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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-04
(45)【発行日】2022-03-14
(54)【発明の名称】針管製造装置
(51)【国際特許分類】
   C25D 1/02 20060101AFI20220307BHJP
   C25D 1/00 20060101ALI20220307BHJP
【FI】
C25D1/02
C25D1/00 A
C25D1/00 311
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2018098431
(22)【出願日】2018-05-23
(65)【公開番号】P2019203167
(43)【公開日】2019-11-28
【審査請求日】2020-09-07
(73)【特許権者】
【識別番号】519198764
【氏名又は名称】テクノパートナーズジャパン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100081949
【弁理士】
【氏名又は名称】神保 欣正
(72)【発明者】
【氏名】見城 晃
【審査官】大塚 美咲
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-215394(JP,A)
【文献】特開平03-028396(JP,A)
【文献】特開2004-083971(JP,A)
【文献】特開2006-291345(JP,A)
【文献】特開2002-116352(JP,A)
【文献】特開2003-321790(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C25D 1/02
C25D 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電解液中に電鋳金属を浸漬した電鋳槽内で、母型となる線材の周囲に針管となる電鋳体を析出する針管製造装置において、
外径が異なる複数の線材を並行して送り出す機構、
送り出し経路上に配することにより、通過する線材の周囲に連続的に針管となる電鋳体を析出する電鋳槽、
を設け、
上記の電鋳槽は線材別に用意され、送り出された線材別に他の線材に対して独立して配設するともに、各電鋳槽別に通過する線材に他の線材とは独立した電流を流すことを特徴とする針管製造装置。
【請求項2】
電解液を吐出する吐出管を各電鋳槽内に設け、濾過により液管理を行う各電鋳槽共通の電解液槽から電解液を上記吐出管に連続して供給するとともに、各電鋳槽からオーバーフローした電解液を再度上記電解液槽に戻す請求項1記載の針管製造装置。
【請求項3】
電鋳槽は線材の全長方向を長手とした細長状に構成し、底部寄りに電鋳槽の長手方向に沿って吐出管を配するとともに、上記吐出管の長手方向に沿って多数の吐出孔を配設し、上記吐出管と線材の間に電鋳槽の長手方向に沿って細長状の電鋳金属収納籠を配した請求項1または2記載の針管製造装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は針管の製造装置に関し、より詳細には微細な外形の針管を量産する製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、32・33・34・35・36・37ゲージ(G)といった微細な外径の注射針や、工業用・基盤通電テスト機器部品の他、他産業の機器部部品として利用するための微細な外径の針管がある。
【0003】
一般的に針管に関し、引抜きダイスによる引抜き加工を繰り返すことにより管状体を徐々に細めて所望の外径の針管に塑性加工することが行なわれていた(特許文献1)。
【0004】
しかしながら、平板から針管を得る従来技術においては塑性加工時の手間やコストに加え、溶接時の手間やコストが嵩む問題があり、さらに接合部に段差や凹凸ができないように細心の配慮を払わなければならない問題があった。
【0005】
また、所望の外径の針管に成形するためにダイスによる引抜き加工を繰り返す場合は管状体の内壁に収縮による皺ができる問題があり、それを除去するために内壁面を研磨加工しなければならず手間やコストが嵩む問題があった。この場合、この皺を防止するためには引抜き加工時に管状体内にその内径を規定するプラグを挿入することが有効であるが、そうすると成形できる針管の内径はプラグを挿入可能な大きさまでのものに規制されてしまい、針管の細径化に限界を生じさせる問題があった。
【0006】
また、引き抜き加工には潤滑のために鉱油を基油とする引き抜き加工油が不可欠となるが、例えば生体に使用する注射針の場合は加工後に内外の表面に付着した加工油を除去する工程が不可欠となり、手間やコストが嵩む問題もあった。
【0007】
一方、塑性加工によらず、電鋳加工により針管を製造する発明が提案されている(特許文献2、3、4)。前記発明は電鋳加工により線状の母型の周囲に電鋳体を析出した後、この電鋳体を引き抜くことにより針管を取得するものである。この方法においては、塑性加工や溶接が不要なので複雑な手間を要せず可及的に細径化した針管を得ることが可能となる。また、塑性加工による場合のように、予定外の不規則な物理的な変形が生じることがないので寸法精度が高く、かつ内外の表面が平滑な針管を得ることができる。さらに、引き抜き加工油を使わないので、その除去工程も不要となる。
【0008】
前記の内の特許文献2に記載の発明は、長さ方向に離間して設けられた一対の円板状の回転板間に母型となる複数本の線材を円周上に配して張架支持し、上記回転板を電鋳槽内の電解液に浸漬して回転させることにより複数本の針管を同時に析出することを企図している。
【0009】
また、特許文献3に記載の発明は、線材を線材の軸芯を回転中心として電鋳槽の電解液中で回転させて電鋳処理を行うことにより、それぞれが細長状である電着金属収納籠と線材とにおける電界状態を一端から他端にかけて均一にすることにより、線材に対して析出する金属が、全域かつ全長にわたって均一に電着することを企図している。
【0010】
また、特許文献4に記載の発明は、前記の特許文献3に記載の発明において、複数本の線材を同時に回転させて電鋳処理を行うことにより、複数本の針管を同時に電鋳加工することを企図している。
になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【文献】特開2007-38021号公報
【文献】特開平11-193485号公報
【文献】特開2003-321790号公報
【文献】特開2004-83971号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、前記の内の特許文献2に記載の発明は、陰極に接続された母型となる複数本の線材は円板状の回転板間に円周上に配して張架支持されるため、各線材と陽極に接続された電着金属収納籠との距離が不均一となり、それを防ぐために回転板を回転することにより順次近接させているが、それでも不十分であり、電鋳加工において、線材に析出された電着金属における層厚が不均一となるおそれがあった。
【0013】
また、一度に一本の線材の電鋳加工しか行うことのできない特許文献3に記載の発明はもちろんのこと、複数本の電鋳加工を行うことのできる特許文献2記載の発明や特許文献4の記載の発明においても、その都度線材の取り外し作業を行わなければならないので針管の量産には限界があった。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本願発明は以上の従来技術の問題点を解消した、電着金属における層厚が不均一とならず、しかも外径が異なる複数の線材を連続的に量産することができる針管製造装置を提供することを目的とする。
【0015】
すなわち、本願発明は電解液中に電鋳金属を浸漬した電鋳槽内で、母型となる線材の周囲に針管となる電鋳体を析出する針管製造装置において、
複数の線材を並行して送り出す機構、
送り出し経路上に配することにより、通過する線材の周囲に連続的に電鋳体を析出する電鋳槽、
を設け、
上記の電鋳槽は送り出された線材別に他の線材に対して独立して配設するともに、各電鋳槽別に通過する線材に他の線材とは独立した電流を流すことを特徴とする。
【0016】
また、ここでは第2発明として、前記の針管製造装置において、外径が異なる複数の線材を並行して送り出すとともに、線材別に用意した電鋳槽内で各線材ごとに設定した値の電流を流す針管製造装置も開示する。
【0017】
また、ここでは第3発明として、前記の針管製造装置において、送り出し経路上の電鋳槽の下流に線材を所定長さで切断する装置を設けた針管製造装置も開示する。
【0018】
また、ここでは第4発明として、前記の針管製造装置において、電解液を吐出する吐出管を各電鋳槽内に設け、濾過により液管理を行う各電鋳槽共通の電解液槽から電解液を上記吐出管に連続して供給するとともに、各電鋳槽からオーバーフローした電解液を再度上記電解液槽に戻す針管製造装置も開示する。
【0019】
また、ここでは第5発明として、前記の針管製造装置において、電鋳槽は線材の全長方向を長手とした細長状に構成し、底部寄りに電鋳槽の長手方向に沿って吐出管を配するとともに、上記吐出管の長手方向に沿って多数の吐出孔を配設し、上記吐出管と線材の間に電鋳槽の長手方向に沿って細長状の電鋳金属収納籠を配した針管製造装置も開示する。
【0020】
また、ここでは第6発明として、前記の針管製造装置において、送り出し経路上に通過する各線材が接触することにより接続される陰極を設けるとともに、各電鋳槽内の電鋳金属に個別の陽極を接続し、各電鋳槽別に通過する線材に他の線材とは独立した電流を流す針管製造装置も開示する。
【0021】
また、ここでは第7発明として、前記の針管製造装置において、電鋳金属としてニッケルまたはニッケル合金、電解液としてスルファミン酸溶液を用いた針管製造装置も開示する。
【発明の効果】
【0022】
本願発明の針管製造装置の最大の特徴は、長尺の線材を送り出すとともに、通過する線材の周囲に連続的に電鋳体を形成する電鋳槽を送り出し経路上に配して、電鋳体の析出を連続的に行う点にある。これにより前記の従来技術のように、その都度線材の取り外し作業を行わなう必要がなくなるので、針管の量産が可能となる。
【0023】
また、第3発明のように、送り出し経路上の電鋳槽の下流に線材を所定長さで切断する装置を設けた場合は、電鋳体を形成された線材は切断装置により所定長さに切断されて針管製造装置から排出されるので、送り出し作業を停止することなく、材料となる線材がなくなるまで針管製造装置を駆動することができ、より効率的な針管の量産が可能となる。
【0024】
一方、本願発明の針管製造装置は,線材は複数本が並行して送り出されるので、一度に多くの針管を量産することが可能となる。
【0025】
前記の場合、電鋳槽は送り出された線材別に他の線材に対して独立して配設するともに、各電鋳槽別に通過する線材に他の線材とは独立した電流を流すので、第2発明のように、外径が異なる複数の線材を並行して送り出すとともに、線材別に用意した電鋳槽内で各線材ごとに設定した値の電流を流せば、外径が異なる針管を容易に量産することができる。この場合、線材の外径の大小や電着金属における層厚は送り出し速度と電流の設定値の相関により決定するので、各線材の送り出し速度は共通にして専ら電流の設定値のみにより線材の外径の大小や電着金属における層厚の大小に対応することができ、複数の線材の送り出し機構を共通化することが可能となる。
【0026】
次に、第4発明においては、電解液を吐出する吐出管を各電鋳槽内に設け、濾過により液管理を行う各電鋳槽共通の電解液槽から電解液を上記吐出管に連続して供給するとともに、各電鋳槽からオーバーフローした電解液を再度上記電解液槽に戻すので、各電鋳槽共通の電解液槽から各電鋳槽に対して濾過された新鮮なイオン化された電解液を供給して線材に当てることができる。
【0027】
前記の場合、第5発明のように電鋳槽を線材の全長方向を長手とした細長状に構成し、底部寄りに吐出管を電鋳槽の長手方向に沿って配するとともに、上記吐出管の長手方向に沿って多数の吐出孔を配設し、上記吐出管と線材の間に電鋳槽の長手方向に沿って細長状の電鋳金属収納籠を配せば、前記の供給とオーバーフローによる電解液の攪拌により新鮮なイオン化された電解液が線材にむらなく当たり均一かつ短時間で析出される効果が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】本願発明の針管製造装置の一部切り欠き平面図。
図2】同上、一部切り欠き側面図。
図3】同上、電鋳処理を行う箇所の詳細を示す一部切り欠き側面図。
図4】同上、電鋳処理を行う箇所の詳細を示す一部切り欠き正面図。
図5】同上、電鋳槽の斜視図。
図6】同上、複数の電鋳槽を配設した状態の斜視図。
図7】同上、線材の送り出しおよび切断を行う箇所を示す一部省略平面図。
図8】同上、線材の送り出しおよび切断を行う箇所を示す一部切り欠き正面図。
図9】同上、電鋳槽の作用を示す概念図。
図10】同上、電鋳槽の作用を示す概念図。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下、本願発明の針管製造装置の具体的実施例を添付図面に基づいて説明する。図1および図2は針管製造装置の全体を示す図である。この針管製造装置は複数の線材を並行して送り出し、送り出し経路上に配した電鋳槽を通過する線材の周囲に連続的に電鋳体を析出する。
【0030】
前記針管製造装置は線材を供給する箇所A、電鋳処理を行う前に線材Lを洗浄する箇所B、電鋳処理を行う箇所C、電鋳処理を行った線材Lを洗浄する箇所D、線材の送り出しおよび切断を行う箇所E、切断した線材を集積する箇所Fからなる。
【0031】
前記において、線材を供給する箇所Aにおいては各線材Lを巻装した複数(ここでは20個)の供給リール1が針管製造装置の幅方向に間隔をおいて分散配置され、これらから後期する送りロール7により各線材Lが引っ張られることにより繰り出される。なお、図中符号2は繰り出される各線材Lに張力を与えるためのテンションロールである。
【0032】
電鋳処理を行う前に線材Lを洗浄する箇所Bには洗浄剤槽3が配され、底部近くに配された吐出管4から供給される洗浄剤(ここでは濾過処理された純水)で満たされる洗浄剤槽を線材が通過することにより線材を洗浄する。また、電鋳処理を行った線材Lを洗浄する箇所Dには洗浄剤槽5が配され、底部近くに配された吐出管6から供給される洗浄剤(ここでは濾過処理された純水)で満たされる洗浄剤槽を周囲に針管となる電鋳体が析出された線材が通過することにより線材を洗浄する。
【0033】
線材の送り出しおよび切断を行う箇所Eには各線材Lの送り出し経路上に送りロール7が配設され、送りロール7の回転により線材Lが送り出される(図7参照)。上記の各送りロール7は共通の駆動装置により回転駆動されるが、個別の駆動装置により個別に回転駆動することにより線材Lの外径寸法に応じた送り速度を設定できるようにしてもよいことはもちろんである。なお、図中符号8、9は送りロール7の前後に配することにより内挿される線材Lを送りロール7への押しつけ方向に規制するためのスリーブ状の進行ガイドである。
【0034】
また、前記の送り出しおよび切断を行う箇所Eの送りロール7の下流の各線材Lの送り出し経路上には周囲に針管となる電鋳体が析出された線材を所定長さで切断するためのカッター10が配設される(図8参照)。図中符号11は切断に当たり線材Lをカッターに押しつけるための昇降バーである。
【0035】
切断した線材を集積する箇所Fには、切断された針管となる電鋳体が析出された線材Lが滑り落ちるためのスロープ状の集積トレー12が配設される。上記集積トレー12は各線材Lの送り出し経路に対応した複数の溝を配したものであり、各溝に電鋳体が析出された線材が集積される。
【0036】
ちなみに、この実施例では線材としてsus304、真円度:0. 01μ以下、円筒度:0. 02μ以下の超研磨材を想定している。
また、巻き取り長さとしては、g単位=リール(200km~350km/ボビン1個)、切断寸法としては510mm・1010mm(二次加工合わせ・通常市販品パイプの場合、300~2000mm、微細経35・36・37(G) の場合300~500mm、微細経32・33・34(G)の場合1, 000mmを想定している。
【0037】
図3図6は電鋳処理を行う箇所Cの詳細を示す図である。図中符号20は電鋳体を析出するための電鋳槽であり、各線材Lの送り出し経路上に各線材ごとに独立して配される。この場合、各電鋳槽20は単独の容器状のものを集合してもよいし、あるいは一つの容器を仕切りで分割して複数の独立した電鋳槽を形成してもよい。
【0038】
前記の各電鋳槽20はここでは線材Lの全長方向を長手とした細長状に構成し、底部寄りに電鋳槽の長手方向に沿って吐出管20を配するとともに、上記吐出管の長手方向に沿って多数の吐出孔24を配設し、上記吐出管と線材の間に電鋳槽の長手方向に沿って細長状の電鋳金属収納籠25が配される。
【0039】
上記の電鋳金属収納籠25はチタンからなる網籠状に構成され、内部に電鋳金属となるペレット状や丸玉状のニッケル鋼またはニッケル合金が収容される。なお、電鋳金属収納籠25には布製の袋が被せられるがここでは図示を省略している。図中符号26は上記の電鋳金属収納籠25に接続される陽極側の電極となる陽極バーである。一方、陰極は通過する各線材が接触することにより接続される金属棒からなる陰極27が送り出し経路上の電鋳槽20の上流に針管製造装置の幅方向に渡って配される。
【0040】
前記の各電鋳金属収納籠25の個別の陽極バー26には、通過する線材の外径や目標電着厚に応じて、他の線材とは独立した異なった値の電流を流す。ちなみに、この実施例では線材の外径として下記のものを想定している。
φ0. 05/φ0. 06/φ0. 07/φ0. 08/φ0. 09/φ0. 10/φ0. 11/φ0. 12/φ0. 13/φ0. 14/φ0. 15/φ0. 16/φ0. 17/φ0. 18/φ0. 19/φ0. 20mm
【0041】
前記の電解液を吐出する吐出管20は各電鋳槽20ごとに設けられるが、電解液(ここではスルファミン酸溶液)は濾過により液管理を行う各電鋳槽共通の電解液槽から各吐出管に連続して供給されるとともに、各電鋳槽からオーバーフローした電解液を再度上記電解液槽に戻す。図中符号21は上記のオーバーフローのために電鋳槽20の前後両端壁に切り欠いたオーバーフロー用切り欠き、図中符号22は各電鋳槽からオーバーフローした電解液を貯留して各電鋳槽共通の電解液槽に戻すためのバッファー槽を指す。
【0042】
以上の説明から明らかなようにこの針管製造装置においては電解液は各電鋳槽20の中で動的な状態を保っている。図9および図10はその作用を示す概念図であり、図9は電流を印加していない状態、図10は印加している状態を示す。すなわち、この針管製造装置によれば各電鋳槽共通の電解液槽から各電鋳槽に対して濾過された新鮮なイオン化された電解液を供給して線材に当てることができ、さらに供給とオーバーフローによる電解液の攪拌により新鮮なイオン化された電解液が線材にむらなく当たり均一かつ短時間で析出される効果が期待できる。
【符号の説明】
【0043】
A 線材を供給する箇所
B 電鋳処理を行う前に線材を洗浄する箇所
C 電鋳処理を行う箇所
D 電鋳処理を行った線材を洗浄する箇所
E 線材の送り出しおよび切断を行う箇所
F 切断した線材を集積する箇所
1 供給リール
2 テンションロール
3 洗浄剤槽
4 吐出管
5 洗浄剤槽
6 吐出管
7 送りロール
8 進行ガイド
9 進行ガイド
10 カッター
11 昇降バー
20 電鋳槽
21 オーバーフロー用切り欠き
22 バッファー槽
23 吐出管
24 吐出孔
25 電鋳金属収納籠
26 陽極バー
27 陰極
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10