(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-03
(45)【発行日】2022-03-11
(54)【発明の名称】電子パワーモジュールを付加製造によって製作する方法並びに関連する基板及びモジュール
(51)【国際特許分類】
H01L 23/373 20060101AFI20220304BHJP
H01L 25/07 20060101ALI20220304BHJP
H01L 25/18 20060101ALI20220304BHJP
H01L 23/36 20060101ALI20220304BHJP
【FI】
H01L23/36 M
H01L25/04 C
H01L23/36 C
(21)【出願番号】P 2019559403
(86)(22)【出願日】2018-01-05
(86)【国際出願番号】 FR2018050024
(87)【国際公開番号】W WO2018134495
(87)【国際公開日】2018-07-26
【審査請求日】2020-12-16
(32)【優先日】2017-01-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】306047664
【氏名又は名称】サフラン
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】特許業務法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】カザカ,ラビ
(72)【発明者】
【氏名】アゾパルディ,ステファーヌ
(72)【発明者】
【氏名】マルティノー,ドナシアン・アンリ・エドゥアール
【審査官】庄司 一隆
(56)【参考文献】
【文献】特開平06-024880(JP,A)
【文献】特開平11-017081(JP,A)
【文献】特開2004-083964(JP,A)
【文献】特表2014-527121(JP,A)
【文献】特開2004-179507(JP,A)
【文献】米国特許第05561321(US,A)
【文献】中国特許出願公開第103814441(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 23/373
H01L 25/07
H01L 23/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子パワーモジュール(20)を付加製造によって製作する方法であって、
前記電子
パワーモジュール(20)は、
互いに反対側の第1及び第2の面(24a、24b)を呈する電気絶縁板(24)を有する基板(21)を備え、第1の金属層(25a)は、
前記電気絶縁板(24)の
前記第1の面(24a)に直接配置され、第2の金属層(25b)は、
前記電気絶縁板(24)の
前記第2の面(24b)に直接配置され、
前記金属層のうちの少なくとも1つ(25a)は、薄い銅層を堆積させるステップ(100)と、
前記金属層(25a、25b)をアニール処理するステップ(110)とによって作製され、
方法は、少なくとも1つの熱機械的遷移層(271から273、274から276)を
前記第1及び第2の金属層(25a、25b)の少なくとも一方に形成するステップ(120)を更に含み、前記少なくとも1つの熱機械的遷移層(271から273、274から276)は、
前記金属層(25a、25b)の金属の熱膨張率より小さい熱膨張率を呈する材料を含む、方法。
【請求項2】
前記少なくとも1つの熱機械的遷移層(271から273、274から276)が、材料の粉末床を堆積させることによって、又は、粉末材料を噴霧することによって、堆積され、堆積された
前記粉末が、不活性雰囲気中、熱パワー源で走査することによって固められる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記熱機械的遷移層(271から273、274から276)のために使用される
前記材料の熱膨張率が、3ppm/℃から17ppm/℃の範囲にある、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記基板(21)が、
前記電気絶縁板(24)の
前記第1及び第2の面(24a、24b)の少なくとも一方に、
前記金属層(25a、25b)及び複数の熱機械的遷移層(271から273、274から276)のスタック(28a、28b)を備え、前記少なくとも1つのスタック(28a、28b)が、その熱膨張率において勾配を呈する、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記基板(21)の
前記第2の面の最後の
前記熱機械的遷移層(276)から付加製造によって放熱器を形成するステップ(130)を更に含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記基板(21)の
前記第1の面にマウントされる電子部品(26)を保護するのに適したパッケージ(22)を作製し、
前記電子
パワーモジュール(20)を外部電気要素に電気的に接続するのに適した接続部(29)を作製するステップ(140)を更に含み、
前記パッケージ(22)及び
前記接続部(29)が、
前記基板(21)の
前記第1の面の最後の
前記熱機械的遷移層(273)から付加製造によって形成される、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
電子パワーモジュール(20)用の基板(21)であって、
前記基板(21)は、
互いに反対側の第1及び第2の面(24a、24b)を呈する電気絶縁板(24)を備え、第1の金属層(25a)は、
前記電気絶縁板(24)の
前記第1の面(24a)に直接配置され、第2の金属層(25b)は、
前記電気絶縁板(24)の
前記第2の面(24b)に直接配置され、
前記基板は、
前記第1及び第2の金属層(25a、25b)の少なくとも一方において、
前記金属層(25a、25b)の金属の熱膨張率より小さい熱膨張率を呈する材料を含む少なくとも1つの熱機械的遷移層(271から273、274から276)と、
前記金属層(25a、25b)及び複数の熱機械的遷移層(271から273、274から276)の少なくとも1つのスタック(28a、28b)とを備え、前記少なくとも1つのスタック(28a、28b)が、その熱膨張率において勾配を呈することを特徴とする、基板(21)。
【請求項8】
前記熱機械的遷移層(271から273、274から276)のために使用される
前記材料の熱膨張率が、3ppm/℃から17ppm/℃の範囲にある、請求項7に記載の基板(21)。
【請求項9】
電子パワーモジュール(20)であって、第1の面と第1の面
とは反対側の第2の面とを呈する基板と、
前記基板の
前記第2の面にマウントされる放熱器(23)とを備え、
前記基板の
前記第1の面は、電子部品(26)を受けるためであり、
前記電子パワーモジュールは、
前記基板が請求項7又は8に記載の基板(21)であることを特徴とする、電子パワーモジュール(20)。
【請求項10】
前記放熱器(23)が、
前記基板(21)の
前記第2の面の最後の
前記熱機械的遷移層(276)を備え、
前記放熱器(23)が、
前記基板(21)の
前記第2の面の最後の
前記熱機械的遷移層(276)から
形成されている、請求項9に記載の電子パワーモジュール(20)。
【請求項11】
前記基板(21)の
前記第1の面にマウントされる
前記電子部品(26)を保護するのに適したパッケージ(22)を更に備え、
前記パッケージ(22)が、
前記基板(21)の
前記第1の面の最後の
前記熱機械的遷移層(273)から
形成されている、請求項9又は請求項10に記載の電子パワーモジュール(20)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板及び電子パワーモジュールを製作することに関する。
【背景技術】
【0002】
本発明には、熱応力が深刻になり得る航空機産業の分野において特定の用途がある。
【0003】
電子パワーモジュールは、主ネットワークからの電気(交流115ボルト(VAC)、230VAC、直流540V(DC)等々)を様々な形態(AC/DC、DC/AC、AC/AC、及びDC/DC)に変換するために、航空機内の推進システムや非推進システムに給電するために必要とされるコンバータに含まれる。
【0004】
図1は、従来技術で知られている電子パワーモジュール1の例を示す。
【0005】
電子パワーモジュール1は、2つの金属層2b及び2c間に配置されるセラミック材料で作製された電気絶縁層2aを備える基板2から構成される。様々な技術、例えば、活性金属ろう付け(AMB)、ダイレクトボンド銅(direct bonded copper:DBC)、又は、実際にダイレクトボンドアルミニウム(direct bonded aluminum:DBA)として知られた技術によって、2つの金属層は電気絶縁層2aに組み立てられる。
【0006】
基板2の上部金属層2bは、電力回路を形成し、その上には、半導体パワー部品3が組み立てられる。
図1に示すように、電子パワーモジュール1は、電気的及び/又は機械的な相互接続ジョイント(joint)4及び14を含み、それによって、半導体パワー部品3および接続部11は、パワー回路2bに組み立てられる。それらの欠陥の結果として、半導体パワー部品3は、ジュール効果損失の中心部であり、したがって、それらは主たる発熱源を構成する。
【0007】
半導体パワー部品3は、その後に、配線を用いて電気的に接続部11と相互接続される。パッケージ12は、一般にポリマーで作製されており、次いで、接着剤ジョイント13を用いて、基板2上又は基板2が上に配置される金属ベースプレート5上に接着される。パッケージ12は、次いで、機械的及び電気的な保護を、パワー部品3及び配線10に提供するために、ゲルやエポキシなどのカプセル化用化合物15で充填される。
【0008】
基板2の底部金属層2cは、金属ベースプレート5に装着され、それは、熱流束を広げる役目をし、金属熱放散体6との熱接続を提供する。
図1に示されるように、電子パワーモジュール1は、電気的及び/又は機械的な相互接続ジョイント7を含んでおり、基板2の底部金属層2cをベースプレート5に固定している。
【0009】
ベースプレート5は、サーマルグリスやエラストマーフィルムなどのサーマルインターフェースマテリアル、あるいは相変化材料の層8を用いて、それ自体が金属熱放散体6に固定される。サーマルインターフェースマテリアルの層8は、熱流束をより良く放出するために、ベースプレート5と熱放散体6と間の熱接触抵抗を減少させる役目をする。熱放散体6は、その熱抵抗を出来る限り減らすためのフィン9を有し、フィン9は、それらの間を通過する冷却流体、例えば、空気を有する。
【0010】
そういった電子パワーモジュール1は、とは言っても、幾つかの欠点を呈する。
【0011】
基板2の電気絶縁層2aと、サーマルインターフェースマテリアルのモジュール8は、高い熱抵抗、したがって、不十分な熱伝導を呈する層である。したがって、それらは、熱放散体6及び冷却流体に向かう半導体パワー部品3内で生じた熱の放散を制限する。更に、特に、回路が何らかの平面性の不具合を呈する場合に、サーマルインターフェースマテリアルの層8は、均一ではなく、および電力回路上の半導体パワー部品3の位置決めに依存する、熱抵抗を生み出す。半導体パワー部品3と熱放散体6との間の多数の層2a、2b、2c、4、5、7、及び8も、この高い熱抵抗に寄与する。電子パワーモジュール1の冷却は、こうして制限され、電子パワーモジュール1は、高温度の用途に対して、即ち、一般に175℃を超えると急速に劣化する有機材料(サーマルインターフェースマテリアル、カプセル化用化合物、接着剤ジョイント、及びパッケージ)の存在の結果として、175℃、より高いか又はそれに等しい周囲温度に対して、適していない。ワイドバンドギャップ半導体部品(SiC、GaN等々)が、Si部品の従来の限界(175℃)を超えて動作できること、および、高温で動作する可能性を利用するために、電子パワーモジュールを構成する要素の全てが高温で確実に動作できる必要があることに、注意すべきである。
【0012】
更に、相互に異なった熱膨張率を有する様々な層2a、2b、2c、及び5を組み立てるための解決策は、電子パワーモジュール1を、熱疲労の現象にセンシティブにし、それによって、電子パワーモジュール1の信頼性を制限する。例として、それらの解決策は、基板2の電気絶縁層2aに及び/又は電気相互接続ジョイント4、7に亀裂をもたらすことがある。
【0013】
更に、基板2の上部金属層2bに実行されるエッチングは、電気絶縁層2aのまわりの底部金属層2cに対する非対称性を生み出す。温度が上昇するとき、例えば、半導体パワー部品3が基板2に組み立てられる間、又は、基板2がベースプレート5に組み立てられる間、又は、電子パワーモジュール1が動作している間、それは、基板2内に熱機械的応力を生み出してその変形をもたらすという効果を有する。この変形は、撓みと呼ばれ、基板2の湾曲に対応する。
【0014】
そういった基板2の撓みは、サーマルインターフェースマテリアルの層8によって埋められることのできるギャップを作り出す。とは言っても、上で解説されたように、この層8は、半導体パワー部品3及び熱放散体6間の熱放散を制限し、パワー回路上の半導体パワー部品3の位置決めに依存する不均一な熱抵抗を生み出す。したがって、電子パワーモジュール1内の熱放散をさらに低下させずに、サーマルインターフェースマテリアルの層8の厚さを増やすことによって基板2の撓みを補償することはできない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明は、上述した電子パワーモジュールの欠点を緩和しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明は、電子パワーモジュールを付加製造によって製作する方法を提供し、電子モジュールは、向かい合った第1及び第2の面を呈する、セラミック板などの絶縁板を有する基板を備え、第1の金属層は、絶縁板の第1の面に直接配置され、第2の金属層は、絶縁板の第2の面に直接配置される。
【0017】
本発明の概略の特徴によれば、金属層のうちの少なくとも1つは、薄い金属層を堆積させるステップと、一般に約700℃の温度で金属層をアニール処理するステップとによって作製され、方法は、少なくとも1つの熱機械的遷移層(thermomechanical transition layer)を第1及び第2の金属層の少なくとも一方に形成するステップを更に含み、前記少なくとも1つの熱機械的遷移層は、銅の熱膨張率(CTE)より小さいCTEを呈する材料を含む。
【0018】
金属の薄い層を堆積させるステップは、シルクスクリーンによる堆積や、ダイレクトワイヤリング(direct wiring)プロセス、例えば、インクジェットプロセス、押出ベースのプロセス、エーロゾルベースのプロセス、として知られている技術のペーストやインクを用いる薄い金属層の堆積を含むことがある。
【0019】
本発明の基板の熱機械的遷移層が、金属層のCTEより小さいCTEを呈するという理由で、それは、ダイレクトボンド銅(DBC)基板と比較して基板の熱機械的信頼性を増大させる役目をし、また、セラミック基板(DBC及びAMB)で観測されたような、基板の湾曲に関係する課題を限定する役目をする。
【0020】
基板の新たな層を形成する各ステップに対して付加製造を用いる製作方法は、層が選択的に堆積され溶融される結果として、本方法が、電子パワーモジュールの製作中に何らかの材料損失を回避することを、可能にする。
【0021】
付加製造(AM)は、3次元(3D)印刷としても知られており、連続的な層を付加することによってオブジェクトを作製することを可能にする1つの技術である。パワー源は、薄い層(典型的には、<100マイクロメートル(μm)厚さ)として堆積されている粉末の適切に定義された場所に、それを凝集する目的のために、エネルギを送達する。連続的な層を堆積させること、及び、それらを選択的に凝集させることは、高密度な材料を、適切に定義された形状で、構築することをこうして可能にする。どの部分を凝集させるかを選択する能力は、オブジェクトが所望の形状を、たとえその形状が複雑でも、直接付与されるのをこうして可能にする。それは材料の損失を制限するようにも働き、これは高価で希少である材料にとって非常に望ましい場合がある。
【0022】
具体的には、通常の従来技術の基板では、上面及び底面の銅Cu層は、セラミックの表面を完全にカバーし、DBC技術を用いることによって或いはAMBろう付け技術を用いることによって、セラミック上に直接適用される。その後に、エッチングステップは、銅Cuを局所的に上面から除去する役目と、電気的に相互接続されてなくて電気回路を提供する役目をするトラックを作製する役目とをする。
【0023】
方法の第1の態様では、前記少なくとも1つの熱機械的遷移層は、材料の粉末床を堆積させることによって、又は、粉末材料を噴霧することによって、堆積されることがあり、堆積された粉末は、次いで、不活性雰囲気中、熱パワー源で走査することによって固められる。
【0024】
典型的には、従来技術の基板では、セラミックの厚さは、300μmから1000μmの範囲にあり、銅の厚さは、200μmから500μmの範囲にある。しかしながら、銅の厚さが大きくなればなるほど、高いレベルの熱機械的応力をもたらす熱サイクル中の基板の信頼性が低くなる、ということが示されてきた。
【0025】
本発明の方法によって使用される付加製造は、薄い、即ち、厚さ100μm未満、より具体的には、20μmから50μmの範囲にある厚さの銅層を作製及び使用することを可能にし、それによって、より良い信頼性を提供する。加えて、銅以外の材料で作製される複数の熱機械的遷移層を積層編成する(laying up)ことは、トラックの厚さを増加させる役目をし、また、それゆえ、基板の信頼性を制限せずにそれらのトラックが搬送できる電流を増加させる役目をする。
【0026】
粉末床の形態で、又は粉末の局所的噴霧により、付加製造プロセス中に堆積された金属粉末を溶融又は焼結するために、付加製造での金属の使用は、例えば、100ワット(W)から1キロワット(kW)の範囲にある必要なパワーを送達するのに適したパワー源を一般に必要とする。パワー源(レーザビーム又は電子ビーム)は、高密度化された、及び固められた層を各経路で得るために、高密度な材料を有することが望ましいゾーンを標的にする。
【0027】
堆積された層の典型的な厚さは、20μmから150μmの範囲にありうる。新たな層は、次いで、パワー源で固めるためにゾーンを走査することによって、積層されて固められる。層を堆積するステップと、次いでそれらを高密度化するステップの連続は、所望の形状を有するオブジェクトを得る役目をする。
【0028】
方法の第2の態様では、熱機械的遷移層のために使用される材料のCTEは、3パーツ・パー・ミリオン・パー・摂氏度(ppm/℃)から17ppm/℃の範囲にある。
【0029】
熱機械的遷移層は、このように、金属層のCTEと電子パワーモジュールにマウントされる半導体パワー部品のCTEとの間にあるCTEを呈する。
【0030】
方法の第3の態様では、基板は、絶縁板の第1及び第2の面の少なくとも一方に、金属層及び複数の熱機械的遷移層のスタックを備え、前記少なくとも1つのスタックは、そのCTEにおいて勾配を呈する。
【0031】
熱サイクル中、銅及び半導体パワー部品間のCTEのこの変化は、セラミックにおける、および、金属と半導体との間の相互接続ジョイントにおける、その両方の機械的応力を最小化する役目をし、相互接続ジョイントが半導体を熱遷移層にマウントするためのろう付けに対応し、また、電子パワーモジュールのためのより良い信頼性を得る役目をする。
【0032】
方法の第4の態様では、方法は、基板の第2の面の最後の熱機械的遷移層から付加製造によって放熱器を形成するステップを更に含み、基板の第2の面は、第2の銅層を有する。
【0033】
付加製造を用いて、放熱器を含む熱機械的遷移層を形成することは、電子パワーモジュールの熱抵抗を低下させることと、従来技術で使用されるサーマルインターフェースマテリアルを排除することと、を可能にする。サーマルインターフェースマテリアルは、一般にサーマルグリスである。したがって、サーマルインターフェースを除去することは、特に、その低い熱伝導率と、それが高温で劣化することとに関して、それらと関連する弱点を排除する役目をする。
【0034】
これは、電子パワーモジュールが、極めて高い温度と高いパワーで、使用されるのを可能にする、という結果も有する。
【0035】
加えて、付加製造による放熱器の製作は、空気中の効果的な冷却を提供する、および、放熱器を製作するための知られた従来の技術を用いて作製するにはしばしば複雑過ぎる、複雑な形状を有する放熱器を製作することを可能にする。
【0036】
方法の第5の態様では、方法は、基板の第1の面にマウントされる電子部品を保護するのに適したパッケージを作製し、電子モジュールを外部電気要素に電気的に接続するのに適した接続部を作製するステップを更に含み、パッケージ及び接続部は、基板の第1の面の最後の熱機械的遷移層から付加製造によって形成され、基板の第1の面は、第1の銅層を有する。
【0037】
基板の最後の熱機械的遷移層から付加製造によってパッケージを作製することは、密封式にシールされたパッケージが、ゲルやエポキシなどの従来から使用されている有機材料で作製される絶縁体とは異なっている絶縁体(任意選択で圧力下の、絶縁ガス、高真空、絶縁液体等々などの)で作製されるのを可能にする。
【0038】
加えて、3D印刷によって金属パッケージを製作することは、パッケージを結合するために使用される従来技術の付加的ジョイントに、パッケージに、及び、電子部品をカプセル化するシリコーンゲルに、存在するポリマーを排除することを可能にする。
【0039】
175℃より高い温度で不十分な熱信頼性を呈するポリマーを排除すること、及び、サーマルインターフェースマテリアルを排除することは、電子パワーモジュールが200℃より高い温度で使用されるのを可能にする。
【0040】
この温度範囲で動作する電子パワーモジュールは、特に、航空用途に有利であり、その理由は、制御電子装置を、例えば、ブレーキやエンジンなどの発熱源のより近くに動かすことを可能にするからであり、それによって、より集積されたシステムが得られ、したがって、嵩を減らすことが可能である。
【0041】
可能にされる周囲温度の上昇は、冷却システムの寸法の減少をも可能にし、したがって、パワーコンバータの出力密度の増加を可能にする。
【0042】
金属パッケージは、電磁シールドを備えた電子パワーモジュールを提供する役目もし、それによって、モジュールの電子部品に対する外部電磁妨害の影響を低減する。
【0043】
本発明は、電子パワーモジュール用の基板も提供し、基板は、向かい合った第1及び第2の面を呈する絶縁板を備え、第1の金属層は、絶縁板の第1の面に直接配置され、第2の金属層は、絶縁板の第2の面に直接配置される。基板は、第1及び第2の金属層の少なくとも一方において、金属層の金属の熱膨張率より小さい熱膨張率を呈する材料を含む少なくとも1つの熱機械的遷移層を備える。
【0044】
本発明は、電子パワーモジュールも提供し、第1の面と第1の面に向かい合った第2の面とを呈する基板と、基板の第2の面にマウントされる放熱器とを備え、基板の第1の面は、電子部品を受けるためであり、基板は、上で規定された基板に対応する。
【0045】
本発明は、非限定の指示の例として与えられた以下の説明を読み、添付の図面を参照することで、より良く理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【
図1】上で説明した従来技術で知られている電子パワーモジュールの一例を示す図である。
【
図2】本発明の実施形態の電子パワーモジュールの図である。
【
図3】本発明の実施における電子パワーモジュールを製作する方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0047】
図2は、本発明の一実施形態の電子パワーモジュール20の図である。
【0048】
電子パワーモジュール20は、基板21と、パッケージ22と、放熱器23とを備える。
【0049】
基板21は、セラミック、例えば、Al2O3又はAlNで作られた絶縁板24を備え、第1の面24aと、第1の面24aに向かい合った第2の面24bとを呈する。絶縁板24は、シルクスクリーン印刷によって絶縁板24の第1の面24aと第2の面24bにそれぞれ堆積された第1の銅層25aと第2の銅層25bをも有し、それらの銅層は、アニール処理をうけている。第1の銅層25aは、電子部品26に接続するための電気伝導性トラックを形成し、第2の銅層25bは、放熱器23に熱結合するための熱伝導性トラックを形成する。
【0050】
基板21は、熱機械的遷移層の第1の積層編成(lay-up)27aと、熱機械的遷移層の第2の積層編成27bとをも有する。
【0051】
第1の積層編成27aは、第1の銅層25a上に配置される。示される実施形態では、それは、参照符号271から273が付与された3つの熱機械的遷移層を備え、各熱機械的遷移層271から273は、銅の熱膨張率(CTE)よりも小さいCTEを呈する電気伝導性材料を用いて付加製造によって形成され、銅のCTEは、一般に約17ppm/℃である。
【0052】
図2に示された実施形態では、第1の積層編成27aの第1の熱機械的遷移層271は、約13ppm/℃のCTEを呈し、第2の熱機械的遷移層272は、約10ppm/℃のCTEを呈し、第3の熱機械的遷移層273は、約7ppm/℃のCTEを呈する。第1の積層編成27aの第1の熱機械的遷移層271は、第1の銅層25aと、第2の熱機械的遷移層272と、の間にあり、第2の熱機械的遷移層272は、第1の熱機械的遷移層271と、第3の熱機械的遷移層273と、の間にある。
【0053】
第1の銅層25a及び第1の積層編成27aは、こうしてCTE勾配を呈する第1のスタック28aを一緒に形成し、CTEは、セラミックの絶縁面24の第1の面24aからの層の距離が増加するとともに減少する。
【0054】
第2の積層編成27bは、第2の銅層25b上に配置される。示される実施形態では、それは、参照符号274から276付きの3つの熱機械的遷移層を備え、各熱機械的遷移層274から276は、銅のCTEよりも小さいCTEを呈する熱伝導性材料を用いて付加製造によって形成される。
【0055】
図2に示された実施形態では、第2の積層編成27bの第1の熱機械的遷移層274は、約13ppm/℃のCTEを呈し、第2の熱機械的遷移層275は、約10ppm/℃のCTEを呈し、第3の熱機械的遷移層276は、約7ppm/℃のCTEを呈する。第2の積層編成27bの第1の熱機械的遷移層274は、第2の銅層25bと、第2の熱機械的遷移層275と、の間にあり、第2の熱機械的遷移層275は、第1の熱機械的遷移層274と、第3の熱機械的遷移層276と、の間にある。
【0056】
第2の銅層25b及び第2の積層編成27bは、こうしてCTE勾配を呈する第2のスタック28bを一緒に形成し、CTEは、積層編成の、セラミックで作られた絶縁板24の第2の面24bから離れていく距離に応じて、減少する。
【0057】
基板21は、セラミックで作られた絶縁板24と、第1のスタック28aと、第2のスタック28bとを備える。スタック28a及び28bの個々では、CTEは、スタック内で、図示の実施形態では、7ppm/℃を呈するセラミックで作られた絶縁板24のCTEに近づけるために、又は、3ppm/℃から4ppm/℃を呈しうる半導体電子部品26のCTEに近づけるために、銅層25a又は25bの17ppm/℃から、3ppm/℃から4ppm/℃より大きいか又は等しいCTEまで、変化する。
【0058】
基板の第1及び第2のスタック28a及び28bによって呈せられるCTE勾配は、基板の信頼性を改善し、厚いメタル化層を用いて温度に応じて僅かに湾曲する変動を提供する役目をする。
【0059】
図2に示される実施形態では、電子パワーモジュール20の放熱器23は、第2の積層編成27bの第3の熱機械的遷移層276で作られる。
【0060】
こうして、第2のスタック28bは、放熱器を含み、また、付加製造によって全体的に作製され、そのCTEが第2の銅層25bから放熱器23の方に徐々に減少するようなCTE勾配を呈する。
【0061】
同様な様式で、電子パワーモジュール20のパッケージ22は、第1の積層編成27aの第3の熱機械的遷移層273から作製される。パッケージ22は、第1の積層編成27aの第3の熱機械的遷移層273にマウントされた電子部品26を密封式にカプセル化する役目をする。
【0062】
こうして、第1のスタック28aは、パッケージ22を備え、また、付加製造によって全体的に作製され、CTE勾配を呈し、そのCTEが第1の銅層25aからパッケージ22の方に徐々に減少する。
【0063】
電子パワーモジュール20は、電子パワーモジュール20が示されていない外部電気要素に接続されるのを可能にする接続部29をも有する。接続部29は、第1の積層編成27aの第3の熱機械的遷移層273から同じように作製される。
【0064】
図2で簡略化及び明瞭化のため、パッケージ22のカバーを形成する部分は、示されていないが、それがパッケージ22の統合された部分であるか、そうでなければ、別々に作られて後でパッケージに取り付けられる場合があるとすると、付加製造によって同じように作られうる。
【0065】
図2に示される実施形態では、電子部品26、特に、半導体部品は、ろう付け30によって第1の積層編成の第3の熱機械的遷移層273に締結及び接続される。
【0066】
図3は、
図2に示された電子パワーモジュール20を製作するための本発明の方法の実施のフローチャートを示す。
【0067】
方法の第1のステップ100では、板24のセラミックと相溶性(compatible)のある銅ペーストの各層が、シルクスクリーン印刷によって、セラミック絶縁板24の第1及び第2の面24a及び24bに堆積され、両層は、薄く、典型的には、20μmから50μmの範囲の厚さを呈し、第2の面24bは、
図2の底面に対応し、第1の面24aは、
図2の上面に対応する。第1の面24a上では、銅ペーストは、電気トラックのために意図されたパターンで堆積され、他方、第2の面24b上では、銅ペーストは、ソリッド板として、即ち、絶縁板24の底面24b全体をカバーするように堆積され、底面24bは、電子モジュール20を冷却するためである。
【0068】
例として、銅ペーストは、Al2O3製のセラミック板と相溶性のあるヘレウス又はC7720タイプの工業用ペースト、そうでなければ、AlNセラミックと相溶性のあるC7403又はC7404タイプのペーストであることがある。
【0069】
変形形態では、方法は、直接描画プロセス(インクジェットプロセス、押出ベースのプロセス、エーロゾルベースのプロセス等々)として知られている技術などの、ペースト又はインクから薄い金属層を堆積させるための他の技術を用いることを含むこともある。
【0070】
次のステップ110では、銅ペースト25a及び25bの第1及び第2の層は、次いで、溶剤及び他の有機材料を除去するために、また、銅粒子を焼結するために、約700℃の温度でアニールされる。
【0071】
アニール処理後に得られる第1及び第2の銅層25a及び25bは、絶縁板24のセラミックとの良好な接着性を提供し、それらは、例えば、電子ビームによってまたはレーザによって生成される局所加熱によって、対応する銅層25a及び25bに凝集されるべきである熱機械的遷移層271又は274のそれぞれと良好に結合する。
【0072】
方法の次のステップ120では、銅層25a及び25bに熱機械的遷移層271から276を作製するステップが実行される。
【0073】
絶縁板24の底面24bから始めて作製される、電子パワーモジュール20の底面のために、7ppm/℃から17ppm/℃の範囲のCTEを有する材料の粉末床(powder beds)が、第2の銅層25b上に堆積され、それらは、次いで、平らである面を得るように、面全体の上で、不活性雰囲気中、例えば、アルゴン雰囲気中にパワー源で走査することによって連続的に固められる。
【0074】
より正確には、熱機械的遷移層を形成する第1のステップ121では、第2の積層編成27bの第1の熱機械的遷移層274が、第2の銅層25bの面全体の上に13ppm/℃のCTEを呈する材料の粉末床を堆積することによって、第2の銅層25bに形成され、次いで、第2の積層編成27bの第1の熱機械的遷移層274は、例えば、レーザを用いて、不活性雰囲気中、セラミック板24の底面24bの面全体を走査することによって固められる。
【0075】
熱機械的遷移層を形成する第2のステップ122では、第2の積層編成27bの第2の熱機械的遷移層275が、第1の熱機械的遷移層274の面全体の上に10ppm/℃のCTEを呈する材料の粉末床を堆積することによって、第1の熱機械的遷移層274に形成され、次いで、第2の積層編成27bの第2の熱機械的遷移層275は、例えば、レーザを用いて、不活性雰囲気中、セラミック板24の底面24bの面全体を走査することによって固められる。
【0076】
熱機械的遷移層を形成する第3のステップ123では、第2の積層編成27bの第3の熱機械的遷移層276が、第2の熱機械的遷移層275の面全体の上に7ppm/℃のCTEを呈する材料の粉末床を堆積させることによって、第2の熱機械的遷移層275に形成され、次いで、第2の積層編成27bの第3の熱機械的遷移層276は、例えば、レーザを用いて、不活性雰囲気中、セラミック板24の底面24bの面全体を走査することによって固められる。
【0077】
第1の銅層25aは面全体をカバーしないが、絶縁板24の上面で電気伝導性トラックを形成することを考慮し、パワー源による走査が面全体をカバーしないこと以外は、絶縁板24の上面24aから始めて作製される、電子パワーモジュール20の上面のために、底面のためと同じステップが実行される。
【0078】
より正確には、熱機械的遷移層を形成する第4のステップ124では、第1の積層編成27aの第1の熱機械的遷移層271が、第1の銅層25aによって形成されるトラックだけに13ppm/℃のCTEを呈する材料の粉末床を堆積させることによって、第1の銅層25aに形成され、次いで、第1の積層編成27aの第1の熱機械的遷移層271は、例えば、レーザを用いて、不活性雰囲気中、斯くの如く形成されたトラックを走査することによって固められる。
【0079】
熱機械的遷移層を形成する第5のステップ125では、第1の積層編成27aの第2の熱機械的遷移層272が、第1の熱機械的遷移層271と第1の銅層25aとによって形成されるトラックだけに、10ppm/℃のCTEを呈する材料の粉末床を堆積させることによって、第1の熱機械的遷移層271に形成され、次いで、第1の積層編成27aの第2の熱機械的転移層272は、例えば、レーザを用いて、不活性雰囲気中、斯くの如く形成されたトラックを走査することによって固められる。
【0080】
熱機械的遷移層を形成する第6のステップ126では、第1の積層編成27aの第3の熱機械的遷移層273が、第2の熱機械的遷移層272と第1の熱機械的遷移層271と第1の銅層25aとによって形成されるトラックだけに、7ppm/℃のCTEを呈する材料の粉末床を堆積させることによって、第2の熱機械的遷移層272に形成され、次いで、第1の積層編成27aの第3の熱機械的転移層273は、例えば、レーザを用いて、不活性雰囲気中、斯くの如く形成されたトラックを走査することによって固められる。
【0081】
第1の積層編成27aの上の最後の層、即ち、第3の熱機械的遷移層273は、この層に一般的にろう付けされる半導体部品26のCTEに出来るだけ近いCTE、即ち、約3ppm/℃から4ppm/℃のCTE、を呈することが好ましい。
【0082】
この最後の層273が極めて粗い場合、研摩するステップが、必要な粗さを達成するために実行されることがある。
【0083】
変形形態では、方法は、半導体パワー部品26のろう付け中の酸化を回避するために、また、従来から使用されている技術及び部品取付けプロセスとの互換性を得るために、以下のタイプ:無電解ニッケル浸漬金(electroless nickel immersion gold:ENIG)、無電解ニッケル無電解パラジウム浸漬金(electroless nickel electroless palladium immersion gold:ENEPIG)、無電解パラジウム及び浸漬金めっき(electroless palladium and immersion gold plating:EPIG)、浸漬銀及び浸漬金めっき(immersion silver and immersion gold plating:ISIG)等々の、電子組立体で従来から使用されている種類の仕上げ材を上の最後の層273に堆積させることを含みうる。
【0084】
熱機械的遷移層を形成するために、粉末床を堆積させる代わりに粉末を噴霧することが、想定可能である。
【0085】
層のCTEの変化は、高CTE(銅)の材料中の低CTE材料(W、Mo、アンバー、コバール、ダイヤモンド、SiC、炭素繊維等々)の粉末又は繊維の濃度を変えることによって提供される。
【0086】
熱機械的遷移層のために使用される粉末材料は、例えば、次のリスト:W50Cu50、W60Cu40、W70Cu30、W80Cu20、W90Cu10、Mo50Cu50、Mo60Cu40、Mo70Cu30、Mo80Cu20、Mo85Cu15から選択されることがある。
【0087】
発熱源のパワーは、粒子が金属マトリックスに十分に取り込まれることを確実にするために、混合物中の材料のうちの少なくとも1つを溶融するのに十分でなければならない。上で言及した材料の中で、銅は、最低の溶融温度を呈し、したがって、1085℃であるCuの溶融温度に到達するのを可能にする期間、パワーを送達することが必要である。
【0088】
堆積された各銅層又は各熱機械的遷移層の厚さは、20μmから150μmの範囲内にあり、CTEは、セラミック絶縁板24との境界面から遠ざかって行くと、セラミックのそれに近づいてくる。これは、絶縁板24のセラミックが温度変化中にうける機械的応力を減少させることと、2つの連続的な金属層間に、組立ての失敗をもたらす可能性のある過度の応力を有することなく、様々な層に応力を分散することとを可能にする。
【0089】
底面を製作する間、製作方法は、放熱器23が、例えば、空気中で冷却することに効果のあるフィン、ピン、ラティス等々、または液体を用いて冷却するためのチャネルなどの、様々な複雑な形状を備えて製作されるまで、連続層を印刷することを更に含む。
【0090】
より正確には、方法のステップ130では、積層編成が放熱器23を含むように、放熱器23が、第2の積層編成の第3の熱機械的遷移層276から形成され、これは、第2の積層編成27bの第3の熱機械的遷移層276が形成される熱機械的遷移層を形成する第3のステップ123と一致し得る。
【0091】
電子パワーモジュール20を製作する方法は、こうして、サーマルインターフェースマテリアルを除去することによって、モジュール20の熱抵抗を減少させることを可能にし、放熱器23が、従来の技術を用いて作製するのが極めて困難である複雑な形状を有して製作されるのを可能にする。
【0092】
同じように、上面のために、第1の積層編成27aの第3の熱機械的遷移層273は、熱機械的遷移層を形成する第6のステップ126と一致し得るステップ140の3D印刷によって接続部29及びパッケージ22を作製するように堆積される。
【0093】
電子パワーモジュール20を仕上げるために、ステップ150では、半導体パワー部品26は、次いで、例えば、ろう付け、接着接合、又は焼結などの従来から使用されている任意の技術によって、第1の積層編成27aの最後の層273に装着され、次いで、それらは、例えば、配線によって、金属枠ろう付けによって、又は任意の他の相互接続技術によって、電気的に接続される。
【0094】
最後に、ステップ160では、電子モジュール20は、クロージャが密封の場合に、カプセル化され、即ち、シリコーンゲル、エポキシ、又は絶縁性の液体若しくはガスで充填され、パッケージ22は、第1の積層編成27aの第3の熱機械的遷移層273のために使用される材料と同じ材料を用いて、付加製造によって閉じられる。出ている接続部29のまわりで、接続部とパッケージとの間のパッケージの電気的絶縁性を提供するために、ガラス又はセラミックから絶縁接合部を作製することが可能である。
【0095】
パッケージのクロージャを構成する部分は、ろう付け、焼結、又は何らかの他の組立技術によって、別個に作製されてその後にパッケージに取付けされることがある。