(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-04
(45)【発行日】2022-03-14
(54)【発明の名称】訪問情報提供システム、訪問情報提供方法、及びそのプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/02 20120101AFI20220307BHJP
【FI】
G06Q30/02 470
(21)【出願番号】P 2021518207
(86)(22)【出願日】2020-01-31
(86)【国際出願番号】 JP2020003650
(87)【国際公開番号】W WO2021152820
(87)【国際公開日】2021-08-05
【審査請求日】2021-04-01
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 ・令和元年10月24日に自社開催の発表会(東京都内展示会場(ホテル雅叙園東京))にて公開。 ・令和元年10月31日に自社ウェブサイト(https://www.optim.cloud/services/ai-marker/)にて公開。 ・令和元年12月24日に自社ウェブサイト(https://tech-blog.optim.co.jp/entry/2019/12/24/173000)にて公開。
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】500521522
【氏名又は名称】株式会社オプティム
(74)【代理人】
【識別番号】100177220
【氏名又は名称】小木 智彦
(72)【発明者】
【氏名】菅谷 俊二
【審査官】田中 秀樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-178876(JP,A)
【文献】特開平11-096230(JP,A)
【文献】特開2011-043953(JP,A)
【文献】特開2005-196285(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも顧客の連絡先情報を含む顧客情報と、当該顧客情報を識別する識別コードとを対応付けて登録する顧客情報登録手段と、
検出装置が検出した識別コードと、検出した当該検出装置の検出場所とを対応付けて取得する識別コード取得手段と、
取得した前記識別コードから識別した顧客と、前記検出場所とを対応付け、訪問リストとして顧客毎にリストを作成する訪問リスト作成手段と、
作成した前記訪問リストを前記顧客の端末及び/又は管理者の端末に送信する訪問リスト送信手段と、
作成した前記訪問リストに基づいて、顧客訪問マップを作成する顧客訪問マップ作成手段と、
作成した前記顧客訪問マップを前記顧客の端末及び/又は管理者の端末に送信する顧客訪問マップ送信手段と、
をさらに備え、
前記識別コード取得手段は、前記識別コードと共に、前記検出装置が検出した検出場所、検出時刻及び初回検出時刻を対応付けて取得し、
前記訪問リスト作成手段は、前記訪問リストを取得した前記検出時刻に基づいてソートするとともに、当該訪問リストに各検出場所の前記初回検出時刻に基づいた入場時刻及び当該初回検出時刻と前記検出時刻とに基づいた滞在時刻を記録する訪問情報提供システム。
【請求項2】
コンピュータシステムが実行する訪問情報提供方法であって、
少なくとも顧客の連絡先情報を含む顧客情報と、当該顧客情報を識別する識別コードとを対応付けて登録するステップと、
検出装置が検出した識別コードと、検出した当該検出装置の検出場所とを対応付けて取得するステップと、
取得した前記識別コードから識別した顧客と、前記検出場所とを対応付け、訪問リストとして顧客毎にリストを作成するステップと、
作成した前記訪問リストを前記顧客の端末及び/又は管理者の端末に送信するステップと、
作成した前記訪問リストに基づいて、顧客訪問マップを作成するステップと、
作成した前記顧客訪問マップを前記顧客の端末及び/又は管理者の端末に送信するステップと、を備え、
前記取得するステップは、前記識別コードと共に、前記検出装置が検出した検出場所、検出時刻及び初回検出時刻を対応付けて取得し、
前記リストを作成するステップは、前記訪問リストを取得した前記検出時刻に基づいてソートするとともに、当該訪問リストに各検出場所の前記初回検出時刻に基づいた入場時刻及び当該初回検出時刻と前記検出時刻とに基づいた滞在時刻を記録する訪問情報提供方法。
【請求項3】
コンピュータシステムに、
少なくとも顧客の連絡先情報を含む顧客情報と、当該顧客情報を識別する識別コードとを対応付けて登録するステップ、
検出装置が検出した識別コードと、検出した当該検出装置の検出場所とを対応付けて取得するステップ、
取得した前記識別コードから識別した顧客と、前記検出場所とを対応付け、訪問リストとして顧客毎にリストを作成するステップ、
作成した前記訪問リストを前記顧客の端末及び/又は管理者の端末に送信するステップ、
作成した前記訪問リストに基づいて、顧客訪問マップを作成するステップと、
作成した前記顧客訪問マップを前記顧客の端末及び/又は管理者の端末に送信するステップと、を実行させ、
前記取得するステップは、前記識別コードと共に、前記検出装置が検出した検出場所、検出時刻及び初回検出時刻を対応付けて取得し、
前記リストを作成するステップは、前記訪問リストを取得した前記検出時刻に基づいてソートするとともに、当該訪問リストに各検出場所の前記初回検出時刻に基づいた入場時刻及び当該初回検出時刻と前記検出時刻とに基づいた滞在時刻を記録する処理を実行させるためのコンピュータ読取可能なプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、展示会等の来場者に情報提供を行うための訪問情報提供システム、訪問情報提供方法、及びそのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、多くの展示会やイベントが各地で行われており、来場者は、自身が興味のある展示ブースを見付け、展示されているプロダクトやサービスに関する詳細な情報を知りたいという要望がある。
【0003】
そこで、来場者が展示会に行く前に、来場者に訪問すべき展示ブースを推奨するシステムが開示されている。この先行文献によれば、展示ブースに対するユーザの興味度合いをポイントで判断し、ポイントが高いブースを推奨することで、来場者が短時間で興味のある展示ブースを見付けることができる(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、展示会やイベントが終了した後では、来場者は、その展示会で自身が訪問した訪問先を名刺やリーフレットで対応付ける必要があり、見学した内容を訪問先毎に整理することが難しい。すなわち、来場者は、名刺等に記載された電話やメールでの連絡といった自主的な連絡を行って初めて、プロダクトやサービスの詳細を知ることが出来る。
【0006】
加えて、展示を行った企業が、来場者に対して行うアフターフォローについても課題が残されている。現状では、この企業が、名刺交換した情報から直接、来場者に電話やメールによる連絡を行っているに過ぎない。
【0007】
本発明は、展示会等のイベントに訪れた顧客の訪問先を整理し、その顧客の訪問先リストを作成し、その訪問先の詳細情報を提供する訪問情報提供システム、訪問情報提供方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明では、以下のような解決手段を提供する。
【0009】
本発明は、少なくとも顧客の連絡先情報を含む顧客情報と、当該顧客情報を識別する識別コードとを対応付けて登録する顧客情報登録手段と、
検出装置が検出した識別コードと、検出した当該検出装置の検出場所とを対応付けて取得する識別コード取得手段と、
取得した前記識別コードから識別した顧客と、前記検出場所とを対応付け、訪問リストとして顧客毎にリストを作成する訪問リスト作成手段と、
作成した前記訪問リストを前記顧客の端末及び/又は管理者の端末に送信する訪問リスト送信手段と、
作成した前記訪問リストに基づいて、顧客訪問マップを作成する顧客訪問マップ作成手段と、
作成した前記顧客訪問マップを前記顧客の端末及び/又は管理者の端末に送信する顧客訪問マップ送信手段と、
をさらに備え、
前記識別コード取得手段は、前記識別コードと共に、前記検出装置が検出した検出場所、検出時刻及び初回検出時刻を対応付けて取得し、
前記訪問リスト作成手段は、前記訪問リストを取得した前記検出時刻に基づいてソートするとともに、当該訪問リストに各検出場所の前記初回検出時刻に基づいた入場時刻及び当該初回検出時刻と前記検出時刻とに基づいた滞在時刻を記録する訪問情報提供システムを提供する。
【0010】
本発明によれば、訪問情報提供システムは、少なくとも顧客の連絡先情報を含む顧客情報と、当該顧客情報を識別する識別コードとを対応付けて登録し、検出装置が検出した識別コードと、検出した当該検出装置の検出場所とを対応付けて取得し、取得した前記識別コードから識別した顧客と、前記検出場所とを対応付け、訪問リストとして顧客毎にリストを作成し、作成した前記訪問リストを前記顧客の端末及び/又は管理者の端末に送信し、作成した前記訪問リストに基づいて、顧客訪問マップを作成し、作成した前記顧客訪問マップを前記顧客の端末及び/又は管理者の端末に送信し、前記識別コードと共に、前記検出装置が検出した検出場所、検出時刻及び初回検出時刻を対応付けて取得し、前記訪問リストを取得した前記検出時刻に基づいてソートするとともに、当該訪問リストに各検出場所の前記初回検出時刻に基づいた入場時刻及び当該初回検出時刻と前記検出時刻とに基づいた滞在時刻を記録する。
【0011】
本発明は、システムのカテゴリであるが、方法及びプログラム等の他のカテゴリにおいても、そのカテゴリに応じた同様の作用・効果を発揮する。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、展示会等のイベントに訪れた顧客の訪問先を整理し、その顧客の訪問先リストを作成し、その訪問先の詳細情報を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】
図1は、訪問情報提供システム1の第1の実施形態を示す図である。
【
図2】
図2は、訪問情報提供システム1が実行する訪問リスト作成処理のフローチャートを示す図である。
【
図3】
図3は、訪問情報提供システム1の第2の実施形態を示す図である。
【
図4】
図4は、訪問情報提供システム1の第3の実施形態を示す図である。
【
図5】
図5は、訪問情報提供システム1の第4の実施形態を示す図である。
【
図6】
図6は、顧客訪問マップの一例を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を実施するための最良の形態について図を参照しながら説明する。なお、これはあくまでも例であって、本発明の技術的範囲はこれに限られるものではない。
【0015】
[訪問情報提供システム1の構成]
本発明の好適な実施形態(第1の実施形態)について、
図1に基づいて説明する。
図1は、本発明の好適な実施形態である訪問情報提供システム1を説明するための図である。訪問情報提供システム1は、展示会の顧客及び/又は管理者に顧客の訪問先や訪問先の情報を提供するコンピュータシステムである。
【0016】
訪問情報提供システム1は、1台のコンピュータで実現されるとして本実施例で説明するが、クラウドコンピュータのように、複数のコンピュータで実現されてもよい。また、本実施例では、訪問情報提供システム1は、後述する識別コードを検出する検出装置(カメラ5)を含まないで説明するが、検出装置を本システムに含んでもよい。
【0017】
訪問情報提供システム1は、制御部として、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等を備え、通信部として、他の端末や装置等と通信可能にするためのデバイス、例えば、IEEE802.11に準拠したWi―Fi(Wireless―Fidelity)対応デバイス等を備える。また、訪問情報提供システム1は、記録部として、ハードディスクや半導体メモリ、記録媒体、メモリカード等によるデータのストレージ部を備える。さらに、処理部として、各種処理を実行する各種デバイス等を備える。
【0018】
訪問情報提供システム1において、制御部が所定のプログラムを読み込むことにより、通信部、記録部と協働して、顧客情報登録モジュール100、識別コード取得モジュール110、訪問リスト作成モジュール120、訪問リスト送信モジュール130を実現する。
【0019】
[訪問リスト作成処理]
次に、
図1及び
図2を用いて、訪問情報提供システム1が実行する訪問リスト作成処理について説明する。
前提として、展示会場等の顧客3(来場者)は、入場する際に、顧客3を識別するための識別コードが付与される。入場時に、顧客3は、顧客情報として、氏名、会社名、所属、性別、連絡先情報(メールアドレス、電話番号、SNSアドレス等)の属性を所定の端末に入力する。この顧客情報の入力と共に、顧客を識別するための識別コードが発行され、端末が訪問情報提供システム1に顧客情報と識別コードを送信する。
【0020】
識別コードは、1次元又は2次元バーコードや、URL(Uniform Resource Locator)アドレス、所定の文字列等であってよい。
なお、検出装置5が、画像撮影により検出する方式ではない場合は、通常のデータであってよい。
すなわち、本実施例では、識別コードを検出する検出装置5をカメラで主に説明するが、検出装置は、画像撮影装置ではなく、NFC(Near Field Communication)を使用した近距離通信により、顧客が保持するICカードに識別コードが記憶されて、識別コードを検出する方法であってもよい。
【0021】
訪問情報提供システム1の顧客情報登録モジュール100は、端末から送信された顧客情報を受信し(ステップS10)、顧客情報と識別コードを対応付けて登録する(ステップS11)。
【0022】
次に、顧客3が各展示ブースを周ることで、設置された検出装置5が顧客3の識別コードを検出し、検出装置5が識別コードと検出場所を訪問情報提供システム1に送信する。ここで、検出場所のデータは、展示場内における展示ブース場所、展示ブースの企業名であってよいし、GPSによる緯度経度であっても良い。
【0023】
次に、識別コード取得モジュール110は、検出装置5から送信された識別コードと検出場所を取得したと判断した場合には(ステップS12「YES」)、訪問リスト作成モジュール120が、取得した識別コードで顧客3を識別し、訪問リストを作成する(ステップS13)。
【0024】
識別コード取得モジュール110は、任意の識別コードを取得すると、顧客を識別し、顧客毎に分けて、訪問リストを作成、追加する。最初に検出した顧客は、訪問リストは、まだ作成されていないため、検出場所を記載して訪問リストを作成する。2回目以降に検出した顧客の識別コードを取得した場合は、作成された訪問リストに追加して、検出場所を記載する。
【0025】
識別コード取得モジュール110は、検出装置5から送信された識別コードと検出場所を取得していない場合は(ステップS12「NO」)、ステップS14に処理を移す。
【0026】
ステップS14では、訪問情報提供システム1は、顧客3が展示ブースから退場したか否かを判断する。例えば、顧客3が端末を操作して、展示場を退場したことを入力し、その入力が顧客3の識別コードと共に訪問情報提供システム1に通知されることで、訪問情報提供システム1は、その顧客3が展示場を退場したと判断してよい。
その他の態様としては、例えば、退場ゲートの近くに設置された検出装置5が、退場用の検出装置5であって、顧客3の識別コードを検出装置5が検出すると退場と判断し、この顧客3が退場と判断されたことを訪問情報提供システム1に通知して、訪問情報提供システム1がこの顧客3が退場したと判断してもよい。
【0027】
訪問リスト作成モジュール120は、訪問先となる検出場所(訪問先情報)をリストに記載するとともに、その検出場所に予め対応付けられた展示ブースの資料データを読み出して、この資料データを訪問リストに含めて作成してよい。訪問先情報は、この資料データを含めて良い。
すなわち、訪問情報提供システム1には、予め、訪問先となる検出場所と、その場所に対応した展示ブースの資料データとが対応付けられて記憶されており、この資料データを読み出して、訪問リストを作成してよい。
【0028】
訪問リスト作成モジュール120は、顧客3が退場したと判断した場合は(ステップS14「YES」)、訪問リスト送信手段モジュール130は、作成した訪問リストを顧客3の連絡先情報により顧客3の端末及び/又は管理者4の端末に送信する(ステップS15)。訪問情報提供システム1は、顧客が退場していないと判断した場合は(ステップS14「NO」)、処理をステップS12に戻す。これは、顧客3が会場内にいるため、更に、検出装置5が検出するためである。
【0029】
[レコメンドリスト作成]
次に、第2の実施形態として、第1の実施形態を前提として、訪問先情報に基づいたレコメンドリストの作成、送信処理について
図3を用いて説明する。
第1の実施形態と同様に、顧客情報登録モジュール100、識別コード取得モジュール110、訪問リスト作成モジュール120、訪問リスト送信モジュール130が処理を行い、訪問リストを顧客3の端末及び/又は管理者4の端末に送信する。
【0030】
これに加えて、本実施形態では、訪問情報提供システム1の顧客分析モジュール140が、作成した顧客3毎の訪問リスト内の訪問先情報に基づいて、顧客3毎に顧客3の関心分析する。具体的には、訪問先情報を自然言語処理することによって、関心に対応する所定のキーワードを抽出する(後述する)。
【0031】
そして、顧客3の関心が分析され、このキーワードが決定すると、レコメンドリスト作成モジュール150は、当該キーワードに対応するプロダクトやサービスを抽出して、検出場所毎にリスト化する。ここで前提として、当該キーワードとプロダクト・サービスが訪問情報提供システム1に予め対応付けられて記憶されている(又は記憶されている他のシステムから取得する)。プロダクト・サービスのデータは、予め、展示会場の全てのブースで提供されるデータが記憶されていることが望ましく、このデータを関心となるキーワードに基づいて、読み出すことができる。
【0032】
例えば、顧客3の訪問リストの訪問先情報として、農業IoT化を行う企業のブースに多数、訪問している事が記載されている場合は、分析結果として「スマート農業」に関心があると決定され、キーワードとして「スマート農業」を決定する。「スマート農業」に関連したプロダクト・サービスについて、レコメンドリスト作成モジュール150は、顧客3が訪問した先のプロダクト・サービスに関するデータ(レコメンドデータ)と共に、訪問していない場所のプロダクト・サービスに関するデータ(レコメンドデータ)を読み出す。そして、レコメンドリスト作成モジュール150は、このレコメンドデータを検出場所毎にリスト化して、レコメンドリストを作成する。
【0033】
その後、レコメンドリスト送信モジュール160は、作成されたレコメンドリストを顧客3の端末及び/又は管理者4の端末に、任意のタイミング(退場後など)で送信する。なお、任意のタイミングは、退場後であってよいが、退場後ではなく、入場中であっても良い。入場中であれば、まだ顧客3に関心があるが、訪れていない展示ブースを認識して、訪問できるという効果がある。
【0034】
[時間によるソート処理]
次に、第3の実施形態として、第2の実施形態と同様に、第1の実施形態を前提とした時間によるソート処理について説明する。
第1の実施形態と同様に、顧客情報登録モジュール100、識別コード取得モジュール110、訪問リスト作成モジュール120、訪問リスト送信モジュール130が処理を行い、訪問リストを顧客3の端末及び/又は管理者4の端末に送信する。
【0035】
これに加えて、本実施形態では、識別コード取得モジュール110が、識別コードと共に、この識別コードに対応付けられた検出装置5が検出した検出時刻を取得する。そして、訪問リスト作成モジュール120は、異なる時間で、二以上の同一の識別コードを取得した場合、この二つ以上取得した識別コードをそれぞれ取得する間の時間を検出時刻から算出し、当該時間(例えば、長い時間順)に基づいて訪問リストを作成する。
これにより、顧客3の訪問時間が長い、即ち、関心が高いと推測できる順
番でソートした訪問リストを作成できる。
【0036】
他の例として、訪問リスト作成モジュール120は、異なる時間で、二以上の同一の識別コードを取得した場合、この二つ以上取得した識別コードの検出時刻(例えば、訪問した時間が早ければ上にソートし、遅ければ後ろにソートする)に基づいて訪問リストを作成する。
これにより、顧客3が訪問した順番で訪問リストの訪問先情報が整理されているための、顧客3が訪問先を理解しやすくなる。
【0037】
[顧客訪問マップ作成処理]
次に、第4の実施形態として、第2及び第3の実施形態と同様に、第1の実施形態を前提とした顧客訪問マップ作成処理について説明する。
【0038】
第1の実施形態と同様に、顧客情報登録モジュール100、識別コード取得モジュール110、訪問リスト作成モジュール120が処理を行い、訪問リストを作成する。
【0039】
これに加えて、本実施形態では、識別コード取得モジュール110が、識別コードと共に、この識別コードに対応付けられた検出装置5が検出した検出場所、検出時刻、初回検出時刻を取得する。そして、訪問リスト作成モジュール120は、検出時刻に基づいて、訪問リストをソート(例えば、訪問した時刻が早ければ上にソートし、遅ければ後ろにソートする)し、各識別コードを検出した展示ブースにおける入場時刻から退場時刻(例えば、初回検出時刻を入場時刻とし、最終的な検出時刻を退場時刻とする)に基づいたこの展示ブースにおける滞在時間及び入場時刻を記録した訪問リストを作成する。
【0040】
顧客訪問マップ作成モジュール170は、顧客3が各展示ブースを訪問した順番と、各展示ブースの滞在時間とが整理された訪問リストの訪問先情報に基づいて、顧客3の移動経路、展示ブースへの入場時刻及びこの展示ブースでの滞在時間を示す顧客訪問マップを作成する。
【0041】
これにより、顧客3が各展示ブースを訪問した順番と、顧客3の各展示ブースへの入場時刻と、顧客3の各展示ブースの滞在時間とが視覚的に整理されているため、顧客3が訪問先を理解しやすくなる。
【0042】
図6は、顧客訪問マップ作成モジュール170が作成した顧客訪問マップの一例を模式的に示す図である。
図6において、顧客訪問マップには、顧客3の移動経路と、各展示ブースの位置と、顧客3の各展示ブースにおける入場時刻と、顧客3の各展示ブースにおける滞在時間とが示されている。顧客3の移動経路は、矢印で示されており、各展示ブースがあるフロアやイベント会場への来場から退場までの間に、顧客3が各展示ブースを訪問した順番(経路)に従って、矩形で示された各展示ブース間を繋ぐことにより、示されている。展示ブースは、検出装置5が識別コードを検出する検出場所に従って、示されている。入場時刻及び滞在時刻は、作成した訪問リストにおける入場時刻及び滞在時刻に従って、各展示ブース近傍に示されている。
【0043】
その後、顧客訪問マップ送信モジュール180は、作成された顧客訪問マップを顧客3の端末及び/又は管理者4の端末に、任意のタイミング(退場後など)で送信する。なお、任意のタイミングは、退場後であってよいが、退場後ではなく、入場中であっても良い。入場中であれば、まだ顧客3に関心があるが、訪れていない展示ブースを認識して、訪問できるという効果がある。このとき、顧客訪問マップは、その時点における顧客3の移動経路と、各展示ブースの位置と、顧客3の各展示ブースにおける入場時刻と、顧客3の各展示ブースにおける滞在時間とが示されることになる。
【0044】
上述した手段、機能は、コンピュータ(CPU、情報処理装置、各種端末を含む)が、所定のプログラムを読み込んで、実行することによって実現される。プログラムは、例えば、単数又は複数のコンピュータからネットワーク経由で提供される(クラウドサービス、SaaS:ソフトウェア・アズ・ア・サービス)形態で提供される。また、プログラムは、例えば、コンピュータ読取可能な記録媒体に記録された形態で提供される。この場合、コンピュータはその記録媒体からプログラムを読み取って内部記録装置又は外部記録装置に転送し記録して実行する。また、そのプログラムを、例えば、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク等の記録装置(記録媒体)に予め記録しておき、その記録装置から通信回線を介してコンピュータに提供するようにしてもよい。
【0045】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述したこれらの実施形態に限るものではない。また、本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
【符号の説明】
【0046】
1 訪問情報提供システム、5 検出装置、3 顧客、4 管理者、100 顧客情報登録モジュール、110 識別コード取得モジュール、120 訪問リスト作成モジュール、130 訪問リスト送信モジュール、140 顧客分析手段、150 レコメンドリスト作成モジュール、160 レコメンドリスト送信モジュール、170 顧客訪問マップ作成モジュール、180 顧客訪問マップ送信モジュール