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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-04
(45)【発行日】2022-03-14
(54)【発明の名称】クレーンのブーム伸縮装置の制御装置
(51)【国際特許分類】
   B66C 23/693 20060101AFI20220307BHJP
   B66C 23/687 20060101ALI20220307BHJP
【FI】
B66C23/693 J
B66C23/687 Z
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2017230683
(22)【出願日】2017-11-30
(65)【公開番号】P2019099313
(43)【公開日】2019-06-24
【審査請求日】2020-10-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000140719
【氏名又は名称】株式会社加藤製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100189913
【氏名又は名称】鵜飼 健
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 茂
(72)【発明者】
【氏名】丸山 幸治
【審査官】今野 聖一
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-162595(JP,A)
【文献】特開2011-157220(JP,A)
【文献】米国特許第06474486(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66C 23/00 - 23/94
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベースブームと、ベースブームに対して伸縮可能な複数の伸縮ブームを備える多段ブームユニットと、前記多段ブームユニットの長手方向に伸縮可能な伸縮シリンダーと、前記伸縮シリンダーの伸縮に対応して前記長手方向に移動する係合部材と、前記複数の伸縮ブームのそれぞれに前記係合部材と係合可能に設けられる係合穴と、を備え、前記係合穴に前記係合部材が係合した状態で前記伸縮シリンダーが伸長又は収縮することにより、前記複数の伸縮ブームの中で前記係合穴に前記係合部材が係合した伸縮ブームが伸長又は収縮するブーム伸縮装置において、前記係合部材の駆動を制御する制御装置であって、
前記複数の伸縮ブームのそれぞれに設けられ、前記複数の伸縮ブームのそれぞれにおいて前記係合穴に対して後方側の位置から前記係合穴に対して前方側の位置まで前記長手方向に連続する検出可能範囲を規定する検出対象と、
前記係合部材に対して前記後方側の位置及び前記係合部材に対して前記前方側の位置に1つずつ設けられ、前記伸縮シリンダーの伸縮に対応して前記長手方向について前記係合部材と一緒に移動する一対の検出ユニットであって、前記一対の検出ユニットのそれぞれは、複数のセンサを備え、前記一対の検出ユニットのそれぞれは、前記複数の伸縮ブームのそれぞれにおいて、前記長手方向について前記検出可能範囲に位置する状態で、前記検出対象を検出するとともに、前記一対の検出ユニットの間の前記長手方向についての離間寸法が、前記複数の伸縮ブームのそれぞれでの前記検出可能範囲の前記長手方向についての範囲寸法以下になり、前記一対の検出ユニットのそれぞれでは、前記伸縮ブームごとに、前記検出可能範囲において前記検出対象を検出する前記センサ、又は、前記検出可能範囲において前記検出対象を検出する前記センサの組み合わせが、異なる一対の検出ユニットと、
前記一対の検出ユニットの一方又は両方において、いずれの前記センサ、又は、いずれの前記センサの組み合わせが前記検出対象を検出したかに基づいて、前記複数の伸縮ブームの中で前記検出対象が検出された伸縮ブームを特定するプロセッサと、
を具備する、制御装置。
【請求項2】
前記プロセッサは、前記複数の伸縮ブームのそれぞれにおいて前記検出ユニットの一方のみが前記検出対象を検出した場合、前記一対の検出ユニットのいずれが前記検出対象を検出したかに基づいて、前記係合穴に対して前記係合部材が前記後方側及び前記前方側のいずれにずれているかを判断する、請求項1の制御装置。
【請求項3】
前記プロセッサは、前記伸縮シリンダーの伸長又は収縮によって前記一対の検出ユニットが前記長手方向に移動している際において、前記一対の検出ユニットの両方が前記検出対象を検出していない状態から前記一対の検出ユニットの一方が前記複数の伸縮ブームのいずれかの前記検出対象を検出する状態に切替わったことに基づいて、前記伸縮シリンダーの伸長速度又は収縮速度を減少させる、請求項1又は2の制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クレーンの多段ブームユニットを伸縮させるブーム伸縮装置において、伸縮シリンダーに取付けられる係合部材の駆動を制御する制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、クレーンにおいて、多段ブームユニットを伸縮させるブーム伸縮装置が開示されている。このブーム伸縮装置は、伸長又は収縮することにより多段ブームユニットを伸長又は収縮させる伸縮シリンダー(ブーム伸縮シリンダー)を備える。また、多段ブームユニットは、ベースブームと、ベースブームに対して伸縮可能な複数の伸縮ブームと、を備える。伸縮シリンダーには、係合部材としてグリップピンが取付けられ、伸縮シリンダーの伸縮に対応して、グリップピンは、多段ブームユニットの長手方向について移動する。また、伸縮ブームのそれぞれには、係合穴としてピン穴が設けられ、ピン穴のそれぞれは、グリップピンと係合可能である。伸縮ブームの中の1つを伸長又は収縮させる際には、グリップピンを伸縮対象となる伸縮ブームのピン穴に係合させ、伸縮シリンダーを伸縮対象となる伸縮ブームと連結する。そして、伸縮シリンダーを伸長又は収縮させ、伸縮ブームを伸長又は収縮させる。
【0003】
また、このブーム伸縮装置では、伸縮シリンダーに近接センサ等の検出ユニットが設けられ、検出ユニットは、伸縮シリンダーの伸縮に対応して、グリップピンと一緒に長手方向について移動する。また、伸縮ブームのそれぞれには、検出対象が形成される。検出ユニットは、検出対象の中の1つに近接することにより、近接した検出対象を検出する。検出ユニットが検出対象を検出したことに基づいて、長手方向について検出された検出対象が設けられる伸縮ブームのピン穴の位置まで、グリップピンが到達したと判断される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2005-89044号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記特許文献1のようなブーム伸縮装置では、伸縮対象となる伸縮ブームへの伸縮シリンダーの連結において、伸縮シリンダーを伸長又は収縮させ、長手方向について伸縮対象となる伸縮ブームの係合穴の位置に係合部材を到達させる必要がある。係合穴の位置までの係合部材の移動においては、係合部材が係合穴に対して前方側及び後方側のいずれにずれているかが適切に判断されることが、求められる。
【0006】
本発明は前記課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、多段ブームを伸縮させるブーム伸縮装置において、伸縮ブームの係合穴に対して伸縮シリンダーの係合部材がずれている方向の判断を適切に行う制御装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するため、本発明のある態様は、ベースブームと、ベースブームに対して伸縮可能な複数の伸縮ブームを備える多段ブームユニットと、前記多段ブームユニットの長手方向に伸縮可能な伸縮シリンダーと、前記伸縮シリンダーの伸縮に対応して前記長手方向に移動する係合部材と、前記複数の伸縮ブームのそれぞれに前記係合部材と係合可能に設けられる係合穴と、を備え、前記係合穴に前記係合部材が係合した状態で前記伸縮シリンダーが伸長又は収縮することにより、前記複数の伸縮ブームの中で前記係合穴に前記係合部材が係合した伸縮ブームが伸長又は収縮するブーム伸縮装置において、前記係合部材の駆動を制御する制御装置であって、前記複数の伸縮ブームのそれぞれに設けられ、前記複数の伸縮ブームのそれぞれにおいて前記係合穴に対して後方側の位置から前記係合穴に対して前方側の位置まで前記長手方向に連続する検出可能範囲を規定する検出対象と、前記係合部材に対して前記後方側の位置及び前記係合部材に対して前記前方側の位置に1つずつ設けられ、前記伸縮シリンダーの伸縮に対応して前記長手方向について前記係合部材と一緒に移動する一対の検出ユニットであって、前記一対の検出ユニットのそれぞれは、複数のセンサを備え、前記一対の検出ユニットのそれぞれは、前記複数の伸縮ブームのそれぞれにおいて、前記長手方向について前記検出可能範囲に位置する状態で、前記検出対象を検出するとともに、前記一対の検出ユニットの間の前記長手方向についての離間寸法が、前記複数の伸縮ブームのそれぞれでの前記検出可能範囲の前記長手方向についての範囲寸法以下になり、前記一対の検出ユニットのそれぞれでは、前記伸縮ブームごとに、前記検出可能範囲において前記検出対象を検出する前記センサ、又は、前記検出可能範囲において前記検出対象を検出する前記センサの組み合わせが、異なる一対の検出ユニットと、前記一対の検出ユニットの一方又は両方において、いずれの前記センサ、又は、いずれの前記センサの組み合わせが前記検出対象を検出したかに基づいて、前記複数の伸縮ブームの中で前記検出対象が検出された伸縮ブームを特定するプロセッサと、を備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、多段ブームを伸縮させるブーム伸縮装置において、伸縮ブームの係合穴に対して伸縮シリンダーの係合部材がずれている方向の判断を適切に行う制御装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、第1の実施形態に係る多段ブームユニットの構成を示す概略図である。
図2図2は、第1の実施形態に係る伸縮シリンダーにおいて、グリップピン及びその近傍の構成を概略的に示す斜視図である。
図3図3は、第1の実施形態に係る伸縮シリンダーにおいて、グリップピン及びその近傍の構成を概略的に示す、図2とは異なる方向から視た斜視図である。
図4図4は、第1の実施形態に係る多段ブームユニットの後方端部において、一方側の内側面を、全ての伸縮ブームが最も収縮した状態で示す概略図である。
図5図5は、第1の実施形態に係る多段ブームユニットの後方端部において、図4とは反対側の内側面を、全ての伸縮ブームが最も収縮した状態で示す概略図である。
図6図6は、第1の実施形態に係る検出ユニットのそれぞれについて、検出可能範囲のそれぞれで検出対象を検出するセンサの組み合わせの一例を示す概略図である。
図7図7は、第1の実施形態に係るブーム伸縮装置の全体を制御する構成を概略的に示すブロック図である。
図8図8は、第1の実施形態に係るグリップピンを目標となるピン穴の位置に到達させるまでの移動における、状態変化の一例を示す概略図である。
図9図9は、第1の実施形態において、グリップピンの目標となるピン穴を基準とする長手方向についての変位に対する、検出ユニットのそれぞれが目標となる検出対象を検出する範囲の関係を示す概略図である。
図10図10は、第1の実施形態に係るプロセッサによって、伸縮シリンダーのブームへの連結において行われる処理を示すフローチャートである。
図11図11は、ある変形例に係るグリップピンを目標となるピン穴の位置に到達させるまでの移動における、状態変化の一例を示す概略図である。
図12図12は、図11に示す変形例において、グリップピンの目標となるピン穴を基準とする長手方向についての変位に対する、検出ユニットのそれぞれが目標となる検出対象を検出する範囲、及び、センサ(追加センサ)が目標となる被検出部材(追加被検出部材)を検出する範囲の関係を示す概略図である。
図13図13は、図11及び図12に示す変形例に係るプロセッサによって、伸縮シリンダーのブームへの連結において行われる処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態について、図1乃至図10を参照して説明する。
【0011】
図1は、本実施形態の多段ブームユニット1の構成を示す。図1に示すように、多段ブームユニット1は、長手方向に沿って延設される。ここで、多段ブームユニット1では、長手方向の一方側が後方側(矢印C1側)となり、後方側とは反対側が前方側(矢印C2側)となる。図1のような多段ブームユニット1が設けられるクレーンでは、走行体(図示しない)上に旋回体(図示しない)が設けられ、旋回体に多段ブームユニット1の後方端部が取付けられる。多段ブームユニット1は、旋回体に対して起伏可能であるとともに、旋回体と一緒に走行体に対して旋回可能である。また、多段ブームユニット1の前方端部には、ジブ等のアタッチメント(図示しない)を取付け可能である。
【0012】
図1に示すように、多段ブームユニット1は、複数の(本実施形態では6つの)ブーム2_iを備え、ブーム2_iのそれぞれは、多段ブームユニット1の長手方向に沿って延設される。ここで、iは、ブームの段番を示し、多段ブームユニット1がn段である場合は、iは、1以上かつn以下の全ての自然数である。例えば、6段の多段ブームユニット1では、ブーム2_1,2_2,2_3,2_4,2_5,2_6が、それぞれ1段目、2段目、3段目、4段目、5段目、6段目となる。多段ブームユニット1では、初段のブーム2_F(2_1)は、後方端部が旋回体に取付けられるベースブームとなる。そして、初段のブーム2_F以外のブーム(2_F以外の2‐i)は、ベースブームに対して長手方向に伸縮可能な伸縮ブームとなる。ブーム2_iの中では、初段のブーム2_Fが最も外側に配置され、最終段のブーム2_Lが最も内側に配置される。そして、ブーム2_iの中では、段番が大きいほど、内側に配置される。また、多段ブームユニット1では、初段のブーム2_Fによって後方端が形成され、最終段のブーム2_Lによって前方端が形成される。例えば、6段の多段ブームユニット1では、ブーム2_1は、初段のブーム2_Fとなり、ブーム2_6は、最終段のブーム2_Lとなる。なお、以下の説明では、多段ブームユニット1として、6つのブーム2_1~2_6が設けられる6段の多段ブームユニット1を例に挙げて説明するが、ブーム2_iが複数設けられる多段ブームユニット1ならば、以下の構成を適用可能である。また、以下の説明では、ブーム2_k(kはiのいずれか1つ),2_F,2_Lに関連する構成要素及び寸法等は、それぞれ参照符号の最後に、_k,_F,_Lを付して示す。
【0013】
多段ブームユニット1の内部には、伸縮シリンダー(ブーム伸縮シリンダー)3が配置される。伸縮シリンダー3は、シリンダーロッド5及びシリンダーチューブ6を備える。シリンダーロッド5は、ベースブームである初段のブーム2_F(2_1)に連結される。シリンダーチューブ6がシリンダーロッド5に対して移動することにより、伸縮シリンダー3が長手方向について伸縮する。また、シリンダーチューブ6においてシリンダーロッド5側の端部には、係合部材としてグリップピン7が取付けられる。グリップピン7は、伸縮シリンダー3の伸縮に対応して、シリンダーチューブ6と一緒に長手方向について移動する。2段目以降のブーム2_2~2_Lのそれぞれの後方端部(基端部)には、グリップピン7と係合可能な係合穴としてピン穴(8_jの対応する1つ)が設けられる。ここで、多段ブームユニット1がn段の場合、jは、2以上かつn以下の全ての自然数である。ピン穴8_jのそれぞれは、グリップピン7と係合可能である。ブーム2_jのそれぞれでは、ピン穴(8_jの対応する1つ)にグリップピン7が係合することにより、伸縮シリンダー3が連結される。グリップピン7は、ピン穴8_jの中の1つに選択的に係合可能である。このため、伸縮シリンダー3は、グリップピン7を介して、2段目以降のブーム2_j(本実施形態では2_2~2_6)の中の1つに選択的に連結可能である。なお、図1の状態では、グリップピン7は、ブーム2_6(2_L)のピン穴8_6と係合し、伸縮シリンダー3はブーム2_6に連結される。また、図1では、グリップピン7と係合しているピン穴8_6を黒塗りで示し、グリップピン7と係合していないピン穴8_2~8_5を白抜きの破線で示す。
【0014】
また、伸縮ブームである2段目以降のブーム2_jのそれぞれの基端部には、ロック部材としてロックピン(10_jの対応する1つ)が取付けられる。また、最終段のブーム2_L(2_6)以外のブーム2_p(本実施形態では2_1~2_5)のそれぞれには、3つのロック穴(11_pの対応する1つ、12_pの対応する1つ、及び、13_pの対応する1つ)が形成される。ここで、多段ブームユニットがn段の場合、pは、1以上かつ(n-1)以下の全ての自然数である。ブーム2_pのそれぞれでは、ロック穴(11_pの対応する1つ)は後方端部(基端部)に形成され、ロック穴(12_pの対応する1つ)は長手方向について中間部に形成され、ロック穴(13_pの対応する1つ)は前方端部(先端部)に形成される。したがって、ブーム2_pのそれぞれでは、ロック穴(11_pの対応する1つ、12_pの対応する1つ、及び、13_pの対応する1つ)は、多段ブームユニット1の長手方向について互いに対して離れて配置される。
【0015】
ここで、伸縮ブーム2_jの中の1つをブーム2_Xとし、最終段のブーム2_L以外のブーム(本実施形態では2_1~2_5)の中でブーム2_Xの外側に隣設される1つをブーム2_Yとする。ブーム2_Xは、ブーム2_Yに対して多段ブームユニット1の長手方向について移動することにより、伸長又は収縮する。なお、以下に説明するブーム2_X,2_Yに関する構成は、ブーム2_Xがブーム2_j(2_2~2_L)の中のいずれであっても、ブーム2_Yがブーム2_Xの外側に隣設される構成ならば、成立する。また、以下の説明では、ブーム2_X,2_Yに関連する構成要素及び寸法等は、それぞれ参照符号の最後に、_X,_Yを付して示す。ブーム2_Yのロック穴11_Y,12_Y,13_Yのそれぞれには、内側に隣設されるブーム2‐Xのロックピン10_Xが係合可能である。ロックピン10_Xは、外側に隣設されるブーム2_Yのロック穴11_Y,12_Y,13_Yの中の1つに選択的に係合可能である。ロックピン10_Xがロック穴11_Y,12_Y,13_Yのいずれか1つに係合することにより、ブーム2_Xは、外側に隣設されるブーム2_Yに対してロックされる。なお、図1の状態では、全てのロックピン10のそれぞれは、外側に隣設されるブーム(2_pの対応する1つ)のロック穴(11_pの対応する1つ)と係合し、黒塗りで示される。
【0016】
また、ロックピン10_Xがロック穴11_Y,12_Y,13_Yのいずれとも係合していない状態では、ブーム2_Xは、ブーム2_Yに対してロックされず、ブーム2_Yに対して伸縮可能である。ブーム2_Xをブーム2_Yに対し伸長又は収縮させる場合、グリップピン7をピン穴8_Xに係合させ、伸縮シリンダー3をブーム2_Xに連結する。そして、ロックピン10_Xとロック穴(11_Y,12_Y,13_Yの対応する1つ)との係合を解除し、ブーム2_Xのブーム2_Yに対するロックを解除する。そして、ブーム2_Yに対するロックが解除された状態で、伸縮シリンダー3を伸長又は収縮することにより、ブーム2_Xがブーム2_Yに対して伸長又は収縮する。
【0017】
図2及び図3は、伸縮シリンダー(ブーム伸縮シリンダー)3においてグリップピン7及びその近傍の構成を示す。図2及び図3は、互いに対して異なる方向から視た状態を示す。図2及び図3に示すように、伸縮シリンダー3には、一対の検出ユニット15,16が取付けられる。検出ユニット15,16は、シリンダーチューブ6においてシリンダーロッド5側の端部に配置され、係合部材であるグリップピン7の近傍に配置される。また、検出ユニット15,16は、伸縮シリンダー3の伸縮に対応して、シリンダーチューブ6及びグリップピン7と一緒に長手方向について移動する。検出ユニット(後方側検出ユニット)15は、グリップピン7に対して後方側の位置に設けられ、検出ユニット(前方側検出ユニット)16は、グリップピン7に対して前方側の位置に設けられる。したがって、長手方向についてグリップピン7は、検出ユニット15,16の間に配置され、検出ユニット15,16は、長手方向について互いに対して離間寸法Da離れる。ある実施例では、検出ユニット15からグリップピン7までの長手方向についての離間寸法Dbが、検出ユニット16からグリップピン7までの長手方向についての離間寸法Dcと同一又は略同一になる。
【0018】
検出ユニット15には、センサ(後方側センサ)15a~15dが設けられ、検出ユニット16には、センサ(前方側センサ)16a~16dが設けられる。センサ15a~15d,16a~16dのそれぞれは、例えば、近接センサ、磁気センサ及びリミットスイッチのいずれかであり、近接センサであることが好ましい。センサ15a~15d,16a~16dが近接センサである場合、金属プレート等が被検出部材として設けられ、センサ15a~15d,16a~16dのそれぞれは、被検出部材からの距離が所定の閾値以内(例えば5mm以内)になるまで被検出部材に近接することにより、被検出部材を検出する。そして、センサ15a~15d,16a~16dのそれぞれは、被検出部材を検出することにより、OFF状態からON状態に切替わる。なお、センサ15a~15d,16a~16dとして用いられる近接センサとしては、誘導型近接センサ及び静電容量型近接センサ等が挙げられる。
【0019】
図4及び図5は、多段ブームユニット1の後方端部の構成を、全ての伸縮ブーム2_jが最も収縮した状態で示す。図4は、多段ブームユニット1の一方側の内側面を示し、図5は、多段ブームユニット1において図4とは反対側の内側面を示す。図4及び図5に示すように、伸縮ブーム2_jのそれぞれの基端部には、検出ユニット15,16によって検出可能な検出対象(17_jの対応する1つ)が設けられる。検出対象17_jのそれぞれは、対応する伸縮ブーム(2_jの対応する1つ)において、検出可能範囲(E_jの対応する1つ)を規定する。ここで、前述のようにブーム2_Xを規定すると、ブーム2_Xでは、ピン穴8_Xに対して後方側の位置からピン穴8_Xに対して前方側の位置まで、長手方向に連続して検出可能範囲E_Xが形成される。検出ユニット15,16のそれぞれは、長手方向について検出対象17_Xの検出可能範囲E_X内に位置する状態において、検出対象17_Xを検出する。一方、検出ユニット15,16のそれぞれは、長手方向について検出対象17_Xの検出可能範囲E_X外に位置する状態では、検出対象17_Xを検出しない。
【0020】
ブーム2_Xでは、長手方向について範囲寸法Ta_Xに渡って、検出可能範囲E_Xが形成される。そして、検出ユニット15,16の間の離間寸法Daは、検出可能範囲E_Xの範囲寸法Ta_X以下になる。このため、検出ユニット15,16の両方が同時に検出可能範囲E_X内に位置することが可能になる。なお、離間寸法Daは、範囲寸法Ta_Xと同一又は僅かに小さいことが好ましい。また、ある実施例では、検出可能範囲E_Xの後方端からピン穴8_Xまでの長手方向についての寸法Tb_Xが、検出可能範囲E_Xの前方端からピン穴8_Xまでの長手方向についての寸法Tc_Xと同一又は略同一になる。そして、検出対象17_jの検出可能範囲E_jの範囲寸法Ta_jは、互いに対して同一又は略同一となる。また、本実施形態では、伸縮ブーム2_jがいかなる伸縮状態であっても、検出可能範囲E_jは長手方向について互いに対して離れて形成される。すなわち、伸縮ブーム2_jがいかなる伸縮状態であっても、検出対象17_jの検出範囲E_jは、互いに対して重ならない。
【0021】
本実施形態では、検出対象17_jのそれぞれは、被検出部材17a~17dの対応する2つから形成される。例えば、センサ15a~15d,16a~16dとして近接センサが用いられる場合、被検出部材17a~17dは、金属プレートである。ここで、被検出部材17aは、センサ15a,16aによってのみ検出可能であり、センサ15b~15d,16b~16dによって検出されることはない。同様に、被検出部材17bは、センサ15b,16bによってのみ検出可能であり、センサ15a,15c,15d,16a,16c,16dによって検出されることはない。同様に、被検出部材17cは、センサ15c,16cによってのみ検出可能であり、センサ15a,15b,15d,16a,16b,16dによって検出されることはない。同様に、被検出部材17dは、センサ15d,16dによってのみ検出可能であり、センサ15a~15c,16a~16cによって検出されることはない。ここで、前述のようにブーム2_Xを規定すると、ブーム2_Xでは、長手方向について検出可能範囲E_Xの後方端から前方端まで連続して、被検出部材(17a~17dの対応する2つ)が延設される。したがって、ブーム2_Xでは、長手方向について、被検出部材(17a~17dの対応する2つ)の延設範囲が、検出可能範囲E_Xと一致又は略一致する。なお、図4及び図5では、被検出部材17a~17dを黒塗りで示す。
【0022】
また、本実施形態では、検出対象17_jに配置される被検出部材(17a~17dのいずれか)、又は、検出対象17_jに配置される被検出部材(17a~17dのいずれか)の組み合わせは、ブーム2_jごとに異なる。このため、検出ユニット15では、検出可能範囲E_jにおいて検出対象17_jを検出するセンサ(15a~15dのいずれか)、又は、検出可能範囲E_jにおいて検出対象17_jを検出するセンサ(15a~15dのいずれか)の組み合わせが、ブーム2_jごとに異なる。同様に、検出ユニット16では、検出可能範囲E_jにおいて検出対象17_jを検出するセンサ(16a~16dのいずれか)、又は、検出可能範囲E_jにおいて検出対象17_jを検出するセンサ(16a~16dのいずれか)の組み合わせが、ブーム2_jごとに異なる。
【0023】
図6は、検出ユニット15,16のそれぞれについて、検出可能範囲E_jのそれぞれで検出対象(17_jの対応する1つ)を検出するセンサ(15a~15dのいずれか及び16a~16dのいずれか)の組み合わせの一例を示す。図6は、図4及び図5のように被検出部材17a~17dが配置された場合の、検出対象17_jを検出するセンサ(15a~15dのいずれか及び16a~16dのいずれか)の組み合わせを示す。図4及び図5の一例では、ブーム2_2の検出対象17_2に被検出部材17a_2,17b_2のみが配置され、ブーム2_3の検出対象17_3に被検出部材17c_3,17d_3のみが配置され、ブーム2_4の検出対象17_4に被検出部材17b_4,17c_4のみが配置され、ブーム2_5の検出対象17_5に被検出部材17a_5,17d_5のみが配置され、ブーム2_6の検出対象17_6に被検出部材17b_6,17d_6のみが配置される。このため、図6に示すように、検出ユニット15では、ブーム2_2の検出可能範囲E_2において、センサ15a,15bのみが検出対象17_2を検出する。このため、検出可能範囲E_2では、センサ15a,15bのみがON状態になり、センサ15c,15dは、OFF状態になる。同様に、ブーム2_3の検出可能範囲E_3では、センサ15c,15dのみがON状態になり、ブーム2_4の検出可能範囲E_4では、センサ15b,15cのみがON状態になる。同様に、ブーム2_5の検出可能範囲E_5では、センサ15a,15dのみがON状態になり、ブーム2_6の検出可能範囲E_6では、センサ15b,15dのみがON状態になる。また、検出ユニット16についても、検出ユニット15と同様にして、検出可能範囲E_jにおいて検出対象17_jを検出するセンサ(16a~16dのいずれか)の組み合わせが、ブーム2_jごとに変化する。
【0024】
図7は、ブーム伸縮装置の全体を制御する構成を示す図である。図7に示すように、ブーム伸縮装置には、プロセッサ(コントローラ)23及び記憶媒体25が設けられる。プロセッサ23は、CPU(Central Processing Unit)、ASIC(Application specific integrated circuit)又はFPGA(Field Programmable Gate Array)等を備える集積回路又は回路構成(circuitry)等である。プロセッサ23は、1つのみ設けられてもよく、複数設けられてもよい。プロセッサ23での処理は、プロセッサ23又は記憶媒体25に記憶されたプログラムに従って行われる。また、記憶媒体25には、プロセッサ23で用いられる処理プログラム、及び、プロセッサ23での演算で用いられるパラメータ、関数及びテーブル等が記憶される。本実施形態では、プロセッサ23は、ブーム伸縮装置の全体を制御する制御装置を構成する。プロセッサ23は、検出ユニット15,16のそれぞれでの、検出対象17_jの検出結果を取得する。また、プロセッサ23は、伸縮シリンダー3への油の供給を制御し、伸縮シリンダー3の伸縮(作動)を制御する。
【0025】
ブーム伸縮装置には、グリップピン7を駆動させるアクチュエータとして、駆動シリンダー(グリップピン駆動シリンダー)27が設けられる。プロセッサ23は、駆動シリンダー27の作動(伸縮)を制御することにより、グリップピン7の駆動を制御する。したがって、プロセッサ23による制御によって、グリップピン7をピン穴8_Xと係合するグリップピン7の係合駆動、及び、グリップピン7のピン穴8_Xとの係合を解除するグリップピン7の係合解除駆動が行われる。なお、長手方向についてグリップピン7がピン穴8_Xの位置まで到達した状態、すなわち、長手方向についてグリップピン7の位置がピン穴8_Xと重なっている又はほぼ重なっている状態で、グリップピン7を係合駆動することにより、グリップピン7がピン穴8_Xと係合する。このため、長手方向についてグリップピン7がピン穴8_Xから離れている状態、すなわち、長手方向についてグリップピン7の位置がピン穴8_Xと重なっていない状態では、グリップピン7を係合駆動しても、グリップピン7はピン穴8_Xと係合しない。
【0026】
ブーム伸縮装置には、ロックピン10_jの中の1つを選択的に駆動させることが可能なアクチュエータとして、駆動シリンダー(ロックピン駆動シリンダー)28が設けられる。駆動シリンダー28は、伸縮シリンダー3の伸縮に対応して、シリンダーチューブ6と一緒に長手方向について移動する。このため、伸縮シリンダー3の伸縮状態及びブーム2_jのそれぞれの伸縮状態に対応して、ロックピン10_Xを駆動シリンダー28によって駆動可能か否かが変化する。ロックピン10_Xを駆動させる場合は、プロセッサ23は、伸縮シリンダー3を伸長又は収縮し、ロックピン10_Xを駆動可能な位置まで駆動シリンダー28を移動させる。駆動シリンダー28によってロックピン10_Xを駆動可能な状態では、プロセッサ23は、駆動シリンダー28の作動(伸縮)を制御することにより、ロックピン10_Xの駆動を制御する。したがって、プロセッサ23による制御によって、ロックピン10_Xをロック穴(11_Y,12_Y,13_Yの対応する1つ)と係合するロックピン10_Xの係合駆動、及び、ロックピン10_Xのロック穴(11_Y,12_Y,13_Yの対応する1つ)との係合を解除するロックピン10_Xの係合解除駆動が行われる。なお、本実施形態では、長手方向についてグリップピン7の位置がピン穴8_Xと重なっている及びほぼ重なっている状態においてのみ、駆動シリンダー28は、ロックピン10_Xを駆動可能となる。
【0027】
ブーム伸縮装置には、多段ブームユニット1の伸縮に関連する各種の操作及び設定等が入力される操作装置31が設けられる。操作装置31は、例えば、旋回体の運転室に設けられる操作レバー、操作ボタン及びタッチパネル等から形成される。また、ブーム伸縮装置は、伸縮シリンダー3の伸縮状態(作動状態)を検出する伸縮検出器(ブームシリンダー伸縮検出器)32と、駆動シリンダー27の伸縮状態(作動状態)を検出する伸縮検出器(グリップピン駆動検出器)33と、駆動シリンダー28の伸縮状態(作動状態)を検出する伸縮検出器(ロックピン駆動検出器)35と、を備える。プロセッサ23は、検出器32,33,35での検出結果を取得し、これらの検出結果に基づいて、演算及び判断等を行う。また、プロセッサ23は、操作装置31での操作、検出ユニット15,16及び検出器32,33,35での検出結果、及び、検出結果を用いた演算結果及び判断結果等に基づいて、前述のアクチュエータ(3,27,28)の作動を制御し、多段ブームユニット1の伸縮駆動、グリップピン7の駆動及びロックピン10の駆動等を制御する。
【0028】
次に、本実施形態のブーム伸縮装置の作用及び効果について説明する。クレーンを使用する際には、多段ブームユニット1を旋回体に対して起状させる。この際、作業環境等によっては、伸縮ブーム2_jのいずれかを伸長又は収縮させる必要がある。例えば、ブーム2_Xを伸長又は収縮させる場合は、伸縮シリンダー3を伸長又は収縮させ、長手方向についてグリップピン7の位置がピン穴8_Xと重なる又はほぼ重なるまで、グリップピン7を移動させる。この際、全ての伸縮ブーム2_jのそれぞれが外側に隣設されるブーム(2_pの対応する1つ)に対してロックされた状態で、グリップピン7を移動させる。そして、グリップピン7の位置がピン穴8_Xと重なった状態、すなわち、長手方向についてグリップピン7がピン穴8_Xの位置に到達した状態で、駆動シリンダー27を作動し、グリップピン7を係合駆動する。これにより、グリップピン7がピン穴8_Xに係合し、伸縮シリンダー3が伸縮対象となるブーム2_Xに連結される。伸縮シリンダー3がブーム2_Xに連結されると、駆動シリンダー28を作動し、ロックピン10_Xを係合解除駆動する。これにより、ロックピン10_Xのロック穴(11_Y,12_Y,13_Yの対応する1つ)との係合が解除され、ブーム2_Xのブーム2_Yに対するロックが解除される。そして、ブーム2_Yに対するロックが解除されると、伸縮シリンダー3を伸長又は収縮させ、ブーム2_Xを伸長又は収縮させる。
【0029】
図8は、グリップピン7を目標となるピン穴8_Xの位置に到達させるまでの移動における状態変化の一例を示す。なお、図8では、グリップピン7、ピン穴8_X、検出ユニット15,16及び検出対象17_Xのみを示し、その他の構成要素は省略する。また、図8では、グリップピン7及び検出ユニット15,16がピン穴8_X及び検出対象17_Xの検出可能範囲E_Xに対して後方側に位置する状態A1から、グリップピン7を移動させる一例を示す。グリップピン7をピン穴8_Xと重なる位置まで移動させる前においては、グリップピン7は、ブーム2_X以外の伸縮ブーム(2_jの中の2_X以外の対応する1つ)のピン穴(8_jの中の8_X以外の対応する1つ)と係合している。このため、グリップピン7を係合解除駆動し、係合しているピン穴(8_jの中の8_X以外の対応する1つ)とグリップピン7との係合を解除した後、グリップピン7をピン穴8_Xに向かって移動させる必要がある。ピン穴(8_jの中の8_X以外の対応する1つ)とグリップピン7との係合を解除した直後、すなわち、ピン穴8_Xに向かっての移動の開始時には、検出ユニット15,16の両方が、ブーム2_X以外の伸縮ブーム(2_jの中の2_X以外の対応する1つ)の検出対象(17_jの中の17_X以外の対応する1つ)の検出対象範囲(E_jの中のE_X以外の対応する1つ)内に、位置する。ここで、前述のように、伸縮ブーム2_jがいかなる伸縮状態であっても、検出対象17_jの検出範囲E_jは、互いに対して重ならない。したがって、状態A1等の、ピン穴8_Xに向かっての移動の開始時には、検出ユニット15,16の両方が、検出対象17_Xの検出可能範囲E_X外に位置し、検出ユニット15,16は、検出対象17_Xを検出しない。
【0030】
ここで、被検出部材17a~17dの中で検出対象17_Xに形成される2つを17α_X,17β_Xとする。そして、検出ユニット15のセンサ15a~15dの中で、検出対象17_Xの検出可能範囲E_XでON状態になる2つを、センサ15α,15βとし、検出ユニット16のセンサ16a~16dの中で、検出対象17_Xの検出可能範囲E_XでON状態になる2つを、センサ16α,16βとする。状態A1等の検出ユニット15,16が検出対象17_Xの検出可能範囲E_X外に位置する状態では、センサ15α,15βの少なくとも一方がOFF状態になり、図8の一例では、状態A1において、センサ15α,15βの両方がOFF状態になる。同様に、状態A1等の検出ユニット15,16が検出対象17_Xの検出可能範囲E_X外に位置する状態では、センサ16α,16βの少なくとも一方がOFF状態になり、図8の一例では、状態A1において、センサ16α,16βの両方がOFF状態になる。なお、図8では、センサ15α,15β,16α,16βのそれぞれは、ON状態を黒塗りで示し、OFF状態を白抜きで示す。
【0031】
状態A1からグリップピン7をピン穴8_Xの位置まで到達させる際には、伸縮シリンダー3を伸長し、検出ユニット15,16及びグリップピン7を前方側に移動させる。これにより、検出ユニット(前方側検出ユニット)16が、長手方向について検出対象17_Xの検出可能範囲E_Xに移動する(状態A2)。検出ユニット16が目標とする検出可能範囲E_Xに移動することにより、センサ16α,16βの両方がON状態になるとともに、検出ユニット16が、検出対象17_Xを検出する。ただし、状態A2では、グリップピン7は、ピン穴8_Xに対して後方側にずれる。また、状態A2では、検出ユニット(後方側検出ユニット)15は、検出対象17_Xの検出可能範囲E_Xに対して後方側に位置する。このため、検出ユニット15は、検出対象17_Xを検出せず、センサ15α,15βの少なくとも一方がOFF状態になる。なお、図8の一例では、状態A1から状態A2に変化しても、センサ15α,15βの両方がOFF状態で維持される。
【0032】
状態A2から、伸縮シリンダー3を伸長させ、検出ユニット15,16及びグリップピン7を前方側に移動させると、検出ユニット(後方側検出ユニット)15も、長手方向について検出対象17_Xの検出可能範囲E_Xに移動する(状態A3)。これにより、センサ15α,15βの両方がON状態になるとともに、検出ユニット15が、検出対象17_Xを検出する。状態A3では、検出ユニット15,16の両方が、検出可能範囲E_X内に同時に位置する。このため、状態A3では、検出ユニット15,16の両方が、検出対象17_Xを同時に検出し、センサ15α,15β,16α,16βの全てが、同時にON状態になる。また、状態A3では、長手方向についてグリップピン7の位置が、ピン穴8_Xと重なる又はほぼ重なる。このため、状態A3においてグリップピン7を係合駆動することにより、グリップピン7がピン穴8_Xと係合する。
【0033】
ただし、作業等においては、グリップピン7がピン穴8_Xと係合する前に、状態A3から伸縮シリンダー3がさらに伸長し、グリップピン7がさらに前方側に移動することがある。この場合、検出ユニット(前方側検出ユニット)16が、検出対象17_Xの検出可能範囲E_X外まで移動し、検出可能範囲E_Xに対して前方側に位置する(状態A4)。このため、検出ユニット16で検出対象17_Xが検出されなくなり、検出ユニット16においてセンサ16α,16βの少なくとも一方がOFF状態になる。なお、図8の一例では、状態A3から状態A4に変化することにより、センサ16α,16βの両方がON状態からOFF状態に切替わる。状態A4では、グリップピン7は、ピン穴8_Xに対して前方側にずれる。また、状態A4では、検出ユニット(後方側検出ユニット)15が、検出対象17_Xの検出可能範囲E_X内に位置する。このため、状態A4では、センサ15α,15βの両方がON状態になるとともに、検出ユニット15が、検出対象17_Xを検出する。
【0034】
作業等において、グリップピン7がピン穴8_Xと係合する前に状態A4になった場合は、伸縮シリンダー3を収縮させ、グリップピン7及び検出ユニット15,16を後方側に移動させる。そして、長手方向についてグリップピン7の位置がピン穴8_Xと重なる又はほぼ重なる状態A3において、グリップピン7をピン穴8_Xと係合させる。この際、グリップピン7がピン穴8_Xと係合する前に、状態A3から伸縮シリンダー3がさらに収縮し、例えば、状態A2の位置までグリップピン7が後方側に移動することがある。この場合、再び伸縮シリンダー3を伸長させ、グリップピン7及び検出ユニット15,16を再び前方側へ移動させる。そして、状態A3において、グリップピン7をピン穴8_Xと係合させる。すなわち、状態A3においてグリップピン7がピン穴8_Xと係合するまで、状態A2からの伸縮シリンダー3の伸長、及び、状態A4からの伸縮シリンダー3の収縮が、繰返し行われる。なお、グリップピン7及び検出ユニット15,16がピン穴8_X及び検出対象17_Xの検出可能範囲E_Xに対して前方側に位置する状態からの移動についても、状態A1からの移動と同様にして、説明可能である。
【0035】
図9は、グリップピン7の目標となるピン穴8_Xを基準とする長手方向についての変位ε_Xに対する、検出ユニット15,16のそれぞれが目標となる検出対象17_Xを検出する範囲の関係を示す。なお、変位ε_Xは、ピン穴8_Xに対して後方側を正とし、ピン穴8_Xに対して前方側を負とする。また、図9では、検出ユニット15が検出対象17_Xを検出する変位ε_Xの範囲を実線で、検出ユニット16が検出対象17_Xを検出する変位ε_Xの範囲を破線で示す。図9に示すように、検出ユニット(後方側検出ユニット)15は、変位ε_Xが-(ε1_X)以上ε2_X以下の範囲においてのみ、センサ15α,15βの両方がON状態になり、検出対象17_Xを検出する。そして、検出ユニット(前方側検出ユニット)16は、変位ε_Xが-(ε2_X)以上ε1_X以下の範囲においてのみ、センサ16α,16βの両方がON状態になり、検出対象17_Xを検出する。ここで、ε1_Xは、ε2_Xより大きい。このため、変位ε_Xの絶対値がε1_X以下になる範囲Z1_Xにおいて、検出ユニット15,16の少なくとも一方が検出対象17_Xを検出する。そして、変位ε_Xの絶対値がε2_X以下になる範囲Z2_Xにおいて、検出ユニット15,16の両方が同時に検出対象17_Xを検出する。また、変位ε_Xが-(ε1_X)以上-(ε2_X)以下の範囲Z3_Xにおいて、検出ユニット15のみが検出対象17_Xを検出し、変位ε_Xがε2_X以上ε1_X以下の範囲Z4_Xにおいて、検出ユニット16のみが検出対象17_Xを検出する。なお、範囲Z2_X,Z3_X,Z4_Xのそれぞれは、全体が範囲Z1_Xに含まれる。
【0036】
プロセッサ23は、検出ユニット15,16での検出結果に基づいて、ピン穴8_Xに対するグリップピン7の長手方向についての位置を判断する。検出ユニット15,16の両方が同時に検出対象17_Xを検出する場合、すなわち、変位ε_Xが範囲Z2_X内になる場合は、プロセッサ23は、長手方向についてグリップピン7の位置がピン穴8_Xと重なっていると判断する。すなわち、プロセッサ23は、検出ユニット15,16が同時に検出対象17_Xを検出したことに基づいて、長手方向についてピン穴8_Xの位置にグリップピン7が到達したと判断する。また、検出ユニット15のみが検出対象17_Xを検出する場合、すなわち、変位ε_Xが範囲Z3_X内になる場合は、プロセッサ23は、ピン穴8_Xに対してグリップピン7が前方側にずれていると判断する。そして、検出ユニット16のみが検出対象17_Xを検出する場合、すなわち、変位ε_Xが範囲Z4_X内になる場合は、プロセッサ23は、ピン穴8_Xに対してグリップピン7が後方側にずれていると判断する。したがって、検出ユニット15,16の一方のみが検出対象17_Xを検出した場合は、プロセッサ23は、検出ユニット15,16のいずれが検出対象17_Xを検出したかに基づいて、ピン穴8_Xに対してグリップピン7が後方側及び前方側のいずれにずれているかを判断する。
【0037】
また、伸縮シリンダー3の伸長又は収縮によってグリップピン7が長手方向に移動している際において、プロセッサ23は、検出ユニット15,16の両方が検出対象17_Xを検出していない状態から検出ユニット15,16の一方が検出対象17_Xを検出する状態に切替わったことに基づいて、グリップピン7がピン穴8_Xにある程度近づいたと判断する。すなわち、変位ε_Xが範囲Z1_X外から範囲Z1_X内に変化したことに基づいて、プロセッサ23は、グリップピン7がピン穴8_Xにある程度近づいたと判断する。また、検出ユニット15,16の両方が検出対象17_Xを検出していない場合、すなわち、変位ε_Xが範囲Z1_X外になる場合は、プロセッサ23は、伸縮シリンダー3の伸縮において、速度V1で伸縮シリンダー3を伸長又は収縮させる。一方、検出ユニット15,16の少なくとも一方が検出対象17_Xを検出する場合、すなわち、変位ε_Xが範囲Z1_X内になる場合は、プロセッサ23は、伸縮シリンダー3の伸縮において、速度V1より小さい速度V2で伸縮シリンダー3を伸長又は収縮させる。したがって、伸縮シリンダーが3の伸長又は収縮によってグリップピン7が長手方向に移動している際において、プロセッサ23は、検出ユニット15,16の両方が検出対象17_Xを検出していない状態から検出ユニット15,16の一方が検出対象17_Xを検出する状態に切替わったことに基づいて、伸縮シリンダー3の伸長速度又は収縮速度を減少させる。すなわち、グリップピン7がピン穴8_Xにある程度近づくと、プロセッサ23は、伸縮シリンダー3の伸長速度又は収縮速度を減少させる。これにより、グリップピン7及び検出ユニット15,16の長手方向についての移動速度も減少する。
【0038】
図10は、伸縮シリンダー3のブーム2_Xへの連結においてプロセッサ23によって行われる処理を示す。伸縮シリンダー3をブーム2_Xへ連結する作業では、前述のように、検出ユニット15,16の両方が検出可能範囲E_X外に位置する状態から、伸縮シリンダー3を伸長又は収縮させ、グリップピン7をピン穴8_Xに向かって移動させる。このため、図10に示すように、ピン穴8_Xに向かってのグリップピン7の移動開始時又は移動開始直後において、プロセッサ23は、検出ユニット15,16の両方が検出可能範囲E_X外に位置すると判断する(S101)。すなわち、プロセッサ23は、検出ユニット15,16の両方が検出対象17_Xを検出していないと、判断する。この際、プロセッサ23は、センサ15α,15βの少なくとも一方がOFF状態であり、かつ、センサ16α,16βの少なくとも一方がOFF状態であることに基づいて、検出ユニット15,16の両方が検出可能範囲E_X外に位置すると判断する。そして、プロセッサ23は、検出ユニット15,16の両方が検出可能範囲E_X外に位置する状態から、伸縮シリンダー3を伸長又は収縮させ、グリップピン7をピン穴8_Xに向かって移動させる(S102)。この際、プロセッサ23は、速度V1で伸縮シリンダー3を伸長又は収縮させる(S103)。なお、プロセッサ23は、ブーム2_jのそれぞれの伸縮状態及び伸縮シリンダー3の伸縮状態の検出結果等から、ピン穴8_Xとグリップピン7との位置関係を算出する。そして、ピン穴8_Xとグリップピン7との位置関係を算出結果等に基づいて、プロセッサ23は、伸縮シリンダー3を伸長又は収縮させる。
【0039】
そして、プロセッサ23は、速度V1で伸縮シリンダー3を伸長又は収縮させている状態において、検出ユニット15,16での検出結果に基づいて、検出ユニット15,16の一方が検出可能範囲E_X内に移動したか否かを判断する(S104)。すなわち、プロセッサ23は、検出ユニット15,16の一方が検出対象17_Xを検出する状態に切替わったか否かを、判断する。この際、プロセッサ23は、センサ15α,15βの両方がON状態になった、又は、センサ16α,16βの両方がON状態になったことに基づいて、検出ユニット15,16の一方が検出可能範囲E_X内に移動したと判断する。検出ユニット15,16の両方が検出可能範囲E_X外に継続して位置すると判断した場合は(S104-No)、処理は、S102に戻り、プロセッサ23は、S102以降の処理を順次に行う。したがって、検出ユニット15,16の両方が検出可能範囲E_X外に位置する限り、速度V1での伸縮シリンダー3の伸長又は収縮が継続される。一方、検出ユニット15,16の一方が検出可能範囲E_X内に移動したと判断した場合も(S104-Yes)、プロセッサ23は、伸縮シリンダー3を伸長又は収縮させ、グリップピン7をピン穴8_Xに向かって移動させる(S105)。ただし、この際、プロセッサ23は、速度V1より小さい速度V2で伸縮シリンダー3を伸長又は収縮させる(S106)。したがって、プロセッサ23は、検出ユニット15,16の両方が検出対象17_Xを検出していない状態から検出ユニット15,16の一方が検出対象17_Xを検出する状態に切替わったことに基づいて、伸縮シリンダー3の伸長速度又は収縮速度を減少させる。
【0040】
そして、プロセッサ23は、速度V2で伸縮シリンダー3を伸長又は収縮させている状態において、検出ユニット15,16での検出結果に基づいて、検出ユニット15,16の両方が検出可能範囲E_X内に移動したか否かを判断する(S107)。すなわち、プロセッサ23は、検出ユニット15,16の両方が検出対象17_Xを同時に検出する状態に切替わったか否かを、判断する。この際、プロセッサ23は、センサ15α,15βの両方がON状態になり、かつ、センサ16α,16βの両方がON状態になったことに基づいて、検出ユニット15,16の両方が検出可能範囲E_X内に同時に位置すると判断する。検出ユニット15,16の一方が検出可能範囲E_X外に継続して位置すると判断した場合は(S107-No)、処理は、S105に戻り、プロセッサ23は、S105以降の処理を順次に行う。したがって、検出ユニット15,16の一方が検出可能範囲E_X外に位置する限り、速度V2での伸縮シリンダー3の伸長又は収縮が継続される。一方、検出ユニット15,16の両方が検出可能範囲E_X内に移動したと判断した場合は(S107-Yes)、プロセッサ23は、長手方向についてピン穴8_Xの位置にグリップピン7が到達したと判断する。そして、プロセッサ23は、駆動シリンダー(グリップピン駆動シリンダー)27を作動させ、グリップピン7を係合駆動させる(S108)。そして、プロセッサ23は、伸縮検出器(グリップピン駆動検出器)33での検出結果、及び、この検出結果を用いた算出結果等に基づいて、グリップピン7がピン穴8_Xに係合しているか否かを判断する(S109)。グリップピン7がピン穴8_Xに係合している場合は(S109-Yes)、プロセッサ23は、伸縮シリンダー3の伸長又は収縮を停止する(S110)。
【0041】
一方、グリップピン7がピン穴8_Xに係合していない場合は(S109-No)、プロセッサ23は、グリップピン7がピン穴8_Xの位置を超えて移動する等して、長手方向についてグリップピン7の位置がピン穴8_Xからずれていると判断する。そして、この際、プロセッサ23は、検出ユニット15,16の一方が検出可能範囲E_X外に移動したと、判断する(S111)。すなわち、プロセッサ23は、検出ユニット15,16の一方が検出対象17_Xを検出しない状態に切替わったと判断する。そして、プロセッサ23は、検出ユニット15,16での検出結果に基づいて、検出ユニット15,16のいずれが検出可能範囲E_X外に移動したかを判断する(S112)。すなわち、プロセッサ23は、検出ユニット15,16のいずれが検出対象17_Xを検出しない状態になったかを判断する。この際、プロセッサ23は、センサ16α,16βの少なくとも一方がOFF状態の場合は、検出ユニット16が検出可能範囲E_X外に移動したと、判断する。そして、プロセッサ23は、センサ15α,15βの少なくとも一方がOFF状態の場合は、検出ユニット15が検出可能範囲E_X外に移動したと、判断する。S112での判断結果に基づいて、プロセッサ23は、ピン穴8_Xに対してグリップピン7が後方側及び前方側のいずれにずれているかを判断する。
【0042】
検出ユニット16が検出可能範囲E_X外に移動したと判断した場合は(S112-Yes)、プロセッサ23は、ピン穴8_Xに対してグリップピン7が前方側にずれていると判断する。そして、プロセッサ23は、伸縮シリンダー3を収縮させ、グリップピン7をピン穴8_Xに向かって移動させる(S113)。この際、プロセッサ23は、速度V2で伸縮シリンダー3を収縮させる(S114)。そして、処理は、S109に進み、プロセッサ23は、S109以降の処理を順次に行う。一方、検出ユニット15が検出可能範囲E_X外に移動したと判断した場合は(S112-No)、プロセッサ23は、ピン穴8_Xに対してグリップピン7が後方側にずれていると判断する。そして、プロセッサ23は、伸縮シリンダー3を伸長させ、グリップピン7をピン穴8_Xに向かって移動させる(S115)。この際、プロセッサ23は、速度V2で伸縮シリンダー3を伸長させる(S116)。そして、処理は、S109に進み、プロセッサ23は、S109以降の処理を順次に行う。したがって、S108においてグリップピン7の係合駆動が行われた後は、グリップピン7がピン穴8_Xに係合するまで、速度V2で伸縮シリンダー3が収縮及び/又は伸長される。
【0043】
本実施形態では、一対の検出ユニット15,16が設けられ、プロセッサ23は、検出ユニット15,16の両方が検出対象17_Xを検出していない状態から検出ユニット15,16の一方が検出対象17_Xを検出する状態に切替わったことに基づいて、グリップピン7がピン穴8_Xにある程度近づいたと判断する。したがって、グリップピン7が目標とするピン穴8_Xに対してある程度の距離まで近づいたことが、適切に判断される。また、本実施形態では、検出ユニット15,16の離間寸法Daが、検出対象17_Xの検出可能範囲E_Xの範囲寸法Ta_X以下になるため、検出ユニット15,16が同時に検出可能範囲E_Xに位置することが可能である。そして、プロセッサ23は、検出ユニット15,16が同時に検出対象17_Xを検出したことに基づいて、長手方向についてピン穴8_Xの位置にグリップピン7が到達したと判断する。したがって、グリップピン7が目標とするピン穴8_Xに到達したことが、適切に判断される。
【0044】
また、本実施形態では、検出ユニット15,16の一方のみが検出対象17_Xを検出した場合において、プロセッサ23は、検出ユニット15,16のいずれが検出対象17_Xを検出したかに基づいて、ピン穴8_Xに対してグリップピン7が後方側及び前方側のいずれにずれているかを判断する。このため、グリップピン7が目標とするピン穴8_Xに対してある程度の距離まで近づいた状態において、グリップピン7がピン穴8_Xに対してずれている方向の判断が、適切に行われる。したがって、グリップピン7がピン穴8_Xの位置を超えて移動する等して、グリップピン7がピン穴8_Xと係合しない場合等において、グリップピン7がピン穴8_Xに対してずれている方向が、適切に判断される。
【0045】
また、本実施形態では、長手方向についてピン穴8_Xを含む検出可能範囲E_Xの全体又は略全体に渡って検出対象17_Xが延設され、検出可能範囲E_X内に位置する状態でのみ、検出ユニット15,16のそれぞれは、検出対象を検出する。そして、検出ユニット15,16での検出結果に基づいて、プロセッサ23は、グリップピン7とピン穴8_Xとの位置関係について判断を行う。したがって、伸縮シリンダー3の伸縮状態等に基づいてグリップピン7とピン穴8_Xとの位置関係を判断する場合等に比べて、より正確に位置関係が判断される。
【0046】
また、本実施形態では、プロセッサ23は、検出ユニット15,16の両方が検出対象17_Xを検出していない状態から検出ユニット15,16の一方が検出対象17_Xを検出する状態に切替わったことに基づいて、伸縮シリンダー3の伸長速度又は収縮速度を減少させる。すなわち、グリップピン7がピン穴8_Xにある程度近づくと、プロセッサ23は、伸縮シリンダー3の伸長速度又は収縮速度を減少させる。このため、伸縮シリンダー3の伸長速度又は収縮速度が減速された状態、すなわち、グリップピン7の長手方向についての移動速度が減少された状態で、グリップピン7が係合駆動される。したがって、グリップピン7の係合駆動によって、グリップピン7がピン穴8_Xに係合し易くなる。
【0047】
また、本実施形態では、検出ユニット15,16のそれぞれにおいて、検出可能範囲E_jにおいて検出対象17_jを検出するセンサ(15a~15dのいずれか;16a~16dのいずれか)、又は、検出可能範囲E_jにおいて検出対象17_jを検出するセンサ(15a~15dのいずれか;16a~16dのいずれか)の組み合わせが、ブーム2_jごとに異なる。検出ユニット15,16の一方又は両方が検出対象17_jのいずれかを検出した場合、プロセッサ23は、検出ユニット15,16の一方又は両方において、いずれのセンサ(15a~15dのいずれか;16a~16dのいずれか)、又は、いずれのセンサ(15a~15dのいずれか;16a~16dのいずれか)の組み合わせがON状態であるかを判断する。そして、プロセッサ23は、判断結果に基づいて、検出された検出対象(17_jの対応する1つ)が設けられるブーム(2_jの対応する1つ)を特定する。すなわち、プロセッサ23は、検出ユニット15,16の一方又は両方において、いずれのセンサ(15a~15dのいずれか;16a~16dのいずれか)、又は、いずれのセンサ(15a~15dのいずれか;16a~16dのいずれか)の組み合わせが検出対象(17_jの対応する1つ)を検出したかに基づいて、検出対象(17_jの対応する1つ)が検出された伸縮ブーム(2_jの対応する1つ)を特定する。このため、検出ユニット15,16の一方又は両方が検出対象17_jのいずれかを検出した場合において、検出された検出対象(17_jの対応する1つ)がピン穴8_Xに対応する検出対象17_Xであるか否かが、適切に判断される。
【0048】
また、本実施形態の検出ユニット15では、検出可能範囲内E_Xに位置する状態において、センサ15α,15βのみがON状態になる。そして、検出可能範囲E_X外では、検出可能範囲E_X以外の検出可能範囲(E_jの中のE_X以外の対応する1つ)内に位置する状態でも、センサ15α,15βの少なくとも一方はOFF状態になる。そして、検出ユニット16についても、検出ユニット15と同様に、センサ16α,16βのそれぞれのON状態とOFF状態との間が、変化する。このため、例えば、センサ15α,15βの一方に不具合が発生した場合でも、検出ユニット16が検出可能範囲E_X内に位置する状態では、プロセッサ23は、検出ユニット16での検出結果に基づいて、ブーム2_Xのピン穴8_Xにグリップピン7がある程度まで近づいたと判断する。同様に、センサ16α,16βの一方に不具合が発生した場合でも、検出ユニット15が検出可能範囲E_X内に位置する状態では、プロセッサ23は、検出ユニット15での検出結果に基づいて、ブーム2_Xのピン穴8_Xにグリップピン7がある程度まで近づいたと判断する。したがって、センサ15a~15d,16a~16dのいずれか1つに不具合が発生した場合でも、プロセッサ23は、伸縮ブーム2_j、すなわち、検出可能範囲E_jを識別可能である。
【0049】
また、センサ15α,15β,16α,16βのいずれか1つに不具合が発生した場合でも、検出可能範囲E_Xに検出ユニット15,16の両方が位置する状態では、正常に作動される3つのセンサ(15α,15β,16α,16βの対応する3つ)はON状態になる。このため、プロセッサ23は、正常に作動される3つのセンサ(15α,15β,16α,16βの対応する3つ)での検出結果に基づいて、グリップピン7がピン穴8_Xに到達したか否かを判断可能である。また、検出可能範囲E_Xに検出ユニット15,16の両方が位置する状態において、不具合が発生したセンサ(15α,15β,16α,16βの対応する1つ)がON状態にならないことにより、プロセッサ23は、不具合が発生したセンサ(15α,15β,16α,16βの対応する1つ)を特定可能である。したがって、センサ15a~15d,16a~16dのいずれか1つに不具合が発生した場合でも、プロセッサ23は、不具合が発生したセンサ(15a~15d,16a~16dの対応する1つ)を特定可能である。
【0050】
(変形例)
なお、図11乃至図13に示す変形例では、検出ユニット15,16に加えて、センサ37が伸縮シリンダー3に取付けられる。センサ(追加センサ)37は、シリンダーチューブ6においてシリンダーロッド5側の端部に配置され、係合部材であるグリップピン7の近傍に配置される。また、センサ37は、伸縮シリンダー3の伸縮に対応して、シリンダーチューブ6、グリップピン7及び検出ユニット15,16と一緒に長手方向について移動する。センサ37は、例えば、センサ15a~15d,16a~16dと同様のセンサであり、近接センサ、磁気センサ又はリミットスイッチ等である。本変形例では、センサ37は、グリップピン7に対して前方側の位置に設けられ、検出ユニット16に対して後方側の位置に設けられる。このため、センサ37からグリップピン7までの長手方向についての離間寸法Ddは、検出ユニット16からグリップピン7までの長手方向についての離間寸法Dcに比べて、小さい。また、センサ37は、検出対象17_Xの検出可能範囲E_Xに位置する状態においても、検出対象17_Xを検出しない。
【0051】
また、本変形例では、伸縮ブーム2_jのそれぞれの基端部に、センサ37によって検出可能な被検出部材(38_jの対応する1つ)が設けられる。例えば、センサ37として近接センサが用いられる場合、被検出部材(追加被検出部材)38_jは、金属プレートである。被検出部材38_jのそれぞれは、対応する伸縮ブーム(2_jの対応する1つ)において、検出可能範囲(Q_jの対応する1つ)を規定する。本変形例では、ブーム2_Xにおいて、長手方向についてピン穴8_Xから検出可能範囲E_Xの前方端の位置まで、連続して検出可能範囲Q_Xが形成される。このため、検出可能範囲Q_Xの長手方向についての範囲寸法Td_Xは、検出可能範囲E_Xの前方端からピン穴8_Xまでの長手方向についての寸法Tc_Xと同一又は略同一になる。センサ37は、長手方向について被検出部材38_Xの検出可能範囲Q_X内に位置する状態において、ON状態になり、被検出部材38_Xを検出する。また、本変形例では、伸縮ブーム2_jがいかなる伸縮状態であっても、検出可能範囲Q_jは長手方向について互いに対して離れて形成される。すなわち、伸縮ブーム2_jがいかなる伸縮状態であっても、被検出部材38_jの検出範囲Q_jは、互いに対して重ならない。また、被検出部材38_jのそれぞれは、センサ37のみによって検出可能であり、センサ15a~15d,16a~16dによって検出されることはない。
【0052】
図11は、グリップピン7を目標となるピン穴8_Xの位置に到達させるまでの移動における、状態変化の一例を示す。なお、図11では、グリップピン7、ピン穴8_X、検出ユニット15,16、検出対象17_X、センサ37及び被検出部材38_Xのみを示し、その他の構成要素は省略する。また、図11では、グリップピン7及び検出ユニット15,16がピン穴8_X及び検出対象17_Xの検出可能範囲E_Xに対して後方側に位置する状態B1から、グリップピン7を移動させる一例を示す。前述のように、ピン穴8_Xへのグリップピン7の移動の開始時及び開始直後は、前述した状態A1と同様に、検出ユニット15,16の両方が、検出対象17_Xの検出可能範囲E_X外に位置し、検出ユニット15,16は、検出対象17_Xを検出しない。このため、センサ15α,15βの少なくとも一方がOFF状態になり、センサ16α,16βの少なくとも一方がOFF状態になる。図11の一例では、状態B1において、センサ15α,15β,16α,16βの全てがOFF状態になる。そして、図11の一例では、状態B1において、センサ37は、いずれの検出可能範囲Q_jにも位置せず、OFF状態となる。すなわち、センサ37は、検出可能範囲Q_X外に位置し、被検出部材38_Xを検出しない。なお、図11では、センサ15α,15β,16α,16β,37のそれぞれは、ON状態を黒塗りで示し、OFF状態を白抜きで示す。
【0053】
状態B1から伸縮シリンダー3を伸長し、検出ユニット15,16、センサ37及びグリップピン7を前方側に移動させる。これにより、検出ユニット(前方側検出ユニット)16が検出可能範囲E_Xに移動する(状態B2)。検出ユニット16が検出可能範囲E_Xに移動することにより、前述の状態A2と同様に、検出ユニット16が、検出対象17_Xを検出する。ただし、状態B2では、グリップピン7は、ピン穴8_Xに対して後方側にずれ、検出ユニット(後方側検出ユニット)15は、検出対象17_Xの検出可能範囲E_Xに対して後方側に位置する。このため、状態B2では、検出ユニット15は、検出対象17_Xを検出しない。また、状態B2に変化しても、センサ37は、検出可能範囲Q_X外に位置し、被検出部材38_Xを検出しない。
【0054】
状態B2から、伸縮シリンダー3を伸長させ、検出ユニット15,16、センサ37及びグリップピン7を前方側に移動させると、センサ37が、検出可能範囲Q_X内に移動する(状態B3)。このため、センサ37は、ON状態になり、被検出部材38_Xを検出する。状態B3に変化しても、検出ユニット16は検出可能範囲E_Xに位置し、検出対象17_Xを検出する。また、状態B3に変化しても、検出ユニット15は、検出可能範囲E_Xに対して後方側に位置し、検出対象17_Xを検出しない。本変形例では、プロセッサ23は、検出可能範囲Q_X内への移動によってセンサ37がOFF状態からON状態に切替わったことに基づいて、グリップピン7を係合駆動させる。すなわち、センサ37が被検出部材38_Xを検出したことに基づいて、プロセッサ23は、グリップピン7を係合駆動させる。
【0055】
状態B3から、伸縮シリンダーを伸長させ、検出ユニット15,16、センサ37及びグリップピン7を前方側に移動させると、検出ユニット(後方側検出ユニット)15も、検出可能範囲E_Xに移動する(状態B4)。これにより、前述の状態A3と同様に、検出ユニット15が、検出対象17_Xを検出する。状態B4では、検出ユニット15,16の両方が、検出可能範囲E_X内に同時に位置するため、検出ユニット15,16の両方が、検出対象17_Xを同時に検出する。そして、状態A3と同様に状態B4では、長手方向についてグリップピン7の位置が、ピン穴8_Xと重なる又はほぼ重なる。また、状態B4に変化しても、センサ37は検出可能範囲Q_Xに位置し、被検出部材38_Xを検出する。
【0056】
また、前述のように、作業等においては、グリップピン7がピン穴8_Xと係合する前に、状態B4から伸縮シリンダー3がさらに伸長し、グリップピン7がさらに前方側に移動することがある。この場合、検出ユニット(前方側検出ユニット)16が、検出対象17_Xの検出可能範囲E_X外まで移動し、検出可能範囲E_Xに対して前方側に位置する(状態B5)。このため、状態A4と同様に、検出ユニット16で検出対象17_Xが検出されなくなる。状態B5では、グリップピン7は、ピン穴8_Xに対して前方側にずれる。また、状態A5では、検出ユニット15が、検出可能範囲E_X内に位置し、検出対象17_Xを検出する。そして、図11の一例では、状態B5において、センサ37は検出可能範囲Q_Xに位置し、被検出部材38_Xを検出する。
【0057】
作業等において、グリップピン7がピン穴8_Xと係合する前に状態B5になった場合は、前述のように、伸縮シリンダー3を収縮させ、グリップピン7及び検出ユニット15,16を後方側に移動させる。そして、長手方向についてグリップピン7の位置がピン穴8_Xと重なる又はほぼ重なる状態B4において、グリップピン7をピン穴8_Xと係合させる。この際、グリップピン7がピン穴8_Xと係合する前に、状態B4から伸縮シリンダー3がさらに収縮し、例えば、状態B3の位置までグリップピン7が後方側に移動することがある。この場合、再び伸縮シリンダー3を伸長させ、グリップピン7及び検出ユニット15,16を再び前方側へ移動させる。そして、状態B4において、グリップピン7をピン穴8_Xと係合させる。したがって、本変形例でも前述の実施形態等と同様に、状態B4においてグリップピン7がピン穴8_Xと係合するまで、状態B3からの伸縮シリンダー3の伸長、及び、状態B5からの伸縮シリンダー3の収縮が、繰返し行われる。
【0058】
図12は、グリップピン7の目標となるピン穴8_Xを基準とする長手方向についての変位ε_Xに対する、検出ユニット15,16のそれぞれが目標となる検出対象17_Xを検出する範囲、及び、センサ37が目標となる被検出部材38_Xを検出する範囲の関係を示す。なお、変位ε_Xは、ピン穴8_Xに対して後方側を正とし、ピン穴8_Xに対して前方側を負とする。また、図12では、検出ユニット15が検出対象17_Xを検出する変位ε_Xの範囲を実線で、検出ユニット16が検出対象17_Xを検出する変位ε_Xの範囲を破線で、センサ37が被検出部材38_Xを検出する変位ε_Xの範囲を一点鎖線で示す。図12に示すように、本変形例でも前述の実施形態等と同様に、範囲Z1_Xにおいて、検出ユニット15,16の少なくとも一方が検出対象17_Xを検出し、範囲Z2_Xにおいて、検出ユニット15,16の両方が同時に検出対象17_Xを検出する。そして、範囲Z3_Xにおいて、検出ユニット15のみが検出対象17_Xを検出し、範囲Z4_Xにおいて、検出ユニット16のみが検出対象17_Xを検出する。また、本変形例では、変位ε_Xの絶対値がε3_X以下になる範囲Z5_Xにおいて、センサ37が被検出部材38_Xを検出する。ここで、ε3_Xは、ε2_Xより大きく、かつ、ε1_Xより小さい。このため、範囲Z5_Xは、全体が範囲Z1_Xに含まれる。そして、範囲Z2_Xは、全体が範囲Z5_Xに含まれる。
【0059】
図13は、伸縮シリンダー3のブーム2_Xへの連結においてプロセッサ23によって行われる処理を示す。本変形例でも、前述の実施形態と同様に、プロセッサ23は、前述したS101~S106,S108~S116の処理が行われる。ただし、本変形例では、S107の処理の代わりに、プロセッサ23は、センサ37が検出可能範囲Q_X内に移動したか否かを判断する(S117)。すなわち、プロセッサ23は、センサ37が被検出部材38_Xを検出する状態に切替わったか否かを、判断する。この際、プロセッサ23は、検出ユニット15,16の一方が検出可能範囲E_X内に移動した後に、センサ37がOFF状態からON状態になったことに基づいて、センサ37が検出可能範囲Q_X内に位置すると判断する。センサ37が検出可能範囲Q_X外に継続して位置すると判断した場合は(S117-No)、処理は、S105に戻り、プロセッサ23は、S105以降の処理を順次に行う。したがって、センサ37が検出可能範囲Q_X外に位置する限り、速度V2での伸縮シリンダー3の伸長又は収縮が継続される。一方、センサ37が検出可能範囲Q_X内に移動したと判断した場合は(S117-Yes)、プロセッサ23は、駆動シリンダー(グリップピン駆動シリンダー)27を作動させ、グリップピン7を係合駆動させる(S108)。
【0060】
前述のような処理が行われるため、本変形例では、検出ユニット15,16の一方が検出可能範囲E_X内に移動した後で、かつ、検出ユニット15,16の両方が検出可能範囲E_X内に移動する前に、グリップピン7が係合駆動される。すなわち、グリップピンがピン穴8_Xに近づくと、グリップピン7がピン穴8_Xに到達する前(直前)に、グリップピン7が係合駆動される。このため、グリップピン7がピン穴8_Xと係合する前にグリップピン7がピン穴8_Xの位置を超えて移動することが、有効に防止される。これにより、グリップピン7がピン穴8_Xに係合させ易くなる。なお、本変形例でも、前述の実施形態等と同様の作用及び効果を有する。
【0061】
また、別のある変形例では、伸縮シリンダー3にレーザー等によって距離を検出する検出器が設けられる。本変形例では、検出器での検出結果及び検出器での検出結果に基づく算出結果等に基づいて、プロセッサ23は、ブーム2-Xの基端から検出器までの距離を算出する。そして、検出器での距離の算出結果に基づいて、プロセッサ23は、グリップピン7がピン穴8_Xにある程度の距離まで近づいたか否かを判断する。そして、グリップピン7がピン穴8_Xまである程度まで近づいたと判断した場合は、プロセッサ23は、伸縮シリンダー3の伸長速度又は収縮速度を減少させる。ただし、本変形例でも、検出ユニット15,16が同時に検出対象17_Xを検出したことに基づいて、プロセッサ23は、長手方向についてピン穴8_Xの位置にグリップピン7が到達したと判断する。また、検出ユニット15,16の一方のみが検出対象17_Xを検出した場合は、プロセッサ23は、検出ユニット15,16のいずれが検出対象17_Xを検出したかに基づいて、ピン穴8_Xに対してグリップピン7が後方側及び前方側のいずれにずれているかを判断する。したがって、本変形例でも、前述の実施形態等と同様の作用及び効果を有する。
【0062】
なお、本願発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、各実施形態は可能な限り適宜組み合わせて実施してもよく、その場合組み合わせた効果が得られる。更に、上記実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適当な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。
【符号の説明】
【0063】
1…多段ブームユニット、2_i…ブーム、3…伸縮シリンダー、7…グリップピン、8_j…ピン穴、15,16…検出ユニット、15a~15d,16a~16d…センサ、17_j…検出対象、17a~17d…被検出部材、23…プロセッサ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13