(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-03
(45)【発行日】2022-03-11
(54)【発明の名称】安全針装置
(51)【国際特許分類】
A61M 5/32 20060101AFI20220304BHJP
【FI】
A61M5/32 500
A61M5/32 510K
(21)【出願番号】P 2019531434
(86)(22)【出願日】2017-12-12
(86)【国際出願番号】 US2017065717
(87)【国際公開番号】W WO2018111815
(87)【国際公開日】2018-06-21
【審査請求日】2020-12-10
(32)【優先日】2016-12-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2016-12-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2017-03-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2017-07-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2017-12-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2017-12-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2017-12-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2017-12-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2017-12-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】595117091
【氏名又は名称】ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】BECTON, DICKINSON AND COMPANY
【住所又は居所原語表記】1 BECTON DRIVE, FRANKLIN LAKES, NEW JERSEY 07417-1880, UNITED STATES OF AMERICA
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】特許業務法人 谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ローリー サンダース
(72)【発明者】
【氏名】ピーター スミス
(72)【発明者】
【氏名】エドワード ピー.ブロウカ
(72)【発明者】
【氏名】イーライ ビー.ニコルス
【審査官】上田 真誠
(56)【参考文献】
【文献】特開平03-139363(JP,A)
【文献】特表2010-502316(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2003/0181867(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2009/0299295(US,A1)
【文献】特表2013-529973(JP,A)
【文献】特開2014-014598(JP,A)
【文献】特表2008-536598(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 5/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
安全針装置であって、
シリンジに結合され得る近位端部を有するハブであって、前記ハブから遠位方向に延びる針カニューレを有し、前記針カニューレは、長手方向軸と、遠位先端部とを有する、ハブと、
近位端部と、遠位端部と、ハウジング本体とを有するハウジングであって、前記ハブは、前記ハウジングに取り付けられ、前記遠位先端部は、前記ハウジングの前記遠位端部を超えて延びる、ハウジングと、
患者への前記針カニューレの挿入時に前記患者の皮膚と接触する遠位端部を有する細長いスリーブを備える針カニューレカバーであって、前記ハウジングの内側で遠位および近位方向に摺動可能に移動可能であり、前記針カニューレの前記遠位先端部に向かって遠位方向に移動するように付勢され、前記針カニューレカバーは、前記針カニューレの前記遠位先端部が露出する初期開始位置と、前記針カニューレカバーが近位方向に移動されて前記針カニューレカバーの前記遠位端部を前記針カニューレの前記遠位先端部からさらに距離を離して移動させる、中間位置と、前記針カニューレカバーの前記遠位端部が前記針カニューレの前記遠位先端部を超えて延びて前記遠位先端部を覆う、延長位置とを有する、針カニューレカバーと
、
前記針カニューレカバーに摺動可能に係合され、前記ハウジングと前記針カニューレカバーとの中間に位置決めされた起動構成要素と
を備え、
前記細長いスリーブの前記遠位端部が、前記針カニューレの挿入中、前記針カニューレカバーが前記延長位置になるまで前記患者の皮膚と接触するとき、前記針カニューレカバーは、前記針カニューレの引き出し中、前記患者の皮膚と接触するが、患者の皮膚に対して回転
せず、
前記ハウジングは、前記起動構成要素上の少なくとも1つの径方向突起部と共働して前記起動構成要素および前記針カニューレカバーを前記初期位置に維持する、第1の棚部を含み、
前記少なくとも1つの径方向突起部は、第1のL字形状の径方向突起部を備え、前記第1のL字形状の径方向突起部の第1の部分は、前記針カニューレカバーが前記初期位置にあるときに前記第1の棚部と係合し、前記第1のL字形状の径方向突起部の第2の部分は、前記ハウジングの内面上の第1のハウジングチャネル内で摺動して、前記起動構成要素が前記ハウジングに対して遠位および近位方向に摺動することを可能にする、
安全針装置。
【請求項2】
前記起動構成要素は、前記ハウジングに対して回転式に移動可能であり、それにより、前記針カニューレカバーが前記初期開始位置から近位方向に移動されたときに前記起動構成要素が回転式に移動されると、前記針カニューレカバーは、遠位方向に移動するように起動され付勢され
る、請求項1に記載の安全針装置。
【請求項3】
前記針カニューレカバーは、
その遠位端部に、前記針カニューレが通り抜けて摺動することを可能にする開口部を有し、前記
安全針装置は、前記針カニューレカバーの前記遠位端部に隣接して配設されたクリップを備え、前記クリップは、前記針カニューレカバーが
前記延長位置にあるときに前記針カニューレの前記遠位先端部の露出を防止する請求項1に記載の安全針装置。
【請求項4】
前記クリップは、前記針カニューレカバーが前記延長位置にあるときに前記針カニューレの前記遠位先端部上を摺動して、前記針カニューレの前記遠位先端部をブロックし、前記針カニューレの前記遠位先端部が前記開口部から突起することを防止し、前記クリップは、曲がり部を有するラッチを備える請求項3に記載の安全針装置。
【請求項5】
前記針カニューレカバーは、
その遠位端部に、前記針カニューレが通り抜けて摺動することを可能にする開口部を有し、前記
安全針装置は、前記針カニューレカバーの前記遠位端部に隣接して配設されたクリップをさらに備え、前記クリップは、ばね付勢式ブロッキング要素を含み、前記ばね付勢式ブロッキング要素は、前記開口部をブロックして、前記針カニューレカバーが前記延長位置にあるときに前記針カニューレの前記遠位先端部が前記開口部から突起することを防止する請求項1に記載の安全針装置。
【請求項6】
前記ばね
付勢式ブロッキング要素は、前記針カニューレの前記長手方向軸に対して横断方向に付勢される請求項5に記載の安全針装置。
【請求項7】
前記ブロッキング要素は、閉位置に移動するように付勢されて前記針カニューレカバーの内の前記開口部をブロックする、ゲートを備え、前記ブロッキング要素は、前記
針カニューレカバーが前記初期開始位置および前記中間位置にあるときに前記針カニューレによって開いて保持される請求項6に記載の安全針装置。
【請求項8】
前記細長いスリーブの前記遠位端部に隣接する、前記クリップを内部にしっかりと保持するように構成されたポケットをさらに備える請求項6に記載の安全針装置。
【請求項9】
前記クリップは、高さを有し、前記ポケットは、前記クリップの前記高さに少なくとも等しい深さを有する請求項8に記載の安全針装置。
【請求項10】
安全針装置であって、
シリンジに結合され得る近位端部を有するハブであって、前記ハブから遠位方向に延びる針カニューレを有し、前記針カニューレは、長手方向軸と、遠位先端部とを有する、ハブと、
近位端部と、遠位端部と、ハウジング本体とを有するハウジングであって、前記ハブは、前記ハウジングおよび前記針カニューレに取り付けられ、前記遠位先端部は、前記ハウジングの前記遠位端部を超えて延びる、ハウジングと、
遠位端部を有する細長いスリーブを備える針カニューレカバーであって、前記ハウジングの内側で遠位および近位方向に摺動可能に移動可能であり、前記針カニューレの前記遠位先端部に向かって遠位方向に移動するように付勢され、前記針カニューレカバーは、前記針カニューレの前記遠位先端部が露出する初期位置と、前記針カニューレカバーが近位方向に移動されて前記針カニューレカバーの前記遠位端部を前記針カニューレの前記遠位先端部からさらに距離を離して移動させる、中間位置と、前記針カニューレカバーの前記遠位端部が前記針カニューレの前記遠位先端部を超えて延びる、延長位置とを有し、前記細長いスリーブは、前記針カニューレに対して軸方向に移動可能である、針カニューレカバーと、
前記細長いスリーブを遠位方向に付勢させるばねと、
前記針カニューレカバーに摺動可能に係合され、前記ハウジングと前記針カニューレカバーとの中間に位置決めされた起動構成要素であって、前記ハウジングに対して回転式に移動可能であり、それにより、前記針カニューレカバーが前記初期位置から近位方向に移動されたときに前記起動構成要素が回転式に移動されると、前記針カニューレカバーは、遠位方向のみに移動するように起動され付勢される、起動構成要素と
を備え
、
前記ハウジングは、前記起動構成要素上の少なくとも1つの径方向突起部と共働して前記起動構成要素および前記針カニューレカバーを前記初期位置に維持する、第1の棚部を含み、
前記針カニューレカバーが前記初期位置から近位方向に移動されたとき、前記起動構成要素は、回転されて、前記少なくとも1つの径方向突起部を前記第1の棚部から移動させ、前記針カニューレカバーを遠位方向に移動させ、
前記少なくとも1つの径方向突起部は、第1のL字形状の径方向突起部を備え、前記第1のL字形状の径方向突起部の第1の部分は、前記針カニューレカバーが前記初期位置にあるときに前記第1の棚部と係合し、前記第1のL字形状の径方向突起部の第2の部分は、前記ハウジングの内面上の第1のハウジングチャネル内で摺動して、前記起動構成要素が前記ハウジングに対して遠位および近位方向に摺動することを可能にする、
安全針装置。
【請求項11】
前記ばねは、前記針カニューレカバーが前記延長位置にあるとき、0.001ポンド(0.00045kg)から0.2ポンド(0.09kg)
の範囲の力で前記細長いスリーブを付勢する請求項10に記載の安全針装置。
【請求項12】
前記ばねは、前記
針カニューレカバーが前記延長位置にあるとき、0.05ポンド(0.023kg)から0.15ポンド(0.068kg)
の範囲の力で前記細長いスリーブを付勢する請求項10に記載の安全針装置。
【請求項13】
前記起動構成要素および前記針カニューレカバーは、前記ハウジング内で伸縮自在に移動し、それにより、前記起動構成要素および前記針カニューレカバーが近位方向に前記初期位置から前記中間位置に移動されたとき、前記針カニューレの前記遠位先端部は露出し、前記起動構成要素および前記針カニューレカバーが遠位方向に前記延長位置まで移動され、それによって前記針カニューレカバーの前記遠位端部が前記針カニューレ
の前記遠位先端部を超えて遠位に移動されたとき、前記針カニューレの前記遠位先端部は覆われる請求項12に記載の安全針装置。
【請求項14】
前記針カニューレカバーが前記初期位置にあるときに第2の棚部と係合する第1の部分と、前記ハウジングの内面上の第2のハウジングチャネル内で摺動する第2の部分とを有する、第2のL字形状の径方向突起部をさらに備える請求項
10に記載の安全針装置。
【請求項15】
前記針カニューレカバーは、前記起動構成要素上のスロットと係合して前記針カニューレカバーを前記初期位置に保持する、突起ペグを備える請求項
14に記載の安全針装置。
【請求項16】
前記針カニューレカバーは、前記起動構成要素内の案内トラックおよび前記ハウジング内のトラック内で移動する突起バーをさらに備える請求項
14に記載の安全針装置。
【請求項17】
前記突起バーおよび前記案内トラックは、前記針カニューレカバーおよび前記ハウジングをキー係止
され、前記針カニューレカバーの回転移動を防止する請求項
16に記載の安全針装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、安全針装置に関し、特定の実施形態は、単回使用の受動式安全針装置に関する。
【背景技術】
【0002】
針装置は、多様な流体および溶液を人体に注射し、人体から引き出すために医療業界全体にわたって使用されている。体液、特に血液の取り扱いおよび操作には数多くの潜在的な危険が伴われるため、いくつかの知られている安全特徴が存在し、その安全特徴は、針への偶発的な露出から施術者を保護するためにさまざまなタイプの針装置に組み込まれることが多い。
【0003】
従来の安全針装置は、安全特徴を起動させるための長いストローク距離、複数の構成要素の後退およびロッキング要素の1つまたは複数を必要とする後退可能なスリーブ、および注射を受けた際の安全特徴の起動中に患者の皮膚に対して望ましくない大きな力を生成することを含む、さまざまな欠点を含む。加えて、従来の後退シリンジ組立体は、しばしば、再使用防止特徴を組み込まず、したがってシリンジの後退機構はリセットされることがあり、そのためシリンジバレルが再使用されることがある。殺菌を行わずにまたは十分に行わずにシリンジ組立体を再使用することは、接触伝染病の伝達を容易にすると考えられている。さらに、従来のシリンジの後退特徴はまた、ユーザが後退機構を能動的に起動することを必要とし得る。したがって、後退機構を起動させない、または適切に起動させないという人的エラーの可能性により、針の露出が続き、それによって針突き刺しによる負傷をもたらす可能性がある。
【0004】
既存の後退スリーブ安全針装置はまた、注射処置の前、その間、およびその後において、注射針のかなりの部分または全体を見えにくくする単回使用の安全針装置組立体を含み得る。しかし、多くの注射処置は、医薬品が適切な場所に送達されることを確実にするために、患者の組織内に針を挿入する場所および深さを施術者が正確に知ることを必要とする。加えて、多くのユーザは、安全針装置がロックされていない初期状態にあるときでも、従来技術の後退スリーブ安全針装置の先端部がロック解除された状態で完全に覆われているために、針突き刺しによる負傷から「安全である」という間違った思い込みをする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、既存の後退可能なスリーブ安全針装置の欠点の1つまたは複数を克服する、起動機構を有する安全針装置を提供する必要がある。また、より短いストローク距離にわたる起動、使用の容易さ、患者の快適性の向上、少ない部材数、最小限の部材複雑性、相対的にコンパクトな設計および相対的に短い全体長さ、患者の皮膚に対する最低限または皆無のスリーブ回転、および患者への注射前の初期位置における針の明確で妨げのない観察の1つまたは複数を提供することができる安全針装置を提供することが望ましくなり得る。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の1つの態様は、安全針装置であって、シリンジに結合され得る近位端部を有するハブであって、このハブから遠位方向に延びる針カニューレを有し、針カニューレは、長手方向軸と、遠位先端部とを有する、ハブと、近位端部と、遠位端部と、ハウジング本体とを有するハウジングであって、ハブは、ハウジングに取り付けられ、遠位先端部は、ハウジングの遠位端部を超えて延びる、ハウジングと、遠位端部を有する細長いスリーブを備える針カニューレカバーであって、ハウジングの内側で遠位および近位方向に摺動可能に移動可能であり、針カニューレの遠位先端部に向かって遠位方向に移動するように付勢され、針カニューレカバーは、針カニューレの遠位先端部が露出する初期開始位置と、針カニューレカバーが近位方向に移動されて針カニューレカバーの遠位端部を針カニューレの遠位先端部からさらに距離を離して移動させる、中間位置と、針カニューレカバーの遠位端部が針カニューレの遠位先端部を超えて延びて遠位先端部を覆う、延長位置とを有する、針カニューレカバーと、針カニューレカバーの遠位端部に隣接して配設されるクリップであって、スリーブの近位移動および針カニューレの遠位先端部の露出を防止する、クリップとを備える、安全針装置に関する。
【0007】
第2の態様は、安全針装置であって、シリンジに結合され得る近位端部を有するハブであって、このハブから遠位方向に延びる針カニューレを有し、針カニューレは、長手方向軸と、遠位先端部とを有する、ハブと、近位端部と、遠位端部と、ハウジング本体とを有するハウジングであって、ハブは、ハウジングおよび針カニューレに取り付けられ、遠位先端部は、ハウジングの遠位端部を超えて延びる、ハウジングと、ハウジングに対して軸方向に径方向に移動することができる起動構成要素であって、ハウジングと伸縮自在に係合される、起動構成要素と、ハウジングおよび起動構成要素に対して軸方向に移動することができる針カニューレカバーであって、起動構成要素に伸縮自在に係合され、針カニューレカバーは、起動構成要素内のスロット内に係合されて針カニューレカバーを起動させて針カニューレカバーを遠位方向に移動させる、ペグを備える、針カニューレカバーとを備える、安全針装置に関する。
【0008】
別の態様は、安全針装置であって、シリンジに結合され得る近位端部を有するハブであって、ハブから延びる、長手方向軸と遠位先端部とを有する針カニューレを支持する遠位端部を有する、ハブと、近位端部と、遠位端部と、ハウジング本体とを有するハウジングであって、ハブは、近位端部に隣接するハウジングおよび針カニューレに取り付けられ、遠位先端部は、ハウジングの遠位端部を超えて延びる、ハウジングと、開口部を内部に有する遠位端部を有する細長いスリーブを備える針カニューレカバーであって、スリーブは、ハウジングの内側で遠位および近位方向に軸方向に移動可能であり、遠位方向に移動するように付勢されて針カニューレの遠位先端部を覆い、開口部は、スリーブが近位方向に移動されたときに遠位先端部が通過することを可能にする、針カニューレカバーと、細長いスリーブの遠位端部に隣接して配設される付勢式クリップであって、スリーブはゲートを有し、ゲートは、カバーが近位方向に移動され針カニューレの遠位先端部が開口部を通過したときに付勢要素によって閉位置に付勢されて開口部を覆い、ゲートは、針カニューレによって開位置に保持される、付勢式クリップとを備える、安全針装置に関する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】第1の実施形態による安全針装置の斜視図である。
【
図2】初期状態にあり、ハウジングを有さない、
図1に示す安全針装置の斜視図である。
【
図3】後退状態にある
図1に示す安全針装置の斜視図である。
【
図4】延長状態にある
図1に示す安全針装置の斜視図である。
【
図5】第1の実施形態による安全針装置の後退可能なスリーブの斜視図である。
【
図6】第1の実施形態による安全針装置のハウジングにキー係止された後退可能なスリーブの断面図である。
【
図7】第1の実施形態による安全針装置のテザーにキー係止された後退可能なスリーブの断面図である。
【
図8】2つの突起部を有する、代替の実施形態による安全針装置のテザーにキー係止された後退可能なスリーブの断面図である。
【
図9】2つの突起部を有する、代替の実施形態による安全針装置のテザーにキー係止された後退可能なスリーブの断面図である。
【
図10】線形運動を利用する、代替の実施形態による安全針装置の後退可能なスリーブの斜視図である。
【
図11】線形運動を利用する、代替の実施形態による安全針装置の後退可能なスリーブの別の斜視図である。
【
図12】保持器を含む、代替の実施形態による安全針装置の斜視図である。
【
図14】ビーズおよびばねプレートを備えたロッキング要素を有する、代替の実施形態による安全針装置の斜視図である。
【
図16】摺動ブロックの形態のロッキング要素を有する、代替の実施形態による安全針装置の斜視図である。
【
図18A】シースが初期位置にある、
図16の安全針装置の断面図である。
【
図18B】スリーブが後退位置にある、
図16の安全針装置の断面図である。
【
図18C】スリーブが延長位置にある、
図16の安全針装置の断面図である。
【
図18D】スリーブが延長されロックされた位置にある、
図16の安全針装置の断面図である。
【
図19A】スリーブが開始位置およびロックされた位置にある、一体丁番を有する代替の実施形態による安全針装置の斜視図である。
【
図20A】スリーブが初期位置にある、テザーおよびラッチロッキング部材を有する、代替の実施形態による安全針装置の断面図である。
【
図21A】U字形状クリップと、スリーブが初期位置にある状態で針カニューレを嵌め込むためのスロットとを備えたロッキング部材を有する、代替の実施形態による安全針装置の遠位部分の部分斜視図である。
【
図21B】スリーブが初期位置にある、
図21Aの安全針装置の遠位部分の部分斜視図である。
【
図21C】スリーブが延長されロックされた位置にある、
図21Aの安全針装置の遠位部分の斜視図である。
【
図22A】スリーブが初期位置にある、保持器を含むテザーを有する代替の実施形態による安全針装置の斜視図である。
【
図22D】スリーブが部分的に延長位置にある、
図22Aの安全針装置の斜視図である。
【
図22E】スリーブが完全に延長されロックされた位置にある、
図22Aの安全針装置の斜視図である。
【
図23】代替の実施形態による安全針装置の斜視図である。
【
図24A】後退可能なスリーブを有する代替の実施形態による安全針装置の斜視図である。
【
図24B】代替の突起構成を示す、代替の実施形態による安全針装置のスリーブの斜視図である。
【
図24C】代替の突起構成を示す、代替の実施形態による安全針装置のスリーブの斜視図である。
【
図25】後退可能なスリーブを有する安全針装置の代替の実施形態の側面斜視図である。
【
図35】
図36の図からわずかに反時計回りに回転された
図25の装置のスリーブの代替の前面斜視図である。
【
図38】スリーブの突起部がハウジングの棚部に載置している、使用前の装置の初期状態で示す、スリーブの後面斜視図である。
【
図39】ハウジングの棚部を示す、スリーブが取り外された
図40に示すハウジングの後面斜視図である。
【
図40】クリップを保持するポケットを示す、
図25に示すスリーブの前面斜視図である。
【
図41】ポケットを示す、
図42の線A-Aに沿って切り取られた断面を有する前面斜視図である。
【
図42】クリップを保持するポケットを示す、
図25に示すスリーブの代替の前面斜視図である。
【
図43】ポケットを示す、
図44の線A-Aに沿って切り取られた断面を有する前面斜視図である。
【
図51】代替の実施形態のクリップを示す図である。
【
図52】代替の実施形態のクリップを示す別の図である。
【
図53】代替の実施形態のクリップを示す別の図である。
【
図54】代替の実施形態のクリップを示す別の図である。
【
図55】代替の実施形態のクリップを示す別の図である。
【
図56】スリーブから露出された針カニューレ遠位先端部を示す、装置の部分的な前面斜視図である。
【
図57】スリーブが針カニューレを覆い、クリップが針カニューレの遠位先端部と係合する、
図58に示す装置の部分的な前面斜視図である。
【
図58】針カニューレの遠位先端部がスリーブから露出された、初期状態にある
図25に示す装置の前面斜視図である。
【
図59】スリーブが部分的に後退された、
図60に示す装置の前面斜視図である。
【
図60】スリーブが完全に後退された、
図60に示す装置の前面斜視図である。
【
図61】スリーブが完全に延長され、針カニューレの遠位先端部を覆っている、
図60に示す装置の前面斜視図である。
【
図62】
図25に示す装置の起動特徴を示す、部分斜視図である。
【
図63】針がスリーブの遠位端部から露出され、クリップがポケットの中にあることを示す、部分斜視図である。
【
図64】クリップが針カニューレに対して付勢され、ゲートが開位置に保持されることを示す、
図25の装置の部分断面図である。
【
図65】針カニューレがゲートを開いて保つことを示す、
図25の装置と共に使用され得るクリップの代替の実施形態を示す図である。
【
図66】針カニューレがスリーブによって覆われ、クリップのゲートがスリーブの遠位端部にある開口部をブロックしている、
図25の装置の遠位端部の部分斜視図である。
【
図67】針カニューレがスリーブ内に後退され、スリーブから退出することがクリップのゲートによってブロックされることを示す、
図66に示す装置の部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示のいくつかの例示的な実施形態を説明する前に、以下の説明に記載する構造またはプロセスステップの詳細に本開示が限定されないことを理解されたい。本開示は、他の実施形態が可能であり、さまざまな方法で実践されること、または実施されることが可能である。
【0011】
本開示に使用される用語に関して、以下の定義が提供される。
【0012】
本明細書では、「1つ(a)」「1つ(an)」および「その」は、単数および複数を含む。
【0013】
本開示において、装置の遠位端部は患者に最も近い端部であり、装置の近位端部は患者から離れ、施術者に最も近い端部であるという慣習に従う。本明細書では、「前面図」は装置の遠位端部の図を指し、「後面図」は装置の近位端部の図を指す。
【0014】
本明細書では、「安全針装置」は、針の突き刺しによる負傷を防止するための1つまたは複数の特徴を含む、注射に適した針を有する装置を指す。本明細書では、「受動式安全針」は、患者が注射された後に針の遠位端部を自動的に覆うシースまたはスリーブを有する受動式起動機構を備えた安全針装置を指す。したがって、「受動式」は、針カニューレが対象者または患者から取り外された後にスリーブまたはシースによって自動的に遮蔽されるという事実を指す。装置の施術者またはユーザは、ボタンを押す、装置をねじる、または任意の他の動作を行うことによってスリーブまたはシースを起動させる必要はない。
【0015】
「シリンジ」に対する参照は、針、ノズル、チュービングとの使用に、またはフラッシュシステムにおける使用に示されるシリンジを含む。本明細書では、用語「シリンジ」は、バレルまたはチューブ内に緊密に嵌合するプランジャロッドからなる簡単なポンプ様装置を指す。プランジャロッドは、バレルの内側に沿って押し引き可能であり、それによってシリンジが液体またはガスをバレルの開放端部にある開口部を通して取り入れ、吐き出すことを可能にする。シリンジの開放端部には、針、ノズル、またはチュービングが嵌合されて、バレルを出入りするように流体の流れを方向付けることを可能にする。シリンジは、技術者の必要に応じて、殺菌性または非殺菌性であってよい。
【0016】
本開示の安全針装置の1つまたは複数の実施形態は、受動式起動機構を備えた安全針装置を提供する。1つまたは複数の実施形態では、より短いロックアウト進行距離、使用の容易さ、患者の快適性の向上、少ない部材数、最小限の部材複雑性、相対的にコンパクトな設計および初期位置における針の明確で妨げのない観察の少なくとも1つを可能にする装置が、提供される。
【0017】
図1は、標準的なまたは特別に構成されたシリンジ(図示せず)に取り外し可能に結合され得る安全針装置10を示す。図示する安全針装置10は、シリンジに結合され、シリンジから取り外されるように構成されるが、安全針装置10は、その代わりに、シリンジと一体的に形成されてもよい。シリンジは、通常、安全針装置10による流体または他の溶液の引き出しおよび注射および/または吸引に適した、知られているタイプのものである。
【0018】
図1~4は、本開示による安全針装置10の第1の例示的な実施形態を示す。
図1に示すように、安全針装置10は、シリンジ(図示せず)に結合するように構成されたハブ40と、ハブ40に取り付けられる近位端部43と、遠位先端部44とを有する針カニューレ42とを含む。ハブ40は、シリンジに結合するためのラグ19を含むことができ、またはねじ山(図示せず)などの他の連結特徴が含められてよい。安全針装置10はまた、近位端部21と、遠位端部22と、ハウジング本体23と、遠位端部上に位置する開口部24とを有するハウジング20も含む。ハブは、ハウジングの近位端部上に配設され、ハブは、任意の他の適切な方法によってハウジングに圧入され、熱溶接され、糊付けられ、超音波溶接され、または取り付けられ得る。ハウジング20は、一体型構造のものであってよく、または複数の構成要素から形成されてもよい。1つまたは複数の実施形態では、ハウジング20の近位端部21および遠位端部22は、それだけに限定されないが、超音波溶接、接着剤、スナップ嵌合または圧入などの技術を使用して接合される別個の構成要素であることができる。
【0019】
1つまたは複数の実施形態では、ハウジング20の近位端部21は、たとえばラグ19によって、またはねじ山または他の適切な連結手段によってルアー連結部または他の流体コネクタに連結可能であることができる。
図1に示すように、針カニューレ42は、ハウジング20の近位端部21に配設されたハブ40に連結される。1つまたは複数の実施形態では、針カニューレ42は、
図1に示すように、遠位先端部44に鋭利なベベル付き先端部を有することができる。針カニューレ42は、従来技術でよく理解されるような方法でハブ40内に配設される。ハブ40は、ハウジング20の近位端部と一体的に形成され得る。ハブ40は、シリンジに取り外し可能にまたは恒久的に取り付けられるように構成することができ、または代替的にはハブ40は、シリンジと一体的に形成されてもよい。たとえば、ハブ40は、安全装置をシリンジに取り外し可能に結合するための、雌ねじもしくは雄ねじ、または他の適切な結合部、ラッチ留めまたはタブ、スロット、突出部、圧力/スナップ嵌合などの他のロッキング特徴を含むことができる。一部の実施形態では、ハブまたはハウジングは、ハブ40から軸方向に延びて針カニューレ42を支持する針支持体41を含むことができる。ハブ40は、針カニューレ42と流体連通して、シリンジがハブ40に連結されたときにシリンジと針カニューレ42との間を流体が進むことを可能にする。
【0020】
針カニューレ42は、ハウジング20内に配設されたハブ40から延び、遠位先端部44まで延びる。
図1に示すように、針カニューレ42の遠位先端部44は、部分的に露出し、後退スリーブ50が初期位置にあるときに見ることができるように後退可能なスリーブ50の遠位端部から突起している。針カニューレ42のシャフトは、後退可能なスリーブ50が後退位置にあるときに後退可能なスリーブ50から露出する。
【0021】
本開示による針カニューレ42は、鋼、より特別にはステンレス鋼などの従来の材料から形成され得る。医療級のプラスチック、複合物、セラミック、または同様の材料を利用できることが当業者によって認識されるであろう。
【0022】
1つまたは複数の実施形態では、テザー30として第1の実施形態に示す起動構成要素を組み込むことにより、安全針装置の全体サイズ(近位端部から遠位端部までの長さ)を大幅に低減することが可能になる。1つまたは複数の実施形態では、テザー30は、
図2に示すように、ハウジング本体23に連結されるか、または取り付けられる第1の端部または近位端部30aと、後退可能なスリーブ50に連結されるか、または取り付けられる第2の端部または遠位端部30bとを有する伸縮自在のテザーであってよい。1つまたは複数の実施形態では、テザー30は、後退可能なスリーブ50がカニューレの長さに沿って遠位に移動されるときにハウジング20から延びる。
【0023】
テザー30は、ハウジング20内に移動可能に(たとえば、摺動可能に、または回転式に、または摺動可能および回転式に)配設される。テザー30は、ハウジング本体23内を延びる針カニューレ42によって画定された軸に沿って全体的に延びる中央軸に対して全体的に平行である。1つまたは複数の実施形態では、テザー30は、角度を付けた先行する傾斜した近位の表面35を備えた拡大した第1の案内経路31と、後退可能なスリーブ50から延びるバーの形態の1つまたは複数の径方向突起部52aを着座させるための拡大した第1の案内経路の遠位端部にある棚部27と、拡大した第1の案内経路31から遠位に延びる狭小になった第2の案内経路32とを備えたスロットを有する。第1の案内経路31は、軸に対して角度を付けて、湾曲してまたはテーパになるように位置決めされ、第2の案内経路32と交わる。第2の案内経路32は、ハウジング本体23に沿って延びる中央軸に対して全体的に平行であるガイドチャネルの形態である。1つまたは複数の実施形態では、第1の案内経路31の角度、湾曲またはテーパにより、1つまたは複数の径方向突起部52aが、案内チャネルの形態の第1の案内経路31と第2の案内経路32との間でシフトすることが可能になる。1つまたは複数の実施形態では、スロットは、拡大した第1の案内経路31と狭小になった第2の案内経路32との間に移行領域を含むことができ、この移行領域は、角度を付けたまたは傾斜した表面35を含んで、スリーブから延びる1つまたは複数の径方向突起部52aを、拡大した第1の案内経路31から狭小になった第2の案内経路32内に案内する。
【0024】
1つまたは複数の実施形態では、第1の案内経路31および第2の案内経路32は、テザー30の内径上に配設されて、ユーザからの干渉または接触を防止する。他の実施形態では、第1の案内経路31および第2の案内経路32は、装置のユーザに露出し、ユーザが見ることができる。
【0025】
近位端部30aおよび遠位端部30bを有する、テザー30の形態の起動構成要素は、ハウジング20またはハブ40に連結される近位端部30aを有することができ、テザー30の遠位端部30bは、後退可能なスリーブ50に連結され得る。1つまたは複数の実施形態では、テザー30は、チューブまたは同心円すい形状筐体の形態であってよい。そのような実施形態では、テザー30は、ハウジングから針カニューレ42の周りに配備される。テザー30は、後退可能なスリーブ50がカニューレの長さに沿って遠位に移動されるときにハウジングから延びる。
【0026】
用語「後退可能なスリーブ」は、管状部材などの、針カニューレを取り囲むことができる任意のタイプの部材を含むことを意図する。後退可能なスリーブ50は、当業者に理解されるように、針カニューレ40のサイズおよびタイプに適合可能なように寸法設定される。ハウジング20は、後退可能なスリーブ50が内部で近位および遠位方向に軸方向に移動することができる内部中空領域を備えたハウジング本体23を含む。1つまたは複数の実施形態では、後退可能なスリーブは、ハウジングに対して回転せず、またはハウジングに対して径方向に移動しない。後退可能なスリーブ50は、ハウジング20に対して初期位置、後退位置、および延長位置の間で移動するように構成することができ、初期位置は、針カニューレ42の遠位先端部44を部分的に露出させ、後退位置は、針カニューレ42を完全に露出させ、延長位置は、針カニューレ42の遠位先端部44を完全に覆う。単回使用の受動式安全装置はまた、後退可能なスリーブ50内に配設されるロッキング部材70も含み、ロッキング部材は、後退可能なスリーブが延長位置にあるときに針カニューレの遠位先端部を覆うように構成される。単回使用の受動式安全装置はまた、後退可能なスリーブ50を後退位置から延長位置に付勢するためのばね要素90も含む。
【0027】
1つまたは複数の実施形態では、後退可能なスリーブ50は、テザー30内に摺動可能に配設され、後退可能なスリーブは、テザーのスロットと摺動可能に係合するための1つまたは複数の径方向突起部52aを有する。後退可能なスリーブの遠位端部は、その遠位壁内に開口部55を含み、この開口部を針カニューレ42の遠位先端部44は通過し、ここから露出する。
【0028】
後退可能なスリーブ50が針カニューレ42に沿って遠位に移動するにつれて、テザー30は、針カニューレ42の長さに沿って延びる。
【0029】
テザー30および後退可能なスリーブ50は、互いに対して伸縮自在に摺動するが、互いを超えて延びないように設計され、テザー30の総延長長さは、後退可能なスリーブ50が針カニューレの長さを覆うことを可能にし、ロッキング部材70が針カニューレ42の鋭利な遠位先端部44上を延び、これを覆うことを可能にするのに十分なものである。テザー30は、後退可能なスリーブが針カニューレの鋭利な遠位先端部44を覆い、遮蔽するように最大限に延長されたときに針カニューレ42を完全に覆うように構成される。
【0030】
1つまたは複数の実施形態では、
図1~4に示すように、後退可能なスリーブ50の1つまたは複数の径方向突起部52aは、後退可能なスリーブ50の近位部分から径方向に延びる突起部を備える。
図2および4は、T字バー(T字形状突起部)の形状の少なくとも1つの突起部52aを有する第1の実施形態を示し、T字バーは、開口部24を用いて後退可能なスリーブ50とハウジング20をキー係止する。図示する実施形態では、開口部24は、突起部52aと相補的な形状のものであり、開口部24は、T字形状の開口部である。初期状態では、
図1および2に示すように、テザー30は、針カニューレ遠位先端部44を露出させた状態で、後退可能なスリーブ50を初期位置に保持する。後退可能なスリーブ50の移動時、たとえば針カニューレ42の遠位先端部44が対象者に挿入されるときに後退可能なスリーブの遠位端部54が対象者(患者)の皮膚に押しつけられるときなど、T字形状の突起部52aとして示す径方向突起部52aは、1つまたは複数の突起部52aが第1の案内経路31から傾斜した表面35に沿って第2の案内経路32までシフトし、テザーがハウジング20内にもはや保持されなくなるまで、テザー30を回転させる。以下にさらに説明するように、ハウジング上の棚部は、テザー上のリブの一部を支持し、テザーは解放され、テザーおよびスリーブは遠位方向に付勢される。針カニューレ42の対象者への挿入が続くにつれて、1つまたは複数の突起部52aは、スリーブが針カニューレ42の遠位先端部44から近位に押し離されるにつれて第2の案内経路32に沿って近位に進行する。針カニューレの対象者または患者からの取り外し時、T字形状の突起部の形態の径方向突起部52aは、テザー30の第2の案内経路32に沿って遠位に進行し、テザー30は、スリーブが遠位方向に付勢されるときに完全に延びてハウジング20の遠位端部から出る。
図1~4に示すように、1つまたは複数の実施形態では、ロッキング部材70は、安全装置をロックアウトするための摺動ブロックの形態である。この点に関して、ロッキング部材は、これがスリーブの端部から針カニューレ42が移動する(たとえば摺動する)ことをブロックし、したがって、装置のさらなる使用をロックする点から、「ブロッキング部材」であってよい。針は、これがブロックおよびスリーブの両方の中央揃え穴を退出するまで装置を初期位置に保持する。針が両方の穴から出た後、ブロックは、もはや拘束されず、装置内のばねは、ブロックを押して傾斜面を進めてブロックおよびスリーブの穴をずらし、それによって針が装置から再度退出することを防止する。このようにして、スリーブ50は、患者が注射され、針が患者から取り外された後に針の遠位端部を自動的に覆うため、この装置は、単回使用の受動式安全装置となる。したがって、針遠位先端部は、針カニューレが対象者または患者から取り外された後にスリーブまたはシースによって自動的に遮蔽される。装置の施術者またはユーザは、装置上のボタンを押さえる、装置をねじる、または任意の他の動作を行うことによってスリーブまたはシースを起動させる必要はない。摺動ブロックは、以下でより詳細に論じる。
【0031】
別の実施形態では、
図9に示すように、1つまたは複数の径方向突起部52aは、後退可能なスリーブの近位部分から径方向に延び、高さH
1を有する第1の径方向突起部52aと、後退可能なスリーブの遠位部分から径方向に延び、高さH
2を有する第2の径方向突起部52bまたはタブとを備え、スリーブから径方向に延びる第1の突起部の高さH
1は、スリーブから延びる第2の突起部52bの高さH
2より大きい。さらに別の実施形態では、1つまたは複数の突起部は、第1の高さを有する第1の部分と、第1の部分から横方向に延びる第2の部分とを有する単一の径方向に延びる突起部を備え、第2の部分は、第1の高さより小さい第2の高さを有する。1つまたは複数の実施形態では、第2の突起部は、後退可能なスリーブが初期位置にあるときに第1の案内経路と接触し、後退可能なスリーブが第2の位置に移動されるときに第2の案内経路に沿って遠位に移動する。
【0032】
図2~4に示すように、ハウジング20の遠位端部22はテザー30と結合し、それによってテザー30は、中央軸に沿って移動し、この周りを少なくとも部分的に回転するように構成される。テザー30の遠位端部34は、後退可能なスリーブ50の近位端部と結合する。針カニューレ42および針カニューレ42の遠位先端部44が通過することを可能にするために、チャネルおよび開口部24が、後退可能なスリーブ50内に含められる。
【0033】
後退可能なスリーブ50の近位端部は、ハウジング20に対して初期位置、後退位置、および延長位置の間を移動するように構成された1つまたは複数の突起部52aを含み、初期位置は、針カニューレ42の遠位先端部44を部分的に露出させ、後退位置は、針カニューレ42を完全に露出させ、延長位置は、針カニューレ42の遠位先端部44を完全に覆う。テザー30のスロットは、第1の案内経路31を含み、第2の案内経路32は、テザーの本体上に配設され、移動中後退可能なスリーブ50を方向付けるように構成される。1つまたは複数の実施形態では、第1の案内経路および第2の案内経路は、後退可能なスリーブ50の1つまたは複数の突起部を摺動式に受け入れるように構成される。
【0034】
後退可能なスリーブ50は、ハウジング20から軸方向に突出する針カニューレ42を摺動可能に収容し包み込むために、ハウジング本体の遠位開口部24内に摺動可能に装着され、移動可能となる。
【0035】
図のいくつか、
図1および2に最も顕著に示すように、後退可能なスリーブ50は、全体的に管状部分から構成され、針カニューレ42の長さに沿って摺動可能に後退可能であり、それにより、針カニューレ42の遠位先端部44は、初期位置にあるとき、ユーザに見えるように後退可能なスリーブ50の遠位端部から部分的に露出し、突起する。針カニューレ42の大部分または全体部分は、後退可能なスリーブ50がその後退位置にあるときに露出する。ハブ40から遠位方向に延びる針カニューレ42の長さは、
図4に示すように、後退可能なスリーブ50がその延長位置にあるときに完全に包み込まれる。
【0036】
後退可能なスリーブ50の内径は、これが針カニューレ42上に密接して嵌合するように選択される。後退可能なスリーブ50は、任意の適切な材料から作製されてよいが、好ましくは、針カニューレ42を保護するように十分頑丈であるポリマーから作成され得る。
【0037】
1つまたは複数の実施形態では、初期位置からの後退可能なスリーブ50の近位運動により、後退可能なスリーブ50の1つまたは複数の突起部52aは、テザーの拡大した第1の案内経路31からテザーの狭小になった第2の案内経路32に移動される。1つまたは複数の実施形態では、テザー30は、後退スリーブの初期位置からの近位移動中、ハウジング20に対して回転する。初期位置から第2の位置までのテザー30の回転により、後退可能なスリーブの1つまたは複数の突起部52aは、テザーの拡大した第1の案内経路31からテザーの狭小になった第2の案内経路32に案内される。
【0038】
1つまたは複数の実施形態では、テザーの拡大した第1の案内経路31は、テザーの狭小になった第2の案内経路32と交わる。1つまたは複数の実施形態では、狭小になった第2の案内経路は、中央軸に対して全体的に平行であり、テザー本体に沿って延びる。1つまたは複数の実施形態では、拡大した第1の案内経路は、中央軸に対して角度、曲率、またはテーパ度を含むことができる。第1の案内経路31の角度、曲率、またはテーパ度により、1つまたは複数の突起部52aが第1の案内経路31から第2の案内経路32にシフトすることが可能になり得る。
【0039】
後退可能なスリーブ50の近位端部51は、1つまたは複数の突起部52aを含み、この突起部は、後退可能なスリーブ50の近位端部から外方向に径方向に延び、ハウジング本体23の内側表面上に形成された1つまたは複数の経路と係合するように構成される。1つまたは複数の実施形態では、1つまたは複数の突起部52aは、初期位置においてハウジングの遠位端部の棚部に着座する外方向に延びるペグであってよい。
図1に示すように、ハウジング20は、後退可能なスリーブ50およびその1つまたは複数の突起部52を受け入れる開口部24を有する。
【0040】
1つまたは複数の実施形態では、後退可能なスリーブ50は、ハウジング本体23内に配設されてよく、移動可能であることができる。後退可能なスリーブ50は、ばね懸架され、
図1に示すように、針カニューレの遠位先端部が初期状態において露出し、見えるように後退可能なスリーブ50が針カニューレ42を部分的に覆っている状態で、ユーザに供給される。初期状態では、後退可能なスリーブ50の1つまたは複数の突起部52aは、ハウジング本体の第1の案内経路内に配設される。1つまたは複数の実施形態では、1つまたは複数の突起部は、ペグである。注射投与時、後退可能なスリーブ50は初期位置から移動し、それによって針カニューレは、注射部位を貫通することができるように段々露出していく。
図2および4に示すように、テザー30は、初期位置からの近位移動中、ハウジング20に対して回転する。
【0041】
患者への注射投与中、ユーザが遠位方向に力をかけることにより、後退可能なスリーブ50の1つまたは複数の突起部52aは近位方向に移動され、それにより、1つまたは複数の突起部は、ハウジング本体の第1の案内経路からハウジング本体の第2の案内経路に切り替わる。後退可能なスリーブ50の初期位置からの近位運動により、後退可能なスリーブの1つまたは複数の突起部52aは、テザーのスロット上の第1の案内経路31からテザーのスロット上の第2の案内経路32に移される。1つまたは複数の実施形態では、後退可能なスリーブは、妨げられることなく初期位置から後退位置に移動する。
【0042】
ユーザが遠位方向に力をかけ続けることにより、テザー30の回転移動が引き起こされて1つまたは複数の突起部52aをテザーの第1の案内経路31から狭小になった第2の案内経路32に移動させる。
【0043】
拡大した第1の案内経路からの1つまたは複数の突起部の移動により、テザー30の反転は阻害または防止され、それによって、1つまたは複数の突起部52aがシフトして、第1の案内経路31と第2の案内経路32との間の交点において拡大した第1の案内経路31に戻ることが防止される。1つまたは複数の実施形態では、テザー逆転防止要素が、テザーが第2の位置に入った後に第1の位置に戻ることを防止する。1つまたは複数の実施形態では、テザー逆転防止は、一方向ラチェットアームまたは小さい戻り止め隆起部を備える。戻り止め隆起部は、スリーブ押し下げの後で装置が意図的にリセットすることを可能にして、特に針潤滑が必要とされる場合の製造可能性を高めることができる。
【0044】
針カニューレ42を挿入することが望まれる場所において患者の皮膚に後退可能なスリーブ50を押さえ付けることによって力をかけ続けるとき、後退可能なスリーブ50はハウジング20内に後退して、注射部位が針カニューレ遠位先端部および針カニューレによって貫通されることを可能にする。後退可能なスリーブは、針カニューレ42の挿入中、患者の皮膚と接触するが、患者の皮膚に対して回転しない遠位端部54を有する。
【0045】
患者への注射完了時、ユーザは、針カニューレを患者から引き出し、したがってばね要素90の蓄えられたエネルギーを引き起こして後退可能なスリーブ50の1つまたは複数の突起部52aが狭小になった第2の案内経路32に沿って進むことを可能にして、後退可能なスリーブ50が針カニューレ42を延長位置において完全に覆うことを可能にする。ばね要素90は、針カニューレ42の遠位先端部44を覆うように後退可能なスリーブ50を遠位方向に付勢し、ロッキング部材の起動を引き起こして後退可能なスリーブ50のハウジング本体23内でのさらなる並進移動を防止する。針カニューレの患者からの引き出し中、患者の皮膚と接触する遠位端部54は、針カニューレ42の引き出し中に患者の皮膚に対して回転せず、それによって注射中の患者の不快感を最小限に抑える。
【0046】
後退位置から延長位置までの後退可能なスリーブの移動により、ロッキング部材70は、針カニューレ42の遠位先端部44に係合されて、針カニューレ42がスリーブを退出することを防止してブロッキング機能をもたらす。このようにして、スリーブ50は、患者が注射され、針が患者から取り外された後に針の遠位端部を自動的に覆うため、この装置は、単回使用の受動式安全装置となる。したがって、針遠位先端部は、針カニューレが対象者または患者から取り外された後にスリーブまたはシースによって自動的に遮蔽される。装置の施術者またはユーザは、装置上のボタンを押さえる、装置をねじる、または任意の他の動作を行うことによってスリーブまたはシースを起動させる必要はない。
【0047】
1つまたは複数の実施形態では、ロッキング部材70は、後退スリーブ50上に配設され、延長位置においてロッキング部材70が針カニューレ42の遠位先端部44を覆うまで針カニューレ42に沿って運ばれる。1つまたは複数の実施形態では、ロッキング部材70は、ハウジング本体23内での後退可能なスリーブ50のさらなる並進移動を阻害することによって安全針装置10の再使用を阻害する。針カニューレ42は、後退可能なスリーブが延長位置にあるときは隠される。
図4に示すように、注射が完了し、針カニューレ42の遠位先端部44が注射部位から引かれるとき、ばね要素90の蓄えられた力が後退可能なスリーブ50を延ばし、ストロークの最後において、第2のロッキング部材が針カニューレ42の遠位先端部44上を延びて後退可能なスリーブ50をロックし、それによって受動式安全ロックアウトを完了する。1つまたは複数の実施形態では、ロッキング部材は、カニューレの遠位先端部を遮蔽するためのクリップ、ラッチ、ゲート、または摺動ブロックを備える。1つまたは複数の実施形態では、ロッキング部材は、金属であってよい。1つまたは複数の代替の実施形態では、ロッキング部材は、プラスチックであってよい。
【0048】
1つまたは複数の実施形態では、後退位置から延長位置までの後退可能なスリーブの移動により、ロッキング部材は、針カニューレの遠位先端部に係合される。
【0049】
1つまたは複数の実施形態では、ロッキング部材は、後退可能なスリーブの並進を阻害することによって受動式安全針装置の再使用を阻害する。
【0050】
1つまたは複数の実施形態では、ロッキング部材は、スリーブ内に構築された、金属クリップ、ビーズおよびばねプレート、タンブリングブロック、および一体丁番を含むことができる。1つまたは複数の実施形態では、ロッキング部材は、後退可能なスリーブ、テザー、またはハウジング上に配設された1つまたは複数のプラスチックカンチレバーを含んで装置をロックすることができる。
【0051】
次に
図1および2を参照すれば、安全針装置10は、後退可能なスリーブ50が部分的に後退された構成にある初期状態で示される。後退可能なスリーブ50のさらなる後退は、通常、ユーザが安全針装置10および/またはシリンジに遠位方向に圧力をかけ、それによって後退可能なスリーブ50をばね要素90の付勢に反して近位方向に推し進めることによって開始される。後退可能なスリーブ50のこの後退は、さらに、針カニューレ42の遠位先端部44を露出させ、針カニューレ42による患者の皮膚内への貫通を開始する。拡大した第1の案内経路31内に最初に位置決めされた後退可能なスリーブの1つまたは複数の突起部は、後退可能なスリーブ50を狭小になった第2の案内経路32に向かってすぐに移動するように方向付ける。後退可能なスリーブ50が近位に移動するにつれて、1つまたは複数の突起部52aは、狭小になった第2の案内経路32を通過し、それによってテザー30を軸周りで回転するように促す。拡大した第1の案内経路と狭小になった第2の案内経路の交点の到着時、テザーの回転により、1つまたは複数の突起部52aが拡大した第1の案内経路に戻ることが防止される。
【0052】
ばね要素90は、近位端部と、主要本体と、遠位端部とを含む。1つまたは複数の実施形態では、
図1に示すように、ばね要素90は、圧縮またはコイルばねを備える。ばね要素90は、後退可能なスリーブを後退位置から延長位置に付勢する。
【0053】
1つまたは複数の実施形態では、ばね要素90は、後退可能なスリーブの近位端部およびハウジングの近位端部と係合し、これらの間を延びる。ばねは、後退可能なスリーブ50を初期位置に向かって付勢し、この初期位置では、後退可能なスリーブ50の1つまたは複数の突起部52aは付勢されて、ハウジング本体23の遠位端部に位置する第1の案内経路と係合し、針カニューレ42の遠位先端部44が初期位置において露出し、見えることを可能にする。後退可能なスリーブ50は、延長位置において針カニューレ42の遠位先端部44を完全に覆う。それだけに限定されないが、らせんコイルばね、円錐型ばね、波形ばねなどの多くのタイプのばねが採用されてよい。いくつかの実施形態では、ばね要素90は、ユーザが片手だけでシリンジおよび/または安全針装置10に遠位圧力をかけることによって後退可能なスリーブ50の後退を容易にするように構成される。
【0054】
安全針装置10およびその構成要素は、構成要素の所望の形状を提供するのに十分な多くの製造プロセスを使用して形成可能である。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の構成要素は、それだけに限定されないが、射出成形、圧縮成形、ブロー成型、トランスファー成形などの成形プロセスによって作製される。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の構成要素は、鍛造、機械加工、鋳造、打ち抜き、押し出し、それらの組み合わせなどによって形成される。
【0055】
多くの実施形態では、安全針装置10は、生体適合性材料から構築される。いくつかの配置では、安全針装置10の構成要素の1つまたは複数は、プラスチック(たとえばポリウレタンなど)または金属(たとえばステンレス鋼など)である。いくつかの実施形態では、ハウジング20および/または後退可能なスリーブ50は、半透明または不透明である材料から構築される。
【0056】
いくつかの実施形態では、後退可能なスリーブ50の移動は、ロッキング部材70と自動的に係合する。いくつかの実施形態では、ほぼ完全な後退位置からほぼ完全な延長位置までの後退可能なスリーブ50の移動により、安全針装置10の再使用が自動的に防止または阻害される。
【0057】
後退可能なスリーブ50は、テザー30の第1の案内経路31と位置合わせされる1つまたは複数の突起部52aを有する。後退可能なスリーブ50は、ハウジング20の遠位開口部24を通って摺動式に移動される。針カニューレ42は、ハウジング20の針支持体41に結合される。ばね要素90は、ハウジング本体23内に挿入され、後退可能なスリーブ50を付勢するように位置決めされる。針カニューレ42の患者からの引き出し時、ばね要素90の蓄えられたばねエネルギーが、後退可能なスリーブ50を遠位に延ばす。後退可能なスリーブ50が遠位に延びるとき、これは針カニューレ42をハブ本体のチャネルに入れて覆い、それによって針カニューレ42の遠位端部を覆う。後退可能なスリーブ50の遠位移動はまた、1つまたは複数の突起部52aを第2の案内経路に沿って摺動させる。
【0058】
図4に示すように、針カニューレ42の遠位先端部44に到達した後退可能なスリーブ50に到達したとき、ロッキング部材70は、遠位先端部上を遠位に移動して針カニューレ42の遠位先端部44を覆って安全針装置10の再使用を防止する。後退可能なスリーブ50は、完全に延ばされており、針カニューレ42を完全に覆う。ロッキング部材70は、したがって、後退可能なスリーブ50が再度近位に後退することを阻害するための物理的止め具となる。いくつかの実施形態では、ロッキング部材は、針カニューレの遠位先端部44と係合し、これは、ロッキング部材70が針カニューレ42の遠位先端部44と物理的に接触していることを意味する。他の実施形態では、ロッキング部材70は、スリーブ50の遠位端部にある開口部55をブロックする。そのような実施形態では、ロッキング部材70は、針カニューレの遠位先端部44がスリーブ内の開口部55を退出することをブロックし、したがってユーザが装置10をさらに利用することをロックアウトする、ブロッキング部材として機能する。
【0059】
したがって、本開示の実施形態は、後退可能なスリーブ上の1つまたは複数の突起部52aがテザー30上に配設された第1の案内経路31および第2の案内経路に沿って進行することを利用する。注射の開始後、後退可能なスリーブ50上の1つまたは複数の突起部52aは、第1の案内経路31および第2の案内経路32に沿って進行して、これが軸方向に移動するときにテザーを初期位置から第2の位置に回転させる。この時点で、ユーザは、患者の所望の深さまで針を挿入し続けることができ、テザー30は、テザーの第2の案内経路32内で軸方向に移動する。針カニューレの取り外し時、システム内のばね要素90は、後退可能なスリーブ50を第2の案内経路32を進めて最終位置まで押し出し、ロッキング部材70は、針カニューレ42の遠位先端部44を自動的に覆い、それによって針突き刺しによる負傷からユーザを受動的に保護する。
【0060】
1つまたは複数の実施形態では、テザーは、ハウジング本体の内面上に配設された1つまたは複数の案内トラックと相互作用する1つまたは複数のリブ33を含む。テザー30上の1つまたは複数のリブ33は、ハウジング20内の1つまたは複数の案内トラック25と相互作用して、テザー30をハウジング20内の初期位置に捕捉する。各リブ33は、各案内トラック25と摺動可能に係合し、起動時、1つまたは複数のリブ33の各々は、ハウジング20内の各棚部27に沿って1つまたは複数の開口部まで移動し、それにより、1つまたは複数のリブ33は、テザー30をハウジング20にもはや拘束しなくなる。テザー30の回転が完了した後、テザー30の上部表面上に配設された1つまたは複数のリブは、ハウジング本体の内面上に配設された1つまたは複数の案内トラック内にスナップ留めされる。1つまたは複数のリブ33は、テザー30が回転して初期位置に戻らないようにする役割を果たして、ロッキング部材70によって最終的なロックアウトが確実に起こるようにする。この時点で、ユーザは患者の所望の深さまで針を挿入し続けることができ、後退可能なスリーブ50は、狭小になった第2の案内経路内で軸方向に移動する。その後、装置の取り外し時、テザーおよびその関連するリブは延びてハウジングから出ることができ、それによって針カニューレ遠位先端部を遮蔽することを可能にする。同時に、針カニューレの取り外し時、システム内のばね要素90は、後退可能なスリーブ50を、狭小になった第2の案内経路を進めて最終位置まで押し出し、ロッキング部材70は、針カニューレ42の遠位先端部44を自動的に覆い、それによって針突き刺しによる負傷からユーザを受動的に保護する。
【0061】
1つまたは複数の実施形態では、初期状態において、後退可能なスリーブの1つまたは複数の突起部はテザーのスロットと相互作用し、テザーは、針カニューレの遠位先端部が露出するように装置を保持し、後退可能なスリーブおよびテザーは、これが装置の出入りしかできないようにハウジングにキー係止される。1つまたは複数の実施形態では、テザーの1つまたは複数のリブは、ハウジング本体の案内トラックと相互作用して、針カニューレの遠位先端部が露出するように装置を初期状態に保持し、後退可能なスリーブおよびテザーは、これが装置の出入りだけしかできないようにハウジングにキー係止される。この状態において、テザーは、これが延びてハウジングから出ることができないようにその部分の長さに沿って拘束される。患者、バイアル、または他の媒体内への装置の挿入時、装置のスリーブ上の起動特徴は、テザーを初期位置から第2の位置に移動させる。1つまたは複数の実施形態では、この動作は回転式または線形であることができる。第2の位置では、テザーは、ハウジング内にもはや拘束されておらず、装置が患者、バイアル、または他の媒体から取り外された後に延びてハウジングから出ることが可能にされる。テザーが延びてハウジングから出るとき、後退可能なスリーブもまたハウジングから係合解除し、針の先端部は、遮蔽される。
【0062】
図5に示すように、1つまたは複数の実施形態では、1つまたは複数の突起部は、第1の長さL1の第1の突起部52aと、第1の長さL1より小さい第2の長さL2を有する第2の突起部52bとを備えることができる。別の実施形態(図示せず)では、第1の突起部52aは、第2の突起部52bに対して90°に位置することができる。さらに別の実施形態では、
図5に示すように、第1の突起部52aは、第2の突起部52bに対して180°に位置することができる。1つまたは複数の実施形態では、
図5に示すように、第1の突起部52aは、T字形状であり、第2の突起部52bはペグまたはタブの形態である。
図6は、第1の突起部52aがハウジング20にキー係止されるが、テザー30を回転させて安全針装置10を起動させる影響は及ぼしていない
図5の実施形態を示す。
図7は、第2の突起部52bがテザー30と係合し、テザー30を回転させることによって装置を起動させる
図5の実施形態を示す。そのような実施形態では、第2の突起部52bは、ハウジング20と係合しない。
【0063】
図8は、後退可能なスリーブ50の代替の実施形態を示し、この後退可能なスリーブは、第1および第2の突起部が一体型である1つまたは複数の突起部を有し、一体型の突起部の第1の突起部52cは、細長いバーの形状であり、一体型突起部の第2の突起部52bは、起動隆起部または一体型突起部の第1の突起部52cより小さい高さを有するより短い突起部である。第1の突起部52cは、ハウジング20内のスロットと相互作用してハウジングおよび後退スリーブを回転式にキー係止する。第2の突起部52dは、第1の突起部に連結されるか、またはこれと一体型であり、テザー30と係合し、テザーを回転させることによって安全針装置10を起動させる。第2の突起部52dは、ハウジングと係合しない。
【0064】
図9は、1つまたは複数の突起部を有する後退可能なスリーブの代替の実施形態を示し、ここでは、第1の突起部52aは、ハウジング内のスロットと相互作用してハウジングおよび後退可能なスリーブを回転式にキー係止する。1つまたは複数の実施形態では、
図9に示すように、第1の突起部52aは、第2の突起部52bに隣接するが、ここから分離され得る。1つまたは複数の実施形態では、ペグ、小さいタブ、または隆起部の形態の第2の突起部52bは、テザー30と係合し、テザー30を回転させることによって安全針装置10を起動させる。第2の突起部52bは、ハウジング20と係合しない。
【0065】
図10および11は、テザー30が回転運動ではなく線形運動を利用する代替の実施形態を示す。
図10に示すように、後退可能なスリーブおよびテザーは、針カニューレの遠位先端部44が露出し、テザー30がハウジング20内に保持される初期位置において開始する。後退可能なスリーブ50の近位方向の移動時、後退可能なスリーブ50上の1つまたは複数のベベルは、テザー30と相互作用してテザーを開始位置から第2の位置に移動させ、第2の位置では、これはもはやハウジング20にロックされていない。注射の完了後および患者からの安全針装置10の取り外し時、後退可能なスリーブ50およびテザー30は、これらがハウジング20にもはやロックされないために完全に延びることが可能にされる。このようにして、スリーブ50は、患者が注射され、針が患者から取り外された後に針の遠位端部を自動的に覆うため、この装置は、単回使用の受動式安全装置となる。したがって、針遠位先端部は、針カニューレが対象者または患者から取り外された後にスリーブまたはシースによって自動的に遮蔽される。装置の施術者またはユーザは、装置上のボタンを押さえる、装置をねじる、または任意の他の動作を行うことによってスリーブまたはシースを起動させる必要はない。
図10および11に示すように、ロッキング要素は、摺動ブロックの形態であり、安全装置をロックアウトして、再使用および偶発的な針突き刺しによる負傷を防止することができる。また、ロッキング要素が、金属クリップ、ラッチまたはゲートの形態であってよいことも企図される。
【0066】
図12~19に示すように、1つまたは複数の実施形態では、後退可能なスリーブ50の近位端部51は、保持器53を含み、この保持器は、後退可能なスリーブ50の近位端部から外方向に径方向に延び、ハウジング本体23の起動ラッチ80と係合するように構成される。
【0067】
図12は、保持器53を含む代替の実施形態による安全針装置の斜視図を示し、
図13は、
図12の安全針装置の分解図を示す。
【0068】
図12に示すように、ハウジング20は、後退可能なスリーブ50を受け入れる開口部24を有する。1つまたは複数の実施形態では、後退可能なスリーブ50は、ハウジング本体23内に配設されてよく、移動可能であることができる。後退可能なスリーブ50は、ばね懸架され、針カニューレの遠位先端部が初期状態において露出し、見えるように後退可能なスリーブ50が針カニューレ42を部分的に覆っている状態で、施術者に供給される。注射投与時、後退可能なスリーブ50は初期位置から移動し、それによって針カニューレは、注射部位を貫通することができるように段々露出していく。
【0069】
図12および13に示すように、安全針装置10の1つまたは複数の実施形態は、ばね要素90と組み合わせて起動ラッチ80を含む。初期状態では、起動ラッチ80およびばね要素90の両方は、蓄えられたエネルギーを保持する。注射の開始時、施術者が起動ラッチをわずかな距離だけ押し下げて、後退可能なスリーブ50の近位端部上の保持器53が起動ラッチ80との係合から解放された後、起動ラッチ80内のエネルギーは解放される。
【0070】
起動ラッチ80が後退可能なスリーブ50の近位端部上の保持器53から解放された後、施術者は、針の全長さ、または針カニューレのかなり短い距離を利用することによって注射中の患者(またはシリンジ充填処置中のバイアル)の所望の深さまでカニューレを注射し続けることができる。患者から針カニューレ42を取り外したとき、後退可能なスリーブ50は、ばね要素90内の蓄えられたエネルギーが解放されるときに自動的に前方に前進するようにばね要素90によって付勢されて、ロックアウトラッチの形態のロッキング部材70が針カニューレ42の遠位先端部44上をクリップできるまで後退可能なスリーブ50を前方に押し続けることを可能にし、それによって安全針装置10を受動的にロックアウトし、施術者に対する針突き刺しによる負傷を防止する。1つまたは複数の実施形態では、起動ラッチ80は、金属ラッチであってよい。1つまたは複数の実施形態では、ロックアウトラッチの形態のロッキング部材70は、針カニューレ42の遠位先端部44と係合する曲がり部を有する金属ラッチであってよい。
【0071】
患者への注射投与中、施術者が針装置上に遠位方向に力をかけることにより、および/または施術者が起動ラッチ80を押し下げることにより、後退可能なスリーブ50は、近位方向に移動される。1つまたは複数の実施形態では、後退可能なスリーブは、妨げられることなく初期位置から後退位置に移動する。施術者が遠位方向に力をかけ続けることにより、起動ラッチ80は、保持器53から係合解除され、したがってロックアウトラッチの形態のロッキング部材70を起動させる。1つまたは複数の実施形態では、ロックアウトラッチの形態のロッキング部材70は、後退可能なスリーブの遠位端部上に金属ラッチを含む。後退可能なスリーブの初期位置からの近位運動により、起動ラッチ80は保持器53から係合解除される。いくつかの実施形態では、起動ラッチ80は、通常弾性であるため、径方向に内方向に配設された第2の端部は、端部が径方向に外方向に偏向された後でもたわみ、その後元の位置に戻ることができる。1つまたは複数の実施形態では、起動ラッチ80は、フック、クラスプ、戻り止め、ラチェット、または他の構造などのラッチング部材を含むことができる。
【0072】
患者への注射の完了時、施術者は針カニューレを患者から引き出し、したがってばね要素90の蓄えられたエネルギーを引き起こして、延長位置において針カニューレ42を完全に覆うように後退可能なスリーブ50を進めることを可能にする。ばね要素90は、針カニューレ42の遠位先端部44を覆うように後退可能なスリーブ50を遠位方向に付勢し、ロックアウトラッチの形態のロッキング部材70の起動を引き起こしてハウジング本体23内での後退可能なスリーブ50のさらなる並進移動を防止する。後退位置から延長位置までの後退可能なスリーブの移動により、ロックアウトラッチの形態のロッキング部材は、針カニューレの遠位先端部に係合される。このようにして、スリーブ50は、患者が注射され、針が患者から取り外された後に針の遠位端部を自動的に覆うため、この装置は、単回使用の受動式安全装置となる。したがって、針遠位先端部は、針カニューレが対象者または患者から取り外された後にスリーブまたはシースによって自動的に遮蔽される。装置の施術者またはユーザは、装置上のボタンを押さえる、装置をねじる、または任意の他の動作を行うことによってスリーブまたはシースを起動させる必要はない。
【0073】
1つまたは複数の実施形態では、ロックアウトラッチの形態のロッキング部材70は、後退可能なスリーブ上に配設され、ロックアウトラッチが延長位置において針カニューレ42の遠位先端部44を覆うまで針カニューレに沿って運ばれる。1つまたは複数の実施形態では、後退可能なスリーブ50は、ロックアウトラッチを過ぎる長さで延びる。1つまたは複数の実施形態では、ロックアウトラッチは、延長位置において針カニューレ42の遠位先端部44を覆うためのV字形状を遠位端部に有することができる保護クリップを備える。1つまたは複数の実施形態では、ロックアウトラッチは、延長位置において針カニューレ42の遠位先端部44を覆うことによってハウジング本体23内での後退可能なスリーブ50のさらなる並進移動を阻害することにより、安全針装置10の再使用を阻害する。針カニューレ42は、後退可能なスリーブが延長位置にあるときは隠される。注射が完了し、針カニューレ42の遠位先端部44が注射部位から引かれるとき、ばね要素90の蓄えられた力が後退スリーブ50を延ばし、ストロークの最後において、ロックアウトラッチは、針カニューレ42の遠位先端部上を延びて後退可能なスリーブ50をロックし、それによって受動式安全ロックアウトを完了する。1つの実施形態では、ロックアウトラッチは、金属クリップである。
【0074】
図14は、ビーズおよびばねプレートを含むロッキング部材を有する代替の実施形態を示す。
図15は、
図14に示す実施形態の分解図を示す。
図14および15に示すように、ロッキング部材70は、ばね要素90と組み合わせたばねプレート72およびビーズ74の形態であってよく、このビーズ74およびばねプレート72を枢動させてロックアウトを達成し、それによって針が穴を再度見出すことを防止する。1つまたは複数の実施形態では、ばねプレート72およびビーズ74は、
図14~15に示すように後退可能なスリーブ50の内側に収容される。後退可能なスリーブ50は、ばね要素90内のエネルギーを利用してロックアウト時に後退可能なスリーブを付勢し、それによって針とばねプレート72およびビーズ74内の対応する穴は、もはや同軸ではなくなり、針が再度穴に入ることを防止する。
【0075】
1つまたは複数の実施形態では、
図14および15に示すように、ばねプレート72およびビーズ74それぞれは、ばねプレート72およびビーズ74の本体内にチャネルを有する。初期状態では、カニューレは、ばねプレート72およびビーズ74両方のチャネルを通ってねじ込まれて、カニューレの遠位先端部が施術者に見えるように後退可能なスリーブ50の遠位端部からカニューレの遠位先端部が突起することを可能にする。患者への注射投与時、後退可能なスリーブ50は、針カニューレがばねプレート72およびビーズ74両方のチャネルから外れるように近位方向に移動して、ばねプレート72およびビーズ74を回転させることを可能にし、それにより、針カニューレ42の遠位先端部44は、ばねプレート72およびビーズ74の本体内のチャネルに再度入ることが防止されて、針カニューレ42の遠位先端部44からの施術者への露出を防止する。
【0076】
カニューレの遠位先端部がばねプレート72およびビーズ74のチャネルを通って戻ることを試みる場合、遠位先端部は、ばねプレート72およびビーズ74の一方または両方の本体によって支えられ、したがって遠位先端部をハウジング20内に安全に配設したままにする。
【0077】
ばねプレート72およびビーズ74は、強度のある材料から作製されて、針カニューレ42の遠位先端部44がばねプレートおよびビーズを穿孔することを防止することができる。
【0078】
図16~18は、ロッキング部材70が摺動ブロックの形態である代替の実施形態を示す。
図17は、
図16に示す実施形態の分解図を示す。
図16~18を示すように、ロッキング部材70は、ばね要素と組み合わせた摺動ブロックの形態であってよく、この摺動ブロックを枢動させてロックアウトを達成し、それによって針が穴に再度入ることを防止する。1つまたは複数の実施形態では、摺動ブロックは、
図16~18に示すように後退可能なスリーブ50の内側に収容される。
図18に示すように、後退可能なスリーブ50は、ばね要素90内のエネルギーを利用して、ロックアウト時に後退可能なスリーブを付勢し、それにより、針および穴はもはや同軸ではなくなり、これが穴に再度入ることを防止する。1つまたは複数の実施形態では、摺動ブロックは、角度を付けたプラスチック構成要素として構成され得る。
【0079】
1つまたは複数の実施形態では、
図17および18A~Dに示すように、摺動ブロックは、設けられたばね要素に取り付けられた摺動ブロックの本体内にチャネルを有するブロックを備える。
図18Aに示す初期状態では、カニューレは、チャネルを通ってねじ込まれて、カニューレの遠位先端部が後退可能なスリーブ50の遠位端部から突起し、それによってカニューレの遠位先端部が施術者に見えるようになり、その間ばね要素は、摺動ブロック上に力を及ぼしてブロッキング要素を後退可能なスリーブ50の遠位端部において付勢状態に維持する。患者への注射投与時、後退可能なスリーブ50は、針カニューレがチャネルから出るように(
図18Bに示すように)近位方向に移動して、摺動ブロックを非付勢状態に回転させることを可能にし、それにより、針カニューレ42の遠位先端部44は、摺動ブロックの本体内の診断チャネルに再度入ることが防止されて、(
図18Dに示すように)針カニューレ42の遠位先端部44からの施術者への露出を防止する。
【0080】
カニューレの遠位先端部がチャネルを通って戻ることを試みる場合、遠位先端部は、摺動ブロックの本体によって支えられ、したがって遠位先端部をハウジング20内に安全に配設したままにし、
図18Dに示すように、テザー30および摺動ブロックによってハウジング20の輪郭部から退出することを防止し続ける。
【0081】
針カニューレ42が患者から引き出されたとき、患者の皮膚は後退可能なスリーブ50の前方移動をもはや妨げておらず、後退可能なスリーブ50はその後、
図18Cに示すように延長位置に移動する。
図18Aに示すように、後退可能なスリーブ50は、針カニューレ42が初期位置において通り抜けて延びる開口部55を有する。
【0082】
針カニューレ42と摺動ブロックのチャネルとのずれは、針カニューレ42が使用後に摺動ブロックのチャネルから出て戻ることを防止する。さらに、摺動ブロックは、強度のある材料から作製されて針カニューレ42の遠位先端部44がブロッキング要素を穿孔することを防止することができる。
【0083】
図19A~Cは、一体丁番78を、一体丁番を付勢するための起動ラッチ80と組み合わせて含むロッキング部材を有してロックアウトを達成し、それによって注射の完了後に針が後退可能なスリーブ50を退出することを防止する、代替の実施形態を示す。ロックアウト(
図19C)時、針カニューレ42の遠位先端部44は、一体丁番の本体によって支えられ、したがって遠位先端部をハウジング20内に安全に配設したままにする。このようにして、スリーブ50は、患者が注射され、針が患者から取り外された後に針の遠位端部を自動的に覆うため、この装置は、単回使用の受動式安全装置となる。したがって、針遠位先端部は、針カニューレが対象者または患者から取り外された後にスリーブまたはシースによって自動的に遮蔽される。装置の施術者またはユーザは、装置上のボタンを押さえる、装置をねじる、または任意の他の動作を行うことによってスリーブまたはシースを起動させる必要はない。
【0084】
図20A~Cは、ロックアウトラッチの形態のロッキング部材70を有して注射の完了後に針が後退可能なスリーブ50を退出することを防止する、さらに別の代替の実施形態を示す。ロックアウトラッチの形態のロッキング部材70は、近位端部91および遠位端部92を含む、全体が三次元のU字形状(
図20Cに示すような)を有する。ロッキング部材70の近位端部91は、後退可能なスリーブの側壁56に連結される。ロッキング部材70の遠位端部は、V字形状の付勢部材76を含み、この付勢部材は、初期状態において針カニューレ42に載置し、後退可能なスリーブが延長位置にあるときに後退可能なスリーブ50の対向する側壁58上の凹部57と相互作用する。開始位置では、ロックアウトラッチの形態のロッキング部材70は、後退可能なスリーブ内に配設され、針カニューレ42の本体に圧縮位置で載置する。V字形状の付勢部材は、針カニューレが対象者または患者に挿入されている間針カニューレ42に沿って摺動し、シースまたはスリーブ50は、その端面が患者または対象者の皮膚と接触するときに近位方向に移動する。針カニューレ42が対象者または患者から取り外され、シースまたはスリーブ50が遠位方向に移動し、V字形状の付勢部材が針カニューレ42を超えて摺動したとき、ロックアウトラッチの形態のロッキング部材70は、延長位置において針カニューレ42の遠位先端部44を覆う。装置が起動されるとき、ばね要素(図示せず)は、後退可能なスリーブを前方に押し出して後退可能なスリーブ50が針カニューレ42の遠位先端部44を超えて延びることを可能にし、それによって圧縮されたV字形状の付勢部材76内の蓄えられたエネルギーを解放することが可能になり、それにより、V字形状の付勢部材76の遠位先端部上のフック59が後退可能なスリーブ50の対向する側壁58上の凹部57と相互作用したときに、これが起動し、装置をロックするようになる。ロックアウトラッチの形態のロッキング部材70は、針カニューレ42の遠位先端部44上をクリップすることができ、それによって安全針装置10を受動的にロックアウトし、施術者に対する針突き刺しによる負傷を防止する。ロックアウトラッチの形態のロッキング部材70は、延長位置において針カニューレ42の遠位先端部44を覆うことによってハウジング本体23内での後退可能なスリーブ50のさらなる並進移動を阻害することにより、安全針装置10の再使用を阻害する。針カニューレ42は、後退可能なスリーブが延長位置にあるときは隠される。1つまたは複数の実施形態では、ロックアウトラッチの形態のロッキング部材70は、金属ラッチであってよい。
【0085】
図21A~Dは、ばねクリップの形態のロッキング部材70を含む代替の実施形態を示し、このばねクリップは、全体が三次元のU字形状またはL字形状を有し、近位脚部79と、横方向脚部82と、遠位脚部81とを含む。
図21D~Gに最も良く示すように、ロッキング部材70は、シースまたはスリーブ50が初期位置にあり、針カニューレ42の遠位先端部44が露出したときに針カニューレ42を内部に嵌め込むことを可能にするようにサイズ設定され、構成されたスロット73を含む。針カニューレ42は、対象者または患者に挿入されている間スロット73内で摺動し、シースまたはスリーブ50は、その端面が患者または対象者の皮膚と接触するときに近位方向に移動する。カニューレ42が対象者または患者から取り外され、シースまたはスリーブ50が遠位方向に移動したとき、針カニューレ42は、スロット73内で摺動する。スロット73は、遠位脚部81内に位置し、付勢部材75は、横方向脚部82から延びる。付勢部材75は、
図21D~Gに示すように、板ばね、トングばね、または二重ループトングばねを含むことができる。平坦シートの形態のゲート77が、付勢部材75から突起する。初期位置では、付勢部材75は、針カニューレ42の本体に載置して、ゲート77をスリーブ50の開口部24およびロッキング部材70のスロット73との位置合わせから外した状態に保つ。後退状態では、付勢部材75は、針カニューレ42に沿って運ばれる。装置が起動された後、後退可能なスリーブ50は前方に移動して、後退可能なスリーブ50および付勢部材75のゲート77が針カニューレ42の遠位先端部44を超えて延びることを可能にし、それによって圧縮された板ばね内の蓄えられたエネルギーを解放することが可能になり、ゲート77はスロット73を覆い、それによって安全針装置10を受動式にロックアウトし、施術者に対する針突き刺しによる負傷を防止する。U字形状のクリップの形態のロッキング部材70は、延長位置において針カニューレ42の遠位先端部44を覆うことによってハウジング本体23内での後退可能なスリーブ50のさらなる並進移動を阻害することにより、安全針装置10の再使用を阻害する。針カニューレ42は、後退可能なスリーブが延長位置にあるときは隠される。
【0086】
図22A~Fは、テザーが、1つの突起部または複数の突起部(第1の突起部52c)および第2の突起部52d)を後退可能なスリーブの前進の前に回転させることを防止するフック形状部分を有する代替の実施形態を示す。1つまたは複数の実施形態では、後退可能なスリーブは、ハウジング内のスロットと相互作用してスリーブおよびハウジングを回転式にキー係止する安定化バーの形態の1つまたは複数の突起部52c、52dを有する。第2の突起部52dは、テザーと係合し、テザーをハウジングに対して回転させ、それによってハウジングからテザーを解放することによって安全装置を起動する。1つまたは複数の実施形態では、拡大した第1の案内経路31は、第2の突起部52dと係合し、テザー30およびスリーブ50の相対回転に抵抗するか、または防止するフック形状部分を画定する、フック形状部分(またはブランチ)31aを備える。1つまたは複数の突起部は、第1の高さを有する第1の突起部52cと、第1の突起部52cから横方向に延びる第2の突起部52dとを有する単一の径方向に延びる突起部を備えることができ、第2の突起部52dは、第1の高さより小さい第2の高さを有することができ、第2の突起部52dは、装置が梱包され、パッケージから取り外され、
図22Aに示すように初期位置にあるときにフック形状部分31a内に嵌まり込む表面を有することができる。
図22Fは、第1の案内経路および第2の案内経路32の拡大図を示す。使用時、装置10は、パッケージから取り外され、スリーブ50は初期位置(
図22A)にあり、このとき針カニューレ42の遠位先端部44は、針カニューレ42の遠位先端部44を患者の皮膚に挿入できるように、またはシリンジ(図示せず)を充填するためにバイアルの表面を貫通して挿入できるように露出している。
図22Bは、針カニューレ42が患者内にさらに挿入されるときにスリーブ50が近位方向に移動し、スリーブがハウジング20内に後退することを示す。この時点で、第2の突起部52dは、第1の案内経路31から出て、傾斜した表面35を押さえ付けており、それによってテザー30を回転させ、装置を起動させて、ばね要素90にスリーブ50を遠位方向に付勢させる。
図22Cは、スリーブ50がハウジング20内に完全に後退していることを示し、針が患者から引き出されるとき、スリーブは、
図22Dに示すように、遠位方向に移動するように付勢される。針カニューレ42の遠位先端部44が患者から取り外されたとき、スリーブ50は、
図22Eに示すように、ばね要素90によって遠位先端部44を覆う。スリーブ50の端部にあるブロッキング要素が、針カニューレ42の遠位先端部44がスリーブ50を退出することを防止し、それによって針カニューレ42の突き刺しから保護する。
【0087】
図23に示すように、1つまたは複数の実施形態は、発射防止特徴を含む。1つの実施形態では、テザー内のスロットは、キャップまたはハードパッケージ内に配設された1つまたは複数のリブ、タブ、またはバーと界接し、それにより、安全針装置10は、移送または保管時に「間違って発射」しない。安全特徴を備える任意の適切なキャップまたはパッケージングが、本明細書に開示する安全針装置と併用され得る。
【0088】
図24Aは、
図24Bおよび24Cに示す代替の突起構成を備えた後退可能なスリーブ50を有する代替の実施形態による安全針装置の斜視図を示す。
図24Bに示すように、後退可能なスリーブの実施形態は、一体型であるか、または連結された1つまたは複数の突起部を有し、第1の突起部52cは、第2の突起部52dの第2の高さより大きい第1の高さを有する。
図24Cに示すように、後退可能なスリーブの代替の実施形態は、互いから分離された1つまたは複数の突起部を有し、第1の突起部52aは、第2の突起部52bの第2の高さより大きい第1の高さを有する。
【0089】
1つまたは複数の実施形態では、1つまたは複数の突起部は、後退可能なスリーブ50の近位端部上または近位端部近くに配設されて、後退可能なスリーブをハウジングにキー係止する。1つまたは複数の突起部は、後退可能なスリーブがハウジングを出入りすることを可能にするが、ハウジングに対する後退可能なスリーブの回転は防止する。
【0090】
1つまたは複数の実施形態では、1つまたは複数の突起部は、ハウジングと後退可能なスリーブとの間のふらつきを低減すると共に、後退可能なスリーブをテザーの拡大した第1の案内経路内の初期位置からテザーの狭小になった第2の案内経路内の第2の位置に案内する。
【0091】
1つまたは複数の実施形態では、1つまたは複数の突起部は、T字バーの形状である。1つまたは複数の突起部の端部のT字形状は、追加の案内および支持を加えることによってハウジングと後退可能なスリーブとの間のふらつきを低減するのに役立つ。
【0092】
後退可能なスリーブの近位方向の移動時、T字形状の1つまたは複数の突起部は、テザーの拡大した第1の案内経路内の初期位置から、テザーを回転させるテザーの狭小になった第2の案内経路内の第2の位置に移動する。
【0093】
1つまたは複数の代替の実施形態では、装置は、1つまたは複数の突起部と、回転するテザーと係合するが、ハウジングとは係合しない後退可能なスリーブ上の1つまたは複数のペグとを含む。1つまたは複数のペグは装置を起動させる。後退可能なスリーブの近位方向の移動時、1つまたは複数のペグは、経路に沿って移動し、この経路はテザーを回転させ、その間スリーブは、テザーを第1の位置から第2の位置に移動させる別個の1つまたは複数の突起部によって回転式に固定されて保持される。1つまたは複数のペグは、それだけに限定されないが、安定化特徴に対して0度(同じ特徴)、180度、横並び、または数度だけ分離されるものを含む、任意の配向(0~360度)に位置することができる。
【0094】
1つまたは複数の代替の実施形態では、1つまたは複数の突起部は、ありつぎの形状である。
【0095】
ストロークの長さは、ロックアウト進行に関する針装置カニューレの長さおよび後退可能なスリーブ50の長さの合計である。後退可能なスリーブ50の遠位端部と針カニューレ42の遠位先端部44との間の距離は、公差と、使用後に針突き刺しによる負傷(NSI)が防止されることを保証するための安全マージンとの総計である。
【0096】
1つまたは複数の実施形態では、安全針装置の全長さは、ばね要素が後退可能なスリーブ50およびハウジング20の両方の内側で折り畳まれることが可能にされる場合、低減され得る。したがって、密着高さによって全長さを低減し、その後、患者の皮膚にかけられる力を減少させる。
【0097】
1つまたは複数の実施形態では、安全針装置は、キャップを含むことができ、このキャップは、ハウジングに取り外し可能に結合されて、安全針装置の発送および保管中の針カニューレの汚染を低減するか、または防止する。キャップは、通常、キャップがハウジングから取り外される注射および/または吸引処置の直前まで閉位置に保たれる。いくつかの実施形態では、キャップは、バイアルから用量を適切に引き出すのを支援するように構成され得る。
【0098】
次に
図25~30を参照すれば、安全針装置110の特有の実施形態および特徴が示される。装置110は、安全針装置110、または単回使用の受動型安全装置であってよく、これは、針カニューレの遠位端部を遮蔽する保護カバーが、ユーザまたは施術者がボタン、レバーなどを起動させることなく、針カニューレ先端部上を移動するように装置によって自動的に配備されるカバーまたはスリーブによって覆われることを意味する。
【0099】
安全針装置110は、シリンジ(図示せず)に結合され得る近位端部137と、遠位端部139とを有するハブ140を備える。ハブは、そこから遠位方向に延びる針カニューレ142を有する。針カニューレは、長手方向軸と、遠位先端部144とを有する。
【0100】
装置110は、近位端部121と、遠位端部122と、ハウジング本体123とを有するハウジング120をさらに含み、ハブ140は、ハウジング120に取り付けられ、針カニューレ142の遠位先端部144は、ハウジング120の遠位端部122を超えて延びる。装置110は、近位端部151および遠位端部154を有する細長いスリーブ(または後退可能なスリーブ)150を備える針カニューレカバー115をさらに含む。針カニューレカバー115は、ハウジングの内側で遠位および近位方向に摺動可能に移動可能であり、装置が起動されたとき、針カニューレ142の遠位先端部144に向かって遠位方向に移動するように付勢される。針カニューレカバー115は、針カニューレ142の遠位先端部144が露出する初期開始位置と、針カニューレカバー115が近位方向に移動されて針カニューレの遠位端部を針カニューレ142の遠位先端部144からさらに距離を離して移動させる中間位置と、針カニューレカバーの遠位端部154、すなわちスリーブ150の遠位端部154が針カニューレ142の遠位先端部144を超えて延びて遠位先端部144を覆う延長位置とを有する。装置は、針カニューレカバー115のスリーブ150の遠位端部154に隣接して配設されるクリップ170の形態のロッキング要素をさらに含み、クリップ170は、スリーブの近位移動および針カニューレ142の遠位先端部144の露出を防止する。
図27は、ハブ140がハウジング本体123内に嵌合された、近位端部からの装置110の図を示す。
図28は、装置の、その遠位端部からの代替の斜視図を示し、
図29は装置の断面図を示し、スリーブ150内のロッキング部材と、初期位置から解放されたときにスリーブ150を前方に付勢するばね190とを示している。
図30は、装置110の分解図を示す。患者の注射中、このとき針カニューレカバースリーブ150は、患者の皮膚と接触する遠位端部154を有し、そして、遠位端部154は、針カニューレカバーが針カニューレの遠位先端部144を取り囲むまで針カニューレが患者から引き出される間、遠位端部154は、患者の皮膚と接触したままである。針カニューレ142の注射および引き出し中、遠位端部154は、患者の皮膚に対して回転せず、それによって患者の皮膚に対する装置の回転によって引き起こされる患者の不快感を最小限に抑える。
【0101】
1つまたは複数の実施形態によれば、針の患者への挿入および針の引き出し中の施術者の触感は、患者の不快感を最小限に抑えることを助けることができる。小さいばね力が施術者の触感を改善することが、決定付されている。1つまたは複数の実施形態では、小さいばね力は、語句「ロックアウト力」によって決定され、これは、細長いスリーブ150がカニューレの遠位先端部上で完全に延びているときにばね190によって及ぼされる力である。ロックアウト力は、マサチューセッツ州ノーウッドにあるInstron社から入手可能なInstron電気機械ユニバーサル試験機などの、引張力を測定するロードセルによって測定され得る。1つまたは複数の実施形態では、ばね190は、針カバーカニューレカバーが延長位置にあるとき、0.001ポンド(0.00045kg)から0.2ポンド(0.09kg)の力の範囲の力で細長いスリーブを付勢する。1つまたは複数の実施形態では、ばね190は、針カバーカニューレカバーが延長位置にあるとき、0.05ポンド(0.023kg)から0.15ポンド(0.068kg)の力の範囲の力で細長いスリーブを付勢する。これらの範囲内の力が、患者により快適な注射を提供することが決定された。ばね190によって及ぼされる力は、ばね定数、長さ、ピッチ、ばね上のコイルの数、ばねの内径および外径ならびにワイヤ/コイルの材料を変更することによって調整され得る。
【0102】
以下でさらに論じるように、クリップ170の形態のロッキング部材は、装置110が使用されているとき、針カニューレ142の長さに沿って摺動可能に係合可能である。
【0103】
針カニューレカバー115のスリーブ150は、遠位端部154に、針カニューレ142が通り抜けて摺動することを可能にする開口部155を有し、クリップ170は、スリーブ150の針カニューレカバー115が延長位置にあるときに針カニューレ142の遠位先端部144上を摺動して、針カニューレ142の遠位先端部144をブロックし、針カニューレ142の遠位先端部144が開口部155から突起することを防止する。
【0104】
1つまたは複数の実施形態では、クリップ170は、遠位端部に曲がり部171を有するラッチを備えることができる。クリップ170は付勢されて、
図56および57に示すように針カニューレの遠位先端部144上を摺動し、これを覆い、遠位先端部144が針カニューレカバー115のスリーブ150内の開口部155を通って移動することを防止する。
【0105】
図示するように、針カニューレカバー115のスリーブ150は、遠位端部154に、針カニューレ142が通り抜けて摺動することを可能にする開口部155を有し、クリップ170は、ばね付勢式ブロッキング要素であり、このブロッキング要素は、針カニューレカバー115のスリーブ150が延長位置にあるときに開口部155をブロックして針カニューレ142の遠位先端部144が開口部155から突起することを防止する。
【0106】
装置の1つまたは複数の実施形態では、ばね付勢式ブロッキング要素は、針カニューレ142の長手方向軸に対して横断方向に付勢されるばねを有する。換言すれば、針カニューレは、装置110の長い軸に沿って近位および遠位方向に移動する。この軸は、デカルト座標系におけるz軸と考えられ得る。クリップ170は、ブロッキング要素を備え、このブロッキング要素は、x-y面において、スリーブ150の遠位端部154にある開口部155をブロックするようにゲートを摺動させる方向に付勢される。これは、以下でより詳細に論じる。
【0107】
1つまたは複数の実施形態では、ブロッキング要素は、閉位置に移動するように付勢されて針カニューレカバー115のスリーブ150内の開口部155をブロックするゲート177を備え、ブロッキング要素は、カバーが初期位置および中間位置にあるときに針カニューレによって開いて保持される。1つまたは複数の実施形態では、
図40~43に示すように、スリーブ150の遠位端部154に隣接してポケット160が存在し、ポケット160は、クリップ170をポケット160内にしっかりと保持するように構成される。1つまたは複数の実施形態では、
図40~42および48~55に最も良く示すように、クリップ170は、高さHcを有し、ポケットは、クリップの高さHcに少なくとも等しい深さDを有する。他の実施形態では、ポケット160の深さDは、クリップの高さHcと等しいか、またはこれより大きい。そのような構成は、装置110のユーザがクリップをポケット160から取り外すことを防止する。1つまたは複数の実施形態では、ポケットの上縁161は、狭くなったまたは鋭利な縁であり、それによってクリップ170を取り外すためにポケットにアクセスするのをさらに難しくする。
【0108】
装置の別の実施形態は、シリンジに結合され得る近位端部を有するハブ140を備える安全針装置であることができる安全針装置110であって、ハブ140は、そこから遠位方向に延びる針カニューレ142を有し、針カニューレは、長手方向軸と、遠位先端部144とを有する、安全針装置を提供する。装置110はまた、近位端部と、遠位端部と、ハウジング本体123とを有するハウジング120も含み、ハブ140は、ハウジング120に取り付けられる。針カニューレ142および遠位先端部144は、ハウジング120の遠位先端部を超えて延びる。装置は、遠位端部154を有する細長いスリーブ150を備える針カニューレカバー115をさらに含み、針カニューレカバー115の細長いスリーブ150は、ハウジング120の内側で遠位および近位方向に摺動可能に移動可能であり、針カニューレ142の遠位先端部144に向かって遠位方向に移動するように付勢される。針カニューレカバー115の細長いスリーブ150は、針カニューレ142の遠位先端部144が露出する初期位置と、細長いスリーブ150の針カニューレカバー115が近位方向に移動されて針カニューレカバー115の細長いスリーブ150の遠位端部154を針カニューレ142の遠位先端部144からさらに距離を離して移動させる中間位置と、針カニューレカバー115の細長いスリーブ150の遠位端部154が針カニューレ142の遠位先端部144を超えて延びる延長位置とを有し、細長いスリーブ150は、針カニューレ142に対して軸方向に移動可能である。装置は、テザー130の形態の起動構成要素をさらに備え、この起動構成要素は、針カニューレカバー115の細長いスリーブ150と摺動可能に係合され、ハウジング120と針カニューレカバー115の細長いスリーブ150との中間に位置決めされ、テザー130の形態の駆動構成要素は、ハウジング120に対して回転式に移動可能であり、それにより、針カニューレカバー115の細長いスリーブ150が初期位置から近位方向に移動されたときにテザー130の形態の起動構成要素が回転式に移動されると、針カニューレカバー115の細長いスリーブ150は、遠位方向に移動するように起動され付勢される。
【0109】
特有の実施形態では、テザー130の形態の起動構成要素および針カニューレカバー115の細長いスリーブ150は、ハウジング120内で伸縮自在に移動し、それにより、テザー130の形態の起動構成要素および針カニューレカバー115の細長いスリーブ150が初期位置から近位方向に移動されたとき、針カニューレの遠位先端部144は露出し、また、起動構成要素および針カニューレカバーが遠位方向に延長位置まで移動され、それによって針カニューレカバー115の細長いスリーブ150の遠位端部154が針カニューレ遠位先端部144を超えて遠位に移動されたとき、針カニューレ142の遠位先端部144は覆われる。このようにして、針カニューレカバーは、が注射され、針が患者から取り外された後に針の遠位端部を自動的に覆うため、この装置は、単回使用の受動式安全装置となる。したがって、針遠位先端部は、針カニューレが対象者または患者から取り外された後に針カニューレカバー(またはスリーブまたはシース)によって自動的に遮蔽される。装置の施術者またはユーザは、装置上のボタンを押さえる、装置をねじる、または任意の他の動作を行うことによって針カニューレを起動させる必要はない。
【0110】
次に
図31~35を参照すれば、装置110のいくつかの実施形態では、ハウジング120は、テザー130の形態の起動構成要素上の少なくとも1つの径方向突起部と共働して起動構成要素および針カニューレカバー115の細長いスリーブ150を初期位置に維持する、第1の棚部127aを含む。テザー130の形態の起動構成要素のさらなる詳細は
図34~36で分かることができ、1つまたは複数の棚部と、テザー130の形態の起動構成要素上の少なくとも1つの径方向突起部との共働も分かることができる。
【0111】
針カニューレカバーの細長いスリーブ150が初期位置から近位方向に移動されたとき、テザー130の形態の起動構成要素は回転されて、少なくとも1つの径方向突起部を第1の棚部127aから移動させ、針カニューレカバー115の細長いスリーブ150を遠位方向に移動させる。これは、装置110の起動と考えられ、その理由は、ハウジング120の棚部上に載置するスリーブ150の径方向突起部によってハウジングに対して固定された位置に、スリーブ150がもはや保持されていないためである。
【0112】
図33に最も良く分かるように、装置110のハウジング120は、ハウジング内で互いから離間された、第1の棚部127a、第2の棚部127b、および第3の棚部127cを含むことができる。第1の棚部127a、第2の棚部127b、および第3の棚部127cは、ハウジング120の内径が、棚部を形成する内方向に突起する塊部によって低減される領域である。3つの棚部の開示は例示的にすぎず、1つまたは複数の実施形態による装置は、1つだけの棚部、2つの棚部、3つの棚部、または4つ以上の棚部を含むことができる。各棚部に隣接して、ハウジングの長さに沿って近位端部121からハウジング120の遠位端部122まで通るハウジングチャネルが存在する。したがって、
図33に最も良く分かるように、第1の棚部127aに隣接する第1のハウジングチャネル163a、第2の棚部127bに隣接する第2のハウジングチャネル163b、第3の棚部127cに隣接する第3のハウジングチャネル163cが存在する。ハウジング本体123は、細長いスリーブ150の遠位端部上の突起部のための案内トラックとして機能する案内トラック165をさらに含み、これは、以下でさらに論じる。
【0113】
次に
図34~37を参照すれば、少なくとも1つの径方向突起部133aは、L字形状の径方向突起部の形態の第1の突起部152aを備え、第1の径方向突起部133aの第1の部分233aは、針カニューレカバーが初期位置にあるときに第1の棚部127aと係合し、L字形状である第1の径方向突起部133aの第2の部分333aは、ハウジング120の内面上の第1のハウジングチャネル163a内で摺動して、起動構成要素がハウジングに対して遠位および近位方向に摺動することを可能にする。
【0114】
装置110の実施形態は、第2の径方向突起部133bを含み、この第2の径方向突起部は、L字形状であり、針カニューレカバーが初期位置にあるときに第2の棚部127bと係合する第1の部分233bと、ハウジング120の内面上の第2のハウジングチャネル163b内で摺動する第2の部分333bとを有する。
【0115】
実施形態は、T字形状であり、第3のハウジングチャネル163c内で摺動可能に移動可能である径方向突起部133cをさらに含み、径方向突起部133cは、T字形状であり、針カニューレカバーが初期位置にあるときに第3の棚部127cと係合する第1の部分233cと、ハウジング120の内面上の第3のハウジングチャネル163c内で摺動する第2の部分333cとを有する。テザー130の形態の起動構成要素上の径方向突起部133a、133b、および133cは、他の方法で構成可能であることが理解されよう。通常、装置110が起動されないときの初期状態においてハウジングの棚部上に載置する表面を有する少なくとも1つの径方向突起部が存在し、この棚部は、テザー130の形態の中間構成要素がハウジング内を摺動するときに径方向突起部を案内するハウジングチャネルに隣接している。一実施形態では、ハウジングの単一棚部上に載置する単一の径方向突起部および単一のチャネルが存在することができる。一実施形態では、ハウジング内のチャネルの対に隣接する棚部の対上に載置する径方向突起部の対が存在することができる。一実施形態では、ハウジング内の3つのチャネルに隣接する3つの棚部上に載置する3つの突起部が存在することができる。ハウジング内のこれより多い棚部、突起部およびチャネルも、本開示の範囲内にある。1つまたは複数の実施形態では、径方向突起部は、L字形状、T字形状、またはL字形状およびT字形状の組み合わせであることができる。1つまたは複数の実施形態では、突起部は、L字形状でもT字形状でもなく、その代わりにそれぞれの棚部上に載置する表面のみを含む。
【0116】
図44は、ばね190の形態の付勢要素の図を示し、この付勢要素は、スリーブ150内に装着され、装置110が起動されたときに遠位方向にスリーブを付勢する。
図45および46は、ハブ140の図を示す。
【0117】
1つまたは複数の実施形態による装置は、針カニューレカバー115の細長いスリーブ150を含むことができ、この細長いスリーブは、テザー130の形態の起動構成要素上の第1のスロットの形態の第1の案内経路131と係合する第2の突起部152bを有して、針カニューレカバー115の細長いスリーブ150を初期位置に保持する。装置110は、針カニューレカバー115の細長いスリーブ150をさらに含むことができ、この細長いスリーブは、テザー130の形態の起動構成要素内のトラックの形態の第2の案内経路132内およびハウジング内の案内トラック165内で移動する突起バーの形態の第1の突起部152aをさらに備える。1つまたは複数の実施形態では、第1の突起部152aおよび案内トラック165は、針カニューレカバーの細長いスリーブ150およびハウジング120をキー係止して、針カニューレカバー115の細長いスリーブ150の回転移動を防止する。
【0118】
本開示の別の実施形態は、いくつかの実施形態において単回使用の受動式安全針装置である安全針装置110に関する。この実施形態による装置110は、シリンジに結合され得る近位端部を有するハブ140を備え、ハブは、そこから遠位方向に延びる針カニューレ142を有し、針カニューレは、長手方向軸と、遠位先端部144とを有する。装置は、近位端部と、遠位端部と、ハウジング本体123とを有するハウジング120をさらに含み、ハブ140は、ハウジング120および針カニューレ142に取り付けられ、遠位先端部144は、ハウジングの遠位端部を超えて延びる。この実施形態では、装置は、
図58~63に関して、特に
図62を参照して説明する起動構成要素195を含む。1つまたは複数の実施形態では、起動構成要素195は、ハウジングに対して矢印197の方向に軸方向におよび矢印196の方向に径方向に移動することができ、起動構成要素195は、ハウジング120と伸縮自在に係合される。本明細書において示し説明する実施形態では、起動構成要素は、テザー130として示されている。本明細書では、用語「テザー」は、装置の1つの構成要素を装置上の基準点に移動可能にアンカー固定する、装置に対する取付具を意味する。1つまたは複数の実施形態では、本明細書において説明するテザー30またはテザー130は、ハウジング20またはハウジング120に取り付けられ、移動可能なスリーブ50またはスリーブ150を、移動しない固定された基準点であるハウジング20またはハウジング120にアンカー固定する。したがって、1つまたは複数の実施形態では、テザー30は、ハウジング20に対して少なくとも軸方向に移動し、移動可能なスリーブ50をハウジング20にアンカー固定し、また他の実施形態では、テザー30は、ハウジング20に対して軸方向および回転式に(または径方向に)移動し、移動可能なスリーブ50をハウジング20にアンカー固定する。1つまたは複数の実施形態では、テザー130は、ハウジング120に対して少なくとも軸方向に移動し、移動可能なスリーブ150をハウジング120にアンカー固定し、他の実施形態では、テザー130は、ハウジング120に対して軸方向および回転式に(または径方向に)移動し、移動可能なスリーブ150をハウジング120にアンカー固定する。この実施形態はまた、ハウジングおよび起動構成要素195に対して軸方向に(矢印197によって示すように)移動することができる針カニューレカバー115のスリーブ150も含む。針カニューレカバー115のスリーブ150は、起動構成要素195に対して伸縮自在に係合され、針カニューレカバーのスリーブ150は、スリーブ150から径方向に突起する第2の突起部152bを含み、この第2の突起部は、起動構成要素195内のスロットとして示す第1の案内経路31内に係合されて針カニューレカバーのスリーブ150を起動させるペグであってよい。これにより、針カニューレカバーのスリーブ150は、遠位方向に移動される。
【0119】
この実施形態の変形形態では、
図61に示すように、針カニューレカバー内の遠位端部内の開口部155に隣接して針カニューレカバーのスリーブ150内に装着されたクリップ170が存在し、このクリップは、スリーブ150の針カニューレカバーが完全延長位置にあるときに針カニューレ142の遠位先端部144が開口部155を退出することを防止する。この実施形態に関する別の変形形態では、針カニューレカバーのスリーブ150から延びるバーの形態の外方向に突起する第1の突起部152aは、起動構成要素195内のスロットの形態の第2の案内経路132と共働し、針カニューレカバーがハウジング120内で摺動するときに針カニューレカバーのスリーブ150を案内する。
図62で分かるように、第1の案内経路131および第2の案内経路132は、起動構成要素195の遠位端部においてY字形状のスロットを形成する。別の変形形態では、ハウジングの内部表面は、針カニューレカバーのスリーブ150上の突起バーの形態の第1の突起部152aとキー係止する案内トラック165をさらに含んで、ハウジング120に対する針カニューレカバーのスリーブ150の回転移動を防止する。
【0120】
本開示の別の実施形態は、ハブ140を備える安全針装置に関し、ハブは、シリンジに結合され得る近位端部と、ハブ140から延びる、長手方向軸および遠位先端部144を有する針カニューレ142を支持する遠位端部とを有する。装置は、近位端部と、遠位端部と、ハウジング本体123とを有するハウジング120をさらに含み、ハブ140は、近位端部に隣接してハウジング120に取り付けられ、針カニューレ142および遠位先端部144は、ハウジング120の遠位端部122を超えて延びる。装置110は、開口部155を内部に有する遠位端部154を有する細長いスリーブ150を備える針カニューレカバーをさらに含み、スリーブは、ハウジング120の内側で遠位および近位方向に軸方向に移動可能であり、遠位方向に移動するように付勢されて針カニューレ142の遠位先端部144を覆い、開口部155は、スリーブ150が近位方向に移動されたときに遠位先端部144が通過することを可能にする。この実施形態は、細長いスリーブ150の遠位端部154に隣接して配設される付勢式クリップ170をさらに備え、付勢式クリップ170は、付勢要素176によって閉位置に付勢されるゲート177を有して、カバーが近位方向に移動され、針カニューレの遠位先端部144が開口部155を通過するときに開口部155を覆い、ゲート177は、針カニューレ142によって開位置に保持される。付勢式クリップ170の特徴は、スリーブ150のポケット内の付勢式クリップ170を示す
図63~67において最も良く分かる。
【0121】
この実施形態に関する変形形態では、付勢式クリップの付勢要素176は、少なくとも2つの曲がり部、すなわちゲート177に付勢力をもたらす第1の曲がり部198および第2の曲がり部199を備え、針カニューレ142は、付勢式クリップ170の一部と摺動接触している。いくつかの実施形態では、付勢式クリップ170は、3つの曲がり部を備える。いくつかの実施形態では、付勢式クリップ170は、スリーブ150の針カニューレカバーの遠位端部に隣接するポケット内に装着される。
【0122】
安全針が単回使用の受動式安全針である、この実施形態に関する変形形態では、
図58~61に最も良く示すように、針カニューレカバーのスリーブは、
図58に示す初期位置を有し、ここでは針カニューレ142の遠位先端部144は露出し、細長いスリーブ150は遠位方向に移動することはできない。
図59を参照すれば、中間位置が存在し、この位置では、針カバーのスリーブ150が近位方向に移動され、それによって細長いスリーブ150の遠位端部154が針カニューレの遠位先端部144からさらに移動され、細長いスリーブ150は、このとき、装置が起動されているために遠位方向に移動するように付勢され、これは
図32~39に関して上記で論じており、ここでは、テザー130上の径方向突起部は、ハウジング上の棚部から移動されて装置を起動させている。
図60は、スリーブ150が完全に後退され、針カニューレが完全に露出していることを示す。
図61は、最終位置を示し、この位置では、細長いスリーブ150の遠位端部154は、針カニューレ142の遠位先端部144を超えて延び、付勢式クリップ170のゲート177は、細長いスリーブ150の近位移動および針カニューレ遠位先端部144の露出を防止する。理解されるように、装置の初期位置は、装置が施術者によってパッケージから取り外されたときの位置である。針カニューレの遠位先端部は患者に挿入され、そして針カニューレが患者の体内に前進するにつれて、スリーブは遠位先端部から、すなわちスリーブの遠位端部を押し込む患者の皮膚から離れるように近位に移動し、スリーブの遠位端部は、
図60に示すようにハウジング120内に近位に前進する。施術者が針カニューレ142を患者から引き出したとき、ばね要素は、スリーブ150を遠位に付勢し、針カニューレ142が患者から取り外されたとき、スリーブの遠位端部は、針カニューレ142の遠位先端部144を超えて前進して、針カニューレがスリーブ150を退出することをブロックする。1つまたは複数の特有の実施形態では、
図62に関して上記で論じた起動特徴は、
図61に示すようにテザー130に組み込まれ得る。1つまたは複数の実施形態では、安全装置は、初期状態後、スリーブを近位方向に前進させ、第2の突起部152bを、第2の案内経路132と共にY字形状スロットを形成する第1の案内経路131から移動させ、テザー130をハウジング120に対して反時計回りに回転させることによって起動される。第1の案内経路131は、スリーブの近位移動の前にテザー130が回転することを防止するようにフック形状にされる。第2の突起部152bが前進するにつれて、これは傾斜表面135に沿って運ばれ、第2の案内経路132内に案内される。第2の案内経路132内の移動中、スリーブ150は、軸方向のみに移動し、回転も径方向の移動もしない。スリーブ150が近位方向にさらに移動されるにつれて、スリーブ上の第1の突起部152aは、第2の案内経路に沿って軸方向に摺動する。
【0123】
したがって、テザー130は、ハウジング120およびハウジング内で軸方向および径方向に移動するスリーブ150に対する中間構成要素であり、針カニューレカバーのスリーブ150は、中間構成要素およびハウジング内で軸方向に移動する。針カニューレカバーのスリーブ150は、中間構成要素と共働して初期位置からの移動後に装置を起動させて、スリーブを遠位方向に付勢する。
【0124】
装置110のユーザが患者から装置を取り外すとき、スリーブを遠位方向に付勢して、スリーブ150を第1の突起部152aまで自動的に延ばす、ばね190は、ハウジング120内の案内トラック165に沿って摺動し、案内トラック165を退出する。テザー130からの突起部によってテザーを保持するハウジング内の棚部は、装置が起動された後は係合されず、ばね190はまた、テザー130を自動的に延ばして、突起部がハウジングの遠位端部において止められるまでテザーを完全に延ばすことを可能にする。テザー130が完全に延びるとき、針カニューレ遠位先端部144はスリーブ150の遠位端部によって取り囲まれるか、または覆われる。付勢式クリップ170は、ゲート177を閉じ、装置を自動的にロックする。
【0125】
図47は、1インチ(2.54cm)以上の長さである装置用のハウジングの遠位端部内に装着され得るスペーサ200を示す。
図48~50は、上記で論じた付勢式クリップの異なる図を示す。図示するクリップは、第1の曲がり部198と、第2の曲がり部199とを有して、N字形状の付勢要素176を提供する。一部の実施形態では、V字形状の付勢要素を提供する単一の曲がり部が存在する。他の実施形態では、3つ以上の曲がり部が存在する。付勢式クリップ170は、スロット173と摺動面194とを含み、針カニューレ142は、スロット173内で摺動し、上記で説明したようにスリーブが遠位および近位方向に移動するときに摺動面194と接触する。
図51は、付勢式クリップ270を使用時の破片および組み立て中の損傷から保護する、側部が完全箱型の付勢式クリップ270の代替の実施形態を示す。
図52は、端部上に噛み合いクリートを有する完全箱型設計における付勢式クリップ370の別の代替の実施形態を示す。
図53は、らせん付勢設計を有する付勢式クリップ470の別の代替の実施形態を示す。
図54は、付勢式クリップ570の別の代替の実施形態を示し、
図55は、3つの曲がり部を有する付勢式クリップ670の別の代替の実施形態を示す。代替の付勢式クリップ設計の各々は、本明細書において開示する装置において使用され得る。
【0126】
本明細書を通じて「1つの実施形態」、「特定の実施形態」、「さまざまな実施形態」、「1つまたは複数の実施形態」または「一実施形態」への参照は、その実施形態に関連して説明する特定の特徴、構造、材料、または特性が、本開示の少なくとも1つの実施形態内に含まれることを意味する。したがって、本明細書を通じてさまざまな場所における「1つまたは複数の実施形態では」、「特定の実施形態では」、「さまざまな実施形態では」、「1つの実施形態では」、または「一実施形態では」などの語句の出現は、本開示の同じ実施形態を必ずしも指すものではない。さらに、特定の特徴、構造、材料、または特性は、1つまたは複数の実施形態において任意の適切な方法で組み合わせられてよい。
【0127】
本明細書における開示では、特定の実施形態を参照して説明を提供してきたが、これらの実施形態は本開示の原理および用途を説明するものにすぎないことを理解されたい。本開示に対して、その趣旨および範囲から逸脱することなく、さまざまな改変形態および変更形態を加えることができることが、当業者に明確になるであろう。したがって、本開示が付属の特許請求の範囲およびそれらの等価物内にある改変形態および変形形態を含むことが意図される。