(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-04
(45)【発行日】2022-03-14
(54)【発明の名称】2ストロークエンジンシステムを動作させるための方法
(51)【国際特許分類】
F02B 37/16 20060101AFI20220307BHJP
F01N 3/24 20060101ALI20220307BHJP
F02D 23/00 20060101ALI20220307BHJP
【FI】
F02B37/16 B
F01N3/24 T
F02D23/00 N
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2017101513
(22)【出願日】2017-05-23
【審査請求日】2020-05-13
(31)【優先権主張番号】PA 2016 70345
(32)【優先日】2016-05-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DK
(73)【特許権者】
【識別番号】597061332
【氏名又は名称】エムエーエヌ・エナジー・ソリューションズ・フィリアル・アフ・エムエーエヌ・エナジー・ソリューションズ・エスイー・ティスクランド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】キム・イェンスン
(72)【発明者】
【氏名】マリア・ヘンリエテ・ノッペナウ
(72)【発明者】
【氏名】モーテン・ヴァイルゴー-ラウアスン
【審査官】小関 峰夫
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-159079(JP,A)
【文献】特表2013-500422(JP,A)
【文献】特開2014-196745(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F01N 3/24
F02B 37/16
F02D 23/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジンデータと、掃気ガスが供給され且つ排ガスを発生する2ストローク内燃機関(2)、及び前記排ガスを浄化するためのガス浄化装置(3)と、を有する2ストロークエンジンシステム(1)を作り出すための方法であって、
- 前記ガス浄化装置(3)の入口(18)の上流で第1温度を測定するステップと、
- 目標温度を提供するステップと、
- 温度差を提供するために前記第1温度と前記目標温度とを比較するステップと、
- 開く又は閉じるように前記温度差に基づいてシリンダバイパスバルブ(5)を調節するステップであって、温度振動を減衰させるために、より多い又はより少ない掃気ガスをターボチャージャー(8)のタービン(6)の上流の排ガス内に入れる、ステップと、
を含む方法において、
前記目標温度が、前記2ストロークエンジンシステム(1)のエンジンデータから導かれる時定数(c)により一次フィルタで前記第1温度をフィルタリングすることによって導かれるか、又は前記目標温度が、前記ガス浄化装置(3)の下流で第2温度を測定することによって取得されることを特徴とする方法。
【請求項2】
前記シリンダバイパスバルブ(5)が、前記第1温度が前記目標温度よりも高いときに閉じられることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記シリンダバイパスバルブ(5)が、前記第1温度が前記目標温度よりも低いときに開かれることを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記目標温度が、前記2ストロークエンジンシステム(1)のエンジンデータから前記第1温度を修正することによって導かれることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記シリンダバイパスバルブ(5)が、連続的に調節されることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記排ガスの温度が、前記シリンダバイパスバルブ(5)が前記掃気ガスの一部を前記タービン(6)の上流の前記排ガス内に入れると、上昇することを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記排ガスの温度が、前記シリンダバイパスバルブ(5)が前記掃気ガスの一部が前記2ストローク内燃機関(2)のシリンダ(9)を迂回することを防止すると、低下することを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記第1温度が、前記ガス浄化装置の上流でのみ測定されることを特徴とする請求項1から
7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記2ストロークエンジンシステム(1)の前記時定数(c)により一次フィルタで前記第1温度をフィルタリングすることによる前記目標温度の決定が、前記第1温度の過去のデータに基づいていることを特徴とする請求項1から
8のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エンジンデータと、掃気ガスが供給され且つ排ガスを発生させる2ストローク内燃機関、及び排ガスを浄化するためのガス浄化装置と、を有する2ストロークエンジンシステムを作り出すための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1から公知の、従来技術の2ストローク内燃機関システムでは、温度は、低すぎてガス浄化システムが適切に機能することができないレベルにまで温度が低下しないことを保証するために調節され、これにより、エンジンでの内部燃焼を最適化するか、又はエンジンに掃気ガスを運ぶのに十分に圧縮機を駆動する。このような大型2ストローク内燃機関システムでの温度は、振動することがあり、温度変化を調節する1つの方法は、ブロワを作動させることによるものである。しかしながら、すべての負荷を動作させるためには、ブロワの性能は極めて高くなければならず、これは、大容量電気モータを必要とする。従って、このようなブロワは、非常に高価であり、大きなスペースを占め、これにより、内燃機関システムの全体積を顕著に拡大させ、それにより、他の物品、例えばコンテナを運ぶために船舶で利用可能なスペースを減少させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、従来技術における上記の不利点及び欠点を完全に又は部分的に克服することである。より具体的に、本発明の目的は、大型ブロワを使用することなく温度を調節することが可能な、2ストローク内燃機関システムを動作させるための改良された方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的と、以下の説明から明らかになる、多くの他の目的、利点及び特徴と、は、
エンジンデータと、掃気ガスが供給され且つ排ガスを発生する2ストローク内燃機関、及び排ガスを浄化するためのガス浄化装置と、を有する2ストロークエンジンシステムを作り出すための方法であって、
- ガス浄化装置の入口の上流で第1温度を測定するステップと、
- 目標温度を提供するステップと、
- 温度差を提供するために第1温度と目標温度とを比較するステップと、
- 開く又は閉じるように温度差に基づいてシリンダバイパスバルブを調節するステップであって、温度の振動を減衰させるために、より多い又はより少ない掃気ガスをターボチャージャーのタービンの上流の排ガス内に入れ、第1温度及び目標温度が近づく、ステップと、
を含む方法により、本発明に従った解決法によって達成される。
【0006】
一実施形態では、シリンダバイパスバルブが、第1温度が目標温度よりも高いときに閉じられるか、又は少なくとも絞られてもよい。
【0007】
別の実施形態では、シリンダバイパスバルブが、第1温度が目標温度よりも低いときに開かれるか、又はより大きく開かれてもよい。
【0008】
さらに、第1温度が、ガス浄化装置の上流でのみ測定されてもよい。
【0009】
従って、温度センサが、ガス浄化装置の上流のみに配置されてもよい。
【0010】
加えて、ガス浄化装置が、ターボチャージャーの上流に配置されてもよい。
【0011】
一実施形態では、温度センサが、熱交換器の上流に配置されてもよい。
【0012】
目標温度が、ガス浄化装置の下流で測定されてもよい。
【0013】
さらに別の実施形態では、シリンダバイパスバルブが、第1温度と目標温度との温度差が増大する場合に、より大きな流れを提供するように調節されてもよい。
【0014】
上述したシリンダバイパスバルブは、第1温度と目標温度との温度差が減少する場合に、より小さい流れを提供するようにさらに調節されてもよい。
【0015】
一実施形態では、目標温度が、2ストロークエンジンシステムのエンジンデータから第1温度を修正することによって導かれてもよい。
【0016】
加えて、目標温度が、2ストロークエンジンシステムのエンジンデータから導かれた時定数により一次フィルタで第1温度をフィルタリングすることによって導かれてもよい。
【0017】
別の実施形態では、目標温度を提供するステップが、ガス浄化装置の下流で第2温度を測定することによって行われてもよい。
【0018】
さらに、シリンダバイパスバルブが、連続的に調節されてもよい。
【0019】
また、第1温度が、連続的に測定されてもよい。
【0020】
加えて、第2温度が、連続的に測定されてもよい。
【0021】
さらに、排ガスの温度が、シリンダバイパスバルブが掃気ガスの一部をタービンの上流の排ガス内に入れると、上昇してもよい。
【0022】
加えて、排ガスの温度が、シリンダバイパスバルブが掃気ガスの一部が2ストローク内燃機関のシリンダを迂回することを防止すると、低下してもよい。
【0023】
2ストロークエンジンシステムは、大型2ストロークディーゼルエンジンであってもよい。
【0024】
さらに、シリンダバイパスバルブを調節するステップが、ガス浄化装置の入口での排ガスの所定の最小温度に基づいていてもよい。これは、ガス浄化装置内での所定の最小温度を保証するために行われる。
【0025】
本発明及び本発明の多くの利点は、添付の概略的な図面を参照して以下でより詳細に説明され、図面は、説明のために、いくつかの非限定的な実施形態を示している。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図2】別の2ストロークエンジンシステムの図を示す。
【
図3】シリンダバイパスバルブの位置と、ガス浄化装置の入口での温度と、の図を示す。
【
図4】ガス浄化装置の入口での温度と、目標温度と、の図を示す。
【
図5】ガス浄化装置の入口での温度と、目標温度と、の別の図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0027】
全ての図は、極めて概略的であり、必ずしも縮尺通りではなく、それらの図は、本発明を明らかにするために必要なパーツのみを示し、他のパーツは、省略されるか又は単に示唆される。
【0028】
図1は、掃気ガス受容器10から掃気ガスが供給されるシリンダ9を有する2ストローク内燃機関2を有する2ストロークエンジンシステム1を示す。2ストローク内燃機関2は、排ガス受容器11内で受容される排ガスを発生する。排ガスは、排ガス経路12内で流れ、ガス浄化装置3内で浄化される。ガス浄化装置3の下流では、排ガスが、ターボチャージャー8の圧縮機7を駆動するタービン6を駆動する。2ストロークエンジンシステム1は、掃気ガスを冷却するために圧縮機7の下流に配置された冷却器14をさらに備えている。また、2ストロークエンジンシステム1は、シリンダバイパスバルブ(CBV)5を備え、このシリンダバイパスバルブ5は、掃気経路16内の掃気ガスの一部が、タービン6の上流及びガス浄化装置3の下流の排ガス経路12内の排ガスに入ることを可能にする。2ストロークエンジンシステム1は、ガス浄化装置3の入口18の上流で第1温度を測定するための温度センサ17を有している。温度センサ17は、信号ライン19を通じて、測定された第1温度の信号を制御ユニット20に送信する。制御ユニット20は、第2信号ライン21を介して、より大きく又はより小さく開くようにシリンダバイパスバルブ5の作動を制御し、すなわち、掃気経路16内の掃気ガスがより多く又はより少なく排ガス経路12内の排ガスに入ることを可能にするか、又は閉鎖されるようにシリンダバイパスバルブ5の作動を制御する。
【0029】
いくつかの大型2ストローク内燃機関2が動作するときに、2ストロークエンジンシステム1内での温度が、正弦曲線と極めて類似する識別可能なパターンで振動することと、正弦曲線におけるピークからピークへの時間が1つのエンジンシステムに対して極めて一定で振動するように思われることと、を試験が示している。期間cである時定数cはエンジンシステム1によって異なるが、1つのエンジンシステム1に対しては、時定数cは所定の負荷で略一定である。これは、特に、大型触媒反応器15を有する極めて大型のガス浄化装置3を有する大型2ストロークエンジンシステム1に対する状況であると思われる。
図3では、第1温度は、シリンダバイパスバルブ5が閉じられているときにガス浄化装置3の入口18で第1期間に測定され、且つ正弦曲線は、時定数cとともに見える。試験は、シリンダバイパスバルブ5が開かれているときには、第1温度が、シリンダバイパスバルブ5が閉じられていたときと同じ程度に変化しないことを示している。しかしながら、シリンダバイパスバルブ5を開くことによって、2ストロークエンジンシステム1は、望まれるほど効率的には動作せず、従って、シリンダバイパスバルブ5は、最小限に開いていることが好ましい。
【0030】
従って、2ストロークエンジンシステム1での温度振動を減衰させるために、ガス浄化装置3の入口18の上流の第1温度が測定され、目標温度が提供される。続いて、第1温度が目標温度と比較され、これにより、温度差を提供し、シリンダバイパスバルブ5は、当該温度差に基づいて、
図3に示されるように、より多い又はより少ない掃気ガスをターボチャージャー8のタービン6の上流の排ガス内に入れて温度の振動を減衰させるために、開く又は閉じるように調節され、このため、第1温度及び目標温度が近づき、温度振動がほとんど存在しなくなる。
図4に示されるように、シリンダバイパスバルブ5は、第1温度が目標温度よりも低いときに開かれ、第1温度が目標温度よりも高いときに再び閉じられる。
図4の第1期間では、シリンダバイパスバルブ5は、調整されず且つ閉じられており、従って、ガス浄化装置3の入口18での第1温度は正弦曲線状に振動する。
【0031】
図3で分かるように、シリンダバイパスバルブ(CBV)5は、第2期間の初めに、より大きく開かれ、その後、シリンダバイパスバルブ5は、排ガス経路12への掃気ガスの流れを若干絞り、ここで、シリンダバイパスバルブ5は、より小さく開き、最終的には完全に閉じる。従って、シリンダバイパスバルブ5は、第1温度と目標温度との間の温度差が増大する場合により大きな流れを提供するように、且つ第1温度と目標温度との温度差が減少する場合により小さな流れを提供するように、調節される。このようにして、シリンダバイパスバルブ5は、連続的に測定された第1温度に基づいて、シリンダ9のバイパスを、開くこと、より大きく開くこと、絞ること又は閉じることによって、連続的に調節される。
【0032】
図4では、目標温度は、2ストローク内燃機関2のエンジンデータから第1温度を修正することによって、第1温度から導かれる。2ストロークエンジンシステム1が使用される前に、2ストロークエンジンシステム1は試験され、これにより、時定数cを決定するために分析されるエンジンデータを提供する。続いて、目標温度が、この特定の2ストロークエンジンシステム1の時定数cにより、一次フィルタで第1温度をフィルタリングすることによって導かれる。第1温度の振動がいくらか減衰されるに従って、温度差が小さくされ、シリンダバイパスバルブ5が開いている程度は小さくされる。図に示すように、シリンダバイパスバルブ5は、目標温度が第1温度よりも高いときに開く。シリンダバイパスバルブ5が開かれると、より多くの掃気ガスがシリンダ9を迂回し、結果として、発生された排ガスの温度が上昇する。従って、閉じられたシリンダバイパスバルブ5のみが、開かれることによって温度が上昇するように調節することができ、開いているシリンダバイパスバルブ5は、閉じられることによって温度が低下するように調節することのみができるか、又はシリンダバイパスバルブ5はさらにより大きく開くことができる。従って、第1温度が最も高く、下げられる必要がある場合、シリンダバイパスバルブ5は閉じ、これにより、より多くの掃気ガスが2ストローク内燃機関2に供給されることにつながり、発生された排ガスを冷却し、且つそれによりガス浄化装置3の入口18での第1温度を下げる。従って、排ガスの温度は、シリンダバイパスバルブ5が掃気ガスの一部が2ストローク内燃機関2のシリンダ9を迂回することを防止すると、低下する。目標温度が第1温度よりも高ければ、開いているシリンダバイパスバルブ5は効果的であるが、開いている、第1温度が目標温度よりも高い間の期間では、シリンダバイパスバルブ5は、温度振動を減衰させる点で効果がなく、従って2ストローク内燃機関2の機能を最適化するために閉じられる。従って、所定の期間にシリンダバイパスバルブ5を開くことによって、温度変化は減衰させられ、これにより、エンジンシステム1のより効率的な動作、従ってエンジンシステム1の全ての構成要素のより長い寿命をもたらす。
【0033】
図5では、目標温度は、
図2のエンジンシステム1で示されるように、第2温度センサ22によってガス浄化装置3の下流で、例えばガス浄化装置3の出口24で第2温度を測定することによって得られる。
図5に示される第1期間では、シリンダバイパスバルブ5は、第1温度及び目標温度の正弦振動を示すために閉じられている。次の期間では、シリンダバイパスバルブ5は、掃気ガスの一部をタービン6の上流の排ガス内に入れるために開かれ、第1温度は、温度の正弦曲線の谷の間にシリンダバイパスバルブ5が閉じられる状況と比較すると、顕著に上昇させられ、すなわち正弦曲線を一定にする。しかしながら、ガス浄化装置3の出口24での温度である目標温度は、第1温度ほど迅速には、シリンダバイパスバルブ5を開くことによって影響を与えられない。目標温度が第1温度よりも高ければ、すなわち出口24での温度がガス浄化装置3の入口18での温度よりも高ければ、シリンダバイパスバルブ5は開き続け、目標温度が低下すると、温度差が減少し、シリンダバイパスバルブ5の絞りをもたらす。
【0034】
シリンダバイパスバルブ5は、他のセンサからの他の入力によって調節されてもよい。従って、シリンダバイパスバルブ5は、ガス浄化装置3の入口18での排ガスの所定の最小温度に基づいてさらに調節され、これにより、ガス浄化装置3内での所定の最小温度を保証してもよい。従って、所定の温度と比較してガス浄化装置3の入口18での温度が低すぎるときには、シリンダバイパスバルブ5は、単に第1温度と目標温度との温度差に基づく場合と比較して若干小さく絞られ、これにより、ガス浄化装置3に入る排ガスの温度を上昇させる。その後、振動の減衰がわずかに多くの時間がかかるが、減衰は生じ、第1温度及び目標温度は時間が経つにつれて近づく。
【0035】
第1温度が所定の第1温度よりも低い場合及び第1温度が目標温度よりも低い場合には、シリンダバイパスバルブ5は、排ガス内により大きな掃気ガスの流れを提供するように調節されてもよい。それにより、制御ユニット20は、実際に測定された第1温度と第1温度の過去のデータとの双方に基づいて調節することが可能であり、これにより、制御ユニット20が、どのくらいシリンダバイパスバルブ5が開かれ、絞られ又は閉じられるべきか推定することを可能にする。同じ方式で、シリンダバイパスバルブ5は、第1温度がすでに測定された第1温度よりも高い場合には、排ガス内への掃気ガスのより小さい流れを提供するように調節されてもよい。目標温度の決定、すなわち、この特定の2ストロークエンジンシステム1の時定数cにより一次フィルタで第1温度をフィルタリングすることによって導かれる目標温度の決定は、過去のデータにも基づいている。
【0036】
本発明が、本発明の好ましい実施形態に関連して上述されたが、当業者には、以下の特許請求の範囲によって規定される本発明から逸脱することなくいくらかの修正が想起可能であることは明らかである。
【符号の説明】
【0037】
1 2ストロークエンジンシステム、2 2ストローク内燃機関、3 ガス浄化装置、5 シリンダバイパスバルブ、6 タービン、8 ターボチャージャー、9 シリンダ、18 入口、c 時定数