(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-04
(45)【発行日】2022-03-14
(54)【発明の名称】19×19乗算表の分布傾向図
(51)【国際特許分類】
G09B 19/02 20060101AFI20220307BHJP
B42D 15/00 20060101ALI20220307BHJP
【FI】
G09B19/02 F
B42D15/00 301J
(21)【出願番号】P 2019149498
(22)【出願日】2019-07-31
【審査請求日】2020-02-12
(73)【特許権者】
【識別番号】517295193
【氏名又は名称】佐々木 康博
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 康博
【審査官】西村 民男
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-32499(JP,A)
【文献】米国特許第5098301(US,A)
【文献】横田秀珠,インド式20×20掛け算より効果的な数字の積32個を暗記の訳,YokotaShurin.com,2015年10月14日,https://yokotashurin.com/etc/multiplication-table.html,[online], 2018年9月21日検索
【文献】九九表が楽しくなる数学のお話,ギズモード・ジャパン[online],2015年06月18日,https://www.gizmodo.jp/2015/06/post_17380.html,[2021年3月11日検索]
【文献】20×20掛け算表 D-001646-ポスターのデザイン,Win-WinWeb素材集,2013年08月04日,http://w3s.jp/dtps/php?id=1646,[online], 2018年9月21日検索
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09B 1/00- 9/56,
17/00-19/26,
A63H 1/00-37/00,
B42D 1/00-15/00,
15/04-19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
19×19乗算表を、第1区画、第2区画、第3区画、及び第4区画に区分けし、
前記第1区画は「九九の範囲」であり、
前記第2区画は「(縦範囲1~9)×(横範囲10~19)」であり、
前記第3区画は「(縦範囲10~19)×(横範囲1~9)」であり、
前記第4区画は「(縦範囲10~19)×(横範囲10~19)」であり、
前記第1区画の縦横同数乗算の乗算正答を識別色(分類)AXとし、
前記第1区画の縦第1段マス目及び横第1段マス目の乗算正答2、3、4、5、6、7、8、9を識別色(分類)AYとし、
前記第1区画の識別色(分類)AX及び識別色(分類)AY以外の乗算正答を前記識別色(分類)AX・AYと異なる別色(分類)AZとし、
前記第2区画及び前記第3区画の乗算正答11、24、39、56、75、96、119、144、171を識別色(分類)BXとし、
前記第2区画の横第1段及び縦第10段マス目、並びに、前記第3区画の縦第1段及び横第10段マス目の乗算正答10、12、13、14、15、16、17、18、19、20、30、40、50、60、70、80、90を識別色(分類)BYとし、
前記第2区画及び前記第3区画の識別色(分類)BXの両ラインより乗算表に対して内側に属する乗算正答22、33、44、55、66、77、88、99、36、48、60、72、84、96、108、52、65、78、91、104、117、70、84、98、112、126、90、105、120、135、112、128、144、136、153、162を前記識別色(分類)BX・BYと異なる別色(分類)BZとし、
前記第2区画及び前記第3区画の識別色(分類)BXの両ラインより乗算表に対して外側に属する乗算正答26、28、42、30、45、60、32、48、64、80、34、51、68、85、102、36、54、72、90、108、126、38、57、76、95、114、133、152を前記識別色(分類)BX・BYと異なる別色(分類)BSとし、
前記第4区画の縦横同数乗算の乗算正答の100以外を識別色(分類)
CXとし、
前記第4区画の縦第10段マス目及び横第10段マス目の乗算正答110、120、130、140、150、160、170、180、190を識別色(分類)CYとし、
前記第4区画の識別色(分類)CX及び識別色(分類)CY及び乗算正答100以外の乗算正答を前記識別色(分類)CX・CYと異なる別色(分類)CZとすることを特徴とする学習教材または事務用品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、19×19までの乗算正答の分布傾向を洞察させる学習教材である。分布傾
向を「見て」「洞察し」「考える」ことによって、乗算正答を記憶するために手助けとな
る学習教材でもある。
素早く正答確認するための学習教材または事務用品でもある。
【背景技術】
【0002】
従来の19×19乗算表は、「縦19のマス目」と「横19のマス目」に数字を同等に羅列するだけのものだった。(
図5参照)
それを見やすく工夫された乗算表が発明された。(特許文献1参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の乗算表では、乗算正答の分布傾向を「左下側(
図4a)」と「右上側(
図4b)」でのみ認識するものであった。
その分布傾向をさらに整理・細分化することによって、特許文献1の乗算表とは異なる乗算正答の分布傾向の存在を発現させることを課題とする。
乗算正答の分布法則性をより細やかに「見える」ようにすることで、19×19乗算表の
数字配列構造の理解を促進向上させることを課題とする。
【0005】
特許文献1の乗算表は、「11×11=121」「12×12=144」「13×13=169」「14×14=196」「15×15=225」「16×16=256」「17×17=289」「18×18=324」「19×19=361」の縦横同数乗算の乗算正答が分類的に強調されている。その分類強調の「効果」を拡張することによって、特許文献1とは異なる乗算正答の分布傾向の存在を、証明することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
19×19乗算表を、第1区画、第2区画、第3区画、及び第4区画に区分けした。(図
2参照)
前記第1区画は「九九の範囲」。
前記第2区画は「(縦範囲1~9)×(横範囲10~19)」。
前記第3区画は「(縦範囲10~19)×(横範囲1~9)」。
前記第4区画は「(縦範囲10~19)×(横範囲10~19)」。
【0007】
第1区画の縦横同数乗算の乗算正答を識別色(分類)AXとし、
前記第1区画の縦第1段マス目及び横第1段マス目の乗算正答2、3、4、5、6、7、
8、9を識別色(分類)AYとし、
前記第1区画の識別色(分類)AX及び識別色(分類)AY以外の乗算正答を前記識別色
(分類)AX・AYと異なる別色(分類)AZとした。(
図3参照)
【0008】
第2区画及び第3区画の乗算正答11、24、39、56、75、96、119、144
、171を識別色(分類)BXとし、
前記第2区画の横第1段及び縦第10段マス目、並びに、前記第3区画の縦第1段及び横
第10段マス目の乗算正答10、12、13、14、15、16、17、18、19、2
0、30、40、50、60、70、80、90を識別色(分類)BYとし、
前記第2区画及び前記第3区画の識別色(分類)BXの両ラインより乗算表に対して内側
に属する乗算正答22、33、44、55、6
6、77、88、99、36、48、60
、72、84、96、108、52、65、78、91、104、117、70、84、
98、112、126、90、105、120、135、112、128、144、13
6、153、162を前記識別色(分類)BX・BYと異なる別色(分類)BZとし、
前記第2区画及び前記第3区画の識別色(分類)BXの両ラインより乗算表に対して外側
に属する乗算正答26、28、42、30、45、60、32、48、64、80、34
、51、68、85、102、36、54、72、90、108、126、38、57、
76、95、114、133、152を前記識別色(分類)BX・BYと異なる別色(分
類)BSとした。(
図3参照)
【0009】
第4区画の縦横同数乗算の乗算正答の100以外を識別色(分類)CXとし、
前記第4区画の縦第10段マス目及び横第10段マス目の乗算正答110、120、13
0、140、150、160、170、180、190を識別色(分類)CYとし、
前記第4区画の識別色(分類)CX及び識別色(分類)CY及び乗算正答100以外の乗
算正答を前記識別色(分類)CX・CYと異なる別色(分類)CZとした。(
図3参照)
【発明の効果】
【0010】
乗算正答を4区画(
図2参照)に
区分けし、かつ、識別色(分類)AY・BY・CYが4区画の構造を補完強調し、かつ、識別色(分類)AXライン・識別色(分類)BXライン・識別色(分類)CXラインの存在により、特許文献1とは異なる乗算正答の細やかな分布傾向が発現する。
第1区画は、識別色(分類)AXのラインに対して、別色(分類)AZが線対称になっているのが「見える」ようになる。
第2区画・第3区画は、識別色(分類)AXと識別色(分類)CXのラインに対して、別色(分類)BZ・BSが以下のように線対称になっているのが「見える」ようになる。別色(分類)BZは、識別色(分類)BXの両ラインに対して内側に。別色(分類)BSは、識別色(分類)BXの両ラインに対して外側に。
第4区画は、識別色(分類)CXのラインに対して、別色(分類)CZが線対称になっているのが「見える」ようになる。
以上により、19×19乗算表の数字配列構造の理解促進が向上する。
【0011】
各区画を各分類したことにより、以下の分布傾向・法則性が視覚的に発現する。
第1区画は自区画内で線対称性が完結。
第4区画は自区画内で線対称性が完結。
第2区画及び第3区画は、第2及び第3両区間をまたぐことよって、線対称性が存在する。
以上により、19×19乗算表の数字配列構造の理解促進が向上する。
【0012】
特許文献1(請求項3)を応用することによって、識別色(分類)AY・BY・CYの「それぞれのライン」の存在が、乗算正答でありながら、かつ、「掛け合わせ元の数字」に見える。よって、乗算正答の枠外に(本来)存在する「掛け合わせ元となる数字」を取り払うことが可能となる。
そうすることによって、19×19乗算表中の数字存在の全てが「分布図としての数字」に帰結させることができる。分布傾向を把握する図としての役割を必要最低限の情報でまとめられることは、数字配列構造の理解促進をさらに促す効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の実施形態を示す19×19乗算表の分布傾向図
【
図2】本発明の実施形態を示す19×19乗算表を4区画に
区分けした説明図
【
図3】本発明の実施形態を示す19×19乗算表を各分類化した説明図
【
図4】特許文献1による19×19乗算表の分布傾向の説明図
【
図5】数字を羅列しただけの一般的な19×19乗算表
【発明を実施するための形態】
【0014】
この発明の基本実施形態を、
図1に示す。
縦19マス、横19マスが「19×19」の掛け合わせを表している。
【実施例】
【0015】
この実施形態によれば、19×19乗算表は、4つに区分けされている。さらに、乗算正答の分布傾向を「見える」ようにするための分類が施されている。
詳細については段落番号0006~0009と同様である。
【産業上の利用可能性】
【0016】
19×19乗算表は、数字の羅列にすぎない。そこに羅列ではない法則が「見える」ようになれば、そっけない19×19乗算表が「考えることを誘発」するものに進化する。本発明は、分布傾向を整理分類することにより、記憶補強・洞察するための工夫がされている。
【0017】
文部科学省では2020年から小学校での「プログラミング教育の必修化」を検討している。それに伴い19×19までの乗算を記憶すること、分布傾向を洞察することは、プログラミング思考の瞬間的な「ひらめき」効果を誘発し、有意義なものである。少子高齢化によるIT人材の不足を補う「とっかかり」になるべく乗算表分布図である。