(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-03
(45)【発行日】2022-03-11
(54)【発明の名称】複合セラミック噴霧器及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
C04B 37/00 20060101AFI20220304BHJP
A24F 40/46 20200101ALI20220304BHJP
A24F 40/44 20200101ALI20220304BHJP
A24F 40/70 20200101ALI20220304BHJP
A24F 47/00 20200101ALI20220304BHJP
H05B 3/44 20060101ALI20220304BHJP
H05B 3/10 20060101ALI20220304BHJP
【FI】
C04B37/00 A
A24F40/46
A24F40/44
A24F40/70
A24F47/00
H05B3/44
H05B3/10 A
(21)【出願番号】P 2019560721
(86)(22)【出願日】2017-06-14
(86)【国際出願番号】 CN2017088245
(87)【国際公開番号】W WO2018201561
(87)【国際公開日】2018-11-08
【審査請求日】2019-12-17
(31)【優先権主張番号】201710310965.4
(32)【優先日】2017-05-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】519211616
【氏名又は名称】チャイナ タバコ フゥベイ インダストリアル コーポレーション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100145241
【氏名又は名称】鈴木 康裕
(72)【発明者】
【氏名】リュウ ビン
(72)【発明者】
【氏名】チン イクン
(72)【発明者】
【氏名】ルオ チェンガオ
(72)【発明者】
【氏名】リュウ ファシン
(72)【発明者】
【氏名】ケ ウェイチャン
(72)【発明者】
【氏名】キ フユウ
(72)【発明者】
【氏名】デン テンフェイ
【審査官】田中 永一
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-518856(JP,A)
【文献】特表2016-512703(JP,A)
【文献】特表2017-537634(JP,A)
【文献】国際公開第2003/056949(WO,A1)
【文献】特開平03-114472(JP,A)
【文献】特表2016-509852(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第105725281(CN,A)
【文献】特開平02-204343(JP,A)
【文献】特開平01-133959(JP,A)
【文献】特開平10-251082(JP,A)
【文献】特開昭55-094975(JP,A)
【文献】特開平03-114473(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 47/00
A24F 40/44
A24F 40/46
A24F 40/70
C04B 37/00 - 37/04
H05B 3/10
H05B 3/44
C03C 8/00 - 8/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の本体と、第2の本体と、を含み、
前記第1の本体と前記第2の本体は施釉封着工程によって一体成形されており、前記第1の本体と前記第2の本体は施釉によって形成されたグレーズ面によって接続されており、前記グレーズ面は、第1の本体と第2の本体との接続箇所の表面を
部分的に覆い、
前記第1の本体は、発熱キャリアと加熱するための導電路とを含み、前記導電路が発熱キャリアの表面または内部に形成されて、電源に接続されるための第1の接触部分および第2の接触部分を有し、
前記第2の本体は、液体を伝導するためのものであり、
前記導電路は、抵抗加熱層として完全または部分的に形成され、第2の本体までの厚さが第1の本体までの厚さ以下であり、
2つの第1の本体と1つの第2の本体とで構成されており、そのうち、第2の本体が2つの第1の本体の間に位置し、第1の本体1と第2の本体2は、一部の接触領域に施釉して形成されたグレーズ面3によって接続されているが、施釉されていない部分が即ち、継ぎ目17に形成される、
ことを特徴とする複合セラミック霧化器。
【請求項2】
第1の本体の全体に亘る熱量損耗を減少して第2本体の孔面積を増加させて、霧化効果を高めるために、前記第1の本体は前記第2の本体の表面を部分的に覆う、ことを特徴とする請求項1に記載の複合セラミック霧化器。
【請求項3】
前記抵抗加熱層と第2の本体との距離は0.3mm以下である、ことを特徴とする請求項1に記載の複合セラミック霧化器。
【請求項4】
前記抵抗加熱層は、完全または部分的に、第1の本体の表面を覆い、または、第1の本体内に置かれており、前記抵抗加熱層の抵抗値は、0.02Ω~3Ωである、ことを特徴とする請求項1に記載の複合セラミック霧化器。
【請求項5】
前記第1の接触部分および第2の接触部分は接触点、電源の正極と負極の間に限定されたパターン、導線、または、支持機能を有する導電性ロッドである、ことを特徴とする請求項1に記載の複合セラミック霧化器。
【請求項6】
前記第2の本体は、完全または部分的に、アルミナ多孔質セラミック、炭化ケイ素多孔質セラミック、または窒化ケイ素多孔質セラミックで形成されている、ことを特徴とする請求項1に記載の複合セラミック霧化器。
【請求項7】
前記複合
セラミック霧化器における煙を放出するための空気孔は、第1の本体と第2の本体との接続箇所に予め設けられた継ぎ目、または、第1の本体に予め設けられたチャンネル、または、第2の本体に予め設けられたチャンネルである、ことを特徴とする請求項1に記載の複合セラミック霧化器。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか1項に記載の複合セラミック霧化器の製造方法において、
ステップ1において、第1の本体の表面に施釉して、グレーズ面の厚さを5μm~40μmの範囲に制御し、釉が透明釉であり、透明釉が質量パーセントで次の成分を含み、すなわち、透明フリットを80%~94%、カオリンを5%~19%、および、カルボキシメチルセルロース(CMC)を0.2%~1%含み、そのうち、透明フリットの化学成分が質量パーセント別で、SiO
2を40%~60%、Al
2O
3を2%~15%、Na
2Oを0~8%、K
2Oを0~5%、ZnOを3%~15%、BaOを2%~10%、CaOを5%~15%、MgOを0%~10%含み、釉の融解温度が600℃~1000℃であり、施釉前に、グレーズペーストの粘度を0.5Pa・s~1.5Pa・sに調整し、第1の本体に対して乾燥、すす吹き、水拭取りの工程を施すこと、
ステップ2において、第1の本体を水平さやに置き、第2の本体を第1の本体の上に置き、焼成温度を700℃~1000℃の範囲に制御し、溶融粘度ηの大きさを2<lgη<6に制御すること、を特徴とする製造方法。
【請求項9】
ステップ1における施釉方式は、乾式施釉またはブラッシング施釉である、ことを特徴とする請求項
8に記載の複合セラミック霧化器の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子煙霧化器の技術分野に関し、具体的には、複合セラミック霧化器及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の電子煙霧化器の構造として、中国特許CN103270808Bに記載の以下のような構造が用いられるものが多い。 即ち、霧化コアアセンブリは、電気加熱体と電気加熱体上に取り付けられた液体浸透部材を含み、前記電気加熱体は電熱線を螺旋状に巻かれて形成される。同時に、中国特許CN205624474には、セラミック発熱体と該セラミック発熱体にスモークオイルを供給する導油体とを含むセラミック発熱霧化コアであって、前記セラミック発熱体は、セラミック基体と該セラミック基体に一体成形された発熱素子とを含み、前記導油体は、セラミック発熱体の外周を囲む綿布であり、該綿布が前記給油孔から流入したスモークオイルを吸い込むためのものである、ことを特徴とするセラミック発熱霧化コアが開示されている。
【0003】
上記紹介してきた霧化器はともに、離散した機能部材から構成されており、外部から一定の力が加えられたり、または、物理的構造によって固定されたりすることで1つの整体として形成されるものであり、そのため、その組み立て過程が複雑で、脱落されやすくなる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記背景技術に存在した欠点を解決するためになされたものであり、特殊な焼成プロセスによって一体成形が可能となり、かつ、1つの整体として形成可能となる、電子煙に適した複合セラミック霧化器及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第一の態様によれば、第1の本体と、第2の本体と、を含み、前記第1の本体と前記第2の本体は施釉封着工程によって一体成形されており、前記第1の本体と前記第2の本体は施釉によって形成されたグレーズ面によって接続されており、前記グレーズ面は、第1の本体と第2の本体との接続箇所の表面を完全または部分的に覆い、前記第1の本体は、発熱キャリアと加熱するための導電路とを含み、前記導電路が発熱キャリアの表面または内部に形成されて、電源に接続されるための第1の接触部分および第2の接触部分を有し、前記第2の本体は、液体を伝導するためのものである、ことを特徴とする複合セラミック霧化器を提供する。
【0006】
さらに、前記導電路は、サーキットプリンターによって発熱キャリアに印刷され、その後、十分な温度での還元雰囲気中で一定の時間も継続して、第1の本体を焼成して形成する。
【0007】
さらに、第1の本体の焼成温度が1400℃~1600℃であり、還元雰囲気がH2のガス環境中であり、焼成時間が18h~24hである。
【0008】
さらに、前記導電路は、抵抗加熱層として完全または部分的に形成され、第2の本体までの厚さが第1の本体までの厚さ以下である。
【0009】
さらに、熱量の利用効率を向上させ、霧化効果を高めるために、前記抵抗加熱層と第2の本体との距離は0.3mm以下である。
【0010】
さらに、前記発熱キャリアは、完全または部分的にセラミックで形成されている。
【0011】
さらに、前記導電路は、金属タングステンマンガンペーストと磁器粉と組み合わせで構成されている。
【0012】
さらに、前記抵抗加熱層は、完全または部分的に、第1の本体の表面を覆い、または、第1の本体内に置かれており、前記抵抗加熱層の抵抗値は、0.02Ω~3Ωである。
【0013】
さらに、前記第1の接触部分および第2の接触部分は接触点、電源の正極と負極の間に限定されたパターン、導線、または、支持機能を有する導電性ロッドである。
【0014】
さらに、前記第2の本体は、完全または部分的に、アルミナ多孔質セラミック、炭化ケイ素多孔質セラミック、または窒化ケイ素多孔質セラミックで形成されている。
【0015】
さらに、前記第1の本体と前記第2の本体は、断面形状が円形、中空円形、矩形、又は、三角形であり、半乾式圧縮成形、射出凝固成形又は射出成形によって、最終的に焼成形成されることができる。
【0016】
さらに、第1の本体の全体に亘る熱量損耗を減少して第2本体の孔面積を増加させて、霧化効果を高めるために、前記第1の本体は前記第2の本体の表面を部分的に覆う。
【0017】
さらに、前記複合噴霧器は、2つの第1の本体と1つの第2の本体とで構成されており、そのうち、第2の本体が2つの第1の本体の間に位置し、第1の本体と第2の本体は、一部の接触領域に施釉して形成されたグレーズ面によって接続されている。
【0018】
さらに、前記複合噴霧器における煙を放出するための空気孔は、第1の本体と第2の本体との接続箇所に予め設けられた継ぎ目、または、第1の本体に予め設けられたチャンネル、または、第2の本体に予め設けられたチャンネルである。
【0019】
本発明の第2の態様によれば、第1の本体と第2の本体は施釉封着工程によって一体成形されており、整体として製造される複合セラミック霧化器の製造方法を提供し、具体的なプロセス工程は以下の通りである。
【0020】
ステップ1において、第1の本体の表面に施釉して、グレーズ面の厚さを5μm~40μmの範囲に制御し、釉が透明釉であり、透明釉が質量パーセントで次の成分を含み、すなわち、透明フリットを80%~94%、カオリンを5%~19%、および、カルボキシメチルセルロース(CMC)を0.2%~1%含み、そのうち、透明フリットの化学成分が質量パーセント別で、SiO2を40%~60%、Al2O3を2%~15%、Na2Oを0~8%、K2Oを0~5%、ZnOを3%~15%、BaOを2%~10%、CaOを5%~15%、MgOを0%~10%含み、釉の融解温度が600℃~1000℃であり、施釉前に、グレーズペーストの粘度を0.5Pa・s~1.5Pa・sに調整し、第1の本体に対して乾燥、すす吹き、水拭取りの工程を施される。
【0021】
ステップ2において、第1の本体を水平さやに置き、第2の本体を第1の本体の上に置き、焼成温度を700℃~1000℃の範囲に制御し、溶融粘度ηの大きさを2<lgη<6に制御する。
【0022】
さらに、ステップ1における施釉方式は、乾式施釉またはブラッシング施釉である。
【0023】
上記プロセス工程において、釉のペースト粘度からの施釉プロセスへの影響が非常に大きく、釉の成分のうちの透明フリットの配合が溶融粘度(η)に対して影響を与えるものであり、溶融粘度(η)の大きさが封着効果に対して直接な影響を与える。溶融粘度が小さくなると、多孔質セラミックが毛細管力によって釉を吸収してしまうことが発生しやすくなり、粘度が大きすぎると、釉が展開しにくくなり、さらに、多孔質セラミックとMCHセラミックの結合度が高くなくなる。溶融粘度の大きさは、2<lgη<6の範囲内に制御されるべきである。
【0024】
本発明による有益な効果は以下の通りである。多孔質セラミック材料と発熱セラミック材料を、施釉焼成プロセスによって一体的に封着成形したので、強度が高く、使用寿命が長く、同時に、清浄で安全な多孔質セラミック材料が導液に用いられ、均一に発熱するセラミック材料は加熱霧化のために用いられたことで、スモークオイルの炭化およびフライ現象の発生を避ける。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】本発明の実施例一に係る第1の本体の平面図である。
【
図3】発明の実施例一に係る霧化器の電子煙構造概略図である。
【
図4】本発明の実施例二に係る第1の本体の平面図である。
【0026】
添付図面において、1 第1の本体、2 第2の本体、3 グレーズ面、4 導電路、 5 抵抗加熱層、6 空気孔、7 第1の接触部分、8 第2の接触部分、9 中空部分、10 第1の筐体、11 第2の筐体、12 オイルカップ、13 凹溝、14 霧化器、15 ベース、17 継ぎ目。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下は、具体的な実施例により、本発明の技術案を明瞭かつ完全に記述する。理解すべきなのは、ここに記載の具体的な実施例は、本発明を解釈するためのものに過ぎず、本発明を限定するものではない。
【0028】
実施例一
図1、
図2、および、
図3を参照して、複合セラミック噴霧器14は、第1の本体1と第2の本体2を含み、前記第1の本体1と前記第2の本体2は施釉封着工程によって一体成形されており、前記第1の本体1と前記第2の本体2は施釉によって形成されたグレーズ面3によって接続されている。前記グレーズ面3は、部分的に、第1の本体1と第2の本体2との接続箇所の表面を覆う。前記第1の本体1は、発熱キャリアと加熱するための導電路4とを含み、前記導電路4が発熱キャリアの内部に形成されて、電源に接続されるための第1の接触部分7および第2の接触部分8を有し、前記第2の本体2は、窒化ケイ素多孔質セラミックで形成されており、液体を伝導するためのものである。
【0029】
導電路4は、サーキットプリンターによって抵抗層を発熱キャリアに印刷して形成されてもよく、その後、発熱キャリア及びその上に印刷された抵抗層を1600℃でのH2のガス環境中にて24hも焼成して第1の本体1を形成する。導電路4における一部の抵抗層回路が抵抗加熱層5であり、残りの回路が導電とされる。抵抗加熱層5は、第2の本体2までの距離が0.1mmである。発熱キャリアは、完全に高密度セラミックで形成されており、抵抗加熱層5は、金属タングステンマンガンペーストと磁器粉と組み合わせで構成されてもよい。
【0030】
抵抗加熱層5は、第1の本体1内に置かれて、前記抵抗値が0.02Ω~3Ωである。導電路4は発熱キャリアにおいて種々のパターンに形成されてもよい。前記第1の接触部分7および第2の接触部分8は接触点である。
【0031】
前記第1の本体1と前記第2の本体2の断面形状が円形、中空円形、矩形、又は、三角形を含むが、それらに限られず、半乾式圧縮成形、射出凝固成形又は射出成形によって、最終的に焼成形成されることができる。
【0032】
前記複合噴霧器14における煙を放出するための空気孔は、第1の本体に空気孔6を予め設けて、または、中空部分9を設けて形成した。
【0033】
図3に示すように、当該複合セラミック噴霧器14を含む電子煙は、第1の筐体10と第2の筐体11を含み、第1の筐体10と第2の筐体11が互いに入れ子状となって1つの整体を構成し、第1の筐体10には、シリコンベース15が入れ子式に接続されており、前記複合セラミック噴霧器14がその上に固定されている。第1の筐体10内にはオイルカップ12が設けられており、前記オイルカップ12の底部には凹溝13が設けられており、前記凹溝13内には繊維油誘導綿が設けられており、オイルカップ12が第1の筐体内に挿入されると、凹溝13内の繊維油誘導綿はセラミック噴霧器14の第2の本体2に接触する。前記第1の筐体10とオイルカップ12の間には、気体を流通するための空気通路16が形成されている。
【0034】
当該電子煙を吸う際に、スモークオイルがオイルカップ12内で凹溝13内の繊維油誘導綿を介して第2の本体12の表面に伝導かれ、その後、第1の本体1は第2の本体2上のスモークオイルを霧化し、霧化されたスモークが予め設けられた空気孔6、中空部分9、および、第2の本体2の内部から逸出され、空気通路16を介して消費者によって吸い込まれる。
【0035】
実施例二
図4、
図5に示すように、複合セラミック噴霧器14は、第1の本体1と第2の本体2を含み、前記第1の本体1と前記第2の本体2は施釉封着工程によって一体成形されており、前記第1の本体1と前記第2の本体2は施釉によって形成されたグレーズ面3によって接続されており、前記グレーズ面3は、部分的に、第1の本体1と第2の本体2との接続箇所の表面を覆う。前記第1の本体1は、発熱キャリアと加熱するための導電路4とを含み、前記導電路4が発熱キャリアの表面に形成されて、電源に接続されるための第1の接触部分7および第2の接触部分8を有し、本実施例に記載の第1の接触部分7と第2の接触部分8が導電性ロッドである。前記第2の本体2は、炭化ケイ素多孔質セラミックで形成されており、液体を伝導するためのものである。
【0036】
導電路4は、サーキットプリンターによって抵抗層を発熱キャリアに印刷し、その後、発熱キャリア及びその上に印刷された抵抗層を1400℃でのH2のガス環境中にて18hも焼成して第1の本体1を形成する。導電路4は、完全に抵抗加熱層を形成し、第2の本体2までの距離が0.3mmである。発熱キャリアは、部分的に高密度セラミックで形成されており、導電路4は、金属タングステンマンガンペーストと磁器粉と組み合わせで構成されてもよい。
【0037】
導電路4は、部分的に第1の本体1の表面を覆い、前記抵抗値が0.02Ω~3Ωである。
【0038】
前記複合噴霧器14における煙を放出するための空気孔は、第1の本体1と第2の本体2との接続箇所に予め設けられた継ぎ目17である。
【0039】
本実施例に記載の複合噴霧器14は、2つの第1の本体1と1つの第2の本体2を、一定の構造及び順序に従って、互いに接触し複合させて1つの整体として形成する。
図5に示すように、その一実施例では、前記複合噴霧器は、2つの第1の本体1と1つの第2の本体2とで構成されており、そのうち、第2の本体2が2つの第1の本体1の間に位置し、第1の本体1と第2の本体2は、一部の接触領域に施釉して形成されたグレーズ面3によって接続されているが、施釉されていない部分が即ち、継ぎ目17に形成される。
【0040】
上記実施例に記載の前記第1の本体1と前記第2の本体2の断面形状が円形、中空円形、矩形、又は、三角形を含むが、それらに限られず、半乾式圧縮成形、射出凝固成形又は射出成形によって、最終的に焼成形成されることができる。他の実施例では、前記第1の接触部分7および第2の接触部分8はさらに、電源の正極と負極の間に限定されたパターンまたは導線であってもよい。
【0041】
実施例三
複合セラミック霧化器14の製造方法であって、複合セラミック霧化器14は、第1の本体1と第2の本体2が施釉封着工程によって一体成形されており、整体として製造され、具体的なプロセス工程は以下の通りである。
【0042】
ステップ1において、第1の本体1の表面に施釉して、施釉方式は、乾式施釉またはブラッシング施釉であり、グレーズ面の厚さが30μmで、釉が透明釉であり、透明釉の各物質成分が質量パーセントで以下のような割合を有する。
【0043】
透明フリットを80%、カオリンを19%、カルボキシメチルセルロース(CMC)を1%含む。透明フリットの化学成分が質量パーセント別で、SiO2を(60%)、Al2O3を(15%)、Na2Oを(2%)、K2Oを(2%)、ZnOを(5%)、BaOを(5%)、CaOを(9%)、MgOを(2%)含む。釉の融解温度が600℃~1000℃であり、施釉前に、グレーズペーストの粘度を1.5Pa・sに調整し、第1の本体1に対して乾燥、すす吹き、水拭取りなどの工程を施される。
【0044】
ステップ2において、第1の本体1を水平さやに置き、第2の本体2を第1の本体1の上に置き、焼成温度を800℃に制御し、溶融粘度ηの大きさをlgη=5.2に制御する。
【0045】
実施例四
複合セラミック霧化器14の製造方法であって、第1の本体1と第2の本体2は施釉封着工程によって一体成形されており、整体として製造され、具体的なプロセス工程は以下の通りである、ことを特徴とする。
【0046】
ステップ1において、第1の本体1の表面に施釉して、グレーズ面の厚さが40μmで、施釉方式は、乾式施釉またはブラッシング施釉であり、釉が透明釉であり、透明釉の各物質成分が質量パーセントで以下のような割合を有する。
【0047】
透明フリットを94%、カオリンを5.8%、カルボキシメチルセルロース(CMC)を0.2%含む。透明フリットの化学成分が質量パーセント別で、SiO2を(50%)、Al2O3を(12%)、Na2Oを(4%)、K2Oを(2%)、ZnOを(10%)、BaOを(2%)、CaOを(12%)、MgOを(8%)含む。釉の融解温度が600℃~1000℃であり、施釉前に、グレーズペーストの粘度を0.5Pa・sに調整し、第1の本体1に対して乾燥、すす吹き、水拭取りなどの工程を施される。
【0048】
ステップ2において、第1の本体1を水平さやに置き、第2の本体2を第1の本体1の上に置き、その後、第1の本体1を第2の本体2に置き、焼成温度を1000℃に制御し、溶融粘度ηの大きさをlgη=4.5に制御する。
【0049】
実施例五
複合セラミック霧化器14の製造方法であって、第1の本体1と第2の本体2は施釉封着工程によって一体成形されており、整体として製造され、具体的なプロセス工程は以下の通りである、ことを特徴とする。
【0050】
ステップ1において、第1の本体1の表面に施釉して、グレーズ面の厚さが40μmで、施釉方式は、乾式施釉またはブラッシング施釉であり、釉が透明釉であり、透明釉の各物質成分が質量パーセントで以下のような割合を有する。
【0051】
透明フリットを94%、カオリンを5.5%、カルボキシメチルセルロース(CMC)を0.5%含む。透明フリットの化学成分が質量パーセント別で、SiO2を(50%)、Al2O3を(10%)、Na2Oを(8%)、K2Oを(5%)、ZnOを(10%)、BaOを(2%)、CaOを(7%)、MgOを(8%)含む。釉の融解温度が600℃~1000℃であり、施釉前に、グレーズペーストの粘度を0.8Pa・sに調整し、第1の本体1に対して乾燥、すす吹き、水拭取りなどの工程を施される。
【0052】
ステップ2において、第1の本体1を水平さやに置き、第2の本体2を第1の本体1の上に置き、焼成温度を1000℃に制御し、溶融粘度ηの大きさをlgη=3に制御する。
【0053】
【0054】
カルボキシメチルセルロース(CMC)は主に、グレーズペーストの粘度を調節するために用いられ、それにより、グレーズペーストの粘度が施釉プロセスにおいてより良く広がるようになり、第2の本体内に浸入してしまうことも回避できる。釉の配合では、透明フリットにおいて、シリカSiO2の含有量が高いほど、酸化カリウムK2Oおよび酸化ナトリウムNa2Oの含有量が低くなり、焼成の高温状態では、溶融粘度が高いほど、釉が第1及び第2の本体とよく接触できなくなり、接着強度が高くなくなり、透明フリットにおいて、シリカSiO2の含有量が少なくなり、酸化カリウムK2Oおよび酸化ナトリウムNa2Oの含有量が大きくなるほど、焼成の高温状態では、溶融粘度が小さいほど、釉がさらに第2の本体内に浸入してしまい、孔を塞げ、接着強度も高くないため、適切な釉の配合はペースト粘度と溶融粘度を含むことは、本技術の肝心なことである。
【0055】
以上に説明してきたのは、本発明の具体的な実施の形態に過ぎず、本発明の保護範囲はそれに限られていない。本技術分野に属するいかなる技術者は、本発明に開示の技術範囲内に容易に想到できる変化または切替がいずれも、本発明の保護範囲内にカバーされるものである。