(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-04
(45)【発行日】2022-03-14
(54)【発明の名称】昇降台
(51)【国際特許分類】
A47B 9/00 20060101AFI20220307BHJP
B66F 7/20 20060101ALI20220307BHJP
F16H 33/02 20060101ALI20220307BHJP
A47B 9/10 20060101ALI20220307BHJP
【FI】
A47B9/00 Z
B66F7/20 C
F16H33/02 B
A47B9/10
(21)【出願番号】P 2020534921
(86)(22)【出願日】2019-07-05
(86)【国際出願番号】 CN2019094847
(87)【国際公開番号】W WO2020199409
(87)【国際公開日】2020-10-08
【審査請求日】2020-06-15
(31)【優先権主張番号】201910266765.2
(32)【優先日】2019-04-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】520213964
【氏名又は名称】広州市晋新家具有限公司
【氏名又は名称原語表記】GUANGZHOU JINXIN FURNITURE CO., LTD
【住所又は居所原語表記】Shigangjiao, Xieshi Road, Zhongcun Town, Panyu District, Guangzhou, Guangdong 511495 China
(74)【代理人】
【識別番号】100094190
【氏名又は名称】小島 清路
(74)【代理人】
【識別番号】100151127
【氏名又は名称】鈴木 勝雅
(74)【代理人】
【識別番号】100151644
【氏名又は名称】平岩 康幸
(72)【発明者】
【氏名】区 賛勲
【審査官】中村 百合子
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第108119430(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0328449(US,A1)
【文献】実開昭59-010631(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47B 1/00-41/06
B66F 7/20
F16H 33/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
テーブル面と、テーブル面の下方に接続されるエネルギー転換装置(30)と、脚部ユニットとを備える昇降台において、
前記エネルギー転換装置(30)は、弾性ポテンシャルエネルギーを前記テーブル面を上昇させるための補助エネルギーに転換し、ねじりばね(31)と、中心軸(33)と、変速機(32)とを備え、前記ねじりばね(31)の第1端は、前記変速機(32)の入力部材に接続され、前記中心軸(33)は、前記変速機(32)の出力部材に接続され、
前記変速機(32)は、前記入力部材の回転数
が前記出力部材の回転数よりも小さく
なるように前記ねじりばね(31)の回転を前記中心軸(33)に伝達し、
前記脚部ユニットは、前記中心軸(33)に接続され、前記中心軸(33)の正転又は逆転中、前記脚部ユニットが短縮又は伸長して前記テーブル面を降下又は上昇させることを特徴とする昇降台。
【請求項2】
前記変速機(32)は、リングギア(324)と、サンギア(322)と、複数のプラネタリーギヤ(323)と、キャリア(321)とを備えるプラネタリーギヤ変速機であり、
前記リングギア(324)が固定され、前記キャリア(321)が前記入力部材として前記ねじりばね(31)に接続され、前記サンギア(322)が前記出力部材として前記中心軸(33)に接続され、
前記ねじりばね(31)は、前記中心軸(33)の外周に外嵌され、前記中心軸(33)と同軸に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の昇降台。
【請求項3】
前記変速機(32)は、前記入力部材としての大歯車と、前記出力部材としての小歯車とを備え、前記大歯車と前記小歯車の回転軸は、同一線上に位置しないことを特徴とする請求項1に記載の昇降台。
【請求項4】
前記昇降台は、前記テーブル面に固定される横梁(10)をさらに備え、前記エネルギー転換装置(30)は、クラッチ(35)と、ブレーキフォーク(36)と、伝達ユニット(37)とをさらに備え、
前記クラッチ(35)は、前記横梁(10)に固定され、前記中心軸(33)は、前記クラッチ(35)をそれ自体の軸周りに回転可能に貫通しており、
前記ブレーキフォーク(36)は、前記中心軸(33)に固定され、前記クラッチ(35)によって選択的にロック又は解放可能であり、前記ブレーキフォーク(36)が前記クラッチ(35)によってロックされる場合、前記中心軸(33)は、回転不能であり、前記ブレーキフォーク(36)が前記クラッチ(35)によって解放される場合、前記中心軸(33)は、それ自体の軸周りに回転可能であり、
前記伝達ユニット(37)は、前記ねじりばね(31)の第2端に接続され、前記伝達ユニット(37)を操作することにより、前記ねじりばね(31)の前記第2端は、前記第1端に対して回転し、前記ねじりばね(31)は、弾性ポテンシャルエネルギーを蓄積することを特徴とする請求項1に記載の昇降台。
【請求項5】
前記脚部ユニットは、第1の脚部(21)と、第2の脚部(22)と、同期昇降装置(40)とを備え、前記第1の脚部(21)は、前記第2の脚部(22)の軸方向に沿って前記第2の脚部(22)に近接又は離間可能であり、
前記同期昇降装置(40)は、
長尺状をなす支持フレーム(41)と、
前記支持フレーム(41)の2つの端部に設けられる2つの伝動プーリと、
前記2つの伝動プーリによって張られて前記2つの伝動プーリに架け渡される無端伝動部材と、
前記無端伝動部材に固定される同期連結器(43)と、を備え、
前記中心軸(33)は、前記無端伝動部材に接続され、前記支持フレーム(41)は、前記第1の脚部(21)に固定的に接続され、前記同期連結器(43)は、第2の脚部(22)に固定的に接続されていることを特徴とする請求項1に記載の昇降台。
【請求項6】
前記第1の脚部(21)は、前記第2の脚部(22)の外周に外嵌されていることを特徴とする請求項5に記載の昇降台。
【請求項7】
前記エネルギー転換装置(30)は、前記中心軸(33)の端部において前記中心軸(33)に対して互いの軸方向に移動可能に嵌設される外側短軸(34)をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の昇降台。
【請求項8】
前記外側短軸(34)と前記中心軸(33)との接続部には、ばね(341)が設けられており、前記ばね(341)を押圧することにより、外側短軸(34)を前記中心軸(33)に近接させることができることを特徴とする請求項7に記載の昇降台。
【請求項9】
前記脚部ユニットは、圧力シリンダ(50)をさらに備え、前記圧力シリンダ(50)のシリンダ体(51)は、前記支持フレーム(41)に固定的に接続され、前記圧力シリンダ(50)のピストンロッド(52)は、前記第2の脚部(22)に固定的に接続されていることを特徴とする請求項5に記載の昇降台。
【請求項10】
前記圧力シリンダ(50)のピストン(53)は、前記シリンダ体(51)を第1のチャンバ(C1)と第2のチャンバ(C2)とに区画し、前記第1のチャンバ(C1)と前記第2のチャンバ(C2)とが流体連通し、前記ピストンロッド(52)は、前記第2のチャンバ(C2)から前記シリンダ体(51)よりも延出し、
前記シリンダ体(51)は、軸方向において、第1の領域と、前記第1の領域よりも前記ピストンロッド(52)の延出端側に位置する第2の領域とに区画され、
前記第1の領域において、前記シリンダ体(51)の内径は、前記第1のチャンバ(C1)から前記第2のチャンバ(C2)への方向に徐々に大きくなり、前記第2の領域において、前記シリンダ体(51)の内径は、前記第1のチャンバから前記第2のチャンバへの方向に一定であることを特徴とする請求項9に記載の昇降台。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の引用】
【0001】
本発明は、2019年4月3日に中国へ出願された、名称が「昇降台」、出願番号が201910266765.2の特許出願の優先権を主張し、この出願の全ての内容を引用して本明細書に組み込まれる。
【技術分野】
【0002】
本発明は、家具の分野又は生産作業設備の分野に関し、詳しくは、高さが変更可能な昇降台に関し、当該昇降台は、デスク、椅子、作業台や展示台などと具現化でき、家庭用家具、オフィス用家具、教学用デスクと椅子や生産用作業台などに適用する。
【背景技術】
【0003】
従来の技術では、昇降台は、通常、作業者による手動操作でテーブル面の高さが変更されるが、作業者の作業の負担を低減するために、昇降台は、エネルギー貯蔵装置(以下、単に貯エネ装置ともいう)を備えてもよい。例えば、貯エネ装置としてねじりばねを用いた昇降台では、ねじりばねを回転させ、ねじりばねをそれ自体の軸周りに数回転させることにより、弾性ポテンシャルエネルギーを蓄積し、その後、テーブル面を上昇させる必要がある場合、ねじりばねに弾性ポテンシャルエネルギーを解放させることでテーブル面を上昇させるための補助エネルギーを提供することができる。テーブル面の昇降に伴い、ねじりばねの弾性ポテンシャルエネルギーとテーブル面の重力ポテンシャルエネルギーとが互いに転換される。
【0004】
仮に、昇降台のテーブル面が最低位置(例えば地面から700mm)から最高位置(例えば地面から1200mm)まで上昇する最大ストロークを500mmとすると、テーブル面が上昇する全過程において、ねじりばねは、5回転する必要があり、つまり、ねじりばねが1回転する毎に、テーブル面が100mm上昇する。
【0005】
仮にねじりばねのねじりアーム長を0.025mとすると、ねじりばねが1回転する毎に、0.75N・mのトルクが必要となり、すなわち、0.75N・mの弾性ポテンシャルエネルギーが蓄積される。ねじりばねが1回転すると、それにより発生したねじり力が0.75N・m/0.025m=30Nであり、ねじりばねが2回転すると、それにより発生したねじり力が60Nである。
【0006】
仮にテーブル面の総荷重を150Nとし、このテーブル面を最低位置から最高位置まで上昇させようとする。ねじりばねを5回転させておくと、ねじりばねが蓄積した弾性ポテンシャルエネルギーは、5×0.75N・m=3.75N・mであり、ねじりばねが外部に作用するねじり力は150Nであり、このねじり力は、テーブル面の総荷重と釣り合う。このとき、テーブル面に上向きの初期運動量を付与すれば、テーブル面が上昇できる。
【0007】
テーブル面が100mm上昇すると、ねじりばねが1逆回転(所定方向とは反対の方向に回転)し、0.75N・mのポテンシャルエネルギーが解放され、このとき、ねじりばねが蓄積したポテンシャルエネルギーは、3.75N・m-0.75N・m=3N・mに低減され、対応する外部へのねじり力は、3N・m/0.025m=120Nとなる。この場合、テーブル面を等速で上昇させるには、作業者は、別途でテーブル面に30Nの上向きの力を加える必要がある。
【0008】
このように、テーブル面の安定的な上昇を確保するためには、テーブル面の上昇中に、作業者がテーブル面に加える上向きの力(以下、単に外力という)を増加させ続ける必要がある。テーブル面が200mm上昇すると、必要とされる外力が60Nであり、テーブル面が400mm上昇すると、必要とされる外力が120Nである。必要とされる外力が増え続けるため、作業者に大きな負担が掛かる。
【発明の概要】
【0009】
本発明の目的は、上記従来の技術の欠点を克服し、または少なくとも低減させ、継続的かつ安定的な補助力を提供可能な昇降台を提供することにある。
【0010】
本発明は、テーブル面と、テーブル面の下方に接続されるエネルギー転換装置と、脚部ユニットとを備える昇降台において、
前記エネルギー転換装置は、弾性ポテンシャルエネルギーを前記テーブル面を上昇させるための補助エネルギーに転換し、ねじりばねと、中心軸と、変速機とを備え、前記ねじりばねの第1端は、前記変速機の入力部材に接続され、前記中心軸は、前記変速機の出力部材に接続され、前記入力部材の回転数は、前記出力部材の回転数よりも小さく、
前記脚部ユニットは、前記中心軸に接続され、前記中心軸の正転又は逆転中、前記脚部ユニットが短縮又は伸長して前記テーブル面を降下又は上昇させることを特徴とする昇降台を提供している。
【0011】
少なくとも1つの実施形態では、前記変速機は、リングギアと、サンギアと、複数のプラネタリーギヤと、キャリアとを備えるプラネタリーギヤ変速機であり、
前記リングギアが固定され、前記キャリアが前記入力部材として前記ねじりばねに接続され、前記サンギアが前記出力部材として前記中心軸に接続され、
前記ねじりばねは、前記中心軸の外周に外嵌され、前記中心軸と同軸に設けられている。
【0012】
少なくとも1つの実施形態では、前記変速機は、前記入力部材としての大歯車と、前記出力部材としての小歯車とを備え、前記大歯車と前記小歯車の回転軸は、同一線上に位置しない。
【0013】
少なくとも1つの実施形態では、前記昇降台は、前記テーブル面に固定される横梁をさらに備え、前記エネルギー転換装置は、クラッチと、ブレーキフォークと、伝達ユニットとをさらに備え、
前記クラッチは、前記横梁に固定され、前記中心軸は、前記クラッチをそれ自体の軸周りに回転可能に貫通しており、
前記ブレーキフォークは、前記中心軸に固定され、前記クラッチによって選択的にロック又は解放可能であり、前記ブレーキフォークが前記クラッチによってロックされる場合、前記中心軸は、回転不能であり、前記ブレーキフォークが前記クラッチによって解放される場合、前記中心軸は、それ自体の軸周りに回転可能であり、
前記伝達ユニットは、前記ねじりばねの第2端に接続され、前記伝達ユニットを操作することにより、前記ねじりばねの前記第2端は、前記第1端に対して回転し、前記ねじりばねは、弾性ポテンシャルエネルギーを蓄積する。
【0014】
少なくとも1つの実施形態では、前記脚部ユニットは、第1の脚部と、第2の脚部と、同期昇降装置とを備え、前記第1の脚部は、前記第2の脚部の軸方向に沿って前記第2の脚部に近接又は離間可能であり、
前記同期昇降装置は、
長尺状をなす支持フレームと、
前記支持フレームの2つの端部に設けられる2つの伝動プーリと、
前記2つの伝動プーリによって張られて前記2つの伝動プーリに架け渡される無端伝動部材と、
前記無端伝動部材に固定される同期連結器とを備え、
前記中心軸は、前記無端伝動部材に接続され、前記支持フレームは、前記第1の脚部に固定的に接続され、前記同期連結器は、第2の脚部に固定的に接続されている。
【0015】
少なくとも1つの実施形態では、前記第1の脚部は、前記第2の脚部の外周に外嵌されている。
【0016】
少なくとも1つの実施形態では、前記脚部ユニットは2つあり、それぞれ前記エネルギー転換装置の軸方向の両側に設けられている。
【0017】
少なくとも1つの実施形態では、前記エネルギー転換装置は、前記中心軸の端部において前記中心軸に対して互いの軸方向に移動可能に嵌設される外側短軸をさらに備える。
【0018】
少なくとも1つの実施形態では、前記外側短軸と前記中心軸との接続部には、ばねが設けられており、前記ばねを押圧することにより、外側短軸を前記中心軸に近接させることができる。
【0019】
少なくとも1つの実施形態では、前記脚部ユニットは、圧力シリンダをさらに備え、前記圧力シリンダのシリンダ体は、前記支持フレームに固定的に接続され、前記圧力シリンダのピストンロッドは、前記第2の脚部に固定的に接続されている。
【0020】
少なくとも1つの実施形態では、前記圧力シリンダのピストンは、前記シリンダ体を第1のチャンバと第2のチャンバとに区画し、前記第1のチャンバと前記第2のチャンバとが流体連通し、前記ピストンロッドは、前記第2のチャンバから前記シリンダ体よりも延出し、
前記シリンダ体は、軸方向において、第1の領域と、前記第1の領域よりも前記ピストンロッドの延出端側に位置する第2の領域とに区画され、
前記第1の領域において、前記シリンダ体の内径は、前記第1のチャンバから前記第2のチャンバへの方向に徐々に大きくなり、前記第2の領域において、前記シリンダ体の内径は、前記第1のチャンバから前記第2のチャンバへの方向に一定である。
【0021】
本発明の昇降台によれば、テーブル面が上昇する全過程において、ねじりばねが蓄積した弾性ポテンシャルエネルギーが完全に解放されることはないため、テーブル面に必要とされる作業者からの外力が小さい。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】
図1は、本発明の一実施形態に係る昇降台の本体部の構造を示す模式図である。
【
図2】
図2は、本発明の一実施形態に係るエネルギー転換装置の構造を示す模式図である。
【
図3】
図3は、本発明の一実施形態に係る変速機の構造を示す模式図である。
【
図4】
図4は、本発明の一実施形態に係る変速機の構造を示す模式図である。
【
図5】
図5は、本発明の一実施形態に係る同期昇降装置の構造を示す模式図である。
【
図6】
図6は、本発明の一実施形態に係る脚部ユニットの構造を示す模式図である。
【
図7】
図7は、本発明の一実施形態に係る脚部ユニットと横梁ユニットとを組み立てる一部の構造を示す模式図である。
【
図8】
図8は、本発明の一実施形態に係る圧力シリンダの構造を示す模式図である。
【符号の説明】
【0023】
10 横梁
20 脚部
21 第1の脚部
22 第2の脚部
30 エネルギー転換装置
31 ねじりばね
32 変速機
321 キャリア
322 サンギア
323 プラネタリーギヤ
324 リングギア
325 ハウジング
33 中心軸
34 外側短軸
341 ばね
35 クラッチ
351 クラッチスイッチ
36 ブレーキフォーク
37 伝達ユニット
371 ハンドル
372 スケール
40 同期昇降装置
41 支持フレーム
42 伝動チェーン
43 同期連結器
44 位相連結器
441 接続リング
50 圧力シリンダ
51 シリンダ体
52 ピストンロッド
53 ピストン
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面を参照しながら、本発明の例示的な実施形態を説明する。これらの具体的な説明は、当業者が本発明をどのように実施するかを教示するためのものに過ぎず、本発明のすべての実施可能な形態を網羅するためのものではなく、本発明の範囲を限定するためのものでもないことを理解すべきである。
【0025】
以下、
図1~
図8を参照しながら、本発明に係る昇降台の具体的な構造及び使用方法を説明する。
【0026】
本実施形態の昇降台は、テーブル面(図示せず)と、テーブル面の下方に固定される中空の横梁10と、横梁10の内腔に収容されるエネルギー転換装置30と、横梁10の両側に固定される2つの中空の脚部20と、脚部20の内腔に収容される同期昇降装置40及び圧力シリンダ50とを備える。
【0027】
エネルギー転換装置30は、昇降台の昇降部分(昇降部分は主に、テーブル面を含み、以下、説明の便宜上、昇降部分に言及するとき、テーブル面のみで代替する。)の昇降中に、第1の補助エネルギー(第1の補助動力)を提供するためのものであり、エネルギー転換装置30における貯エネ装置が蓄積した弾性ポテンシャルエネルギーは、テーブル面の重力ポテンシャルエネルギーに転換され、作業者の負担を軽減することができる。
【0028】
図2に示すように、エネルギー転換装置30は、ねじりばね31と、変速機32と、中心軸33と、外側短軸34と、クラッチ35と、ブレーキフォーク36と、伝達ユニット37とを備える。
【0029】
クラッチ35は、横梁10に固定され、中心軸33は、クラッチ35を貫通し、かつクラッチ35に対してそれ自体の軸周りに回転可能である。ブレーキフォーク36は、中心軸33に固定され、クラッチスイッチ351の操作により、ブレーキフォーク36は、クラッチ35によって選択的にロック又は解放される。ブレーキフォーク36がクラッチ35によって解放された場合、中心軸33は、順方向又は逆方向に回転可能であり、ブレーキフォーク36がクラッチ35によってロックされた場合、中心軸33は、回転不能である。
【0030】
ねじりばね31は、中心軸33の外周に外嵌され、ねじりばね31の第1端は、変速機32を介して中心軸33に接続され、ねじりばね31の第2端は、伝達ユニット37に接続されている。伝達ユニット37は、ねじりばね31がそれ自体の軸周りに回転するように外力をねじりばね31の第2端に伝達する。本実施形態では、伝達ユニット37はウォームギアユニットであり、伝達ユニット37は、ハンドル371に接続され、ハンドル371の回転軸は、ねじりばね31の回転軸に垂直であり、作業者は、ハンドル371を回転させることにより外力をねじりばね31に伝達させることができる。横梁10の壁には、指示装置372がさらに設けられており、ハンドル371の回転の度合いは、指示装置372によって表示可能である。指示装置372は、ラックアンドピニオンなどの伝達部材を介してハンドル371に連動する機械的ポインタであってもよいし、フォトセンサなどでハンドル371の回転の度合いを測定するデジタルダイヤルであってもよい。作業者は、指示装置372を介してねじりばね31が蓄積しているエネルギーの相対的な大きさを知ることができる。
【0031】
ねじりばね31による弾性ポテンシャルエネルギーの蓄積は、以下のように行われる。ブレーキフォーク36がクラッチ35によってロックされるようにクラッチスイッチ351を制御したうえで、ハンドル371を回転させることにより、ねじりばね31の第1端が固定され、第2端が回転する。
【0032】
ねじりばね31による弾性ポテンシャルエネルギーの解放は、以下のように行われる。ハンドル371がロックされ、ねじりばね31の第2端が固定されたうえで、ブレーキフォーク36がクラッチ35によって解放されるようにクラッチスイッチ351を制御することにより、ねじりばね31の第1端が第2端に対して回転し、中心軸33が連れ回る。
【0033】
変速機32は、ねじりばね31の回転が拡大されて中心軸33に伝達されるように、ねじりばね31と中心軸33と接続する。後文から分かるように、テーブル面が一定の距離だけ昇降する場合、対応する中心軸33の回転回数が一定であるが、中心軸33が数回回転してもねじりばね31が小さな角度だけ回転すると、テーブル面の上昇中、ねじりばね31の弾性ポテンシャルエネルギーが完全に解放されることはない。同じ上昇距離の場合、ねじりばね31の弾性ポテンシャルエネルギーが完全に解放される調整過程と比べて、本実施形態では、ねじりばね31による補助力の変化が小さいため、テーブル面の上昇はより安定し、作業者が動的に加える外力はより小さい。
【0034】
以下、
図3及び
図4を参照しながら、本実施形態に係る変速機32の具体的な構造及び作用を説明する。横梁10の内腔の空間を節約し、中心軸33及びねじりばね31の位置配置を容易にするために、本実施形態で使用される変速機32は、プラネタリーギヤ変速機である。変速機32は、キャリア321と、サンギア322と、3つのプラネタリーギヤ323と、リングギア324と、ハウジング325とを備える。キャリア321は、ねじりばね31の第1端に固定され、プラネタリーギヤ323は、それ自体の軸周りに回転可能にキャリア321に固定されている。中心軸33は、サンギア322を軸方向に貫通し、かつサンギア322に対して相対回転不能に接続されている。リングギア324の外周は、リングギア324がハウジングによって固定されるようにハウジング325内の突起に係合可能な複数の切り欠きを有する。
【0035】
変速機32の動作過程は、ねじりばね31による弾性ポテンシャルエネルギーの解放過程に対応する。この過程では、リングギア324が動かず、キャリア321が能動的であり、サンギア322が受動的であるため、キャリア321からサンギア322への加速的な伝達効果が達成される。
【0036】
次に、キャリア321とサンギア322との伝達比(すなわち、回転数(角速度)比)が1:10であることを例に、本発明で変速機32を増設する利点を説明する。ここで検討するテーブル面への補助支持は、後文に記載されるシリンダユニットの影響を考慮しない。
【0037】
仮にねじりばね31のねじりアーム長を0.025mとすると、ねじりばね31が1回転する毎に、7.5N・mのトルクが必要であり、すなわち、7.5N・mのポテンシャルエネルギーが蓄積される。よって、ねじりばね31が1回転する毎に、変速機32を介して中心軸33に伝達される力が7.5N・m/0.025m/10=30Nである。
【0038】
500mm上昇する必要がある、荷重が150Nのテーブル面については、仮に中心軸33が1回転する毎に、テーブル面が100mm上昇するとする。初期状態を定義するとき、ねじりばね31が順方向に5回転するように予め設定され、ねじりばね31が蓄積した弾性ポテンシャルエネルギーが5×7.5N・m=37.5N・mであり、変速機32を介して中心軸33に伝達される力が37.5N・m/0.025m/10=150Nである。このとき、ねじりばね31によってテーブル面に与えられる支持力は、テーブル面の荷重と釣り合い、テーブル面に小さな上向きの初期運動量を与えることにより、テーブル面を上昇させることができる。
【0039】
テーブル面が100mm上昇すると、中心軸33が1回転し、ねじりばね31が所定の回転方向とは反対の逆方向に1/10(36°)回転し、ねじりばね31が解放する弾性ポテンシャルエネルギーは、7.5N・m×1/10=0.75N・mである。このとき、ねじりばね31が蓄積した弾性ポテンシャルエネルギーは、37.5N・m-0.75N・m=36.75N・mに低減され、ねじりばね31が変速機32を介して中心軸33に伝達される力は、36.75N・m/0.025m/10=147Nに低減される。初期状態と比べて、ねじりばね31によってテーブル面に与えられる支持力は、3N低減される。このとき、作業者がテーブル面に3Nの上向きの外力を加えれば、テーブル面を等速で上昇させ続けることができる。
【0040】
このように、テーブル面が200mm上昇すると、必要とされる外力が、6Nであり、テーブル面が400mm上昇すると、必要とされる外力が、12Nである。テーブル面が500mm上昇すると、ねじりばね31が逆方向に合計5/10(180°)回転し、解放された弾性ポテンシャルエネルギーが3.75N・mであり、このとき、ねじりばね31が蓄積した弾性ポテンシャルエネルギーは、37.5N・m-3.75N・m=33.75N・mに低減され、ねじりばね31が変速機32を介して中心軸33に伝達される力は、33.75N・m/0.025m/10=135Nに低減される。初期状態と比べて、ねじりばね31によってテーブル面に与えられる支持力は、15Nしか低減されない。
【0041】
よって、従来の技術における変速機32を用いていない発明と比べて、テーブル面が500mm上昇する過程において、作業者によって加えられる外力が大幅に低減される。
【0042】
次に、
図5~
図7を参照しながら、中心軸33の回転がどのようにテーブル面の昇降を実現するかを説明する。
【0043】
同期昇降装置40は、中心軸33と脚部20と接続する。同期昇降装置40によって、中心軸33の回転と脚部20の伸縮運動との転換が実現できるだけでなく、2つの脚部20が同期して伸縮することも確保できる。
【0044】
図5に示すように、同期昇降装置40は、支持フレーム41と、伝動チェーン42と、同期連結器43と、位相連結器44とを備える。支持フレーム41は、長尺状をなし、支持フレーム41の両端には、位相連結器44がそれぞれ接続されており、それぞれの位相連結器44は、伝動プーリを有する。無端の伝動チェーン42は、2つの位相連結器44の伝動プーリに架け渡されて張られている。同期連結器43は、伝動チェーン42に固定され、伝動チェーン42の正転及び逆転は、同期連結器43を2つの位相連結器44の間で往復移動させる。伝動チェーン42の回転と伝動プーリの回転とは同期しており、伝動プーリの回転は、接続リング441の回転を駆動し、接続リング441は、中心軸33に対して相対回転不能に接続可能であるため、中心軸33の回転と同期連結器43の往復移動とは、互いに牽制されている。
【0045】
図6を参照しながら、同期昇降装置40と脚部20との接続関係を説明する。脚部20は、互いに嵌設される第1の脚部21及び第2の脚部22を含み、第1の脚部21及び第2の脚部22は、互いに近接又は離間可能であるため、脚部20の短縮又は伸長が実現される。同期昇降装置40の支持フレーム41は、第1の脚部21に固定的に接続され、同期連結器43は、第2の脚部22に固定的に接続されている。これにより、第1の脚部21と第2の脚部22との相対位置が変化すると、支持フレーム41における同期連結器43の位置も変化し、同時に接続リング441が回転する。本実施形態では、第1の脚部21及び第2の脚部22は、互いに嵌設されているので、第1の脚部21と第2の脚部22との相対移動時に、同期連結器43と位置干渉しないように、第1の脚部21は、第2の脚部22の外周に外嵌されている。
【0046】
次に、
図7を参照しながら、中心軸33がどのように位相連結器44に接続されるかを説明する。本実施形態の横梁ユニット(横梁10とエネルギー転換装置30とを備える)と、脚部ユニット(脚部20と、同期昇降装置40と、後文にさらに説明する圧力シリンダ50とを備える)とは、容易に着脱可能であるので、昇降台をメーカーから客先に輸送する過程で個別に梱包、輸送し、物流コストを節約できる。横梁ユニットと脚部ユニットの着脱自在は、外側短軸34及びばね341によって実現される。中心軸33(
図6では図示せず)の両端は、中空構造とされ、外側短軸34は、中心軸33の端部の内腔内に嵌入可能であり、かつ中心軸33に対して相対回転不能に接続され、例えば、中心軸33の端部の内腔の断面と外側短軸34の断面とはいずれも、六角形である。外側短軸34と中心軸33との嵌合部には、ばね341が設けられており、自然状態では、ばね341は元の長さを保持し、外側短軸34は延出状態にある。外側短軸34に軸方向の中心軸33側への圧力が加えられると、外側短軸34は、中心軸33の内腔にさらに挿入することができる。外側短軸34の断面形状が、位相接続リング441の環状孔の断面形状に適合することにより、外側短軸34は位相接続リング441内にぴったりと挿入し、かつ外側短軸34及び位相接続リング441のうちの一方の回転は、他方を同じ位相で回転させることができ、両者の回転の位相が互いに規制され、すなわち、両者が相対回転不能に接続されている。
【0047】
好ましくは、組み立てが完了した昇降台の2つの脚部20間の距離(2つの接続リング441間の距離にほぼ等しい)は、自然状態におけるエネルギー転換装置30の2つの外側短軸34の延出端間の距離よりも小さい。これにより、横梁ユニット及び脚部ユニットを組み立てるとき、外側短軸34は、2つの外側短軸34がともに対応する位相接続リング441内に挿入するまで、少なくとも部分的に中心軸33に押し込まれる。その後、ばね341の弾性力により外側短軸34が部分的に反発されて中心軸33から伸出するため、横梁ユニットと脚部ユニットとの組立関係がより強くなる。
【0048】
外側短軸34と中心軸33との伸縮可能な組み立てが上述のように外側短軸34を中心軸33の内部に嵌設する形態に限らないことは、理解されるべきである。例えば、中心軸33が部分的に外側短軸34の内部に挿入されるように、中心軸33に接続される外側短軸34の一端を中空構造としてもよい。
【0049】
本実施形態に係る圧力シリンダ50(
図8を参照)は、テーブル面の上昇に第2の補助エネルギー(第2の補助動力)を提供する。本実施形態では、圧力シリンダ50は、気圧シリンダであり、シリンダ体51内には、高圧窒素が充填されている。シリンダ体51は、支持フレーム41又は第1の脚部21に固定的に接続され、ピストンロッド52は、第2の脚部22に固定的に接続されている。テーブル面の上昇中、ピストンロッド52は、シリンダ体51から伸出し続けて補助動力を提供する。
【0050】
好ましくは、ピストンロッド52の伸出中の出力を安定させるために、圧力シリンダ50の内径を格別に設計する。なぜなら、ピストンロッド52がシリンダ体51の内部の一定の空間を占めており、ピストンロッド52が外部へ伸出する過程で、シリンダ体51の内部のガスの体積は、徐々に大きくなり、シリンダ体51の内部の気圧は、徐々に小さくなるからである。ピストン53の上下2つの表面の表面積が変わらない場合、ピストンロッド52が外部へ伸出する全過程において、ピストンロッド52の外部への出力は徐々に小さくなる。一方、以下に説明する好ましい形態では、シリンダ体51の内径は軸方向に変化しており、ピストン53の移動中にその上下2つの表面の表面積も対応的に変化する。
【0051】
以下、
図8を参照しながら、この好ましい圧力シリンダ50の構造を説明する。
【0052】
シリンダ体51の内部は、ピストン53によって軸方向に第1のチャンバC1と第2のチャンバC2とに区画されており、第1のチャンバC1と第2のチャンバC2とが流体連通している。
【0053】
シリンダ体51の内径によって、シリンダ体51は、軸方向に2つの領域に区画されており、ピストンロッド52の伸出方向を「上」に定義し、第2の領域は、第1の領域の上方に位置する。シリンダ体51の軸方向における第1の領域から第2の領域への方向に、第1の領域のシリンダ体の内径は、徐々に大きくなり、第2の領域のシリンダ体の内径は、変わらない。
【0054】
ピストン53は、一定の弾性を有し、シリンダ体51の内壁に密着するとともに、シリンダ体の内径の変化に合わせて適宜変形可能である。ピストンロッド52がシリンダ体51から外部へ伸出する過程において、ピストン53が第1の領域を移動するとき、ピストン53の上下2つの表面(ピストン53の第1のチャンバC1に向かう表面は、その下面であり、ピストン53の第2のチャンバC2に向かう表面は、その上面である)の表面積の差△Sは、徐々に小さくなるが、ピストン53が第2の領域を移動するとき、ピストン53の上下2つの表面の表面積の差△S’は、変わらない。
図8における破線部分は、ピストン53の移動軌跡における複数の位置を示すものであり、表1は、上記複数の位置におけるピストン53の上下2つの表面の表面積の差を示している。なお、実際の応用では、シリンダ体の内径の設計は、ピストンロッド52の受ける外力やシリンダ内の高圧窒素の物理的状態、装置自体の構造、ガスバルブの配置などの状況に応じて行う必要がある。
【0055】
表1
【0056】
【0057】
ピストンロッド52が伸出する全過程において、△S<△S’であり、当該表面積の差は、当該過程におけるシリンダ体51内の気圧差を適宜補償したため、ピストンロッド52の出力の変化が小さく、圧力シリンダ50による補助動力が安定的である。
【0058】
以下、
図1と
図2を合わせて、本実施形態に係る昇降台の昇降動作過程を説明する。
【0059】
(1)昇降台の上昇
【0060】
初期状態では、クラッチスイッチ351が接続状態にあり、ブレーキフォーク36がクラッチ35によってロックされる。
【0061】
ハンドル371を回転させることにより、ねじりばね31は順方向に回転してエネルギーを蓄積し、指示装置372の目盛りと合わせて、ねじりばね31は、テーブル面の総荷重に適した弾性ポテンシャルエネルギーを蓄積する。
【0062】
クラッチスイッチ351をオフ状態にする。ブレーキフォーク36がクラッチ35のロックから解放され、ねじりばね31が逆方向に回転して弾性ポテンシャルエネルギーを解放し、変速機32を介して中心軸33及び両端の外側短軸34を回転させ、第1の補助動力を同期昇降装置に伝達する。
【0063】
圧力シリンダ50による第2の補助動力及び上記第1の補助動力の支持により、テーブル面は、浮遊状態に近い。このとき、テーブル面を軽く持ち上げ、テーブル面に上向きの初期運動量を与えると、圧力シリンダ50のピストンロッド52が伸出する。脚部20が伸長し(第1の脚部21がほぼ等速で上昇する)、両側の第1の脚部21の上昇が同期する。
【0064】
テーブル面の上昇中、作業者は、テーブル面の移動状態に応じて、テーブル面に一定の人為的な外力を与えることができる。
【0065】
テーブル面が所望の高さに達すると、クラッチスイッチ351を接続状態にし、ブレーキフォーク36は、クラッチ35によってロックされる。脚部20の伸長過程(すなわち、テーブル面の上昇過程)が終了し、昇降台の高さが決定され、テーブル面の重力ポテンシャルエネルギーが増える。
【0066】
(2)昇降台の降下
【0067】
クラッチスイッチ351をオフ状態にし、ブレーキフォーク36がクラッチ35のロックから解放され、中心軸33及び両端の外側短軸34が回転可能な状態にある。
【0068】
テーブル面を軽く押してテーブル面に下向きの初期運動量を与え、テーブル面はそれ自体の重力により降下する。テーブル面の降下中、中心軸33は、順方向に回転し(昇降台の上昇中の中心軸33及びねじりばね31の逆方向の回転に対して)、ブレーキフォーク36及ねじりばね31を順方向に回転させ、ねじりばね31は、エネルギーを蓄積する。
【0069】
テーブル面が所望の高さに達すると、クラッチスイッチ351を接続状態にし、ブレーキフォーク36がクラッチ35によってロックされ、降下過程が終了し、昇降台の高さが決定され、テーブル面の重力ポテンシャルエネルギーがねじりばね31の弾性ポテンシャルエネルギーに転換される。
【0070】
本発明は少なくとも、以下の利点のうちの1つを有する。
【0071】
(i)本発明はねじりばね31を用いて、昇降台の上昇に第1の補助動力を提供し、当該補助動力は変速機32を介して中心軸33に伝達され、さらに同期昇降装置40に伝達される。変速機32は力及び運動の伝達中に、レバーのような調整作用を果たし、ねじりばね31の回転角度を大きくして中心軸33に伝達するので、テーブル面が上昇する全過程において、ねじりばね31が蓄積した弾性ポテンシャルエネルギーが全て解放されることはない。
【0072】
(ii)変速機32は、プラネタリーギヤ伝動構造を採用しており、ねじりばね31は、変速機32の入力部材としてのキャリア321に接続され、中心軸33は、変速機32の出力部材としてのサンギア322に接続されているため、ねじりばね31は、中心軸33の外周に外嵌され、かつ中心軸33と同軸に配置可能であるとともに、中心軸33は、変速機32を軸方向に貫通可能であり、横梁10の内腔の空間を節約することができる。
【0073】
(iii)同期昇降装置40がエネルギー転換装置30に接続されることにより、中心軸33の回転と脚部20の伸縮運動との間の伝達が実現されるだけでなく、対をなして設けられる脚部20の同期伸縮も確保される。
【0074】
(iv)外側短軸34と中心軸33とは軸方向に一定の距離だけ相対移動可能であるため、同期昇降装置40とエネルギー転換装置30との着脱が容易になる。メーカーは保管、物流コストなどを考慮して、脚部ユニット、横梁ユニット及び昇降台のテーブル面をそれぞれ別々に製造し、個別に梱包し、昇降台の全体的な組立過程を消費者に任せることができる。
【0075】
もちろん、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱しない限り、当業者は本発明の教示により本発明の上記実施形態に種々の変形を加えることができる。例えば以下のように変形する。
【0076】
(i)本発明の昇降台によれば、第2の補助動力を提供するための圧力シリンダ50を用いなくてもよく、すなわち、圧力シリンダ50の配置を省略することができる。圧力シリンダ50を用いて第2の補助動力を提供する場合、シリンダ体の内径が軸方向に均一である一般的な圧力シリンダを用いてもよい。
【0077】
(ii)本発明の昇降台によれば、1つのみ(2つではない)の脚部20を備えてもよく、この場合、脚部20に接続される同期昇降装置40は、中心軸33の回転を伝達する役割を果たしている。
【0078】
(iii)変速機32は、プラネタリーギヤ伝動構造を用いるのではなく、一般的な歯車伝動構造を用いてもよく、例えば、変速機32内において、大歯車と小歯車とが噛み合う伝達形態であって、大歯車と小歯車の回転軸が同一線上に位置しなく、この場合、ねじりばね31は、入力部材としての大歯車に接続され、中心軸33は、出力部材としての小歯車に接続されている。プラネタリーギヤ変速機と比べて、一般的な変速機がより大きな空間を占めるかもしれないが、一般的な変速機では、部品の精度に対する要求が低く、伝達比の設定の自由度がより高く、メンテナンスしやすい。
【0079】
(iv)伝動チェーン42は、伝動ベルトや伝動ロープなどの他の形態の無端伝動部材であってもよい。