(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-03
(45)【発行日】2022-03-11
(54)【発明の名称】微多孔質膜ワイパーおよび使用の方法
(51)【国際特許分類】
B08B 1/00 20060101AFI20220304BHJP
A47L 13/16 20060101ALI20220304BHJP
C08J 9/00 20060101ALI20220304BHJP
【FI】
B08B1/00
A47L13/16 A
C08J9/00 A CER
C08J9/00 CEZ
(21)【出願番号】P 2019185616
(22)【出願日】2019-10-09
(62)【分割の表示】P 2016524005の分割
【原出願日】2014-10-16
【審査請求日】2019-10-17
(32)【優先日】2013-10-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】598064680
【氏名又は名称】セルガード エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100103850
【氏名又は名称】田中 秀▲てつ▼
(74)【代理人】
【識別番号】100105854
【氏名又は名称】廣瀬 一
(74)【代理人】
【識別番号】100115679
【氏名又は名称】山田 勇毅
(74)【代理人】
【識別番号】100114177
【氏名又は名称】小林 龍
(74)【代理人】
【識別番号】100066980
【氏名又は名称】森 哲也
(72)【発明者】
【氏名】ストークス,クリストファー,ケイ.
(72)【発明者】
【氏名】ハミストン,カール,エフ.
(72)【発明者】
【氏名】アダムス,チャンチン,ワン
(72)【発明者】
【氏名】メイソン,ウィリアム,ジョン
【審査官】石井 茂
(56)【参考文献】
【文献】特表2013-527260(JP,A)
【文献】特表2008-527073(JP,A)
【文献】特開2012-167181(JP,A)
【文献】特開2001-342272(JP,A)
【文献】特表2011-513550(JP,A)
【文献】特開平05-078512(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B08B 1/00
A47L 13/16
C08J 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
0.75~1.25のアスペクト比を有する丸い孔を有し、13.61以上の吸油率を有する微多孔質ポリプロピレン単層膜を含む微多孔質膜ワイパーであって、前記吸油率は、ドデカンまたはキャノーラ油で飽和した後の前記ポリプロピレン単層膜の重量である油量を、ドデカンまたはキャノーラ油で飽和する前の前記ポリプロピレン単層膜の前記重量である油量で除した値を表し、前記ポリプロピレン単層膜は8~80μmの厚み、0.03~0.50μmの平均孔径、及び20~80%の空孔率を有
し、
前記微多孔質ポリプロピレン単層膜が、ポリエチレンのブロックコポリマー、またはポリエチレンおよびポリプロピレンの衝撃コポリマーからなる群から選択される1または複数のコポリマーから製造される、微多孔質膜ワイパー。
【請求項2】
前記微多孔質ポリプロピレン単層膜が、ポリオレフィン、フルオロカーボン、ポリアミド、ポリエステル、ポリアセタール(またはポリオキシメチレン)、ポリスルフィド、ポリビニルアルコール、それらのコポリマー、およびそれらの組み合わせから選択されるポリマーをさらに含む、請求項1に記載の微多孔質膜ワイパー。
【請求項3】
前記微多孔質ポリプロピレン単層膜が、ポリエチレンおよび/またはポリプロピレンのブロックコポリマーから製造される、請求項1に記載の微多孔質膜ワイパー。
【請求項4】
前記微多孔質ポリプロピレン単層膜がポリエチレンとポリプロピレンのブロックコポリマーから製造される、請求項1に記載の微多孔質膜ワイパー。
【請求項5】
前記微多孔質ポリプロピレン単層膜が、ポリエチレンとポリプロピレンの衝撃コポリマーから製造される、請求項1に記載の微多孔質膜ワイパー。
【請求項6】
前記微多孔質ポリプロピレン単層膜がポリマー、並びに(1)融点が130℃未満のポリオレフィンまたはポリオレフィンオリゴマー、(2)炭酸カルシウム、酸化亜鉛、珪藻土、タルク、カオリン、合成シリカ、マイカ、粘土、窒化ホウ素、二酸化ケイ素、二酸化チタン、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、またはこれらの配合物を含む無機充填剤、(3)エチレン-プロピレン(EPR)、エチレ-プロピレン-ジエン(EPDM)、スチレン-ブタジエン(SBR)、スチレンイソプレン(SIR)、エチリデンノルボルネン(ENB)、エポキシ、ポリウレタン、またはこれらの配合物を含むエラストマー、(4)エトキシル化アルコール、一次高分子カルボン酸、ポリプロピレングリコールまたはポリエチレングリコールを含むグリコール、または官能化ポリオレフィンを含む湿潤剤、 (5)シリコーン、フルオロポリマー、ケムアミド(Kemamide)(登録商標)、オレアミド、ステアラミド、エルカ酸アミド、ステアリン酸カルシウム、または他の金属ステアリン酸塩を含む潤滑剤、(6)臭素化難燃剤、リン酸アンモニウム、水酸化アンモニウム、アルミナ三水和物、またはリン酸エステルを含む難燃剤、(7)架橋剤またはカップリング剤、(8)ポリマー加工助剤、(9)ポリプロピレン用のベータ核剤を含む核剤、(10)帯電防止剤、(11)粘着防止剤、 および(12)抗酸化剤から選択される少なくとも1つの他の成分をさらに含む、請求項1~
5のいずれか一項に記載の微多孔質膜ワイパー。
【請求項7】
前記膜の少なくとも片側にコーティングをさらに含む、請求項1~
6のいずれか一項に記載の微多孔質膜ワイパー。
【請求項8】
前記膜の少なくとも1つの上に不織布層をさらに含む、請求項1~
7のいずれか一項に記載の微多孔質膜ワイパー。
【請求項9】
前記膜の少なくとも片側に織物またはニットを有する、請求項1~
8のいずれか一項に記載の微多孔質膜ワイパー。
【請求項10】
前記膜は16gsm未満の坪量を有する、請求項1~
9のいずれか一項に記載の微多孔質膜ワイパー。
【請求項11】
前記膜は3.0~3.6gsmの坪量を有する、請求項1~
10のいずれか一項に記載の微多孔質膜ワイパー。
【請求項12】
表面上の油を除去または減らすために前記表面を拭くこと、を含む請求項1~
11のいずれか一項に記載の微多孔質膜ワイパーを使用する方法。
【請求項13】
前記表面が、自分の皮膚または顔、眼鏡、電子機器、携帯電話、ディスプレイ、光学装置、カメラレンズ、顕微鏡レンズ、および精密光学機器からなる群から選択される少なくとも1つのアイテムの表面である、請求項
12に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2013年10月18日に出願された米国仮特許出願の出願番号第61/892,730号の利益および優先権を主張する。
本出願は、新しいか改良された微多孔質膜、新しいか改良された多孔膜ワイパー、および/または新しいか改良された微多孔質膜の製造方法、マーケティングおよび/または使用方法に関する。本発明は、自分の皮膚または顔およびから油を吸い取る際の使用のように、微多孔質膜ワイパーを利用して油を吸取るか、および/または、眼鏡、エレクトロニクス、携帯電話、ディスプレイ、光デバイス、カメラレンズ、顕微鏡レンズおよび他の精密光学機器などの表面からの他の表面からの指紋、汚れなどの除去に関するものである。少なくとも選択された実施例において、微多孔質膜ワイパーとしては、一軸、または二軸に方位づけられた(または伸張された)微多孔質膜が挙げられる。少なく選択された実施例において、微多孔質膜は、一つ以上の共重合体、例えばポリエチレンおよび/またはポリプロピレンのブロックおよび/または衝撃共重合体からなる、一軸、または二軸によって方位づけられた(または伸張された)微多孔質膜が挙げられる。
【背景技術】
【0002】
微多孔質膜は、公知であり、さまざまなプロセスにより作製されることができる。膜が作られる方法は、具体的な衝撃を有する膜の物理的な属性。Kesting、R.Synthetic Polymeric Membranes、A、構造斜視図、第2版、ジョン・ワイリー、ニューヨーク、N.Y.(1985)を参照されたい。微多孔質膜を作る3つの商業的に現実的な方法は、以下のものが挙げられる:乾燥伸張プロセス(別名CELGARDRプロセス)、湿式プロセスおよび粒子伸張プロセスである。乾燥伸張プロセスとは、孔の形成が非多孔質前駆体を伸張するとから起こる方法をいう。引用によって本明細書に組み込まれるKesting、Ibid、290―297頁に参照されたい。乾燥伸張プロセスは、湿式プロセスおよび粒子伸張プロセスとは異なる。通常、湿式プロセス、別名相逆転プロセス、または抽出プロセスまたはTIPSプロセス(少し例を挙げれば)において、重合原料は処理油(しばしば可塑剤と呼ばれる)と混合され、この混合物は押し出され、次いで処理油が除去される(これらの膜は、油の除去の前か後に引っ張られることができる)ときに、孔が形成される。引用によって本明細書に組み込まれるKesting、Ibid、290―297頁に参照されたい。通常、粒子伸張プロセスで、重合原料は微粒子を混ぜ合わせられ、この混合物は押し出され、次いで、ポリマーと微粒子の界面が引張強度のために破壊するときに、伸張の間孔が形成される。引用によって本明細書に組み込まれる米国特許番号6,057,061および6,080,507を参照されたい。
【0003】
これらの方法に起因している膜は物理的に異なり、各々が作られる方法によって1つの膜と他の膜が区別される。過去の何枚かの乾燥伸張膜は、進行横方向に前駆体を引っ張ることが以前のできなかったため切れ込み形の孔を有していた。何枚かの湿式プロセスの膜は、進行横縦方向に前駆体を引っ張る能力のためより丸い孔を有した。一方で、粒子伸張膜は孔形成のために必要とされる微粒子で満たされている。したがって、各膜は、その製造方法によって他と区別されることができる。
【0004】
乾燥伸張プロセスによって作られる膜が優れた商業的な成功を収めると共に、それらの物理的な属性を恒常的に改善する必要がある。その結果、それらはより広い範囲の用途に使われることができる。改良の若干の領域は、切れ込み以外の孔形状を有していて、横方向抗張力を増加させていた膜を形成している含まれた形成膜を含んでいる。
米国特許第6,602,593号は乾燥伸張プロセスによる微多孔質膜に関するものであり、結果として生じる膜は縦方向の引張強度に対する横方向の引張強度の比率0.12~1.2を有する。本願明細書において、前駆体が押出加工されるにつれて、TD/MD張力の比率は少なくとも1.5の破裂比率によって得られる。
【0005】
全体が本願明細書に組み込まれる米国特許公開第2007096638号(現在米国特許第8,795,565号)は、乾燥伸張プロセスによって作られる微多孔質膜を開示する。微多孔質膜は、ほぼ丸い形の孔および横方向の引張強度に対する縦方向抗応力の比0.5~5.0の範囲を有する。前述の微多孔質膜を作る方法は、次のステップを含む。ポリマーを非多孔質前駆体に押し出す、非多孔質前駆体を二軸に伸ばす、二軸に伸ばすことは縦方向伸張および横方向伸張を含み、横方向伸張は、同時に制御された縦方向緩みを含む。
【0006】
全体が本願明細書において組み込まれる米国の特許公開番号20110223486は、ほぼ丸い孔を有し横方向引張強度に対する縦方向引張強度の比0.5~6.0の範囲を有する乾燥伸張プロセスによって作られる微多孔質膜を開示する。前述の微多孔質膜を作る方法は、次のステップを含むことができる。ポリマーを非多孔質前駆体に押出す、非多孔質前駆体を二軸に伸張し、二軸に伸張することは縦方向伸張および横方向伸張を含み、横方向伸張は、同時に制御された縦方向の緩みを含む。少なくとも選択された微多孔質膜の実施例は、二軸に方位づけられた多孔膜、二軸に方位づけられた微多孔質膜、二軸に方位づけられたマクロ多孔質膜、電池セパレータ、濾過メディア、湿度調節メディア、普通のシーツ膜、液保持メディアなどを含む二軸に方位づけられた多孔膜、関連した方法、製造の方法、使用方法、などに関するものである。
【0007】
乾燥伸張プロセスにより作成された膜は、平坦なシーツ膜、電池セパレータ、中空繊維、などを含む、例えばCelgard、シャーロットのLLC、N.Cにより販売される様々なCELGARDR(登録商標)乾燥伸張多孔膜などの優れた商業的な成功を収めると共に、このような多孔膜が広い範囲の用途において使われることができ、特定の目的等のためによりよい成果が得られよう。
【0008】
人の皮膚表面、特に顔と共に他の表面(眼鏡、エレクトロニクス、携帯電話、ディスプレイ、光デバイス、カメラレンズ、顕微鏡レンズおよび他の精密光学機器上の指紋、汚れの類のなど)上の皮膚油のような油の蓄積を取り除くかまたは減らすためのワイパーの使用が知られている。油、汚れ、指紋、同類、その他は、望ましくない光沢および/または感触を与えると長く認められてきた。油、指紋および/または汚れを除去するために、人々は、さまざまな吸取り材料またはワイパーを使用する。今日使用される主な材料は、皮膚および表面のための今日、様々な形の紙(すなわちセルロース系)および天然または合成の不織布を含む。これらの材料の若干の所望の特徴としては、限定はされないが、以下が挙げられる。指および表面に、タッチに楽しい、指上の油状残渣を残すことのない油を吸収する、吸収される油の視覚的変化を提供する、そして、よごれることなくまたは顔の化粧品を干渉することなく油を吸収することを含む。物体(例えば、眼鏡、電子機器、携帯電話、ディスプレイ、光デバイス、カメラレンズ、顕微鏡レンズおよび他の精密光学機器)の表面に使用する最も一般的なタイプは、リントフリー手法ワイパーである。この種のリントフリー手法ワイパー1つの実施例は、キンバリー・クラーク社により販売されるKimtech(登録商標)タッチスクリーンワイパーである。これらの材料の若干の所望の特徴としては、限定はされないが、以下が挙げられる。繊細な作業のための設計、低リント、非研磨、タッチに楽しい、指上に油状残渣を残すことのなく油を吸収する、吸収される油の視覚的変化を提供する、および静電防止、などである。
【0009】
従って、特定の用途、特定の条件などに提供する新規であるか改良型のワイパーを開発する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
少なくとも選択された実施例によれば、本発明は上述した課題または必要性を解決し、微多孔質膜ワイパーを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の背景技術で述べた微多孔膜、例えば、Celgard(登録商標)は、これに限定されないが、光デバイス、カメラレンズ、顕微鏡レンズおよび他の精密光学機器のための、皮膚および顔の油吸取りワイパー、眼鏡ワイパー、電子製品ワイパー、などの様々な用途のためのワイパーとして使用可能であることがわかった。
【発明を実施するための形態】
【0012】
一実施態様において、本発明の微多孔膜ワイパーは、皮膚または顔から皮膚油を吸取るために使用される。本発明の微多孔膜ワイパーのいくつかの所望の特徴としては、これに限定されるものではないが、指および顔の接触に心地よい、指上の油状残渣を残すことのなく油を吸収する、吸収される油の視覚的変化を提供する、そして、よごれることまたは、顔の化粧品を妨げることのなく油を吸収する。特に上記の第2の、第3の、および、第4の性能に関して、微多孔質膜は、本発明の中で拭く同じく、または、最高の市販の皮膚吸取紙、例えばCVS、WalgreensおよびTarget.のような小売チェーンからのJ&Jおよび個人ブランド製品によるClean及びClearRよりよく実行することがわかる。皮膚油吸取紙としての本微多孔膜ワイパーの優れた性能は、その固有の油に対する親和性および高い多孔性から生じる。また、本発明の微多孔質膜ワイパーは油フリーであるが、他の膜および/または膜ワイパーは鉱油を含み得る。従って、特定の実施形態において、本発明の微多孔質膜ワイパーは、油のない、および、特に、鉱油のないものである。
【0013】
もう一つの実施形態では、本発明の微多孔質膜は、眼鏡、電子機器、携帯電話、ディスプレイ、光デバイス、カメラレンズ、顕微鏡レンズおよび他の精密光学機器を含むがこれに限らない、油、指紋、汚れ、その他の清浄化表面のために用いられることができる。表面クリーナとして使用される本発明の微多孔質膜ワイパーの所望の特徴としては、限定するものではないが、以下を挙げることができる。繊細な作業のための設計、低リント、非研磨、タッチに楽しい、指上の油状残渣を残すことのなく油を吸収する、吸収される油の視覚変化を提供する、および、静電気防止剤の分配。本発明の微多孔質膜ワイパーは、光学および他の技術的なニーズのためのリント自由手法ワイパーとして極めてよく働くとわかった。ディスプレイスクリーン、眼鏡などの表面上の指紋、汚れなどは、主に油系である。従って、その油吸収特性のため、本発明の微多孔質膜はこれらの表面のためのワイパーとして特によく働くことができる。微多孔質膜ワイパーはタッチが非常に柔らかく非常に高い多孔性を有するという付加的な利点を有するため、その吸収性の特性を強化する。Kimwipes(登録商標)が概して使われる用途と同様に、本発明の微多孔質膜、特に1軸または2軸によって伸張された衝撃および/またはブロックコポリマーは、クリーンルームのワイパーとして広い用途を見つけることができ、清潔が非常に要求される環境のワイパー、精密光学機器のワイパー、において拭くにつれて、広い使用を見つけることができる、処理可能なレンズがマイクロファイバを掃除している布の代わりに拭くにつれて、高い正確な光学のために、または、消費製品においてさえ拭く。「衝撃共重合体」という用語は、これに限定されないが、ホモポリマーまたはコポリマーのマトリックス内に分散したゴム相を有するポリマーおよび/または共重合体を含む、様々な修正されたポリマーおよび/または共重合体を意味する。
実施例において、微多孔質膜は、発明が一軸的に正しい位置に置かれたCelgardR膜および/またはフィルムでありえた瞬間の中で拭く。
【0014】
一実施形態において、微多孔質膜は、二軸に方位づけられたCelgard(登録商標)膜、例えば米国特許公開20070196638号(現在米国特許第8,795,565号)および20110223486号に開示されている。このような二軸配向が膜の多孔性を増加させることができるのでそれらが何枚かの他の膜より皮膚油吸取紙としてよりよく実行できるので、この種の二軸に方位づけされた膜は好ましい。さらに、ポリエチレンおよびポリプロピレンのブロックおよび/または衝撃共重合体から作られる二軸に方位づけられたCelgard(登録商標)膜は、純粋なポリプロピレンから作られるCelgardR膜におよび市販の皮膚油吸取紙に比較して、意外に良い感じのタッチ効果がある。しかしながら、本発明は、好適な二軸によって方位づけられたた微多孔質膜に限られず、単軸に方位づけられた微多孔膜ワイパーは、本発明の微多孔膜中ワイパーとして使用することもできる。本発明の若干の実施形態において、微多孔質膜ワイパーは一層ワイパーである。本発明の他の実施形態において、微多孔質膜ワイパーは二層ワイパーである。本発明のさらに他の実施形態において、微多孔質膜ワイパーは3枚の層以上の微多孔質膜または他の材料から成る。
【0015】
一実施形態において、微多孔質膜ワイパーは、乾燥伸張プロセスに作製されることができ、ほぼ丸形の孔を有し、横方向伸張力に対する縦方向引張強度の比0.5~5.0の範囲の有することができる。微多孔質膜ワイパーは、薄い、柔軟な、重合シートでもよい、フィルムがそれによって複数の孔を有する。また、本発明のワイパーの孔形状に関して、縦横比(孔の幅に対する長さの比率)によって特徴づけられることができる。本発明の一実施形態において、丸形状孔は、0.75から1.25の範囲のアスペクト比に形作られた。
【0016】
横方向引張強度対する縦方向引張強度の比率に関して、一実施形態において、この比率は、約0.5および約5.0の間に、実施形態によっては.0から約5.0である。本発明の微多孔質膜は、以下の通りに更に特徴づけられることができる。0.03~0.50ミクロン(μm)の範囲の平均孔寸法、空孔率は、20―90%、実施形態によっては20―80%、実施形態によっては40―90%、いくつかの実施形態において65―90%、そして、いくつかの実施において80-40%であり、および/または約175以上のKgf/cm2、実施形態によっては約225のKgf/cm2以上の横方向引張強度を有する。ある種の実施形態では、微多孔質膜は、本発明の中で約60秒未満、実施形態によっては約40秒未満および他の実施形態では約30秒未満のJIS(日本工業規格)ガーリーを有することができる。JISガーリーは、例えば、OHKEN透過性検査器を用いて計量されるガス透過性である。JISガーリーは、数秒で、100ccの空気が4.8インチの水圧(または1196Pa)1平方インチのフィルムまたは膜を通過することに必要な時間として定義されることができる。本発明の若干の実施形態において、微多孔質膜ワイパーは、Aquaporeテスターを使用して測定される孔サイズとして、少なくとも約0.06ミクロン、実施形態によっては少なくとも約0.07ミクロン、および実施形態によっては少なくとも約0.08ミクロンを有することができる。他の実施形態において、Aquaporeテスターを使用して測定される微多孔質膜ワイパーの孔サイズは約0.1~約0.5ミクロン、若干の実施形態において、約0.1ミクロン~約0.3ミクロン、さらに他の実施形態において、0.15ミクロン~約0.2ミクロンであってもよい。Aquaporeテスターは、PMI(多孔質Materials社)で市販である。Aquaporeで測定される孔サイズは、マイクロメートル(μm)で表される。各種実施形態において、本発明の微多孔質膜ワイパーは、約140psiを超える静水頭圧力を有する多孔質膜を含むことができる。
【0017】
各種実施形態において、微多孔質膜ワイパーは、少なくとも約4ミクロン、好ましくは約8ミクロン、若干の実施形態において、約8~約80ミクロンの厚さを有する膜またはフィルムを有する。前述の値は、典型的な値であって、限定することを目的とするものではなく、したがって、単に本発明の微多孔質膜ワイパーの代表と見られる。
本発明の微多孔質膜ワイパーにおいて使用されるポリマーは、熱可塑性ポリマーとして特徴づけられることができる。これらのポリマーは、半結晶質ポリマーとして更に特徴づけられることができる。実施形態において、半結晶質ポリマーは20~80%の範囲の結晶化度を有するポリマーでよい。この種のポリマーは、以下のグループから選択されることができる。ポリオレフィン、フルオロカーボン、ポリアミド、ポリエステル類、ポリアセタール(またはポリオキシメチレン)、ポリ硫化物、ポリビニルアルコール、これらのコポリマー(例えばその衝撃および/またはブロックコポリマー)、それらの混合物およびそれらの組み合わせ。ポリオレフィンは、ポリエチレン(LDPE、LLDPE、HDPE、UHMWPE)、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリメチルペンテン、その(そのブロックおよび/または衝撃コポリマーを含む)コポリマーおよびそれらの混合物を含むことができる。フルオロカーボンは、フッ素化されてポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、エチレン・プロピレン(FEP)、エチレン・クロロ・トリフルオロエチレン(ECTFE)、エチレン・テトラフルオロエチレン(ETFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリビニルフルオライド(PVF)、過フルオロ・アルコキシ(PFA)樹脂、そのコポリマーおよびそれらの混合物を含むことができる。ポリアミド類は、これに限定されるものではないが、ポリアミド6、ポリアミド6/6、ナイロン10/10、ポリフタルアミド(PPA)そのコポリマーおよびそれらの混合物を含むことができる。ポリエステル類は、ポリエステル・テレフタル酸塩(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)ポリ―1―4―シクロヘキシレンジメチレンテレフタル酸塩(PCT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)および液晶ポリマー(LCP)を含むことができる。ポリ硫化物は、これに限定されるものではないが、ポリ・フェニル・スルフィド、硫化ポリエチレン、そのコポリマーおよびそれらの混合物を含むことができる。ポリビニルアルコールとしては、限定はされないが、エチレンビニルアルコール、そのコポリマーおよびそれらの混合物が挙げられる。
【0018】
おそらく好適な実施形態において、本発明の微多孔質膜ワイパーにおいて使用するポリマーは、ポリプロピレンおよび/またはポリエチレン(例証として、エチレン・プロピレン・ゴムまたはエチレン・プロピレン・エラストマ(EPR)を有するポリプロピレン(PP))の共重合体、衝撃および/またはブロックコポリマーでもよい。
他の選択された実施形態において、本発明のワイパーは、他の成分を含むことができる。例えば、これら成分としては、充填材(ワイパーのコストを減らすために用いる不活性微粒子、しかし、さもなければワイパーの製造またはその物理的性質に重要な影響を及ぼさないこと)帯電防止剤、粘着剤、酸化防止剤、潤滑油(製造を容易にするために)などを挙げることができる。
【0019】
本発明の微多孔質膜ワイパーの各種実施形態において、ワイパーの特性を修正するかまたは強化するためにさまざまな材料がポリマーに加えることができる。この種の材料は、これに限定されるものではないが、以下のものである。(1)130°Cより少ない融解温度を有するポリオレフィン。ポリオレフィンまたはオリゴマ、(2)鉱物充填材としてははこれに限定されるものではないが、炭酸カルシウム、酸化亜鉛、珪藻土、タルク、カオリン、合成二酸化ケイ素、雲母、粘土、窒化ホウ素、二酸化ケイ素、二酸化チタン、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムなど、そして、それらの混合物を挙げることができる。エラストマとしては、これに限定されるものではないが、エチレン―プロピレン(EPR)、エチレン-プロピレン-ジエン(EPDM)、ブタジエンスチレン(SBR)、スチレン・イソプレン(SIR)、エチリデンノルボルネン(ENB)エポキシおよびポリウレタンおよびそれらの混合物を挙げることができる。(4)湿潤剤としては、限定はされないが、エトキシル化アルコール、主要な重合カルボン酸、グリコール(例えばポリプロピレングリコールおよびポリエチレングリコール)官能化ポリオレフィンその他が挙げられる。(5)潤滑剤、例えばシリコン、フルオロポリマー、Kemamide(登録商標)、オレアミド、ステアアミド、エルカミド、カルシウム・ステアリン酸塩または他の金属的ステアリン酸塩、(6)難燃剤、例えばブロム化難燃剤、リン酸アンモニウム、アンモニウム、水酸化物、アルミナ三水和物およびリン酸塩エステル、(7)架橋結合またはカップリング剤、(8)ポリマー加工助剤、および(9)ポリプロピレンのβ成核剤を含むいずれかのタイプの成核剤。各種の実施形態において、微多孔質膜ワイパーに用いる単数または複数のポリマーは、孔形成のための次の除去のための油または小孔形成を促進するためいかなる孔形成材料を除外することができる。
【0020】
本発明の微多孔質膜ワイパーは、単一の層または多層膜ワイパーでもよい。多層膜に関しては、本発明の膜ワイパーは多層膜の1層であることができ、または本発明のワイパーは多層の全ての層であることができる。本発明のワイパーが多層ワイパーの積層の全てより少ない場合、多層ワイパーは積層プロセスによって作成されることができる。本発明のワイパーが多層ワイパーの積層の全てである場合、多層ワイパーは押出プロセス、例えば共通押出形成プロセス、または、積層プロセスによって作成されることができる。更に、多層ワイパーは、同一材料の、または、異なる材料の積層でできていてもよい。また、若干の実施形態において、微多孔質膜ワイパーとしては、微多孔質膜の一以上の層を含むことができ、更に、例えば、コーティング、不織布のような少なくとも一つの他層または材料、膜またはフィルム少なくとも一つの側に結合された編まれた層またはニット層を挙げることができる。
【0021】
選択されたおそらく好ましい実施形態において、本発明の微多孔質膜ワイパーは一つの層前駆体または多層前駆体が形成される乾燥伸張プロセスによって作成されることができる。いくつかの実施形態において、前駆体膜は一軸的に引っ張られる。他の選択された、おそらく好適な実施例において、本発明の微多孔質膜ワイパーは、前駆体膜が二軸によって引っ張られる(すなわち、縦方向において伸張されるだけでなく横方向にも伸張される)乾燥伸張プロセスによって作成されることができる。このプロセスは、米国の特許公開第20070196638号(現在米国特許第8,795,565号)および20110223486(本願明細書に引用したものとする)において詳細に述べられており、更に次に説明する。
【0022】
一般に、前述の微多孔質膜ワイパーを作る方法は、非多孔質前駆体(一層または多層前駆体)を押出加工して、次いで一軸、または二軸により非多孔質前駆体を伸張するステップを含むことができる。各種実施形態において、乾燥伸張プロセスの2軸伸張ステップは、非多孔質前駆体の複数の別々の、重ねられた層または積層の同時の2軸伸張を含み、その積層または相は伸張プロセスの間互いに結合されない。他の実施形態において、乾燥伸張プロセスの2軸伸張ステップは、非多孔質前駆体の結合された、重ねられた複数の層または積層を同時の二軸伸張するステップを含み、その積層は全て伸張プロセスの間に結合される。選択的には、非多孔質前駆体は伸長される前にアニールされることができる。一実施形態において、二軸伸張プロセスは、縦方向伸張および横方向伸張を含み、横方向伸張は同時の制御された縦方向のゆるみを含む。縦方向伸張および横方向伸張、同時でもよく、経時的でもよい。一実施形態において、縦方向伸張に続いて、同時の縦方向の緩みを伴う横方向伸張が行われる。本発明の他の実施形態において、2軸伸張プロセスは、掲示的な縦方向伸張に続いて、横方向伸張が行われ、横方向伸張は同時の制御された縦方向ゆるみを含まない。さまざまな共重合体、例えば一つ以上の衝撃またはブロックコポリマーの使用は、この種の伸張方法を可能にすることができ、それは同時の制御された縦方向伸張が同時の制御された縦方向のゆるみを含むことを必要としない。この種の方法は、この種の微多孔質膜ワイパーの製作のスループットおよび/または速度を改善することができ、したがって、横方向伸張工程の間に同時の制御された縦方向ゆるみを含む他の複雑なプロセスに比較して、この種の微多孔質膜の製造に関する経費を減らすることができる。これらの、また他の方法は、次に更に詳細に述べる。
【0023】
押出は、通常従来通りでもよい(従来とは乾燥伸張プロセス従来のものを意味する)。押出機は、スロットダイ(平坦な非多孔質前駆体用)または環状ダイ(パリソンおよび/またはインフレーションフィルム、非多孔質前駆体用)を備えていることができる。後者の場合、インフレーションパリソンおよび/またはインフレーションフィルム法を使用することができる(例えばインフレーション比率(BUR))。しかしながら、非多孔質前駆体の複屈折は、従来の乾燥伸張プロセスほど高い必要はない。複屈折は、材料、例えば微多孔質膜ワイパーを作るために用いる非多孔質前駆体のさまざまな光学特性を意味する。非多孔質前駆体の複屈折は、非多孔質前駆体の結晶化度についてユーザーに示唆するものがあり、次の伸張プロセスの間、材料がどれくらい容易に多孔化するかを示唆することができ、非多孔質前駆体から微多孔質膜ワイパーを製造する際に使用される1以上の伸張プロセスを設計する際にユーザーに示唆することができる。非多孔質前駆体のこの種の複屈折率(さまざまな実施形態において、透明であるか、透過性である)は、例えば、光学顕微鏡を使用して測定されることができる。例えば、ポリプロピレン樹脂から35%多孔性を有するワイパーを製造する従来の乾燥伸張プロセスにおいて、前駆体の複屈折率は、>0.0130であり、一方、各種実施形態によって本発明の微多孔質膜ワイパーを作ると、PP前駆体の複屈折は0.0100の低さでありえた。他の実施形態において、ポリエチレン樹脂から35%を超える多孔性を有するワイパーにおいて、前駆体の複屈折は、0.0280を超える。各種実施形態によって微多孔質膜ワイパーを作る際に、PE前駆体の複屈折率は0.0240の低さでありえた。例えば、1ブロックの使用および/または微多孔質膜が本発明のワイパーの製作の衝撃共重合体は、非多孔質前駆体に他の方法で使用する従来の前駆体のそれより低い複屈折率を提供することができる。
【0024】
(任意の)アニーリングは、Tm-80°CとTm-10°C(Tmはポリマーの溶融温度)の間の温度で、実施形態において、実施されることができる。そして、もう一つの実施形態では、Tm-50°とTm-15°Cの間の温度である。いくつかの材料は、例えば、押出後の高い結晶化度を有する、例えばポリブテン、アニーリングを必要としない。
【0025】
縦方向伸張は、冷間伸張または熱間伸張または両者において、単一ステップまたは複数のステップとして実行されることができる。実施形態において、冷間伸張はTm-80°C未満において、他の実施形態において、Tm-50°C未満において実施されることができる。一実施形態において、熱間伸張はTm-10°C未満で実施されることができる。一実施形態において、縦方向伸張率は合計で50~500%の範囲で、他の実施形態において、100~300%であることができる。縦方伸張の間、前駆体は、横方向において縮むことができる。
【0026】
横方向の伸張は、同時の制御された縦方向のゆるみを含む。縦方向において、制御方法で、前駆体が横方向に伸張されるので、これは、前駆体が同時に、収縮する(すなわち、弛緩する)ことができることを意味する。横方向伸張は、冷間工程、または熱間工程または両方の組合せとして実行されることができる。一実施形態において、横方向伸長率は100~1200%の範囲、他の実施形態において、200~900%の範囲でもよい。一実施形態において、制御されたゆるみ率は5~80%、他の実施形態において200~900%の範囲とすることができる。一実施形態において、横方向伸張は、複数の工程で実施することができる。横方向伸張の間、前駆体は、縦方向に縮むかまたは縮むことができない。本発明の各種実施形態において、微多孔質膜ワイパーの一部または全体を構成する膜またはフィルムは、約90°Cの温度で約6.0%未満、および/または約15.0%未満で、約15%未満であることができる。多数工程横方向伸張の実施形態において、第一の横方向工程は制御された縦方向のゆるみを伴う横方向伸長とこれに続く横方向および縦方向伸張、さらにこれに続く横方向ゆるみと縦方向の伸張またはゆるみがない工程を含むことができる。
【0027】
任意には、周知のように、前駆体は、縦方向および横方向伸張の後で加熱硬化を受けることができる。
前述の微多孔質膜ワイパーおよび方法は、以下の非限定的な実施例において更に例示される。
実施例
本明細書において報告した、厚み、多孔性、抗張力および縦横比の試験値は以下の通りに決定された。厚み-Emveco ミクロゲージ210-Aミクロメータ―を使用したASTM―D374、多孔率-ASTM D―2873、引張強度-Instron Model 4201を使用するASTM D―882、および、アスペクト比-孔サイズ、孔直径および/または孔寸法のためのSEM画像を分析することから導かれる測定値。
【実施例】
【0028】
従来の乾燥伸張法以下の実施例が製造される。
(実施例1)
ポリプロピレン(PP)樹脂は、2.5インチの押出機を使用して押出加工される。押出機溶融温度は221℃である。溶融ポリマーが円形ダイに入れられる。ダイ温度は、220°Cに設定され、溶融ポリマーはが空気の吹きつけで冷却される。押出加工された前駆体は、27μmの厚さおよび0.0120の複屈折率を有する。次いで、押出加工されたフィルムは、2分間の150°Cでアニールされた。次いで、アニールされたフィルムは、室温で、20%まで冷間伸張される、次いで、228%まで熱間伸張されて、140°Cで32%まで緩和された。縦方向伸張(MD)されフィルムは16.4ミクロン(μm)の厚さおよび25%の多孔率を有する。次いで、MD伸張されたフィルムは140°C.で50%のMD緩和を伴う300%横向伸張(TD)される。完了されたフィルムは、14.1ミクロンの厚さおよび37%の多孔率を有する。完了したフィルムのTD抗張力は、550のKgf/cm2である。
【0029】
(実施例2)
ポリプロピレン(PP)樹脂は、2.5インチの押出機を使用して押出加工される。押出機溶融温度は220℃である。溶融ポリマーが円形ダイに入れられる。ダイ温度は、220°Cに設定され、溶融ポリマーはが空気の吹きつけで冷却される。HDPE樹脂が2.5インチの押出機を使用して押出された。押出機溶融温度は210℃である。溶融ポリマー円形ダイに入れられた。ダイ温度は、205°Cに設定され、溶融ポリマーはが空気の吹きつけで冷却される。押出加工された前駆体は、9.5μmの厚さおよび0.0330の複屈折率を有する。2つのPP層および1つのPE層が積層されてPP/PE/PP3層フィルムうぃ形成する。次いで、積層された3層フィルムは、2分間の125°Cでアニールされた。次いで、アニールされたフィルムは、室温で、20%まで冷間伸張される、次いで、160%まで熱間伸張されて、113°Cで35%まで緩和された。縦方向伸張(MD)されフィルムは25.4ミクロン(μm)の厚さおよび39%の多孔率を有する。次いで、MD伸張されたフィルムは115°C.で30%のMD緩和を伴う400%横方向伸張(TD)される。完了されたフィルムは、19.4ミクロンの厚さおよび63%の多孔率を有する。完了したフィルムのTD引張強度は、350のKgf/cm2で
ある。
【0030】
(実施例3)
PP樹脂およびHDPE樹脂は、共通押出形成型を使用して押出加工されPP/PE/PP三層フィルムを形成する。PPのための押出機溶融温度は243°Cであり、PEのための押出機溶融温度214℃である。次いで、溶融ポリマーは198°で設定される共有押出形成型に入れられる。次いで、溶融が空気に吹きつけて冷却され。押出加工されたフィルムは、35.6ミクロンの厚さを有する。次いで、押出加工された前駆体は、2分間25°Cでアニールされる。次いで、アニールされたフィルムは、室温で45%まで冷間伸張され、247%に熱間伸張され、113°Cで、42%まで緩和された。MD伸張されたフィルムは21.5ミクロンの厚さおよび29%の多孔率を有する。次いで、MD伸張されたフィルムは50%のMD緩和を伴う115℃で450%TD伸長される。完了したフィルムは、16.3ミクロンの厚さおよび59%の多孔率を有する。完了したフィルムのTD引張強度は、570のKgf/cm2である。
【0031】
(実施例4)
PP樹脂およびHDPE樹脂は共通押出加工され、次いで実施例3と同一方法によりMD伸張された。MD伸張されたフィルムは65%のMD緩和を伴い115°Cで800%TD伸長される。完了したフィルムは、17.2ミクロンの厚さおよび49%の多孔性を有する。完了したフィルムのTD引張強度は、730のKgf/cm2である。
(実施例5)
PP樹脂およびPE樹脂は、共有押出形成型を使用して押出加工される。PPのための押出機溶融温度は230°Cであり、PEのための押出機溶融は206℃である。ダイ温度は、220°Cに設定され、溶融ポリマーはが空気の吹きつけで冷却される。押出されたフィルムは36.0μmの厚さを有する。次いで、押出加工された前駆体は、2分間、105°Cでアニールされた。次いで、アニールされたフィルムは、室温で、20%まで冷間伸張される、次いで、105℃で155%まで熱間伸張されて、35%まで緩和された。縦方向伸張(MD)されフィルムは110°で20%のMD緩和を伴う150%横向伸張(TD)される。完了されたフィルムは、14.8ミクロンの厚さおよび42%の多孔率を有する。完了したフィルムのTD引張強度は、288のKgf/cm2である。
【0032】
(実施例6)
PP樹脂およびPE樹脂は、PP/PE/PP三層フィルムを形成するために共押出形成型を使用して押出加工される。PPのための押出機溶融温度は245°Cであり、PEのための押出機溶融温度は230℃である。溶融ポリマーは225°に設定される共有押出形成型に入れられる。押出加工された前駆体は、27μmの厚さおよび0.0120の複屈折率を有する。次いで、押出加工されたフィルムは、2分間、115°Cでアニールされた。次いで、アニールされたフィルムは、室温で、22%まで冷間伸張される、次いで、254%まで熱間伸張されて、120°Cで25%まで緩和された。(縦方向伸張率は合計251%)縦方向伸張(MD)されフィルムは15ミクロン(μm)の厚さおよび16%の多孔率を有する。次いで、MD伸張されたフィルムは130°Cで50%のMD緩和を伴う260%横向伸張(TD)され、続いて、130℃において同時のMDおよびTD伸張をそれぞれの方向に50%、316%行い、最終的にMD(100%)に保持され、130℃の温度でTDにおいて57.6%の緩和を可能にした。完了されたフィルムは、7.6ミクロンの厚さおよび52%の多孔率を有する。完了したフィルムのTD引張強度は、513Kgf/cm2である。
【0033】
(実施例7)
PP樹脂およびPE樹脂は、PP/PE/PP三層フィルムを形成するために共通押出形成型を使用して押出加工される。PPのための押出機溶融温度は222°Cであり、PEのための押出機溶融温度は225℃である。溶融ポリマーは215°に設定される共有押出形成型に入れられる。溶融ポリマーは空気の吹き出しにより冷却される。押出加工された前駆体は、27μmの厚さおよび0.0120の複屈折率を有する。次いで、押出加工されたフィルムは、2分間、105°Cでアニールされた。次いで、アニールされたフィルムは、室温で、36%まで冷間伸張される、次いで、264%まで熱間伸張されて、109°Cで25%まで緩和された。(縦方向伸張率は合計271%)。縦方向伸張(MD)されフィルムは23.8ミクロン(μm)の厚さおよび29.6%の多孔率を有する。次いで、MD伸張されたフィルムは110°Cで50%のMD緩和を伴う260%横向伸張(TD)され、続いて、130℃において同時のMDおよびTD伸張をそれぞれの方向に50%、316%行い、最終的にMD(100%)に保持され、130℃の温度でTDにおいて57.6%の緩和を可能にした。完了されたフィルムは、16。8ミクロンの厚さおよび46%の多孔率を有する。完了したフィルムのTD引張強度は、1037Kgf/cm2である。
【0034】
(実施例8)
PP系衝撃共重合体は、フィルムを形成するために押出加工される。押出機溶融温度は、249℃である。溶融ポリマーは215°Cに設定される押出型に入れられる。溶融ポリマーは空気の吹き出しにより冷却される。押出加工されたフィルムは、34のμmの厚みを有し、0.0116の複屈折率を有する。押出加工された前駆体は、154°Cで2分間アニールされる。次いで、アニールされたフィルムは、室温で30%まで冷間伸張され、140°Cで190%まで熱間伸張され、61%緩和される(縦方向の伸長率は合計159%)。MD伸張されたフィルムは、26のμmの厚みおよび40%の多孔率を有する。次いで、MD伸張されたフィルムは150°Cで50%のMD緩和を伴い260%TD伸張され、続いて、150℃において同時のMDおよびTD伸張をそれぞれの方向に50%、216%行った。
【0035】
下記の表1において、前述の実験の結果の概要が示され、2枚の市販の乾燥伸張された被膜と比較される。A)CELGARDR 2400(一層ポリプロピレン膜)、およびB)CELGARDR 2325(三層ポリプロピレン/ポリエチレン/ポリプロピレン膜)。
【0036】
【0037】
(実施例9)
この実施例において、実施例8と類似の手順により縦方向伸張された。特に、PP系衝撃共重合体は押出加工されてフィルムを形成する。押出機溶融温度は、249℃である。溶融ポリマーは215℃に設定された押出し成形型に入れられる。溶融ポリマーは吹きつけて空気で冷却される。押出加工されたフィルムは、34pmの厚さおよび0.0116の複屈折率を有する。次いで、押出された前駆体は154℃で10分間アニールされる。次いで、アニールされたフィルムは、それから、室温で30%冷間圧延され、次いで、140℃で190%熱間圧延され140°Cで61%緩和された(縦方向の伸長率の合計は159%)。MD伸張されたフィルムは、26pmの厚さ及び40%の多孔率を有する。
【0038】
次いで、縦方向伸張されたフィルムの多くの多層の巻物が下記の表2に示される多様な条件により横方向伸張された。
【0039】
【0040】
実施例9において使用する方法は、横方向伸張の間同時の縦方向緩和を含まない。得られた結果は、横方向伸張の間同時の縦方向緩和を行った場合の結果と同等だった。これは、この実施例によるさまざまな方法が微多孔質膜及び多様なワイパーを製造するために使用されるプロセスのスループットおよび/または速度を増加させる。横方向伸張の巻物9Bおよび9Fの速度は1分間当たりそれぞれ20および25フィートであり、他の巻物試料は7フィート/分であった。
【0041】
一旦上記のさまざまな多層ロール・サンプルがTD伸長されると、下記の表3に示すように、この種の巻物の1層のさまざまな特性が決定される。
【0042】
【0043】
(実施例10)
以下の実施例では、油吸収テストは、さまざまな本発明の目的に従って製造される微多孔質膜ワイパーのさまざまなサンプルに対して行われた。この種のワイパーは、市販のワイパーと比較された。特に、別々の試験は、2種類の油(皮膚、例えば指または顔で見つかる油におそらくより類似する、ドデカン、いくらか薄い油およびカノーラ油、より濃い油)を使用して実行された。指定された油は、ほぼ3mmの深さまで4インチ直径ペトリ皿に注入された。紙タオルの一片が数回たたまれて、紙タオルが油で飽和されるようにペトリ皿に置かれた。顔の吸取紙サンプルは「予め油脂加工した重量」を得るために、矩形のストリップに切られて、メットレール・トレドAL104研究所スケール上で計られた。つぎに、ストリップが完全に飽和するまで、各ストリップは飽和紙タオルに配置された。飽和ストリップは、それから、「油脂加工した重量」を得るために、再び計られた。顔の吸取紙サンプルは、以下を含んでいた。
【0044】
1.CelgardRポリプロピレン共重合体微多孔質膜ワイパー、14-16mの厚み、3.0-3.6gsm基礎重量(CelgardR「EZ3030」)。この材料は、一層および二層構成において試験された。いくつかの実施形態では、これらのワイパーは、CelgardRプレミアム美顔吸取紙と呼ばれた。これらのワイパーは、本発明の各種実施形態に従ってなされた。
2.比較の日本のポリプロピレン美顔吸取紙はClear(登録商標)の名前により世界中で販売され、3Mによって日本で生産された。この種の顔吸取紙を包装にリストされる成分は、ポリプロピレン、鉱油、ジメチリデンソルビトールおよびウルトラマリンを含む。米国(表5を参照)において獲得される製品は、25~26gsmの基礎重量を有し、37~39pmの厚さであった。台湾(表4および5を参照)において得られる製品は、25gsmの基礎重量を有する厚さ37~43pmの厚さであった。
3. 比較のセルロース系の(または紙系の)顔吸取り紙は、Cosmed and Petite Gardenの商標名で販売された。Cosmed顔吸取紙の包装にリストされる成分は、100%の純度の亜麻パルプを含む。Cosmed吸取紙は、16gsmの基礎重量を有する厚さ22μmであった。Petite Garden吸取紙は、16gsmの基礎重量を有する厚さ28pmで
あった。
【0045】
テストはさまざまなサンプルのためのドデカンの油吸収を決定するために実行された、そして、結果は下記の表4に示される。油吸収比率は、油の量が特定の試料油吸収量(mg)を予め油脂加工した重量で除した値を表す。
【0046】
【0047】
表4における上記の結果は、本発明の一層、および二層のCelgard(登録商標)ポリプロピレンは、油吸収テスト(ドデカンを使用する)において比較用試料より良好な結果が得られた。さまざまな試料のためのカノーラ油の油吸収を決定するための試験が実行され、その結果は下記の表5に示される。
【0048】
【0049】
表5は、本発明の一層および二層のCelgard(登録商標)ポリプロピレンワイパーが比較用試料より油吸収テスト(カノーラ油を使用する)においてよい結果が得られたことを示している。
【0050】
少なくとも選択された実施例、態様または目的によれば、本発明は新しいか改良された微多孔質膜、新しいか改良された多孔質膜、新しいか改良された微多孔質膜ワイパーおよび/または、その製造の方法、マーケティングおよび/またはその使用に関するか、または微多孔質膜ワイパー、、好ましくは、優しい油または親油性の材料、例えばポリオレフィン(PO)、PPまたはPE微多孔質膜ワイパー、好ましくは、乾燥プロセスPOPPまたはPE微多孔質膜ワイパー、人の皮膚または顔から油を吸い取る際の使用、他の表面、眼鏡、電子機器、携帯電話、ディスプレイ、光デバイス、カメラレンズ、顕微鏡レンズおよび他の精密光学機器光学から指紋、汚れなどを除去する、および/または、一軸または、二軸によって方位づけられた微多孔質膜ワイパー、1以上の共重合体、例えば、ポリエチレン(PE)および/またはポリプロピレン(PP)の衝撃および/またはブロック共重合体および/または同類から一軸または二軸に方位づけられた微多孔質膜ワイパーに関するものである。
【0051】
本発明は本発明の趣旨およびその基本的属性から逸脱することなく、他の形で実施されることができ、したがって、本発明の範囲を示すには明細書の記載によりはむしろ特許請求の範囲を参照してなされなければならない。また、本明細書において開示される本発明は、本明細書において開示されない構成要件のいずれを欠けても実施することができる。