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特許7034478検索システム、検索装置、及び検索プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-04
(45)【発行日】2022-03-14
(54)【発明の名称】検索システム、検索装置、及び検索プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 16/33 20190101AFI20220307BHJP
   G06F 16/387 20190101ALI20220307BHJP
   G06F 16/903 20190101ALI20220307BHJP
【FI】
G06F16/33
G06F16/387
G06F16/903
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2018045181
(22)【出願日】2018-03-13
(65)【公開番号】P2019159758
(43)【公開日】2019-09-19
【審査請求日】2021-01-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000147833
【氏名又は名称】株式会社イシダ
(74)【代理人】
【識別番号】110001564
【氏名又は名称】フェリシテ特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】中川 祐治
(72)【発明者】
【氏名】川西 猶人
【審査官】田川 泰宏
(56)【参考文献】
【文献】特開平06-325092(JP,A)
【文献】特開平08-190565(JP,A)
【文献】特開平05-216870(JP,A)
【文献】特開2006-217215(JP,A)
【文献】特開2009-277071(JP,A)
【文献】特開2004-265217(JP,A)
【文献】特開2013-041550(JP,A)
【文献】特開2005-275676(JP,A)
【文献】国際公開第2013/134284(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 16/33
G06F 16/387
G06F 16/903
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1テキストデータに基づいて、前記第1テキストデータ中の少なくとも一部の文字を所定の変換法則によって第1文字体系から第2文字体系に変換して得られた変換データをデータベースに登録する登録部と、
検索対象に関する第2テキストデータ中の少なくとも一部の文字を前記所定の変換法則と同一の変換法則によって前記第2文字体系に変換して得られた検索用データを取得する検索用データ取得部と、
前記検索用データ取得部によって取得された前記検索用データを含む前記変換データを、前記データベースの中から検索する検索実行部と、を備える、検索システム。
【請求項2】
前記検索対象に関する音声データを入力する音声データ入力部と、
前記音声データを音声認識によってテキスト変換して得られたテキストデータを前記第2テキストデータとして取得するテキストデータ取得部と、を備える、請求項1に記載の検索システム。
【請求項3】
前記検索用データは、前記検索対象に関する2以上の単語を含み、
前記検索実行部は、前記2以上の単語の全てを含む前記変換データを前記データベースの中から検索する、請求項1又は2に記載の検索システム。
【請求項4】
前記検索実行部による検索結果に関するテキストデータを音声変換して得られた音声データを取得する音声データ取得部と、
前記音声データ取得部によって取得された音声データを出力する音声データ出力部と、を備える、請求項1~3の何れか一項に記載の検索システム。
【請求項5】
前記データベースを定期的に更新する更新部を備え、
前記更新部は、前記データベースに前記変換データが登録された物のうち、当該検索システムにおいて使用されない期間が所定期間を超える物に関する情報を前記データベースから削除する、請求項1~4の何れか一項に記載の検索システム。
【請求項6】
処理対象物に対する処理を行う処理装置を備え、
前記処理装置は、
前記処理対象物に関する情報を記憶するローカルデータベースと、
前記検索実行部によって前記変換データが検索された物に関する情報を前記ローカルデータベースから読み出し、読み出した情報を表示する制御部と、を備える、請求項1~5の何れか一項に記載の検索システム。
【請求項7】
前記検索実行部によって前記変換データが検索された物が複数存在する場合、前記制御部は、当該複数の物のうち当該検索システムにおいて使用された実績が最も多い物に関する情報を優先的に表示する、請求項6に記載の検索システム。
【請求項8】
前記第1文字体系は、漢字であり、
前記第2文字体系は、平仮名又は片仮名である、請求項1~7の何れか一項に記載に記載の検索システム。
【請求項9】
第1テキストデータに基づいて、前記第1テキストデータ中の少なくとも一部の文字を所定の変換法則によって第1文字体系から第2文字体系に変換して得られた変換データをデータベースに登録する登録部と、
検索対象に関する第2テキストデータ中の少なくとも一部の文字を前記所定の変換法則と同一の変換法則によって前記第2文字体系に変換して得られた検索用データを取得する検索用データ取得部と、
前記検索用データ取得部によって取得された前記検索用データを含む前記変換データを、前記データベースの中から検索する検索実行部と、を備える、検索装置。
【請求項10】
コンピュータを請求項9に記載の検索装置として機能させる、検索プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検索システム、検索装置、及び検索プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、漢字混じりで表記したテキストデータを、その読み仮名とともにデータベースに登録しておき、検索時には、読み仮名を検索キー(検索用データ)として用いてデータベースに対する検索を行う検索システムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2006-011945号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
読み仮名がデータベースに登録される前提下において、漢字混じりで表記したテキストデータを検索キーとして用いて検索する場合には、かかる検索キーを読み仮名に変換したうえで検索を行う必要がある。
【0005】
しかしながら、漢字には複数通りの読み仮名が存在し得る。このため、漢字混じりの検索キーを読み仮名に変換すると、データベースに登録された読み仮名と、検索時に変換して得られた読み仮名とが合致せず、検索時にヒットしないことがある。よって、検索のヒット率を高めることができず、効率的な検索を行うことができないという問題がある。
【0006】
そこで、本発明は、効率的な検索が可能な検索システム、検索装置、及び検索プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の特徴に係る検索システムは、第1テキストデータに基づいて、前記第1テキストデータ中の少なくとも一部の文字を所定の変換法則によって第1文字体系から第2文字体系に変換して得られた変換データをデータベースに登録する登録部と、検索対象に関する第2テキストデータ中の少なくとも一部の文字を前記所定の変換法則と同一の変換法則によって前記第2文字体系に変換して得られた検索用データを取得する検索用データ取得部と、前記検索用データ取得部によって取得された前記検索用データを含む前記変換データを、前記データベースの中から検索する検索実行部と、を備える。
【0008】
第2の特徴に係る検索装置は、第1テキストデータに基づいて、前記第1テキストデータ中の少なくとも一部の文字を所定の変換法則によって第1文字体系から第2文字体系に変換して得られた変換データをデータベースに登録する登録部と、検索対象に関する第2テキストデータ中の少なくとも一部の文字を前記所定の変換法則と同一の変換法則によって前記第2文字体系に変換して得られた検索用データを取得する検索用データ取得部と、前記検索用データ取得部によって取得された前記検索用データを含む前記変換データを、前記データベースの中から検索する検索実行部と、を備える。
【0009】
第3の特徴に係る検索プログラムは、コンピュータを第2の特徴に係る検索装置として機能させる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、効率的な検索が可能な検索システム、検索装置、及び検索プログラムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】実施形態に係る検索システムの構成を示す図である。
図2】実施形態に係るDBに記憶された情報の一例を示す図である。
図3】実施形態に係る検索装置の構成及び処理装置の構成を示す図である。
図4】実施形態に係るDB登録シーケンスの一例を示す図である。
図5】実施形態に係るDB検索シーケンスの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。本実施形態に係る検索システムは、商品を検索対象とする商品検索システムである。以下の実施形態における図面において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付す。
【0013】
(1)システム構成
本実施形態に係る商品検索システムの構成について説明する。図1は、本実施形態に係る商品検索システムの構成を示す図である。
【0014】
図1に示すように、本実施形態に係る商品検索システムは、ローカルサーバ10と、商品検索装置100と、商品処理装置200と、音声/テキスト変換サーバ20と、漢字/平仮名変換サーバ30と、商品データベース(DB)40と、テキスト/音声変換サーバ50とを備える。商品検索装置100は、検索装置の一例である。商品処理装置200は、処理対象物に対する処理を行う処理装置の一例である。商品DB40は、データベースの一例である。
【0015】
ローカルサーバ10、商品検索装置100、及び商品処理装置200は、店舗内のLAN(Local Area Network)1に接続される。店舗は、例えば、食品を商品として取り扱うスーパーマーケットである。或いは、LAN1、ローカルサーバ10、商品検索装置100、及び商品処理装置200は、店舗に供給する商品を加工するプロセスセンター等に設けられてもよい。なお、LAN1は、有線LANであってもよいし、無線LANであってもよい。
【0016】
一方、音声/テキスト変換サーバ20、漢字/平仮名変換サーバ30、商品DB40、及びテキスト/音声変換サーバ50は、インターネット2に接続される。或いは、音声/テキスト変換サーバ20、漢字/平仮名変換サーバ30、商品DB40、及びテキスト/音声変換サーバ50のうち少なくとも1つは、ローカルサーバ10、商品検索装置100、及び商品処理装置200が設けられる施設と同一施設に設けられ、LAN1に接続されてもよい。
【0017】
商品処理装置200は、商品に対する処理を行う装置である。本実施形態において、商品処理装置200は、商品の計量、商品の包装、商品の包装に対するラベルの印字及び貼り付けを行う。具体的には、商品処理装置200は、単位重量あたりの値段を商品ごとに記憶しており、計量された商品の重量から商品の値段を算出し、算出した値段をラベルに印字して包装に貼り付ける。ユーザは、商品を指定したうえで、この商品の単位重量あたりの値段を商品処理装置200に登録したり、この商品の計量包装を行うために商品処理装置200に商品をセットしたりする。なお、店舗内で取り扱う商品の数は多いため、ユーザが所望の商品を手入力で指定することは容易ではない。
【0018】
ローカルサーバ10は、店舗内の商品に関する情報を記憶及び管理する装置である。商品に関する情報は、商品番号及び商品名を含む。商品番号は、各商品に割り当てられる番号であって、店舗内で商品を一意に識別する情報である。商品名は、商品の名称を表すテキスト(文字列)である。ローカルサーバ10は、店舗内の商品に関する情報を定期的に更新する。例えば店舗がスーパーマーケットである場合、ローカルサーバ10は、商品に関する情報の更新を毎日(毎朝)行う。
【0019】
商品検索装置100は、商品処理装置200を使用するユーザが、商品処理装置200の処理対象とするべき商品に関する情報を検索するために用いる装置である。本実施形態において、商品検索装置100は、商品名に関する音声がユーザから入力され、音声による商品検索を行って検索結果を出力する。かかる音声検索を可能とすることにより、キーボード等を用いたテキスト入力による商品検索に比べてユーザの利便性を向上させることができる。また、商品検索装置100は、ローカルサーバ10からLAN1経由で入力される商品情報に基づいて、商品DB40に対する商品情報の登録及び更新も行う。
【0020】
音声/テキスト変換サーバ20は、音声データを音声認識によってテキストデータに変換するサーバである。変換されたテキストデータは、漢字混じりのテキストデータであり得る。本実施形態において、音声/テキスト変換サーバ20は、インターネット2経由で商品検索装置100から商品名を表す音声データが入力され、この音声データをテキストデータに変換し、このテキストデータをインターネット2経由で商品検索装置100に出力する。
【0021】
漢字/平仮名変換サーバ30は、所定の変換法則(所定の変換アルゴリズム)を用いて、テキストデータに含まれる漢字を平仮名に変換(すなわち、読み仮名を生成)し、平仮名のみからなるテキストデータを出力する装置である。本実施形態において、読み仮名が平仮名である一例を説明するが、読み仮名が片仮名であってもよい。漢字は第1文字体系の一例であり、平仮名及び片仮名は第2文字体系の一例である。
【0022】
具体的には、漢字/平仮名変換サーバ30は、インターネット2経由で商品検索装置100からテキストデータが入力され、このテキストデータ中の漢字を所定の変換法則によって平仮名に変換し、変換されたテキストデータをインターネット2経由で商品検索装置100に出力する。
【0023】
商品DB40は、複数の店舗のそれぞれについて商品に関する情報を記憶及び管理する装置である。図2は、商品DB40に記憶された商品情報の一例を示す図である。図2に示すように、商品情報は、商品ごとに記憶されており、店舗番号、商品番号、商品名、及び読み仮名を含む。店舗番号は、各店舗に割り当てられる番号であって、店舗を一意に識別する番号である。なお、商品DB40が店舗ごとに個別に設けられる場合、商品情報は店舗番号を含まなくてもよい。
【0024】
商品情報のDB登録・更新時において、商品DB40は、インターネット2経由で商品検索装置100から商品情報が入力され、この商品情報の登録又は更新を行う。DB検索時において、商品DB40は、インターネット2経由で商品検索装置100から検索用データが入力され、この検索用データを読み仮名に含む商品情報を抽出し、抽出した商品情報をインターネット2経由で商品検索装置100に出力する。
【0025】
テキスト/音声変換サーバ50は、テキストデータを音声データに変換する装置である。本実施形態において、テキスト/音声変換サーバ50は、インターネット2経由で商品検索装置100からテキストデータが入力され、このテキストデータを音声データに変換し、この音声データをインターネット2経由で商品検索装置100に出力する。商品検索装置100は、テキスト/音声変換サーバ50から入力された音声データを音声出力する。
【0026】
(2)商品検索装置及び商品処理装置の構成
次に、本実施形態に係る商品検索装置100及び商品処理装置200の構成の構成について説明する。図3は、本実施形態に係る商品検索装置100の構成及び商品処理装置200の構成を示す図である。
【0027】
図3に示すように、商品検索装置100は、DB登録・更新部101と、音声データ入力部110と、テキストデータ取得部120と、検索用データ取得部130と、検索実行部140と、音声データ取得部150と、音声データ出力部160とを備える。DB登録・更新部101は、登録部101aと、更新部101bとを備える。
【0028】
登録部101aは、DB登録時において、ローカルサーバ10から取得した商品情報を商品DB40に登録する。登録部101aは、ローカルサーバ10から入力される商品名(第1テキストデータ)を漢字/平仮名変換サーバ30に出力し、この商品名中の漢字を漢字/平仮名変換サーバ30において平仮名に変換して得られた変換データを取得し、取得した変換データを読み仮名として商品DB40に登録する。
【0029】
更新部101bは、ローカルサーバ10から商品の更新に関する更新情報を定期的(例えば、毎朝)に取得し、取得した更新情報によって商品DB40を更新する。
【0030】
音声データ入力部110は、DB検索時において、検索対象の商品名に関する音声データを入力する。音声データ入力部110は、連続的に発音された2以上の単語を含む音声データを入力してもよい。音声データ入力部110は、例えば、音声を電気信号に変換するマイクと、この音声信号をデジタルデータ(音声データ)に変換するA/D変換器とを備える。音声データ入力部110は、音声データをテキストデータ取得部120に出力する。
【0031】
テキストデータ取得部120は、音声データ入力部110から入力される音声データを音声認識によってテキスト変換して得られたテキストデータ(第2テキストデータ)を取得する。本実施形態において、テキストデータ取得部120は、音声データ入力部110から入力される音声データを音声/テキスト変換サーバ20に出力し、音声/テキスト変換サーバ20において変換されたテキストデータを取得する。連続的に発音された2以上の単語を音声データが含む場合、音声/テキスト変換サーバ20において各単語が認識及び分離される。かかる場合、テキストデータ取得部120は、各単語のテキストが分離された状態でテキストデータを取得する。音声/テキスト変換サーバ20において変換されたテキストデータは、漢字混じりのテキストデータである。このテキストデータの一部が漢字で構成されていてもよいし、このテキストデータの全てが漢字で構成されていてもよい。テキストデータ取得部120は、取得したテキストデータを検索用データ取得部130に出力する。
【0032】
検索用データ取得部130は、テキストデータ取得部120から入力されるテキストデータ(検索対象の商品名に関する第2テキストデータ)中の少なくとも一部の文字を平仮名に変換して得られた検索用データを取得する。本実施形態において、検索用データ取得部130は、テキストデータ取得部120から入力されるテキストデータを漢字/平仮名変換サーバ30に出力し、漢字/平仮名変換サーバ30において平仮名に変換されたテキストデータを検索用データとして取得する。テキストデータ取得部120から入力されるテキストデータに2以上の単語が分離して含まれている場合、漢字/平仮名変換サーバ30は、各単語を個別に平仮名に変換する。かかる場合、検索用データ取得部130は、2以上の平仮名単語を含む検索用データを漢字/平仮名変換サーバ30から取得する。検索用データ取得部130は、取得した検索用データを検索実行部140に出力する。
【0033】
ここで、登録部101aが用いる漢字/平仮名変換サーバ30と、検索用データ取得部130が用いる漢字/平仮名変換サーバ30とを同一のサーバとしている。言い換えると、DB登録時とDB検索時とで、漢字から平仮名への変換法則を同一のものとしている。これにより、商品DB40に登録された変換データ(読み仮名)と、DB検索時に平仮名変換して得られた検索用データとが合致する可能性が高くなる。なお、漢字から平仮名への変換アルゴリズム(変換規則)が共通であることを条件として、DB登録時に登録部101aが用いる漢字/平仮名変換サーバと、DB検索時に検索用データ取得部130が用いる漢字/平仮名変換サーバとを異ならせてもよい。
【0034】
一例として、商品名が「鶏のから揚げ」である場合を想定する。かかる場合、読み仮名としては「とりのからあげ」が正しいが、「鶏」の漢字を自動的に平仮名に変換すると「にわとり」になる。よって、登録部101aは、商品名「鶏のから揚げ」の読み仮名として、漢字/平仮名変換サーバ30からテキストデータ「にわとりのからあげ」を取得し、この読み仮名を商品DB40に登録する。一方、DB検索時には、「とりのからあげ」という音声が入力され、テキストデータ取得部120は、例えば「鶏のから揚げ」というテキストデータを音声/テキスト変換サーバ20から取得する。DB登録時とDB検索時とで平仮名への変換法則を同一のものとしているため、検索用データ取得部130は、「にわとりのからあげ」というテキストデータを検索用データとして取得できる。取得された検索用データ「にわとりのからあげ」は、日本語としては不自然であるが、商品DB40に登録された読み仮名と一致したものとなる。
【0035】
検索実行部140は、検索用データ取得部130から入力される検索用データを含む変換データ(読み仮名)を商品DB40の中から検索し、検索結果として1又は複数の商品番号を取得する。本実施形態において、検索実行部140は、検索用データ取得部130から入力される検索用データを商品DB40に出力し、この検索用データを読み仮名に含む商品の商品番号を商品DB40から取得し、取得した商品番号を商品処理装置200に出力する。2以上の平仮名単語が検索用データに含まれる場合、検索実行部140は、2以上の平仮名単語の全てを読み仮名に含む商品の商品番号を取得する。すなわち、2以上の平仮名単語が検索用データに含まれる場合、検索実行部140は、2以上の平仮名単語のAND条件により検索を行う。
【0036】
ここで、検索結果として検索実行部140が1つの商品番号を取得した場合、検索実行部140は、この商品番号を商品処理装置200に出力し、この商品番号に対応する商品名(テキストデータ)を商品処理装置200から取得する。一方、検索結果として検索実行部140が複数の商品番号を取得した場合、検索実行部140は、複数の商品番号からなるリストを商品処理装置200に出力し、商品処理装置200において選択された1つの商品番号に対応する商品名を商品処理装置200から取得する。検索実行部140は、商品処理装置200から取得した商品名を音声データ取得部150に出力する。
【0037】
音声データ取得部150は、検索実行部140から入力される商品名を音声変換して得られた音声データを取得する。本実施形態において、音声データ取得部150は、検索実行部140から入力される商品名をテキスト/音声変換サーバ50に出力し、音声/テキスト変換サーバ20において変換された音声データを取得する。音声データ取得部150は、取得した音声データを音声データ出力部160に出力する。
【0038】
音声データ出力部160は、音声データ取得部150から入力される音声データを音声出力する。音声データ出力部160は、例えば、音声データをアナログの電気信号に変換するD/A変換器と、この電気信号を音声に変換するスピーカとを備える。
【0039】
次に、本実施形態に係る商品処理装置200の構成について説明する。図3に示すように、商品処理装置200は、商品処理機構210と、ローカルDB220と、操作部230と、表示部240と、制御部250とを備える。
【0040】
商品処理機構210は、商品を計量する機構と、商品を包装する機構と、ラベルの印字及び貼り付けを行う機構とを備える。商品処理機構210は、制御部250の制御下で、商品の計量、商品の包装、商品の包装に対するラベルの印字及び貼り付けを行う。
【0041】
ローカルDB220は、ローカルサーバ10から取得した商品情報(商品番号、商品名)を記憶する。また、ローカルDB220は、単位重量あたりの値段を商品ごとに記憶する。ローカルDB220は、商品が最後に使用(商品処理装置200によって処理)された日時又は商品が最後に使用されてからの経過時間と、商品が使用された回数とを商品ごとに記憶してもよい。
【0042】
操作部230は、商品を指定する操作や、商品の単位重量あたりの値段を登録する操作等をユーザから受け付ける。操作部230は、キーボード(キーパッド)であってもよいし、タッチパネルとして表示部240と一体に構成されてもよい。
【0043】
表示部240は、制御部250の制御下で各種の表示を行う。
【0044】
制御部250は、商品処理機構210、ローカルDB220、操作部230、及び表示部240を制御する。例えば、制御部250は、操作部230を用いて商品が指定され、この商品が商品処理機構210にセットされると、この商品を計量及び包装し、計量された商品の重量から商品の値段を算出し、算出した値段をラベルに印字して包装に貼り付けるよう商品処理機構210を制御する。
【0045】
制御部250は、商品検索装置100から1つの商品番号が入力されると、この商品番号に対応する商品名をローカルDB220から読み出し、読み出した商品名(及び商品番号)を表示部240に表示させるとともに、読み出した商品名を商品検索装置100に出力する。
【0046】
制御部250は、商品検索装置100から複数の商品番号からなるリストが入力されると、リスト中の複数の商品番号に対応する複数の商品名をローカルDB220から読み出し、読み出した複数の商品名(及び複数の商品番号)を表示部240に表示させる。ここで、制御部250は、ローカルDB220を参照し、当該複数の商品のうち過去一定期間(例えば、直近一週間)内で使用された実績(回数)が最も多い商品に関する情報を優先的に表示させてもよい。例えば、制御部250は、過去一定期間内で使用された実績が最も多い商品から順にリスト形式で商品情報(商品番号及び商品名のペア)を表示させる。表示部240に表示された複数の商品名(及び複数の商品番号)のうち1つが操作部230を用いて指定されると、制御部250は、指定された商品名を商品検索装置100に出力する。
【0047】
(3)DB登録シーケンスの一例
次に、本実施形態に係るDB登録シーケンスの一例について説明する。図4は、本実施形態に係るDB登録シーケンスの一例を示す図である。
【0048】
図4に示すように、ステップS101において、ローカルサーバ10は、商品情報として商品番号及び商品名を商品処理装置200に送る。商品処理装置200は、ローカルサーバ10から受け取った商品番号及び商品名をローカルDB220に記憶する。
【0049】
ステップS102において、ローカルサーバ10は、商品情報として商品番号及び商品名を商品検索装置100に送る。ここでは、商品名に漢字が含まれると仮定して説明を進める。
【0050】
ステップS103において、商品検索装置100は、ローカルサーバ10から受け取った商品名を漢字/平仮名変換サーバ30に送る。商品検索装置100は、商品名に漢字が含まれるか否かを判断し、商品名に漢字が含まれない場合には商品名を漢字/平仮名変換サーバ30に送らなくてもよい。
【0051】
ステップS104において、漢字/平仮名変換サーバ30は、商品検索装置100から受け取った商品名に含まれる漢字を平仮名に変換し、平仮名からなる商品名(読み仮名)を商品検索装置100に送る。
【0052】
ステップS105において、商品検索装置100は、自装置に対応する店舗の店舗番号と、ローカルサーバ10から受け取った商品番号及び商品名と、漢字/平仮名変換サーバ30から受け取った読み仮名とからなる商品情報を商品DB40に送る。商品DB40は、商品検索装置100から受け取った商品情報を記憶(登録)する。
【0053】
(4)DB検索シーケンスの一例
次に、本実施形態に係るDB検索シーケンスの一例について説明する。図5は、本実施形態に係るDB検索シーケンスの一例を示す図である。
【0054】
図5に示すように、ステップS201において、商品検索装置100は、音声を検知して音声データに変換する。
【0055】
ステップS202において、商品検索装置100は、音声データを音声/テキスト変換サーバ20に送る。
【0056】
ステップS203において、音声/テキスト変換サーバ20は、商品検索装置100から受け取った音声データをテキストデータに変換し、このテキストデータを商品検索装置100に送る。ここでは、テキストデータに漢字が含まれると仮定して説明を進める。
【0057】
ステップS204において、商品検索装置100は、音声/テキスト変換サーバ20から受け取ったテキストデータを漢字/平仮名変換サーバ30に送る。
【0058】
ステップS205において、漢字/平仮名変換サーバ30は、商品検索装置100から受け取ったテキストデータに含まれる漢字を平仮名に変換し、平仮名からなるテキストデータを商品検索装置100に送る。
【0059】
ステップS206において、商品検索装置100は、漢字/平仮名変換サーバ30から受け取ったテキストデータと、自装置に対応する店舗の店舗番号とを商品DB40に送る。
【0060】
ステップS207において、商品DB40は、商品検索装置100から受け取った店舗番号に対応する商品であって、商品検索装置100から受け取ったテキストデータを読み仮名に含む商品の商品番号を抽出し、抽出した商品番号を商品検索装置100に送る。商品検索装置100から受け取ったテキストデータに、分離した2以上の平仮名単語が含まれる場合、商品DB40は、2以上の平仮名単語の全てを読み仮名に含む商品の商品番号を抽出する。ここでは、複数の商品番号が抽出されたと仮定して説明を進める。商品DB40は、複数の商品番号からなるリストを商品検索装置100に送る。
【0061】
ステップS208において、商品検索装置100は、商品DB40から受け取った商品番号リストを商品処理装置200に送る。
【0062】
ステップS209において、商品処理装置200は、商品検索装置100から受け取った商品番号リストを表示する。
【0063】
ステップS210において、商品処理装置200は、表示された商品番号リストのうちの1つをユーザが指定する操作を受け付ける。この段階で、商品処理装置200に商品がセットされると、商品処理装置200は、この商品に対する処理(計量、包装、ラベル付け等)を開始してもよい。
【0064】
ステップS211において、商品処理装置200は、ユーザにより指定された商品の商品名を商品検索装置100に送る。
【0065】
ステップS212において、商品検索装置100は、商品処理装置200から受け取った商品名をテキスト/音声変換サーバ50に送る。
【0066】
ステップS213において、テキスト/音声変換サーバ50は、商品検索装置100から受け取った商品名を音声データに変換し、この音声データを商品検索装置100に送る。
【0067】
ステップS214において、商品検索装置100は、テキスト/音声変換サーバ50から受け取った音声データを音声出力する。なお、ステップS211~S214の処理は必須ではなく、省略してもよい。
【0068】
(5)実施形態のまとめ
本実施形態において、登録部101aは、商品名を表す第1テキストデータに基づいて、第1テキストデータ中の少なくとも一部の文字を所定の変換法則によって第1文字体系から平仮名に変換して得られた変換データを商品DB40に登録する。検索用データ取得部130は、検索対象の商品名に関する第2テキストデータ中の少なくとも一部の文字を所定の変換法則と同一の変換法則によって平仮名に変換して得られた検索用データを取得する。このように、DB登録時とDB検索時とで変換法則を同一のものとして、商品DB40に登録された変換データと、DB検索時に変換して得られた検索用データとが合致する可能性を高めることができる。これにより、検索のヒット率を高めて、効率的な検索を行うことができる。
【0069】
本実施形態において、音声データ入力部110は、検索対象の商品名に関する音声データを入力する。テキストデータ取得部120は、音声データを音声認識によってテキスト変換して得られたテキストデータを第2テキストデータとして取得する。このように、検索対象の商品名の入力が音声により行われるため、DB検索時にユーザがテキスト入力を行う必要がなく、ユーザの利便性を高めて、効率的な検索を行うことができる。
【0070】
本実施形態において、検索用データが検索対象の商品名に関する2以上の単語を含む場合、検索実行部140は、2以上の単語の全てを含む変換データ(読み仮名)を商品DB40の中から検索する。これにより、単語の組み合わせを検索用データとして用いることができる。例えば検索対象の商品名が長い場合に、かかる商品名をユーザが正確に記憶して入力することは難しいが、単語の組み合わせを検索用データとして用いることにより、効率的な検索が可能となる。
【0071】
本実施形態において、音声データ取得部150は、検索実行部140によって検索された商品の商品名を音声変換して得られた音声データを取得する。音声データ出力部160は、音声データ取得部150によって取得された音声データを出力する。これにより、検索された変換データを音声データに変換して音声出力することができるため、ユーザが検索結果を容易に把握することができる。
【0072】
本実施形態において、商品処理装置200は、検索実行部140によって変換データが検索された商品に関する情報(商品名)をローカルDB220から読み出し、読み出した情報を表示する。これにより、商品処理装置200を扱うユーザが、検索された商品の商品名を把握できる。
【0073】
本実施形態において、検索実行部140によって変換データが検索された商品が複数存在する場合、商品処理装置200は、当該複数の商品のうち当該商品検索システムにおいて使用された実績が最も多い商品に関するデータを優先的に表示する。これにより、商品処理装置200を扱うユーザが、検索された複数の商品のうち、使用実績の多い商品を把握することができる。
【0074】
(6)変更例1
更新部101bは、商品が最後に使用(商品検索装置100によって検索)された日時、商品が最後に使用されてからの経過時間を商品ごとに記憶してもよい。そして、更新部101bは、記憶した情報に基づいて、商品DB40に変換データが登録された商品のうち使用されない期間が所定期間を超える商品に関する情報を商品DB40から削除する。これにより、店舗で販売しなくなったような商品の情報を商品DB40から削除することができるため、商品DB40内に不要なデータが存在しなくなり、検索効率を高めることができる。
【0075】
(7)変更例2
商品処理装置200において、制御部250は、商品DB40を参照し、商品DB40に記憶された商品情報をローカルDB220に記憶された商品情報と比較し、DB間における商品情報の不一致を検出してもよい。不一致を検出した場合、制御部250は、商品DB40に記憶された商品情報と一致させるように、ローカルDB220に記憶された商品情報を更新する。これにより、ローカルDB220に記憶された商品情報を商品DB40に記憶された商品情報と同期させることができる。
【0076】
(8)その他の実施形態
上記のように、本発明は実施形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなる。
【0077】
上述の実施形態において、商品を検索対象とする検索システムについて説明した。しかしながら、検索対象は商品に限定されるものではない。例えば、商品以外の物として、店舗名又は店舗の住所等の不動産に関する情報を検索対象としてもよいし、ある物の一部(肉の部位等)を検索対象としてもよい。
【0078】
上述の実施形態において、DB検索時に音声入力により検索用データを入力する一例を説明した。しかしながら、DB検索時にキーボード等のテキスト入力手段を用いて検索用データを入力してもよい。かかる場合、音声データ入力部110に代えてテキスト入力手段が用いられ、テキストデータ取得部120は、テキスト入力手段からテキストデータを取得する。
【0079】
上述の実施形態において、商品検索装置100及び商品処理装置200が別々の装置である一例を説明した。しかしながら、商品検索装置100を商品処理装置200に組み込み、これらを一体に構成してもよい。
【0080】
上述の実施形態において、音声/テキスト変換サーバ20、漢字/平仮名変換サーバ30、商品DB40、及びテキスト/音声変換サーバ50が別々の装置である一例を説明した。しかしながら、これらの装置のうち2以上の装置を一体化してもよい。また、音声/テキスト変換サーバ20、漢字/平仮名変換サーバ30、商品DB40、及びテキスト/音声変換サーバ50のうち少なくとも1つの装置の機能をローカルサーバ10及び/又は商品検索装置100に組み込んでもよい。
【0081】
上述の実施形態において、第1文字体系が漢字であり、第2文字体系が平仮名(又は片仮名)である一例を説明した。しかしながら、第2文字体系が平仮名又は片仮名に限らず、ローマ字であってもよい。或いは、第1文字体系及び第2文字体系は、互いに異なる国の言語であってもよい。例えば、第1文字体系が英語であり、第2文字体系がフランス語であってもよい。
【0082】
上述の実施形態において、テキストデータ取得部120、検索用データ取得部130、検索実行部140、及び音声データ取得部150の実装方法について特に触れなかった。しかしながら、プログラムをプロセッサが実行することにより、これらの機能部を構成してもよい。プログラムは、コンピュータ読取り可能媒体に記録されていてもよい。コンピュータ読取り可能媒体を用いれば、コンピュータにプログラムをインストールすることが可能である。ここで、プログラムが記録されたコンピュータ読取り可能媒体は、非一過性の記録媒体であってもよい。非一過性の記録媒体は、特に限定されるものではないが、例えば、CD-ROMやDVD-ROM等の記録媒体であってもよい。
【0083】
このように本発明は、ここでは記載していない様々な実施形態等を包含するということを理解すべきである。
【符号の説明】
【0084】
1 :LAN
2 :インターネット
10 :ローカルサーバ
20 :音声/テキスト変換サーバ
30 :漢字/平仮名変換サーバ
40 :商品DB
50 :テキスト/音声変換サーバ
100 :商品検索装置
101 :更新部
101a :登録部
101b :更新部
110 :音声データ入力部
120 :テキストデータ取得部
130 :検索用データ取得部
140 :検索実行部
150 :音声データ取得部
160 :音声データ出力部
200 :商品処理装置
210 :商品処理機構
220 :ローカルDB
230 :操作部
240 :表示部
250 :制御部
図1
図2
図3
図4
図5