膜徴候及び/又は最も重篤な粘膜徴候の表示から利益を得ることができる。最も一般的な病変値及び/又は最も重篤な病変値をセグメントに割り当てることによって、レビュアー(すなわち、ユーザ)は、そのセグメントにおける全ての病変を考慮することなく、そのセグメントに関する病変情報を得ることができる。
【0085】
幾つかの実施形態では、ユーザは、セグメントの表示中及び/又は表示の直後で、かつ次のセグメントの表示の前に、各セグメントに対する1つ又は複数の値を入力するように指示される。幾つかの実施形態では、ユーザは、例えば、ユーザ入力が受信されていない限り、次のセグメントを表示することを控えることによって、次のセグメントの表示に先立って各セグメントの1つ又は複数の値を入力するように強制されてもよい。ユーザは、入力を提供するように促されてもよい。各セグメントの表示中及び/又は次のセグメントの表示の前に、各セグメントに対する1つ又は複数の値を入力する(すなわち、ユーザによって)ことは、評価プロセスを短縮し、より効率的でより正確にすることができる。したがって、ユーザは、画像ストリームを見直している間、及びユーザの心の中でまだ新鮮であり、例えば異なるセグメントなどの他の画像の影響を受けない間に、彼の入力を提供する。
【0086】
例えば、幾つかの実施形態では、ユーザは、各セグメントの表示中に最も高い重篤度の値を提供するように指示されてもよい。次いで、ユーザは、第1の粘膜徴候、例えば、セグメントの表示中に特定の程度の重篤度を有する第1の病変を示す画像を識別することができる。次いで、ユーザは、第1の病変よりも重篤度が高いと思われる病変を示す次の画像だけをより注意深く見直し、及び/又は示すことができる。同じ程度の重篤度又はより低い重篤度を有するように見える他の病変を示す他の画像は、ユーザの注意を要求しない。このプロセスは、いずれが先に来ても、セグメント画像が完全に表示されるか、又はセグメント内の病変を示す画像に最も高い重篤度が割り当てられるまで継続することができる。
【0087】
次に、値の組に基づいてユーザのために表示を生成することができる。表示は、GITの関心のある部分全体(例えば、IBDの小腸及び結腸)における粘膜疾患の位置及び重篤度をユーザに示すことができる(ステップ240)。幾つかの実施形態では、GITの解剖学的表示が、例えば、小腸及び結腸を含めて表示される。幾つかの実施形態では、対応する値の組、例えば、最も一般的な病変重篤度値、程度値及び最も重篤な病変値を有する各セグメントは、解剖学的表示において対応する位置(すなわち、対応するGIT領域)に沿って表示される。
【0088】
以下に説明される図3図17は、値の組がユーザから受信される開示された方法及びシステムの例示的な実施形態を参照する。
【0089】
図3は、本発明の例示的な実施形態による、被験者のGITにおける粘膜疾患の状態の評価のためのシステムの開始画面の例示的なスクリーンショットである。ユーザは、システムで利用可能な全ての映像を見ることができる。利用可能な各映像は、名前301、姓303、患者識別子305、患者の性別307、カプセルタイプ(「映像を取り込むのに使用されるカプセルのタイプ」)309、処置日311(例えば、映像が撮影された日付)、所見313、及び利用可能な各映像に関する他の情報によって識別される。
【0090】
図4は、本発明の例示的な実施形態による、任意の利用可能な映像についてユーザに提示することができる所見405の例示的リストの例示的なスクリーンショットである。
【0091】
図5は、本発明の例示的な実施形態による、選択された映像(例えば、選択された患者の画像)に対する粘膜疾患の状態の評価の開始の例示的なスクリーンショットである。この実施形態では、2つのカメラを含むカプセルで撮影された画像の右画像501及び左画像503が表示される。特定の画像は、タイムバー505上のマーカ504の位置に対応する。タイムバー505は、ユーザが画像周辺をスキップすることを可能にする。解剖学的ランドマークを識別するためのインジケータ509がユーザに提示される。GIT上の解剖学的ランドマークを入力する領域がユーザに提示される。具体的には、第1の十二指腸画像取り込み領域511、第1の盲腸画像取り込み領域513、及び最後の直腸画像取り込み領域515である。
【0092】
画像取り込み領域511、513及び515のそれぞれは、ユーザが左又は右の画像を取り込む命令と、提案された範囲の画像に行くためのリンクとを含む。ユーザが提案された画像の範囲をクリックすると、タイムバー505上のマーカ504は、システムが、その領域にマッチする可能性が高いと判断した画像の範囲に移動する。例えば、第1の盲腸画像取り込み領域513において、提案された範囲に行くリンクをユーザがクリックすると、マーカ504は、第1の盲腸画像が存在する可能性のある映像における時間に対応するタイムバー505上の位置に移動する。システムは、画像の提案された範囲を決定するために、かつ上述の例示的な方法に従って、処理部を使用することができる。
【0093】
幾つかの実施形態では、タイムバー505のシェーディングは、映像における画像のグループに対する様々な画像特性を示す。幾つかの実施形態では、タイムバー505の着色は、映像における画像のグループに対する様々な画像特性を示す。
【0094】
図6は、本発明の例示的な実施形態による、第1の十二指腸画像の捕捉の例示的なスクリーンショットである。ユーザが画像を選択すると、ユーザの選択のサムネイル603が作成される。第1の十二指腸画像取り込み領域511は、十二指腸画像が取り込まれたことを示す、取り込みインジケータを示す。サムネイルは、映像中のサムネイル603の位置が識別可能となるようにタイムバー505に結合される。
【0095】
図7は、本発明の例示的な実施形態による、第1の盲腸画像の捕捉の例示的なスクリーンショットである。ユーザが画像を選択すると、ユーザの選択のサムネイル703が作成される。第1の盲腸画像取り込み領域513は、十二指腸画像が取り込まれたことを示す、取り込みインジケータを示す。サムネイルは、映像中のサムネイル703の位置が識別可能となるようにタイムバー505に結合される。
【0096】
図8は、本発明の例示的な実施形態による、最後の直腸画像の取得後の例示的なスクリーンショットである。ユーザが画像を選択すると、ユーザの選択のサムネイル803が作成される。図6及び図7に示されているような画像取り込み領域は、前述の解剖学的ランドマークの全てが識別され取り込まれると、セグメント値領域805に置き換えられる。セグメント値領域805は、例えば、図8に示すような表を含むことができる。セグメント値領域805は、4つのセグメントSBI、SBII、SBIII及び結腸を含む。セグメント値領域805内の各セグメントについて、ユーザは、例えば、以下に説明する図9~12に従って値を入力することができる。幾つかの実施形態では、ユーザが値の1つを入力すると、その値が自動的に読み込まれる。代替的又は追加的に、システムによって計算された値が自動的に読み込まれてもよい。被験者807のGITの解剖学的グラフ表示を表示することができる。
【0097】
図9は、本発明の例示的な実施形態による、例示的なセグメント評価の例示的なスクリーンショットである。タイムバー505は、画像ストリーム901の解剖学的セグメント、すなわちGITの解剖学的部分(例えば、第1の十二指腸画像と第1の盲腸画像との間のGITに沿った距離、すなわち小腸)に対応する。解剖学的セグメント901は、実質的に等しい長さの3つのセグメントに細分される。この例では、3つの小腸セグメントのそれぞれは、長さに関して結腸と比較され、これらの4つのセグメント(すなわち、小腸の3つのセグメント及び結腸セグメント)のそれぞれは、上記のように、独立かつ逐次的な方法で再表示され評価される。図9に示すように、解剖学的セグメント901のセグメント903が強調表示され、セグメント903の左右の画像が表示される。例えば、病変を表示する第1の画像が(例えば、ユーザからの入力を受信することによって)識別されると、ユーザは、グラフィカル制御要素909を介して、セグメント903の第1の病変値を入力するよう促される。幾つかの実施形態では、ユーザは、図10A及び図10Bに示すように、グラフィカル制御要素909をクリックすることによって、病変重篤度ポップアップツールを利用することを選択することができる。病変重篤度ポップアップツール1003は、病変重篤度等級分け(例えば、度)1005の例をユーザに提示する。このようにして、ユーザは、セグメント903の左右の画像を病変重篤度ポップアップツール1005の例と比較して、セグメント903に割り当てる病変重篤度値を決定することができる。これらの例は、予めロードすることができる。幾つかの実施形態では、例えば、標準化された評価を提供するために、均一で標準化された等級付け及び/又はスコア付けを生成するのを助けるために、画像のカタログが提供される。
【0098】
図9に戻ると、この実施形態では、最も重篤な病変値は、1、2及び3の間である。値、1、2及び3は、スケールに対する重篤度を示すという点で相対値であり、他のスケールを使用することができる。
【0099】
グラフィカル制御要素909は、ユーザが特定のサムネイルに関するコメントを入力できるサムネイルコメントセクションを含む。
【0100】
図12A図12Dは、本発明の例示的な実施形態による例示的なセグメント粘膜評価の例示的なスクリーンショットである。各セグメントについて、最も重篤な病変値の入力が完了すると、ユーザは、グラフィカル制御要素1203で、最も典型的な又は一般的な病変及びセグメントの程度値を入力するのを促される。グラフィカル制御要素1203は、セグメントに対する典型的又は一般的な病変値(例えば、プルダウンメニュー1205に示されるように0~3)及び程度値(例えば、プルダウンメニュー1207に示されるパーセント範囲)をユーザが選択することを可能にする。幾つかの実施形態では、ユーザが典型的又は一般的な病変及び程度値を入力しない限り、システムは、例えば、ユーザに「セグメント評価を完了してください」と要求するポップアップウィンドウ1209を表示することによって、ユーザを評価プロセスにおいて先に進めることを控えることができる。
【0101】
ユーザがセグメント903に対する値を入力すると、例えば、以下の図13に示すように、解剖学的セグメント901の次のセグメントが評価される。
【0102】
図11は、図9の例示的な評価のさらなる例示的なスクリーンショットである。図11は、セグメント903の最も重篤な病変値が受信され入力された後の、図9に示す評価プロセスのスクリーンショットを示す。タイムバー505は、強調表示されたセグメント903を示し、セグメントに対するユーザ入力がユーザに表示される。セグメントにおける別の識別された病変の重篤度が、既に入力された病変値の重篤度よりも大きい場合、ユーザは、セグメント903に対する別の最も重篤な病変値を入力することができる。このようにして、各セグメントは最も重篤な病変について評価される。ユーザがセグメント903に対する値を入力すると、例えば、以下の図13に説明されるように、全ての関連セグメントが再表示され、評価されるまで、次のセグメントが順次かつ独立して評価される。
【0103】
図13は、本発明の例示的な実施形態による、第1のセグメントの評価の完了時のセグメント評価の例示的なスクリーンショットである。セグメント値領域805は、例えば図9図12で説明したように、セグメント評価の結果としてユーザによって入力された値を表示する表を含む。GIT 807のグラフ表示は、対応する最も重篤な病変値及び最も一般的又は典型的な病変値で第1のセグメントを表示する。この例では、最も重篤な病変値は、対応するGIT領域に隣接して配置された重篤度値(この例では「1」)を含む円アイコンによって示される。典型的又は一般的な重篤度値は、対応するGIT領域の塗りつぶし色で示される。ユーザによって入力された値及び/又は開示されたコンピュータ化されたシステム及び/又は方法によって計算された値に対応する、異なる又は追加のインジケータを表示することができる。幾つかの実施形態では、値の組は、以下の図14に関して詳述するように、例えば、セグメントにおける狭窄の存在又は疾患のサブセグメントの関与を示す、1つ又は複数のバイナリ値を含むことができる。
【0104】
図14は、本発明の例示的な実施形態による、全てのセグメントの評価の完了時のセグメント評価の例示的なスクリーンショットである。セグメント値領域805は、各セグメントのセグメント分析の結果として、ユーザ及び/又は開示されたコンピュータシステム及び/又は方法によって入力された値を表示する。表示され、値が割り当てられた画像は、タイムバー505の下にサムネイルとして表示される。GIT 807のグラフ表示は、各セグメントを対応する最も典型的又は一般的な病変値及び最も重篤な病変値で表示する。幾つかの実施形態では、最も一般的な病変値に色、例えばGIT領域の塗りつぶし色が割り当てられる。例えば、最も一般的な病変値番号1は黄色であり、最も一般的な病変値番号2はオレンジ色であり、最も一般的な病変値番号3は赤色であり得る。このようにして、評価情報をユーザに迅速かつ容易に伝達する方法で評価情報を表示することができる。
【0105】
幾つかの実施形態では、値の組は、例えば、十二指腸、末端回腸、右結腸及び左結腸などの関心のあるサブ領域に対応する狭窄又は関与の存在を示すバイナリ値を含むことができる。図14に示すように、受信された入力は、結腸セグメントにおける狭窄の存在を含む(文字「s」を含むアイコンによってセグメント値領域805に示される)。したがって、GIT807のグラフ表示は、結腸領域に隣接して位置する文字「S」を含むアイコンを含む。
【0106】
図15A及び図15Bは、本発明の例示的な実施形態による、GITの関与する又は関与していない解剖学的部分を参照するデータを含む例示的な粘膜評価報告である。各報告書は、図14のなどの前の図に示された実施形態により、GITの粘膜評価を提示する、GITの表及びグラフ表示を含む。各表は受信された入力を提示する。サブセグメントは、十二指腸、末端回腸、右結腸及び左結腸の解剖学的部分を含む。図15Aに示す報告によれば、十二指腸及び末端回腸は関与していない。図15Bに示す報告によれば、右結腸のみが関与していない。疾患に関与していないサブセグメントは、塗りつぶしの色を含まない(又は、白色の塗りつぶしの色を含む)ことによって、GITのグラフ表示に示される。一方、関与する残りの対応するセグメント(すなわち、関与していないサブセグメントを除く)は、それぞれのセグメントにおける病変の典型的又は一般的な重篤度を示す塗りつぶし色を有する。
【0107】
図16は、本発明の例示的な実施形態による、全てのセグメントの評価の完了時のGIT評価の例示的なスクリーンショット(又はその一部)である。セグメント値領域805は、各セグメントのセグメント分析の結果として、ユーザによって及び/又は開示されたコンピュータ化された方法及び/又はシステムによって入力された値を表示する。GIT 807の解剖学的グラフ表示は、各セグメントを対応する値で表示する。各セグメントにおける最も重篤な病変の画像1601A~1601Cと、狭窄の画像1601Dとが表示される。
【0108】
図17は、本発明の例示的な実施形態による、全てのセグメントの評価の完了時のGIT評価の印刷可能なレポート1701の例示的なスクリーンショットである。
【0109】
図18は、本発明の例示的な実施形態による、2つの異なる日付で行われた処置について同じ患者の2つの評価報告の例示的なスクリーンショットである。2つの評価報告は、隣接する方法で表示することができ、したがって、治療奉仕者は、被験者のGITにおける疾患の進行又は経過をよりよく評価し、評価し、及び/又は理解し、よりよく治療することができる。
【0110】
図19は、本発明の例示的な実施形態による、被験者のGITにおける粘膜疾患の粘膜徴候を監視するための方法のフローチャートである。
【0111】
ステップ1910では、被験者のGITの少なくとも一部における粘膜疾患の粘膜徴候の位置及び重篤度を示す複数の表示が得られる。複数の表示の各表示は、本方法及び/又は本明細書に開示されたシステムに従って生成することができる。各表示は、一意の日付を有する処置の間に被験者のGITに取り込まれた画像ストリームに基づくことができる。被験者は一意の被験者識別子を持つことができる。例えば、カプセル内視鏡法の処置を有する患者0001としての一意の識別子を有する患者に対して、複数の値は2016年1月1日及び2016年2月1日の一意の日付になり得る。患者の識別子、日付及び処置は、単に説明の目的の例であり、任意の数の処置及び日付を複数の値に含めることができることは、当業者には明らかである。
【0112】
ステップ1920では、複数の表示が隣接して表示される。
【0113】
ステップ1930において、各表示は、対応する一意の日付でタグ付けすることができ、したがって、ユーザは、時間にわたって粘膜疾患の状態を監視することができる。
【0114】
幾つかの実施形態では、各表示は、そのGIT領域の各々を示すGIT部分の解剖学的グラフ表示と、GIT領域の各々について得られた値の組の1つ又は複数の値とを含むことができる。解剖学的グラフ表示は、対応する一意の日付に従ってタイムラインに沿って表示することができる。
【0115】
幾つかの実施形態では、開示されたコンピュータ化された方法及び/又はシステムをさらに利用して、ある期間中に患者GITにおいて実行される複数の処置に割り当てられた値の組を比較するのにさらに利用でき、その比較の結果をユーザに提示することができる。このような比較は、当技術分野で公知の方法に従って行うことができる。
【0116】
幾つかの実施形態では、有益な記述子(例えば、日付、処置名など)を含む、被験者の関連する病歴データを受け取ることができる。複数の表示は、対応する一意の日付に従ってタイムラインに沿って表示することができる。患者の病歴データの少なくとも一部はまた、タイムラインに沿って表示されてもよい。幾つかの実施形態では、本方法は、被験者の治療開始及び終了データ、手術履歴データ及び検査室並びに生理学的履歴、又はそれらの任意の組み合わせを含む医学治療履歴データを受信することをさらに含むことができる。この方法はさらに、タイムラインに沿ってそのようなデータの少なくとも一部を表示することを含むことができる(例えば、図20A及び20Bに記載されるように)。この方法はまた、被験者についてのデータを見る要求を受信することを含むことができる。要求には、一意の被験者識別子を含めることができる
【0117】
図20A及び図20Bは、的な実施形態による、タイムラインに沿った複数の解剖学的グラフ表示及び対応する医学治療を含む例示的な報告2003及び2005である。
【0118】
各報告について、同じ患者のGITの一部(すなわち、腸管)の解剖学的グラフ表示、2007 A~C及び2009 A~Cが、3つの異なる時間に行われた処置に基づいて評価のために表示される。各グラフ表示はタイムライン上に示され、時間にわたる患者の医学治療も表示される。このようにして、ユーザは、とりわけ、治療が所与の患者に対して経時的に行った効果を判定することができる。
【0119】
幾つかの実施形態では、粘膜徴候を少なくとも部分的に自動的に識別し、任意選択的に評価することができ、自動的に識別された粘膜徴候を示す表示をユーザに提示することができる。このような実施形態では、開示されたシステム及び方法は、上記で詳述したように、GIT部分の画像ストリームにおける粘膜徴候を自動的に識別するために利用されてもよい。幾つかの実施形態では、開示されたシステム及び方法は、識別された粘膜徴候(例えば、軽度、中等度又は重度)の重篤度を判定するためにさらに利用され得る。幾つかの実施形態では、1つ又は複数のGIT領域における自動的に識別された粘膜徴候の全てを示すマップを生成し、ユーザに表示することができる。例えば、ヒートマップは、その重篤度値に応じて着色されたGIT領域における同定された粘膜徴候を表す複数の要素を含むように表示されてもよい。ここで、本発明の例示的な実施形態による、GIT領域の病変ヒートマップを表示するスクリーンショットである図21A図21B及び図21Cを参照する。各要素がGIT領域内の特定された病変を表す一連の要素は、その領域に沿った病変の相対的な位置に従って提示することができる。各要素は、図21Aに示すように自動的に評価された重篤度レベル(例えば、軽度、中程度又は重篤)に従って色づけできる。このようなマップに基づいて、ユーザは、簡単および迅速な方法で値の組の他の値を手動で決定してもよい。例えば、上述した病変ヒートマップを提示されたユーザは、このマップに基づいて、最も一般的な病変値、最も重篤な病変値及び表示された領域に対する関与の程度などの値を決定することができる。図21Cは、その色に従って病変を提示し、対応する重篤度を示す。そのような提示は、例えば、GIT領域における最も一般的な値、最も重篤な値及び程度値の手動による決定をさらに容易にすることができる。幾つかの実施形態では、自動的に特定された粘膜徴候の提示及び/又はそのような自動評価は、提案として、及び/又はユーザによって実行される識別及び/又は評価を検証及び/又は完了するために使用することができる。
【0120】
前述の説明では、本発明の様々な態様が説明されている。説明の目的で、本発明の完全な理解を提供するために、特定の構成及び詳細が示される。しかしながら、当業者には、本明細書に提示された特定の詳細無しで本発明を実施できることは明らかである。さらに、本発明を不明瞭にしないために、周知の特徴を省略又は簡略化することができる。
【0121】
特に断りのない限り、上記の議論から明らかなように、明細書全体を通して、「処理する」、「計算する」、「記憶する」、「決定する」などの用語を利用する議論は、コンピューティングシステムのレジスタ及び/又はメモリ内の物理量、例えば電子量として表されるデータを、コンピューティングシステムのメモリ、レジスタ又は他のこのような情報記憶装置、送信又は表示装置内の他のデータに、操作及び/又は変換するコンピュータ又はピューディングシステムあるいは同様の電子コンピューティング装置の動作及び/又はプロセスを指すことが分かる。
【0122】
異なる実施形態を本明細書に開示する。特定の実施形態の特徴は、他の実施形態の特徴と組み合わせることができ、したがって、特定の実施形態は、複数の実施形態の特徴の組み合わせとすることができる。
【0123】
本発明の実施形態は、プロセッサ又はコントローラによって実行されると、プロセッサ又はコントローラに本明細書で開示された方法を実行させる命令、例えば、コンピュータ実行可能命令を符号化し、含み、又は記憶する、例えばメモリ、ディスクドライブ、又はUSBフラッシュメモリなどの、コンピュータ又はプロセッサ読み取り可能な非一時的記憶媒体などの物品を含むことができる。幾つかの実施形態では、コンピュータプロセッサ又はコンピュータコントローラ、例えばデータプロセッサ14は、例えばプロセッサに接続されたメモリに格納されたソフトウェア又はコードを実行することによって、及び/又は専用の回路を有することによって本発明の実施形態を実行するように構成することができる。
【0124】
本発明の実施形態の前述の説明は、例示及び説明のために提示されたものである。本発明を開示された正確な形態に包括的であること、又は限定することを意図するものではない。当業者であれば、上記の教示に照らして多くの修正、変形、置換、変更、及び等価物が可能であることを理解されたい。したがって、添付の特許請求の範囲は、本発明の真の精神に含まれる全てのそのような改変及び変更を包含するように意図されていることが理解されるべきである。
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10A
図10B
図11
図12A
図12B
図12C
図12D
図13
図14
図15A
図15B
図16
図17
図18
図19
図20A
図20B
図21A
図21B
図21C